(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-05
(45)【発行日】2022-04-13
(54)【発明の名称】抗LAG-3抗体
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20220406BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20220406BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20220406BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20220406BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20220406BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220406BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20220406BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220406BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220406BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20220406BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20220406BHJP
A61P 31/06 20060101ALI20220406BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220406BHJP
A61P 33/02 20060101ALI20220406BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220406BHJP
【FI】
C07K16/28
C12N15/13 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61P35/00
A61P35/02
A61P31/00
A61P31/10
A61P31/06
A61P31/04
A61P31/04 171
A61P33/02
A61P33/02 171
A61P33/02 173
A61K39/395 N
(21)【出願番号】P 2018534379
(86)(22)【出願日】2017-08-10
(86)【国際出願番号】 JP2017029057
(87)【国際公開番号】W WO2018034227
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2016159091
(32)【優先日】2016-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度 農林水産省「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000238201
【氏名又は名称】扶桑薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098121
【氏名又は名称】間山 世津子
(74)【代理人】
【識別番号】100107870
【氏名又は名称】野村 健一
(72)【発明者】
【氏名】今内 覚
(72)【発明者】
【氏名】大橋 和彦
(72)【発明者】
【氏名】村田 史郎
(72)【発明者】
【氏名】岡川 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】西森 朝美
(72)【発明者】
【氏名】前川 直也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 定彦
(72)【発明者】
【氏名】中島 千絵
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】Infect. Immun.,2016年01月,Vol. 84, No. 1,p. 77-89
【文献】2014年度実績報告書 ウシの免疫抑制受容体の機能解析および難治性疾病の新規制御法への応用研究, KAKEN, [online],2016年06月01日,[2017年10月20日検索], インターネット<https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-13J01442/13J014422014jisseki/>
【文献】Immunology,2014年,Vol. 142,p. 551-561
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00 - 16/46
C12N 15/00 - 15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ウシ抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖と、(b) GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖とを含む、抗LAG-3抗体
であって、前記ウシ抗体のL鎖定常領域が配列番号3のアミノ酸配列を有し、前記ウシ抗体のH鎖定常領域が配列番号4のアミノ酸配列を有する前記抗LAG-3抗体。
【請求項2】
L鎖可変領域とH鎖可変領域がラットに由来する請求項1記載の抗体。
【請求項3】
L鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域であり、H鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域である請求項2記載の抗体。
【請求項4】
L鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸配列を有し、H鎖可変領域が配列番号2のアミノ酸配列を有する請求項3記載の抗体。
【請求項5】
ウシ抗体のL鎖定常領域が、Lambda鎖の定常領域のアミノ酸配列を有する請求項1~4のいずれかに記載の抗体。
【請求項6】
L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つ請求項1~
5のいずれかに記載の抗体。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれかに記載の抗体を有効成分として含む、医薬組成物。
【請求項8】
がん及び/又は感染症の予防及び/又は治療のための請求項
7記載の医薬組成物。
【請求項9】
がん及び/又は感染症が、腫瘍性疾患、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症(例えば、マイコプラズマ性乳房炎、マイコプラズマ性肺炎など)、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症からなる群より選択される請求項
8記載の医薬組成物。
【請求項10】
(a’)QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ウシ抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖と、(b’)GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖とを含む、抗LAG-3抗体をコードする人工遺伝子DNA
であって、前記ウシ抗体のL鎖定常領域が配列番号3のアミノ酸配列を有し、前記ウシ抗体のH鎖定常領域が配列番号4のアミノ酸配列を有する前記人工遺伝子DNA。
【請求項11】
請求項
10記載の人工遺伝子DNAを含むベクター。
【請求項12】
請求項
11記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
【請求項13】
請求項
12記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗LAG-3抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
【請求項14】
QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ウシ抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖をコードするDNA
であって、前記ウシ抗体のL鎖定常領域が配列番号3のアミノ酸配列を有する前記DNA。
【請求項15】
GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域と、ウシ抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖をコードするDNA
であって、前記ウシ抗体のH鎖定常領域が配列番号4のアミノ酸配列を有する前記DNA。
【請求項16】
請求項14記載のDNAを組み込んだベクターと、請求項15記載のDNAを組み込んだベクターとにより形質転換された宿主細胞。
【請求項17】
請求項16記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗LAG-3抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗LAG-3抗体に関し、より詳細には、ラット抗ウシLAG-3抗体の相補鎖決定領域(CDR)を含む可変領域とラット以外の動物の抗体の定常領域とを有する抗LAG-3抗体に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫抑制受容体lymphocyte activation gene 3(LAG-3)はCD4の近縁分子として同定され(非特許文献1:Triebel F, Jitsukawa S, Baixeras E, Roman-Roman S, Genevee C, Viegas-Pequignot E, Hercend T. J. Exp. Med., 171(5):1393-1405; May 1, 1990.)、慢性感染症や腫瘍における免疫抑制に関与していることが近年明らかにされた(非特許文献2:Blackburn SD, Shin H, Haining WN, Zou T, Workman CJ, Polley A, Betts MR, Freeman GJ, Vignali DA, Wherry EJ. Nat. Immunol., 10(1):29-37; Nov. 30, 2008.、非特許文献3:Woo S-R, Turnis ME, Goldberg M V., Bankoti J, Selby M, Nirschl CJ, Bettini ML, Gravano DM, Vogel P, Liu CL, Tangsombatvisit S, Grosso JF, Netto G, Smeltzer MP, Chaux A, Utz PJ, Workman CJ, Pardoll DM, Korman AJ, Drake CG, Vignali DAA. Cancer Res., 72(4):917-927; Feb. 15, 2012.)。ヒト医療では腫瘍に対する免疫療法薬として、LAG-3の働きを阻害する抗体医薬が開発され、臨床試験(フェーズI)が進められている(抗体名:BMS-986016、ブリストル・マイヤーズスクイブ社および小野薬品工業株式会社)。
【0003】
これまで、本発明者らは、動物難治性疾病に対するLAG-3を標的とする免疫療法の開発を行い、この新規免疫療法が疾病横断的かつ動物横断的に応用が可能であることを明らかにしてきた(非特許文献4:Shirai T, Konnai S, Ikebuchi R, Okagawa T, Suzuki S, Sunden Y, Onuma M, Murata S, Ohashi K. Vet. Immunol. Immunopathol., 144(3-4):462-467; Dec. 15, 2011.、非特許文献5:Konnai S, Suzuki S, Shirai T, Ikebuchi R, Okagawa T, Sunden Y, Mingala CN, Onuma M, Murata S, Ohashi K. Comp. Immunol. Microbiol. Infect. Dis., 36(1):63-69; Jan. 2013.、非特許文献6:Okagawa T, Konnai S, Nishimori A, Ikebuchi R, Mizorogi S, Nagata R, Kawaji S, Tanaka S, Kagawa Y, Murata S, Mori Y, Ohashi K. Infect. Immun. 84(1):77-89; Oct. 19, 2015.)。
【0004】
しかし、本発明者らがこれまでに作製した抗体は、ラット抗体であるため、ラット以外の動物には頻回投与できない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Triebel F, Jitsukawa S, Baixeras E, Roman-Roman S, Genevee C, Viegas-Pequignot E, Hercend T. J. Exp. Med., 171(5):1393-1405; May 1, 1990.
【文献】Blackburn SD, Shin H, Haining WN, Zou T, Workman CJ, Polley A, Betts MR, Freeman GJ, Vignali DA, Wherry EJ. Nat. Immunol., 10(1):29-37; Nov. 30, 2008.
【文献】Woo S-R, Turnis ME, Goldberg M V., Bankoti J, Selby M, Nirschl CJ, Bettini ML, Gravano DM, Vogel P, Liu CL, Tangsombatvisit S, Grosso JF, Netto G, Smeltzer MP, Chaux A, Utz PJ, Workman CJ, Pardoll DM, Korman AJ, Drake CG, Vignali DAA. Cancer Res., 72(4):917-927; Feb. 15, 2012.
【文献】Shirai T, Konnai S, Ikebuchi R, Okagawa T, Suzuki S, Sunden Y, Onuma M, Murata S, Ohashi K. Vet. Immunol. Immunopathol., 144(3-4):462-467; Dec. 15, 2011.
【文献】Konnai S, Suzuki S, Shirai T, Ikebuchi R, Okagawa T, Sunden Y, Mingala CN, Onuma M, Murata S, Ohashi K. Comp. Immunol. Microbiol. Infect. Dis., 36(1):63-69; Jan. 2013.
【文献】Okagawa T, Konnai S, Nishimori A, Ikebuchi R, Mizorogi S, Nagata R, Kawaji S, Tanaka S, Kagawa Y, Murata S, Mori Y, Ohashi K. Infect. Immun. 84(1):77-89; Oct. 19, 2015.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ラット以外の動物にも頻回投与が可能な抗LAG-3抗体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ウシLAG-3発現Cos-7細胞に結合するラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体(2D8)の可変領域を決定し、この可変領域遺伝子と、ウシ免疫グロブリン(ウシIgG1、ただし、ADCC活性を抑制するために、CH2ドメインのFcγ受容体予想結合部位に変異を加えた(
図1参照。アミノ酸番号及び変異: 247 E→P, 248 L→V, 249 P→A, 250 G→deletion, 344 A→S, 345 P→S; Ikebuchi R, Konnai S, Okagawa T, Yokoyama K, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. Immunology 2014 Aug; 142(4):551-561.)。)の定常領域遺伝子を組み合わせたキメラ抗体遺伝子を導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞(Chinese hamster ovary cell:CHO細胞)を培養増殖させることにより、ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体を作製することに成功した。さらに、ラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体(2D8)の可変領域のCDRを決定した。本発明は、これらの知見により完成されたものである。
【0008】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)(a) QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖と、(b) GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖とを含む、抗LAG-3抗体。
(2)L鎖可変領域とH鎖可変領域がラットに由来する(1)記載の抗体。
(3)L鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域であり、H鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域である(2)記載の抗体。
(4)L鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸配列を有し、H鎖可変領域が配列番号2のアミノ酸配列を有する(3)記載の抗体。
(5)ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域が、Lambda鎖又はKappa鎖の定常領域のアミノ酸配列を有する(1)~(4)のいずれかに記載の抗体。
(6)ラット以外の動物抗体のH鎖定常領域が、ヒトのIgG4に相当する免疫グロブリンの定常領域のアミノ酸配列を有するか、あるいは、ADCC活性及び/又はCDC活性を低下させる変異が導入されたものである(1)~(5)のいずれかに記載の抗体。
(7)ラット以外の動物がウシであり、ウシ抗体のL鎖定常領域が、Lambda鎖の定常領域のアミノ酸配列を有し、かつ、ウシ抗体のH鎖定常領域が、ADCC活性及び/又はCDC活性を低下させる変異が導入されたものである(6)記載の抗体。
(8)ウシ抗体のL鎖定常領域が配列番号3のアミノ酸配列を有し、ウシ抗体のH鎖定常領域が配列番号4のアミノ酸配列を有する(7)記載の抗体。
(9)L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つ(1)~(8)のいずれかに記載の抗体。
(10)(1)~(9)のいずれかに記載の抗体を有効成分として含む、医薬組成物。
(11)がん及び/又は感染症の予防及び/又は治療のための(10)記載の医薬組成物。
(12)がん及び/又は感染症が、腫瘍性疾患、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症(例えば、マイコプラズマ性乳房炎、マイコプラズマ性肺炎など)、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症からなる群より選択される(11)記載の医薬組成物。
(13)(a’)QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖をコードするDNAと、(b’)GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖をコードするDNAとを含む、人工遺伝子DNA。
(14)(13)記載の人工遺伝子DNAを含むベクター。
(15)(14)記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
(16)(15)記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗LAG-3抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
(17)QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖をコードするDNA。
(18)GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖をコードするDNA。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2016‐159091の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、新規な抗LAG-3抗体が得られた。この抗体は、ラット以外の動物にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8のアミノ酸配列。ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のL鎖可変領域及びH鎖可変領域における、CDR1、CDR2及びCDR3領域を示し、さらに、ウシIgG1(CH2ドメイン)に変異を加えたアミノ酸(アミノ酸番号および変異:247 E→P, 248 L→V, 249 P→A, 250 G→deletion, 344 A→S, 345 P→S)も示す。
【
図2】pDC6ベクターとラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8の模式図。
【
図3】ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8の精製純度。
【
図4】ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8の結合性。
【
図5】ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3 抗体ch2D8のウシLAG-3/MHC II結合阻害活性。
【
図6】ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3 抗体ch2D8によるIFN-γ応答の変化。
【
図7】スイギュウLAG-3に対するラット抗ウシLAG-3抗体2D8の交差反応性。
【
図8】ヒツジのT細胞に対するラット抗ウシLAG-3抗体2D8の交差反応性。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、(a) QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖と、(b) GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖とを含む、抗LAG-3抗体を提供する。
【0013】
ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のL鎖可変領域におけるCDR1~3は、ぞれぞれ、QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列からなる領域、SVSのアミノ酸配列からなる領域、MQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列からなる領域である(
図1参照)。
【0014】
また、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のH鎖可変領域におけるCDR1~3は、ぞれぞれ、GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列からなる領域、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列からなる領域及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列からなる領域である(
図1参照)。
【0015】
QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列、SVSのアミノ酸配列及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列、並びに、GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列においては、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、LAG-3抗体のL鎖可変領域のCDR又はH鎖可変領域のCDRとしての機能を有しうる。
【0016】
本明細書において、抗体とは、全長抗体の他、Fab、F(ab)’2、ScFv、Diabody、VH、VL、Sc(Fv)2、Bispecific sc(Fv)2、Minibody、ScFv-Fc monomer、ScFv-Fc dimerなどの低分子化されたものも含む概念である。
【0017】
本発明の抗LAG-3抗体において、L鎖可変領域とH鎖可変領域がラットに由来するとよい。例えば、L鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域であり、H鎖可変領域がラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域であるとよい。
【0018】
ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域のアミノ酸配列及びH鎖可変領域のアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号1及び2に示すが、配列番号1及び2のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、LAG-3抗体のL鎖可変領域又はH鎖可変領域としての機能を有しうる。
【0019】
抗体のL鎖には、Kappa鎖(カッパ鎖)とLambda鎖(ラムダ鎖)があり、本発明の抗LAG-3抗体において、ラット以外の動物の抗体のL鎖定常領域は、Kappa鎖又はLambda鎖のどちらの鎖の定常領域のアミノ酸配列を有するものであってもよいが、存在比率は、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマではLambda鎖の方が高く、マウス、ラット、ヒト、ブタではKappa鎖の方が高い。存在比率の高い鎖の方が好ましいと考えられるので、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマではLambda鎖の定常領域のアミノ酸配列を有することが好ましく、マウス、ラット、ヒト、ブタではKappa鎖(カッパ鎖)の定常領域のアミノ酸配列を有することが好ましい。
【0020】
ラット以外の動物の抗体のH鎖定常領域は、ヒトのIgG4に相当する免疫グロブリンの定常領域のアミノ酸配列を有するとよい。H鎖は、定常領域の違いにより、γ鎖、μ鎖、α鎖、δ鎖、ε鎖に分けられ、この違いによりそれぞれIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類のクラス(アイソタイプ)の免疫グロブリンが形成される。
【0021】
免疫グロブリンG(IgG)はヒト免疫グロブリンの70-75%を占め、血漿中に最も多い単量体の抗体である。軽鎖2本と重鎖2本の4本鎖構造をもつ。ヒトIgG1、IgG2、IgG4は分子量は約146,000であるが、ヒトIgG3はFab領域とFc領域をつなぐヒンジ部が長く、分子量も170,000と大きい。ヒトIgG1はヒトIgGの65%程度、ヒトIgG2は25%程度、ヒトIgG3は7%程度、ヒトIgG4は3%程度を占める。血管内外に平均して分布する。ヒトIgG1は、エフェクター細胞表面のFcレセプターや補体因子に強い親和性を有するので、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を誘導し、また、補体を活性化して補体依存性細胞傷害活性(CDC)を誘導する。ヒトIgG2とヒトIgG4は、Fcレセプターや補体因子への親和性が低いことから、ADCC活性及びCDC活性が低い。
【0022】
免疫グロブリンM(IgM)はヒト免疫グロブリンの約10%を占める、基本の4本鎖構造が5つ結合した五量体の抗体である。分子量は970,000。通常血中のみに存在し、感染微生物に対して最初に産生され、初期免疫を司る免疫グロブリンである。
【0023】
免疫グロブリンA(IgA)はヒト免疫グロブリンの10-15%を占める。分子量は160,000。分泌型IgAは2つのIgAが結合した二量体の抗体になっている。IgA1は血清、鼻汁、唾液、母乳中に存在し、腸液にはIgA2が多く存在する。
【0024】
免疫グロブリンD(IgD)はヒト免疫グロブリンの1%以下の単量体の抗体である。B細胞表面に存在し、抗体産生の誘導に関与する。
【0025】
免疫グロブリンE(IgE)はヒト免疫グロブリンの0.001%以下と極微量しか存在しない単量体の抗体である。寄生虫に対する免疫反応に関与していると考えられるが、寄生虫の稀な先進国においては、特に気管支喘息やアレルギーに大きく関与している。
【0026】
イヌでは、IgGのH鎖として、IgG-A(ヒトIgG2に相当)、IgG-B(ヒトIgG1に相当)、IgG-C(ヒトIgG3に相当)、IgG-D(ヒトIgG4に相当)の配列が同定されている。本発明の抗体では、ADCC活性、CDC活性をともに持たないIgG H鎖定常領域が好ましい(ヒトではIgG4)。ヒトIgG4に相当する免疫グロブリンの定常領域が同定されていない場合には、ヒトIgG1に相当する免疫グロブリンの当該領域に変異を加えることにより、ADCC活性、CDC活性をともに持たなくなったものを使用するとよい。
【0027】
ウシでは、IgGのH鎖として、IgG1、IgG2、IgG3の配列が同定されている。本発明の抗体では、ADCC活性、CDC活性をともに持たないIgG H鎖定常領域が好ましい(ヒトではIgG4)。ヒトIgG1の定常領域は野生型ではADCC活性およびCDC活性を持つが、特定の部分にアミノ酸置換や欠損を加えることにより、それらの活性を低下させられることが知られている。ウシにおいて、ヒトIgG4に相当する免疫グロブリンの定常領域が同定されていないので、ヒトIgG1に相当する免疫グロブリンの当該領域に変異を加え、これを使用することができる。その一例として、ウシ抗体のH鎖定常領域(IgG1鎖, GenBank: X62916)のCH2ドメインに変異を加えたアミノ酸配列とヌクレオチド配列(コドンを最適化したもの)を、ぞれぞれ、配列番号4及び8に示す。
【0028】
ウシ抗体のL鎖定常領域が、Lambda鎖の定常領域のアミノ酸配列を有し、かつ、ウシ抗体のH鎖定常領域が、ADCC活性及び/又はCDC活性を低下させる変異が導入されたものである抗LAG-3抗体がより好ましい。
【0029】
本発明の抗LAG-3抗体は、ラット-ウシキメラ抗体、ウシ化抗体、完全ウシ型抗体を包含するが、動物は、ウシに限定されるわけではなく、ヒト、イヌ、ブタ、サル、マウス、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、水牛、ウサギ、ハムスター、モルモット等などを例示することができる。
【0030】
例えば、本発明の抗LAG-3抗体は、ウシ抗体のL鎖定常領域が配列番号3のアミノ酸配列を有し、ウシ抗体のH鎖定常領域が配列番号4のアミノ酸配列を有する抗LAG-3抗体であるとよい。
【0031】
配列番号3及び4のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、抗体のL鎖定常領域又はH鎖定常領域としての機能を有しうる。
【0032】
本発明の抗LAG-3抗体は、L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つとよい。
【0033】
本発明の抗LAG-3抗体は、以下のようにして製造することができる。同定したラット抗ウシLAG-3抗体の可変領域配列とラット以外の動物(例えば、ウシなど)の抗体(好ましくは、ヒトIgG1に相当する免疫グロブリンの当該領域に変異を加え、ADCC活性および/又はCDC活性を低下させたもの)の定常領域配列を含む人工遺伝子を合成し、その人工遺伝子をベクター(例えば、プラスミド)に挿入後、宿主細胞(例えば、CHO細胞などの哺乳類細胞)に導入し、該宿主細胞を培養することにより、培養物から抗体を採取する。
【0034】
本発明者らが同定したラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号1及び5に示す。さらに、コドン最適化後のヌクレオチド配列を配列番号11に示す。
【0035】
本発明者らが同定したラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号2及び6に示す。さらに、コドン最適化後のヌクレオチド配列を配列番号12に示す。
【0036】
ウシ抗体のL鎖定常領域(Lambda鎖, GenBank: X62917)のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号3及び7に示す。さらに、コドン最適化後のヌクレオチド配列を配列番号13に示す。
【0037】
ウシ抗体のH鎖定常領域(IgG1鎖, GenBank: X62916を改変)のアミノ酸配列とヌクレオチド配列(コドン最適化後)を、それぞれ、配列番号4及び8に示す。
【0038】
また、配列番号9は、ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域とウシ抗体のL鎖定常領域(Lambda鎖, GenBank: X62917)とからなるキメラL鎖のアミノ酸配列を示す。ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域とウシ抗体のL鎖定常領域(Lambda鎖, GenBank: X62917)とからなるキメラL鎖のヌクレオチド配列(コドン最適化後)を配列番号14に示す。
【0039】
配列番号10は、ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域(IgG1鎖, GenBank: X62916を改変)とからなるキメラH鎖のアミノ酸配列を示す。ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域(IgG1鎖, GenBank: X62916を改変)とからなるキメラH鎖のヌクレオチド配列(コドン最適化後)を配列番号15に示す。
【0040】
この他、ラット以外の動物のL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列は、公知のデータベースから入手することができ、これらの配列を利用することができる。
【0041】
ウシのL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を下記の表にまとめた。
(表)
ヒツジ、スイギュウ、ヒトのL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を下記の表にまとめた。
(表)
配列番号3、21~28、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、及び59のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、Ig重鎖又は軽鎖の定常領域としての機能を有しうる。
【0042】
ヒトIgG1の定常領域は野生型ではADCC活性およびCDC活性を持つが、特定の部分にアミノ酸置換や欠損を加えることにより、それらの活性を低下させられることが知られている。ヒト以外の動物において、ヒトIgG4に相当する免疫グロブリンの定常領域が同定されていない場合、ヒトIgG1に相当する免疫グロブリンの当該領域に変異を加え、ADCC活性およびCDC活性を低下させたものを使用することができる。
【0043】
本発明は、(a’)QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖をコードするDNAと、(b’)GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖をコードするDNAとを含む、人工遺伝子DNAを提供する。また、本願発明は、QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖をコードするDNAも提供する。さらに、本発明は、GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖をコードするDNAも提供する。
【0044】
(a) QSLLDSDGNTY(配列番号16)のアミノ酸配列を有するCDR1、SVSのアミノ酸配列を有するCDR2及びMQATHVPFT(配列番号17)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むL鎖可変領域と、ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域とを有するL鎖、並びに、(b) GFDFDTYP(配列番号18)のアミノ酸配列を有するCDR1、ITIKTHNYAT(配列番号19)のアミノ酸配列を有するCDR2及びNREDFDY(配列番号20)のアミノ酸配列を有するCDR3を含むH鎖可変領域とラット以外の動物抗体のH鎖定常領域とを有するH鎖については、上述した。(a’)のDNAは(a)のL鎖をコードするDNA(遺伝子)であり、(b’)のDNAは(b)のH鎖をコードするDNA(遺伝子)であり、(a’)のDNAと(b’)のDNAとを含む人工遺伝子DNAは、市販の合成機を用いて合成することができる。人工遺伝子DNAには、制限酵素認識部位、KOZAK配列、ポリA付加シグナル配列、プロモーター配列、イントロン配列などを付加してもよい。
【0045】
また、本発明は、前記人工遺伝子DNAを含むベクターも提供する。
【0046】
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫病原ウイルスなどを用いることができる。後述の実施例では、pDC6(日本国特許第5704753号、US Patent 9096878、EU Patent 2385115、Hong Kong (China) patent HK1163739、Australia Patent 2009331326)を用いた。
【0047】
ベクターには、プロモーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、イントロン配列、選択マーカー、SV40複製オリジンなどを付加してもよい。
【0048】
さらに、本発明は、前記ベクターにより形質転換された宿主細胞も提供する。この宿主細胞を培養し、培養物から抗体を採取することにより、抗LAG-3抗体を製造することができる。よって、本発明は、前記宿主細胞を培養し、培養物から抗LAG-3抗体を採取することを含む、抗体の製造方法も提供する。本発明の抗体の製造方法において、L鎖をコードするDNAとH鎖をコードするDNAを含む人工遺伝子DNAを組み込んだベクターを宿主細胞にトランスフェクションしてもよいし、L鎖をコードするDNAを組み込んだベクターとH鎖をコードするDNAを組み込んだベクターを宿主細胞にコトランスフェクションしてもよい。
【0049】
宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、枯草菌など)、真菌細胞(例えば、酵母、アスペルギルスなど)、昆虫細胞(例えば、S2細胞、Sf細胞など)、動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、3T3細胞、BHK細胞、HEK293細胞など)、植物細胞などを例示することができる。このうち、ジヒドロ葉酸還元酵素欠損細胞であるCHO-DG44細胞(CHO-DG44(dhfr-/-))が好ましい。
【0050】
組換えベクターを宿主に導入するには、Molecular Cloning 2nd Edition, J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989に記載の方法(例えば、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、トランスフェクション法、マイクロインジェクション法、リポフェクション法、エレクロトポレーション法、形質導入法、スクレープローディング法、ショットガン法など)または感染により行うことができる。
【0051】
形質転換体を培地で培養し、培養物から本発明の抗LAG-3抗体を採取することができる。抗体が培地に分泌される場合には、培地を回収し、その培地から抗体を分離し、精製すればよい。抗体が形質転換された細胞内に産生される場合には、その細胞を溶解し、その溶解物から抗体を分離し、精製すればよい。
【0052】
培地としては、OptiCHO培地、Dynamis培地、CD CHO培地、ActiCHO培地、FortiCHO培地、Ex-Cell CD CHO培地、BalanCD CHO培地、ProCHO 5培地、Cellvento CHO-100培地などを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0053】
培地のpHは培養する細胞により異なるが、一般的にはpH6.8~7.6、多くの場合pH7.0~7.4が適当である。
【0054】
培養する細胞がCHO細胞である場合、CHO細胞の培養は当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、通常、気相のCO2濃度が0-40%、好ましくは、2-10%の雰囲気下、30-39℃、好ましくは37℃程度で、培養することが可能である。
【0055】
適当な培養期間は、通常1日~3か月であり、好ましくは1日~3週間である。
【0056】
抗体の分離及び精製は、公知の方法により行うことができる。公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度の差を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
【0057】
本発明の抗LAG-3抗体は、動物用又はヒト用の抗体医薬として利用することができる。よって、本発明は、上記の抗LAG-3抗体を有効成分として含む、医薬組成物を提供する。
【0058】
本発明の医薬組成物は、がん及び/又は感染症の予防及び/又は治療に用いることができる。がん及び/又は感染症としては、腫瘍性疾患(例えば、悪性黒色腫、肺がん、胃がん、腎臓がん、乳がん、膀胱がん、食道がん、卵巣がん等)、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症(例えば、マイコプラズマ性乳房炎、マイコプラズマ性肺炎など)、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症などを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0059】
本発明の抗LAG-3抗体をPBSなどの緩衝液、生理食塩水、滅菌水などに溶解し、必要に応じてフィルターなどで濾過滅菌した後、注射により被験動物(ヒトも含む)に投与するとよい。また、この溶液には、添加剤(例えば、着色剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定化剤、保存剤、酸化防止剤、緩衝剤、等張化剤、pH調節剤など)などを添加してもよい。投与経路としては、静脈、筋肉、腹腔、皮下、皮内投与などが可能であり、また、経鼻、経口投与してもよい。
【0060】
本発明の抗LAG-3抗体の投与量、投与の回数及び頻度は、被験動物の症状、年齢、体重、投与方法、投与形態などにより異なるが、例えば、通常、成獣一匹当たり0.1~100mg/kg体重、好ましくは、1~10mg/kg体重を、少なくとも1回、所望の効果が得られる頻度で投与するとよい。
【0061】
本発明の医薬組成物は、単独で用いてもよいが、外科手術、放射線療法、がんワクチンなど他の免疫療法や分子標的治療薬と組み合わせて用いてもよい。これにより、相乗効果が期待できる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の樹立
1. 序論
免疫抑制受容体lymphocyte activation gene 3(LAG-3)はCD4の近縁分子として同定され、慢性感染症や腫瘍における免疫抑制に関与していることが近年明らかにされている。本実施例では、ウシの感染症に対する新規治療法の樹立を目的にウシLAG-3およびMHC class IIの結合を阻害可能なラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体2D8の可変領域遺伝子と、ウシ免疫グロブリン(ウシIgG1およびIgλ。ただし、 ADCC活性を抑制するために、ウシIgG1 CH2ドメインのFcγ受容体予想結合部位に変異を加えた(
図1)。アミノ酸番号及び変異: 247 E→P, 248 L→V, 249 P→A, 250 G→deletion, 344 A→S, 345 P→S; Ikebuchi R, Konnai S, Okagawa T, Yokoyama K, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. Immunology, 142(4):551-561; Aug. 2014.)の定常領域遺伝子を組み合わせたキメラ抗体遺伝子を導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞(Chinese hamster ovary cell: CHO細胞)を培養増殖させて得たラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8を作製し、本抗体による結合阻害活性および生物活性を確認した。
【0063】
2. 材料、方法、および実験結果
2.1. ウシLAG-3 発現細胞の構築
ウシLAG-3遺伝子(GenBank accession number AB608099; Shirai T, Konnai S, Ikebuchi R, Okagawa T, Sunden Y, Onuma M, Murata S, Ohashi K. Vet. Immunol. Immunopathol, 144(3-4):462-467; Dec. 15, 2011.)についてcDNA全長の塩基配列を決定し、その遺伝子情報よりウシLAG-3発現細胞を作製した。まず、ウシLAG-3発現プラスミドを作製するため、合成したウシ末梢血単核球(PBMC)由来cDNA を鋳型として、5´末端側に制限酵素BglIIおよびEcoRI認識部位を付加したプライマー(boLAG-3-EGFP FおよびR)を用いてPCR を行った。得られたPCR 産物をBglII(Takara社)およびEcoRI(Takara社)により処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit(NIPPON Genetics 社)を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行ったpEGFP-N2 vector(Clontech社)へ導入し、クローニングを行った。得られた目的の発現プラスミドはQIAGEN Plasmid Midi kit(Qiagen 社)用いて抽出し、実験に供するまで-30°Cで保存した。以降、作製した発現プラスミドをpEGFP-N2-boLAG-3 と表記する。
プライマー(boLAG-3-EGFP F):GAAAGATCTATGCTGTGGGAGGCTTGGTT(配列番号61)
プライマー(boLAG-3-EGFP R):CCGGAATTCGGGTTGCTCTGGCTGCAGCT(配列番号62)
【0064】
以下の手順に従い、ウシLAG-3発現細胞を作製した。まず、5×104 個/cm2のCOS-7細胞を6穴プレートに継代し、10% 非働化ウシ胎仔血清(Cell Culture Technologies社)、ペニシリン200 U/ml、ストレプトマイシン200 μg/ml、0.01% L-グルタミン(Life Technologies社)を含むRPMI 1640培地(Sigma-Aldrich社)にて37°C、5% CO2条件下で一晩培養した。次に、COS-7細胞に0.4 μg/cm2のpEGFP-N2-boLAG-3あるいは陰性対照としてpEGFP-N2をLipofectamine 2000(Invitrogen社) を用いて導入し48時間培養した(ウシLAG-3-EGFP発現細胞)。作製した発現細胞におけるウシLAG-3の発現を確かめるために、倒立型共焦点レーザー顕微鏡 LSM700(ZEISS社)により、EGFPの細胞内局在を可視化した。
【0065】
2.2. 可溶性ウシLAG-3 の構築
以下の手順に従い、ウシLAG-3-Ig発現プラスミドを構築した。ウシLAG-3(GenBank accession number AB608099)のシグナルペプチドおよび細胞外領域を増幅するように、5´末端側に制限酵素NheIおよびNsiI認識部位を付加したプライマー(boLAG-3-Ig FおよびR)を設計した。合成したウシPBMC由来cDNAを鋳型にPCRを行い、PCR産物をNheI (Takara社) およびNsiI(Takara社)によって処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit(NIPPON Genetics社)を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行ったpCXN2.1-Rabbit IgG1 Fc vector(Niwa H, Yamamura K, Miyazaki J. Gene, 108(2):193-199; Dec. 15, 1991; 順天堂大学大学院医学研究科 横溝 岳彦 教授より分与されたものを改変)に導入し、クローニングを行った。発現プラスミドはFastGene Xpress Plasmid PLUS Kit(NIPPON Genetics社)によって精製し、実験に供するまで-30°Cにて保存した。以降、作製した発現プラスミドをpCXN2.1-boLAG-3-Igと表記する。
プライマー(boLAG-3-Ig F):CTAGCTAGCCGCCCACCATGCTGTGGGAGGCTTGGTT(配列番号63)
プライマー(boLAG-3-Ig R): TGCATGCATCAGAACAGCTAGGTTGTACG(配列番号64)
【0066】
以下の手順に従い、可溶性ウシLAG-3-Ig発現細胞を作製した。7.5×107 個のExpi293F 細胞(Life Technologies 社)に30 μg のpCXN2.1-boLAG-3-IgをExpifectamine(Life Technologies社)を用いて導入し、7 日間振盪培養を行って培養上清を回収した。培養上清からAb-Capcher Extra(ProteNova 社)を用いて組換えタンパク質を精製した。精製後、PD MiniTrap G-25(GE Healthcare 社)によりバッファーをPBS(pH 7.4)に置換し、実験に供するまで-30°Cにて保存した(ウシLAG-3-Ig)。精製後のウシLAG-3-Ig の濃度はRabbit IgG ELISA Quantitation Set(Bethyl 社)を用いて測定した。ELISA の各洗浄操作にはAuto Plate Washer BIO WASHER 50(DS Pharma Biomedical社)を使用し、吸光度の測定にはMicroplate Reader MTP-650FA(コロナ電気社)を使用した。
【0067】
2.3.ラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体産生細胞の作製
ウシLAG-3の細胞外領域の一部(アミノ酸番号71~99番; アミノ酸配列: GSAAPTPRGPGPRRYTVLRLAPGGLRIGK(配列番号72))にシステイン残基をNH2末端に付加したペプチド鎖を合成し、キャリアタンパク質であるスカシガイヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanin)と結合させた。このペプチド鎖とTiterMax Gold Adjuvant(Sigma-Aldrich社)のエマルジョンを作製し、ラットの足蹠に免疫した。その後、腸骨リンパ節法を用いてハイブリドーマを樹立し、ラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ 2D8株を得た。ラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体の樹立法については、以下の非特許文献にその詳細が記載されている(Okagawa T, Konnai S, Nishimori A, Ikebuchi R, Mizorogi S, Nagata R, Kawaji S, Tanaka S, Kagawa Y, Murata S, Mori Y, Ohashi K. Infect. Immun., 84(1):77-89; Oct. 19, 2015.)。
【0068】
2.4. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体発現ベクターの作製
ラット抗ウシLAG-3抗体2D8を抗体可変領域としてウシIgG1およびウシIgλの抗体定常領域を融合させた、ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8)を樹立した。
まず、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8を産生するハイブリドーマより可変領域(重鎖および軽鎖)の遺伝子をRACE法により同定した。次に、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8の重鎖および軽鎖可変領域配列を既知のウシIgG1(重鎖; GenBank Accession number X62916を改変)およびウシIgλ(軽鎖; GenBank Accession number X62917)の定常領域と結合させた遺伝子配列を作成し、コドン最適化を行った(配列番号9および10(アミノ酸配列)、配列番号14および15(コドン最適化後ヌクレオチド配列))。なお、ウシIgG1にはADCC活性を抑制するために、CH2ドメインのFcγ受容体予想結合部位に変異を加えた(
図1参照。アミノ酸番号及び変異: 247 E→P, 248 L→V, 249 P→A, 250 G→deletion, 344 A→S, 345 P→S; Ikebuchi R, Konnai S, Okagawa T, Yokoyama K, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. Immunology, 142(4):551-561; Aug. 2014.)。そして、NotI制限酵素認識配列、KOZAK配列、キメラ抗体軽鎖配列、ポリA付加シグナル配列(PABGH)、プロモーター配列(PCMV)、SacI制限酵素認識配列、イントロン配列(INRBG)、KOZAK配列、キメラ抗体重鎖配列、XbaI制限酵素認識配列を上記の順で配置するように遺伝子を人工的に合成した。合成した遺伝子鎖をNotI(Takara社)およびXbaI(Takara社)によって処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit(NIPPON Genetics 社)を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行った発現プラスミドpDC6(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター鈴木定彦教授より分与)のクローニングサイト(PCMV下流、INRBGとPABGHの間にあるNotIおよびXbaI制限酵素認識配列)へ導入し、クローニングを行った(
図2)。得られた目的の発現プラスミドはQIAGEN Plasmid Midi kit(Qiagen 社)用いて抽出し、実験に供するまで-30°Cで保存した。以降、作製した発現プラスミドをpDC6-boLAG-3ch2D8と表記する。
【0069】
2.5. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の発現
作製したpDC6-boLAG-3ch2D8をLipofectamine LTX(Life technologies 社)を用いて、ジヒドロ葉酸還元酵素欠損(dfhr-/-)細胞であるCHO-DG44 細胞へ導入した。48 時間後、2mM GlutaMAX supplement(Life technologies 社)を含むCD OptiCHO培地(Life technologies 社)へ培地交換し、3週間培養して発現細胞のセレクションおよび限界希釈法によるクローニングを行った。次に、抗ウシIgG F(c) ウサギポリクローナル抗体(Rockland社)を用いたドットブロット法およびELISA法により培養上清に含まれるキメラ抗体の濃度を測定し、高発現クローンを選抜した。以上のようにして樹立したラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体安定発現細胞を、CD OptiCHO培地へ移し、14 日間の振盪培養を行った(125 rpm, 37℃, 5% CO2)。抗ウシIgG F(c) ウサギポリクローナル抗体(Rockland社)を用いたELISA法を用いて、培養上清中のキメラ抗体産生量を定量した。なお、ELISA の各洗浄操作にはAuto Plate Washer BIO WASHER 50(DS Pharma Biomedical 社)を使用し、吸光度の測定にはMicroplate Reader MTP-650FA(コロナ電気社)を使用した。14 日目の培養上清を10,000 g で10 分間遠心して細胞を除いた後、遠心上清をSteritop-GP 0.22 μmフィルター(Millipore社)に通して滅菌し、精製に供するまで4°Cにて保存した。
【0070】
2.6. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の精製
上記の方法により準備した培養上清から、Ab Capcher Extra(ProteNova社)を用いて各キメラ抗体を精製した。レジンへの結合はオープンカラム法を用い、平衡化バッファーおよび洗浄バッファーとして1.5 M Glycine/3 M NaCl(pH 8.0)を使用した。溶出バッファーには0.1 M Glycine-HCl(pH 2.8)を、中和バッファーには1M Tris(pH 9.0)を使用した。精製した抗体は、PD-10 Desalting Column(GE Healthcare 社)およびAmicon Ultra-15(50 kDa、Millipore社)を用いて、PBS(pH 7.4)へのバッファー置換および濃縮を行った。精製したキメラ抗体は、0.22 μm シリンジフィルター(Pall Life Sciences 社)を通して滅菌し、実験に供するまで4°Cにて保存した。
【0071】
2.7. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の精製純度の確認(
図3)
精製したラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の純度を確かめるため、SDS-PAGE およびCBB 染色により抗体タンパク質の検出を行った。精製したラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8をLaemmli Sample Buffer(Bio-Rad社)に懸濁し、還元条件下(2-メルカプトエタノール(Sigma-Aldrich社)により還元)または非還元条件下にて変性処理(95°C、5分)を行った。調製したサンプルは10% ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動した。この際、分子量マーカーとしてPrecision Plus Protein All Blue Standards(Bio-Rad社)を用いた。 泳動後、Quick-CBB(和光純薬工業社)によりゲルの染色を行い、続いて蒸留水中で脱色を行った。
【0072】
結果を
図3に示す。還元条件では25kDa(軽鎖)および50kDa(重鎖)、非還元条件では150~250kDaの想定した位置にラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体のバンドが確認された。
【0073】
2.8. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体の結合特異性(
図4)
ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体がウシLAG-3 発現細胞(前述)に特異的に結合することをフローサイトメトリー法により確認した。まず、ウシLAG-3発現細胞に対してラット抗ウシLAG-3抗体2D8またはラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3 抗体ch2D8を室温で30分間反応させた。洗浄後、Allophycocyanine(APC)標識抗ラットIgヤギ抗体(SouthernBiotech社)またはAlexa Fluor 647標識抗ウシIgG(H+L)ヤギF(ab')
2(Jackson ImmunoResearch社)を室温で30分間反応させた。陰性対照抗体として、ラットIgG1(κ) アイソタイプコントロール(BD Biosciences社)またはウシIgG1抗体(Bethyl社)を使用した。洗浄後、細胞表面に結合した各ラット抗体またはラット-ウシキメラ抗体をFACS Verse(BD Biosciences社)により検出した。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、1% ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich社)を加えたPBSを使用した。
【0074】
実験結果を
図4に示す。ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8と同様にウシLAG-3発現細胞に結合することが示された。
【0075】
2.9. ラット-ウシキメラ抗LAG-3抗体のウシLAG-3/MHC class II 結合阻害活性(
図5)
BL3.1細胞株(ウシB細胞性リンパ腫由来細胞株; MHC class IIを強発現する)およびウシLAG-3-Ig(前述)を用いて、抗LAG-3 抗体によるウシLAG-3/MHC class II結合阻害試験を行った。まず、96穴プレートに終濃度(0, 1.56, 3.12, 6.25, 12.5, 25,μg/ml)のラット抗ウシLAG-3抗体2D8 またはラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3 抗体ch2D8と、終濃度3.3 μg/mlのウシLAG-3-Igを混合し、37℃で30分間反応させた。次に、1×10
5個のBL3.1細胞株を10% 非働化ヤギ血清(Life Technologies社)を加えたPBSを用いて室温で15分間ブロッキングした後、上述の混合液と37℃で30分間反応させた。陰性対照抗体として、ラットIgG1(κ) アイソタイプコントロール(BD Biosciences社)またはウシIgG1抗体(Bethyl社)を使用した。洗浄後、事前にラット血清由来IgG(Sigma-Aldrich社)およびウシ血清由来IgG(Sigma-Aldrich社)で吸収処理(37°C、30分間)を施したAlexa Fluor 647 標識抗ウサギIgG (H+L) ヤギF(ab')
2(Life Technologies社)を室温で30分間反応させ、細胞表面に結合したウシLAG-3-Ig を検出した。解析にはFACS Verse(BD Biosciences社)を用いた。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、1% ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich社)を加えたPBSを使用した。抗体非添加時のウシLAG-3-Ig結合細胞の割合を100%とし、各抗体濃度におけるウシLAG-3-Ig結合細胞の割合を相対値として表した。
【0076】
実験結果を
図5に示す。ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3キメラ抗体ch2D8は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8と同程度、LAG-3発現細胞に対するLAG-3-Igの結合を阻害した。
【0077】
2.10. ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3 抗体を用いた生物活性試験(
図6)
ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体によるウシLAG-3/MHC class II 結合阻害がリンパ球を活性化することを確かめるため、IFN-γ産生量を指標として生物活性試験を行った。ウシの末梢血から分離したPBMCを2×10
6個/mlとなるように10% 非働化ウシ胎仔血清(Cell Culture Technologies社)、ペニシリン200 U/ml、ストレプトマイシン200 μg/ml、0.01% L-グルタミン(Life Technologies社)を含むRPMI 1640培地(Sigma-Aldrich社)に懸濁した。PBMCに10 μg/mlのラット抗ウシLAG-3抗体2D8 またはラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8を添加し、37℃, 5% CO
2条件下で2日間培養した。コントロール抗体として、ラット血清由来IgG(Sigma-Aldrich社)およびウシ血清由来IgG(Sigma-Aldrich社)を用いた。2日後、培養上清を回収し、Bovine IFN-γ ELISA Kit(BETYL社)を用いてIFN-γ産生量を定量した。ELISA の各洗浄操作にはAuto Plate Washer BIO WASHER 50(DS Pharma Biomedical社)を使用し、吸光度の測定にはMicroplate Reader MTP-650FA(コロナ電気社)を使用した。
【0078】
実験結果を
図6に示す。ラット-ウシキメラ抗ウシLAG-3抗体ch2D8は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8と同様にウシPBMCのIFN-γ応答を上昇させた。
【0079】
2.11. ラット抗ウシLAG-3抗体のCDR解析
NCBI IGBLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)を用いて、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8の相補性決定領域(CDR)を決定した。結果を
図1に示す。
【0080】
〔実施例2〕抗LAG-3抗体の他の動物種への応用
1. 材料、方法、および実験結果
1.1. ヒツジおよびスイギュウLAG-3遺伝子の同定
スイギュウ(Bubalus bubalis; アジアスイギュウ)およびヒツジのLAG-3 cDNA コーディング領域(CDS)全長を決定するために、まずウシおよびヒツジLAG-3遺伝子の塩基配列(GenBank accession number AB608099およびXM_012129455)を基に遺伝子のCDS全長を増幅するプライマー(buLAG-3 CDS FおよびR、ovLAG-3 CDS FおよびR)を設計し、合成したスイギュウまたはヒツジPBMC 由来cDNA を鋳型としてPCR法を行った。得られた増幅産物について、常法に従いキャピラリーシーケンサーにより塩基配列を決定した。
プライマー(buLAG-3 CDS F):ATGCTGTGGGAGGCTTGGTTC(配列番号65)
プライマー(buLAG-3 CDS R):TCAGGGATGCTCTGGCTGCA(配列番号66)
プライマー(ovLAG-3 CDS F):ATGCTGTGGGAGGCTCAGTTCCAGG(配列番号67)
プライマー(ovLAG-3 CDS R):TCAGGGTTGCTCCGGCTGCA(配列番号68)
【0081】
1.2. スイギュウLAG-3発現COS-7細胞の構築
スイギュウLAG-3発現プラスミドを作製するため、合成したスイギュウPBMC由来cDNAを鋳型に、5´末端側に制限酵素SacIおよびEcoRI認識部位を付加して設計したプライマー(buLAG-3-EGFP FおよびR)を用いてPCRを行った。得られたPCR産物をSacIおよびEcoRI(Takara社)により処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit(NIPPON Genetics社)を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行ったpEGFP-N2 vector(Clontech社)に導入し、クローニングを行った。発現プラスミドはFastGene Xpress Plasmid PLUS Kit(NIPPON Genetics社)を用いて抽出し、実験に供するまで-30°Cで保存した。以降、作製した発現プラスミドをpEGFP-N2-buLAG-3と表記した。
プライマー(buLAG-3-EGFP F): ATTGAGCTCATGCTGTGGGAGGCTTGGTT(配列番号69)
プライマー(buLAG-3-EGFP R): AATGAATTCGGGATGCTCTGGCTGCAGC(配列番号70)
5×104/cm2のCOS-7細胞を6穴プレートに継代し、10% 非働化牛胎仔血清(Invitrogen社)、0.01% L-グルタミン(Life Technologies社)を含むRPMI 1640培地にて37°C、5% CO2存在下で一晩培養した。pEGFP-N2-buLAG-3あるいは陰性対照としてpEGFP-N2 0.4 μg/cm2をLipofectamine 2000(Invitrogen社)を用いて、COS-7細胞に導入し48時間培養した(buLAG-3-EGFP発現細胞)。作製した発現細胞におけるスイギュウLAG-3の発現を確かめるために、オールインワン蛍光顕微鏡 BZ-9000(KEYENCE社)により、EGFPの細胞内局在を可視化した。
【0082】
1.3. スイギュウLAG-3に対するラット抗ウシLAG-3抗体2D8の反応性(
図7)
スイギュウLAG-3にラット抗ウシLAG-3モノクローナル抗体が交差反応することをフローサイトメトリー法により確認した。スイギュウLAG-3-EGFP発現COS-7細胞を10% 非働化ヤギ血清(Invitrogen社)加PBSを用いて室温で15分間ブロッキングし、10 μg/mlのラット抗ウシLAG-3抗体2D8を室温で30分間反応させ、洗浄した後にAPC標識抗ラットIgヤギ抗体(Beckman Coulter社)を室温で30分間反応させた。陰性対照抗体として、ラットIgG1(κ) アイソタイプコントロール(BD Biosciences社)を使用した。解析にはFACS Verse(BD Biosciences社)を用いた。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、1% ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich社)加PBSを使用した。
【0083】
実験結果を
図7で示す。ラット抗ウシLAG-3抗体2D8は、スイギュウLAG-3発現細胞に結合することが確認された。
【0084】
1.4. ヒツジのリンパ球に対するラット抗ウシLAG-3抗体2D8の反応性(
図10)
ヒツジの末梢血から、Percoll(GE Healthcare社)を用いた密度勾配遠心法により末梢血単核球(PBMC)を分離した。分離したヒツジPBMCを10% 非働化ウシ胎仔血清(Invitrogen社)、ペニシリン200 U/ml、ストレプトマイシン200 μg/ml、0.01% L-グルタミン(Life Technologies社)を含むRPMI 1640培地(Sigma-Aldrich社)に懸濁し、2×10
6個/mlに調整した。このPBMCにphorbol 12-myristate acetate(PMA) 20 ng/mlおよびionomycin 1μg/ml(Sigma-Aldrich社)を添加し、37℃、 5% CO
2条件下で一晩培養した。培養したPBMCを回収し、10% 非働化ヤギ血清(Invitrogen社)加PBSを用いて室温で15分間ブロッキングし、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8を37℃で30分間反応させた。陰性対照抗体として、ラット血清由来IgG(Sigma-Aldrich社)を使用した。洗浄後、APC標識ヤギ抗ラットIg抗体(Beckman Coulter社)を用いて標識した(室温、30分間)。次に、マウス抗ヒツジCD8抗体(38.65、AbD Serotec社)を室温で30分間反応させ、洗浄した後にPerCP/Cy5.5標識ヤギ抗マウスIgG2a抗体(Santa Cruz社)を用いて標識した(室温、30分間)。さらに洗浄後、Alexa Flour 488標識抗ヒツジCD21マウス抗体(GB25A、VMRD社)を室温で30分間反応させた。GB25Aの標識にはZenon Labeling Kit(Life Technologies社)を用いた。解析にはFACS Verse(BD Biosciences社)を用いた。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、1% ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich社)加PBSを使用した。
【0085】
実験結果を
図8で示す。ラット抗ウシLAG-3抗体2D8は、PMA/ionomycin刺激により活性化させたヒツジのCD8
+ T細胞(CD21
-CD8
+ 細胞)およびCD8
- T細胞(CD21
-CD8
- 細胞;すなわちCD4
+ T細胞およびγδT細胞を含む細胞集団)に強く結合した。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の抗LAG-3抗体は、動物のがんや感染症の予防及び/又は治療に利用できる。
【配列表フリーテキスト】
【0087】
<配列番号1>
配列番号1は、ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。下線部:NH2末端から順にCDR1, CDR2, CDR3。
MMSPVQSLFLLLLWILGTNGDVVLTQTPPTLSATIGQSVSISCRSSQSLLDSDGNTYLNWLLQRPGQSPQLLIYSVSNLESGVPNRFSGSGSETDFTLKISGVEAEDLGVYYCMQATHVPFTFGSGTKLEIK
<配列番号2>
配列番号2は、ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。下線部:NH2末端から順にCDR1, CDR2, CDR3。
MVLLELVSVIALFQGVHCEVQLVESGGGLVQPKGSLRLSCAASGFDFDTYPMSWVRQAPGKGLDWVASITIKTHNYATLYAASVKERFTISRDDSQSMVYLQMNNLKTEDTALYYCNREDFDYWGQGVMVTVSS
<配列番号3>
配列番号3は、ウシ抗体のL鎖定常領域(ウシIg lambda, GenBank: X62917)のアミノ酸配列を示す。
QPKSPPSVTLFPPSTEELNGNKATLVCLISDFYPGSVTVVWKADGSTITRNVETTRASKQSNSKYAASSYLSLTSSDWKSKGSYSCEVTHEGSTVTKTVKPSECS
<配列番号4>
配列番号4は、ウシ抗体のH鎖定常領域(ウシIgG1, GenBank: X62916を改変)のアミノ酸配列を示す。変異箇所に下線を引いた。アミノ酸番号および変異:119 E→P, 120 L→V, 121 P→A, 122 G→deletion, 216 A→S, 217 P→S
ASTTAPKVYPLSSCCGDKSSSTVTLGCLVSSYMPEPVTVTWNSGALKSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSMVTVPGSTSGQTFTCNVAHPASSTKVDKAVDPTCKPSPCDCCPPPPVAGPSVFIFPPKPKDTLTISGTPEVTCVVVDVGHDDPEVKFSWFVDDVEVNTATTKPREEQFNSTYRVVSALRIQHQDWTGGKEFKCKVHNEGLPSSIVRTISRTKGPAREPQVYVLAPPQEELSKSTVSLTCMVTSFYPDYIAVEWQRNGQPESEDKYGTTPPQLDADSSYFLYSKLRVDRNSWQEGDTYTCVVMHEALHNHYTQKSTSKSAGK
<配列番号5>
配列番号5は、ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域のヌクレオチド配列を示す。
ATGATGAGTCCTGTCCAATCCCTGTTTTTGTTATTGCTTTGGATTCTGGGAACCAATGGTGATGTTGTGCTGACCCAGACTCCACCCACTTTATCGGCTACCATTGGACAATCGGTCTCCATCTCTTGCAGGTCAAGTCAGAGTCTCTTAGATAGTGATGGAAATACCTATTTAAATTGGTTGCTACAGAGGCCAGGCCAATCTCCACAGCTTCTAATTTATTCGGTATCCAACCTGGAATCTGGGGTCCCCAACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCAGAAACAGATTTCACACTCAAAATCAGTGGAGTGGAGGCTGAAGATTTGGGAGTTTATTACTGCATGCAAGCTACCCATGTTCCATTCACGTTCGGCTCAGGGACGAAGTTGGAAATAAAA
配列番号5のヌクレオチド配列のコドン最適化後ヌクレオチド配列を<配列番号11>に示す。
ATGATGTCTCCCGTCCAAAGCTTGTTCCTGCTTCTCCTCTGGATTCTGGGCACAAACGGAGATGTGGTTCTCACCCAGACCCCCCCTACTCTGTCTGCCACCATCGGCCAGAGCGTGTCCATATCCTGTCGCAGCTCCCAAAGCCTGCTGGACTCCGATGGGAATACTTACCTGAATTGGCTGTTGCAGCGGCCTGGCCAGTCCCCCCAGCTGTTGATCTACAGCGTTAGCAATCTGGAAAGCGGGGTCCCCAACCGATTCTCCGGAAGCGGCTCCGAGACCGATTTTACCCTCAAGATCTCCGGCGTGGAAGCCGAGGACCTGGGAGTGTATTATTGCATGCAGGCCACCCATGTGCCCTTCACCTTCGGTAGCGGTACCAAGTTGGAGATCAAG
<配列番号6>
配列番号6は、ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域のヌクレオチド配列を示す。
ATGGTTCTCCTGGAGTTGGTTTCCGTGATTGCTCTTTTTCAAGGCGTGCATTGTGAGGTGCAGCTTGTTGAGTCTGGTGGAGGGCTGGTGCAGCCTAAGGGGTCATTGAGACTCTCATGTGCAGCCTCTGGATTTGACTTCGATACTTATCCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGAAAGGGTCTGGATTGGGTTGCTAGTATAACCATTAAGACTCATAATTATGCAACACTTTATGCTGCTTCAGTGAAAGAGAGATTCACCATCTCCAGAGATGACTCACAAAGCATGGTTTACTTGCAAATGAACAACTTGAAAACTGAGGACACAGCCTTGTATTACTGTAACAGGGAGGACTTTGATTACTGGGGCCAAGGAGTCATGGTCACAGTCTCCTCA
配列番号6のヌクレオチド配列のコドン最適化後ヌクレオチド配列を<配列番号12>に示す。
ATGGTGCTTCTCGAGCTGGTCAGCGTGATTGCTCTGTTTCAGGGCGTGCACTGCGAAGTGCAGCTGGTGGAGAGTGGTGGTGGGCTCGTGCAACCAAAAGGCAGTCTCAGGCTGAGTTGTGCCGCCTCCGGATTCGATTTCGACACCTACCCAATGAGCTGGGTCAGGCAAGCCCCAGGGAAAGGACTCGATTGGGTGGCAAGCATTACCATCAAGACACACAATTATGCTACCCTGTATGCCGCAAGCGTAAAGGAACGCTTTACCATCTCCCGCGATGATAGCCAGTCCATGGTATATTTGCAAATGAATAATTTGAAGACAGAAGATACCGCTTTGTATTATTGCAACAGAGAAGATTTTGATTATTGGGGGCAGGGGGTGATGGTAACCGTGTCCAGC
<配列番号7>
配列番号7は、ウシ抗体のL鎖定常領域(ウシIg lambda, GenBank: X62917)のヌクレオチド配列を示す。
CAGCCCAAGTCCCCACCCTCGGTCACCCTGTTCCCGCCCTCCACGGAGGAGCTCAACGGCAACAAGGCCACCCTGGTGTGTCTCATCAGCGACTTCTACCCGGGTAGCGTGACCGTGGTCTGGAAGGCAGACGGCAGCACCATCACCCGCAACGTGGAGACCACCCGGGCCTCCAAACAGAGCAACAGCAAGTACGCGGCCAGCAGCTACCTGAGCCTGACGAGCAGCGACTGGAAATCGAAAGGCAGTTACAGCTGCGAGGTCACGCACGAGGGGAGCACCGTGACGAAGACAGTGAAGCCCTCAGAGTGTTCTTAG
配列番号7のヌクレオチド配列のコドン最適化後ヌクレオチド配列を<配列番号13>に示す。
CAGCCTAAGTCCCCTCCTTCAGTCACCCTGTTTCCACCATCTACCGAAGAACTCAACGGGAATAAAGCAACACTGGTGTGCCTTATTTCTGATTTTTACCCAGGGTCTGTGACAGTGGTTTGGAAAGCTGACGGTTCAACAATTACAAGAAACGTGGAGACAACAAGGGCTTCTAAGCAGTCAAACTCTAAGTATGCTGCAAGTTCTTACCTTTCTCTTACAAGTAGTGACTGGAAAAGTAAGGGCAGTTATTCATGCGAGGTCACTCACGAGGGAAGTACTGTAACTAAAACTGTAAAACCATCAGAGTGTTCATAG
<配列番号8>
配列番号8は、ウシ抗体のH鎖定常領域(ウシIgG1, GenBank: X62916を改変)のヌクレオチド配列(コドン最適化後)を示す。
GCTAGCACCACAGCACCTAAAGTTTACCCTCTGTCTTCCTGCTGCGGCGACAAGTCTTCATCAACTGTTACTCTTGGATGCCTGGTCTCAAGTTACATGCCCGAGCCCGTGACAGTGACCTGGAACTCAGGCGCTCTGAAGTCTGGAGTGCACACATTTCCAGCTGTGCTTCAGTCTAGCGGCCTGTATTCCCTCAGCTCTATGGTTACTGTACCTGGTAGCACCAGCGGACAGACTTTCACCTGTAATGTTGCCCATCCCGCATCTTCTACCAAGGTCGATAAAGCCGTTGACCCCACTTGCAAACCATCCCCTTGTGATTGTTGTCCACCCCCTCCAGTGGCTGGCCCTTCCGTCTTCATTTTCCCTCCTAAACCTAAGGATACTCTGACCATCTCAGGGACACCCGAGGTCACCTGTGTCGTCGTGGACGTGGGACATGACGACCCAGAAGTCAAGTTCTCATGGTTCGTGGACGATGTGGAGGTGAACACAGCAACAACAAAGCCCAGAGAAGAACAGTTTAACAGCACATATCGGGTGGTCAGCGCCTTGCGTATTCAGCACCAGGACTGGACTGGTGGCAAGGAGTTTAAGTGCAAGGTGCATAACGAAGGTCTGCCCTCTTCTATAGTGAGAACTATCTCCCGAACTAAGGGCCCCGCTCGGGAGCCCCAGGTTTACGTCCTTGCTCCCCCTCAGGAGGAACTGAGTAAATCAACCGTGAGTCTCACCTGTATGGTTACCTCATTTTACCCAGACTACATCGCCGTAGAGTGGCAGAGGAATGGACAGCCAGAGTCTGAGGACAAATACGGCACTACTCCTCCCCAACTGGATGCCGACTCTTCCTACTTCCTCTACTCCAAATTGCGAGTTGACCGGAACTCATGGCAGGAGGGGGACACATACACATGCGTCGTTATGCACGAGGCCCTGCACAACCATTACACCCAGAAGTCCACATCTAAAAGTGCAGGTAAGTAA
<配列番号9>
配列番号9は、ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域とウシ抗体のL鎖定常領域とからなるキメラL鎖のアミノ酸配列を示す。
MMSPVQSLFLLLLWILGTNGDVVLTQTPPTLSATIGQSVSISCRSSQSLLDSDGNTYLNWLLQRPGQSPQLLIYSVSNLESGVPNRFSGSGSETDFTLKISGVEAEDLGVYYCMQATHVPFTFGSGTKLEIKQPKSPPSVTLFPPSTEELNGNKATLVCLISDFYPGSVTVVWKADGSTITRNVETTRASKQSNSKYAASSYLSLTSSDWKSKGSYSCEVTHEGSTVTKTVKPSECS
<配列番号10>
配列番号10は、ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域(ウシIgG1, GenBank: X62916を改変)とからなるキメラH鎖のアミノ酸配列を示す。
MVLLELVSVIALFQGVHCEVQLVESGGGLVQPKGSLRLSCAASGFDFDTYPMSWVRQAPGKGLDWVASITIKTHNYATLYAASVKERFTISRDDSQSMVYLQMNNLKTEDTALYYCNREDFDYWGQGVMVTVSSASTTAPKVYPLSSCCGDKSSSTVTLGCLVSSYMPEPVTVTWNSGALKSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSMVTVPGSTSGQTFTCNVAHPASSTKVDKAVDPTCKPSPCDCCPPPPVAGPSVFIFPPKPKDTLTISGTPEVTCVVVDVGHDDPEVKFSWFVDDVEVNTATTKPREEQFNSTYRVVSALRIQHQDWTGGKEFKCKVHNEGLPSSIVRTISRTKGPAREPQVYVLAPPQEELSKSTVSLTCMVTSFYPDYIAVEWQRNGQPESEDKYGTTPPQLDADSSYFLYSKLRVDRNSWQEGDTYTCVVMHEALHNHYTQKSTSKSAGK
<配列番号14>
ラット抗ウシLAG-3抗体のL鎖可変領域とウシ抗体のL鎖定常領域とからなるキメラL鎖のヌクレオチド配列(コドン最適化後ヌクレオチド配列)を示す。
ATGATGTCTCCCGTCCAAAGCTTGTTCCTGCTTCTCCTCTGGATTCTGGGCACAAACGGAGATGTGGTTCTCACCCAGACCCCCCCTACTCTGTCTGCCACCATCGGCCAGAGCGTGTCCATATCCTGTCGCAGCTCCCAAAGCCTGCTGGACTCCGATGGGAATACTTACCTGAATTGGCTGTTGCAGCGGCCTGGCCAGTCCCCCCAGCTGTTGATCTACAGCGTTAGCAATCTGGAAAGCGGGGTCCCCAACCGATTCTCCGGAAGCGGCTCCGAGACCGATTTTACCCTCAAGATCTCCGGCGTGGAAGCCGAGGACCTGGGAGTGTATTATTGCATGCAGGCCACCCATGTGCCCTTCACCTTCGGTAGCGGTACCAAGTTGGAGATCAAGCAGCCTAAGTCCCCTCCTTCAGTCACCCTGTTTCCACCATCTACCGAAGAACTCAACGGGAATAAAGCAACACTGGTGTGCCTTATTTCTGATTTTTACCCAGGGTCTGTGACAGTGGTTTGGAAAGCTGACGGTTCAACAATTACAAGAAACGTGGAGACAACAAGGGCTTCTAAGCAGTCAAACTCTAAGTATGCTGCAAGTTCTTACCTTTCTCTTACAAGTAGTGACTGGAAAAGTAAGGGCAGTTATTCATGCGAGGTCACTCACGAGGGAAGTACTGTAACTAAAACTGTAAAACCATCAGAGTGTTCATAG
<配列番号15>
ラット抗ウシLAG-3抗体のH鎖可変領域とウシ抗体のH鎖定常領域(ウシIgG1, GenBank: X62916を改変)とからなるキメラH鎖のヌクレオチド配列(コドン最適化後ヌクレオチド配列)を示す。
ATGGTGCTTCTCGAGCTGGTCAGCGTGATTGCTCTGTTTCAGGGCGTGCACTGCGAAGTGCAGCTGGTGGAGAGTGGTGGTGGGCTCGTGCAACCAAAAGGCAGTCTCAGGCTGAGTTGTGCCGCCTCCGGATTCGATTTCGACACCTACCCAATGAGCTGGGTCAGGCAAGCCCCAGGGAAAGGACTCGATTGGGTGGCAAGCATTACCATCAAGACACACAATTATGCTACCCTGTATGCCGCAAGCGTAAAGGAACGCTTTACCATCTCCCGCGATGATAGCCAGTCCATGGTATATTTGCAAATGAATAATTTGAAGACAGAAGATACCGCTTTGTATTATTGCAACAGAGAAGATTTTGATTATTGGGGGCAGGGGGTGATGGTAACCGTGTCCAGCGCTAGCACCACAGCACCTAAAGTTTACCCTCTGTCTTCCTGCTGCGGCGACAAGTCTTCATCAACTGTTACTCTTGGATGCCTGGTCTCAAGTTACATGCCCGAGCCCGTGACAGTGACCTGGAACTCAGGCGCTCTGAAGTCTGGAGTGCACACATTTCCAGCTGTGCTTCAGTCTAGCGGCCTGTATTCCCTCAGCTCTATGGTTACTGTACCTGGTAGCACCAGCGGACAGACTTTCACCTGTAATGTTGCCCATCCCGCATCTTCTACCAAGGTCGATAAAGCCGTTGACCCCACTTGCAAACCATCCCCTTGTGATTGTTGTCCACCCCCTCCAGTGGCTGGCCCTTCCGTCTTCATTTTCCCTCCTAAACCTAAGGATACTCTGACCATCTCAGGGACACCCGAGGTCACCTGTGTCGTCGTGGACGTGGGACATGACGACCCAGAAGTCAAGTTCTCATGGTTCGTGGACGATGTGGAGGTGAACACAGCAACAACAAAGCCCAGAGAAGAACAGTTTAACAGCACATATCGGGTGGTCAGCGCCTTGCGTATTCAGCACCAGGACTGGACTGGTGGCAAGGAGTTTAAGTGCAAGGTGCATAACGAAGGTCTGCCCTCTTCTATAGTGAGAACTATCTCCCGAACTAAGGGCCCCGCTCGGGAGCCCCAGGTTTACGTCCTTGCTCCCCCTCAGGAGGAACTGAGTAAATCAACCGTGAGTCTCACCTGTATGGTTACCTCATTTTACCCAGACTACATCGCCGTAGAGTGGCAGAGGAATGGACAGCCAGAGTCTGAGGACAAATACGGCACTACTCCTCCCCAACTGGATGCCGACTCTTCCTACTTCCTCTACTCCAAATTGCGAGTTGACCGGAACTCATGGCAGGAGGGGGACACATACACATGCGTCGTTATGCACGAGGCCCTGCACAACCATTACACCCAGAAGTCCACATCTAAAAGTGCAGGTAAGTAA
<配列番号16>
配列番号16は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のL鎖可変領域のCDR1のアミノ酸配列(QSLLDSDGNTY)を示す。
<配列番号17>
配列番号17は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のL鎖可変領域のCDR3のアミノ酸配列(MQATHVPFT)を示す。
<配列番号18>
配列番号18は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のH鎖可変領域のCDR1のアミノ酸配列(GFDFDTYP)を示す。
<配列番号19>
配列番号19は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のH鎖可変領域のCDR2のアミノ酸配列(ITIKTHNYAT)を示す。
<配列番号20>
配列番号20は、ラット抗ウシLAG-3抗体2D8のH鎖可変領域のCDR3のアミノ酸配列(NREDFDY)を示す。
<配列番号21>
配列番号21は、ウシ抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号22>
配列番号22は、ウシ抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号23>
配列番号23は、ウシ抗体(IgG1 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号24>
配列番号24は、ウシ抗体(IgG2 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号25>
配列番号25は、ウシ抗体(IgG2 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号26>
配列番号26は、ウシ抗体(IgG2 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号27>
配列番号27は、ウシ抗体(IgG3 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号28>
配列番号28は、ウシ抗体(IgG3 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号29>
配列番号29は、ウシ抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号30>
配列番号30は、ウシ抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号31>
配列番号31は、ウシ抗体(IgG1 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号32>
配列番号32は、ウシ抗体(IgG2 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号33>
配列番号33は、ウシ抗体(IgG2 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号34>
配列番号34は、ウシ抗体(IgG2 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号35>
配列番号35は、ウシ抗体(IgG3 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号36>
配列番号36は、ウシ抗体(IgG3 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号37>
配列番号37は、ヒツジ抗体(IgG1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号38>
配列番号38は、ヒツジ抗体(IgG1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号39>
配列番号39は、ヒツジ抗体(IgG2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号40>
配列番号40は、ヒツジ抗体(IgG2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号41>
配列番号41は、ヒツジ抗体のL鎖(Ig kappa(CK))定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号42>
配列番号42は、ヒツジ抗体のL鎖(Ig kappa(CK))定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号43>
配列番号47は、ヒツジ抗体のL鎖(Ig lambda(CL))定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号44>
配列番号44は、ヒツジ抗体のL鎖(Ig lambda(CL))定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号45>
配列番号45は、スイギュウ抗体(IgG1と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号46>
配列番号46は、スイギュウ抗体(IgG1と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号47>
配列番号47は、スイギュウ抗体(IgG2と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号48>
配列番号48は、スイギュウ抗体(IgG2と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号49>
配列番号49は、スイギュウ抗体(IgG3と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号50>
配列番号50は、スイギュウ抗体(IgG3と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号51>
配列番号51は、スイギュウ抗体のL鎖(Ig lambdaと推定される)定常領域(CL)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号52>
配列番号52は、スイギュウ抗体のL鎖(Ig lambdaと推定される)定常領域(CL)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号53>
配列番号53は、ヒト抗体(IgG4 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号54>
配列番号54は、ヒト抗体(IgG4 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号55>
配列番号55は、ヒト抗体(IgG4 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号56>
配列番号56は、ヒト抗体(IgG4 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号57>
配列番号57は、ヒト抗体(IgG4 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号58>
配列番号58は、ヒト抗体(IgG4 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号59>
配列番号59は、ヒト抗体のL鎖定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号60>
配列番号60は、ヒト抗体のL鎖定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号61~70>
配列番号61~70は、順に、プライマーboLAG-3-EGFP F, boLAG-3-EGFP R, boLAG-3-Ig F, boLAG-3-Ig R, buLAG-3 CDS F, buLAG-3 CDS R, ovLAG-3 CDS F, ovLAG-3 CDS R, buLAG-3-EGFP F, buLAG-3-EGFP Rのヌクレオチド配列を示す。
<配列番号71>
配列番号71は、ウシLAG-3全長のアミノ酸配列を示す。
MLWEAWFQVWLFLQLLWAAAVEAPEPGAEVPVVWAQEGAPAQLPCSPTIPLQDLSLPRTRQVTWQHVPESGSAAPTPRGPGPRRYTVLRLAPGGLRIGKLPLQPRVQLEEMGLQRGDFSLWLRPARRADAGEYHAAVRFGNRALACRLRLRVGQAAVTASPPGPLWTSSWVVLNCSFSRPDLPASVHWFRGPGRVPVQESPHHHLVGNFLFLPQVSSLDSGTWGCSLTYRDGFNVSITYNLAVLGLEPRATLTVYAGAGSKVELPCRLPPGVGIQSSLTAMWTPPGEGPDLLVAGDRNNFTLRLEAVGQAQAGTYTCRVHLQGRQLSATVTLAVITVTPKPYGSSGSLRKPFCEVTPASGQERFVWSPLDKRSQRRSPGPWLLTPDARPLSQPWQCHLYQGERLLGTAVYLTELSHPGAQRSGRALGAGRTAHLPLLILGLLFLLLLVTGASSFHLWRRQWRPRRFSALEHGTHPSQASSKTGELEPELEPEPDPEVEPEPEPEPESQPQLQPEQP*
<配列番号72>
配列番号72は、ウシLAG-3の71~99番目の細胞外領域にあたる部分のアミノ酸配列を示す。
GSAAPTPRGPGPRRYTVLRLAPGGLRIGK
【配列表】