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特許7063912アンテナを含む減圧療法システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】アンテナを含む減圧療法システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
A61M27/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019548403
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018020969
(87)【国際公開番号】W WO2018165049
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】62/468,358
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マンヴィア・ブラル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ダブリュ・グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・クラレンス・キンタナル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517318(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0122045(US,A1)
【文献】特開2001-085929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に陰圧を加える装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置付けられ、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、
前記ハウジング内に位置付けられた通信ボードであって、遠隔電子装置からデータを送信および受信するように構成されたコントローラを含む、通信ボードと、
前記ハウジング内に位置付けられ、前記通信ボードに機械的に取り付けられ、前記通信ボードに電気的に接続されたアンテナ基板と、
を備え、
前記アンテナ基板が前記コントローラに電気的に連結されたアンテナを含み、
前記アンテナが前記コントローラのための信号を無線で送信および受信するように構成され、前記アンテナ基板上に位置する導電領域および前記通信ボード上に位置する接地領域を含む、装置。
【請求項2】
前記導電領域が導電性トレースを含み、前記接地領域が接地面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アンテナの前記接地面が、前記通信ボードの接地面に接続される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記アンテナの前記接地面が、シャントを介して前記通信ボードの前記接地面に電気的に接続される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記接地領域が、接地トレースを有し、
前記接地トレースが、第一の部分および第二の部分と、に分けられ、前記第一の部分が前記シャントに電気的に接続され、前記第一の部分の長さが前記アンテナの第一の帯域幅を制御する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第二の部分の長さが前記アンテナの第二の帯域幅を制御し、前記第二の帯域幅が前記第一の帯域幅とは異なる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記導電性トレースが、高帯域および低帯域における信号を受信および送信するように構成された第一および第二の導電性トレース部分を含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記高帯域に関連付けられた前記第一の導電性トレース部分が、前記低帯域と関連付けられた前記第二の導電性トレース部分よりも大きな表面積を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記アンテナ基板が、前記通信ボード上の単一のアンテナコネクタを介して前記通信ボードに電気的に接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記通信ボード上の前記アンテナコネクタが、前記アンテナ基板の穴を介して前記アンテナ基板に電気的に接続される突出部を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記アンテナコネクタが、信号フィードおよび接地のための接続を提供する、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記アンテナ基板がプリント回路基板である、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記アンテナが板状逆Fアンテナである、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記アンテナがデュアルバンドセルラーアンテナである、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記アンテナ基板が、前記導電領域が前記通信ボードに面しないように位置付けられる、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記創傷から除去された少なくとも一部の流体を貯蔵するように構成されたキャニスターをさらに備え、前記アンテナ基板が、前記導電領域が前記キャニスターに面するように位置付けられる、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月7日出願の米国仮特許出願第62/468,358号の利益を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、陰圧療法もしくは減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本明細書に開示された実施形態は、陰圧療法デバイス、TNPシステムの動作を制御するための方法、及びTNPシステムの使用方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
一部の実施形態では、創傷への陰圧を適用するための装置が開示される。装置は、ハウジングと、ハウジング内に位置付けられ、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成された陰圧源と、ハウジング内に配置された通信ボードであって、遠隔電子装置からデータを送信および受信するように構成されたコントローラを含む、通信ボードと、ハウジング内に位置付けられ、通信ボードに機械的に取り付けられ、通信ボードに電気的に接続されるアンテナ基板と、を備え得る。アンテナ基板は、コントローラに電気的に連結されたアンテナを含み得、アンテナはコントローラのための信号を無線で送信および受信し得る。アンテナは、アンテナ基板上に位置する導電領域、および通信ボード上に位置する接地領域を含み得る。
【0004】
上記の段落に記載の装置は、以下の特徴のうちの一つ以上を含み得る:導電領域は導電性トレースを含み得、接地領域は接地面を含み得る。アンテナの接地面は、通信ボードの接地面に接続される。アンテナの接地面は、シャントを介して通信ボードの接地面に電気的に接続され得る。接地トレースは第一の部分および第二の部分に分けられ得、第一の部分はシャントに電気的に接続され得、第一の部分の長さはアンテナの第一の帯域幅を制御する。第二の部分の長さは、アンテナの第二の帯域幅を制御し得、第二の帯域幅は第一の帯域幅とは異なる。導電性トレースは、高帯域および狭帯域の信号を受信および送信するように構成された第一および第二の導電性トレース部分を含み得る。高帯域に関連付けられた第一の導電性トレース部分は、狭帯域と関連付けられた第二の導電性トランス部分よりも大きな表面積を有し得る。アンテナ基板は、通信ボード上の単一のアンテナコネクタを介して通信ボードに電気的に接続され得る。通信ボード上のアンテナコネクタは、アンテナ基板の穴を介してアンテナ基板に電気的に接続された突出部を含み得る。アンテナコネクタは、信号フィードおよび接地のための接続を提供し得る。アンテナ基板はプリント回路基板とし得る。アンテナは、板状逆Fアンテナとし得る。アンテナは、デュアルバンドセルラーアンテナとし得る。アンテナ基板は、導電領域が通信ボードに面しないように位置付けられ得る。装置はさらに、創傷から除去された少なくとも一部の流体を貯蔵するように構成されたキャニスターを含み得、アンテナ基板は、導電領域がキャニスターに面するように位置付け得る。
【0005】
前述の二つの段落に記載した装置の動作方法、使用方法、または製造方法も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の特徴及び利点は、添付図面と共に下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0007】
図1図1は、一部の実施形態による減圧創傷療法システムを示す。
図2A図2Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
図2B図2Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
図2C図2Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品およびキャニスターを示す。
図3図3は、一部の実施形態によるポンプ組立品の電気的構成要素概略図を示す。
図4A図4Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図4B図4Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図4C図4Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図4D図4Dは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図4E図4Eは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図4F図4Fは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図5A図5Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図5B図5Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図5C図5Cは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図5D図5Dは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図5E図5Eは、一部の実施形態によるポンプ組立品を示す。
図6A図6Aは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
図6B図6Bは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
図6C図6Cは、一部の実施形態による通信回路基板組立品を図示する。
図7A図7Aは、一部の実施形態による通信アンテナ基板を図示する。
図7B図7Bは、一部の実施形態による通信アンテナ基板を図示する。
図7C図7Cは、一部の実施形態による通信アンテナ基板を図示する。
図8A図8Aは、一部の実施形態による通信回路基板組立品の最上層を図示する。
図8B図8Bは、一部の実施形態による通信回路基板組立品の最下層を図示する。
図9A図9Aは、一部の実施形態によるアンテナ基板の最上層を図示する。
図9B図9Bは、一部の実施形態によるアンテナ基板の最下層を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、減圧療法または局所陰圧(TNP)療法を用いて、創傷を被覆かつ治療するための方法及び装置に関する。具体的には、限定するものではないが、本開示の実施形態は、陰圧療法装置、TNPシステムの動作を制御するための方法、及びTNPシステムの使用方法に関する。方法及び装置は、以下に説明する特徴の任意の組み合わせを組み込むか、または実装することができる。
【0009】
様々な種類の創傷被覆材が、ヒトまたは動物の治癒過程を補助するものとして知られている。様々な種類の創傷被覆材には、様々な種類の材料及び層、例えば、ガーゼ、パッド、フォームパッド、または多層創傷被覆材が含まれる。TNP療法は、真空補助閉鎖療法、陰圧創傷療法、または減圧創傷療法とも称されることがあり、創傷の治癒率を改善するための有益な機序になり得る。こうした療法は、切開創傷、開放創、及び腹部創などの広範な創傷に適用することができる。
【0010】
TNP療法は、組織浮腫を軽減し、血流を促し、肉芽組織の形成を促進させ、過剰な滲出物を除去し、細菌負荷つまり創傷への感染を低減することによって、創傷の閉鎖及び治癒を促すことができる。その上、TNP療法は、創傷の外部障害を減らし、より迅速な治癒を促すことができる。
【0011】
本明細書で使用される場合、-XmmHgといった減圧または陰圧レベルは、概して760mmHg(または、1気圧、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する大気圧よりも低い圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、(760-X)mmHgの圧力といった、大気圧よりもXmmHg低い圧力を表している。さらに、-XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低くなる)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高くなる)。
【0012】
システムの概要
ポンプ組立品は、高温、高高度、電磁放射、または静電気放電(ESD)など、環境条件へのポンプ組立品の許容度を改善する一つまたは複数の特徴を含みうる。ポンプ組立品の許容度の改善により、ポンプ組立品は、例えば、非理想的環境下にも関わらず機能する、または特定の環境条件の存在下でより安全に機能する、ことが可能となる。ポンプ組立品は、小さく、コンパクトで、軽量であり得、無線通信を送受信し、厳密な電気的イミュニティ基準を満たすことができる。一つまたは複数の特徴が個別に説明されているが、一部の実例では、ポンプ組立品の特定の実装で一つまたは複数の特徴を組み合わせることができる。
【0013】
図1は、創傷くぼみ110であって、創傷カバー120によって封止された創傷くぼみの内部に置かれた創傷充填材130を備える、陰性のまたは低減された圧力創傷治療(またはTNP)システム100の実施形態を示す。創傷カバー120と組み合わされた創傷充填材130は、創傷被覆材として言及され得る。単一または複数の内腔管または導管140は、創傷カバー120と、減圧圧力を供給するように構成されるポンプ組立品150とを接続する。創傷カバー120は、創傷くぼみ110に流体連通することができる。図1に示される実施形態のような本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、ポンプ組立品は、キャニスターレスポンプ組立品(滲出液が、創傷被覆材に集められる、または別の位置に集めるために管140を介して運ばれることを意味する)であることができる。しかし、本明細書で開示されるいくつかのポンプ組立品の実施形態は、キャニスターを含むまたは支持するように構成され得る。追加的に、本明細書で開示されるいくつかのシステムの実施形態において、いくつかのポンプ組立品の実施形態は、被覆材に取り付けられ、もしくは被覆材によって支持され、または被覆材に隣接することができる。
【0014】
創傷充填材130は、例えば、親水性または疎水性発泡体、ガーゼ、膨張可能なバッグ等の任意の適切なタイプであることができる。創傷充填材130は、それが実質的にくぼみを充填するように、創傷くぼみ110に適合することができる。創傷カバー120は、創傷くぼみ110を覆う実質的に流体不浸透性のシールを提供することができる。創傷カバー120は、上面および下面を有することができ、下面は、創傷くぼみ110を粘着的に(または任意のその他の適切な手法において)封止する。本明細書で開示される導管140もしくは内腔またはいくつかのその他の導管もしくは内腔は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、または任意のその他の適切な材料から形成され得る。
【0015】
創傷カバー120の一部の実施形態は、導管140の端を受けるように構成される、ポート(図示せず)を有し得る。例えば、ポートは、Smith&Nephewから入手可能なRenays Soft Portであることができる。その他の実施形態では、導管140は、別のやり方では、創傷くぼみ内に所望のレベルの減圧圧力を維持するように、減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するために創傷カバー120を通り抜けるおよび/またはその下にあることができる。導管140は、ポンプ組立品150によって提供される減圧圧力を創傷くぼみ110に供給するように、ポンプ組立品150と創傷カバー120との間に少なくとも実質的に密封された流体流路を提供するように構成される、任意の好適な物品であることができる。
【0016】
創傷カバー120および創傷充填材130は、単一な物品または一体型の単一なユニットとして提供され得る。一部の実施形態では、創傷充填材が提供されずに、創傷カバーがそれ自体として創傷被覆材とみなされてもよい。ついで、創傷被覆材は、導管140を介して、ポンプ組立品150といった陰圧源に接続され得る。ポンプ組立品150は小形化され、持ち運び可能とすることができるが、より大きな従来のそのようなポンプがまた使用されてもよい。
【0017】
創傷カバー120は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。創傷カバー120は、創傷部位を覆う実質的に密封されたくぼみまたはエンクロージャを形成することができる。一部の実施形態では、創傷カバー120は、過剰流体の蒸発を可能にする高い水蒸気浸透性を持つフィルムを有するように構成されることができ、また創傷滲出液を安全に吸収するためにその中に含まれる超吸収性材料を有することができる。本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。この点において、創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、急性創傷、慢性創傷、外科切開およびその他の切開、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、外科創傷、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に記載のTNPシステムの構成要素は、少量の創傷滲出液を滲出する切開創傷に特に適し得る。
【0018】
システムの一部の実施形態は、滲出液キャニスターを使用することなく動作するように設計される。一部の実施形態は、滲出液キャニスターを支持するように構成され得る。一部の実施形態では、管材料140がポンプ組立品150から迅速にかつ容易に取り除かれ得るようにポンプ組立品150および管材料140を構成することは、必要な場合、被覆材またはポンプを交換するプロセスを容易にする、または改善することができる。本明細書で開示されるいくつかのポンプの実施形態は、管材料とポンプとの間の任意の好適な接続を有するように構成され得る。
【0019】
ポンプ組立品150は、一部の実装において、およそ-80mmHg、または約-20mmHg~200mmHgの陰圧を供給するように構成され得る。これらの圧力は、正常な大気圧に対する相対値であり、つまり、-200mmHgは、実際に則した用語において、約560mmHgであり得ることに留意されたい。圧力範囲は約-40mmHgから-150mmHgの間であり得る。代替として、最高-75mmHg、最高-80mmHgまたは-80mmHgを超える圧力範囲が使用され得る。また、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。別の方法として、およそ-100mmHgまたはさらに150mmHgより上の圧力範囲が、ポンプ組立品150により供給され得る。
【0020】
動作時に、創傷充填材130は、創傷くぼみ110内に挿入され、創傷カバー120は、創傷くぼみ110を密封するように配置される。ポンプ組立品150は、創傷充填材130を介して創傷くぼみ110に送られる陰圧源を創傷カバー120に提供する。流体(例えば、創傷滲出液)は、導管140を通して引き出され、キャニスター内に貯蔵され得る。一部の実施形態では、流体は、創傷充填材130または一つ以上の吸収性の層(図示せず)によって吸収される。
【0021】
本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに利用され得る創傷被覆材は、Smith&Nephewから入手可能なRenasys-F、Renasys-G、Renasys ABおよびPico被覆材を含む。本出願のポンプ組立品およびその他の実施形態とともに使用され得る陰圧創傷療法システムのこうした創傷被覆材およびその他の構成要素のさらなる説明は、米国特許公開第2011/0213287号、第2011/0282309号、第2012/0116334号、第2012/0136325号および第2013/0110058号において見出され、それらの全体が参照により援用される。その他の実施形態では、その他の好適な創傷被覆材が利用され得る。
【0022】
図2Aは、一部の実施形態によるポンプ組立品230およびキャニスター220の前面図を示す。示されるように、ポンプ組立品230とキャニスターが接続されて、それにより、陰圧創傷療法デバイスを形成する。ポンプ組立品230は、一部の実施形態におけるポンプ組立品150と類似し、またはそれと同一であり得る。
【0023】
ポンプ組立品230は、アラームを示すように構成される視覚的指標202およびTNPシステムの状態を示すように構成される視覚的指標204などの一つまたは複数の指標を含む。指標202および204は、通常のまたは適切な動作状態、ポンプ停止、ポンプまたは停電に供給される電力、創傷カバーまたは流れ経路内の漏れの検出、吸引閉塞、またはいくつかのその他の同様のまたは適切な状態またはそれらの組み合わせをユーザに警告することを含む、システムの様々な動作および/または停止状態を患者または医療提供者などのユーザに警告するように構成され得る。ポンプ組立品230は、追加的な指標を備えることができる。ポンプ組立品は、単一な指標または複数の指標を使用することができる。任意の適切な指標は、例えば、視覚的な、音声的な、触覚的な指標等として使用され得る。指標202は、例えば、キャニスター充填、低電力、導管140の分離、創傷シール120におけるシール破壊等の警告状態を示すように構成され得る。指標202は、ユーザの注意を引くために赤のせん光を表示するように構成され得る。指標204は、例えば、療法送達は正常である、漏れが検出された等のTNPシステムの状態を示すように構成され得る。指標204は、例えば、緑、黄などの一つまたは複数の異なる色の光を表示するように構成され得る。例えば、緑色の光は、TNPシステムが適切に動作している時に放出されてもよく、黄色の光は、警告を示すために放出され得る。
【0024】
ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたくぼみ208に取り付けられる、ディスプレイまたはスクリーン206を含む。ディスプレイ206は、タッチスクリーンディスプレイであることができる。ディスプレイ206は、取扱い説明ビデオなどの視聴覚(AV)コンテンツの再生を支持することができる。以下で説明されるように、ディスプレイ206は、いくつかのスクリーンまたはグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)がTNPシステムの動作を構成する、制御する、および監視するように構成され得る。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたグリップ部分210を備える。グリップ部分210は、例えば、キャニスター220の取り外しの間などに、ユーザがポンプ組立品230を保持することを支持するように構成され得る。キャニスター220は、例えば、キャニスター220が流体で充填された時などに、別のキャニスターと取り替えられ得る。
【0025】
ポンプ組立品230は、ユーザがTNPシステムの動作を操作し、および監視することを可能にするように構成される、一つまたは複数のキーまたはボタン212を含む。図示されるように、ボタン212a、212b、および212cが含まれる。ボタン212aは、ポンプ組立品230の電源を入れる/切るための電源ボタンとして構成され得る。ボタン212bは、陰圧療法の供給のためのプレイ/ポーズボタンとして構成され得る。例えば、ボタン212bを押すことにより、療法を開始することができ、その後ボタン212bを押すことにより、療法を停止または終了することができる。ボタン212cは、ディスプレイ206および/またはボタン212をロックするように構成され得る。例えば、ボタン212cは、ユーザが故意でなく療法の供給を変えることがないように押され得る。ボタン212cは、制御をアンロックするために押下され得る。その他の実施形態では、追加的なボタンが、用いられてもよく、または示したボタン212a、212bまたは212cのうち一つまたは複数が、省かれてもよい。複数のキーの押下および/または連続的なキーの押下は、ポンプ組立品230を動作させるために使用され得る。
【0026】
ポンプ組立品230は、カバーに形成される一つまたは複数のラッチ凹部222を含む。例示的実施形態では、二つのラッチ凹部222は、ポンプ組立品230の側部に形成され得る。ラッチ凹部222は、一つまたは複数のキャニスターラッチ221を使用してキャニスター220の取付けおよび分離を可能にするように構成され得る。ポンプ組立品230は、創傷くぼみ110から取り除かれる空気が漏れ出ることを可能にするための空気出口224を備える。ポンプ組立品に入る空気は、抗菌フィルタなどの一つまたは複数の適切なフィルタを通り抜けることができる。これは、ポンプ組立品の再利用性を維持することができる。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品230に携帯ストラップを接続するための、または受け台を取り付けるための一つまたは複数のストラップ取付け部226を含む。例示的実施形態では、二つのストラップ取付け部226は、ポンプ組立品230の側部に形成され得る。一部の実施形態では、種々のこれらの特徴は省かれ、および/または種々の追加的な特徴がポンプ組立品230に加えられる。
【0027】
キャニスター220は、創傷くぼみ110から取り除かれる流体(例えば、滲出液)を保持するように構成される。キャニスター220は、キャニスターをポンプ組立品230に取り付けるための一つまたは複数のラッチ221を含む。例示的実施形態では、キャニスター220は、キャニスターの側部に二つのラッチ221を備える。キャニスター220の外部は、キャニスターが実質的に不透明であり、またキャニスターの中身が平面視で実質的に隠されるように、つや消しプラスチックから形成され得る。キャニスター220は、キャニスターのケースに形成されるグリップ部分214を備える。グリップ部分214は、例えば、装置230からのキャニスターの取り外しの間などに、ユーザがポンプ組立品220を保持することを可能にするように構成され得る。キャニスター220は、実質的に透明な窓216を含み、それはまた、量の目盛りを含むことができる。例えば、示される300mLのキャニスター220は、50mL、100mL、150mL、200mL、250mLおよび300mLの目盛りを含む。キャニスターのその他の実施形態は、異なる量の流体を保持することができ、異なる目盛り尺度を含むことができる。例えば、キャニスターは、800mLのキャニスターであることができる。キャニスター220は、導管140に接続するための管状のチャネル218を備える。一部の実施形態では、グリップ部分214などの種々のこれらの特徴は省かれ、および/または種々の追加的な特徴がキャニスター220に加えられる。いくつかの開示されるキャニスターは、凝固剤を含んでもよく、または凝固剤を省いてもよい。
【0028】
図2Bは、一部の実施形態によるポンプ組立品230およびキャニスター220の背面図を示す。ポンプ組立品230は、音を生成するためのスピーカーポート232を備える。ポンプ組立品230は、フィルタアクセスドア234を含み、そのドアは、アクセスドア234を取り外し、抗菌または臭気フィルタなどの一つまたは複数のフィルタと連通し、それを取り替えるためのねじ235を有する。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品のケースに形成されたグリップ部分236を備える。グリップ部分236は、例えば、キャニスター220の取り外しの間などに、ユーザがポンプ組立品230を保持することを可能にするように構成され得る。ポンプ組立品230は、表面上にポンプ組立品230を配置するためのねじカバーおよび/または足部またはプロテクターとして構成される、一つまたは複数のカバー238を含む。カバー230は、ゴム、シリコーンまたは任意のその他の適切な材料で形成され得る。ポンプ組立品230は、ポンプ組立品の内部バッテリーを充電および再充電するための電源ジャック239を備える。電源ジャック239は、直流(DC)ジャックであることができる。一部の実施形態では、ポンプ組立品は、電源ジャックが必要ないように、バッテリーなどの使い捨て可能な電源を備え得る。
【0029】
キャニスター220は、表面上にキャニスターを配置するための一つまたは複数の足部244を含む。足部244は、ゴム、シリコーンまたは任意のその他の適切な材料で形成されてもよく、キャニスター220が表面上に配置された時に安定した状態を保つように適切な角度に角度付けられてもよい。キャニスター220は、一つまたは複数の管がデバイスの前部へと抜け出ることを可能にするように構成される、管取付けレリーフ246を備える。キャニスター220は、キャニスターが表面上に配置された時にキャニスターを支持するためのスタンドまたはキックスタンド248を含む。以下で説明されるように、キックスタンド248は、開位置と閉位置との間で旋回することができる。閉位置において、キックスタンド248は、キャニスター220にラッチされ得る。一部の実施形態では、キックスタンド248は、プラスチックなどの不透明材料から作られ得る。その他の実施形態では、キックスタンド248は、透明材料から作られ得る。キックスタンド248は、キックスタンドに形成されるグリップ部分242を含む。グリップ部分242は、ユーザがキックスタンド248を閉位置に位置付けることを可能にするように構成され得る。キックスタンド248は、穴249を含み、それは、ユーザがキックスタンドを開位置に位置付けることを可能にする。穴249は、ユーザが指を用いてキックスタンドを伸ばすことが可能となるようにサイズ設定され得る。
【0030】
図2Cは、一部の実施形態によるキャニスター220から分離されたポンプ組立品230を示す。ポンプ組立品230は、真空ポンプがそれを通じてキャニスター220に陰圧を伝達する、真空アタッチメント、コネクタまたは入口252を含む。ポンプ組立品は、入口252を介して創傷からの気体などの流体を吸い出す。ポンプ組立品230は、一つまたは複数のUSBポートへのアクセスを可能にするように構成される、USBアクセスドア256を備える。一部の実施形態では、USBアクセスドアが省かれ、またUSBポートはドア234を通じてアクセスされる。ポンプ組立品230は、例えば、SD、コンパクトディスク(CD)、DVD、ファイアワイア、サンダーボルト、PCIエクスプレスなどの追加的なシリアル、パラレル、および/またはハイブリッドデータ転送インターフェースへのアクセスを可能にするように構成される、追加的なアクセスドアを含むことができる。その他の実施形態では、これらの追加的なポートのうち一つまたは複数は、ドア234を通じてアクセスされる。
【0031】
図3は、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などの、ポンプ組立品の電気的構成要素概略図300を示す。電気的構成要素は、ユーザ入力を受け入れ、ユーザに出力を提供し、ポンプ組立品およびTNPシステムを操作し、ネットワーク接続を提供するように動作することができる。電気的構成要素は、一つまたは複数のプリント回路基板(PCB)上に取り付けることができる。図示されるように、ポンプ組立品は複数のプロセッサを含み得る。
【0032】
ポンプ組立品は、ユーザ入力を受け入れ、ユーザに出力を提供するための、ディスプレイ206、ボタン212などの一つまたは複数の構成要素を操作するように構成されたユーザーインターフェースプロセッサまたはコントローラ310を備え得る。ポンプ組立品への入力およびポンプ組立品からの出力は、入力/出力(I/O)モジュール320によって制御できる。例えば、I/Oモジュールは、シリアル、パラレル、ハイブリッドポートなどの一つまたは複数のポートからデータを受信し得る。プロセッサ310はまた、データを受信し、一つまたは複数のUSBポート、SDポート、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、FireWireポート、Thunderboltポート、PCI Expressポートなどの一つまたは複数の拡張モジュール360にデータを提供する。プロセッサ310は、他のコントローラまたはプロセッサとともに、プロセッサ310の内部および/または外部にあり得る一つまたは複数のメモリモジュール350にデータを保存する。RAM、ROM、磁気メモリ、固体メモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の揮発性および/または不揮発性メモリを含む任意の適切なタイプのメモリを使用し得る。
【0033】
一部の実施形態では、プロセッサ310は、低電力プロセッサなどの汎用コントローラとすることができる。他の実施形態では、プロセッサ310はアプリケーションに特化したプロセッサであり得る。プロセッサ310は、ポンプ組立品の電子アーキテクチャ内の「中央」プロセッサとして構成され得、プロセッサ310は、ポンプ制御プロセッサ370、通信プロセッサ330、および一つまたは複数の追加的プロセッサ380(例えば、ディスプレイ206を制御するためのプロセッサ、ボタン212を制御するためのプロセッサ、など)などの他のプロセッサの動作を連携し得る。プロセッサ310は、Linux(登録商標)、Windows CE、VxWorksなどの適切なオペレーティングシステムを実行し得る。
【0034】
ポンプ制御プロセッサ370は、陰圧ポンプ390の動作を制御するように構成され得る。ポンプ390は、膜ポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、回転ベーンポンプ、スクロールポンプ、ねじポンプ、液封式ポンプ、圧電気変換器によって操作される膜ポンプ、ボイスコイルポンプなどの適切なポンプとし得る。ポンプ制御プロセッサ370は、一つまたは複数の圧力センサから受信したデータを使用して、流体流路内の圧力を測定し、流体流量を計算し、ポンプを制御し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、所望のレベルの陰圧が創傷くぼみ110内で達成されるように、ポンプモータを制御し得る。所望のレベルの陰圧は、圧力設定またはユーザによって選択され得る。さまざまな実施形態で、ポンプ制御プロセッサ370は、パルス幅変調(PWM)を使用してポンプ(例えば、ポンプモータ)を制御する。ポンプを駆動するための制御信号は、0~100%のデューティサイクルPWM信号とし得る。ポンプ制御プロセッサ370は、流量計算を実行し、流路内の様々な条件を検出し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、プロセッサ310に情報を伝達し得る。ポンプ制御プロセッサ370は、内部メモリを含むことおよび/またはメモリ350を利用することができる。ポンプ制御プロセッサ370は、低電力プロセッサであってもよい。
【0035】
通信プロセッサ330は、有線および/または無線接続を提供するように構成され得る。通信プロセッサ330は、データを送受信するために一つまたは複数のアンテナ340を利用し得る。通信プロセッサ330は、以下のタイプの接続のうちの一つまたは複数を提供することができる:全地球測位システム(GPS)技術、セルラー接続(2G、3G、LTE、4G)、Wifi接続、インターネット接続など。接続は、ポンプ組立品位置トラッキング、資産管理、コンプライアンス監視、遠隔選択、ログ、アラーム、その他の運転データのアップロード、治療設定の調整、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのアップグレードなど、様々な活動に使用し得る。通信プロセッサ330は、GPS/セルラーの二つの機能を提供できる。セルラー機能は、例えば、3G機能であり得る。ポンプ組立品はSIMカードを含み得、SIMベースの位置情報を取得し得る。
【0036】
通信プロセッサ330は、プロセッサ310に情報を伝達し得る。通信プロセッサ330は、内部メモリを含むことおよび/またはメモリ350を利用することができる。通信プロセッサ330は、低電力プロセッサであり得る。
【0037】
一部の実施形態では、通信プロセッサ330によって提供される接続を使用して、装置は、ポンプ組立品によって保存され、維持され、および/または追跡された任意のデータをアップロードできる。装置はまた、治療法選択およびパラメータ、ファームウェアおよびソフトウェアパッチおよびアップグレードなど、様々な運転データをダウンロードし得る。
【0038】
図4Aは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品400の分解図を示す。図示した図は、ポンプ組立品400の前面部分に対応し得る。ポンプ組立品400の構成要素は、前面エンクロージャ401、GPSアンテナ402、ステータスライトパイプ403、接着剤404、液晶ディスプレイ(LCD)405、シャーシおよびLCD回路基板406、ねじ407、主回路基板組立品408、ねじ409、スタンドオフ410、通信回路基板組立品411(通信アンテナ含む)、陰圧源412、電力入力ケーブル413、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブル組立品414、Subscriber Identity Module(SIM)カード415、底面エンクロージャ416、キャニスターコネクタ417、キャニスターコネクタOリング418、およびキーパッド419を含み得る。図4B図4Fは、一部の実施形態によるポンプ組立品400の複数の図を示す。図4B図4Fに含まれる寸法はインチで提供されている。
【0039】
図4A図4Fは、ポンプ組立品400の一部として含まれる特定の構成要素を示すが、一部の構成要素は除去されてもよく、または他の構成要素が他の実装に追加されてもよい。
【0040】
図5Aは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品500の分解図を示す。図示した図は、ポンプ組立品500の後面部分に対応し得る。ポンプ組立品500の図示された構成要素は、ポンプ組立品400の構成要素に連結して、一体型ポンプ組立品を形成するように構成され得る。ポンプ組立品500の構成要素は、アクセスドア501(アクセスドア234と同じであり得る)、フィルタエンクロージャガスケット502、フィルタ503(例えば、抗菌フィルタ、臭気フィルタなど)、小型USBポートカバー504、後面エンクロージャ505、電力入力ライトパイプ506、電力入力回路基板組立品507、USB回路基板組立品508、排出管509、クリップ510、バッテリーブラケット511、バッテリー512、スピーカ組立品513、スピーカフィルタ514、プッシュナット515、ねじ516(ねじ235と同じであり得る)、ねじ517、ねじ518、および発泡テープ519を含み得る。図5B図5Eは、一部の実施形態によるポンプ組立品500の複数の図を示す。図5B図5Eに含まれる寸法はインチで提供されている。
【0041】
図5A図5Fは、ポンプ組立品500の一部として含まれる特定の構成要素を示すが、一部の構成要素は除去されてもよく、または他の構成要素が他の実装に追加されてもよい。
【0042】
通信電子機器
図6Aおよび図6Bは、一部の実施形態による、ポンプ組立品230などのポンプ組立品の無線通信PCB組立品700の前面および後面を示す。無線通信PCB700組立品は、例えば、通信回路基板組立品411の実施形態で有り得る。無線通信PCB組立品700は、アンテナ基板710(PCBなど)ならびに遮蔽された無線通信コントローラ720および遮蔽された電圧レギュレータ730を有するプロセッサまたは通信ボードPCB705を含み得る。アンテナ基板710は、2G、3G、LTE、4Gなどを介して通信するためのシングル、デュアル、トライ、クワドなどのバンドアンテナのような無線携帯通信アンテナで有り得る。アンテナは、取付ブラケット712を用いて通信PCB705に取り付けられ得る。無線通信PCB組立品700は、経路740を介してGPSアンテナ750に電気的に連結され得、GPSアンテナ402の実施形態で有り得る。
【0043】
図6Cは、一部の実施形態による無線通信PCBアセンブリ700の構成要素の斜視図を示す。アンテナ基板710は、取付ブラケット712がピン、ねじ、またはリベット716でPCB705に固定された状態で、通信PCB705に取り付けられ得る。二つのブラケット712が図示されているが、一部の実施形態では、一つのブラケットまたは三つ以上のブラケットが使用され得る。ブラケット712は、テープ714単独で使用して、またはアンテナ基板710の穴770、772、780、および782と整列した状態でペグまたはピン724と組み合わせて、アンテナ基板710に固定し得る。PCB705のペグまたは突起762および792は、(および嵌合して組立てられるとき)アンテナ基板710の穴760および790と整列することもできる。アンテナは、90度、80度、70度、60度など、PCB705に対して任意の所望の角度で配向され得る。一部の実装では、所望の配向は、リベット716の周りでブラケット712を回転または旋回することによって達成され得る。
【0044】
図7A図7Cは、一部の実施形態によるアンテナ基板710などの通信アンテナを図示する。図7Aは、取付ブラケットを整列させ取り付けるための穴770、772、780、および782、ならびに通信PCB705の突出部762および792を整列させ取り付けるための穴760および790を図示するボード710の斜視図を示す。本明細書に記載されるように、穴760は、通信コントローラ720などのアンテナとコントローラとの間の信号コネクタまたは接続も含む。図7Bおよび図7Cは、アンテナ基板710のそれぞれ上面および底面を図示する。図7Cに図示されるように、取付ブラケット712は、アンテナ基板710の底面に取り付けられ、その結果、アンテナ基板がPCB705に取り付けられているか、または据え付けられた時、アンテナ基板710の上面が下向きかつPCB705に面しない。いくつかの実施形態では、取付ブラケット712は、アンテナ基板710の上面に取り付けられる。
【0045】
図8Aは、一部の実施形態による、無線PCB705のような無線通信PCB組立品の最上層800を図示する。いくつかの実施形態では、最上層800は上部フィルム層とし得る。最上層800は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。最上層800はさらに、少なくとも接地(GND)面810、アンテナ基板710とPCB705の間のコネクタまたは接続804を含む複数の特徴を含む。接続804は、アンテナが送信するとき(または送信モードであるとき)、コントローラ(例えば、通信コントローラ720)およびアンテナ基板710からの送信信号フィードを提供し得る。接続804は、アンテナが受信するとき(または受信モードであるとき)、アンテナ基板710からコントローラへ送信信号フィードを提供し得る。アンテナ接続804は、一部の実施では、アンテナ基板710を介して信号を送信および受信するための唯一の接続点となり得る。第一の部分860および第二の部分862を含むアンテナトレース806は、位置870でまたは位置870の近位で接地面810に接続される。位置870は、アンテナのシャントまたは接地接続として機能し得る。トレース806は、銅などの導電性材料を含み、アンテナ基板710の接地トレースまたは接地面として機能し得る。PCB705のトレース806と接地面810との間の接続は、シャントまたは別の適切な構成要素で達成され得る。アンテナ806はフィードバス850を介して通信コントローラ(領域880に位置される)に接続され得る。特定の実装では、アンテナ基板710(図7B)の上面は、アンテナ基板がPCB705に取り付けられるときに、接地に向かって下向きに、かつPCB705に面しないように配置され得る。接続760は、アンテナ基板(図7C)の底面上に位置し得るが、これはアンテナ基板がPCB705に取り付けられるときにPCB705に面する。この構成では、PCB705上の接続804は、アンテナ基板710上の接続760に面する。本明細書に説明されるように、PCB705の突出部762は、アンテナ基板710の穴760内に配置され得る。接続804と760のとの間の電気的接続は、例えば、はんだ付けまたは別の適切な機構を使用して作ることができる。
【0046】
図8Bは、一部の実施形態による、図8Aの無線通信PCB組立品の下部層820を示す。いくつかの実施形態では、最下層820は下部フィルム層とし得る。下部層820は、導電性部分(暗いまたは影付きの領域として示す)および非導電部分または空隙(暗くないまたは白い領域として示す)を含む。下部層820は、少なくとも接地(GND)面812およびアンテナコネクタまたは接続822などの複数の特徴を含む。接続822は、アンテナ基板710を固定するための機械的接続として使用し得る。例えば、アンテナ基板が本明細書に記述されるように上面に下向きに位置付けられる場合、接続822が接続804に対してボードの反対側に位置付けられるため、アンテナ基板の最上面の一部(例えば、穴760を含むおよび/または囲む上側上の領域)を接続822にはんだ付け、接着、または他の適切な取り付けをすることによって、より信頼性が高いまたは安全な機械的接続を形成することができる。こうした例では、接続822は電気的接続を提供しないが、機械的支持のみに使用される。本明細書で説明したように、接続822がアンテナ基板の上面の近位に位置するように、PCB705の突出部762をアンテナ基板710の穴760内に配置し得る。アンテナ基板710の反対側、底面上のアンテナ基板接続760を接続部804にはんだ付けすることにより、電気的接続および所望により追加的な機械的支持を提供し得る。一部の実施形態では、アンテナ接続822および接続804の位置は、特にアンテナ基板が地面から上向きに上面に位置付けられたとき、切り替えることができる(例えば、アンテナ接続822を最上層800上に配置し得る)。
【0047】
デバイスアンテナ
本明細書に記載されるように、アンテナは、2G、3G、LT、4G、または同様のアンテナなどの無線アンテナとし得る。アンテナは、シングル、デュアル、トライ、クワッドバンドおよびこれに類するものとし得る。例えば、アンテナは、低帯域(例えば、824~849MHzおよび869~894mHzの周波数域を含み得る、北米での800MHz)および高帯域(例えば、1700~2100MHzの周波数域を含み得る、北米での1800MHzまたは1900MHz)の電磁信号を送信し、受信するデュアルバンド3Gセルラーアンテナとし得る。アンテナは追加的または代替的に、900Mhz低帯域および1800Mhzの高帯域を使用するヨーロッパなどの他の地域で使用される低帯域および高帯域で電磁信号を送信し、受信し得る。アンテナは、北米およびヨーロッパ用に低帯域および高帯域をカバーするクワッドバンド3Gアンテナとし得る。特定の実装では、アンテナは、一つ以上の追加的または代替的な周波数または周波数域で送信および受信し得る。アンテナは無指向性アンテナとし得る。特定の場合、アンテナは指向性アンテナとし得る。
【0048】
図9Aおよび図9Bはそれぞれ、一部の実施形態による、アンテナ基板710などのアンテナ基板の前部層または最上層および後部層または最下層を図示する。アンテナ基板はPCBとし得る。領域925および領域935は、アンテナ基板の非導電部分を図示する。領域920および領域922は、アンテナ基板の導電部分を図示し、アンテナに対応する。導電部分は、銅または別の導電性材料から製造し得る。いくつかの実施形態では、領域920および領域922は、アンテナ基板上のトレースに対応する。こうしたアンテナは、PCBアンテナまたはマイクロストリップアンテナと称し得る。特定の実施では、アンテナはワイヤアンテナ、チップアンテナ、またはこれに類するものとし得る。
【0049】
図示されたアンテナは、3Gアンテナなどのデュアルバンドまたはクアッドバンドセルラーアンテナとし得る。左のトレース920は、高帯域の信号を送信および受信する高帯域部分を表し得る。左のトレース922は、低帯域の信号を送信および受信する低帯域部分を表し得る。一部の例では、高帯域は低帯域よりも幅広い帯域幅を有するため、左のトレース920は、右のトレース922よりもより広い表面積(例えば、長いまたは幅広い)を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、アンテナは、板状逆Fアンテナ(PIFA)などの逆F-アンテナとし得る。こうしたアンテナは、マイクロストリップフォーマットを使用してPCB上に印刷し得るため、コンパクトであり安価に製造し得る。アンテナは、四分の一波長アンテナとし得る。特定の実装では、アンテナは、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、逆Lアンテナ、または別の好適なタイプのアンテナとし得る。
【0051】
図9Bに示すように、アンテナ基板の下部層は、下部層に対向する上部層上の領域920および922に電気的に接続されるフィードまたはコネクタ930を含む。コネクタ930は、本明細書で説明したコネクタ760に対応し得る。説明したように、アンテナがPCB705などのプロセッサまたは通信ボードに取り付けられるとき、アンテナの下部層はPCB705に面して位置付けられ得、コネクタ930は通信ボードの接続804(図8A)に接続され得る。エリア920および922を有するアンテナ基板の上面は、接地に向かって下向きに位置付けられ得、アンテナは信号を下向きに送信または放射する(および下から信号を受信する)。
【0052】
接続804は、フィード信号(送信モードでは通信コントローラからアンテナへ、および受信モードで他の方向へ)と接地接続が組み合わされた混合信号接続であり得る。いくつかの実施形態では、電流の接地へのパスを提供することにより、アンテナの共振周波数または周波数域をシフトする。接続804は、アンテナ内に供給されるか、またはそれから受信される信号用の唯一のコネクタであり得る。図8Aに図示するように、通信コントローラからのフィード信号は、パスまたはトレース850を介して接続804に送達され得る。次に、フィード信号は、接続804とコネクタ930との間の接続を介してアンテナに送達される。
【0053】
図8Aに図示されるように、いくつかの実施形態では、アンテナの接地信号パス、またはトレース、または接地面は、アンテナ基板上ではなく、プロセッサまたは通信ボード(PCB705など)上に位置する。トレース860および862からなるアンテナの接地面のアンテナ基板からのこのような分離は、対象となる一つ以上の周波数帯域におけるインピーダンスまたは放射のうちの一つ以上を含む、アンテナの性能を最適化するために有利であり得る。以下に説明するように、トレース860および862の長さ(フィードパス850との交点から測定した)は、アンテナの性能にとって重要であり得る。接地面をPCB705に移動することは、アンテナ設計を簡略化し得、アンテナ基板内に穴を設ける必要性を無くし、アンテナの性能を最適化し得る。このような穴は、例えば、アンテナ基板の接地面へフィードを接続するために使用されてもよく、これはアンテナ基板の反対側(例えば、後面上)に位置付けられてもよい。また、設計は、接続804とコネクタ930との間にアンテナの単一の接続点を有することによって簡略化し得る。こうした実装において、組立の間に製造する必要がある電気的接続(例えば、はんだ付け)はただ一つである。いくつかの実施形態では、アンテナの接地面はアンテナ基板上に位置付けられ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、トレース860および862の長さは、フィードパス850がアンテナトレース806と交差するフィードポイント864から測定される。トレース860またはギャップの長さは、対象となる一つ以上の周波数帯域におけるアンテナのインピーダンスまたは放射のうちの一つ以上を最適化するように選択され得る。例えば、ギャップは、ガンママッチングについて重要であり得るが、これは、アンテナの長さに沿ってフィードポイント(例えば864)を移動させ、前のフィード位置においてアンテナをショートさせることによってアンテナの送信帯域幅および受信帯域幅を最適化することに関連し得る。ガンママッチングは、アンテナの入力インピーダンスの実際の部分を増大し得る。この技術は、逆Fアンテナに適用し得る。長さなどのトレース860の特性は、高帯域または低帯域などの一つ以上の帯域の帯域幅を制御するために、選択または調整され得る。トレース862の長さは、高帯域(または対象となる別の帯域)における性能を最適化するように選択され得る。例えば、トレース862の長さは、高帯域におけるアンテナのインピーダンスまたは放射のうちの一つ以上を最適化し、より幅広い帯域幅を提供し得る。
【0055】
いくつかの実装では、トレース806は、アンテナによって送信または受信される信号を増幅し得る。例えば、これは、アンテナによって放射されるフリンジフィールドを反射することによって達成され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、ポンプ組立品230などのポンプ組立品は、アンテナ基板710などのアンテナを使用して、一つまたは複数の他の電子機器と通信し得る。アンテナは、ポンプ組立品の基部の近位、またはポンプ組立品に連結されたキャニスターの近位に位置付け得る。キャニスター近位のアンテナの位置は、キャニスターがEMI、ESD、または電気ショック(徐細動器など)から電磁シールドまたは絶縁体として機能し、ポンプ組立品の他の電子構成要素由来のESDおよび内部ノイズからアンテナを保護することを可能にすることができる。こうした位置決めはまた、アンテナで得られる信号強度を改善するために、アンテナのサイズを増加させるための追加的な空間を可能にするだけでなく、キャニスターが、ポンプ組立品が位置付けられる地面またはその他の表面からアンテナを離間させるスペーサとして機能することを可能にする。
【0057】
アンテナは、ポンプ組立品が陰圧療法の送達のために配向されるときに、上向き(例えば、天井または空に向かって)にまたは横(例えば、部屋の側壁に向かって)に向けるのではなく、下向き(例えば、地面、床、机、ベッド、またはポンプ組立品が位置付けられる他の表面に向けて)に配向し得る。この配向は、アンテナが、ポンプ組立品が位置付けられている地上または別の表面からの通信信号(例えば、最強の信号またはアンテナにより受信されるか出力された信号の最大のエネルギー)を反射することを可能にとし得る。
【0058】
一部の実装では、アンテナは、接地面またはそれが接続されるPCB705の別の平面からできるだけ離れて位置付けられ得る。アンテナは、しかしながら、アンテナが望ましくないPCBノイズを拾い上げるか、PCBまたは他の基板構成要素によって遮蔽されるのを防ぐために、ポンプ組立品ハウジング内部に依然として位置付けられ得る。
【0059】
他の変形
一実施形態では、創傷への陰圧を適用するための装置が開示される。装置は、ハウジング、陰圧源、キャニスター、ユーザーインターフェース、および一つまたは複数のコントローラを含み得る。陰圧源は、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供し得る。キャニスターは、流体流路内に位置付けられ、創傷被覆材から除去された流体を収集し得る。一つまたは複数のコントローラは:陰圧源を作動および停止し得、および流体流路内の漏れの存在を示すか、または流体流路内の圧力が望ましい圧力閾値を満たさなかったことを示す警報を出力し得る。一つまたは複数のコントローラは、陰圧源が陰圧を陰圧閾値よりも低く維持している間、創傷被覆材が徐細動ショックに曝露された後に引き続き、継続して陰圧源を作動および停止させ得るか、または一つまたは複数のコントローラは、陰圧源が陰圧を陰圧閾値より低く維持している間に、創傷被覆材が徐細動ショックに曝露された結果として誤って警報を出力し得ない。装置は、強度が陰圧閾値を下回って維持される場合に、陰圧創傷療法を実施し得る。装置は、外部徐細動器からの5KV/250J(または他の適切な強度)の単一性または二相性の電気パルスの後、正しくかつ安全に機能し得る。
【0060】
本明細書で提供される閾値、限界値、期間などの値は、絶対的なものであることを意図するものではなく、したがっておおよそのものでありうる。さらに、本明細書で提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザによって、固定されるかまたは変えられうる。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。その上、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、超える、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、下にある、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。また、種々のプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを判定することに関して説明されうるが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に解釈されうる。
【0061】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0062】
一定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なりうることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、図に示した様々な構成要素が、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装されてもよい。プロセッサ、ASIC、FPGA等のハードウェア構成要素には論理回路が含まれうる。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
【0063】
本明細書で図示され、説明されるユーザーインタフェーススクリーンには、追加の構成要素または代替の構成要素が含まれうる。これらの構成要素には、メニュー、リスト、ボタン、テキストボックス、ラベル、ラジオボタン、スクロールバー、スライダー、チェックボックス、コンボボックス、ステータスバー、ダイアログボックス、ウィンドウなどが含まれうる。ユーザーインタフェーススクリーンには、追加の情報、または代替の情報が含まれうる。構成要素は、任意の好適な順番に配置され、グループ化され、標示されうる。
【0064】
本開示には、特定の実施形態、実施例、及び用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形及びその等価物にまで及び、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって画定されうる。
【0065】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、一定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作等を排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0066】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかでありうることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、一定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を通常意図しない。
【0067】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
【0068】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義されうる。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷に陰圧を加える装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に位置付けられ、流体流路を介して創傷被覆材に陰圧を提供するように構成される陰圧源と、
前記ハウジング内に位置付けられた通信ボードであって、遠隔電子装置からデータを送信および受信するように構成されたコントローラを含む、通信ボードと、
前記ハウジング内に位置付けられ、前記通信ボードに機械的に取り付けられ、前記通信ボードに電気的に接続されたアンテナ基板であって、前記アンテナ基板が前記コントローラに電気的に連結されたアンテナを含み、前記アンテナが前記コントローラのための信号を無線で送信および受信するように構成され、前記アンテナ基板上に位置する導電領域および前記通信ボード上に位置する接地領域を含む、アンテナ基板と、
を備える
装置。
[付記項2]
前記導電領域が導電性トレースを含み、前記接地領域が接地面を含む、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記アンテナの前記接地面が、前記通信ボードの接地面に接続される、付記項2に記載の装置。
[付記項4]
前記アンテナの前記接地面が、シャントを介して前記通信ボードの前記接地面に電気的に接続される、付記項3に記載の装置。
[付記項5]
前記接地トレースが、第一の部分および第二の部分と、に分けられ、前記第一の部分が前記シャントに電気的に接続され、前記第一の部分の長さが前記アンテナの第一の帯域幅を制御する、付記項4に記載の装置。
[付記項6]
前記第二の部分の長さが前記アンテナの第二の帯域幅を制御し、前記第二の帯域幅が前記第一の帯域幅とは異なる、付記項5に記載の装置。
[付記項7]
前記導電性トレースが、高帯域および狭帯域における信号を受信および送信するように構成された第一および第二の導電性トレース部分を含む、付記項2~6のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項8]
前記高帯域に関連付けられた前記第一の導電性トレース部分が、前記狭帯域と関連付けられた前記第二の導電性トレース部分よりも大きな表面積を有する、付記項7に記載の装置。
[付記項9]
前記アンテナ基板が、前記通信ボード上の単一のアンテナコネクタを介して前記通信ボードに電気的に接続される、付記項1~8のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項10]
前記通信ボード上の前記アンテナコネクタが、前記アンテナ基板の穴を介して前記アンテナ基板に電気的に接続される突出部を備える、付記項9に記載の装置。
[付記項11]
前記アンテナコネクタが、信号フィードおよび接地のための接続を提供する、付記項9~10のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項12]
前記アンテナ基板がプリント回路基板である、付記項1~11のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項13]
前記アンテナが板状逆Fアンテナである、付記項1~12のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項14]
前記アンテナがデュアルバンドセルラーアンテナである、付記項1~13のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項15]
前記アンテナ基板が、前記導電領域が前記通信ボードに面しないように位置付けられる、付記項1~14のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項16]
前記創傷から除去された少なくとも一部の流体を貯蔵するように構成されたキャニスターをさらに備え、前記アンテナ基板が、前記導電領域が前記キャニスターに面するように位置付けられる、付記項1~15のいずれか一項以上に記載の装置。
[付記項17]
付記項1~16のいずれか一項以上に記載の装置を動作させる、使用する、または製造する方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B