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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】製袋包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/213 20120101AFI20220420BHJP
【FI】
B65B9/213
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017235063
(22)【出願日】2017-12-07
(65)【公開番号】P2019099260
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000187079
【氏名又は名称】昭和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】合田 貴紀
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-013154(JP,A)
【文献】特開2005-239200(JP,A)
【文献】特開2012-162304(JP,A)
【文献】特開平09-193906(JP,A)
【文献】特開平09-066907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/10-9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の筒状構造を有し、製袋包装装置の下部に装着され、粉状製品を包装する包装袋の製袋と、粉状製品の包装袋への充填とをガイドする製袋包装ガイド器具と、当該製袋包装ガイド器具が取り付けられる充填筒とを有する製袋包装装置であって、
前記製袋包装ガイド器具が、前記充填筒に連結する上部と、下部開口を構成する下端辺と、前記上部と前記下端辺との間の切り欠き形成側面部とを有し、
前記切り欠き形成側面部は、下端辺と連通しない切り欠きが形成された対向する2つの側面を有し、
前記切り欠きは、前記製袋包装ガイド器具が取り付けられた前記充填筒の先端の排出口よりも高い位置まで到達する切り欠きである、製袋包装装置
【請求項2】
前記切り欠きは、上方から下方にかけて幅広となっている請求項1に記載の製袋包装装置
【請求項3】
前記切り欠きは、多角形状である請求項2に記載の製袋包装装置
【請求項4】
前記切り欠きは、前記下端辺の1/2を超える長さの下辺を有する請求項3に記載の製袋包装装置
【請求項5】
前記下端辺は、下方から見た場合に略四角形となっており、前記切り欠き形成側面部を構成する4つの側面に前記切り欠きがそれぞれ形成されている請求項1~4のいずれかに記載の製袋包装装置
【請求項6】
前記切り欠きは、前記切り欠き形成側面部の20%以上の面積をそれぞれ占める請求項1~5のいずれかに記載の製袋包装装置
【請求項7】
帯状の包装材を筒状包装袋に成形する成形部と、
成形された筒状包装袋を下方に繰り出す繰り出し部と、
中空の筒状構造を有し、前記成形部よりも下方に配置され、内部を粉状製品が通過するとともに、外部において筒状包装袋と接して筒状包装袋を下方に案内する製袋包装ガイド器具と、当該製袋包装ガイド器具が取り付けられる充填筒とを有するガイド部と、
前記ガイド部よりも下方に配置され、略水平方向にスライドすることで、前記ガイド部と協働して筒状包装袋に底部を形成するとともに、粉状製品を充填した筒状包装袋をシールして、粉状製品が包装された包装袋を製造するシール部と、を有し、
前記製袋包装ガイド器具は、前記充填筒に連結する上部と、下部開口を構成する下端辺と、前記上部と前記下端辺との間の切り欠き形成側面部とを有し、
前記切り欠き形成側面部は、下端辺と連通しない切り欠きが形成された対向する2つの側面を有し、
前記切り欠きは、前記製袋包装ガイド器具が取り付けられた前記充填筒の先端の排出口よりも高い位置まで到達する切り欠きである、製袋包装装置。
【請求項8】
前記ガイド部の前記下端辺は、前記シール部が筒状包装袋を内側に折り曲げて前記底部を形成する際の支点となる、請求項に記載の製袋包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装装置に取り付け可能であり、包装袋の製袋および包装袋への粉状製品の充填を補助する製袋包装ガイド器具およびそれを備えた製袋包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等の製品の包装袋を開口した状態で作成し、当該開口部から包装袋内に製品を充填し、包装袋の開口部をシールすることで製品を包装する製袋包装装置が知られている。このような製袋包装装置において、外部において包装袋となる前の筒状包装袋の繰り出しが行われ、中空の内部において製品が通過することで、包装袋の充填が行われる、筒状の角筒ガイド部を備える構成が知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-250019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、小麦粉などの粉状製品を包装袋に充填する際に、粉状製品の舞い上がり等により角筒ガイド部(製袋包装ガイド器具)の内壁面に粉状製品が付着してしまい、ある程度付着量が多くなった後に自重又は装置の振動等により、付着していた粉状製品が塊として落下してしまう場合があった。特に、粉状製品の塊の落下が、包装袋の開口部をシールするタイミングで起きた場合には、粉状製品の塊が挟まれた状態でシールがなされ、包装袋のシールを適切に行うことができず、不良品発生(製品歩留まりの低下)の一因となるという問題があった。
【0005】
本発明は、粉状製品の塊の落下によりシールが適切に行えないことを有効に防ぎ、製品歩留まりを改善できる製袋包袋ガイド器具およびそれを備えた製袋包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1の観点に係る製袋包装装置は、中空の筒状構造を有し、製袋包装装置の下部に装着され、粉状製品を包装する包装袋の製袋と、粉状製品の包装袋への充填とをガイドする製袋包装ガイド器具と、当該製袋包装ガイド器具が取り付けられる充填筒とを有する製袋包装装置であって、前記製袋包装ガイド器具が、前記充填筒に連結する上部と、下部開口を構成する下端辺と、前記上部と前記下端辺との間の切り欠き形成側面部とを有し、前記切り欠き形成側面部は、下端辺と連通しない切り欠きが形成された対向する2つの側面を有し、前記切り欠きは、前記製袋包装ガイド器具が取り付けられた前記充填筒の先端の排出口よりも高い位置まで到達する切り欠きであることを特徴とする
(2)前記切り欠きは、上方から下方にかけて幅広となっているように構成することができる。
(3)上記製袋包装ガイド器具において、前記切り欠きは、多角形状であるように構成することができる。
(4)上記製袋包装ガイド器具において、前記切り欠きは、前記下端辺の1/2を超える長さの下辺を有するように構成することができる。
(5)上記製袋包装ガイド器具において、前記下端辺は、下方から見た場合に略四角形となっており、前記切り欠き形成側面部を構成する4つの側面に前記切り欠きがそれぞれ形成されているように構成することができる。
(6)上記製袋包装ガイド器具において、前記切り欠きは、前記切り欠き形成側面部の20%以上の面積をそれぞれ占めるように構成することができる。
(7)本発明の第2の観点に係る製袋包装装置は、帯状の包装材を筒状包装袋に成形する成形部と、
成形された筒状包装袋を下方に繰り出す繰り出し部と、中空の筒状構造を有し、前記成形部よりも下方に配置され、内部を粉状製品が通過するとともに、外部において筒状包装袋と接して筒状包装袋を下方に案内する製袋包装ガイド器具と、当該製袋包装ガイド器具が取り付けられる充填筒とを有するガイド部と、前記ガイド部よりも下方に配置され、略水平方向にスライドすることで、前記ガイド部と協働して筒状包装袋に底部を形成するとともに、粉状製品を充填した筒状包装袋をシールして、粉状製品が包装された包装袋を製造するシール部と、を有し、前記製袋包装ガイド器具は、前記充填筒に連結する上部と、下部開口を構成する下端辺と、前記上部と前記下端辺との間の切り欠き形成側面部とを有し、前記切り欠き形成側面部は、下端辺と連通しない切り欠きが形成された対向する2つの側面を有し、前記切り欠きは、前記製袋包装ガイド器具が取り付けられた前記充填筒の先端の排出口よりも高い位置まで到達する切り欠きであることを特徴とする
)上記第2の観点に係る製袋包装装置において、前記ガイド部の前記下端辺は、前記シール部が筒状包装袋を内側に折り曲げて前記底部を形成する際の支点となるように構成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製袋包装ガイド器具の内壁面に付着する粉状製品の量を低減させることができるため、筒状包装袋をシールする工程においても、粉状製品の塊が挟まれた状態でシールがなされ、包装袋のシールを適切に行うことができないことを有効に防止することができ、結果、製品歩留まりを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る製袋包装装置の斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う断面拡大図であり、(A)は第一の形態、(B)は第二の形態である。
図3】本実施形態に係る製袋包装処理を説明するための図である。
図4】従来の製袋包装ガイド器具の斜視図である。
図5】本実施形態に係る製袋包装ガイド器具の斜視図である。
図6】本実施形態に係る製袋包装ガイド器具の正面図である。
図7】本実施形態に係る製袋包装ガイド器具の側面図である。
図8】本実施形態に係る製袋包装ガイド器具の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る製袋包装装置を、図面を参照して説明する。なお、以下においては、小麦粉を包装するための製袋包装装置を例示して説明するが、本発明に係る製袋包装装置は、小麦粉を包装する製袋包装装置に限定されず、各種の粉状製品を包装するために使用することができる。
【0010】
まず、製袋包装装置1の構成の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る製袋包装装置1の一例を示す斜視図である。 図1に示すように、製袋包装装置1は、リール10、フォーマ20、製袋チューブ30、繰出しベルト40、縦シーラ50、横シーラ60、およびガイド器具70を主に備えている。
【0011】
リール10には、包装フィルムFのロールが取り付けられており、リール10から包装フィルムFを帯状で引き出すことが可能となっている。フォーマ20は、リール10から引き出された包装フィルムFを円筒形の筒状包装材に成形する。
【0012】
製袋チューブ30は、図1に示すように、フォーマ20と連続して構成されており、フォーマ20よりも下方に配置されている。フォーマ20で曲成された筒状包装材は、繰り出しベルト40により、製袋チューブ30の外周面に沿って下方へと繰り出される。ここで、図2は、図1のII-II線に沿う断面図であり、(A)は第一の形態(先細り形状)、(B)は第二の形態(段付き円筒形状)である。図2に示すように、本実施形態に係る製袋チューブ30では下部に充填筒80が形成されている。投入口21から投入された粉状製品は、充填筒80の内部を通過して、充填筒80から包装袋に充填される。また、図2に示すように、充填筒80の周囲には、ガイド器具70が充填筒80を覆うように取り付けられる。なお、充填筒80は図2(B)の例示のように段付き円筒形状ではなく、段無しの円筒形状のものであってもよい。充填時に舞い上がった粉状製品の付着は、充填筒80とガイド器具70との間の空間82で生じるので、後述の切り欠き部74は、空間82と連通する高さ(すなわち、充填筒80の先端の排出口よりも高い位置)まで設けることが好ましい。
充填筒80の先端の排出口には「菊座」と称される放射状のリブを有する排出口座81を取り付けることが可能となっている。排出口座81を充填筒80に取り付けることで、充填筒80の内壁に付着した粉状製品が自重により落下することを有効に防止することができる。
【0013】
繰り出しベルト40は、製袋チューブ30と対向するように配置されており、製袋チューブ30とともに筒状包装材を挟み込む。また、繰り出しベルト40は、ベルトを回転することができ、製袋チューブ30と対向する対向面が下方に移動するようにベルトを回転させることで、筒状包装材を下方に繰り出す。
【0014】
縦シーラ50は、製袋チューブ30上に配置されており、図1に示すように、フォーマ20で曲成された包装フィルムFの幅方向における両端部が近接する位置に配置される。縦シーラ50は、包装フィルムFの両端部を挟み込み、たとえば熱融着によりシールを行うことで、筒状包装袋を形成する。
【0015】
横シーラ60は、製袋チューブ30およびガイド器具70よりも下方に設置されている。横シーラ60は水平方向(左右方向)にスライドする一対のシール部材を有しており、筒状包装袋を左右から挟み込むことができる。そして、横シーラ60は、筒状包装袋を挟み込んで、たとえば熱融着によりシールする。これにより、横シーラ60は、シールがされた包装袋2を生成することができる。また、横シーラ60は、最下端に位置する包装袋をシールすると同時に、次の包装袋となる筒状包装材に底部を形成する。本実施形態では、横シーラ60が、ガイド器具70の下面に沿ってスライドすることで、ガイド器具70の端部を支点として、筒状包装袋の底部が水平方向に折れ曲がり、筒状包装袋に底部が形成される。さらに、横シーラ60は、カッターを内蔵しており、包装袋をシールするとともに、シールした包装袋の上部に切り込みを入れ、包装袋を筒状包装袋から切り離す。
【0016】
ガイド器具70は、製袋チューブ30の下部に着脱可能となっている。より具体的には、ガイド器具70は、後述する連結部76を有しており、連結部76を製袋チューブ30の突起部(不図示)に係合することで、図2に示すように、製袋チューブ30の充填筒80の周囲を覆うように、製袋チューブ30に装着される。ガイド器具70は、中空となっており、ガイド器具70を製袋チューブ30に装着させることで、製袋チューブ30と同様に、外部において筒状包装材と接して筒状包装材を下方に案内するとともに、内部において粉状製品を通過させて包装袋に粉状製品を充填することができる。なお、ガイド器具70についての詳細は後述する。
【0017】
次に、本実施形態に係る製袋包装方法について説明する。図3は、本実施形態に係る製袋包装方法を説明するための図である。なお、図3では、説明の便宜上、充填筒80を円筒形で概略図示している。
【0018】
図3(A)に示すように、ガイド器具70は中空となっており、ガイド器具70の内部には製袋チューブ30を構成する充填筒80が挿通されている。製袋包装装置1は、まず、図3(B)に示すように、繰り出しベルト40の回転により、底部31が形成された筒状包装袋3を下方へと繰り下げながら、同時に、投入口21から投入した粉状製品を、ガイド器具70および充填筒80の内部を通過させて、底部31が形成された筒状包装袋3内に充填する。ここで、粉状製品の充填時に空気が筒状包装袋3の内部に多く存在すると、製袋後の製品に空気が多く残されて膨らんだ状態になるため、余分な空気を逃がしながら充填する必要がある。本実施形態のガイド器具70によれば、余剰空気が切り欠き部74から抜け出るので、空気抜けは良好である。そして、図3(C)に示すように、所定量の筒状包装体3の繰り出しと、所定量の粉状製品の充填が完了すると、図3(D)に示すように、横シーラ60が有する一対のシール部材が互いに近づくように略水平方向(内側)にスライドし、図3(E)に示すように、粉状製品が充填された筒状包装袋3の上部を挟み込み、熱融着によるシールを行う。これにより、粉状製品が充填された筒状包装袋3の上部がシールされる。また、横シーラ60が略水平方向にスライドすることで、図3(D)に示すように、ガイド器具70の下端辺72が支点となって筒状包装袋3が内側に折り曲げられ、図3(E)に示すように、次に包装袋2となる筒状包装袋3の部分に新たな底部31が形成される。
【0019】
また、図3(E)において、横シーラ60が内蔵するカッターにより粉状製品が充填された包装袋2の上部に切り込みが入れられ、図3(F)に示すように、横シーラ60が互いに離れるように略水平方向(外側)にスライドした場合に、粉状製品が充填された包装袋2が筒状包装袋3から切り離されて自然落下し搬出される。そして、図3(A)に戻り、筒状包装体3を下方に繰り下げながら粉状製品を充填する処理が行われる。その後、図3(A)~(F)を繰り返すことで、粉状製品を包装袋2に包装する処理が連続して繰り返される。
【0020】
ここで、図4は、従来のガイド器具の一例を示す斜視図である。従来のガイド器具90は、開口を有する下端辺91と、側面に、下端辺91を含んで切り欠く切り欠き92を備えている。従来のガイド器具90は、下端辺91の大部分は切り欠きではなく壁面となっているため、図3(B)に示すように、粉状製品を底部31が形成された筒状包装袋3に充填する際に、粉状製品が従来のガイド器具の内壁面に付着することが多かった。特に、図3(B)に示すように、筒状包装体3を下方に繰り下げながら粉状製品を充填する場合であり、かつ、筒状包装体3の繰り出しが十分に行われていない時点では、筒状包装体3の底部31に充填された粉状製品が舞い上がり、ガイド器具90の内壁面に付着することが多かった。そして、ガイド器具の内壁面に付着した粉状製品は、自重又は装置の振動により落下するが、落下のタイミングが不規則であり、ある程度多くの量が付着した後に粉状製品の塊として落下してしまう場合があった。仮に、図3(D)に示すように、筒状包装袋のシールを行うタイミングで、粉状製品が塊として落下し、粉状製品の塊が挟まれた状態で筒状包装袋のシールされた場合には、製袋された包装袋は不良品(シール不良1回に対して不良品が2個発生する)として破棄されるため、製品歩留まりが悪化する要因となっていた。他方で、切り欠き92は、下端辺91までを切り欠いていることから、切り欠き92を大きくすると、下端辺91による筒状包装袋3の底部成形能力が低下すると考えられる。すなわち、下端辺91の切り欠きを大きくし過ぎると、下端辺91により筒状包装袋3の底部を成形する際に変形を来し、良好な成形が行えない場合があると考えられる。
【0021】
これに対して、本実施形態に係るガイド器具70では、少なくとも対向する2つの側面において切り欠きが切り欠き形成側面部73の20%以上(好ましくは25%以上)の面積を占めるように形成されている。ここで、図5は、本実施形態に係るガイド器具70の斜視図、図6は本実施形態に係るガイド器具70の正面図、図7は本実施形態に係るガイド器具70の側面図、図8は本実施形態に係るガイド器具70の底面図である。図5図8に示すように、ガイド器具70は、中空の筒状構造を有し、製袋チューブ30と連結する上部71と、下部開口を構成する下端辺72と、上部71と下端辺72との間の切り欠き形成側面部73とを有する。ここで、切り欠き形成側面部73とは、側面のうち、切り欠きの上縁高さを通る水平線から下端辺72までの範囲(高さHの範囲)の部分をいうものとする。
【0022】
上部71は、製袋チューブ30に応じた円筒構造となっており、製袋チューブ30と連結するための連結部76を有する。連結部76は製袋チューブ30の突起部(不図示)と係合可能となっており、連結部76を製袋チューブ30と係合させることで、ガイド器具70を製袋チューブ30に連結させることができる。また、下端辺72は、筒状包装袋の角底を形成するため底面側(下部開口75側)から見ると略四角形となっている。さらに、上部71と下端辺72との間の切り欠き形成側面部73は4つの面を有しており、切り欠き形成側面部73の各面に下端辺72と連通しない切り欠き74をそれぞれ有している。本実施形態のガイド器具70は、下端辺72に切り欠きを有しないので、筒状包装袋3の底部成形能力も良好である。
【0023】
図5図8に示すように、4つの切り欠き74は、上から下に向かって幅広となる三角形状を有している。また、本実施形態においては、切り欠き74は、切り欠き形成側面部73の各面の20%以上を占めるように形成されており、より好適には25%以上を占めるように形成される。別の観点からは、切り欠き74の下辺の幅Wは、下端辺72の幅Wの半分を超える長さ(好ましくは3/5以上の長さ)を有している。なお、切り欠き74の大きさは、ガイド器具70が一定の強度を有する範囲内において、できる限り大きくすることが好ましい。また、ガイド器具70の強度を担保するために、切り欠き74は側面の平坦な部分において形成され、湾曲している四隅の面においては形成されていない。
【0024】
本実施形態に係るガイド器具70を用いることで、底部31が形成された筒状包装袋3に粉状製品を充填する際に筒状包装体3の繰り出しが十分に行われておらず、ガイド器具70から近い位置で粉状製品が舞い上がってしまう場合(図3(B)参照)でも、ガイド器具70の内壁面に付着する粉状製品の量を減らすことができ、粉状製品が塊状の付着物となること自体を低減することができる。その結果、図3(D)に示すように、包装袋の開口部をシールするタイミングで、粉状製品の塊が落下してシール部に挟まれてしまい、包装袋を適切にシールできないという不具合を生じることが抑制される。その結果、製品歩留まりの改善を図ることができる。
【0025】
また、本実施形態に係るガイド器具70では、4つの切り欠き74が、上方から下方にかけて幅広となっている。ここで、粉状製品を充填する際には、下方ほど、粉状製品が舞う傾向にあるため、ガイド器具70の下方ほど内壁面に付着する粉状製品の量が多くなる。そのため、切り欠き74を上方から下方にかけて幅広とすることで、内壁面に付着する粉状製品を低減させることができ、製品歩留まりをより改善することができる。さらに、切り欠き74を上方から下方にかけて幅広とすることで、ガイド器具70の強度も確保することができる。特に、本実施形態では、切り欠き74を上方から下方にかけて幅広の三角形状とすることで、ガイド器具70の強度を高く維持することができる。一方で、本実施形態では、切り欠き74を切り欠き形成側面部73の各面において20%以上(好ましくは25%以上)を占めるように構成することで、十分な広さの切り欠き74を得ることができ、内壁面に付着する粉状製品の量を低減させることができ、製品歩留まりをより改善することができる。
【0026】
なお、ガイド器具70が切り欠き74を備えることで、図3(B)に示すように、底部31が形成された筒状包装袋3に粉状製品を充填する際に、切り欠き74と隣接する筒状包装袋3の内面に粉状製品が付着することが想定される。しかしながら、切り欠き74と隣接する筒状包装袋3の内面は、図3(C)において、下方に連続的に繰り出されるため、シールに影響するほどの付着状態となることはなく、しかも殆どの場合で粉状製品の一部が付着する可能性がある部位が包装袋の内面(シール部分ではない)となるため、シール不良の問題は生じない。
【0027】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態例の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】
たとえば、上述した実施形態では、ガイド器具70の4つの側面にそれぞれ切り欠き74を形成する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば4つの側面のうち2または3の側面に切り欠きを形成する構成とすることもできる。この場合も、同様に、ガイド器具70の側面に付着する粉状製品の量を低減することができ、歩留まりを改善することができる。
【0029】
また、上述した実施形態では、切り欠き74を三角形状とする構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば切り欠き74を長方形とすることや台形とすることもでき、また五角形以上の多角形とすることもできる。さらに、切り欠き74を楕円形や円とすること、しずく形やティアドロップ形とすることもできる。また、上述した実施形態では、1つの側面において1つの切り欠き74のみを形成する構成を例示したが、たとえば、1つの側面に複数の切り欠きを形成する構成とすることもできる。
【0030】
さらに、上述した実施形態に係る製袋包装装置1では、ガイド器具70を製袋チューブ30に着脱自在な構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、ガイド器具70を製袋チューブ30と一体的に構成することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1…製袋包装装置
10…リール
20…フォーマ
30…製袋チューブ
40…繰り下げベルト
50…縦シーラ
60…横シーラ
70…ガイド器具
71…上部
72…下端辺
73…切り欠き形成側面部
74…切り欠き
75…下部開口
76…連結部
80…充填筒
81…排出口座
83…充填筒とガイド器具の間の空間
90…従来のガイド器具
2…包装袋
3…筒状包装袋
31…底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8