(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-18
(45)【発行日】2022-04-26
(54)【発明の名称】シームのない大面積インプリントを生成するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20220419BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 Z
(21)【出願番号】P 2020549759
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(86)【国際出願番号】 US2019018479
(87)【国際公開番号】W WO2019182700
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-11-16
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム, ケヴィン ロートン
(72)【発明者】
【氏名】トータドリ, マニヴァンナン
【審査官】冨士 健太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0046075(US,A1)
【文献】特表2011-521438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054498(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
B29C 33/38 、59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプリントリソグラフィ方法であって、
該方法は、
スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、
紫外線光源と前記スタンプ材料との間にマスクを配置することと、
前記スタンプ材料を、
前記マスクを通じて方向付けられた前記紫外線光源からの紫外線に露光して、
前記スタンプ材料の周辺部を含む前記スタンプ材料の硬化部分
と、未硬化部分
とを形成することと、
を含
み、前記スタンプ材料を、前記マスクを通じて方向付けられた前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記スタンプ材料の周辺部を含む前記スタンプ材料の硬化部分と、未硬化部分とを形成することが、前記スタンプを形成するために、前記バッキング板に接着された前記複数のマスタで前記スタンプ材料をインプリントする前に行われる、インプリントリソグラフィ方法。
【請求項2】
前記スタンプ材料の前記硬化部分が、前記複数のマスタの各対の間の前記シームに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
インプリントリソグラフィ方法であって、該方法は、
スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、
紫外線光源と前記スタンプ材料との間にマスクを配置することと、
前記スタンプ材料を、前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記スタンプ材料の硬化部分および未硬化部分を形成することと
を含み、
前記スタンプ材料の前記未硬化部分が、前記複数のマスタの各対の間の前記シームに対応する
、方法。
【請求項4】
インプリントリソグラフィ方法であって、該方法は、
スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、
紫外線光源と前記スタンプ材料との間にマスクを配置することと、
前記スタンプ材料を、前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記スタンプ材料の硬化部分および未硬化部分を形成することと
を含み、
前記スタンプ材料を、前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記スタンプ材料の硬化部分および未硬化部分を形成することが、前記スタンプを形成するために、前記バッキング板に接着された前記複数のマスタで前記スタンプ材料をインプリントした後に行われる
、方法。
【請求項5】
さらに、
硬化部分および未硬化部分を有する前記スタンプ材料を、前記紫外線光源からの追加の紫外線に露光して、前記スタンプ材料の前記未硬化部分を硬化することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
インプリントリソグラフィ方法であって、該方法は、
スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、
紫外線光源と前記スタンプ材料との間にマスクを配置することと、
前記スタンプ材料を、前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記スタンプ材料の硬化部分および未硬化部分を形成することと、
前記スタンプ材料の前記未硬化部分を洗い流すこと
と
を含む
、方法。
【請求項7】
更に、
前記スタンプを用いて別個の基板上にフォトレジスト材料をインプリントすることと、
インプリントされた前記フォトレジスト材料から前記スタンプを除去して、パターニングされた最終製品を形成することと
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
インプリントリソグラフィ方法であって、
スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、
前記スタンプを用いて基板上へのフォトレジスト材料をインプリントすることと、
紫外線光源と前記フォトレジスト材料との間にマスクを配置することと、
前記フォトレジスト材料を前記紫外線光源からの紫外線に露光して、前記フォトレジスト材料の硬化部分
と、前記シームに対応する未硬化部分
とを形成することと
を含む、インプリントリソグラフィ方法。
【請求項9】
インプリントリソグラフィ方法であって、
該方法は、
バッキング板に複数のマスタを接着することであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、それらの間にシームを有する、複数のマスタを接着することと、
複数のマスタの各対の間の前記シームを充填材料で充填することと、
前記複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることによって、スタンプを形成することと、
前記スタンプを用いて基板上にフォトレジスト材料をインプリントすることと、
前記フォトレジスト材料を紫外線光源からの紫外線に露光して、前記フォトレジスト材料の硬化部分と、前記シームに対応する未硬化部分と形成することと、
インプリントされた前記フォトレジスト材料から前記スタンプを除去して、前記複数の特徴および充填された前記シームのポジ画像を有する最終製品を形成することと、
を含む、インプリントリソグラフィ方法。
【請求項10】
前記充填材料がポリマーである、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記シームが、前記スタンプに凹状領域を形成するために過剰充填される、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記シームが、前記スタンプに凸状領域を形成するために不足充填される、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、インプリントリソグラフィに関し、より詳細には、シームのない大面積インプリントを生成するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]インプリントリソグラフィは、ナノメートルスケールのパターンを製造するために使用することができる接触パターニング方法である。概して、インプリントリソグラフィは、パターンのテンプレートを作成することから始まる。フォトレジストなどの液体が、パターニングされる基板上に堆積される。次いで、パターニングされたテンプレートを液体に押し付けて、パターンを基板にインプリントする。次に、パターニングされた基板を硬化させて、基板上のフォトレジストのパターニングを固化させる。
【0003】
[0003]しかしながら、従来のインプリントリソグラフィ方法および装置には、様々な課題がある。例えば、従来のインプリントリソグラフィ方法は、表示装置のような大面積基板(300mmより大きい)には適していない。というのは、従来使用されているマスタが、大面積ディスプレイをパターニングするのに十分な大きさではないからである。したがって、いくつかの従来のインプリント方法は、互いに接着された複数のマスタを使用してきた。しかしながら、マスタの間と周辺部とにシームが形成され、その後、基板上のパターニングに転写される。シームと周辺部にパターニングされた凹凸があると、装置効率の低下、さらには装置の故障を引き起こす可能性がある。例えば、導光パネル(LGP)の場合、LGPにシームをインプリントすると、LGPから光を誘導または外に結合しかねない、表面特徴となる。液晶ディスプレイ(LCD)の場合、LCDにシームをインプリントすると、閲覧者には、ディスプレイにシームが見えるだろう。
【0004】
[0004]したがって、大面積基板をインプリントするために使用することができる、改良されたインプリントリソグラフィ方法および装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、概して、インプリントリソグラフィに関し、より詳細には、シームのない大面積インプリントを生成するための方法および装置に関する。本明細書に開示される方法は、概して、スタンプまたは製品中の特徴の硬化時間を、シームおよび周辺部の硬化時間から切り離すことを含む。シームおよび周辺部は、最初に硬化させることも、最後に硬化させることもできる。さらに、シーム硬化工程は、マスタの上、スタンプの上、または最終製品の上で行うことができる。
【0006】
[0006]一実施形態では、インプリントリソグラフィ方法が開示される。この方法は、スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、紫外線光源とスタンプ材料との間にマスクを配置することと、スタンプ材料を、紫外線光源からの紫外線に露光して、スタンプ材料の硬化部分および未硬化部分を形成することとを含む。
【0007】
[0007]別の実施形態では、インプリントリソグラフィ方法が開示される。この方法は、スタンプを形成するために、バッキング板に接着された複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、前記複数のマスタの各対が、その間にシームを有する、スタンプ材料をインプリントすることと、スタンプを用いて基板上へのフォトレジスト材料をインプリントすることと、紫外線光源とフォトレジスト材料との間にマスクを配置することと、フォトレジスト材料を紫外線光源からの紫外線に露光して、フォトレジスト材料の硬化部分および未硬化部分を形成することとを含む。
【0008】
[0008]さらに別の実施形態では、インプリントリソグラフィ方法が開示される。この方法は、バッキング板に複数のマスタを接着することであって、各マスタが、その上に複数の特徴を有し、複数のマスタの各対が、それらの間にシームを有する、複数のマスタを接着することと、複数のマスタの各対の間のシームを充填材料で充填することと、複数のマスタでスタンプ材料をインプリントすることによって、スタンプを形成することと、スタンプを用いて基板上にフォトレジスト材料をインプリントすることと、インプリントされたフォトレジスト材料からスタンプを除去して、複数の特徴および充填されたシームのポジ画像を有する最終製品を形成することとを含む。
【0009】
[0009]さらに別の実施形態では、インプリントリソグラフィ装置が開示される。装置は、UV透過性バッキング板と、UV透過性バッキング板に結合された少なくとも2つのマスタとを含み、少なくとも2つのマスタの各々が、その上に複数の特徴を有し、少なくとも2つのマスタが、それらの間にシームを有する。
【0010】
[0010]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付の図面が本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、よって本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【
図2】[0012]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【
図3】[0013]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【
図4】[0014]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【
図5】[0015]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【
図6】[0016]本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0017]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。加えて、一実施形態の要素は、本明細書に記載の他の実施形態における利用に有利に適合されうる。
【0013】
[0018]本開示の実施形態は、概して、インプリントリソグラフィに関し、より詳細には、シームのない大面積インプリントを生成するための方法および装置に関する。本明細書に開示される方法は、概して、スタンプまたは製品中の特徴の硬化時間を、シームおよび周辺部の硬化時間から切り離すことを含む。シームおよび周辺部は、最初に硬化させることも、最後に硬化させることもできる。さらに、シーム硬化工程は、マスタの上、スタンプの上、または最終製品の上で行うことができる。
【0014】
[0019]以下の実施形態は、シームのない大面積インプリントを形成するための方法および装置に言及する。また、これらの実施形態は、マスタ、スタンプ、または最終製品の周辺部での類似のシームのような課題を硬化するのに有用である。
【0015】
[0020]
図1A~
図1Fは、本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
図1A~1Fに示される方法は、シームおよび周辺部の課題に対する主要レベルの解決策を提供する。この方法は、複数のマスタ104をバッキング板102上に接着することから始まる。
図1Aに示す実施形態では、2つのマスタ104がバッキング板102に接着されている。マスタ104は、その上に特徴105のパターンを有する。シーム106は、2つのマスタ104の間に形成される。
図1Bに示すように、シーム106は充填材料108で充填される。概して、充填材料108は、完全に平坦な表面となるようにシーム106を充填することはない。その代わりに、シーム106が充填材料108で不足充填されると、
図1Bに示すように、シーム106は凹状になる。別の実施形態では、シーム106は、充填材料108で過剰充填され、凸状になる。
【0016】
[0021]
図1Cに示すように、スタンプ材料110がマスタ104と接触してスタンプ112を形成する。
図1Dに示すように、スタンプ112はマスタ104のネガパターンである。したがって、スタンプ112は、凹状シーム106およびネガティブ特徴116に対応する位置に凸状部分114を含む。次に、スタンプ112を使用して、
図1Eに示すように、基板120上に堆積されたフォトレジスト材料118をパターニングし、
図1Fに示すように、最終製品122を形成する。最終製品122は、凹状部分127と同様に、複数の特徴部125でパターニングされたフォトレジスト材料118を含む。この方法は、スタンプレベルおよび最終製品レベルにおいて、2つの転写インプリントを含むので、最終製品122は、マスタ104およびシーム106のポジ画像である。
【0017】
[0022]充填材料108は、概して、任意の適切な材料である。一例では、充填材料108はポリマーである。別の例では、充填材料108は、低粘度シリコーンなど、幅が約100μmと約500μmとの間の間隙またはシームを充填することができる低粘度接着剤である。いくつかの例では、充填材料108は、毛管作用によって間隙またはシームを充填することができる。スタンプ材料110は、概して、任意の適切な材料である。一例では、スタンプ材料110は、ポリジメチルシロキサン材料(PDMS)、または基板上にスピンコーティングもしくは堆積されたPDMSの任意の他の変形である。さらなる例では、スタンプ材料110は、ポリビニルアルコール(PVA)ベースなどの、中間パターン転写媒体として機能する任意の軟質材料である。基板は、概して、限定されないが、ガラス、溶融シリカ、石英、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリカーボネートを含む任意の適切な基板材料である。
【0018】
[0023]さらなる実施形態では、この方法は、基板をパターニングするためのより少ないまたは追加の工程を含む。例えば、一実施形態では、基板上にマスタのネガ画像を形成するために、追加の転写インプリント工程が実行される。別の実施形態では、マスタを使用して基板を直接パターニングし、中間転写インプリント工程を排除する。
【0019】
[0024]
図2A~2Dは、本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
図2A~2Dに示される方法は、シームおよび周辺部が最後に硬化される際のシームおよび周辺部の課題に対するスタンプレベルの解決策を提供する。この方法は、複数のマスタ204をバッキング板202上に接着することから始まる。
図2Aに示す実施形態では、2つのマスタ204がバッキング板202に接着されている。マスタ204は、その上に特徴205のパターンを有する。シーム206は、2つのマスタ204の間に形成される。
図2Aに示すように、シーム206は充填されないままである。他の実施形態では、シーム206は、シーム206が凹状になるように不足充填される。
【0020】
[0025]次に、
図2Bに示すように、マスタ204はスタンプ材料210をインプリントする。マスタ204がスタンプ材料210をインプリントした後に、
図2Cに示すように、スタンプ材料210と紫外線(UV)光源226との間に、マスク224が配置される。工程中、マスク224は、UV光が、シーム206に対応するスタンプ材料210の部分に到達するのを防止する。UV光源226からのUV光は、シーム206に対応するスタンプ材料210の部分に到達しないので、シーム206は、スタンプ材料210にインプリントされるが、硬化されない。
【0021】
[0026]
図2Dに硬化部分228として示される、スタンプ材料210のマスクされていない部分が硬化された後に、マスタ204がスタンプ材料210から除去され、
図2Dに示されるように、未硬化部分230が基板221の表面に沿って平坦になるまで、スタンプ材料210の未硬化部分230(シーム206および周辺部に対応する)が、流動または「弛緩」する。未硬化部分230が流動し、基板221の表面に沿って平坦になった後に、スタンプ材料210は、追加のUV光で再び硬化され、その上に特徴225を有するスタンプ212を生成する。スタンプ212は、最終製品にシームを残すことなく、大面積基板などの最終製品をインプリントするために使用することができる。
【0022】
[0027]スタンプ材料210は、概して、任意の適切な材料である。一例では、スタンプ材料210はPDMS材料である。別の例では、ソフトスタンプ材料210は、PVAから作製される。基板221は、概して、限定されないが、ガラス、PMMA、およびポリカーボネートを含む任意の適切な基板材料である。
【0023】
[0028]別の実施形態では、シーム206は、ポリマーなどの充填材料で過剰充填される。
図2A~
図2Dに示すように、スタンプ材料210は、基板221上に堆積されるが、さらなる実施形態では、スタンプ材料210は、マスタ204上に直接コーティングされ、後に除去される。さらなる実施形態では、未硬化部分230は、その後硬化される代わりに洗い流される。例えば、未硬化部分230は、特定のスタンプ材料210を除去するために選択された1つ以上の溶媒を使用して除去されてもよい。加えて、さらなる実施形態は、集束する狭い放射線ビームを使用して材料の所定の部分を硬化するために、マスクレスの直接書込みレーザシステムの使用を企図する。例えば、インプリント方法中に特徴を有する領域を硬化させるために、マスクレスの直接書込みシステムを使用することができる。次に、マスタが除去された後にシーム領域および周辺領域を硬化させるために、マスクレスの直接書込みレーザシステムを使用することもできる。
【0024】
[0029]さらなる実施形態では、この方法は、基板をパターニングするためのより少ないまたは追加の工程を含む。例えば、一実施形態では、基板上にマスタのネガ画像を形成するために、追加の転写インプリント工程が実行される。別の実施形態では、マスタを使用して基板を直接パターニングし、中間転写インプリント工程を排除する。
【0025】
[0030]
図3A~3Dは、本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
図3A~3Dに示される方法は、シームおよび周辺部が最初に硬化される際のシームおよび周辺部の課題に対するスタンプレベルの解決策を提供する。この方法は、複数のマスタ304をバッキング板302上に接着することから始まる。
図3Aに示す実施形態では、2つのマスタ304がバッキング板302に接着されている。マスタ304は、その上に特徴305のパターンを有する。シーム306は、2つのマスタ304の間に形成される。
図3Aに示すように、シーム306は充填されないままである。他の実施形態では、シーム306は、シーム306が凹状になるように余剰充填される。
【0026】
[0031]次に、基板321上に堆積されたスタンプ材料310が硬化される。より詳細には、マスク324は、
図3B~3Cに示されるように、スタンプ材料310とUV光源326との間に配置される。工程中、マスク324は、未硬化部分330として示される、特徴305がインプリントされるスタンプ材料310の部分に、UV光が到達しないようにする。硬化部分328として示される、スタンプ材料310のマスクされていない部分が硬化される。硬化部分328は、シーム306および周辺部の領域に対応する。次に、
図3Cに示すように、マスタ304は、スタンプ材料310の未硬化部分330をインプリントするが、硬化部分328はインプリントされない。インプリントされた後に、インプリントされた未硬化部分330は硬化される。次に、
図3Dに示すように、マスタ304およびバッキング板302を除去して、その上に特徴325を有するスタンプ312を形成する。スタンプ312は、最終製品にシームを残すことなく、大面積基板などの最終製品をインプリントするために使用することができる。
【0027】
[0032]スタンプ材料310は、概して、任意の適切な材料である。一例では、スタンプ材料310はPDMS材料である。基板321は、概して、限定されないが、ガラス、PMMA、およびポリカーボネートを含む任意の適切な基板材料である。
【0028】
[0033]別の実施形態では、シーム306は、ポリマーなどの充填材料で過剰充填される。さらなる実施形態は、インプリント工程の前に特徴を有する領域を硬化するために、マスクレスの直接書込みレーザシステムの使用を企図する。例えば、マスタ304がスタンプ材料310をインプリントする前に、シーム306および周辺部領域を硬化させるために、マスクレスの直接書込みレーザシステムが使用される。さらに、スタンプ材料310がマスタ304によってインプリントされた後に、スタンプ材料310の残りを硬化させるために、マスクレスの直接書込みレーザシステムを使用することができる。
【0029】
[0034]
図3B~3Cに示すように、UV光源326はスタンプ材料310の下に配置される。しかしながら、
図4Aに示される実施形態では、UV光源426は、バッキング板402、マスタ404、およびスタンプ材料410の上方に配置される。この実施形態では、未硬化部分430によって示されるように、UV光がマスタ404の下にあるスタンプ材料410の部分に到達しないように、マスタ404が自己整合マスクとして動作する。したがって、バッキング板402は、硬化に使用されているUV光の波長に対して透明である任意の適切な材料を含む。適切なバッキング板材料は、限定されないが、ガラス、石英、サファイアおよび溶融シリカを含む。
図4Bに示されるように、UV光の角度に応じて、硬化されるスタンプ材料410の領域は、概して、シーム406よりもわずかに大きく、インプリントされたスタンプの機械的安定性を改善する。別の言い方をすれば、マスタ404のエッジには、概して、重なる領域431があり、その結果、その下のスタンプ材料410の領域が硬化される。また、スタンプ材料410の硬化領域とマスタ404との間がわずかに重なるようにするために、他の方法および構成も企図される。重なる領域431のサイズは、概して、特徴405のパターンへの影響を最小限に抑えつつ、シームレスまたはほぼシームレスな転写を達成するために、硬化領域およびマスタ404の撓みに基づいて選択される。
【0030】
[0035]重なる領域431は、マスタ404が特徴405のパターンをスタンプ材料410に転写するときに生じることがある、シーム406の端における小さな段差の高さを除去または低減するのに有用である。
図4Bに示される工程の後に、後続のインプリントステップが使用され、マスタ404上のパターンをスタンプ材料410に転写し、その後、硬化される。
【0031】
[0036]
図5A~5Fは、本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
図5A~5Fに示される方法は、シームおよび周辺部が最後に硬化される際のシームおよび周辺部の課題に対する製品レベルの解決策を提供する。この方法は、複数のマスタ504をバッキング板502上に接着することから始まる。
図5Aに示す実施形態では、2つのマスタ504がバッキング板502に接着されている。マスタ504は、その上に特徴505のパターンを有する。シーム506は、2つのマスタ504の間に形成される。
図5Bに示すように、シーム506は充填材料508で充填される。概して、充填材料508は、完全に平坦な表面を生成するようにはシーム506を充填することはない。代わりに、シーム506が充填材料508で過剰充填される場合、充填されたシーム506は、
図5Bに示されるように、凸状になる。別の実施形態では、充填シーム506は、充填材料508で不足充填され、凹状になる。
【0032】
[0037]
図5Cに示すように、スタンプ材料510はマスタ504と接触して、スタンプ512を形成する。
図5Dに示すように、スタンプ512はマスタ504のネガパターンである。したがって、スタンプ512は、凸状シーム506およびネガティブ特徴516に対応する位置に凹状部分514を含む。次に、スタンプ512を使用して、基板520上に堆積されたフォトレジスト材料518をパターニングする。
図5Eに示すように、マスク524は、スタンプ512とUV光源526との間に配置される。工程中、マスク524は、未硬化部分530によって示されるように、シーム506およびスタンプ512の周辺部にUV光が到達しないようにし、その結果、シームおよび周辺部はインプリントされるが、硬化されない。次に、
図5Fに示すように、スタンプ512が除去され、最終製品522が形成される。最終製品522は、未硬化部分530が基板521の表面に沿って平坦になるまで、流動または「弛緩」する未硬化部分530を含む。未硬化部分530が流動し、基板521の表面上で平坦になった後に、最終製品522は、追加のUV光で再び硬化され、シームのない特徴525を有する最終製品522が生成される。
【0033】
[0038]
図5A~5Fに示すように、フォトレジスト材料518は、基板520上に堆積されるが、さらなる実施形態では、フォトレジスト材料518は、スタンプ512上に直接コーティングされ、後に除去される。さらなる実施形態では、未硬化部分530は、後で硬化させる代わりに、洗い流されてもよい。加えて、さらなる実施形態は、インプリント方法中に特徴を有する領域を硬化させるために、マスクレスの直接書込みレーザシステムの使用を企図する。
【0034】
[0039]
図6A~6Fは、本明細書に開示される実施形態による基板パターニング方法の様々な段階を示す。
図6A~6Fに示される方法は、シームおよび周辺部が最初に硬化される際のシームおよび周辺部の課題に対する製品レベルの解決策を提供する。この方法は、複数のマスタ604をバッキング板602上に接着することから始まる。
図6Aに示す実施形態では、2つのマスタ604がバッキング板602に接着されている。マスタ604は、その上に特徴605のパターンを有する。シーム606は、2つのマスタ604の間に形成される。
図6Bに示すように、シーム606は充填材料608で充填される。概して、充填材料608は、完全に平坦な表面を提供するようにシーム606を充填することはない。代わりに、シーム606が充填材料608で過剰充填される場合、充填されたシーム606は、
図6Bに示されるように、凸状になる。別の実施形態では、充填シーム606は、充填材料608で余剰充填され、凹状になる。
【0035】
[0040]
図6Cに示すように、スタンプ材料610はマスタ604と接触して、スタンプ612を形成する。
図6Dに示すように、スタンプ612はマスタ604のネガパターンである。したがって、スタンプ612は、凸状シーム606およびネガティブ特徴616に対応する位置に凹状部分614を含む。次に、スタンプ612を使用して、基板620上に堆積されたフォトレジスト材料618をパターニングする。
図6Eに示すように、マスク624は、スタンプ612とUV光源626との間に配置される。工程中、マスク624は、未硬化部分630として示される、特徴616がインプリントされるフォトレジスト材料618の部分に、UV光が到達しないようにする。硬化部分628として示される、フォトレジスト材料618のマスクされていない部分が硬化される。硬化部分628は、シーム606および周辺部の領域に対応する。次に、スタンプ612は、
図6Fに示すように、硬化部分628がインプリントされていない間に、フォトレジスト材料618の未硬化部分630をインプリントし、シームのない大面積基板などの最終製品622を形成する。
【0036】
[0041]スタンプ材料610は、概して、任意の適切な材料である。一例では、スタンプ材料610はPDMS材料である。フォトレジスト材料618は、概して、任意の適切なフォトレジスト材料である。基板620は、概して、限定されないが、ガラス、PMMA、およびポリカーボネートを含む任意の適切な基板材料である。
【0037】
[0042]別の実施形態では、シーム606は、ポリマーなどの充填材料で過剰充填され、高弾性スタンプ材料610が使用される。さらなる実施形態はまた、インプリント前にシーム606および周辺領域を硬化させるために、マスクレスの直接書込みレーザシステムの使用を企図する。例えば、スタンプ612がフォトレジスト材料618の未硬化部分630をインプリントする前に、シーム606および周辺領域を硬化するために、マスクレスの直接書込みレーザシステムが使用される。さらに、インプリントが行われた後にフォトレジスト材料618の残りを硬化するために、マスクレスの直接書込みレーザシステムを使用することができる。
【0038】
[0043]開示される方法および装置は、有利には、300ナノメートル(nm)以上のディスプレイ装置などの大面積基板上にナノ寸法の特徴をパターニングするために使用され、シームおよび周辺部におけるパターニングの問題が低減または排除される。例えば、シームおよび周辺部におけるパターニングの問題を低減または排除した状態で、100nmの特徴または50nmの特徴などのナノ特徴を有するディスプレイ装置をインプリントするために、開示された方法および装置を使用することができる。開示される方法および装置は、自動車用途、拡張現実またはバーチャルリアリティヘッドセットもしくはスマートウィンドウを含む他の用途のための他のディスプレイ装置および他の光学素子またはフィルムに加えて、液晶ディスプレイ(LCD)、導光板(LGP)、光照射野板(LFP)、およびワイヤグリッド偏光子(WGP)をパターニングするのに有用である。シームおよび周辺部におけるパターニング凹凸を低減または排除することによって、光学装置の機能性が一般的に改善される。例えば、LGPでは、シームと周辺部の凹凸を低減または除去することにより、装置からの光損失が低減される。LCDでは、シームと周辺部の凹凸を低減または除去することで、ディスプレイからの投影画像の品質が向上し、閲覧者には、投影されている画像のパターニングされたシームが見えなくなる。
【0039】
[0044]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態および更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。