IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7052481ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム
<>
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図1
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図2
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図3
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図4
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図5
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図6
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図7
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図8
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図9
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図10
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図11
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図12
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図13
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図14
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図15
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図16
  • 特許-ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、設定情報の運用方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220405BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220405BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B41J29/38 401
G06F13/00
G06F3/12 303
G06F3/12 336
G06F3/12 331
B41J29/00 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018062969
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019171690
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】堀野 広憲
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-206940(JP,A)
【文献】特開2018-011183(JP,A)
【文献】特開2012-113532(JP,A)
【文献】特開2014-100887(JP,A)
【文献】特開2011-192117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054962(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 13/00
G06F 3/12
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定情報を記憶する管理装置と、ネットワークを介して前記管理装置と通信を行う情報処理装置と、を備えたネットワークシステムであって、
前記情報処理装置は、
近距離無線通信を用いて、前記ネットワークに接続するための接続情報を受信する受信手段と、
前記接続情報を用いて接続されたネットワークを介して、前記情報処理装置の識別情報を含む取得要求を前記管理装置に送信する第1の送信手段と、
前記取得要求に応じて前記管理装置から前記情報処理装置の設定に用いる設定情報を取得する取得手段と、
前記取得された設定情報を用いて、前記情報処理装置の設定処理を行う設定処理手段と、
を備え、
前記管理装置は、前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記情報処理装置に送信する第2の送信手段
を備える、ネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムであって、前記情報処理装置は、更に、
前記接続情報を受信した場合、前記管理装置へ、前記設定情報の取得要求を送信する送信手段を備え、
前記取得手段は、前記取得要求に対する応答として、前記設定情報を取得する、ネットワークシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワークシステムであって、前記情報処理装置は、更に、
ユーザによる特定の入力操作を受け付ける受付手段を備え、
前記送信手段は、前記特定の入力操作が受け付けられた状態で、前記接続情報を受信した場合、前記管理装置へ前記取得要求を送信する、ネットワークシステム。
【請求項4】
前記送信手段は、前記取得要求とともに、認証情報を送信し、
前記取得手段は、前記管理装置によって前記認証情報が認証された場合に、前記設定情報を取得する、
請求項2または3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のネットワークシステムであって、更に、
前記近距離無線通信を用いて、前記情報処理装置へ前記接続情報を送信する近距離無線通信手段と、前記接続情報を記憶する第1の記憶手段と、を備える携帯端末を備え、
前記管理装置は、前記設定情報を記憶する第2の記憶手段を備える、ネットワークシステム。
【請求項6】
前記第2の記憶手段は、異なる設定情報を当該設定情報の識別情報に関連付けて記憶し、
前記取得手段は、前記接続情報に含まれる前記識別情報に基づいて、前記識別情報に関連づけられた前記設定情報を取得する、
請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
設定情報を記憶する管理装置と、ネットワークを介して前記管理装置と通信を行う情報処理装置と、を備えたネットワークシステムが実行する設定情報の適用方法であって、
前記情報処理装置は、
近距離無線通信を用いて、前記ネットワークに接続するための接続情報を受信する受信ステップと、
前記接続情報を用いて接続されたネットワークを介して、前記情報処理装置の識別情報を含む取得要求を前記管理装置に送信する第1の送信ステップと、
前記取得要求に応じて前記管理装置から前記情報処理装置の設定に用いる設定情報を取得する取得ステップと、
前記取得された設定情報を用いて、前記情報処理装置の設定処理を行う設定処理ステップと、
を実行し、
前記管理装置は、
前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記情報処理装置に送信する第2の送信ステップ、
を実行する設定情報の適用方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項7に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ネットワークシステム、設定情報の適用方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多様な設定項目を有する情報処理装置の運用を開始する場合、まず、情報処理装置の初期設定を行う必要がある。例えば、無線LAN(Local Area Network)を用いて通信ネットワークに接続する情報処理装置の場合、無線パラメータ等のネットワーク設定を行わなければならない。また、無線パラメータ以外にも、情報処理装置の機能を利用するための各種設定が必要となり、初期設定にかかる手間がユーザにとって負担となっていた。
【0003】
そこで、従来、ユーザの手入力によって行われていた初期設定作業を、NFC(Near field communication)等の近距離無線通信を用いて、設定情報を情報処理装置へ適用する技術が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1は、NFC搭載機器のメモリ領域に保持された証明書情報を読み取り、読み取った証明書情報の有効期限に応じて、新しい証明書情報をNFC搭載機器に書き込む内容を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の方法では、NFC搭載機器のメモリ領域が限られているとともに、NFC等の近距離無線通信によって一度に送信できるデータ量も限られるため、情報処理装置の設定に必要な全ての設定情報を、近距離無線通信を用いて一度に送信することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るネットワークシステムは、設定情報を記憶する管理装置と、ネットワークを介して前記管理装置と通信を行う情報処理装置と、を備えたネットワークシステムであって、前記情報処理装置は、近距離無線通信を用いて、前記ネットワークに接続するための接続情報を受信する受信手段と、前記接続情報を用いて接続されたネットワークを介して、前記情報処理装置の識別情報を含む取得要求を前記管理装置に送信する第1の送信手段と、前記取得要求に応じて前記管理装置から前記情報処理装置の設定に用いる設定情報を取得する取得手段と、前記取得された設定情報を用いて、前記情報処理装置の設定処理を行う設定処理手段と、を備え、前記管理装置は、前記識別情報に関連付けられた前記設定情報を前記情報処理装置に送信する第2の送信手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、近距離無線通信を用いた情報処理装置の設定処理の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るネットワークシステムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る携帯端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る設定情報管理テーブルの一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るネットワークシステムにおける設定情報の適用方法の一例を示すシーケンス図である。
図8】第1の実施形態に係る情報処理装置における設定情報の適用処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る情報処理装置における設定情報の適用処理の一例を示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。
図12】第3の実施形態に係る設定情報管理テーブルの一例を示す図である。
図13】第3の実施形態に係る管理サーバにおける設定情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第4の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。
図15】第4の実施形態に係る認証情報管理テーブルの一例を示す図である。
図16】第4の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。
図17】第4の実施形態に係る管理サーバにおける設定情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
●第1の実施形態●
●システム構成
図1は、第1の実施形態に係るネットワークシステムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すネットワークシステムは、近距離無線通信を用いた情報処理装置10の設定処理の利便性を向上させることができるシステムである。
【0011】
ネットワークシステムは、情報処理装置10、携帯端末50および管理サーバ70によって構成されている。情報処理装置10および管理サーバ70は、通信ネットワーク5を介して接続されている。通信ネットワーク5は、例えば、LAN(Local Area Network)、専用線およびインターネット等によって構築される。通信ネットワーク5は、有線だけでなく、Wi-Fi(Wireless Fidelity(登録商標))等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
【0012】
情報処理装置10は、NFC(Near field communication)リーダライタ(R/W)30と接続されている。情報処理装置10は、携帯端末50が保持するネットワーク設定に必要な情報を、NFCリーダライタ(R/W)30を介して取得する。NFC通信は、近距離無線通信の一例である。近距離無線通信は、これに限られず、RFID(Radio Frequency IDentifier)、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、赤外線またはZigbee(登録商標)等であってもよい。この場合、情報処理装置10は、NFCリーダライタ(R/W)30に変えて、それぞれの近距離無線通信に対応する通信インターフェースを備える。
【0013】
情報処理装置10は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product:複合機)、ファクシミリ、スキャナ、またはプリンタ等の画像処理機能並びに通信機能を備える画像形成装置である。なお、情報処理装置10は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。情報処理装置10は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0014】
携帯端末50は、NFC通信等の非接触型の近距離無線通信機能を備えた端末装置である。携帯端末50は、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPC(Personal Computer)等の一般的な構成のパーソナルコンピュータを用いることができる。携帯端末50は、NFC通信等の近距離無線通信を用いて、情報処理装置10へ通信ネットワーク5の接続情報を送信する。なお、携帯端末50は、NFC通信を利用するICカードを用いた社員証、学生証または定期券等であってもよい。
【0015】
管理サーバ70は、情報処理装置10の各種設定に用いる設定情報を管理するサーバ装置である。管理サーバ70は、通信ネットワーク5を介して接続された情報処理装置10へ、情報処理装置10の各種設定に用いる設定情報を送信する。
【0016】
第1の実施形態に係るネットワークシステムは、NFC通信のような非接触型の近距離無線通信を用いて、通信ネットワーク5の接続情報および管理サーバ70の宛先情報を、携帯端末50から情報処理装置10(情報処理装置10に接続されたNFCリーダライタ(R/W)30)へ送信する。情報処理装置10は、受信した通信ネットワーク5の接続情報および管理サーバ70の宛先情報を用いて、設定情報を格納した管理サーバ70との通信を行うことが可能となる。
【0017】
そして、情報処理装置10は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70から設定情報を取得して自身に適用する。そのため、第1の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10に携帯端末50をかざすだけで、情報処理装置10の設定処理が完了するので、情報処理装置10の初期設定作業を簡単に行うことができる。
【0018】
なお、携帯端末50は、管理サーバ70の機能を兼ね備える構成であってもよい。この場合、携帯端末50は、例えば、通信ネットワーク5に接続可能であり、情報処理装置10の設定に必要な設定情報を記憶している。携帯端末50は、NFC通信を用いて、通信ネットワーク5の接続情報および通信ネットワーク5における携帯端末50の宛先情報を、情報処理装置10へ送信する。
【0019】
●ハードウエア構成
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図2に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を備えていてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。情報処理装置10は、コントローラ120を備える。コントローラ120は、CPU(Central Processing Unit)101、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)102、フラッシュメモリ103、HDD(Hard Disk Drive)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105およびネットワークインターフェース(I/F)106を備える。
【0020】
ASIC105は、CPUインターフェース、SDRAMインターフェース、ローカルバスインターフェース、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスインターフェース、MAC(Media Access Controller)およびHDDインターフェース等を備える多機能デバイスボードである。
【0021】
CPU101は、ASIC105を介して本発明に係るプログラム等の各種プログラムを、HDD104から読み取り実行する。情報処理装置10は、例えば、本発明に係るプログラムをCPU101が実行することによって、本発明に係る設定情報の適用方法を実現する。SDRAM102は、各種プログラムを記憶するプログラムメモリ、またはCPU101が各種プログラムを実行する際に使用するワークメモリ等として機能する。なお、SDRAM102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)を用いてもよい。
【0022】
フラッシュメモリ103は、不揮発性メモリであり、情報処理装置10を起動させるブートローダ(ブートプログラム)、OS(Operation System)、SDK(Software Development Kit)、API(Application Programming Interface)等のプログラムを記憶する。また、フラッシュメモリ103は、各プログラムを記憶するアプリケーションメモリとして機能する。さらに、フラッシュメモリ103は、各サービス(コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス)のソフトウェアを記憶するサービスメモリとして機能する。
【0023】
また、フラッシュメモリ103は、ファームウエアを記憶するファームメモリ、またはネットワークアドレスもしくは機種機番等を記憶するデータメモリとして機能する。なお、フラッシュメモリ103は、RAM(Random Access Memory)と電池を利用したバックアップ回路を集積した不揮発性RAM、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の他の不揮発性メモリを使用してもよい。
【0024】
HDD104は、情報処理装置10の電源のオン、オフに関わりなくデータを記憶する不揮発性の記憶媒体である。HDD104は、フラッシュメモリ103内に記憶されたプログラムおよびデータ以外のプログラム、並びにデータを記録する。なお、HDD104は、ファームメモリとして使用してもよい。ネットワークインターフェース(I/F)106は、有線LAN(Ethernet(登録商標))またはWi-Fi等の無線LANによって、通信ネットワーク5を介して通信(接続)を行うためのインターフェースである。ネットワークインターフェース(I/F)106は、アンテナ、無線部、MAC部等を含む。
【0025】
操作パネル107は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を用いてコントローラ120と接続されている。操作パネル107は、各種の操作キー、表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)またはCRT(Cathode-Ray Tube)の文字表示器およびタッチパネルを有する。情報処理装置10は、操作パネル107を操作することにより、データの入力、ジョブの実行、表示をすることができる。
【0026】
さらに、コントローラ120は、PCIバス114を介して、ファックス制御ユニット108、記録メディア109aが脱着可能なUSB109、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394(110)、プロッタエンジン111、スキャナエンジン112、NFCリーダライタ(R/W)30が接続されている。これにより、情報処理装置10は、コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス等の各サービスを提供することができる。プロッタエンジン111は、電子写真方式またはインクジェット方式のいずれの方式を採用していてもよい。
【0027】
NFCリーダライタ(R/W)30は、近距離無線通信機能を有するICタグである。NFCリーダライタ(R/W)30は、近距離無線通信を行う通信インターフェースと、近距離無線通信を介して通信するデータを記憶する記憶領域とを有する。NFCリーダライタ(R/W)30は、例えば、情報処理装置10の筐体の所定の位置に取り付けられる。NFCリーダライタ(R/W)30が情報処理装置10に取り付けられる位置は、特に限定されないが、携帯端末50との間での近距離無線通信が容易な位置に取り付けると好ましい。なお、NFC通信とは異なる近距離無線通信を用いる場合、情報処理装置10は、NFCリーダライタ(R/W)30に変えて、近距離無線通信に対応する通信インターフェースを備える。
【0028】
なお、図2に図示する構成は一例に過ぎず、情報処理装置10のハードウエア構成は、これに限られない。ネットワークインターフェース(I/F)106は、例えば、PCIバス114に接続されていてもよい。さらに、ネットワークインターフェース(I/F)106は、電話回線網に接続するDSU(Digital Service Unit)またはモデムを有していてもよい。ネットワークインターフェース(I/F)106は、携帯電話網に接続する通信装置を有していてもよい。
【0029】
続いて、第1の実施形態に係る携帯端末のハードウエア構成について説明する。携帯端末50は、一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、一般的なコンピュータのハードウエア構成例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る携帯端末のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図3は、携帯端末50のハードウエア構成を示すが、管理サーバ70も同様の構成を有していてもよい。
【0030】
携帯端末50は、CPU501、ROM(Read Only Memory)502、RAM503、ストレージ504、キーボード505、ディスプレイインターフェース(I/F)506、メディアインターフェース(I/F)507、ネットワークインターフェース(I/F)508、NFCリーダライタ(R/W)509およびバス510を備える。
【0031】
CPU501は、ROM502またはストレージ504等に格納されたプログラムまたはデータをRAM503上に読み出し、処理を実行することで、携帯端末50の各機能を実現する演算装置である。
【0032】
ROM502は、電源を切ってもプログラムまたはデータを保持することができる不揮発性のメモリである。ROM502は、例えば、フラッシュROM等により構成される。ROM502は、SDKおよびAPI等のアプリケーションをインストールしており、インストールされたアプリケーションを用いて、携帯端末50の機能またはネットワーク接続等を実現することが可能である。
【0033】
RAM503は、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ504は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスである。ストレージ504は、例えば、OS、アプリケーションプログラムおよび各種データ等を記憶する。
【0034】
キーボード505は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。入力手段は、キーボード505のみならず、例えば、マウス、タッチパネルまたは音声入力装置等であってもよい。ディスプレイインターフェース(I/F)506は、LCD等のディスプレイ506aに対するカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字または画像等の各種情報の表示を制御する。ディスプレイ506aは、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。メディアインターフェース(I/F)507は、USBメモリ、メモリカード、光学ディスクまたはフラッシュメモリ等の記録メディア507aに対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0035】
ネットワークインターフェース(I/F)506は、通信ネットワーク5を介して、データ通信をするためのインターフェースである。ネットワークインターフェース(I/F)506は、例えば、無線LANの通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース(I/F)506は、有線LAN、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4rd Generation)、5G(5rd Generation)、ミリ波無線通信の通信インターフェースを備えてもよい。
【0036】
NFCリーダライタ(R/W)509は、NFC通信を用いたICタグの読み書き装置である。なお、NFC通信とは異なる近距離無線通信を用いる場合、携帯端末50は、NFCリーダライタ(R/W)509に変えて、近距離無線通信に対応する通信インターフェースを備える。
【0037】
バス510は、上記の各構成要素に共通に接続され、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU501、ROM502、RAM503、ストレージ504、キーボード505、ディスプレイインターフェース(I/F)506、メディアインターフェース(I/F)507、ネットワークインターフェース(I/F)508およびNFCリーダライタ(R/W)509は、バス510を介して相互に接続されている。
【0038】
●機能構成
続いて、第1の実施形態に係るネットワークシステムを構成する各装置の機能構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。図4に示す情報処理装置10により実現される機能は、ネットワーク通信部11、近距離無線通信部12、ネットワーク制御部13、設定処理部14、機能制御部15、表示制御部16、記憶・読出部17および記憶部18を含む。
【0039】
ネットワーク通信部11は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70との間で各種データの送受信を行う機能である。ネットワーク通信部11は、例えば、近距離無線通信部12によって受信された、後述するネットワーク情報40を用いて、管理サーバ70と通信を行う。ネットワーク通信部11は、例えば、図2に示したネットワークインターフェース(I/F)106およびCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
【0040】
近距離無線通信部12は、近距離無線通信を介して、携帯端末50との間で各種データの送受信を行う機能である。近距離無線通信部12は、例えば、NFC通信を用いて、携帯端末50からネットワーク情報40を受信する。近距離無線通信は、NFC通信に限られず、RFID、BLE、赤外線またはZigBee等であってもよい。近距離無線通信部12は、例えば、図2に示したNFCリーダライタ(R/W)30およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
【0041】
近距離無線通信を介して通信可能なデータのフォーマットは、予め定められた形式であれば、任意の構成でよい。例えば、近距離無線通信がNFC通信である場合、NDEF(NFC Data Exchange Format)のフォーマットを用いることが好ましい。近距離無線通信は、一度に通信可能なデータ量が限られるため、近距離無線通信を介して複数のデータを送信する場合、一つずつ送信するか、またはデータを書き込むフォーマット自体を変更する必要がある。
【0042】
ネットワーク制御部13は、通信ネットワーク5に対する接続を制御する機能である。ネットワーク制御部13は、例えば、近距離無線通信部12によって受信されたネットワーク情報40を用いて、通信ネットワーク5に対するネットワーク設定を行う。ネットワーク制御部13は、例えば、図2に示したCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
【0043】
設定処理部14は、管理サーバ70から取得した設定情報を適用する機能である。設定処理部14は、例えば、初期設定時において、通信ネットワーク5を介して管理サーバ70から取得した設定情報を適用する。なお、設定処理部14は、ユーザ入力操作によって受け付けられた設定情報を適用してもよい。設定処理部14は、例えば、図2に示したCPU101で実行されるプログラム等によって実現される。
【0044】
機能制御部15は、情報処理装置10のコピー機能またはスキャナ機能等の各種機能を実行する機能である。機能制御部15は、図2に示したプロッタエンジン111、スキャナエンジン112およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。表示制御部16は、図2に示した操作パネル107に、ユーザによる入力操作を受け付ける操作画面等の表示を行う機能である。表示制御部16は、例えば、図2に示した操作パネル107、およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
【0045】
記憶・読出部17は、記憶部18に各種データを記憶し、記憶部18から各種データを読み出す機能である。記憶部18は、情報処理装置10の設定情報、または情報処理装置10において処理されたデータ等を記憶している。記憶・読出部17および記憶部18は、例えば、図2に示したフラッシュメモリ103、HDD104およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
【0046】
図4に示す携帯端末50により実現される機能は、近距離無線通信部51、ネットワーク情報管理部52、記憶・読出部53および記憶部54を含む。
【0047】
近距離無線通信部51は、近距離無線通信を用いて、情報処理装置10との間で各種データの送受信を行う機能である。近距離無線通信部51は、例えば、NFC通信を用いて、記憶部54に記憶されたネットワーク情報40を、情報処理装置10へ送信する。近距離無線通信部51は、例えば、NFCリーダライタ(R/W)509およびCPU501で実行されるプログラム等により実現される。近距離無線通信部51は、近距離無線通信手段の一例である。
【0048】
ネットワーク情報管理部52は、近距離無線通信を用いて送信されるネットワーク情報40を管理する機能である。ネットワーク情報管理部52は、例えば、記憶部54にネットワーク情報40を登録する。ネットワーク情報管理部52は、例えば、図3に示したCPU501で実行されるプログラム等により実現される。
【0049】
記憶・読出部53は、記憶部54に各種データを記憶し、記憶部54から各種データを読み出す機能である。記憶部54は、近距離無線通信を用いて、情報処理装置10に送信するデータを記憶する。記憶部54は、例えば、通信ネットワーク5および管理サーバ70に接続するための接続情報であるネットワーク情報40を記憶している。記憶・読出部53および記憶部54は、例えば、図3に示したROM502、ストレージ504およびCPU501で実行されるプログラム等により実現される。記憶部54は、第1の記憶手段の一例である。
【0050】
○ネットワーク情報
ここで、記憶部54に記憶されたネットワーク情報40の詳細について説明する。図5は、第1の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。図5に示すネットワーク情報40は、通信ネットワーク5および管理サーバ70に接続するための接続情報である。ネットワーク情報40は、通信ネットワーク5に接続するための接続情報として、IP種別、IPアドレス、ゲートウェイアドレスおよびDNS(Domain Name System)サーバアドレスの項目を含む。
【0051】
IP種別は、通信ネットワーク5の接続に用いるIPアドレスの種別であり、例えば、IPv4またはIPv6である。IPアドレスは、IP種別により指定した種別を用いて、通信ネットワーク5に接続するためのIPアドレスである。ゲートウェイアドレスは、通信ネットワーク5に接続するためのデフォルトゲートウェイのアドレスである。DNSサーバアドレスは、通信ネットワーク5に接続されるDNSサーバのアドレスである。DNSサーバは、通信ネットワーク5に接続された各装置からのドメイン名の問い合わせを受け、ドメイン名の「ドメイン名」を「IPアドレス」に変換(名前解決)する。
【0052】
また、ネットワーク情報40は、管理サーバ70に接続するための接続情報として、管理サーバアドレスの情報を含む。管理サーバアドレスは、管理サーバ70の宛先を示す宛先情報であり、例えば、IPアドレスである。
【0053】
図6に示すネットワーク情報40は、例えば、IPv4アドレスが「11.22.33.44」、ゲートウェイアドレスが「11.22.33.1」、DNSサーバアドレスが「11.22.33.20」、管理サーバアドレスが「11.22.33.10」である。
【0054】
携帯端末50は、近距離無線通信を用いて、記憶部54に記憶されたネットワーク情報40を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、携帯端末50から受信したネットワーク情報40を用いて、通信ネットワーク5に接続する。そして、情報処理装置10は、接続した通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70にアクセスすることができる。
【0055】
図4に戻り、第1の実施形態に係るネットワークシステムを構成する装置の機能構成の説明を続ける。図4に示す管理サーバ70により実現される機能は、送受信部71、設定情報管理部72、記憶・読出部73および記憶部74を含む。
【0056】
送受信部71は、通信ネットワーク5を介して、情報処理装置10との間で各種データを送受信する機能である。送受信部71は、例えば、情報処理装置10から送信された設定情報の取得要求を受信する。また、送受信部71は、例えば、記憶部74に記憶された設定情報を、情報処理装置10へ送信する。送受信部71は、例えば、図3に示したネットワークインターフェース(I/F)508およびCPU501で実行されるプログラム等により実現される。
【0057】
設定情報管理部72は、情報処理装置10の設定に用いる設定情報を管理する機能である。設定情報管理部72は、例えば、後述する設定情報管理テーブル80に、設定情報を登録する。設定情報管理部72は、例えば、図3に示したCPU501で実行されるプログラム等により実現される。
【0058】
記憶・読出部73は、記憶部74に各種データを記憶し、記憶部74から各種データを読み出す機能である。記憶部74は、情報処理装置10の設定に用いる設定情報が管理された設定情報管理テーブル80を記憶している。記憶・読出部73および記憶部74は、例えば、図3に示したROM502、ストレージ504およびCPU501で実行されるプログラム等により実現される。記憶部74は、第2の記憶手段の一例である。
【0059】
○設定情報管理テーブル
ここで、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80の詳細について説明する。図6は、第1の実施形態に係る設定情報管理テーブルの一例を示す図である。図6に示す設定情報管理テーブル80は、情報処理装置10の設定に用いる設定情報を記憶している。設定情報管理テーブル80は、設定情報として、言語設定、ログ転送設定およびログ転送先アドレス等の項目を含む。設定情報管理テーブル80に含まれる設定情報は、ネットワークシステムの管理者による登録操作、または所定の情報処理装置10の設定情報を受信することによって登録される。
【0060】
言語設定は、情報処理装置10の操作画面等に表示される表示言語を設定するための項目である。ログ転送設定は、情報処理装置10の動作ログを他の装置に転送するか否かを設定するための項目である。ログ転送先アドレスは、情報処理装置10の動作ログの転送先の装置の宛先を設定するための項目である。
【0061】
図6に示す設定情報管理テーブル80は、言語設定が「日本語」、ログ転送設定が「する(ログ転送を行う)」、ログ転送先アドレスが「11.22.33.15」である設定情報を含む。管理サーバ70は、情報処理装置10からの設定情報の取得要求を受信した場合、設定情報管理テーブル80に含まれるそれぞれの設定情報を、情報処理装置10へ送信する。
【0062】
なお、設定情報管理テーブル80に含まれる項目は、これに限られない。例えば、設定情報管理テーブル80は、情報処理装置10の機能制御部15によって実現されるコピー機能またはスキャナ機能等の設定に用いる項目を含んでもよい。
【0063】
また、設定情報管理テーブル80は、ユーザまたは情報処理装置10ごとに、異なる設定情報を記憶してもよい。この場合、情報処理装置10から送信される、設定情報の取得要求は、ユーザの識別情報(例えば、ユーザID、ユーザ名等)または情報処理装置10の識別情報(例えば、装置ID、装置名等)を含む。そして、管理サーバ70は、設定情報管理テーブル80に含まれる、当該識別情報に関連づけられた(対応づけられた)設定情報を、情報処理装置10へ送信する。
【0064】
●設定情報の適用処理
続いて、第1の実施形態に係るネットワークシステムにおいて、情報処理装置10に設定情報が適用されるまでの処理を説明する。図7は、第1の実施形態に係るネットワークシステムにおける設定情報の適用方法の一例を示すシーケンス図である。
【0065】
ステップS101において、携帯端末50は、NFC通信を用いて、情報処理装置10へ、ネットワーク情報40を送信する。具体的には、携帯端末50を所持するユーザは、情報処理装置10の周辺に近づく。携帯端末50の近距離無線通信部51は、情報処理装置10とのNFC通信が可能な領域まで近づいた場合、情報処理装置10とのNFC通信を行う。携帯端末50の近距離無線通信部51は、NFC通信を用いて、情報処理装置10へ、記憶部54に記憶されたネットワーク情報40を送信する。
【0066】
そして、情報処理装置10の近距離無線通信部12は、携帯端末50から送信されたネットワーク情報40を受信する(受信ステップの一例)。近距離無線通信を用いて送受信されるネットワーク情報40は、図5に示したように、通信ネットワーク5に接続するための接続情報および管理サーバ70の宛先情報を含む。なお、ネットワーク情報40は、予め携帯端末50に記憶され登録されているものとする。
【0067】
ステップS102において、情報処理装置10の近距離無線通信部12は、ネットワーク情報40を受信した場合、ネットワーク制御部13へ、受信したネットワーク情報40を出力する。
【0068】
ステップS103において、情報処理装置10のネットワーク制御部13は、近距離無線通信部12により出力されたネットワーク情報40に含まれる通信ネットワーク5に接続するための接続情報を用いて、情報処理装置10の通信ネットワーク5に対するネットワーク設定を適用する。具体的には、ネットワーク制御部13は、ネットワーク情報40に含まれるIPアドレス、ゲートウェイアドレスおよびDNSサーバアドレス等に基づいて、通信ネットワーク5に接続するためのネットワーク設定を行う。ネットワーク設定が適用された情報処理装置10は、通信ネットワーク5に接続され、通信ネットワーク5を介した他の通信装置との通信が可能となる。
【0069】
ステップS104において、ネットワーク制御部13は、適用したネットワーク設定の情報を、記憶部18に記憶させる。ステップS105において、ネットワーク制御部13は、適用したネットワーク設定の情報を、ネットワーク通信部11へ出力する。なお、ステップS104およびステップS105の処理の順序は、前後してもよく、または並行して行われてもよい。
【0070】
ステップS106において、情報処理装置10のネットワーク通信部11は、接続した通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70へ、設定情報の取得要求を送信する。具体的には、ネットワーク通信部11は、ネットワーク情報40に含まれる管理サーバ70の宛先情報が示す宛先である管理サーバ70へ、設定情報の取得要求を送信する。
【0071】
ステップS107において、管理サーバ70は、送受信部71によって設定情報の取得要求を受信した場合、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80の読み出しを行う。具体的には、管理サーバ70の設定情報管理部72は、記憶・読出部73へ、設定情報管理テーブル80の読出要求を出力する。記憶・読出部73は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80を読み出す。そして、記憶・読出部73は、読み出した設定情報管理テーブル80を、設定情報管理部72に対して出力する。
【0072】
ステップS108において、管理サーバ70は、設定情報の取得要求を送信した情報処理装置10へ、読み出された設定情報を送信する。具体的には、管理サーバ70の設定情報管理部72は、設定情報管理テーブル80に含まれる設定情報を抽出し、送受信部71へ出力する。送受信部71は、出力された設定情報を、情報処理装置10へ送信する。そして、情報処理装置10のネットワーク通信部11は、管理サーバ70から送信された設定情報を取得(受信)する(取得ステップの一例)。
【0073】
ステップS109において、情報処理装置10のネットワーク通信部11は、受信した設定情報を、設定処理部14へ出力する。ステップS110において、情報処理装置10の設定処理部14は、ネットワーク通信部11から出力された設定情報を用いて、情報処理装置10の設定処理を行う(設定処理ステップの一例)。具体的には、設定処理部14は、設定情報に対応するそれぞれの項目に、設定内容を適用する。例えば、設定処理部14は、図6に示したような設定情報を取得した場合、「言語情報」、「ログ転送設定」および「ログ転送先アドレス」の設定処理を行う。最後に、ステップS111において、設定処理部14は、適用した設定情報を、記憶部18に記憶する。
【0074】
次に、情報処理装置10の初期設定時における設定情報の適用方法について説明する。図8は、第1の実施形態に係る情報処理装置における設定情報の適用処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS201において、近距離無線通信部12は、近距離無線通信を検知した場合、処理をステップS202へ移行させる。一方で、近距離無線通信部12は、近距離無線通信を検知するまで、ステップS201の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS202において、近距離無線通信部12は、近距離無線通信を用いて、ネットワーク情報40を受信した場合(受信ステップの一例)、処理をステップS203へ移行させる。一方で、近距離無線通信部12は、受信したデータがネットワーク情報40でない場合、処理を終了する。ネットワーク情報40は、通信ネットワーク5に接続するための接続情報および管理サーバ70の宛先情報である。
【0077】
ステップS203において、ネットワーク制御部13は、近距離無線通信部12によって受信されたネットワーク情報40を用いて、通信ネットワーク5に接続するためのネットワーク設定を適用する。
【0078】
ステップS204において、ネットワーク通信部11は、ネットワーク情報40に含まれる管理サーバ70の宛先情報を用いて、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70へ設定情報の取得要求を送信する。
【0079】
ステップS205において、ネットワーク通信部11は、管理サーバ70との接続に成功した場合、処理をステップS206へ移行させる。ステップS206において、ネットワーク通信部11は、管理サーバ70から設定情報を取得(受信)する(取得ステップの一例)。ステップS207において、設定処理部14は、ネットワーク通信部11によって取得(受信)された設定情報を、情報処理装置10の設定内容に適用する(設定処理ステップの一例)。
【0080】
一方で、ステップS205において、ネットワーク通信部11は、管理サーバ70との接続に失敗した場合、処理をステップS208へ移行させる。ステップS208において、表示制御部16は、接続失敗を示す通知画面を、操作パネル107に表示させる。具体的には、ネットワーク通信部11は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70との接続失敗のメッセージを受信した場合、表示制御部16へ、メッセージ内容を出力する。そして、表示制御部16は、ネットワーク通信部11により出力されたメッセージ内容である通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0081】
なお、情報処理装置10は、予め接続失敗を示す通知画面のデータを記憶部18に記憶しておいてもよい。この場合、表示制御部16は、所定の時間経過しても設定情報を取得できない場合、記憶部18に記憶された通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0082】
また、図8で示した設定情報の適用処理は、情報処理装置10の初期設定時に限られず、例えば、特定の情報処理装置10で変更した設定情報を、他の情報処理装置10においても共有したい場合に実行されてもよい。この場合、設定情報を変更した情報処理装置10は、変更した設定情報を管理サーバ70へ送信する。そして、管理サーバ70は、受信した設定情報を用いて、設定情報管理テーブル80に含まれる設定情報の登録または書き換えを行う。
【0083】
●第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係るネットワークシステムは、近距離無線通信を用いて、ネットワーク情報40(通信ネットワーク5の接続情報および管理サーバ70の宛先情報)を携帯端末50から情報処理装置10へ送信し、ネットワーク情報40を受信した情報処理装置10が、管理サーバ70との通信を行う。そして、情報処理装置10は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70から設定情報を取得して自身に適用する。そのため、第1の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10に携帯端末50をかざすだけで、情報処理装置10の設定処理が完了するので、情報処理装置10の設定作業を簡単に行うことができる。
【0084】
●第2の実施形態●
次に、第2の実施形態に係るネットワークシステムついて説明する。なお、第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第2の実施形態に係るネットワークシステムにおいて、情報処理装置10aは、第1の実施形態で示した設定情報の適用処理を、情報処理装置10aが設定状態等のユーザにより指定された特定の状態である場合にのみ実行する。そのため、第2の実施形態に係るネットワークシステムは、意図しないタイミングで、情報処理装置10aの設定処理が行われることを防止することができる。
【0085】
図9は、第2の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。図9に示す情報処理装置10aは、第1の実施形態で示した機能に加え、受付部19を含む。受付部19は、ユーザによる特定の入力操作を受け付ける機能である。受付部19は、例えば、図2に示した操作パネル107およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
【0086】
受付部19は、例えば、ユーザの入力操作によって、機能制御部15による各種処理が実行される処理状態から、情報処理装置10aの各種設定を行う設定状態への状態遷移の指示を受け付ける。情報処理装置10aを処理状態から設定状態に状態遷移させるためのユーザ入力操作は、ユーザによる特定の入力操作の一例である。情報処理装置10aは、設定状態である場合にのみ、設定情報の適用処理を実行することができる。
【0087】
図10は、第2の実施形態に係る情報処理装置における設定情報の適用処理の一例を示すフローチャートである。図10は、情報処理装置10aが、機能制御部15による各種機能の実行処理が受付可能な状態(処理状態)であるものとする。
【0088】
ステップS301において、受付部19は、ユーザの入力操作によって、情報処理装置10aを、機能制御部15による各種機能を実行可能な処理状態から、設定処理部14による各種設定処理が可能な設定状態への変更を受け付けた場合、処理をステップS302へ移行させる。ステップS302において、設定処理部14は、情報処理装置10aを処理状態から設定状態へ移行させる。これにより、情報処理装置10aは、例えば、図8に示した設定情報の適用処理を実行することが可能となる。なお、以降のステップS303~ステップS311の処理は、図8に示したステップS202~ステップS208の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
●第2の実施形態の効果
このように、第2の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10aが各種設定処理を行うことが可能な設定状態である場合にのみ、情報処理装置10aに対する設定情報の適用処理を実行する。そのため、第2の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10aが近距離無線通信によりネットワーク情報40が受信されるたびに設定情報が適用(変更)されることを防ぐことができ、適切な権限を有するユーザの意図したタイミングで、情報処理装置10aの各種設定を行うことができる。
【0090】
●第3の実施形態●
次に、第3の実施形態に係るネットワークシステムについて説明する。なお、第1の実施形態または第2の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第3の実施形態に係るネットワークシステムにおいて、管理サーバ70bは、同一の設定項目に、複数の設定情報を記憶する。そのため、第3の実施形態に係るネットワークシステムは、複数の情報処理装置10bの間で、異なる設定を適用することができる。
【0091】
図11は、第3の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。図11に示すネットワーク情報40aは、図5に示したネットワーク情報40に含まれるデータに、設定番号を関連づけて記憶する。設定番号は、ネットワーク情報40aに含まれるデータを識別するための情報である。ネットワーク情報40aは、一つの設定番号に関連づけられた、通信ネットワーク5に接続するための接続情報および管理サーバ70bの宛先情報を記憶している。なお、設定番号は、番号に限られず、ネットワーク情報40aに含まれるデータを識別可能な情報であれば、記号、符号または文字列等であってもよい。
【0092】
情報処理装置10bは、携帯端末50bからネットワーク情報40aを、近距離無線通信を用いて受信する。携帯端末50bは、受信したネットワーク情報40aを用いて、通信ネットワーク5に接続するとともに、管理サーバ70bへ設定情報の取得要求を送信する。設定情報の取得要求は、ネットワーク情報40aで示される設定番号の情報(例えば、「設定02」)を含んで、情報処理装置10bから管理サーバ70bへ送信される。
【0093】
図12は、第3の実施形態に係る設定情報管理テーブルの一例を示す図である。図12に示す設定情報管理テーブル80aは、情報処理装置10bの設定に用いる設定情報を、設定番号に関連づけて記憶する。例えば、設定01の設定情報は、言語設定が「日本語」、ログ転送設定が「する(ログ転送を行う)」、ログ転送先アドレスが「11.22.33.15」である。また、「設定02」の設定情報は、言語設定が「英語」、ログ転送設定が「する(ログ転送を行う)」、ログ転送先アドレスが「11.22.33.13」である。このように、設定情報管理テーブル80aは、設定情報に設定番号を付与することにより、異なる設定情報を識別可能な状態で記憶する。
【0094】
なお、設定情報管理テーブル80aは、設定番号が付与された設定情報ごとの利用権限を設定してもよい。この場合、情報処理装置10bから送信される、設定情報の取得要求は、設定番号の情報とともに、ユーザの識別情報(例えば、ユーザID、ユーザ名等)または情報処理装置10bの識別情報(例えば、装置ID、装置名等)を含む。そして、管理サーバ70bは、設定情報の取得要求の送信元であるユーザまたは情報処理装置10bが、受信した設定番号に対応する設定情報に対する利用権限を有する場合、該当する設定情報を情報処理装置10bへ送信する。
【0095】
図13は、第3の実施形態に係る管理サーバにおける設定情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。なお、図13は、管理サーバ70bへ設定情報の取得要求を送信する情報処理装置10bが、近距離無線通信によって設定番号を含むネットワーク情報40aを、携帯端末50bから受信しているものとする。
【0096】
ステップS401において、送受信部71は、情報処理装置10bから送信された設定情報の取得要求を受信した場合、処理をステップS402へ移行させる。一方で、送受信部71は、情報処理装置10bから送信された設定情報の取得要求を受信していない場合、ステップS401の処理を繰り返す。送受信部71によって受信された設定情報の取得要求は、情報処理装置10bが近距離無線通信によって取得したネットワーク情報40aに含まれる設定番号の情報を含む。
【0097】
ステップS402において、設定情報管理部72は、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80aの読み出しを行う。具体的には、送受信部71は、受信した設定情報の取得要求に含まれる設定番号の情報を、設定情報管理部72へ送信する。設定情報管理部72は、記憶・読出部73へ、設定情報管理テーブル80aの読出要求を出力する。記憶・読出部73は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80aを読み出す。そして、記憶・読出部73は、読み出した設定情報管理テーブル80aを、設定情報管理部72へ出力する。
【0098】
ステップS403において、設定情報管理部72は、読み出した設定情報管理テーブル80aに、設定番号「02」の設定情報が存在する場合、処理をステップS404へ移行させる。ステップS404において、送受信部71は、設定情報の取得要求を送信した情報処理装置10bへ、「設定02」の設定情報を送信する。具体的には、設定情報管理部72は、設定情報管理テーブル80に含まれる「設定02」の設定情報を抽出し、送受信部71へ出力する。そして、送受信部71は、出力された「設定02」の設定情報を、情報処理装置10bへ送信する。
【0099】
一方で、ステップS403において、設定情報管理部72は、読み出した設定情報管理テーブル80に、設定番号「02」の設定情報が存在しない場合、処理をステップS405へ移行させる。
【0100】
ステップS405において、送受信部71は、設定情報取得失敗を示す通知を、情報処理装置10bへ送信する。そして、設定情報取得失敗を示す通知を受信した情報処理装置10bの表示制御部16は、設定情報取得失敗を示す通知画面を、操作パネル107に表示させる。具体的には、ネットワーク通信部11は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70aから設定情報取得失敗を示す通知を受信した場合、表示制御部16へ、通知内容を出力する。そして、表示制御部16は、ネットワーク通信部11により出力された通知内容に対応する通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0101】
なお、情報処理装置10bは、予め設定情報取得失敗を示す通知画面のデータを記憶部18に記憶しておいてもよい。この場合、表示制御部16は、所定の時間経過しても設定情報を取得できない場合、記憶部18に記憶された通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0102】
●第3の実施形態の効果
以上説明したように、第3の実施形態に係るネットワークシステムは、管理サーバ70bに記憶される設定情報管理テーブル80が、設定番号ごとに異なる設定情報を記憶する。そのため、第3の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10bごとに異なる設定情報を適用することができる。
【0103】
●第4の実施形態●
次に、第4の実施形態に係るネットワークシステムについて説明する。第1の実施形態乃至第3の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第4の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10cが近距離無線通信を用いて受信した認証情報を用いて管理サーバ70cによる認証処理が成功したユーザ(情報処理装置10c)にのみ、管理サーバ70cから設定情報を送信する。
【0104】
図14は、第4の実施形態に係るネットワークシステムの機能構成の一例を示す図である。図14に示す管理サーバ70cにより実現される機能は、第1の実施形態乃至第3の実施形態における機能に加え、認証部75を含む。認証部75は、情報処理装置10cから送信された認証情報に応じて、情報処理装置10cのユーザ認証を行う機能である。具体的には、認証部75は、情報処理装置10cから送信される設定情報の取得要求に含まれる認証情報と後述する認証情報管理テーブル90とを用いて、ユーザの認証処理を行う。認証部75は、例えば、図3に示したCPU501で実行されるプログラム等により実現される。
【0105】
また、図14に示す管理サーバ70cの記憶部74は、認証情報管理テーブル90を記憶している。図15は、第4の実施形態に係る認証情報管理テーブルの一例を示す図である。図15に示す認証情報管理テーブル90は、管理サーバ70cにおいて管理されている設定情報を利用可能なユーザの認証情報を管理している。
【0106】
認証情報管理テーブル90は、「ユーザ名」および「パスワード」を関連づけて記憶している。「ユーザ名」は、管理サーバ70cにおいて管理されている設定情報を利用可能なユーザを識別する識別情報である。「パスワード」は、ユーザ名に対応する認証コードである。認証部75は、情報処理装置10cから送信されたネットワーク情報40bと認証情報管理テーブル90とを用いて、ユーザの認証処理を行う。
【0107】
さらに、図14に示す携帯端末50cの記憶部54は、ネットワーク情報40bを記憶している。図16は、第4の実施形態に係るネットワーク情報の一例を示す図である。図16に示すネットワーク情報40bは、図5に示したネットワーク情報40に含まれるデータに、認証パスワードを関連づけて記憶する。
【0108】
認証パスワードは、ネットワーク情報40bに含まれるデータに利用権限を付与するための情報である。ネットワーク情報40bは、一つの認証パスワードに関連づけられた、通信ネットワーク5に接続するための接続情報および管理サーバ70cの宛先情報を記憶している。認証パスワードは、認証情報管理テーブル90に記憶されたパスワードの情報と同様の内容である。認証パスワードは、認証情報の一例である。なお、ネットワーク情報40bは、認証パスワードに変えて、認証情報管理テーブル90に含まれるユーザ名の情報を、通信ネットワーク5に接続するための接続情報および管理サーバ70cの宛先情報に関連付けて記憶してもよい。
【0109】
情報処理装置10cは、携帯端末50cからネットワーク情報40bを、近距離無線通信を用いて受信する。携帯端末50cは、受信したネットワーク情報40bを用いて、通信ネットワーク5に接続するとともに、管理サーバ70cに設定情報の取得要求を送信する。設定情報の取得要求は、ネットワーク情報40bで示される認証パスワードを含んで、情報処理装置10cから管理サーバ70cへ送信される。
【0110】
図17は、第4の実施形態に係る管理サーバにおける設定情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。なお、管理サーバ70cへ設定情報の取得要求を送信する情報処理装置10cは、近距離無線通信によって認証パスワードを含むネットワーク情報40bを、携帯端末50cから受信しているものとする。
【0111】
ステップS501において、送受信部71は、情報処理装置10cから設定情報の取得要求を受信した場合、処理をステップS502へ移行させる。一方で、送受信部71は、情報処理装置10cから設定情報の取得要求を受信していない場合、ステップS501の処理を繰り返す。送受信部71によって受信された設定情報の取得要求は、認証パスワードの情報を含む。認証パスワードは、認証情報の一例である。なお、設定情報の取得要求は、認証パスワードに変えて、近距離無線通信を用いて送受信されるネットワーク情報40bに含まれる他の認証情報であってもよい。
【0112】
ステップS502において、認証部75は、送受信部71によって設定情報の取得要求が受信された場合、記憶部74から認証情報管理テーブル90の読み出しを行う。具体的には、送受信部71は、受信した設定情報の取得要求に含まれる認証情報を、認証部75へ出力する。認証部75は、記憶・読出部73へ、認証情報管理テーブル90の読出要求を出力する。記憶・読出部73は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部74に記憶された認証情報管理テーブル90を読み出す。そして、記憶・読出部73は、読み出した認証情報管理テーブル90を、認証部75へ出力する。
【0113】
ステップS503において、認証部75は、認証処理に成功した場合、処理をステップS504へ移行させる。具体的には、認証部75は、送受信部71によって受信された設定情報の取得要求に含まれる認証パスワードの情報が、読み出した認証情報管理テーブル90に含まれる場合、認証処理を行う。例えば、認証部75は、図16に示したネットワーク情報40bに示す認証パスワード「daj83kH8sa」が、図15に示した認証情報管理テーブル90に含まれるパスワード「daj83kH8sa」と一致するため、設定情報の取得要求を送信元であるユーザまたは情報処理装置10cの認証処理を行う。
【0114】
ステップS504において、設定情報管理部72は、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80の読み出しを行う。具体的には、設定情報管理部72は、記憶・読出部73へ、設定情報管理テーブル80の読出要求を出力する。記憶・読出部73は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部74に記憶された設定情報管理テーブル80を読み出す。そして、記憶・読出部73は、読み出した設定情報管理テーブル80を、認証部75へ出力する。
【0115】
ステップS505において、送受信部71は、設定情報の取得要求を送信した情報処理装置10へ、設定情報を送信する。具体的には、設定情報管理部72は、設定情報管理テーブル80に含まれる設定情報を抽出し、送受信部71へ出力する。そして、送受信部71は、出力された設定情報を、情報処理装置10へ送信する。
【0116】
一方で、ステップS503において、認証部75は、認証処理に失敗した場合、処理をステップS506へ移行させる。具体的には、認証部75は、送受信部71によって受信された設定情報の取得要求に含まれる認証パスワードの情報が、読み出した認証情報管理テーブル90に含まれない場合、認証処理に失敗する。
【0117】
ステップS506において、送受信部71は、認証失敗を示す通知を、情報処理装置10cへ送信する。そして、認証失敗を示す通知を受信した情報処理装置10cの表示制御部16は、認証失敗を示す通知画面を、操作パネル107に表示させる。具体的には、ネットワーク通信部11は、通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70cから認証失敗を示す通知を受信した場合、表示制御部16へ、通知内容を出力する。そして、表示制御部16は、ネットワーク通信部11により出力された通知内容に対応する通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0118】
なお、情報処理装置10cは、予め認証失敗を示す通知画面のデータを記憶部18に記憶しておいてもよい。この場合、表示制御部16は、所定の時間経過しても設定情報を取得できない場合、記憶部18に記憶された通知画面を操作パネル107に表示させる。
【0119】
●第4の実施形態の効果
以上説明したように、第4の実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10cが近距離無線通信を用いて受信した認証情報を用いて、管理サーバ70cによる認証処理が成功したユーザにのみ、管理サーバ70cから設定情報を送信する。そのため、第4の実施形態に係るネットワークシステムは、設定情報を適用する権限のないユーザ(情報処理装置10c)が設定情報を取得できないようにすることで、管理サーバ70cに記憶された情報を保護することができるので、セキュリティを高めることができる。
【0120】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、通信ネットワーク5を介して管理サーバ70(管理装置の一例)と通信を行う情報処理装置10であって、近距離無線通信を用いて、通信ネットワーク5に接続するためのネットワーク情報40(40a、40b)(接続情報の一例)を受信する。そして、情報処理装置10は、ネットワーク情報40(40a、40b)を用いて接続された通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70から情報処理装置10の設定に用いる設定情報を取得し、取得した設定情報を用いて、情報処理装置10の設定処理を行う。そのため、情報処理装置10は、近距離無線通信を用いた設定処理の利便性を向上させることができる。
【0121】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ユーザによる特定の入力操作が受け付けられた状態で、ネットワーク情報40(40a、40b)(接続情報の一例)を受信した場合、管理サーバ70(管理装置の一例)へ、設定情報の取得要求を送信する。そのため、情報処理装置10は、意図しないタイミングで、情報処理装置10の設定処理が行われることを防止することができる。
【0122】
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、管理サーバ70(管理装置の一例)へ、設定情報の取得要求とともに認証情報を送信し、認証情報を用いて管理サーバ70によって認証された場合に設定情報を取得する。そのため、情報処理装置10は、設定情報を適用する権限のないユーザ(情報処理装置10)が設定情報を取得できないようにすることで、管理サーバ70に記憶された情報を保護することができるので、セキュリティを高めることができる。
【0123】
また、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10と、近距離無線通信を用いて、情報処理装置10へ記憶部54(第1の記憶手段の一例)に記憶されたネットワーク情報40(40a、40b)(接続情報の一例)を送信する携帯端末と、記憶部74(第2の記憶手段の一例)に設定情報を記憶する管理サーバ70(管理装置の一例)と、を備える。そのため、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、携帯端末50を情報処理装置10にかざすだけで、情報処理装置10の設定処理が完了するので、情報処理装置10の設定作業を簡単に行うことができる。
【0124】
さらに、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、管理サーバ70(管理装置の一例)の記憶部74(第2の記憶手段の一例)が、異なる設定情報を設定番号(設定情報の識別情報の一例)に関連付けて記憶し、情報処理装置10がネットワーク情報40a(接続情報の一例)に含まれる設定番号に関連づけられた設定情報を管理サーバ70から取得する。そのため、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置10ごとに異なる設定情報を適用することができる。
【0125】
また、本発明の一実施形態に係る設定情報の適用方法は、通信ネットワーク5を介して管理サーバ70(管理装置の一例)と通信を行う情報処理装置10が実行する設定情報の適用方法であって、近距離無線通信を用いて、通信ネットワーク5に接続するためのネットワーク情報40(40a、40b)(接続情報の一例)を受信する受信ステップと、ネットワーク情報40(40a、40b)を用いて接続された通信ネットワーク5を介して、管理サーバ70から情報処理装置10の設定に用いる設定情報を取得する取得ステップと、取得された設定情報を用いて、情報処理装置10の設定処理を行う設定処理ステップと、を実行する。そのため、本発明の一実施形態に係る設定情報の適用方法は、近距離無線通信を用いた情報処理装置10の設定処理の利便性を向上させることができる。
【0126】
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0127】
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、CD-RW(Re-Writable)、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0128】
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog-HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
【0129】
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、ネットワークシステム、設定情報の適用方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0130】
5 通信ネットワーク
10 情報処理装置
11 ネットワーク通信部(取得手段の一例、送信手段の一例)
12 近距離無線通信部(受信手段の一例)
14 設定処理部(設定処理手段の一例)
19 受付部(受付手段の一例)
40 ネットワーク情報(接続情報の一例)
50 携帯端末
51 近距離無線通信部(近距離無線通信手段の一例)
54 記憶部(第1の記憶手段の一例)
70 管理サーバ(管理装置の一例)
74 記憶部(第2の記憶手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【文献】特開2011-192061号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17