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特許7064009金属カルコゲナイドピラーを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】金属カルコゲナイドピラーを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20220426BHJP
   C23C 16/06 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H01L21/90 A
C23C16/06
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020546087
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 US2019020910
(87)【国際公開番号】W WO2019173447
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】62/639,207
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ムリック, アムリタ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ガンディコッタ, シュリーニヴァース
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0260527(US,A1)
【文献】特開2011-109099(JP,A)
【文献】特表2019-521518(JP,A)
【文献】特表2018-515692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
C23C 16/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理方法であって、該方法は、
少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることであって、前記少なくとも1つのフィーチャが、当該基板表面から当該基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する、基板を設けることと、
前記少なくとも1つのフィーチャにおいて金属膜を形成することと、
前記金属膜をカルコゲン前駆体に曝露して、前記少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーを形成することであって、前記カルコゲン前駆体が、実質的に酸素を含まない、金属カルコゲナイドピラーを形成すること
を含み、
前記金属膜に対する前記金属カルコゲナイドピラーの体積比が、約2以上である、方法。
【請求項2】
前記金属が、タングステン及びモリブデンのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カルコゲン前駆体が、HS、アルキルスルフィド、アルキルジスルフィド、S粉末、及びSe粉末のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属カルコゲナイドピラーが、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属カルコゲナイドピラーが、前記基板表面に対して直交する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
自己整合ビアを生成するための方法であって、
請求項1によって金属カルコゲナイドピラーを形成することと、
前記基板表面に誘電材料を堆積することであって、当該誘電材料が、前記金属カルコゲナイドピラーを囲む、誘電材料を堆積することと、
前記金属カルコゲナイドピラーを除去して、前記誘電材料を貫通するビアを残すこと
を含む方法。
【請求項7】
基板処理方法であって、
少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることであって、前記少なくとも1つのフィーチャが、当該基板表面から当該基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する、基板を設けることと、
前記少なくとも1つのフィーチャにおいて金属膜を形成することと、
前記金属膜を膨張させて、前記少なくとも1つのフィーチャから延在するピラーを形成することであって、当該ピラーが、実質的に酸素を含まない、ピラーを形成することと、
前記ピラーをカルコゲン前駆体に曝露して、前記少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーを形成することであって、前記カルコゲン前駆体が、実質的に酸素を含まない、金属カルコゲナイドピラーを形成すること
を含む方法。
【請求項8】
前記金属が、タングステン及びモリブデンのうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ピラーが、窒素、炭素、又はケイ素のうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記カルコゲン前駆体が、HS、ジアルキルジスルフィド、S粉末、及びSe粉末のうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記金属カルコゲナイドピラーが、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記金属カルコゲナイドピラーが、前記基板表面に対して直交する、請求項に記載の方法。
【請求項13】
自己整合ビアを生成するための方法であって、
請求項記載の方法によって金属カルコゲナイドピラーを形成することと、
前記基板表面に誘電材料を堆積することであって、当該誘電材料が、前記金属カルコゲナイドピラーを囲む、誘電材料を堆積することと、
前記金属カルコゲナイドピラーを除去して、前記誘電材料を貫通するビアを残すこと
を含む方法。
【請求項14】
基板処理方法であって、
少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることであって、前記少なくとも1つのフィーチャが、当該基板表面から当該基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する、基板を設けることと、
前記基板を金属カルコゲナイド前駆体に曝露して、前記少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーを形成することであって、前記金属カルコゲナイド前駆体が、実質的に酸素を含まない、金属カルコゲナイドピラーを形成すること
を含む方法。
【請求項15】
前記金属カルコゲナイドピラーが、タングステン及びモリブデンのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記金属カルコゲナイドピラーが、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記金属カルコゲナイド前駆体が、ビス-テトラアルキルアンモニウムテトラチオタングステン酸塩((RN)WS)を含み、式中、RはC1~4アルキル基である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記金属カルコゲナイドピラーが、前記基板表面に対して直交する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
自己整合ビアを生成するための方法であって、
請求項14記載の方法によって金属カルコゲナイドピラーを形成することと、
前記基板表面に誘電体を含む第1の材料を堆積することであって、当該第1の材料が、前記金属カルコゲナイドピラーを囲む、第1の材料を堆積することと、
前記金属カルコゲナイドピラーを除去して、前記第1の材料を貫通するビアを残すこと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本開示の実施形態は、概して、基板フィーチャ(特徴的構造)から延在する金属カルコゲナイドピラーを形成するための方法に関する。さらなる実施形態は、自己整合ビアを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]間隙が充填された金属膜を酸化することにより、自己整合金属酸化物ピラーを形成することができる。金属が、孔又はトレンチの構造上に堆積され、次いで酸化され、金属酸化物が形成される。酸化中の体積膨張により、孔又はトレンチからピラーが押し出される。ピラーは、金属のみから、ボトムアップから選択的に成長する。
【0003】
[0004]酸化タングステンは、高い熱膨張性や高いヤング率又は剛性のゆえに、自己整合ピラーの形成に使用されてきた。酸化タングステンは、高温で酸素を用いた酸化を通して、タングステン金属から形成され得る。
【0004】
[0005]しかしながら、金属酸化物カラムを形成するための金属の体積膨張の速度及び量のゆえに、この処理の使用には幾つかの困難がある。第1に、応力の急激な変化により、固有の構造の劣化につながることがある。これは、カラムの屈曲又は傾きにつながる場合がある。第2に、体積の急激な変化は、不均一な成長をもたらすことがある。第3に、酸化されていない残留金属が、トレンチの底部に残ることが多い。
【0005】
[0006]当該技術分野では、自己整合構造体を生成する代替的な方法が必要とされている。より具体的には、当技術分野では、より剛性が高く、より強固なカラムをもたらす自己整合カラム及び構造体を生成するための代替的な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0007]本開示の1つ以上の実施形態は、基板処理方法を対象としており、当該方法は、少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることを含む。少なくとも1つのフィーチャが、基板表面から基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する。金属膜が、少なくとも1つのフィーチャにおいて形成される。金属膜は、カルコゲン前駆体に曝露され、少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーが形成される。カルコゲン前駆体は、実質的に酸素を含まない。
【0007】
[0008]本開示のさらなる実施形態は、基板処理方法を対象としており、当該方法は、少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることを含む。少なくとも1つのフィーチャが、基板表面から基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する。金属膜が、少なくとも1つのフィーチャにおいて形成される。金属膜を膨張させ、少なくとも1つのフィーチャから延在するピラーが形成される。ピラーは、実質的に酸素を含まない。ピラーは、カルコゲン前駆体に曝露され、少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーが形成される。カルコゲン前駆体は、実質的に酸素を含まない。
【0008】
[0009]本開示のさらなる実施形態は、基板処理方法を対象としており、当該方法は、少なくとも1つのフィーチャが形成された基板表面を有する基板を設けることを含む。少なくとも1つのフィーチャが、基板表面から基板内へと一定距離延在し且つ側壁及び底部を有する。基板は、金属カルコゲナイド前駆体に曝露され、少なくとも1つのフィーチャから延在する金属カルコゲナイドピラーが形成される。金属カルコゲナイド前駆体は、実質的に酸素を含まない。
【0009】
[0010]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、本明細書で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、本開示は、他の同等に効果的な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の1つ以上の実施形態に係る基板フィーチャの断面図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態に係る、自己整合構造体形成工程の概略断面図を示す。
図3】本開示の1つ以上の実施形態に係る、自己整合構造体形成工程の概略断面図を示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態に係る、自己整合構造体形成工程の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]下記の説明において、本開示の1つ以上の実施形態の網羅的な理解をもたらすために、数々の詳細(要素の材料、化学的性質、寸法等)が提示されている。当業者であれば、これらの詳細がなくても本開示の1つ以上の実施形態を実施できることを理解するであろう。他の例では、本記載内容を無用に曖昧にしないように、半導体の製造工程、技法、材料、設備等が記載されていない。当業者は、本明細書に含まれた記載内容を用いることで、必要以上の実験を行うことなく、適切な機能性を実施することが可能になるだろう。
【0012】
[0016]本開示の特定の例示的な実施形態が、記載され、添付の図面に示されているが、かような実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示を限定するものではなく、当業者は変形例を想起し得るため、本開示は、図示且つ記載された特定の構造及び配置に限定されないことを理解すべきである。
【0013】
[0017]本開示全体を通じた「一実施形態」、「別の実施形態」、又は「ある実施形態」 に対する言及は、実施形態と関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所で「一実施形態で」又は「ある実施形態で」というフレーズが登場したとしても、必ずしもすべて本開示の同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わされ得る。
【0014】
[0018]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の記載で提示される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0015】
[0019]本明細書で使用される「基板」とは、製造処理中に膜処理が実行される任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電材料などの任意の他の材料が含まれる。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されない。基板を前処理プロセスに曝露して、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、且つ/又はベークすることができる。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された任意の膜処理ステップは、以下でより詳細に開示される基板上に形成された下層にも実施され得る。「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の曝露面が基板表面となる。
【0016】
[0020]本発明者らは、自己整合ビアを形成するために酸化タングステンピラーを使用する代わりに、他のタングステンカルコゲナイド(tungsten chalcogenide)(例えば、硫化タングステン又はセレン化タングステン)を使用することができることを見出した。さらに、本発明者らは、代わりに他の金属(例えば、モリブデン)を使用するために、金属を変えてもよいことを見出した。したがって、硫化モリブデンおよびセレン化モリブデンを使用して、自己整合ピラーを形成することもできる。理論に束縛されるものではないが、これらの材料は、(i)ナノロッドを形成し、(ii)それらの金属に対して高い膨張係数を有し、(iii)剛性の直線構造体を形成し得ることで知られている。
【0017】
[0021]本開示の1つ以上の実施形態は、金属カルコゲナイドを含む自己整合構造体を形成するための方法を対象とする。本開示の幾つかの実施形態は、有利には、従来の金属酸化物ピラーよりも硬く、強く、傾かず、より均一な成長を示す金属カルコゲナイド構造体(metal chalcogenide structure)を形成する方法を提供する。本開示の幾つかの実施形態は、有利には、自己整合構造体を除去して、自己整合ビアを生成するための方法を提供する。
【0018】
[0022]概して、カルコゲンは、周期表の16族の元素を含み、酸素、硫黄、及びセレニウムを含むが、これらに限定されない。本開示全体を通して使用される「カルコゲン」又は「カルコゲナイド」は、酸素以外のカルコゲンのことを指す。
【0019】
[0023]図1は、フィーチャ110を有する基板100の部分断面図を示す。このように使用される「フィーチャ(feature)」という用語は、任意の意図的な表面の不規則部分を意味する。フィーチャの適切な例には、トレンチ(上部、2つの側壁、及び底部を有する)、谷(valley)(別個の底部をもたない状態で上部と2つの側壁を有する)、並びにビア(側壁とは異なる材料によって形成された開放底部又は底部を有する表面から下方に延在する側壁を有する)が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
[0024]これらの図面は、例示を目的として、単一のフィーチャを有する基板を示すが、当業者であれば、フィーチャは1つ以上あってもよいことを理解するであろう。フィーチャ110の形状は、トレンチ及び円筒状ビアを含む任意の適切な形状であってもよいが、これに限定されない。
【0021】
[0025]基板100は、上面120を有する。少なくとも1つのフィーチャ110は、上面120において開口を形成する。フィーチャ110は、上面120から、深さDだけ底面112へと延在する。フィーチャ110は、フィーチャ110の幅Wを画定する第1の側壁114及び第2の側壁116を有する。側壁と底部によって形成される開口領域は、間隙とも呼ばれる。
【0022】
[0026]特定の実施形態では、フィーチャ110は、トレンチである。フィーチャは、任意の適切なアスペクト比(フィーチャの深さDの比:フィーチャの幅W)を有し得る。幾つかの実施形態では、アスペクト比は、約5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、又は40:1以上である。
【0023】
[0027]図2を参照すると、基板200が処理のために設けられる。基板200は、図1に示す基板100に類似している。このように使用される表現「設けられる(provided)」とは、基板が、さらなる処理のために、ある位置又は環境内に配置されることを意味する。幾つかの実施形態では、図2に示すように、基板200は、第1の表面材料250及び第2の表面材料260を有する。第1の表面材料250及び第2の表面材料260は、基板200上の同じ表面材料であってもよく、又はそれぞれ異なる表面材料であってもよい。幾つかの実施形態では、フィーチャ210は、第1の表面250及び側壁214、216からなる底面212と、第2の表面材料260からなる上面220とで形成される。
【0024】
[0028]幾つかの実施形態では、膜230が、フィーチャ210の上面220、側壁214、216、及び底面212に形成される。膜230は、限定しないが、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、原子層堆積、プラズマ強化原子層堆積、物理的気相堆積、及び/又はスパッタリングを含む任意の適切な処理によって形成された任意の適切な膜であり得る。
【0025】
[0029]膜230は、任意の適切な金属含有材料であり得る。幾つかの実施形態では、膜230は、金属含有膜である。本開示及び添付の特許請求の範囲の目的のために、金属含有膜は、金属種を含有する任意の膜であり、金属膜又はその誘導体を含み得る。金属含有膜は、金属原子のみから構成されてもよい。幾つかの実施形態では、膜230は、金属膜又は金属合金膜である。
【0026】
[0030]金属含有膜は、金属原子及び他の原子(例えば、酸素、窒素、炭素、ホウ素)から構成されてもよい。適切な金属含有膜は、金属膜の誘導体を含む。金属膜の適切な誘導体には、窒化物、ホウ化物、炭化物、酸窒化物、酸ホウ化物、酸炭化物、炭窒化物、ホウ炭化物、ホウ窒化物、ホウ炭窒化物(borocarbonitride)、ホウ酸炭窒化物(borooxycarbonitride)、酸炭窒化物(oxycarbonitride)、ホウ酸炭化物(borooxycarbide)、及びホウ酸窒化物(borooxynitride)が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
[0031]当業者であれば、金属含有膜が、不定比量の原子を有し得ることを理解するであろう。例えば、「WN」と指定された膜は、種々の量のタングステン及び窒素を有し得る。WN膜は、例えば、90原子%のタングステンであり得る。窒化タングステン膜を表す「WN」が使用された場合、膜がタングステン原子と窒素原子とを含むことを意味するのであって、膜がある特定の組成に限定されると解釈するべきではない。幾つかの実施形態では、膜は、実質的に指定された原子からなる。例えば、実質的にWNからなる膜とは、膜の組成が、約95%、98%、99%、又は99.5%以上、タングステン原子と窒素原子であることを意味する。
【0028】
[0032]幾つかの実施形態では、膜230は、Co、Mo、W、Ta、Ti、Ru、Rh、Cu、Fe、Mn、V、Nb、Hf、Zr、Y、Al、Sn、Cr、Os、U、又はLaのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施態様では、膜230は、実質的に、Co、Mo、W、Ta、Ti、Ru、Rh、Cu、Fe、Mn、V、Nb、Hf、Zr、Y、Al、Sn、Cr、Os、U、又はLaからなる。幾つかの実施形態では、膜230は、タングステン又はモリブデンのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、膜は、実質的にタングステンからなる。幾つかの実施形態では、膜は、実質的にモリブデンからなる。このように使用される「実質的に~からなる(consists essentially of)」という表現は、記載された材料が、原子ベースで、記載された元素の98%、99%、又は99.5%以上であることを意味する。
【0029】
[0033]金属含有膜に使用するのに適した金属には、2より大きい、2.25より大きい、又は2.5より大きいピリング-ベッドワース比を有する金属が含まれるが、これに限定されない。ピリング-ベッドワース比とは、金属カルコゲナイドの基本セルの体積と、金属カルコゲナイドが形成される対応する金属含有膜の基本セルの体積との比のことを指す。ピリング-ベッドワース比は、Vchalc/Vmetalとして定義される。ここで、Vは体積である。金属カルコゲナイドのピリング-ベッドワース比を決定するために、Vchalcは、金属カルコゲナイドの分子量に金属カルコゲナイドの密度を乗じたものに等しく、Vmetalは、金属カルコゲナイドの1分子当たりの金属の原子数に金属カルコゲナイドの密度を乗じたものに等しい。幾つかの実施形態では、金属は、1.5より大きい、1.75より大きい、2.0より大きい、2.25より大きい、又は2.5より大きいピリング-ベッドワース比を有する。
【0030】
[0034]幾つかの実施形態では、膜230がフィーチャ210内に完全に含まれるように、膜230は上面220から除去される。膜230は、任意の適切なエッチング処理によって除去され得る。幾つかの実施形態では、膜230は、化学機械平坦化(CMP)処理によって除去される。
【0031】
[0035]幾つかの実施形態では、実質的にすべての膜230がフィーチャ210内で形成される。このように使用される「実質的にすべて(substantially all)」という表現は、膜の約95%、98%、又は99%以上が、重量ベースでフィーチャ210内に形成されることを意味する。
【0032】
[0036]幾つかの実施形態では、膜230は、フィーチャ210内に選択的に堆積され、基板の上面220には堆積されない。これらの実施形態では、基板200は、図2の第1の図のような外観を呈することなく、図1から図2の第2の図に流れるように処理される。当業者であれば、片方の表面に対する他方の表面の、膜230の選択的な堆積を容易にするために、第1の表面材料250及び第2の表面材料260の組成が選択され得ることを認識するであろう。
【0033】
[0037]幾つかの実施形態では、当該方法は、膜230を、フィーチャ210の深さD以下の高さHまで、トレンチ内に選択的に堆積させることを含む。一実施形態では、膜230は、トレンチの容量の少なくとも10%を充填する。他の実施形態では、膜230は、フィーチャ210の容量の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%を充填する。幾つかの実施形態では、フィーチャ210内に堆積された膜230は、フィーチャ210の深さDの約98%、95%、90%、80%、70%、60%、又は50%以下の高さHを有する。
【0034】
[0038]膜230はカルコゲン前駆体に曝露され、膜230の材料体積が膨張し、金属カルコゲナイドを含む自己整合構造体240が設けられる。自己整合構造体は、金属カルコゲナイドピラー(metal chalcogenide pillar)とも呼ばれ得る。カルコゲン前駆体は、金属及びカルコゲンを含む膜を生成するカルコゲンを含む任意の適切な材料であり得る。幾つかの実施形態では、カルコゲン前駆体は、実質的に酸素を含まない。このように「実質的に酸素を含まない」と言われる場合、カルコゲン前駆体が、原子ベースで1%、0.5%、又は0.1%未満の酸素原子を含むことを意味する。幾つかの実施形態では、カルコゲン前駆体は、HS、アルキルスルフィド(alkyl sulfide)、アルキルジスルフィド(alkyl disulfide)、S粉末、及びSe粉末のうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、HSは、NaSと希HClとの反応によってインシトゥ(その場)で生成される。幾つかの実施形態では、曝露及びその後の膨張は、熱、プラズマ強化、遠隔プラズマ、マイクロ波、及び/又は高周波(例えば、ICP、CCP)反応を含む処理によって行われる。
【0035】
[0039]自己整合構造体240は、基板の上面220を越えて延在する。幾つかの実施形態では、自己整合構造体240は、金属カルコゲナイドを含む。この点に関して、金属カルコゲナイドは、金属原子及びカルコゲン原子を含む。幾つかの実施形態では、自己整合構造体240の金属カルコゲナイドは、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、自己整合構造体240の金属カルコゲナイドは、実質的に酸素を含まない。幾つかの実施形態では、自己整合構造体240の金属カルコゲナイドは、他の原子も含み得る。
【0036】
[0040]自己整合構造体240の体積は、膜230の体積よりも大きい。幾つかの実施形態では、自己整合構造体240の体積は、膜の体積よりも、1.25倍超、1.5倍超、1.6倍超、1.7倍超、1.75倍超、1.8倍超、1.9倍超、2.0倍超、又は2.5倍超大きい。幾つかの実施形態では、自己整合構造体の体積は、膜の体積よりも、3.0倍未満、2.5倍未満、2.0倍未満、1.9倍未満、1.8倍未満、1.75倍未満、1.7倍未満、1.6倍未満、又は1.5倍未満である。幾つかの実施形態では、自己整合構造体の体積は、フィーチャ210内の膜の体積の1倍超から2倍未満の範囲内である。
【0037】
[0041]複数のフィーチャが膜230で充填されると、複数の自己整合構造体240を形成して自己整合構造体群を設けることができる。幾つかの実施形態では、これらの自己整合構造体は、マスクを使用せずにパターンとして機能し得る。
【0038】
[0042]図2に示すように、膨張中、フィーチャ形状の忠実性がフィーチャの上部で維持されるので、膜230はフィーチャ210から真っ直ぐ上方に成長する。ここで使用される「真っ直ぐ上方に」とは、自己整合構造体240の側面が、フィーチャ210の側壁214、216と実質的に同一平面にあることを意味する。表面は側壁214と同一平面上にあり、この場合、側壁214と表面との接合点に形成される角度は±10oである。したがって、側壁が上面に対して直角であれば、フィーチャから「真っ直ぐ上方に」延びる膨張膜は、基板の上面に対して直交すると説明することができる。
【0039】
[0043]図3を参照すると、基板300が処理のために設けられる。基板300は、図1及び図2それぞれに示す基板100及び200に類似する。上述され且つ図2に例示された方法と同様に、幾つかの実施形態では、基板300は、図3に示すように、第1の表面材料350及び第2の表面材料360を有する。第1の表面材料350及び第2の表面材料360は、基板300上の同じ表面材料であってもよく、又はそれぞれ異なる表面材料であってもよい。幾つかの実施形態では、フィーチャ310は、第1の表面350及び側壁314、316からなる底面312と、第2の表面材料360からなる上面320とで形成される。
【0040】
[0044]幾つかの実施形態では、膜330が、フィーチャ310の上面320、側壁314、316、及び底面312に形成される。膜330は、限定しないが、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、原子層堆積、プラズマ強化原子層堆積、物理的気相堆積、及び/又はスパッタリングを含む任意の適切な処理によって形成された任意の適切な膜であり得る。膜330は、上述の膜230に類似している。
【0041】
[0045]幾つかの実施形態では、膜330がフィーチャ310内に完全に含まれるように、膜330は上面320から除去される。膜330は、任意の適切なエッチング処理によって除去され得る。幾つかの実施形態では、膜330は、化学機械平坦化(CMP)処理によって除去される。
【0042】
[0046]幾つかの実施形態では、実質的にすべての膜330がフィーチャ310内で形成される。幾つかの実施形態では、膜330は、フィーチャ310内に選択的に堆積され、基板の上面320には堆積されない。これらの実施形態では、基板300は、図3の第1の図のような外観を呈することなく、図1から図3の第2の図に流れるように処理される。当業者であれば、片方の表面に対する他方の表面の、膜330の選択的な堆積を容易にするために、第1の表面材料350及び第2の表面材料360の組成が選択され得ることを認識するであろう。
【0043】
[0047]幾つかの実施形態では、当該方法は、膜330を、フィーチャ310の深さD以下の高さHまで、トレンチ内に選択的に堆積させることを含む。一実施形態では、膜330は、トレンチの容量の少なくとも10%を充填する。他の実施形態では、膜230は、トレンチ310の容量の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%を充填する。幾つかの実施形態では、フィーチャ310内に堆積された膜330は、フィーチャ310の深さDの約98%、95%、90%、80%、70%、60%、又は50%以下の高さHを有する。
【0044】
[0048]膜330は反応物に曝露され、膜330の材料体積が膨張し、ピラー340が設けられる。反応物は、膜330の金属を含むピラーを生成する任意の適切な材料であり得る。幾つかの実施形態では、反応物は窒素を含み、膨張処理は窒化処理である。幾つかの実施形態では、反応物はケイ素を含み、膨張処理はケイ素化処理である。
【0045】
[0049]幾つかの実施形態では、反応物は、実質的に酸素を含まない。幾つかの実施形態では、ピラーは、実質的に酸素を含まない。幾つかの実施形態では、反応物は、N、NH、N、又はこれらのプラズマのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、反応物質は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、トリメチルシラン、トリメチルシリル置換基を有する化合物、ジクロロシラン、トリクロロシラン、トリシリルアミン、又はこれらのプラズマのうちの1つ以上を含む。
【0046】
[0050]幾つかの実施形態では、曝露及びその後の膨張は、熱、プラズマ強化、遠隔プラズマ、マイクロ波、及び/又は高周波(例えば、ICP、CCP)反応を含む処理によって行われる。
【0047】
[0051]幾つかの実施形態では、膜330の膨張は、プラズマ源を利用し得る。プラズマは、遠隔で、又は処理チャンバ内で生成され得る。プラズマは、誘導結合プラズマ(ICP)又は導電結合プラズマ(CCP)であってもよい。処理は、例えば、膜の組成、反応物、所定の膨張速度、又は所定の体積膨張量に応じて、任意の適切な出力で起こり得る。幾つかの実施形態では、膜の膨張は、約2kWから約10kWの範囲のプラズマ出力を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約2kW、5kW、又は8kW以上のプラズマ出力を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約10kW、8kW、又は5kW以下のプラズマ出力を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約10kWのプラズマ出力を利用する。
【0048】
[0052]幾つかの実施形態では、膜330の膨張は、マイクロ波又は無線周波数を利用し得る。処理は、例えば、膜の組成、反応物、所定の膨張速度、又は所定の体積膨張量に応じて、任意の適切な周波数で起こり得る。幾つかの実施形態では、膜の膨張は、約2MHzから約100MHzの範囲の周波数を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約2MHz、5MHz、10MHz、13.56MHz、25MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、75MHz、又は100MHz以上の周波数を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約100MHz、90MHz、75MHz、50MHz、40MHz、30MHz、25MHz、10MHz、又は5MHz以下の周波数を利用する。幾つかの実施形態では、膨張は、約13.56MHzの周波数を利用する。
【0049】
[0053]幾つかの実施形態では、ピラーを形成するための膜の膨張速度が制御される。幾つかの実施形態では、膨張の量が制御される。幾つかの実施形態では、膨張の速度又は量は、反応物と共に水素ガスを並流させることによって制御される。理論に束縛されるわけではないが、基板を水素ガスに曝露させることは、競合する逆反応を促進することによって、且つ/又は反応生成物を導入することで反応の平衡をシフトさせることによって、反応を遅延させると考えられる。
【0050】
[0054]水素ガスは、例えば、膜の組成、反応物、所定の膨張速度、又は所定の体積膨張量に応じて、任意の適切な流量で処理チャンバに供給され得る。幾つかの実施形態では、水素ガスは、0sccmを超え約5000sccmまでの範囲の流量で供給される。幾つかの実施形態では、水素ガスは、約1000sccmの流量で供給される。
【0051】
[0055]幾つかの実施形態では、膨張の速度又は量は、自己整合構造体を水素プラズマ源に曝露することによって制御される。理論に束縛されるわけではないが、水素プラズマは、ピラーから反応原子(例えば、N又はSi)を除去し、ピラーの体積を膨張前の膜の体積に戻すと考えられる。
【0052】
[0056]ピラー340は、基板の上面320を越えて延びる。ピラー340の体積は、膜330の体積よりも大きい。幾つかの実施形態では、ピラー340の体積は、膜の体積よりも、1.25倍超、1.5倍超、1.6倍超、1.7倍超、1.75倍超、1.8倍超、1.9倍超、2.0倍超、又は2.5倍超大きい。幾つかの実施形態では、自己整合構造体の体積は、膜の体積よりも、3.0倍未満、2.5倍未満、2.0倍未満、1.9倍未満、1.8倍未満、1.75倍未満、1.7倍未満、1.6倍未満、又は1.5倍未満である。幾つかの実施形態では、自己整合構造体の体積は、フィーチャ310内の膜の体積の1倍超から2倍未満の範囲内である。
【0053】
[0057]図3に示すように、膨張中、フィーチャ形状の忠実性がフィーチャの上部で維持されるので、膜330はフィーチャ310から真っ直ぐ上方に成長する。ここで使用される「真っ直ぐ上方に」とは、ピラー340の側面が、フィーチャ310の側壁314、316と実質的に同一平面にあることを意味する。表面は側壁314と同一平面上にあり、この場合、側壁314と表面との接合点に形成される角度は±10oである。したがって、側壁が上面に対して直角であれば、フィーチャから「真っ直ぐ上方に」延びるピラーは、基板の上面に対して直交すると説明することができる。
【0054】
[0058]ピラー340は、カルコゲン前駆体に曝露され、自己整合構造体370が形成される。自己整合構造体370は、金属カルコゲナイドピラーとも呼ばれ得る。カルコゲン前駆体は、ピラーを金属カルコゲンピラーに変換するカルコゲンを含む任意の適切な材料であり得る。幾つかの実施形態では、カルコゲン前駆体は、実質的に酸素を含まない。幾つかの実施形態では、カルコゲン前駆体は、HS、アルキルスルフィド、アルキルジスルフィド、S粉末、及びSe粉末のうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、HSは、NaSと希HClとの反応によってインシトゥ(その場)で生成される。幾つかの実施形態では、曝露及びその後の膨張は、熱、プラズマ強化、遠隔プラズマ、マイクロ波、及び/又は高周波(例えば、ICP、CCP)反応を含む処理によって行われる。
【0055】
[0059]幾つかの実施形態では、自己整合構造体370は、金属カルコゲナイドを含む。この点に関して、金属カルコゲナイドは、金属原子及びカルコゲン原子を含む。幾つかの実施形態では、自己整合構造体370の金属カルコゲナイドは、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、自己整合構造体370の金属カルコゲナイドは、実質的に酸素を含まない。幾つかの実施形態では、自己整合構造体370の金属カルコゲナイドは、膜330の金属及びカルコゲン前駆体のカルコゲン以外の原子を含んでもよい。
【0056】
[0060]図4を参照すると、基板400が処理のために設けられる。基板400は、図1図2、及び図3それぞれに示す基板100、200、及び300に類似する。上述され且つ図2及び図3に例示された方法と同様に、幾つかの実施形態では、基板400は、図4に示すように、第1の表面材料450及び第2の表面材料460を有する。第1の表面材料450及び第2の表面材料460は、基板400上の同じ表面材料であってもよく、又はそれぞれ異なる表面材料であってもよい。幾つかの実施形態では、フィーチャ410は、第1の表面450及び側壁414、416からなる底面412と、第2の表面材料460からなる上面420とで形成される。
【0057】
[0061]基板400は、金属カルコゲナイド前駆体に曝露され、自己整合構造体440が形成される。自己整合構造体は、金属カルコゲナイドピラーとも呼ばれ得る。金属カルコゲナイドピラーは、金属カルコゲナイドを含む。金属カルコゲン前駆体は、金属及びカルコゲンを含む膜を生成する金属及びカルコゲンを含む任意の適切な化合物であり得る。金属は、任意の適切な金属であってもよい。幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイドピラーは、タングステン又はモリブデンのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイドピラーは、硫黄、セレニウム、又はテルリウムのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、金属カルコゲン前駆体は、実質的に酸素を含まない。
【0058】
[0062]幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイド前駆体は、カチオン及び金属錯体アニオンを含む。幾つかの実施形態では、カチオンは、アンモニウム系カチオン、NR を含み、ここで、各Rは、独立して、H又はC1~C4アルキル基である。このように使用されるように、文字「C」の後に数値が続く場合(例えば、「C4」)、置換基が特定の数の炭素原子を含む(例えば、C4は4個の炭素原子を含む)ことを意味する。アルキル基は、直鎖基(例えば、n-ブチル)又は分岐基(例えば、t-ブチル)であり得る。幾つかの実施形態では、各Rは、水素(NH )である。幾つかの実施形態では、各Rは、メチルである。幾つかの実施形態では、金属錯体アニオンは、カルコゲンを含む。幾つかの実施形態では、金属錯体アニオンは、金属硫化物、金属セレン化物、又は金属テルル化物のうちの1つ以上を含む。
【0059】
[0063]幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイド前駆体は、一般式(RN)によって表され、式中、各Rは、独立してH又はC1~C4アルキルであり、Mは、金属であり、Zは、カルコゲンであり、x、y、及びaは、金属カルコゲナイド前駆体が電気化学的に中性であるように1から6の整数である。幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイド前駆体は、アンモニウムテトラチオタングステン酸((HN)WS)を含む。幾つかの実施形態では、金属カルコゲナイド前駆体は、テトラアルキルアンモニウムテトラチオタングステン酸(tetraalkylammonium tetrathiotungstate)((RN)WS)を含み、各Rは、独立して選択されるC1~C4アルキル基である。
【0060】
[0064]幾つかの実施形態では、曝露及びその後の膨張は、熱、プラズマ強化、遠隔プラズマ、マイクロ波、及び/又は高周波(例えば、ICP、CCP)反応を含む処理によって行われる。
【0061】
[0065]幾つかの実施形態では、自己整合構造体440は、フィーチャ410内に選択的に形成され、基板の上面420には堆積されない。当業者であれば、片方の表面に対する他方の表面の、自己整合構造体440の選択的な形成を容易にするために、第1の表面材料450及び第2の表面材料460の組成が選択され得ることを認識するであろう。
【0062】
[0066]図4に示すように、形成された後、フィーチャ形状の忠実性がフィーチャの上部で維持されるので、自己整合構造体440はフィーチャ410から真っ直ぐ上方に成長する。ここで使用される「真っ直ぐ上方に」とは、自己整合構造体440の側面が、フィーチャ410の側壁414、416と実質的に同一平面にあることを意味する。表面は側壁414と同一平面上にあり、この場合、側壁414と表面との接合点に形成される角度は±10oである。したがって、側壁が上面に対して直角であれば、フィーチャから「真っ直ぐ上方に」延びる自己整合構造体440は、基板の上面に対して直交すると説明することができる。
【0063】
[0067]幾つかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって自己整合構造体を形成した後、材料が自己整合構造体の周囲に堆積される。幾つかの実施形態では、材料は誘電材料である。幾つかの実施形態では、材料は、第1の表面材料又は第2の表面材料と同一である。幾つかの実施形態では、堆積された材料は、層間誘電体(ILD)である。
【0064】
[0068]幾つかの実施形態では、材料を堆積させた後、自己整合構造体を除去して、自己整合ビアが形成される。幾つかの実施形態では、自己整合構造体をエッチャントに曝露することによって、自己整合構造体が除去される。幾つかの実施形態では、エッチャントは、アルカリ溶液を含む。幾つかの実施形態では、アルカリ溶液は、KOH、NaOH、又はNHOHのうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、エッチャントは、金属ハロゲン化物エッチャントである。幾つかの実施形態では、エッチャントは、金属フッ化物エッチャントである。幾つかの実施形態では、エッチャントは、WHを含む。幾つかの実施形態では、エッチャントは、金属塩化物エッチャントである。幾つかの実施形態では、エッチャントは、WCl又はWClを含む。
【0065】
[0069]本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱せずに、様々な改変及び変形を本開示の方法及び装置に対して行うことができることが明らかであろう。ゆえに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に含まれる改変例及び変形例を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4