(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-06
(45)【発行日】2022-04-14
(54)【発明の名称】検知装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20220407BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220407BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20220407BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
G03G15/00 400
B65H7/14
G03G21/00 510
(21)【出願番号】P 2018048989
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】石川 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 聡
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027133(JP,A)
【文献】特開2004-274278(JP,A)
【文献】特開2010-187321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04- 1/207
G06T 1/00
G03G 15/00
G03G 21/00
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの位置と、シートの表面に形成された画像の位置と、シートの表面に形成された画像と、のうち少なくとも1つを光学的に検知する検知器と、
前記検知器に対向する位置に配置されて、支軸を中心にシートの搬送方向に沿う方向に回動可能に構成された回動部材と、
前記検知器と前記回動部材との対向距離を調整する調整機構と、
を備
え、
前記調整機構は、
前記回動部材を前記検知器に近づく方向に付勢する付勢部材と、
前記回動部材の支軸に対して、前記検知器の側から当接するカムと、
前記カムの偏芯軸を中心に前記カムを回転させるカムモータと、
を具備し、
前記カムの上死点が前記支軸に当接したときに前記対向距離が最大になって、前記カムの下死点が前記支軸に当接したときに前記対向距離が最小になって、前記カムの前記上死点とも前記下死点とも異なる部分が前記支軸に当接したときに前記対向距離が中程度になることを特徴とする検知装置。
【請求項2】
前記調整機構は、前記検知器と前記回動部材との間に搬送されるシートの厚さが厚いときに、シートの厚さが薄いときに比べて、前記対向距離が大きくなるように調整することを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記検知器と前記回動部材との間に搬送されるシートの厚さを直接的又は間接的に検知する厚さ検知手段を備え、
前記調整機構は、前記厚さ検知手段の検知結果に基づいて前記対向距離を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検知装置。
【請求項4】
前記調整機構は、前記回動部材を移動させる移動機構であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の検知装置。
【請求項5】
前記回動部材は、
円柱状に形成されて、当該回動部材の回動とは別に独立して回転可能な複数のローラ部材を具備し、
前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材が前記検知器に対向した状態で、前記1つのローラ部材を前記搬送方向に沿うように回転させながら、前記検知器と前記回動部材との間にシートを搬送させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の検知装置。
【請求項6】
前記検知器は、CISであって、
当該検知装置は、定着装置の下流側に配置されたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の検知装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の検知装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シートの位置やシート上の画像の位置や画像自体を検知する検知装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機やオフセット印刷機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、定着工程後のシートの表面に形成された画像などを検知する画像読取装置(検知装置)が設置されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における画像読取装置には、画像読取手段の補正などをおこなうために、白基準面などの複数の基準面が形成された多角柱状部材が回動可能に設置されている。そして、画像読取手段に対向する位置に所望の基準板が対向するように、多角柱状部材を回動させて、所望の基準板を画像読取手段で検知して、画像読取手段における所望の補正をおこなっている。
そして、補正がされた画像読取手段を用いて、画像読取装置の位置に搬送されるシート上に形成された画像などが検知されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の検知装置は、シート上の画像の位置などを検知する検知器に対向するように回動部材を設置して、検知器と回動部材との間に搬送されるシートを検知器によって検知しようとしても、シートの厚みによって、検知器と回動部材との間で、シートがばたついてしまったり、シートが引っ掛かってしまったりすることがあった。
そのため、検知器によってシートの位置やシート上の画像位置や画像を精度良く検知できなかったり、シートのジャム(紙詰り)が生じてしまったりしていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、シートのジャムが生じることなく、検知器によってシート上の画像位置などを精度良く検知できる、検知装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における検知装置は、シートの位置と、シートの表面に形成された画像の位置と、シートの表面に形成された画像と、のうち少なくとも1つを光学的に検知する検知器と、前記検知器に対向する位置に配置されて、支軸を中心にシートの搬送方向に沿う方向に回動可能に構成された回動部材と、前記検知器と前記回動部材との対向距離を調整する調整機構と、を備え、前記調整機構は、前記回動部材を前記検知器に近づく方向に付勢する付勢部材と、前記回動部材の支軸に対して、前記検知器の側から当接するカムと、前記カムの偏芯軸を中心に前記カムを回転させるカムモータと、を具備し、前記カムの上死点が前記支軸に当接したときに前記対向距離が最大になって、前記カムの下死点が前記支軸に当接したときに前記対向距離が最小になって、前記カムの前記上死点とも前記下死点とも異なる部分が前記支軸に当接したときに前記対向距離が中程度になるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シートのジャムが生じることなく、検知器によってシート上の画像位置などを精度良く検知できる、検知装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】(A)シェーディング補正時の検知装置を示す概略図と、(B)白紙のシートが搬送されるときの検知装置を示す概略図と、(C)白色以外のシートが搬送されるときの検知装置を示す概略図と、である。
【
図4】リボルバの溝部にガラススケールを装着するときの状態を示す概略斜視図であって、第1、第2ローラ部材の図示を省略したものである。
【
図5】(A)ガラススケールを示す上面図と、(B)CISを幅方向に示す概略図と、である。
【
図6】移動機構の動作を示す概略図であって、一部の部材の図示を省略したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、画像形成装置における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は像担持体としての感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートPに転写する転写部としての転写ローラ、を示す。
また、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12~14は用紙等のシートPが収納された給紙部(給紙カセット)、16は転写ローラ7(画像形成部)に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す、
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、30は定着工程後のシートPの位置やシートP上の画像位置を検知するとともにシートP上の画像を読み取る画像読取装置としても機能する検知装置、を示す。
【0011】
図1を参照して、画像形成装置1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
【0012】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5の表面に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5の表面に形成された画像は、転写ローラ7と感光体ドラム5とが当接する画像形成部(転写ニップ)で、レジストローラ16により搬送されたシートP上に転写される。
【0013】
一方、
図1を参照して、転写ローラ7の位置(画像形成部)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12~14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、装置本体1に内設された給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙ローラによって搬送経路に向けて給送される。
【0014】
その後、シートPは、レジストローラ16の位置に達する。そして、レジストローラ16によって、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて転写ローラ7の位置(画像形成部)に向けて搬送される。
そして、転写工程後のシートPは、転写ローラ7(転写部)の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、検知装置30の位置に達する。そして、検知装置30の位置で、シートPの位置(姿勢)や、シートPの表面に形成された画像の位置や、シートPの表面に形成された画像が検知されることになるが、これについては後で詳しく説明する。
その後、検知装置30の位置を通過したシートPは、画像形成装置本体1から排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0015】
以下、
図2~
図6等を用いて、本実施の形態における画像形成装置1において特徴的な、検知装置30について詳述する。
先に
図1を用いて説明したように、本実施の形態における画像形成装置1には、定着装置20の下流側に、検知装置30が設置されている。
この検知装置30は、定着装置20の下流側で、画像が形成されたシートPを搬送しながら、シートPの位置(姿勢)を検知したり、シートPの表面に形成された画像の位置(画像位置)を検知したり、シートPの表面に形成された画像(画像情報)を検知したり(読取ったり)するためのものである。
【0016】
詳しくは、
図2、
図3等に示すように、検知装置30は、主として、検知器としてのCIS31(コンタクト・イメージ・センサ、密着型イメージセンサ)と、回動部材としてのリボルバ35と、で構成されている。
CIS31(検知器)は、搬送されるシートPの画像面に対向するように、装置の筐体に固定して保持されている。CIS31は、幅方向(
図1~
図3の紙面垂直方向であって、
図5の左右方向である。)に延在するように形成されていて、シートPの幅方向の範囲を含むように配置されている。
【0017】
図2、
図5(B)等を参照して、本実施の形態において、CIS31は、光源32、導光体34、レンズアレイ、カラーフィルタ、アレイ基板、受光素子アレイ33(33R、33G、33B)、などで構成されている。
光源32は、幅方向の一端側の端部に設置されていて、幅方向一端側から幅方向他端側(導光体34)に向けて光を射出する。光源32から射出された光(入射光)は、導光体34を介して被検知体(シートPやガラススケール36などである。)に照射されることになる。本実施の形態では、光源32として、白色LEDを用いている。
導光体34は、光源32から射出された光(入射光)を幅方向に分布させて被検知体に入射させるものである。導光体34を設けることにより、幅方向一端側に設置された光源32から射出された光が、被検知体の幅方向の範囲(CISの検知範囲に対応した幅方向の範囲である。)にわたって入射されることになる。
受光素子アレイ33は、アレイ基板上に複数の受光素子が幅方向に配列されたものである。受光素子アレイ33は、幅方向に延在するように配列されて、被検知体で反射した反射光(光源32から射出された光が被検知体で反射した後の特定の波長の反射光である。)をレンズアレイを介して受光する。そして、受光素子アレイ33によって被検知体からの反射光が受光されて、その反射光の大きさ(照度)によって、シートPの位置やシートP上の画像位置が検知されたり、シートP上の画像情報(画像濃度)が検知されたりすることになる。すなわち、CIS31(検知器)は、シートPの位置と、シートPの表面に形成された画像の位置と、シートPの表面に形成された画像と、のうち少なくとも1つを光学的に検知することになる。
なお、本実施の形態では、CIS31として、幅方向に並設された複数の受光素子に対応する光源32を1つに共通化したものを用いたが、幅方向に並設された複数の受光素子に対応して光源となる複数の発光素子を幅方向に並設したものを用いることもできる。
【0018】
ここで、本実施の形態におけるCIS31は、RGB(レッド、グリーン、ブルー)の3色に対応した3ラインセンサである。
詳しくは、CIS31の受光素子アレイ33は、RGBの3色の反射光を別々に受光可能に形成されている。すなわち、
図5(B)を参照して、受光素子アレイ33は、R色(レッド)の反射光を受光するR用受光素子アレイ33Rと、G色(グリーン)の反射光を受光するG用受光素子アレイ33Gと、B色(ブルー)の反射光を受光するB用受光素子アレイ33Bと、が幅方向に並設されて一体化されたものである。
したがって、本実施の形態におけるCIS31では、光源32(白色LED)から射出された光(入射光)が被検知体に入射されると、レンズアレイ、カラーフィルタを介して3色に分解した光(反射光)が3色の受光素子アレイ33R、33G、33Bにそれぞれ受光されることになる。すなわち、R用受光素子アレイ33RにはR色の波長の反射光が受光され、G用受光素子アレイ33GにはG色の波長の反射光が受光され、B用受光素子アレイ33BにはB色の波長の反射光が受光されることになる。
【0019】
一方、リボルバ35(回動部材)は、CIS31(検知器)との間にシートPが搬送されるように、CIS31に対向する位置に配置されている。すなわち、リボルバ35は、シートPの非画像面(両面プリントされたシートPに対してはシートPのオモテ面)に対向するように配置されている。
なお、本実施の形態において、リボルバ35とCIS31との対向距離(隙間)は、シートPがばたつきなくリボルバ35に密着するような姿勢で良好に搬送されるように、調整機構としての移動機構95~97によって、広すぎず狭すぎない最適な距離に調整されるが、これについては後で詳しく説明する。
【0020】
また、リボルバ35(回動部材)は、支軸35a(回転中心)を中心に、シートPの搬送方向に沿う方向に回動可能に構成されている。具体的に、リボルバ35(回動部材)は、支軸35aを中心に回動可能に、装置の筐体に保持されている。支軸35aは、駆動モータ(正逆方向に回転可能なモータである。)のモータ軸に接続されている。そして、制御部80による駆動モータの制御と、リボルバ35の回動方向の姿勢を検知するエンコーダの検知結果と、によって、リボルバ35が所望の回動方向の姿勢でCIS31に対向することになる。すなわち、
図2に示すように、リボルバ35のガラススケール36をCIS31に対向させたり、
図3(A)に示すように、リボルバ35の白色基準面35cをCIS31に対向させたり、
図3(B)に示すように、リボルバ35の第1ローラ部材37(黒色ローラ)をCIS31に対向させたり、
図3(C)に示すように、リボルバ35の第2ローラ部材38(白色ローラ)をCIS31に対向させたり、することが可能になる。特に、本実施の形態において、リボルバ35は、正逆方向に回動可能に構成されている。
なお、本実施の形態において、リボルバ35は、駆動モータとともに上下方向に移動可能に装置の筐体に保持されているが、これについては後で詳しく説明する。
【0021】
ここで、本実施の形態におけるリボルバ35(回動部材)は、多角柱状ではなくて、略円柱状に形成されている。すなわち、リボルバ35の外周面には、大きな角部が存在せずに、外周面がほぼ曲面で形成されている。
これにより、リボルバ35を回動させても、リボルバ35とCIS31との間に搬送されるシートPが、リボルバ35に引っ掛かってジャム(紙詰り)してしまう不具合などが生じにくくなる。
【0022】
また、
図2、
図3に示すように、リボルバ35(回動部材)には、光透過部材としてのガラススケール36と、2つの第1ローラ部材37(黒色ローラ)と、2つの第2ローラ部材38(白色ローラ)と、が設置されている。また、リボルバ35の外周面の一部には、白色塗装が施されて、白色基準面35cが形成されている。
【0023】
ここで、本実施の形態において、リボルバ35(回動部材)には、その外周面の一部に、搬送方向(
図2、
図3の左右方向であって、
図5の上下方向である。)に延在する複数の縦線36a(線画)が幅方向に等間隔をあけて形成されるとともに、幅方向(搬送方向に直交する方向である。)に延在する横線36b(線画)が形成された基準面Sが設けられている。この基準面Sは、ガラススケール36(光透過性部材)においてCIS31(検知器)に対向する対向面に形成されている。
【0024】
詳しくは、
図2~
図4等に示すように、リボルバ35(回動部材)には、その外周面の一部に、幅方向(
図2、
図3の紙面垂直方向であって、リボルバ35の軸方向である。)に延在するように、略長方体状の溝部35bが形成されている。そして、その溝部35bに、透明なガラス材料で形成されて光を透過可能に形成された略長方体状のガラススケール36(光透過性部材)が、嵌め込まれている。具体的に、本実施の形態において、溝部35bは、ガラススケール36よりも僅かに大きく形成されている。そして、ガラススケール36は、溝部35bの搬送方向上流側の内壁面35b2に突き当てられた状態で嵌め込まれて、通紙領域外で板バネなどの弾性部材が隙間に嵌合されてリボルバ35に固定設置されている。
【0025】
また、リボルバ35の溝部35bの底面35b1(
図4等参照)には、特定色(本実施の形態では、白色である。)からなる表面層Wが形成されている。この表面層Wは、白色(特定色)の塗料が塗装されたものである。ここで、表面層Wへの白色塗料の塗装方法としては、ブラシ塗装、スプレー塗装、粉体塗装、静電塗装、電着塗装など種々のものを用いることができる。
【0026】
そして、ガラススケール36(光透過性部材)には、
図4、
図5(A)に示すように、CIS31に対向する対向面(基準面S)に、シートPの搬送方向(白矢印方向)に延在する複数の縦線36a(線画)が形成されるとともに、幅方向に延在する横線36b(線画)が形成されている。特に、複数の縦線36aは、受光素子アレイ33における各受光素子のピッチに合わせて形成されている。また、横線36bは、複数の横線であって、ガラススケール36の搬送方向のほぼ中央位置において、隣接する縦線36aの間にそれぞれ形成されるように、幅方向に等間隔をあけて形成されている。このように、ガラススケール36は、その対向面(基準面S)に縦横線からなるスケールが形成されていることになる。
なお、本実施の形態において、線画(縦線36a、横線36b)は、ガラススケール36の基準面Sにおいてクロムを蒸着して黒色に形成したものである。
【0027】
そして、ガラススケール36(光透過性部材)がCIS31(検知器)に対向するようにリボルバ35(回動部材)が支軸35aを中心に回動されたときに(
図2の状態のときである。)、CIS31によって、溝部35bの底面35b1(表面層W)を背景色として縦線36aや横線36bを検知して、CIS31の姿勢を検知することになる。
【0028】
さらに具体的に、制御部80において、CIS31によって横線36bを検知した結果に基づいて、CIS31の、搬送方向の姿勢と、シートPの搬送面において傾斜する姿勢(例えば、
図5(B)の破線で示すように傾いた姿勢である。)と、を演算部81で求めて、その求めた結果に基づいて、その後にCIS31とリボルバ35との間に搬送されるシートP(シート位置や画像位置や画像情報である。)を検知するCIS31の検知結果を補正(副走査レジスト補正やスキュー補正である。)する。
これにより、CIS31によって、シートPの位置や、シートP上の画像位置や画像情報を、精度良く検知することができることになる。
【0029】
さらに補足すると、ガラススケール36とCIS31との間にシートPが介在されていない状態で、リボルバ35を
図2の反時計方向に回動させながら、CIS31によって搬送方向に等速移動する横線36bを検知することで、その検知タイミングから、CIS31が狙いの搬送方向の位置に対して、どれだけ位置ズレ(例えば、部品の寸法誤差や組付け誤差による位置ズレである。)しているかを把握することができる。したがって、そのような検知結果に基づいて、実際にシートPが搬送されたときのCIS31の検知結果を補正することで、CIS31によって検知されるシートPの搬送方向の先端位置や後端位置の検知精度や、CIS31によって検知されるシートP上の画像の搬送方向の位置の検知精度を、高めることができる。
さらに、そのようにCIS31(複数の受光素子)によって複数の横線36bの検知タイミングのズレを検出することで、CIS31が狙いの姿勢(搬送面における回転方向の姿勢である。)に対して、どれだけ傾いているかを把握することができる。したがって、そのような検知結果に基づいて、実際にシートPが搬送されたときのCIS31の検知結果を補正することで、CIS31によって検知されるシートPの傾き(スキュー)の検知精度や、CIS31によって検知されるシートP上の画像の傾きの検知精度を、高めることができる。
【0030】
また、本実施の形態における検知装置30は、CIS31とリボルバ35(回動部材)との間にシートPが介在されていないときであって、CIS31によって横線36bを検知した後に、リボルバ35を回動停止させた状態で、CIS31によって基準面S(ガラススケール36)の複数の縦線36aを検知する。
詳しくは、制御部80において、所定のタイミングでCIS31によって横線36bが検知された後に、CIS31によって複数の縦線36aを検知した結果に基づいて、演算部81でCIS31の幅方向の姿勢を求めて、その求めた結果に基づいて、その後にCIS31とリボルバ35との間に搬送されるシートP(シート位置や画像位置や画像情報である。)を検知するCIS31の検知結果を補正(主走査レジスト補正である。)する。
これにより、CIS31によって、シートPの位置や、シートP上の画像位置や画像情報を、精度良く検知することができることになる。
【0031】
さらに補足すると、ガラススケール36とCIS31との間にシートPが介在されていない状態で、CIS31によって停止状態の縦線36aを検知することで、CIS31が狙いの幅方向の位置に対して、どれだけ位置ズレ(例えば、部品の寸法誤差や組付け誤差による位置ズレである。)しているかを把握することができる。したがって、そのような検知結果に基づいて、実際にシートPが搬送されたときのCIS31の検知結果を補正することで、CIS31によって検知されるシートPの幅方向端部の位置の検知精度や、CIS31によって検知されるシートP上の画像の幅方向の位置の検知精度を、高めることができる。
【0032】
なお、本実施の形態では、所定のタイミングでCIS31によって横線36bを検知した後に、リボルバ35を回動停止させた状態で、CIS31によって複数の縦線36aを検知したが、所定のタイミングでCIS31によって横線36bを検知する前に、リボルバ35を回動停止させた状態で、CIS31によって複数の縦線36aを検知しても良い。
また、本実施の形態では、縦線36aや横線36bなどの線画(パターン)が形成された基準面Sを平面としたが、縦線36aや横線36bなどの線画が形成された基準面Sをリボルバ35の外周面に沿った曲面とすることもできる。
【0033】
このようにガラススケール36は、CIS31の姿勢(位置)を検知するためのものであるが、線画36a、36bを検知するときの背景色となる表面層W(底面35b1)をキズなどから保護したり防塵したりする機能も有する。
なお、CIS31によって線画36a、36bを光学的に検知するときの状態を、実際にシートPが搬送されたときのCIS31の検知の状態に近似させるために、CIS31とガラススケール36の対向面との距離は、CIS31と搬送されるシートPとの距離と同等に設定されている。
また、背景色となる表面層Wと線画36a、36bとの距離はそれほど長くならないことが好ましく、本実施の形態では、厚さが1.9mm程度のガラススケール36を用いている。
【0034】
ここで、リボルバ35の外周面の一部であって、ガラススケール36が配置された位置から約180度ずれた位置には、白色基準面35c(第2の基準面)が形成されている。
そして、白色基準面35cがCIS31(検知器)に対向するようにリボルバ35(回動部材)が支軸35aを中心に回動されたときに(
図3(A)の状態のときである。)、CIS31の光源32から射出した光を白色基準面35cに照射して、白色基準面35cで反射した光を受光素子アレイ33で受光して、CIS31の出力調整(シェーディング補正)をおこなうことになる。
具体的に、白色基準面35cとCIS31との間にシートPが介在されていない状態(例えば、画像形成動作が開始される直前である。)で、CIS31によって白色基準面35cを検知したときの、複数の受光素子(受光素子アレイ33)の出力値がそれぞれ閾値を超えた値で均一化されるように、各受光素子の出力が調整されることになる。このような出力調整(シェーディング補正)をおこなうことにより、CIS31によって実際にシートPの位置や、シートP上の画像の位置や画像情報を検知するときの、検知精度が高められることになる。
なお、CIS31によって白色基準面35cを光学的に検知するときの状態を、実際にシートPが搬送されたときのCIS31の検知の状態に近似させるために、CIS31と白色基準面35cとの距離は、CIS31と搬送されるシートPとの距離と同等に設定されている。また、CIS31によって白色基準面35cを検知してシェーディング補正をおこなうときに、リボルバ35の回動方向の姿勢(回動角度)が狙いのものから多少ずれてしまっても、CIS31と白色基準面35cとの距離が変化しないように、白色基準面35cはリボルバ35の外周面に沿った曲面となっている。
【0035】
ここで、リボルバ35(回動部材)には、リボルバ35の回動とは別に独立して回転可能な複数のローラ部材37、38が設けられている。
そして、
図3(B)、(C)に示すように、複数のローラ部材37、38のうち1つのローラ部材がCIS31(検知器)に対向した状態で、そのローラ部材(1つのローラ部材)を搬送方向に沿うように
図3の反時計方向に回転させながら、CIS31とリボルバ35との間にシートPを搬送させることになる。
【0036】
ここで、第1ローラ部材37(黒色ローラ)は、そのローラ外周面が黒色に形成されたローラ部材であって、2つの第1ローラ部材37がリボルバ35における約180度ずれた位置にそれぞれ回転可能に保持されている。2つの第1ローラ部材37は、それぞれ、リボルバ35を回動する駆動モータとは別に独立したモータによって回転駆動されるように構成されている。また、第1ローラ部材37の黒色のローラ部は、シートPの幅方向の範囲を含むように、その幅方向の長さが設定されている。
そして、
図3(B)に示すように、第1ローラ部材37(黒色ローラ)とCIS31との間で、第1ローラ部材37の反時計方向に回転によって白色のシートPを搬送しながら、CIS31によって、黒色の第1ローラ部材37を背景として、シートPの位置(幅方向端部や先後端である。)が光学的に検知されたり、シートP上の画像の位置(画像位置)が光学的に検知されたりすることになる。そして、それらの検知結果に基づいて、露光部3(書込部)における、書込みタイミングや、主走査方向(幅方向)の書込み位置、倍率、歪みなどが調整されて、シートP上に形成される画像位置の精度が高められることになる。
また、
図3(B)に示す状態で、白色のシートPを搬送しながらCIS31でシートP上の画像位置を光学的に検知することにより、シートP上の種々の画像情報(例えば、画像濃度の情報である。)を読み取ることも可能になる。そして、画像読取装置としても機能する検知装置30によって検知された画像情報に基づいて、作像条件(例えば、画像濃度を調整するための現像バイアスなどを出力するバイアス電源91である。)が調整されて、シートP上に形成される画像の品質が高められることになる。
【0037】
また、第2ローラ部材38(白色ローラ)は、そのローラ外周面が白色に形成されたローラ部材であって、2つの第2ローラ部材38がリボルバ35における約180度ずれた位置にそれぞれ回転可能に保持されている。2つの第2ローラ部材38は、それぞれ、リボルバ35を回動する駆動モータとは別に独立したモータによって回転駆動されるように構成されている。また、第2ローラ部材38の白色のローラ部は、シートPの幅方向の範囲を含むように、その幅方向の長さが設定されている。
そして、
図3(C)に示すように、第2ローラ部材38(白色ローラ)とCIS31との間で、第2ローラ部材38の反時計方向に回転によって白色以外の色のシートPを搬送しながら、CIS31によって、白色の第2ローラ部材38を背景として、シートPの位置(幅方向端部や先後端である。)が光学的に検知されたり、シートP上の画像の位置(画像位置)が光学的に検知されたりすることになる。そして、それらの検知結果に基づいて、露光部3(書込部)における、書込みタイミングや、主走査方向(幅方向)の書込み位置、倍率、歪みなどが調整されて、シートP上に形成される画像位置の精度が高められることになる。
また、
図3(C)に示す状態で、白色以外の色のシートPを搬送しながらCIS31でシートP上の画像位置を光学的に検知することにより、シートP上の種々の画像情報(例えば、画像濃度の情報である。)を読み取ることも可能になる。そして、画像読取装置としても機能する検知装置30によって検知された画像情報に基づいて、作像条件(例えば、画像濃度を調整するための現像バイアスなどを出力するバイアス電源91である。)が調整されて、シートP上に形成される画像の品質が高められることになる。
【0038】
このように、本実施の形態では、白色以外の色のシートPが搬送されても、背景色がシート色と同じにならずに、CIS31によってシートPの位置(幅方向両端部や先後端である。)をはっきり検知できるように、適宜にリボルバ35を回動させて色の異なるローラ部材37、38をCIS31に対向させるようにしている。
そして、本実施の形態では、リボルバ35の周方向に沿って、ガラススケール36、第1ローラ部材37、第2ローラ部材38、白色基準面35c、第1ローラ部材37、第2ローラ部材38の順で配置されている。そのため、CIS31に対向する部材を、ガラススケール36から第1ローラ部材37(又は、第1ローラ部材37からガラススケール36)に切り替えたり、ガラススケール36から第2ローラ部材38(又は、第2ローラ部材38からガラススケール36)に切り替えたり、第1ローラ部材37から第2ローラ部材38(又は、第2ローラ部材38から第1ローラ部材37)に切り替えたり、白色基準面35cから第1ローラ部材37(又は、第1ローラ部材37から白色基準面35c)に切り替えたり、白色基準面35cから第2ローラ部材38(又は、第2ローラ部材38から白色基準面35c)に切り替えたりする、切替動作にかかる時間を短縮化することができる。
なお、CIS31に対向するローラ部材37、38の切り替え制御は、ユーザーによって操作パネル100(画像形成装置本体1の外装部に設置されている。)に入力されるシートPの情報(シート色に関する情報である。)に基づいておこなうこともできるし、搬送されるシートPの色を直接的に検知するシート色センサ90(給紙部から検知装置30に至る搬送経路中に設置されたフォトセンサである。)の検知結果に基づいておこなうこともできる。
【0039】
ここで、
図6(及び、
図2)を参照して、本実施の形態における検知装置30には、CIS31(検知器)とリボルバ35(回動部材)との対向距離を調整する調整機構としての移動機構95~97が設置されている。
本実施の形態において、移動機構(調整機構)は、リボルバ35(回動部材)を
図6の上下方向に移動させるものであって、カムモータ95、カム96、圧縮スプリング(付勢部材)、などで構成されている。
【0040】
詳しくは、カム96は、カム軸96a(偏心軸)を中心に回転可能に、検知装置30の筐体に保持されている。カム96のカム軸96aは、カムモータ95(筐体に固定保持されている。)に接続されている。カム96の外周面は、リボルバ35の支軸35aの上面に当接している。
一方、リボルバ35は、リボルバ35を回転駆動する駆動モータとともに上下方向に移動可能に装置の筐体に保持されている。具体的に、リボルバ35の支軸35aは、筐体に形成された長穴(上下方向を長手方向とする長穴であって、ガイドとして機能する。)に係合している。また、リボルバ35の支軸35aには、圧縮スプリング97の一端側が接続されている。圧縮スプリング97の他端側は、装置の筐体に接続されていて、圧縮スプリング97の付勢力によって、リボルバ35が
図6の上方(CIS31に近づく方向である。)に付勢されている。
【0041】
このような構成により、圧縮スプリング97によって上方に付勢されたリボルバ35は、カム96に当接する位置で、その位置が定まることになる。すなわち、リボルバ35とカム96とが当接する位置で、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が定まることになる。
そして、
図6(A)~(C)に示すように、カムモータ95によるカム96の回転によって、カム96の回転方向の姿勢を変化させることで、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が可変(調整)されることになる。
なお、CIS31とリボルバ35との対向距離は、制御部80によるカムモータ95の制御と、カム95の回動方向の姿勢を検知するエンコーダの検知結果と、によって、所望の大きさに調整されることになる。
【0042】
そして、移動機構95~97(調整機構)は、CIS31とリボルバ35との間に搬送されるシートPの厚さ(紙厚)が厚いときに、シートPの厚さが薄いときに比べて、その対向距離が大きくなるように調整することになる。
具体的に、
図6(A)は、厚さの厚いシートP(厚紙)が搬送されるときの状態を示し、
図6(B)は、厚さが中程度のシートP(普通紙)が搬送されるときの状態を示し、
図6(C)は、厚さの薄いシートP(薄紙)が搬送されるときの状態を示す。
図6(A)では、カム96の上死点がリボルバ35の支軸35aに当接していて、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が最も大きくなる。これに対して、
図6(C)では、カム96の下死点がリボルバ35の支軸35aに当接していて、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が最も小さくなる。また、
図6(B)では、カム96の下死点や上死点とは異なる部分がリボルバ35の支軸35aに当接していて、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が中程度の大きさになる。すなわち、シートPの厚さに応じて、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との対向距離が、移動機構95~97によって、広すぎず狭すぎない最適な距離に調整されることになる。
【0043】
このように構成することにより、CIS31とリボルバ35(第1ローラ部材37又は第2ローラ部材38)との間に搬送されるシートPが、CIS31とリボルバ35との間で、ばたついてしまったり、引っ掛かってしまったりする不具合が軽減される。すなわち、CIS31とリボルバ35との対向距離が広くて、その位置を通過するシートPの姿勢が不安定になる不具合や、CIS31とリボルバ35との対向距離が狭くて、その位置をシートPが通過しにくくなる不具合が軽減されることになる。
そのため、シートのジャム(紙詰り)が生じることなく、CIS31によってシートPの位置やシートP上の画像位置や画像が精度良く検知されることになる。
【0044】
ここで、
図2を参照して、本実施の形態では、CIS31(検知器)とリボルバ35(回動部材)との間に搬送されるシートPの厚さを直接的に検知する厚さ検知手段としての厚さ検知センサ92が設置されている。
そして、移動機構95~97(調整機構)は、厚さ検知センサ92(厚さ検知手段)の検知結果に基づいて、CIS31とリボルバ35との対向距離を調整するように、制御部80によって制御される。具体的に、厚さ検知センサ92(厚さ検知手段)の検知結果に基づいて、先に
図6を用いて説明したように、シートPの厚さに応じた対向距離の調整がおこなわれることになる。
このような厚さ検知センサ92(厚さ検知手段)としては、例えば、給紙部から検知装置30に至る搬送経路中に設置された測距センサや超音波センサなどを用いることができる。そして、厚さ検知センサ92によって検知された情報から、演算部81で最適な対向距離(カム96の回転量)が算出されたり、制御部80に記憶された制御テーブルに照合して対向距離(カム96の回転量)が求められたりして、それに基づいて制御部80によってカムモータ95が制御されることになる。
なお、本実施の形態では、厚さ検知手段として、シートPの厚さを直接的に検知する厚さ検知センサ92を用いたが、ユーザーによって操作パネル100に入力されるシートPの情報(シートの厚さに関する情報である。)に基づいて、シートPの厚さを間接的に検知することもできる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態における検知装置30(画像形成装置1)には、シートPの位置と、シートPの表面に形成された画像の位置と、シートPの表面に形成された画像と、のうち少なくとも1つを光学的に検知するCIS31(検知器)が設置されている。また、支軸35aを中心にシートPの搬送方向に沿う方向に回動可能に構成されたリボルバ35(回動部材)が、CIS31との間にシートPが搬送されるようにCIS31に対向する位置に配置されている。そして、CIS31とリボルバ35との対向距離を調整する移動機構95~97(調整機構)が設置されている。
これにより、シートPのジャムが生じることなく、CIS31によってシートP上の画像位置などを精度良く検知することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される検知装置30に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される検知装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される検知装置30に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、オフセット印刷機などである。)に設置される検知装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、CIS31(検知器)によって、シートの位置と、シートの表面に形成された画像の位置と、シートの表面に形成された画像と、のすべてを光学的に検知するように構成したが、それらのうち少なくとも1つを光学的に検知するように構成することもできる。また、検知器はCISに限定されることなく、種々の形態のもの(例えば、特許文献1に開示されたもののように縮小光学系を利用したもの。)を用いることができる。
また、本実施の形態では、CIS31とリボルバ35との対向距離を調整する調整機構として、カム96などで構成された移動機構(カム機構)を用いたが、調整機構の構成はこれに限定されることなく、例えば、調整機構としてソレノイド、リンクなどで構成された移動機構を用いることもできる。
また、本実施の形態では、CIS31とリボルバ35との対向距離を調整する調整機構として、リボルバ35を移動する移動機構95~97を用いたが、CIS31を移動する移動機構を用いることもできる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0048】
なお、本願明細書等において、「シート」とは、通常の紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム等のシート状部材のすべてを含むものと定義する。さらに、「シート」には、予め画像が形成されている原稿も含むものと定義する。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置、
30 検知装置、
31 CIS(検知器)、
35 リボルバ(回動部材)、
35a 支軸(回転中心)、
37 第1ローラ部材(ローラ部材)、
38 第2ローラ部材(ローラ部材)、
92 厚さ検知センサ(厚さ検知手段)、
95 カムモータ(調整機構、移動機構)、
96 カム(調整機構、移動機構)、
97 圧縮スプリング(調整機構、移動機構)、
P シート。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】