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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】ガス溶解液製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20220418BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20220418BHJP
【FI】
B01F1/00 A
B01F15/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018030411
(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公開番号】P2019141813
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋一
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-000878(JP,A)
【文献】特開2011-136286(JP,A)
【文献】特開2003-236354(JP,A)
【文献】特開2003-053169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-25/90
B01F 35/00-35/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス溶解液の原料となるガスを供給するガス供給部と、
前記ガス溶解液の原料となる液体を供給する液体供給部と、
前記液体供給部から供給された液体に前記ガス供給部から供給されたガスを溶解させて、ガス溶解液を生成するガス溶解液生成部と、
を備え、
前記ガス溶解液生成部は、
第1最適流量を有する第1ガス溶解部と、
前記第1最適流量と異なる第2最適流量を有する第2ガス溶解部と、
前記液体供給部から供給される液体の流量を検知する流量検知部と、
前記流量検知部で検知された前記液体の流量に基づいて、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部のいずれに供給するか制御する制御部と、
を備え、
前記第1最適流量は、前記第1ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第1ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第2最適流量は、前記第2ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第2ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部は、直列に接続され、
前記制御部は、
前記流量検知部で検知された流量が前記第2ガス溶解部の最適流量より前記第1ガス溶解部の最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部に供給する制御を行い、
前記流量検知部で検知された流量が前記第1ガス溶解部の最適流量より前記第2ガス溶解部の最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第2ガス溶解部に供給する制御を行う、ことを特徴とするガス溶解液製造装置。
【請求項2】
直列に接続された前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部が、二つ並列に設けられ、
前記第1最適流量は、前記第2最適流量より小さく、
前記第1ガス溶解部は、前記第2ガス溶解部より前記液体供給部に近い上流側に配置される、請求項に記載のガス溶解液製造装置。
【請求項3】
ガス溶解液の原料となるガスを供給するガス供給部と、
前記ガス溶解液の原料となる液体を供給する液体供給部と、
前記液体供給部から供給された液体に前記ガス供給部から供給されたガスを溶解させて、ガス溶解液を生成するガス溶解液生成部と、
を備え、
前記ガス溶解液生成部は、
第1最適流量を有する第1ガス溶解部と、
前記第1最適流量と異なる第2最適流量を有する第2ガス溶解部と、
前記液体供給部から供給される液体の流量を検知する流量検知部と、
前記流量検知部で検知された前記液体の流量に基づいて、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部のいずれに供給するか制御する制御部と、
を備え、
前記第1最適流量は、前記第1ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第1ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第2最適流量は、前記第2ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第2ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部は、並列に接続され、
前記制御部は、
前記流量検知部で検知された流量が前記第2最適流量より前記第1最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスおよび前記液体供給部から供給された液体を前記第1ガス溶解部に供給する制御を行い、
前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量より前記第2最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスおよび前記液体供給部から供給された液体を前記第2ガス溶解部に供給する制御を行う、ことを特徴とするガス溶解液製造装置。
【請求項4】
ガス溶解液の原料となるガスを供給するガス供給部と、
前記ガス溶解液の原料となる液体を供給する液体供給部と、
前記液体供給部から供給された液体に前記ガス供給部から供給されたガスを溶解させて、ガス溶解液を生成するガス溶解液生成部と、
を備え、
前記ガス溶解液生成部は、
第1最適流量を有する第1ガス溶解部と、
前記第1最適流量と異なる第2最適流量を有する第2ガス溶解部と、
前記第1最適流量と前記第2最適流量のいずれとも異なる第3最適流量を有する第3ガス溶解部と、
前記液体供給部から供給される液体の流量を検知する流量検知部と、
前記流量検知部で検知された前記液体の流量に基づいて、前記ガス供給部から供給されたガスを、前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部、または、前記第3ガス溶解部、のいずれに供給するか制御する制御部と、
を備え、
前記第1最適流量は、前記第1ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第1ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第2最適流量は、前記第2ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第2ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第3最適流量は、前記第3ガス溶解部に供給される液体の流量であって、前記液体供給部から供給される液体に前記ガス供給部から供給されるガスを前記第3ガス溶解部で溶解させるときにガス溶解効率が最適となる前記液体の流量であり、
前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部と前記第3ガス溶解部は、並列に接続され、
前記制御部は、
前記流量検知部で検知された流量が前記第3最適流量より前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部に供給する制御を行い、
前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量より前記第3最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第3ガス溶解部に供給する制御を行う、ことを特徴とするガス溶解液製造装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量と前記第3最適流量との中間値に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部に供給する制御を行う、請求項に記載のガス溶解液製造装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量と前記第3最適流量との中間値に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第3ガス溶解部に供給する制御を行う、請求項に記載のガス溶解液製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体にガスを溶解させてガス溶解液を製造するガス溶解液製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス工場や液晶などの電子部品製造工場における製品の洗浄は、製造プロセスの複雑化、回路パターンの微細化に伴ってますます高度化している。例えば、機能水(超純水など)に高純度のガスまたは高純度ガスと薬品とを溶解した特殊な液体(洗浄液と呼ばれる)を使用して、シリコンウエハに付着した微粒子、金属、有機物などを除去している。
【0003】
機能水としては、純水にオゾンガスを溶解したオゾン水が用いられる。オゾン水は、一般的にオゾン水製造装置で製造されるが、製造するオゾン水の流量(必要とされるオゾン水の流量)は、ユースポイントでの使用状況によって変動する。
【0004】
従来のオゾン水製造装置では、純水にオゾンガスを溶解するためのノズルが使用されている(例えば特許文献1参照)。ノズルは、ノズルに通水する純水の流量によりオゾンガスの溶解効率が変化する。また、ノズルには、オゾン水濃度(オゾン水に溶解しているオゾンの濃度)と流量によって、オゾン水濃度の安定性が悪くなる領域が存在する(図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-75838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のオゾン水製造装置では、以下のような問題があった。まず、ノズルには、オゾン溶解効率(水にオゾンを溶解させる効率)を最適にする流量(最適流量)が存在しており、ノズルに供給される純水の流量が最適流量を外れると、オゾン溶解効率が低くなり、所望の濃度のオゾン水を生成するためにより多くのオゾンガスが必要になる、すなわち、オゾンガスの使用量が増加するという問題があった。また、ノズルに供給する純水の流量が最適流量より過度に低いと、ノズルで生成されるオゾン水の濃度の安定性が低くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ガス溶解効率を高くすることができ、また、ガス溶解液の濃度の安定性を向上させることのできるガス溶解液製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のガス溶解液製造装置は、ガス溶解液の原料となるガスを供給するガス供給部と、前記ガス溶解液の原料となる液体を供給する液体供給部と、前記液体供給部から供給された液体に前記ガス供給部から供給されたガスを溶解させて、ガス溶解液を生成するガス溶解液生成部と、を備え、前記ガス溶解液生成部は、第1最適流量を有する第1ガス溶解部と、前記第1最適流量と異なる第2最適流量を有する第2ガス溶解部と、前記液体供給部から供給される液体の流量を検知する流量検知部と、前記流量検知部で検知された前記液体の流量に基づいて、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部のいずれに供給するか制御する制御部と、を備えている。
【0009】
この構成によれば、ガス溶解液生成部で、液体供給部から供給された液体にガス供給部から供給されたガスが溶解され、ガス溶解液が生成される。ガス溶解液生成部は、最適流量が異なる二つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部)を備えており、液体供給部から供給される液体の流量に基づいて、ガス供給部から供給されたガスを二つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部)のいずれに供給するかが制御される。これにより、液体の流量に応じた適切なガス溶解部でガスの溶解を行うことができるので、ガス溶解効率を高くすることができ、ガスの使用量を低減させることができる。また、液体の流量に応じた適切なガス溶解部でガスの溶解を行うことができるので、ガス溶解液生成部で生成されるガス溶解液の濃度の安定性が向上する。
【0010】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部は、直列に接続され、前記制御部は、前記流量検知部で検知された流量が前記第2ガス溶解部の最適流量より前記第1ガス溶解部の最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部に供給する制御を行い、前記流量検知部で検知された流量が前記第1ガス溶解部の最適流量より前記第2ガス溶解部の最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第2ガス溶解部に供給する制御を行ってもよい。
【0011】
この構成によれば、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部が直列に接続されており、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が第1ガス溶解部の最適流量(第1最適流量)に近い場合には、第1ガス溶解部にガスが供給され、第1ガス溶解部でガスの溶解が行われる。一方、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が、第2ガス溶解部の最適流量(第2最適流量)に近い場合には、第2ガス溶解部にガスが供給され、第2ガス溶解部でガスの溶解が行われる。このようにして、液体の流量に応じた適切なガス溶解部でガスの溶解を行うことができる。
【0012】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、直列に接続された前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部が、二つ並列に設けられ、前記第1最適流量は、前記第2最適流量より小さく、前記第1ガス溶解部は、前記第2ガス溶解部より前記液体供給部に近い上流側に配置されてもよい。
【0013】
この構成によれば、直列に接続された二つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部)のうち、最適流量の小さい第1ガス溶解部が上流側に配置され、最適流量の大きい第2ガス溶解部が下流側に配置されるので、ガス溶解水生成部でガス溶解水を生成するときの圧力損失を少なくすることができる。
【0014】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部は、並列に接続され、前記制御部は、前記流量検知部で検知された流量が前記第2最適流量より前記第1最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスおよび前記液体供給部から供給された液体を前記第1ガス溶解部に供給する制御を行い、前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量より前記第2最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスおよび前記液体供給部から供給された液体を前記第2ガス溶解部に供給する制御を行ってもよい。
【0015】
この構成によれば、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部が並列に接続されており、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が第1ガス溶解部の最適流量(第1最適流量)に近い場合には、第1ガス溶解部にガスと液体が供給され、第1ガス溶解部でガスの溶解が行われる。一方、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が、第2ガス溶解部の最適流量(第2最適流量)に近い場合には、第2ガス溶解部にガスと液体が供給され、第2ガス溶解部でガスの溶解が行われる。このようにして、液体の流量に応じた適切なガス溶解部でガスの溶解を行うことができる。
【0016】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、前記ガス溶解液生成部は、前記第1ガス溶解部および前記第2ガス溶解部と並列に接続され、前記第1最適流量と前記第2最適流量のいずれとも異なる第3最適流量を有する第3ガス溶解部を備え、前記制御部は、前記流量検知部で検知された流量が前記第3最適流量より前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部に供給する制御を行い、前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量より前記第3最適流量に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第3ガス溶解部に供給する制御を行ってもよい。
【0017】
この構成によれば、三つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部と第3ガス溶解部)が並列に接続されており、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が第1ガス溶解部の最適流量と第2ガス溶解部の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)に近い場合には、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部にガスが供給され、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部でガスの溶解が行われる。一方、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が、第3ガス溶解部の最適流量(第3最適流量)に近い場合には、第3ガス溶解部にガスが供給され、第3ガス溶解部でガスの溶解が行われる。このようにして、液体の流量に応じた適切なガス溶解部でガスの溶解を行うことができる。
【0018】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、前記制御部は、前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量と前記第3最適流量との中間値に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第1ガス溶解部と前記第2ガス溶解部に供給する制御を行ってもよい。
【0019】
この構成によれば、三つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部と第3ガス溶解部)が並列に接続されており、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が第1ガス溶解部の最適流量と第2ガス溶解部の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)と第3ガス溶解部の最適流量(第3最適流量)の中間値に近い場合には、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部にガスが供給され、第1ガス溶解部と第2ガス溶解部でガスの溶解が行われる。このようにして、最適流量の小さいガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部)でガス溶解水を生成することができるので、ガス溶解水を生成するときのガス溶解効率を高くすることができる。
【0020】
また、本発明のガス溶解液製造装置では、前記制御部は、前記流量検知部で検知された流量が前記第1最適流量と前記第2最適流量の合計流量と前記第3最適流量との中間値に近い場合には、前記ガス供給部から供給されたガスを前記第3ガス溶解部に供給する制御を行ってもよい。
【0021】
この構成によれば、三つのガス溶解部(第1ガス溶解部と第2ガス溶解部と第3ガス溶解部)が並列に接続されており、ガス溶解液生成部に供給される液体の流量が第1ガス溶解部の最適流量と第2ガス溶解部の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)と第3ガス溶解部の最適流量(第3最適流量)の中間値に近い場合には、第3ガス溶解部にガスが供給され、第3ガス溶解部でガスの溶解が行われる。このようにして、最適流量の大きいガス溶解部(第3ガス溶解部)でガス溶解水を生成することができるので、ガス溶解水を生成するときの圧力損失を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ガス溶解効率を高くすることができ、また、ガス溶解液の濃度の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるオゾン水製造装置のブロック図である。
図2】本発明の第1の実施の形態におけるオゾン水生成部の説明図である。
図3】本発明の第1の実施の形態におけるオゾン水生成部の変形例の説明図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるオゾン水生成部の他の変形例の説明図である。
図5】本発明の第2の実施の形態におけるオゾン水生成部の説明図である。
図6】本発明の実施の形態におけるオゾン水生成部の濃度安定性を示す図である。
図7】本発明の第2の実施の形態における使用ノズルを示す図である。
図8】本発明の第2の実施の形態におけるオゾン水生成部の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態のガス溶解液製造装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、一例として、純水にオゾンガスを溶解させてオゾン水を製造するオゾン水製造装置の場合を例示する。
【0025】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のオゾン水製造装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のオゾン水製造装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、オゾン水製造装置1は、オゾン水の原料となるオゾンガスを供給するオゾンガス供給部2と、オゾン水の原料となる純水を供給する純水供給部3と、供給された純水にオゾンガスを溶解させてオゾン水を生成するオゾン水生成部4を備えている。なお、原料となるオゾンガスや純水の供給には、公知の技術を利用することができる。
【0026】
純水供給部3とオゾン水生成部4との間には、流量計5と昇圧ポンプ6が設けられている。流量計5は、純水供給部3から供給される純水(オゾン水生成部4に供給される純水)の流量を測定し、測定した流量のデータ(流量データ)をオゾン水生成部4に出力する機能を備えている。また、昇圧ポンプ6は、純水供給部3からオゾン水生成部4に供給される純水の流量を調整する機能を備えている。
【0027】
オゾン水生成部4で生成されたオゾン水は、気液分離タンク7に溜められる。気液分離タンク7では、オゾン水生成部4で生成されたオゾン水が、ユースポイントに供給するオゾン水と、排気口などから排気処理される余剰ガスに分離される。ユースポイントへのオゾン水の供給は、オゾン水供給処理部8により行われる。また、余剰ガスの排気処理は、排気処理部9により行われる。なお、オゾン水の供給処理や余剰ガスの排気処理には、公知の技術を利用することができる。
【0028】
図2は、本実施の形態のオゾン水生成部4の説明図である。図2に示すように、オゾン水生成部4は、直列に接続された二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)を備えている。ノズルは、供給された液体にガスを溶解させる機能を備えている。第1ノズル10の最適流量は、例えば5Lであり、第2ノズル11の最適流量は例えば10Lである。また、第1ノズル10は第2ノズル11より上流側(純水供給部3に近い側)に配置されている。すなわち、オゾン水生成部4に供給された純水は、第1ノズル10に供給された後、第2ノズル11に供給される。第2ノズル11の下流には、出力バルブ12が設けられている。
【0029】
また、図2に示すように、オゾン水生成部4は、二つのノズルに対応する二つのガスバルブ(第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14)が設けられている。オゾン水生成部4は、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14を開閉することにより、第1ノズル10と第2ノズル11のいずれか一方にオゾンガスが供給できるように構成されている。なお、本実施の形態では、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14の両方が同時に開かれることはない。すなわち、第1ノズル10と第2ノズル11の両方に同時にガスが供給されることはない。
【0030】
さらに、図2に示すように、オゾン水生成部4は、流量計5から出力される流量データに基づいて、オゾン水生成部4に供給される純水の流量を検知する流量検知部15と、流量検知部15で検知された純水の流量に基づいて、二つのガスバルブ(第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14)の開閉を制御する制御部16を備えている。制御部16は、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14の開閉を制御することによって、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスを第1ノズル10と第2ノズル11のいずれに供給するか制御することができる。
【0031】
例えば、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が第2ノズル11の最適流量(10L)より第1ノズル10の最適流量(5L)に近い場合(例えば、検知された流量が6Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスを第1ノズル10に供給する制御を行う。一方、流量検知部15で検知された流量が第1ノズル10の最適流量(5L)より第2ノズル11の最適流量(10L)に近い場合(例えば、検知された流量が9Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスを第2ノズル11に供給する制御を行う。
【0032】
このような第1の実施の形態のオゾン水製造装置1によれば、オゾン水生成部4が、最適流量が異なる二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)を備えており、純水供給部3から供給される純水の流量に基づいて、ガス供給部から供給されたオゾンガスを二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)のいずれに供給するかが制御される。これにより、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができるので、ガス溶解効率を高くすることができ、所定のオゾン水濃度を得るためのオゾンガスの使用量を低減させることができる。また、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができるので、オゾン水生成部4で生成されるオゾン水の濃度の安定性が向上する。
【0033】
また、本実施の形態では、第1ノズル10と第2ノズル11が直列に接続されており、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が第1ノズル10の最適流量(第1最適流量)に近い場合には、第1ノズル10にオゾンガスが供給され、第1ノズル10でオゾンガスの溶解が行われる。一方、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が、第2ノズル11の最適流量(第2最適流量)に近い場合には、第2ノズル11にオゾンガスが供給され、第2ノズル11でオゾンガスの溶解が行われる。このようにして、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができる。
【0034】
(第1の実施の形態の変形例)
図3には、第1の実施の形態のオゾン水生成部4の変形例が示される。図3に示すように、この変形例では、直列に接続された二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)が、二つ並列に設けられている。すなわち、オゾン水生成部4は、第1列の二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)と、第2列の二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)を有している。また、制御部16は、第1列と第2列のノズル上流に設けられた切替バルブ(図示せず)を切り替えることによって、純水供給部3から供給された純水を第1列と第2列のいずれか一方または両方に供給するように制御することができる。
【0035】
この場合、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が、第2ノズル11の最適流量(10L)より大きく、第1ノズル10の最適流量と第2ノズル11の最適流量の合計流量(15L=5L+10L)に近い場合(例えば、検知された流量が14Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第1列の第1ノズル10と第2列の第2ノズル11に供給する制御を行う。
【0036】
また、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が、第1ノズル10の最適流量と第2ノズル11の最適流量の合計流量(15L=5L+10L)より二つの第2ノズル11の最適流量の合計流量(20L=10L+10L)に近い場合(例えば、検知された流量が19Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第1列の第2ノズル11と第2列の第2ノズル11に供給する制御を行う。
【0037】
これにより、第2ノズル11の最適流量(10L)より大きい流量にも対応が可能になり、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができる。
【0038】
また、本実施の形態では、直列に接続された二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)のうち、最適流量の小さい第1ノズル10が上流側に配置され、最適流量の大きい第2ノズル11が下流側に配置されるので、ガス溶解水生成部でガス溶解水を生成するときの圧力損失を少なくすることができる。
【0039】
なお、図4に示すように、直列に接続された二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)が二つ並列に設けられている場合に、二つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)の一方のノズル(例えば第1ノズル10)のみを用いるようにしてもよい。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のオゾン水製造装置1について説明する。ここでは、第2の実施の形態のオゾン水製造装置1が、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0041】
図5は、本実施の形態のオゾン水生成部4の説明図である。図5に示すように、オゾン水生成部4は、並列に接続された三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17)を備えている。第1ノズル10の最適流量は例えば5Lであり、第2ノズル11の最適流量は例えば10Lであり、第3ノズル17の最適流量は例えば20Lである。また、三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17)の下流には、それぞれ出力バルブ12が設けられている。
【0042】
また、図5に示すように、オゾン水生成部4は、三つのノズルに対応する三つのガスバルブ(第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18)が設けられている。オゾン水生成部4は、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18を開閉することにより、第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17に別々にオゾンガスが供給できるように構成されている。
【0043】
なお、本実施の形態では、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18のいずれか二つを同時に開くこともでき、三つすべてを同時に開くこともできる。すなわち、第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17のいずれか二つに同時にオゾンガスを供給することもでき、三つすべてに同時にオゾンガスを供給することもできる。もちろん、第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18のいずれか一つを開いて、第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17のいずれか一つにオゾンガスを供給することもできる。
【0044】
制御部16は、流量検知部15で検知された純水の流量に基づいて、三つのガスバルブ(第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18)の開閉を制御することによって、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスを第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17のいずれに供給するか制御する。また、制御部16は、三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル12)の上流に設けられた切替バルブ(図示せず)を切り替えることによって、純水供給部3から供給された純水を第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル12のいずれに供給するか制御することができる。
【0045】
例えば、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が第2最適流量(10L)より第1最適流量(5L)に近い場合(例えば、検知された流量が6Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第1ノズル10に供給する制御を行う。また、流量検知部15で検知された流量が第1最適流量(5L)より第2最適流量(10L)に近い場合(例えば、検知された流量が9Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第2ノズル11に供給する制御を行う。また、流量検知部15で検知された流量が第2最適流量(10L)より第3最適流量(20L)に近い場合(例えば、検知された流量が19Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第3ノズル17に供給する制御を行う。
【0046】
また、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が第3最適流量(20L)より第1最適流量と第2最適流量の合計流量(15L=5L+10L)に近い場合(例えば、検知された流量が16Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第1ノズル10と第2ノズル11の両方に供給する制御を行う。また、流量検知部15で検知された流量が第1最適流量と第2最適流量の合計流量(15L=5L+10L)より第3最適流量(20L)に近い場合(例えば、検知された流量が19Lである場合)には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第3ノズル17に供給する制御を行う。
【0047】
さらに、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が第1最適流量と第2最適流量の合計流量と第3最適流量との中間値(17.5L)に近い場合には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第1ノズル10と第2ノズル11に供給する制御を行う。あるいは、制御部16は、流量検知部15で検知された流量が第1最適流量と第2最適流量の合計流量と第3最適流量との中間値(17.5L)に近い場合には、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を第3ノズル17に供給する制御を行ってもよい。
【0048】
このような第2の実施の形態のオゾン水製造装置1によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。すなわち、オゾン水生成部4が、最適流量が異なる三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17)を備えており、純水供給部3から供給される純水の流量に基づいて、オゾンガス供給部2から供給されたオゾンガスおよび純水供給部3から供給された純水を三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17)のいずれに供給するかが制御される。これにより、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができるので、ガス溶解効率を高くすることができ、所定のオゾン水濃度を得るためのオゾンガスの使用量を低減させることができる。また、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができるので、オゾン水生成部4で生成されるオゾン水の濃度の安定性が向上する。
【0049】
その上、本実施の形態では、第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17が並列に接続されており、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が第1ノズル10の最適流量(第1最適流量)に近い場合には、第1ノズル10にオゾンガスが供給され、第1ノズル10でオゾンガスの溶解が行われる。また、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が、第2ノズル11の最適流量(第2最適流量)に近い場合には、第2ノズル11にオゾンガスが供給され、第2ノズル11でオゾンガスの溶解が行われる。また、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が、第3ノズル17の最適流量(第3最適流量)に近い場合には、第3ノズル17にオゾンガスが供給され、第3ノズル17でオゾンガスの溶解が行われる。このようにして、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができる。
【0050】
この場合、並列に接続された三つのノズルの中から、オゾン水生成部4に供給される純水の流量に応じた適切なノズルを選択してオゾンガスの溶解を行うことができるので、純水の流量が小さい場合に、流量に応じた最適流量の小さいノズルを使用することができる。したがって、最適流量の大きいノズルを使用するのを回避することができ、その結果、図6に示すように、システム全体として濃度安定性の良い領域が大きくなる。なお、図6の上図は、最適流量の大きいノズルしか使用できないシステムの濃度安定性を示す図であり、図6の下図は、本実施の形態のシステム全体の濃度安定性を示す図である。
【0051】
また、図7に示すテーブルに基づいて、並列に接続された三つのノズルの中から、どのノズルを使用するかを決定してもよい。図7のテーブルの第1行(一番上側の横行)は、ノズルの最適流量を示しており、図7のテーブルの第1列(一番左側の縦列)は、ノズルの最適流量に積算される比の値を示している。そして、図7のテーブルの第2行第2列から第4行第4列までの各セルには、最適流量に比の値を積算した結果の数値(流量)が示されている。
【0052】
なお、図7のテーブルでは、ノズルの最適流量が等比数列(5,10,20,・・・)を構成するように設定されており、比の値が等差数列(0.8,1.0,1.2,1.4,・・・)を構成するように設定されている。
【0053】
図7のテーブルは、例えば、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が「4L」の場合には、最適流量が5Lのノズル(第1ノズル10)を使用することを示している。同様に、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が「28L」の場合には、最適流量が20Lのノズル(第3ノズル17)を使用することを示している。このようなテーブルに基づいて、流量に応じた使用ノズルを決定することにより、広い流量範囲(4L~28Lの範囲)をバランスよくカバーすることができる。
【0054】
また、本実施の形態では、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が第1ノズル10の最適流量と第2ノズル11の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)に近い場合には、第1ノズル10と第2ノズル11にオゾンガスが供給され、第1ノズル10と第2ノズル11でオゾンガスの溶解が行われる。一方、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が、第3ノズル17の最適流量(第3最適流量)に近い場合には、第3ノズル17にオゾンガスが供給され、第3ノズル17でオゾンガスの溶解が行われる。このようにして、純水の流量に応じた適切なノズルでオゾンガスの溶解を行うことができる。
【0055】
また、本実施の形態では、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が第1ノズル10の最適流量と第2ノズル11の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)と第3ノズル17の最適流量(第3最適流量)の中間値に近い場合には、第1ノズル10と第2ノズル11にオゾンガスが供給され、第1ノズル10と第2ノズル11でオゾンガスの溶解が行われる。このようにして、最適流量の小さいノズル(第1ノズル10と第2ノズル11)でガス溶解水を生成することができるので、ガス溶解水を生成するときのガス溶解効率を高くすることができる。
【0056】
あるいは、オゾン水生成部4に供給される純水の流量が第1ノズル10の最適流量と第2ノズル11の最適流量の合計流量(第1最適流量+第2最適流量)と第3ノズル17の最適流量(第3最適流量)の中間値に近い場合には、第3ノズル17にオゾンガスが供給され、第3ノズル17でオゾンガスの溶解が行われる。このようにして、最適流量の大きいノズル(第3ノズル17)でガス溶解水を生成することができるので、ガス溶解水を生成するときの圧力損失を少なくすることができる。
【0057】
(第2の実施の形態の変形例)
図8には、第2の実施の形態のオゾン水生成部4の変形例が示される。図8に示すように、この変形例では、並列に接続された三つのノズル(第1ノズル10と第2ノズル11と第3ノズル17)の後段に、それぞれ直列に三つのノズル(第4ノズル19と第5ノズル20と第6ノズル21)が設けられている。第1ノズル10の最適流量は例えば5Lであり、第2ノズル11の最適流量は例えば10Lであり、第3ノズル17の最適流量は例えば20Lである。また、第4ノズル19の最適流量は例えば10Lであり、第5ノズル20の最適流量は例えば15Lであり、第6ノズル21の最適流量は例えば30Lである。
【0058】
そして、図8に示すように、オゾン水生成部4は、六つのノズルに対応する六つのガスバルブ(第1ガスバルブ13と第2ガスバルブ14と第3ガスバルブ18と第4ガスバルブ22と第5ガスバルブ23と第6ガスバルブ24)が設けられている。オゾン水生成部4は、六つのガスバルブ(第1ガスバルブ13~第6ガスバルブ24)を開閉することにより、六つのノズル(第1ノズル10~第6ノズル21)に別々にオゾンガスが供給できるように構成されている。
【0059】
これにより、六つのノズル(第1ノズル10~第6ノズル21)の中から、オゾン水生成部4に供給される純水の流量に応じた適切なノズルを選択してオゾンガスの溶解を行うことができるので、さらに広い流量範囲をバランスよくカバーすることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0061】
例えば、以上の説明では、純水にオゾンガスを溶解させてオゾン水を製造するオゾン水製造装置を例示して説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、原料となるガスはオゾンガスに限られず、また、原料となる液体も純水に限られない。例えば、純水に二酸化炭素を溶解させて炭酸水を製造してもよく、純水に窒素を溶解させて窒素水を製造してもよい。また、純水に水素を溶解させて水素水を製造してもよい。その他、本発明は、機能水を製造するためのガス溶解に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかるガス溶解液製造装置は、ガス溶解効率を高くすることができるとともに、ガス溶解液の濃度の安定性を向上させることができるという効果を有し、例えば、純水にオゾンガスを溶解させてオゾン水を製造するオゾン水製造装置等として有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 オゾン水製造装置(ガス溶解液製造装置)
2 オゾンガス供給部(ガス供給部)
3 純水供給部(液体供給部)
4 オゾン水生成部(ガス溶解液生成部)
5 流量計
6 昇圧ポンプ
7 気液分離タンク
8 オゾン水供給処理部
9 排気処理部
10 第1ノズル(第1ガス溶解部)
11 第2ノズル(第2ガス溶解部)
12 出力バルブ
13 第1ガスバルブ
14 第2ガスバルブ
15 流量検知部
16 制御部
17 第3ノズル(第3ガス溶解部)
18 第3ガスバルブ
19 第4ノズル
20 第5ノズル
21 第6ノズル
22 第4ガスバルブ
23 第5ガスバルブ
24 第6ガスバルブ
U ユースポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8