(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】動画ストリーム受信装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20220413BHJP
H04N 21/438 20110101ALI20220413BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/438
(21)【出願番号】P 2018109677
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100121119
【氏名又は名称】花村 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】黒住 正顕
(72)【発明者】
【氏名】西村 敏
(72)【発明者】
【氏名】山本 正男
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-191261(JP,A)
【文献】特開2009-152821(JP,A)
【文献】特開2009-218767(JP,A)
【文献】特開2010-034994(JP,A)
【文献】特表2012-508536(JP,A)
【文献】特表2013-532432(JP,A)
【文献】国際公開第2016/140060(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバから配信される動画ストリームを受信し、動画を再生する動画ストリーム受信装置において、
所定のランダムアクセスポイント間隔の前記動画ストリームを受信し、当該動画ストリームを第1バッファに保存する第1受信処理部と、
前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔の切替ストリームを受信し、当該切替ストリームを第2バッファに保存する第2受信処理部と、
前記第1バッファから前記動画ストリームを読み出してデコードし、第1動画を出力する第1デコーダと、
前記第2バッファから前記切替ストリームを読み出してデコードし、第2動画を出力する第2デコーダと、
前記動画ストリーム及び前記切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、前記第1デコーダにより出力された前記第1動画、及び前記第2デコーダにより出力された前記第2動画のうちのいずれか一方を選択するための切替信号を生成する切替制御部と、
前記切替制御部により生成された前記切替信号に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画のうちのいずれか一方を選択し、再生のための前記動画として出力する切替器と、を備え、
前記切替制御部は、
ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリーム及び切り替え後の前記切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、
切り替え後の前記切替ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、
その後、切り替え後の前記動画ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させる、ことを特徴とする動画ストリーム受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動画ストリーム受信装置において、
前記切替制御部は、
ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリームの配信を要求するための第1要求、及び切り替え後の前記切替ストリームの配信を要求するための第2要求を生成し、前記第1要求及び前記第2要求を前記配信サーバへ送信し、
現在再生中の切り替え前の前記動画ストリームの再生時間に基づいて、前記第2要求に対応する切り替え後の前記切替ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、
その後、現在再生中の切り替え後の前記切替ストリームの再生時間に基づいて、前記第1要求に対応する切り替え後の前記動画ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させる、ことを特徴とする動画ストリーム受信装置。
【請求項3】
配信サーバから配信される動画ストリームを受信し、動画を再生する動画ストリーム受信装置において、
所定のランダムアクセスポイント間隔の前記動画ストリームを受信し、当該動画ストリームを第1バッファに保存する第1受信処理部と、
前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔のストリームであって、低レートで配信された低レート切替ストリームを受信し、当該低レート切替ストリームを第2バッファに保存し、前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔のストリームであって、前記低レート切替ストリームよりも高レートで配信された高レート切替ストリームを受信し、当該高レート切替ストリームを前記第2バッファに保存する第2受信処理部と、
前記第1バッファから前記動画ストリームを読み出してデコードし、第1動画を出力する第1デコーダと、
前記第2バッファから前記高レート切替ストリームまたは前記低レート切替ストリームを読み出してデコードし、第2動画を出力する第2デコーダと、
前記動画ストリーム及び前記高レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、前記第1デコーダにより出力された前記第1動画、及び前記第2デコーダにより出力された前記第2動画のうちのいずれか一方を選択するための切替信号を生成する切替制御部と、
前記切替制御部により生成された前記切替信号に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画のうちのいずれか一方を選択し、再生のための前記動画として出力する切替器と、を備え、
前記切替制御部は、
ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリーム及び切り替え後の前記高レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、
切り替え後の前記高レート切替ストリームにおけるキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記高レート切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、
その後、切り替え後の前記動画ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させ、
その後、切り替え後の前記低レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求する、ことを特徴とする動画ストリーム受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の動画ストリーム受信装置において、
前記切替制御部は、
ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリームの配信を要求するための第1要求、及び切り替え後の前記高レート切替ストリームの配信を要求するための第2要求を生成し、前記第1要求及び前記第2要求を前記配信サーバへ送信し、
現在再生中の切り替え前の前記動画ストリームの再生時間に基づいて、前記第2要求に対応する切り替え後の前記高レート切替ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記高レート切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、
その後、現在再生中の切り替え後の前記高レート切替ストリームの再生時間に基づいて、前記第1要求に対応する切り替え後の前記動画ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させ、
その後、切り替え後の前記低レート切替ストリームの配信を要求するための第3要求を生成し、前記第3要求を前記配信サーバへ送信する、ことを特徴とする動画ストリーム受信装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から4までのいずれか一項に記載の動画ストリーム受信装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等を介して配信された動画ストリームを受信し、動画を再生する動画ストリーム受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伝送速度または遅延等が適宜変化するインターネット等のネットワークを利用する動画配信サービスが知られている。この動画配信サービスでは、視聴プレーヤーである動画ストリーム受信装置から配信サーバへ動画ストリームの配信要求が送信され、配信サーバから動画ストリーム受信装置へ動画ストリームが配信される。
【0003】
インターネット等のネットワークにおいては、動画ストリーム受信装置が配信要求を送信してから動画ストリームを受信するまでの時間が変動する。このため、一般的には動画ストリーム受信装置に受信バッファを用意することにより、時間変動の影響を吸収するようにしている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
これにより、動画ストリーム受信装置は、受信した動画ストリームを所定期間、受信バッファに保存することで、ネットワークに起因する時間変動の影響を受けることなく、動画を途切れなく再生することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】ISO/IEC 23009-1:2014,MPEG-DASH 2nd Edition Specification
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、動画を切り替える間も再生が途切れないようにするためには、つまりシームレスに動画を切り替えるためには、受信バッファを枯渇させないように、切り替え前後の動画ストリームを受信する必要がある。このため、ユーザ(視聴者)による動画切替操作の指示を受けてから実際に動画が切り替わるまでの時間としては、受信バッファ遅延程度の時間が必要となる。
【0007】
また、動画を迅速に切り替えるためには、これまで再生していた動画を終了させ、新しい動画ストリームを取得して再生を開始する必要がある。しかし、動画の切り替えの間、動画再生は一旦途切れてしまうため、シームレスな動画切り替えを行うことができない。
【0008】
シームレスな動画切り替えを行うためには、動画ストリームのランダムアクセスポイントの時点で、動画切り替えを行う必要がある。さらに、動画の切り替え時間を短くするためには、ランダムアクセスポイントの間隔を短くする必要がある。
【0009】
ランダムアクセスポイントは、動画ストリーム上のキーフレームの位置を示し、キーフレームは、単体にて再生が可能なフレームである。このため、動画ストリームのランダムアクセスポイントの間隔を短くすることにより、動画切替操作を行ってから次の動画切り替え点までの時間を短くすることができる。
【0010】
しかしながら、キーフレームに対してイントラ符号化が行われるから、画質を同一に保つ場合はビットレートが増加することとなり、ビットレートを同一に保つ場合は画質が低下することとなる。つまり、動画の切り替え時間を短くするために、ランダムアクセスポイントの間隔を短くした場合には、ビットレートが増加する、または画質が低下するという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、動画ストリームのランダムアクセスポイントの間隔を短くすることなく、シームレスかつ高速に動画切り替えを行う動画ストリーム受信装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、請求項1の動画ストリーム受信装置は、配信サーバから配信される動画ストリームを受信し、動画を再生する動画ストリーム受信装置において、所定のランダムアクセスポイント間隔の前記動画ストリームを受信し、当該動画ストリームを第1バッファに保存する第1受信処理部と、前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔の切替ストリームを受信し、当該切替ストリームを第2バッファに保存する第2受信処理部と、前記第1バッファから前記動画ストリームを読み出してデコードし、第1動画を出力する第1デコーダと、前記第2バッファから前記切替ストリームを読み出してデコードし、第2動画を出力する第2デコーダと、前記動画ストリーム及び前記切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、前記第1デコーダにより出力された前記第1動画、及び前記第2デコーダにより出力された前記第2動画のうちのいずれか一方を選択するための切替信号を生成する切替制御部と、前記切替制御部により生成された前記切替信号に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画のうちのいずれか一方を選択し、再生のための前記動画として出力する切替器と、を備え、前記切替制御部が、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリーム及び切り替え後の前記切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、切り替え後の前記切替ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、その後、切り替え後の前記動画ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させる、ことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の動画ストリーム受信装置は、請求項1に記載の動画ストリーム受信装置において、前記切替制御部が、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリームの配信を要求するための第1要求、及び切り替え後の前記切替ストリームの配信を要求するための第2要求を生成し、前記第1要求及び前記第2要求を前記配信サーバへ送信し、現在再生中の切り替え前の前記動画ストリームの再生時間に基づいて、前記第2要求に対応する切り替え後の前記切替ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、その後、現在再生中の切り替え後の前記切替ストリームの再生時間に基づいて、前記第1要求に対応する切り替え後の前記動画ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させる、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の動画ストリーム受信装置は、配信サーバから配信される動画ストリームを受信し、動画を再生する動画ストリーム受信装置において、所定のランダムアクセスポイント間隔の前記動画ストリームを受信し、当該動画ストリームを第1バッファに保存する第1受信処理部と、前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔のストリームであって、低レートで配信された低レート切替ストリームを受信し、当該低レート切替ストリームを第2バッファに保存し、前記動画ストリームよりも短いランダムアクセスポイント間隔のストリームであって、前記低レート切替ストリームよりも高レートで配信された高レート切替ストリームを受信し、当該高レート切替ストリームを前記第2バッファに保存する第2受信処理部と、前記第1バッファから前記動画ストリームを読み出してデコードし、第1動画を出力する第1デコーダと、前記第2バッファから前記高レート切替ストリームまたは前記低レート切替ストリームを読み出してデコードし、第2動画を出力する第2デコーダと、前記動画ストリーム及び前記高レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、前記第1デコーダにより出力された前記第1動画、及び前記第2デコーダにより出力された前記第2動画のうちのいずれか一方を選択するための切替信号を生成する切替制御部と、前記切替制御部により生成された前記切替信号に基づいて、前記第1動画及び前記第2動画のうちのいずれか一方を選択し、再生のための前記動画として出力する切替器と、を備え、前記切替制御部が、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリーム及び切り替え後の前記高レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求し、切り替え後の前記高レート切替ストリームにおけるキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記高レート切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、その後、切り替え後の前記動画ストリームにおける最初のキーフレームのランダムアクセスポイントのタイミングで、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させ、その後、切り替え後の前記低レート切替ストリームの配信を前記配信サーバへ要求する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の動画ストリーム受信装置は、請求項3に記載の動画ストリーム受信装置において、前記切替制御部が、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の前記動画ストリームの配信を要求するための第1要求、及び切り替え後の前記高レート切替ストリームの配信を要求するための第2要求を生成し、前記第1要求及び前記第2要求を前記配信サーバへ送信し、現在再生中の切り替え前の前記動画ストリームの再生時間に基づいて、前記第2要求に対応する切り替え後の前記高レート切替ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記高レート切替ストリームの前記第2動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第2動画を再生させ、その後、現在再生中の切り替え後の前記高レート切替ストリームの再生時間に基づいて、前記第1要求に対応する切り替え後の前記動画ストリームについて、最初のキーフレームのランダムアクセスポイントを再生するタイミングを判定すると、切り替え後の前記動画ストリームの前記第1動画を選択するための前記切替信号を生成し、当該切替信号に基づいて前記第1動画を再生させ、その後、切り替え後の前記低レート切替ストリームの配信を要求するための第3要求を生成し、前記第3要求を前記配信サーバへ送信する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5のプログラムは、コンピュータを、請求項1から4までのいずれか一項に記載の動画ストリーム受信装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、動画ストリームのランダムアクセスポイントの間隔を短くすることなく、シームレスかつ高速に動画切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例1の動画ストリーム受信装置を含む動画配信システムの全体構成例、及び動画ストリーム受信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施例1における切替制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図3】実施例1における信号のタイミングを説明するタイムチャートである。
【
図4】実施例2の動画ストリーム受信装置を含む動画配信システムの全体構成例、及び動画ストリーム受信装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施例2における切替制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図6】実施例2における信号のタイミングを説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。以下に説明する実施例1の動画ストリーム受信装置は、通常時に、動画ストリームS1を受信すると共に、ランダムアクセスポイント間隔の短い切替ストリームK1を受信し、動画ストリームS1を再生する。そして、動画ストリーム受信装置は、動画切り替え時に、切り替え後の切替ストリームK2を受信して再生し、その後、切り替え後の動画ストリームS2を受信して再生する。これにより、動画ストリームS1,S2のランダムアクセスポイントの間隔を短くすることなく、シームレスかつ高速に動画切り替えを行うことができる。
【0020】
また、実施例2の動画ストリーム受信装置は、通常時に、動画ストリームS1を受信すると共に、ランダムアクセスポイント間隔が短く、かつ低画質の低レート切替ストリームK1-Lを受信し、動画ストリームS1を再生する。そして、動画ストリーム受信装置は、動画切り替え時に、ランダムアクセスポイント間隔の短く、かつ切り替え後の高画質の高レート切替ストリームK2-Hを受信して再生する。その後、動画ストリーム受信装置は、切り替え後の動画ストリームS2を受信して再生する。これにより、実施例1の効果に加え、さらに画質低下を抑制することができる。
【0021】
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。前述のとおり、実施例1の動画ストリーム受信装置は、通常時に、動画ストリームS1を受信すると共に、ランダムアクセスポイント間隔の短い切替ストリームK1を受信し、動画ストリームS1を再生する。そして、動画ストリーム受信装置は、動画切り替え時に、切り替え後の切替ストリームK2を受信して再生し、その後、切り替え後の動画ストリームS2を受信して再生する。
【0022】
図1は、実施例1の動画ストリーム受信装置を含む動画配信システムの全体構成例、及び動画ストリーム受信装置の構成例を示すブロック図である。この動画配信システムは、配信サーバ1及び動画ストリーム受信装置2を備えて構成される。配信サーバ1及び動画ストリーム受信装置2は、伝送帯域及び伝送遅延が変動するインターネット等のネットワークにより接続される。
【0023】
(配信サーバ1)
配信サーバ1は、動画ストリーム受信装置2からの要求に応じて、動画ストリームS及び切替ストリームKを配信するサーバである。
【0024】
具体的には、配信サーバ1は、図示しないエンコーダ等から動画ストリームS及び切替ストリームKを受信するか、または図示しない記録装置から動画ストリームS及び切替ストリームKを読み出す。そして、配信サーバ1は、複数種類の動画ストリームS、及びそれぞれの動画ストリームSに対応する切替ストリームKを保持する。
【0025】
配信サーバ1は、動画ストリーム受信装置2からコンテンツ切替指示を受信し、コンテンツ切替指示に応じた動画ストリームSまたは切替ストリームKを特定する。そして、配信サーバ1は、コンテンツ切替指示に応じた動画ストリームSまたは切替ストリームKを、動画ストリーム受信装置2へ送信する。
【0026】
動画ストリームSは、動画コンテンツのストリームであり、動画ストリーム受信装置2に備えた後述するデバイス14により再生される。また、切替ストリームKは、動画ストリームSと同一の動画コンテンツのストリームであり、動画切り替え時に、後述するデバイス14により再生される。
【0027】
切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのそれよりも短いものとする。これにより、動画ストリーム受信装置2は、動画切り替え時に、切り替え後の動画コンテンツの切替ストリームKを受信することで、切替ストリームKを、切り替え後の動画ストリームSよりも短い時間で再生することができる。したがって、ランダムアクセスポイント間隔の短い切替ストリームKを用いることで、高速に動画切り替えを行うことができる。詳細については後述する。
【0028】
(動画ストリーム受信装置2)
動画ストリーム受信装置2は、視聴者であるユーザの切替操作に従い、配信動画を切り替える視聴プレーヤーである。動画ストリーム受信装置2は、常時、動画コンテンツの動画ストリームSを受信すると共に、これと同一の動画コンテンツの切替ストリームKを受信する。そして、動画ストリーム受信装置2は、通常時に、動画ストリームSを再生し、切り替え時に、切り替え後の切替ストリームKを再生し、その後、切り替え後の動画ストリームSを再生する。
【0029】
動画ストリーム受信装置2は、受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替制御部12、切替器13、デバイス14及び時計15を備えている。受信処理部10-1,10-2は、それぞれバッファ20-1,20-2を備えている。
【0030】
受信処理部10-1は、配信サーバ1から、コンテンツ切替要求に応じた動画ストリームSを受信し、動画ストリームSをバッファ20-1に一時的に保存する。バッファ20-1に格納された動画ストリームSは、デバイス14による再生タイミングに合わせて、デコーダ11-1に読み出される。
【0031】
デコーダ11-1は、デバイス14による再生タイミングに合わせて、バッファ20-1から動画ストリームSを読み出し、動画ストリームSをデコードし、デコードした動画S’を切替器13に出力する。
【0032】
受信処理部10-2は、配信サーバ1から、コンテンツ切替要求に応じた切替ストリームKを受信し、切替ストリームKをバッファ20-2に一時的に保存する。バッファ20-2に格納された切替ストリームKは、デバイス14による再生タイミングに合わせて、デコーダ11-2に読み出される。
【0033】
デコーダ11-2は、デバイス14による再生タイミングに合わせて、バッファ20-2から切替ストリームKを読み出し、切替ストリームKをデコードし、デコードした動画K’を切替器13に出力する。
【0034】
切替制御部12は、時計15から時間情報を入力し、時間情報を用いて、デバイス14にて再生する動画S’(または動画K’)の再生時間を管理する。また、切替制御部12は、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔及び切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔を管理する。
【0035】
切替制御部12は、ユーザによる動画コンテンツの切替操作があると、コンテンツ切替要求を生成し、コンテンツ切替要求を図示しない送信処理部に出力し、送信処理部は、コンテンツ切替要求を配信サーバ1へ送信する。
【0036】
また、切替制御部12は、ユーザによる切替操作に従い、所定のタイミングにて、動画S’から動画K’への切替信号、または動画K’から動画S’への切替信号を生成し、切替信号を切替器13に出力する。
【0037】
具体的には、切替制御部12は、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の切替ストリームKの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成すると共に、切り替え後の動画ストリームSの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成する。そして、切替制御部12は、これらのコンテンツ切替要求を図示しない送信処理部に出力し、送信処理部は、これらのコンテンツ切替要求を配信サーバ1へ送信する。
【0038】
切替制御部12は、切り替え後の切替ストリームKの再生開始タイミングを判定すると、動画S’から動画K’への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する。これにより、切替器13において、切り替え前の動画S’から切り替え後の動画K’に切り替わり、デバイス14において、切り替え後の動画K’が再生される。
【0039】
切替制御部12は、切り替え後の動画ストリームSの再生開始タイミングを判定すると、動画K’から動画S’への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する。これにより、切替器13において、切り替え後の動画K’から切り替え後の動画S’に切り替わり、デバイス14において、切り替え後の動画S’が再生される。切替制御部12の詳細について後述する。
【0040】
切替器13は、デコーダ11-1から動画S’を入力すると共に、デコーダ11-2から動画K’を入力し、さらに切替制御部12から切替信号を入力する。
【0041】
切替器13は、切替信号が動画S’から動画K’への切り替えを示している場合、動画K’を選択し(に切り替え)、動画K’をデバイス14に出力する。一方、切替器13は、切替信号が動画K’から動画S’への切り替えを示している場合、動画S’を選択し、動画S’をデバイス14に出力する。
【0042】
デバイス14は、切替器13から動画S’または動画K’を入力し、入力した動画S’または動画K’を再生する。例えば、デバイス14はモニター等の表示デバイス、音声を出力するスピーカー等である。時計15は、再生の時間情報を管理するタイマーであり、時間情報を切替制御部12に出力する。
【0043】
(切替制御部12)
次に、
図1に示した動画ストリーム受信装置2の切替制御部12について詳細に説明する。
図2は、実施例1における切替制御部12の処理例を示すフローチャートであり、
図3は、実施例1における信号のタイミングを説明するタイムチャートである。
【0044】
切替制御部12は、予め、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔及び切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔を管理している。
【0045】
具体的には、切替制御部12は、当該動画ストリーム受信装置2の電源オン時または定期的に、マニフェストファイルの送信を要求するマニフェストファイル要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ1へ送信する。そして、動画ストリーム受信装置2は、配信サーバ1から送信されたマニフェストファイルを受信する。
【0046】
切替制御部12は、マニフェストファイルから、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔及び切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔の各データを抽出し、これらをメモリに保存する等して管理する。この場合、切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔よりも短い。
【0047】
まず、動画ストリーム受信装置2は、通常時に、動画ストリームS1及び切替ストリームK1を受信しているものとする。
図3に示すように、デコーダ11-1により動画ストリームS1がバッファ20-1から読み出されてデコードされ、デコーダ11-2によりバッファ20-2から切替ストリームK1が読み出されてデコードされ、切替器13から動画ストリームS1が出力されているものとする(
図3の(a))。つまり、動画ストリームS1が、デバイス14にて再生されている。
【0048】
また、切替制御部12は、時計15から入力した時間情報を用いて、動画ストリームS1の再生時間を管理しており、つまり、動画ストリームS1のキーフレームの時間を管理している。
【0049】
図2を参照して、切替制御部12は、ユーザによる切替操作の入力があるか否かを判定する(ステップS201)。切替制御部12は、ステップS201において、ユーザによる切替操作の入力があると判定した場合(ステップS201:Y)、切り替え後の動画ストリームS2及び切替ストリームK2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成する(ステップS202)。
【0050】
切替制御部12は、バッファ20-2に空きがある場合、切替ストリームK2のコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ1へ送信し、バッファ20-1に空きがある場合、動画ストリームS2のコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ1へ送信する(ステップS203)。
【0051】
一方、切替制御部12は、ステップS201において、ユーザによる切替操作の入力がないと判定した場合(ステップS201:N)、切替操作の入力があるまで待つ。
【0052】
具体的には、切替制御部12は、ユーザによる切替操作に従い、管理している動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔及び切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、切替ストリームK2の最初のキーフレームを再生するタイミング(動画ストリームS1の現在の再生時間を基準としたその後の時間、再生開始タイミング)を決定する。また、切替制御部12は、同様に、動画ストリームS2の最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを決定する。
【0053】
尚、切替制御部12は、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔及び切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、ユーザによる切替操作があるときを基準としたそれぞれの再生開始タイミングを、予め決定しておくようにしてもよい。
【0054】
例えば、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔が10秒、切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔が1秒である場合を想定する。切替制御部12は、ユーザによる切替操作に従い(
図3の(b))、切替ストリームK2の最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを、現時点から11秒後であると決定する。また、切替制御部12は、動画ストリームS2の最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを、現時点から20秒後(切替ストリームK2の再生開始タイミングから9秒後)であると決定する。
【0055】
そして、切替制御部12は、現時点から11秒後に最初のキーフレームが再生可能なようにタイムコードが設定された切替ストリームK2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これを送信する(
図3の(c))。このようなタイムコードを含む切替ストリームK2により、当該タイムコードの時点で(再生開始タイミングで)、最初のキーフレームが再生される。
【0056】
また、切替制御部12は、現時点から20秒後に最初のキーフレームが再生可能なようにタイムコードが設定された動画ストリームS2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これを送信する(
図3の(d))。このようなタイムコードを含む動画ストリームS2により、当該タイムコードの時点で(再生開始タイミングで)、最初のキーフレームが再生される。
【0057】
図2のステップS203の処理により切替ストリームK2のコンテンツ切替要求が送信されると、配信サーバ1から切替ストリームK2が配信される。切替制御部12は、切替ストリームK2の再生開始タイミングに到着したか否かを判定する(ステップS204)。
【0058】
具体的には、切替制御部12は、切替ストリームK2のコンテンツ切替要求を生成する際に決定した再生開始タイミングと、自らが管理している再生時間とを比較し、再生時間が再生開始タイミングに到着しているか否かを判定する。
【0059】
切替制御部12は、ステップS204において、切替ストリームK2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合(ステップS204:Y)、切替ストリームK側への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する(ステップS205)。これにより、切替ストリームK2がデバイス14にて再生される。切替制御部12は、時計15から入力した時間情報を用いて、切替ストリームK2の再生時間を管理する。
【0060】
前述の例では、切替ストリームK2がバッファ20-2に保存され、デコーダ11-2によりデコードされる(
図3の(e))。切替制御部12は、管理している動画ストリームS1の再生時間に基づいて、切替ストリームK2の再生開始タイミングである11秒に到着したと判定した場合、切替ストリームK2に切り替えるための切替信号を生成し(
図3の(f))、これを切替器13に出力する。これにより、切替器13は、切替ストリームK2を出力する(
図3の(g))、切替ストリームK2がデバイス14にて再生される。
【0061】
一方、切替制御部12は、ステップS204において、切替ストリームK2の再生開始タイミングに到着していないと判定した場合(ステップS204:N)、そのタイミングまで待つ。
【0062】
図2のステップS203の処理により動画ストリームS2のコンテンツ切替要求が送信されると、配信サーバ1から動画ストリームS2が送信される。切替制御部12は、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したか否かを判定する(ステップS206)。
【0063】
具体的には、切替制御部12は、動画ストリームS2の再生開始タイミングと、自らが管理している再生時間とを比較し、再生時間が再生開始タイミングに到着しているか否かを判定する。
【0064】
切替制御部12は、ステップS206において、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合(ステップS206:Y)、動画ストリームS側への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する(ステップS207)。これにより、動画ストリームS2がデバイス14にて再生される。
【0065】
前述の例では、動画ストリームS2がバッファ20-1に保存され、デコーダ11-1によりデコードされる(
図3の(h))。切替制御部12は、管理している切替ストリームK2の再生時間に基づいて、動画ストリームS2の再生開始タイミングである20秒(切替ストリームK2の再生開始タイミングから9秒)に到着したと判定した場合、動画ストリームS2に切り替えるための切替信号を生成し(
図3の(i))、これを切替器13に出力する。これにより、切替器13は、動画ストリームS2を出力し(
図3の(j))、動画ストリームS2がデバイス14にて再生される。
【0066】
一方、切替制御部12は、ステップS206において、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着していないと判定した場合(ステップS206:N)、そのタイミングまで待つ。
【0067】
切替制御部12は、当該処理が終了しない限り、
図2に示したステップS201~S207の処理を繰り返す(ステップS208)。
【0068】
以上のように、実施例1の動画ストリーム受信装置2によれば、切替制御部12は、ユーザによる切替操作に従い、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔、及び動画ストリームSよりも短い切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、切替ストリームK2における最初のキーフレームの再生開始タイミング及び動画ストリームS2における最初のキーフレームの再生開始タイミングを決定する。
【0069】
切替制御部12は、それぞれの再生開始タイミングにて最初のキーフレームを再生可能なように、切替ストリームK2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成すると共に、動画ストリームS2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これらを送信する。
【0070】
切替制御部12は、管理している再生時間に基づいて、切替ストリームK2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合、切替信号を切替器13に出力し、デバイス14に切替ストリームK2を再生させる。
【0071】
その後、切替制御部12は、管理している再生時間に基づいて、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合、切替信号を切替器13に出力し、デバイス14に動画ストリームS2を再生させる。
【0072】
これにより、ユーザによる切替操作に従い、まず、切り替え前の動画ストリームS1から切り替え後の切替ストリームK2に切り替わり、その後、切替ストリームK2から切り替え後の動画ストリームS2に切り替わる。
【0073】
切替ストリームKのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのそれよりも短いから、動画ストリームS1から切替ストリームK2に切り替える方が、動画ストリームS1から動画ストリームS2に直接切り替えるよりも、短時間の切り替えを実現することができる。この場合、切り替えはキーフレームであるランダムアクセスポイントにおいて行われるから、シームレスな切り替えが可能である。
【0074】
したがって、動画ストリームSのランダムアクセスポイントの間隔を短くすることなく、シームレスかつ高速に動画切り替えを行うことができる。
【0075】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。前述のとおり、実施例2の動画ストリーム受信装置は、通常時に、動画ストリームS1を受信すると共に、ランダムアクセスポイント間隔が短く、かつ低画質の低レート切替ストリームK1-Lを受信し、動画ストリームS1を再生する。そして、動画ストリーム受信装置は、動画切り替え時に、ランダムアクセスポイント間隔の短く、かつ切り替え後の高画質の高レート切替ストリームK2-Hを受信して再生する。その後、動画ストリーム受信装置は、切り替え後の動画ストリームS2を受信して再生する。実施例2では、実施例1の効果に加え、さらに画質低下を抑制することができる。
【0076】
図4は、実施例2の動画ストリーム受信装置を含む動画配信システムの全体構成例、及び動画ストリーム受信装置の構成例を示すブロック図である。この動画配信システムは、配信サーバ3及び動画ストリーム受信装置4を備えて構成される。配信サーバ3及び動画ストリーム受信装置4は、
図1に示した実施例1と同様に、伝送帯域及び伝送遅延が変動するインターネット等のネットワークにより接続される。
【0077】
(配信サーバ3)
配信サーバ3は、動画ストリーム受信装置4からの要求に応じて、動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hを配信するサーバである。
【0078】
具体的には、配信サーバ3は、図示しないエンコーダ等から動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hを受信するか、または図示しない記録装置から動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hを読み出す。そして、配信サーバ3は、複数種類の動画ストリームS、並びにそれぞれの動画ストリームSに対応する低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hを保持する。
【0079】
配信サーバ3は、動画ストリーム受信装置4からコンテンツ切替指示を受信し、コンテンツ切替指示に応じた動画ストリームS、低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hを特定する。そして、配信サーバ3は、コンテンツ切替指示に応じた動画ストリームS、低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hを、動画ストリーム受信装置4へ送信する。
【0080】
動画ストリームSは、動画コンテンツのストリームであり、動画ストリーム受信装置4に備えたデバイス14により再生される。また、低レート切替ストリームK-Lは、動画ストリームSと同一の動画コンテンツのストリームであり、低レートで送信されることから低画質である。また、高レート切替ストリームK-Hは、動画ストリームSと同一の動画コンテンツのストリームであり、高レートで送信されることから高画質であり、動画切り替え時に、デバイス14により再生される。
【0081】
低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのそれよりも短いものとする。これにより、動画ストリーム受信装置4は、動画切り替え時に、切り替え後の高レート切替ストリームK-Hを受信することで、高レート切替ストリームK-Hを、切り替え後の動画ストリームSよりも短い時間で再生することができる。
【0082】
したがって、ランダムアクセスポイント間隔の短い高レート切替ストリームK-Hを用いることで、高速に動画切り替えを行うことができる。また、動画切り替え時に、高レート切替ストリームK-Hが再生されるから、通常時だけでなく動画切り替え時も、高画質の再生を実現できる。さらに、通常時に、高レート切替ストリームK-Hの代わりに低レート切替ストリームK-Lを受信することで、ビットレートを抑えることができる。詳細については後述する。
【0083】
(動画ストリーム受信装置4)
動画ストリーム受信装置4は、
図1に示した実施例1と同様に、視聴者であるユーザの切替操作に従い、配信動画を切り替える視聴プレーヤーである。動画ストリーム受信装置4は、常時、動画コンテンツの動画ストリームSを受信すると共に、これと同一の動画コンテンツの低レート切替ストリームK-Lを受信する。そして、動画ストリーム受信装置4は、通常時に、動画ストリームSを再生し、切り替え時に、切り替え後の高レート切替ストリームK-Hを受信して再生し、その後、切り替え後の動画ストリームSを再生する。
【0084】
動画ストリーム受信装置4は、受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替制御部16、切替器13、デバイス14及び時計15を備えている。受信処理部10-1,10-2は、それぞれバッファ20-1,20-2を備えている。
【0085】
図1に示した実施例1の動画ストリーム受信装置2とこの動画ストリーム受信装置4とを比較すると、両動画ストリーム受信装置2,4は、受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替器13、デバイス14及び時計15を備えている点で共通する。一方、動画ストリーム受信装置4は、動画ストリーム受信装置2の切替制御部12とは異なる切替制御部16を備えている点で相違する。
【0086】
受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替器13、デバイス14及び時計15は、
図1に示した実施例1と同様であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
【0087】
実施例2では、受信処理部10-2は、配信サーバ3から、コンテンツ切替要求に応じた低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hを受信し、低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hをバッファ20-2に一時的に保存する。バッファ20-2に格納された低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hは、デバイス14による再生タイミングに合わせて、デコーダ11-2に読み出される。
【0088】
デコーダ11-2は、低レート切替ストリームK-Lまたは高レート切替ストリームK-Hをデコードし、デコードした動画K’を切替器13に出力する。
【0089】
切替制御部16は、時計15から時間情報を入力し、時間情報を用いて、デバイス14にて再生する動画S’(または動画K’)の時間を管理する。また、切替制御部16は、動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hにおけるそれぞれのランダムアクセスポイント間隔を管理する。
【0090】
切替制御部16は、ユーザによる動画コンテンツの切替操作があると、コンテンツ切替要求を生成し、コンテンツ切替要求を図示しない送信処理部から配信サーバ3へ送信する。
【0091】
また、切替制御部16は、ユーザによる切替操作に従い、所定のタイミングにて、動画S’から動画K’への切替信号、または動画K’から動画S’への切替信号を生成し、切替信号を切替器13に出力する。
【0092】
具体的には、切替制御部16は、ユーザによる切替操作に従い、切り替え後の高レート切替ストリームK-Hの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成すると共に、切り替え後の動画ストリームSの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成する。そして、切替制御部16は、これらのコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ3へ送信する。
【0093】
切替制御部16は、切り替え後の高レート切替ストリームK-Hの再生開始タイミングを判定すると、動画S’から動画K’への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する。これにより、切替器13において、切り替え前の動画S’から切り替え後の動画K’に切り替わり、デバイス14において、切り替え後の動画K’が再生される。
【0094】
切替制御部16は、切り替え後の動画ストリームSの再生開始タイミングを判定すると、動画K’から動画S’への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する。これにより、切替器13において、切り替え後の動画K’から切り替え後の動画S’に切り替わり、デバイス14において、切り替え後の動画S’が再生される。
【0095】
(切替制御部16)
次に、
図4に示した動画ストリーム受信装置4の切替制御部16について詳細に説明する。
図5は、実施例2における切替制御部16の処理例を示すフローチャートであり、
図6は、実施例2における信号のタイミングを説明するタイムチャートである。
【0096】
切替制御部16は、
図1に示した実施例1と同様に、予め、動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hにおけるそれぞれのランダムアクセスポイント間隔を管理している。この場合、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔よりも短い。
【0097】
まず、動画ストリーム受信装置4は、通常時に、動画ストリームS1及び低レート切替ストリームK1-Lを受信しているものとする。
図6に示すように、デコーダ11-1により動画ストリームS1がバッファ20-1から読み出されてデコードされ、デコーダ11-2により低レート切替ストリームK1-Lがバッファ20-2から読み出されてデコードされ、切替器13から動画ストリームS1が出力されているものとする(
図6の(a))。つまり、動画ストリームS1が、デバイス14にて再生されている。
【0098】
また、切替制御部16は、
図1に示した切替制御部12と同様に、時計15から入力した時間情報を用いて、動画ストリームS1の再生時間を管理しており、つまり、動画ストリームS1のキーフレームの時間を管理している。
【0099】
図5を参照して、切替制御部16は、ユーザによる切替操作の入力があるか否かを判定する(ステップS501)。切替制御部16は、ステップS501において、ユーザによる切替操作の入力があると判定した場合(ステップS501:Y)、動画ストリームS2及び高レート切替ストリームK2-Hの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成する(ステップS502)。
【0100】
切替制御部16は、バッファ20-2に空きがある場合、高レート切替ストリームK2-Hのコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ3へ送信し、バッファ20-1に空きがある場合、動画ストリームS2のコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ3へ送信する(ステップS503)。
【0101】
一方、切替制御部16は、ステップS501において、ユーザによる切替操作の入力がないと判定した場合(ステップS501:N)、切替操作の入力があるまで待つ。
【0102】
具体的には、切替制御部16は、ユーザによる切替操作に従い、動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hにおけるそれぞれのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、高レート切替ストリームK2-Hの最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを決定する。また、切替制御部16は、同様に、動画ストリームS2の最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを決定する。
【0103】
尚、切替制御部16は、動画ストリームS、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hにおけるそれぞれのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、ユーザによる切替操作があるときを基準としたそれぞれの再生開始タイミングを、予め決定しておくようにしてもよい。
【0104】
前述の例と同様に、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔が10秒、低レート切替ストリームK-L及び高レート切替ストリームK-Hのランダムアクセスポイント間隔が1秒である場合を想定する。
【0105】
切替制御部16は、ユーザによる切替操作に従い(
図6の(b))、高レート切替ストリームK2-Hの最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを、現時点から11秒後であると決定する。また、切替制御部16は、動画ストリームS2の最初のキーフレームを再生する再生開始タイミングを、現時点から20秒後であると決定する。
【0106】
そして、切替制御部16は、現時点から11秒後に最初のキーフレームが再生可能なようにタイムコードが設定された高レート切替ストリームK2-Hの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これを送信する(
図6の(c))。このようなタイムコードを含む高レート切替ストリームK2-Hにより、当該タイムコードの時点で、最初のキーフレームが再生される。
【0107】
また、切替制御部16は、現時点から20秒後に最初のキーフレームが再生可能なようにタイムコードが設定された動画ストリームS2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これを送信する(
図6の(d))。このようなタイムコードを含む動画ストリームS2により、当該タイムコードの時点で、最初のキーフレームが再生される。
【0108】
図5のステップS503の処理により高レート切替ストリームK2-Hのコンテンツ切替要求が送信されると、配信サーバ3から高レート切替ストリームK2-Hが送信される。切替制御部16は、高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングに到着したか否かを判定する(ステップS504)。
【0109】
具体的には、切替制御部16は、高レート切替ストリームK2-Hのコンテンツ切替要求を生成する際に決定した再生開始タイミングと、自らが管理している再生時間とを比較し、再生時間が再生開始タイミングに到着しているか否かを判定する。
【0110】
切替制御部16は、ステップS504において、高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングに到着したと判定した場合(ステップS504:Y)、切替ストリームK側への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する(ステップS505)。これにより、高レート切替ストリームK2-Hがデバイス14にて再生される。切替制御部16は、時計15から入力した時間情報を用いて、高レート切替ストリームK2-Hの再生時間を管理する。
【0111】
前述の例では、高レート切替ストリームK2-Hがバッファ20-2に保存され、デコーダ11-2によりデコードされる(
図6の(e))。切替制御部16は、管理している動画ストリームS1の再生時間に基づいて、高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングである11秒に到着したと判定した場合、高レート切替ストリームK2-Hに切り替えるための切替信号を生成し(
図6の(f))、これを切替器13に出力する。これにより、切替器13は、高レート切替ストリームK2-Hを出力し(
図6の(g))、高レート切替ストリームK2-Hがデバイス14にて再生される。
【0112】
一方、切替制御部16は、ステップS504において、高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングに到着していないと判定した場合(ステップS504:N)、そのタイミングまで待つ。
【0113】
図5のステップS503の処理により動画ストリームS2のコンテンツ切替要求が送信されると、配信サーバ3から動画ストリームS2が送信される。切替制御部16は、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したか否かを判定する(ステップS506)。
【0114】
具体的には、切替制御部16は、動画ストリームS2のコンテンツ切替要求を生成する際に決定した再生開始タイミングと、自らが管理している再生時間とを比較し、再生時間が再生開始タイミングに到着しているか否かを判定する。
【0115】
切替制御部16は、ステップS506において、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合(ステップS506:Y)、動画ストリームS側への切替信号を生成し、当該切替信号を切替器13に出力する(ステップS507)。これにより、動画ストリームS2がデバイス14にて再生される。
【0116】
前述の例では、動画ストリームS2がバッファ20-1に保存され、デコーダ11-1によりデコードされる(
図6の(h))。切替制御部16は、管理している高レート切替ストリームK2-Hの再生時間に基づいて、動画ストリームS2の再生開始タイミングである20秒(高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングから9秒)に到着したと判定した場合、動画ストリームS2に切り替えるための切替信号を生成し(
図6の(i))、これを切替器13に出力する。これにより、切替器13は、動画ストリームS2を出力し(
図6の(j))、動画ストリームS2がデバイス14にて再生される。
【0117】
一方、切替制御部16は、ステップS506において、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着していないと判定した場合(ステップS506:N)、そのタイミングまで待つ。
【0118】
切替制御部16は、ステップS507から移行して、低レート切替ストリームK2-Lの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成する(ステップS508)。
【0119】
切替制御部16は、バッファ20-2に空きがある場合、低レート切替ストリームK2-Lのコンテンツ切替要求を、図示しない送信処理部から配信サーバ3へ送信する(ステップS509)。これにより、配信サーバ3から低レート切替ストリームK2-Lが送信される。
【0120】
前述の例では、低レート切替ストリームK2-Lのコンテンツ切替要求が送信されると(
図6の(k))、配信サーバ3から低レート切替ストリームK2-Lが送信される。そして、低レート切替ストリームK2-Lがバッファ20-2に保存され、デコーダ11-2によりデコードされる(
図6の(l))。低レート切替ストリームK2-Lはデコードされるが、切替器13にて切り替えられないから、デバイス14は、低レート切替ストリームK2-Lを再生することはない。
【0121】
切替制御部16は、当該処理が終了しない限り、
図5に示したステップS501~S509の処理を繰り返す(ステップS510)。
【0122】
以上のように、実施例2の動画ストリーム受信装置4によれば、切替制御部16は、ユーザによる切替操作に従い、動画ストリームSのランダムアクセスポイント間隔、及び動画ストリームSよりも短い高レート切替ストリームK-H及び低レート切替ストリームK-Lのランダムアクセスポイント間隔に基づいて、高レート切替ストリームK2-Hにおける最初のキーフレームの再生開始タイミング及び動画ストリームS2における最初のキーフレームの再生開始タイミングを決定する。
【0123】
切替制御部16は、それぞれの再生開始タイミングにて最初のキーフレームを再生可能なように、高レート切替ストリームK2-Hの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成すると共に、動画ストリームS2の送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これらを送信する。
【0124】
切替制御部16は、管理している再生時間に基づいて、高レート切替ストリームK2-Hの再生開始タイミングに到着したと判定した場合、切替信号を切替器13に出力し、デバイス14に高レート切替ストリームK2-Hを再生させる。
【0125】
その後、切替制御部16は、管理している再生時間に基づいて、動画ストリームS2の再生開始タイミングに到着したと判定した場合、切替信号を切替器13に出力し、デバイス14に動画ストリームS2を再生させる。
【0126】
切替制御部16は、低レート切替ストリームK2-Lの送信を要求するコンテンツ切替要求を生成し、これを送信する。
【0127】
これにより、ユーザによる切替操作に従い、まず、切り替え前の動画ストリームS1から切り替え後の高レート切替ストリームK2-Hに切り替わり、その後、高レート切替ストリームK2-Hから切り替え後の動画ストリームS2に切り替わる。
【0128】
高レート切替ストリームK2-Hのランダムアクセスポイント間隔は、動画ストリームSのそれよりも短いから、動画ストリームS1から高レート切替ストリームK2-Hに切り替える方が、動画ストリームS1から動画ストリームS2に直接切り替えるよりも、短時間の切り替えを実現することができる。この場合、切り替えはキーフレームであるランダムアクセスポイントにおいて行われるから、シームレスな切り替えが可能である。
【0129】
したがって、実施例1と同様に、動画ストリームSのランダムアクセスポイントの間隔を短くすることなく、シームレスかつ高速に動画切り替えを行うことができる。また、切り替え時に再生される高レート切替ストリームK2-Hは高画質であるから、切り替え時の画質劣化を抑制することができる。
【0130】
また、切り替え前は、動画ストリームS1及び低レート切替ストリームK1-Lが受信され、切り替え後は、動画ストリームS2及び低レート切替ストリームK2-Lが受信される。いずれも、通常時には、高レート切替ストリームK1-H,K2-Hは受信されないから、ビットレートを抑えることができる。
【0131】
以上、実施例1,2を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、配信サーバ1,3は、所定レートの動画ストリームSを配信するようにしたが、アダプティブストリーミングができるように、複数レートの動画ストリームSをそれぞれ配信するようにしてもよい。
【0132】
尚、本発明の実施形態による動画ストリーム受信装置2,4のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。動画ストリーム受信装置2,4は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
【0133】
動画ストリーム受信装置2に備えた受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替制御部12、切替器13、デバイス14及び時計15の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、動画ストリーム受信装置4に備えた受信処理部10-1,10-2、デコーダ11-1,11-2、切替制御部16、切替器13、デバイス14及び時計15の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
【0134】
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
【符号の説明】
【0135】
1,3 配信サーバ
2,4 動画ストリーム受信装置
10 受信処理部
11 デコーダ
12,16 切替制御部
13 切替器
14 デバイス
15 時計