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特許7060422プロテクタ及びプロテクタ付ワイヤーハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】プロテクタ及びプロテクタ付ワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20220419BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H02G3/04 062
B60R16/02 623V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018050026
(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2019162006
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】森野 智
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-153411(JP,A)
【文献】特開平10-188736(JP,A)
【文献】特開2010-011538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周方向に隆起する隆起部及び内周方向に凹む溝部が長手方向に沿って交互に所定ピッチで配置された蛇腹構造を有するコルゲートに挿通されたワイヤーハーネスを収容するプロテクタであって、
底面部と両側の側壁部とで断面凹状に形成されたプロテクタ本体と、開口を覆う蓋部とで構成され、
前記プロテクタ本体は、
前記ワイヤーハーネスを収容するハーネス収容部と、
該ハーネス収容部と連通し、前記ワイヤーハーネスが挿通可能な開口部が設けられたハーネス挿通部とで構成され、
該ハーネス挿通部は、
前記開口部を介して挿通する前記コルゲートを固定する本体側コルゲート固定部と、
前記本体側コルゲート固定部よりも前記ハーネス収容部側に設けられた、前記コルゲートの先端位置を決める位置決め部とが備えられ、
前記蓋部には、前記本体側コルゲート固定部と協働して、前記コルゲートを固定する蓋側コルゲート固定部が備えられ、
前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間の前記ハーネス挿通部における幅方向の中央部分に、前記底面部及び前記蓋部の少なくとも一方を貫通する確認窓が備えられ、
前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成され、
前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以下で構成され、
前記確認窓の開口部側端面が、前記本体側コルゲート固定部又は前記蓋側コルゲート固定部を構成する複数のリブのうちの前記ハーネス収容部側に配置された前記リブの前記位置決め部に対向する端面と面一に形成され、
前記確認窓のハーネス収容部側端面が、前記位置決め部における前記リブに対向する端面から所定の距離を隔てた位置に形成された
プロテクタ。
【請求項2】
前記確認窓の前記ハーネス収容部側端と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチ以下で構成された
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項3】
前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチの1倍以上3倍以下である
請求項1又は請求項2に記載のプロテクタ。
【請求項4】
前記確認窓の外周側縁部が、外部に向けて突出して構成されている
請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のプロテクタ。
【請求項5】
前記本体側コルゲート固定部に対応する位置に、前記蓋部を係止して固定する係止部が備えられた
請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載のプロテクタ。
【請求項6】
底面部と両側の側壁部とで断面凹状に形成されたプロテクタ本体及び、開口を覆う蓋部とで構成されたプロテクタと、
外周方向に隆起する隆起部及び内周方向に凹む溝部が長手方向に沿って交互に所定ピッチで配置された蛇腹構造を有するコルゲートに挿通されたワイヤーハーネスとで構成され、
前記プロテクタ本体は、
前記ワイヤーハーネスを収容するハーネス収容部と、
該ハーネス収容部と連通し、前記ワイヤーハーネスが挿通可能な開口部が設けられたハーネス挿通部とで構成され、
該ハーネス挿通部は、
前記開口部を介して挿通する前記コルゲートを固定する本体側コルゲート固定部と、
前記本体側コルゲート固定部よりも前記ハーネス収容部側に設けられた、前記コルゲートの先端位置を決める位置決め部とが備えられ、
前記蓋部には、前記本体側コルゲート固定部と協働して、前記コルゲートを固定する蓋側コルゲート固定部が備えられ、
前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間の前記ハーネス挿通部における幅方向の中央部分に、前記底面部及び前記蓋部の少なくとも一方を貫通する確認窓とが備えられ、
前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成され、
前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以下で構成され、
前記確認窓の開口部側端面が、前記本体側コルゲート固定部又は前記蓋側コルゲート固定部を構成する複数のリブのうちの前記ハーネス収容部側に配置された前記リブの前記位置決め部に対向する端面と面一に形成され、
前記確認窓のハーネス収容部側端面が、前記位置決め部における前記リブに対向する端面から所定の距離を隔てた位置に形成された
プロテクタ付ワイヤーハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両などに配索されるワイヤーハーネスを保護するプロテクタおよびワイヤーハーネスの一部分を前記プロテクタで保護したプロテクタ付ワイヤーハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の操作性や快適性を向上させるために装備されている様々な電気機器は、ワイヤーハーネスを介して電気的に接続されており、信号の送受信や電力の供給が行われている。
【0003】
このように電気機器を接続するワイヤーハーネスは、他の部材と干渉するおそれのある箇所などをプロテクタに収容し、車両本体に固定することで車両本体に配策されている。この際、前記ワイヤーハーネスをプロテクタの開口部に挿通させるにあたり、前記ワイヤーハーネスを挿通させたコルゲートを前記プロテクタの開口部に固定させる。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されているプロテクタは、ワイヤーハーネスを収容するハーネス収容部と連通するハーネス挿通部に形成された開口部に、ワイヤーハーネスを挿通させたコルゲートを固定する固定部と、コルゲートの先端を当接させて位置決めする位置決め部を備えており、前記コルゲートの先端を前記位置決め部に当接するように前記コルゲートを固定することで前記プロテクタの所望の位置に前記コルゲートを固定できるとされている。
【0005】
また、前記ハーネス挿通部の底面を貫通する確認窓を前記位置決め部よりも前記ハーネス収容部側に備えられることで、前記コルゲートと前記位置決め部とが当接していることを前記確認窓から確認できる。これにより、例えばプロテクタ付ワイヤーハーネスを輸送した後であっても、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確認できるとされている。
【0006】
しかしながら、前記確認窓は、前記位置決め部よりも前記ハーネス収容部側に形成されているため、前記位置決め部に前記確認窓からの視界が遮られ、前記コルゲートの先端が前記位置決め部に当接しているかを確認するのは困難であり、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることを確認できないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-72932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、コルゲートが所望の位置で固定されていることを確認できるプロテクタ及びプロテクタ付ワイヤーハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、外周方向に隆起する隆起部及び内周方向に凹む溝部が長手方向に沿って交互に所定ピッチで配置された蛇腹構造を有するコルゲートに挿通されたワイヤーハーネスを収容するプロテクタであって、底面部と両側の側壁部とで断面凹状に形成されたプロテクタ本体と、開口を覆う蓋部とで構成され、前記プロテクタ本体は、前記ワイヤーハーネスを収容するハーネス収容部と、該ハーネス収容部と連通し、前記ワイヤーハーネスが挿通可能な開口部が設けられたハーネス挿通部とで構成され、該ハーネス挿通部は、前記開口部を介して挿通する前記コルゲートを固定する本体側コルゲート固定部と、前記本体側コルゲート固定部よりも前記ハーネス収容部側に設けられた、前記コルゲートの先端位置を決める位置決め部とが備えられ、前記蓋部には、前記本体側コルゲート固定部と協働して、前記コルゲートを固定する蓋側コルゲート固定部が備えられ、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間の前記ハーネス挿通部における幅方向の中央部分に、前記底面部及び前記蓋部の少なくとも一方を貫通する確認窓が備えられ、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成され、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以下で構成され、前記確認窓の開口部側端面が、前記本体側コルゲート固定部又は前記蓋側コルゲート固定部を構成する複数のリブのうちの前記ハーネス収容部側に配置された前記リブの前記位置決め部に対向する端面と面一に形成され、前記確認窓のハーネス収容部側端面が、前記位置決め部における前記リブに対向する端面から所定の距離を隔てた位置に形成されたことを特徴とする。
【0010】
またこの発明は、底面部と両側の側壁部とで断面凹状に形成されたプロテクタ本体及び、開口を覆う蓋部とで構成されたプロテクタと、外周方向に隆起する隆起部及び内周方向に凹む溝部が長手方向に沿って交互に所定ピッチで配置された蛇腹構造を有するコルゲートに挿通されたワイヤーハーネスとで構成され、前記プロテクタ本体は、前記ワイヤーハーネスを収容するハーネス収容部と、該ハーネス収容部と連通し、前記ワイヤーハーネスが挿通可能な開口部が設けられたハーネス挿通部とで構成され、該ハーネス挿通部は、前記開口部を介して挿通する前記コルゲートを固定する本体側コルゲート固定部と、前記本体側コルゲート固定部よりも前記ハーネス収容部側に設けられた、前記コルゲートの先端位置を決める位置決め部とが備えられ、前記蓋部には、前記本体側コルゲート固定部と協働して、前記コルゲートを固定する蓋側コルゲート固定部が備えられ、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間の前記ハーネス挿通部における幅方向の中央部分に、前記底面部及び前記蓋部の少なくとも一方を貫通する確認窓とが備えられ、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成され、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以下で構成され、前記確認窓の開口部側端面が、前記本体側コルゲート固定部又は前記蓋側コルゲート固定部を構成する複数のリブのうちの前記ハーネス収容部側に配置された前記リブの前記位置決め部に対向する端面と面一に形成され、前記確認窓のハーネス収容部側端面が、前記位置決め部における前記リブに対向する端面から所定の距離を隔てた位置に形成されたプロテクタ付ワイヤーハーネスであることを特徴とする。
【0011】
前記側壁部は、前記底面部の両端側において立設された側壁をさす。この側壁部は、例えば前記底面部において長手方向と交差する幅方向の両端から立設している場合や、前記底面部の両端よりも内側において立設されている場合、側面の一方が幅方向の一端で立設されているとともに他方が他端よりも内側において側面の他方が立設している場合を含む。
【0012】
前記隆起部と前記溝部とは長手方向に沿って凹凸形状を形成していればよく、その隆起又は凹みの高さについては特に限定されない。すなわち、前記隆起部は前記溝部よりも外周方向に隆起して構成されていればよく、同様に前記溝部は前記隆起部よりも内周方向に対して凹んで構成されていればよい。
【0013】
前記位置決め部は、前記コルゲートの先端が所定の位置よりも前記ハーネス収容部側に配置されることを防止する構成をさし、例えば、前記コルゲートの先端が当接する構成であってもよく、前記コルゲートの先端と前記位置決め部との距離が前記所定ピッチよりも短くなるように配置された構成であってもよい。
【0014】
この発明によると、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることを確認できる。
詳述すると、前記確認窓が前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間に備えられているため、前記本体側コルゲート固定部に固定された前記コルゲートの先端が前記本体側コルゲート固定部よりも前記ハーネス収容部側に配置されていることを前記確認窓から視認することができる。これにより、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることが確認できる。したがって、所定量の前記コルゲートが前記ハーネス挿通部に挿通されていることが確認できる。
【0015】
さらに、確認窓の前記長手方向に沿った長さが、所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成されているため、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかをより確実に確認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【0016】
例えば、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが前記所定ピッチの1倍未満である場合、前記確認窓は前記所定ピッチに対応する前記コルゲートの幅よりも短くなるため、前記コルゲートの溝部などを前記確認窓から確認できなくなり、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確認できない。また、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが前記所定ピッチの2倍よりも長い場合には、前記確認窓から異物が侵入しやすくなる。
【0017】
これに対して、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成されることにより、前記確認窓から前記コルゲートの溝などを視認できるため、前記本体側コルゲート固定部に固定された前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確実に確認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【0018】
さらに、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以下で構成されているため、前記確認窓から異物が侵入することを妨げることができるとともに、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることを確実に視認できる。
【0019】
詳述すると、前記確認窓の前記幅方向に沿った長さが前記底面部を構成する板厚の2倍未満である場合、前記確認窓の視界が前記底面部の板厚により妨げられるため、前記コルゲートを視認することが困難となる。
【0020】
また、前記確認窓の前記幅方向に沿った長さが前記所定ピッチの1倍以上である場合には、前記確認窓が不要に大きくなるため、ゴミなどの異物が侵入するおそれがあるとともに、前記底面部の強度が低下することとなる。
【0021】
これに対して、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記底面部を構成する板厚の2倍以上で、前記所定ピッチの1倍以下で構成することにより、前記確認窓の視界を確保できるため、確実に前記コルゲートを視認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【0022】
加えて、前記確認窓の開口部側端面が、前記本体側コルゲート固定部又は前記蓋側コルゲート固定部を構成する複数のリブのうちの前記ハーネス収容部側に配置された前記リブの前記位置決め部に対向する端面と面一に形成されているため、複数の前記コルゲートの隆起部及び溝部を前記リブで挟み込んで固定した際に、前記リブを前記コルゲートと誤認することを防止できる。
【0023】
さらに、前記確認窓が前記底面部を貫通する場合において、前記底面部側が下方となるように前記プロテクタを配置することで、前記確認窓を水抜きとして用いることができる。
一方で、前記確認窓が前記底面部を貫通する場合において、前記底面部側を車体に沿わせて配置することで、前記コルゲートが所望の位置に配置されているかを外部から確実かつ容易に確認できる。
【0024】
この発明により、複数の前記コルゲートの隆起部及び溝部を前記リブで挟み込むことで、確実に前記コルゲートを固定できるとともに、前記確認窓の前記開口部側端面が前記リブと面一となるため、前記リブを前記コルゲートと誤認することを防止できる。
【0025】
加えて、前記確認窓のハーネス収容部側端面が、前記位置決め部における前記リブに対向する端面から所定の距離を隔てた位置に形成されているため、複数の前記コルゲートの隆起部及び溝部を前記リブで挟み込んで固定した際に、前記コルゲートの先端を前記確認窓よりも前記ハーネス収容部側に配置させることができる。こうして、前記コルゲートが前記開口部から前記確認窓を跨いでハーネス収容部側まで延設されるため、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることをより確実に視認できる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記確認窓のハーネス収容部側端と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチ以下で構成されてもよい。
この発明によると、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることをより確実に確認できる。
【0027】
詳述すると、前記コルゲートが所望の位置で前記本体側コルゲート固定部に固定されている場合、前記コルゲートの先端側は前記位置決め部と当接又は接近しているため、前記確認窓から前記ハーネス挿通部の内部を視た場合に、前記コルゲートが視認できる。
【0028】
一方で、前記コルゲートが所望の位置で固定されていない場合、すなわち、前記コルゲートが所望の位置に対して前記開口部側で固定されている場合、前記確認窓からは前記コルゲートの先端やコルゲートに挿通されたワイヤーハーネスが視認できる。
【0029】
このように、前記確認窓のハーネス収容部側端と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチ以下で構成することにより、前記確認窓から見えるコルゲートの部位が明確に異なるため、確実に前記コルゲートの先端が前記位置決め部と当接又は接近した状態であることを確認することができる。すなわち、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることを確実に確認できる。
【0030】
また、前記確認窓のハーネス収容部側端と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチ以下であることから、前記コルゲートの先端側の長さを前記確認窓のハーネス収容部側端から前記位置決め部までの長さ分のみとすることができるため、前記ハーネス挿通部の内部に挿通される前記コルゲートを短くすることができ、軽量化を図ることができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチの1倍以上3倍以下であってもよい。
この発明により、前記ハーネス挿通部に固定する前記コルゲートの挿入量を減らすことができる。
【0032】
詳述すると、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチの1倍以下である場合、前記本体側コルゲート固定部に固定した前記コルゲートの先端部分が前記位置決め部と当接させることができない。すなわち、前記固定部よりも前記ハーネス収容部側に前記コルゲートの先端が配置されることがなく、前記確認窓から前記コルゲートの先端を視認することができない。したがって、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確認できない。
【0033】
一方で、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチの3倍よりも長い場合、前記コルゲートの先端を前記位置決め部と当接させることで不要に前記コルゲートが長くなり、前記ハーネス挿通部に固定する前記コルゲートの挿入量が増加する。
【0034】
これに対して、前記本体側コルゲート固定部と前記位置決め部との間隔が、前記所定ピッチの1倍以上3倍以下とした場合、前記コルゲートの挿通量に応じて前記確認窓から前記コルゲートの先端を視認することができるとともに、前記ハーネス挿通部に固定する前記コルゲートの挿入量を減らすことができる。したがって、確実に前駆コルゲートが所定の位置に固定されていることを確認できるとともに、前記プロテクタに前記ワイヤーハーネスの一部を収容させた前記プロテクタ付ワイヤーハーネスの軽量化を図ることができる。
【0035】
またこの発明の態様として、前記確認窓の外周側縁部が、外部に向けて突出して構成されてもよい。
この発明により、前記底面部を板厚方向に貫通する前記確認窓の内周面を明確にすることができるため、前記確認窓の内周面を形成する内周側縁部と前記コルゲートと見間違いすることを防止できる。
【0036】
またこの発明の態様として、前記本体側コルゲート固定部に対応する位置に、前記蓋部を係止して固定する係止部が備えられてもよい。
【0037】
この発明によると、前記コルゲートに対して外力が作用した場合であっても、前記コルゲートを固定している箇所において前記蓋部と前記プロテクタ本体とが固定されているため、前記コルゲートに作用した外力により前記蓋部が外れることを防止できる。これにより、前記コルゲートが前記本体側コルゲート固定部から移動することを防止できる。
【0038】
またこの発明の態様として、前記本体側コルゲート固定部は、前記所定ピッチを隔てて設けられた複数の本体側リブで構成され、前記底面部を貫通する前記確認窓の前記開口部側端面が、前記ハーネス収容部側に配置された前記本体側リブと面一となるように設けられてもよい。
【0039】
またこの発明の態様として、前記蓋側コルゲート固定部は、前記所定ピッチを隔てて設けられた複数の蓋側リブで構成され、前記蓋部を貫通する前記確認窓の前記開口部側端面が、前記ハーネス収容部側に配置された前記蓋側リブと面一となるように設けられてもよい。
【0040】
これらの発明により、複数の前記コルゲートの隆起部及び溝部を前記リブで挟み込むことで、確実に前記コルゲートを固定できるとともに、前記確認窓の前記開口部側端面が前記リブと面一となるため、前記リブを前記コルゲートと誤認することを防止できる。
【0041】
さらに、前記確認窓が前記底面を貫通する場合において、前記底面側が下方となるように前記プロテクタを配置することで、前記確認窓を水抜きとして用いることができる。
一方で、前記確認窓が前記底面を貫通する場合において、前記底面側を車体に沿わせて配置することで、前記コルゲートが所望の位置に配置されているかを外部から確実かつ容易に確認できる。
【0042】
この発明により、複数の前記コルゲートの隆起部及び溝部を前記リブで挟み込むことで、確実に前記コルゲートを固定できるとともに、前記確認窓の前記開口部側端面が前記リブと面一となるため、前記リブを前記コルゲートと誤認することを防止できる。
【0043】
またこの発明の態様として、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成されてもよい。
この発明により、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかをより確実に確認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【0044】
例えば、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが前記所定ピッチの1倍未満である場合、前記確認窓は前記所定ピッチに対応する前記コルゲートの幅よりも短くなるため、前記コルゲートの溝部などを前記確認窓から確認できなくなり、前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確認できない。また、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが前記所定ピッチの2倍よりも長い場合には、前記確認窓から異物が侵入しやすくなる。
【0045】
これに対して、前記確認窓の前記長手方向に沿った長さが、前記所定ピッチの1倍以上2倍以下で構成されることにより、前記確認窓から前記コルゲートの溝などを視認できるため、前記本体側コルゲート固定部に固定された前記コルゲートが所望の位置で固定されているかを確実に確認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【0046】
またこの発明の態様として、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記底面部を構成する板厚の2倍以上で、前記所定ピッチの1倍以下で構成されてもよい。
この発明により、前記確認窓から異物が侵入することを妨げることができるとともに、前記コルゲートが所望の位置で固定されていることを確実に視認できる。
【0047】
詳述すると、前記確認窓の前記幅方向に沿った長さが前記底面部を構成する板厚の2倍未満である場合、前記確認窓の視界が前記底面部の板厚により妨げられるため、前記コルゲートを視認することが困難となる。
【0048】
また、前記確認窓の前記幅方向に沿った長さが前記所定ピッチの1倍以上である場合には、前記確認窓が不要に大きくなるため、ゴミなどの異物が侵入するおそれがあるとともに、前記底面部の強度が低下することとなる。
【0049】
これに対して、前記確認窓の前記長手方向と交差する幅方向に沿った長さが、前記底面部を構成する板厚の2倍以上で、前記所定ピッチの1倍以下で構成することにより、前記確認窓の視界を確保できるため、確実に前記コルゲートを視認できるとともに、前記確認窓から異物が侵入することを防止できる。
【発明の効果】
【0050】
この発明により、コルゲートが所望の位置で固定されていることを確認できるプロテクタ及びプロテクタ付ワイヤーハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】プロテクタ付ワイヤーハーネスの概略斜視図。
図2】プロテクタ付ワイヤーハーネスの概略分解斜視図。
図3】ワイヤーハーネスを挿通させたコルゲートの概略底面図。
図4】プロテクタ本体の説明図。
図5】メイン挿通部の拡大平面図。
図6】プロテクタの概略断面図。
図7】メイン挿通部の拡大概略断面図。
図8】プロテクタ付ワイヤーハーネスの説明図。
図9】プロテクタ付ワイヤーハーネスの説明図。
図10】プロテクタ付ワイヤーハーネスの概略断面図。
図11】プロテクタ付ワイヤーハーネスの説明図。
図12】他の実施形態のプロテクタの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1はプロテクタ付ワイヤーハーネス1の概略斜視図を示し、図2はプロテクタ付ワイヤーハーネス1の概略分解斜視図を示し、図3はワイヤーハーネス100を挿通させたコルゲート200の先端側の概略底面図を示す。
【0053】
ここで、コルゲート200の長手方向を長手方向Xとし、コルゲート200の横幅方向であって長手方向Xと直交する方向を幅方向Yとする。図1中の長手方向Xに沿って左側を+X方向とし、右側を-X方向とするとともに、幅方向Yに沿って左側を-Y方向とし、右側を+Y方向とする。また、図1中において、縦方向を上下方向Zとし、図1中の上側を+Z方向(上方)、下側を-Z方向(下方)とする。
なお、この軸および方向は、図2乃至図11においても同様とする。
【0054】
図4はプロテクタ本体10の説明図を示し、図5図4においてα部で囲んだメイン挿通部40の拡大平面図を示し、図6図4におけるA-A断面に対応したプロテクタ2の概略断面図を示し、図7図6においてβ部で囲んだメイン挿通部40の拡大概略断面図を示す。
図4について詳述すると、図4はプロテクタ本体10の構成を示した説明図であり、図4(a)はプロテクタ本体10の平面図を示し、図4(b)はプロテクタ本体10の底面図を示す。
【0055】
図8及び図9はプロテクタ付ワイヤーハーネス1の説明図を示す。具体的には、図8(a)は図4におけるA-A断面に対応したプロテクタ付ワイヤーハーネス1の断面図を示し、図8(b)はプロテクタ付ワイヤーハーネス1の底面図を示し、図9(a)は図8(a)におけるγ部の拡大図を示し、図9(b)は図8(b)におけるδ部の拡大図を示す。
なお、図8(a)及び図9(a)においてワイヤーハーネス100は省略する。
【0056】
図10は、コルゲート200が所望の位置には固定されていない状態において、図4におけるA-A断面図に対応する断面図を示し、図11はコルゲート200が所望の位置には固定されていない状態の確認方法の説明図を示す。
【0057】
図11について詳述すると、図11(a)は、図10におけるγ部の拡大図、すなわちコルゲート200が所望の位置に固定されていない場合のγ部の拡大図を示し、図11(b)は、コルゲート200が所望の位置に固定されていない場合のδ部の拡大図を示す。
なお、図10及び図11(a)においてワイヤーハーネス100は省略する。
【0058】
プロテクタ付ワイヤーハーネス1は、図1に示すように、コルゲート200に挿通させたワイヤーハーネス100と、ワイヤーハーネス100を収容して保護するプロテクタ2とで構成される。
本実施形態においてワイヤーハーネス100は、図2に示すように、例えば一端をバッテリーなどと接続するメインハーネス110と、メインハーネス110から分岐した2本のサブハーネス120とで構成されている。
【0059】
コルゲート200は、内径が挿通させるワイヤーハーネス100の外径と同径となるように構成された樹脂製の円筒体であり、図3に示すように、外径方向に隆起する隆起部210と、内径方向に凹んだ溝部220とが長手方向Xに沿って交互に所定のピッチで配置された蛇腹構造で構成されており、底面側には長手方向Xに沿って所定の幅に切り欠いた切欠き部230が形成されている。
なお、隆起部210同士の間隔、すなわち、隆起部210の中心から隣接する隆起部210の中心までの長さをピッチL1とする。
【0060】
プロテクタ2は、図1及び図2に示すように、上面側が開口したプロテクタ本体10とプロテクタ本体10の上面を覆うようにプロテクタ本体10に係止可能な蓋部20とで構成されている。
【0061】
プロテクタ本体10は、図2及び図4に示すように、底面を形成するプロテクタ本体底面10bと、プロテクタ本体10の両端から立設するプロテクタ本体側面10sとで断面凹状に形成された収容部であり、幅方向Yに沿って形成されたハーネス収容部30と、ハーネス収容部30の+Y側端部と中央部分において+X側に突出するメイン挿通部40と、ハーネス収容部30の-Y側端部及び中央部分において+X側及び-X側にそれぞれ突出するサブ挿通部50とで構成され、ハーネス収容部30、メイン挿通部40、サブ挿通部50の所定の箇所に係止枠60が設けられている。
【0062】
なお、プロテクタ本体底面10bは後述する収容部底面30b、メイン挿通部底面40b、サブ挿通部底面50bで一体に構成され、プロテクタ本体側面10sは後述する収容部側面30sとメイン挿通部側面40sとサブ挿通部側面50sで一体に構成されている。
【0063】
係止枠60は、プロテクタ本体10を形成するプロテクタ本体側面10s(収容部側面30s、メイン挿通部側面40s、サブ挿通部側面50s)から外側に立設する2本の支持枠61と、2本の支持枠61の外側端部同士を連結する板状体である係止面62とで構成されている。このように構成された係止枠60は、係止面62と側壁との間に係止用空間Sが形成される。
【0064】
ハーネス収容部30は、幅方向Yに沿って形成された板状の収容部底面30bと、収容部底面30bの両端部から上方に立設する収容部側面30sとでワイヤーハーネス100を収容できるように断面凹状に形成されている。
【0065】
上述のようにハーネス収容部30の+Y側端部及び中央部分において+X側に突出するメイン挿通部40は、収容部底面30bと一体に構成されたメイン挿通部底面40bと、メイン挿通部底面40bの両端から上方に立設し、かつ、収容部側面30sと連結するメイン挿通部側面40sとで断面凹状に形成されている。このような断面凹状に形成されたメイン挿通部40はハーネス収容部30と連通している。
【0066】
このメイン挿通部40には、図4乃至図6に示すように、コルゲート200を固定するメイン側固定用リブ41と、コルゲート200の先端位置を決める位置決め部42と、メイン側固定用リブ41と位置決め部42との間においてメイン挿通部底面40bを貫通したメイン側確認窓43とが備えられている。
【0067】
メイン側固定用リブ41は、メイン挿通部底面40b及びメイン挿通部側面40sから内側に突出したリブであり、下方側が下方に向けて凸状の円弧で形成されたU字形状している。なお、メイン側固定用リブ41において円弧上に形成された部分の内径は、溝部220の外径と同じになるように構成されている。
【0068】
このように構成されたメイン側固定用リブ41は、メイン挿通部40の+X側端部から長手方向Xに沿って等間隔に5つ配置されている。なお、メイン側固定用リブ41同士の間隔(長さI1)は、隆起部210の間隔(ピッチL1)と等しくなるように形成されている。
また、メイン挿通部40の+X側端部に形成されているメイン側固定用リブ41aは、メイン挿通部40と外部とを連通する開口部44を形成する。
【0069】
位置決め部42は、メイン挿通部側面40sから内側に突出したリブであり、メイン側固定用リブ41よりも+X側において対向するように2つ配置されている。
より詳しくは、位置決め部42は-X側に形成されたメイン側固定用リブ41b(+X側端部から数えて5番目のメイン側固定用リブ41)からの距離(長さB2)がピッチL1の2.5倍の位置に配置されており、その高さは隆起部210の高さの訳0.45倍となるように形成されている。
【0070】
なお、本実施形態において長さB2は、ピッチL1の2.5倍であるが、2.5倍に限定する必要はない。なお、ピッチL1の1倍以上3倍以下であることが好ましい。
また位置決め部42の高さも隆起部210の高さの0.45倍としているが、同様にこの高さに限定されることはない。なお、隆起部210の高さの3分の1から2分の1の間であることが好ましい。
【0071】
メイン側確認窓43は、図6に示すように、メイン側固定用リブ41bと位置決め部42との間においてメイン挿通部底面40bを上下方向に貫通する貫通孔である。
このメイン側確認窓43の形状は、長手方向Xに沿った長さI2がピッチL1の1.8倍であるとともに、幅方向Yに沿った幅の長さI4がメイン挿通部底面40bの板厚の2.6倍(ピッチL1の0.95倍)となるように形成されている。またメイン側確認窓43の底面側は、下方に突出するとともに、外周側に向けて緩やかな曲面形状に形成された外側縁部43oが構成されている。
【0072】
なお、メイン側確認窓43のハーネス収容部30側端と位置決め部42との間隔である長さI3が、ピッチL1の0.5倍の長さとなるように構成されている。
【0073】
このような形状を有するメイン側確認窓43は、メイン挿通部底面40bの幅方向Yの中央部分でかつメイン側固定用リブ41の-X側に形成されている。換言すると、メイン側確認窓43はU字形状であるメイン側固定用リブ41bの円弧の底部、かつ、+X側の内周面がメイン側固定用リブ41bの-X側の面と面一となるように設けられている。
【0074】
なお、本実施形態において、メイン側確認窓43の+X側の内周面がメイン側固定用リブ41bの-X側の面と面一となるように設けられているが、例えば、+X側の内周面がメイン側固定用リブ41bの-X側の面よりも-X側に設けられてもよい。しかしながら、メイン側確認窓43から位置決め部42の内部を確認することから、メイン側確認窓43は+X側の内周面がメイン側固定用リブ41bの-X側の面と面一となるように設けられることが好ましい。
【0075】
また、本実施形態において、メイン側確認窓43の長手方向Xの長さI2がピッチL1の1.8倍としているが、この値に限定されることはない。なお、長さI2は、ピッチL1の1.0倍以上2.0倍以下であることが好ましい。
【0076】
同様に、本実施形態において、メイン側確認窓43の幅方向Yの長さI4がメイン挿通部底面40bの板厚の2.6倍(ピッチL1の0.95倍)としているが、この値に限定されることはない。なお、長さI4は、メイン挿通部底面40bの板厚の2倍以上でピッチL1の倍以上1.0倍以下であることが好ましい。
【0077】
ハーネス収容部30の-Y側端部及び中央部分において+X側及び-X側に突出するサブ挿通部50は、収容部底面30bと一体に構成されたサブ挿通部底面50bと、サブ挿通部底面50bの両端から上方に立設し、かつ、収容部側面30sと連結するサブ挿通部側面50sとで断面凹状に形成されている。このような断面凹状に形成されたサブ挿通部50はハーネス収容部30と連通している。
【0078】
このサブ挿通部50は、メイン挿通部40と同様に、対応するコルゲート200を固定するサブ側固定用リブ51が長手方向Xに沿って等間隔で5つ備えられている。また、ハーネス収容部30の-Y側端部において+X側に突出するサブ挿通部50のサブ挿通部底面50bには、上下方向Zにサブ挿通部底面50bを貫通するサブ側確認窓53が備えられている。
【0079】
なお、サブ側固定用リブ51及びサブ側確認窓53の構成は、対応するコルゲート200に合わせて大きさ等が異なるもののメイン側固定用リブ41及びメイン側確認窓43の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0080】
蓋部20は、プロテクタ本体10の底面(収容部底面30b、メイン挿通部底面40b、サブ挿通部底面50b)と対応する形状である上面部20uと、上面部20uの両端から下方に突出する蓋側側面20sとで断面凹状に形成された蓋であり、プロテクタ本体10の上方側開口を塞いでいる。
【0081】
この蓋部20は、メイン側固定用リブ41及びサブ側固定用リブ51に対応する位置に蓋側固定リブ21が設けられるとともに、プロテクタ本体10に設けられた係止枠60に対応する位置に蓋側係止部22が設けられている。
【0082】
蓋側固定リブ21は、蓋部20のメイン側固定用リブ41及びサブ側固定用リブ51と対応する位置において、上方向に向けて凸状の円弧で形成されたU字状のリブであり、メイン側固定用リブ41及びサブ側固定用リブ51と同様に、長手方向Xに沿って5つ等間隔で配置されている。なお、蓋側固定リブ21の内径は、メイン側固定用リブ41の円弧部分の内径と同様に、溝部220の外径と等しくなるように構成されている。
【0083】
蓋側係止部22は、支持枠61と係止面62とで形成される係止用空間Sと略同じ板厚である蓋側側面20sから下方に向けて突出する板状体である係止部支持板221と、係止部支持板221から外方に向けて突出する係止片222とで構成されており、係止部支持板221を係止用空間Sに挿通させることで、係止片222が係止面62の底面と係止できるように構成されている。これにより、プロテクタ本体10と蓋部20とを固定できる。
【0084】
次に、このように構成されたプロテクタ2に対してワイヤーハーネス100及びコルゲート200を組み付けたプロテクタ付ワイヤーハーネス1について、図8乃至図11に基づいて簡単に説明する。
【0085】
プロテクタ2に保護されているワイヤーハーネス100は、メイン挿通部40及びサブ挿通部50に対応する位置において対応するコルゲート200に挿通されている。このワイヤーハーネス100を挿通させたコルゲート200は、開口部44を挿通するようにメイン挿通部40及びサブ挿通部50に固定されているため、ワイヤーハーネス100は開口部44を挿通することとなる。
なお、コルゲート200に挿通されたワイヤーハーネス100は、ハーネス収容部30に対応するように変形させてプロテクタ本体10に収容されている。
【0086】
このように開口部44に挿通されているコルゲート200の固定について詳述すると、コルゲート200は、図8(a)及び図9(a)に示すように、コルゲート200の先端(-X側端部)が位置決め部42と当接するとともに、溝部220がメイン側固定用リブ41と嵌合するようにコルゲート200をメイン挿通部40に配置されている。
【0087】
この状態において、プロテクタ本体10の上方から蓋部20を組み付けて蓋側係止部22と係止枠60とを係止することで、溝部220に蓋側固定リブ21が嵌合されて、メイン側固定用リブ41と蓋側固定リブ21とで協働してコルゲート200がプロテクタ2に固定することとなる。これにより、コルゲート200が開口部44を挿通した状態で、ワイヤーハーネス100をプロテクタ2に収容できる。
【0088】
このようにプロテクタ2に固定されたコルゲート200は、プロテクタ本体10の底面に備えられたメイン側確認窓43からプロテクタ本体10の内部を確認することで、所望の位置で固定されているかを確認することができる。
【0089】
例えば、図8に示すように、コルゲート200の先端が位置決め部42と当接するようにコルゲート200を配置している場合、すなわちコルゲート200が所望の位置で固定されている場合、メイン側確認窓43の上方にはコルゲート200が配置されることとなる。
【0090】
この場合、メイン側確認窓43からメイン側固定用リブ41の内部を見ることで、メイン側確認窓43の-X側には、溝部220を視認することができる。これにより、コルゲート200が所望の位置で固定されていることを確認でき、コルゲート200が所定量だけメイン側固定用リブ41に挿通されて固定されていることを確認できる(図9(b)参照)。
【0091】
また、コルゲート200の底面側に設けられた切欠き部230が長手方向Xに沿って直線状に並んでいることから、溝部220が正しくメイン側固定用リブ41に嵌合して固定されていることも確認できる(図9(b)参照)。
【0092】
なお、コルゲート200の先端を当接させる位置決め部42の高さは、隆起部210の高さの0.45倍とすることで確実にコルゲート200の先端をしっかりと当接できるため、コルゲート200が-X側に挿入されることを防止できる。
【0093】
また、位置決め部42の高さが隆起部210の高さの3分の1以下の場合には、コルゲート200の位置決めを確実に行うことができず、また位置決め部42の高さが隆起部210の高さの2分の1よりも大きい場合には、不要な構成となり質量が重くなる。
【0094】
また、メイン側固定用リブ41をメイン挿通部40の外側端部(+X側端部)に設けることにより、コルゲート200をメイン挿通部40に確実に固定できるとともに、メイン挿通部40に挿入するコルゲート200の長さを縮小することができるため、プロテクタ付ワイヤーハーネス1の軽量化を図ることができる。
【0095】
一方で、図10に示すように、コルゲート200がメイン挿通部40における所望の位置で固定されていない場合、すなわち、コルゲート200の先端が位置決め部42と当接せずに+X側に配置された状態でコルゲート200がメイン側固定用リブ41に固定されている場合、メイン側確認窓43の上方にはコルゲート200の先端部分が配置されることとなる(図11(a)参照)。
【0096】
詳述すると、コルゲート200の先端が位置決め部42と当接していない場合、メイン側確認窓43からメイン挿通部40の内部を確認すると、図11(a)及び(b)に示すように、コルゲート200の先端及びコルゲート200に挿通されたワイヤーハーネス100を視認できる。これにより、コルゲート200が所望の位置に固定されていないことを確認して、所定量のコルゲート200がメイン側固定用リブ41に挿通されていないことを認識できる(図11(b)参照)。
【0097】
このように、外周方向に隆起する隆起部210及び内周方向に凹む溝部220が長手方向Xに沿って交互にピッチL1で配置された蛇腹構造を有するコルゲート200に挿通されたワイヤーハーネス100を収容するプロテクタ2は、プロテクタ本体底面10bと両側のプロテクタ本体側面10sとで断面凹状に形成されたプロテクタ本体10と、開口を覆う蓋部20とで構成され、プロテクタ本体10は、ワイヤーハーネス100を収容するハーネス収容部30と、ハーネス収容部30と連通し、ワイヤーハーネス100が挿通可能な開口部44が設けられたメイン挿通部40とで構成され、メイン挿通部40は、開口部44を介して挿通するコルゲート200を固定するメイン側固定用リブ41と、メイン側固定用リブ41よりもハーネス収容部30側に設けられた、コルゲート200の先端位置を決める位置決め部42と、メイン側固定用リブ41と位置決め部42との間において、メイン挿通部底面40bを貫通するメイン側確認窓43とが備えられたことにより、コルゲート200が所望の位置で固定されていることを確認できる。
【0098】
詳述すると、メイン側確認窓43がメイン側固定用リブ41と位置決め部42との間に備えられているため、メイン側固定用リブ41に固定されたコルゲート200の先端がメイン側固定用リブ41よりもハーネス収容部30側に配置されていることをメイン側確認窓43から視認することができる。これにより、コルゲート200が所望の位置で固定されていることが確認でき、所定量のコルゲート200がメイン挿通部40に挿通されていることが確認できる、
【0099】
また、メイン側確認窓43のハーネス収容部30側端と位置決め部42との間隔である長さI3が、ピッチL1以下で構成されることにより、コルゲート200が所望の位置で固定されていることをより確実に確認できる。
【0100】
詳述すると、コルゲート200が所望の位置でメイン側固定用リブ41に固定されている場合、コルゲート200の先端側は位置決め部42と当接又は接近しているため、メイン側確認窓43からメイン挿通部40の内部を視た場合に、コルゲート200が視認できる(図9(b)参照)。
【0101】
一方で、コルゲート200が所望の位置で固定されていない場合、すなわち、コルゲート200が所望の位置に対して開口部44側で固定されている場合、メイン側確認窓43からはコルゲート200の先端やコルゲート200に挿通されたワイヤーハーネス100が視認できる(図11(b)参照)。
【0102】
このように、メイン側確認窓43のハーネス収容部30側端と位置決め部42との間隔である長さI3が、ピッチL1以下で構成することにより、メイン側確認窓43から視えるコルゲート200の部位が明確に異なるため、確実にコルゲート200の先端が位置決め部42と当接又は接近した状態であることを確認することができる。すなわち、コルゲート200が所望の位置で固定されていることを確実に確認できる。
【0103】
さらにまた、メイン側確認窓43のハーネス収容部30側端と位置決め部42との間隔が、ピッチL1以下であることから、コルゲート200の先端側の長さをメイン側確認窓43のハーネス収容部30側端から位置決め部42までの長さ分のみとすることができるため、コルゲート200の長さを短くすることができ、プロテクタ付ワイヤーハーネス1の軽量化を図ることができる。
【0104】
また、メイン側固定用リブ41と位置決め部42との間隔が、ピッチL1の1倍以上3倍以下であることにより、メイン挿通部40に固定するコルゲート200の挿入量を減らすことができる。
【0105】
詳述すると、メイン側固定用リブ41と位置決め部42との間隔が、ピッチL1の1倍以上3倍以下とすることで、メイン側確認窓43からコルゲート200の先端を視認することができるとともに、メイン挿通部40に固定するコルゲート200の挿入量の減らすことができる。したがって、確実にコルゲート200が所定の位置に固定されていることを確認できるとともに、プロテクタ2にワイヤーハーネス100の一部を収容させたプロテクタ付ワイヤーハーネス1の軽量化を図ることができる。
【0106】
また、メイン側固定用リブ41は、ピッチL1を隔てて設けられた複数で構成され、メイン側確認窓43の開口部44側(+X側)端面が、ハーネス収容部30側(-X側)に配置されたメイン側固定用リブ41と面一となるように設けられることにより、複数のコルゲート200の隆起部210及び溝部220をメイン側固定用リブ41で挟み込むことができ、確実にコルゲート200を固定できる。また、メイン側確認窓43の開口部44側端面がメイン側固定用リブ41と面一となるため、メイン側固定用リブ41をコルゲート200と見間違えることを防止でき、コルゲート200が所望の位置で固定されていることを確実に視認できる。
【0107】
また、メイン側確認窓43の長手方向Xに沿った長さが、ピッチL1の1倍以上2倍以下で構成されることにより、コルゲート200が所望の位置で固定されているかをより確実に確認できるとともに、メイン側確認窓43から異物が侵入することを防止できる。
【0108】
詳述すると、メイン側確認窓43の長手方向Xに沿った長さが、ピッチL1の1倍以上2倍以下で構成されることにより、メイン側確認窓43からコルゲート200の溝などを視認できるため、メイン側固定用リブ41に固定されたコルゲート200が所望の位置で固定されているかを確実に確認できるとともに、メイン側確認窓43から異物が侵入することを防止できる。
【0109】
また、メイン側確認窓43の長手方向Xと交差する幅方向Yに沿った長さI4が、メイン挿通部底面40bの板厚の2倍以上で、ピッチL1の1倍以下で構成されることにより、メイン側確認窓43から異物が侵入することを妨げることができるとともに、コルゲート200が所望の位置で固定されていることを確実に視認できる。
【0110】
詳述すると、メイン側確認窓43の長手方向Xと交差する幅方向Yに沿った長さが、メイン挿通部底面40bを構成する板厚の2倍以上で、ピッチL1の1倍以下で構成することにより、メイン側確認窓43から視た視界を充分に確保できるため、確実にコルゲート200を視認できるとともに、メイン側確認窓43から異物の侵入を防ぐことができる。
【0111】
また、メイン側確認窓43の外側縁部43oが、外部に向けて突出して構成されることにより、プロテクタ本体底面10bを板厚方向に貫通するメイン側確認窓43の形状を明確にすることができるため、メイン側確認窓43の内周面を形成する内周側縁部をコルゲート200と見間違いすることを防止できる。
【0112】
さらにまた、メイン側固定用リブ41に対応する位置に、蓋部20を係止して固定する蓋側係止部22及び係止枠60が備えられることにより、メイン側固定用リブ41に対応する位置で蓋部20が固定されるため、コルゲート200に対して外力が作用した場合であっても、コルゲート200がメイン側固定用リブ41から移動することを防止できる。
【0113】
さらにまたメイン側固定用リブ41を開口部44側に設けるとともに、蓋部20を係止して固定する蓋側係止部22及び係止枠60をメイン側固定用リブ41に対応する位置に設けることで、メイン挿通部40に挿通させるコルゲート200を短くすることができる。
【0114】
これにより、プロテクタ付ワイヤーハーネス1の軽量化を図ることができるとともに、コルゲート200に不意の外力が作用した場合であっても、外力の影響を軽減できる。これにより、蓋側係止部22及び係止枠60が外れることを防止できるため、より確実にコルゲート200が抜けることを防止できる。
【0115】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
所定ピッチは、ピッチL1に対応し、同様に
底面部は、プロテクタ本体底面10b及びメイン挿通部底面40bに対応し、
側壁部は、プロテクタ本体側面10s及びメイン挿通部側面40sに対応し、
ハーネス挿通部は、メイン挿通部40に対応し、
本体側コルゲート固定部は、メイン側固定用リブ41に対応し、
蓋側コルゲート固定部は、蓋側固定リブ21に対応し、
確認窓は、メイン側確認窓43に対応し、
本体側リブは、メイン側固定用リブ41に対応し、
蓋側リブは、蓋側固定リブ21に対応し、
外周側縁部は、外側縁部43oに対応し、
係止部は、係止枠60及び蓋側係止部22に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0116】
例えば、本実施形態では、プロテクタ2の断面形状は凹状としているが、この形状に限定されるわけでなく、プロテクタ本体10(ハーネス収容部30、メイン挿通部40、サブ挿通部50)の底面を円弧状としたU字状である場合、蓋部20を円弧状とした逆U字状である場合、断面形状が円形状である場合などとしてもよい。
【0117】
しかしながらメイン挿通部40におけるメイン挿通部底面40bは、メイン側確認窓43からメイン挿通部40の内部を確認するため、誤認を防止できるように平面状であることが好ましい。
【0118】
本実施形態において、メイン側固定用リブ41は5つが等間隔で配置されているが、この個数に限定はなく、複数の溝部220を嵌合できる程度に複数あればよい。なお、メイン側固定用リブ41を複数設けることによりコルゲート200が抜けることを防止できる。
また、メイン側固定用リブ41は必ずしもリブ形状である必要はなく、鉤爪などのようにコルゲート200をメイン挿通部40に係止固定できればどのような形状であってもよい。
【0119】
また、プロテクタ本体側面10sは、プロテクタ本体底面10bの両端側において立設された側壁としているが、例えばプロテクタ本体底面10bの両端よりも内側において立設されている構成や、側面の一方が幅方向Yの一端で立設されているとともに他端よりも内側において側面の他方が立設している構成としてもよい。
【0120】
また、隆起部210と溝部220とは長手方向Xに沿って凹凸形状を形成していればよく、その隆起又は凹み高さについては特に限定されず、隆起部210は溝部220よりも外周方向に隆起して構成されていればよい。同様に溝部220は隆起部210よりも内周方向に対して凹んで構成されていればよい。
【0121】
また本実施形態において、コルゲート200の先端が当接する構成であるが、必ずしも当接しなければならないわけではなく、コルゲート200の先端と位置決め部42との距離が所定のピッチよりも短くなるように配置された構成であってもよい。このような構成により、位置決め部42はコルゲート200の先端の位置が所定の位置よりもハーネス収容部30側に配置されることを防止できる。
【0122】
また本実施形態において、メイン挿通部底面40bにメイン側確認窓43が設けられているが、蓋部20にメイン側確認窓43に対応する確認窓43が設けられてもよい(図12参照)し、メイン挿通部底面40b及び蓋部20の双方に確認窓43を対向するように設けてもよい。
【0123】
図12に示すように、蓋部20はメイン挿通部底面40bにと比べて構造がシンプルであるため、確認窓43を容易かつ確実に設けることができる。これにより、外部から容易にプロテクタ2の内部を確認することができるため、これによりコルゲート200が所望の位置で固定されていることを確実に確認できる。
【0124】
また、蓋部20とメイン挿通部底面40bの双方に確認窓43を設けた場合には、コルゲート200が所定の位置にない場合に対向する確認窓43を視認できる。これによりコルゲート200が所望の位置で固定されていることを確実に確認できる。
【符号の説明】
【0125】
1 プロテクタ付ワイヤーハーネス
2 プロテクタ
10 プロテクタ本体
10b プロテクタ本体底面
10s プロテクタ本体側面
20 蓋部
21 蓋側固定リブ
22 蓋側係止部
30 ハーネス収容部
40 メイン挿通部
40b メイン挿通部底面
40s メイン挿通部側面
41 メイン側固定用リブ
42 位置決め部
43 メイン側確認窓(確認窓)
43o 外側縁部
44 開口部
60 係止枠
100 ワイヤーハーネス
200 コルゲート
210 隆起部
220 溝部
L1 ピッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12