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特許7061707電子デバイス製造用のロードポートの機器、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】電子デバイス製造用のロードポートの機器、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20220421BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20220421BHJP
   F16J 15/06 20060101ALN20220421BHJP
【FI】
H01L21/68 A
F16J15/10 T
F16J15/06 D
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021032445
(22)【出願日】2021-03-02
(62)【分割の表示】P 2019524217の分割
【原出願日】2017-11-09
(65)【公開番号】P2021106273
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】15/348,961
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ボーンカッター, ルーク ダブリュ.
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-146347(JP,A)
【文献】特開2004-245299(JP,A)
【文献】特開2009-270691(JP,A)
【文献】特開2006-046489(JP,A)
【文献】特開2009-176822(JP,A)
【文献】特開2007-155016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
F16J 15/10
F16J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードポートであって、
電子デバイス製造システムのファクトリインターフェースのハウジングの前面に面するように構成された後表面を有するパネルであって、ロードロックが前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの第2の面に連結するように構成されており、前記後表面に形成された溝が、前記パネルの外側部分に沿って延び、前記溝が、前記溝の底部を含む広がった基部と、前記広がった基部まで延在する頸部とを有し、前記頸部が頸部幅の長方形の断面を有し、前記広がった基部が、傾斜した側壁と、前記頸部幅よりも広い底部幅を有する前記底部を有する、パネルと、
前記ロードポートの前記後表面に形成された前記溝内に少なくとも部分的に嵌め込まれたシールであって、前記パネルが前記ハウジングの前記前面と連結されるのに応答して、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面と係合するように構成されたシールと
を備えるロードポート。
【請求項2】
前記溝が、前記パネルの外側外縁に沿って延びている、請求項1に記載のロードポート。
【請求項3】
前記シールが、前記溝内に嵌め込まれる前において、長方形の断面を有する、請求項1に記載のロードポート。
【請求項4】
前記シールが、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)発泡材料を含む、請求項1に記載のロードポート。
【請求項5】
前記シールが押出成形されたバルブシールを含み、該押出成形されたバルブシールが、
前記ロードポートの前記後表面と、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面との間に配置されるように構成された、バルブ部分と、
前記溝の第1の側と係合するように構成された第1の複数の保持フィンガと、
前記溝の第2の側と係合するように構成された第2の複数の保持フィンガと
を含む、請求項1に記載のロードポート。
【請求項6】
前記シールが、フルオロエラストマー(FKM)を含む、請求項1に記載のロードポート。
【請求項7】
電子デバイス製造システムのファクトリインターフェースであって、
前面と第2の面とを有するハウジングであって、前記ハウジングの前記第2の面はロードロックに連結するように構成されている、ハウジング、および
ロードポートであって、
前記ハウジングの前記前面に面するように構成された後表面を有するパネルであって、前記後表面に形成された溝が、前記パネルの外側部分に沿って延び、前記溝が、前記溝の底部を含む広がった基部と、前記広がった基部まで延在する頸部とを有し、前記頸部が頸部幅の長方形の断面を有し、前記広がった基部が、傾斜した側壁と、前記頸部幅よりも広い底部幅を有する前記底部を有する、パネルと、
前記ロードポートの前記後表面に形成された前記溝内に少なくとも部分的に嵌め込まれたシールであって、前記パネルが前記ハウジングの前記前面と連結されるのに応答して、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面と係合するように構成されたシールと
を備えるロードポート
を備えるファクトリインターフェース。
【請求項8】
前記溝が、前記パネルの外側外縁に沿って延びている、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項9】
前記シールが、前記溝内に嵌め込まれる前において、長方形の断面を有する、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項10】
前記シールが、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)発泡材料を含む、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項11】
前記シールが押出成形されたバルブシールを含み、該押出成形されたバルブシールが、
前記ロードポートの前記後表面と、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面との間に配置されるように構成された、バルブ部分と、
前記溝の第1の側と係合するように構成された第1の複数の保持フィンガと、
前記溝の第2の側と係合するように構成された第2の複数の保持フィンガと
を含む、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項12】
前記シールが、フルオロエラストマー(FKM)を含む、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項13】
ファクトリインターフェースのハウジングの前面にロードポートのパネルを連結することであって、ロードロックが前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの第2の面に連結され、前記パネルは、前記ハウジングの前記前面に面するように構成された後表面を有し、前記後表面に形成された溝が、前記パネルの外側部分に沿って延び、前記溝が、前記溝の底部を含む広がった基部と、前記広がった基部まで延在する頸部とを有し、前記頸部が頸部幅の長方形の断面を有し、前記広がった基部が、傾斜した側壁と、前記頸部幅よりも広い底部幅を有する前記底部を有する、連結することと、
前記パネルを前記ハウジングの前記前面に連結したことに応答して、前記ロードポートの前記後表面に形成された前記溝内に少なくとも部分的に嵌め込まれたシールを、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面に係合させることと
を含む方法。
【請求項14】
前記溝が、前記パネルの外側外縁に沿って延びている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シールが、前記溝内に嵌め込まれる前において、長方形の断面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記シールが押出成形されたバルブシールを含み、該押出成形されたバルブシールが、
前記ロードポートの前記後表面と、前記ファクトリインターフェースの前記ハウジングの前記前面との間に配置されるように構成された、バルブ部分と、
前記溝の第1の側と係合するように構成された第1の複数の保持フィンガと、
前記溝の第2の側と係合するように構成された第2の複数の保持フィンガと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記シールが、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)発泡材料またはフルオロエラストマー(FKM)のうちの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年11月10日に出願された、「ELECTRONIC DEVICE MANUFACTURING LOAD PORT APPARATUS, SYSTEMS, AND METHODS」と題する米国特許通常出願第15/348,961号(代理人整理番号24538‐03/米国)に対する優先権を主張する。当該通常出願は、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は電子デバイス製造に関し、具体的には、ファクトリインターフェースとロードポートのシールに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体電子デバイスの製造における基板の処理は、概して複数の処理ツール内で実施されるが、この際、基板は、例えば前部開口一体型ポッド即ちFOUPといった基板キャリアの中で、処理ツール間を移動する。例えばイクイップメントフロントエンドモジュール即ちEFEMといったファクトリインターフェースのロードポートに対して、基板キャリアがドッキングされてよい。ファクトリインターフェースは、基板キャリアと処理ツールとの間で基板を移送するように操作可能な、ロボット基板ハンドラーを含み得る。基板キャリアとファクトリインターフェースの中に及びこれらの間に、並びにファクトリインターフェースと処理ツールの中に及びこれらの間に、環境制御された大気が供給されてよい。湿度、温度、酸素、及び/または汚染物質/粒子のレベルといった、様々な環境要因の不十分な制御は、基板特性および基板処理に悪影響を及ぼし得る。したがって、現存する電子デバイス製造システムは、ファクトリインターフェースにおける環境制御の改良によって、恩恵を受け得る。
【0004】
したがって、改良された電子デバイス製造用のロードポートの機器、システム、及び方法が望まれている。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によると、電子デバイス製造システムの、基板キャリアとファクトリインターフェースとのインターフェースとなるように構成された、ロードポートが設けられる。ロードポートは、ファクトリインターフェースのハウジングの前面と連結するように構成されたパネルを備える。パネルは、ファクトリインターフェースのハウジングの前面に面している後表面(back surface)を有する。後表面は、パネルの外側部分に沿って延びる溝を有しており、溝は、頸部と広がった基部とを備える。頸部は、広がった基部へと延びる、長方形の断面を有する。ロードポートは、溝内に嵌め込まれたシールもまた備える。シールは、パネルが前面と連結されているときに、ファクトリインターフェースのハウジングの前面と係合するように構成されている。
【0006】
第2の態様によると、電子デバイス製造システムが提供される。電子デバイス製造システムは、基板処理ツール及びファクトリインターフェースを備える。ファクトリインターフェースは、前面及び後面を有するハウジングを備える。前面は前面開口を有し、後面は基板処理ツールに連結されている。ファクトリインターフェースは、基板キャリアとのインターフェースになるように構成された、ロードポートもまた備える。ロードポートは、ハウジングの前面開口においてファクトリインターフェースハウジングの前面に連結された、パネルを備える。パネルは、ハウジングの前面に面している後表面を有する。後表面は、パネルの外側部分に沿って延びる溝を有する。溝は、頸部と広がった基部とを有する。頸部は、広がった基部へと延びる、長方形の断面を有する。ロードポートは、溝内に嵌め込まれたシールもまた備える。シールは、パネルがファクトリインターフェースのハウジングの前面と連結されているときに、この前面と係合するように構成されている。
【0007】
第3の態様によると、電子デバイス製造システムのためのファクトリインターフェースを組み立てる方法が提供される。方法は、基板キャリアとのインターフェースになるように構成されたロードポートであって、後表面を有するパネルを備えるロードポートを設けることを含む。方法は、パネルの後表面に、パネルの外側部分に沿って延びる溝を設けることもまた含む。溝は、頸部と広がった基部とを有する。頸部は、広がった基部へと延びる、長方形の断面を有する。方法は、溝内にシールを嵌め込むことをさらに含む。
【0008】
本開示のこれらの及び他の実施形態による、さらなる他の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面から、容易に明らかであり得る。したがって、本明細書の図面及び説明は、本質的に例示的であると見なされるべきであり、限定的であるとは見なすべきではない。
【0009】
以下に記載される図面は、例示のためだけのものであり、必ずしも縮尺どおりには描かれていない。これらの図面は、いかなる形においても、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態による、電子デバイス製造システムの概略側面図を示す。
図2】本開示の実施形態による、ロードポートの前面斜視図を示す。
図3】本開示の実施形態による、ロードポートの簡略化した後面立面図を示す。
図4A】本開示の実施形態による、図3の線4A‐4Aで切られた、ロードポートのパネルの溝内のシールの部分断面図を示す。
図4B】本開示の実施形態による図4Aのシールの断面図を示す。
図4C】本開示の実施形態による図4Aの溝の部分断面図である。
図4D】本開示の実施形態による図4Aのシール及び溝の部分断面図であり、ファクトリインターフェースの前面がシールと係合している。
図5】本開示の実施形態による図4Aの代替的なシール及び溝の部分断面図であり、ファクトリインターフェースの前面が代替的なシールと係合している。
図6】本開示の実施形態による電子デバイス製造システム用のファクトリインターフェースを組み立てる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に示されている、本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。図面全体を通じて、可能な限り、同一または同様の部分について言及するのに同一の参照番号が使用される。
【0012】
電子デバイスの製造は、基板特性及び/または基板処理に悪影響を及ぼし得る、望ましくない湿度、温度、酸素、及び/または汚染物質/粒子のレベルを低減するために、例えば基板キャリア、ロードポート、ファクトリインターフェース、及び処理ツールといった様々な構成要素の間で、制御された環境を維持する、及び/または設けることを含み得る。各構成要素間のインターフェースは、様々なシールを含み得る。これらのシールのうちのあるものは、例えばメンテナンス処置及び/または、1つの構成要素の別の構成要素に対するレベリング中または位置調整中に、圧縮を受けて、水平及び/または垂直の構成要素のずれを被り得る。こうした構成要素のずれは、シールに損傷を与え得るか、及び/またはシールを構成要素から引きはがし得る、及び/または引き離し得る。これによって、シールの封止能力に悪影響が及びかねない。
【0013】
一態様では、本開示の1つ以上の実施形態による電子デバイス製造システムは、改良されたロードポートのシールを含む。ある実施形態における改良されたロードポートのシールは、ロードポートのパネルの後表面の外側部分に沿って延びる、特定の形状及び/または寸法の溝を用いていてよい。後表面は、ファクトリインターフェースの前面とのインターフェースになるように構成されていてよい。1つ以上の実施形態による、ある形状、寸法、及び/または材料のシールが、溝内に嵌め込まれていてよい。本明細書に記載の溝とシールの構成は、構成要素がずれている間に、シールが損傷を受ける、引きはがされる、及び/または引き離されるという可能性を低減し得るか、または取り除き得る。本明細書に記載の溝とシールの構成は、例えば、取り付け及び取り外しが容易である、並びに不均一な圧縮下での効果的な封止ができるといった、他の利点もまた有し得る。
【0014】
電子デバイス製造システム用のファクトリインターフェースを組み立てる方法を含む、改良されたロードポートのシールを図示し且つ説明する例示的な実施形態、及び他の態様のさらなる詳細は、図1から図6に関連して、以下でより詳細に説明される。
【0015】
図1は、1つ以上の実施形態による、電子デバイス製造システム100の概略側面図を示す。電子デバイス製造システム100は、基板キャリア102と、ロードポート104と、ファクトリインターフェース106と、基板処理ツール108とを含み得る。ロードポート104は、ファクトリインターフェース106に連結されていてよく、ファクトリインターフェース106は、基板処理ツール108に連結されていてよい。ある実施形態では、電子デバイス製造システム100内にあるか、またはこのシステムに連結された機器(例えばガス供給ライン、真空ポンプなど、図示せず)は、ドア、ドアオープナー、ゲートバルブ/スリットバルブ、またはこの機器のインターフェースにある同様の機構の開放または閉鎖の状態に応じて、基板キャリア102、ロードポート104、ファクトリインターフェース106、及び基板処理ツール108のうちの1つ以上を、環境制御された大気内(例えば非反応性ガス、及び/または不活性ガスの環境内、真空下、など)に置き得る。
【0016】
基板キャリア102は、1つ以上の基板を担持するように構成されていてよい。基板は、シリコン含有ディスクまたはウエハ、パターンウエハ、ガラスプレートといった、電子デバイスまたは回路構成要素の作製に用いられる任意の適切な物品であり得る。基板キャリア102は、ある実施形態では、例えば前面開口式一体型ポッド即ちFOUPであってよく、キャリアドア110を含んでいてよい。
【0017】
ロードポート104は、上に基板キャリア102を受容するように構成されていてよい。ロードポート104は、内部にキャリアドア110を受容するように構成されたパネル開口114を有するパネル112を有していてよい。ロードポート104は、キャリアドア110に接触して(即ち、例えば、キャリアドア110を係止するか、キャリアドア110に別様に付着して)、キャリアドア110を開放し、基板キャリア102の中への及び基板キャリア102から外への基板の移送を可能にするように構成された、キャリアドアオープナー116もまた有していてよい。ある実施形態では、キャリアドアオープナー116は、キャリアドア110に接触し、パネル112をどかす(clear)のに十分なほどキャリアドア110を内側に(即ち図1では右へ)動かし、次いでキャリアドア110を下方に動かして、基板キャリア102内へのアクセスを提供してよい。
【0018】
ファクトリインターフェース106は、前面118、後面(rear side)120、頂部122、底部124、及び2つの側壁(個別には図示せず)を有するハウジング117を有する、任意の適切なエンクロージャであり得る。前面118は、各ロードポート104を受容し各ロードポートと連結するように構成された、1つ以上の前面開口126を有し得る。ファクトリインターフェース106は、基板キャリア102からファクトリインターフェース106を通って基板処理ツール108まで基板を移送するように構成された、ロボット基板ハンドラー(図示せず)を含み得る。
【0019】
基板処理ツール108は、1つ以上の基板に対して、例えば物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニール処理、予洗浄、金属または金属酸化物の除去などといった、1つ以上の処理を実施し得る。その中の基板に対して、他の処理が実施されてもよい。基板処理ツール108は、1つ以上のロードロックチャンバ、移送チャンバ、及び1つ以上の処理チャンバ(いずれも図示せず)を含み得る。1つ以上のロードロックチャンバは、ファクトリインターフェース106に連結されていてよく、その一方で、移送チャンバは、その1つ以上のロードロックチャンバ及び1つ以上の処理チャンバに連結されていてよい。ファクトリインターフェース106のロボット基板ハンドラーは、1つ以上のロードロックチャンバの中に、及び1つ以上のロードロックチャンバから外に、基板を移送し得る。基板処理ツール108は、少なくとも部分的に移送チャンバ内に収容された、移送ロボット(図示せず)を含み得る。移送ロボットは、1つ以上のロードロックチャンバと1つ以上の処理チャンバとの間で、基板を移送するように構成されていてよい。
【0020】
図2は、1つ以上の実施形態による、ロードポート204の前面斜視図を示す。ある実施形態では、ロードポート204は、ロードポート104と同一または同様であってよい。ロードポート204は、パネル開口214を有するパネル212を含み得る。ロードポート204は、キャリアドアオープナー216であって、パネル212に対して閉鎖されているときにパネル開口214を封止する、キャリアドアオープナー216もまた含み得る。キャリアドアオープナー216は、基板キャリア102のキャリアドア110と接触し、キャリアドア110に付着するように構成された、1つ以上のコネクタ228を有し得る。コネクタ228は、例えば、吸引式デバイスや真空デバイスなどであり得る。キャリアドア110に付着することが可能な、他の適切なタイプのコネクタデバイスも使用され得る。パネル212から外向きに延びる、マウント用テーブル230が設けられてよい。マウント用テーブル230は、上に基板キャリア102を受容するように構成されていてよい。基板キャリア102をマウント用テーブル230上の適切な位置にロックするために、マウント用テーブル230上に、及び/またはマウント用テーブル230の周囲に、様々な機構(図示せず)が含まれていてよい。ロードポート204は、ある実施形態では、キャリアドアオープナー216をキャリアドア110に付着させ、図1に関連して上記したようにキャリアドア110を開放し得る、キャリアドアオープナー216に連結された開閉機構(図2には図示せず)を収容し得る、下部232をさらに含み得る。
【0021】
図3は、1つ以上の実施形態によるロードポート304の背面図である。ある実施形態では、ロードポート304は、ロードポート104及び/または204と同一または同様であってよい。ロードポート304は、パネル312及び、キャリアドアオープナー316であって、パネル312に対して閉鎖されているときにパネル開口(図3には図示せず)を封止する、キャリアドアオープナー316を含んでいてよい。ロードポート304は、図1及び/または2に関連して上記したようにキャリアドアオープナー316を開閉し得る、開閉機構334(図3に部分的に示す)をさらに含んでいてよい。パネル312は、パネル312の外側部分及び/または外縁の周囲に延びる溝338を有する、後表面336を有し得る。ある実施形態では、溝338は、パネル312の外側側端から約1.5mm‐5.0mmであってよく、パネル312の上端及び/または下端から約20mm‐25mmであってよい。他の、溝の位置が用いられてもよい。後表面336は、ロードポート304がファクトリインターフェースに連結されているときに、例えばファクトリインターフェース106(図1)の前面118といった、ファクトリインターフェースの前面に面していてよい。溝338内に、シール340が嵌め込まれてよい。ロードポート304とファクトリインターフェースとが互いに連結されているときに、ロードポート304と、ファクトリインターフェース106といったファクトリインターフェースとの間のインターフェースを、シール340が封止していてよい。
【0022】
図4Aは、1つ以上の実施形態による、ロードポートのパネル412の後表面436の溝438内に嵌め込まれたシール440を示す。ある実施形態では、溝438は、図3の溝338と同一または同様であってよく、ある実施形態では、シール440は図3のシール340と同一または同様であってよい。1つ以上の実施形態では、シール440は、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)発泡材料から作られていてよく、図4Bに示すとおり、溝438内に挿入される前は、圧縮されていない長方形の断面形状を有していてよい。シール440は、ある実施形態では、約9.9mm‐12.1mmである「圧縮されていない高さH1」と、約4.5mm‐5.5mmである「圧縮されていない幅W1」を有していてよい。シール440は、幅に対する高さの比の値が、約2.0‐2.4であってよい。シール440は、ある実施形態では、溝438内に嵌め込まれている状態(図4A)で、約6.1mm‐7.5mmである、「圧縮されていない、溝を超えて出ている高さH2」と、約3.8mm‐4.6mmである「挿入されている高さH3」を有していてよい。シール440は、1つ以上の実施形態では、約10.5mm‐11.5mmである「圧縮されていない高さH1」と、約4.7mm‐5.2mmである「圧縮されていない幅W1」を有していてよい。シール440は、幅に対する高さの比の値が、約2.1‐2.3の範囲であってよい。シール440は、ある実施形態では、溝438内に嵌め込まれている状態(図4A)で、約6.5mm‐7.1mmである「圧縮されていない、溝を超えて出ている高さH2」と、約4.0mm‐4.4mmである「挿入されている高さH3」を有していてよい。溝438内に嵌め込まれたシール440は、高さH1の約35%‐40%の範囲である、「挿入されている高さH3の最高限度」を有していてよい。
【0023】
図4Cは、内部にシール440が嵌め込まれていない溝438を示す。溝438は、ある実施形態では約3.8mm‐4.6mmの範囲であり、ある実施形態では約4.0mm‐4.4mmの範囲である、深さD1を有していてよい。溝438は、頸部422と広がった基部444とを有し得る。頸部442は、広がった基部444へと延びる長方形の断面を有し得る。ある実施形態では、頸部442は、約3.2mm‐3.8mmである幅W2と、約1.8mm‐2.2mmである深さD2を有していてよい。ある実施形態では、頸部442は、約3.3mm‐3.7mmである幅W2と、約1.9mm‐2.1mmである深さD2を有していてよい。ある実施形態では、広がった基部444は、約5.0mm‐6.1mmである幅W3と、約2.0mm‐2.4mmである深さD3を有していてよい。ある実施形態では、広がった基部444は、約5.3mm‐5.9mmである幅W3と、約2.1mm‐2.3mmである深さD3を有していてよい。1つ以上の実施形態では、「頸部の深さD2」に対する「溝の深さD1」の比の値は、約1.8‐2.2であってよく、「頸部の幅W2」に対する「広がった基部の幅W3」の比の値は、約1.4‐1.8であってよく、及び/または「頸部の幅W2」に対する「溝の深さD1」の比の値は、約1‐1.35であってよい。ある実施形態では、「頸部の深さD2」に対する「溝の深さD1」の比の値は、約1.9‐2.1であってよく、「頸部の幅W2」に対する「広がった基部の幅W3」の比の値は、約1.5‐1.7であってよく、及び/または「頸部の幅W2」に対する「溝の深さD1」の比の値は、約1.1‐1.3であってよい。ある実施形態では、広がった基部444は、約30°~35°の範囲である側壁角A1を有していてよい。35°を超える側壁角は、横方向のロード中の、溝338がシール440を保持する有効性を低減し得る。他の適切な溝の寸法、及び/または比が用いられてもよい。
【0024】
図4Aに戻ると、頸部442は、シール440が溝438内に嵌め込まれているときに、矢印446によって示されているように、頸部442内にあるシール440の長方形の断面を、ある実施形態では約27%‐33%、ある実施形態では約28%‐31%、圧縮するように構成されていてよい。この頸部の圧縮は、ある実施形態では、「頸部の幅W2」に対する「溝の深さD1」の比の値が約1.1‐1.3の範囲であることと相まって、溝438内における封止の維持とシール440の取り付け/取り外しの容易さとの間の、有利なトレードオフであり得る。他の適切な圧縮量/比が使用されてもよい。
【0025】
溝338とシール440の構成は、有利には、シール440が広がった基部444内へと拡張するのを可能にするものであってよい。この拡張は、広がった基部444の壁に対して押し付けるものであってよく、シール440を所定の場所に保持するのに役立ち得る。頸部442の壁は、垂直及び水平のせん断荷重かかかっている間、長方形のみの断面、典型的なダブテール形の断面、及び/または長方形とダブテール形との組み合わせの断面を有する他の既知の溝と比べて、シール440をより良く支持し得る。例えば、長方形の断面のみを有する溝内のシールに対する垂直のせん断荷重は、水平のせん断力が取り除かれると、シールを溝から外に戻すバネ効果をシール内に作り出し得る。同様に、典型的なダブテール形の断面を有する溝内のシールに対する水平のせん断荷重は、シールに締め付けと褶曲を生じさせ、シールを溝から飛び出させ得る。ある実施形態では、溝338の外側に延びているシール440の一部分は、溝338内に存在しているシール440の一部分よりも、大きい幅を有していてよい。
【0026】
図4Dは、パネル412のロードポートが、ファクトリインターフェースのハウジングの前面418を有するファクトリインターフェースに連結されているときの、シール440の圧縮を示す。示されているように、シール440は、ロードポートがファクトリインターフェースに連結されているときに、前面418と係合していてよく、ある実施形態では約31%‐38%、またある実施形態では約33%‐36%、圧縮されてよい。シール440は、ある実施形態では約2.7mm‐約3.3mmであり、ある実施形態では約2.8mm‐3.1mmである、「圧縮された、溝を超えて出ている高さCH2」を有していてよい。シール440の「溝を超えて出ている高さCH2」は、前面418との係合によって、ある実施形態では約50%‐60%、またある実施形態では約52%‐57%、圧縮されるように構成されていてよい。他の適切な種類の圧縮量/比が使用されてもよい。
【0027】
図5は、パネル412の溝438内に嵌め込まれている代替的なシール540を示す。示されているように、代替的なシール540は、ファクトリインターフェースのハウジングの前面518との係合によって、圧縮されていてよい。代替的なシール540は、保持フィンガ548(2つのみがラベル付けされている)付きのバルブシールであってよい。他の数の保持フィンガが用いられてもよい。保持フィンガ548は、溝438内に嵌め込まれていてよい。ある実施形態では、代替的なシール540は、FKM(フルオロエラストマー)の押出成形された保持フィンガ付きバルブシールであってよい。ある実施形態では、代替的なシール540は、約8.2mm‐10mmである圧縮されていない外径OD、6.2mm‐7.6mmである圧縮されていない内径ID、12.3mm‐15mmである圧縮されていない長さ、3.7mm‐4.5mmであるフィンガ幅FW、及び/または、約0.9mm‐1.1mmであるフィンガ厚さFTを有していてよい。ある実施形態では、代替的なシール540は、約8.6mm‐9.6mmである圧縮されていない外径OD、6.5mm‐7.2mmである圧縮されていない内径ID、13mm‐14.4mmである圧縮されていない長さ、3.9mm‐4.3mmであるフィンガ幅FW、及び/または、約0.95mm‐1.05mmであるフィンガ厚さFTを有していてよい。ある実施形態では、代替的なシール540は、封止能力の点でシール440よりもいくぶんより良い性能を示し得るが、より費用が高価であり得る。
【0028】
溝438、並びにシール440及び/またはシール540の構成は、シール440及び/または540の圧縮が不均一である状況下で、有利に封止効果を提供し得る。即ち、シール440及び/または540の不均一な圧縮にも関わらず、シール440及び/または540は、ファクトリインターフェースとロードポート/基板キャリアとの間に、適切なレベルの環境的分離(例えば、室内気や酸素などがロードポート/ファクトリインターフェースの封止箇所を通ってファクトリインターフェースに入るのを低減、及び/または防止し、それによってファクトリインターフェース内の室内気や酸素などが所定のレベル未満に維持され得る、環境的封止)を維持する。例えば、あるロードポートを水平にするため、このロードポートがファクトリインターフェースに連結される際に、ロードポートのパネルの頂部において、ロードポートのパネルの底部におけるよりも(またはその逆)、より多くの圧縮が生じてよい。ある実施形態では、パネルの頂部(例えばロードポートとファクトリインターフェースが連結される箇所)では約55%‐65%のシールの圧縮が生じてよく、その一方でパネルの底部では25%‐35%のシールの圧縮が生じてよい。同様に、ファクトリインターフェースに連結されたロードポートのパネルの左側と右側とでも、シールの不均一な圧縮が生じ得る。本明細書に記載の溝及びシールは、有利なことに、それらの状況において有効な封止を提供し得る。
【0029】
図6は、1つ以上の実施形態による、電子デバイス製造システム用のファクトリインターフェースを組み立てる方法600を示している。方法600は、処理ブロック602で、基板キャリアとのインターフェースになるように構成されたロードポートであって、後表面を有するパネルを備えるロードポートを設けることを含み得る。例えば、図3を参照すると、基板キャリア102(図1)といった基板キャリアとのインターフェースとなるように構成された、ロードポート304が設けられていてよい。ロードポート304は、後表面336を有するパネル312を有し得る。
【0030】
処理ブロック604では、パネルの後表面に、パネルの外側部分に沿って延びる溝であって、頸部と広がった基部とを有し、頸部が、広がった基部内へと延びる長方形の断面を有する、溝が設けられ得る。図4A及び図4Cに示すように、例えば後表面436は、頸部442及び広がった基部444をそなえる溝438であって、頸部442が、広がった基部444内へと延びる長方形の断面を有する、溝438を有し得る。
【0031】
方法600は、処理ブロック606で、シールを溝内に嵌め込むことを含み得る。例えば、シール440は、図4Aに示すとおり溝438内に嵌め込まれてよい。
【0032】
前述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示しているにすぎない。上記で開示されている機器、システム、及び方法に対する変更形態は、本開示の範囲内に含まれる。したがって、本開示の例示的な実施形態が開示されてきたが、以下の特許請求の範囲によって規定されるように、他の実施形態も本開示の範囲内に含まれ得るということは、理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6