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特許7053536パルス光ビームのスペクトルフィーチャ計測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】パルス光ビームのスペクトルフィーチャ計測
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/00 20060101AFI20220405BHJP
   G01J 3/26 20060101ALI20220405BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20220405BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01S3/00 G
G01J3/26
G01J3/36
G03F7/20 505
G03F7/20 521
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019123268
(22)【出願日】2019-07-01
(62)【分割の表示】P 2017557997の分割
【原出願日】2016-05-12
(65)【公開番号】P2019179934
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2019-07-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】14/720,207
(32)【優先日】2015-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ,ジョシュア,ジョン
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】吉野 三寛
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-153583(JP,A)
【文献】特開2003-243752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-4/00, G01J 3/00-4/04, G01J 7/00-9/04, G03F 7/20-7/24, G03F 9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス光ビームと相互作用するように構成された計測システムであって、
前記パルス光ビームの経路内にあり、且つ、前記パルス光ビームと相互作用するように構成され、前記パルス光ビームのスペクトル成分を空間成分に変換し、且つ、前記空間成分を同心リングのセットの形状で干渉パターンとして出力する単一のエタロンであって、一定の距離だけ分離されて互いに対向する平行な反射表面の単一のペアを含む、単一のエタロンと、
前記干渉パターンを受け取るとともに感知する複数のセンサであって、前記複数のセンサのうちの各センサは、別個の感知軸に沿って複数のリングにわたって延在するように配列され、且つ、前記干渉パターンの一部のみと相互作用し、各センサは、前記複数のセンサのうち他のセンサと同じ性能パラメータを有し、出力される前記空間成分の方向に垂直な感知軸を定義する、複数のセンサと、
を備え、
前記計測システムは、各センサからの出力空間成分のプロパティを平均化することにより、前記パルス光ビームのスペクトルフィーチャを推定するように構成されている、計測システム。
【請求項2】
各センサは、一つ以上の全体空間成分を受け取る単一の検出器の一部である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記複数のセンサの各センサは、前記エタロンの出力に配置された単一の検出器の別個の場所に配置される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項4】
前記パルス光ビームの経路内にあるビームスプリッタを更に備え、
前記ビームスプリッタは、第1の割合の前記パルス光ビームを前記エタロンに向けて誘導し、第2の割合の前記パルス光ビームを別の経路に沿って誘導する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記スペクトル成分は、前記パルス光ビームの帯域幅である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項6】
互いに対向する平行な反射表面の単一の前記ペアは、光学平面のペアに配置されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
互いに対向する平行な反射表面の単一の前記ペアは、単一のプレートに配置されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
前記複数のセンサは、フォトダイオードの1次元線形アレイである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項9】
各センサは、深紫外レンジ内の波長を有する光に敏感である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項10】
各センサは、2次元電荷結合素子(CCD)又は2次元相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサの一つの領域である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項11】
各センサの出力に接続され、且つ、各センサからの出力空間成分のプロパティを分析するように構成された制御システムを更に備え、前記分析は、前記プロパティを平均化することにより前記パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算することを含む、請求項1に記載の計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される主題は、リソグラフィ露光装置に光を供給する光源から出力される光ビームの帯域幅などのスペクトルフィーチャを推定することに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザなどの光源から出力される光ビームのスペクトルフィーチャ又はプロパティ(例えば、帯域幅)の正確な知識が、多くの科学的及び工業的応用において重要である。例えば、光源帯域幅の正確な知識を用いて、深紫外線(DUV)光リソグラフィにおける最小フィーチャサイズ又はクリティカルディメンション(CD)の制御が実行可能とされる。クリティカルディメンションは、半導体基板(ウェーハとも呼ばれる)上に印刷されるフィーチャサイズであり、したがってCDは微細なサイズ制御を必要とする可能性がある。光学リソグラフィにおいて、基板は光源によって生成される光ビームによって照射される。しばしば、光源はレーザ源であり、光ビームはレーザビームである。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの一般の態様において、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを測定するために計測システムが用いられる。計測システムは、パルス光ビームの経路内にあり、パルス光ビームと相互作用するように、且つ、パルス光ビームのスペクトル成分に対応する複数の空間成分を出力するように、構成された光周波数分離装置と、出力空間成分を受け取り及び感知する複数の感知領域と、各感知領域の出力に接続される制御システムと、を含む。制御システムは、1つ以上のパルスについての光周波数分離装置からの出力空間成分のプロパティを各感知領域出力について測定するように、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算するために測定されたプロパティを平均化することを含む、測定されたプロパティを分析するように、及び、パルス光ビームの推定スペクトルフィーチャがスペクトルフィーチャの値の許容レンジ内にあるかどうかを判別するように、構成される。
【0004】
実装は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、光周波数分離装置は、複数の光周波数分離デバイスを含むことができる。計測システムは、パルス光ビームを複数のパルス光ビームに分割するビーム分離デバイスを含むことが可能であり、分割されたパルス光ビームの各々はそれぞれの光周波数分離デバイスに誘導される。各光周波数分離デバイスは、エタロンを含むことができる。複数の感知領域のうちの各感知領域は、光周波数分離デバイスのうちの1つの出力に配置された別個のセンサ上に形成することができる。各光周波数分離デバイスは、他の光周波数分離デバイスと同じ応答機能を有することができる。
【0005】
光周波数分離装置は、1つ以上のエタロンを含むことができる。
【0006】
計測システムは、光ビームを生成するソースとフォトリソグラフィ露光装置との間の経路内にビーム分離デバイスを含むことができる。ビーム分離デバイスは、第1の割合の光ビームを光周波数分離装置に向けて誘導すること、及び、第2の割合の光ビームを経路に沿ってフォトリソグラフィ露光装置に向けて誘導すること、が可能である。
【0007】
光ビームは、少なくともいくつかが深紫外線レンジ内にある複数の波長を有することができる。
【0008】
各感知領域は、複数のうちの他の感知領域と同じ性能パラメータを有することができる。
【0009】
スペクトルフィーチャは、パルス光ビームの帯域幅であり得る。
【0010】
計測システムは、光学的にパルス光ビームに接続されるスペクトルフィーチャ選択システムを含むことができる。制御システムは、スペクトルフィーチャ選択システムに接続可能であり、パルス光ビームの推定されたスペクトルフィーチャが許容レンジ外にあるものと制御システムが決定した場合、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを修正するために、調整信号をスペクトルフィーチャ選択システムに送信するように構成可能である。
【0011】
1つ以上のパルスのレンジは、単一パルスであり得る。
【0012】
測定されたプロパティは、いずれの測定されたプロパティがスペクトルフィーチャの最も正確な表現であるかを決定することによって平均化することが可能であり、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを計算することは、スペクトルフィーチャを最も正確に表す測定されたプロパティを選択することを含む。
【0013】
制御システムは、いずれの測定されたプロパティが値のターゲットレンジ内に入るかを決定するように構成可能であり、制御システムは、値のターゲットレンジ内に入る測定されたプロパティのみを平均化することによって、推定を計算するために、測定されたプロパティを平均化することができる。
【0014】
測定されたプロパティは、測定されたプロパティの重み付き平均を実行することによって平均化することが可能であり、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算することは、重み付き平均をスペクトルフィーチャの推定として選択することを含む。
【0015】
光周波数分離装置は、単一の光周波数分離デバイスを含むことが可能であり、1つ以上のスペクトル成分全体を受け取る単一の2次元センサ上に、複数の感知領域を形成することができる。
【0016】
複数の感知領域のうちの各感知領域は、出力される空間成分の光軸に対して垂直な感知軸を有することができる。
【0017】
複数の感知領域のうちの各感知領域は、光周波数分離装置の出力に配置された単一のセンサの別個の場所に形成することができる。
【0018】
他の一般の態様において、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを測定するための方法が実行される。方法は、パルス光ビームを、パルス光ビームのスペクトル成分に対応する複数の空間成分を出力する光周波数分離装置と相互作用させること、出力空間成分の経路内に配置された複数の感知領域の各々で複数の空間成分を感知すること、パルス光ビームの1つ以上のパルスについての出力空間成分のプロパティを各感知領域で測定すること、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算するために測定されたプロパティを平均化すること、を含む、測定されたプロパティを分析すること、及び、パルス光ビームの推定スペクトルフィーチャがスペクトルフィーチャの許容レンジ内にあるかどうかを判別すること、を含む。
【0019】
実装は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、複数の感知領域の各々で光ビームの同じパルスについて同時に複数の空間成分を感知することによって、複数の感知領域の各々で複数の空間成分を感知することができる。
【0020】
方法は、パルス光ビームの推定されたスペクトルフィーチャが許容レンジ外にあるものと決定された場合、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを修正するために、調整信号をスペクトルフィーチャ選択システムに送信することを含むことができる。
【0021】
測定されたプロパティは、いずれの測定されたプロパティがスペクトルフィーチャの最も正確な表現であるかを決定することによって平均化することが可能であり、パルス光ビームのスペクトルフィーチャを計算することは、スペクトルフィーチャを最も正確に表す測定されたプロパティを選択することを含む。
【0022】
方法は、いずれの測定されたプロパティが値の標準レンジ内に入るかを決定することを含むことが可能であり、推定を計算するために、測定されたプロパティを平均化することは、値の標準レンジ内に入るそれらの測定されたプロパティのみを平均化することを含む。
【0023】
測定されたプロパティは、測定されたプロパティの重み付き平均を実行することによって平均化することが可能であり、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算することは、重み付き平均をスペクトルフィーチャの推定として選択することを含む。
【0024】
出力空間成分のプロパティは、同じ測定技法を用いる感知領域の各々について出力空間成分のプロパティを測定することによって、感知領域の各々で測定することができる。
【0025】
他の一般の態様において、光学システムは、パルス光ビームを生成する少なくとも1つの利得媒体を含む光源と、パルス光ビームの第1の部分を計測経路に沿って誘導し、パルス光ビームの第2の部分をリソグラフィ経路に沿って誘導するビーム分離デバイスと、計測経路内の計測システムと、リソグラフィ経路内のビームデリバリシステムと、を含む。計測システムは、パルス光ビームの経路内にあり、パルス光ビームと相互作用するように、且つ、パルス光ビームのスペクトル成分に対応する複数の空間成分を出力するように、構成された光周波数分離装置と、出力空間成分を受け取り及び感知する複数の感知領域と、複数のうちの各感知領域の出力に接続され、パルス光ビームの1つ以上のパルスについての出力空間成分のプロパティを各感知領域出力について測定するように、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算するために測定されたプロパティを平均化するように、及び、パルス光ビームの推定スペクトルフィーチャがスペクトルフィーチャの値の許容レンジ内にあるかどうかを判別するように、構成された制御システムと、を含む。ビームデリバリシステムは、光源からパルス光ビームを受け取り、パルス光ビームをフォトリソグラフィ露光装置に誘導する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】パルス光ビームのスペクトルフィーチャを測定するための計測システムを含む、フォトリソグラフィシステムのブロック図である。
図2】パルス光ビームの例示の光スペクトルのグラフである。
図3図1のフォトリソグラフィシステム内で使用可能な例示の光源のブロック図である。
図4図1のフォトリソグラフィシステム内で使用可能な例示のスペクトルフィーチャ選択システムのブロック図である。
図5図4のスペクトルフィーチャ選択システム内で使用可能な例示の線狭まりモジュールのブロック図である。
図6図1のフォトリソグラフィシステムの例示の制御システムのブロック図である。
図7図1のフォトリソグラフィシステムの例示の計測システムのブロック図である。
図8図1のフォトリソグラフィシステムの例示の計測システムのブロック図である。
図9図1図7、及び図8のフォトリソグラフィシステムの計測システム内で使用可能な、例示の感知領域のブロック図である。
図10図1図7、及び図8のフォトリソグラフィシステムの計測システム内で使用可能な、例示の感知領域のブロック図である。
図11図1図7、及び図8のフォトリソグラフィシステムの計測システム内で使用可能な、例示の感知領域のブロック図である。
図12図1図7、及び図8のフォトリソグラフィシステムの計測システム内で使用可能な、例示の感知領域のブロック図である。
図13】エタロン分光計を使用する例示の計測システムのブロック図である。
図14図1のフォトリソグラフィシステムの制御システムによって実行される手順のフローチャートである。
図15図14の手順の例示的特徴を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、光源105によって生成され、ウェーハ120上にマイクロ電子フィーチャをパターン付与するリソグラフィ露光装置115に誘導される、パルス光ビーム110を含むフォトリソグラフィシステム100が示される。光ビーム110は更にビーム分離システム112を介して誘導され、ビーム準備システム112は光ビーム110の態様を修正する光学要素を含むことができる。例えば、ビーム準備システム112は、反射又は屈折光学要素、光パルスストレッチャ、及び光アパーチャ(自動シャッタを含む)を含むことができる。
【0028】
フォトリソグラフィシステム100は、例えば、248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を備える、深紫外線(DUV)レンジ内の波長を有する光ビーム110を使用する。ウェーハ120上にパターン付与されるマイクロ電子フィーチャのサイズは、光ビーム110の波長に依存し、より低い波長は結果としてより小さい最小サイズを生じさせる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmである場合、マイクロ電子フィーチャの最小サイズは、例えば50nm以下であり得る。光ビーム110の帯域幅は、その光スペクトル200(又は、発光スペクトル)の実際の瞬時帯域幅とすることができ、図2の例に示されるように、光ビーム110の光エネルギー又はパワーが異なる波長にわたってどのように分散されるかに関する情報を含む。様々な妨害107(温度勾配、圧力勾配、光学的歪みなど)が、光源105及び光ビーム110に作用し、光ビーム110のスペクトルプロパティ又はフィーチャを修正する。したがって、リソグラフィシステム100は、スペクトルフィーチャ選択システム150、少なくとも1つの測定(又は計測)システム170、及び制御システム185などの、光ビーム110に与える妨害107の影響を決定し、光ビーム110に与えるこうした妨害の影響を補正するために使用される、他の構成要素を含む。
【0029】
妨害107により、ウェーハ120での光ビーム110の実際のスペクトルフィーチャ(帯域幅又は波長)は、所望のスペクトルフィーチャに対応しないか又は一致しない可能性がある。したがって、光スペクトルからメトリックの値を推定することによって、動作中に光ビーム110の実際のスペクトルフィーチャ(特徴的な帯域幅など)が測定又は推定されるため、オペレータ又は自動化システム(例えば、フィードバックコントローラ)が測定又は推定された帯域幅を使用して、光源105のプロパティを調節すること、及び、光ビーム110の光スペクトルを調節することが可能となる。計測システム170は、この光スペクトルに基づいて光ビーム110のスペクトルフィーチャ(帯域幅及び/又は波長など)を測定する。以下で考察するように、計測システム170は複数のセンサ(又は、感知領域173)を含み、各センサからのデータは、単一のセンサのみを使用して取得されるよりも精密なスペクトルフィーチャの値を取得するために平均化される。このようにして、スペクトルフィーチャの測定における雑音を低減することが可能であり、スペクトルフィーチャをより精密に推定することができる。例えば、計測システム170に追加される各追加のセンサ(又は感知領域173)について、スペクトルフィーチャの推定に対する不規則雑音寄与は√dだけ低減され、ここでdは、計測システムで使用されるセンサの数である。雑音を低減することにより、計測出力の信号対雑音比は向上する。
【0030】
計測システム170における雑音を低減することにより、スペクトルフィーチャの値がより精密に決定されるため、計測システム170からフォトリソグラフィシステム100に戻されるフィードバックの性能は向上する。
【0031】
計測システム170は、光源105とフォトリソグラフィ露光装置115との間の経路内に配置されたビーム分離デバイス160からリダイレクトされる光ビーム110の一部を受け取る。ビーム分離デバイス160は、光ビーム110の第1の部分又は割合165を計測システム170内に誘導し、光ビーム110の第2の部分又は割合167を露光装置115に向けて誘導する。いくつかの実装において、光ビームの大部分は第2の部分167において露光装置115に向けて誘導される。例えば、ビーム分離デバイス160は、光ビーム110のごく一部(例えば、1~2%)を計測システム170内に誘導する。ビーム分離デバイス160は、例えばビームスプリッタとすることができる。
【0032】
計測システム170は、光ビーム110の経路内に光周波数分離装置171を、また光周波数分離装置171の出力に複数172の感知領域173を含む。
【0033】
光周波数分離装置171は光ビーム110と相互作用し、光ビーム110のスペクトル成分に対応する複数の空間成分174を出力する。光ビーム110のスペクトル成分は光ビーム110の光スペクトル内にあり、したがって、光ビーム110の光エネルギー又はパワーの値が異なる波長にわたってどのように分散されるかに対応する。空間成分174は2次元空間にマッピングされるこれらの強度に対応する。したがって、光周波数分離装置171は、光ビーム110のスペクトル情報(波長など)を、感知領域173によって感知又は検出可能な空間情報に変換する。変換は、スペクトル情報(波長など)を空間内の異なるポジションにマッピングするため、スペクトル情報は感知領域173によって観察可能となる。
【0034】
光周波数分離装置171は、1つ以上の光周波数分離デバイスを含むことができる。2つ以上の光周波数分離デバイスが(図10に示されるように)利用される場合、すべての光周波数分離デバイスは同じ応答機能を有するように構成可能である。これは、各光周波数分離デバイスが、装置171の他の光周波数分離デバイスと同じインパルス応答を有することを意味する。2つ以上の光周波数分離デバイスが(図10の例に示されるように)利用される場合、計測システム170は光ビーム部分165を複数の光ビーム部分に分割するための第2のビーム分離デバイスも含むことになり、複数の光ビーム部分の各々はそれ自体の光周波数分離デバイスに誘導される。
【0035】
感知領域173の各々は、出力空間成分174を受け取るとともに感知する。各感知領域173は、一般に感知領域173のアクティブ域を示す線形軸によって画定可能である。感知領域の線形軸は、空間成分174の伝搬方向に対して直角であり得る。各感知領域173の感知軸は、複数172のうちの他の感知領域173の感知軸とは別個であり得る。線形軸の例は、特定の例を参照しながら以下で考察する。
【0036】
各感知領域173は、出力空間成分174を受け取るとともに感知する検出器とすることができる。例えば、1つの次元に沿って測定するために使用可能な1つのタイプの好適な検出器は、線形フォトダイオードアレイである。線形フォトダイオードアレイは、1パッケージ内で等しい間隔の線形配置で形成される、同サイズの複数の要素からなる。フォトダイオードアレイは、光ビーム110の波長である深紫外線レンジ内の波長を有する光に敏感である。こうしたフォトダイオードアレイは、日本のHamamatsu Photonics K.K.からの1024ピクセルNチャネルMOSトランジスタフォトダイオードアレイ(モデルS3903~1024Q)とすることができる。この例において、各線形フォトダイオードアレイの感知軸は、線形配置の軸に対応する。
【0037】
別の例として、各感知領域173は、出力空間成分174を受け取り及び感知する検出器の一部とすることができる。例えば、複数の感知領域173を提供する好適な検出器は、2次元電荷結合素子(CCD)又は2次元相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどの、2次元センサである。こうしたセンサは、例えばHamamatsuから購入することができる。センサは、例えば約6kHzの十分な高速でデータを読み出すことができるはずである。検出器の各部分は、感知軸に沿って配置可能である。例えば、検出器が放射対称性である場合、各感知軸は別個の放射軸とすることができる。
【0038】
感知領域173の各々は、複数172のうちの他の感知領域173と同じ性能パラメータを有するように構成される。このようにして、感知領域173での測定は、スペクトルフィーチャの測定における不規則雑音全体を低減させるために平均化を実行することによって、組み合わせることができる。更に、すべての感知領域173は、出力空間成分174を同時に、又は互いに許容される時間枠内で記録するように構成可能であるため、測定しているデータを組み合わせて、同じパルスの光ビーム110についてスペクトルフィーチャを推定することが可能になる。例えば、感知領域173が光ビーム110の単一パルスからデータをキャプチャしている場合、感知領域173の各々がパルス間の時間内にデータをキャプチャできる限り、影響は、たとえ感知領域173の積分時間がパルスの時間長さに比べて長い場合であっても、すべての感知領域173からのデータを組み合わせることが可能なことである。例えば、パルス間が100μsより大きい可能性があり、パルスの時間長さはおよそ数十ナノ秒(例えば、30ns)であってよい。この例において、積分時間は10μsであってよい(パルスの時間長さよりも大幅に長いが、パルス間の時間よりは短い)ため、感知領域173のナノ秒レベルの精度は不要となる。DUV光ビーム110以外の光は感知領域173上に入射しないような光学設計であるため、すべての感知領域173は各パルスについて空間フリンジパターン1311をキャプチャすることができる。
【0039】
制御システム185は、各感知領域173の出力並びに光源105及びスペクトルフィーチャ選択システム150に接続される。制御システム185は、各出力について空間成分174のプロパティを測定し、光ビーム110のスペクトルフィーチャの推定を計算するためにこれらの測定されたプロパティを分析する。制御システム185は、光ビーム110の各パルスについて、又は光ビーム110のパルスのセットについて、測定、分析、及び計算を実行することができる。
【0040】
計測システム170に関する詳細を提供する前に、フォトリソグラフィシステム100の背景に関する概要を提供する。
【0041】
図2を参照すると、光源105によって生成されるパルス光ビーム110の光スペクトル200(又は発光スペクトル)は、光エネルギー又はパワーが異なる波長にわたってどのように分散されるかに関する情報を含む。光ビーム110の光スペクトル200は、スペクトル強度(必ずしも絶対較正は伴わない)が波長又は光周波数の関数としてプロットされる図の形で示される。光スペクトル200は、光ビーム110のスペクトル形状又は強度スペクトルと呼ぶことができる。光ビーム110のスペクトルプロパティは、強度スペクトルの任意の態様又は表現を含む。例えば、帯域幅はスペクトルフィーチャである。光ビーム110の帯域幅はこのスペクトル形状の幅の測度であり、この幅はレーザ光の波長又は周波数に関して与えられ得る。光スペクトルの詳細に関する任意の好適な数学的構造(すなわち、メトリック)を使用して、光ビームの帯域幅を特徴付ける値を推定することができる。例えば、スペクトル形状の最大ピーク強度の分数(X)のスペクトルの全体幅(FWXMと呼ぶ)を使用して、光ビーム帯域幅を特徴付けることができる。別の例として、積分スペクトル強度の分数(Y)を含むスペクトルの幅(EYと呼ぶ)を使用して、光ビーム帯域幅を特徴付けることができる。
【0042】
リソグラフィ露光装置115は、例えば、1つ以上の集光レンズ、マスク、及び対物系配列を有するイルミネータシステム129を含む、光学配列を含む。マスクは、光ビーム110の光軸に沿って、又は光軸に直角な平面内などで、1つ以上の方向に沿って移動可能である。対物系配列は投影レンズを含み、マスクからウェーハ上のフォトレジストへのイメージ転写を生じさせることができる。イルミネータシステムは、マスクに当たる光ビーム110について角度レンジを調節する。更にイルミネータシステムは、マスク全体にわたる光ビーム110の強度分布を均等化する(均一にする)。リソグラフィ露光装置115は、フィーチャの中でもとりわけ、リソグラフィコントローラ140、空調デバイス、及び様々な電気構成要素のための電源を含むことができる。リソグラフィコントローラ140は、ウェーハ120上に層がどのようにプリントされるかを制御する。
【0043】
ウェーハ120は、光ビーム110によって照射される。プロセスプログラム又はレシピは、ウェーハ120上の露光の長さ、使用されるマスク、並びに露光に影響を与える他の要因を決定する。リソグラフィ中、複数のパルスの光ビーム110が照明ドーズを形成するためにウェーハ120の同じエリアを照明する。同じエリアを照明するパルス数Nの光ビーム110を露光ウィンドウ又はスリットと呼ぶことが可能であり、このスリットのサイズはマスクの前に配置される露光スリットによって制御可能である。いくつかの実装において、Nの値は数十であり、例えば10~100パルスである。他の実装において、Nの値は100パルスよりも大きく、例えば100~500パルスである。露光中、露光フィールド全体にわたって露光ウィンドウをスキャンするために、マスク、対物系配列、及びウェーハ120のうちの1つ以上を互いに関して移動させることができる。露光フィールドは、露光スリット又はウィンドウの1回のスキャンで露光されるウェーハ120のエリアである。
【0044】
図3を参照すると、例示的光源105が、光ビーム110としてパルスレーザビームを生成するパルスレーザ源である。図3の例に示されるように、光源105は、シード光ビーム305を電力増幅器(PA)310に提供するマスタ発振器(MO)300を含む、2段レーザシステムである。マスタ発振器300は、典型的には、内部で増幅が発生する利得媒体、及び光共振器などの光フィードバック機構を含む。電力増幅器310は、典型的には、マスタ発振器300からのシードレーザビームでシードされた時に内部で増幅が発生する利得媒体を含む。電力増幅器310が再生リング共振器として設計される場合、電力リング増幅器(PRA)として記述され、この場合、リング設計から十分な光フィードバックが提供され得る。マスタ発振器300は、相対的に低い出力パルスエネルギーでの中心波長及び帯域幅などのスペクトルパラメータの微細な調整が実行可能である。電力増幅器310は、マスタ発振器300から出力を受け取り、この出力を増幅させて、フォトリソグラフィで使用するために必要な出力電力に到達する。
【0045】
マスタ発振器300は、2つの細長い電極、利得媒体として働くレーザガス、電極間のガスを循環させるためのファンを有する放出チャンバを含み、放出チャンバの一方の側のスペクトルフィーチャ選択システム150と放出チャンバの他方の側の出力カプラ315との間にレーザ共振器が形成される。光源105は、出力カプラ315から出力を受け取るライン中心分析モジュール(LAM)320、並びに必要に応じてレーザビームのサイズ及び/又は形状を修正する1つ以上のビーム修正光学システム325も含むことができる。ライン中心分析モジュール320は、シード光ビーム305の波長(例えば、中心波長)を測定するために使用可能な、1つのタイプの測定システムの例である。放出チャンバ内で使用されるレーザガスは、必要な波長及び帯域幅周辺のレーザビームを生成するのに好適な任意のガスとすることができ、例えばレーザガスは、約193nmの波長で光を発するフッ化アルゴン(ArF)、又は、約248nmの波長で光を発するフッ化クリプトン(KrF)とすることができる。
【0046】
電力増幅器310は電力増幅器放出チャンバを含み、これが再生リング増幅器である場合、電力増幅器は、循環経路を形成するために放出チャンバ内に戻るように光ビームを反射させるビームリフレクタ330も含む。電力増幅器放出チャンバは、細長い電極のペア、利得媒体として働くレーザガス、及び電極間のガスを循環させるためのファンを含む。シード光ビーム305は、電力増幅器を反復的に通過することによって増幅される。ビーム修正光学システム325は、シード光ビームをイン結合し、出力光ビーム110を形成するために、電力増幅器から増幅された放射の一部をアウト結合する手法(例えば、部分反射ミラー)を提供する。
【0047】
ライン中心分析モジュール320は、マスタ発振器300の出力の波長を監視する。ライン中心分析モジュールは、光源105内の他の場所に配置するか、又は光源105の出力に配置することが可能である。
【0048】
図1を再度参照すると、スペクトルフィーチャ選択システム150は、光源105から光ビームを受け取り、制御システム185からの入力に基づいて光源105のスペクトル出力を微細に調整する。図4を参照すると、光源105からの光に結合する例示的スペクトルフィーチャ選択システム450が示されている。いくつかの実装において、スペクトルフィーチャ選択システム450は、マスタ発振器300から光を受け取り、マスタ発振器300内の波長及び帯域幅などのスペクトルフィーチャの微細な調整を実行可能にする。
【0049】
スペクトルフィーチャ選択システム450は、ファームウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせの形のエレクトロニクスを含むスペクトルフィーチャ制御モジュール452などの制御モジュールを含むことができる。モジュール452は、スペクトルフィーチャ作動システム454、456、458などの1つ以上の作動システムに接続される。作動システム454、456、458の各々は、光学システム466のそれぞれの光学フィーチャ460、462、464に接続される1つ以上のアクチュエータを含むことができる。光学フィーチャ460、462、464は、生成される光ビーム110の特定の特徴を調節し、それによって光ビーム110のスペクトルフィーチャを調節するように構成される。制御モジュール452は制御システム185から制御信号を受け取り、制御信号は作動システム454、456、458のうちの1つ以上を動作又は制御するための特定コマンドを含む。作動システム454、456、458は、共に、すなわち協力して働くように選択及び設計することができる。更に、作動システム454、456、458の各々は、特定クラスの妨害107に応答するように最適化することができる。
【0050】
制御システム185は、こうした協調及び協力を共に採用して、たとえ光源105が幅広い妨害107を受ける可能性があるとしても、1つ以上のスペクトルフィーチャ(波長又は帯域幅など)を、所望のセットポイントに、又は少なくともセットポイント周辺の所望のレンジ内に、保持又は維持することができる。
【0051】
各光学フィーチャ460、462、464は、光源105によって生成される光ビーム110に光学的に結合される。いくつかの実装において、光学システム466は、図5に示されるような線狭まりモジュールである。線狭まりモジュールは、光学フィーチャ460、462、464として反射格子480などの分散光学要素と、そのうちの1つ以上が回転可能なプリズム482、484、486、488などの屈折光学要素とを含む。この線狭まりモジュールの例は、2009年10月23日出願の「System Method and Apparatus for Selecting and Controlling Light Source Bandwidth」という名称の米国出願第12/605,306号(第’306号出願)に見ることができる。第’306号出願において、ビームエクスパンダ(1つ以上のプリズム482、484、486、488を含む)及び格子480などの分散要素を含む、線狭まりモジュールが記載されている。図5では、格子480及びプリズム482、484、486、488のうちの1つ以上などの作動可能光学フィーチャについて、それぞれの作動システムは示されていない。
【0052】
作動システム454、456、458のアクチュエータの各々は、光学システム466のそれぞれの光学フィーチャ460、462、464を移動又は制御するための機械デバイスである。アクチュエータは、モジュール452からエネルギーを受け取り、そのエネルギーを光学システムの光学フィーチャ460、462、464に与えられる何らかの種類の動きに変換する。例えば第’306号出願において、(格子の領域に力を印加するための)フォースデバイス、及びビームエクスパンダのプリズムのうちの1つ以上を回転させるための回転ステージなどの、作動システムが記載されている。作動システム454、456、458は、例えば、ステッパモータなどのモータ、バルブ、圧力制御デバイス、圧電デバイス、リニアモータ、油圧アクチュエータ、ボイスコイルなどを含むことができる。
【0053】
図5を参照すると、本明細書で説明するシステム及び方法の態様に関係する制御システム185に関する詳細が提供されている。制御システム185は、図5に示されていない他のフィーチャも含むことができる。一般に、制御システム185は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ以上を含む。
【0054】
制御システム185は、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリとすることが可能な、メモリ500を含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具体化するのに好適なストレージデバイスは、例として、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、磁気光学ディスク、並びにCD-ROMディスクを含む、すべての形の不揮発性メモリを含む。制御システム185は、1つ以上の入力デバイス505(キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、マウス、ハンドヘルド入力デバイスなど)及び1つ以上の出力デバイス510(スピーカ又はモニタなど)も含むことができる。
【0055】
制御システム185は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ515、並びに、プログラマブルプロセッサ(プロセッサ515など)による実行のために機械可読ストレージデバイス内に有形に具体化された1つ以上のコンピュータプログラム製品520を含む。1つ以上のプログラマブルプロセッサ515は、各々、入力データ上で動作すること及び適切な出力を生成することによって所望の機能を実行するために命令のプログラムを実行することができる。一般に、プロセッサ515は、メモリ500から命令及びデータを受信する。前述のいずれかは、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって捕捉されるか、又はこれに組み込むことができる。
【0056】
制御システム185は、スペクトルフィーチャ分析モジュール525、リソグラフィ分析モジュール530、意思決定モジュール535、光源作動モジュール550、リソグラフィ作動モジュール555、及びビーム準備作動モジュール560を含む。これらモジュールの各々は、プロセッサ515などの1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム製品のセットとすることができる。スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、計測システム170の感知領域173の各々から出力を受信する。リソグラフィ分析モジュール530は、リソグラフィ露光装置115のリソグラフィコントローラ140から情報を受信する。意思決定モジュール535は、分析モジュール(モジュール525及び530)から出力を受信し、分析モジュールからの出力に基づいて、いずれの作動モジュールを活動化する必要があるかを決定する。光源作動モジュール550は、光源105及びスペクトルフィーチャ選択システム150のうちの1つ以上に接続される。リソグラフィ作動モジュール555はリソグラフィ露光装置115に接続され、具体的にはリソグラフィコントローラ140に接続される。ビーム準備作動モジュール560は、ビーム準備システム112の1つ以上の構成要素に接続される。
【0057】
図5には、数個のモジュールしか示されていないが、制御システム185は他のモジュールを含むことが可能である。加えて、制御システム185は、すべての構成要素が内部に共同設置されているボックスとして表されているが、制御システム185は、互いに物理的にリモートにある構成要素で構成されることが可能である。例えば、光源作動モジュール550は、光源105又はスペクトルフィーチャ選択システム150と物理的に共同設置することができる。
【0058】
一般に、制御システム185は、計測システム170から(具体的には、感知領域173から)光ビーム110に関する少なくともいくつかの情報を受信し、スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、リソグラフィ露光装置115に供給される光ビーム110の1つ以上のスペクトルフィーチャ(例えば、帯域幅)をどのように調節するかを決定するために、情報に関する分析を実行する。この決定に基づいて、制御システム185は、光源105の動作を制御するために、スペクトルフィーチャ選択システム150及び/又は光源105に信号を送信する。
【0059】
一般に、スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、光ビーム110のスペクトルフィーチャ(例えば、帯域幅)を推定するために必要なすべての分析を実行する。スペクトルフィーチャ分析モジュール525の出力は、スペクトルフィーチャの推定値である。スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、感知領域173によって感知される出力空間成分のプロパティを測定するための測定ブロックを含む。スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、光ビーム110のスペクトルフィーチャの推定を計算するために測定されたプロパティを平均化する、平均化ブロックを含む。
【0060】
スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、推定スペクトルフィーチャを受け取るために接続され、スペクトルフィーチャターゲット値を受け取るためにも接続される、比較ブロックを含む。一般に、比較ブロックは、スペクトルフィーチャターゲット値と推定値との間の差を表す、スペクトルフィーチャエラー値を出力する。意思決定モジュール535は、スペクトルフィーチャエラー値を受け取り、スペクトルフィーチャを調節するために、システム100に対する最良の補正をどのように達成させるかを決定する。したがって、意思決定モジュール535は、スペクトルフィーチャエラー値に基づいて、スペクトルフィーチャ選択システム150(又は光源105)をどのように調節するかを決定する信号を、光源作動モジュール550に送信する。光源作動モジュール550の出力は、スペクトルフィーチャ選択システム150に送信されるアクチュエータコマンドのセットを含む。例えば、光源作動モジュール550は、スペクトルフィーチャ作動システム454、456、458に接続されたスペクトルフィーチャ制御モジュール452にコマンドを送信する。
【0061】
図7を参照すると、光周波数分離装置771が単一の光周波数分離デバイス761を含む、例示的計測システム770が示されている。光周波数分離デバイス761は、ビーム分離デバイス160から光ビーム110の第1の部分765を受け取る。光周波数分離デバイス761はパルス光ビーム部分765と相互作用し、パルス光ビーム部分765のスペクトル成分に対応する複数の空間成分774を出力する。計測システム770は、複数772の感知領域773も含む。各感知領域773は、図9図12を参照しながら以下で考察するように、空間成分774を感知又は検出することが可能な検出器又は検出器の一部に対応可能である。
【0062】
図8を参照すると、光周波数分離装置871が複数の光周波数分離デバイス861A、861Bを含む、別の例示的計測システム870が示されている。図8には2つのデバイス861A、861Bが示されているが、2つより多くの光周波数分離デバイスが使用可能である。加えて、計測システム870は、光ビーム部分865を複数の光ビーム部分865A、865Bに分割するための第2のビーム分離デバイス880を含み、複数の光ビーム部分865A、865Bは各々、それ自体のそれぞれの光周波数分離デバイス861A、861Bに誘導される。光周波数分離デバイス861A、861Bはすべて、同じ応答機能を有するように構成される。
【0063】
光周波数分離デバイス861Aは、ビーム分離デバイス880から光ビーム部分865Aを受け取る。光周波数分離デバイス861Aはパルス光ビーム部分865Aと相互作用し、パルス光ビーム部分865Aのスペクトル成分に対応する空間成分874Aを出力する。光周波数分離デバイス861Bは、ビーム分離デバイス880から光ビーム部分865Bを受け取る。光周波数分離デバイス861Bはパルス光ビーム部分865Bと相互作用し、パルス光ビーム部分865Bのスペクトル成分に対応する空間成分874Bを出力する。
【0064】
計測システム870は、複数872の感知領域873A、873Bも含む。各感知領域873A、873Bは、空間成分874A、874Bを感知又は検出できる検出器に対応可能である。したがって、例えば各感知領域873A、873Bを、光周波数分離装置871の単一の光周波数分離デバイス861A、861Bに関連付けることができる。
【0065】
図9を参照すると、各感知領域173(感知領域773又は感知領域873A、873B)は、空間成分174(例えば、空間成分774又は874A、874B)のうちの1つの領域のみと相互作用するように構成された、スタンドアロン検出器973A、973B、973C、973D(例えば、フォトダイオードの1次元線形アレイ)として構成可能である。この例では、4つの感知領域173(検出器973A、973B、973C、973Dによって示される)が存在するが、4つより少ないか又は多い感知領域173が可能である。各検出器973A、973B、973C、973Dは、そのそれぞれの感知軸983A、983B、983C、983Dに沿って延在するように配列される。感知軸のうちの少なくとも1つは、他の感知軸とは別個の方向に沿う。感知軸983A、983B、983C、983Dはすべて、空間成分174の光軸OAに対して直角である。
【0066】
別の例として、図10に示されるように、各感知領域173(感知領域773及び873A、873B)は、空間成分174と相互作用するように構成された、単一の検出器1072(例えば、フォトダイオードの2次元アレイ)の部分又はエリア(当該の領域又はROIと呼ばれる)1073A、1073B、1073C、1073D、1073E、1073Fとして構成可能である。この例では、6つの感知領域173(エリア1073A、1073B、1073C、1073D、1073E、1073Fとして示される)が存在するが、6つより少ないか又は多い感知領域173が可能である。エリア1073A、1073B、1073C、1073D、1073E、1073Fの各々は、そのそれぞれの感知軸に沿って延在するように配列される。また、この特定の配列において、感知軸の各々は他の感知軸とは別個の方向に沿う。感知軸のすべては空間成分174の光軸OAに対して直角である。別の例として、図11に示されるように、各感知領域173(感知領域773又は感知領域873A、873B)は、空間成分174のうちの1つの領域のみと相互作用するように構成された、フォトダイオードの線形アレイなどの、1次元検出器1173として構成可能である。
【0067】
更なる例として、図12に示されるように、各感知領域173(感知領域773又は感知領域873A、873B)は、それぞれの空間成分174と相互作用するように構成された、フォトダイオードの2次元アレイなどの2次元検出器1273として構成可能である。この例において、各2次元検出器は空間成分174のレンジ全体と相互作用することができる。
【0068】
感知領域173の各々の感知軸は、空間成分174の光軸OAに対して直角である。
【0069】
図13を参照すると、エタロン分光計の一部であるエタロン光学配列である、単一の光周波数分離デバイス1361を、光周波数分離装置として有する、例示的計測システム1370が示されている。エタロン分光計は、エタロン光学配列1361と、エタロン光学配列1361の出力にある複数1372の感知領域を含む。光学配列1361は、ビーム分離デバイス160から光ビーム110の第1の部分1365を受け取る。
【0070】
光ビーム部分1365は光学配列1361を介して進み、複数1372の感知領域1373は光学配列1371から出力光1374を受け取る。複数1372の感知領域1373の出力は制御システム185に接続され、このようにして、制御システム185は、感知又は記録された空間成分を感知領域1373から受け取り、以下で詳細に考察するように、パルス光ビーム110のスペクトルフィーチャを推定するための方法を実行する。
【0071】
光学配列1361は、エタロン1310、レンズ1315、1320、及び、ビームを均等化するホモジナイザ(例えば、定常、移動、又は回転拡散器)を含むイルミネータなどの任意選択の追加光学系1325を含む。イルミネータは、元のビームの任意の部分が同じ角度レンジに等しく広がる、発散ビームも生成することができる。いくつかの実装において、エタロン1310は(図13に示すように)短い距離(例えばミリメートルからセンチメートル単位)を置いて配置可能であり、互いに対向する反射表面を備える、部分的に反射性のガラス又は光学平面のペアを含む。他の実装において、エタロン1310は、2つの平行する反射表面を備える単一プレートを含む。平面は、後面が干渉フリンジを生成するのを防ぐために、(図13に示される)くさび形状で構成可能であり、後面はしばしば反射防止コーティングも有する。光ビーム部分1365はペアの平面を通過する際、多重反射され、複数の透過光線を生成し、これらがレンズ1320によって集められ、複数1372の感知領域に運ばれる。
【0072】
単一のエタロン1310(及び光学配列1361)は、光ビーム部分1365が拡散又は集束ビームである場合、空間成分1374として、同心リングのセットの外観を呈する干渉パターンを生成する。干渉パターンは、光ビーム部分1365が平行ビームである場合、より均一な強度分布の外観を呈する。特に、リングの鋭さはエタロン1310の平面の反射性に依存するため、反射性が高い場合、結果として高いQファクタが生じ、単色光は暗い背景に対して狭く明るいリングのセットを生成する。波長の関数としてのエタロン1310の透過は、結果として生じるフリンジパターン1311で示され、制御システム185に誘導される光スペクトル1312を生成する。
【0073】
完全な干渉パターンが示されている間、計算又は推定を実行する必要はなく、代替として、複数1372の感知領域の各々のアクティブエリアよりわずかに大きい領域内に、フリンジのみを生成することが可能である。
【0074】
図14を参照すると、パルス光ビーム110の帯域幅などのスペクトルフィーチャを推定するために、手順1400がフォトリソグラフィシステム100によって実行される。パルス光ビーム110は、光周波数分離装置171と相互作用し(1405)、それによって、パルス光ビーム110のスペクトル成分に対応する複数の空間成分174を出力又は生成する(1410)。具体的には、パルス光ビーム110の第1の部分165は、ビーム分離デバイス160でパルス光ビーム110から分離された後、光周波数分離装置171に向けて誘導される。1つ以上の光周波数分離デバイスの各々は装置171内にあるが、第1の光ビーム部分165を誘導することによって、第1の光ビーム部分165は、光周波数分離装置171と相互作用する。したがって、例えば装置171が(図7及び図13に示されるように)単一の光周波数分離デバイスのみを含む場合、第1の光ビーム部分165はその単一の光周波数分離デバイスを介して誘導される。装置171が(図8に示されるように)2つ又はそれ以上の光周波数分離デバイスを含む場合、第1の光ビーム部分165は光ビーム部分に更に分割され、その各々が装置171の光周波数デバイスのうちの1つを介して誘導される。
【0075】
装置171が、図13に示されるようなエタロン配列1361を含む場合、光ビーム部分1365はエタロン配列1361に向けて誘導されるため、光ビーム部分1365はエタロン1310を通過することになる。エタロン1310は、光ビーム部分1365が2つの反射表面(図13に示されるような反射性ガラス又は光学平面など)の間で多重反射を受ける光学干渉計として働く。結果として生じるエタロン1310からの光の透過(又は反射)は波長が周期的であり、結果として生じるフリンジパターン1311に示されるように、エタロンの共振に対応する大きな透過のピークを現す。したがってこの光の透過は、光ビーム部分1365(及び、したがって光ビーム110)のスペクトル(波長)成分1374に対応する複数の空間成分(成分は空間的に分離される)を構築する。
【0076】
複数の空間成分174(図13の空間成分1374など)は、出力空間成分174の経路内に配置された複数の感知領域173の各々で感知される(1415)。空間成分174は、感知領域173の各々で同時に感知され得る。図13を参照すると、複数1372内の各感知領域1373が、エタロンフリンジパターン(空間成分)1311を感知し、これらの空間成分1311を使用して、光スペクトル1312全体を回復するか、又は光スペクトル1312に関するメトリックを提供することができる。
【0077】
制御システム185(例を挙げるとスペクトルフィーチャ分析モジュール525)は、感知領域173の各々について、感知された空間成分のプロパティPを測定し(1420)、したがって測定されたプロパティのセット{P1、P2、・・・、Pn}が生成され、ここでnは感知領域173の数である。プロパティPは、スカラー量(大きさ(又は数値)によって完全に説明される)のみ、又はベクトル量(大きさ及び方向の両方によって完全に説明される)とすることができる。スカラープロパティPの例は、光スペクトル1312の幅などのメトリックである。この例において、光スペクトル1312の形状全体は知られていないが、メトリックは既知であり、これを使用して光スペクトル1312の形状を推定することが可能である。ベクトルプロパティPの例は、光スペクトル1312を記述する波形全体である。この例において、スペクトル全体から任意のメトリックを計算することが可能であり、スペクトル全体を有することによって、より正確な計算を行うことができる。感知された空間成分は、パルス光ビーム110の1つ以上のパルスのレンジについて測定可能である。図15は、感知された空間成分が各感知領域1373から出力される光スペクトルである例を示す。
【0078】
図13の例を使用して、制御システム185はプロパティPとして、複数1372における感知領域1373の各々から出力される光スペクトル1312の幅Wを測定することができる。各光スペクトル1312の幅Wは、光ビーム110の帯域幅(スペクトルフィーチャ)の推定を提供することができる。いくつかの実装において、各光スペクトル1312の幅Wは、FWXM(最大ピーク強度の分数Xでのスペクトル1312の全幅)などのメトリックを使用して決定される。他の実装において、各光スペクトル1312の幅Wは、EY(積分スペクトル強度の分数Yを含むスペクトルの幅)などのメトリックを使用して決定される。他のメトリックは、光スペクトル1312のプロパティを測定するのに好適である。
【0079】
図15の例に示されるように、制御システム185は、感知領域173の各々(各感知領域1373など)から出力される感知された空間成分(各フリンジパターン1311など)について、プロパティPを測定するために、同じメトリックを使用する。
【0080】
この点で、測定されたプロパティのセット{P1、P2、・・・、Pn}が、スペクトルフィーチャ分析モジュール525によって生成され、ここでnは感知領域173の数である(1420)。測定されるプロパティが幅Wである場合、前述のように、測定された幅のセット{W1、W2、・・・、Wn}が生成される。
【0081】
次に、制御システム185は(スペクトルフィーチャ分析モジュール525を介して)測定されたプロパティのセット{P1、P2、・・・、Pn}を分析する(1425)。測定されたプロパティは、パルス光ビームのスペクトルフィーチャの推定を計算するために、測定されたプロパティを平均化することによって分析される(1425)。測定されたプロパティのセット{P1、P2、・・・、Pn}は、測定されたプロパティの重み付き平均を取ることによって平均化され、スペクトルフィーチャSESTの推定は、以下のように計算され、
EST=[A1×P1+A2×P2+・・・An×Pn]/n
上式でnは感知領域173の数である。
【0082】
前述のように、この平均は、測定されたプロパティがスカラー形式であるかベクトル形式であるかに応じて調節することができる。
【0083】
平均は感知領域173の各々から出力される結果として生じるフリンジパターン1311上で直接実行できることも、可能である。
【0084】
測定されたプロパティの平均は、数のセットの最良値を表す計算された「中央」値を表す。平均は、未知の項を使用する代数方程式のセットを解く必要なしに、同じ応答機能を有する複数の感知領域から同じメトリックを使用する。感知領域のすべてが同じソース(光ビームのパルス)からのスペクトル成分を測定しており、平均化は、最高√nまで、測定されたプロパティ{P1、P2、・・・、Pn}の正確さを向上させ、ここでnは平均化された感知領域の数である。
【0085】
重みA1、A2、・・・、Anは、計算に先立って選択される値とすることができる。或いは、重みA1、A2、・・・、Anは、システム100の動作中に選択される値とすることができる。例えば、制御システム185(及び、スペクトルフィーチャ分析モジュール525)は測定されたプロパティPの値の各々を再検討し、いずれの測定されたプロパティがスペクトルフィーチャの正確な表現であるかを決定することが可能である。制御システム185は、最も正確な表現により大きな重みを与えるか、又は、最も低い正確さを有するものに低い重み(又はそれらを計算から完全に除去するために重み0)を与えることができる。制御システム185は、計算された測定されたプロパティが指定又は計算されたレンジ外にあるかどうか(例えば、計算された測定されたプロパティが外れ値であるかどうか)を決定するフィルタを使用することによって、いずれの測定されたプロパティが正確な表現であるかの決定を行うことができる。
【0086】
制御システム185(及び、具体的にはスペクトルフィーチャ分析モジュール525)は、パルス光ビームの推定されたスペクトルフィーチャSESTがスペクトルフィーチャの許容レンジ内にあるかどうかを決定する(1430)。制御システム185は、推定されたスペクトルフィーチャSESTと、スペクトルフィーチャ(1430)のターゲットレンジSRANGEとを比較することによって、推定されたスペクトルフィーチャSESTがスペクトルフィーチャの許容レンジ内にあるかどうかを決定することができる。したがって、制御システム185は、推定されたスペクトルフィーチャSESTがスペクトルフィーチャのターゲットレンジSRANGE内に見つかるかどうかを決定する。
【0087】
スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、この決定1430に基づいて意思決定モジュール535に情報を出力する。したがって、スペクトルフィーチャ分析モジュール525が、パルス光ビームの推定されたスペクトルフィーチャSESTが許容レンジSRANGE内にあるものと決定した場合、スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、調節を行う必要がないことを示す信号VOKを意思決定モジュール535に送信することができる。他方で、スペクトルフィーチャ分析モジュール525が、パルス光ビームの推定されたスペクトルフィーチャSESTが許容レンジSRANGE外にあるものと決定した場合、スペクトルフィーチャ分析モジュール525は、光源105及びスペクトルフィーチャ選択システム150のうちの1つ以上を修正することによって、光ビーム110に対して調節を行う必要があることを示す信号VADJを、意思決定モジュール535に送信することができる。信号VADJは、推定されたスペクトルフィーチャSESTが許容レンジSRANGE内の値とどれだけ異なるかを示す情報(例えば、値)も含むことができる。意思決定モジュール535は、この情報VOK又はVADJを(制御システム185内の他のモジュールからの情報と共に)を受け取り、光源作動モジュール550に送信するために適切な制御信号Cを決定する。光源作動モジュール550は、パルス光ビーム110のスペクトルフィーチャを修正するために、信号SFSIGをスペクトルフィーチャ選択システム150に送信する。
【0088】
例えば、信号SFSIGは、例示的なスペクトルフィーチャ選択システム450の制御モジュール452に誘導される情報を含むことが可能であり、作動システム454、456、458の各々に対してどのような種類の信号を出力し、それによって1つ以上の光学フィーチャ460、462、464を調節する必要があるのかを決定するために、制御モジュール452によって、この信号SFSIGを分析することが可能である。
【0089】
他の実装は、以下の特許請求の範囲内にある。例えば、計測システム170は、ドイツ、ベルリンのLTB Lasertechnik Berlin GmbHによって製造されるELIASエシェル分光器などの格子分光器を含むことができる。格子分光器において、光ビーム110はエシェル格子に向けて誘導され、エシェル格子はその波長に従って光を分離又は分散させ、格子から反射される光ビーム110は、電荷結合素子カメラなどのカメラに誘導され、カメラは光ビーム110の波長分布を解決することができる。こうした格子分光器は、システム確認試験用及び研究の役割で使用可能であり、スペクトル形状の非常に微細な細部、並びに帯域内エネルギー及び帯域外エネルギーを含むエネルギー分布を、帯域幅に関して正確に特徴付ける必要がある。典型的には、格子分光器は、リソグラフィ応用における帯域幅などのスペクトルプロパティのオンボードでのリアルタイム測定には実用的でない。
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