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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/45 20060101AFI20220418BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20220418BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
H03F3/45 210
G09G3/36
G09G3/20 611J
G09G3/20 623C
G09G3/20 642C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020142928
(22)【出願日】2020-08-26
(62)【分割の表示】P 2015227368の分割
【原出願日】2015-11-20
(65)【公開番号】P2021002832
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】椎林 兼一
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0170498(US,A1)
【文献】特開2011-077717(JP,A)
【文献】特開2013-219509(JP,A)
【文献】特開2001-156559(JP,A)
【文献】特開2006-319921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/45
G09G 3/36
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源電圧と前記第1の電源電圧より小さい電圧値を有する第2の電源電圧との間で互いに並列に接続された基準電流ライン及び出力電流ラインと、前記出力電流ラインに接続された第1の駆動ラインと第2の駆動ラインと、を有し、前記第1の駆動ラインと前記第2の駆動ラインとの間に、前記出力電流ラインに流れる電流量に対応した電圧を供給するカレントミラー回路と、
各々のゲート端に前記第1及び第2の駆動ラインの各々が接続されかつ各々のドレイン端が出力ラインに接続された第1及び第2の出力トランジスタと、前記第1及び第2の出力トランジスタの各々のゲート端と前記出力ラインとの間の各々に接続された第1及び第2のコンデンサと、を含み、前記第1の駆動ラインと前記第2の駆動ラインとの間の電圧に基づき、出力電圧を前記出力ラインに送出する出力部と、をし、
前記カレントミラー回路は、
前記基準電流ラインに配され第1のバイアス電圧がゲート端に接続された第1のバイアストランジスタ及び前記基準電流ラインにおいて前記第1のバイアストランジスタと並列に接続され第2のバイアス電圧がゲート端に接続された第2のバイアストランジスタを含む第1のバイアストランジスタ対と、
前記出力電流ラインに配され前記第1のバイアス電圧がゲート端に接続された第3のバイアストランジスタ及び前記出力電流ラインにおいて前記第3のバイアストランジスタと直列に接続され前記第2のバイアス電圧がゲート端に接続された第4のバイアストランジスタを含む第2のバイアストランジスタ対と、
前記第1の駆動ラインと前記第2の駆動ラインとの間に接続され、ゲート端に第3のバイアス電圧が接続された第5のバイアストランジスタと、を有し、
一端が前記第1の駆動ライン及び前記第2の駆動ラインのうちの一方の駆動ラインと接続され、他端が前記出力電流ラインの前記第2のバイアストランジスタ対の前記第1の電源電圧側又は前記第2の電源電圧側の一方側に接続された第3のコンデンサと、を含み、
前記一方の駆動ラインは、前記第3のバイアストランジスタと前記第4のバイアストランジスタとの間において前記出力電流ラインに接続されており、
前記第1の駆動ライン及び前記第2の駆動ラインのうちの他方の駆動ラインは、前記第2のバイアストランジスタ対の前記第1の電源電圧側又は前記第2の電源電圧側の他方側において前記出力電流ラインに接続されていることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に基づく画素の輝度レベルに対応した階調電圧を増幅する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置としての例えば液晶表示装置には、液晶表示パネルと、映像信号に基づく電圧を当該液晶表示パネルに形成されている複数のデータ線に供給する表示ドライバとが設けられている。表示ドライバ内には、映像信号に基づく電圧を増幅する出力アンプが形成されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
当該出力アンプは、入力された信号を受ける差動入力段と、この差動入力段で生成された信号に対応した電流を生成するカレントミラー回路と、当該カレントミラー回路で生成された電流に基づく出力電圧を生成する出力段と、を有する。かかる出力アンプで生成された出力電圧は、差動入力段に帰還供給されている。
【0004】
上記した出力アンプには、入力信号のレベルが急峻に変化する際に生じる出力電圧のリンギングを防止する為に、入力信号のレベルが変化するタイミングで、出力アンプ内に流れるバイアス電流を増加させるバイアス制御回路が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-27127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記したバイアス制御回路は、出力アンプと同一構成のダミーアンプと、ダミーアンプの出力に基づき入力信号のレベル遷移時点を検出するコンパレータとを含む為、回路規模及び消費電力の増大を招くという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、出力電圧の電圧遷移区間でのリンギングを抑制した増幅を行うことが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体装置は、カレントミラー回路から電流が供給される出力電流ラインに流れる電流量に対応した電圧が供給される駆動ラインの電圧に基づき、出力電圧を出力ラインに送出する出力トランジスタを含む出力部と、前記出力電流ラインに一端が接続されており前記駆動ラインに他端が接続されているコンデンサと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るアンプは、映像信号の輝度レベルに対応した階調電圧とこの階調電圧を増幅して得た増幅階調電圧との差分に対応した電流をカレントミラー回路の出力電流ラインに流すことによって駆動電圧を生成し、当該駆動電圧を駆動ラインを介して出力部に供給する。出力部は、かかる駆動電圧に応じた電流を出力ラインに流すことにより当該出力ラインに上記した増幅階調電圧を生成する。
【0010】
ここで、本発明に係るアンプでは、コンデンサを介して上記した駆動ラインとカレントミラー回路の出力電流ラインとを接続することにより、増幅階調電圧の電圧値の遷移時に生じるリンギングを防止している。よって、当該リンギング防止の為に追加される回路素子は単一のコンデンサだけなので、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、リンギングを抑制した増幅階調電圧を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るアンプを搭載した表示ドライバを含む表示装置100の概略構成を示す図である。
図2】データドライバ13の内部構成を示すブロック図である。
図3】出力アンプ部133の内部構成を示すブロック図である。
図4】正極側アンプAPの内部構成を示す回路図である。
図5】増幅階調電圧PAの波形の一例を示す図である。
図6】負極側アンプANの内部構成を示す回路図である。
図7】増幅階調電圧PAの波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の概略構成を示す図である。図1において、表示デバイス20は、例えば液晶又は有機ELパネル等からなる。表示デバイス20には、2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS~Sと、2次元画面の垂直方向に伸張するn個(nは2以上の偶数)のデータラインD~Dとが形成されている。水平走査ライン及びデータラインの各交叉部には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0014】
駆動制御部11は、映像信号VD中から水平同期信号を検出して走査ドライバ12に供給する。また、駆動制御部11は、映像信号VDに基づき各画素の輝度レベルを例えば8ビットの256段階の輝度階調で表す画素データPDの系列を含む画像データ信号PDを生成し、これをデータドライバ13に供給する。
【0015】
走査ドライバ12は、駆動制御部11から供給された水平同期信号に同期したタイミングで、水平走査パルスを表示デバイス20の水平走査ラインS~Sの各々に順次印加する。
【0016】
データドライバ13は、半導体IC(integrated circuit)チップに形成されている。データドライバ13は、画像データ信号中の画素データPDを1水平走査ライン分ずつ、つまりn個毎に取り込む。そして、データドライバ13は、取り込んだn個の画素データ片にて表される輝度階調に対応した階調電圧を夫々が有する画素駆動電圧G~Gを生成し、表示デバイス20のデータラインD~Dに印加する。
【0017】
図2は、本発明に係る表示ドライバとしてのデータドライバ13の内部構成を示すブロック図である。図2において、データ取込部131は、駆動制御部11から供給された画像データ信号中から画素データPDの系列を取り込む。そして、1水平走査ライン分のn個の画素データPD、つまり画素データPD~PDを取り込む度に、これらn個の画素データPD~PDを1水平走査ライン期間に亘り、画素データQ~Qとして階調電圧変換部132に供給する。
【0018】
尚、データ取込部131は、画素データQ~Qを階調電圧変換部132に供給するにあたり、以下の第1出力モードと第2出力モードとを1水平走査期間毎に交互に切り替える。つまり、第1出力モードでは、データ取込部131は、画素データPD~PDをそのまま画素データQ~Qとして階調電圧変換部132に供給する。一方、第2出力モードでは、データ取込部131は、画素データPD~PDのうちの奇数番目の画素データPD(2k-1)(kは正の整数)を、偶数番目の画素データQ(2k)とし、偶数番目の画素データPD(2k)を奇数番目の画素データQ(2k-1)として階調電圧変換部132に供給する。例えば、第2出力モードでは、データ取込部131は、画素データPD、PD、PD、PDを夫々画素データQ、Q、Q、Qとして階調電圧変換部132に供給すると共に、画素データPD、PD、PD、PDを夫々画素データQ、Q、Q、Qとして階調電圧変換部132に供給する。
【0019】
階調電圧変換部132は、データ取込部131から供給された画素データQ~Qのうちの奇数番目の画素データQ(2k-1)の各々を、その画素データQによって表される輝度階調に対応した正極性の電圧値を有する階調電圧P(2k-1)に変換する。更に、階調電圧変換部132は、上記した画素データQ~Qのうちの偶数番目の画素データQ(2k)の各々を、その画素データQによって表される輝度階調に対応した負極性の電圧値を有する階調電圧P(2k)に変換する。尚、本実施例では、電源電圧の1/2の電圧値を基準電圧とし、当該基準電圧よりも高い電圧を正極性の電圧と定義し、この基準電圧以下の電圧を負極性の電圧と定義する。
【0020】
階調電圧変換部132は、これら階調電圧P~Pを出力アンプ部133に供給する。
【0021】
図3は、出力アンプ部133の内部構成の一部を示すブロック図である。図3に示すように、出力アンプ部133は、アンプ部AMP~AMP(n/2)、出力切替回路CHG及びバイアス生成部BSGを含む。アンプ部AMP~AMP(n/2)は、互いに同一の内部構成、つまり夫々がオペアンプからなる正極側アンプAP及び負極側アンプANを含む。正極側アンプAP及び負極側アンプANは共に、自身の出力端が自身の反転入力端子に接続されている、いわゆるボルテージフォロワである。
【0022】
アンプ部AMP~AMP(n/2)の各々は、正極側アンプAP及び負極側アンプANにより、正極性を有する奇数番目の階調電圧P(2k-1)及び負極性を有する偶数番目の階調電圧P(2k)を夫々個別に利得1で増幅して、増幅階調電圧PA~PAを生成する。アンプ部AMP~AMPは、増幅階調電圧PA~PAを出力切替回路CHGに供給する。
【0023】
例えば、アンプ部AMPの正極側アンプAPは、正極性の階調電圧Pを利得1で増幅して得られた増幅階調電圧PAを出力切替回路CHGに供給する。当該アンプ部AMPの負極側アンプANは、負極性の階調電圧Pを利得1で増幅して得られた増幅階調電圧PAを出力切替回路CHGに供給する。また、アンプ部AMPの正極側アンプAPは、正極性の階調電圧Pを利得1で増幅して得られた増幅階調電圧PAを出力切替回路CHGに供給する。当該アンプ部AMPの負極側アンプANは、負極性の階調電圧Pを利得1で増幅して得られた増幅階調電圧PAを出力切替回路CHGに供給する。
【0024】
出力切替回路CHGは、上記した第1出力モードでは増幅階調電圧PA~PAを画素駆動電圧G~Gとして表示デバイス20のデータラインD~Dに供給する。一方、上記した第2出力モードでは、出力切替回路CHGは、増幅階調電圧PA~PAのうちの奇数番目の増幅階調電圧PA(2k-1)を、偶数番目の画素駆動電圧G(2k)とし、偶数番目の増幅階調電圧PA(2k)を奇数番目の画素駆動電圧G(2k-1)として表示デバイス20のデータラインD~Dに供給する。例えば、第2出力モードでは、出力切替回路CHGは、増幅階調電圧PA、PA、PA、PAを夫々画素駆動電圧G、G、G、Gとし、増幅階調電圧PA、PA、PA、PAを夫々画素駆動電圧G、G、G、Gとして当該画素駆動電圧G~Gを、表示デバイス20のデータラインD~Dに夫々供給する。
【0025】
バイアス生成部BSGは、アンプ部AMP~AMP各々に含まれる正極側アンプAP及び負極側アンプAN内の動作設定を行う為のバイアス電圧BS1~BS6を生成する。
【0026】
つまり、バイアス生成部BSGは、正極側アンプAPに含まれるカレントミラー回路内に流す電流量を設定する為のバイアス電圧BS1を生成する。更に、バイアス生成部BSGは、正極側アンプAPに含まれる高電圧側の出力トランジスタの出力電流量を設定する為のバイアス電圧BS2、及び正極側アンプAPの低電圧側の出力トランジスタによる引き込み電流量を設定する為のバイアス電圧BS3を生成する。
【0027】
また、バイアス生成部BSGは、負極側アンプANに含まれるカレントミラー回路内に流す電流量を設定する為のバイアス電圧BS4を生成する。更に、バイアス生成部BSGは、負極側アンプANに含まれる低電圧側の出力トランジスタによる引き込み電流量を設定する為のバイアス電圧BS5、及び負極側アンプANに含まれる高電圧側の出力トランジスタの出力電流量を設定する為のバイアス電圧BS6を生成する。
【0028】
バイアス生成部BSGは、バイアス電圧BS1~BS3をアンプ部AMP~AMP各々に含まれる正極側アンプAPに供給すると共に、バイアス電圧BS4~BS6を、アンプ部AMP~AMP各々に含まれる負極側アンプANに供給する。
【0029】
以下に、上記した正極側アンプAP及び負極側アンプANの構成について説明する。
【0030】
図4は、正極側アンプAPの内部構成の一例を示す回路図である。図4に示すように、正極側アンプAPは、差動入力部INP、カレントミラー部MRP、及び出力部OUPを有する。
【0031】
差動入力部INPは、pチャネルMOS(metal oxide semiconductor)型のトランジスタT1、T2、nチャネルMOS型のトランジスタT3、T4、電流源CG1及びCG2を含む。
【0032】
電流源CG1は、電源ラインLVを介して電源電圧VDDの供給を受ける。電流源CG1は当該電源電圧VDDの供給を受けて所定の一定電流Iを生成し、当該一定電流Iを分割してトランジスタT1及びT2各々のソース端に供給する。
【0033】
トランジスタT1のゲート端には、階調電圧変換部132から供給された階調電圧P~Pのうちの奇数番目の階調電圧、つまり正極性の階調電圧P(2k-1)が供給される。トランジスタT1のドレイン端はカレントミラー部MRPのラインL4に接続されている。トランジスタT1は、ゲート端に供給された階調電圧P(2k-1)に応じた電流IをラインL4に供給する。
【0034】
トランジスタT2のゲート端は出力ラインLOに接続されており、そのドレイン端はカレントミラー部MRPのラインL2に接続されている。トランジスタT2は、出力ラインLOの電圧に応じた電流IをラインL2に供給する。
【0035】
尚、上記した電流Iと電流Iとを加算した電流値は、上記した一定電流Iと等しくなる。
【0036】
電流源CG2の一端には接地ラインLGが接続されており、その他端はトランジスタT3及びT4各々のソース端に接続されている。電流源CG2は、所定の一定電流Icを生成してこれを接地ラインLGに供給する。尚、接地ラインLGには接地電圧VSSが印加されている。
【0037】
トランジスタT3のゲート端には正極性の階調電圧P(2k-1)が供給されており、そのドレイン端はカレントミラー部MRPのラインL3に接続されている。トランジスタT3は、階調電圧P(2k-1)に応じた電流IaをラインL3から引き抜きこれを電流源CG2に流す。
【0038】
トランジスタT4のゲート端は出力ラインLOに接続されており、そのドレイン端はカレントミラー部MRPのラインL1に接続されている。トランジスタT4は、出力ラインLOの電圧に応じた電流IbをラインL1から引き抜きこれを電流源CG2に流す。
【0039】
尚、上記した電流Iaと電流Ibとを加算した電流値は、上記した一定電流Icと等しくなる。
【0040】
カレントミラー部MRPは、pチャネルMOS型のトランジスタT5~T8、nチャネルMOS型のトランジスタT9~T13、及びコンデンサCPを含む。
【0041】
トランジスタT5及びT6各々のソース端は電源ラインLVに接続されている。また、トランジスタT5及びT6各々のゲート端同士は互いに接続されている。トランジスタT5のゲート端及びドレイン端は第1の基準電流ラインとしてのラインL1に接続されている。トランジスタT6のドレイン端は第1の出力電流ラインとしてのラインL3に接続されている。
【0042】
上記したトランジスタT5及びT6により、高電圧側のカレントミラー回路が形成されている。よって、トランジスタT5のソース及びドレイン間に流れる電流と同一電流量の電流が、トランジスタT6のソース及びドレイン間に流れる。
【0043】
トランジスタT7及びT8各々のゲート端には、バイアス生成部BSGにて生成されたバイアス電圧BS2が供給されている。トランジスタT7のソース端はラインL1に接続されており、そのドレイン端は第2の基準電流ラインとしてのラインL2に接続されている。トランジスタT8のソース端はラインL3に接続されており、そのドレイン端は、負側駆動ラインLLに接続されている。尚、ラインL3には正側駆動ラインLHが接続されている。
【0044】
トランジスタT9のドレイン端はラインL1に接続されており、ソース端はラインL2に接続されている。トランジスタT9及びT10各々のゲート端には、バイアス生成部BSGにて生成されたバイアス電圧BS1が供給されている。トランジスタT10のソース端は第2の出力電流ラインとしてのラインL4に接続されており、そのドレイン端は負側駆動ラインLLに接続されている。
【0045】
トランジスタT11のドレイン端及びゲート端は共にラインL2に接続されており、そのソース端は接地ラインLGに接続されている。トランジスタT11及びT12各々のゲート端は互いに接続されている。トランジスタT12のドレイン端はラインL4に接続されており、ソース端は接地ラインLGに接続されている。
【0046】
上記したトランジスタT11及びT12により、低電圧側のカレントミラー回路が形成されている。よって、トランジスタT11のドレイン及びソース間に流れる電流と同一電流量の電流が、トランジスタT12のドレイン及びソース間に流れる。
【0047】
トランジスタT13のドレイン端は正側駆動ラインLHに接続されており、ソース端は負側駆動ラインLLに接続されている。トランジスタT13のゲート端には、バイアス生成部BSGにて生成されたバイアス電圧BS3が供給されている。
【0048】
負側駆動ラインLL及びラインL4間にはコンデンサCPが設けられている。つまり、コンデンサCPの一端が負側駆動ラインLLに接続されており、コンデンサCPの他端がラインL4に接続されている。
【0049】
上記した構成により、正極性の階調電圧P(2k-1)と、出力ラインLOの電圧との差分に対応した正駆動電圧PGがラインL3上に生成され、当該正駆動電圧PGが正側駆動ラインLHを介して出力部OUPに供給される。また、正極性の階調電圧P(2k-1)と、出力ラインLOの電圧との差分に対応した負駆動電圧NGが負側駆動ラインLL上に生成され、当該負駆動電圧NGが負側駆動ラインLLを介して出力部OUPに供給される。
【0050】
出力部OUPは、pチャネルMOS型のトランジスタT14、nチャネルMOS型のトランジスタT15、位相補償用のコンデンサC1及びC2を有する。
【0051】
トランジスタT14のソース端は、電源ラインLVに接続されており、そのゲート端は正側駆動ラインLHに接続されている。トランジスタT14のドレイン端は出力ラインLO及びトランジスタT15のドレイン端に接続されている。トランジスタT15のソース端には、電源電圧VDDの1/2の電圧値が印加されており、そのゲート端は負側駆動ラインLLに接続されている。コンデンサC1の一端は正側駆動ラインLHに接続されており、その他端は出力ラインLOに接続されている。コンデンサC2の一端は負側駆動ラインLLに接続されており、その他端は出力ラインLOに接続されている。
【0052】
かかる構成により出力部OUPは、正駆動電圧PG及び負駆動電圧NGに基づき、正極性の階調電圧P(2k-1)に対応した電圧値を有する正極性の増幅階調電圧PA(2k-1)を生成し、これを出力ラインLOを介して出力する。
【0053】
尚、正極側アンプAPのカレントミラー部MRP内には、各種の動作設定を行うバイアストランジスタとして、上記したトランジスタT7~T10及びT13が設けられている。
【0054】
つまり、カレントミラー部MRPのトランジスタT9及びT10は、夫々のゲート端に供給されたバイアス電圧BS1に基づきラインL2及びL4に流れる電流を調整する。これにより、ラインL2及びラインL4各々の電圧を等しくさせる。カレントミラー部MRPのトランジスタT7及びT8は、夫々のゲート端に印加されたバイアス電圧BS2に基づき正駆動電圧PGの電圧値を設定する。これにより、出力部OUPに含まれる出力トランジスタとしてのトランジスタT14の出力電流量が設定される。カレントミラー部MRPのトランジスタT13は、そのゲート端に印加されたバイアス電圧BS3に基づき負駆動電圧NGの電圧値を設定する。これにより、出力部OUPに含まれる出力トランジスタとしてのトランジスタT15の出力電流量が設定される。
【0055】
以下に、正極側アンプAPの動作について、図5に示す増幅階調電圧PAの波形を参照しつつ概略的に説明する。
【0056】
先ず、入力された正極性の階調電圧P(2k-1)が低電圧値の状態、例えばVDD/2の電圧値の状態からその電圧値が増加する、いわゆる電圧の立ち上がり時には、差動入力部INPのトランジスタT3がオン状態となる。これにより、正側駆動ラインLHから、トランジスタT3を介して電流Iaが引き抜かれ、正側駆動ラインLH上の電圧、つまり正駆動電圧PGの電圧値が低下する。よって、出力部OUPの高電圧側の出力トランジスタであるトランジスタT14がオン状態となり、出力ラインLO上の電圧、つまり増幅階調電圧PA(2k-1)の電圧値が時間経過につれ図5の実線に示すように増加する。その後、増幅階調電圧PA(2k-1)の電圧値は、入力された階調電圧P(2k-1)の電圧値と等しくなり、その電圧値を維持する。
【0057】
一方、入力された正極性の階調電圧P(2k-1)の電圧の立ち下がり時には、差動入力部INPのトランジスタT1及びT4がオン状態となる。よって、ラインL1からトランジスタT4に向けて電流Ibが流れると共に、トランジスタT1から送出された電流IがラインL4に流れ込む。更に、高電圧側のカレントミラー回路(T5、T6)によるカレントミラー動作により、ラインL1に流れる電流Ibと等しい電流量の電流がラインL3及びトランジスタT8を介して負側駆動ラインLLに流れ込む。よって、当該ラインL4上の電圧NCMが増加し、トランジスタT10がオフ状態に遷移する。この際、負側駆動ラインLLに流れ込む電流によって負駆動電圧NGが増加し、出力部OUPの低電圧側の出力トランジスタであるトランジスタT15がオン状態に遷移する。これにより、出力ラインLO上の電圧、つまり増幅階調電圧PA(2k-1)の電圧値が図5の実線に示すように低下する。
【0058】
ところで、正極側アンプAPでは、入力された階調電圧P(2k-1)の立ち下がり時には、当該階調電圧P(2k-1)に対応したラインL4上の電圧NCMに基づくトランジスタT10のスイッチング動作を経て、負駆動電圧NGの増加が為されている。よって、入力された階調電圧P(2k-1)に対応した電圧NCMと負駆動電圧NGとの間には、トランジスタT10のスイッチング動作に費やされる時間分の位相差が生じることになる。従って、正極側アンプAPに図4に示すコンデンサCPが設けられていないと、上記した位相差に伴い、増幅階調電圧PA(2k-1)の立ち下がり時に、その電圧値が目標電圧値に到った直後に、図5の破線にて示すようなリンギングが生じてしまう。
【0059】
そこで、上記したような位相差を抑えてリンギング防止を図る為に、正極側アンプAPでは、図4に示すように、リンギング防止用のコンデンサCPにてラインL4と負側駆動ラインLLとを接続している。これにより、入力された階調電圧P(2k-1)に応じて電圧NCMの電圧値が変化した時点においてトランジスタT10を介すことなく、電圧NCMの電圧値を負駆動電圧NGに反映させることが可能となる。
【0060】
よって、電圧NCM及び負駆動電圧NG間の位相差が低減されるので、図5の実線に示すように、電圧の立ち下がり時において、その電圧値が低下して目標の電圧値に到った後もリンギングが生じない増幅階調電圧PA(2k-1)を出力することが可能となる。
【0061】
従って、図4に示す正極側アンプAPによれば、リンギング防止の為に追加される回路素子は、単一のコンデンサCPだけであるので、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、電圧の立ち下がり区間でのリンギングを防止した増幅階調電圧を生成することが可能となる。
【0062】
尚、正極側アンプAPにおける階調電圧P(2k-1)の立ち上がり時の動作では、差動入力部INPのトランジスタT3の動作によって直接、正駆動電圧PGの電圧値を設定しているので、増幅階調電圧PA(2k-1)の立ち上がり時にはリンギングは生じない。よって、正極側アンプAPの正側駆動ライン(L3)には、リンギング防止用のコンデンサは設けられていない。
【0063】
図6は、負極側アンプANの内部構成の一例を示す回路図である。図6に示すように、負極側アンプANは、差動入力部INP、カレントミラー部MRN、及び出力部OUNを有する。
【0064】
尚、負極側アンプANの差動入力部INPは、図4に示す正極側アンプAPの差動入力部INPと同一であるので、その内部回路の説明については省略する。ただし、負極側アンプANの差動入力部INPは、階調電圧変換部132から供給された階調電圧P~Pのうちの偶数番目の階調電圧、つまり負極性の階調電圧P(2k)を入力対象とする。すなわち、図6に示すように、負極側アンプANに含まれる差動入力部INPのトランジスタT1及びT3各々のゲート端には、負極性の階調電圧P(2k)が供給される。
【0065】
図6において、カレントミラー部MRNは、図4に示すカレントミラー部MRPと同様に、トランジスタT5~T12、ラインL1~L4を含む。ただし、カレントミラー部MRNでは、図6に示すように、トランジスタT7及びT8各々のゲート端には、バイアス電圧BS2に代えてバイアス電圧BS4が供給されている。また、トランジスタT9及びT10各々のゲート端には、バイアス電圧BS1に代えてバイアス電圧BS5が供給されている。また、カレントミラー部MRNでは、トランジスタT8のドレイン端及びT10のドレイン端には負側駆動ラインLLに代えて正側駆動ラインLHが接続されており、当該正側駆動ラインLHを介して正駆動電圧PGが出力部OUNに供給される。また、カレントミラー部MRNでは、ラインL4が負側駆動ラインLLに接続されており、当該負側駆動ラインLLを介して負駆動電圧NGが出力部OUNに供給する。
【0066】
更に、カレントミラー部MRNでは、nチャネルMOS型のトランジスタT13に代えてpチャネルMOS型のトランジスタT23を設けている。トランジスタT23のソース端は正側駆動ラインLHに接続されており、そのドレイン端は負側駆動ラインLLに接続されている。トランジスタT23のゲート端には、バイアス生成部BSGにて生成されたバイアス電圧BS6が供給されている。
【0067】
また、図6に示すように、負極側アンプANでは、コンデンサCPに代えて、コンデンサCNがラインL3及び正側駆動ラインLH間に設けられている。つまり、コンデンサCNの一端が正側駆動ラインLHに接続されており、コンデンサCNの他端がラインL3に接続されている。
【0068】
出力部OUNは、図4に示す出力部OUPと同様に、トランジスタT14及びT15、位相補償用のコンデンサC1及びC2を含む。ただし、出力部OUNのトランジスタT14のソース端には、電源電圧VDDの1/2の電圧値が印加されており、トランジスタT15のソース端には接地電圧VSSが印加されている。
【0069】
出力部OUNは、カレントミラー部MRNから供給された正駆動電圧PG及び負駆動電圧NGに基づき、負極性の階調電圧P(2k)と同一電圧値を有する負極性の増幅階調電圧PA(2k)を生成し、これを出力ラインLOを介して出力する。
【0070】
また、負極側アンプANのカレントミラー部MRN内では、各種動作設定を行うバイアストランジスタとしてのトランジスタT7~T10及びT13が、以下の調整を行う。
【0071】
つまり、カレントミラー部MRNのトランジスタT7及びT8は、夫々のゲート端に供給されたバイアス電圧BS4に基づきラインL1及びL3に流れる電流を調整する。これにより、ラインL1及びL3各々の電圧を等しくさせる。カレントミラー部MRNのトランジスタT9及びT10は、夫々のゲート端に印加されたバイアス電圧BS5に基づき正駆動電圧PGの電圧値を設定する。これにより、出力部OUNに含まれる出力トランジスタとしてのトランジスタT14の出力電流量が設定される。カレントミラー部MRNのトランジスタT23は、そのゲート端に印加されたバイアス電圧BS6に基づき負駆動電圧NGの電圧値を設定する。これにより、出力部OUNに含まれる出力トランジスタとしてのトランジスタT15の出力電流量が設定される。
【0072】
以下に、負極側アンプANの動作について、図7に示す増幅階調電圧PAの波形を参照しつつ概略的に説明する。
【0073】
先ず、入力された負極性の階調電圧P(2k)が低電圧値の状態、例えば接地電圧VSSの状態からその電圧値が増加する、いわゆる電圧の立ち上がり時には、差動入力部INPのトランジスタT2及びT3がオン状態となる。これにより、ラインL3からトランジスタT3を介して電流Iaが引き抜かれ、ラインL3上の電圧PCMが低下する。これにより、図6に示すトランジスタT8がオフ状態となる。更に、この間、トランジスタT2を介してカレントミラー部MRNのラインL2に電流Iが流れ込む。よって、低電圧側のカレントミラー回路(T11、T12)によるカレントミラー動作により、ラインL2に流れる電流Iと等しい電流量の電流が、トランジスタT10及びラインL4を介して正側駆動ラインLHから引き抜かれる。これにより、正側駆動ラインLH上の電圧、つまり正駆動電圧PGの電圧値が低下する。よって、出力部OUNの高電圧側の出力トランジスタであるトランジスタT14がオン状態となり、出力ラインLO上の電圧、つまり増幅階調電圧PA(2k)の電圧値が図7の実線に示すように増加する。
【0074】
一方、入力された負極性の階調電圧P(2k)の電圧の立ち下がり時には、差動入力部INPのトランジスタT1及びT4がオン状態となる。これにより、トランジスタT1を介して負側駆動ラインLHに電流Iが流れ込み、負駆動電圧NGの電圧値が増加する。よって、出力部OUPの低電圧側の出力トランジスタであるトランジスタT15がオン状態となり、出力ラインLO上の電圧、つまり増幅階調電圧PA(2k)の電圧値が時間経過につれ図7の実線に示すように増加する。その後、増幅階調電圧PA(2k)の電圧値は、入力された階調電圧P(2k)の電圧値と等しくなり、その電圧値を維持する。
【0075】
ところで、負極側アンプANでは、入力された階調電圧P(2k)の立ち上がり時には、その階調電圧P(2k)に対応したラインL3上の電圧PCMによってトランジスタT8をオフ状態に設定するというスイッチング動作が終了してから、正駆動電圧PGの電圧値の低下が生じる。よって、入力された階調電圧P(2k-1)に対応した電圧PCMと正駆動電圧PGとの間には、トランジスタT8のスイッチング動作に費やされる時間分の位相差が生じることになる。従って、負極側アンプANに図6に示すコンデンサCNが設けられていないと、上記した位相差に伴い、増幅階調電圧PA(2k)の立ち上がり区間において、図7の破線にて示すようなリンギングが生じる。
【0076】
そこで、上記したような位相差を抑えてリンギング防止を図る為に、負極側アンプANでは、図6に示すように、リンギング防止用のコンデンサCNにてラインL3と正側駆動ラインLHとを接続している。これにより、入力された階調電圧P(2k)の立ち上がり時において、トランジスタT8のスイッチング動作を待つこと無く、この階調電圧P(2k)の増加に追従して低下したラインL3上の電圧PCMを、直接、正駆動電圧PGに反映させることが可能となる。
【0077】
よって、電圧PCM及び正駆動電圧PG間の位相差が低減されるので、図7の実線に示すように、電圧の立ち上がり時において、リンギングを生じさせることなく、その電圧値が増加して目標の電圧値に到る増幅階調電圧PA(2k)を出力することが可能となる。
【0078】
従って、図6に示す負極側アンプANによれば、リンギング防止の為に追加される回路素子は、単一のコンデンサCNだけであるので、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、電圧の立ち上がり区間でのリンギングを防止した増幅階調電圧を生成することが可能となる。
【0079】
尚、負極側アンプANにおける階調電圧P(2k)の立ち下がり時の動作では、差動入力部INPのトランジスタT1の動作によって直接、負駆動電圧NGの電圧値を設定しているので、増幅階調電圧PA(2k)の立ち下がり時にはリンギングは生じない。よって、負極側アンプANの負側駆動ライン(L4)には、リンギング防止用のコンデンサは設けられていない。
【0080】
また、出力アンプ部(OUN、OUP)に含まれるpチャネルMOS型のトランジスタT14の静電容量は、nチャネルMOS型のトランジスタT15の静電容量よりも大である。これにより、トランジスタT14の動作によって生成される増幅階調電圧PAの立ち上がり区間で生じるリンギングは、トランジスタT15の動作によって生成される増幅階調電圧PAの立ち下がり区間で生じるリンギングよりも大となる。そこで、負極側アンプAN内においてリンギング防止用に設けたコンデンサCNの静電容量は、正極側アンプAP内においてリンギング防止用に設けたコンデンサCPの静電容量よりも大、例えば2倍の静電容量にするのが好ましい。
【0081】
以上のように、本発明の第1の特徴による負極側アンプANは、以下のカレントミラー回路、差動入力部、バイアストランジスタ、出力部及びコンデンサを有する構成により、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、増幅階調電圧の立ち上がり区間でのリンギングを抑制させる。
【0082】
すなわち、カレントミラー回路(T5、T6、T11、T12)は、基準電流ライン(L1、L2)に流れる電流に応じた電流量の電流を出力電流ライン(L3、L4)に送出する。差動入力部(INP)は、増幅階調電圧(PA)に対応した電流を基準電流ラインに流すと共に、階調電圧(P)に対応した電流を出力電流ラインから引き抜く。バイアストランジスタ(図6のT8)は、そのゲート端に第1のバイアス電圧(BS4)が印加されており、ソース端に出力電流ラインが接続されており且つドレイン端に正側駆動ライン(LH)が接続されている。出力部(OUN)は、正側駆動ラインの電圧に基づく電流を出力ライン(LO)に送出する出力トランジスタ(T14)を含み、当該出力ラインの電圧を増幅階調電圧として得る。コンデンサ(CN)は、その一端がカレントミラー回路の出力電流ラインに接続されており、他端が正側駆動ラインに接続されている。
【0083】
また、本発明の第2の特徴による正極側アンプAPは、以下のカレントミラー回路、差動入力部、バイアストランジスタ、出力部及びコンデンサなる構成により、回路規模及び消費電力の増大を招くことなく、増幅階調電圧の立ち下がり区間でのリンギングを抑制させる。
【0084】
すなわち、カレントミラー回路(T5、T6、T11、T12)は、基準電流ライン(L1、L2)に流れる電流に応じた電流量の電流を出力電流ライン(L3、L4)に送出する。差動入力部(INP)は、増幅階調電圧(PA)に対応した電流を基準電流ラインに流すと共に、階調電圧(P)に対応した電流を出力電流ラインに送出する。バイアストランジスタ(図4のT8)は、そのゲート端に第1のバイアス電圧(BS1)が印加されており、ソース端に出力電流ラインが接続されており且つドレイン端に負側駆動ライン(LL)が接続されている。出力部(OUP)は、負側駆動ラインの電圧に基づく電流を出力ライン(LO)に送出する出力トランジスタ(T15)を含み、当該出力ラインの電圧を増幅階調電圧として得る。コンデンサ(CP)は、その一端がカレントミラー回路の出力電流ラインに接続されており、他端が負側駆動ラインに接続されている。
【符号の説明】
【0085】
13 データドライバ
133 出力アンプ部
AP 正極側アンプ
AN 負極側アンプ
CP、CN コンデンサ
INP 差動入力部
MRP、MRN カレントミラー部
OUP、OUN 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7