IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-撮像システム 図1
  • 特許-撮像システム 図2
  • 特許-撮像システム 図3
  • 特許-撮像システム 図4
  • 特許-撮像システム 図5
  • 特許-撮像システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】撮像システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20220405BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20220405BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220405BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220405BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220405BHJP
   G03B 19/07 20210101ALN20220405BHJP
   G03B 17/17 20210101ALN20220405BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B37/00 A
G03B15/00 W
G03B15/00 H
H04N5/225 100
H04N5/225 800
H04N5/232 380
G03B19/07
G03B17/17
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020068583
(22)【出願日】2020-04-06
(62)【分割の表示】P 2019203381の分割
【原出願日】2012-12-20
(65)【公開番号】P2020109535
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】P 2012060242
(32)【優先日】2012-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】増田 憲介
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 典之
(72)【発明者】
【氏名】入野 祥明
(72)【発明者】
【氏名】田中 智憲
(72)【発明者】
【氏名】今江 望
(72)【発明者】
【氏名】原田 亨
(72)【発明者】
【氏名】竹中 博一
(72)【発明者】
【氏名】山本 英明
(72)【発明者】
【氏名】澤口 聡
(72)【発明者】
【氏名】別所 大介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕之
(72)【発明者】
【氏名】庄原 誠
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-210651(JP,A)
【文献】特開2011-139376(JP,A)
【文献】特開2003-244511(JP,A)
【文献】特開平10-229539(JP,A)
【文献】特開2002-218292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 37/00
G03B 15/00
H04N 5/225
H04N 5/232
G03B 19/07
G03B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全天周を撮像する撮像システムであって、
光学系と、
シャッターボタンと、
前記光学系の一部を露出する開口が設けられた筐体と、を備え、
前記シャッターボタンは、前記筐体の前記開口の1つが設けられた面において、光軸に沿った方向に押圧可能に配置されており、
前記光学系のうち最も物体側に位置するレンズのレンズ面は、前記筐体の前記開口から突出している、撮像システム。
【請求項2】
前記光学系の画角は、180°より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記光学系の画角は、190°より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記筐体は、略直方体の形状であり、前記開口が設けられた前記面において長手方向を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記光学系は、前記形状の前記長手方向の一方の端部に偏って配置される、請求項4に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムに関し、レンズ面が筐体から突出している撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
全天周を一度に撮像する撮像システムとして、魚眼レンズや超広角レンズなどの広角なレンズを複数使用したものが知られている。上記撮像システムでは、各々のレンズからの像を同一または対応するセンサに投影し、画像処理により結合することで、全天周画像を生成することができる。
【0003】
複数のレンズを用いた撮像システムでは、光学部品が少ない構成で撮像システムを構築しようとすると、各レンズに割り当てられる画角が広くなる傾向にあった。例えば、2つの魚眼レンズを用いて全天周画像を撮影させる場合、各々の魚眼レンズには180°以上の画角が必要となる。
【0004】
しかしながら、画角が広いレンズは、入射側のレンズの曲率半径が小さくなり、筐体から突出する傾向にある。レンズ面が筐体から突出する撮像システムでは、撮像システムを落下させた場合に、レンズが破損しやすいという問題がある。
【0005】
レンズを破損から保護する技術としては、例えば、特開昭62-191838号公報(特許文献1)が知られている。特許文献1は、押し釦形状のレンズカバー開閉用操作部材を、グリップ側のレンズ鏡筒カバー側面に設けたことを特徴とするレンズカバー付カメラを開示する。特許文献1の従来技術では、押し釦形状のレンズカバー開閉用操作部材が新たに必要となるため、コストが増加してしまう。
【0006】
また、上述したような撮像システムでは、筐体形状が直線的な撮像システムの場合は特に、光学系と、シャッターボタンと、電力供給手段とを直線状に配置する設計とされることが多い。このような撮像システムでは、撮影者は、撮影システムの重心位置からシャッターボタンの位置の間を保持することになる。そして、シャッターボタンを押圧するとき、撮像システムの重量の中で割合を多く占める光学系および電力供給手段の配置が不適切であると、手振れが生じ易く、撮影者は安定的に撮影することが難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、撮影者が好適に撮影することができる撮像システムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、レンズ面が筐体から突出している撮像システムにおいて、新たな部品を加えることなく、撮像システムが落下してしまった場合において、レンズ面が破損してしまう可能性を好適に低減することができる、撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するために、全天周を撮像する撮像システムであって、
光学系と、
シャッターボタンと、
前記光学系の一部を露出する開口が設けられた筐体と、を備え、
前記シャッターボタンは、前記筐体の前記開口の1つが設けられた面において、光軸に沿った方向に押圧可能に配置されており、
前記光学系のうち最も物体側に位置するレンズのレンズ面は、前記筐体から突出している、撮像システムを提供する
【発明の効果】
【0010】
上記構成を採用することにより、撮影者が好適に撮影することができる撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態による全天周撮像システムの全体図。
図2】本実施形態による全天周撮像システムの撮像体における2つの結像光学系の詳細な構成図。
図3】第1レンズLA1,LA2におけるサグ量を説明する図。
図4】他の実施形態による全天周撮像システムの全体図。
図5】他の実施形態による全天周撮像システムの全体図。
図6】他の実施形態による全天周撮像システムの六面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の実施形態について説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、撮像システムの一例として、2つの魚眼レンズを光学系に含む撮像体と、電力供給手段としてバッテリとを備えた、全天周撮像システム10を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態による全天周撮像システム10を示す全体図である。図1に示す全天周撮像システム10は、撮像体12と、バッテリ14と、コントローラ・ボード16A,16Bと、これらの部品12,14,16A,16Bを保持する筐体18とを備える。図1に示す実施形態では、撮像体12は、2つの結像光学系20A,20Bと、2つの固体撮像素子24A,24Bとを含み構成されている。結像光学系20と固体撮像素子24とを1個ずつ組み合わせたものを撮像光学系と参照する。
【0014】
図1に例示する結像光学系20各々は、6群7枚の魚眼レンズとして構成されている。結像光学系20が構成する魚眼レンズは、図1に示す実施形態では、180度(=360度/n;n=2)より大きい画角を有する。魚眼レンズは、好適には185度以上の画角を有し、さらに190度以上の画角を有することが好ましい。このような画角を有することにより、互いの重なり領域を基にして、画像処理において合成がなされる。
【0015】
図2は、図1に示す撮像体12における2つの結像光学系20A,20Bの詳細な構成を示す図である。なお、図1で示すように各結像光学系は互いのプリズムを軸にして接合されているが、図2においては、便宜上、2つの結像光学系20A,20Bが離間して描かれている点に留意されたい。図2に示すように、第1の結像光学系20Aは、レンズLA1~LA3により構成される前群と、反射部材である直角プリズムPAと、レンズLA4~LA7により構成される後群とを含む。そして、第4レンズLA4の物体側には、開口絞りSAが配置される。第1の結像光学系20Aでは、また、第7レンズLA7の像側には、フィルタFと、開口絞りSAとが配置される。
【0016】
同様に結像光学系20Bは、レンズLB1~LB3により構成される前群と、直角プリズムPBと、レンズLB4~LB7により構成される後群とを含む。第4レンズLB4の物体側には、開口絞りSBが配置される。また、第7レンズLB7の像側には、フィルタFと、開口絞りSBとが配置される。
【0017】
特定の実施形態においては、第1の結像光学系20Aの前群を構成するレンズLA1~LA3は、物体側から順に、光学ガラス材料による負のメニスカスレンズ(LA1)、プラスチック樹脂材料による負レンズ(LA2)、および光学ガラス材料による負のメニスカスレンズ(LA3)である。後群を構成するレンズLA4~LA7は、物体側から順に、光学ガラス材料による両凸レンズ(LA4)、光学ガラス材料による両凸レンズ(LA5)と両凹レンズ(LA6)との張り合わせレンズ、およびプラスチック樹脂材料による両凸レンズ(LA7)である。
【0018】
上記特定の実施形態においては、第2の結像光学系20Bの前群を構成するレンズLB1~LB3も同様に、物体側から順に、光学ガラス材料による負メニスカスレンズ(LB1)、プラスチック樹脂材料による負レンズ(LB2)、および光学ガラス材料による負のメニスカスレンズ(LB3)である。後群を構成するレンズLB4~LB7も、物体側から順に、光学ガラス材料による両凸レンズ(LB4)、光学ガラス材料による両凸レンズ(LB5)と両凹レンズ(LB6)との張り合わせレンズ、およびプラスチック樹脂材料による両凸レンズ(LB7)である。
【0019】
これら第1および第2の結像光学系20A,20Bにおいて、前群のプラスチック樹脂材料による負レンズLA2,LB2と、後群のプラスチック樹脂材料による両凸レンズLA7,LB7とは、両面が非球面である。一方、残りの光学ガラス材料による各レンズは、球面レンズとされている。
【0020】
前群と後群との間に配置される直角プリズムPA,PBは、好適には、d線(λ=587.6nm)の屈折率が1.8より大きい材質で形成される。直角プリズムPA,PBは、それぞれ、前群からの光を後群に向かって内部反射させる。したがって、各々の結像光学系20A,20Bにおいて、結像光束の光路は、直角プリズムPA,PB内を通過する。上記高い屈折率の材料で直角プリズムを構成することにより、直角プリズムPA,PB内の光路長が長くなり、前群、直角プリズムおよび後群における前群と後群の間の光路長を、機械的な長さよりも長くできる。ひいては、魚眼レンズをコンパクトに構成することができる。
【0021】
また、開口絞りSA,SBの近傍に直角プリズムPA,PBを配置することにより、小さな外形の直角プリズムを用いるができるようになり、魚眼レンズ間の距離を小さくできる。また、図2に示すような直角プリズムPA,PBの配置を採用することにより、2つの光学系の視差を小さくすることができる。さらに、図1および図2に示すように、2つの結像光学系20A,20Bを対向させて配置することにより、さらにコンパクトな構造とし、撮像されない空間領域を小さくすることができる。
【0022】
ここで、再び図1を参照する。2つの結像光学系20A,20Bの光学素子(レンズ、プリズム、フィルタおよび開口絞り)は、その光軸が対応する固体撮像素子24の受光領域の中心部に直交して位置するように、かつ、受光領域が、対応する魚眼レンズの結像面となるように、鏡筒26によって、固体撮像素子24A,24Bに対して位置関係が定められて保持されている。つまり、結像光学系20各々は、組み合わせられる固体撮像素子24の受光領域に撮像対象の像を結像させるよう位置決めされている。
【0023】
固体撮像素子24各々は、受光領域が面積エリアを成す2次元の固体撮像素子であり、組み合わせられる結像光学系20により集光された光を画像信号に変換する。固体撮像素子24A,24Bは、その受光面に、極微小な受光領域が相互に分離して2次元的に配列した構造を有する。個々の微小な受光領域で光電変換される情報が個々の画素を構成する。
【0024】
図1に示す実施形態では、結像光学系20A,20Bは、同一仕様のものであり、それぞれの光軸が合致するようにして、互いに逆向きに組み合わせられている。そして、全天周撮像システム10は、2つの結像光学系20A,20Bと、2つの固体撮像素子24A,24Bとを組み合わせて、全天周の画像情報を撮像できるように構成されている。また、図1に示す構成を採用することにより、筐体18の上部の物体も撮影可能とされている。
【0025】
第1の撮像光学系により撮像される画像は、2次元の固体撮像素子24Aの受光領域上に結像する。同様に第2の撮像光学系が撮像する画像は、2次元の固体撮像素子24Bの受光領域上に結像する。固体撮像素子24A,24Bは、受光した光分布を画像信号に変換して、コントローラ・ボード16A,16Bに入力する。
【0026】
コントローラ・ボード16A,16B上には、図示しない画像処理部および出力部が設けられる。上記固体撮像装置24A,24Bから出力される画像信号は、コントローラ・ボード16上の画像処理部へと入力される。画像処理部は、固体撮像素子24Aおよび固体撮像素子24Bからそれぞれ入力される画像信号を1つの画像に合成して、立体角4πラジアンの画像(以下「全天周画像」と参照する。)とし、出力部へ出力する。ここで、図1に示す実施形態では、全天球画像を生成しているが、水平面のみ360度を撮影した、いわゆるパノラマ画像であっても良い。
【0027】
上述したように、魚眼レンズが180度以上の画角を有しているので、固体撮像素子24Aおよび24Bから出力される画像信号を合成して全天周画像を構成する際には、重複する画像部分が、同一像を表す基準データとして画像繋ぎ合わせの参考とされる。出力部は、例えばディスプレイ装置、印刷装置、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)などの外部記憶媒体などとして構成され、合成された全天球画像を出力する。
【0028】
上記バッテリ14は、固体撮像装置24A,24Bおよびコントローラ・ボード16A,16B上のチップやコンポーネントに電力を供給する電力供給手段である。バッテリ14は、アルカリマンガン一次電池やオキシライド一次電池などの一次電池や、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマ二次電池、ニッケル水素二次電池などの二次電池を用いて構成される。
【0029】
図1に示す全天周撮像システム10は、一端に撮像光学系が設けられた棒形状を有する。筐体18は、コントローラ・ボード16A,16Bおよびバッテリ14を含むモジュールを保持する本体部と、撮像体12を保持し、第1レンズLA1,LB1を露出する開口が設けられたレンズ保持部とからなる。筐体18は、本体部の平坦な筐体面18A,18Bを有する。
【0030】
図1に示す結像光学系20A,20Bにおいて、最も物体側に位置する第1レンズLA1,LB1は、筐体18における本体部の筐体面18A,18Bから突出している。特定の実施形態では、第1レンズLA1,LB1は、筐体18の外部に露出されている。
【0031】
結像光学系20A単体の落下試験を行うと、第1レンズLA1,LB1が光学ガラス材料により形成されているとすると、1.5m程の高さから落下させる条件で、レンズ表面にひびが入る場合がある。第1レンズLA1,LB1がプラスチック樹脂材料により形成されていると、上記と同様の条件では、レンズ表面にキズつく場合がある。つまり、撮影者が本全天周撮像システム10を保持し、誤って手から滑り落としてしまうと、第1レンズが破損してしまう可能性がある。第1レンズLA1,LB1が破損してしまうと、固体撮像素子24の受光面に適切に結像させることができず、良好な画像を得ることが困難となる。
【0032】
図1に示す全天周撮像システム10において、上述した撮像体12およびバッテリ14が、多くの割合の重量を占める主要な部材である。そこで、本実施形態による全天周撮像システム10では、上記重量を占める主要な部材である撮像体12およびバッテリ14の配置に関して、全天周撮像システム10全体のモーメントを踏まえ、以下の特徴を備える。
【0033】
本実施形態による全天周撮像システム10は、撮像体12の重心位置をAとし、バッテリ14の重心位置をBとし、当該全天周撮像システム10全体の重心をPとし、上記撮像体12の重心位置Aおよび重心Pの距離APと、上記バッテリ14の重心位置Bおよび重心Pの距離BPとが、下記関係式(1)を満たす。
【0034】
(数1)
AP>BP ・・・(1)
【0035】
上記関係式(1)が満たされることにより、全天周撮像システム10全体の重心がバッテリ14側に偏ることになる。これにより、例えば全天周撮像システム10が手から滑り落下してしまった場合に、突出した光学素子を有する撮像体12側から落下することが少なくなる。
【0036】
また、好適な実施形態では、図1中、撮像体12の重心位置Aと全体の重心Pとの間の位置Sにシャッターボタンを配置することができる。シャッターボタンは、撮像体12による撮像開始の指示を入力するために撮影者により押圧される撮像開始入力手段である。図1に示す実施形態による全天周撮像システム10では、撮像体12、シャッターボタンおよびバッテリ14は、図面上同一直線x上に配置されており、かつ、撮像体12の重心位置A、シャッターボタン位置Sおよび全天周撮像システム10全体の重心Pの順に並ぶように配置されている。シャッターボタンは、図1においては、筐体18の正面側に配置されている。
【0037】
なお、シャッターボタンの配置は、図1に示した配置に限定されるものではない。図5は、他の実施形態による全天周撮像システム10を示す全体図である。図5に示す全天周撮像システム10では、シャッターボタン22は、図5の紙面において直線xの左側、つまり左側の結像光学系20Aの下に位置し、結像光学系20A,20Bの光軸にそった方向に押圧されるように設置されている。図5においても、撮像体12の重心位置A、シャッターボタン位置Sおよび全天周撮像システム10全体の重心Pの順に並ぶように配置されている点では、図1と同様である。また、図6は、図5で示された、他の実施形態による全天周撮像システム10の六面図である。
【0038】
撮影者が安定的に本全天周撮像システム10を保持するためには、本全天周撮像システム10の形状の中心N付近、すなわち位置Sと位置Pの間を保持することが望ましい。撮影者は、上述のような保持状態で、重心Pより撮像体12側に配置されたシャッターボタンを押圧することとなる。このとき、撮像体12よりも、撮像体12から離れたバッテリ14側へ重心が偏る配置構成を採用することで、シャッターボタンが押圧されても、バッテリ14側の方のモーメントが大きいため、画質の劣化を招く手振れが抑制される。ひいては、撮影者は安定的に全天周撮像システム10を用いて撮影することが可能となる。
【0039】
なお、部材12,14各々の重心の測定は、ロードセル(質量測定器)を用いて、各部材の2次元方向の重心位置を複数回測定することにより、3次元の重心位置を特定することができる。なお、説明する実施形態では、重心位置Aは、2つの結像光学系20A,20B、鏡筒26および固体撮像素子24A,24Bを含む撮像体12全体の重心としている。しかしながら、他の実施形態では、固体撮像素子24Aを除外し、2つの結像光学系20A,20Bおよび鏡筒26を含む部分の重心を重心位置Aとしてもよい。また、重心位置Bは、バッテリ14の重心であり、本実施形態では、バッテリ14を固体撮像素子24へ接続するケーブルは含めていない。
【0040】
また、全天周撮像システム10では、撮像体12の質量をmとし、バッテリ14の質量をMとして、撮像体12の重量mおよびバッテリ14の重量Mが、下記関係式(2)を満たすことが好ましい。
【0041】
(数2)
m<M ・・・(2)
【0042】
さらに全天周撮像システム10では、全天周撮像システム10全体の形状の中心位置をNとして、撮像体12の重量mと、バッテリ14の重量Mと、撮像体12の重心位置Aおよび上記中心Nの距離ANと、バッテリ14の重心位置Bおよび中心Nの距離BNとが、下記関係式(3)を満たすことが好ましい。
【0043】
(数3)
m×AN<M×BN ・・・(3)
【0044】
上記関係式(2)および(3)が満たされることにより、全天周撮像システム10全体の重心がバッテリ14側に偏ることになる。これにより、例えば全天周撮像システム10が手から滑り落下してしまった場合に、突出した光学素子を有する撮像体12側から落下することが少なくなる。
【0045】
上述した配置構成は、第1レンズLA1,LB1が筐体面18A,18Bから突出する形状を有している撮像システムに対し、特に有効である。第1レンズLA1,LB1のサグ量が3mm以上となる撮像システムに対し、特に有効である。これは、第1レンズLA1,LB1のサグ量が3mm以上となると、1.5mからの落下試験において、光学ガラス材料で形成されたレンズでは割れが、プラスチック樹脂材料で形成されたレンズではキズが、顕著となることによる。なお、ここでいうサグ量は、有効径におけるサグ量を示しており、非有効径のサグ量は含まない。
【0046】
上記サグ量hは、図3に示すように定義され、第1レンズLA1,LB1の凸レンズの曲率半径をrとし、第1レンズLA1,LB1の有効径(直径)をRとし、曲率半径rで規格化して、下記関係式(4)が満たされる場合に好適である。
【0047】
(数4)
1-1cos{sin-1(R/2r)}≧0.17 ・・・(4)
【0048】
例えば、第1レンズLA1,LB1の第1レンズの曲率半径rが18mmであり、有効径Rが20mmであるとすると、この第1レンズのサグ量hは、約3.03mmとなり、サグ量hを曲率半径rで規格化した値(h/r)は、約0.17となり、上記(4)関係式が満たされる。
【0049】
また、例えば、第1レンズLA1,LB1の第1レンズの曲率半径rが17mmであり、有効径Rが20mmであるとすると、この第1レンズのサグ量hは、約3.25mmとなり、サグ量hを曲率半径rで規格化した値(h/r)は、約0.19となり、上記(4)関係式が満たされる。
【0050】
さらに、第1レンズLA1,LB1の第1レンズの曲率半径rが10mmであり、有効径Rが20mmであるとすると、この第1レンズのサグ量hは、約10.00mmとなり、サグ量hを曲率半径rで規格化した値(h/r)は、約1となり、上記(4)関係式が満たされる。なお、規格化した値(h/r)の上限は1であるため、この値が上限となる。
【0051】
以下、上記関係式(1)~(3)を満たす撮像体12およびバッテリ14の配置構成を実現するための材料構成について説明する。
【0052】
撮像体12の重量mが、バッテリ14の重量Mに比べて軽くなる、すなわち上記関係式(3)を満たすためには、撮像体12の結像光学系20で用いられるレンズについて、比重が小さな材料を採用すればよい。上述したように結像光学系20は、特定の実施形態では、6群7枚のレンズ構成とされており、この内、物体側から2枚目のレンズLA2,LB2および7枚目LA7,LB7は、プラスチック樹脂材料で形成されている。また、他の実施形態では、第2レンズLA2,LB2および第7レンズLA7,LB7に限定されず、レンズLA1~LA7,LB1~LB7の全部または任意の一部をプラスチック樹脂材料で形成してもよい。
【0053】
レンズを形成する材料としては、好適には、比重が2.5g/cm(以下、単位を省略する。)より小さなプラスチック樹脂材料を用いることができる。このようなプラスチック樹脂材料としては、シクロオレフィン樹脂(比重1.1)、エピスルフィド系樹脂(比重1.46)、チオウレタン系樹脂(比重1.35)、(ポリエステル)メタクリレート(比重1.37)、ポリカーボネート(比重1.20)、(ウレタン)メタクリレート(比重1.17)、(エポキシ)メタクリレート(比重1.19)、ジアリルカーボネート(1.23)、ジアリルフタレート系樹脂(比重1.27)、ウレタン系樹脂(比重1.1)、ポリメチルメタクリレート(比重1.18)、およびアリルジグリコールカーボネート(比重1.32)などを挙げることができる。レンズを形成するプラスチック樹脂材料としては、より好適には、ガラス(比重2.5)に比べ2倍以上比重が小さくなるような、比重1.1以上1.25未満のプラスチック樹脂材料を用いることができる。
【0054】
また、上記関係式(3)を満たすためには、レンズだけでなく、レンズを保持する鏡筒26についても比重が小さな材料を採用することが好ましい。鏡筒を形成する材料としては、好適には、比重が2.7g/cmより小さなプラスチック樹脂材料を用いることができる。鏡筒を形成するプラスチック樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、アクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアミド樹脂(PA)などの樹脂と、ガラス繊維、炭素繊維、ピッチ系、PAN(Polyacrylonitrile)系の炭素繊維などのフィラーとからなる複合材料を用いることができる。
【0055】
鏡筒を形成するプラスチック樹脂材料としては、より好適には、アルミ(比重2.7)に比べ2倍以上比重が小さくなる、比重1.3以上1.35未満のプラスチック樹脂材料を用いることができる。鏡筒を形成する材料としては、例示的には、ガラス入りポリカーボネート材を用いることができる。
【0056】
また、再び図1を参照すると、本全天周撮像システム10は、好適には、筐体18におけるバッテリ14が配置される付近の外装に配置された、衝撃吸収材30を備えることができる。衝撃吸収材は、低反発ウレタンゴムなどの低弾性ゴム材料や、衝撃吸収ゲル成形物などを用いることができる。
【0057】
上述した配置構成では、例えば全天周撮像システム10が手元から落下してしまった場合でも、バッテリ14側から落下し易くなる。上記衝撃吸収材30を備える構成により、落下時において好適に筐体18および収容するモジュールを保護することができる。
【0058】
なお、上述までの実施形態では、2つの撮像光学系を用いて全天周を撮影可能な全天周撮像システムについて説明してきたが、2つの撮像光学系を組み合わせた状態に限定されるものではなく、単眼式の棒状カメラにおいても適用することができる。また、上述までの説明では、歪曲収差が補正されない魚眼レンズを一例に説明してきたが、歪曲収差が補正される超広角レンズを用いて全天周撮像システムを構成することもできる。
【0059】
さらに、2より大きな自然数n個の撮像光学系を用いて全天周を撮影可能な撮像システム一般に適用してもよい。例えば、360度/3=120度より大きい画角を有する広角レンズ(結像光学系)を3個、同一平面内で放射状に配設し、各々に固体撮像素子を組み合わせて撮像システムを構成することができる。この場合に得られる画像は、全天周画像ではないが、360度の水平パノラマ画像を撮像でき、車載カメラや防犯カメラとして良好である。また、撮像される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0060】
また、上述までの実施形態では、直線的な形状を有する全天周撮像システムについて説明してきた。しかしながら、上記配置構成は、他の形状を有する全天周撮像システムに対しても好適に適用することができる。図4は、他の実施形態による全天周撮像システムの全体を示す図である。なお、図4に示す実施形態による全天周撮像システム50は、図1に示す実施形態の全天周撮像システム10と類似する構成を備えているので、以下、相違点を中心に説明する。
【0061】
図4に示す他の実施形態による全天周撮像システム50は、撮像体52と、バッテリ54と、図示しないコントローラ・ボードと、これらの部品を保持する筐体58とを備える。図4に示す実施形態では、撮像体52は、図1に示した実施形態と同様に、6群7枚の魚眼レンズとして構成された2つの結像光学系と、2つの固体撮像素子とを含み構成されている。図4に示す結像光学系は、図1および図2に示した実施形態と同様の構成を有するが、前群と後群との間には直角プリズムが設けられておらず、互いに光軸を一致させながら互いに逆向きに組み合わせられている。
【0062】
図4に示す全天周撮像システム50は、両側に撮像光学系が設けられた球形状を有する。筐体58は、撮像体52、コントローラ・ボードおよびバッテリ54を保持する本体部に、第1レンズLA1,LB1を露出する開口が設けられた構造を有する。図4に示す結像光学系において、最も物体側に位置する第1レンズLA1,LB1は、筐体58の表面から突出し、筐体58の外部に露出されている。
【0063】
図4に示す全天周撮像システム50においても同様に、上述した撮像体52およびバッテリ54が、多くの割合の重量を占める主要な部材となる。そこで、図4に示す実施形態による全天周撮像システム50では、上記重量を占める主要な部材である撮像体52およびバッテリ54の配置に関して、下の特徴を備えている。
【0064】
図4に示す実施形態による全天周撮像システム50は、撮像体52の重心位置をAとし、バッテリ54の重心位置をBとし、当該全天周撮像システム50全体の重心をPとして、上記撮像体52の重心位置Aおよび重心Pの距離APと、上記バッテリ54の重心位置Bおよび重心Pの距離BPとが、上記関係式(1)を満たす。
【0065】
上記関係式(1)が満たされることにより、図4に示すような球形状の全天周撮像システムにおいても、全体の重心がバッテリ54側に偏ることになる。また、筐体58におけるバッテリ54が配置される付近の外装に衝撃吸収材70を設けることにより、落下時に好適に筐体を保護することができる。
【0066】
なお、その他の配置構成を規定する条件については、図1を参照して説明した実施形態と同様であるため、詳細な説明は割愛する。
【0067】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、レンズ面が筐体から突出している撮像システムであって、重心のバランスが改良された撮像システムを提供することができる。また、上記撮像システムでは、新たな部品を加えることなく、撮像システムが落下してしまった場合において、レンズ面が破損してしまう可能性を好適に低減することができる。
【0068】
以下、本発明の実施形態による撮像システムについて、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0069】
図1に示す直線的な形状を有する全天周撮像システム10を構成した。結像光学系20A,20Bは、6群7枚のレンズ構成とし、この内の物体側から2枚目のレンズLA2,LB2および7枚目のレンズLA7,LB7は、プラスチックレンズとした。プラスチック・レンズは、Zeonex(登録商標)のE48Rのプラスチック樹脂材料(比重1.1)を用いて形成されたものとした。鏡筒26は、比重1.3のガラス入りポリカーボネート(PC+GF)材を用いて形成した。
【0070】
1枚目のレンズLA1,LB1の曲率半径rは、17mmであり、有効径Rは、20mmであり、サグ量hは、約3.25mmであった。また、1枚目のレンズLA1,LB1の筐体面18A,18Aからの突出量は、約5mmであった。したがって、上記関係式(4)は満たされた。
【0071】
レンズLA1~7,LB1~7、直角プリズムPA,PB、鏡筒26、固体撮像素子24A,24Bを組み合わせた撮像体12の重心位置Aと、全体の重心Pと、バッテリ14の重心位置Bとを測定したところ、距離APは38mmであり、距離BPは26mmであった。また、撮像体12の重量mは、17gであり、バッテリ14の重量Mは25gであった。また、撮像体12の重心位置Aおよびバッテリ14の重心位置Bと、全天周撮像システム10の形状の中心Nの距離ANおよびBNを計測したところ、距離ANは35mmであり、距離BNは、29mmであった。したがって、上記関係式(1)~(3)は満たされていた。
【0072】
シャッターボタンを距離PSが10mmとなる位置Sに設けた。点Sにおけるシャッターボタンを押圧10gで押した場合においても、安定して撮影することができた。
【実施例2】
【0073】
図4に示す球形状を有する全天周撮像システム50を構成した。結像光学系各々は、6群7枚のレンズ構成とし、この内の物体側から2枚目のレンズLA2,LB2および7枚目のレンズLA7,LB7は、Zeonex(登録商標)のE48Rのプラスチックレンズとした。鏡筒26は、ガラス入りポリカーボネート(PC+GF)材を用いた。
【0074】
1枚目のレンズLA1,LB1の曲率半径rは、17mmであり、有効径Rは、20mmであり、サグ量hは、約3.5mmであった。したがって、上記関係式(4)は満たされた。
【0075】
レンズLA1~7,LB1~7、直角プリズムPA,PB、鏡筒、固体撮像素子を組み合わせた撮像体52の重心位置Aと、全体の重心Pと、バッテリ54の重心位置Bとを測定したところ、距離APは15mmであり、距離BPは10mmでとなった。また、撮像体52の重量mは、17gであり、バッテリ54の重量Mは25gであった。また、距離ANは0mmであり、距離BNは、25mmであった。したがって、上記関係式(1)~(3)は満たされていた。
【実施例3】
【0076】
実施例1と同じ結像光学系20A,20Bおよび鏡筒26を用いて、図5および図6に示す直線的な形状を有する全天周撮像システム10を構成した。1枚目のレンズLA1,LB1の曲率半径rは、17mmであり、有効径Rは、20mmであり、サグ量hは、約3.25mmであった。また、1枚目のレンズLA1,LB1の筐体面18A,18Aからの突出量は、約5mmであった。したがって、上記関係式(4)は満たされた。
【0077】
レンズLA1~7,LB1~7、直角プリズムPA,PB、鏡筒26、固体撮像素子24A,24Bを組み合わせた撮像体12の重心位置Aと、全体の重心Pと、バッテリ14の重心位置Bとを測定したところ、距離APは47mmであり、距離BPは32mmであった。また、撮像体12の重量mは、17gであり、バッテリ14の重量Mは25gであった。また、撮像体12の重心位置Aおよびバッテリ14の重心位置Bと、全天周撮像システム10の形状の中心Nの距離ANおよびBNを計測したところ、距離ANは42mmであり、距離BNは、37mmであった。したがって、上記関係式(1)~(3)は満たされていた。シャッターボタン22を、距離PSが7.5mmとなる、レンズ形成側の筐体面の位置Sに設けた。点Sにおけるシャッターボタンを押圧10gで押した場合においても、安定して撮影することができた。
【0078】
以上、本発明の実施形態および実施例について説明してきたが、本発明の実施形態および実施例は上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、他の実施形態、他の実施例、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0079】
本発明は、以下も開示する。
(付記1)
光学系および固体撮像素子を有する撮像体と、前記固体撮像素子へ電力を供給する電力供給手段と、前記撮像体および前記電力供給手段を保持する筐体とを備える撮像システムであって、
前記光学系は、前記筐体から突出した少なくとも1つの光学素子を含み、
前記光学系を含む部分の重心位置をAとし、前記電力供給手段の重心位置をBとし、当該撮像システム全体の重心をPとして、前記光学系を含む部分の重心位置Aおよび前記全体の重心Pの距離APと、前記電力供給手段の重心位置Bおよび前記全体の重心Pの距離BPとが、下記関係式
AP>BP
を満たす、撮像システム。
(付記2)
前記撮像システムは、さらに、前記撮像体による撮像開始の指示が入力される撮像開始入力手段を備え、
前記光学系、前記撮像開始入力手段および前記電力供給手段は、前記撮像開始入力手段の位置をSとして、前記光学系を含む部分の重心位置A、前記撮像開始入力手段の位置S、および前記全体の重心Pの順となるように配置されている、付記1に記載の撮像システム。
(付記3)
前記筐体から突出する少なくとも1つの光学素子は、凸レンズであり、前記凸レンズは、該凸レンズの曲率半径をrとし、有効径をRとして、下記関係式、
1-1cos{sin-1(R/2r)}≧0.17
を満たす、付記1または2に記載の撮像システム。
(付記4)
前記光学系を含む部分の重量をmとし、前記電力供給手段の重量をMとして、前記光学系を含む部分の重量mおよび前記電力供給手段の重量Mが、下記関係式
m<M
を満たす、付記1~3のいずれか1つに記載の撮像システム。
(付記5)
前記撮像システム全体の形状の中心位置をNとして、前記光学系を含む部分の重量mと、前記電力供給手段の重量Mと、前記光学系を含む部分の重心位置Aおよび前記中心Nの距離ANと、前記電力供給手段の重心位置Bおよび前記中心Nの距離BNとが、下記関係式
m×AN<M×BN
を満たす、付記4に記載の撮像システム。
(付記6)
前記光学系は、前記光学素子として、比重が2.5g/cmより小さい材質で構成される1枚以上のレンズを含む、付記1~5のいずれか1つに記載の撮像システム。
(付記7)
前記光学系は、前記光学素子として樹脂材料で構成される1枚以上のレンズと、樹脂材料で構成され前記光学素子を固定する光学素子保持部材とを含む、付記1~6のいずれか1つに記載の撮像システム。
(付記8)
前記筐体における前記電力供給手段が配置される付近の外装に配置された、衝撃吸収材を備える、付記1~7のいずれか1つに記載の撮像システム。
(付記9)
前記光学系は、それぞれ360度/n以上の画角を有するn個の結像光学系から構成される、付記1~8のいずれか1つに記載の撮像システム。
【符号の説明】
【0080】
10…全天周撮像システム、12…撮像体、14…バッテリ、16…コントローラ・ボード、18…筐体、20A…結像光学系、20B…結像光学系、22…シャッターボタン、24A,24B…固体撮像素子、26…鏡筒、30,70…衝撃吸収材、50…全天周撮像システム、52…撮像体、54…バッテリ、58…筐体、F…フィルタ、LA,LB…レンズ、PA,PB…直角プリズム、SA,SB…開口絞り
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【文献】特開昭62-191838号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6