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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】矯正設備
(51)【国際特許分類】
   C25C 7/02 20060101AFI20220406BHJP
   C25C 1/12 20060101ALN20220406BHJP
【FI】
C25C7/02 302E
C25C1/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018095307
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2018193610
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2017098754
(32)【優先日】2017-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】大道 陽平
(72)【発明者】
【氏名】秋山 達也
(72)【発明者】
【氏名】松原 諭
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 範幸
(72)【発明者】
【氏名】亀井 一成
(72)【発明者】
【氏名】土岐 典久
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-023861(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25C 1/00- 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード板にカソードビームが挿通される吊手が設けられたカソードにおける吊手を矯正する設備であって、
カソードを搬送する搬送設備の上方に配置されるフレーム部と、
該フレーム部に設けられた、カソードビームの吊手を一対の挟持爪によって挟んで矯正するクランプ部と、を備えており、
該クランプ部は、
先端部に前記挟持爪がそれぞれ設けられた一対のアームと、
該一対のアームをその先端部同士が接近離間するようにその基端を支点として揺動させる揺動部と、を有しており、
該揺動部が、
前記一対のアームの基端部が固定された一対の回転軸と、
該一対の回転軸にそれぞれ設けられ、互いに噛み合っている一対の歯車と、
前記一対の回転軸のうち、一方の回転軸に連結された連結アームと、
該連結アームを前記一方の回転軸を支点として揺動させる揺動機構と、を備えている
ことを特徴とする矯正設備。
【請求項2】
前記一対の挟持爪は、
吊手におけるカソード板と吊手との連結位置とカソードビームとの間の部分を挟むように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の矯正設備。
【請求項3】
前記揺動機構が、
前記連結アームにロッドが連結されたシリンダを備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載の矯正設備。
【請求項4】
前記クランプ部の下方にカソードを位置決めして配置する位置決め部を備えており、
該位置決め部は、
カソードビームを所定の位置に配置する配置部を備えており、
該配置部は、
搬送設備によるカソードの搬送方向と平行な第一面と、該第一面に対して直交する第二面と、を有する位置決め部分を備えた固定部材と、
移動機構によって前記固定部材の位置決め部分に向かって接近離間される移動部材と、を有しており、
前記移動部材は、
前記固定部材の位置決め部分における第一面と平行な第一押圧面と、該第一押圧面に対して直交する第二押圧面と、を有しており、
前記移動機構は、
前記固定部材の位置決め部分における第一面および第二面の両面にカソードビームが当接した状態において前記移動部材の第一押圧面および第二押圧面の両面にカソードビームが当接するように、前記移動部材を移動させるものである
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の矯正設備。
【請求項5】
前記移動機構は、
前記移動部材を前記第一面および前記第二面と非平行な方向に沿って移動させる
ことを特徴とする請求項4記載の矯正設備。
【請求項6】
前記固定部材は、
前記第一面が搬送設備においてカソードビームが配置される面よりも上方に設けられており、
搬送設備によるカソードの搬送方向の上流側から前記第二面の上端まで連続する上傾した傾斜面を備えており、
カソードのカソードビームを前記傾斜面に沿って移動させるビーム移動機構を備えている
ことを特徴とする請求項4または5記載の矯正設備。
【請求項7】
搬送設備上に配置除去可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の矯正設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正設備に関する。さらに詳しくは、電解精製や電解採取に用いられるカソードの吊手を矯正する矯正設備に関する。
【背景技術】
【0002】
銅の電解精製においては、電解液を満たした電解槽に複数枚の粗銅アノードと純銅カソード(以下単にカソードという場合がある)を交互に挿入し、アノードとカソードとの間に通電して、カソード上に銅を析出させる。そして、カソード上に純銅が所定の厚さに電着すれば、これを電解槽から引上げ、カソードビームを抜き取ってカソードは吊手の付いたまま電気銅として出荷され、カソードビームは繰り返し使用される。
【0003】
かかる電解精製に使用されるアノードは、銅精錬炉で精製された精製粗銅を鋳造することで得られる。一方、カソードは、縦横寸法が約1mであり厚さが約1mmの純銅薄板をカソード板とし、短冊状の純銅薄板を二又状に折り曲げたカソード吊手をカソード板の上縁に2本取り付け、それらカソード吊手の輪の中にカソードビームを通すことで形成される。
【0004】
このようなカソードの組立は現状では殆んど自動化されており、以下のような工程で製造される。
【0005】
まず、カソード板CPは歪取り型押しなどされた後、ローラー等で組立装置に搬送される。一方、カソードビームCBは組立装置に一本ずつ供給され、図9(A)に示すようにカソード板CPの前方の所定個所に配置される。同時に吊手リボンPRはカソードビームCBの前方所定位置に供給される。かかる状態を維持したまま、カソードビームCBとカソード板CPはそれぞれ所定の位置間隔を維持しつつ、スプリング付のロール(スプリングロールR1)及び固定ロールR2に向けて移動される。なお、吊手リボンPRは移動せず元の位置に維持される。カソードビームCBおよびカソード板CPがスプリングロールR1及び固定ロールR2間に向けて移動すると、吊手リボンPRはカソードビームCBに押されるようにスプリングロールR1及び固定ロールR2間に移動する。すると、吊手リボンPRはU字型に曲げられる(図9(B))。カソードビームCBおよびカソード板CPがさらに移動すると、吊手リボンPRの両端はスプリングロールR1によりさらに深く曲げられる(図9(C))。吊手リボンPR全体がスプリングロールR1及び固定ロールR2を通過すると、吊手リボンPRはスプリングバックしてU字型乃至V字型となるが、一応カソードビームCBに巻き付いた状態となる(図9(D))。この状態で、カシメ装置CKによってカソード板CPを両側から(図9(E)では上下から)挟み、カシメ装置CKに内蔵のパンチで円状の穴あけを行うと共に形成される凸状片を折り返すと、カソード板CPに吊手リボンPRが固定される。すると、図9(F)に示すように、カソードビームCBを保持して吊り下げると、カソード板CPの上方に吊手Hを有し、吊手HにカソードビームCBが通された形状のカソードCが組み立てられる。
【0006】
上記のような方法でカソードCを組み立てた場合、カソードビームCBを保持して吊り下げた際に、カソード板CPがカソードビームCBの中心を通る面に位置するものだけでなく(図10(A))、カソード板CPがカソードビームCBの中心を通る面からのズレるものができる(図10(B))。これは吊手リボンPRの厚さのバラツキや、吊手リボンPRをカソードビームCBに巻き付ける位置のズレ等に起因して、吊手リボンPRがカソードビームCBの両側で対称に湾曲しないことによると考えられる。このようなカソードCをそのまま使用すると、電解槽において電解精製した際に、アノードとの間で短絡する原因となる。そこで、電解槽にカソードCを装入した際に目視でチェックし、ズレの大きいものは矯正器具を使用して吊手Hの曲り具合いを作業者が矯正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-101575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、電解槽には多数のカソードCが装入されており、そのカソードCを目視でチェックして吊手Hの曲り具合いを作業者が矯正する作業は非常に大変であり、自動で吊手Hの曲り具合いを矯正する設備が求められている。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、カソードの吊手を自動で矯正する矯正設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の矯正設備は、カソード板にカソードビームが挿通される吊手が設けられたカソードにおける吊手を矯正する設備であって、カソードを搬送する搬送設備の上方に配置されるフレーム部と、該フレーム部に設けられた、カソードビームの吊手を一対の挟持爪によって挟んで矯正するクランプ部と、を備えており、該クランプ部は、先端部に前記挟持爪がそれぞれ設けられた一対のアームと、該一対のアームをその先端部同士が接近離間するようにその基端を支点として揺動させる揺動部と、を有しており、該揺動部が、前記一対のアームの基端部が固定された一対の回転軸と、該一対の回転軸にそれぞれ設けられ、互いに噛み合っている一対の歯車と、前記一対の回転軸のうち、一方の回転軸に連結された連結アームと、該連結アームを前記一方の回転軸を支点として揺動させる揺動機構と、を備えていることを特徴とする。
第2発明の矯正設備は、第1発明において、前記一対の挟持爪は、吊手におけるカソード板と吊手との連結位置とカソードビームとの間の部分を挟むように形成されていることを特徴とする。
第3発明の矯正設備は、第1または第2発明において、前記揺動機構が、前記連結アームにロッドが連結されたシリンダを備えていることを特徴とする。
第4発明の矯正設備は、第1、第2または第3発明において、前記クランプ部の下方にカソードを位置決めして配置する位置決め部を備えており、該位置決め部は、カソードビームを所定の位置に配置する配置部を備えており、該配置部は、搬送設備によるカソードの搬送方向と平行な第一面と、該第一面に対して直交する第二面と、を有する位置決め部分を備えた固定部材と、移動機構によって前記固定部材の位置決め部分に向かって接近離間される移動部材と、を有しており、前記移動部材は、前記固定部材の位置決め部分における第一面と平行な第一押圧面と、該第一押圧面に対して直交する第二押圧面と、を有しており、前記移動機構は、前記固定部材の位置決め部分における第一面および第二面の両面にカソードビームが当接した状態において前記移動部材の第一押圧面および第二押圧面の両面にカソードビームが当接するように、前記移動部材を移動させるものであることを特徴とする。
第5発明の矯正設備は、第4発明において、前記移動機構は、前記移動部材を前記第一面および前記第二面と非平行な方向に沿って移動させることを特徴とする。
第6発明の矯正設備は、第4または第5発明において、前記固定部材は、前記第一面が搬送設備においてカソードビームが配置される面よりも上方に設けられており、搬送設備によるカソードの搬送方向の上流側から前記第二面の上端まで連続する上傾した傾斜面を備えており、カソードのカソードビームを前記傾斜面に沿って移動させるビーム移動機構を備えていることを特徴とする。
第7発明の矯正設備は、第1乃至第6発明のいずれかにおいて、搬送設備上に配置除去可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、吊手を矯正する作業を自動化できるので、作業効率を向上でき作業者の負担も軽減できる。一対のアームの移動を確実に同期させることができるので、吊手の矯正を精度よく行うことができる。
第2発明によれば、吊手の矯正を確実に行うことができる。
第3発明によれば、一対のアームの移動を確実に同期させることができるので、吊手の矯正を精度よく行うことができる。
第4、第5発明によれば、カソードを所定の位置に確実に位置決めすることができるので、吊手を矯正した際に、カソード板をカソードビームに対して鉛直下方に配置する精度を高くできる。また、矯正の際にカソードが揺れることを抑えることができる。
第6発明によれば、搬送設備を停止しなくてもカソードの矯正ができるので、カソードの製造効率の低下を抑制できる。しかも、カソードビームを傾斜面に沿って位置決め部分まで移動させることができるので、カソードを位置決め部分まで簡単に移動させることができる。
第7発明によれば、矯正設備のメンテナンスが容易になる。また、メンテナンス中もカソードの搬送を継続できるので、カソードの製造効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の矯正設備1の概略正面図であって、一対のアーム12,12によってカソードCの吊手Hを挟んだ状態の概略説明図である。
図2】本実施形態の矯正設備1の概略正面図であって、一対のアーム12,12がカソードCの吊手Hを挟んでいない状態の概略説明図である。
図3図2の状態の概略平面図である。
図4】把持部11の概略説明図である。
図5】揺動部20の概略説明図である。
図6】配置部30の概略説明図であって、(A)は移動部材33が固定部材31から離間している状態であり、(B)は移動部材33と固定部材31によってカソードビームCBを位置決めしている状態である。
図7】ビーム移動機構40によってカソードCを移動させている作業の概略説明図である。
図8】ビーム移動機構40によってカソードCを移動させている作業の概略説明図である。
図9】カソードCを組み立てる作業の概略説明図である。
図10】(A)はカソード板PがカソードビームCBの中心を通る面上に配置されている状態であり、(B)はカソード板PがカソードビームCBの中心を通る面上からズレた状態であり、(C)は吊手Hを矯正したカソードCの概略説明図であり、(D)は日平均のカソード歪の推移を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の矯正設備は、カソード板を吊手によってカソードビームに吊り下げたカソードの矯正設備であって、吊手を自動で矯正できるようにしてことに特徴を有している。
【0014】
本発明の矯正設備によって吊手が矯正されるカソードはとくに限定されない。例えば、銅の電解精製や電解採取に用いられるカソードや、銅電解やニッケル電解などに使用されるカソードを挙げることができる。
【0015】
以下では、銅の電解精製に使用されるカソードの矯正を行う場合であって、カソード板の両端部に吊手が2つ設けられている場合を代表として説明する。
【0016】
<矯正設備1>
図1図3に示すように、本実施形態の矯正設備1は、銅の電解精製に使用されるカソードCが搬送される搬送設備Tの上方に配置されるフレーム部2と、このフレーム部2に設けられたクランプ部10と、を備えている。
【0017】
なお、搬送設備Tは、一対のチェーンCH,CHを有する搬送部を備えており、搬送部の一対のチェーンCH,CH間にカソードCのカソードビームCBが吊り下げられるようになっている。そして、一対のチェーンCH,CHを周回移動させることによって搬送部がカソードCを搬送できるようになっている。
また、一つの搬送部によって矯正設備1の上流側から下流側までカソードCを搬送してもよいし、複数(図1図6~8では2つ)の搬送部によって矯正設備1の上流側から下流側までカソードCを搬送してもよい。
【0018】
<フレーム部2>
図1図3に示すように、フレーム部2は、梁状部材3を備えており、この梁状部材3が搬送設備Tの一対のチェーンCH,CHよりも上方に配置されている。この梁状部材3の両端には、一対の取付脚4,4が設けられており、この一対の取付脚4,4が搬送設備Tの側方に設けられている柱P等にボルト等によって着脱可能に固定されている。
【0019】
したがって、ボルト等を外せばフレーム部2を柱Pから取り外すことができるので、矯正設備1を搬送設備T上から除去できる。すると、搬送設備T上に矯正設備1を設置したままメンテナンスする場合に比べて、矯正設備1のメンテナンスが容易になる。
【0020】
また、矯正設備1を搬送設備T上から除去すれば、搬送設備Tの稼働を停止しなくても矯正設備1の各部をメンテナンスすることができるので、矯正設備1のメンテナンスに起因してカソードCの製造効率等が低下することを抑制できる。
【0021】
もちろん、矯正設備1のフレーム部2は柱P等に固定されていてもよいが、柱P等に対して着脱可能とすれば、搬送設備T上に矯正設備1を配置除去可能となるので、上記のごとき効果を得ることができる。
【0022】
<クランプ部10>
図1図3に示すように、前記フレーム部2の梁状部材3には、クランプ部10が設けられている。このクランプ部10は、一対のアーム12,12を有する2組の挟持部11と、挟持部11の一対のアーム12,12を揺動させる揺動部20と、を備えている。
【0023】
<揺動部20>
図1図3に示すように、梁状部材3は、一対の取付脚4,4が柱P等に取り付けられると、その軸方向が一対のチェーンCH,CHの移動方向(つまりカソードCの搬送方向)に対して直交するように設けられている。
【0024】
図4に示すように、この梁状部材3の下方には、揺動部20の一対の回転軸21,21が設けられている。この一対の回転軸21,21は、互いに平行でかつ所定の間隔を空けた状態で梁状部材3に設置されている。しかも、この一対の回転軸21,21は、その中心軸周りに回転可能となるように梁状部材3に設置されている。
【0025】
図5に示すように、この一対の回転軸21,21には、同じ形状の一対の歯車22,22がそれぞれ取り付けられている。つまり、ピッチ円径や歯数等が同じ一対の歯車22,22が一対の回転軸21,21にそれぞれ設けられている。しかも、一対の歯車22,22は互いに噛み合った状態で一対の回転軸21,21に取り付けられている。
【0026】
また、一対の回転軸21,21のうち、一方の回転軸21には、連結アーム23の基端が連結されている。この連結アーム23の先端と梁状部材3との間には、シリンダ25が設けられている。具体的には、シリンダ25は、その伸縮方向と平行な面(以下単に平行面という)が一方の回転軸21の軸方向と直交するように設置されている。しかも、シリンダ25は、そのロッド25aの先端と連結アーム23とが平行面と直交する軸によって軸支されており、そのシリンダボディ25bの基端と梁状部材3とが平行面と直交する軸によって軸支されている。
【0027】
したがって、シリンダ25を伸縮させれば、連結アーム23がその基端を支点として揺動するので、連結アーム23の基端が連結された一方の回転軸21を回転させることができる。一方の回転軸21に取り付けられている歯車22は、他方の回転軸21に取り付けられている歯車22と噛み合っているので、一方の回転軸21と同じタイミングで逆方向に他方の回転軸21を回転させることができる。しかも、一対の歯車22,22は同じ形状であるので、一方の回転軸21と他方の回転軸21を同じ量(つまり同じ角度)だけ逆方向に回転させることができる。
【0028】
<挟持部11>
図1図3に示すように、揺動部20の一対の回転軸21,21には、2組の挟持部11が設けられている。具体的には、搬送設備Tの一対のチェーンCH,CHによって搬送されるカソードCの2つの吊手Hと対応する位置に2組の挟持部11が設けられている。なお、2組の挟持部11は同じ構造を有しており、揺動部20が作動すると、2組の挟持部11が同じように作動するので、以下では、右側の挟持部11で説明する(図4参照)。
【0029】
挟持部11は、先端部に挟持爪13が設けられた一対のアーム12,12を備えている。なお、挟持爪13は、後述するようにカソードCの吊手Hを挟んで矯正するものであるが詳細は後述する。
【0030】
図4に示すように、一対のアーム12,12は、それぞれの揺動部20の一対の回転軸21,21に基端が固定されている。つまり、一対の回転軸21,21が回転するとその回転に伴って回転軸21周りに先端部が上下に揺動するように、一対のアーム12,12の基端が、揺動部20の一対の回転軸21,21にそれぞれ固定されている。しかも、一対のアーム12,12は、揺動部20のシリンダ25が伸長すると(または収縮すると)、その先端部の挟持爪13同士が互いに接近しかつ一対の回転軸21,21の中心軸間を二等分する基準面CLで挟持爪13同士が接触するように設けられている(この状態を挟持状態という)。つまり、一対のアーム12,12は、基準面CLに対して面対称となるように一対の回転軸21,21に固定されている。
【0031】
また、一対のアーム12,12は、挟持状態において、搬送設備Tの一対のチェーンCH,CHに吊り下げられた状態のカソードCの吊手Hを挟持爪13が挟むことができる長さに形成されている。具体的には、一対のアーム12,12に設けられている挟持爪13によって、カソードCにおいて、吊手Hにおけるカソード板CPと吊手Hとの連結位置とカソードビームCBとの間の部分を挟むことができる長さに形成されている。
【0032】
また、挟持爪13は、挟持爪13同士が最接近した状態になると、基準面CLに対して対称となるように傾斜した矯正面13aを備えている。つまり、挟持爪13の矯正面は、挟持爪13同士が接触した状態において、基準面CLに対して面対称となるように設けられている。
【0033】
<矯正設備1による吊手Hの矯正作業>
矯正設備1が以上のような構成であるので、以下のように作動させれば、カソードビームCBを保持してカソードCを吊り下げた際に、カソード板CPがカソードビームCBの中心を通る面と一致するようにカソードCの吊手Hを矯正することができる。
【0034】
まず、カソードCを搬送設備Tによって矯正設備1の位置まで搬送する。そして、カソードビームCBが上述した基準面CLの位置まで搬送されると、搬送設備TによるカソードCの搬送を停止する。
【0035】
搬送設備TによるカソードCの搬送が停止すると、揺動部20のシリンダ25を伸長させる。すると、シリンダ25の伸長に伴って一対の回転軸21,21が回転し、一対のアーム12,12は挟持爪13が互いに接近するように下方に揺動する(図4(A)参照)。
【0036】
やがて、一対のアーム12,12の挟持爪13の矯正面13aが吊手Hの両側にそれぞれ接触し、その状態からさらにシリンダ25が伸長すると、一対のアーム12,12の挟持爪13の矯正面13aによって吊手Hは両側から挟まれることになる(図4(B)参照)。一対のアーム12,12の挟持爪13の矯正面13aは、基準面CLに対して面対称となるように設けられているので、吊手Hは、カソードビームCBの中心を通る面に対して対称な形状となるように矯正される。
【0037】
一定時間(吊手Hを塑性変形させることができる程度の時間)、一対のアーム12,12の挟持爪13の矯正面13aによって吊手Hを挟むと、揺動部20のシリンダ25が収縮される。すると、シリンダ25の収縮に伴って一対の回転軸21,21が回転し、一対のアーム12,12は挟持爪13が互いに離間するように上方に揺動する(図4(A)参照)。
【0038】
一対のアーム12,12が上方に揺動すると、搬送設備TによるカソードCの搬送が再開され、吊手Hが矯正されたカソードCが基準面CLの位置から移動され、次のカソードCが基準面CLの位置に搬送される。すると、上述した作業が繰り返されて、カソードCの吊手Hが矯正される。
【0039】
挟持爪13の形状>
挟持爪13の形状は、カソードCにおいて吊手Hにおけるカソード板CPと吊手Hとの連結位置とカソードビームCBとの間の部分を矯正面13aによって挟むことができる形状であればよく、とくに限定されない。
【0040】
また、挟持爪13は、カソードCに合わせて適切な形状のもの、つまり、カソードビームCBとカソード板CPの垂直性を保つように吊手Hを変形させることができるものを使用する。したがって、カソードCに合わせて適切な挟持爪13を使用できるように、挟持爪13は、アーム12に着脱可能に設けられていることが望ましい。
【0041】
<位置決め部>
上述したように、搬送設備Tの作動を制御して、カソードCとクランプ部10との位置を合せてもよいが、以下のような配置部30とビーム移動機構40と、を有する位置決め部を設ければ、カソードCとクランプ部10との位置を正確に合わせることができる。
【0042】
なお、配置部30は、クランプ部10の2組の挟持部11の近傍にそれぞれ設けられるが(図1および図2参照)、配置部30は同じ構造を有しており、同じタイミングで同じように作動するので、以下では、左側の配置部30で説明する。
【0043】
また、位置決め部を設けた場合、上述した挟持爪13は、チェーンCH上ではなく、配置部30に配置された状態のカソードCの吊手Hを挟んで矯正できる長さに形成される。
【0044】
<配置部30>
図6に示すように、配置部30は、固定部材31と、移動部材33と、移動機構35と、を備えており、カソードCを所定の位置に配置することができる機能を有している。
【0045】
<固定部材31>
図1図3に示すように、搬送設備Tの一対のチェーンCH,CHの間において、チェーンCHの近傍には固定部材31が設けられている。図6に示すように、固定部材31では、その上流側の端部から上述した基準面CLに向かって上傾する傾斜面31cを有している。なお、傾斜面31cは、その上流側の端部が、搬送設備TにおいてカソードビームCBが配置される面(つまりチェーンCHの上面)よりも若干下方に位置するように設けられている。
【0046】
この固定部材31は、傾斜面31cの下流側の端部に位置決め部分32が設けられており、この位置決め部分32が上述した基準面CLの近傍に位置するように設けられている。具体的には、位置決め部分32は、搬送設備TにおけるカソードCの搬送方向(図6では水平方向)と平行な第一面32aを有している。この第一面32aは、チェーンCHの上面、つまり、搬送設備TにおいてカソードビームCBが配置される面よりも若干上方に位置するように設けられている。
【0047】
また、位置決め部分32は、第一面32aと直交する第二面32b(言い換えれば鉛直面である第二面32b)を有している。この第二面32bは、その上端が傾斜面31cの下流側の端部と連続するように設けられている。しかも、第二面32bは、カソードビームCBの幅Wの半分の長さだけ基準面CLよりもカソードCの搬送方向の上流側(図6では左側)に位置するように設けられている。つまり、第二面32bは、カソードビームCBをその側面が第二面32bに面接触するように配置されると、カソードビームCBの中心を通る面と基準面CLとがほぼ一致するように設けられている。
【0048】
<移動部材33および移動機構35>
図6に示すように、固定部材31の上方には、位置決め部分32の第一面32aおよび第二面32bと対向するように、移動部材33が設けられている。この移動部材33は、シリンダ等の移動機構35によって固定部材31の位置決め部分32に対して斜め上方から接近離間できるように設けられている。
【0049】
図6に示すように、移動部材33は、移動部材33が移動機構35に取り付けられた状態において、固定部材31の位置決め部分32の第一面32aおよび第二面32bとそれぞれ対向する第一押圧面33aおよび第二押圧面33bを有している。
【0050】
この移動部材33の第一押圧面33aは、移動部材33が移動機構35に取り付けられた状態において、水平面となるように設けられている。言い換えれば、移動部材33の第一押圧面33aは、移動部材33が移動機構35に取り付けられた状態において、固定部材31の位置決め部分32における第一面32aと平行となるように設けられている。
【0051】
一方、移動部材33の第二押圧面33bは、移動部材33が移動機構35に取り付けられた状態において、鉛直面となるように設けられている。つまり、移動部材33の第二押圧面33bは、第一押圧面33aと直交する面となるように設けられている。言い換えれば、移動部材33の第二押圧面33bは、移動部材33が移動機構35に取り付けられた状態において、固定部材31の位置決め部分32における第二面32bと平行となるように設けられている。
【0052】
移動機構35は、固定部材31の位置決め部分32に対して、その斜め上方から移動部材33を位置決め部分32に接近させることができるように設けられている。より詳しくは、移動部材33の第一押圧面33aおよび第二押圧面33bが固定部材31の位置決め部分32における第一面32aおよび第二面32bと平行な状態を維持したまま、移動部材33を位置決め部分32に接近させることができるように設けられている。しかも、移動部材33が位置決め部分32に最も接近すると、移動部材33の第一押圧面33aと固定部材31の位置決め部分32における第一面32aとの距離がカソードビームCBの高さと同じになり、かつ、移動部材33の第二押圧面33bと固定部材31の位置決め部分32における第二面32bとの距離がカソードビームCBの高さと同じになるように、移動機構35は移動部材33を位置決め部分32に接近させるように設けられている(図6(B)参照)。
【0053】
固定部材31、移動部材33および移動機構35が以上のような構造となっているので、固定部材31の位置決め部分32の第一面32a上にカソードビームCBが配置されれば、カソードビームCBは断面矩形状(略正方形状または略長方形状)になっているので、カソードビームCBの中心を通る面と基準面CLとがほぼ一致するように配置することができる。
【0054】
つまり、固定部材31の位置決め部分32の第一面32a上にカソードビームCBが配置された状態で、移動機構35によって移動部材33を位置決め部分32に接近させる。すると、カソードビームCBにおける搬送方向の前面に移動部材33の第二押圧面33bが接触する。その状態からさらに移動機構35によって移動部材33を位置決め部分32に接近させる。すると、カソードビームCBは、位置決め部分32の第一面32aに沿って移動し、やがて、カソードビームCBの搬送方向の背面が位置決め部分32の第二面32bに接触するようになる。この状態では、カソードビームCBは、その搬送方向は位置決め部分32の第二面32bと移動部材33の第二押圧面33bに挟まれ、その上下の面は位置決め部分32の第一面32aと移動部材33の第一押圧面33aに挟まれた状態となる。位置決め部分32の第二面32bは、カソードビームCBの側面が第二面32bに面接触するように配置されると、カソードビームCBの中心を通る面と基準面CLとがほぼ一致するように設けられている(図6(B))。したがって、カソードビームCBを所定の位置に位置決めした状態となるように配置することができる。
【0055】
カソードビームCBを所定の位置に位置決めした状態に配置した後、クランプ部10によって吊手Hが矯正されれば、吊手Hは、カソードビームCBの中心を通る面に対して対称な形状となるように矯正される。
【0056】
なお、移動部材33の第一押圧面33aは必ずしも設けなくてもよいが、上記のように移動部材33の第一押圧面33aを設ければ、カソードビームCBを安定した状態で位置決めすることができる。
【0057】
<ビーム移動機構40>
図7および図8に示すように、上述した固定部材31の近傍には、搬送設備T上のカソードCを固定部材31の位置決め部分32まで移動させるビーム移動機構40が設けられている。このビーム移動機構40は、カソードCの搬送方向と平行に移動するスライダ41を備えている。このスライダ41は、レール41rに対して移動可能に設けられている。このレール41rは、カソードCの搬送方向において上流側の端部が、固定部材31の上流側の端部よりも上流側に位置している。より具体的には、このレール41rは、カソードCの搬送方向において上流側の端部が、搬送設備Tによって固定部材31の上流側の端部まで移動した状態におけるカソードCのカソードビームCBよりも上流側に位置している。
なお、スライダ41をレール41rに沿って移動させる方法は、とくに限定されないが、以下では、シリンダ機構によって移動させる場合を説明する。
【0058】
このスライダ41の下端には、爪部材42が設けられている。この爪部材42は、スライダ41の下端から下方に向かって延びた部材であり、スライダ41に対して一定の方向および角度だけ回転可能となるように取り付けられている。具体的には、爪部材42は、鉛直下方を向いた状態からカソードCの搬送方向の下流側に約90°程度まで回転できるように設けられている。しかも、爪部材42は、回転していない状態では、その下端(先端)が搬送設備T上のカソードビームCBの上面よりも下方に位置する程度の長さを有している。
【0059】
またレール41rは、カソードCの搬送方向において下流側の端部が、爪部材42が固定部材31の位置決め部分32における第一面32aのカソードCの搬送方向の下流側の端部(つまり、固定部材31のカソードCの搬送方向の下流側の端部)よりも下流側まで延びている。
【0060】
ビーム移動機構40がかかる構成であるので、カソードビームCBを固定部材31の傾斜面32cに沿って位置決め部分32まで移動させることができ、矯正されたカソードCを固定部材31よりも下流側の搬送設備Tの搬送部に移動させることができる。
【0061】
まず、搬送設備Tによって固定部材31の上流側の端部までカソードCが搬送されると、スライダ41がカソードCの搬送方向の上流側に向かって移動される。すると、スライダ41とともに爪部材42がカソードビームCBよりも上流側にまで移動する(図7(A)~(C))。
【0062】
スライダ41がカソードビームCBよりも上流側にまで移動する際に、爪部材42の下端がカソードビームCBと接触し、爪部材42にはカソードビームCBからカソードCの搬送方向の下流側に向かって力が加わる。しかし、爪部材42はカソードCの搬送方向の下流側に向かって回転できる。したがって、爪部材42はカソードビームCBと接触すると下流側に向かって回転し(図7(B))、カソードビームCBに影響を与えることなく、カソードビームCBの位置を通過する。
【0063】
なお、スライダ41は、カソードCが固定部材31の上流側の端部まで搬送される前にカソードビームCBよりも上流側にまで移動されていてもよい。この場合には、カソードCが固定部材31の上流側の端部まで搬送される際に、カソードCが爪部材42を下流側に押して、爪部材42をカソードCよりも上流側に配置させることができる。
【0064】
爪部材42がカソードビームCBよりも上流側にまで移動すると、スライダ41がカソードCの搬送方向の下流側に向かって移動される。すると、爪部材42はカソードCの搬送方向の下流側に移動するので、爪部材42はカソードビームCBと再び接触する(図7(C))。このときには、爪部材42にはカソードビームCBからカソードCの搬送方向の上流側に向かって力が加わる。爪部材42はカソードCの搬送方向の上流側には回転できないので、爪部材42と接触したカソードビームCBは、爪部材42とともにカソードCの搬送方向の下流側に移動する。
【0065】
固定部材31の傾斜面31cは、その上流側の端部が搬送設備TにおいてカソードビームCBが配置される面よりも若干下方に位置するように設けられている。したがって、爪部材42とともに移動するカソードビームCBは、搬送設備Tから固定部材31の傾斜面31c上に移動される(図8(A))。
【0066】
スライダ41がカソードCの搬送方向の下流側にさらに移動すると、やがて、カソードビームCBは傾斜面31cのカソードCの搬送方向の下流側の端部まで移動し、その後、位置決め部分32の第一面32a上に落下する(図8(B))。すると、スライダ41は、一旦、カソードCの搬送方向の上流側に移動し、その移動が停止される。
【0067】
その後、上述したように、カソードビームCBは配置部30によって位置決めされ、クランプ部10によって吊手Hが矯正される。
【0068】
吊手Hが矯正されると、スライダ41はカソードCの搬送方向の下流側に再び移動し、爪部材42によってカソードビームCBはカソードCの搬送方向の下流側にさらに移動される。すると、カソードビームCBは固定部材31のカソードCの搬送方向の下流側の端部よりも下流側まで移動され、固定部材31よりも下流側の搬送設備Tの搬送部に移載される(図8(F))。
【0069】
吊手Hが矯正されたカソードCが固定部材31よりも下流側の搬送設備Tの搬送部に移載されると、再びスライダ41はカソードCの搬送方向の上流側に移動し、上記作業が繰り返される。
【0070】
矯正設備1が以上のような配置部30とビーム移動機構40とを有する位置決め部を備えていれば、カソードビームCB、つまり、カソードCを所定の位置に自動で位置決めできるので、吊手Hの矯正を自動化しつつその矯正精度を高くすることができる。
【0071】
なお、ビーム移動機構40は、シリンダのロッドの先端に直接爪部材32を連結して、シリンダの伸縮によって爪部材32を移動させて、カソードビームCBを移動させるようにしてもよい。
【実施例
【0072】
本発明の矯正設備を備えたカソード製造設備(実施例)によって製造されたカソード20枚と、本発明の矯正設備を有しない従来のカソード製造設備(比較例)によって製造されたカソード20枚と、について、吊り下げた状態におけるカソードビームの中心を通る垂直線からカソード板の上端が水平方向においてどれ位ズレが生じているかを調べた。
【0073】
結果、比較例で製造されたカソードの平均値は2.6mmであったが、実施例で製造されたカソードの平均値は0.2mmとなり、大幅に吊下り状態が改善されることが確認された。
【0074】
比較例でカソードを製造していた場合(図10(D)の変更日前)と、実施例でカソードを製造していた場合(図10(D)の変更日後)について、日平均のカソード歪の推移を比較した。
図11に示すように、比較例でカソードを製造していた場合に比べて、実施例ではカソード歪が1.6mm低下していること確認された。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の矯正設備は、銅電解やニッケル電解等の電解精製や電解採取に用いられるカソードの吊手を矯正する設備に適している。
【符号の説明】
【0076】
1 矯正設備
2 フレーム部
10 クランプ部
11 挟持部
12 アーム
13 挟持爪
13a 矯正面
20 揺動部
21 回転軸
22 歯車
23 連結アーム
25 シリンダ
30 配置部
31 固定部材
32 位置決め部分
32a 第一面
32b 第二面
33 移動部材
33a 第一押圧面
33b 第二押圧面
35 移動機構
40 ビーム移動機構
41 スライダ
42 爪部材
C カソード
CP カソード板
CB カソードビーム
H 吊手
RB 吊手リボン
T 搬送設備
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10