IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特許7059351単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法
<>
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図1a
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図1b
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図2
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図3
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図4
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図5
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図6
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図7
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図8
  • 特許-単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220418BHJP
   C30B 25/16 20060101ALI20220418BHJP
   C30B 29/06 20060101ALI20220418BHJP
   C23C 16/24 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
H01L21/205
C30B25/16
C30B29/06 504A
C23C16/24
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020504028
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 EP2018068888
(87)【国際公開番号】W WO2019020387
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】102017212799.6
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャウアー,ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ハベレヒト,イェルク
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-146697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0067052(US,A1)
【文献】特開昭64-041212(JP,A)
【文献】特開2009-272633(JP,A)
【文献】特開平05-259081(JP,A)
【文献】特開2000-091237(JP,A)
【文献】特開2012-019216(JP,A)
【文献】特開2002-064069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C30B 25/16
C30B 29/06
C23C 16/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶シリコンの被覆半導体ウェハを製造する方法であって、
直径が300mm以上の前記単結晶シリコンの基板ウェハを提供することと、
個々のウェハを被覆するための装置のサセプタの上に、前記基板ウェハを配置することとを備え、前記装置は環状領域を有する上側カバーを有しており、前記環状領域は、前記基板ウェハのエッジ領域において前記環状領域を透過する放射を集中させ、前記方法はさらに、
前記装置の前記上側カバーの上方に配置された放射源によって、前記基板ウェハを堆積温度に加熱することと、
加熱した前記基板ウェハ上に水素と堆積ガスとを備える処理ガスを流すことによってシリコンのエピタキシャル層を堆積することとを備え、前記堆積ガスはドーパントおよびシリコン源を備え、前記処理ガスは不活性ガスをさらに備え、加熱した前記基板ウェハ上に前記水素の流量を前記不活性ガスの流量で除した値である体積比が6以上20以下となるように前記水素および前記不活性ガスが流されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記基板ウェハの前記エッジ領域は、前記基板ウェハのエッジからの距離が最大15mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記上側カバーの前記環状領域の断面は、上向きの凸状湾曲部、またはフレネルレンズの外形を有する、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直径が300mm以上の単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハを提供する。本発明はさらに、直径が300mm以上の単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術/課題
単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハは、電子部品を製造するための前駆体として必要である。それらは電気特性が優れているため、単結晶シリコンの研磨半導体ウェハよりも好まれることが多い。これは、たとえば、CMOSイメージセンサ、すなわち略してCIS部品と称されるものの製造に関する場合である。
【0003】
単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハは典型的に、1100℃から1250℃の温度での基板ウェハ上のエピタキシャル層の気相成長(CVD)によって製造される。直径が300mm以上の単結晶シリコンの基板ウェハは典型的に、個々のウェハを被覆するための装置において被覆される。
【0004】
US 2010/0062611 A1には、裏面照射型イメージセンサの製造過程で使用可能な半導体ウェハの裏面を薄くするための処理が記載されている。
【0005】
CIS部品を製造するための前駆体として有用であるためには、エピタキシャル被覆半導体ウェハは特定の要求を満たす必要がある。当該要求は、エピタキシャル層の厚みおよび比電気抵抗(抵抗率)に関して特に厳しい。厚み、および以下では抵抗と称する比電気抵抗は双方とも、半導体ウェハの半径にわたってかなり均一でなければならない。不均一性を表わす尺度は、最大厚みと最小厚み(最大抵抗と最小抵抗)との差の商、および最大厚みと最小厚み(最大抵抗と最小抵抗)との合計に100%を掛けたものである。
【0006】
US 2010/0213168 A1には、単結晶シリコンのエピタキシャル層の厚みの均一性を改善するためのさまざまな方策が記載されている。
【0007】
US 2011/0114017 A1には、単結晶シリコンのエピタキシャル被覆半導体ウェハの製造方法が記載されており、当該方法ではエピタキシャル層が堆積され、抵抗の不均一性は4%以下である。
【0008】
このような教示にも拘わらず、層の厚みおよび抵抗の均一性を改善することが依然として必要である。その理由は特に、半導体ウェハのエッジからの距離が最大15mmの問題となるエッジ領域における層の厚みおよび抵抗を、エッジからさらに離れた領域の層の厚みおよび抵抗と一致させるための良好な解決策がこれまで存在していないためである。問題となるエッジ領域では、基板ウェハはエッジの近くでの熱放射の結果として熱を失うため、エッジに向かって基板ウェハの温度が低下する。対策が取られない限り、この領域におけるp型ドーパントがドープされたエピタキシャル層の層厚は小さくなり、抵抗は大きくなる。ドーパントがn型であれば、抵抗は小さくなる。温度場に影響を及ぼす試みなどの公知の対策はこれまで、問題となるエッジ領域の外側の領域におけるエピタキシャル層の厚みの均一性を犠牲にしており、および/または、半導体ウェハにスリップが生じる傾向を増加させている。スリップは特に、温度差に起因して応力が緩和すると生じる。このような温度差は、径方向および軸方向の温度勾配として、すなわち、基板ウェハのエッジに向かう温度降下として、かつ、その場合は低温の基板ウェハとその場合は高温のサセプタとの間の温度差として、特にエッジ領域で起こる。
【0009】
結晶格子内の応力は走査型赤外線偏光解消(scanning infrared depolarization:SIRD)によって測定可能である。US 2012/0007978 A1には、SIRD応力を偏光解消単位DUで測定および表現可能であることが記載されており、好適な測定機器も言及されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の発明者らは、半導体ウェハにスリップが生じる傾向を増加させることなく、エピタキシャル層の厚みの不均一性およびエピタキシャル層の抵抗の不均一性をさらに減少させるという本発明の目的である課題に取組んだ。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、直径が300mm以上の単結晶シリコンの半導体ウェハであって、単結晶シリコンの基板ウェハと、基板ウェハの上の単結晶シリコンのドーパント含有エピタキシャル層とを含み、エピタキシャル層の厚みの不均一性は0.5%以下であり、エピタキシャル層の比電気抵抗の不均一性は2%以下である半導体ウェハによって達成される。
【0012】
半導体ウェハのエピタキシャル層の厚みおよび抵抗はしたがって特に均一である。エピタキシャル層の厚みは好ましくは1から20μmである。基板ウェハは好ましくはドーパントも含み、さらに付加的に炭素または窒素でドープされていてもよい。半導体ウェハは好ましくはpp+ウェハまたはnn-ウェハである。
【0013】
半導体ウェハは、0.5mmのエッジを除く、半導体ウェハのエッジからの距離が最大15mmのエッジ領域において、好ましくは30偏光解消単位以下の偏光解消度を生じさせるSIRD応力を有する。
【0014】
当該目的はさらに、単結晶シリコンの被覆半導体ウェハを製造する方法であって、
直径が300mm以上の単結晶シリコンの基板ウェハを提供することと、
個々のウェハを被覆するための装置のサセプタの上に基板ウェハを配置することとを含み、装置は環状領域を有する上側カバーを有しており、環状領域は、基板ウェハのエッジ領域において環状領域を透過する放射を集中させ、方法はさらに、
装置の上側カバーの上方に配置された放射源によって、基板ウェハを堆積温度に加熱することと、
加熱した基板ウェハ上に処理ガスを流すことによってシリコンのエピタキシャル層を堆積することとを含み、処理ガスは水素、不活性ガスおよび堆積ガスを含み、堆積ガスはドーパントおよびシリコン源を含む方法によって達成される。
【0015】
当該方法は、影響が主に局所的に制限され続けるように、問題となるエッジ領域におけるエピタキシャル層の堆積に影響を及ぼす方策を含む。たとえば、この領域において抵抗増加および温度場が調整され、同時にスリップの原因となる温度勾配が確実に回避される。
【0016】
特に抵抗に関して、堆積結果に良い影響を及ぼすために、処理ガスは水素だけでなく不活性ガスも含む。有用な不活性ガスは特にアルゴンである。あるいは、別の希ガスまたは2つ以上の希ガスの任意の混合物を不活性ガスとして用いることもできる。基板ウェハ上に6以上20以下の体積比で水素および不活性ガスを流すことが好ましい。付加的に不活性ガスを使用すると、驚くべきことに、問題となるエッジ領域における抵抗の増加、およびエピタキシャル層の厚みの均一化に関する一定の改善がもたらされる。さらに、基板ウェハの問題となるエッジ領域におけるエピタキシャル層の厚みが、個々のウェハを被覆するための装置において基板ウェハを被覆することによって、制御された態様で改善され、当該装置の上側カバーは特定の態様で構成されている。それは環状領域を有しており、環状領域は、隣接領域とは対照的に、自身を通過する放射を集中させる。上側カバーの環状領域の断面は好ましくは、上向きの凸状湾曲部を有するか、またはフレネルレンズの外形を有する。集中した放射は基板ウェハの問題となるエッジ領域に入射し、その結果、その場所の温度が選択的に上昇する。基板ウェハの問題となるエッジ領域における局所的な温度上昇は、熱放射の結果としてその場所で生じる熱損失を補償し、その影響で、温度差はさらに内部の領域に向かって小さくなる。最終的に、こうして、基板ウェハのエッジ領域におけるエピタキシャル層の厚みが、さらに内部の基板ウェハの領域におけるエピタキシャル層の厚みと一致する。
【0017】
本発明を図面を参照して以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】エピタキシャル層の厚みの均一化に対する処理ガス中のアルゴンの影響を示す図である。
図1b】エピタキシャル層の厚みの均一化に対する処理ガス中のアルゴンの影響を示す図である。
図2】エピタキシャル層の抵抗の均一化に対する処理ガス中のアルゴンの影響を示す図である。
図3】CVDによって個々のウェハを被覆するのに好適な装置の断面図である。
図4】自身を通過する放射を集中させる環状領域を有する上側カバーの動作の態様の概略図である。
図5】上側カバーの環状領域の位置と、放射がカバーの環状領域を通過する際に集中する基板ウェハのエッジ領域との幾何学的関係を示す図である。
図6】本発明に従って製造した半導体ウェハ上のSIRD測定の画像を示す図である。
図7】進歩性のある態様で製造しなかった半導体ウェハ上のSIRD測定の画像を示す図である。
図8】本発明に係る層厚を有する本発明に従って製造した半導体ウェハの場合(実線)と、進歩性のある態様で製造しなかった半導体ウェハの場合(点線)の、目標値からの層厚のずれVthのプロファイルを半径Rに重ねて示す図である。
図9】本発明に係る層厚を有する本発明に従って製造した半導体ウェハの場合(実線)と、進歩性のある態様で製造しなかった半導体ウェハの場合(点線)の、目標値からの抵抗のずれVrのプロファイルを半径Rに重ねて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1aおよび図1bは、エピタキシャル層の厚みの均一化に対する処理ガス中のアルゴンの影響を示す。基板ウェハの直径dに対する目標の厚みΔからのエピタキシャル層の厚みのずれの典型的なプロファイルが、各場合において示されている。図1bの場合のエピタキシャル層の厚みのプロファイルは、図1aの場合よりも均一である。この差は、エピタキシャル層の堆積時の処理ガスがアルゴンをさらに含んでいた(図1b)、またはアルゴンを全く含んでいなかった(図1a)ことに起因する。アルゴンは3slmの割合で供給した。水素の割合は双方の場合とも50slmであった。堆積ガスは双方の場合とも同一であり、堆積温度も同一であり、すなわち1115℃であった。
【0020】
図2は、エピタキシャル層の抵抗の均一化に対する処理ガス中のアルゴンの影響を示す。2本の曲線が示されており、これらは半導体ウェハの直径dに対する抵抗ρのプロファイルを示している。より均一な抵抗プロファイル(正方形のデータ点の曲線)は、エピタキシャル層の堆積時の処理ガスがアルゴンをさらに含んでおり、比較例(ダイヤモンド形のデータ点の曲線)では含んでいなかったことに起因する。アルゴンは3slmの割合で供給した。水素の割合は双方の場合とも60slmであった。
【0021】
図3に示す装置は、上側カバー(「上側ドーム」)1と、下側カバー(「下側ドーム」)2と、側壁3とに囲まれた反応室を含む。上側および下側カバー1,2は、反応室の上下に配置された放射源6から発せられる熱放射に対して透過性である。エピタキシャル層は、熱放射によって加熱された基板ウェハ上に処理ガスを流すことによって、基板ウェハ4の上側で気相から堆積される。処理ガスは側壁3のガス入口から供給され、反応後に残っているオフガスは側壁3のガス出口から取除かれる。示される装置は、たとえば、基板ウェハの下の反応室の容積にパージガスを導入し、そこからパージガスを排出できるように、さらなるガス入口およびさらなるガス出口を有する実施形態を表わしている。しかし、これらのさらなるガス入口およびさらなるガス出口は本発明の目的に達成に寄与しない。エピタキシャル層の堆積時、基板ウェハ4はサセプタ5の接触領域上にあり、サセプタとともに基板ウェハの中央の回転軸の周りを回転する。
【0022】
上蓋1は環状領域7(図4)を有しており、環状領域7は自身を通過する放射を集中させる。上蓋1は、環状領域7における厚みの方が隣接領域における厚みよりも厚い。上側カバーの環状領域の断面は好ましくは上向きの凸状湾曲部を有するか、またはフレネルレンズの外形を有する。環状領域7は、放射を集中させる集光レンズのように、自身を通過する放射8に作用する。集中した放射は基板ウェハのエッジ領域に入射する。エッジ領域は好ましくは、基板ウェハ4のエッジからの距離が最大15mmである。入射した放射によって、想定量の材料10がその場所に堆積され、エピタキシャル層9の厚みが想定値を達成するように、エッジ領域における径方向の温度降下が取除かれる。
【0023】
図5に示すように、上側カバーの環状領域7の位置と基板ウェハのエッジ領域の位置とはビーム光学の法則に従って相関している。長さrDは上側カバーの中心を通る垂直線からの上側カバー1の環状領域7の距離を示し、長さrSとxとの差から計算される。長さrDは、定義された高さbおよびh、定義された長さaおよび定義された角度αを用いて近似として計算され得る。高さbは基板ウェハの平面からの放射源の距離を示し、長さrSは上側カバーの中心を通る垂直線からの放射源の距離を示し、高さhは基板ウェハ4からの上側カバー1の距離を示し、長さxは高さbからの環状領域7の距離を示し、長さaは高さbからの基板ウェハのエッジ領域の最大距離を示し、角度αは、高さbおよび底面としての長さaを有する三角形の、底面と反対側の角度を示す。
【0024】
本発明に係る実施例の詳細な説明
単結晶シリコンの半導体ウェハを本発明の方法によって製造し、比較のために、異なる方法によっても半導体ウェハを製造した。
【0025】
直径300mmの単結晶シリコンの基板ウェハを、単結晶から分割し、研削し、エッチングして研磨した後、シリコンのエピタキシャル層内で図3に係る単一ウェハ装置において被覆した。
【0026】
本発明の方法の使用にあたって、当該装置は、環状領域を有する上側カバーを有しており、環状領域は、基板ウェハのエッジ領域において自身を通過する放射を集中させた。異なる方法の使用にあたって、上側カバーにはこの構造がなかった。
【0027】
本発明の方法の使用にあたって、処理ガスは水素(70slm)、アルゴン(5slm)および堆積ガス(トリクロロシラン(6slm)、ジボラン(4lの水素で希釈した水素(180sccm))中の50ppm)からなり、1130℃の温度でエピタキシャル層を堆積した。
【0028】
異なる方法の使用にあたって、処理ガスは水素(55slm)および堆積ガス(トリクロロシラン(10slm)、ジボラン(4lの水素で希釈した水素(180sccm))中の50ppm)のみからなり、1125℃の温度でエピタキシャル層を堆積した。
【0029】
図6は、本発明に従って製造した半導体ウェハ上のSIRD測定の画像を示す。偏光解消度は好ましい程度内に残っている。偏光解消度が30DUを超えた測定セルはなかった。異なる方法によって製造した半導体ウェハの場合、測定セルの0.907%が偏光解消度が30DUを超えていることが分かった(図7)。SIRD測定はPVA TePla社のSIRD-AB300機器を用いて行ない、評価のために測定領域上に1mm(半径)および2mm(方位角)のセルサイズの極座標格子を配置した。格子のセル毎に偏光解消度を求めた。偏光解消単位DUは1×10-6の偏光解消度に対応する。半導体ウェハのエッジからの距離が4.5mm以下の、かつノッチ位置(pos=0°)が中央にある、半導体ウェハの展開された周辺領域が、各場合において示されている。SIRD応力は双方の場合とも平凡なものであったため、半導体ウェハのエッジからの距離が15mmから4.5mmの周辺領域は示していない。
【0030】
図8は、本発明に従って製造した半導体ウェハの場合(実線)と、異なる方法によって製造した半導体ウェハの場合(点線)の、目標値からの層厚のずれVthのプロファイルを半径Rに重ねて示す。層厚に関して本発明の基準を満たしたのは、本発明に従って製造した半導体ウェハのみであった。
【0031】
図9は、本発明に従って製造した半導体ウェハの場合(実線)と、異なる方法によって製造した半導体ウェハの場合(点線)の、目標値からの抵抗のずれVrのプロファイルを半径Rに重ねて示す。抵抗に関して本発明の基準を満たしたのは、本発明に従って製造した半導体ウェハのみであった。
【0032】
上記の例示的な実施形態の説明は例示とみなされるべきである。このようにしてなされた開示によって、当業者は第1に本発明およびその関連の利点を理解することができ、第2に当業者の理解の範囲内で、記載された構造および方法の明白な変更例および変形例も達成することができる。したがって、そのような変更例および変形例はすべて請求項の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0033】
使用する参照番号のリスト
1 上側カバー
2 下側カバー
3 側壁
4 基板ウェハ
5 サセプタ
6 放射源
7 上側カバーの環状領域
8 通過する放射
9 エピタキシャル層
10 材料
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9