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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】光学面を研磨する方法及び光学素子
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/08 20060101AFI20220405BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20220405BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20220405BHJP
   B24B 13/04 20060101ALI20220405BHJP
   G02B 3/00 20060101ALN20220405BHJP
【FI】
G02B5/08 C
G02B5/26
G02B5/28
B24B13/04 G
G02B3/00
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021068492
(22)【出願日】2021-04-14
(62)【分割の表示】P 2018528789の分割
【原出願日】2016-11-16
(65)【公開番号】P2021119393
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】102015223983.7
(32)【優先日】2015-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート フィシャル
(72)【発明者】
【氏名】フランツ-ヨーゼフ スティッケル
(72)【発明者】
【氏名】マンフレッド マテナ
(72)【発明者】
【氏名】マーク セイトナー
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-322063(JP,A)
【文献】特開昭63-221954(JP,A)
【文献】特開平09-239653(JP,A)
【文献】特開2009-271454(JP,A)
【文献】特開2011-041997(JP,A)
【文献】米国特許第07118449(US,B1)
【文献】国際公開第10/052316(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0066756(KR,A)
【文献】特開2004-264365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/08
G02B 5/26
G02B 5/28
B24B 13/04
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨工具(6)において平面として形成されている研磨面(7)の回転軸(8)に関する回転運動により光学面(2)を研磨する方法であって、
自由曲面として具現された前記光学面(2)の側方に隣接する区域(3)の各場所(P)で局所非点収差(Δz)が閾値(Δz )を超えないように前記区域(3)の形状を計算によって求めるステップと、
求められた前記区域(3)の形状が前記区域(3)で作られるように前記区域(3)を機械加工するステップと、
前記光学面(2)と、前記区域(3)とにわたって、前記研磨工具(6)の前記研磨面(7)を動かすことにより、前記光学面(2)を研磨するステップと、を含み、
前記局所非点収差(Δz)は、Δz=(k max -k min )/8D であり、式中、Dは前記研磨工具(6)の前記研磨面(7)の直径を示し、k min は前記区域(3)の各場所(P)での最小局所曲率を示し、k max は前記区域(3)の各場所(P)での最大局所曲率を示す、
方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、前記研磨工具(6)の前記研磨面(7)は、前記光学面(2)及び前記区域(3)にわたる運動中に前記回転軸(8)に関して回転運動を行う方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記計算によって求めるステップにおいて、前記光学面(2)の面z(x,y)の解析的表現を前記側方隣接区域(3)に拡張することにより、前記側方隣接区域(3)の形状を求める方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、前記光学面(2)の形状を求める際に、前記側方隣接区域(3)の前記局所非点収差(Δz)の閾値(Δz)を考慮に入れる方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法であって、前記研磨するステップの前の前記機械加工するステップにおいて、研磨対象の前記光学面(2)及び前記側方隣接区域(3)を作製するために基板(1)を機械加工する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨工具により光学面を研磨する方法及び光学素子に関する。
【0002】
[関連出願の参照]
本願は、2015年12月2日付けの独国特許出願第10 2015 223 983
.7号の優先権を主張し、上記出願の全開示を参照により本願の文脈に援用する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、基板の縁付近まで延びる光学面を有する光学素子を製造する方法を開示
している。光学素子を製造するために、光学面の縁の外に延びる主面を有する基板を最初
に用意する。基板はまた、主面が光学面外に延びている領域を研磨される。研磨後に、光
学面外に延びる表面の一部を含む基板材料が除去される。
【0004】
概して、高精度の光学面を作製する目的で光学面の研磨時に少なくとも部分的に研磨さ
れるのは、通常は光学面自体、すなわち使用領域だけでなく、いわゆる超過(overrun)
領域、すなわち光学面に隣接する区域もである。この手順の理由は、光学面の縁領域を研
磨する目的では、使用研磨工具のサイズに起因して、所望の精度で光学面の縁領域も研磨
できるようにするために通常は研磨工具を少なくとも部分的に超過領域まで移動させる必
要があるからである。
【0005】
使用研磨工具の中心が光学面より大幅に外側にすでに位置する場合でも、研磨工具の一
部は通常は光学面内に延び、結果として光学面でのアブレーションにも寄与する。したが
って、超過領域の形状は、光学面の研磨の品質に影響を及ぼす。超過領域が研磨に幾何学
的に不適当である場合、光学面の研磨時に研磨誤差又は表面誤差が生じる。このような研
磨又は表面誤差は、以下では研磨シグネチャ(polishing siguature)とも称し、概して
光学面における補正労力(correction effort)の大幅な増加につながる。研磨誤差が後
続の補正プロセス範囲内で補正可能でない場合、光学面を仕様に従って作製することがで
きず、つまり光学面は所望の用途に使用不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7,118,449号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光学面を研磨する方法と、研磨誤差の少ない光学素子とを提供することが、本発明の目
的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、研磨工具により光学面を研磨する方法であって、自由曲面として具現され
た光学面と、通常は同じく自由曲面として具現された、光学面の側方に隣接する区域とに
わたって、研磨工具の研磨面を動かすことにより、光学面を研磨するステップであり、上
記区域の各場所で研磨基準の閾値を超えないように、上記区域の形状を研磨工具に、特に
研磨工具の研磨面の形状(又は直径)に適合させ、研磨基準は、光学面に隣接する区域に
わたって研磨工具を動かすことにより作製された光学面における研磨誤差の尺度を表すス
テップを含む方法により達成される。
【0009】
本発明は、光学面に隣接する区域にわたって研磨工具を動かすことにより作製される光
学面における研磨誤差ができる限り小さいか又は閾値を下回って、形態及び粗さに関する
表面品質に関する仕様を満たす光学面を作製できるように、隣接区域の形状を設計するか
、又は上記区域を研磨に用いられる研磨工具に適合させることを提案する。これが確実と
なるのは、研磨基準が光学面に隣接する区域の各場所で満たされる場合、すなわち(通常
は場所に応じて変わる)研磨基準が各場所で閾値を超えない場合である。この場合、所望
の仕様を満たす光学面を作製可能にするように研磨誤差を後続の補正プロセスで補正でき
るからである。
【0010】
光学面及び上記区域の両方が、通常は自由曲面、すなわち球面及び平面形態から逸脱し
た面である。例として、自由曲面は、中心軸に関して放射対称であるいわゆる非球面であ
り得るが、(放射)対称ではない形状の、すなわち回転対称ではない自由曲面でもあり得
る。自由曲面は、円形の周縁を有し得る。しかしながら、自由曲面が円形形態から逸脱し
た周縁を有することも可能である。
【0011】
通常、自由曲面は、いずれの場合も少なくとも2つの場所で、一般的には複数の場所で
最小曲率を有し、当該最小曲率は、各場所において最大曲率から逸脱する。通常、自由曲
面の最大曲率及び最小曲率は、少なくとも2つの場所で相互に異なる。
【0012】
本方法の一変形形態では、研磨工具の研磨面は、光学面及び隣接区域にわたる運動中に
回転軸に関して回転運動を行う。回転軸は、通常は各場所で光学面及び/又は上記区域に
対して実質的に垂直に位置合わせされる。(往復)運動中、研磨工具は、光学面にわたっ
て光学面に押し付けられる。研磨工具を隣接区域まで少なくとも部分的に動かす場合も、
これが当てはまる。回転運動の速度は、光学面又は隣接区域における場所に応じて変わり
得るか、又は該当する場合は全研磨プロセス中に一定であり得る。
【0013】
研磨面の形状は、研磨工具を用いた研磨時に決定的に重要である。研磨面は、光学面及
び/又は隣接区域と接触する研磨工具の面である。研磨面は、研磨工具の回転中でも研磨
対象の表面形状に適合可能でなければならない。研磨工具から見ると、研磨対象面は、一
般的には平面である研磨面から外れており、以下ではこれを(局所)変形又は(局所)偏
差と称する。この局所変形又は偏差は、研磨工具下で局所的に異なるアブレーション挙動
につながる。これは、研磨面内で異なるアブレーション挙動につながるだけでなく、研磨
対象面全体で異なるアブレーション挙動にもつながる。
【0014】
研磨面からの光学面の局所変形/偏差の結果として、表面下損傷(depth damage)を除
去し光学面を全体的に研磨するために、研削後の典型的な場合のように光学面(使用領域
)で一定の材料アブレーションを行うことが不可能である。研磨対象面で一定の材料アブ
レーションを試みる際の結果として、研磨シグネチャとも称する研磨誤差が生じ、これは
実質的には研磨対称面の形状に応じて変わる。この研磨シグネチャは、急勾配又は高周波
成分を有することがあり、これらは厳密に与えられた仕様で表面を作製することを可能に
すべき後続の補正プロセスにとって問題となる。
【0015】
したがって、研磨対象面の形状をその研磨性に関して評価するために、研磨基準又は幾
何学的基準の導入が提案される。この目的で、研磨工具の研磨平面からの研磨対象面のさ
らに上述した変形又は偏差が、例えば、研磨対象面の任意の場所で求められる。研磨工具
の研磨面と光学面との間の偏差又は変形は、各場所で直交多項式系、例えばゼルニケ多項
式に分解され、通常は分解の最低係数のみが研磨性の尺度として用いられる。ゼルニケ係
数は、偏差の異なる成分に又は異なる波面収差にそれぞれ割り当てられる。したがって、
例えば、ゼルニケ係数Z4は偏差の焦点成分を示し、ゼルニケ係数Z5/Z6は偏差の局
所非点収差又は非点収差成分を示す。
【0016】
本方法の有利な変形形態では、表面領域の各場所における局所非点収差が研磨基準とし
て選択される。偏差の非点収差成分を表面の研磨性の尺度として用いるだけで有利である
ことが分かった。焦点成分Z4も同様に、研磨面がどの程度強く曲がらなければならない
かを特定するが、回転中に研磨面又は研磨工具が適合する必要はない。したがって、焦点
成分Z4での変形又は偏差は、静的変形と考えるべきである。これに対して、変形の非点
収差成分Z5/6は、回転中にどのように研磨工具を動的に適合させなければならないか
を特定するものである。非点収差成分Z5/6は、「局所非点収差」と称する。回転中に
研磨工具又は研磨面がそれ以上動的に適合できない場合、顕著な局所研磨誤差が予想され
る。
【0017】
さらに上述したように、より高次の項又はゼルニケ係数を研磨基準に用いることが可能
であろう。しかしながら、非点収差成分は、一般的に、光学素子で用いられる典型的な面
に関して、例えば自由曲面に関して、表面の研磨性に関する評価に十分な基準となること
が分かった。
【0018】
さらに上述したように、光学面に隣接する区域の形状は、その区域のどの場所でも局所
非点収差が局所非点収差の最大値を表す閾値を超えないように選択される。超えてはなら
ない閾値の規定(prescription)は、複数のパラメータ、例えば研磨工具の回転速度、研
磨工具の研磨面の面積、研磨中に得る研磨アブレーション、及び研磨後の補正プロセスの
補正能力に応じて変わる。これらのパラメータに基づいて閾値を設定するために、プロセ
スの包括的理解が必要である。通常この理解は、実際には直接利用可能ではない。したが
って、局所非点収差の形態の研磨基準の閾値は、作製済み又は研磨済みの光学面の研磨誤
差との比較により通常は設定される。
【0019】
一般的に、研磨基準の閾値は、光学面に隣接する区域だけでなく光学面自体でも超えて
はならないと理解される。光学面自体は、通常は十分に平坦であり、すなわち急激な起伏
(勾配)がないので、一般的には研磨基準を満たす。
【0020】
一発展形態では、上記区域の各場所での局所非点収差Δzは、
Δz=(kmax-kmin)/8D (1)
により求められるか又は近似され、式中、Dは研磨工具の研磨面の直径を示し、kmin
は上記区域の各場所での最小局所曲率を示し、kmaxは上記区域の各場所での最大局所
曲率を示す。微分幾何学から既知のように、2つの主曲率kMin、kMaxを面の各場
所又は各点に割り当てることができ、上記主曲率は、各場所での最小及び最大曲率半径の
逆数を表し、すなわち以下が当てはまる。kMin=1/RMax、kMax=1/R
in。この関係は、2つの主曲率kMin、kMaxが負の値をとる場合にも数学的に正
しい。局所非点収差は、長さの単位を有し、上記定義によれば、研磨工具の通常は回転対
称の研磨面の直径に応じて変わる。
【0021】
さらに上述したような、すなわち上記区域の各場所におけるゼルニケ多項式での分解を
用いた局所非点収差の計算は、比較的複雑なので、局所非点収差は、本発展形態の式(1
)に従って近似計算される。上記でさらに検討した研磨面からの表面の変形又は偏差は、
焦点成分Z4に対応する各場所での表面の平均曲率(1/2(kMin+kMax))と
、局所非点収差Z5/6に概ね対応する曲率差(kMax-kMin)とからほぼ構成さ
れる。曲率kMin、kMaxが表面の(既知の)パラメータ化の微分から計算されるの
で、表面の、この場合は光学面に隣接する区域の局所非点収差を表面の幾何学的形状から
直接計算することが可能であり、その際に研磨面の直径を考慮に入れるだけでよい。
【0022】
一発展形態では、研磨工具の研磨面は平面を形成する。一般的に、研磨面が平面設計で
ある研磨工具が研磨に用いられる。研磨面を軸周りで回転させる場合、研磨面は、回転運
動中に不均衡を生まないように通常は円形形状を有する。研磨面が平面設計である場合、
これはさらに、研磨面からの研磨対象面の変形又は偏差の計算を単純にする。
【0023】
研磨基準を満たす区域の実現にはさまざまな選択肢がある。
【0024】
一変形形態では、光学面の形状及び側方隣接区域の形状は、光学面及び側方隣接区域両
方の面の解析的表現に基づいて求められる。
【0025】
光学面は放射線の反射又は透過に用いられるので、その形状は、例えば多項式方程式又
は多項式線/多項式面の形態の、光学設計に関する解析的表現により通常は表現される。
最も単純な場合、光学面の面の解析的表現を上記区域の形状を求めるのに用いることがで
き、すなわち、光学面の解析的表現が隣接区域の座標に拡張される。光学面の形状の多項
式表現を光学面に隣接する区域まで拡張する場合、一般的に、多項式方程式の数学的特性
によりこの区域で急激な起伏が生じるので、光学面の形状の多項式表現は、通常はこの区
域での研磨基準を侵害せずには隣接区域に拡張することができない。光学面の面の解析的
表現を隣接区域に拡張する際に研磨基準が満たされない場合、この区域に関して異なる解
を選択する必要がある。
【0026】
一発展形態では、光学面の(目標)形状を求める際に、側方隣接区域の研磨基準の閾値
を考慮に入れる。この場合、上記区域における研磨基準を満たすことが、光学面の設計又
は(目標)形状のレイアウトにおける付加的境界条件として採用される。付加的境界条件
は、光学面の目標形状の設定時に自由度数を制限するので、この場合は光学面の光学性能
を低下させないために付加的な自由度を設けることが通常は必要である。付加的な自由度
の導入のための1つの選択肢は、面の解析的表現に高次多項式を用いることにより表され
る。光学面の特性の低下なく研磨基準を満たすために、このような多項式を用いることで
光学面に隣接する区域における急勾配を抑制することが可能となり得る。
【0027】
さらに別の変形形態では、上記区域の形状は、上記区域の面の解析的表現を用いずに求
められる。原理上、光学面に隣接する区域は自由に設計できる。例として、上記区域の外
縁を予め求めて充填アルゴリズム(filling algorithm)を用いて上記区域を充填するこ
とが可能である。これにより、不利な勾配の抑制と、研磨基準に関する所望に応じた上記
区域の理想的な設計とが可能となる。面の解析的表現がないことにより面の点群又は同様
の表現に頼らなければならないことは、この方法では不利となる傾向がある。
【0028】
さらに別の変形形態では、本方法は、研磨に先立つステップにおいて、研磨対象光学面
及び側方隣接区域を作製するための基板の機械加工をさらに含む。研磨前に、光学面、す
なわち光学的に用いられるべき基板の領域を、機械的前加工により、例えばフライス削り
又は研削により、場合によっては遊離砥粒を用いて加工又は形成する。光学面に隣接する
区域にもこれが当てはまり、上記区域も同様に機械的に前加工する。機械加工により、光
学面に隣接する区域で、研磨工具の研磨面の所与のサイズ又は所与の直径の場合に研磨基
準の閾値を超えない形状が作られる。
【0029】
本方法の発展形態では、基板の機械加工中及び研磨中に代用(ersatz)形状を有する光
学面が作製され、上記代用形状は、光学面の目標形状から逸脱したものであり、光学面の
目標形状は、研磨に続く補正プロセスで代用形状から作られる。この発展形態は、光学設
計により与えられた光学面の目標形状の場合に、例えば解析関数又は多項式により表現さ
れる光学面に隣接する区域に関して、研磨基準を満たす形状が見付からない場合について
述べている。この場合、代用形状を求めることが可能である。この代用形状は、光学面に
隣接する区域において研磨基準を満たすべきだが、さらに他の基準に従って、光学面にお
いて光学設計により設定された目標形状から逸脱してもよい。機械加工による光学面及び
上記区域の作製中、すなわち整形中、光学面において光学設計により与えられた目標形状
から逸脱している代用形状は、研削及び上述の研磨により最初に作られる。研磨に続く1
つ又は複数の補正プロセスにおいて、代用形状、すなわち光学面の機械加工及び後続の研
磨中に作られた形状からの偏差(deviation between)を、(特に)光学面の目標形状に
適合させて、最後に光学面で目標形状が生じるようにする。
【0030】
さらに別の発展形態では、少なくとも1つの後続の補正プロセスで光学面における研磨
誤差が補正可能であるように、研磨基準の閾値が選択される。さらに上述したように、閾
値の規定は、研磨又は研磨工具に関するパラメータだけでなく研磨後の補正プロセスの補
正能力に応じても変わる。研磨基準の閾値は、1つ又は場合によっては複数の後続の補正
プロセスにより光学面を所望の仕様で作製できるように選択されるべきである。
【0031】
一発展形態では、後続の補正プロセスは、イオンビーム加工及び磁気粘性研磨を含む群
から選択される。イオンビーム加工は、光学面で材料アブレーションをもたらすために光
学面にイオン又はイオンビームを局所的に打ち込む補正法を表す。代替的又は付加的に、
いわゆる磁気粘性研磨の形態の補正プロセスを実行することができる。この補正プロセス
では、磁気粘性液体が道具としての役割を果たす。例として、液体を回転砥石に塗布して
磁場で固化させ、加工対象表面との接触時に材料アブレーションが得られるようにする。
小さな空間波長で補正を容易にし且つ通常はその結果として中及び高空間波長域での表面
品質の低下が全く又は僅かしかない、他の補正プロセスも、2つの上述した補正プロセス
に加えて研磨後に用いることができることも理解される。中及び高空間波長域における表
面品質は、光学面の研磨及び機械的前加工により通常は得られる。
【0032】
本発明のさらに別の態様は、光学素子であって、自由曲面として具現された光学面と、
光学面の側方に隣接する区域とを有する基板を備えた光学素子であって、上記光学面の側
方に隣接する区域は、各場所で局所非点収差の形態の研磨基準の閾値Δzを超えず、上
記閾値は、
Δz=(kmax-kmin)/8D (1’)
により与えられ、式中、kminは上記区域の各場所での最小局所曲率を示し、kmax
は上記区域の各場所での最大局所曲率を示し、D=2500mm、好ましくはD
900mm、特にD=100mmが当てはまる光学素子に関する。
【0033】
さらに上述したように、式(1)により近似される局所非点収差は、上記区域の各場所
における主曲率に加えて、使用研磨工具の研磨面の直径のみに応じて変わる。しかしなが
ら、研磨工具の研磨面は任意に大きく選択できないので、値Dは最大値に限定され、その
結果として、局所非点収差の閾値Δzも、研磨工具の直径とは無関係の最大値に制限さ
れる。
【0034】
一実施形態では、光学面は、光学面に隣接する区域に連続的に合流する。上記区域が光
学面の縁に連続的に、すなわちキンクなく隣接すれば、光学面の研磨に有利である。
【0035】
さらに別の実施形態では、光学面は、1mm~光学面の最大範囲の空間波長域で1nm
rms未満の粗さを有する。本願の意味の範囲内において、表面の最大範囲とは、光学
面の縁に沿った2点を結ぶ直線の最大長を意味すると理解される。円形の縁を有する光学
面の場合、最大範囲は光学面の直径を表す。楕円の形態の縁又は縁輪郭を有する光学面の
場合、最大範囲は長軸の、すなわち楕円等の最大直径の長さを表す。機械的前加工、研磨
、及び任意に行われる後続の補正プロセスの結果として、短、中、及び長空間波長の場合
に所望の品質又は表面粗さを光学面でもたらすことができる。
【0036】
一実施形態では、上記区域は、光学面から外側に50mm以下の距離だけ延びる。光学
面からは、基板において研磨基準を満たさなければならない領域は、通常は使用研磨工具
の研磨面の直径よりも外側まで延びない。光学面からの距離がより大きい場合、研磨工具
はその研磨面が光学面内へ突出しなくなるので、さらに外側にある区域の形状の急勾配で
さえも、通常は研磨誤差に影響を及ぼさなくなる。
【0037】
さらに別の実施形態では、光学素子は、少なくとも光学面に反射コーティング、特にE
UV放射線を反射するコーティングを有する。この場合、光学素子は、通常はミラー、特
にEUVミラーである。一般的に、隣接区域ではなく光学面のみに反射コーティングが設
けられる。しかしながら、基板は、隣接区域にも、全部又は一部に反射コーティングを任
意に有することができる。光学面は、基板の表面のうち光学機構のビーム経路内に配置さ
れ且つ光学機構の使用放射線を誘導的に反射する部分である。光学機構は、例えばリソグ
ラフィ装置、特にEUVリソグラフィ装置であり得るが、光学素子を他の光学機構で有利
に用いることもできる。
【0038】
本発明のさらに他の特徴及び利点は、本発明に必須の詳細を示す図面の図を参照して本
発明の以下の例示的な実施形態の説明から、また特許請求の範囲から明らかになる。個々
の特徴は、本発明の変形形態において単独で個別に、又は任意の所望の組み合わせで複数
としてそれぞれを実現することができる。
【0039】
例示的な実施形態を概略図に示し、以下の説明において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1a】光学面及びそれに隣接する区域の平面図の概略図を示す。
図1b】研磨中の光学面及びそれに隣接する区域にわたって動かされる研磨工具の概略図を示す。
図1c】研磨中の光学面及びそれに隣接する区域にわたって動かされる研磨工具の概略図を示す。
図1d】研磨後の光学面のイオンビーム加工の形態の補正プロセスの概略図を示す。
図2】EUVミラーの形態の光学素子の概略図を示す。
図3a図1a~図1dに示す基板の断面に沿った平面からの基板表面の局所偏差の概略図を示す。
図3b図1a~図1dに示す基板の断面に沿った局所非点収差の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面の以下の説明において、同一の参照符号を同一又は機能的に同一のコンポーネント
に用いる。
【0042】
図1a~図1dは、光学面2、すなわち使用領域と、光学面2の側方に隣接する区域3
(超過領域)とが表面に形成された基板1を概略的に示す。光学面2は、隣接区域3によ
りリング状に囲まれた楕円形の縁4を有する。光学面2に隣接する区域3は、基板1の外
側の同様に楕円形の縁5まで延びる。図示の例では、基板1は、いわゆるゼロ膨張材料、
例えばZerodur(登録商標)又はULE(登録商標)、すなわち、EUVミラーに
用いることができる基板1である。別の材料の形態の、例えば石英ガラスの形態の基板1
の使用も可能である。
【0043】
光学面2、すなわち基板1の光学使用領域と隣接区域3との両方が、自由曲面、すなわ
ち放射対称に延びず図示の例ではxyz座標系の軸の1つに関して鏡面対称にも伸びない
面をそれぞれ形成する。光学面2の形状は、研磨後及びさらなる補正プロセス後に、上記
面が光学仕様に従う、すなわちビーム経路内に光学面2が配置される光学機構の光学設計
により与えられた目標形状から所定の公差範囲内で逸脱するだけであるように選択される
。光学面2に隣接し且つ連続的に、すなわちキンクの形態の移行部を伴わずに光学面2の
縁4に繋がる区域3も、自由曲面として具現される。区域3の形状は、当該区域の各場所
Pで、より詳細に後述する研磨基準に適合するように選択される。
【0044】
研磨工具6による光学面2の研磨プロセスを図1b及び図1cに示す。研磨工具6は、
研磨工具6が基板1の表面に押し付けられる円形の研磨平面7を有する。研磨の際、研磨
面7の中心に接する回転軸8に関して研磨工具6を回転運動させ、研磨工具6、より正確
には研磨面7を光学面2にわたって動かし(図1b参照)、その運動は通常は往復運動で
ある。
【0045】
光学面2の縁も研磨できるようにするために、図1cに示すように、研磨工具6を隣接
区域3にまでも少なくとも部分的に動かす必要がある。通常、研磨面7が区域3にのみ押
し付けられたままだが光学面2には押し付けられなくなるまで、研磨工具6を区域3まで
動かす必要がある。図1cで識別できるように、研磨工具6を光学面2に隣接する区域3
まで動かすと、研磨平面7の一部が光学面2にも押し付けられる。したがって、光学面2
に隣接する区域3の形状は、研磨中の光学面2での基板1の材料のアブレーションのされ
方に影響を及ぼす。結果として、研磨工具6のアブレーション能力は、光学面2に隣接す
る区域3の不都合に選択された形状により不利な影響を受けることがあるので、研磨工具
6を光学面2に隣接する区域3まで動かすことにより生じる光学面2における表面誤差又
は研磨誤差を最小化するために、上記区域の形状を適切に選択しなければならない。
【0046】
この目的で、区域3の形状を研磨工具6の形状に、より正確には研磨面7の直径Dに適
合させて、区域3の各場所Pで研磨基準Δzの閾値Δzを超えないようにする。研磨基
準Δzは、各場所Pでの区域3にわたる研磨工具6の運動により光学面2で生じる研磨誤
差の尺度である。光学面2における、又は表面全般における研磨誤差は、図示の例では平
面である研磨面7の形状からの表面の偏差から発生し、各場所Pでの偏差は研磨面7の直
径Dに応じて変わる。
【0047】
図3aは、図1aに破線で示した切り口に沿った、y方向に延びる基板1の断面を示す
図3aにおいて、光学面2の領域は中央に見ることができ、その左右に隣接区域3を見
ることができる。図3bは、後述するように局所非点収差の関連値をプロットしたもので
ある。各場所Pでの光学面2からの研磨面7の偏差Aが、ゼルニケ多項式の形態の直交多
項式系に分解される場合、また低次項、すなわち焦点項Z4及び非点収差Z5/6のみを
考慮する場合、焦点項Z4が、研磨面7をその回転軸8に関して回転させる際の偏差Aの
静的成分のみを示すことを識別することが可能であり、上記静的成分は、研磨誤差の発生
にとって重要でないか又は二義的でしかない。(局所)非点収差Z5/6の場合にはそう
ではないが、それは(局所)非点収差Z5/6が偏差Aの動的成分を示すからであり、回
転の場合に研磨面7又は研磨工具6を各場所Pで研磨対象の光学面2又は隣接区域3にど
の程度強く動的に適合させなければならないかを特定する。
【0048】
結果として、局所非点収差Z5/6は、適切な研磨基準、すなわち研磨工具6が光学面
2に隣接する区域3の各場所Pに位置する際に光学面2で生じた研磨誤差の尺度を表す。
図3bは、光学面2及び隣接区域3の両方における場所Pに応じた局所非点収差Δzを示
す。図3bは、光学面2を所望の仕様で作製できることを確実にするために超えるべきで
はない局所非点収差Δzの閾値Δzも示す。
【0049】
図3bで識別できるように、区域3のうち図示の例で光学面2のY方向の断面の左側に
位置する部分では、閾値Δzを超えるが、光学面自体は、各場所Pで閾値Δzを下回
る局所非点収差Δzを有する。結果として、図3bに示す例では、区域3は、十分に小さ
な研磨誤差が光学面2でもたらされるようには研磨工具6に、より正確には研磨面7の直
径Dに適合していない。したがって、区域3の形状は、研磨基準を満たすよう適切に変更
する必要がある。
【0050】
直交多項式系への分解を用いた局所非点収差Δzの計算の代わりに、さらに上述したよ
うに、各場所Pでの局所非点収差Δzを次式により近似計算することができる。
Δz=(kmax-kmin)/8D
式中、Dは研磨工具6の研磨面7の直径を示し、kminは区域3の各場所Pでの最小局
所曲率を示し、kmaxは区域3の各場所Pでの最大局所曲率を示す。ここで、最小及び
最大曲率kMin、kMaxはそれぞれ、各場所Pでの最大及び最小曲率半径の逆数であ
り、すなわち以下が当てはまる。kMin=1/RMax、kMax=1/RMin
【0051】
図3bに示すものとは異なり、研磨基準を満たす区域3を作製する選択肢が複数ある。
例として、例えば多項式又は多項式方程式の形態の光学面2の面z(x,y)の解析的表
現を、光学面2に隣接する区域3に拡張することができる。最も単純な場合、光学面2の
面z(x,y)の解析的表現を隣接区域3にも用いることができる。しかしながら、これ
は、光学面2の形状の面z(x,y)の解析的表現が、光学面2に隣接する区域3で急激
すぎる起伏を有しないことを前提としている。光学面2の面z(x,y)の表現を最適化
することにより、これは一般的に、光学面2の外側の研磨にとって多少不利な条件を有す
る傾向があるので、区域3での研磨条件を満たすために特定の状況下で異なる解を選択し
なければならない。
【0052】
例として、光学設計に応じて実行される光学面2の形状を求める際に、側方隣接区域3
の研磨基準Δzの閾値Δzを追加条件として考慮することができる。追加条件は、利用
可能な自由度の制限を表すので、第1に隣接区域3での研磨基準を維持するために、また
第2に追加条件の導入により光学面2の光学性能を低下させないように、光学面2及び区
域3の面z(x,y)の解析的表現に高次多項式を用いる必要があり得る。
【0053】
代替的に、面の解析的表現を用いずに、例えば光学面2の外縁4と基板1の外縁5との
間の区域3を充填アルゴリズムにより充填することにより、区域3の形状を求めることで
、不都合な上昇又は勾配を抑制するようにし、且つ区域3のいずれの点でも局所非点収差
の形態の研磨基準Δzの閾値Δzを超えないように研磨基準を満たすよう所望に応じて
理想的にこの区域を設計するようにする。
【0054】
区域3での研磨基準に従うさらに別の選択肢は、光学面2の代用形状を用いることから
なる。これは特に、研磨基準を区域3で面z(x,y)の解析的表現により満たすことが
できない場合に有利である。この場合、研磨基準が満たされない区域3の面z(x,y)
の解析的表現から始まって、隣接区域3での解析基準を満たすが特定の基準、例えば最大
所与勾配に従った光学設計により与えられる光学面2の目標形状から逸脱している、光学
面2及び区域3の代用形状を探索することが可能である。
【0055】
この場合、基板1を研磨前の機械加工により、例えば研削により、また研磨中に加工し
て、光学面2の目標形状から逸脱した代用形状で光学面2を作製するようにする。基板1
の機械加工中又は整形中及び研磨中、光学面2に隣接する区域3も、当該区域が研磨基準
を満たすような、すなわち区域3がいずれの場所Pでも局所非点収差Δzの形態の研磨基
準の閾値Δzを超えないような形状で作製される。
【0056】
所与の目標形状を有する光学面2を作製するために、図1dに例示的に示すように、代
用形状を有する光学面2を研磨後に補正プロセスで後加工する。図示の例では、補正プロ
セスはイオンビーム加工プロセスであり、光学面2の代用形状を光学設計により与えられ
た目標形状に適合させるように局所的に、すなわち光学面2の各場所Pで材料アブレーシ
ョンをもたらすために、可動式の制御イオンビームガン9がイオンビームを光学面2上に
位置合わせする。
【0057】
研削及び研磨中に光学面2が代用形状の形態で作製されず、研磨中に光学面2の目標形
状を作るよう直接試みる場合、図1dに示す補正プロセス又は他の補正若しくは後加工プ
ロセス、例えばいわゆる磁気粘性研磨も通常は実行されることが理解される。一般的に、
このような補正プロセスが必要なのは、光学面2が研磨では中及び長空間波長でしか所望
の目標形状に近付かない一方で、イオンビーム加工等の後続の補正プロセス中には短空間
波長でも目標形状に適合できることで、全空間波長域で仕様を満たす光学面2が作製され
るようになるからである。
【0058】
研磨基準Δzの閾値Δzは、後続の補正プロセスにおいて、光学面2の研磨誤差を少
なくとも光学面2が所望の精度又は公差を有する目標形状を近似するような程度まで補正
できるように選択される。作製済み又は研磨済みの光学面の研磨誤差との比較により、適
切な閾値Δzを設定することができる。
【0059】
例として、図1dに示すイオンビーム加工後に、光学面2は、1nm~光学面2の最大
範囲Lの空間波長域で1nm rms未満の粗さRを有することができ、図1aに示すよ
うに、最大範囲Lは、光学面2の長軸の、すなわち楕円状に形成された縁4の最大直径の
長さLを表す。
【0060】
図2に示すように、EUVミラー10を製造する目的で、反射コーティング11を目標
形状又は形態及び粗さRの仕様を満たすような光学面2に施すことができる。図示の例で
は、コーティング11は、約5nm~約30nmのEUV波長域のEUV放射線13を反
射するよう設計され、この目的で、上記コーティングは、EUVミラー10の使用波長に
相当する13.5nmの波長で反射率の最大値を有する。図示の例では、反射コーティン
グ11は、屈折率の異なる材料でできた交互層12a、12bを有する。図示の例では、
第1層12aはケイ素(高屈折率を有する)からなり、第2層12bはモリブデン(低屈
折率を有する)からなる。EUV波長域の使用波長に応じて、他の材料の組合せ、例えば
モリブデン及びベリリウム、ルテニウム及びベリリウム、又はランタン及びBC等も可
能である。
【0061】
光学素子10において、反射コーティング11を施された光学面2に隣接する区域3は
、各場所Pで局所非点収差Δzの閾値Δzを超えない。すなわち、各場所Pで以下が当
てはまる。Δz≦Δzであり、ここで、
Δz=(kmax-kmin)/8D
式中、kMin及びkMaxはさらに上述したように定義され、Dには以下が当てはま
る。D=2500mm、好ましくはD=900mm、特にD=100mm
閾値Δzが減少すると研磨性が増加することが理解される。しかしながら、小さい閾値
Δzを選択するほど、全ての場所Pで閾値Δzを超えない区域3の形状を見付けにく
くなる。
【0062】
光学面2に隣接し且つ研磨基準を満たす区域3は、通常は研磨工具6の研磨面7の直径
Dに対応する距離dよりも大きく光学面2から外側に延びないことが理解される。研磨工
具6を光学面2からさらに遠くに動かした場合、研磨面7は光学面2から側方に離間する
ので、この領域での研磨は光学面2での研磨誤差に影響を及ぼさなくなる。なお、図1
図1dに示すものとは異なり、区域3の外縁が基板1の外縁5に必ずしも対応しなくて
もよく、場合によっては基板1が区域3の外縁よりもさらに外側に延びることがあり、さ
らに外側にある領域で研磨基準を満たす必要はなくなる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b