(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】陰圧創傷治療システムにおける構成要素の構築及び保護
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20220426BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
A61M27/00
A61M1/00 130
(21)【出願番号】P 2019515598
(86)(22)【出願日】2017-09-26
(86)【国際出願番号】 US2017053557
(87)【国際公開番号】W WO2018064077
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-08-12
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ダブリュ・グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ヤーベリー・ハートウェル
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・シー・キンタナル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517318(JP,A)
【文献】特開2009-248783(JP,A)
【文献】特表2009-522067(JP,A)
【文献】国際公開第2008/059629(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/018448(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に陰圧を印加する装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに支持され、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、
前記流体流路内に位置付けられ、前記創傷被覆材から除去された流体を収集するように構成されるキャニスターと、
前記ハウジングに支持されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に機械的に取り付けられかつ前記プリント回路基板に電気的に接続されたアンテナ基板であって、前記キャニスターの近位に位置し、電子装置と無線通信するように構成され、前記陰圧源が陰圧を提供しているとき、前記ハウジング内で該ハウジングが置かれた面に向かって下向きに配向されるアンテナ基板と、
一つまたは複数のコントローラであって、
前記陰圧源を作動および停止し、かつ
前記アンテナ基板を使用して第一のデータを前記電子装置に送信するか、または前記アンテナ基板を使用して前記電子装置から第二のデータを受信するように構成される、コントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記アンテナ基板が、前記アンテナ基板による電磁信号出力が前記面に向かって送信されるように、前記ハウジング内で床に面して配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記キャニスターが、電磁シールドを前記アンテナ基板に提供するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記一つまたは複数のコントローラが、通信コントローラを備え、前記アンテナ基板が単一のアンテナコネクタを介して前記通信コントローラに接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プリント回路基板が、前記アンテナ基板用の前記単一のアンテナコネクタおよび接地コネクタを備え、前記アンテナ基板用の前記接地コネクタが、前記単一のアンテナコネクタから前記プリント回路基板の反対側に配置される、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記アンテナ基板が、ブラケットを使用して前記プリント回路基板に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記ハウジングの外側に位置付けられたアクセスドア、および前記アクセスドアの取り外しを制御するように構成されるナイロンねじを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、第一の側面および前記第一の側面に対向する第二の側面を有し、前記アンテナ基板が前記第二の側面よりも前記第一の側面の近くに位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記キャニスターが、前記ハウジングの前記第一の側面に結合するように構成される、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月29日に出願された米国仮出願第62/401,728号と2017年3月7日に出願された米国仮出願第62/468,258号の利益を主張するものであり、これらの開示はその全体が参照によって本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0002】
本開示の実施形態は、陰圧療法もしくは減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本明細書に開示された実施形態は、陰圧療法デバイス、TNPシステムの動作を制御するための方法、及びTNPシステムの使用方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の特徴及び利点は、以下に述べる添付図面を参照した下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0004】
【
図1】
図1は、一部の実施形態による減圧創傷療法システムを示す。
【
図2A】
図2Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
【
図2B】
図2Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
【
図2C】
図2Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
【
図3】
図3は、一部の実施形態によるポンプ組立品の電気的構成要素概略図を示す。
【
図4A】
図4Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図4B】
図4Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図4C】
図4Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図4D】
図4Dは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図4E】
図4Eは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図4F】
図4Fは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図5A】
図5Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図5B】
図5Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図5C】
図5Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図5D】
図5Dは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図5E】
図5Eは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
【
図6A】
図6Aは、一部の実施形態による主回路基板組立品の前面および後面を図示する。
【
図6B】
図6Bは、一部の実施形態による主回路基板組立品の前面および後面を図示する。
【
図7A】
図7Aは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
【
図7B】
図7Bは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
【
図7C】
図7Cは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
【
図7D】
図7Dは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
【
図8A】
図8Aは、一部の実施形態による通信回路基板組立品の最上層および下部フィルムを図示する。
【
図8B】
図8Bは、一部の実施形態による通信回路基板組立品の最上層および下部フィルムを図示する。
【
図8C】
図8Cは、一部の実施形態による、
図8Aおよび
図8Bの通信回路基板組立品の内部接地面および内部電力面を図示する。
【
図8D】
図8Dは、一部の実施形態による、
図8Aおよび
図8Bの通信回路基板組立品の内部接地面および内部電力面を図示する。
【
図9】
図9は、一部の実施形態によるアンテナを使用して通信するポンプ組立品を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本開示の実施形態は、陰圧療法装置、TNPシステムの動作を制御するための方法、及びTNPシステムの使用方法に関する。方法及び装置は、以下に説明する特徴の任意の組み合わせを組み込むか、または実装することができる。
【0006】
様々な種類の創傷被覆材が、ヒトまたは動物の治癒過程を補助するものとして知られている。様々な種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。TNP療法は、真空補助閉鎖療法、陰圧創傷療法、または減圧創傷療法とも称されることがあり、創傷の治癒率を改善するための有益な機序になり得る。こうした療法は、切開創傷、開放創、及び腹部創などの広範な創傷に適用することができる。
【0007】
TNP療法は、組織浮腫を軽減し、血流を促し、肉芽組織の形成を促進させ、過剰な滲出物を除去し、細菌負荷つまり創傷への感染を低減することによって、創傷の閉鎖及び治癒を促すことができる。その上、TNP療法は、創傷の外部障害を減らし、より迅速な治癒を促すことができる。
【0008】
本明細書で使用される場合、-XmmHgといった減圧または陰圧レベルは、概して760mmHg(または、1気圧、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する大気圧よりも低い圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、(760-X)mmHgの圧力といった、大気圧よりもXmmHg低い圧力を表している。さらに、-XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低くなる)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高くなる)。
【0009】
システムの概要
ポンプ組立品は、高温、高高度、電磁放射、または静電気放電(ESD)など、環境条件へのポンプ組立品の許容度を改善する一つまたは複数の特徴を含みうる。ポンプ組立品の許容度の改善により、ポンプ組立品は、例えば、非理想的環境下にも関わらず機能する、または特定の環境条件の存在下でより安全に機能する、ことが可能となる。ポンプ組立品は、小さく、コンパクトで、軽量であり得、無線通信を送受信し、厳密な電気的イミュニティ基準を満たすことができる。一つまたは複数の特徴が個別に説明されているが、一部の実例では、ポンプ組立品の特定の実装で一つまたは複数の特徴を組み合わせることができる。
【0010】
図1は、創傷くぼみ110であって、創傷カバー120によって封止された創傷くぼみの内部に置かれた創傷充填材130を備える、陰性のまたは低減された圧力創傷治療(またはTNP)システム100の実施形態を示す。創傷カバー120と組み合わされた創傷充填材130は、創傷被覆材として言及され得る。単一または複数の内腔管または導管140は、創傷カバー120と、減圧圧力を供給するように構成されるポンプ組立品150とを接続する。創傷カバー120は、創傷くぼみ110に流体連通することができる。
図1に示される実施形態のような本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、ポンプ組立品は、キャニスターレスポンプ組立品(滲出液が、創傷被覆材に集められる、または別の位置に集めるために管140を介して運ばれることを意味する)であることができる。しかし、本明細書で開示されるいくつかのポンプ組立品の実施形態は、キャニスターを含むまたは支持するように構成され得る。追加的に、本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、いくつかのポンプ組立品の実施形態は、被覆材に取り付けられ、もしくは被覆材によって支持され、または被覆材に隣接することができる。
【0011】
創傷充填材130は、例えば、親水性または疎水性発泡体、ガーゼ、膨張可能なバッグ等の任意の適切なタイプであることができる。創傷充填材130は、それが実質的にくぼみを充填するように、創傷くぼみ110に適合することができる。創傷カバー120は、創傷くぼみ110を覆う実質的に流体不浸透性のシールを提供することができる。創傷カバー120は、上面および下面を有することができ、下面は、創傷くぼみ110を粘着的に(または任意のその他の適切な手法において)封止する。本明細書で開示される導管140もしくは内腔またはいくつかのその他の導管もしくは内腔は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、または任意のその他の適切な材料から形成され得る。
【0012】
創傷カバー120の一部の実施形態は、導管140の端を受けるように構成される、ポート(図示せず)を有し得る。例えば、ポートは、Smith&Nephewから入手可能なRenays Soft Portであることができる。その他の実施形態では、導管140は、別のやり方では、創傷くぼみ内に所望のレベルの減圧圧力を維持するように、減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するために創傷カバー120を通り抜けるおよび/またはその下にあることができる。導管140は、ポンプ組立品150によって提供される減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するように、ポンプ組立品150と創傷カバー120との間に少なくとも実質的に密封された流体流路を提供するように構成される、任意の好適な物品であることができる。
【0013】
創傷カバー120および創傷充填材130は、単一な物品または一体型の単一なユニットとして提供され得る。一部の実施形態では、創傷充填材が提供されずに、創傷カバーがそれ自体として創傷被覆材とみなされてもよい。ついで、創傷被覆材は、導管140を介して、ポンプ組立品150といった陰圧源に接続され得る。ポンプ組立品150は小形化され、持ち運び可能とすることができるが、より大きな従来のそのようなポンプがまた使用されてもよい。
【0014】
創傷カバー120は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。創傷カバー120は、創傷部位を覆う実質的に密封されたくぼみまたはエンクロージャを形成することができる。一部の実施形態では、創傷カバー120は、過剰流体の蒸発を可能にする高い水蒸気浸透性を持つフィルムを有するように構成されることができ、また創傷滲出液を安全に吸収するためにその中に含まれる超吸収性材料を有することができる。本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。この点において、創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、急性創傷、慢性創傷、外科切開およびその他の切開、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、外科創傷、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に記載のTNPシステムの構成要素は、少量の創傷滲出液を滲出する切開創傷に特に適し得る。
【0015】
システムの一部の実施形態は、滲出液キャニスターを使用することなく動作するように設計される。一部の実施形態は、滲出液キャニスターを支持するように構成され得る。一部の実施形態では、管材料140がポンプ組立品150から迅速にかつ容易に取り除かれ得るようにポンプ組立品150および管材料140を構成することは、必要な場合、被覆材またはポンプを交換するプロセスを容易にする、または改善することができる。本明細書で開示されるいくつかのポンプの実施形態は、管材料とポンプとの間の任意の好適な接続を有するように構成され得る。
【0016】
ポンプ組立品150は、一部の実装において、およそ-80mmHg、または約-20mmHg~200mmHgの陰圧を供給するように構成され得る。これらの圧力は、正常な大気圧に対する相対値であり、つまり、-200mmHgは、実際に則した用語において、約560mmHgであり得ることに留意されたい。圧力範囲は約-40mmHgから-150mmHgの間であり得る。別の方法として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。別の方法として、およそ-100mmHgまたはさらに150mmHgより上の圧力範囲が、ポンプ組立品150により供給され得る。
【0017】
動作時に、創傷充填材130は、創傷くぼみ110内に挿入され、創傷カバー120は、創傷くぼみ110を密封するように配置される。ポンプ組立品150は、創傷充填材130を介して創傷くぼみ110に送られる陰圧源を創傷カバー120に提供する。流体(例えば、創傷滲出液)は、導管140を通して引き出され、キャニスター内に貯蔵され得る。一部の実施形態では、流体は、創傷充填材130または一つ以上の吸収性の層(図示せず)によって吸収される。
【0018】
本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに利用され得る創傷被覆材は、Smith&Nephewから入手可能なRenasys-F、Renasys-G、Renasys ABおよびPico被覆材を含む。本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに使用され得る陰圧創傷療法システムのこうした創傷被覆材およびその他の構成要素のさらなる説明は、米国特許公開第2011/0213287号、第2011/0282309号、第2012/0116334号、第2012/0136325号および第2013/0110058号において見出され、それらの全体が参照により援用される。その他の実施形態では、その他の好適な創傷被覆材が利用され得る。
【0019】
図2Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品230およびキャニスター220の前面図を示す。示されるように、ポンプ組立品230とキャニスターが接続されて、それにより、陰圧創傷療法デバイスを形成する。ポンプ組立品230は、一部の実施形態におけるポンプ組立品150と類似し、またはそれと同一であり得る。
【0020】
ポンプ組立品230は、アラームを示すように構成される視覚的指標202およびTNPシステムの状態を示すように構成される視覚的指標204などの一つまたは複数の指標を含む。指標202および204は、通常のまたは適切な動作状態、ポンプ停止、ポンプまたは停電に供給される電力、創傷カバーまたは流れ経路内の漏れの検出、吸引閉塞、またはいくつかのその他の同様のまたは適切な状態またはそれらの組み合わせをユーザーに警告することを含む、システムの様々な動作および/または停止状態を患者または医療提供者などのユーザーに警告するように構成され得る。ポンプ組立品230は、追加的な指標を備えることができる。ポンプ組立品は、単一な指標または複数の指標を使用することができる。任意の適切な指標は、例えば、視覚的な、音声的な、触覚的な指標等として使用され得る。指標202は、例えば、キャニスター充填、低電力、導管140の分離、創傷シール120におけるシール破壊等の警告状態を示すように構成され得る。指標202は、ユーザーの注意を引くために赤のせん光を表示するように構成され得る。指標204は、例えば、療法送達は正常である、漏れが検出された等のTNPシステムの状態を示すように構成され得る。指標204は、例えば、緑、黄などの一つまたは複数の異なる色の光を表示するように構成され得る。例えば、緑色の光は、TNPシステムが適切に動作している時に放出されてもよく、黄色の光は、警告を示すために放出され得る。
【0021】
ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたくぼみ208に取り付けられる、ディスプレイまたはスクリーン206を含む。ディスプレイ206は、タッチスクリーンディスプレイであることができる。ディスプレイ206は、取扱い説明ビデオなどの視聴覚(AV)コンテンツの再生を支持することができる。以下で説明されるように、ディスプレイ206は、いくつかのスクリーンまたはグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)がTNPシステムの動作を構成する、制御する、および監視するように構成され得る。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたグリップ部分210を備える。グリップ部分210は、例えば、キャニスター220の取り外しの間などに、ユーザーがポンプ組立品230を保持することを支持するように構成され得る。キャニスター220は、例えば、キャニスター220が流体で充填された時などに、別のキャニスターと取り替えられ得る。
【0022】
ポンプ組立品230は、ユーザーがTNPシステムの動作を操作し、および監視することを可能にするように構成される、一つまたは複数のキーまたはボタン212を含む。図示されるように、ボタン212a、212b、および212cが含まれる。ボタン212aは、ポンプ組立品230の電源を入れる/切るための電源ボタンとして構成され得る。ボタン212bは、陰圧療法の供給のためのプレイ/ポーズボタンとして構成され得る。例えば、ボタン212bを押すことにより、療法を開始することができ、その後ボタン212bを押すことにより、療法を停止または終了することができる。ボタン212cは、ディスプレイ206および/またはボタン212をロックするように構成され得る。例えば、ボタン212cは、ユーザーが故意でなく療法の供給を変えることがないように押され得る。ボタン212cは、制御をアンロックするために押下され得る。その他の実施形態では、追加的なボタンが、用いられてもよく、または示したボタン212a、212bまたは212cのうち一つまたは複数が、省かれてもよい。複数のキーの押下および/または連続的なキーの押下は、ポンプ組立品230を動作させるために使用され得る。
【0023】
ポンプ組立品230は、カバーに形成される一つまたは複数のラッチ凹部222を含む。例示的実施形態では、2つのラッチ凹部222は、ポンプ組立品230の側部に形成され得る。ラッチ凹部222は、一つまたは複数のキャニスターラッチ221を使用してキャニスター220の取付けおよび分離を可能にするように構成され得る。ポンプ組立品230は、創傷くぼみ110から取り除かれる空気が漏れ出ることを可能にするための空気出口224を備える。ポンプ組立品に入る空気は、抗菌フィルタなどの一つまたは複数の適切なフィルタを通り抜けることができる。これは、ポンプ組立品の再利用性を維持することができる。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品230に携帯ストラップを接続するための、または受け台を取り付けるための一つまたは複数のストラップ取付け部226を含む。例示的実施形態では、2つのストラップ取付け部226は、ポンプ組立品230の側部に形成され得る。一部の実施形態では、種々のこれらの特徴は省かれ、および/または種々の追加的な特徴がポンプ組立品230に加えられる。
【0024】
キャニスター220は、創傷くぼみ110から取り除かれる流体(例えば、滲出液)を保持するように構成される。キャニスター220は、キャニスターをポンプ組立品230に取り付けるための一つまたは複数のラッチ221を含む。例示的実施形態では、キャニスター220は、キャニスターの側部に2つのラッチ221を備える。キャニスター220の外部は、キャニスターが実質的に不透明であり、またキャニスターの中身が平面視で実質的に隠されるように、つや消しプラスチックから形成され得る。キャニスター220は、キャニスターのケースに形成されるグリップ部分214を備える。グリップ部分214は、例えば、装置230からのキャニスターの取り外しの間などに、ユーザーがポンプ組立品220を保持することを可能にするように構成され得る。キャニスター220は、実質的に透明な窓216を含み、それはまた、量の目盛りを含むことができる。例えば、示される300mLのキャニスター220は、50mL、100mL、150mL、200mL、250mLおよび300mLの目盛りを含む。キャニスターのその他の実施形態は、異なる量の流体を保持することができ、異なる目盛り尺度を含むことができる。例えば、キャニスターは、800mLのキャニスターであることができる。キャニスター220は、導管140に接続するための管状のチャネル218を備える。一部の実施形態では、グリップ部分214などの種々のこれらの特徴は省かれ、および/または種々の追加的な特徴がキャニスター220に加えられる。いくつかの開示されるキャニスターは、凝固剤を含んでもよく、または凝固剤を省いてもよい。
【0025】
図2Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品230およびキャニスター220の背面図を示す。ポンプ組立品230は、音を生成するためのスピーカーポート232を備える。ポンプ組立品230は、フィルタアクセスドア234を含み、そのドアは、アクセスドア234を取り外し、抗菌または臭気フィルタなどの一つまたは複数のフィルタと連通し、それを取り替えるためのねじ235を有する。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたグリップ部分236を備える。グリップ部分236は、例えば、キャニスター220の取り外しの間などに、ユーザーがポンプ組立品230を保持することを可能にするように構成され得る。ポンプ組立品230は、表面上にポンプ組立品230を配置するためのねじカバーおよび/または足部またはプロテクターとして構成される、一つまたは複数のカバー238を含む。カバー230は、ゴム、シリコーンまたは任意のその他の適切な材料で形成され得る。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品の内部バッテリーを充電および再充電するための電源ジャック239を備える。電源ジャック239は、直流(DC)ジャックであることができる。一部の実施形態では、ポンプ組立品は、電源ジャックが必要ないように、バッテリーなどの使い捨て可能な電源を備え得る。
【0026】
キャニスター220は、表面上にキャニスターを配置するための一つまたは複数の足部244を含む。足部244は、ゴム、シリコーンまたは任意のその他の適切な材料で形成されてもよく、キャニスター220が表面上に配置された時に安定した状態を保つように適切な角度に角度付けられてもよい。キャニスター220は、一つまたは複数の管がデバイスの前部へと抜け出ることを可能にするように構成される、管取付けレリーフ246を備える。キャニスター220は、キャニスターが表面上に配置された時にキャニスターを支持するためのスタンドまたはキックスタンド248を含む。以下で説明されるように、キックスタンド248は、開位置と閉位置との間で旋回することができる。閉位置において、キックスタンド248は、キャニスター220にラッチされ得る。一部の実施形態では、キックスタンド248は、プラスチックなどの不透明材料から作られ得る。その他の実施形態では、キックスタンド248は、透明材料から作られ得る。キックスタンド248は、キックスタンドに形成されるグリップ部分242を含む。グリップ部分242は、ユーザーがキックスタンド248を閉位置に位置付けることを可能にするように構成され得る。キックスタンド248は、穴249を含み、それは、ユーザーがキックスタンドを開位置に位置付けることを可能にする。穴249は、ユーザーが指を用いてキックスタンドを伸ばすことが可能となるようにサイズ設定され得る。
【0027】
図2Cは、一部の実施形態によるキャニスター220から分離されたポンプ組立品230を示す。ポンプ組立品230は、真空ポンプがそれを通じてキャニスター220に陰圧を伝達する、真空アタッチメント、コネクタまたは入口252を含む。ポンプ組立品は、入口252を介して創傷からの気体などの流体を吸い出す。ポンプ組立品230は、一つまたは複数のUSBポートへのアクセスを可能にするように構成される、USBアクセスドア256を備える。一部の実施形態では、USBアクセスドアが省かれ、またUSBポートはドア234を通じてアクセスされる。ポンプ組立品230は、例えば、SD、コンパクトディスク(CD)、DVD、ファイアワイア、サンダーボルト、PCIエクスプレスなどの追加的なシリアル、パラレル、および/またはハイブリッドデータ転送インターフェースへのアクセスを可能にするように構成される、追加的なアクセスドアを含むことができる。その他の実施形態では、これらの追加的なポートのうち一つまたは複数は、ドア234を通じてアクセスされる。
【0028】
図3は、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などの、ポンプ組立品の電気的構成要素概略
図300を示す。電気的構成要素は、ユーザー入力を受け入れ、ユーザーに出力を提供し、ポンプ組立品およびTNPシステムを操作し、ネットワーク接続を提供するように動作することができる。電気的構成要素は、一つまたは複数のプリント回路基板(PCB)上に取り付けることができる。図示されるように、ポンプ組立品は複数のプロセッサを含み得る。
【0029】
ポンプ組立品は、ユーザー入力を受け入れ、ユーザーに出力を提供するための、ディスプレイ206、ボタン212などの一つまたは複数の構成要素を操作するように構成されたユーザーインターフェースプロセッサまたはコントローラ310を備え得る。ポンプ組立品への入力およびポンプ組立品からの出力は、入力/出力(I/O)モジュール320によって制御できる。例えば、I/Oモジュールは、シリアル、パラレル、ハイブリッドポートなどの一つまたは複数のポートからデータを受信し得る。プロセッサ310はまた、データを受信し、一つまたは複数のUSBポート、SDポート、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、FireWireポート、Thunderboltポート、PCI Expressポートなどの一つまたは複数の拡張モジュール360にデータを提供する。プロセッサ310は、他のコントローラまたはプロセッサとともに、プロセッサ310の内部および/または外部にあり得る一つまたは複数のメモリモジュール350にデータを保存する。RAM、ROM、磁気メモリ、固体メモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)などの揮発性および/または不揮発性メモリを含む任意の適切なタイプのメモリを使用し得る。
【0030】
一部の実施形態では、プロセッサ310は、低電力プロセッサなどの汎用コントローラとすることができる。他の実施形態では、プロセッサ310はアプリケーションに特化したプロセッサであり得る。プロセッサ310は、ポンプ組立品の電子アーキテクチャ内の「中央」プロセッサとして構成され得、プロセッサ310は、ポンプ制御プロセッサ370、通信プロセッサ330、および一つまたは複数の追加的プロセッサ380(例えば、ディスプレイ206を制御するためのプロセッサ、ボタン212を制御するためのプロセッサ、など)などの他のプロセッサの動作を連携し得る。プロセッサ310は、Linux(登録商標)、Windows CE、VxWorksなどの適切なオペレーティングシステムを実行し得る。
【0031】
ポンプ制御プロセッサ370は、陰圧ポンプ390の動作を制御するように構成され得る。ポンプ390は、膜ポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、回転ベーンポンプ、スクロールポンプ、ねじポンプ、液封式ポンプ、圧電気変換器によって操作される膜ポンプ、ボイスコイルポンプなどの適切なポンプとし得る。ポンプ制御プロセッサ370は、一つまたは複数の圧力センサから受信したデータを使用して、流体流路内の圧力を測定し、流体流量を計算し、ポンプを制御し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、所望のレベルの陰圧が創傷くぼみ110内で達成されるように、ポンプモータを制御し得る。所望のレベルの陰圧は、圧力設定またはユーザーによって選択され得る。さまざまな実施形態で、ポンプ制御プロセッサ370は、パルス幅変調(PWM)を使用してポンプ(例えば、ポンプモータ)を制御する。ポンプを駆動するための制御信号は、0~100%のデューティサイクルPWM信号とし得る。ポンプ制御プロセッサ370は、流量計算を実行し、流路内の様々な条件を検出し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、プロセッサ310に情報を伝達し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、内部メモリを含むことおよび/またはメモリ350を利用することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、低電力プロセッサであってもよい。
【0032】
通信プロセッサ330は、有線および/または無線接続を提供するように構成され得る。通信プロセッサ330は、データを送受信するために一つまたは複数のアンテナ340を利用し得る。通信プロセッサ330は、以下のタイプの接続のうちの一つまたは複数を提供することができる:全地球測位システム(GPS)技術、セルラー接続(2G、3G、LTE、4G)、Wifi接続、インターネット接続など。接続は、ポンプ組立品位置トラッキング、資産管理、コンプライアンス監視、遠隔選択、ログ、アラーム、その他の運転データのアップロード、治療設定の調整、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのアップグレードなど、様々な活動に使用し得る。通信プロセッサ330は、GPS/セルラー二つの機能を提供できる。セルラー機能は、例えば、3G機能であり得る。ポンプ組立品はSIMカードを含み得、SIMベースの位置情報を取得し得る。
【0033】
通信プロセッサ330は、プロセッサ310に情報を伝達し得る。通信プロセッサ330は、内部メモリを含むことおよび/またはメモリ350を利用することができる。通信プロセッサ330は、低電力プロセッサであり得る。
【0034】
一部の実施形態では、通信プロセッサ330によって提供される接続を使用して、装置は、ポンプ組立品によって保存され、維持され、および/または追跡された任意のデータをアップロードできる。装置はまた、治療法選択およびパラメータ、ファームウェアおよびソフトウェアパッチおよびアップグレードなど、様々な運転データをダウンロードし得る。
【0035】
図4Aは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品400の分解図を示す。図示した図は、ポンプ組立品400の前面部分に対応し得る。ポンプ組立品400の構成要素は、前面エンクロージャ401、GPSアンテナ402、ステータスライトパイプ403、接着剤404、液晶ディスプレイ(LCD)405、シャーシおよびLCD回路基板406、ねじ407、主回路基板組立品408、ねじ409、スタンドオフ410、通信回路基板組立品411(通信アンテナ含む)、陰圧源412、電力入力ケーブル413、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブル組立品414、Subscriber Identity Module(SIM)カード415、底面エンクロージャ416、キャニスターコネクタ417、キャニスターコネクタOリング418、およびキーパッド419を含み得る。
図4B~
図4Fは、一部の実施形態によるポンプ組立品400の複数の図を示す。
図4B~
図4Fに含まれる寸法はインチで提供されている。
【0036】
図4A~
図4Fは、ポンプ組立品400の一部として含まれる特定の構成要素を示すが、一部の構成要素は除去されてもよく、または他の構成要素が他の実装に追加されてもよい。
【0037】
図5Aは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品500の分解図を示す。図示した図は、ポンプ組立品500の後面部分に対応し得る。ポンプ組立品500の図示された構成要素は、ポンプ組立品400の構成要素に連結して、一体型ポンプ組立品を形成するように構成され得る。ポンプ組立品500の構成要素は、アクセスドア501(アクセスドア234と同じであり得る)、フィルタエンクロージャガスケット502、フィルタ503(例えば、抗菌フィルタ、臭気フィルタなど)、小型USBポートカバー504、後面エンクロージャ505、電力入力ライトパイプ506、電力入力回路基板組立品507、USB回路基板組立品508、排出管509、クリップ510、バッテリーブラケット511、バッテリー512、スピーカ組立品513、スピーカフィルタ514、プッシュナット515、ねじ516(ねじ235と同じであり得る)、ねじ517、ねじ518、および発泡テープ519を含み得る。
図5B~
図5Fは、一部の実施形態によるポンプ組立品500の複数の図を示す。
図5B~
図5Fに含まれる寸法はインチで提供されている。
【0038】
図5A~
図5Fは、ポンプ組立品500の一部として含まれる特定の構成要素を示すが、一部の構成要素は除去されてもよく、または他の構成要素が他の実装に追加されてもよい。
【0039】
電子機器
ポンプ組立品の電子機器は、環境条件へのポンプ組立品の許容度を改善するよう構成され、構成され得る。ポンプ組立品は望ましくは、在宅医療、航空機、自動車、船舶、列車、金属検出器、能動植込み型装置などの様々な非制御環境で、電気的または機械的に適切または安全に動作することができる。
【0040】
ポンプ組立品は、高レベルのESDに複数の段階で耐え得るように構成され、例えばコンタクト:±2kV(以下)、±4kV、±6kV、±8kV以上、およびエアギャップ:±2kV(以下)、±4kV、±6kV、±8kV、±15kV、±30kV以上。ポンプ組立品はさらに、または別の方法として、例えば100A/m(以下)、150A/m、200A/m、400A/m以上の磁界強度などの磁気イミュニティ、ならびに例えば10V/m(以下)、20V/m以上のRF信号強度などの高レベルのRFイミュニティを有するように構成され得る。さらに、または別の方法として、ポンプ組立品は、高レベルの機械的負荷(例えば、衝撃、振動、落下など)および高高度環境(例えば、航空機)に耐え得る。一部の実施形態では、ポンプ組立品は、電気および電子装置に対する電磁適合性に関するIEC61000製品群規格、または一つまたは複数のその他の適用可能な工業規格に準拠する。
【0041】
ポンプ組立品は、一部の実装において、IEC60601-1規格、他の規格、または他の業界で許容される基準の下で定義されるように、耐徐細動性(例えば、適用される部分全体が耐徐細動性)でありうる。ポンプ組立品は、例えば、単一性または二相性の徐細動ショックが適用された時に、正常な動作を継続することができる。ポンプ組立品は、その性能を変化させないか、またはこうした条件下で誤警報を提示しな得ない。ポンプ組立品を使用する患者が心停止となった場合には、ポンプ組立品が外部の徐細動ショックを切り抜けることができるため、こうした耐徐細動構造は望ましくあり得る。さらに、ポンプ組立品は、有用性を保持しながら、耐徐細動性であることができる。
【0042】
本明細書に記述した一つまたは複数の特徴は、ポンプ組立品が高レベルのESDに耐え、磁気イミュニティまたはRFイミュニティを有し、高レベルの機械的負荷に耐え、高高度環境に耐え、または耐徐細動性であることができることを可能とする。
【0043】
ポンプ組立品は、導体トラック、パッドおよび非導電性基体上に積層された銅シートからエッチングされた他の特徴を用いて電気的構成要素を機械的に支持および電気的に接続する一つまたは複数のPCBを含み得る。コンデンサ、抵抗器、または能動デバイスなどの構成要素は、PCB上にはんだ付けされてもよく、または基体内に埋め込まれてもよい。PCBは片面(一つの銅層)、両面(二つの銅層)または多層(外側層および内側層)であり得る。異なる層上の導体はビアで接続される。多層PCBにより、より高い構成要素密度が許容される。一実装では、ポンプ組立品は一つまたは二つの層を有する一つまたは複数のPCBを含み得る。さらに他の実装では、ポンプ組立品は、六層などの三つ以上の層を有する一つまたは複数のPCBを含み得る。一つまたは複数のPCBは、特に、陰圧源を操作すること、ポンプ組立品の電力分配を制御すること、他の電子装置と通信すること、またはユーザーインターフェースとして動作することなどの一つまたは複数の装置機能を実行するよう構成された、一つまたは複数のコントローラなどの構成要素をそれぞれ含み得る。
【0044】
ポンプ組立品は、特定の内部装置構成要素を電気的に分離し、電磁波シールド(EMI)遮蔽、ESD保護、およびその他の形態の電気絶縁を提供するように構成され得る。
【0045】
ポンプ組立品は、ポンプ組立品のPCBの端部とプラスチックハウジングなどのハウジングとの間に間隙があるように位置付けられたPCBを含みうる。追加的にまたは代替的に、ポンプ組立品は、PCBに結合された構成要素(例えば、一つ以上のマイクロコントローラまたはメモリなど)が、PCBの端部から閾値距離(例えば、約0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mm)より大きいように構成されるPCBを含み得る。これにより、ESDがハウジングに加えられた結果としての干渉からPCBおよびその構成要素を保護し得る。
【0046】
ポンプ組立品は、アナログ入力に関してを含め、実質的にノイズ耐性であるように構成されたソフトウェア入力出力バスを含み得る。ポンプ組立品は、マイクロコントローラまたはメモリなどの一つまたは複数の構成要素の上にEMIシールドを含み得る。
【0047】
ポンプ組立品は、ポンプ組立品のためのより良好なESD保護を提供するために、金属ねじではなく一つまたは複数のナイロンねじを含み得る。一つまたは複数のナイロンねじは、ハウジングの外部表面上に位置付けられ得る。ナイロンねじは、例えば、ねじ235またはねじ501などのポンプ組立品のフィルタにアクセスするために使用され得る。
【0048】
ポンプ組立品は、ポンプ組立品のためのより良好なESD保護を提供するための一つまたは複数の内部ガスケットを含み得る。ポンプ組立品はまた、露出した金属を含まないか、またはアークを防止するために金属部品を覆うことによって、露出した金属の量を制限しし得る。例えば、充電ケーブル用のプラグは電気的に絶縁され得、ポンプ組立品用のクランプを接続するための耳は電気的に絶縁され得る。
【0049】
ポンプ組立品は、一つまたは複数の個別コネクタ(例えば、USBコネクタまたはアンテナコネクタ)およびESDクランプ(一つまたは複数のダイオードを有する回路など)に電気的に連結されたコンデンサを含み得る。ポンプ組立品には、コンフォーマルコーティング、比較的短いケーブル組立品、比較的短いレイアウトトレース、または平面間の特定のレイアウトトレースを封入することが含まれ得る。ポンプ組立品はまた、PCBの端部または接地金属シールドからの平面およびトレースを含み得る。
【0050】
ポンプ組立品は、徐細動条件下で経験されるエネルギーおよび電流レベルでPCBに対する電気チャネルとなり得る間隙または材料の変化を含み得ない。ポンプ組立品の一つまたは複数の発光ダイオード(LED)は、光パイプ、レンズ、または光を伝達するためのその他の手段を有するのではなく、強固で、完全および半透明の前面カバーの後方に有り得る。
【0051】
本明細書に記載される装置構造を考慮すると、ポンプ組立品は、電気短絡に対処するための代替的な機能を持ち得るため、ポンプ組立品は電気短絡の際に、過真空または別の誤った操作モードに対して防護しない場合がある。
【0052】
ポンプ組立品は、ポンプ組立品を短絡することから水、尿、または血液侵入を分離するための電気的絶縁を含み得る。
【0053】
ポンプ組立品は、一部の場合、通信のための調整された受信機を使用して、レシーバーの短絡およびコンデンサ保護を行うことができる。関心対象の周波数以外の干渉を地面に短絡させ得る。ポンプ組立品はまだ関心対象の周波数でいくらかの脆弱性を有する場合があるが、周波数が干渉のスペクトルと異なる場合には、脆弱性は顕著に許容可能となり得る。
【0054】
電気ショック、ESDなどに対して保護するポンプ組立品の特徴は、望ましくは、ポンプ組立品を損傷または誤作動から保護するか、または患者または臨床家を衝撃から保護し得る。
【0055】
図6Aは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品の主PCB600の前面を示す。主PCB600は、例えば、主回路基板組立品408の一実施形態であってもよい。主PCB600は、陰圧源を制御するためのデジタル信号プロセッサ610、LEDバックライトの電磁適合性シールド620(例えば、3Vでなく12Vなどの高電圧から保護するため)、遮蔽されたバッテリー充電器630、遮蔽されたメモリおよび主マイクロコントローラ640、バッテリーコネクタ650、およびデジタル回路のための遮蔽されたレギュレータ660を含み得る。
図6Bは、主PCB600の後面を図示する。
【0056】
図7Aおよび
図7Bは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品の無線通信PCB組立品700の前面および後面を示す。無線通信PCB700組立品は、例えば、通信回路基板組立品411の実施形態で有り得る。無線通信PCB組立品700は、アンテナ基板710および遮蔽された無線通信コントローラ720および遮蔽された電圧レギュレータ730を有するPCB705を含み得る。アンテナ基板710は、2G、3G、LTE、4Gなどを介して通信するためのシングル、デュアル、トライ、クワドなどのバンドアンテナであり、取付ブラケット712を用いて通信PCB705に取り付けられる無線携帯通信アンテナで有り得る。無線通信PCB組立品700は、経路740を介してGPSアンテナ750に電気的に連結され得、GPSアンテナ402の実施形態で有り得る。
【0057】
図7Cは、経路740およびGPSアンテナ750が取り除かれた状態の無線通信PCBアセンブリ700の側面を図示する。図示されるように、アンテナ基板710は、PCB705が延在する方向に平行に延在するラインCに垂直に延在するラインBに対して角度∠θ°でラインAに沿って延在するように取り付けられ得る。角度∠θ°は一部の実装ではゼロではないが、他の一部の実装ではゼロで有り得る。例えば、角度∠θ°は、最小値∠1°、∠5°、∠10°、∠15°、∠20°、∠25°、∠30°、または∠35°と最大値∠45°、∠50°、∠55°、∠60°、∠65°、∠70°、∠75°、∠80°、∠85°、または∠89°の間で有り得る。角度∠θ°は、例えば、∠15°、∠20°、∠25°、∠30°、∠35°、∠40°、または∠45°かそれと約同等であり得る。他の実施形態では、アンテナ基板710は、角度∠θ°が代わりに最小値∠-45°、∠-50°、∠-55°、∠-60°、∠-65°、∠-70°、∠-75°、∠-80°、∠-85°、または∠-89°と最大値∠-1°、∠-5°、∠-10°、∠-15°、∠-20°、∠-25°、∠-30°、または∠-35°の間、例えば、∠-15°、∠-20°、∠-25°、∠-30°、∠-35°、∠-40°、または∠-45°かそれとほぼ同程度の値を有するように、反対方向に角度付けて、しかしやはり下向きに取り付けられてもよい。角度∠θ°は、一部の実装では、アンテナ基板710が、ポンプ組立品が使用され得る配向(例えば、ポンプ組立品が平坦な表面上のキャニスター上に位置付けられ得る場合、ポンプ組立品またはキャニスターのキックスタンド上に置かれる場合、またはクランプを使用してポールに連結されている場合)に直接下向きに面しないように選択され得る。
【0058】
図7A~
図7Cに示すように、アンテナ基板710は、PCB705に機械的に連結され得る。アンテナ基板710は、例えば、
図7A~7Cに図示するように、一つまたは複数のファスナー(例えば、二つのファスナー)および一つまたは複数のブラケット(例えば、二つのブラケット)を使用して、PCB705(または別の適切な配向に)に取り付けられ得る。アンテナ基板710は、ポンプ組立品が配置される(地面の)接地面または表面に向かって電磁信号を下向きに送信し得る。アンテナ基板710は、それによってアンテナ基板710の下の一つまたは複数の表面からの電磁信号を反射することによって通信し得る。
【0059】
図7Dは、一部の実施形態による無線通信PCBアセンブリ700の構成要素の斜視図を示す。アンテナ基板710は、取付ブラケット712がピン、ねじ、またはリベット716でPCB705に固定された状態で、通信PCB705に取り付けられ得る。二つのブラケット712が図示されているが、一部の実施形態では、一つのブラケットまたは三つ以上のブラケットが使用され得る。ブラケット712は、テープ714単独で使用して、またはアンテナ基板710の穴770、772、780、および782と整列した状態でペグまたはピン724と組み合わせて、アンテナ基板710に固定し得る。PCB705のペグまたは突起762および792は、(および嵌合して組立てられるとき)アンテナ基板710の穴760および790と整列することもできる。アンテナは、PCB705に対して任意の所望の角度で配向することができる。一部の実装では、所望の配向は、リベット716の周りでブラケット712を回転または旋回することによって達成され得る。
【0060】
図8Aは、一部の実施形態による、無線通信組立品PCB700などの無線通信PCB組立品の最上層800を図示する。最上層800は、例えば、上部フィルム層であってもよい。最上層800は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。最上層800はさらに、少なくとも接地(GND)面、無線通信PCB組立品を取り付けるための取付けパッド802A~D、アンテナ基板710とPCB705の間のコネクタまたは接続804を含む複数の特徴を含む。接続804は、アンテナが送信するとき(または送信モードであるとき)、コントローラ(例えば、通信コントローラ720)およびアンテナ基板710からの送信信号供給を提供し得る。接続804は、アンテナが受信するとき(または受信モードであるとき)、アンテナ基板710からコントローラへ送信信号供給を提供し得る。接続804は、一部の実施では、アンテナ基板710を介して信号を送信および受信するための唯一の接続点となり得る。第一の部分860および第二の部分862を含むアンテナトレース806は、位置870でまたは位置870の近位で接地面810に接続される。トレース806は、銅などの導電性材料を含み、アンテナ基板710の接地面として機能し得る。PCB705のトレース806と接地面810との間の接続は、分路器または別の適切な構成要素で達成され得る。
【0061】
特定の実装では、アンテナ基板710の上面は、アンテナ基板がPCB705に取り付けられるときに、接地に向かって下向きに、かつPCB705から離れた向きに配置され得る。接続760は、アンテナ基板の下面上に位置し得るが、これはアンテナ基板がPCB705に取り付けられるときにPCB705に面する。この構成では、PCB705上の接続804は、アンテナ基板710上の接続760に面する。本明細書に説明されるように、PCB705の突起762は、アンテナ基板710の穴760内に配置され得る。接続804と760のとの間の電気的接続は、例えば、はんだ付けまたは別の適切な機構を使用して作ることができる。
【0062】
図8Bは、一部の実施形態による、
図8Aの無線通信PCB組立品の下部層820を示す。下部層820は、例えば、上部フィルム層であってもよい。下部層820は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。下部層820は、少なくとも接地(GND)面およびアンテナコネクタまたは接続822を含む複数の特徴を含む。接続822は、アンテナ基板710を固定するための機械的接続として使用し得る。例えば、アンテナ基板が本明細書に記述されるように上面に下向きに位置付けられる場合、接続822が接続804に対してボードの反対側に位置付けられるため、アンテナ基板の最上面の一部(例えば、全体760を含むおよび/または囲む上側上の領域)を接続822にはんだ付けすることによって(または他の適切な取り付けを用いて)、より信頼性が高いまたは安全な機械的接続を形成することができる。こうした例では、接続822は電気的接続を提供しないが、機械的支持のみに使用される。本明細書で説明したように、PCB705の突出部762は、接続822がアンテナ基板の最上面の近位に位置するように、アンテナ基板710の穴760内に配置されてもよい。アンテナ基板710の反対の、下面上のアンテナ基板接続760を接続804にはんだ付けすることにより、電気的接続および、任意選択で、機械的支持を提供し得る。一部の実施形態では、アンテナ接続822および接続804の位置は、特にアンテナ基板が地面から上向きに上面に位置付けられたとき、切り替えることができる(例えば、アンテナ接続822を最上層800上に配置し得る)。
【0063】
図8Cは、一部の実施形態による、
図8Aの無線通信PCB組立品の内部接地面840を示す。内部接地面840は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。内部接地面840は、PCBの周囲の周りに延在する地面、ならびにノイズ(EMI)の低減に役立つアンテナの近位の接地領域842を含む。接地領域842は、PCBの周囲の周りに延在する接地の他の部分の厚さよりも大きな(例えば、2、3、4、5、6、7、または8倍以上の厚さ)有し得る。内部接地面840はさらに、無線通信PCB組立品の取付け穴が接地され得るように、取付けパッドの位置に接地を含む。
【0064】
図8Dは、一部の実施形態による、
図8Aの無線通信PCB組立品の内部電力面860を示す。内部電力面860は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。内部電力面860は、少なくとも接地、取付けパッド、および電圧供給領域+V1、+V2、+V3、+V4を含む複数の特徴を含む。
【0065】
図8A~
図8Dに図示した構造では、無線通信PCB組立品は、一部の実装において一つまたは複数の利益を経験し得る。無線通信PCB組立品は、例えば、伝送帯域のノイズがアンテナにフィードバックされ得る干渉(EMIなど)から保護され得る。さらに、無線通信PCB組立品は、トランスミッタとして作用しうる底部層または上部フィルム層上に長いトレースを含まない場合があり、代わりに信号トレースは接地によって放射ノイズから遮蔽される内部に移動され得る。一部の実施形態では、一つまたは複数のコンデンサが利用されてノイズイミュニティまたは抑制を提供する。例えば、一つまたは複数のコンデンサを使用して、高周波干渉を抑制する低減フィルタ(RCフィルタ、LCフィルタなど)を構築し得る。一つまたは複数のコンデンサが、一つまたは複数の入力信号を保護するために使用され得る。
【0066】
デバイスアンテナ
ポンプ組立品230などのポンプ組立品は、一つまたは複数の他の電子装置と、
図7Aのアンテナ基板710などのアンテナを使用して通信できる。アンテナは、ポンプ組立品の基部の近位、またはポンプ組立品に連結されたキャニスターの近位に位置付け得る。キャニスター近位のアンテナの位置は、キャニスターがEMI、ESD、または電気ショック(徐細動器など)から電磁シールドまたは絶縁体として機能し、ポンプ組立品の他の電子構成要素由来のESDおよび内部ノイズからアンテナを保護することを可能にすることができる。こうした位置決めはまた、アンテナで得られる信号強度を改善するために、アンテナのサイズを増加させるための追加的な空間を可能にするだけでなく、キャニスターが、ポンプ組立品が位置付けられる地面またはその他の表面からアンテナを離間させるスペーサとして機能することを可能にする。
【0067】
アンテナは、ポンプ組立品が陰圧療法の送達のために配向されるときに、上向き(例えば、天井または空に向かって)にまたは横(例えば、部屋の側壁に向かって)に向けるのではなく、下向き(例えば、地面、床、机、ベッド、またはポンプ組立品が位置付けられる他の表面に向けて)に配向し得る。この配向は、アンテナが、ポンプ組立品が位置付けられている地上または別の表面からの通信信号(例えば、最強の信号またはアンテナにより受信されるか出力された信号の最大のエネルギー)を反射することを可能にとし得る。
【0068】
一部の実装では、アンテナは、接地面またはそれが接続されるPCB705の別の平面からできるだけ離れて位置付けられ得る。アンテナは、しかしながら、アンテナが望ましくないPCBノイズを拾い上げるか、PCBまたは他の基板構成要素によって遮蔽されるのを防ぐために、ポンプ組立品ハウジング内部に依然として位置付けられ得る。
【0069】
図9は、一部の実施形態によるアンテナを使用して通信するポンプ組立品230などの、ポンプ組立品900を図示する。アンテナは、例えば、アンテナ基板710の実施形態であり得る。図示するように、ポンプ組立品900のアンテナは、アンテナがポンプ組立品900のバルクヘッドと同平面にないように位置付けられ得る。これにより、ポンプ組立品900がキャニスターの平坦な基部上に有り得るとき、アンテナを前方または後方に(例えば、ディスプレイ画面のようなGUIに向かって)角度付けることが有利には可能となる。アンテナからの電磁放射は、従って、ポンプ組立品900に向かってはね返る傾向を有しないが、代わりにポンプ組立品900から遠ざかり得る。
【0070】
デバイスユーザインタフェース
ポンプ組立品は、環境条件へのポンプ組立品の許容度を改善するユーザーインターフェースを含み得る。ポンプ組立品は、ボタン212a、212b、および212cなどの一つまたは複数のボタン、または比較的高高度を含む異なる高度での圧力変動に対処するよう構成されたその他の構成要素(例えば、電源またはバッテリーまたはシールドまたは防水材など)を含み得る。ボタンまたはその他の構成要素は、膜であるかまたは膜を含み、または成形ゴムから形成される得る。ボタンまたはその他の構成要素には、通気孔、弁が含まれ、または膜が空気を受け入れ、また空気を放出することで、ボタンが様々な高度で変化する(ヘリコプター、飛行機内などの飛行高度でのサイズの増大および爆発の可能性など)のを防止し得る。飛行高度は、2000フィート、3000フィート、8000フィート、20000フィート、30000フィートなど、1500フィート以上であり得る。さらに、エラストマーキー、膜スイッチ、またはガスで充填されたエンクロージャを含むポンプ組立品の任意のユーザーインターフェースを同様に開孔し得る。圧力放出がない場合、ボタンまたはその他の構成要素は空気で充満し、構成要素はポンプ組立品がより典型的な圧力条件下で動作されるまで、使用できない。通気口または値はさらに、液体の通過を防止するための疎水性のフィルタなどのフィルタを含み得る。一部の実装では、航空機での使用に適合する構成要素は、適切な圧力耐性を確保するために、ポンプ組立品の一部として使用され得る。
【0071】
ポンプ組立品は、極端な温度条件に耐えることができる一つまたは複数のスイッチを含み得る。ポンプ組立品は、さらにまたは代替的に、一つまたは複数のハードウェアボタン、リレー、ロータリースイッチ、またはタッチ制御を含み得る。
【0072】
ポンプ組立品は、LCD内に非導電性ガスケットを有する補強された液晶ディスプレイ(LCD)画面を含み得る。LCD画面は、高硬度ガラスを介してEMC/ESDシールド保護を有し得、これにより力(例えば、患者の安全性をさらに増加させるために)に対する抵抗も付与することができる。さらにまたは代替的に、LCD画面は、LCDが異なる圧力環境に晒された場合に、圧力正常化ができるように、および亀裂を防ぐために通気口を含み得る。
【0073】
他の変形
一実施形態では、創傷への陰圧を適用するための装置が開示される。装置は、ハウジング、陰圧源、キャニスター、ユーザーインターフェース、および一つまたは複数のコントローラを含み得る。陰圧源は、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供し得る。キャニスターは、流体流路内に位置付けられ、創傷被覆材から除去された流体を収集し得る。一つまたは複数のコントローラは:陰圧源を作動および停止し得、および流体流路内の漏れの存在を示すか、または流体流路内の圧力が望ましい圧力閾値を満たさなかったことを示す警報を出力し得る。一つまたは複数のコントローラは、陰圧源が陰圧を陰圧閾値よりも低く維持している間、創傷被覆材が徐細動ショックに曝露されたの引き続き、継続して陰圧源を作動および停止させ得るか、または一つまたは複数のコントローラは、陰圧源が陰圧を陰圧閾値より低く維持している間に、創傷被覆材が徐細動ショックに曝露された結果として誤って警報を出力し得ない。装置は、強度が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施し得る。装置は、外部徐細動器からの5KV/250J(または他の適切な強度)の単一性または二相性の電気パルスの後、正しくかつ安全に機能し得る。
【0074】
本明細書で提供される閾値、限界値、期間などの値は、絶対的なものであることを意図するものではなく、したがっておおよそのものであり得る。さらに、本明細書で提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザーによって、固定されるかまたは変えられ得る。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の方向に参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、未満である、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。また、種々のプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して説明され得るが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に解釈され得る。
【0075】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0076】
一定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。一部の実施形態では、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。プロセッサ、ASIC、FPGAなどのハードウェア構成要素には論理回路が含まれ得る。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0077】
本明細書で図示され、説明されるユーザーインターフェーススクリーンには、追加の構成要素または代替の構成要素が含まれ得る。これらの構成要素には、メニュー、リスト、ボタン、テキストボックス、ラベル、ラジオボタン、スクロールバー、スライダー、チェックボックス、コンボボックス、ステータスバー、ダイアログボックス、ウィンドウなどが含まれ得る。ユーザーインターフェーススクリーンには、追加の情報、または代替の情報が含まれ得る。構成要素は、任意の好適な順番に配置され、グループ化され、標示され得る。
【0078】
本開示には、一定の実施形態、実施例、及び適用例が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形及びその等価物にまで及び、これには本明細書に記載された特徴及び利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるはずである。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定され得る。
【0079】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、一定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザー入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」などの用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作などを排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0080】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを示唆するのに一般的に用いられる文脈によって、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、一定の実施形態が、少なくとも一つのXと、少なくとも一つYと、少なくとも一つのZとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0081】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0082】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定され得る。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。