(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】光学モジュールおよび検出方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20220405BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
G01T1/20 C
G02B6/26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017048582
(22)【出願日】2017-03-14
【審査請求日】2020-03-05
(32)【優先日】2016-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504144253
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】タル クズニズ
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特公昭55-029397(JP,B2)
【文献】米国特許第06750456(US,B1)
【文献】特表2012-533734(JP,A)
【文献】特開2012-037417(JP,A)
【文献】国際公開第2014/128957(WO,A1)
【文献】米国特許第04560882(US,A)
【文献】特開2002-214349(JP,A)
【文献】特開昭55-029397(JP,A)
【文献】特開2011-107122(JP,A)
【文献】特開2012-159360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/20
G02B 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学屈折率を有する光学インターフェースであり、入力表面および出力表面を備える光学インターフェースと、
前記入力表面に光学的に結合された平らな表面を備え、前記シンチレータに荷電粒子が衝突したことに応答して、前記平らな表面を通して放出光を放出するように構成されたシンチレータと
を備え、
前記光学インターフェースが、(i)前記シンチレータからの前記放出光を受け取り、(ii)前記出力表面を通して出力光を出力するように構成されており、
(a)前記光学インターフェースが、導光体の少なくとも一部分であること、
(b)前記入力表面が、光学接触結合によって前記平らな表面に結合されていること、および
(c)前記シンチレータ屈折率に実質的に等しい接着材屈折率を有する接着材によって、前記入力表面が前記平らな表面に取り付けられていること
のうち少なくとも1つが真であり、
前記光学インターフェース屈折率が、前記シンチレータ屈折率と最大10パーセント異な
り、
前記光学インターフェースが、前記入力表面及び前記出力表面に加えて、前記出力表面に向かう光を平行にするように放物面鏡として形作られた中間表面を含み、
前記出力表面が、3次元球面のセグメントとして形作られた光学モジュール。
【請求項2】
前記出力光が、前記出力表面の領域を通って、前記出力表面の前記領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で射出する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
前記平らな表面が前記入力表面と接触した、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項4】
前記光学インターフェースが、前記出力表面に向かう前記放出光を平行にするように構成された放物面鏡を備える、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項5】
前記出力表面が、3次元球面のセグメントとして形作られた、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項6】
前記出力表面が直線的形状を有する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項7】
前記出力表面が非直線的形状を有する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項8】
前記光学インターフェース屈折率が前記シンチレータ屈折率に等しい、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項9】
前記入力表面が、前記出力表面に関して配向された、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項10】
前記光学インターフェースおよび前記シンチレータがサファイアでできている、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項11】
シンチレータ屈折率を有するシンチレータの平らな表面を通して放出光を放出するステップであり、前記放出光の前記放出が、前記シンチレータに荷電粒子が衝突したことに対する応答であるステップと、
光学屈折率を有する光学インターフェースの入力表面を通して前記放出光を受け取るステップと、
前記光学インターフェースの出力表面を通して、出力光を、前記出力表面の領域を通して、前記出力表面の前記領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で出力するステップと
を含み、
前記光学インターフェース屈折率が、前記シンチレータ屈折率と最大10パーセント異なり、
(a)前記光学インターフェースが、導光体の少なくとも一部分であること、および
(b)前記光学インターフェースの前記出力表面が、前記導光体の一部分と直接に接触していること
のうち少なくとも1つが真であ
り、
前記光学インターフェースが、前記入力表面及び前記出力表面に加えて、前記出力表面に向かう光を平行にするように放物面鏡として形作られた中間表面を含み、
前記出力表面が、3次元球面のセグメントとして形作られた検出方法。
【請求項12】
前記光学インターフェースが、前記出力表面に向かう前記放出光を平行にするように構成された放物面鏡を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記出力光が、前記出力表面の領域を通って、前記出力表面の前記領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で射出する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記平らな表面が前記入力表面と接触した、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
シンチレータ(www.wikipedia.org)は、シンチレーションを示す材料である。シンチレーションは、イオン化性放射によって励起されたときのルミネセンスの特性である。発光材料は、入来粒子が衝突すると、その粒子のエネルギーを吸収し、シンチレーションを示す(すなわち吸収したエネルギーを光の形で再放出する)。この励起状態が準安定であることがあり、そのため、励起状態からより低エネルギー状態へ戻る緩和が遅れることがある(材料によって数ナノ秒から数時間を要する)。このプロセスは、遷移のタイプに応じて、したがって放出される光学光子の波長に応じて、2つの現象のうちのいずれか一方の現象、すなわち遅延蛍光または燐光に対応する。燐光は残光とも呼ばれる。
【0002】
走査電子顕微鏡、電子ビーム検査ツールなどのさまざまなツールがシンチレータおよび導光体を含む。
【0003】
シンチレータと導光体とが異なる材料でできており、シンチレータが平らであるとき、シンチレータと導光体の間の光学結合は問題をはらみ、この結合により、かなりの量の光が失われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シンチレータからの光を効率的に集める必要性が増している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、(a)入力表面および出力表面を含む光学インターフェースと、(b)平らな表面を有し、シンチレータ屈折率を有するシンチレータとを含み、このシンチレータが、シンチレータに荷電粒子が衝突したことに応答して、平らな表面を通して放出光を放出するように構成された光学モジュールが提供される。光学インターフェースは、光学インターフェース屈折率を有する。平らな表面は、入力表面に光学的に結合されている。光学インターフェースは、(i)シンチレータからの放出光を受け取り、(ii)出力表面を通して出力光を出力するように構成することができる。光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率に実質的に等しい。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、(a)シンチレータ屈折率を有するシンチレータの平らな表面を通して放出光を放出するステップであり、この放出光の放出が、シンチレータに荷電粒子が衝突したことに対する応答であるステップと、(b)光学インターフェースの入力表面を通して放出光を受け取るステップと、(c)光学インターフェースの出力表面を通して、出力光を出力するステップとを含む検出方法が提供される。光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率と等しくてもよく、またはシンチレータ屈折率と最大10パーセント異なっていてもよい。出力光は、出力表面の領域を通って、出力表面の領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で射出する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、下記の事項のうち少なくとも1つが真である:(a)光学インターフェースが、導光体の少なくとも一部分であること、(b)入力表面が、光学接触結合によって平らな表面に結合されていること、および(c)シンチレータ屈折率に実質的に等しい接着材屈折率を有する接着材によって、入力表面が平らな表面に取り付けられていること。
【0009】
出力光は、出力表面の領域を通って、出力表面のその領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で射出することができる。
【0010】
平らな表面は、入力表面と接触していてもよい。
【0011】
光学インターフェースは、出力表面に向かう放出光を平行にするように構成された放物面鏡を含むことができる。
【0012】
出力表面は、3次元球面のセグメントとして形作ることができる。
【0013】
出力表面は、直線的形状を有することができる。
【0014】
出力表面は、非直線的形状を有することができる。
【0015】
光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率と等しくてもよい。
【0016】
光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率と最大10パーセント異なっていてもよい。10パーセントまでの差は依然として実質的に等しいとみなされる。
【0017】
入力表面を、出力表面に関して配向することができる。
【0018】
光学インターフェースおよびシンチレータは、サファイア製または他の材料製とすることができる。
【0019】
本発明とみなされる主題は、本明細書の結びの部分に具体的に示され、明瞭に主張されている。しかしながら、構成および動作方法とその目的、特徴および利点の両方に関して、本発明は、添付図面と照らし合わして読まれたときに以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】シンチレータ、インタフェーシングモジュールおよび導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを示す図である。
【
図1B】シンチレータ、インタフェーシングモジュールおよび導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを示す図である。
【
図2A】シンチレータおよび導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを示す図である。
【
図2B】シンチレータおよび導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に基づく光学モジュール内における光の伝搬を示す図である。
【
図4A】シンチレータ、2つのインタフェーシングモジュールおよび2つの導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを示す図である。
【
図4B】シンチレータ、4つのインタフェーシングモジュールおよび4つの導光体を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュールの上面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に基づく光学モジュールを含むシステムを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に基づく方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図解を単純かつ明瞭にするために、図に示された要素は必ずしも一定の尺度では描かれていないことが理解されるであろう。例えば、明瞭にするために、図に示された要素のうちのいくつかの要素の寸法が他の要素に比べて誇張されていることがある。また、適当と考えられる場合には、対応する要素または類似の要素を指し示すために、複数の図の間で参照符号が繰り返されていることがある。
【0022】
本発明の完全な理解を提供するため、以下の詳細な説明には多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、それらの具体的な詳細がなくとも本発明を実施することができることを当業者は理解するであろう。また、本発明を不明瞭にすることがないように、周知の方法、手順および構成要素については詳細には記載しなかった。
【0023】
本発明とみなされる主題は、本明細書の結びの部分に具体的に示され、明瞭に主張されている。しかしながら、構成および動作方法とその目的、特徴および利点の両方に関して、本発明は、添付図面と照らし合わして読まれたときに以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されうる。
【0024】
図解を単純かつ明瞭にするために、図に示された要素は必ずしも一定の尺度では描かれていないことが理解されるであろう。例えば、明瞭にするために、図に示された要素のうちのいくつかの要素の寸法が他の要素に比べて誇張されていることがある。また、適当と考えられる場合には、対応する要素または類似の要素を指し示すために、複数の図の間で参照符号が繰り返されていることがある。
【0025】
本発明の図示された実施形態は、そのほとんどが、当業者に知られている電子構成要素および電子回路を使用して実現することができるため、上に示されているとおり、本発明の根底にある着想を理解および認識するためおよび本発明の教示を不明瞭にしたりまたは本発明の教示から逸れたりしないために必要と考えられる範囲を超えて詳細は説明されない。
【0026】
本明細書における方法に対する一切の論及は、必要な変更を加えた後に、その方法を実行することができるシステムに適用されるべきである。
【0027】
本明細書におけるシステムに対する一切の論及は、必要な変更を加えた後に、その方法を実行することができる方法に適用されるべきである。
【0028】
図1Aは、シンチレータ30、光学インターフェース40および導光体50を含む本発明の一実施形態に基づく光学モジュール21を示す。
【0029】
光学モジュールは、独立型モジュールとすることができ、検査システムの一部分とすることができ、検出モジュールを形成することができ、または検出モジュールの一部分とすることができる。
【0030】
光学インターフェース40は、入力表面41および出力表面43を含む。
【0031】
シンチレータ30は平らな表面32を有する。シンチレータ30は、別のシンチレータ表面31を含むものとして示されている。シンチレータ30はシンチレータ屈折率を有する。
【0032】
平らな表面32は実質的に曲がっておらずまたは湾曲してもいない。
【0033】
シンチレータ30は、別のシンチレータ表面31に(電子などの)荷電粒子が衝突したことに応答して、平らな表面32を通して放出光を放出するように構成されている。
【0034】
光学インターフェース40は光学インターフェース屈折率を有する。平らな表面32は、入力表面41に光学的に結合されている。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、平らな表面32は入力表面41と接触している。平らな表面32は、平らな表面32と入力表面41の間に接着材または結合材が置かれることなく、入力表面41と接触することができる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、平らな表面32は入力表面41に、平らな表面32と入力表面の間に間隙ができないように結合されている。あるいは、そのような間隙が存在する場合でも、その間隙は、消えて行くフィールド低減衰のために十分に低い。例えば、その間隙は、数十ナノメートルを超えない(例えば10、20、30ナノメートル未満である)。
【0037】
平らな表面32を入力表面41に結合する目的には、光学接触結合を提供する、知られている任意の方法を使用することができる。例えば、ナノメートル規模で(例えば約1/2ナノメートルの正確さで)互いに合致するように、平らな表面32および入力表面41をそれぞれ研磨することができる。
【0038】
(平らな表面32と入力表面41などの)2つの表面が、比較的に大きな面積(1平方ミリメートル以上)にわたって1nm未満の間隙を有するとき、それらの2つの表面間のファンデルワールス力が、それらの2つの表面を互いに対して保持する。両方の本体が同じ材料でできている場合、それらの間の界面は全く観察することができない。
【0039】
それらの2つの表面は、研磨された後に清浄化され、互いに対して取り付けられる。この取付けプロセスは、それらの2つの表面間に存在する一切の残留気体または残留液体を追い出すことを含むことができる。この追出しは、それらの2つの表面のうちの1つもしくは複数の表面を回転させること、それらの2つの表面のうちの1つもしくは複数の表面を熱処理すること、および/または圧力を加えることを含むことができる。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、シンチレータの屈折率に実質的に等しい接着材屈折率を有する接着材を使用して、平らな表面32が入力表面に接続される。
【0041】
光学インターフェース40は、(i)シンチレータ30からの放出光を受け取り、(ii)出力表面43を通して出力光を出力するように構成されている。
【0042】
光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率に実質的に等しい。光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率に正確に等しくてもよく、または10パーセントまでであればシンチレータ屈折率と異なっていてもよい。
【0043】
出力光は、出力表面43の領域を通って、出力表面43のその領域に対して70度から110度の間の範囲の角度で射出する。出力表面のその領域は、出力光がそこを通って射出する、出力表面43の点を含む。
【0044】
放出光は、大きな角度範囲(ほぼ180度)内のさまざまな角度で入力表面41から射出すること(および光学インターフェース40内を伝搬すること)ができるが、出力表面43を通って射出する光は、出力表面に対して実質的に垂直であり、したがって導光体50から「漏れない」。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、出力表面43は湾曲していてもよく、球面の一部分を形成していてもよい。出力表面43が球面の一部分として形作られているとき、球の中心は、そこから光が射出する(シンチレータの中心などの)シンチレータの部分のすぐ近くに置くことができる。シンチレータのその部分から放出され、出力表面43に向かって直接に伝搬する光は、出力表面43の射出点から約90度で射出する。
【0046】
導光体50は、出力表面43と接触した導光体入力界面51を有する。
【0047】
図1Aでは、入力表面41および出力表面43に加えて、光学インターフェース40が中間表面42を含む。出力表面43に向かう光を平行にするように、または出力表面43に向かう光を他の態様で反射するように、中間表面42を構成することができる。
【0048】
【0049】
図1Bは、放物面鏡として形作られた中間表面42を含む光学モジュール22を示す。
【0050】
出力表面43は、直線的または非直線的とすることができる。例えば、出力表面を、3次元球面のセグメントとして形作ることができる。
【0051】
図1Aおよび1Bでは、光学インターフェース40が導光体50に接続されていたが、光学インターフェース40を導光体50の一部分とすることができることに留意すべきである。
【0052】
図2Aは、光学モジュール23を示す。
図2Bは、光学モジュール24を示す。
【0053】
図2Aおよび2Bは、入力表面61、中間表面62および出力表面63を有する導光体60を示す。
図2Aの導光体60は、
図1Aの光学インターフェース40と導光体50の組合せである。
図2Bの導光体60は、
図1Bの光学インターフェース40と導光体50の組合せである。
【0054】
図3は、光学モジュール23内の光の伝搬を示し、光学モジュール23は例えば、
図1Aに示された光学モジュール21と同様の光学モジュールまたは
図1Aに示された光学モジュール21と全く同じ光学モジュールとすることができる。
【0055】
シンチレータ30に電子101が衝突する。その結果として、光学インターフェース40内で光線102が放出されることがある。出力表面43に向かって放出された光線は、出力表面43から(出力光103として)射出することがある。中間表面42に向かって放出された光線は、出力表面43に向かって(出力光103として)導かれることがある。
【0056】
本発明のさまざまな実施形態によれば、シンチレータの異なる部分(セグメント)が、
図1Aまたは1Bの光学インターフェースなどの異なる光学インターフェースに光学的に結合される。
【0057】
本発明のさまざまな実施形態によれば、シンチレータの異なる部分(セグメント)が、例えば
図2Aまたは2Bの導光体などの異なる導光体に光学的に結合される。
【0058】
図4Aは、シンチレータ30ならびに一対の光学インターフェース40および240を含む光学モジュール25を示す。
【0059】
光学インターフェース40は、シンチレータ30のあるセグメントと導光体50との間に光学的に結合されている。シンチレータ30の別のセグメントと追加の導光体250との間に、追加の光学インターフェース240が光学的に結合されている。
【0060】
図4Bは、シンチレータ30ならびに異なる4つの光学インターフェース、すなわちインターフェース40、140、240および340を含む光学モジュール26を示す。
【0061】
光学インターフェース40(第1の光学インターフェースとも呼ぶ)は、シンチレータ30の第1のセグメントと導光体50(第1の導光体とも呼ぶ)との間に光学的に結合されている。
【0062】
第2の光学インターフェース140は、シンチレータ30の第2のセグメントと第2の導光体150との間に光学的に結合されている。
【0063】
第3の光学インターフェース240は、シンチレータ30の第3のセグメントと第3の導光体250との間に光学的に結合されている。
【0064】
第4の光学インターフェース340は、シンチレータ30の第4のセグメントと第4の導光体350との間に光学的に結合されている。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態に基づくシステム520および物体510を示す。
【0066】
物体510は、半導体ウエハ、フラットパネル、ソーラーパネル、リソグラフィマスクまたは他の物体などとすることができる。
【0067】
システム520は、欠陥レビューツール、電子ビーム検査ツールなどとすることができる。
【0068】
システム520は、メモリモジュール531、プロセッサ533、コントローラ532および画像取得モジュール540を含む。
【0069】
コントローラ532は、システム520のさまざまなモジュールおよび/または構成要素の動作を制御するように構成されている。
【0070】
プロセッサ533は、画像取得モジュール540によって得られた情報にさまざまなアルゴリズムを適用するように構成されている。それらのアルゴリズムは、欠陥レビューアルゴリズム、欠陥検出アルゴリズムなどとすることができる。
【0071】
メモリモジュール531は、画像取得モジュール540によって得られた情報、プロセッサ533によって適用された処理の結果、検査レシピ、欠陥レビューレシピなどを記憶するように構成することができる。
【0072】
画像取得モジュール540は、照射モジュール550ならびに収集および検出モジュール560を含むことができる。
【0073】
照射モジュール550と収集および検出モジュール570は別個のモジュールとすることができ、または1つもしくは複数の構成要素を共用することができる。例えば、照射モジュール550と収集および検出モジュール560は対物レンズを共用することができる。
【0074】
画像取得モジュール540は、1つまたは複数の荷電粒子カラムを含むことができる。
【0075】
照射モジュール550は、基板510に1つまたは複数の電子ビームを照射し、それによって1つまたは複数の収集された電子ビームを生成するように構成することができる。この1つまたは複数の収集された電子ビームは、基板から反射されたものおよび/もしくは散乱したものであることがあり、または他の方式で基板と相互作用したものであることがある。
【0076】
この1つまたは複数の収集された電子ビームを、光学モジュール21などの1つまたは複数のモジュールによって光ビームに変換することができる。
【0077】
収集および検出モジュール560は、光学回路70および光学モジュール21を含むことができる。光学モジュール21の代わりに、
図1B、2A、2B、4Aおよび4Bに示された光学モジュールのうちのいずれかの光学モジュールを使用することもできる。光学回路70は、光学モジュール21から出力された出力光を処理し、増幅し、減衰させかつ/または変換することができる。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態に基づく方法600を示す。
【0079】
方法600は、段階610、620および630を含む。
【0080】
段階610は、シンチレータ屈折率を有するシンチレータの平らな表面を通して放出光を放出することを含むことができる。この放出光の放出は、シンチレータに荷電粒子が衝突したことに対する応答である。
【0081】
段階610に続いて、光学インターフェースの入力表面を通して放出光を受け取る段階620を含むことができる。
【0082】
光学インターフェース屈折率は、シンチレータ屈折率と実質的に等しくてもよい。
【0083】
本発明のさまざまな実施形態によれば、下記の事項のうち少なくとも1つが真である:
a.光学インターフェースが、導光体の少なくとも一部分である。
【0084】
b.入力表面が、光学接触結合によって平らな表面に結合されている。
【0085】
c.シンチレータ屈折率に実質的に等しい接着材屈折率を有する接着材によって、入力表面が平らな表面に取り付けられている。
【0086】
段階620に続いて、光学インターフェースの出力表面に向かって放出光を導く段階630を含むことができる。
【0087】
段階630に続いて、光学インターフェースの出力表面を通して出力光を出力する段階640を含むことができる。この出力光は、導光体内を伝搬することができる。
【0088】
出力光は、出力表面の領域を通って、出力表面のその領域に対して例えば70度から110度の間の範囲の角度で射出することができる。
【0089】
以上の明細書においては、本発明の実施形態の特定の例を参照して本発明を説明した。しかしながら、添付された特許請求項に記載された本発明のより幅広い趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を本発明に加えることができることは明白であろう。
【0090】
さらに、この説明および特許請求の範囲において用語「前(front)」、「後ろ(back)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「~の上(over)」などが使用されている場合、それらの用語は、説明目的で使用されており、恒久的な相対位置を記述するために使用されているわけでは必ずしもない。このように使用された用語は、適当な状況下において、本明細書に記載された本発明の実施形態が例えば、本明細書に示されまたは他の方法で記載された向きとは別の向きで機能することができるような態様で、相互に交換可能であることが理解される。
【0091】
本明細書で論じられている接続は、対応するそれぞれのノード、ユニットもしくは装置から、または対応するそれぞれのノード、ユニットもしくは装置に、例えば中間装置を通して信号を転送するのに適した任意のタイプの接続とすることができる。そうではないと暗示または明示されない限り、接続は例えば直接接続または間接接続とすることができる。接続は、単一の接続、複数の接続、一方向接続または双方向接続に関して図示されまたは記述されることがある。しかしながら、実施形態によって接続の実施態様は異なることがある。例えば、双方向接続の代わりに別個の複数の一方向接続を使用することができ、その逆もまた可能である。また、複数の接続の代わりに、複数の信号を逐次的にまたは時間多重方式で転送する単一の接続を使用することもできる。同様に、多数の信号を運ぶ単一の接続を、これらの信号のサブセットを運ぶさまざまな異なる接続に分離することもできる。したがって、信号を転送する多くの選択肢が存在する。
【0092】
例においては、特定の導電型または電位の極性を記載したが、導電型および電位の極性は逆にすることができることを理解されたい。
【0093】
本明細書に記載されたそれぞれの信号は、正または負論理として設計することができる。負論理信号の場合、その信号は、論理的に真の状態が論理レベル0に対応するアクティブロー(active low)である。正論理信号の場合、その信号は、論理的に真の状態が論理レベル1に対応するアクティブハイ(active high)である。本明細書に記載された信号はいずれも、負または正論理信号として設計することができることに留意されたい。したがって、代替実施形態では、正論理信号と記載された信号を負論理信号として実現することができ、負論理信号と記載された信号を正論理信号として実現することができる。
【0094】
さらに、本明細書では、用語「表明する(assert)」または「セットする(set)」、および「否定する(negate)」(または「デアサートする(deassert)」もしくは「クリアする(clear)」)がそれぞれ、信号、状態ビットまたは同様のアパレイタス(apparatus)を、その論理的に真の状態または論理的に偽の状態にすることを言うときに使用される。論理的に真の状態が論理レベル1である場合、論理的に偽の状態は論理レベル0である。また、論理的に真の状態が論理レベル0である場合、論理的に偽の状態は論理レベル1である。
【0095】
論理ブロック間のこれらの境界は単なる例であること、および、代替実施形態は、論理ブロックもしくはモジュール要素を併合し、またはさまざまな論理ブロックもしくはモジュール要素に機能の代替の分解を課すことがあることを当業者は理解するであろう。したがって、本明細書に示されたアーキテクチャは単なる例であること、および実際に、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実装することができることを理解すべきである。
【0096】
同じ機能を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連づけられている」。したがって、特定の機能を達成するように組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは介在する構成要素に関わりなく、所望の機能が達成されるように互いに「関連づけられている」と見ることができる。同様に、そのように関連づけられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続されている」または互いに「動作可能に結合されている」と見ることもできる。
【0097】
さらに、上述の操作間の境界は単なる例であることを当業者は理解するであろう。複数の操作を組み合わせて単一の操作にすることができ、単一の操作を追加の複数の操作に分散することができ、時間的に少なくとも部分的に重ねて複数の操作を実行することができる。さらに、代替実施形態は、特定の操作の複数のインスタンスを含むことができ、他のさまざまな実施形態では操作の順序を変更することができる。
【0098】
さらに、例えば、一実施形態では、図示された例が、単一の集積回路上または同じ装置内に位置する回路として実現される。あるいは、それらの例を、適当な方式で互いに相互接続された任意の数の別個の集積回路または別個の装置として実現することもできる。
【0099】
しかしながら、他の修正、改変および代替も可能である。したがって、本明細書および図面は、限定の意味ではなく例示の意味で考えるべきである。
【0100】
特許請求項において、括弧に入れられた参照符号は、その請求項を限定すると解釈されない。語「備える(comprising)」は、その請求項に記載されたもの以外の要素またはステップの存在を排除しない。さらに、本明細書で使用される用語「a」または「an」は、1つまたは2つ以上と定義される。さらに、請求項における「少なくとも1つの(at least one)」、「1つまたは複数の(one or more)」などの前置きの句の使用が、不定冠詞「a」または「an」による別の請求項要素(claim element)の導入が、導入されたそのような請求項要素を含む特定の請求項を、そのような要素を1つだけ含む発明に限定することを含意すると解釈すべきではない。このことは、同じ請求項が、前置きの句「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」と、「a」、「an」などの不定冠詞とを含むときであっても当てはまる。同じことが、定冠詞の使用についても言える。特段の記載がない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、そのような用語が記述する要素を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語が、このような要素の時間的優先または他の優先を示すことは必ずしも意図されていない。ある種の手段が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0101】
本発明のある種の特徴を本明細書に示し記載したが、当業者には、多くの修正、置換え、変更および等価物が思い浮かぶであろう。したがって、添付された特許請求項は、本発明の真の趣旨に含まれるそのような全ての修正および変更をカバーすることが意図されていることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0102】
21 光学モジュール
22 光学モジュール
23 光学モジュール
24 光学モジュール
25 光学モジュール
26 光学モジュール
30 シンチレータ
31 別のシンチレータ表面
32 平らな表面
40 光学インターフェース
41 入力表面
42 中間表面
43 出力表面
50 導光体
51 導光体入力界面
60 導光体
61 入力表面
62 中間表面
63 出力表面
70 光学回路
101 電子
102 光線
103 出力光
140 光学インターフェース
150 導光体
240 光学インターフェース
250 導光体
340 光学インターフェース
350 導光体
510 物体
520 システム
531 メモリモジュール
532 コントローラ
533 プロセッサ
540 画像取得モジュール
550 照射モジュール
560 収集および検出モジュール