(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】バッテリパック、及びそれを具備する電子機器
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20220405BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220405BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20220405BHJP
H01M 10/6235 20140101ALI20220405BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20220405BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20220405BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M50/20
H01M10/615
H01M10/6235
H01M10/643
H01M10/647
H01M10/46
(21)【出願番号】P 2020545567
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(86)【国際出願番号】 KR2019003853
(87)【国際公開番号】W WO2019203478
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2018-0044531
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クヮン・ス・ペ
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-114759(JP,A)
【文献】特開2014-089839(JP,A)
【文献】特開2007-330008(JP,A)
【文献】特開2015-198459(JP,A)
【文献】特開2006-278032(JP,A)
【文献】特開2001-095171(JP,A)
【文献】特開平11-288744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52-10/667
H01M 10/46
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を含む第1面を有して外観を形成するハウジング部と、
前記ハウジング部に収容されるバッテリ部と、
前記ハウジング部の第1面に配置され、前記開口を介して、少なくとも一部が外部に露出され、外部から供給される熱源により、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させる、熱伝逹部と、を具備
し、
前記熱伝逹部は、曲折部、前記曲折部を基準に一側が延長された第1延長部、及び他側が延長された第2延長部を含み、前記第1延長部は、前記開口を介して、前記ハウジング部の外側に露出される、バッテリパック。
【請求項2】
前記曲折部及び前記第2延長部は、前記ハウジング部の内部に位置する、請求項
1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記第1延長部に伝達された熱は、前記曲折部及び前記第2延長部に伝導され、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させる、請求項
1に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記第2延長部の表面積は、前記第1延長部の表面積より広い、請求項
1に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記熱伝逹部は、金属材を含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記熱伝逹部は、ニッケル合金または銅合金を含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記熱伝逹部は、インサート射出方法で、前記ハウジング部に挿入される、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項8】
第1面を有して外観を形成するハウジング部、前記ハウジング部に収容されるバッテリ部、及び前記ハウジング部の第1面に配置され、外部に少なくとも一部が露出される熱伝逹部を含むバッテリパックと、
外部から電源を供給され、前記バッテリパックを充電させ、前記ハウジング部の第1面と対向する第2面を有し、前記第2面に配置され、外部に少なくとも一部が露出される、熱源供給部を含む充電部と、を具備
し、
前記熱源供給部は、前記熱伝逹部と直接接触する、バッテリパックを具備した電子機器。
【請求項9】
前記熱源供給部から供給された熱は、前記熱伝逹部に伝達され、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させる、請求項
8に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項10】
前記熱伝逹部は、曲折部、前記曲折部を基準に一側に延長される第1延長部、及び他側に延長される第2延長部を含む、請求項
8に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項11】
前記第1延長部は、前記ハウジング部の外側に露出される、請求項
10に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項12】
前記第1延長部は、前記熱源供給部に直接接触する、請求項
10に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項13】
前記第2延長部及び前記曲折部は、前記ハウジング部の内部に位置する、請求項
10に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項14】
前記第2延長部の表面積は、前記第1延長部の表面積より広い、請求項
10に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項15】
前記熱伝逹部は、金属材を含む、請求項
8に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項16】
前記熱伝逹部は、ニッケル合金または銅合金を含む、請求項
8に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【請求項17】
前記熱伝逹部は、インサート射出方法で、前記ハウジング部に挿入される、請求項
8に記載のバッテリパックを具備した電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパック、及びそれを具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線インターネットや通信技術の発達により、電源供給装置なしに、電池を使用して運用可能な携帯用電子機器の使用が普遍化されている。そのような携帯用電子機器が、電源供給装置に捉われることなく、さまざまな場所で使用されるために、バッテリパックを具備することができる。また、該携帯用電子機器が多様な分野で使われながら、それにより、バッテリパックに対する需要が急増している。そのようなバッテリパックは、充放電して複数回使用が可能であり、それにより、経済的及び環境的にも、効果的であるので、その使用が奨励されている。
【0003】
そのようなバッテリパックは、電子機器に固定して付着された状態で充電されたり、分離された状態で充電されたりする。該バッテリパックは、電源に直接連結された充電器に結合させ、バッテリパックを充電させる。一方、電子機器の電源としてバッテリパックを使用するためには、いかなる環境でもバッテリパックの充電が保証されなければならない。すなわち、電子機器を常温ではない零下のような天候時、外部で使用するようになる場合、バッテリパック充電において適正な温度を満足させ難く、その場合、バッテリパックの充電が容易になされない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述のような問題点を含み、さまざまな問題点を解決するためのものであり、零下の温度においても、バッテリパックを容易に充電することができるバッテリパック、及びそれを具備する電子機器を提供することを目的にするとしかし、そのような課題は、例示的なものであり、それにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、開口を含む第1面を有して外観を形成するハウジング部と、前記ハウジング部に収容されるバッテリ部と、前記ハウジング部の第1面に配置され、前記開口を介して、少なくとも一部が外部に露出され、外部から供給される熱源により、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させる熱伝逹部と、を具備するバッテリパックが提供される。
【0006】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、曲折部、前記曲折部を基準に一側に延長される第1延長部、及び他側に延長される第2延長部を含み、前記第1延長部は、前記開口を介して、前記ハウジング部の外側にも露出される。
【0007】
本実施形態によれば、前記曲折部及び前記第2延長部は、前記ハウジング部の内部に位置することができる。
【0008】
本実施形態によれば、前記第1延長部に伝達された熱は、前記曲折部及び前記第2延長部に伝導され、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させることができる。
【0009】
本実施形態によれば、前記第2延長部の表面積は、前記第1延長部の表面積よりも広い。
【0010】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、金属材を含んでもよい。
【0011】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、ニッケル合金または銅合金を含んでもよい。
【0012】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、インサート射出(insert injection)方法で、前記ハウジング部に挿入されうる。
【0013】
本発明の他の観点によれば、第1面を有して外観を形成するハウジング部、前記ハウジング部に収容されるバッテリ部、及び前記ハウジング部の第1面に配置され、外部に少なくとも一部が露出される熱伝逹部を含むバッテリパック;及び外部から電源を供給され、前記バッテリパックを充電させ、前記ハウジング部の第1面と対向する第2面を有し、前記第2面に配置され、外部に少なくとも一部が露出される、熱源供給部を含む充電部;を具備するバッテリパックを具備した電子機器が提供される。
【0014】
本実施形態によれば、前記熱源供給部は、前記熱伝逹部と直接接触するバッテリパックを具備することができる。
【0015】
本実施形態によれば、前記熱源供給部から供給された熱は、前記熱伝逹部に伝達され、前記ハウジング部の内部の温度を上昇させることができる。
【0016】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、曲折部、前記曲折部を基準に一側に延長される第1延長部、及び他側に延長される第2延長部を含んでもよい。
【0017】
本実施形態によれば、前記第1延長部は、前記ハウジング部の外側にも露出される。
【0018】
本実施形態によれば、前記第1延長部は、前記熱源供給部に直接接触することができる。
【0019】
本実施形態によれば、前記第2延長部及び前記曲折部は、前記ハウジング部の内部に位置することができる。
【0020】
本実施形態によれば、前記第2延長部の表面積は、前記第1延長部の表面積よりも広い。
【0021】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、金属材を含んでもよい。
【0022】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、ニッケル合金または銅合金を含んでもよい。
【0023】
本実施形態によれば、前記熱伝逹部は、インサート射出方法で、前記ハウジング部に挿入されうる。
【発明の効果】
【0024】
前述のようになされる本発明の一実施形態によれば、零下の温度においても、バッテリパックを容易に充電することができるバッテリパック、及びそれを具備する電子機器を具現することができる。ここで、そのような効果により、本発明の範囲が限定されるものではないということは、言うまでもない。
併せて、本発明の効果は、前述の内容以外にも、図面を参照し、以下で説明する内容からも導き出されるということは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックを概略的に図示する分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックのハウジング部の一部が分解して概略的に図示する平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックの熱伝逹部を概略的に図示する斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックを具備した電子機器を概略的に図示する分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックを具備した電子機器を概略的に図示する断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックを具備した電子機器の一部を拡大して概略的に図示する断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係わるバッテリパックの熱解析シミュレーション結果を図示する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態にも具現されるのである。
【0027】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明することにするが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それについての重複説明は、略する。
【0028】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0029】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0030】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0031】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素のような部分が他の部分の「上」にまたは「上部」にあるとするとき、他の部分の「真上」または「すぐ上部」にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0032】
以下の実施形態において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の三軸に限定されるものではなく、それを含む広い意味にも解釈される。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交しもするが、互いに直交せずに、互いに異なる方向を指すこともできる。
【0033】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0034】
図1を参照すれば、外観を形成するハウジング部110、ハウジング部110に収容されるバッテリ部120、及びハウジング部110の一側に位置しながら、少なくとも一部が外部に露出される熱伝逹部130を具備する。
【0035】
ハウジング部110は、内部に空間を有し、バッテリ部120を収容するようにも具備される。ハウジング部110は、プラスチックのような絶縁性素材によっても形成される。ハウジング部110は、内部にバッテリ部120以外にも、バッテリパック100を動作させるのに必要な回路部などをさらに具備することができる。
【0036】
ハウジング部110は、上部ハウジング部112と下部ハウジング部114とを含んでもよい。上部ハウジング部112と下部ハウジング部114とが結合することにより、内部にバッテリパック100を収容することができる。下部ハウジング部114には、後述する充電器または電動工具と結合するように、結合部(図示せず)及び外部端子(図示せず)などが含まれてもよい。本実施形態においては、下部ハウジング部114に、少なくとも一部が外部に露出される熱伝逹部130を含む。熱伝逹部130については、
図2及び
図3で詳細に後述する。
【0037】
バッテリ部120は、イオンまたは電子の移動により、電気化学的エネルギーを発生させる部材である。バッテリ部120は、少なくとも1以上のベアセル122を含んでもよい。ベアセル122は、ホルダ124に収容され、ハウジング部110内に複数個具備されてもよい。ベアセル122は、電池ケースに、正極板、負極板、及びそれら極板間に介在されるセパレータを巻き取ったり、積層したりして形成される電極組立体と、電解液とが共に収納しても製造される。該電極組立体は、電解液との電気化学的反応によってエネルギーを発生させ、前記エネルギーは、電極タブなどを介して外部に供給される。例えば、電池ケースは、パウチ型、角形または円筒状でもある。バッテリ部120は、ベアセル122と電気的に連結され、ベアセル122の充電時及び放電時、電圧または電流を制御する保護回路モジュールを含んでもよい。該保護回路モジュールは、回路パターンが形成された回路基板によっても具現され、該保護回路モジュールの一面には、さまざまな電子部品が実装され、ベアセル122内の電極組立体を制御したり、電極組立体の異常作動時、回路を遮断したりする機能を遂行することができる。
【0038】
熱伝逹部130は、ハウジング部110の一側に位置することができる。本実施形態において、熱伝逹部130は、下部ハウジング部114に配置されているように図示されているが、熱伝逹部130は、バッテリパック100の充電方向により、上部ハウジング部112にも配置される。また、熱伝逹部130は、下部ハウジング部114の一側114a及び他側114bにそれぞれ配置されうる。熱伝逹部130の位置及び個数は、後述する熱源の位置及び個数より、変形が可能である。
【0039】
熱伝逹部130は、金属材のような電気伝導性及び熱伝導性を有する物質によっても形成され、望ましくは、熱伝導性にすぐれるニッケル合金または銅合金を含んでもよい。前述のように、熱伝逹部130は、ハウジング部110の内気(internal air)の温度を上昇させることを目的にするが、バッテリ部120及びバッテリ部120を駆動する回路部などとは、接触せず、離隔されて配置される。
【0040】
従来の電動工具用バッテリパック100は、室外で使用される場合が多い電動工具の特性上、外部温度差に耐えるように設計することが重要である。特に、バッテリパック100は、充放電を反復して使用しなればならないが、零下の温度で充電器を利用して充電するとき、外部温度により、バッテリパック100自体の温度が下がって充電されない問題点があった。電動工具のユーザは、そのような状況において、自主的にバッテリパック100の温度を上げるために、暖炉のような火気の横に置く方法などを利用し、その場合、高温に敏感なバッテリパック100の温度が急上昇し、バッテリパック100が破裂したり損傷されたりする問題点が生じた。
【0041】
そのために、本発明の一実施形態によるバッテリパック100においては、充電時、自体的に、バッテリパック100内部の温度を上げるように、ハウジング部110に、少なくとも一部が外部に露出された熱伝逹部130を具備するようにし、外部温度に関係なく、充電が容易であるバッテリパック100を具現することができる。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100の一部を概略的に図示する平面図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100の一部を概略的に図示する斜視図である。
図2は、下部ハウジング部114に対応し、
図3は、熱伝逹部130に対応する。
【0043】
図2を参照すれば、下部ハウジング部114は、熱伝逹部130を含んでもよい。熱伝逹部130は、下部ハウジング部114の第1面110aにも配置される。このとき、熱伝逹部130が第1面110aに配置されるということは、第1面110a上に配置される場合はもとより、第1面110aを貫通して挿入されるように、インサート射出(insert injection)方法によって配置される場合も含んでもよい。
【0044】
図2においては、熱伝逹部130が対称的に対をなして配置されているように図示されているが、熱伝逹部130の位置及び個数は、後述する充電部200(
図4)の形状によって変形が可能である。
図2において熱伝逹部130は、第1方向(x軸方向)に延長されて配置され、バッテリパック100が装着される中央部の外郭の一側及び他側にそれぞれ配置される。
【0045】
熱伝逹部130はハウジング部110の一側に位置し、少なくとも一部が外部にも露出される。熱伝逹部130の少なくとも一部が外部に露出されることは、熱伝逹部130が、外部の熱源から熱を供給され、ハウジング部110の内部に伝達するためのものであると理解されうる。従って、熱伝逹部130の一側は、ハウジング部110の外部に露出され、他側は、ハウジング部110の内部に位置することができる。
【0046】
図3を参照すれば、熱伝逹部130は、一辺がさらに長い非対称形の「U」字形に曲折された形状を有することができる。熱伝逹部130は、中央部に、曲折部136を中心に一側130aが延長された第1延長部132、及び他側130bが延長された第2延長部134を含んでもよい。熱伝逹部130の曲折部136、第1延長部132及び第2延長部134は、一体にも形成され、説明の便宜上、区分して定義されているとも理解される。
【0047】
熱伝逹部130は、金属にように、熱伝導性を有する物質によっても形成され、そのうちでも、熱伝導度にすぐれるニッケル合金または銅合金を含んでもよい。また、熱伝逹部130は、インサート射出方法により、ハウジング部110に挿入されうる。
【0048】
図2にように、熱伝逹部130の第1延長部132は、下部ハウジング部114に形成された開口130OPを介して、外部にも露出される。下部ハウジング部114に形成された開口130OPの大きさにより、第1延長部132の全部または一部が露出されうる。外部に露出される第1延長部132は、外部熱源に直接接触する部分であり、外部に露出される第1延長部132の面積は、外部熱源の温度、及びバッテリパック100の大きさのように、多様な要素を考慮しても設計される。
【0049】
熱伝逹部130の曲折部136及び第2延長部134は、ハウジング部の内部に位置することができる。
図3において、曲折部136は、曲折され、第1延長部132及び第2延長部134が互いに水平になるように配置されるが、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではない。また、曲折部136は、他の実施形態として、複数個具備されてもよい。
【0050】
図3のように、第2延長部134の長さd2(または、表面積)は、第1延長部132の長さd1(または、表面積)よりも長く形成される。前述のように、外部熱源から第1延長部132に伝達された熱は、伝導を介して、第2延長部134に伝達される。従って、結局、ハウジング部の内部に位置する第2延長部134により、ハウジング部110内部の温度が上昇するので、第2延長部134が十分な表面積を具備してこそ、ハウジング部110内部の温度を上昇させることが容易である。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100を具備した電子機器を概略的に図示する分解斜視図である。
【0052】
図4を参照すれば、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100を具備した電子機器は、バッテリパック100と、バッテリパック100を充電させるための充電部200と、を具備する。バッテリパック100は、前述の
図1ないし
図3のバッテリパック100と同一のものであり、
図1ないし
図3で説明したように、第1面110aを有して外観を形成するハウジング部110、前記ハウジング部110に収容されるバッテリ部120、及び前記ハウジング部110の第1面110aに配置され、外部に少なくとも一部が露出される熱伝逹部130を含む。
【0053】
充電部200は、外部から電源を供給され、前記バッテリパック100を充電させるものであり、バッテリパック100が充電されるように載置させる充電溝220を具備することができる。充電溝220が位置した部分に第2面220aを具備し、第2面220aは、バッテリパック100が充電される間、ハウジング部110の第1面110aと対向するようにも具備される。充電溝220及び第2面220aは、地面に対応するxy平面に対して斜めにも形成される。それは、バッテリパック100と充電器との結合を容易にするためのものであり、バッテリパック100は、傾いて形成された充電溝220に、第2面220aに沿ってスライディングするようにも結合される。
【0054】
充電部200は、バッテリ部120に熱を供給する熱源供給部210が具備される。熱源供給部210は、充電部200の充電溝220が位置した第2面220aに配置され、バッテリパック100の熱伝逹部130と直接接触することができる。
図1ないし
図3を共に参照すれば、熱源供給部210は、熱伝逹部130の第1延長部132と直接接触し、熱伝逹部130に熱を供給し、それを介して、暖められた熱伝逹部130は、ハウジング部の内部空気温度を上昇させることができる。
【0055】
図5は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100を具備した電子機器を概略的に図示する断面図であり、
図6は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100を具備した電子機器の一部を拡大して概略的に図示する断面図である。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100を具備した電子機器において、バッテリパック100が充電部200に結合された構造の断面を図示しており、
図6は、
図5のA部分に対応する。
【0057】
図5及び
図6を参照すれば、充電部200の熱源供給部210は、バッテリパック100の熱伝逹部130と直接接触することができる。バッテリパック100の熱伝逹部130は、曲折部136を中心に、一側の第1延長部132、及び他側の第2延長部134を含んでもよい。このとき、第1延長部132は、ハウジング部110の外部に露出され、そのように露出された第1延長部132が、充電部200の熱源供給部210に直接接触することができる。熱源供給部210及び第1延長部132は、概してプレート状を有し、互いに面接触するようにも具備される。それは、熱源供給部210と第1延長部132は、広い領域をコンタクトすることができるように、熱伝導に有利であるためであるとも理解される。
【0058】
図4を共に参照すれば、熱源供給部210と接触し、第1延長部132に伝達された熱は、曲折部136を経て、第2延長部134まで伝導されうる。第2延長部134は、バッテリパック100の内部空間を考慮し、内部空気の温度を上昇させることができる適する表面積に有するようにも具備される。第2延長部134に伝導された熱は、バッテリパック100内部空気の対流を介して、第2延長部134に隣接した部分の空気温度から上昇させ始める。そのように暖められた空気は、空気の対流を介して、バッテリパック100の上部に上がり、上部の冷たい空気は、第2延長部134が位置したバッテリパック100の下部に下る。そのように、空気対流を介して、バッテリパック100内部の空気温度が上昇されれば、充電部200は、バッテリパック100の充電を始めることができる。
【0059】
従来の電動工具用バッテリパック100は、室外で使用される場合が多い電動工具の特性上、外部温度差に耐えるように設計することが重要である。特に、バッテリパック100は、充放電を反復して使用しなければならないが、零下の温度で充電器を利用して充電するとき、外部温度により、バッテリパック100自体の温度が下がり、充電されない問題点があった。電動工具のユーザは、そのような状況において、自体的にバッテリパック100の温度を上げるために、暖炉のような火気の横に置く方法などを利用し、その場合、高温に敏感なバッテリパック100の温度が急上昇し、バッテリパック100が破裂したり損傷されたりする問題点が生じた。
【0060】
そのために、本発明の一実施形態によるバッテリパック100を具備した電子機器においては、充電時、自体的にバッテリパック100内部の温度を上げることができるように、ハウジング部110に、少なくとも一部が外部に露出された熱伝逹部130、及び熱伝逹部130に熱源を供給するように、充電部200に熱源供給部210を具備するようにし、外部温度に関係なく、充電が容易であるバッテリパック100を具現することができる。
【0061】
また、本発明の一実施形態によるバッテリパック100を具備した電子機器においては、別途の機器を設ける必要なしに、充電器(充電部200)を利用し、バッテリパック100自体の温度を上昇させることができ、バッテリパック100使用において、画期的に安全性を保証することができる。充電器(充電部200)から熱源を即座にバッテリパック100に伝達することができ、別途の熱源供給部210の必要なしに、充電器自体で充電を始めるのに必要な温度ほどバッテリパック100の環境を造成することができる。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態に係わるバッテリパック100の熱解析シミュレーション結果を図示する図面である。
【0063】
図7を参照すれば、バッテリパック100は、ハウジング部110下部に、熱伝逹部130を含んでもよい。本実験においては、伝達部の面積は、100*65mmにセッティングし、熱源供給部(図示せず)の温度は、30℃に均一に仮定し、周辺温度は、-10℃に仮定した。周辺温度が-10℃である状況において、室外に長期間露出されたバッテリパック100の内部温度は、-10℃近くに形成される。
【0064】
図7(A)を参照すれば、熱源供給部(図示せず)から熱を供給してから10分経った後の熱解析グラフを示す。熱を供給してから10分経った後、バッテリパック100の下部からだんだんと温度が上昇することが分かる。本実施形態のバッテリパック100において、最初レイヤを形成するベアセル122a周辺温度が、摂氏1.3℃まで上昇したことが分かる。2番目レイヤを形成するベアセル122b周辺温度も、-5.1℃まで上昇した。
【0065】
図7(B)を参照すれば、熱源供給部(図示せず)から熱を供給してから20分経った後の熱解析グラフを示す。熱を供給してから20分が経った後、バッテリパック100内部温度がさらに上昇していることが分かる。バッテリパック100の最初レイヤを構成するベアセル122a周辺温度が6.1℃まで上昇したことが分かる。2番目レイヤを構成するベアセル122b周辺温度も、-0.3℃まで上昇し、熱源から最も遠く配置された3番目レイヤを構成するベアセル122c周辺温度も、-3.5℃まで上昇した。
【0066】
図7(C)を参照すれば、熱源供給部(図示せず)から熱を供給してから30分経った後の熱解析グラフを示す。熱を供給してから30分経った後、バッテリパック100内部全体温度は、零度以上に上昇していることが分かる。バッテリパック100内部にも空気が存在し、バッテリパック100の一面、例えば、下部から熱を供給すれば、バッテリパック100内部空気の対流を介して、バッテリパック100内部全体の温度が0℃以上に上昇することを確認することができる。
【0067】
本発明は、図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で当業者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0068】
100 電動工具用バッテリパック
100 バッテリパック
100 ハウジング部
110 ハウジング部
110a 第1面
112 上部ハウジング部
114 下部ハウジング部
114a 一側
114b 他側
120 バッテリ部
122 ベアセル
122a ベアセル
122b ベアセル
122c ベアセル
124 ホルダ
130 熱伝逹部
130a 一側
130b 他側
130OP 開口
132 第1延長部
134 第2延長部
136 曲折部
200 充電部
210 熱源供給部
220 充電溝
220a 第2面