(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】外科手術用四肢位置決め装置
(51)【国際特許分類】
A61G 13/12 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
A61G13/12 B
(21)【出願番号】P 2019537363
(86)(22)【出願日】2018-01-22
(86)【国際出願番号】 US2018014663
(87)【国際公開番号】W WO2018140346
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-15
(32)【優先日】2017-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・カタッチオ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ザヒナクス
(72)【発明者】
【氏名】ウィル・オーベンドルフ
(72)【発明者】
【氏名】グラハム・スミス
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8273047(US,B1)
【文献】米国特許第5775334(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用の四肢位置決め装置であって、
近位端と、遠位端と、それらの間に延在する長手方向軸とを有する、細長い中空のブーム部材と、
前記ブーム部材内に配置され、前記長手方向軸に沿って移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジの第一の側面に取り付けられ、前記ブーム部材の近位端に位置する第一の穴において前記ブーム部材から抜け出る、第一の可撓性部材であって、前記第一の可撓性部材の自由端がウエイトに取り付けられるよう構成される、第一の可撓性部材と、
前記可撓性部材が前記ブーム部材の前記長手方向軸に対して回転できないように、
前記キャリッジの第二の側面に取り付けられた第二の可撓性部材であって、前記第二の可撓性部材が、前記ブーム部材の遠位端に位置する第二の穴において前記ブーム部材から抜け出る、第二の可撓性部材と、
ドレープアセンブリへの減菌接続を形成するために前記第二の可撓性部材の自由端に取り付けられたコネクタアセンブリと、を備え、
前記コネクタアセンブリおよび前記ドレープアセンブリのうちの一つが、患者の手術中の四肢を予め選択された位置に維持するように構成された回転防止機構を備える、装置。
【請求項2】
前記ブーム部材が略正方形の管である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記キャリッジが車輪付キャリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の可撓性部材がワイヤーロープである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第二の可撓性部材が金属コードである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ブーム部材の遠位端に取り付けられた弓形部分をさらに含み、前記第二の可撓性部材が、前記弓形部分内に収容された複数のプーリを通して経路指定され、前記プーリが前記第二の可撓性部材に追加的な回転防止抵抗を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コネクタアセンブリが、前記第二の可撓性部材の前記自由端に取り付けられたレシーバと、前記レシーバに取り外し可能に結合するためのコネクタとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コネクタの
第一の端がピンを備え、前記レシーバが前記ピンを受けるための開口部を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コネクタの第二の端が突起部を含み、前記ドレープアセンブリが前記突起部に取り外し可能に結合するための穴を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記コネクタの少なくとも一部分が減菌されている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記回転防止機構が、前記コネクタ内に配置されたトルクインサートである、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
四肢位置決め装置で使用するためのコネクタアセンブリであって、前記コネクタアセンブリが、
前記四肢位置決め装置の可撓性部材の自由端に取り付けられたレシーバと、
前記レシーバに取り外し可能に結合するためのコネクタであって、前記コネクタの第一の端がピンを含み、前記コネクタの第二の端が突起部を含む、コネクタと、を備え、
前記レシーバが前記ピンを受けるための開口部を含み、
患者の手術中の四肢を保持するためのドレープアセンブリが、前記突起部に取り外し可能に結合するための穴を含む、コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記コネクタの少なくとも一部分が減菌されている、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記突起部がT字形状の突起部である、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記コネクタが、前記患者の前記手術中の腕を予め選択された位置に維持するように構成された回転防止機構を備える、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記回転防止機構が、前記コネクタ内に配置されたトルクインサートである、請求項15に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して医療手技の間に患者の四肢を位置決めるために使用される装置に関連し、より具体的には、肩の外科手術中に患者の肩および腕を位置付けるために使用される装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
肩の整形外科手術には、膝の外科手術などの他の外科手術では遭遇しない複雑さが伴う。例えば、肩の外科手術中、光源、視覚スコープ、および外科手術ツールなどの器具のためのアクセスを提供するために、患者の肩関節を通してポートまたは切開が配置される。しかしながら、新たなポートを作り出すことなく、外科医が、手術中の四肢を回転させてそれを新たな位置に保持することによって、間接の異なる領域へのアクセスを得ることが望ましい場合がある。これは、通常、医師の助手によって手動で行われ、助手は、腕を回転させて、外科医がタスクを完了することができるのに必要な間、新たな位置で保持しなければならない。これにより、この間助手はこれ以外のことはできず、助手を疲労させ、一貫性のない患者の腕の位置決めに結び付きうる。
【0003】
外科手術中に体の部位を支持および位置決めするための特別な機械的位置決め装置が開発されてきた。これらの装置は、そこからコードがブーム部材を通して経路指定される、患者の四肢に取り付けられたドレープを含みうる。ブーム部材から延在するコードの他方の端は、コードに張力を印加して四肢上に所望の牽引力を達成するよう、選択的に荷重される。しかしながら、これらの装置を調整して新たな四肢の位置を得るには依然としてアシスタントを使う必要があり、これは四肢の最適な位置決めを妨げうる。さらに、手術中の減菌術野を維持することが重要であるため、非減菌位置決め装置と滅菌外科用ドレープとの間のギャップを埋めることが課題である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載されるのは、特別に設計された、四肢懸架システムの可撓性の非回転セグメントに取り付けられた使い捨てラップまたはドレープを含む、肩の外科手術中に手術中の四肢の回転を制御する装置である。本開示の四肢懸架システムは、1)耐久性のある装置の一部であり、四肢がシステムから懸架されて牽引ウエイトが加えられることを可能にするが、ケーブルまたはその他の接続部材がその軸を中心として回転しないように構成される、機構と、2)耐久性のある非減菌装置と、患者が接触している使い捨て減菌ドレープとの間の界面として作用する減菌コネクタと、3)患者の手術中の腕に固定される使い捨てドレープ、の三つの部品からなる。滅菌コネクタおよび使い捨てドレープのうちの一つは、手動で所定位置に保持する必要なく、医師が四肢を回転させて任意の所望の位置で保持することを可能にする機能を含む。有利なことに、本開示の装置は、助手を不要とし、さらに手術の滅菌野も維持する。
【0005】
本開示の外科手術用の四肢位置決め装置のさらなる実施例は、好適な任意の組み合わせで、以下のうちの一つ以上を含み得る。
【0006】
本開示の外科手術用の四肢位置決め装置の例には、近位端、遠位端およびそれらの間に延在する長手方向軸を有する細長い中空のブーム部材が含まれる。装置は、ブーム部材内に配置され、長手方向軸に沿って移動可能なキャリッジを有する。装置はさらに、キャリッジの第一の側に取り付けられ、ブーム部材の近位端に位置する第一の穴においてブーム部材から抜け出る、第一の可撓性部材を含む。第一の可撓性部材の自由端は、ウエイトに取り付けられるよう構成される。装置はさらに、可撓性部材がブーム部材の長手方向軸に対して回転しないように、キャリッジの第二の端に取り付けられた第二の可撓性部材を有する。第二の可撓性部材は、ブーム部材の遠位端に位置する第二の穴においてブーム部材から抜け出る。装置はさらに、ドレープアセンブリへの減菌接続を形成するために第二の可撓性部材の自由端に取り付けられたコネクタアセンブリを含む。コネクタアセンブリおよびドレープアセンブリのうちの一つは、患者の手術中の四肢を予め選択された位置に維持するように構成された回転防止機構を有する。
【0007】
装置のさらなる例において、ブーム部材は概して正方形の管であり、キャリッジは車輪付きキャリッジである。第一の可撓性部材はワイヤーロープであり、第二の可撓性部材は金属コードである。装置はさらに、ブーム部材の遠位端に取り付けられた弓形部分を含む。第二の可撓性部材は、弓形部分内に収容される複数のプーリを通して経路指定される。プーリは、第二の可撓性部材に追加的な回転防止抵抗を提供する。実施例において、コネクタアセンブリは、第二の可撓性部材の自由端に取り付けられたレシーバと、レシーバに取り外し可能に結合するためのコネクタとを含む。コネクタの第一の端はピンを含み、レシーバはピンを受けるための開口部を有する。コネクタの第二の端は突起部を含み、ドレープアセンブリは突出部に取り外し可能に結合するための穴を有する。コネクタの少なくとも一部分は滅菌状態である。実施例において、回転防止機構はコネクタ内に配置されたトルクインサートである。
【0008】
本開示の四肢位置決め装置で使用するためのコネクタアセンブリの例は、四肢位置決め装置の可撓性部材の自由端に取り付けられたレシーバと、レシーバに取り外し可能に結合するためのコネクタとを含む。コネクタの第一の端はピンを含み、コネクタの第二の端は突起部を含む。レシーバは、ピンを受けるための開口部を有し、患者の手術中の四肢を保持するためのドレープアセンブリは、突起部に取り外し可能に結合するための穴を有する。実施例において、突起部はT字形状の突起部である。コネクタは、患者の手術中の四肢を予め選択された位置に維持するように構成された回転防止機構を有する。実施例において、回転防止機構はコネクタ内に配置されたトルクインサートである。
【0009】
本開示の外科手術中に四肢を位置決めする方法の例は、上述の通り、患者の手術中の四肢を四肢位置決め装置のドレープアセンブリ内に配置し、患者の手術中の四肢を予め選択された位置に回転させることを含む。回転防止機構は、患者の手術中の四肢を予め定められた位置に維持するように構成される。実施例において、回転防止機構はコネクタ内に配置されたトルクインサートである。
【0010】
これらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および関連する図面のレビューから明らかであろう。前述の一般的説明および以下の詳細な説明はともに、説明するためのものであり、特許請求の範囲の態様は限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、以下の図に関連して、詳細な説明を参照してより完全に理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本開示の四肢位置決め装置の使用を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1の外科手術用ドレープアセンブリおよび四肢位置決め装置に取り付けられたコネクタアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、異なる実施例で示されているかどうかにかかわらず、同一の構成要素には同一の参照番号が与えられている。明瞭かつ簡潔な方法で実施例を説明するために、図面は必ずしも縮尺ではない場合があり、ある特定の特徴が何らかの概略的形態で示され得る。一実施例に関して記述および/または図示された特徴は、一つまたは複数の他の実施例、および/または、他の実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに、同一の方法または類似の方法で使用されてもよい。
【0013】
本明細書および請求項において使用される場合、本発明を説明および定義する目的のために、「約」および「実質的に」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、またはその他の表現に起因しうる不確実性の固有の程度を表す。「約」および「実質的に」という用語はまた、本明細書において、問題における主題の基本的機能の変化をもたらすことなく、定量的表現が指定された参照から変化し得る程度を表すのに使用される。「備える」、「含む」、および/またはそれぞれの複数形は非限定であり、列挙された部品を含み、列挙されていないさらなる部品を含み得る。「および/または」は非限定であり、一つ以上の列挙された部品および列挙された部品の組み合わせを含む。
【0014】
ここで
図1を参照すると、本開示の四肢位置決め装置10の例が概略的に示されており、その構成要素部分は以下でより詳細に説明する。
図1では、患者12は、一般的な手術台22の上に横たわって外科手術の準備が整った状態で示されている。手術台22は、手術室の床上の適切なスタンドまたは支持体24によって支持されている。手術される腕26の前腕は、外科用滅菌ドレープアセンブリ28内に包まれている。金属コードでありうる非減菌可撓性駆動シャフト30は、ドレープアセンブリ28に固定され、細長いブーム部材36を通して経路指定される。ブーム部材36は、近位端32および遠位端34を有する概して正方形の管の形態でありうる。ブーム部材36は、容易に清潔にされる外表面を維持するために、ステンレス鋼またはその他の適切な材料で製造されうる。
【0015】
図1では、ブーム部材36は、手術台22に固定された状態で示されている。駆動シャフト30は、ブーム部材36の遠位端で複数のプーリ40上にねじ込まれ、コネクタアセンブリ44を介してドレープアセンブリ28に取り付けられる。コネクタアセンブリ44は、以下にさらに説明するように、非滅菌駆動シャフト30および滅菌ドレープアセンブリ28を接続するように構成される。ワイヤーロープ38でありうる別の可撓性部材は、ブーム部材36の近位端32から延在し、駆動シャフト30を張力下に置き、患者12のアーム26上に所望の牽引力を達成するように、選択的に印加されたウエイト14に取り付けられるように構成される。
【0016】
ここで
図2A~2Cを参照すると、近位端から32から(
図2A)および遠位端34から(
図2B~2C)見た、ブーム部材36の切り欠き詳細図が示されている。
図2Aでは、キャリッジ46がブーム部材36内に配置され、その中で軸方向移動するように構成されていることが分かる。例えば、キャリッジ46は車輪付きキャリッジであってもよい。ワイヤーロープ38は、キャリッジ46の第一の側に取り付けられ、ブーム部材36の近位端32に向かって延在する。駆動シャフト30は、キャリッジ46の反対側に取り付けられ、ブーム部材36の遠位端34に向かって延在する。特に、駆動シャフト30は、その長手方向軸を中心に回転できないように、キャリッジ46に強固に取り付けられる。さらに、
図2Cに示すように、駆動シャフト30はブーム部材36の穴52から抜け出て、ブーム部材36の遠位端34に取り付けられた弓形部分48内に収容された複数のプーリ40a、40b、40c、40dの上に経路指定される。プーリ40a、40b、40c、40dは、駆動シャフト30に対する追加的な回転防止抵抗を提供する。四つのプーリが
図2Cに図示されているが、四つよりも多い、または四つよりも少ないプーリが本開示によって意図されている。
【0017】
図3Aは、遠位端34から見たブーム部材36のさらなる切り欠き詳細図である。ブーム部材36の近位端32において、ワイヤーロープ38は穴(図示せず)を通って抜け出て、単一のプーリ42上に経路指定される。フック、シンブル、またはその他の適切な部材39は、それにカウンターウエイトが加えられるワイヤーロープ38の自由端に取り付けられる。駆動シャフト30の自由端には、強固に取り付けられたレシーバ50がある。
図3Aでは、レシーバ50は六角形の雌受容部である。しかし、その他の適切な形状および構成のレシーバ50が本開示によって意図されている。
【0018】
レシーバ50の六角形内表面51は、
図3Bにおいてより詳細に分かる。
図3Bに示すように、レシーバ50は、ばね53、または下記にさらに説明する通り、インサート部材と取り外し可能に係合するためのその他の要素を含みうる。駆動シャフト30はその長手方向軸を中心に回転できないため、レシーバ50は有利なことに、キャリッジ46に対して常に同一の回転配向にある。その他の実施例では、図示されていないが、駆動シャフト30の追加的な回転防止機構がさらに、レシーバ50内に直接構築されてもよい。例えば、回転に対する抵抗は、特注のクラッチ機構または市販のクラッチ機構のいずれかによって達成されうる。こうして、駆動シャフト30は、X、YおよびZ方向における自由から利益を得るとともに、制御された軸方向回転をなおも維持する。
【0019】
上述のように、手術中に、耐久性のある非滅菌装置と患者が接触している滅菌ドレープとの間のギャップを埋めるために、滅菌接続が必要である。
図4Aおよび4Bに示すように、これは、二端の滅菌コネクタ54によって達成される。滅菌コネクタ54は、ポリマー、金属またはその他の適切な材料で作製されてもよく、使用後に廃棄されることが意図されている。滅菌コネクタ54の一端は、
図4Bに示す通り、駆動シャフト30のレシーバ50内に挿入するためのピン56を備える。例えば、ピン56は、レシーバ50の六角形内部51に挿入するための六角ピンであってもよい。ピン56は、バネ53(
図3B)またはその他の適切な部材を介してレシーバの内側に取り外し可能に固定されうる。滅菌コネクタ54の他方の端は、T字形状の突起部58を含み、その目的は以下でより詳細に説明する。
【0020】
次に
図5Aを参照すると、使い捨てドレープアセンブリ28は、二つの部品、円筒形部分60およびラップ部分62から成ることが分かる。円筒形部分60およびラップ部分62のいずれかまたは両方は、ポリマー、金属、繊維またはその他の適切な材料で作製されてもよく、使用後に廃棄されることが意図されている。
図5Bに示すように、円筒形部分60は、T字形状の突起部58を受けて整列させるように構成された穴64を一方の端に有する。ラップ部分62は、一体型スリング70を備えた剛直なプレート66を含み、その中に患者の手術中アームの手が固定される。スリング70は、発泡体、ゴム、繊維またはその他の適切な材料で作製されうる。剛直なプレート66は、円筒形部分60上に取り付けるための中央穴68を含む。重要なことに、穴68は、ドレープアセンブリ28がラップ部分62と円筒形部分60との間の自然摩擦に対して回転しうるように、円筒形部分60と締まりばめを形成するように構成される。有利なことに、摩擦は、手動で所定位置に保持する必要なく、患者の腕を新たな位置に維持するのに十分である。
【0021】
図6は、代替的な回転防止機構を含む減菌コネクタ154の別の例を示す。滅菌コネクタ154は、外科用ドレープアセンブリ(図示せず)の一部を形成してもよく、またスリーブ(図示せず)によって部分的または完全に覆われてもよい。
図6に示すように、滅菌コネクタ154のおおよそ中心に、ラッチ172およびラッチロック174を含む。ラッチ172から延在するのは、T字形状の突起部158に結合される第一の本体部分176である。ラッチロック176から延在するのは、ピン156に結合される第二の本体部分178である。滅菌コネクタ154の第二の本体部分178内に配置されるのは、トルクインサート180である。トルクインサート180は、REELL Precision Manufacturing、Inc.、St.Paul Minnesota、Inc.製のTI-300シリーズトルクインサートなどの市販トルクインサートであってもよく、参照により本明細書に組み込まれる。トルクインサート180は、一方の端上でピン156に接続され、他方の端でT字形状の突起部158に接続される。トルクインサート180は非減菌状態であり、再使用可能であることが意図される。この例では、
図5Bに関して上述した使い捨てドレープアセンブリ28の回転防止機構が、そのために滅菌コネクタ154の一部として直接組み込まれる。有利なことに、この構成は、構成要素の変動および環境条件(例えば、湿潤または乾燥)に起因するトルク値の変動を低減し、製造費用も低減する。さらに、外科用ドレープアセンブリ全体を使い捨てとすることを可能にする。
【0022】
図7は、
図1に図示するように、四肢の位置決め装置10および外科用ドレープアセンブリ28の両方に取り付けられた完全なコネクタアセンブリ44(すなわち、レシーバ50およびコネクタ54、154)を示す。コネクタアセンブリ44は有利なことに、外科医が滅菌野を損なうことなく手術中に四肢位置決め装置10を動作させることを可能にする。さらに、患者の手術中の腕は、滅菌野を損うことなく、四肢位置決め装置10に取り付けおよびこれから取り外すことができる。
【0023】
本開示はその好ましい実施形態の参照により特に示され、記述されてきたが、当業者は、添付の請求項により定義される本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中に形態や詳細において様々な変更を行うことができることを理解するであろう。こうした変形は、本出願の範囲によって覆われることが意図される。このように、本出願の実施形態の前述の説明は、制限することを意図しておらず、むしろ、添付の特許請求によって全範囲が伝えられる。