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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】前立腺がんの治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20220425BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/277 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/57 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/4164 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/58 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
A61K31/519 ZMD
A61P13/08
A61P35/00
A61P35/04
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/12
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/16
A61K9/14
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K45/06
A61K31/167
A61K31/277
A61K31/4166
A61K31/4178
A61K31/57
A61K31/4164
A61K31/496
A61K31/58
A61K31/573
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019538720
(86)(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2017074849
(87)【国際公開番号】W WO2018060463
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】62/402,150
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/402,004
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519112689
【氏名又は名称】ミオバント サイエンシズ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】ラジャセクアール、ヴィジェイクマール、レディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ブレンダン マーク
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン、デイヴィッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】シーリ、リン
(72)【発明者】
【氏名】マッド、ジュニア、ポール エヌ.
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/136849(WO,A1)
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2011年,54,pp.4998-5012
【文献】European Journal of Pharmacology,2014年,723,pp.167-174
【文献】CliticalTrials.gov archive, NCT02135445, Safety and Efficacy of TAK-385 for Patients with Localized Prostate Cancer, May 6 2016, https://clinicaltrials.gov/cv2/history/NCT02135445?V 7=View#StudyPageTop [検索日:07/10/2021]
【文献】ClinicalTrials.gov archive, NCT02083185, A Phase 2 Study to Evaluate the Safety and Efficacy of TAK-385, Together With a Leuprorelin Observational Cohort, in Patients With Prostate Cancer, May 6 2016, https://clinicaltrials.gov/cv2/history/NCT02083185?V 9=View#StudyPageTop[検索日:07/10/2021]
【文献】J Clin Endocrinol Metab,2015年,100(12),pp.4579-4587
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩を含み、
360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回経口投与され;および、120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を第2の治療期間に、24週間以上連続で1日1回経口投与される
治療の中断後に血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする対象における、前立腺がん治療用薬剤
【請求項2】
血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために前記N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩の投与を中断期間の間中断される、請求項1に記載の薬剤
【請求項3】
前記対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の30日以内に約55ng/dL超に上昇する、請求項2に記載の薬剤
【請求項4】
前記対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の12週間以内に約280ng/dL超に上昇する、請求項2または3に記載の薬剤
【請求項5】
投与は、24週間連続の治療後に中断される、請求項2~4のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項6】
投与は、少なくとも36週間連続の治療後に中断される、請求項2~4のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項7】
投与は、少なくとも52週間連続の治療後に中断される、請求項2~4のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項8】
前記対象は、介入疾患、放射線治療を受ける、寝たきり中、傷害を受ける、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置を受ける、または、性機能回復期への要望により、血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする、請求項のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項9】
第2の治療期間に、120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩が48週間連続で1日1回経口投与され、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され、48週目の終了まで維持される、請求項1~のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項10】
N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩を含み
360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回経口投与され;および、120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を第2の治療期間に、24週間以上連続で1日1回経口投与される
治療の中断後に血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする、ホルモン依存性前立腺がんを有する対象における、1種または複数種の性ホルモン抑制用薬剤
【請求項11】
第2の治療期間の120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩は、第1の治療期間の初日から第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍上昇するPKプロファイルを有する、請求項10に記載の薬剤
【請求項12】
前記性ホルモンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)である、請求項10または11に記載の薬剤
【請求項13】
大幅去勢が達成される、請求項1012のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項14】
前記大幅去勢は、投与開始後24~48時間以内に達成され、投与の終了まで維持される、請求項13に記載の薬剤
【請求項15】
去勢抵抗性になるまで時間は、GnRHアゴニスト療法を受けている対象よりも長い、請求項1014のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項16】
エンザルタミドと併用するための、請求項1~15のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項17】
前記対象の卵胞刺激ホルモン(FSH)は、48週間にわたる治療により約0.6~1.6mIU/mLである、請求項1~16のいずれか1項に記載の薬剤
【請求項18】
前記対象の卵胞刺激ホルモン(FSH)は、24週間連続の治療後、約2.4mIU/mL以下である、請求項1~16のいずれか1項に記載の薬剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月30日出願の米国仮出願番号62/402,150及び2016年9月30日出願の米国仮出願番号62/402,004に対する優先権を主張するものであり、それらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、経口製剤により、対象における進行性前立腺がん及びホルモン依存性または感受性の前立腺がんを含む前立腺がんを治療するための方法に関する。本開示はまた、去勢抵抗性前立腺がんを有する男性の治療を含む。詳細には、本開示は、1日1回の剤形の経口投与により、対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法に関する。本開示はまた、別々の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤を有するドーズパックに関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺がんは、米国において、男性における2番目に最も一般的な形態のがんであり、男性におけるがんによる死因の第2位である。National Cancer Instituteによると、現在米国では前立腺がんを有する約2.9百万人の男性が生活しており、また米国では毎年約180,000人の男性が新たに診断されている。
【0004】
前立腺がんの診断後における治療は通常、手術と放射線治療の併用を含むが、アンドロゲン遮断療法すなわちADTも利用される。前立腺がんは外科的去勢に効果を有するが、この治療の効果はアンドロゲンの除去によるものである。アンドロゲンとは、アンドロゲン受容体に結合することにより脊椎動物における雄の特徴の発現及び維持を刺激または制御する任意の天然または合成の化合物、通常はステロイドホルモンのを指し得る。アンドロゲンとしては、テストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン及びアンドロステンジオンが挙げられる。ほとんどの前立腺がんはアンドロゲン依存性であり、テストステロンなどのアンドロゲンはがん性前立腺細胞の増殖を促進する。ADTは血清中テストステロン濃度を劇的に低下させ、アンドロゲン受容体シグナル伝達を遮断し、前立腺がんの増悪を遅延させる。ADTは外科的去勢の代替法として機能し、前立腺がんの治療に有用である。
【0005】
精巣摘除術またはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト(GnRH受容体アゴニスト)による去勢は局所進行性がん及び転移性がんに対する治療の主要方法であり、酢酸ロイプロリドなどのGnRHアゴニストが広く使用されている。複数回用量のGnRHアゴニストを投与すると、ゴナドトロピン分泌に一時的な上昇が生じる。それに続き、下垂体の反応性低下(脱感作)、ならびに、黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)などの下垂体性ホルモンの分泌低下が生じ、精巣が産生する性ホルモン、例えば、テストステロン及びDHTなどの低下につながる。GnRHアゴニストによるホルモンの初期上昇は、臨床フレアとして知られる症状、例えば、骨痛の増強、より重篤なものでは、脊髄圧迫などの一時的な悪化をもたらす。GnRHアゴニスト療法の効果は初回投与後約3~4週間までは現れ始めない。加えて、既知のGnRHアゴニストは、経口では投与することができず、皮下(SC)、静脈内(IV)、筋肉内または経鼻で投与する必要のあるペプチドである。これらのGnRHアゴニストは多くの場合、1~3ヶ月毎に1回デポー製剤で投与される。したがって、投与が容易かつ簡便で、臨床フレアを引き起こさず、様々な期間にわたる治療の中断及び一旦治療を中断した際の短期間における血清中テストステロン濃度の上昇を可能とする、新規治療薬の開発が求められている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様は、50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする対象における前立腺がんを治療するための方法に関し、方法は、約80mg~約480mgの化合物1:N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を対象に1日1回投与することを含み、1日1回の投与を中断期間の間中断する場合、対象は血清中テストステロン濃度の上昇を経験する。
【0007】
本開示の別の態様は、前立腺がんを治療することを、それを必要とする対象において行うための方法に関し、方法は、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を対象に1日1回投与すること、血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために経口製剤の投与を中断期間の間中断すること、及び、中断期間の終了時に経口製剤の対象への1日1回の投与を再開することを含む。
【0008】
本開示の一態様は、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤に関する。
【0009】
本開示の別の態様は、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤に関し、方法は、経口製剤を対象に1日1回投与すること、血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために経口製剤の投与を中断期間の間中断すること、及び、中断期間の終了時に経口製剤の対象への1日1回の投与を再開することを含む。
【0010】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、中断期間の後において、本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開しない。
【0011】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度超に上昇する。一部の実施形態では、血清中テストステロン濃度は約55ng/dL超または約350ng/dL超に上昇する。ある特定の実施形態では、血清中テストステロン濃度は約300ng/dL~約600ng/dLに上昇する。
【0012】
上記または以下のいずれかの一部の実施形態では、血清中テストステロン濃度は、本開示の経口製剤の1日1回の投与前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇する。上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の7日以内に本開示の経口製剤の1日1回の投与前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇する。上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の45日以内に本開示の経口製剤の1日1回の投与前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇する。
【0013】
上記または以下のいずれかの一部の実施形態では、前立腺がんはホルモン依存性前立腺がんである。ある特定の実施形態では、前立腺がんは進行性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性または再発性である。ある特定の実施形態では、前立腺がんは去勢抵抗性転移性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは去勢抵抗性非転移性前立腺がんである。ある特定の実施形態では、前立腺がんはホルモン感受性転移性前立腺がんで
ある。一部の実施形態では、前立腺がんはホルモン感受性非転移性前立腺がんである。
【0014】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、上記投与することは、治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む。一部の実施形態では、上記投与することは、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む。ある特定の実施形態では、上記投与することは、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の1日1回の投与を含む。上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、1日1回の経口維持量製剤投与は、1日1回の経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される。
【0015】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、中断期間は、最長52週間、最長36週間、最長24週間、最長12週間、最長8週間または最長4週間である。
【0016】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、中断期間は、対象の前立腺特異抗原(PSA)濃度が治療中における対象の最下点PSA濃度の20%以上である場合に中断される。一部の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が治療前における対象のPSA濃度の50%以上である場合に中断される。ある特定の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が中断期間の開始時における対象のPSA濃度よりも高い場合に中断される。ある特定の実施形態では、中断期間は、対象が前立腺がんの症状の再発を経験する場合に中断される。一部の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が3ng/mL以上、10ng/mL以上、20ng/mL以上または30ng/mL以上である場合に中断され得る。
【0017】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口製剤は、12週間以上連続、24週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続で1日1回投与される。
【0018】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、少なくとも24週間連続の治療、少なくとも36週間連続の治療または少なくとも52週間連続の治療後に中断される。
【0019】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、対象は、介入疾患、放射線治療を受ける、寝たきり中、傷害を被る、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置を受ける、または、性機能回復期への要望により、血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする。一部の実施形態では、対象は、少なくとも2週間の推定完全回復期間を伴う介入疾患または外科的処置もしくはその他の侵襲的処置により、血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする。ある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の前に中断される。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置、傷害、または放射線治療の後またはその間に中断される。上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の前及びその間に行われ、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、手術もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の後に中断される。一部の実施形態では、外科的処置は、心臓手術、膝関節置換術、股関節置換術、腹部手術、骨盤手術、血管手術、脊椎手術、または、傷害による救急処置である。上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、対象は急性術後虚弱のリスクがあると認められる。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、介入疾患の間または対象が寝たきり中に中断される。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、長期の回復
を必要とする事故または傷害の後に中断される。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、運動が制限され長期の回復が必要になる脳卒中、脳出血、心筋梗塞、うっ血性心不全、股関節骨折またはその他の事象の後に中断される。ある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与は、対象が介入疾患から回復した後、もはや寝たきりではなくなった後、日常生活の正常活動を回復した後、または、正常レベルの機能を回復した後に再開される。一部の実施形態では、侵襲的処置は、大腸内視鏡、血管形成術、ステント留置、血管内コイル留置、血管内動脈瘤修復術、内視鏡検査、腹腔鏡検査、関節鏡検査、冠状動脈カテーテル挿入または別のカテーテルベースの処置である。
【0020】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、血清中テストステロン濃度は、本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断の7日以内において内科的去勢濃度超である。
【0021】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口負荷量製剤は、約240mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。あるある特定のこのような実施形態では、経口負荷量製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0022】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口維持量製剤は、約80mg、約120mgまたは約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。ある特定のこのような実施形態では、経口維持量製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0023】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口負荷量製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療の1日目に1回投与され、経口維持製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、1日1回投与される。
【0024】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0025】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、投与を食前に行う。一部の実施形態では、投与を、食事の少なくとも1時間前または食事の少なくとも2時間後に行う。ある特定の実施形態では、投与を、食事の少なくとも30分間前または対象の空腹時
に行う。
【0026】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口製剤、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は、即時放出製剤である。
【0027】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0028】
本開示の一態様は、抗アンドロゲン剤を投与することを更に含む上記または以下の方法または使用のいずれかに関する。ある特定のこのような実施形態では、抗アンドロゲン剤は、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、カンレノン、ドロスピレノン、ケトコナゾール、トピルタミド(フルリジル)及びシメチジンからなる群から選択される。
【0029】
上記または以下の方法または使用のいずれかのある特定の実施形態では、方法または使用は、CYP17リアーゼ阻害剤を投与することを更に含む。ある特定のこのような実施形態では、CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンである。
【0030】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、対象の血清中テストステロン濃度は、本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断の前及び後に抑制される。
【0031】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、方法または使用は抗アンドロゲン剤の投与を含まない。
【0032】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、方法または使用はプレドニゾンの投与を含まない。一部の実施形態では、方法または使用はプレドニゾンの投与を更に含む。
【0033】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、方法または使用は、中断期間の完了及び本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後における続く中断期間の間本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断することを更に含む。一部の実施形態では、続く中断期間は、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の再開後少なくとも12週間で生じる。
【0034】
上記または以下のいずれかのある特定の実施形態では、経口製剤または経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の約4~約8日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下である。一部の実施形態では、経口製剤または経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の4日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下である。
【0035】
本開示の一態様は、前立腺がんの治療のための薬剤を製造するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。ある特定のこのような実施形態では、前立腺がんは、ホルモン依存性前立腺がん、進行性前立腺がん、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性、再発性、去勢抵抗性転移性前立腺がん、去勢抵抗性非転移性前立腺がん、ホルモン感受性転移性前立腺がんまたはホルモン感受性非転移性前立腺がんである。一部の実施形態では、薬剤は、80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0036】
本開示のその他の目的及び利点は、以下の発明を実施するための形態により明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】実施例6による28日間の治療期間における平均血清中テストステロン濃度をグラフで示す図である。
図2】血清中テストステロン濃度が図1及び図7にグラフで示されている実施例6によるそれぞれの化合物1用量濃度の血清中テストステロン濃度における個々の変化の表である。
図3】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中LH濃度をグラフで示す図である。
図4】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中FSH濃度をグラフで示す図である。
図5】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度をグラフで示す図である。
図6】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中性ホルモン結合グロブリン(SHBG)濃度をグラフで示す図である。
図7】実施例6による治療期間(パートB)における平均血清中テストステロン濃度をグラフで示す図である。
図8】Aは実施例6による80mg化合物1の治療期間(パートB)における平均血清中テストステロン濃度をグラフで示す図である。Bは実施例6による120mg化合物1の治療期間(パートB)における平均血清中テストステロン濃度をグラフで示す図である。
図9】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中LH濃度をグラフで示す図である。
図10】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中FSH濃度をグラフで示す図である。
図11】実施例6による治療期間(パートA)における平均血清中DHT濃度をグラフで示す図である。
図12】実施例6による治療期間(パートA)の80mgまたは120mgの維持量における平均血清中性ホルモン結合グロブリン(SHGB)濃度をグラフで示す図である。
図13】実施例6による血清中前立腺特異抗原(PSA)、及びそれぞれの化合物1用量濃度(パートA)を用いた治療開始前における対象の血清中PSA濃度からの変化の表である。
図14】実施例6による血清中PSA、及びそれぞれの化合物1用量濃度(パートB)を用いた治療開始前における対象の血清中PSA濃度からの変化の表である。
図15】A、B、及びCは、実施例6による治療期間(パートA)における未変化化合物1の平均血漿中濃度をグラフで示す図である。
図16】実施例6による治療期間(パートA)における化合物1の血漿中薬物動態(PK)パラメータの表である。
図17】A及びBは、実施例6による治療期間(パートB)における未変化化合物1の平均血漿中トラフ濃度をグラフで示す図である。
図18】A及びBは、実施例7による単回経口用量投与(パート1)後における化合物1の平均血漿中濃度-時間プロファイルをグラフで示す図である。
図19】実施例7による空腹及び摂取状態下の単回経口用量投与(パート1)後における化合物1の平均血漿中濃度-時間プロファイルをグラフで示す図である。
図20】実施例7による単回経口化合物1用量投与(パート1)後における平均血漿中及び尿中薬物動態(PK)パラメータの表である。
図21】A及びBは、実施例7による単回及び複数回経口用量投与(パート2)後における化合物1の平均血漿中濃度-時間プロファイルをグラフで示す図である。
図22】実施例7による経口化合物1投与(パート2)後1日目の後に得られた平均血漿中及び尿中化合物1薬物動態(PK)パラメータの表である。
図23】実施例7による複数回経口化合物1投与(パート2)後14日目の後に得られた平均血漿中及び尿中化合物1薬物動態(PK)パラメータの表である。
図24】実施例7による処置期間(パート1)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図25】実施例7による化合物1の単回用量投与(パート1)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過をグラフで示す図である。
図26】実施例7による処置期間(パート1)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図27】実施例7による処置期間(パート1)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図28】実施例7による処置期間(パート1)の間における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図29】実施例7による処置期間(パート2)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図30】実施例7による化合物1の複数回用量投与(パート2)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過をグラフで示す図である。
図31A】実施例7による処置期間(パート2)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図31B】実施例7による処置期間(パート2)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図32】実施例7による処置期間(パート2)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図33】実施例7による処置期間(パート2)の間における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図34】実施例7による処置期間(パート3)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図35】実施例7による化合物1の複数回用量投与(パート3)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過をグラフで示す図である。
図36】実施例7による処置期間(パート3)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図37】実施例7による処置期間(パート3)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図38】実施例7による処置期間(パート3)の間における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図39】実施例7による処置期間(パート4)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図40】実施例7による化合物1の複数回用量投与(パート4)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過をグラフで示す図である。
図41】実施例7による処置期間(パート4)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図42】実施例7による処置期間(パート4)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)の表である。
図43】実施例7による処置期間(パート4)の間における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度-時間データ(nmol/L)の表である。
図44】A、B、C、及びDは、実施例7による健康な男性の14日間の化合物1による処置(パート2)の後における血清中テストステロン抑制の時間経過をグラフで示す図である。
図45】実施例7による健康な男性の血清中テストステロン抑制と化合物1定常状態曝露(パート2)の間の相関をグラフで示す図である。
図46】A、B、C、及びDは、実施例7による健康な男性の28日間の化合物1による処置(パート3及び4)の後における血清中テストステロン抑制の時間経過をグラフで示す図である。
図47】A及びBは、実施例7による28日間の化合物1による処置(パート3及び4)の後に去勢濃度未満の血清中テストステロンに達した対象のパーセントをグラフで示す図である。
図48】実施例7による健康な男性の血清中テストステロン抑制と化合物1定常状態曝露(パート3及び4)の間の相関をグラフで示す図である。
図49】実施例9に従い、デガレリクスと比較した化合物1の去勢率及び大幅去勢率のデータを示す表である。CI=信頼区間、Q4W=4週間毎に1回、QD=毎日。(a)去勢率は、5週1日目から特定の時点(25週1日目)までの全ての予定来院日において50ng/dL未満の血清中テストステロン濃度を有する患者の推定比率として定義した。(b)正規近似法を使用して両側95%CIを計算したが、任意の治療群における非去勢患者の数が=5である場合については正確なCIを示した。(c)大幅去勢率は、13週1日目から特定の時点(25週1日目)までの全ての予定来院日において20ng/dL未満の血清中テストステロン濃度を有していた患者の推定比率として定義した。
図50】実施例9による血清中テストステロン回復(すなわち、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度または280ng/dL超)までの時間のカプランマイヤー生存曲線をグラフで示す図である。ADT=アンドロゲン遮断療法、QD=毎日、SC=皮下。(a)血清中テストステロン回復までの時間は、化合物1の最終投与後1日目またはデガレリクスの最終投与後4週プラス1日目から血清中テストステロン回復までの時間として定義した。血清中テストステロン回復は、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度へ戻ること、または280ng/dL超へ戻ることのうちのいずれか最初に生じる方として定義した。ADT開始前の最後の血清中テストステロン検査室評価時に回復することなく別のADTを開始した患者については打ち切った。
図51】実施例9による血清中テストステロン回復(すなわち、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度または280ng/dL超)までの時間を示す表である。CI=信頼区間、Max=最大値、Min=最小値、NE=評価不能、Q4W=4週間毎に1回、QD=毎日。は打ち切られた観察例を示している。(a)血清中テストステロン回復までの時間は、化合物1の最終投与後1日目またはデガレリクスの最終投与後4週プラス1日目から血清中テストステロン回復までの時間として定義した。血清中テストステロン回復は、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度へ戻ること、または280ng/dL超へ戻ることのうちいずれか最初に生じる方として定義した。ADT開始前の最後の血清中テストステロン検査室評価時に回復することなく別のADTを開始した患者については打ち切った。(b)イベントの確率(n=リスクのある対象の数)。(c)化合物1の最終投与後1日目から4、8もしくは12週間、または、デガレリクスの最終投与後から4、8もしくは12週間プラス1日目。(d)正規近似法を使用して比率の両側95%CIを計算した。
図52】実施例8によるPSA低下をグラフで示す図である。
図53】実施例9による血清中テストステロン濃度の回復をグラフで示す図である。
図54】実施例11に詳細に記載されている臨床試験を図示する図である。化合物1は毎日(1日目から48週7日目まで)投与する。ロイプロリド酢酸エステルは12週間毎(1日目、13週1日目、25週1日目、及び37週1日目)に投与する。+60日及び+90日のテストステロン回復来院は患者の一部で行う。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書では、前立腺がんを治療するために、経口で活性なGnRHアゴニスト(GnRH受容体アゴニスト)である化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回使用するための方法を開示する。前立腺がんは、ホルモン依存性前立腺がん、進行性前立腺がん、進行性ホルモン感受性前立腺がん、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン依存性、進行性去勢抵抗性、再発性、去勢抵抗性転移性前立腺がん、去勢抵抗性非転移性前立腺がん、ホルモン感受性転移性前立腺がんまたはホルモン感受性非転移性前立腺がんであってもよい。対象に投与後、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤は、性ホルモン、例えば、テストステロン、LH及びFSHなどの産生を速やかに阻害し、臨床フレアまたはホルモンフレアとしても周知の症状の初期悪化を伴わない。
【0039】
酢酸ロイプロリドなどのGnRHアゴニストとは異なり、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、経口製剤中に存在し、デポーまたは徐放性製剤ではなく、一度治療を中断するとホルモン濃度は上昇し、化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与を中断した後に、治療開始前における対象の血清中ホルモン濃度(すなわち、ベースライン濃度)に戻すことができることから、患者及び患者の医師に更なる制御を提供する。それゆえ、デポー注射を使用する治療とは対照的に、本開示の治療方法及び使用は、対象が治療を一定期間中断して、その後有害事象なしに治療を再開することができる中断期
間を可能とする。治療の中断を計画(例えば、予定された外科的処置または侵襲的処置(例えば、膝関節置換術または大腸内視鏡)の前、その間または後)してもよく、または、患者が、例えば、介入疾患または傷害を経験した後に実施してもよい。いずれのシナリオ(計画または無計画)においても、血清中テストステロン濃度を上昇させることは、回復に役立つ、または、対象の身体的健康の維持に役立つ。
【0040】
加えて、GnRHアンタゴニストまたはGnRHアゴニストの投与を受ける一部の患者においては、治療をかなりの期間中断した後であっても、治療前の血清中テストステロン濃度は達成されない。Miranda et al.,The Journal of Urology,May 16,2017,Volume 197,Issue 4,e1221-e1222(GnRHアゴニストによるADTを受ける患者の23%が、ADT中断後24ヶ月において内科的去勢テストステロン濃度を維持したことについて言及している)及びTsumura et al.,World J.Radiol.,Dec.28,2015;7(12):494-500(GnRHアゴニスト療法の中断後5年において、約5分の1の患者が内科的去勢テストステロン濃度を維持したことについて言及している)。化合物1またはその薬学的に許容される塩の利点の1つは、実施例9ならびに図50及び図53に示すように、デガレリクスではわずか5.3%であるのに対し、対象の43%が、治療前血清中テストステロン濃度または280ng/dL以上の血清中テストステロン濃度を12週目までに達成することである。
【0041】
本開示は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤を1日1回投与することを含む、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法及び使用を提供する。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤で1日1回治療される対象は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤の最終投与後に血清中テストステロン濃度の上昇を経験する。それゆえ、本開示は、50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする対象における前立腺がんを治療するために、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を使用するための方法を提供する。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤の1日1回の投与を中断期間の間中断して、中断期間の開始直後に対象の血清中テストステロン濃度の上昇をもたらすことができる。例えば、ほとんどの対象において、中断期間開始の1週間以内に血清中テストステロン濃度が上昇する。対象の血清中テストステロン濃度の上昇は、介入疾患を経験する対象、放射線治療を受ける対象、寝たきり中の対象、傷害を受けた対象、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置を受ける対象、または、性機能回復期を要望する対象(例えば、25回目の結婚記念日)にとって非常に有益となり得る。テストステロンが、組織を再生し、体重及び筋量を増加させ、骨の成長及び石灰化の促進に役立つタンパク同化作用を有することから、より高い血清中テストステロン濃度はこのような対象において有益となり得る。対象の生活の質及びエネルギー水準を向上させるために、傷害、疾患、手術または放射線治療後の治癒に役立たせるために、対象による対象の生活様式管理の維持に役立たせるために、また介入疾患後における体力及び移動能力の回復に役立たせるために、治療を中断することができる。血清中テストステロン濃度が治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度に達する前であっても、内科的去勢濃度と比較して上昇した血清中テストステロンの効果は、例えば、膝関節置換術または股関節手術などの手術(計画または無計画にかかわらず)からの対象の回復において重要となり得る。組織再生及び筋量増加へのテストステロンの寄与は、順調な手術後理学療法のための要因、ならびに可動範囲、移動能力及び体力を回復させるための1つの要因となり得る。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断期間の終了時に再開することができる。あるいは、例えば、中断期間中に前立腺特異抗原(PSA)濃度が許容濃度に維持される場合、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、1日1回の投与の中断後に必ずしも再開する必要はない。
【0042】
化合物1またはその薬学的に許容される塩で最初の治療を行うと、または、中断期間後に化合物1またはその薬学的に許容される塩の投与を再開すると、血清中テストステロン濃度は通常、本開示の経口製剤の1日1回の第1の投与の約4~約8日以内に内科的去勢濃度以下に低下する。このことは、ロイプロリド及びその他のGnRHアゴニストとは対照的である。対象がロイプロリドまたは他のGnRHアゴニストによる治療を中断及び再開した場合、対象の血清中テストステロン濃度の低下を認めるのに最長で1ヶ月間を要する場合がある。更に、PSAの最大低下、すなわちPSA最下点は、GnRHアゴニストの場合と比較して、化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与によってより速やかに認められる。中断期間後における化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与はまた、GnRHアゴニストとは異なり、FSHの速やか(数日以内)かつ完全な抑制をもたらす。前立腺がん標本内における腫瘍血管の内皮細胞上に発現するFSH受容体をFSHが刺激することから、より高いFSH濃度と前立腺がんの増悪の間には相関がある。更に、FSH濃度が低い患者は、去勢抵抗性となるのに大幅により長い時間を要する。
【0043】
本方法及び使用におけるこれらの利点は、例えば、対象が放射線治療を受け得る場合、または、前立腺がん治療とは無関係の症状または処置が存在する場合の両方の治療状況において重要である。例えば、上記のとおり、自動車事故に遭った前立腺がん治療中の対象について考える。自動車事故からの回復に役立たせるのに外科的処置を必要とするかどうかにかかわらず、より高い血清中テストステロン濃度は、例えば、損傷を受けた組織を再生するまたは骨折時に骨の石灰化を促進するなどのように、対象の回復に役立つであろう。注射されてから公称治療期間が完了した後であっても対象の血清中テストステロン濃度が上昇するのに長期間を要するデポー製剤による治療レジメンとは異なり、本方法及び使用は、予想外の事象に応じて経口製剤の1日1回の投与を中断することにより治療の中断を可能とし、有害事象を伴わずに血清中テストステロン濃度の速やかな上昇をもたらす。加えて、今後予定される手術、例えば、股関節置換術または膝関節置換術などを計画し得るような場合、術後における患者の最適な回復を確保するために、またより高い濃度の蛋白同化ホルモン、テストステロンによる潜在的に良好なアウトカムを確保するために、手術の直前または手術時のいずれかにおいて治療を中断してもよい。本明細書で開示する方法及び使用は、対象の前立腺がんが悪化または転移し始めている場合、術後回復期中における化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与の再開を可能としてもよい。手術のための中断期間の後に化合物1またはその薬学的に許容される塩の投与を再開すると、血清中テストステロン濃度は通常、本開示の経口製剤の1日1回の第1の投与の約4~約8日以内に内科的去勢濃度以下に低下する。GnRHアゴニストのデポー製剤投与後に対象の血清中テストステロン濃度の低下を認めるのに最長1ヶ月間を要し得ることから、これらアゴニストによる治療には、化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与による治療ほどの自由度がない場合がある。PSAの最大低下、すなわちPSA最下点はまた、GnRHアゴニストの場合と比較して、中断期間後における化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与によってより速やかに認められ得る。中断期間後における化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与は、GnRHアゴニストとは異なり、FSHの速やか(数日以内)かつ完全な抑制をもたらし得る。
【0044】
本開示の方法、使用及び製剤により可能となる断続的な療法により、ホルモン依存性前立腺がんからアンドロゲン非依存性前立腺がんへの変異を防止することができる。アンドロゲン非依存性は、アンドロゲン遮断に応答して活性化される一部の前立腺がん細胞における内因性ではあるが休眠の特性であり得る。本明細書で開示する断続的な療法、化合物1またはその薬学的に許容される塩を、完全かつ継続的なアンドロゲン遮断が生じないように、あるいは、アンドロゲン非依存性を防止するように、投与してもよい。化合物1またはその薬学的に許容される塩は、一定の低血清中テストステロン濃度を有するのではな
く、テストステロンを上下に変動(多くのピーク及び谷)させ得る。「断続的な治療」、「断続的な療法」または「断続的な投与」とは、断続的な治療または「休薬」のことを指し得る。断続的な治療の一例は、PSAが極めて低い濃度に落ちると本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断し、PSA濃度が上昇し始めると1日1回の投与を再開することである。本願請求項に記載の方法及び使用を使用する断続的な療法の別の形態では、固定期間の療法、例えば、6ヶ月間の治療に続けて6ヶ月間の休薬を採用してもよい。
【0045】
化合物1またはその薬学的に許容される塩は、現在利用可能なGnRHアゴニストと比較してより速やかな作用の発現を有している。また皮下または経鼻のいずれかで投与される利用可能なペプチドGnRHアゴニストとは異なり、化合物1は経口かつ1日1回で投与可能な非ペプチド製剤である。通常はデポー製剤として投与される酢酸ロイプロリドなどのGnRHアゴニストと比較した場合、化合物1またはその薬学的に許容される塩はいくつかの利点を提供する。そのような利点としては、経口投与、4日以内の血清中テストステロン抑制の速やかな発現、血清中FSH抑制の速やかな発現、速やかなPSA低下、臨床フレアがないこと、臨床フレア症状から患者を保護するための抗アンドロゲン療法が必要ないことを挙げることができるがこれらに限定されない。ある期間の間治療を中断する機能により、治療中断直後に血清中テストステロン濃度を上昇させることができ、また中断期間にもよるが、治療中断後に、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度に血清中テストステロンを戻すこともできる。これらのアウトカムのそれぞれは、生活の質、治癒及びエネルギー水準の速やかな改善をもたらすことができる。
【0046】
化合物1またはその薬学的に許容される塩はまた、他のGnRHアンタゴニストに優る利点を提供する。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤の1日1回の経口投与により、中断後において、デガレリクスなどのGnRHアンタゴニストデポー製剤と比較してより速やかに、血清中テストステロン濃度などのホルモン濃度を治療開始前における対象の血清中ホルモン濃度に戻すことができる。治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度に戻すことを含む高い血清中テストステロン濃度の選択肢は、ホルモン抑制によるあらゆる好ましくない作用を排除したい患者にとって望ましい。治療開始前における対象の血清中ホルモン濃度にホルモン濃度をより速やかに戻すことはまた、例えば、上記の理由で、男性のエネルギー水準及び抵抗力の回復において有利である。しかしながら、前立腺がんの症状またはマーカー(例えば、PSA濃度)が治療の再開が望ましいことを示している場合、速やかな作用の発現を伴い、また臨床フレアを伴わずに、化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与を短期間で再開することができる。
【0047】
本明細書では、本明細書に記載の方法のいずれかによる治療のための薬剤を製造するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の使用を提供する。本明細書に記載の方法のいずれかに使用するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤も提供する。
【0048】
本開示の更なる実施形態については、本開示の全てではないが一部の実施形態を説明する以下において記載する。
【0049】
本明細書で開示するそれぞれの実施形態を個別に使用してもよく、または、本明細書で開示する任意の他の実施形態と組み合わせて使用してもよい。
【0050】
本出願において参照する刊行物、特許及び公開特許出願は明示的に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
化合物
本明細書で使用する場合、化合物1、すなわち、N-(4-(1-(2,6-ジフルオ
ロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素は、式、
【0052】
【化1】
【0053】
で表される。
【0054】
化合物1及び化合物1を含む医薬組成物を、米国特許7,300,935、米国特許番号8,058,280、米国特許番号9,346,822、米国特許番号9,758,528、米国特許8,735,401、及びWO2016136849に記載の方法により製造することができる(それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0055】
一部の実施形態では、化合物1は薬学的に許容される塩である。「生理学的に許容される」、「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」化合物及び組成物は、生物学的にまたは他の点で有害ではない物質を含み得る。例えば、物質は、実質的に有害な生物学的作用を何ら引き起こさずに、または、物質が内部に含まれる組成物の構成成分のいずれとも有害な様式で相互作用せずに、個体に投与することができる。ある特定のこのような実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸付加塩である。そのような塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、及び、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩が挙げられるがこれらに限定されない。
【0056】
本開示の全体にわたり、開示する化合物1の量とは、製剤中に存在する化合物1遊離形態の量のことを指す。本明細書で使用する場合、「対応量」という用語は、製剤中における列挙した化合物1遊離形態の量を得るのに必要な化合物1の薬学的に許容される塩の量のことを指す。化合物の遊離形態と塩形態の間における分子量の差を考慮に入れて、化合物の塩の「対応量」、例えば、化合物1の薬学的に許容される塩の対応量などを算出する方法は、当業者には明らかであろう。例えば、80.0mgの化合物遊離塩基は84.7mgのHCl塩に対応するだろう。
【0057】
化合物1は、経口で活性な非ペプチドGnRHアンタゴニストとして特徴付けられている。化合物1は、下垂体前葉の好塩基性細胞(分泌細胞)内に存在するGnRH受容体を介してGnRHと拮抗して、これらの細胞からのLH及びFSHのGnRH刺激分泌を阻
害することが示されている。その結果、この薬物は、テストステロンを含むホルモンの血中濃度を低下させる。化合物1またはその薬学的に許容される塩は、前立腺がんを有する患者において認められる臨床症状を改善する。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の投与はまた、血清中PSA濃度の速やかな低下を引き起こす。化合物1はGnRHアンタゴニストであるため、臨床フレアを引き起こさず、GnRHアゴニストと比較してより速やかな作用の発現を有している。GnRHアゴニストとは異なり、化合物1はペプチド製剤ではない。
【0058】
治療的使用及び治療方法
本明細書では、前立腺がんを治療するために、経口で活性な1日1回投与されるGnRHアンタゴニストである化合物1またはその薬学的に許容される塩を使用するための方法を開示する。
【0059】
本開示は、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法及び使用に採用可能な、少なくとも80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を提供する。「前立腺がん」は、本明細書に記載する前立腺のがんなど、任意の前立腺のがんを含んでいてもよい。ほとんどの前立腺がんは腺癌であるが、稀に、移行細胞(尿路上皮)癌、扁平上皮細胞、小細胞、カルチノイドまたは肉腫を含むこともできる。前立腺がんは、前立腺を越えて転移する場合があり(例えば、進行性前立腺がん)、または、非転移性である場合がある。「非転移性前立腺がん」とは、前立腺の原発部位から転移しておらずホルモン感受性であり得る前立腺がんのことを指し得る。ホルモン療法が、前立腺がん内の血清中テストステロン濃度を低下させるために使用される。ホルモン療法は、前立腺がん内の血清中PSA濃度及び血清中FSH濃度を低下させるためにも使用され得る。「患者」または「対象」とは、哺乳動物または非哺乳動物のことを意味し得る。哺乳動物の例としては、哺乳綱分類、すなわちヒト、非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーなど)、ならびに、その他の類人猿及びサル種、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなど)、飼育動物(例えば、ウサギ、イヌ及びネコなど)、げっ歯類(例えば、ラット、マウス及びモルモットなど)を含む実験動物など、のうちの任意のメンバーが挙げられるがこれらに限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥類、魚類などが挙げられるがこれらに限定されない。本開示の一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。本開示の一部の実施形態では、患者または対象はヒトの男性である。
【0060】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんはホルモン依存性前立腺がんである。「ホルモン依存性前立腺がん」、「ホルモン感受性前立腺がん」、「アンドロゲン依存性前立腺がん」または「アンドロゲン感受性前立腺がん」とは、その発現の初期において増殖するのに比較的高濃度のアンドロゲンを必要とする前立腺がんのことを指し得る。そのような前立腺がんは、アンドロゲン濃度を低下させるまたはアンドロゲン活性を遮断する治療薬がその増殖を効果的に阻害し得ることから、アンドロゲン/ホルモン依存性またはアンドロゲン/ホルモン感受性と呼ばれることもある。
【0061】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは進行性前立腺がんである。前立腺がんは、前立腺及び前立腺周囲の領域を越えて転移している場合、通常、「進行性」であるとみなされる。前立腺がんは、近傍の組織、リンパ節、骨、または身体のその他の部位に転移し得る。前立腺がんが前立腺に直接隣接する組織に転移する場合、「局所進行性前立腺がん」と呼ばれることが多い。前立腺がんが前立腺に直接隣接する組織を越えて転移する場合、通常、「転移性前立腺がん」と呼ばれる。転移性前立腺がんは通常、骨、肺、肝臓、脳、腎盂外側のリンパ節またはその他の器官に転移している場合があり、ホルモン感受性であり得る。以下のタイプの前立腺がんも通常「進行性」であるとみなされる:治療目的の外科的治療または放射線治療後におけるPSA生化学的再発、新たに診断された転移性前立腺がん、即座の放射線治療または外科的治療を必要としない進
行性局所性疾患、または前立腺切除術または放射線の後に増悪する疾患を有する男性。進行性前立腺がんの臨床再発は、症状が伴う場合に起こる。それゆえ、「進行性」前立腺がんは、診断画像検査によるエビデンスを伴ってまたは伴わずに、また臨床症状を伴ってまたは伴わずに、現れてもよい。本開示の治療方法及び使用は、進行性前立腺がんの緩和療法を含む。
【0062】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは進行性ホルモン感受性前立腺がんである。本明細書で使用する場合、「進行性ホルモン依存性前立腺がん」、「進行性ホルモン感受性前立腺がん」、「進行性アンドロゲン依存性前立腺がん」または「進行性アンドロゲン感受性前立腺がん」とは、前立腺及び前立腺周囲の領域を越えて転移している前立腺がんのことを指し得る。アンドロゲン濃度が抑制されると(例えば、去勢濃度未満の50ng/dL未満に血清中テストステロンを低下させるホルモン療法)、前立腺がんの増殖が抑制される、または、癌が更に縮小し得る。
【0063】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは、局所進行性、進行性去勢抵抗性または再発性である。「局所進行性前立腺がん」とは、前立腺を離脱し始めたがん、または、前立腺のすぐ外側または近傍の領域へと転移したがんのことを意味し得る。局所進行性前立腺がんはまた、ステージT3またはT4の前立腺がんとして特徴付けられ得る。局所進行性前立腺がんは、例えば、前立腺カプセル、精嚢、骨盤リンパ節、膀胱及び直腸のうちの1つまたは複数へと転移していてもよい。「進行性去勢抵抗性前立腺がん」または「進行性ホルモン抵抗性前立腺がん」とは、前立腺及び前立腺周囲の領域を越えて転移している去勢抵抗性前立腺がんのことを指し得る。このタイプのがんは、体内のアンドロゲン濃度が極めて低いまたは検出不能であっても増殖及び増悪し続ける。「再発性前立腺がん」とは、最初の治療の後、例えば、手術、放射線治療及び/またはホルモン療法などの後に検出されたまたは再発した前立腺がんのことを意味し得る。再発性前立腺がんは生化学的再発及び/または臨床再発を有し得る。再発性前立腺がんのエビデンスとしてPSA濃度の上昇を単に示し得る患者(生化学的再発)もいれば、X線及びスキャンに再発性前立腺がんのエビデンスを有する患者(臨床再発)もいる。「生化学的再発」とは、最初の治療後における前立腺がんの再発のことを指し得るが、その再発は標準的なイメージング法では評価することはできない。それゆえ、前立腺がんは、診断画像検査によるエビデンスを伴ってまたは伴わずに、また臨床症状を伴ってまたは伴わずに、現れ得る。前立腺がんの再発は、血液検査で測定したPSAの上昇により確認される。生化学的再発の基準としては、放射線治療後の再発における「最下点+2ng/mL」のPSAの上昇、前立腺切除術後の再発の場合の0.2ng/mL超、及び、全てのその他の治療後の再発の場合の2ng/mL超を挙げてもよい。「臨床再発」とは、前立腺がんの最初の治療の後における前立腺がんの増殖または転移に関連する臨床症状の再発のことを意味し得る。
【0064】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは去勢抵抗性前立腺がんである。本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは去勢抵抗性転移性前立腺がんである。本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんは去勢抵抗性非転移性前立腺がんである。「去勢抵抗性前立腺がん」または「ホルモン抵抗性前立腺がん」とは、体内のアンドロゲン濃度が極めて低いまたは検出不能であっても増殖し続ける前立腺がんのことを指し得る。例えば、去勢抵抗性前立腺がんでは、血清中テストステロンを去勢濃度(50ng/dL未満)にするためのホルモン療法を使用した後であっても、PSAは上昇し得る、または、がんはその他の増殖徴候を示し得る。去勢抵抗性前立腺がんでは、ホルモン療法(例えば、血清中テストステロン濃度の抑制)を継続し、血清中テストステロンを低下させるのに使用する薬剤の継続投与に加え、治療プロトコルに別の療法を追加する。去勢抵抗性前立腺がんは、転移性前立腺がん(去勢抵抗性転移性前立腺がん)または非転移性前立腺がん(去勢抵抗性非転移性前立腺がん
)のいずれかであり得る。「転移性去勢抵抗性前立腺がん」または「去勢抵抗性転移性前立腺がん」とは、アンドロゲン濃度が抑制された状況(すなわち、血清中テストステロンを去勢濃度未満の50ng/dL未満に低下させるホルモン療法)において、前立腺を越えて転移して増殖及び増悪し続けている(PSAの上昇を含むがこれらに限定されない)前立腺がんのことを指し得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与により血清中FSH濃度が低下し、その結果、去勢抵抗性前立腺がんを発症する対象の比率が低下し得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与により血清中FSH濃度が低下し、その結果、去勢抵抗性前立腺がんの発症が遅延し得る。本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんはホルモン感受性転移性前立腺がんである。本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんはホルモン感受性非転移性前立腺がんである。
【0065】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、前立腺がんはホルモンナイーブ進行性前立腺がんである。「ホルモンナイーブ進行性前立腺がん」は、2つの病態、すなわち生化学的再発または通常の転移性前立腺がんに細分類することができ、事前にホルモン療法またはアンドロゲン遮断療法(ADT)を行っていないことを特徴とし得る。
【0066】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。本明細書で使用する場合、「経口製剤」は、文脈上特に明確に定めない限り、「経口負荷量製剤」、「経口負荷用量」、「経口負荷量」、「経口維持量製剤」、「経口維持用量」などの用語を包含する。「経口負荷量製剤」、「経口負荷用量」または「経口負荷量」とは、異なる維持量に変更する前における治療期間の開始時に投与可能な初回量の化合物1またはその薬学的に許容される塩のことである。本明細書に記載するとおり、体内における治療有効量の薬物を速やかに達成するために、通常は、より多い初回量の化合物1またはその薬学的に許容される塩、または、連続したこのような用量を投与する。「治療有効量」とは、特定の障害もしくは疾患または1つまたは複数のその症状を治療する、及び/または、疾患または障害の発症を予防するのに十分な化合物の量のことを意味し得る。例えば、前立腺がん治療の治療有効量は、治療が前立腺がんの1つまたは複数の症状の改善をもたらす場合、前立腺がんの増悪を遅延させて寛解をもたらすことなどを含む。「経口維持量製剤」、「経口維持用量」または「経口維持量」とは、負荷用量投与の一定期間後に投与される化合物1またはその薬学的に許容される塩の用量のことであり、通常は、所望の治療効果をなおも維持する、負荷用量と比較してより低用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩のことである。
【0067】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用の経口製剤は、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0068】
本明細書に記載の方法及び使用はまた、少なくとも80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を少なくとも12週間連続で1日1回対象に投与することにより、それを必要とする対象における前立腺がんを治療することを含む。ある特定のこのような実施形態では、経口製剤は、約120mg、約180mg、約240
mgまたは約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。ある特定のこのような実施形態では、経口製剤は、約120mgまたは約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。本明細書に記載の方法及び使用はまた、少なくとも80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を少なくとも4週間連続、少なくとも8週間連続、少なくとも12週間連続、少なくとも16週間連続、少なくとも20週間連続または少なくとも24週間連続で1日1回対象に投与することにより、前立腺がんを治療することを、それを必要とする対象において行うことを含む。
【0069】
いくつかの効果は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を本明細書に記載のとおり治療を必要とする対象に投与することにより1種または複数種の性ホルモンを抑制することで、前立腺がんを治療することに起因し得る。本明細書で使用する場合、「抑制」は、下垂体による黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)(テストステロン及びその他のアンドロゲンまたは性ホルモンを産生するのに精巣が必要とするホルモン)の産生を阻害することにより生じ得る。卵胞刺激ホルモン(FSH)は、前立腺がん標本内における腫瘍血管の内皮細胞上に発現するFSH受容体を刺激する。前立腺がん内のFSHシグナル伝達は、去勢抵抗性前立腺がんの増悪の一因となり得る。血清中テストステロン濃度の抑制は、精巣が、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の治療を行わない状態において通常認められる濃度でテストステロンを産生しないことを意味し得る。抑制の度合いは、血中における血清中テストステロン濃度またはその他の性ホルモン濃度により測定される。性ホルモンとは、男性における性的発達及び生殖機能の制御に影響を及ぼす任意の腺分泌物のことを指し得る。そのような性ホルモンとしては、例えば、テストステロン、ジヒドロテストステロン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、LH、GnRH、アンドロステロン及びインヒビンが挙げられる。本開示によれば、テストステロン、FSH及びLHを含む1種または複数種の性ホルモンは、前立腺がんを有する対象に対する化合物1またはその薬学的に許容される塩の1日1回の投与により抑制され得る。特に、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、1日1回の投与の開始後14日目~28日目に達成及び維持され得る。同様に、化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の180mgの経口製剤の1日目における1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が24~48時間以内に達成され得る。更に、360mgの単回経口負荷量製剤の1日1回の投与及び120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の、48週間連続の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され、48週目の終了まで維持される。更に、240mgの単回経口負荷量製剤の1日1回の投与及び120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の48週間連続の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され、48週目の終了まで維持される。本明細書で使用する場合、「内科的去勢」とは通常、約50ng/dL以下の血清中テストステロン濃度を指し、また「大幅去勢」とは通常、約20ng/dL以下の血清中テストステロン濃度を指す。
【0070】
本開示に従い、前立腺がんを有する対象における、テストステロン、LH及びFSHを含む1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法及び使用を提供する。加えて、本開示に従い、血清中PSA濃度を抑制するための方法及び使用を提供する。一部の実施形態では、方法及び使用は、少なくとも1種の経口負荷量製剤(経口負荷量製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む)を含む経口剤形を少なくとも1日間1日1回対象に投与すること、及び、経口維持量製剤(経口維持量製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む)を少なくとも4週間連続、少なくとも8週間連続、少なくとも12週
間連続、少なくとも16週間連続、少なくとも20週間連続または少なくとも24週間連続で1日1回対象に投与すること、を含む。一部の実施形態では、方法及び使用は、経口維持量製剤中における少なくとも80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を少なくとも24週間連続で1日1回対象に投与することを含む。
【0071】
本開示の方法及び使用において、対象における血清中テストステロンは、50ng/dL(1.73nmol/L)以下または20ng/dL(0.69nmol/L)以下の濃度に抑制され得る。一部の実施形態では、化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の180mgの経口製剤の1日目における1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が投与開始後24~48時間以内に達成され得る。一部の実施形態では、360mgの単回経口負荷量製剤及び120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の、48週間連続の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され得、48週目の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、240mgの単回経口負荷量製剤及び120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の、48週間連続の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され得、48週目の終了まで維持され得る。
【0072】
本開示の治療方法及び使用は、速やかな発現及び速やかな相殺を対象に提供し得る。相殺という点において、酢酸ロイプロリドなどのGnRHアゴニストとは異なり、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、デポー製剤でも徐放性製剤でもなく、1日1回の投与の中断後、ホルモン濃度、特に血清中テストステロン濃度は上昇し、治療開始前における対象の血清中ホルモン濃度により速やかに戻り得、患者及び患者の医師に更なる制御及び治療選択肢を提供する。例えば、血清中テストステロン濃度の上昇を含むホルモン濃度のより速やかな上昇(一部の例においては、治療開始前における対象の血清中ホルモン濃度(治療前濃度)への上昇)は、介入疾患(その他の症状及び処置を含む)の管理、ならびに男性における性機能及びエネルギー水準の回復において有利であり得る。本明細書に記載の方法及び使用は、新補助療法/補助療法または断続的なADTに使用した場合、短期内科的去勢からのより速やかな回復を可能とし得る。上記のとおり、この自由度は、例えば、対象が放射線治療を受け得る場合、または、前立腺がん治療とは無関係の症状または処置が存在する場合の両方の治療状況において重要である。例えば、上記のとおり、自動車事故に遭った前立腺がん治療中の対象について考える。自動車事故からの回復に役立たせるのに外科的処置を必要とするかどうかにかかわらず、組織を再生し、重量及び筋量の増加に役立つタンパク同化作用をテストステロンが有することから、より高い血清中テストステロン濃度は対象の回復に役立つであろう。デポー製剤による治療レジメンとは異なり、本方法及び使用は、有害事象を伴わずに、予想外な事象(例えば、疾患、傷害など)に応じた治療の中断を可能とする。加えて、今後予定される手術、例えば、股関節置換術または膝関節置換術などを計画し得るような場合、術後における患者の最適な回復を確保するために、またより高い血清中テストステロン濃度による潜在的に良好なアウトカムを確保するために、手術の直前または手術時のいずれかにおいて治療を中断してもよい。
【0073】
本開示による治療を受ける対象は、対象の生活様式及び生活の質の管理を維持でき得る。デポー注射を使用する従来の治療とは対照的に、本開示の製剤による治療は、対象が治療を一定期間中断した後に有害事象を伴うことなく(臨床フレアの発症を含まずに)治療を再開することができる中断期間または断続的な治療を可能とする。「臨床」または「ホルモンフレア」とは、前立腺がんを治療するために使用した特定種のホルモン療法(例えば、アンドロゲン遮断療法)により生じた体内における完全な血清中テストステロン抑制濃度からの、血清中テストステロン濃度の一時的な上昇のことを意味し得る。臨床フレア
は重篤な性質であり得、例えば、骨痛及び泌尿器障害の増悪を引き起こす。本開示の治療方法及び使用は、所望の速やかな開始/停止の選択肢を対象に提供し得る。本開示の治療方法及び使用は、治療期間中における対象による一定回数の性行為の維持を可能とする。血清中テストステロン濃度の上昇はエネルギー水準の向上を促進させることもでき、エネルギー水準の向上は対象の(及び対象の家族の)生活の質に良い影響を有し得る。例えば、重要なライフイベント(例えば、娘の結婚式に参加し、彼女と通路を歩き、新婦の母と踊る、または、大切な結婚記念日を祝う)において、本方法及び使用は、エネルギー水準の向上または性機能の改善を可能とする中断期間を組み込むことにより、中断期間後の治療再開に関わる臨床フレアに関連する前立腺がんの制御に対する潜在的な有害影響を伴わずに、このようなイベントを大いに楽しむことを可能とする。
【0074】
本開示は、50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする対象における前立腺がんを治療するために、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を使用するための方法を提供する。本開示はまた、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤を1日1回投与することを含む、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法及び使用を提供する。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む製剤の1日1回の投与を中断期間の間中断して、対象の血清中テストステロン濃度の上昇をもたらすことができる。ある特定の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断期間の終了時に再開する。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断後に再開しない。
【0075】
本開示は、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間の間中断した後に対象が血清中テストステロン濃度の上昇を経験し得ることを、更に提供する。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の1日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の2日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の3日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の4日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の5日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の6日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の7日以内に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は中断期間の開始の10日以内に上昇し得る。
【0076】
中断期間の間、対象の血清中テストステロン濃度は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。相殺という点において、1日1回の投与を中断期間の間中断した後、血清中テストステロン濃度は、中断期間前に投与された最終投与後の4週間以内、8週間以内、12週間以内、16週間以内または24週間以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、血清中テストステロン濃度は、最終投与後の4週間~12週間以内に本開示の経口製剤の1日1回の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の1日以内に化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製
剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の2日以内に経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の3日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の4日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の5日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の6日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の7日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の8日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の9日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の10日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の15日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の20日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の30日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の35日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の40日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の45日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の50日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の55日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の60日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の65日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回
の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の70日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の75日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の80日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の85日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の90日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の95日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、血清中テストステロン濃度は、投与の中断の100日以内に本開示の経口製剤の投与の前における対象の血清中テストステロン濃度に上昇し得る。
【0077】
本開示は、対象の血清中テストステロン濃度の内科的去勢濃度超への上昇を提供する。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の1日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の2日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の3日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の4日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の5日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の6日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の7日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の10日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の15日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の20日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の25日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の30日以内に内科的去勢濃度超に上昇し得る。
【0078】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の1日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示
の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の2日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の3日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の4日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の5日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の6日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の7日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の10日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の15日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の20日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の25日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の30日以内に約55ng/dL超に上昇し得る。
【0079】
19~39歳のヨーロッパ人男性及びアメリカ人男性の正常な血清中テストステロン濃度は様々であり、約250ng/dL~約920ng/dLであると報告されている(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism,Volume 102,Issue 4,1 April 2017,Pages 1161-1173を参照のこと)。本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断は、対象の血清中テストステロン濃度の約250ng/dL~約920ng/dLの範囲、すなわち「正常な」血清中テストステロン濃度への上昇を可能とし得る。The Endocrine Societyは、「正常な」血清中テストステロン濃度の下限値として約300ng/dLを推奨している。他の医学系学会は、「正常な」血清中テストステロン濃度の下限値として150ng/dL、200ng/dLまたは230ng/dLを推奨している。本開示の方法及び使用は、「正常な」血清中テストステロン濃度への回復を可能とし得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の1日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の2日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の3日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の4日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の5日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の6日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の7日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の10日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の15日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の20日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の25日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の30日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の35日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の40日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の45日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の50日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の55日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の60日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の65日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の70日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の75日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の80日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の85日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の90日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の95日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の100日以内に約60ng/dL以上、約65ng/dL以上、約70ng/dL以上、約75ng/dL以上、約80ng/dL以上、約85ng/dL以上、約90ng/dL以上、約95ng/dL以上、約100ng/dL以上、約150ng/dL以上、約200ng/dL以上、約250ng/dL以上、約280ng/dL以上、約300ng/dL以上、約350ng/dL以上、約400ng/dL以上、約450ng/dL以上、約500ng/dL以上、約550ng/dL以上、または、約600ng/dL以上に上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の後約350ng/dL以上に上昇し得る。
【0080】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の1日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~
約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の2日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の3日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の4日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の5日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の6日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の7日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の10日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の15日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の20日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の25日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の30日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の35日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の40日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の45日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の50日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の50日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の60日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の65日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の70日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の75日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の80日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の85日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の90日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の95日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の100日以内に約50ng/dL~約100ng/dL、約100ng/dL~約150ng/dL、約150ng/dL~約200ng/dL、約200ng/dL~約250ng/dL、約250ng/dL~約300ng/dL、約300ng/dL~約350ng/dL、約350ng/dL~約400ng/dL、約400ng/dL~約450ng/dL、約450ng/dL~約500ng/dL、約500ng/dL~約550ng/dL、約550ng/dL~約600ng/dL、または、約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断期間に中断した後、対象の血清中テストステロン濃度は、中断期間の開始の後約300ng/dL~約600ng/dLに上昇し得る。
【0081】
一部の実施形態では、対象の血清中テストステロン濃度は、投与の中断の前及び後に抑制され得る(例えば、血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度未満、大幅内科的去勢濃度、対象の治療前濃度と比較して著しく低い(例えば、治療前濃度の50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満または1%未満))。
【0082】
発現という点において、本開示はまた、中断期間後に、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の投与を再開して、内科的去勢濃度の血清中テストステロンへの回復を達成することを提供する。上記のとおり、化合物1またはその薬学的に許容される塩による1日1回の投与を再開することは、GnRHアゴニストに伴う不都合な臨床フレアを含まないため、GnRHアゴニストで治療する場合の中断期間後に治療を再開することによる症状の悪化または以前の治療による回復の低下にはつながらないであろう。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の約4~約8日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の4日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の5日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の6日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の7日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の8日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の3日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。
【0083】
一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後24時間~48時間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科
的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。
【0084】
一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後24時間~48時間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。
【0085】
一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後24時間~48時間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。
【0086】
一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以
上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続
する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0087】
一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mg
の化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0088】
一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、20ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの大幅去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度
が、投与開始後1週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0089】
一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、中断期間後における第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満、9週間未満、10週間未満、11週間未満、12週間未満、13週間未満、14週間未満、15週間未満、16週間未満、17週間未満、18週間未満、19週間未満、20週間未満、21週間未満、22週間未満、23週間未満、24週間未満または25週間未満であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、中断期間後における第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は、約5週間~約10週間、約5週間~約15週間、約5週間~約20週間、約5週間~約25週間、約10週間~約15週間、約10週間~約20週間、約10週間~約25週間、または、約15週間~約20週間であり得る。一部の実施形態では、中断期間後における本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開後、中断期間後における第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は、約10週間~約20週間であり得る。一部の実施形態では、中断期間後4週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開した後、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約5%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上または約90%以上低下する。一部の実施形態では、中断期間後4週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開した後、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約50%以上低下する。
【0090】
一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満、9週間未満、10週間未満、11週間未満、12週間未満、13週間未満、14週間未満、15週間未満、16週間未満、17週間未満、18週間未満、19週間未満、20週間未満、21週間未満、22週間未満、23週間未満、24週間未満または25週間未満となり得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて
、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は、約5週間~約10週間、約5週間~約15週間、約5週間~約20週間、約5週間~約25週間、約10週間~約15週間、約10週間~約20週間、約10週間~約25週間、または、約15週間~約20週間となり得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始され、一定の治療期間継続する本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与に続いて、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は約10週間~約20週間となり得る。一部の実施形態では、中断期間後における1~3日間の本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与を開始した4週間後に、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約5%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上または約90%以上低下する。一部の実施形態では、中断期間後における1~3日間の本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与を開始した4週間後に、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約50%以上低下する。
【0091】
一部の実施形態では、中断期間後1週間、4週間、12週間、24週間または48週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開した後、血清中FSH濃度は、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。ある特定のこのような実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与は、血清中FSH濃度の持続的な抑制をもたらし得る。成人男性の正常なFSH濃度は通常、1.5~12.4mIU/mLであるが、前立腺がんを有する対象では高くなる。一部の実施形態では、中断期間後1週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開した後、血清中FSH濃度は、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後1週間、4週間、12週間、24週間または48週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開すると、血清中FSH濃度は、治療開始前における対象の血清中FSH濃度の約80%以上または約90%以上抑制され得る。
【0092】
一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始の1週間、4週間、12週間、24週間または48週間後、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。ある特定のこのような実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与は、血清中FSH濃度の持続的な抑制をもたらし得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始の1週間後、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。一部の実施形態では、中断期間後の治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始の1週間、4週間、12週間、24週間または48週間後、治療開始前における対象の血清中FSH濃度の約80%以上または約90%以上抑制され得る。
【0093】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の最終投与後に、血清中テス
トステロン濃度が50ng/dL超の濃度に回復し、1日1回の投与が中断期間後に再開されると本開示の経口製剤が速やかに開始されるという理由から、必要に応じて投与を、ある中断期間の間中断して、血清中テストステロン濃度を上昇させることができる。ある特定の実施形態では、対象は、50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする。血清中テストステロン濃度の上昇は、介入疾患、放射線治療を受ける、寝たきり中、傷害を受ける、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置を受ける、または、性機能回復期への要望により必要とされ得る。「介入疾患」とは、主要な疾患プロセスとは関係のない別の疾患(例えば、その疾患は前立腺がんまたは前立腺がんの症状ではないが、例えば、肺炎などであり得る)の経過中に発症する疾患のことを指し得る。一部の実施形態では、介入疾患は、急性疾患、すなわち急な発症を伴う疾患である。介入疾患は、身体機能の低下もしくは筋肉消耗、長期間の寝たきり、長期の炎症、感染症、または長期の理学療法をもたらし得る。「傷害」は身体の構造または機能を損なわせる場合があり、身体機能の低下もしくは筋肉消耗、長期間の寝たきり、長期の炎症、感染症、長期の理学療法、または、外科的処置もしくは侵襲的処置による回復をもたらし得る。傷害としては、創傷、骨折及び火傷が挙げられるがこれらに限定されない。「外科的処置」または「その他の侵襲的処置」とは、皮膚を介して、または、体腔もしくは解剖学的開口部を介して、身体に入り込むことによって実施される処置のことを指し得、手術室内、外科処置室内または処置室内で実施される処置を含む。「外科的処置」としては、心臓手術、膝関節置換術、股関節置換術、腹部手術、骨盤手術、血管手術、脊椎手術、または、傷害による救急処置を挙げることができるがこれらに限定されない。「侵襲的処置」としては、大腸内視鏡、血管形成術、ステント留置、血管内コイル留置、血管内動脈瘤修復術、内視鏡検査、腹腔鏡検査、関節鏡検査、冠状動脈カテーテル挿入または別のカテーテルベースの処置を挙げられ得るがこれらに限定されない。上記のとおり、組織を再生し、重量及び筋量を増加させ、骨の成長及び石灰化の促進に役立つタンパク同化作用をテストステロンが有することから、高い血清中テストステロン濃度はこのような対象において有益となり得、その結果、上記の外科的処置、介入疾患、傷害などの有害な影響を抑えることに役立ち得る。「性機能回復」または「性機能の回復」とは、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の中断後に上昇する性ホルモン濃度として認められる性機能の改善のことを指し得る。例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を中断することにより、血清中テストステロン濃度が50ng/dL超の内科的去勢濃度に正常化する場合、性機能が改善される。血清中テストステロン濃度が50ng/dL超に上昇して正常な(治療前の)濃度に回復すると、性機能及び性的衝動が改善し続ける。性機能の改善としては、性的衝動、勃起不全、性的興奮、オルガスム、夜間勃起、性欲、陰茎形態、射精、生活の質、全般的な自尊心及び全般的な関係の改善を挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0094】
対象の生活の質及びエネルギー水準を向上させるために、傷害、介入疾患、手術または放射線治療後の治癒に役立たせるために、性機能の改善を含む対象による対象の生活様式管理の維持に役立たせるために、また介入疾患または傷害の後における体力力及び移動能力の回復に役立たせるために、1日1回の投与を中断してもよい。投与を一旦中断すると、必要に応じて再開してもしなくてもよい。一部の実施形態では、1日1回の投与は、対象が介入疾患から回復した後、もはや寝たきりではなくなった後、日常生活の正常活動を回復した後、または、正常レベルの機能を回復(例えば、疾患前に対象が経験していた機能レベルに回復)した後に再開される。
【0095】
本開示は、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の前における本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断を提供する。一部の実施形態では、外科的処置またはその他の侵襲的処置の前に1日1回の投与を中断してもよい。一部の実施形態では、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置、傷害、または放射線治療の後に、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。ある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1
日1回の投与は、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の前及びその間に行われ、1日1回の投与を、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の後に中断してもよい。一部の実施形態では、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置、傷害、または放射線治療の間に、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。ある特定の実施形態では、少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約16週間、約20週間、約24週間、約36週間、約48週間または約52週間の予定完全回復期間を伴う外科的処置またはその他の侵襲的処置により、対象が血清中テストステロン濃度の上昇を必要とすることから、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。ある特定のこのような実施形態では、回復期間は約2週間である。一部の実施形態では、外科的処置またはその他の侵襲的処置の前、後またはその間における投与の中断後に、本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開しない。ある特定のこのような実施形態では、外科的処置またはその他の侵襲的処置の後の投与の中断後に、1日1回の投与を再開しない。一部の実施形態では、外科的処置は、心臓手術、膝関節置換術、股関節置換術、腹部手術、骨盤手術、血管手術、脊椎手術、または、傷害による救急処置である。本明細書に記載の方法及び使用のある特定の実施形態では、前立腺がん治療を受けている対象は急性術後虚弱のリスクがあると認められる。
【0096】
本開示は、放射線治療の前における本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断を提供する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を放射線治療後に中断してもよい。放射線治療後における本開示の経口製剤の1日1回の投与の中断は、前立腺がんの徹底的な治療を可能とする放射線治療中に化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤による治療的治療をなおも可能とする放射線治療による回復に役立ち得る。ある特定の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を放射線治療の前及びその間に行い、放射線治療の後に投与を中断してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の1日1回の投与を放射線治療中に中断してもよい。ある特定の実施形態では、少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約16週間、約20週間、約24週間、約36週間、約48週間または約52週間の放射線治療により、対象が血清中テストステロン濃度の上昇を必要とすることから、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。一部の実施形態では、放射線治療の前、後またはその間における投与の中断後に、本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開しない。ある特定のこのような実施形態では、放射線治療後における投与の中断後に1日1回の投与を再開しない。一部の実施形態では、放射線治療後に「最下点+2ng/mL」のPSAの上昇がある場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、対象のPSA濃度が3ng/mL以上、10ng/mL以上、20ng/mL以上または30ng/mL以上に上昇する場合、放射線治療後に1日1回の投与を再開してもよい。
【0097】
一部の実施形態では、介入疾患の間または対象が寝たきり中に、1日1回の投与を中断してもよい。一部の実施形態では、介入疾患後に1日1回の投与を中断してもよい。ある特定の実施形態では、少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約16週間、約20週間、約24週間、約36週間、約48週間または約52週間の予定完全回復期間を伴う介入疾患により、対象が血清中テストステロン濃度の上昇を必要とすることから、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。ある特定のこのような実施形態では、回復期間は約2週間である。一部の実施形態では、介入疾患の後またはその間における投与の中断後に、本開示の経口製剤の1日1回の投与を再開しない。ある特定のこのような実施形態では、介入疾患後における投与の中断後に1日1回の投与を再開しない。一部の実施形態では、介入疾患の間に本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよく、その疾患は脳卒中または脳出血である。ある特定の実施形態では、介入疾患の間に1日1回
の投与を中断してもよく、その疾患は心筋梗塞またはうっ血性心不全である。一部の実施形態では、1日1回の投与は、長期の回復を必要とする事故または傷害の後に中断される。一部の実施形態では、1日1回の投与は、運動が制限され長期の回復が必要になる脳卒中、脳出血、心筋梗塞、うっ血性心不全、股関節骨折またはその他の事象の後に中断される。
【0098】
ある特定の実施形態では、少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約12週間、約16週間、約20週間、約24週間、約36週間、約48週間または約52週間の予定完全回復期間を伴う傷害により、対象が血清中テストステロン濃度の上昇を必要とすることから、本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよい。ある特定のこのような実施形態では、回復期間は約2週間である。一部の実施形態では、傷害のために本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよく、その傷害は骨折である。ある特定の実施形態では、傷害のために1日1回の投与を中断してもよく、その傷害は股関節骨折である。一部の実施形態では、傷害のために本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断してもよく、その傷害は膝の傷害である。
【0099】
本開示の製剤は、医療的に必要となる際に血清中テストステロンの上昇を可能とし得る。化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を中断することは、介入/急性疾患の異化作用、及び前立腺がんを有する男性の寝たきりを低下させ得、その結果、血清中テストステロン濃度を上昇させて、介入/急性疾患後における体力及び移動能力の回復に役立たせることが可能となる。デポーGnRHアゴニスト/アンタゴニスト製剤ではこの効果を達成することはできない。この断続的なアンドロゲン遮断療法は、前立腺がんを有する患者に同等の効果を提供しつつ、継続的なアンドロゲン遮断療法に伴う有害事象を最小限とすることができる。
【0100】
中断期間の持続期間は、本開示の経口製剤の1日1回の投与の一時的な中断による治療上の有害事象が最小限となるようにすべきである。一部の実施形態では、中断期間は4週間以下~12週間以上である。対象のPSA濃度が低い、例えば、4ng/mL未満または0.2ng/mL未満などを維持する限り、より長い中断期間も可能であり得る。一部の実施形態では、中断期間中に「最下点+2ng/mL」のPSAの上昇がある場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、中断期間中における対象のPSA濃度が3ng/mL以上、10ng/mL以上、20ng/mL以上または30ng/mL以上に上昇する場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長60週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長52週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長48週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長36週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長24週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長20週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長16週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長12週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長4週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長8週間であってもよい。
【0101】
以下、症状の重篤さ、対象の年齢、体重及び感受性のうちの1つまたは複数に応じて、中断期間の持続期間を変更してもよい。一部の実施形態では、PSA濃度が4ng/mL未満または0.2ng/mL未満である限り、対象の治療を中断してもよい。一部の実施形態では、中断期間は、対象の前立腺特異抗原(PSA)濃度が治療中における対象の最下点PSA濃度の20%以上である場合に中断される。一部の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が治療前における対象のPSA濃度の50%以上である場合に中断される。ある特定の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が中断期間の開始時における対象のPSA濃度よりも高い場合に中断される。一部の実施形態では、中断期間は、
対象が前立腺がんの症状の再発を経験する場合に中断される。ある特定の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が3ng/mL以上である場合に中断される。その他の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が10ng/mL以上である場合に中断される。一部の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が20ng/mL以上である場合に中断される。その他の実施形態では、中断期間は、対象のPSA濃度が30ng/mL以上である場合に中断される。
【0102】
一部の実施形態では、治療期間中の中断期間を対象が取得可能となる場合についての時期は、中断期間による治療上の有害事象が最小限となるようにすべきである。一部の実施形態では、中断期間を取得可能となる前に、対象は、少なくとも4週間連続、少なくとも8週間連続、少なくとも12週間連続、少なくとも16週間連続、少なくとも20週間連続、少なくとも24週間連続、少なくとも36週間連続、少なくとも48週間連続、少なくとも52週間連続、少なくとも72週間連続または少なくとも96週間連続の治療を完了していなければならない。一部の実施形態では、中断期間を取得可能となる前に、対象は少なくとも24週間連続の治療を完了していなければならない。一部の実施形態では、中断期間を取得可能となる前に、対象は少なくとも48週間連続の治療を完了していなければならない。持続期間と同様に、以下、症状の重篤さ、対象の年齢、体重及び感受性のうちの1つまたは複数に応じて、治療期間中に中断期間を取得するための時期を変更してもよい。
【0103】
発現という点で、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の約4~約8日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の4日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の5日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の6日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の7日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の8日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤または本開示の経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の1日1回の第1の投与の3日以内において、対象における血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下であり得る。
【0104】
更に発現という点において、一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)を継続することにより、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に
内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0105】
更に発現という点において、本明細書に記載するとおり、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が投与開始後24~48時間以内に達成され得る。一部の実施形態では、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり
得る。
【0106】
更に発現という点において、本明細書に記載するとおり、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が投与開始後24~48時間以内に達成され得る。一部の実施形態では、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。
【0107】
更に発現という点において、本明細書に記載するとおり、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が投与開始後24~48時間以内に達成され得る。一部の実施形態では、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後3日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後4日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後5日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後6日以内において内科的去勢濃度以下であり得る。一部の実施形態では、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与後、対象における血清中テストステロン濃度は、投与開始後1週間以内において内科的去勢濃度以下であり得る。
【0108】
更に発現という点において、一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)を継続することにより、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一
部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0109】
更に発現という点において、一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、
360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)を継続することにより、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に内科的去勢濃度
以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に内科的去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0110】
更に発現という点において、一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)を継続することにより、20ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの大幅去勢濃度が、投与開始後24~48時間以内に達成され得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後5日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後6日以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後1週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開
始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後2週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後3週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、対象における血清中テストステロン濃度が、投与開始後4週間以内に大幅去勢濃度以下となり得、投与の終了まで維持され得る。
【0111】
本明細書に記載の方法及び使用の一部の実施形態では、対象におけるPSAは4ng/mL以下または2ng/mL以下の濃度に抑制され得る。
【0112】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の治療期間(例えば、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続)の間において、第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満、9週間未満、10週間未満、11週間未満、12週間未満、13週間未満、14週間未満、15週間未満、16週間未満、17週間未満、18週間未満、19週間未満、20週間未満、21週間未満、22週間未満、23週間未満、24週間未満または25週間未満であり得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の治療期間の間において、第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は、約5週間~約10週間、約5週間~約15週間、約5週間~約20週間、約5週間~約25週間、約10週間~約15週間、約10週間~約20週間、約10週間~約25週間、または、約15週間~約20週間であり得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の治療期間の間において、第1の経口製剤の投与からPSA最下点までの時間の中央値は約10週間~約20週間であり得る。一部の実施形態では、4週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与の後、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約5%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上または約90%以上低下する。一部の実施形態では、4週間の本開示の経口製剤の1日1回の投与後、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約50%以上低下する。
【0113】
一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満、9週間未満、10週間未満、11週間未満、12週間未満、13週間未満、14週間未満、15週間未満、16週間未満、17週間未満、18週間未満、19週間未満、20週間未満、21週間未満、22週間未満、23週間未満、24週間未満または25週間
未満となり得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は、約5週間~約10週間、約5週間~約15週間、約5週間~約20週間、約5週間~約25週間、約10週間~約15週間、約10週間~約20週間、約10週間~約25週間、または、約15週間~約20週間となり得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後に、一定の治療期間を継続することにより、治療開始からPSA最下点までの時間の中央値は約10週間~約20週間となり得る。一部の実施形態では、1~3日間の本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与を開始した4週間後に、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約5%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上または約90%以上低下する。一部の実施形態では、1~3日間の本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与を開始した4週間後に、血清中PSA濃度は、治療開始前における対象の血清中PSA濃度の約50%以上低下する。
【0114】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1週間、4週間、12週間、24週間または48週間の1日1回の投与後、血清中FSH濃度は、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。ある特定のこのような実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与は、血清中FSH濃度の持続的な抑制をもたらし得る。成人男性の正常なFSH濃度は通常、1.5~12.4mIU/mLであるが、前立腺がんを有する対象では高くなる。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1週間の1日1回の投与後、血清中FSH濃度は、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1週間、4週間、12週間、24週間または48週間の1日1回の投与は、血清中FSH濃度を、治療開始前における対象の血清中FSH濃度の約80%以上または約90%以上抑制し得る。
【0115】
一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始後1週間、4週間、12週間、24週間または48週間で、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。ある特定のこのような実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与は、血清中FSH濃度の持続的な抑制をもたらし得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始後1週間で、約7.2mIU/mL以下、約4.8mIU/mL以下、約2.4mIU/mL以下または約1.2mIU/mL以下であり得る。一部の実施形態では、治療開始時の1~3日間における、本開示の経口負荷量製剤の1日1回の投与、及び、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、本開示の経口維持量製剤の1日1回の投与の後、血清中FSH濃度は、治療開始後1週間、4週間、12週間、24週間または48週間で、治療開始前における対象の血清中FSH濃度の約80%以上または約90%以上抑制され得る。
【0116】
本開示はまた、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を提供する。
【0117】
本開示は、前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を提供し、その方法は、経口製剤を対象に1日1回投与すること、血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために経口製剤の投与を中断期間の間中断すること、及び、中断期間の終了時に経口製剤の対象への1日1回の投与を再開すること、を含む。
【0118】
本開示はまた、前立腺がんの治療のための薬剤を製造するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。ある特定のこのような実施形態では、前立腺がんは、ホルモン依存性前立腺がん、進行性前立腺がん、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性、再発性、去勢抵抗性転移性前立腺がん、去勢抵抗性非転移性前立腺がん、ホルモン感受性転移性前立腺がんまたはホルモン感受性非転移性前立腺がんである。一部の実施形態では、薬剤は、80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0119】
本明細書に記載の方法及び使用は、GnRHアゴニスト(例えば、リュープロン)と比較して高血糖症及び糖尿病のリスクを増加させることなく、前立腺がん内におけるアンドロゲン遮断を提供し得る。その他のGnRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス)とは異なり、本開示の経口製剤は、注射を必要とせずにアンドロゲン遮断を提供する。
【0120】
本明細書に記載の方法及び使用は、去勢抵抗性疾患の増悪を遅延させ得る。特に、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、優れたFSH抑制及びPSA無増悪生存期間の点からGnRHアゴニストと比較した場合に、優れた疾患制御を提供し得る。
【0121】
本明細書に記載の方法及び使用を使用して、抗アンドロゲン剤離脱症候群を達成してもよい。「抗アンドロゲン剤」とは、アンドロゲンの濃度または活性を低下させる任意の薬剤または薬物のことを意味し得る。抗アンドロゲン剤には、男性ホルモンの産生、活性または作用を阻害する傾向、または、テストステロンまたはジヒドロテストステロンのようなアンドロゲンが体内におけるそれらの生物学的作用を媒介するのを妨げる傾向がある。抗アンドロゲン剤離脱症候群は、前立腺がんにおいて確立された現象である。患者の一部がホルモン療法による抗アンドロゲン剤またはステロイドホルモンの離脱の恩恵を受け、PSA値の低下及び臨床的改善を示していることが、広く一般に認められている。
【0122】
本明細書に記載の方法及び使用を採用して心臓に対する効果を提供し得る。心臓に対する効果は、アゴニストと比較してより優れたFSH抑制と関連し得る。本明細書に記載の方法及び使用を採用して、アゴニストと比較してより低い等級の心血管副作用のあるADTを提供し得る。同様に、本開示の製剤は、性転換/性別移行プロトコルに有用であり得る。更に、本開示の製剤は、化学療法中における生殖能力の維持に有用であり得る。
【0123】
投与(Dosing)及び投与(Administration)
デポー製剤を含むGnRHアゴニスト及びアンタゴニストは通常、皮下、筋肉内または経鼻のいずれかで投与されるが、化合物1またはその薬学的に許容される塩は経口かつ1日1回の投与が可能であり、用量投与がより容易かつより簡便となる。
【0124】
前立腺がんを治療するために、化合物1またはその薬学的に許容される塩を1日1回経
口投与してもよく、また薬学的に許容される担体または添加剤と配合してもよい。一部の実施形態では、剤形は、経口投与用の固形製剤、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤または散剤などである。
【0125】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤は即時放出特性を有している。しかしながら、経口製剤は、例えば、持続放出、制御放出、遅延放出及び徐放を含むその他の放出特性を有していてもよい。
【0126】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法及び使用における、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の期間は、少なくとも4週間以上連続、少なくとも8週間以上連続、少なくとも12週間以上連続、少なくとも16週間以上連続、少なくとも20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は4週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は8週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は12週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は16週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は20週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は24週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は36週間以上連続である。一部の実施形態では、毎日の投与の期間は48週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は52週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は72週間以上連続である。一部の実施形態では、1日1回の投与の期間は96週間以上連続である。
【0127】
本明細書に記載の方法及び使用は長期投与を含む。例えば、対象における前立腺がんを治療し、対象におけるPSA及び/またはテストステロン、LH及びFSHを含む1種または複数種の性ホルモンを抑制するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を使用した治療期間は、例えば、48週間以上の連日期間の1日1回の投与、52週間以上連続の連日期間の1日1回の投与、72週間以上連続の連日期間の1日1回の投与、76週間以上の連日期間の1日1回の投与、96週間以上の連日期間の1日1回の投与、104週間以上の連日期間の1日1回の投与、または、128週間以上の連日期間の1日1回の投与などの長期間であってもよい。ある特定のこのような実施形態では、治療期間は、48週間以上の連日期間の1日1回の投与である。
【0128】
本明細書に記載の方法及び使用は、前立腺がんを治療するために、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤をそれを必要とする対象に1日1回投与することを含む。ある特定のこのような実施形態では、経口製剤は、少なくとも約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約80mg、約120mg、約160mg、約180mgまたは約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。ある特定の実施形態では、経口製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、経口製剤は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0129】
本開示は、経口製剤、例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤及び化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤などの、前立腺がんの治療を必要とする対象への1日1回の投与を提供する。一部の実施形態では、経口負荷量製剤は錠剤またはカプセル剤であり、経口維持量製剤は錠剤またはカプセル剤である。一部の実施形態では、経口負荷量製剤は即時放出特性を有している。しかしながら、経口負荷量製剤は、例えば、持続放出、制御放出、遅延放出及び徐放を含むその他の放出特性を有していてもよい。一部の実施形態では、経口維持量製剤は即時放出特性を有している。しかしながら、経口維持量製剤は、例えば、持続放出、制御放出、遅延放出及び徐放を含むその他の放出特性を有していてもよい。一部の実施形態では、経口負荷量製剤と経口維持量製剤の両方は即時放出製剤である。
【0130】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を1日1回投与して前立腺がんの治療を開始してもよく、投与の持続期間は1~3日間である。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を1日1回投与して前立腺がんの治療を開始してもよく、投与の持続期間は1日間である。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を1日1回投与して前立腺がんの治療を開始してもよく、投与の持続期間は2日間である。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を1日1回投与して前立腺がんの治療を開始してもよく、投与の持続期間は3日間である。
【0131】
本開示の経口負荷量製剤は、約240~約480mg、例えば、約320mg~約400mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含んでいてもよい。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約320mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0132】
経口負荷量製剤の持続期間中に併用する場合もあるが、その後、経口維持量製剤の1日1回の投与を行う。一部の実施形態では、経口維持量製剤の1日1回の投与は、経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約80mg~約160mg、例えば、約100mg~約140mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0133】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240~約480mg、例えば、約320mg~約400mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの
化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約320mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1~3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0134】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240~約480mg、例えば、約320mg~約400mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約320mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の1日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0135】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240~約480mg、例えば、約320mg~約400mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約320mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の2日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0136】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240~約480mg、例えば、約320mg~約400mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約360
mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約320mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を治療開始時の3日間に1日1回投与してもよく、それぞれの用量は、約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0137】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよく、約80mg~約160mg、例えば、約100mg~約140mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよく、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよく、約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよく、約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよく、約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0138】
一部の実施形態では、4週間以上連続、8週間以上連続、12週間以上連続、16週間以上連続、20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続で、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を4週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を8週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を12週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を16週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を20週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を24週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を36週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を48週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を52週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を72週間以上連続で1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を96週間以上連続で1日1回投与してもよい。長期投与においては、48週間以上の連日期間、52週間以上連続の連日期間、72週間以上連続の連日期間、76週間以上の連日期間、96週間以上の連日期間、104週間以上の連日期間、または、128週間以上の連日期間で、本開示の経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤を48週間以上の連日期間で1日1回投与してもよい。
【0139】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療期間の1日目に1回投与されてもよく、本開示の経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療期間の2日目に開始して1日1回投与されてもよい。ある特定のこのような実施形態では、毎日の経口維持量製剤を12週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の毎日の経口維持量製剤を48週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。
【0140】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は約240mgの化合物1または対応量
のその薬学的に許容される塩を含み、治療期間の1日目に1回投与されてもよく、本開示の経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療期間の2日目に開始して1日1回投与されてもよい。ある特定のこのような実施形態では、毎日の経口維持量製剤を12週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の毎日の経口維持量製剤を48週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。
【0141】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、第1の治療期間の1日目に1回投与されてもよく、本開示の経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、第2の治療期間の1日目または2日目に開始して1日1回投与されてもよい。ある特定のこのような実施形態では、毎日の経口維持量製剤を12週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の毎日の経口維持量製剤を48週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。
【0142】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、第1の治療期間の1日目に1回投与されてもよく、本開示の経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、第2の治療期間の1日目または2日目に開始して1日1回投与されてもよい。ある特定のこのような実施形態では、毎日の経口維持量製剤を12週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の毎日の経口維持量製剤を48週間以上連続の治療期間の間1日1回投与してもよい。
【0143】
本開示は、中断期間の間中断することにより対象の血清中テストステロン濃度を上昇させることが可能な、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を更に提供する。中断期間中に上昇した血清中テストステロン濃度は、対象が対象の生活様式及び生活の質(例えば、性行為の維持)の管理を維持することを可能とし得る。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を4週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を8週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を12週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を16週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を20週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を24週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を36週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を48週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を52週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を72週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤を96週間以上連続で1日1回投与した後に中断する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の投与は、少なくとも24週間連続の1日1回の投与の後に中断される。一部の実施形態では、本開示の経口製剤の投与は、少なくとも48週間連続の1日1回の投与の後に中断される。
【0144】
対象の血清中テストステロン濃度の所望の上昇が達成されるまで中断期間を継続してもよく、または、必要である限り継続してもよい。一部の実施形態では、PSAが上昇し始めるまで中断期間を継続してもよい。一部の実施形態では、「最下点+2ng/mL」のPSAの上昇がある場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、対象のPSA濃度が3ng/mL以上、10ng/mL以上、20ng/mL以上または30ng/mL以上である場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長60週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長52週間で
あってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長48週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長36週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長24週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長20週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長16週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長12週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長4週間であってもよい。一部の実施形態では、中断期間は最長8週間であってもよい。
【0145】
一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~8週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~12週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~16週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~20週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~24週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~36週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~48週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~52週間以上の期間の間中断してもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する全ての方法及び使用のための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与を、少なくとも24週間連続の1日1回の投与後、4週間以下~60週間以上の期間の間中断してもよい。
【0146】
本開示は、中断期間後における本開示の経口製剤の1日1回の投与の再開を提供する。一部の実施形態では、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の1日1回の投与は、中断期間の終了時に再開される。
【0147】
本開示はまた、中断期間後における経口負荷量製剤の1日1回の投与を提供する。一部の実施形態では、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口負荷量製剤を、中断期間後の治療期間の開始時の1~3日間の間1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を中断期間後の1日間に1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を中断期間後の2日間に1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を中断期間後の3日間に1日1回投与してもよい。
【0148】
中断期間後、本開示は、本開示の経口負荷量製剤の最終投与の投与後に開始される、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の1日1回の経口維持量製剤の投与を提供する。一部の実施形態では、中断期間後、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む本開示の1日1回の経口維持量製剤の投与が、本開示の経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される。
【0149】
別々の治療期間による断続的な投与を伴うある特定の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤を、それぞれの治療期間の開始時の1~3日間に1日1回投与してもよい。別々の治療期間による断続的な投与を伴うある特定の実施形態では、本開示の経口維持量製剤を、それぞれの治療期間の開始時に1日1回投与してもよい。
【0150】
中断期間後に本開示の経口製剤または経口維持量製剤の投与を再開した後、4週間以上連続、8週間以上連続、12週間以上連続、16週間以上連続、20週間以上連続、24週間以上連続、36週間以上連続、48週間以上連続、52週間以上連続、72週間以上連続または96週間以上連続で、経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後4週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後8週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後12週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後16週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後20週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後24週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後36週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後48週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後52週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後72週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。一部の実施形態では、中断期間後96週間以上連続で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。中断期間後の長期投与においては、48週間以上の連日期間、52週間以上連続の連日期間、72週間以上連続の連日期間、76週間以上の連日期間、96週間以上の連日期間、104週間以上の連日期間、または、128週間以上の連日期間で、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を1日1回投与してもよい。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口製剤または経口維持量製剤を48週間以上の連日期間で1日1回投与してもよい。
【0151】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与は、最初の中断期間の完了及び投与の再開後における続く中断期間の間中断される。ある特定のこのような実施形態では、続く中断期間は、約80mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の1日1回の投与の再開後少なくとも12週間で生じる。
【0152】
本開示はまた、一度中断すると投与を再開しないことを提供する。例えば、一部の実施形態では、放射線治療の完了後に投与を中断してから再開しなくてもよい。一部の実施形態では、放射線治療の完了後における投与は、PSAが上昇するまで再開されない。一部の実施形態では、放射線治療後に「最下点+2ng/mL」のPSAの上昇がある場合、1日1回の投与を再開してもよい。一部の実施形態では、対象のPSA濃度が3ng/mL以上、10ng/mL以上、20ng/mL以上または30ng/mL以上である場合
、放射線治療後に1日1回の投与を再開してもよい。
【0153】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の投与は食事依存性である。ある特定のこのような実施形態では、投与は任意の食事の前であることが好ましい。一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を食前に投与してもよい。一部の実施形態では、投与は、食事の少なくとも1時間前または食事の少なくとも2時間後である。その他の実施形態では、投与はまた、食事の少なくとも30分間前または対象の空腹時であってもよい。一部の実施形態では、投与は、食事の約2時間前または食事の1時間後である。一部の実施形態では、投与は、食事の少なくとも30分間前、食事の1時間前または食事の2時間前である。一部の実施形態では、投与は、食事の少なくとも30分間後、食事の1時間後または食事の2時間後である。
【0154】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤の投与は、空腹条件または食事スケジュール条件を何ら伴わない。一部の実施形態では、投与は空腹条件を何ら伴わない。ある特定のこのような実施形態では、経口製剤の投与は食事非依存性であってもよい。一部の実施形態では、投与は食事中であってもよい。
【0155】
本開示は、性ホルモンの刺激がないことにより対象におけるフレアが防止されるまたは最小限となるような本明細書に記載の全ての方法及び使用のための投与を提供する。
【0156】
以下、症状の重篤さ、対象の年齢、体重及び感受性、ならびに、喫煙者かどうか及び内服薬などのリスク因子のうちの1つまたは複数に応じて、投与の持続期間及び間隔を変更してもよい。
【0157】
本開示の剤形
本明細書で使用する場合、本開示の経口製剤としては、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、口腔内崩壊フィルム剤、トローチ剤、ガム剤、顆粒剤及び散剤を挙げることができるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、経口製剤は錠剤またはカプセル剤である。
【0158】
一部の実施形態では、本明細書で開示する経口負荷量製剤及び経口維持量製剤を含む経口製剤は即時放出特性を有している。しかしながら、経口製剤は、例えば、持続放出、制御放出、遅延放出及び徐放を含むその他の放出特性を有していてもよい。一部の実施形態では、本明細書で開示する経口製剤は持続放出特性を有している。一部の実施形態では、本明細書で開示する経口製剤は制御放出特性を有している。一部の実施形態では、本明細書で開示する経口製剤は遅延放出特性を有している。一部の実施形態では、本明細書で開示する経口製剤は徐放特性を有している。
【0159】
本開示の経口製剤の添加剤は、製剤の効果の最適化に役立つ添加剤の混合物及び量である。以下に示すものは主要な添加剤であり、1種または複数種の充填剤または賦形剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、pH調整剤、甘味剤、風味剤及び崩壊剤を含むがこれらに限定されない様々な有機もしくは無機添加剤または担体物質が挙げられる。1種または複数種のフィルム形成剤、コーティング基剤、コーティング添加剤、可塑剤、有機酸、顔料または酸化防止剤、光遮蔽剤、流動助剤または艶出剤、及び着色剤を含むがこれらに限定されない医薬品添加物を含むフィルムコーティング剤であってもよい。
【0160】
本開示に使用する賦形剤または充填剤としては、デキストロース、ラクトース、マンニトール、D-マンニトール(例えば、PEARLITOL 50C、PEARLITOL
100SD、PEARLITOL 200SD、PEARLITOL 300DC及びPEARLITOL 400DC)、ナトリウムデンプン、スクロース、リン酸カルシウ
ム、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ソルビトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファ化デンプン、アルファ化デンプン、多孔質デンプン及び炭酸カルシウムデンプンを含むがこれらに限定されない有機物及び無機物が挙げられる。一部の実施形態では、賦形剤はマンニトールである。本開示に使用する賦形剤または充填剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース(例えば、CEOLUS KG-802(グレード:KG-802)及びCEOLUS PH-302(グレード:PH-302))、結晶性セルロース(粒子)、結晶性セルロース(微粒子)、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロース2910)、デンプン、ゼラチン、スクロース、デキストリン、ラクトース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、コポリビドン、アカシア、アルギン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースも含むがこれらに限定されない有機物及び無機物が挙げられる。一部の実施形態では、賦形剤はD-マンニトールである。一部の実施形態では、賦形剤は微結晶セルロースである。一部の実施形態では、賦形剤はラクトースである。
【0161】
本開示に使用する結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース(例えば、CEOLUS KG-802(グレード:KG-802)及びCEOLUS PH-302(グレード:PH-302))、結晶性セルロース(粒子)、結晶性セルロース(微粒子)、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロース2910)、デンプン、ゼラチン、スクロース、デキストリン、ラクトース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)及びコポリビドンが挙げられるがこれらに限定されない。結合剤として使用可能な天然ゴム及び合成ゴムとしては、アカシア、アルギン酸ナトリウム及びカルボキシメチルセルロースが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。一部の実施形態では、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースである。
【0162】
本開示に使用する崩壊剤としては、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、架橋カルメロースナトリウムなど、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルデンプンナトリウム及びデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられるがこれらに限定されない。本開示に使用する別の崩壊剤としては、コーンスターチ、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、ヒドロキシプロピルデンプン及びアルミノメタケイ酸マグネシウムが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。一部の実施形態では、崩壊剤は架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウムである。
【0163】
本開示に使用する滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム;ステアリン酸;フマル酸ステアリルナトリウム;クエン酸トリエチル;無機滑沢剤、すなわち、タルク、コロイダルシリカ及びヒュームド二酸化ケイ素;高分子滑沢剤、例えば、ポリエチレングリコール、PEG 4000、及びPEG 6000など;鉱油;及び硬化植物油が挙げられるがこれらに限定されない。しかしながら、他の化合物、例えば、脂肪酸及びその金属塩、脂肪酸エステル及びその塩、有機ワックス、ポリマー、ならびに無機物質などを採用することができる。有用な脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が挙げられるがこれらに限定されない。有用な金属塩としては、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛の塩が挙げられるがこれらに限定されない。有用な脂肪酸エステルとしては、グリセリドエステル、例えば、モノステアリン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル及びジベヘン酸グリセリルなどが挙げられるがこれらに限定されない。有用な糖エステルとしては、脂肪酸のスクロースエステル、モノステアリン酸ソルビタン及びモノパルミチン酸スクロースが挙げられるがこれらに限定されない。有用
なその塩としては、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク及びコロイダルシリカが挙げられる。一部の実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。本明細書で使用する場合、ポリエチレングリコールとは、式、H(OCHCHOH(式中、nは自然数)で表される化合物の総称である(nが2000以上の化合物はポリエチレンオキシドと呼ばれることもある)。
【0164】
本開示の製剤に使用する着色剤の例としては、食品用色素、例えば、Food Color Yellow No.5、Food Color Red No.2、Food Color Blue No.2など、食品用レーキ顔料、赤色酸化第二鉄及び黄色酸化第二鉄が挙げられるがこれらに限定されない。
【0165】
本開示の製剤に使用するpH調整剤の例としては、クエン酸またはその塩、リン酸またはその塩、炭酸またはその塩、酒石酸またはその塩、フマル酸またはその塩、酢酸またはその塩、及びアミノ酸またはその塩が挙げられるがこれらに限定されない。
【0166】
本開示の製剤に使用する界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80及びポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールが挙げられるがこれらに限定されない。
【0167】
本開示の製剤に使用する甘味剤の例としては、アスパルテーム(商標名)、アセスルファムカリウム、スクラロース、タウマチン、サッカリンナトリウム及びグリチルリチン酸二カリウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0168】
本開示の製剤に使用する風味剤の例としては、メントール、ペパーミント油、レモン油及びバニリンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0169】
一部の実施形態では、本明細書で使用する顔料としては二酸化チタンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0170】
一部の実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤は糖コーティング基剤である。本明細書で使用する糖コーティング基剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルランまたはカルナバワックスのうちの1種または複数種と配合したスクロースが挙げられるがこれらに限定されない。
【0171】
一部の実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤は水溶性フィルムコーティング基剤である。本明細書で使用する水溶性フィルムコーティング基剤としては、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロース2910、TC-5)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなど;合成ポリマー、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルピロリドンなど;及び多糖類、例えば、プルランなどが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、水溶性フィルムコーティング基剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロース2910、TC-5)である。一部の実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。一部の実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはヒプロメロース2910である。
【0172】
一部の実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤は、セルロースポリ
マー、例えば、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなど;アクリル酸ポリマー、例えば、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル-メタクリル酸メチルコポリマー懸濁液など;及び天然物質、例えば、セラックなど、を含む。
【0173】
一部の実施形態では、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスである。一部の実施形態では、流動助剤/艶出剤はタルクである。
【0174】
一部の実施形態では、本明細書で使用する着色剤としては酸化第二鉄が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、着色剤は赤色酸化第二鉄である。一部の実施形態では、着色剤は黄色酸化第二鉄である。一部の実施形態では、着色剤は黄色酸化第二鉄と赤色酸化第二鉄の混合物である。
【0175】
一部の実施形態では、本明細書で使用する可塑剤としては、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール6000)、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、ポリソルベートなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0176】
一部の実施形態では、本明細書で使用する有機酸としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0177】
一部の実施形態では、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤を含む本開示の経口製剤は、負荷能力を維持しながら安定性を向上させる少なくとも1種の添加剤を含む。前立腺がんの治療において、デンプングリコール酸ナトリウムを含む本開示により提供される経口製剤が、化合物1またはその薬学的に許容される塩の向上した安定性及びより高い負荷能力を有し、その結果、化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩が経口負荷量製剤で約360mg、経口維持量製剤で約120mgほども多くなり得るということが見出された。
【0178】
本開示は、前立腺がんを治療するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を提供する。ある特定のこのような実施形態では、経口製剤は、約80mg、約120mg、約160mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及び、コア用の添加剤、例えば、1種または複数種の賦形剤、1種または複数種の結合剤、1種または複数種の崩壊剤、1種または複数種の滑沢剤、またはこれらの混合物などを含む。ある特定のこのような実施形態では、賦形剤はマンニトールを含み、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含み、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムを含み、滑沢剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一部の実施形態では、経口製剤は、1種または複数種のフィルム形成剤/フィルムコーティング基剤、1種または複数種の顔料、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の流動助剤/艶出剤、またはこれらの混合物を更に含む。ある特定のこのような実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒプロメロース2910を含み、顔料は二酸化チタンを含み、着色剤は酸化第二鉄を含み、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスを含む。
【0179】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、約240mg~約480mg、例えば、約360mgまたは約240mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及び、コア用の添加剤、例えば、1種または複数種の賦形剤、1種または複数種の結合剤、1種または複数種の崩壊剤、1種または複数種の滑沢剤、またはこれらの混合物などを含む。ある特定のこのような実施形態では、賦形剤はマンニトールを含み、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含み、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムを含み、
滑沢剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、1種または複数種のフィルム形成剤/フィルムコーティング基剤、1種または複数種の顔料、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の流動助剤/艶出剤、またはこれらの混合物を更に含む。ある特定のこのような実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒプロメロース2910を含み、顔料は二酸化チタンを含み、着色剤は酸化第二鉄を含み、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスを含む。
【0180】
一部の実施形態では、本開示は、約80mg、約120mg、約160mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及びコア用の添加剤、すなわち、51mg~244mgのマンニトール、3mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む経口製剤を提供する。一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、80mg、120mgまたは160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及びコア用の添加剤、すなわち、51mg~244mgのマンニトール、3mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含んでいてもよい。本開示はまた、フィルム添加剤、すなわち、7.12~14.24mgのヒプロメロース2910(すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、十分量のカルナバワックス、及び0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄を有するフィルムコーティング剤を含むこのような経口製剤を更に提供する。
【0181】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、80mg、120mgまたは160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及びコア用の添加剤、すなわち、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む。本開示はまた、フィルム添加剤、すなわち、7.12~14.24mgのヒプロメロース2910(すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、十分量のカルナバワックス、及び0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄を有するフィルムコーティング剤を含むこのような経口製剤を更に提供する。
【0182】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。更に、ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口製剤は、コア用の添加剤としての306mg~612mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、及び6mg~12mgのステアリン酸マグネシウムに加えて、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含んでいてもよい。
【0183】
一部の実施形態では、本開示の経口製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。更に、ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口製剤は、306mg~612mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、及び6mg~12mgのステアリン酸マグネシウムを含んでいてもよい。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口製剤は、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む。
【0184】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、1日1回投与されてもよい。一部の実施形態では、経口負荷量製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。組成物内における安定性を最適化することに加えて有効負荷量を維持することから、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を使用する。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約80mg、約120mg、約160mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、1日1回投与されてもよい。一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。組成物内における安定性を最適化することに加えて有効負荷量を維持することから、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を使用する。
【0185】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口維持量製剤を前立腺がんの治療に使用することができる。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、約80mg~約160mg、例えば、約120mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及び、コア用の添加剤、例えば、1種または複数種の賦形剤、1種または複数種の結合剤、1種または複数種の崩壊剤、1種または複数種の滑沢剤、またはこれらの混合物などを含む。ある特定のこのような実施形態では、賦形剤はマンニトールを含み、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含み、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムを含み、滑沢剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一部の実施形態では、経口維持量製剤は、1種または複数種のフィルム形成剤/フィルムコーティング基剤、1種または複数種の顔料、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の流動助剤/艶出剤、またはこれらの混合物を更に含む。ある特定のこのような実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒプロメロース2910を含み、顔料は二酸化チタンを含み、着色剤は酸化第二鉄を含み、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスを含む。更に、一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、244mg~488mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、80mg~160mgの微結晶セルロース、12mg~24mgのヒドロキシプロピルセルロース、20mg~40mgのクロスカルメロースナトリウム、4mg~8mgのステアリン酸マグネシウム、14.24mg~28.48mgのヒプロメロース2910、1.6mg~3.2mgの二酸化チタン、及び0.16mg~0.32mgの酸化第二鉄を含んでいてもよい。本開示におけるこの経口製剤及びその他の経口製剤において、水が経口維持量製剤の調製中に除去される。
【0186】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、17.54重量%の化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての53.51重量%のマンニトール、17.54重量%の微結晶セルロース、2.63重量%のヒドロキシプロピルセルロース、4.39重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び0.88重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤はまた、以下のその他の添加剤、3.12重量%のヒプロメロース2910、0.35重量%の二酸化チタン、及び0.04重量%の酸化第二鉄を含む。
【0187】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口維持量製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。更に、ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、2mg~4mgのステアリン酸マグネシウム、7.12mg~14.24mgのヒプロメロース2910、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄、及び十分量のカ
ルナバワックスを含んでいてもよい。
【0188】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口維持量製剤は、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。更に、ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含んでいてもよい。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、7.12mg~14.24mgのヒプロメロース2910、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む。
【0189】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、38.46重量%の化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての49.04重量%のマンニトール、4.81重量%のデンプングリコール酸ナトリウム(タイプA)、2.88重量%のヒドロキシプロピルセルロース、及び0.96重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤はまた、以下のその他の添加剤、3.42重量%のヒプロメロース2910、0.38重量%の二酸化チタン、0.04重量%の酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0190】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての244mgのマンニトール、80mgの微結晶セルロース、12mgのヒドロキシプロピルセルロース、20mgのクロスカルメロースナトリウム、4mgのステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤はまた、14.24mgのヒプロメロース2910、1.6mgの二酸化チタン、及び0.16mgの酸化第二鉄を含むフィルムコーティング剤を含む。
【0191】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての366mgのマンニトール(充填剤/賦形剤)、120mgの微結晶セルロース(充填剤/賦形剤)、18mgのヒドロキシプロピルセルロース(結合剤)、30mgのクロスカルメロースナトリウム(崩壊剤)、及び6mgのステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口維持量製剤はまた、以下のその他の添加剤、21.36mgのヒプロメロース2910(フィルムコーティング基剤)、2.4mgの二酸化チタン(顔料)、及び0.24mgの酸化第二鉄(着色剤)を含む。
【0192】
一部の実施形態では、本開示の経口維持量製剤は、160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての488mgのマンニトール、160mgの微結晶セルロース、24mgのヒドロキシプロピルセルロース、40mgのクロスカルメロースナトリウム、8mgのステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の維持量製剤はまた、28.48mgのヒプロメロース2910、3.2mgの二酸化チタン、及び0.32mgの酸化第二鉄をフィルムコーティング剤として含む。
【0193】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口維持量製剤は、80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、102mgのマンニトール、10mgのデンプングリコール酸ナトリウム、6mgのヒドロキシプロピルセルロース、2mgのステアリン酸マグネシウム、7.12mgのヒプロメロース2910、0.8mgの二酸化チタン、0.08mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0194】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口維持量製剤は、120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、153mgのマンニトール(充填剤/賦形剤)、15mgのデンプングリコール酸ナトリウム(崩壊剤)、9mgのヒドロキシプロピルセルロース(結合剤)、3mgのステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)、10.68mgのヒプロメロース2910(フィルムコーティング基剤)、1.2mgの二酸化チタン(顔料)、0.12mgの酸化第二鉄(着色剤)、及び十分量のカルナバワックス(錠剤の流動助剤/艶出剤)を含む。
【0195】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口維持量製剤は、160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、204mgのマンニトール、20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、12mgのヒドロキシプロピルセルロース、4mgのステアリン酸マグネシウム、14.24mgのヒプロメロース2910、1.6mgの二酸化チタン、0.16mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0196】
本開示は、前立腺がんを治療するための、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を提供する。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mg~約480mg、例えば、約360mgまたは240mgなどの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、及び、コア用の添加剤、例えば、1種または複数種の賦形剤、1種または複数種の結合剤、1種または複数種の崩壊剤、1種または複数種の滑沢剤、またはこれらの混合物などを含む。ある特定のこのような実施形態では、賦形剤はマンニトールを含み、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含み、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムを含み、滑沢剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、1種または複数種のフィルム形成剤/フィルムコーティング基剤、1種または複数種の顔料、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の流動助剤/艶出剤、またはこれらの混合物を更に含む。ある特定のこのような実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒプロメロース2910を含み、顔料は二酸化チタンを含み、着色剤は酸化第二鉄を含み、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスを含む。更に、一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、732mg~1464mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、240mg~480mgの微結晶セルロース、36mg~72mgのヒドロキシプロピルセルロース、60mg~120mgのクロスカルメロースナトリウム、12mg~24mgのステアリン酸マグネシウム、42.72mg~85.44mgのヒプロメロース2910、4.8mg~9.6mgの二酸化チタン、及び0.48mg~0.96mgの酸化第二鉄を含んでいてもよい。本開示におけるこの経口製剤及びその他の経口製剤において、水が経口負荷量製剤の調製中に除去される。
【0197】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、17.54重量%の化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての53.51重量%のマンニトール、17.54重量%の微結晶セルロース、2.63重量%のヒドロキシプロピルセルロース、4.39重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び0.88重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤はまた、以下のその他の添加剤、3.12重量%のヒプロメロース2910、0.35重量%の二酸化チタン、及び0.04重量%の酸化第二鉄を含む。
【0198】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、コア用の添加剤としての306mg~612mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、及び6mg~12mgの
ステアリン酸マグネシウムに加えて、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含んでいてもよい。
【0199】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、306mg~612mgのマンニトール(D-マンニトールを含む)、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、及び6mg~12mgのステアリン酸マグネシウムを含んでいてもよい。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む。
【0200】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、38.46重量%の化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての49.04重量%のマンニトール、4.81重量%のデンプングリコール酸ナトリウム(タイプA)、2.88重量%のヒドロキシプロピルセルロース、及び0.96重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤はまた、以下のその他の添加剤、3.42重量%のヒプロメロース2910、0.38重量%の二酸化チタン、0.04重量%の酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0201】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、732mgのマンニトール、240mgの微結晶セルロース、36mgのヒドロキシプロピルセルロース、60mgのクロスカルメロースナトリウム、12mgのステアリン酸マグネシウム、42.72mgのヒプロメロース2910、4.8mgの二酸化チタン、及び0.48mgの酸化第二鉄を含む。
【0202】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、コア用の添加剤としての1098mgのマンニトール(充填剤/賦形剤)、360mgの微結晶セルロース(充填剤/賦形剤)、54mgのヒドロキシプロピルセルロース(結合剤)、90mgのクロスカルメロースナトリウム(崩壊剤)、及び18mgのステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を含む。ある特定のこのような実施形態では、本開示の経口負荷量製剤はまた、以下のその他の添加剤、64.08mgのヒプロメロース2910(フィルムコーティング基剤)、7.2mgの二酸化チタン(顔料)、及び0.72mgの酸化第二鉄(着色剤)を含む。
【0203】
一部の実施形態では、本開示の経口負荷量製剤は、480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、1464mgのマンニトール、480mgの微結晶セルロース、72mgのヒドロキシプロピルセルロース、120mgのクロスカルメロースナトリウム、24mgのステアリン酸マグネシウム、85.44mgのヒプロメロース2910、9.6mgの二酸化チタン、及び0.96mgの酸化第二鉄を含む。
【0204】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口負荷量製剤は、240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、306mgのマンニトール、30mgのデンプングリコール酸ナトリウム、18mgのヒドロキシプロピルセルロース、6mgのステアリン酸マグネシウム、21.36mgのヒプロメロース2910、2.4mgの二酸化チタン、0.24mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0205】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口負荷量製剤は、360mgの化合物
1または対応量のその薬学的に許容される塩、459mgのマンニトール(充填剤/賦形剤)、45mgのデンプングリコール酸ナトリウム(崩壊剤)、27mgのヒドロキシプロピルセルロース(結合剤)、9mgのステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)、32.04mgのヒプロメロース2910(フィルムコーティング基剤)、3.6mgの二酸化チタン(顔料)、0.36mgの酸化第二鉄(着色剤)、及び十分量のカルナバワックス(錠剤の流動助剤/艶出剤)を含む。
【0206】
一部の実施形態では、本開示により提供される経口負荷量製剤は、480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩、612mgのマンニトール、60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、36mgのヒドロキシプロピルセルロース、12mgのステアリン酸マグネシウム、42.72mgのヒプロメロース2910、4.8mgの二酸化チタン、0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを含む。
【0207】
本開示のドーズパック
本開示は、本明細書で開示する経口負荷量製剤及び経口維持量製剤を含むドーズパックを提供する。本開示のドーズパックは、経口維持量製剤とは別の経口負荷量製剤を含む。ある特定のこのような実施形態では、前立腺がんを治療するためにドーズパックを使用する。一部の実施形態では、ドーズパック内の経口負荷量製剤は、経口維持量製剤と比較して、異なる色、形状及び/またはサイズを有する。
【0208】
一部の実施形態では、本開示により提供されるドーズパックは、添加剤及び約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤、ならびに、添加剤及び約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤、を含む。ある特定のこのような実施形態では、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は独立して、添加剤、例えば、1種または複数種の賦形剤、1種または複数種の結合剤、1種または複数種の崩壊剤、1種または複数種の滑沢剤、またはこれらの混合物などを含む。ある特定のこのような実施形態では、賦形剤はマンニトールを含み、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含み、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムを含み、滑沢剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一部の実施形態では、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は独立して、1種または複数種のフィルム形成剤/フィルムコーティング基剤、1種または複数種の顔料、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の流動助剤/艶出剤、またはこれらの混合物を更に含む。ある特定のこのような実施形態では、フィルム形成剤/フィルムコーティング基剤はヒプロメロース2910を含み、顔料は二酸化チタンを含み、着色剤は酸化第二鉄を含み、流動助剤/艶出剤はカルナバワックスを含む。
【0209】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は、306mg~612mgのマンニトール、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び6mg~12mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0210】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む。
【0211】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0212】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口維持量製剤は、7.12mg~14.24mgのヒプロメロース2910、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む。
【0213】
本開示のある特定の態様では、ドーズパックの経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は、負荷能力を維持しながら安定性を向上させる少なくとも1種の添加剤を含む。一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤及び経口維持量製剤中のデンプングリコール酸ナトリウムは、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤中の化合物1またはその薬学的に許容される塩の安定性及び負荷能力を向上させる。
【0214】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は、約240mg、約320mg、約360mgまたは約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は、約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0215】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口維持量製剤は、約80mg、約120mgまたは約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口維持量製剤は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0216】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0217】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤は約240mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、経口維持量製剤は約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む。
【0218】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は錠剤である。
【0219】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックの経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は即時放出特性を有している。
【0220】
一部の実施形態では、本開示のドーズパックは、抗アンドロゲン剤またはCYP17リアーゼ阻害剤のうちの少なくとも1つを更に含む。ある特定のこのような実施形態では、抗アンドロゲン剤は、エンザルタミド、ビカルタミド、エンザルタミドまたはフルタミドを含み、CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンを含む。
【0221】
併用療法
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤と併用薬剤の投与方法は、例えば、(1)化合物1またはその薬学的に許容される塩と併用薬剤を同時に配合することにより得られた単回経口製剤の投与、(2)化合物1またはその薬学的に許容される塩と併用薬剤を別々に配合することにより得られた2種類の製剤の同一経路を介した同時投与、及び、(3)化合物1またはその薬学的に許容される塩と併用薬剤を別々に配合することにより得られた2種類の製剤の同一経路を介した連続投与及び間欠投与、であってもよい。
【0222】
本開示によれば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の投与を含む方法及び使用は、放射線治療を更に含んでいてもよい。
【0223】
本開示によれば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤の投与を含む方法及び使用は、化学療法の適用を更に含んでいてもよい。「化学療法」とは、腫瘍細胞及びある特定の組織に対して有害な薬剤/薬物を使用した治療のカテゴリーのことを意味し得る。このような薬剤/薬物の例としては、低分子化合物及び生物学的薬物、例えば、抗体またはポリペプチドなどが挙げられる。本明細書に記載の方法及び使用に使用可能な化学療法薬物としては、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、コルチコステロイド、分化誘導剤、プロテアソーム阻害剤、免疫療法剤及びホルモン療法剤が挙げられるがこれらに限定されない。化学療法薬物としては、プレドニゾン、エンザルタミド、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、及び酵素ポリアデノシン二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)の阻害剤を含有または含有しないアビラテロン酢酸エステルを挙げることができるがこれらに限定されない。
【0224】
本開示によれば、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤を抗アンドロゲン剤と共に毎日投与してもよい。治療中にわたり抗アンドロゲン剤を断続的に投与して、抗アンドロゲン剤離脱症候群の効果を提供してもよい。あるいは、治療サイクル中にわたり化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を断続的に投与して、それ自体による抗アンドロゲン剤離脱症候群を提供してもよい。前立腺がんを有する対象における臨床フレアの治療に役立たせるために、抗アンドロゲン剤を化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤と同時投与してもよい。例示的な抗アンドロゲン剤としては、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、カンレノン、ドロスピレノン、ケトコナゾール、トピルタミド(フルリジル)及びシメチジンが挙げられるがこれらに限定されない。このような抗アンドロゲン剤は通常、治療の最初の2~4週間の間投与される。例示的な用量は、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤及び160mgのエンザルタミドである。
【0225】
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤をCYP17リアーゼ阻害剤と共に投与してもよい。一部の実施形態では、CYP17リアーゼ阻害剤は、アビラテロンもしくはその塩、ガレテロンもしくはその塩、ケトコナゾールもしくはその塩、または、セビテロネルもしくはその塩である。ある特定のこのような実施形態では、CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンまたはその塩を含む。一部の実施形態では、CYP17リアーゼ阻害剤、及び化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、グルココルチコイドと共に投与してもよい。ある特定のこのような実施形態では、グルココルチコイドはプレドニゾンである。例示的な投与方式は、毎日投与されるプレドニゾンと併用して毎日投与されるアビラテロン酢酸エステルである。ある特定のこのような実施形態では、1日2回経口投与される5mgのプレドニゾンと併用して、1000mgのアビラテロン酢酸エステルを1日1回経口投与する。一部の実施形態では、CYP17リアーゼ阻害剤、及び化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、グルココルチコイドの不在下で投与してもよい。
【0226】
本開示の治療方法及び使用によれば、前立腺がんが成長ホルモン依存性である場合、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤を、成長ホルモン(受容体)アンタゴニストもしくはプロラクチン(受容体)アンタゴニスト、または成長ホルモンまたはIGF-1を抑制可能なその他の薬剤と併用して投与してもよい。
【0227】
本開示の更に別の効果は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む本開示の経口製剤を、通常はGnRHアンタゴニストと関係する副作用、例えば、骨密度(BMD)低下などを緩和または回避する1つまたは複数の介入と共に対象に投与可能なことである。介入としては生活様式介入及び薬理学的介入が挙げられる。かかる生活様式介入としては、運動、禁煙及び禁酒が挙げられるがこれらに限定されない。かかる薬理学的介入としては、カルシウム補充、ビタミンD補充、ビスホスホネート、デノスマブ、カルシトニン、SERM及びストロンチウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0228】
一部の実施形態では、本明細書で提供する方法及び使用は、P糖タンパク質(P-gp)阻害剤、CYP3A誘導剤もしくはP-gp誘導剤またはこれらの任意の組み合わせの投与の6時間以内に、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与することを含まない。P-gpは、ある特定の細胞、例えば、小腸、血液脳関門、肝細胞及び腎臓近位管内にある細胞などからの薬物の輸送を媒介する。P-gpは、それぞれがP-gp活性を促進するまたはP-gp媒介性取り込みもしくは排出を阻害するP-gp誘導剤または阻害剤の影響を受けてもよい。CYP3Aは、薬物代謝に関与し得るモノオキシゲナーゼのサブファミリーである。P-gpまたはCYP3A誘導剤としては、カルバマゼピン、リファンピン、セイヨウオトギリ、ボセンタン、エファビレンツ、ミトタン、モダフィニルまたはナフシリンを挙げられ得る。P-gp阻害剤としては、アミオダロン、アジスロマイシン、カプトプリル、カルベジロール、クラリスロマイシン、コニバプタン、シクロスポリン、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリグルスタット、エリスロマイシン、フェロジピン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ラパチニブ、ロピナビル/リトナビル、プロパフェノン、ケルセチン、キニジン、レセルピン、ラノラジン、サキナビル、テラプレビル、チプラナビル、チカグレロル、タクロリムス及びベラパミルを挙げてもよい。P-gp輸送機構に関する考察については、J.D.Wesslery,et al.JACC(2013)61(25):2495-502に見出され得る。一部の実施形態では、P-gp阻害剤、CYP3A誘導剤もしくはP-gp誘導剤またはこれらの任意の組み合わせを投与する6時間前まで、8時間前まで、10時間前まで、または、12時間前までに、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与する。一部の実施形態では、P-gp阻害剤、CYP3A誘導剤もしくはP-gp誘導剤またはこれらの任意の組み合わせを投与してから6時間後もしくはそれ以降、8時間後もしくはそれ以降、10時間後もしくはそれ以降、または、12時間後もしくはそれ以降に、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与する。ある特定の実施形態では、例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩の投与を含む治療を開始する場合、P-gp阻害剤、CYP3A誘導剤もしくはP-gp誘導剤またはこれらの任意の組み合わせを投与する16時間前まで、20時間前まで、または、24時間前までに、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与する。他の実施形態では、例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩の投与を含む治療を開始する場合、P-gp阻害剤、CYP3A誘導剤もしくはP-gp誘導剤またはこれらの任意の組み合わせを投与してから16時間後もしくはそれ以降、20時間後もしくはそれ以降、または、24時間後もしくはそれ以降に、化合物1またはその薬学的に許容される塩を投与する。
【0229】
薬物動態
一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、所望のPKプロファイル、例えば、低用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を用いた1日1回の治療における有効血漿中濃度などを達成するように製剤化される。単回または反復用量の投与後、健康な対象において薬物動態特性を確認した(1日1回、薬物動態の定常状態に到達するまで少なくとも5半減期の長さの期間)。食前/食中/食後における化合物1の薬物動態を空腹状態時(投与の少なくとも8時間前及び投与の4時間後において食事を摂らない)の投与と比較して、単回用量投与の後に、食物すなわち食事の影響を確認した。化合物1の投与後、事前に定めた間隔で血液試料を採取し、血漿を回収してから、解析法
、例えば、タンデム質量分析計を用いた高性能液体クロマトグラフィー法などを使用して化合物1の濃度を測定した。Phoenix WinNonlinなどのソフトウェアで実施する非コンパートメント解析法を使用して、それぞれ個別の対象の血漿中濃度-時間データから薬物動態パラメータ(Cmax、AUC及び半減期など)を算出した。その後、統計学的手法を使用してこれらのパラメータを集計または比較してもよい。
【0230】
一部の実施形態では、食前に経口服用される約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む「高生物学的利用能製剤」剤形は、用量投与後1時間において少なくとも約22.68ng/mLの血漿中濃度をもたらし得る。一部の実施形態では、用量投与後1時間において約48.6ng/mLの血漿中濃度をもたらし得る。ある特定の実施形態では、用量投与後1時間において約84ng/mLの血漿中濃度をもたらし得る。一部の実施形態では、高生物学的利用能製剤は、対象における同一の平均薬物曝露をなおも達成可能な、より低用量の化合物1またはその薬学的に許容される塩を有し得る。
【0231】
一部の実施形態では、対象において低変動の薬物動態的効果及び薬力学的効果を達成するように、化合物1またはその薬学的に許容される塩を製剤化してもよい。一部の実施形態では、食前に経口服用される約40mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む「低変動製剤」剤形は、本明細書に記載のその他の実施形態と同様に対象における同一の平均薬物曝露をなおも達成可能な、対象において変動が少ない薬力学的効果をもたらし得る。
【0232】
一部の実施形態では、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤錠、及び、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤錠を、両方が高生物学的利用能かつ食物非依存性であり、対象において変動が少ない薬物動態的効果及び薬力学的効果をもたらし得るように製剤化する。
【0233】
一部の実施形態では、約360mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤錠、及び、約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤錠を、両方が高生物学的利用能かつ食物非依存性であり、対象において変動が少ない薬物動態的効果及び薬力学的効果をもたらし得るように製剤化する。
【0234】
一部の実施形態では、患者は化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を食事の前または後に服用することができるが、空腹状態時と比較した食事摂取による平均血漿中AUCに対する影響が最小限となる必要がある。一部の実施形態では、経口服用される約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む「食物非依存性製剤」経口維持量製剤は、0.9~1.1、例えば、0.95~1.05または1などである、空腹状態時投与と比較した摂取状態時投与の平均血漿中AUCの比率[平均血漿中AUC(摂食時)/平均血漿中AUC(空腹時)]を示し得る。一部の実施形態では、平均血漿中AUC(摂食時)/平均血漿中AUC(空腹時)は0.8~1.25である。
【0235】
本開示は、少なくとも約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、治療期間の初日から最終日まで測定する際に血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC(0-tau))が少なくとも1.5倍または2倍以上上昇する薬物動態(PK)プロファイルを達成可能な剤形で、治療期間に24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与することを含む、前立腺がんを治療するための方法または使用を提供する。ある特定のこのような実施形態では、AUC(0-tau)は、治療期間の初日か
ら最終日まで測定する際に少なくとも1.5倍上昇し得る。ある特定のこのような実施形態では、AUC(0-tau)は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に少なくとも2倍以上上昇し得る。
【0236】
本開示はまた、対象における前立腺がんを治療するための方法または使用を提供し、方法または使用は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間対象に投与すること、及び、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与すること、を含み、経口維持量製剤は、第1の治療期間の初日から第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍または2倍以上上昇し得るPKプロファイルを有する。ある特定のこのような実施形態では、経口維持量製剤は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が2倍以上上昇し得るPKプロファイルを有する。
【0237】
本開示はまた、少なくとも約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍または2倍以上上昇し得るPKプロファイルを達成可能な剤形で、治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与することを含む、前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法または使用を更に提供する。ある特定のこのような実施形態では、AUC(0-tau)は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に少なくとも1.5倍上昇し得る。ある特定のこのような実施形態では、AUC(0-tau)は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に少なくとも2倍以上上昇し得る。
【0238】
本開示は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間対象に投与すること、及び、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与すること、を含む、前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法または使用を提供し、経口維持量製剤は、第1の治療期間の初日から第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍または2倍以上上昇し得るPKプロファイルを有する。ある特定のこのような実施形態では、AUC(0-tau)は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に少なくとも2倍以上上昇し得る。
【0239】
本開示は、少なくとも約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇し得るPKプロファイルを達成する剤形で、治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与することを含む、前立腺がんを治療するための方法または使用を更に提供する。
【0240】
本開示は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間対象に投与すること、及び、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤を第2の治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与すること、を含む、前立腺がんを治療するための方法または使用を更に含み、経口維持量製剤は、第1の治療期間の初日から第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇し得るPKプロファイルを有する。
【0241】
本開示はまた、少なくとも約80mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇し得るPKプロファイルを達成する剤形で、治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与することを含む、前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法または使用を提供する。
【0242】
本開示は、前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法または使用を更に提供し、その方法または使用は、約240mg~約480mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間対象に投与すること、及び、約80mg~約160mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤を第2の治療期間に、24週間以上連続で少なくとも1日1回対象に投与すること、を含み、経口維持量製剤は、第1の治療期間の初日から第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇し得るPKプロファイルを有する。
【0243】
一部の実施形態では、いくつかの効果は、化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の食前投与に起因し得る。一部の実施形態では、平均Cmaxは食前投与において食後投与よりもより高くなり得る。同様に、平均血漿中AUC(0-tau)は、少なくとも30分後に、食前投与において食後投与よりもより高くなり得る。
【0244】
いくつかの効果は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を治療を必要とする対象に投与することにより、前立腺がんを治療することに起因し得る。一部の実施形態では、平均Cmaxは治療開始後1~2時間(Tmax)に達成され得る。平均血漿中T1/2は、治療開始後14日目に測定する際に30~70時間であり得る。治療開始後10日以内に定常状態に到達し得る。化合物1の4%未満が、治療開始後14日目に測定する際に対象の尿中に未変化のまま排泄され得る。50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が治療開始後14日目~28日目に達成及び維持され得る。
【0245】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を対象に投与することにより前立腺がんを治療することに起因し得る別の効果としては、例えば、治療開始後1日目~14日目に1.5~2.5倍(150%~250%)上昇し得る平均血漿中AUC(0-tau)が挙げられる。一部の実施形態では、平均Cmaxは、治療開始後1日目~14日目に1.5~2.5倍(150%~250%)上昇し得る。
【0246】
化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を対象に投与することにより前立腺がんを治療することに起因し得る別の効果としては、例えば、治療開始後1日目~14日目に1.5~2.5倍(150%~250%)上昇し得る平均血漿中AUC(0-tau)が挙げられる。一部の実施形態では、平均Cmaxは、治療開始後1日目~14日目に1.5~2.5倍(150~250%)上昇し得る。
【0247】
本開示によれば、化合物1の平均血漿中T1/2は、治療期間の終了時に測定する際に少なくとも15時間、少なくとも約30時間または少なくとも約35時間であり得る。一部の実施形態では、化合物1の平均血漿中T1/2は、治療期間の終了時に測定する際に約35時間~約45時間、例えば、約37時間~約42時間などであり得る。
【0248】
25週間連続の1日あたり約80mgまたは約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩の製剤を含む経口維持量製剤を投与した後、未変化化合物1のトラフ血漿中濃度(Cmin)の中央値は、80mg用量で1.0ng/mL~9.0ng/mL、特に2.0ng/mL~8.0ng/mL、より特に2.5ng/mL~7.5
ng/mLの範囲であり得、また120mg用量で2.0ng/mL~14.0ng/mL、特に4.0ng/mL~12.0ng/mL、より特に4.5ng/mL~11.5ng/mLの範囲であり得る。
【0249】
一部の実施形態では、Cminは治療期間にわたり一定に維持され得る。
【0250】
本明細書に記載するとおり、一部の実施形態では、化合物1の血漿への吸収は、空腹状態時と比較して標準的なU.S.Food and Drug Administration(FDA)高脂肪高カロリー朝食(約800~1000カロリー、50%は脂肪由来)の開始の30分後に投与された単回用量の後に低下及び遅延し得る。Tmax中央値は摂食状態下で上昇し得る。平均Cmax及び平均血漿中AUCは空腹状態時と比較して摂食状態下で低下し得、化合物1の経口生物学的利用能に対する食物の臨床的有意効果を示している。化合物1またはその薬学的に許容される塩を標準朝食(約600カロリー、27%は脂肪由来)の摂取の30分前に毎日投与し得る場合、化合物1への全身曝露はより低い程度に低下し得、空腹状態時と比較して吸収率の明らかな変化は認められない。一部の実施形態では、対象は、可能なときはいつも、朝起床して胃が空の状態で化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を服用し、服用後約30分で食事を開始する必要がある。
【0251】
1日あたり約80mgまたは約120mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、以下、244mgまたは549mgのマンニトール、40mgまたは90mgの微結晶セルロース、12mgまたは27mgのヒドロキシプロピルセルロース、20mgまたは45mgのクロスカルメロースナトリウム、4mgまたは10mgのステアリン酸マグネシウム、14.24mgまたは35.6mgのヒプロメロース2910、1.6mgまたは3.6mgの二酸化チタン、及び0.16mgまたは0.36mgの酸化第二鉄の添加剤を有する経口維持量製剤(「化合物1製剤」)を13週間連続で投与した後、13週間連続時(すなわち、13週1日目)における平均血清中PSA濃度のベースライン(すなわち、治療開始前における対象の血清中PSA濃度)からの変化は、80mg用量で10.6004ng/Lから1.0823ng/Lへの低下(すなわち、10.6倍(1060%)の低下)であり得、また120mg用量で6.6275ng/Lから0.5849ng/Lへの低下(すなわち、11.3倍(1130%)の低下)であり得る。平均血清中PSA濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で6.5~15.5倍(650%~1550%)、特に7.5~14.5倍(750%~1450%)、より特に8.0~12倍(800%~1200%)の低下となり得、また120mg用量で7.5~16.5倍(750%~1650%)、特に8.5~15.5倍(850%~1550%)、より特に9.0~13倍(900%~1300%)の低下となり得る。化合物1またはその薬学的に許容される塩の製剤により達成されるPSAの低下率はロイプロリド酢酸エステル及びデガレリクスと同等であり得るが、化合物1またはその薬学的に許容される塩の製剤はより優れた使いやすさを提供する。
【0252】
1日あたり約80mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤(「化合物1製剤」)を16日間連続で投与した後、16日間連続の終了時、すなわち、治療終了時における平均血清中LH濃度のベースライン(すなわち、治療開始前における対象の血清中LH濃度)からの変化は、180mg用量で3.90IU/Lから0.23IU/Lへの低下(すなわち、13.8倍(1380%)の低下)であり得、また80mg用量で4.57IU/Lから0.33IU/Lへの低下(すなわち、17倍(1700%)の低下)であり得る。平均血清中LH濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で10~18倍(1000%~1800%)、特に12~16倍(1200%~1600%)、より特に12.5~15.5倍(1250%~1550%)の低下となり得、また180mg用量で14~20倍(1400%~2000
%)、特に15~19倍(1500%~1900%)、より特に15.5~18.5倍(1550%~1850%)の低下となり得る。
【0253】
1日あたり約80mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤(「化合物1製剤」)を16日間連続で投与した後、16日間連続の終了時における平均血清中テストステロン濃度のベースライン(すなわち、治療開始前における対象の血清中テストステロン濃度)からの変化は、80mg用量で10.40nmol/Lから0.3565nmol/Lへの低下(すなわち、29倍(2900%)の低下)であり得、また180mg用量で10.40nmol/Lから0.4320nmol/Lへの低下(すなわち、24倍(2400%)の低下)であり得る。平均血清中テストステロン濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で25~33倍(2500%~3300%)、特に27~31倍(2700%~3100%)、より特に27.5~30.5倍(2750%~3050%)の低下となり得、また180mg用量で20~28倍(2000%~2800%)、特に22~26倍(2200%~2600%)、より特に22.5~25.5倍(2250%~2550%)の低下となり得る。化合物1またはその薬学的に許容される塩の製剤により達成されるテストステロンの抑制率はロイプロリド酢酸エステル及びデガレリクスと同等であり得るが、化合物1またはその薬学的に許容される塩の製剤はより優れた使いやすさを提供する。
【0254】
1日あたり約80mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤(「化合物1製剤」)を16日間連続で投与した後、16日間連続の終了時における平均血清中FSH濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で6.07IU/Lから0.67IU/Lへの低下(すなわち、9.1倍(910%)の低下)であり得、また180mg用量で3.88IU/Lから0.33IU/Lへの低下(すなわち、11.8倍(1180%)の低下)であり得る。平均血清中FSH濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で5~13倍(500%~1300%)、特に7~11倍(700%~1100%)、より特に7.5~10.5倍(750%~1050%)の低下となり得、また180mg用量で8~16倍(800%~1600%)、特に10~14倍(1000%~1400%)、より特に10.5~13.5倍(1050%~1350%)の低下となり得る。
【0255】
1日あたり約80mgまたは約180mgの化合物1または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口維持量製剤(「化合物1製剤」)を16日間連続で投与した後、16日間連続の終了時における平均血清中DHT濃度のベースライン(すなわち、治療開始前における対象の血清中DHT濃度)からの変化は、80mg用量で1.883nmol/Lから1.095nmol/Lへの低下(すなわち、1.7倍(170%)の低下)であり得、また180mg用量で1.882nmol/Lから0.865nmol/Lへの低下(すなわち、2.2倍(220%)の低下)であり得る。平均血清中DHT濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で1.1~5倍(110%~500%)、特に1.1~3倍(110%~300%)、より特に1.1~2.5倍(110%~250%)の低下となり得、また180mg用量で1.1~6倍(110%~600%)、特に1.1~4倍(110%~400%)、より特に1.1~3.5倍(110%~350%)の低下となり得る。
【0256】
本開示を説明するために、以下の非限定的な実施例を提供する。
【実施例
【0257】
実施例1:化合物1の調製
【0258】
【化2】
【0259】
N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-5-((メチルアミノ)メチル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素(150mg、0.259mmol)をDMF(4mL)中に溶解させてから、そこにヨウ化メチル(0.010mL、0.164mmol)を加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌し、炭酸水素ナトリウムの水溶液と混合してから、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させてから、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/メタノール=40/1)を用いて残分を精製し、ジクロロメタン/メタノール/ジエチルエーテルから再結晶させ、無色結晶として表題化合物(17.3mg、17%)を得た。1H-NMR (CDCl) δ:
2.15 (6H, s), 3.6-3.8 (2H, m), 3.82 (3H, s)
, 4.18 (3H, s), 5.35 (2H), 6.92 (2H, t, J=8.
2 Hz), 7.12 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.2-7.65 (7H,
m), 7.69 (1H, s).
【0260】
実施例2:化合物1のフィルムコート錠の調製
実施例1で得た化合物(120mg)、マンニトール(366mg)、微結晶セルロース(120mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(18mg)、クロスカルメロースナトリウム(30mg)、ステアリン酸マグネシウム(6mg)、及び十分量の精製水を使用して、フィルムコート錠を調製した。調製中に水を除去した。流動層乾燥造粒機(LAB-1、Powrex Corporation)内で、実施例1で得た化合物、マンニトール、正確にはD-マンニトール、及び微結晶セルロースを予熱混合してから、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を噴霧し、その混合物を乾燥させて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末にクロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを加え、それらを袋の中で混合して混合粉末を得た。6.0mmφの杵を備えた回転式錠剤機(compact 10錠剤機、Kikusui Seisakusho Ltd.)を用いて混合粉末を錠剤にし、コア錠を得た。フィルムコーティング機(DRC-200、Powrex Corporation)内にコア錠を配置し、ヒプロメロース2910(21.36mg)、二酸化チタン(2.4mg)及び赤色酸化第二鉄(0.24mg)の組成物を含むフィルムコーティング溶液を噴霧してフィルムコート錠を得た。得られたフィルムコート錠をガラス瓶に入れて、その瓶をしっかりと密閉し60℃で2週間保管した。
【0261】
実施例3:化合物1のフィルムコート錠の調製
実施例1で得た化合物(360mg)、マンニトール(1098mg)、微結晶セルロ
ース(360mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(54mg)、クロスカルメロースナトリウム(90mg)、ステアリン酸マグネシウム(18mg)、及び十分量の精製水を使用して、フィルムコート錠を調製した。調製中に水を除去した。流動層乾燥造粒機(LAB-1、Powrex Corporation)内で、実施例1で得た化合物、マンニトール、正確にはD-マンニトール、及び微結晶セルロースを予熱混合してから、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を噴霧し、その混合物を乾燥させて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末にクロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを加え、それらを袋の中で混合して混合粉末を得た。6.0mmφの杵を備えた回転式錠剤機(compact 10錠剤機、Kikusui Seisakusho Ltd.)を用いて混合粉末を錠剤にし、コア錠を得た。フィルムコーティング機(DRC-200、Powrex Corporation)内にコア錠を配置し、ヒプロメロース2910(64.08mg)、二酸化チタン(7.2mg)及び赤色酸化第二鉄(0.72mg)の組成物を含むフィルムコーティング溶液を噴霧してフィルムコート錠を得た。得られたフィルムコート錠をガラス瓶に入れて、その瓶をしっかりと密閉し60℃で2週間保管した。
【0262】
実施例4:化合物1のフィルムコート錠の調製
実施例1で得た化合物(120mg)、マンニトール(153mg)、デンプングリコール酸ナトリウム(タイプA)(15mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(9mg)、ステアリン酸マグネシウム(3mg)、及び十分量の精製水を使用して、フィルムコート錠を調製した。ここでも、調製中に水を除去した。流動層乾燥造粒機(LAB-1、Powrex Corporation)内で、実施例1で得た化合物、D-マンニトール、及びデンプングリコール酸ナトリウムを予熱混合してから、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を噴霧し、その混合物を乾燥させて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末にステアリン酸マグネシウムを加え、それらを袋の中で混合して混合粉末を得た。6.0mmφの杵を備えた回転式錠剤機(compact 10錠剤機、Kikusui Seisakusho Ltd.)を用いて混合粉末を錠剤にし、コア錠を得た。フィルムコーティング機(DRC-200、Powrex Corporation)内にコア錠を配置し、ヒプロメロース2910(10.68mg)、二酸化チタン(1.2mg)、酸化第二鉄(0.12mg)及び十分量のカルナバワックスの組成物を含むフィルムコーティング溶液を噴霧してフィルムコート錠を得た。得られたフィルムコート錠をガラス瓶に入れて、その瓶をしっかりと密閉し60℃で2週間保管した。
【0263】
実施例5:化合物1のフィルムコート錠の調製
実施例1で得た化合物(360mg)、マンニトール(459mg)、デンプングリコール酸ナトリウム(タイプA)(45mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(27mg)、ステアリン酸マグネシウム(9mg)、及び十分量の精製水を使用して、フィルムコート錠を調製した。ここでも、調製中に水を除去した。流動層乾燥造粒機(LAB-1、Powrex Corporation)内で、実施例1で得た化合物、D-マンニトール、及びデンプングリコール酸ナトリウムを予熱混合してから、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を噴霧し、その混合物を乾燥させて造粒粉末を得た。得られた造粒粉末にステアリン酸マグネシウムを加え、それらを袋の中で混合して混合粉末を得た。6.0mmφの杵を備えた回転式錠剤機(compact 10錠剤機、Kikusui Seisakusho Ltd.)を用いて混合粉末を錠剤にし、コア錠を得た。フィルムコーティング機(DRC-200、Powrex Corporation)内にコア錠を配置し、ヒプロメロース2910(32.04mg)、二酸化チタン(3.6mg)、酸化第二鉄(0.36mg)及び十分量のカルナバワックスの組成物を含むフィルムコーティング溶液を噴霧してフィルムコート錠を得た。得られたフィルムコート錠をガラス瓶に入れて、その瓶をしっかりと密閉し60℃で2週間保管した。
【0264】
実施例6:非転移性前立腺がんを有する男性における薬物動態及び薬力学に対する化合物1の効果を評価するための試験
本試験は2つのパート、すなわち用量漸増相のパートA、及び拡大相のパートBで構成される。試験を次のコホートまたはパートBに進めるか否かを、評価期間中における有害事象の発現率に基づく、現行の用量における忍容性の評価によって決定した。
【0265】
化合物1製剤を28日間1日1回経口服用させた。120mg化合物1製剤は、化合物1(120mg)、マンニトール(366mg)、微結晶セルロース(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(18mg)、クロスカルメロースナトリウム(30mg)及びステアリン酸マグネシウム(6mg)のコア錠を含んでいた。ヒプロメロース2910(21.36mg)、二酸化チタン(2.4mg)及び赤色酸化第二鉄(0.06mg)を含むフィルムコーティング剤でコア錠をコーティングした。コア錠内の添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量を、コア錠内の化合物1の量に基づいて適宜調節した(例えば、360mg錠では、コア錠に加える添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量は、120mg錠に加える量の3倍である)。
【0266】
コホート1の被験者は320mgの負荷量及び80mgの維持量を服用し、コホート2の被験者は320mgの負荷量及び120mgの維持量を服用し、コホート3の被験者は320mgの負荷量及び160mgの維持量を服用し、コホート4の被験者は360mgの負荷量及び120mgの維持量を服用した。GnRHアゴニスト(例えば、ロイプロリド酢酸エステル)またはGnRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス)による治療に切り替えられた被験者は、自身の化合物1製剤の最終投与を受けた後に1週間の経過観察期間に進む。
【0267】
コホート2において忍容性が確認された場合、試験をコホート3及びパートBへと同時に進めた。しかしながら、コホート2において忍容性が確認されなかった場合、320mgの化合物1の負荷または負荷量及び40mgの維持量を被験者が服用する追加コホートを実施した。コホート3における忍容性が確認された後にコホート4を実施した。
【0268】
パートBでは、化合物1製剤の安全性を評価するために、80mg群(化合物1 320mgの負荷量及び80mgの維持の1日1回の経口)または120mg群(化合物1 320mgの負荷量及び120mgの維持量の1日1回の経口)のいずれかへと被験者を1:1の比(それぞれ15名の患者)で無作為化した。試験スケジュールに従い安全性評価に加えて有効性評価も実施し、またそれぞれの被験者が中断基準に適合するまで化合物1製剤を投与した。
【0269】
パートAにおける治療期間の28日間及びパートBにおける最長96週間の間、テストステロンの血清中濃度、ならびにテストステロン合成経路に関与する他の薬力学パラメータ、例えば、LH、FSH、DHT及びSHBGを測定した。血清中テストステロン、LH及びFSHの測定法は化学発光免疫測定法(CLIA)(それぞれの定量下限値[LLOQ]は0.04ng/mL、0.10mIU/mL及び0.10mIU/mLであった)であり、DHTの測定法は硫酸アンモニウム塩析の放射免疫測定法(RIA)(LLOQは0.02ng/mLであった)であり、SHBGの測定法は両側CLIA(LLOQは2.0nmol/Lであった)であった。
【0270】
パートAでは、化合物1のそれぞれの用量濃度における平均血清中テストステロン濃度を図1に示し、試験薬のそれぞれの用量濃度における血清中テストステロン濃度の個々の変化を図2に示す。血清中テストステロン濃度は第1の投与の後全ての用量濃度(80mg、120mgまたは160mgの維持量)において速やかに低下した。平均血清中テストステロン濃度は投与の最初の3日間以内に内科的去勢濃度未満(すなわち、50ng/
dL未満)に低下した。全ての被験者において、血清中テストステロン濃度は2日目~14日目に内科的去勢濃度を達成し、その後、28日目の最終投与後最長3日間維持された。
【0271】
パートAでは、試験薬のそれぞれの用量濃度における平均血清中LH、FSH、DHT及びSHBG濃度はそれぞれ、図3図6にグラフで示されている。血清中LH、FSH及びDHT濃度は、血清中テストステロン濃度と同様に全ての用量濃度において速やかに抑制された。ベースライン血清中SHBG濃度(すなわち、治療開始前における被験者の血清中ホルモン濃度)と投与後血清中SHBG濃度の間に特定の変化は認められなかった。
【0272】
パートBでは、試験薬のそれぞれの用量濃度における平均血清中テストステロン濃度を図7に示し、試験薬のそれぞれの用量濃度における血清中テストステロン濃度の変化を図8A及び図8Bに示し、血清中テストステロン濃度の要約統計を図2に示す。血清中テストステロン濃度は第1の投与の後全ての用量濃度(80mgまたは120mgの維持量)において速やかに抑制された。平均血清中テストステロン濃度は投与の最初の4日間以内に内科的去勢濃度未満(すなわち、50ng/dL未満)に抑制された。全ての被験者において、血清中テストステロン濃度は2日目~3週目に内科的去勢濃度に到達した。内科的去勢濃度は全ての被験者において評価期間にわたり維持された。
【0273】
パートBについて、試験薬のそれぞれの用量濃度における平均血清中、LH、FSH、DHT及びSHBG濃度がそれぞれ、図9図12にグラフで示されている。血清中LH、FSH及びDHT濃度は、血清中テストステロン濃度と同様に全ての用量濃度において速やかに抑制された。ベースライン血清中SHBG濃度と投与後血清中SHBG濃度の間に特定の変化は認められなかった。
【0274】
前立腺がんに対する化合物1の臨床効果を評価するために、パートAにおける治療期間の28日間及びパートBにおける最長96週間の間、PSAの血清中濃度(確立された前立腺がんの診断マーカー)を測定した。PSAの測定法は化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)であり、LLOQは0.008ng/mLであった。
【0275】
パートAでは、28日目において、血清中PSA濃度におけるベースラインからの平均及び中央パーセンテージ変化は、コホート1ではそれぞれ-76.37%及び-77.50%であり、コホート2ではそれぞれ-60.10%及び-72.30%であり、コホート3ではそれぞれ-32.10%及び-50.50%であった。パートAについて、血清中PSAの要約統計及びPSAのベースラインからの変化を図13に表で示す。
【0276】
パートBでは、80mg群における13週1日目の血清中PSA濃度におけるベースラインからの平均及び中央パーセンテージ変化(LOCF)はそれぞれ-89.47%及び-97.20%であり、120mg群ではそれぞれ-93.11%及び-95.80%であった。パートBについて、血清中PSAの要約統計及びPSAのベースラインからの変化を図14に表で示す。
【0277】
パートBの13週1日目の投与後、13週1日目の平均血清中PSA濃度におけるベースラインからの変化は、80mg用量で10.6倍(1060%)の低下(10.6004ng/Lから1.0823ng/Lへの低下)であり、180mg用量で11.3倍(1130%)の低下(6.6275ng/Lから0.5849ng/Lへの低下)である。
【0278】
化合物1の薬物動態を予め評価するために、試験薬を反復投与する際の、前立腺がんを
有する患者における未変化化合物1の血漿中濃度を有効なLC-MS/MS法(LLOQ:0.01ng/mL)で測定した。
【0279】
パートAでは、化合物1製剤を28日間1日1回投与した。1日目(負荷量)ならびに14日目及び28日目(維持量)における血漿中未変化化合物1濃度-時間のプロファイルを図15A図15Cに示し、事前の薬物動態パラメータを図16にまとめている。
【0280】
1日目に320mgの負荷量を経口投与した。未変化化合物1の血漿中濃度は投与コホートにわたって投与後速やかに上昇した。平均最大薬物濃度-時間(Tmax)は1.0時間または1.5時間であった。コホート間の平均Cmaxまたは平均血漿中AUC24にほとんど差異は認められなかった。2日目の後、80~160mgの維持量を1日1回反復投与した。14日目及び28日目において、全てのコホートにおいて、投与後、未変化化合物1の血漿中濃度が速やかに上昇した。Tmax中央値は0.5~2.0時間であった。平均Cmax、Cトラフ及び平均血漿中AUC24は概ね、用量に比例して上昇した。28日目における平均血漿中T1/2は66.5~78.1時間であり、コホート間に差異はほとんど認められなかった。
【0281】
パートBでは、80mgまたは120mgの維持量(両方のケースにおいて1日目に320mgの負荷量で開始)を1日1回反復投与した。2週目~25週目の未変化化合物1の平均トラフ血漿中濃度を図17A及び図17Bに示す。未変化化合物1のトラフ血漿中濃度中央値は、80mg群(n=3~15)で2.60ng/mL~6.09ng/mLの範囲であり、120mg群(n=3~14)で5.72ng/mL~10.7ng/mLの範囲であり、両群において経時的にほぼ一定に維持された。
【0282】
実施例7:健康な男性におけるテストステロン低下の薬物動態及び薬力学に対する化合物1の効果を評価するための二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験
目的:2週間及び4週間の単回かつ1日1回の投与後に健康な男性被験者における化合物1のPK、薬力学(PD)、安全性及び忍容性を評価することである。
【0283】
主要所見:PKは80~360mgの範囲の投与に比例した。180mg用量における食物効果は40mg用量で認められた食物効果と同様であり、食物効果が用量非依存性であることを示した。ANOVAの結果は、摂食状態時対空腹状態時の最小二乗平均(90%CI)のCmaxとAUC0-infの比率がそれぞれ48.25(22.62~102.90)及び52.74(29.99~92.76)であることを示した。360mg単回投与は投与後24時間以内に去勢濃度(50ng/dL未満)をもたらした。1日目の360mg及び2~14日目の40mgは速やかな去勢濃度をもたらし、去勢濃度を維持した。1日目の320mg、2日目の160mg、及び3~28日目の40mgは去勢濃度を維持しなかった。1日1回の80mgは、去勢濃度に到達するのに最長21日間を要した。
【0284】
本試験は、化合物1、経口GnRHアンタゴニストの安全性、忍容性、薬物動態及びテストステロン低下効果を評価するための、健康な男性における無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回及び複数回用量試験であった。本試験は、4つのパート、すなわち4投与コホートにわたる化合物1製剤の単回用量投与に加えてプラセボを含み摂取/空腹群を含むパート1(入院患者)、14日間の5投与コホートにわたる化合物1製剤の複数回用量投与に加えてプラセボを含むパート2(入院患者)、ならびに、28日間の2投与コホートにわたる化合物1製剤の1日1回(QD)、複数回用量投与(合計で4用量濃度)に加えてプラセボを含むパート3及び4(外来患者)を有していた。
【0285】
それぞれが活性化合物1を含有する薄赤色に着色されたフィルムコート錠として化合物
1製剤を提供した。120mg化合物1製剤は、化合物1(120mg)、マンニトール(366mg)、微結晶セルロース(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(18mg)、クロスカルメロースナトリウム(30mg)及びステアリン酸マグネシウム(6mg)のコア錠を含んでいた。ヒプロメロース2910(21.36mg)、二酸化チタン(2.4mg)及び赤色酸化第二鉄(0.06mg)を含むフィルムコーティング剤でコア錠をコーティングした。コア錠内の添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量をコア錠内の化合物1の量に基づいて適宜調節した(例えば、360mg錠では、コア上錠に加える添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量は、120mg錠に加える量の3倍である)。
【0286】
パート1では、80mg、120mg、180mg及び360mg化合物1製剤の単回経口用量を投与した。パート2では、80mg、180mg、40mg及び20mg化合物1製剤を14日間投与した。14日間の処置投与において1日目の360mgの単回負荷量とともに40mg用量を1日1回投与した。20mg用量用に、一方では、1日目の320mg、2日目の240mg、3日目の160mgの負荷量とともに20mg用量を投与し、もう一方では、1日目の320mg、2日目の160mgの負荷量とともに20mg用量を投与した。試験のパート3及び4では、それぞれ40mgまたは160mg及び60mgまたは80mgの化合物1製剤を28日間QDで投与した。それぞれ処置の1日目及び2日目の320mg及び160mgの負荷量ともに40mg用量を投与した。
【0287】
パート1は単回経口用量投与を含み、パート2は14日間の毎日の処置を含み、パート3及び4は28日間の毎日の処置を含んでいた。
【0288】
化合物1の血漿中濃度(パート1~4)及び尿中濃度(パート1及び2)を測定するために、血液試料(約4mL)及び尿試料を採取した。タンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いた有効な液体クロマトグラフィー法を使用して試料を解析した。LLOQは、血漿中で0.0100ng/mLであり、尿中で0.500ng/mLであった。
【0289】
主要な薬力学変量は、パート1~4において化合物1製剤の単回及び複数回用量投与の後に規則的な間隔で測定された、LH及びテストステロンの血清中濃度を含んでいた。試料の一部で、FSH、DHT及びインスリン様成長因子1(IGF-1、パート3及び4のみ)を測定した。従来のスクリーニング用の免疫測定法を使用して血清中テストステロンを測定した(LLOQ=0.4nmol/L)。有効なLC/MS/MS法(0.173nmol/LのLLOQ、及び10.425nmol/LのULOQ)を全ての続くベースライン測定(すなわち、処置開始前における被験者の血清中ホルモン濃度)及び投与後測定に使用した。
【0290】
化合物1製剤の単回及び複数回用量の薬物動態の特性を明らかにするために、また化合物1製剤の薬物動態に対する食物の効果を評価するために、非コンパートメント法(WinNonlin Enterprise バージョン5.2)を使用して、パート1及び2で得た個々の化合物1血漿中及び尿中濃度-時間データを解析した。化合物1製剤の個々の血漿中及び/または尿中濃度ならびに単回及び複数回用量PKパラメータを、試験パート、試験日及び用量濃度毎に列挙して記述的にまとめた。用量に対して、個々の用量正規化曝露パラメータ、すなわち用量調節した観察平均Cmax/D、用量調節した平均血漿中AUC0-tlqc/D及び用量調節した平均血漿中AUC0-∞/D、または、投与間隔にわたり用量調節した平均血漿中AUC0-tau/Dをプロットすることにより、単回及び複数回投与後における化合物1製剤のPKパラメータの用量比例関係を最初にグラフを用いて考察した。次に、分散分析手法(ANOVA)とパワーモデル手法の両方を使用して正式な評価を実施した。パート1(コホート3)では、化合物1の経口生物学的利用能に対する食物の効果を評価するために化合物1のln変換PKパラメータ[平均
血漿中AUC0-tlqc、平均血漿中AUC0-∞及び平均Cmax]に対してANOVAを実施した。パート2では、それぞれの用量濃度の時間対複数回投与(Cトラフ)中における平均観察投与前血漿中濃度プロファイルの目視検査に基づいて定常状態到達を確認した。1日目及び28日目に被験者毎に採取した投与後試料の限られた数を考慮して、パート3及び4のデータの非コンパートメント解析は計画しなかった。
【0291】
薬力学指標は、テストステロン、DHT、LH及びFSHの血清中濃度を含んでいた。パート2では、投与の2週目の間に生じる0.69nmol/L未満の平均血清中テストステロン濃度を有する被験者の数及びパーセンテージを表にした。パート3及び4では、14日目から28日目まで常に0.69nmol/L未満の血清中テストステロン濃度を有する被験者の数及びパーセンテージを表にした。
【0292】
パート1では、空腹状態下における4種類の用量濃度(80、120、180及び360mg)及び標準的なFDA推奨高脂肪高カロリー朝食の摂取(摂取状態)後30分における1種類の用量濃度(180mg)による、健康な男性被験者における化合物1の単回用量薬物動態を評価した。化合物1の平均血漿中濃度-時間プロファイルを図18A図18B及び図19に示す。関連する血漿中及び尿中PKパラメータの一覧を図20に示す。
【0293】
パート2では、14日間QDで投与される4種類の用量レジメン(20、40、80及び180mg)による、健康な男性被験者における化合物1の複数回用量薬物動態を評価したが、これらの用量のうちの3種類は最初の1、2または3日の間に投与される負荷量を含んでいた。1日目及び14日目における平均化合物1血漿中濃度-時間プロファイルを図21A及び図21Bにグラフで示す。1日目及び14日目に得られた全ての関連する血漿中及び尿中PKパラメータの要約をそれぞれ図22及び図23に示す。
【0294】
1日目及び14日目において、標準朝食の摂取の30分前に健康な成人男性被験者に投与された化合物1は血漿中に速やかに吸収された。観察ピーク濃度は通常、投与後1~2時間以内に得られた。空腹状態時(パート1)または標準食(パート2、1日目)の摂取の30分前に投与された単回180mg用量の吸収プロファイルを比較すると、化合物1の吸収率(平均Cmax及びTmax)には変化が認められなかった一方で、平均血漿中AUC0-24がより低い程度(約28%)に低下したことが確認された。
【0295】
化合物1は単回及び複数回の経口投与後、血漿中に速やかに吸収された。試験した全ての用量における個々の初回値からTmax値は投与後0.5~12時間の範囲(中央値約2時間)であり、吸収相はやや不規則であった。食事との同時投与は、空腹状態時と比較して、平均Cmax及び平均血漿中AUC0-∞を約50%低下させ、吸収を遅延させた(平均Tmax5時間)。標準食の摂取の30分前に投与すると、化合物1全身曝露(平均血漿中AUC)が平均で約28%低下した一方で、吸収率は変化しなかった。
【0296】
化合物1の血漿への吸収は、空腹状態時と比較して標準的なU.S.FDA高脂肪高カロリー朝食(約800~1000カロリー、50%は脂肪由来)の開始の30分後に投与された単回180mg用量の後に低下及び遅延した。Tmax中央値は摂取状態下で1.75時間から5.00時間に延長した。摂食状態時対空腹状態時の最小二乗平均の平均Cmaxと平均血漿中AUCの比率(及び関連90%CI)はそれぞれ48.25%(22.62%、102.90%)及び52.74%(29.99%、92.76%)であり、化合物1の経口生物学的利用能に対する食物の臨床有意効果を示していた。14日間入院患者複数回用量パート2において、標準朝食(約600カロリー、27%は脂肪由来)の摂取の30分前に化合物1製剤を毎日投与した。これらの条件下では、化合物1への全身曝露はより低い程度(平均で約28%)に低下し、空腹状態時と比較して吸収率に明らかな変化は認められなかった。その結果、28日間外来患者複数回用量パート3及び4に
おいて、可能なときはいつも、朝起床して胃が空の状態で化合物1製剤を服用し、服用後約30分で食事を開始するよう被験者に指示を行った。
【0297】
一般的に、平均Cmax及び平均血漿中AUC0-∞におけるほぼ用量に比例する上昇は、80mg~360mgの単回用量後に認められた。定常状態では、平均血漿中AUC0-tauが20~180mg QDの用量範囲による化合物1の複数回投与後に用量比例性で上昇した一方で、平均Cmaxは用量比例をわずかに超えて上昇した。全ての試験パートにわたる化合物1全身曝露において中程度から大きな個体間変動が存在することが確認された。
【0298】
平均Cmax達成後、血漿中化合物1濃度は、単回投与後19.1~21.7時間及び反復投与後35.8(180mg QD)~64.5時間(20mg QD)の範囲の平均血漿中T1/2で多指数関数的に低下した。QD投与の開始後11~14日以内に定常状態に到達した。平均血漿中AUC0-tauに基づく観察蓄積因子は、80mg及び180mgのQD用量レジメンでそれぞれ1.92及び2.16であった。
【0299】
化合物1の4%未満は、単回投与及び反復投与の後、尿中に未変化のまま排泄された。化合物1の平均腎クリアランスがその総クリアランスのうちの極一部を表していることから、腎排泄が化合物1の除去において小さな役割を果たしていることを示した。
【0300】
臨床的に意義のある平均血清中テストステロン抑制が化合物1の80mg、120mg、180mg及び360mgの単回用量の4~6時間後に生じ、この抑制が投与後36時間にわたり維持されることが認められた。平均血清中LH濃度プロファイルは、これら4種類の用量においてテストステロンと同様であった。処置期間(パート1)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)を図24に示す。化合物1の単回用量投与(パート1)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過を図25にグラフで示す。処置期間(パート1)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)を図26に示す。
【0301】
処置期間(パート1)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)を図27に示す。平均血清中FSH濃度プロファイルは、80、120、180及び360mg群の対応する時点においてそれぞれの投与コホートにわたり同様であった。平均血清中FSH濃度は、投与後2時間で低下し始め48時間時点で低い値となった。
【0302】
処置期間(パート1)の間における平均血清中DHT濃度-時間データ(nmol/L)を図28に示す。平均血清中DHT濃度プロファイルは、80、120、180及び360mg群の対応する時点においてそれぞれの投与コホートにわたり同様であった。平均血清中DHT濃度は投与後2時間で低下し始めた。DHTの低下は180及び360mg投与コホートにおいてより顕著であり、わずかで変動する更なる低下が12時間時点の後に生じた。
【0303】
14日間の毎日投与の後、平均血清中LH及びテストステロン濃度プロファイルは、80mg、180mg及び40mgの化合物1投与コホートにおいて同様であった。濃度は投与後2~6時間から14日目まで低下した。1~3日間の負荷量レジメンまたは180mg QD用量のいずれかにより、投与開始後最初の48時間にわたって血清中テストステロン濃度の速やかな低下がもたらされた。しかしながら、毎日の維持量が、維持される血清中テストステロン抑制の主な決定因子であった。40、80及び180mg用量の14日間の複数回投与で大幅去勢閾値(本試験では0.69nmol/L未満の平均血清中テストステロン濃度と定義する)を達成したが、20mg QDは、2週目の間における血清中LH及びテストステロン濃度レベルの十分な抑制を維持するには不十分であった。
【0304】
化合物1の用量増加に伴い観察された有害事象(AE)の発現率に上昇は認められなかった。全ての投与コホートにわたり観察された最も一般的な、処置下で発現した有害事象(TEAE)は、徐脈、顔面潮紅及び頭痛であった。最も一般的な薬物関連TEAEは顔面潮紅であった。14日間または28日間の化合物1製剤による単回用量処置または複数回用量処置の後に、死亡、重篤な有害事象(SAE)または重度のAEは認められなかった。
【0305】
安全性の結果は、投与された単回及び複数回用量の化合物1製剤が安全で十分に耐性があることを示した。
【0306】
化合物1は単回及び複数回用量の経口投与後、血漿中に速やかに吸収された。平均Cmax(通常は反復投与後1~2時間以内に生じる)達成後、血漿中化合物1濃度は平均沈着相を伴い多指数関数的に低下した。平均血漿中T1/2は20~180mgのQD用量範囲にわたり約36~65時間であった。化合物1全身曝露における中程度から大きな個体間変動は全ての試験パートにわたり明らかであった。
【0307】
定常状態では、平均血漿中AUC0-tauが20~180mg QDの用量範囲による化合物1の複数回投与後に用量比例性で上昇した一方で、平均Cmaxは用量比例をわずかに超えて上昇した。QD投与後、10~14日以内に定常状態に到達し、化合物1全身曝露は約2倍(200%)上昇した。
【0308】
食物との同時投与は、空腹状態時と比較して、化合物1全身曝露(平均Cmax及び平均血漿中AUC0-∞)を約50%低下させ、吸収を遅延させた。
【0309】
有効な内科的去勢は、80mg、160mg及び180mg QDの維持量において一貫して達成された。180mg以上の負荷量のみが、24~48時間以内に1.73nmol/Lの内科的去勢限界値未満の血清中テストステロン濃度をもたらした。薬力学反応における大きな変動はコホートにわたり明らかであるが、より高用量の化合物1はより強力な血清中テストステロン抑制をもたらした。本試験に基づき推奨される安全で有効量のレジメンは、処置期間中の去勢維持のためのQDで80mg以上の化合物1であった。
【0310】
GnRHアンタゴニストの作用機序と一致して、化合物1は、下垂体GnRH受容体への競合的結合の結果としてゴナドトロピン(LH、FSH)及び血清中テストステロンの速やかかつ効果的な抑制をもたらした。
【0311】
処置期間(パート2)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)を図29に示す。化合物1の複数回経口用量投与(パート2)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過を図30にグラフで示す。処置期間(パート2)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)を図31A及び図31Bに表で示す。
【0312】
処置期間(パート2)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)を図32に示す。投与後平均血清中FSH濃度プロファイルは、80、180、40及び20mg群の対応する時点においてそれぞれの投与コホートにわたり同様であり、それら濃度プロファイルは投与後24時間から14日目(投与の終了)まで低下した。
【0313】
処置期間(パート2)の間における平均血清中DHT濃度-時間データ(nmol/L)を図33に示す。平均血清中DHT濃度プロファイルはほぼ血清中テストステロンと一致した。
【0314】
パート2における16日間の80mg及び180mgの化合物1製剤の投与後、16日間の処置終了時における平均血清中LH濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で13.8倍(1380%)の低下(4.57IU/Lから0.33IU/Lへの低下)であり、また180mg用量で17倍(1700%)の低下(3.90IU/Lから0.23IU/Lへの低下)であった。
【0315】
パート2における16日間の投与後、16日間の処置終了時における平均血清中テストステロン濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で29倍(2900%)の低下(10.40nmol/Lから0.3565nmol/Lへの低下)であり、また180mg用量で24倍(2400%)の低下(10.40nmol/Lから0.4320nmol/Lへの低下)である。
【0316】
パート2における16日間の投与後、16日間の処置終了時における平均血清中FSH濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で9.1倍(910%)の低下(6.07IU/Lから0.67IU/Lへの低下)であり、また180mg用量で11.8倍(1180%)の低下(3.88IU/Lから0.33IU/Lへの低下)である。
【0317】
パート2における16日間の投与後、16日間の終了時における平均血清中ジヒドロテストステロン濃度のベースラインからの変化は、80mg用量で1.7倍(170%)の低下(1.883nmol/Lから1.095nmol/Lへの低下)であり、また180mg用量で2.2倍(220%)の低下(1.882nmol/Lから0.865nmol/Lへの低下)である。
【0318】
本試験のパート3及び4の健康な高齢男性において、有効な内科的去勢は、40mg~180mg(14日間)及び80mg~160mg(28日間)の1日量の14日間及び28日間の投与により一貫して達成された。最長3日間の負荷量(または160mg以上の1日量)を使用することにより、24~48時間以内に血清中テストステロンの去勢濃度(50ng/dL、すなわち1.73nmol/L)未満がもたらされた。
【0319】
処置期間(パート3)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)を図34に示し、治療期間(パート4)の間における平均血清中LH濃度-時間データ(IU/L)を図39に示す。化合物1の複数回経口用量投与(パート3)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過を図35に示し、化合物1の複数回経口用量投与(パート4)後における血清中テストステロン低下の平均時間経過を図40に示す。処置期間(パート3)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)を図36に示し、処置期間(パート4)の間における平均血清中テストステロン濃度-時間データ(nmol/L)を図41に示す。
【0320】
処置期間(パート3)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)を図37に示し、処置期間(パート4)の間における平均血清中FSH濃度-時間データ(IU/L)を図42に示す。
【0321】
処置期間(パート3)の間における平均血清中DHT濃度-時間データ(nmol/L)を図38に示し、処置期間(パート4)の間における平均血清中DHT濃度-時間データ(nmol/L)を図43に示す。
【0322】
28日間の投与において、160mg(パート3)と80mg(パート4)の両方は、3週目及び4週目の反復投与中に内科的去勢(1.73nmol/L未満)及び大幅去勢(0.69nmol/L未満)を達成するのに有効であった。しかしながら、40mg
QD用量は14~28日目における去勢の維持には有効ではなかった。60mg QDの結果は40mgの結果と80mgの結果の中間であり、内科的去勢に見込みのある最小限で有効な維持量が80mg QD以上であることを示唆していた。
【0323】
20~180mg QDの試験用量範囲にわたり観察された血清中テストステロンの用量依存的抑制と一致して、血清中テストステロン低下反応の規模は個々の化合物1血漿中トラフ濃度と相関関係にあり、化合物1全身曝露が高くなるほど、より多くの数の被験者が治療期間中にわたり内科的去勢を達成及び維持することになった。80mg以上の維持量が関係する4ng/mL超の中央化合物1トラフ濃度では、化合物1製剤による28日間の処置の後、全ての被験者の血清中テストステロンは1.73nmol/Lの内科的去勢濃度未満に低下し、そのうちの大多数の血清中テストステロン濃度は0.69nmol/Lの大幅去勢閾値未満に低下していた。
【0324】
健康な男性の14日間の化合物1による処置(パート2)の後における血清中テストステロン抑制の時間経過を図44A図44Dに示す。健康な男性の血清中テストステロン抑制と化合物1定常状態曝露(パート2)の間の相関を図45に示し、健康な男性の血清中テストステロン抑制と化合物1定常状態曝露(パート3及び4)の間の相関を図48に示す。健康な男性の28日間の化合物1による処置(パート3及び4)の後における血清中テストステロン抑制の時間経過を図46A図46Dに示す。28日間の化合物1による処置(パート3及び4)の後に去勢濃度未満の血清中テストステロンに達した被験者のパーセントを図47A及び図47Bに示す。
【0325】
化合物1には十分に耐性があり、短期的な内科的去勢効果と相関関係にない限りにおいて症候的意義のあるAEは認められなかった。症状または総ビリルビン変化を伴わない軽度から中程度のトランスアミナーゼ上昇が認められた。QT/QTc間隔の変化は、その他の内科的去勢剤に関して文献に記載されているQT/QTc間隔の変化と一致した。
【0326】
実施例8:進行性前立腺がんを有する男性におけるテストステロン低下及びPSA反応のための化合物1の効果を評価するための試験
本試験では、第一選択のアンドロゲン遮断療法(ADT)を必要とする進行性前立腺がんを有する患者はが、毎日の80mgまたは120mgの経口化合物1製剤(1日目に320mgの負荷量)、または22.5mgのロイプロリド酢酸エステル(SC)のいずれかを投与された。120mg化合物1製剤は、化合物1(120mg)、マンニトール(366mg)、微結晶セルロース(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(18mg)、クロスカルメロースナトリウム(30mg)及びステアリン酸マグネシウム(6mg)のコア錠を含んでいた。ヒプロメロース2910(21.36mg)、二酸化チタン(2.4mg)及び赤色酸化第二鉄(0.06mg)を含むフィルムコーティング剤でコア錠をコーティングした。適宜コア錠内の化合物1の量に基づいて、コア錠内の添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量を調節した(例えば、360mg錠ではコア錠に加える添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量は、120mg錠に加える量の3倍である)。
【0327】
化合物1製剤または従来のロイプロリド酢酸エステルを最長48週間投与した。化合物1による治療において、ベースライン(1週目)、2、3及び5週目の1日目、その後49週目(48週間のコア試験期間の終了)まで4週間毎に試験来院日を設定した。12週間以上の化合物1治療を完了した全ての患者を、4週目(治療終了、EOT)、8週目(経過観察来院)及び12週目(試験終了、EOS)に評価を行う12週間の治療中止に進めた。ロイプロリド酢酸エステル(リュープロレリン)を投与されている患者において、ベースライン(1週1日目)、2、3及び5週目の1日目、それから25週目まで4週間毎に、その後12週間間隔(37週目及び49週目)で治療中の試験来院日を設定した。
37週1日目に自身の最終注射としてリュープロレリンの投与を受けた患者は、49週1日目の来院をリュープロレリン曝露の終了とみなした。患者は、最終リュープロレリン注射後16週目(EOT)、20週目(経過観察来院)及び24週目(EOS)の来院時にリュープロレリンの投与を受ける。
【0328】
適格な男性は、前立腺の腺癌であると組織学的な確定診断を受けた18歳以上の年齢であり、以下の臨床疾患状態:主要な外科的治療または放射線治療に適さない進行性局所性疾患;治療目的の主要な手術または放射線治療の後にPSA生化学的または臨床的再発のエビデンス;または、無症候性であり内臓浸潤を伴わない新たに診断された転移性疾患、のうちの1つを有するホルモン感受性前立腺がんを管理するためのADTの候補であった。スクリーニング時の別の組み入れ基準としては、性腺機能の正常な血清中テストステロン150ng/dL(5.2nmol/L)超;血清中PSA濃度2ng/mL超(または、適用可能な場合、根治的前立腺切除術後における0.2ng/mL超、もしくは放射線治療後における放射線治療後最下点超の2ng/mL超);スクリーニング及び/またはベースライン時におけるボディマス指数(すなわち、治療開始前における被験者のBMI)18.0以上;及び、0または1のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス、が挙げられた。即座のGnRH治療、化学療法または放射線治療を必要とし、臨床的に有意な症状または内臓浸潤を伴う進行性で局所性のM0N1またはM1疾患を有する患者は、試験に適格ではなかった。
【0329】
化合物1製剤の投与を受けている本試験の患者において観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度は、実施例7の健康な高齢男性の試験中に観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度と同様であった。それぞれの来院時に血清中テストステロン濃度を測定した。化合物1製剤の投与を受けている患者において、血清中テストステロンは平均で、4日目(3日目の終了)の来院までに50ng/dL(1.73nmol/L)の内科的去勢閾値未満に低下し、5週1日目の来院までに20ng/dL(0.69nmol/L)の大幅去勢閾値未満に低下した。それに対し、ロイプロリド酢酸エステルの投与を受けている患者では、血清中テストステロン濃度は、治療の最初の1~2週間の間に上昇してから5週1日目までに去勢濃度に低下した。化合物1群において、血清中テストステロン中央値は5~49週目まで大幅去勢閾値未満(20ng/dL未満)に抑制された。最も一般的な有害事象は顔面潮紅であり、化合物1 80mg群、化合物1 120mg群、リュープロレリン群でそれぞれ31名(55%)、35名(65%)及び15名(63%)の患者であった。
【0330】
試験及び経過観察期間中にわたって生活の質(QoL)を評価した。25-item Prostate Cancer Module of the European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire (EORTC QLQ-PR25)、Aging Male Survey(AMS)、及びcore 30-item EORTC Quality of Life Questionnaire(EORTC QLQ-C30)を、スクリーニング時、5、13、25、37及び49週目の1日目、また適用可能な場合、経過観察来院時に記入させた。
【0331】
それぞれの来院時にPSA濃度を測定した。化合物1製剤の投与を受けている患者において、PSA濃度は平均で、13週1日目の来院までに0.4ng/mL未満に低下し、21週1日目の来院までに0.2ng/mL未満に低下した。治療開始後におけるPSA反応は、リュープロレリンと比較して、化合物1の投与を受けている患者においてより速やかであった(図52)。化合物1の投与を受けている患者はまた、ロイプロリド酢酸エステルの投与を受けている患者よりも速やかにPSA最下点を達成した(表1)。化合物
1の投与を受けている患者の83パーセントが4週間の治療後に50%以上の血清中PSA低下を示したのに対し、ロイプロリドの投与を受けている患者においては20%のみであった。化合物1の投与を受けている患者の8%が4週間の治療後に90%以上の血清中PSA低下を示したのに対し、ロイプロリドの投与を受けている患者においては0%であった。
【0332】
【表1】
【0333】
それぞれの来院時にFSH濃度も測定した。化合物1はリュープロレリン(ロイプロリド酢酸エステル)と比較してより高いFSH抑制をもたらした。このことは80mgの化合物1と120mgの化合物1の両方において認められた(表2)。ロイプロリド(アゴニスト)を用いた48週間の治療後におけるFSH中央値は約4.2mIU/mLであった。ロイプロリドによりFSHが低下してはいるが、それは持続的な抑制ではなかった。しかしながら、化合物1(アンタゴニスト)を用いると、FSH中央値は48週間の治療後において1.62mIU/mLであり、この中央FSHは48週間を超えてより長期的に持続された。FSHは、48週間にわたる化合物1 120mg用量で、ベースライン時の10mIU/mL超から0.6~1.6mIU/mLの範囲へと低下した。
【0334】
【表2】
【0335】
本試験の結果は、化合物1製剤の投与を受けている患者において観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度が、実施例7の健康な高齢男性の試験中に観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度と同様であったことを示した。化合物1製剤の投与を受けている患者において、血清中テストステロンは平均で、4日目(3日目の終了)の来院までに50ng/dL(1.7nmol/L)の内科的去勢閾値未満に低下し、5週1日目の来院までに20ng/dL(0.7nmol/L)の大幅去勢閾値未満に低下した。それに対し、ロイプロリド酢酸エステルの投与を受けている患者では、血清中テストステロン濃度は、治療の最初の1~2週間の間に上昇してから5週1日目までに去勢濃度に低下した。化合物1治療の開始後において、血清中テストステロンの急上昇または結果として生じる腫瘍フレアは生じなかった。リュープロレリンによるPSA反応の遅延と比較した化合物1投与による最初の2週間にわたるPSAのより速やかな低下は、
化合物1介在性GnRH拮抗の作用及び治療効果の速やかな発現を示している。24週間の投与終了時に利用可能なデータは、PSA応答%がほとんどの患者において90%を超過していることを示した。
【0336】
EOT(治療終了後4週間)時の血清中テストステロン濃度中央値は、120mgの化合物1で72.9ng/dLであったのに対し、リュープロレリンでは9.8ng/dLであった(表3及び表4)。治療中断後8週間の経過観察来院時、血清中テストステロン濃度中央値は、120mgの化合物1で329.8ng/dLであったのに対し、リュープロレリンで9.8ng/dLであった。治療中断後12週間のEOS時、血清中テストステロン濃度中央値は、120mgの化合物1で322.8ng/dLであったのに対し、リュープロレリンで13.5ng/dLであった。化合物1による治療中断後の血清中テストステロン濃度は、治療終了後4週間の後において内科的去勢濃度(50ng/dLまたは1.7nmol/L)超であった。
【0337】
【表3】
【0338】
【表4】
【0339】
48週間の化合物1治療の中断後に12週間の回復データを有する患者において(テストステロン回復データに一致して)、QoL、例えば、EORTC QLQ-PR25のAMSスコア(表5及び表6、AMSスコアが小さい方が良好)及び性行為スコアなどは、リュープロレリン群と比較して化合物1群でより改善されているようであった。
【0340】
【表5】
【0341】
【表6】
【0342】
安全性集団(1用量以上の試験薬の投与を受けた)を使用して有効性及び安全性の解析を実施した。安全性集団は、化合物1 80mg群、化合物1 120mg群及びリュープロレリン群でそれぞれ56名、54名及び24名の患者を含んでいた。治療下で発現した有害事象の発現率、重症度及び種類を記録することにより、理学的検査(眼球前部の細隙灯検査を含む)により、および体重、バイタルサイン、12誘導心電図(ECG)及び臨床検査パラメータのベースラインからの変化を評価することにより、安全性を評価した。全試験期間中、及び、化合物1の最終投与後30日間または最終リュープロレリン注射後12週間プラス30日間における、全ての有害事象及び重篤な有害事象を記録した。有害事象は、Medical Dictionary for Regulatory Activitiesバージョン19.0を使用してコード化し、National Cancer Institute Common Terminology Criteriaバージョン4.03に従い等級付けした(表7及び表8)。安全性に関わる血液学、化学及び尿検査の測定をそれぞれの試験来院日に実施し、中央検査室(LabCorp)で解析した。安全性評価の一部としてリン脂質症を評価した。化合物1の総合的な安全性プロファイルはより小規模な観察リュープロレリンコホートに見られる安全性プロファイルと同様であると思われ、患者の服薬遵守または長期維持のいずれかに影響を及ぼし得る「オフターゲット」または非ADT関連副作用を示唆するものではなかった。リン脂質症(非臨床毒性試験においてラットで認められた化合物1治療の有害事象)の存在を評価するために、化合物1治療患者の徹底的な眼科学的評価を実施した。化合物1群に白内障が現れたが、化合物1のみで治療しリュープロレリンでは治療しなかった患者は、細隙灯診断を含む総合的な眼検査を受けた。臨床的有意性は未知であるが、全ての治療群において平均補正QT間隔のわずかな延長が生じ、ADTを受けている患者における以前の観察結果を裏付けるものとなった。
【0343】
【表7】
【0344】
【表8】
【0345】
実施例9:外部照射放射線治療に新補助療法及び補助療法としてADTを必要とする前立腺がんを有する男性における化合物1の効果を評価するための試験
外部照射放射線治療(EBRT)は中/高リスク前立腺がんにおける標準的な治療選択肢である。ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アナログなどのアンドロゲン遮断療法(ADT)を補助療法/新補助療法としてEBRTに追加することにより、全生存期間が長くなることが実証されている。本試験では、化合物1またはその薬学的に許容される塩を含む経口製剤の有効性及び安全性を確認した。
【0346】
適格な男性患者は、外部照射放射線治療(EBRT)に6ヶ月間の新補助療法及び補助療法のアンドロゲン遮断療法(ADT)を指示され、局所的な中リスク前立腺がんであると組織学的な確定診断を受けた18歳以上の年齢であった。中リスク前立腺がんを確認するための基準としては、以下、T2b-T2c疾患、グリーソンスコア7、または前立腺特異抗原(PSA)10~20ng/mLのうちの1つの存在が挙げられ、高リスク特性は何ら含んでいなかった。更なる組み入れ基準としては、ベースライン来院の12週間以上後に開始を予定されたEBRT;スクリーニング血清中テストステロン150ng/dL(5.2nmol/L)超;スクリーニングPSA濃度2ng/mL超;スクリーニングまたはベースライン時におけるボディマス指数(すなわち、治療開始前における被験者のBMI)18.0以上;スクリーニング時における0または1のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス、が含まれた。研究者の裁量及び患者の総合的な医学的状態及び疾患状態に関する臨床評価に基づいて、6ヶ月間の新補助療法/補助療法ADTによる効果があると考えられる、高リスク疾患(例えば、グリーソンスコアまたは腫瘍状態に基づいて)を有する高齢男性を参加させた。ほとんどの患者は中リスク疾患を有していた。しかしながら厳密に言えば、数名の患者は、グリーソンスコア、または腫瘍、リンパ節及び転移のステージ分類法に基づき中リスクより上であった。
【0347】
第一選択ホルモン療法としてゴナドトロピン放出ホルモンアナログまたはアンドロゲン受容体アンタゴニストを以前にまたは現在使用している患者(総治療持続期間が6ヶ月間未満であり、予定されるベースライン来院の前に1年以上が経過していない限りにおいて)、試験薬の第1の投与の前の2年間において別の悪性新生物の病歴を有する患者、または、残存病変のエビデンスがある以前の悪性新生物の病歴を有する患者については除外した。別の除外基準としては臨床的に有意な基礎疾患の存在が含まれる。
【0348】
本試験では、患者は、経口化合物1製剤120mgをQDで(1日目に320mgの負荷量)またはデガレリクス80mgをSCで4週間毎に1回(Q4W)(1日目に240mgの負荷量)投与された。両方の治療群は24週間の治療を受けた。患者は、ほとんどの患者において13週1日目~15週1日目の間に開始される外部照射放射線治療(EBRT)の開始前に少なくとも12週間の治療を継続した。遅くても17週1日目までにEBRTを開始した。
【0349】
120mg化合物1製剤は、化合物1(120mg)、マンニトール(366mg)、微結晶セルロース(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(18mg)、クロスカルメロースナトリウム(30mg)及びステアリン酸マグネシウム(6mg)のコア錠を含んでいた。ヒプロメロース2910(21.36mg)、二酸化チタン(2.4mg)及び赤色酸化第二鉄(0.06mg)を含むフィルムコーティング剤でコア錠をコーティングした。適宜コア錠内の化合物1の量に基づいて、コア錠内の添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量を調節した(例えば、360mg錠では、コア錠に加える添加剤の量及びフィルムコーティング剤の量は、120mg錠に加える量の3倍である)。
【0350】
治療期間中(25週1日目を含む)4週間毎、治療終了(29週目と定義される)時、経過観察(33週目)中、及び試験終了(EOS)時に患者を評価した。EOS来院日は、37週目、または、試験薬の最終投与後12週(化合物1)もしくは16週(デガレリクス)、のいずれか早い方として定義した。
【0351】
テストステロン濃度、黄体形成ホルモン(LH)濃度、FSH濃度及びPSA濃度用の試料を、スクリーニング時、第1週の1日目(テストステロン及びLH用に追加で2日目及び4日目)に、その後、2、3、5、9、13、17、21、25、29、33及び3
7週の1日目に採取した。化合物1製剤の投与を受けている患者において、PSA濃度は平均で、13週1日目の来院までに0.2ng/mL未満に低下した。4日目までに、LH濃度は化合物1治療群とデガレリクス治療群の両方で低い値となった(化合物1:0.462mIU/mL、デガレリクス:0.499mIU/mL)。この時点においてFSH濃度は得られなかったが、化合物1またはデガレリクスの投与前の濃度(化合物1:11.826IU/L、デガレリクス:11.716IU/L)からの低下が、両方の群において2週1日目に記録された(化合物1:2.363IU/L、デガレリクス:2.519IU/L)。FSHの抑制はLHの抑制と比較して十分さに欠けていたが、文献とは一致しており、GnRHアゴニストで観察された抑制を超えていた。LH及びFSHの平均濃度は、両方の群において25週1日目の来院まで低い値を維持した(化合物1、LH:0.325IU/L、デガレリクス、LH:0.342IU/L、化合物1、FSH:1.475IU/L、デガレリクス、FSH:1.471IU/L)。
【0352】
core 30-item European Organisation for Research and Treatment of Cancer quality
of life questionnaire(EORTC QLQ-C30)、25-item prostate cancer module EORTC questionnaire(EORTC QLQ-PR25)、及びaging male survey(AMS)により、生活の質(QoL)を評価した。QoL評価を、スクリーニング時、1、5、13及び25週目の1日目、ならびに29、33及び37週目に記入させた。
【0353】
化合物1製剤の投与を受けている本試験の患者において観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度は、実施例7の健康な高齢男性の試験中に観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度、ならびに、実施例8の前立腺がんを有する患者の試験中に観察された血清中テストステロン低下の時間経過及び強度と同様であった。それぞれの来院時に血清中テストステロン濃度を測定した。化合物1製剤の投与を受けている患者において、血清中テストステロンは平均で、4日目(3日目の終了)の来院までに50ng/dL(1.73nmol/L)の内科的去勢閾値未満に低下し、5週1日目の来院までに20ng/dL(0.69nmol/L)の大幅去勢閾値未満に低下した。
【0354】
本試験では、1日目から15日目にわたる血清中テストステロン低下は、最初の24時間にわたり速やかな低下を示し、投与(または負荷量注射)開始後72時間(1週4日目)において平均で内科的去勢濃度未満の血清中テストステロンを示した。25週間にわたる毎日の化合物1 120mgの血清中テストステロン低下作用は、デガレリクス注射剤アンタゴニストアナログによる低下作用と同じくらい維持された。8週間の投与の終了時(放射線治療の開始前)において、前立腺及び腫瘍が元の位置に維持されたホルモン感受性がんを有する患者におけるPSA応答%は、実施例8の試験で観察されたPSA応答%よりも低かったが、それにもかかわらず、ほとんどの患者で89%を超えていた。化合物1製剤治療群とデガレリクス治療群の両方におけるPSA応答は同等であると考えられる。12週間の最後までに0.2ng/mL未満のPSA値に達した患者の比率は、化合物1製剤群で30名の患者のうちの6名であるのに対し、デガレリクス群で20名の患者のうちの1名であった。
【0355】
少なくとも12週間の治療を受けた被験者及び少なくとも24週間の治療を受けた被験者における、24週間全体にわたる内科的去勢(50ng/dL未満)及び大幅去勢(20ng/dL未満)の比率を算出した。総合的に言えば、24週間にわたる内科的去勢率と大幅去勢率の両方は、図49に示すように、デガレリクス群(それぞれ89%及び68%)と比較して化合物1群(それぞれ95%及び82%)でより高かった。少なくとも12週間の治療を受けた被験者の去勢率は全体的に同等であった。少なくとも24週間の治
療を有した被験者では、図49に示すように、デガレリクス(内科的去勢及び大幅去勢でそれぞれ86%及び71%)と比較して化合物1治療(内科的去勢及び大幅去勢でそれぞれ98%及び84%)でより高い去勢率の傾向が継続した。
【0356】
内科的去勢濃度の血清中テストステロン(50ng/dL[1.73nmol/L]未満及び20ng/dL[0.69nmol/L未満)に達するまでの期間及び血清中テストステロン回復までの推定期間(12週間の治療中止中にベースライン値まで回復した患者の推定パーセンテージ、及び280ng/dL超まで回復したパーセンテージを含む)を算出した。
【0357】
去勢までの期間は治療群間でほぼ同等であるようであった。内科的去勢(50ng/dL以下)までの平均期間は、化合物1群で4日間(95%CI:2~4)であり、デガレリクス群で3日間(95%CI:2~4)であった。大幅去勢(20ng/dL以下)までの平均期間は、化合物1群で15日間(95%CI:8~15)であり、デガレリクス群で12日間(95%CI:8~15)であった。
【0358】
治療を止めた後、デガレリクス群の平均血清中テストステロン濃度は試験終了まで低い値を維持した。化合物1群では、血清中テストステロン濃度は、経過観察来院時及び試験終了時において約10nmol/Lに上昇した(1.7nmol/Lは内科的去勢濃度)。図50に示すように、血清中テストステロンがベースライン濃度または280ng/dL超に回復するまでの期間は、デガレリクス群と比較して化合物1群でより速やかであった。治療の12週間後、被験者の約43%が12週間までに治療前の血清中テストステロン濃度または280ng/dL以上の血清中テストステロン濃度に達するのに対し、デガレリクスでは5.3%のみである(表9)。少なくとも12週間または24週間の治療を受けた患者において結果は同様であった。ベースライン血清中テストステロン濃度または280ng/dL超の血清中テストステロン濃度の達成に基づくと、化合物1群は、デガレリクス群と比較してこれらの濃度のより速やかな達成を示した(図53)。
【0359】
【表9】
【0360】
総合的な安全性集団のカプランマイヤー推定値に基づいた血清中テストステロン回復までの時間の一覧を図51に示す。回復までの(95%CI)日数の中央値は、化合物1群
で91(62、127)日であり、デガレリクス群で100(100、106)日であった。図51に示すように、化合物1で治療した患者は、デガレリクスで治療した患者と比較して試験中に血清中テストステロン回復を達成する確率がより高かった。少なくとも12週間の治療を受けた患者における結果は、総合的な安全性集団の結果と同一であった。少なくとも24週間の治療を受けた患者における結果は両群について総合的な結果に比較的類似していたが、化合物1群において、回復までの(95%CI)日数の中央値は86(58、93)日であり、最終投与から12週目までの回復率(95%CI)は46.0%(31.8%、60.7%)であった。血清中テストステロン回復のベースラインまたは280ng/dL超への回復を別々に推定したところ、化合物1群では、ベースライン血清中テストステロン濃度の達成と比較して280ng/dL超の達成確率がより高かった。
【0361】
24週間の終了時における治療の中断後、血清中テストステロン回復、ならびにPSA及び生活の質の関連変化を評価するための別の12週間に患者を進めた。経過観察期間の終了時において、デガレリクスの投与を受けている患者ではわずか6%であるのに対し、化合物1の投与を受けている患者の約半数は、ベースラインテストステロン値または280ng/dL超のいずれか低い方まで回復していた。デガレリクス群では、試験来院の終了時において、比較的わずかなLH回復が認められ、血清中テストステロン中央値は50ng/dL未満を維持しており、血清中テストステロンは38名の患者のうちの6名のみで回復の定義を満たしていた。第1の12週間の治療中における患者報告アウトカムは両治療群でほぼ同等であり、短期的な内科的去勢と一致していた。化合物1治療群では、ホルモン及び性に関連する症状(例えば、顔面潮紅)からのより速やかな緩和傾向が認められた。
【0362】
28週目/EOT来院時における中央テストステロンは93.9ng/dLであった(表10)。これは化合物1の中断後4週目であった。それゆえ、治療中断後4週間におけるテストステロン中央値は十分に50ng/dL去勢閾値超であった。比較すると、デガレリクスのテストステロン中央値は、同時点(28週目/EOT)で9.6ng/dLであり、中断後8週目(32週目/経過観察)で16.1ng/dLであり、中断後12週目(36週目/EOS)で30.0ng/dLであった。それゆえ、注射剤GnRHアンタゴニスト(デガレリクス)では、テストステロンは、24週間の試験後12週目(デガレリクスの最後の毎月注射後16週目)においてなおも去勢閾値未満に抑制されていた。
【0363】
【表10】
【0364】
EOTからEOSまでにおいて、QoL、例えば、AMSスコア及び性行為スコアなどは、デガレリクス群よりも化合物1群でより改善しているようであり、テストステロン回復の観察パターンと一致していた(表11)。24週間の終了時における試験薬治療の中断後(または21週1日目におけるデガレリクスの最後の注射後の4週間後)、更なる12週間、テストステロンの回復及びPSAの関連変化を経過観察した。化合物1の投与を受けている患者のほぼ半数は8週間の経過観察までにベースライン値または280ng/dL超のいずれかに回復しており、続く4週間にわたっては明らかな回復はほとんど認められなかった(12週間の経過観察)。それに対し、12週間の経過観察時点までに回復したのは、デガレリクスの投与を受けている患者のわずか6%であった。回復期間中におけるPSAの変化には極めてわずかな差異が認められ、化合物1の投与を受けている患者では約0.2~0.4ng/mLの上昇であった。8週間経過観察時点から12週間経過観察時点の間の相対安定性に基づき、この回復は、腫瘍組織ではなく残存する正常前立腺からのPSA分泌に関連している可能性がある。この結果は、長期治療アウトカムの点で重大なリスクをもたらさない中リスク前立腺がんのEBRT治療に続く24週間の新補助療法/補助療法の後の化合物1群におけるテストステロンの速やかな回復を示唆している。
【0365】
【表11】
【0366】
要約すると、本試験は、24週間の治療持続期間にわたる血清中テストステロン濃度の速やかかつ持続的な抑制を示した。重要なことに、本試験では、治療薬の最終投与後における血清中テストステロン回復は、デガレリクス群よりも化合物1群でより速やかであった。
【0367】
実施例10:健康な被験者における化合物1錠製剤の相対的生物学的利用能及び化合物1錠製剤に対する食物の効果を評価する第1相、非盲検、無作為化、3群クロスオーバー試験
本試験は、第3の化合物1錠製剤(T2製剤)と比較した2種類の化合物1錠製剤候補(T4製剤B及びT4製剤C)の経口生物学的利用能ならびにT4製剤B及びCの経口投与後における化合物1のPKに対する食物の効果を評価するように設計された非盲検、無
作為化、3群クロスオーバー、単回用量試験であった。以下5種類の単回用量治療レジメンがあった。
●レジメンA:化合物1、120mg用量T2製剤、空腹状態下。
●レジメンB:化合物1、120mgT4製剤B、空腹状態下。
●レジメンC:化合物1、120mgT4製剤B、摂食状態下(標準的のUS Food
and Drug Administration[FDA]高脂肪高カロリー朝食)。
●レジメンD:化合物1、120mgT4製剤C、空腹状態下。
●レジメンE:化合物1、120mgT4製剤C、摂食状態下(標準的のUS FDA高脂肪高カロリー朝食)。
【0368】
1日目の化合物1投与の前の28日以内にスクリーニング評価を実施した。適格性の確認後、以下の2つの治療群のうちの1つのシークエンスに被験者を無作為に割り当てた。●群1:T2製剤(参照群となるレジメンA)及びT4製剤B(レジメンB及びC)。
●群2:T2製剤(参照群となるレジメンA)及びT4製剤C(レジメンD及びE)。
【0369】
それぞれの試験群において、それぞれの被験者は、それぞれの投与間に10日間のウォッシュアウト間隔を有する3つの治療期間に参加した。被験者は、1日目、11日目及び21日目に、割り当て群及びシークエンスに従って単回120mg経口用量の化合物1の投与を受け、続いて、投与後最長で120時間の予定時点におけるPK評価用の連続採血を受けた。3つの治療期間のそれぞれの間、被験者を合計4日間臨床施設に拘束した。1日目の夕方にそれぞれの適格被験者を臨床施設にチェックインさせて、ベースライン安全性評価を受けさせた。
【0370】
1日目から4日目まで被験者を臨床施設に拘束した。4日目(投与後72時間)のPK採血後、被験者を臨床施設から退院させた。96時間PK評価のため5日目の朝に、120時間PK評価のため6日目の朝に試験クリニックに戻るよう被験者に指示を行った。10日目の夕方に被験者を試験クリニックに戻し、10日目から14日目まで拘束した。14日目(投与後72時間)のPK採血後、被験者を臨床施設から退院させた。96時間PK評価のため15日目の朝に、120時間PK評価のため16日目の朝に試験クリニックに戻るよう被験者に指示を行った。20日目の夕方に被験者を試験クリニックに戻し、20日目から24日目まで拘束した。24日目(投与後72時間)のPK採血後、被験者を臨床施設から退院させた。96時間PK評価のため25日目の朝に、120時間PK評価のため26日目の朝に試験クリニックに戻るよう被験者に指示を行った。1日目、11日目及び21日目の朝に摂食状態または空腹状態のいずれかで試験薬を投与した。拘束中、被験者はそれぞれの日の同時刻に予定された標準食を摂取した。それぞれの被験者について、化合物1の安全性及び忍容性を評価するために、バイタルサイン、理学的検査、有害事象(AE)評価、検査値(化学、血液学及び尿検査)及び12誘導心電図(ECG)を得た。被験者が3つの治療期間のそれぞれ及び試験終了(EOS)評価(試験薬の最終投与後30日)を完了した際に、被験者が試験を完了したとみなした。被験者はいつでも試験への参加を中断することができた。それぞれの被験者は、本試験に組み込まれるために18歳~55歳(18歳と55歳を含む)の健康な成人男性である必要があった。表12及び表13に試験の治療群1及び治療群2をまとめている。
【0371】
【表12】
【0372】
【表13】
【0373】
合計54名の被験者が試験に参加し、完了した。試験のそれぞれの群には27名の被験者がいた。54名の被験者全員を安全性集団及びPK評価集団に組み込んだ。本試験中においては、いずれの被験者においても大幅なプロトコルからの逸脱はなかった。1名の被験者には、朝食の開始後30分超に生じた用量投与間隔に関連するわずかなプロトコルからの逸脱があった。期間3では、摂食状態下でT4製剤Bを被験者に投与したが、朝食開始後における化合物1用量投与の開始時間は31分3秒であった。摂食状態下のT4製剤Bの経口投与後におけるこの被験者の全てのPKパラメータがこの治療群におけるPKパラメータの平均値と概ね同様であったことから、この被験者のPKパラメータを記述統計解析法及びANOVA統計解析法に組み込んだ。以下の表14及び表15に、異なる製剤
の投与後における一部の薬物動態パラメータの一覧を示す。
【0374】
【表14】
【0375】
【表15】
【0376】
本試験に組み込まれた全ての被験者は健康な男性であり、その大多数は白人(81%)
及びヒスパニックすなわちラテンアメリカ人(65%)であった。試験の被験者の全体平均(SD)年齢は38.9(10.8)歳であり、年齢範囲は19~55歳であった。被験者の全体平均(SD)体重及びBMIはそれぞれ、83.4(12.7)kg及び27.2(3.2)kg/mであった。人口統計的特性は治療群間でほぼ同等であった。PK評価集団から除外された被験者はいなかったため、この集団の人口統計は安全性集団のものと同一であった。本実施例に用いた様々な製剤及びその他の例示的な製剤の製剤情報を表16に示す。
【0377】
【表16】
【0378】
実施例11:アンドロゲン感受性進行性前立腺がんを有する患者における化合物1の安全性及び有効性を評価するための試験
本試験は、少なくとも1年間の継続的なアンドロゲン遮断療法を必要としアンドロゲン
感受性進行性前立腺がんを有する患者における化合物1またはその薬学的に許容される塩の安全性及び有効性を評価するための第3相多国籍無作為化、非盲検、並行群間試験である(図54)。化合物1は、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)の下垂体放出を阻害することによりテストステロンを低下させる経口ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アンタゴニストである。アンドロゲン遮断療法を必要とし前立腺がんを有する患者に化合物1 120mgを1日1回経口投与する、または、ロイプロリド酢酸エステルデポー懸濁剤を3ヶ月(3-M)毎に22.5mg(または一部のアジアの国では11.25mg)投与する。本試験では、化合物1またはその薬学的に許容される塩が、アンドロゲン感受性進行性前立腺がんを有する患者における血清中テストステロン抑制を48週間の間去勢濃度(50ng/dL[1.7nmol/L]以下)に達成及び維持する機能を評価する。
【0379】
研究者の見解では、本試験に適格となるために、患者は、アンドロゲン感受性進行性前立腺がんを管理するための少なくとも1年間の継続的なアンドロゲン遮断療法の候補でなければならず、外科的治療の候補であってはならない。適格な患者には、新たに診断された転移性疾患(脳への転移を除く)及び/または進行性局所性疾患への治療目的の局所一次介入後において生化学的再発(PSAの上昇)のエビデンスを有する患者が含まれる。患者は、アンドロゲン遮断療法の開始後2ヶ月間以上で、放射線治療、凍結治療及び高周波超音波を受けてもよい。患者がこれまで12ヶ月間超の間アンドロゲン遮断療法を受けていない場合に、ベースラインの少なくとも12ヶ月前にアンドロゲン遮断療法を完了させている場合に、患者を組み込んでもよい。以前にタキサンでの治療を受けた患者またはアンドロゲン遮断療法の開始後にタキサンの投与を受けることが予想される患者については除外し、一次根治治療としての放射線治療に対してアンドロゲン遮断療法の補助療法または新補助療法を受けている患者も同様である。組み入れるためには、ベースライン血清中テストステロンは150ng/dL(5.2nmol/L)超でなければならない。
【0380】
本試験に組み入れた患者を、1日目の360mgの負荷量の後に化合物1 120mgを1日1回経口投与される患者、または、ロイプロリド酢酸エステル3-Mデポーを22.5mg(または一部のアジアの国では11.25mg)投与される患者に2:1に無作為化する(研究者の見解で必要とされる場合、最初の4週間以上にわたって抗アンドロゲン剤を追加する)。地理的領域、転移性疾患の存在、及び年齢により、無作為化を層別化する。
【0381】
南北アメリカ、ヨーロッパ及びアジア太平洋地域にある約200ヶ所の試験センターから約1125名の患者を本試験に組み入れる。本試験は、最長28日間のスクリーニング期間、48週間の治療期間、及び最長90日間の経過観察期間(治療期間終了後30日及び60日の来院日を含む)を含む。加えて、試験に関する安全性懸念を有する患者のために、必要に応じて臨時の経過観察来院日(複数可)を設けてもよい。適格な患者は48週間の間試験治療を受ける。この期間中、テストステロン及びPSAを毎月評価し、患者報告アウトカム(European Organisation of Research
and Treatment of Cancer[EORTC]QLQ-C30、European Quality of Life 5-Dimesion 5-Level questionnaire[EuroQol EQ-5D-5L])を治療期間中ほぼ3ヶ月毎に、また経過観察期間中はより頻繁に評価する。別の血清内分泌評価には、LH、FSH、ジヒドロテストステロン、及び性ホルモン結合グロブリンが含まれる。化合物1薬物動態(PK)試料は本試験中に採取される。アジア人患者の一部における完全なPKプロファイルを確認する。テストステロン回復までの時間が、48週間の治療を完了した、また続く12週間以内に(または、ロイプロリド酢酸エステル3-Mデポーの最終注射後24週間以内に)別のアンドロゲン遮断療法の開始を予定していない、化合物1に無作為化された約100名の患者及びロイプロリド酢酸エステルに無作為化された約
50名の患者で測定される。安全性評価としては、治療下で発現した有害事象、バイタルサイン、理学的検査、臨床検査試験、12誘導心電図(ECG)、及び視力検査が挙げられる。
【0382】
去勢濃度にテストステロンが抑制された状況(50ng/dL[1.7nmol/L]以下のテストステロン濃度)において、治療期間中に増悪する患者は試験に留まるべきであり、研究者の指示による追加の経口治療薬、全身性抗腫瘍薬及び/または放射線治療を受けてもよい。
【0383】
本試験の主要エンドポイントは、5週1日目(試験29日目)から49週1日目(試験337日目)までの試験治療の間、50ng/dL(1.7nmol/L)以下にテストステロンを抑制する累積確率として定義される去勢率を維持することである。
【0384】
二次エンドポイントには以下のものが含まれる。
【0385】
1週4日目の投与前、2週目の投与前、及び3週目の投与前に、50ng/dL(1.7nmol/L)以下にテストステロンを抑制する累積確率として定義される去勢率。
【0386】
25週1日目から49週1日目までの試験治療の間20ng/dL(0.7nmol/L)以下にテストステロンを抑制する累積確率として定義される大幅去勢率。
【0387】
48週間の治療を完了した、また続く12週間以内に(または、ロイプロリド酢酸エステル3-Mデポーの最終注射後24週間以内に)別のアンドロゲン遮断療法の開始を予定していない、化合物1またはその薬学的に許容される塩に無作為化された第1の100名の患者及びロイプロリド酢酸エステルに無作為化された第1の50名の患者におけるテストステロン回復までの時間。
【0388】
2週目及び5週目の来院日に、Prostate Cancer Clinical Trials Working Group 3ガイドラインによりPSA応答が確認された患者の比率。
【0389】
25週目の来院日に0.2ng/mL(0.2μg/L)以下のPSA濃度を有する患者の比率。
【0390】
治療中の規則的な間隔における、及び、適用可能である場合、経過観察来院中及び/または治療終了時の来院における、EORTC-QLQ-C30全般的健康状態領域ならびにEORTC-QLQ-PR25性行為及びホルモン治療関連症状下位領域のスコアにおける絶対値及びベースラインからの変化。
【0391】
治療中の規則的な間隔における、及び、適用可能である場合、経過観察来院中における、EORTC QLQ-C30及びEORTC QLQ-PR25に加えてEuroQol EQ-5D-5L questionnaireの残存領域の絶対値及びベースラインからの変化。
【0392】
有害事象の発現率。
【0393】
臨床検査データにおける異常の発現率。
【0394】
2週目、3週目及び5週目の来院時、その後、最後の経過観察来院までの4週間毎のLH、5週目、13週目、25週目、37週目及び49週目の来院時のFSH、5週目、1
3週目、25週目、37週目及び49週目の来院時のジヒドロテストステロン、ならびに、13週目、25週目及び49週目の来院時の性ホルモン結合グロブリンの、絶対値及びベースラインからの変化として測定した化合物1及びロイプロリド酢酸エステルの内分泌マーカー効果。
【0395】
投与前化合物1の血漿中濃度。
【0396】
1日目の来院中のアジア人患者の一部における、最大血漿中濃度(Cmax)、0時間から投与間隔終了までの濃度-時間曲線下面積(AUC0-τ)、及び最大血漿中濃度(tmax)までの時間などの単回及び反復用量の血漿中化合物1PKパラメータ。
【0397】
探索的エンドポイントには以下のものが含まれる。
【0398】
無作為化からデータカットオフ日前の死亡日までの時間として定義される全生存期間。
【0399】
視床下部下垂体アンドロゲン経路、前立腺がんリスクに関連する、または、化合物1の薬物素因、安全性または有効性に影響を及ぼし得る薬物代謝酵素及びトランスポータータンパク質に関連する生殖細胞遺伝子における多型性の存在。
【0400】
例示的な実施形態
本開示の一部の実施形態は以下の実施形態Iに関する。
【0401】
実施形態I-1.50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする対象における前立腺がんを治療するための方法であって、前記方法は、
約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を前記対象に1日1回投与することを含み、前記1日1回の投与を中断期間の間中断する場合、前記対象は血清中テストステロン濃度の上昇を経験する、前記方法。
【0402】
実施形態I-2.前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法であって、前記方法は、
約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤を前記対象に1日1回投与することと、
血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために前記経口製剤の投与を中断期間の間中断することと、
前記中断期間の終了時に前記経口製剤の前記対象への1日1回の投与を再開することと、
を含む、前記方法。
【0403】
実施形態I-3.前記中断期間の後に投与を再開しない、実施形態I-1に記載の方法。
【0404】
実施形態I-4.前記血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度超に上昇する、実施形態I-2に記載の方法。
【0405】
実施形態I-5.前記血清中テストステロン濃度は約55ng/dL超に上昇する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0406】
実施形態I-6.前記血清中テストステロン濃度は約350ng/dL超に上昇する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0407】
実施形態I-7.前記血清中テストステロン濃度は約300ng/dL~約600ng/dLに上昇する、実施形態I-1から実施形態I-3のいずれか1つに記載の方法。
【0408】
実施形態I-8.前記血清中テストステロン濃度は、前記経口製剤の投与前における前記対象の血清中テストステロン濃度に上昇する、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0409】
実施形態I-9.前記血清中テストステロン濃度は、前記中断期間の開始の7日以内に前記経口製剤の投与前における前記対象の血清中テストステロン濃度に上昇する、実施形態I-8に記載の方法。
【0410】
実施形態I-10.前記血清中テストステロン濃度は、前記中断期間の開始の45日以内に前記経口製剤の投与前における前記対象の血清中テストステロン濃度に上昇する、実施形態I-8に記載の方法。
【0411】
実施形態I-11.前記血清中テストステロン濃度上昇は前記中断期間の開始の7日以内に生じる、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0412】
実施形態I-12.前記前立腺がんはホルモン依存性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0413】
実施形態I-13.前記前立腺がんは進行性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0414】
実施形態I-14.前記前立腺がんは、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性または再発性である、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0415】
実施形態I-15.前記投与することは、治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0416】
実施形態I-16.前記投与することは、前記中断期間後の治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0417】
実施形態I-17.前記投与することは、約80mg~約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メ
トキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の1日1回の投与を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0418】
実施形態I-18.前記経口維持量製剤投与は、前記経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、実施形態I-17に記載の方法。
【0419】
実施形態I-19.前記中断期間は最長52週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0420】
実施形態I-20.前記中断期間は最長36週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0421】
実施形態I-21.前記中断期間は最長24週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0422】
実施形態I-22.前記中断期間は最長12週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0423】
実施形態I-23.前記中断期間は最長8週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0424】
実施形態I-24.前記中断期間は最長4週間である、実施形態I-1から実施形態I-18のいずれか1つに記載の方法。
【0425】
実施形態I-25.前記中断期間は、前記対象の前立腺特異抗原(PSA)濃度が治療中における前記対象の最下点PSA濃度の20%以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0426】
実施形態I-26.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が治療前における前記対象のPSA濃度の50%以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0427】
実施形態I-27.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が前記中断期間の開始時における前記対象のPSA濃度よりも高い場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0428】
実施形態I-28.前記中断期間は、前記対象が前立腺がんの症状の再発を経験する場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0429】
実施形態I-29.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が3ng/mL以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0430】
実施形態I-30.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が10ng/mL以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0431】
実施形態I-31.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が20ng/mL以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0432】
実施形態I-32.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度30ng/mL以上である場合に中断される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0433】
実施形態I-33.前記経口製剤は12週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0434】
実施形態I-34.前記経口製剤は24週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0435】
実施形態I-35.前記経口製剤は48週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0436】
実施形態I-36.前記経口製剤は52週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0437】
実施形態I-37.前記経口製剤は72週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0438】
実施形態I-38.前記経口製剤は96週間以上連続で投与される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0439】
実施形態I-39.投与は少なくとも24週間連続の治療後に中断される、実施形態I-1から実施形態I-32のいずれか1つに記載の方法。
【0440】
実施形態I-40.投与は少なくとも36週間連続の治療後に中断される、実施形態I-39に記載の方法。
【0441】
実施形態I-41.投与は少なくとも52週間連続の治療後に中断される、実施形態I-39に記載の方法。
【0442】
実施形態I-42.前記対象は、介入疾患、放射線治療を受ける、寝たきり中、傷害を受ける、外科的処置もしくはその他の侵襲的処置を受ける、または、性機能回復期への要望により、血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0443】
実施形態I-43.前記対象は、少なくとも2週間の予定完全回復期間を伴う介入疾患または外科的処置もしくはその他の侵襲的処置により、血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする、実施形態I-1から実施形態I-41のいずれか1つに記載の方法。
【0444】
実施形態I-44.投与は前記外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の前に中断される、実施形態I-42または実施形態I-43に記載の方法。
【0445】
実施形態I-45.投与は前記外科的処置もしくはその他の侵襲的処置、傷害、または放射線治療の後に中断される、実施形態I-42または実施形態I-43に記載の方法。
【0446】
実施形態I-46.投与は前記外科的処置もしくはその他の侵襲的処置、傷害、または放射線治療の間に中断される、実施形態I-42から実施形態I-45のいずれか1つに記載の方法。
【0447】
実施形態I-47.投与は前記外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治
療の前及びその間に行われ、投与は前記外科的処置もしくはその他の侵襲的処置または放射線治療の後に中断される、実施形態I-42または実施形態I-43に記載の方法。
【0448】
実施形態I-48.前記外科的処置は、心臓手術、膝関節置換術、股関節置換術、腹部手術、骨盤手術、血管手術、脊椎手術、または、傷害による救急処置である、実施形態I-42から実施形態I-47のいずれか1つに記載の方法。
【0449】
実施形態I-49.前記対象は急性術後虚弱のリスクがあると認められる、実施形態I-42から実施形態I-48のいずれか1つに記載の方法。
【0450】
実施形態I-50.投与は前記介入疾患の間または前記対象が寝たきり中に中断される、実施形態I-42または実施形態I-43に記載の方法。
【0451】
実施形態I-51.投与は、前記対象が前記介入疾患から回復した後、もはや寝たきりではなくなった後、日常生活の正常活動を回復した後、または、正常レベルの機能を回復した後に再開される、実施形態I-43から実施形態I-49のいずれか1つに記載の方法。
【0452】
実施形態I-52.前記血清中テストステロン濃度は、投与の前記中断の7日以内において内科的去勢濃度超である、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0453】
実施形態I-53.前記経口負荷量製剤は、約240mg、約360mgまたは約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-15から実施形態I-52のいずれか1つに記載の方法。
【0454】
実施形態I-54.前記経口負荷量製剤は、約360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-53に記載の方法。
【0455】
実施形態I-55.前記経口維持量製剤は、約80mg、約120mgまたは約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-17から実施形態I-54のいずれか1つに記載の方法。
【0456】
実施形態I-56.前記経口維持量製剤は、約120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-55に記載の方法。
【0457】
実施形態I-57.前記経口負荷量製剤は、約360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-
d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療の1日目に1回投与され、前記経口維持製剤は、約120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、1日1回投与される、実施形態I-17から実施形態I-54のいずれか1つに記載の方法。
【0458】
実施形態I-58.前記経口製剤は、約80mg~約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-1から実施形態I-14または実施形態I-19から実施形態I-52のいずれか1つに記載の方法。
【0459】
実施形態I-59.前記投与を食前に行う、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0460】
実施形態I-60.前記投与を、食事の少なくとも1時間前または食事の少なくとも2時間後に行う、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0461】
実施形態I-61.前記投与を、食事の少なくとも30分間前または対象の空腹時に行う、実施形態I-1から実施形態I-58のいずれか1つに記載の方法。
【0462】
実施形態I-62.前記経口製剤、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は、即時放出製剤である、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0463】
実施形態I-63.前記経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態I-17から実施形態I-52のいずれか1つに記載の方法。
【0464】
実施形態I-64.抗アンドロゲン剤を投与することを更に含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0465】
実施形態I-65.前記抗アンドロゲン剤は、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、カンレノン、ドロスピレノン、ケトコナゾール、トピルタミド(フルリジル)及びシメチジンからなる群から選択される、実施形態I-64に記載の方法。
【0466】
実施形態I-66.CYP17リアーゼ阻害剤を投与することを更に含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0467】
実施形態I-67.前記CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンである、実施形態I-66に記載の方法。
【0468】
実施形態I-68.前記対象の血清中テストステロン濃度は、投与の前記中断の前及び後に抑制される、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0469】
実施形態I-69.前記方法は抗アンドロゲン剤の投与を含まない、実施形態I-1から実施形態I-63または実施形態I-66から実施形態I-68のいずれか1つに記載の方法。
【0470】
実施形態I-70.前記方法はプレドニゾンの投与を含まない、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0471】
実施形態I-71.前記方法はプレドニゾンの投与を更に含む、実施形態I-1から実施形態I-69のいずれか1つに記載の方法。
【0472】
実施形態I-72.前記中断期間の完了及び投与の再開後における続く中断期間の間投与を中断するステップを更に含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0473】
実施形態I-73.前記続く中断期間は、約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む前記経口製剤の1日1回の投与の再開後少なくとも12週間で生じる、実施形態I-72に記載の方法。
【0474】
実施形態I-74.前記前立腺がんは去勢抵抗性転移性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0475】
実施形態I-75.前記前立腺がんは去勢抵抗性非転移性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0476】
実施形態I-76.前記前立腺がんはホルモン感受性転移性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0477】
実施形態I-77.前記前立腺がんはホルモン感受性非転移性前立腺がんである、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0478】
実施形態I-78.前記経口製剤または経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の第1の投与の約4~約8日以内において、前記対象における前記血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下である、先行実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0479】
実施形態I-79.前記経口製剤または経口負荷量製剤及び経口維持量製剤の第1の投与の4日以内において、前記対象における前記血清中テストステロン濃度は内科的去勢濃度以下である、実施形態I-78に記載の方法。
【0480】
実施形態I-80.前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤。
【0481】
実施形態I-81.前記対象は、50ng/dL超の濃度への血清中テストステロン濃度の上昇を必要とする、実施形態I-80に記載の使用のための製剤。
【0482】
実施形態I-82.前記方法は、前記経口製剤を前記対象に1日1回投与することを含む、実施形態I-80または実施形態I-81に記載の使用のための製剤。
【0483】
実施形態I-83.前記1日1回の投与を中断期間の間中断する場合、前記対象は血清中テストステロン濃度の上昇を経験する、実施形態I-80から実施形態I-82のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0484】
実施形態I-84.前記中断期間の後に投与を再開しない、実施形態I-83に記載の使用のための製剤。
【0485】
実施形態I-85.前立腺がんの治療を、それを必要とする対象において行うための方法に使用する、約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む経口製剤であって、前記方法は、
前記経口製剤を前記対象に1日1回投与することと、
血清中テストステロン濃度の上昇を可能とするために前記経口製剤の投与を中断期間の間中断することと、
前記中断期間の終了時に前記経口製剤の前記対象への1日1回の投与を再開することと、
を含む、前記経口製剤。
【0486】
実施形態I-86.血清中テストステロン濃度の前記上昇は内科的去勢濃度超への上昇である、実施形態I-85に記載の使用のための製剤。
【0487】
実施形態I-87.血清中テストステロン濃度の前記上昇は約55ng/dL超への上昇である、実施形態I-80から実施形態I-86のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0488】
実施形態I-88.血清中テストステロン濃度の前記上昇は約350ng/dL超への上昇である、実施形態I-80から実施形態I-87のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0489】
実施形態I-89.血清中テストステロン濃度の前記上昇は約300ng/dL~約600ng/dLへの上昇である、実施形態I-80から実施形態I-86のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0490】
実施形態I-90.前記前立腺がんはホルモン依存性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-89のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0491】
実施形態I-91.前記前立腺がんは進行性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-90のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0492】
実施形態I-92.前記前立腺がんは、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性または再発性である、実施形態I-80から実施形態I-91のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0493】
実施形態I-93.前記投与することは、治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメ
チルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む、実施形態I-80から実施形態I-92のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0494】
実施形態I-94.前記投与することは、前記中断期間後の治療開始時の1~3日間における、約240mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口負荷量製剤の1日1回の投与を含む、実施形態I-80から実施形態I-93のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0495】
実施形態I-95.前記投与することは、約80mg~約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩の経口維持量製剤の1日1回の投与を含む、実施形態I-80から実施形態I-94のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0496】
実施形態I-96.前記経口維持量製剤投与は、前記経口負荷量製剤の最終投与の投与後の日に開始される、実施形態I-95に記載の使用のための製剤。
【0497】
実施形態I-97.前記中断期間は最長52週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0498】
実施形態I-98.前記中断期間は最長36週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0499】
実施形態I-99.前記中断期間は最長24週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0500】
実施形態I-100.前記中断期間は最長12週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0501】
実施形態I-101.前記中断期間は最長8週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0502】
実施形態I-102.前記中断期間は最長4週間である、実施形態I-80から実施形態I-96のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0503】
実施形態I-103.前記中断期間は、前記対象の前立腺特異抗原(PSA)濃度が治療中における前記対象の最下点PSA濃度の20%以上である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-102のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0504】
実施形態I-104.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が治療前における前記対象のPSA濃度の50%以上である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-103のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0505】
実施形態I-105.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が前記中断期間の開始時における前記対象のPSA濃度よりも高い場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-104のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0506】
実施形態I-106.前記中断期間は、前記対象が前立腺がんの症状の再発を経験する場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-105のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0507】
実施形態I-107.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が3ng/mL以上である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-106のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0508】
実施形態I-108.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が10ng/mL以上である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-107のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0509】
実施形態I-109.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が20ng/mL以上である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-108のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0510】
実施形態I-110.前記中断期間は、前記対象のPSA濃度が30ng/mL以上`
である場合に中断される、実施形態I-80から実施形態I-109のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0511】
実施形態I-111.前記経口製剤は12週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-110のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0512】
実施形態I-112.前記経口製剤は24週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-111のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0513】
実施形態I-113.前記経口製剤は48週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-112のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0514】
実施形態I-114.前記経口製剤は52週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-113のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0515】
実施形態I-115.前記経口製剤は72週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-114のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0516】
実施形態I-116.前記経口製剤は96週間以上連続で投与される、実施形態I-80から実施形態I-115のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0517】
実施形態I-117.投与は少なくとも24週間連続の治療後に中断される、実施形態I-80から実施形態I-110のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0518】
実施形態I-118.投与は少なくとも36週間連続の治療後に中断される、実施形態I-117に記載の使用のための製剤。
【0519】
実施形態I-119.投与は少なくとも52週間連続の治療後に中断される、実施形態I-117に記載の使用のための製剤。
【0520】
実施形態I-120.前記経口負荷量製剤は、約240mg、約360mgまたは約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-93から実施形態I-119のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0521】
実施形態I-121.前記経口負荷量製剤は、約360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-120に記載の使用のための製剤。
【0522】
実施形態I-122.前記経口維持量製剤は、約80mg、約120mgまたは約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-95から実施形態I-121のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0523】
実施形態I-123.前記経口維持量製剤は、約120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-122に記載の使用のための製剤。
【0524】
実施形態I-124.前記経口負荷量製剤は、約360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、治療の1日目に1回投与され、前記経口維持製剤は、約120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含み、1日1回投与される、実施形態I-95から実施形態I-121のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0525】
実施形態I-125.前記経口製剤は、約80mg~約160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-80から実施形態I-92または実施形態I-97から実施形態I-119のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0526】
実施形態I-126.前記投与を食前に行う、実施形態I-80から実施形態I-125のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0527】
実施形態I-127.前記投与を、食事の少なくとも1時間前または食事の少なくとも2時間後に行う、実施形態I-80から実施形態I-126のいずれか1つに記載の使用
のための製剤。
【0528】
実施形態I-128.前記投与を、食事の少なくとも30分間前または対象の空腹時に行う、実施形態I-80から実施形態I-125のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0529】
実施形態I-129.前記経口製剤、経口負荷量製剤及び経口維持量製剤は、即時放出製剤である、実施形態I-80から実施形態I-128のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0530】
実施形態I-130.前記経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態I-95から実施形態I-119のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0531】
実施形態I-131.前記方法は抗アンドロゲン剤を投与することを更に含む、実施形態I-80から実施形態I-130のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0532】
実施形態I-132.前記抗アンドロゲン剤は、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、カンレノン、ドロスピレノン、ケトコナゾール、トピルタミド(フルリジル)及びシメチジンからなる群から選択される、実施形態I-131に記載の使用のための製剤。
【0533】
実施形態I-133.前記方法はCYP17リアーゼ阻害剤を投与することを更に含む、実施形態I-80から実施形態I-132のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0534】
実施形態I-134.前記CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンである、実施形態I-133に記載の使用のための製剤。
【0535】
実施形態I-135.前記方法は抗アンドロゲン剤の投与を含まない、実施形態I-80から実施形態I-130または実施形態I-133から実施形態I-134のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0536】
実施形態I-136.前記方法はプレドニゾンの投与を含まない、実施形態I-80から実施形態I-135のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0537】
実施形態I-137.前記方法はプレドニゾンの投与を更に含む、実施形態I-80から実施形態I-135のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0538】
実施形態I-138.前記方法は、前記中断期間の完了及び投与の再開後における続く中断期間の間投与を中断するステップを更に含む、実施形態I-80から実施形態I-137のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0539】
実施形態I-139.前記続く中断期間は、約80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を含む前記経口製剤の1日1回の投与の再開後少なくとも12週間で生じる、実施形態I-138に記載の使用のための製剤。
【0540】
実施形態I-140.前記前立腺がんは去勢抵抗性転移性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-139のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0541】
実施形態I-141.前記前立腺がんは去勢抵抗性非転移性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-140のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0542】
実施形態I-142.前記前立腺がんはホルモン感受性転移性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-141のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0543】
実施形態I-143.前記前立腺がんはホルモン感受性非転移性前立腺がんである、実施形態I-80から実施形態I-142のいずれか1つに記載の使用のための製剤。
【0544】
実施形態I-144.前立腺がんの治療のための薬剤を製造するための、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0545】
実施形態I-145.前記前立腺がんはホルモン依存性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0546】
実施形態I-146.前記前立腺がんは進行性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0547】
実施形態I-147.前記前立腺がんは、転移性、非転移性、局所進行性、進行性ホルモン感受性、進行性去勢抵抗性または再発性である、実施形態I-144に記載の使用。
【0548】
実施形態I-148.前記前立腺がんは去勢抵抗性転移性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0549】
実施形態I-149.前記前立腺がんは去勢抵抗性非転移性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0550】
実施形態I-150.前記前立腺がんはホルモン感受性転移性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0551】
実施形態I-151.前記前立腺がんはホルモン感受性非転移性前立腺がんである、実施形態I-144に記載の使用。
【0552】
実施形態I-152.前記薬剤は、80mg~約480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量の前記その薬学的に許容される塩を含む、実施形態I-144から実施形態I-151のいずれか1つに記載の使用。
【0553】
本開示の一部の実施形態は以下の実施形態IIに関する。
【0554】
実施形態II-1.投与の初日から最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-t
au)が少なくとも1.5倍上昇するPKプロファイルが達成される、実施形態I-1から実施形態I-78のいずれか1つに記載の方法。
【0555】
実施形態II-2.投与の初日から最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇するPKプロファイルが達成される、実施形態I-1から実施形態I-78のいずれか1つに記載の方法。
【0556】
実施形態II-3.少なくとも1.5倍の前記上昇は2倍以上である、実施形態II-1に記載の方法。
【0557】
実施形態II-4.前記投与することは空腹条件を何ら伴わない、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0558】
実施形態II-5.平均Cmaxは食前投与において食後投与よりもより高い、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0559】
実施形態II-6.平均血漿中AUC(0-tau)は、少なくとも30分後に、食前投与において食後投与よりもより高い、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0560】
実施形態II-7.前記経口製剤は、負荷能力を維持しながら安定性を向上させる少なくとも1種の添加剤を含む、実施形態I-1から実施形態I-78または実施形態II-1から実施形態II-6のいずれか1つに記載の方法。
【0561】
実施形態II-8.前記経口製剤は錠剤である、実施形態I-1から実施形態I-78または実施形態II-1から実施形態II-7のいずれか1つに記載の方法。
【0562】
実施形態II-9.平均血漿中T1/2は、投与の終了時に測定する際に約37~約42時間である、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0563】
実施形態II-10.平均Cmaxは投与開始後1~2時間(Tmax)に達成される、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0564】
実施形態II-11.投与開始後10日以内に定常状態に到達する、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0565】
実施形態II-12.前記対象における前立腺特異抗原(PSA)は4ng/mL以下の濃度に抑制される、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0566】
実施形態II-13.前記対象における前立腺特異抗原(PSA)は2ng/mL以下の濃度に抑制される、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0567】
実施形態II-14.前記N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩の4%未満が、投与開始後14日目または28日目に測定する際に前記対象の尿中に未変化のまま排泄される、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0568】
実施形態II-15.50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、投与開始後14日目~28日目に達成されて維持される、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0569】
実施形態II-16.360mgの経口負荷量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩及び120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の、48週間連続の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され、48週目の終了まで維持される、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0570】
実施形態II-17.13週間連続の、80mgまたは120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、13週間連続の終了時における平均血清中PSA濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で8~12倍の低下であり、前記120mg用量で9~13倍の低下である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0571】
実施形態II-18.25週間連続の、80mgまたは120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、未変化N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩のトラフ血漿中濃度(Cmin)の中央値は、前記80mg用量で2.0ng/mL~8.0ng/mLの範囲であり、前記120mg用量で4.0ng/mL~12.0ng/mLの範囲である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0572】
実施形態II-19.前記投与することは、投与にわたり一定に維持されるCminをもたらす、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0573】
実施形態II-20.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中黄体形成ホルモン(LH)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で12~16倍の低下であり、前記180mg用量で15~19倍の低下である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0574】
実施形態II-21.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中テストステロン濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で27~31倍の低下であり、前記180mg用量で22~26倍の低下である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0575】
実施形態II-22.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で7~11倍の低下であり、前記180mg用量で10~14倍の低下である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0576】
実施形態II-23.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時にお
ける平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で1.1~3倍の低下であり、前記180mg用量で1.1~4倍の低下である、実施形態II-1から実施形態II-15のいずれか1つに記載の方法。
【0577】
実施形態II-24.前記投与することは、性ホルモンの刺激がないことにより臨床フレアが防止されるまたは最小限となるように行われる、実施形態II-1から実施形態II-3のいずれか1つに記載の方法。
【0578】
実施形態II-25.対象におけるホルモン依存性前立腺がんを治療するための方法であって、前記方法は、
240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回前記対象に投与することと、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間に、24週間以上連続で1日1回前記対象に投与することと、
を含み、
前記経口維持量製剤は、前記第1の治療期間の初日から前記第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍上昇するPKプロファイルを有する、
前記方法。
【0579】
実施形態II-26.対象におけるホルモン依存性前立腺がんを治療するための方法であって、前記方法は、
240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回前記対象に投与することと、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間の間に、24週間以上連続で1日1回前記対象に投与することと、を含み、
前記経口維持量製剤は、前記第1の治療期間の初日から前記第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇するPKプロファイルを有する、
前記方法。
【0580】
実施形態II-27.ホルモン依存性前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法であって、前記方法は、
240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回前記対象に投与することと、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間の間に、24週間以上連続で1日1回前記対象に投与することと、を含み、
前記経口維持量製剤は、前記第1の治療期間の初日から前記第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍上昇するPKプロファイルを有する、
前記方法。
【0581】
実施形態II-28.ホルモン依存性前立腺がんを有する対象における1種または複数種の性ホルモンを抑制するための方法であって、前記方法は、
240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口負荷量製剤を第1の治療期間に、少なくとも1日間1日1回前記対象に投与することと、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する経口維持量製剤を第2の治療期間の間に、24週間以上連続で1日1回前記対象に投与することと、を含み、
前記経口維持量製剤は、前記第1の治療期間の初日から前記第2の治療期間の最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇するPKプロファイルを有する、
前記方法。
【0582】
実施形態II-29.少なくとも1.5倍は2倍以上である、実施形態II-25または実施形態II-27に記載の方法。
【0583】
実施形態II-30.前記第1の治療期間は1日間以上である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0584】
実施形態II-31.前記第1の治療期間は2日間以上である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0585】
実施形態II-32.前記第1の治療期間は3日間以上である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0586】
実施形態II-33.前記第2の治療期間は52週間以上連続である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0587】
実施形態II-34.前記第2の治療期間は72週間以上連続である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0588】
実施形態II-35.前記第2の治療期間は96週間以上連続である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0589】
実施形態II-36.前記投与を食前に行う、実施形態II-25から実施形態II-
29のいずれか1つに記載の方法。
【0590】
実施形態II-37.前記投与を、食事の少なくとも1時間前または食事の少なくとも2時間後に行う、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0591】
実施形態II-38.前記投与を、食事の少なくとも30分間前または対象の空腹時に行う、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0592】
実施形態II-39.前記投与することは空腹条件を何ら伴わない、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0593】
実施形態II-40.平均Cmaxは食前投与において食後投与よりもより高い、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0594】
実施形態II-41.平均血漿中AUC(0-tau)は、少なくとも30分後に、食前投与において食後投与よりもより高い、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0595】
実施形態II-42.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤は錠剤である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0596】
実施形態II-43.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤は即時放出特性を有している、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0597】
実施形態II-44.平均血漿中T1/2は、投与の終了時に測定する際に約37~約42時間である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0598】
実施形態II-45.平均Cmaxは投与開始後1~2時間(Tmax)に達成される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0599】
実施形態II-46.投与開始後10日以内に定常状態に到達する、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0600】
実施形態II-47.前記対象における血清中テストステロンは50ng/dL(1.73nmol/L)以下の去勢濃度に抑制される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0601】
実施形態II-48.前記対象における血清中テストステロンは20ng/dL(0.69nmol/L)以下の大幅去勢濃度に抑制される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0602】
実施形態II-49.前記対象における前立腺特異抗原(PSA)は4ng/mL以下の濃度に抑制される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0603】
実施形態II-50.前記対象における前立腺特異抗原(PSA)は2ng/mL以下の濃度に抑制される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0604】
実施形態II-51.前記経口負荷量製剤は、240mg、360mgまたは480mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩であり、前記経口維持量製剤は、80mg、120mgまたは160mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0605】
実施形態II-52.前記経口負荷量製剤は、360mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩であり、前記経口維持量製剤は、120mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0606】
実施形態II-53.前記経口負荷量製剤は、360mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩であり、前記第1の治療期間の1日目に投与され、前記経口維持量製剤は、120mgであるまたは対応量のその薬学的に許容される塩であり、前記第2の治療期間の1日目または2日目に開始して投与される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0607】
実施形態II-54.前記N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩の4%未満が、前記第1の治療期間開始後14日目または29日目に測定する際に前記対象の尿中に未変化のまま排泄される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0608】
実施形態II-55.50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が、治療開始後14日目~28日目に達成されて維持される、実施形態II-25から実施形態II-28のいずれか1つに記載の方法。
【0609】
実施形態II-56.48週間連続の、360mgの単回経口負荷量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩及び120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、50ng/dL(1.73nmol/L)以下の血清中テストステロンの内科的去勢濃度が5週目の開始までに達成され、48週目の終了まで維持される、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0610】
実施形態II-57.13週間連続の、80mgまたは120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、13週間連続の終了時における平均血清中PSA濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で8~12倍の低下であり、前記120mg用量で9~13倍の低下である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0611】
実施形態II-58.25週間連続の、80mgまたは120mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、未変化N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩のトラフ血漿中濃度(Cmin)中央値は、前記80mg用量で2.0ng/mL~8.0ng/mLの範囲であり、前記120mg用量で4.0ng/mL~12.0ng/mLの範囲である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0612】
実施形態II-59.前記投与することは、前記第2の治療期間にわたり一定に維持されるCminをもたらす、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0613】
実施形態II-60.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中黄体形成ホルモン(LH)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で12~16倍の低下であり、前記180mg用量で15~19倍の低下である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0614】
実施形態II-61.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中テストステロン濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で27~31倍の低下であり、前記180mg用量で22~26倍の低下である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0615】
実施形態II-62.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で7~11倍の低下であり、前記180mg用量で10~14倍の低下である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0616】
実施形態II-63.16日間連続の、80mgまたは180mgの経口維持量製剤または対応量のその薬学的に許容される塩の1日1回の投与後、16日間連続の終了時における平均血清中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度のベースラインからの変化は、前記80mg用量で1.1~3倍の低下であり、前記180mg用量で1.1~4倍の低下である、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0617】
実施形態II-64.前記対象は進行性ホルモン依存性前立腺がんを有している、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0618】
実施形態II-65.投与することは、少なくとも24週間連続の投与後4週間以下~24週間以上の期間の間中断され得る、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0619】
実施形態II-66.投与中断後、対象におけるベースライン血清中テストステロン濃度への回復は、最終投与後4週間~12週間以内に達成される、実施形態II-65に記載の方法。
【0620】
実施形態II-67.投与再開後、対象における去勢濃度への回復は24時間~48時間以内に達成される、実施形態II-65に記載の方法。
【0621】
実施形態II-68.前記投与することは、性ホルモンの刺激がないことにより臨床フレアが防止されるまたは最小限となるように行われる、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0622】
実施形態II-69.前記前立腺がんは進行性前立腺がんである、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0623】
実施形態II-70.前記治療することは緩和であり、前記前立腺がんは進行性前立腺がんである、実施形態II-25から実施形態II-29のいずれか1つに記載の方法。
【0624】
実施形態II-71.240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩及び添加剤を有する1日1回の経口負荷量製剤と、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩及び添加剤を有する1日1回の経口維持量製剤と、
を含むドーズパックであって、
前記1日1回の経口維持量製剤は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均血漿中AUC(0-tau)が少なくとも1.5倍上昇するPKプロファイルを有し、前記1日1回の経口維持量製剤の前記治療期間は24週間以上連続である、
前記ドーズパック。
【0625】
実施形態II-72.240mg~480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩及び添加剤を有する1日1回の経口負荷量製剤と、
80mg~160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩及び添加剤を有する1日1回の経口維持量製剤と、
を含むドーズパックであって、
前記1日1回の経口維持量製剤は、治療期間の初日から最終日まで測定する際に平均Cmaxが少なくとも2倍上昇するPKプロファイルを有し、前記1日1回の経口維持量製剤の前記治療期間は24週間以上連続である、
前記ドーズパック。
【0626】
実施形態II-73.前記少なくとも1.5倍は2倍以上である、実施形態II-71に記載のドーズパック。
【0627】
実施形態II-74.前記経口負荷量製剤は、306mg~612mgのマンニトール、18mg~36mgのヒドロキシプロピルセルロース、30mg~60mgのデンプングリコール酸ナトリウム、及び6mg~12mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0628】
実施形態II-75.前記経口負荷量製剤は、21.36mg~42.72mgのヒプロメロース2910、2.4mg~4.8mgの二酸化チタン、0.24mg~0.48mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む、実施形態II-74に記載のドーズパック。
【0629】
実施形態II-76.前記経口維持量製剤は、102mg~204mgのマンニトール、6mg~12mgのヒドロキシプロピルセルロース、10mg~20mgのデンプング
リコール酸ナトリウム、及び2mg~4mgのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0630】
実施形態II-77.前記経口維持量製剤は、7.12mg~14.24mgのヒプロメロース2910、0.8mg~1.6mgの二酸化チタン、0.08mg~0.16mgの酸化第二鉄、及び十分量のカルナバワックスを更に含む、実施形態II-76に記載のドーズパック。
【0631】
実施形態II-78.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤は、負荷能力を維持しながら安定性を向上させる少なくとも1種の添加剤を含む、実施形態II-75または実施形態II-77に記載のドーズパック。
【0632】
実施形態II-79.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤中の前記デンプングリコール酸ナトリウムは、前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤中のN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素またはその薬学的に許容される塩の安定性及び負荷能力を向上させる、実施形態II-74または実施形態II-76に記載のドーズパック。
【0633】
実施形態II-80.前記経口負荷量製剤は、240mg、360mgまたは480mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0634】
実施形態II-81.前記経口維持量製剤は、80mg、120mgまたは160mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0635】
実施形態II-82.前記経口負荷量製剤は、360mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有し、前記経口維持量製剤は、120mgのN-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素または対応量のその薬学的に許容される塩を有する、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0636】
実施形態II-83.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤は錠剤である、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0637】
実施形態II-84.前記経口負荷量製剤及び前記経口維持量製剤は即時放出特性を有している、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0638】
実施形態II-85.抗アンドロゲン剤またはCYP17リアーゼ阻害剤のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
【0639】
実施形態II-86.前記抗アンドロゲン剤は、エンザルタミド、ビカルタミド、エンザルタミドまたはフルタミドを含み、前記CYP17リアーゼ阻害剤はアビラテロンを含む、実施形態II-85に記載のドーズパック。
【0640】
実施形態II-87.ホルモン依存性前立腺がんを治療するために使用される、実施形態II-71または実施形態II-72に記載のドーズパック。
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