(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】シート処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 45/12 20060101AFI20220428BHJP
B65H 45/16 20060101ALI20220428BHJP
B65H 45/30 20060101ALI20220428BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20220428BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
B65H45/12
B65H45/16
B65H45/30
B65H9/00 H
B41J11/42
(21)【出願番号】P 2018050408
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】森永 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】古橋 朋裕
(72)【発明者】
【氏名】浅見 真治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道貴
(72)【発明者】
【氏名】星野 智道
(72)【発明者】
【氏名】米山 史晴
(72)【発明者】
【氏名】日高 信
(72)【発明者】
【氏名】坂野 広樹
(72)【発明者】
【氏名】國枝 晶
(72)【発明者】
【氏名】原口 陽介
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-051298(JP,A)
【文献】特開2012-121687(JP,A)
【文献】特開2015-000806(JP,A)
【文献】特開2015-124013(JP,A)
【文献】特開2011-178503(JP,A)
【文献】特開平01-226653(JP,A)
【文献】特開2015-143145(JP,A)
【文献】特開2009-051667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/00-45/30
B65H 9/00-9/20
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに対して筋付け処理を行う筋付け処理手段と、
前記シートに対して折り処理を行う折り処理手段と、
前記筋付け処理手段と前記折り処理手段の間で前記シートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、
前記筋付け処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御手段を備え
、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、前記折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせることを特徴とするシート処理装置
。
【請求項2】
請求項
1に記載のシート処理装置において、
前記筋付け処理手段のシート搬送方向上流に、前記制御手段により制御される第二のスキュー補正手段を有し、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記第二のスキュー補正手段によりスキュー補正を行うか、前記スキュー補正手段によりスキュー補正を行うかを決めることを特徴とするシート処理装置。
【請求項3】
請求項
1に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを変更することを特徴とするシート処理装置。
【請求項4】
請求項
1または3に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段へのシート搬送速度を変更することを特徴とするシート処理装置。
【請求項5】
請求項1
、3または4に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理と、前記シートの種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御することを特徴とするシート処理装置。
【請求項6】
請求項
1に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の設定に基づいて、スキュー補正制御を実行するか否かを決めることを特徴とするシート処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6いずれか一項に記載のシート処理装置において、
前記筋付け処理手段よりシート搬送方向下流側で前記シートを搬送する第一搬送手段と、前記第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置された第二搬送手段とを備え、
前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に前記シートを挟持した状態で前記第二搬送手段により前記シートを逆方向に搬送して前記シートを撓ませ、前記シートの撓んだ部分を前記折り処理手段に導入して前記シートを折ることを特徴とするシート処理装置。
【請求項8】
シートに対してミシン目処理を行うミシン目形成手段と、
前記シートに対して折り処理を行う折り処理手段と、
前記ミシン目形成手段と前記折り処理手段の間で前記シートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、
ミシン目処理と折り処理の設定に基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御手段を備え
、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、前記折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせることを特徴とするシート処理装置。
【請求項9】
請求項
8に記載のシート処理装置において、
前記ミシン目形成手段のシート搬送方向上流に、前記制御手段により制御される第二のスキュー補正手段を有し、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記第二のスキュー補正手段によりスキュー補正を行うか、前記スキュー補正手段によりスキュー補正を行うかを決めることを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
請求項
8に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを変更することを特徴とするシート処理装置。
【請求項11】
請求項
8または10に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段へのシート搬送速度を変更することを特徴とするシート処理装置。
【請求項12】
請求項
8、10または11に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理と、前記シートの種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御することを特徴とするシート処理装置。
【請求項13】
請求項
8、10乃至12いずれか一項に記載のシート処理装置において、
前記ミシン目形成手段は、前記シートにミシン目を付ける刃物の種類が変更可能であり、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理と、前記ミシン目形成手段に取り付けられている刃物の種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御することを特徴とするシート処理装置。
【請求項14】
請求項
8に記載のシート処理装置において、
前記制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理の設定に基づいて、スキュー補正制御を実行するか否かを決めることを特徴とするシート処理装置。
【請求項15】
請求項
8乃至14いずれか一項に記載のシート処理装置において、
前記ミシン目形成手段よりシート搬送方向下流側で前記シートを搬送する第一搬送手段と、前記第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置された第二搬送手段とを備え、
前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に前記シートを挟持した状態で前記第二搬送手段により前記シートを逆方向に搬送して前記シートを撓ませ、前記シートの撓んだ部分を前記折り処理手段に導入して前記シートを折ることを特徴とするシート処理装置。
【請求項16】
請求項
7または15に記載のシート処理装置において、
前記スキュー補正手段は、前記第一搬送手段または前記第二搬送手段であることを特徴とするシート処理装置。
【請求項17】
シートに対して筋付けおよびミシン目処理のいずれか一方の処理を行う処理手段と、
前記シートに対して折り処理を行う折り処理手段と、
前記処理手段と前記折り処理手段の間で前記シートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、
前記処理手段は、刃物が交換可能に構成されており、刃物を取り替えることで、シートに対して筋付けおよびミシン目処理のいずれか一方の処理を行うものであり、
前記処理手段に取り付けられている刃物の種類と、前記処理手段の処理設定と、折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とするシート処理装置。
【請求項18】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、
前記シート処理装置として、請求項1乃至
17いずれか一項に記載のシート処理装置を用いたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項19】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、
前記シート処理装置として、請求項
5または
12に記載のシート処理装置を用い、
前記シートの種類情報を取得するシート情報取得手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項20】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、
前記シート処理装置として、請求項
13または17に記載のシート処理装置を用い、
前記刃物の種類情報を取得する刃物情報取得手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに対して筋付け処理を行う筋付け処理手段と、シートの折り処理を行う折り処理手段と、筋付け処理手段と折り処理手段の間でシートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記シート処理装置において、スキュー補正手段と筋付け処理手段との間に配置された搬送手段からスキュー補正手段までのシート搬送距離よりも、シート先端からシートの筋付け処理手段により付けられた筋目までの長さを長くしたものが記載されている。シート先端からシートの筋目までの長さを、上記搬送手段からスキュー補正手段までのシート搬送距離よりも長くすることで、スキュー補正手段にシート先端を突き当ててスキュー補正手段と搬送手段との間でシートを撓ませてスキュー補正を行うときに、筋目を搬送手段よりもシート搬送方向上流側に位置させることができる。これにより、スキュー補正時のシートの撓み時に筋目が起因して意図しない折り目が形成されるのを抑制できると記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、シート先端から筋目までの長さが、搬送手段からスキュー補正手段までのシート搬送距離よりも長くなる位置に、シートの筋目を形成する必要があり、筋目を形成位置に制約があるという課題があった。
なお、上記課題は、シートに筋目を形成するものに限らず、シートにミシン目を形成するものでも同様な課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートに対して筋付け処理を行う筋付け処理手段と、前記シートに対して折り処理を行う折り処理手段と、前記筋付け処理手段と前記折り処理手段の間で前記シートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、前記筋付け処理と前記折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、前記折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シートに形成する筋目の位置の制約を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】画像形成装置と、複数のシート処理ユニットとからなるシート処理装置とを備えた画像形成システムのシステム構成を示す図。
【
図2】画像形成システムのシステム構成の他の例を示す図。
【
図3】画像形成システムのシステムシステム構成の別の例を示す図。
【
図4】画像形成システムのシステムシステム構成のさらに別の例を示す図。
【
図9】ミシン目形成ユニットにおけるシート搬送について説明する図。
【
図10】ミシン目形成部のミシン目形成動作を説明する説明図。
【
図12】(a)~(d)は、折り処理装置による折り処理によって形成される折り部の一例をそれぞれ示す説明図。
【
図13】(a)~(h)は、折り処理装置によりZ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図。
【
図14】(a)~(h)は、折り処理装置により内三つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図。
【
図15】(a)~(h)は、折り処理装置により外三つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図。
【
図16】(a)~(h)は、折り処理装置により二つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図。
【
図17】筋付け処理部を設けた折り処理ユニットの要部構成図。
【
図18】第一正逆転ローラと押し当てローラとで構成される第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせ例を示す図。
【
図19】画像形成装置の操作表示部に表示される後処理設定画面の一例を示す図。
【
図20】M字折れの発生メカニズムについて説明する図。
【
図21】折り癖による折り位置ずれの発生メカニズムについて説明する図。
【
図22】本画像形成システム4の要部を示す制御ブロック図。
【
図23】本画像形成システムにおける折り処理前のスキュー補正の制御フロー図。
【
図24】変形例1の画像形成システムの要部を示す図。
【
図25】変形例1における折り処理前のスキュー補正の制御フロー図。
【
図26】変形例2における折り処理前のスキュー補正の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施形態における画像形成装置3と、複数のシート処理ユニットとからなるシート処理装置2とを備えた画像形成システム4のシステム構成を示す図である。本実施形態では、画像形成装置3の後段に、シート処理装置2が設けられている。シート処理装置2は、ミシン目形成ユニット2aと、折り処理ユニット2bと、後処理ユニット2cとが順に設けられている。
【0009】
画像形成装置3は、入力された画像データまたは読み取った画像の画像データに基づいて、シートに画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などがこれに相当する。画像形成装置3は、例えば電子写真方式や液滴射出方式など公知の方式のものであり、画像形成方式は何れでも良い。なお、本実施形態においては、電子写真方式の複写機を用いている。
【0010】
後処理ユニット2cとしては、例えば、シートにパンチ孔を開けるパンチ穿孔装置、ステープラ等によりシート束を綴じるシート綴じ装置、画像形成済みシートを複数の排出トレイへ仕分けして排出する仕分排出装置などが挙げられる。
【0011】
図2は、画像形成システム4のシステム構成の他の例を示す図である。
この
図2に示す画像形成システム4のシート処理装置2は、ミシン目形成と折り処理とを行なう処理ユニット2dと後処理ユニット2cとで構成したものである。
【0012】
図3は、画像形成システム4のシステムシステム構成の別の例を示す図である。
この
図2に示す画像形成システム4のシート処理装置2は、画像形成装置の胴内にミシン目形成ユニット2aを配置したものである。
【0013】
図4は、画像形成システム4のシステムシステム構成のさらに別の例を示す図である。
この
図4に示す画像形成システム4のシート処理装置2は、画像形成装置の胴内にミシン目形成と折り処理とを行なう処理ユニット2dを配置したものである。
【0014】
図5は、画像形成装置3について説明する図である。
画像形成装置本体400は、画像形成部の下部に、記録媒体であるシートを収納する給送カセットが配置されている。給送カセットに収納されたシートは、それぞれ、給送ローラ414a,414bによって給送された後、所定の搬送路に沿って上方へ搬送され、レジストローラ対413へ到達する。
【0015】
画像形成部は、像担持体としての感光体ドラム401と、帯電装置402と、露光装置410と、現像装置404と、転写装置405と、クリーニング装置406とを備えている。
【0016】
帯電装置402は、感光体ドラム401の表面を一様に帯電する帯電手段である。露光装置410は、画像読取装置100で読み取った画像情報に基づいて感光体ドラム401上に静電潜像を形成する潜像形成手段である。現像装置404は、感光体ドラム401上の静電潜像にトナーを付着させて可視像化する現像手段である。転写装置405は、感光体ドラム401上のトナー画像をシートに転写する転写手段である。クリーニング装置406は、転写後の感光体ドラム401上に残留したトナーを除去するクリーニング手段である。
【0017】
また、画像形成部のシート搬送方向下流側には、トナー画像をシートに定着する定着手段としての定着装置407が配置されている。
【0018】
露光装置410は、制御部の制御の下で画像情報に基づくレーザー光を発射するレーザーユニット411と、レーザーユニット411からのレーザー光を感光体ドラム401の回転軸方向(主走査方向)に走査するポリゴンミラー412を具備する。
【0019】
また、画像読取装置100の上部には、自動原稿搬送装置500が接続されている。この自動原稿搬送装置500は、原稿テーブル501、原稿分離給送ローラ502、搬送ベルト503、原稿排紙トレイ504を具備している。
【0020】
原稿テーブル501に原稿がセットされて読み取り開始指示を受けると、自動原稿搬送装置500では、原稿テーブル501上の原稿が原稿分離給送ローラ502により1枚ずつ送り出される。そして、その原稿は搬送ベルト503によりプラテンガラス309上に案内され、一時停止する。
【0021】
そして、プラテンガラス309上に一時停止した原稿は、画像読取装置100によりその画像情報が読み取られる。その後、搬送ベルト503が原稿の搬送を再開し、その原稿は原稿排紙トレイ504に排出される。
【0022】
次に、画像読取動作と画像形成動作について説明する。
自動原稿搬送装置500によりプラテンガラス309上に原稿が搬送されるか、ユーザーによりプラテンガラス309上に原稿が載置されて、操作パネルにコピー開始操作がなされると、第一走行体303上の光源301が点灯する。また、これとともに、第一走行体303及び第二走行体306を、ガイドレールに沿って移動させる。
【0023】
そして、プラテンガラス309上の原稿に光源301からの光が照射され、その反射光が、第一走行体303上のミラー302、第二走行体306上のミラー304,305、レンズ307に案内されて、CCD308で受光される。これにより、CCD308は原稿の画像情報を読み取り、その画像情報はA/D変換回路によってアナログデータからデジタルデータに変換される。この画像情報は、情報出力部から画像形成装置本体400の制御部へ送られる。
【0024】
一方、画像形成装置本体400は、感光体ドラム401の駆動を開始し、感光体ドラム401が所定速度で回転したら、帯電装置402により感光体ドラム401の表面を一様に帯電させる。そして、この帯電した感光体ドラム401の表面に、画像読取装置で読み取った画像情報に基づいた静電潜像が露光装置410により形成する。
【0025】
その後、感光体ドラム401の表面上の静電潜像は、現像装置404により現像されてトナー画像となる。また、給送カセットに収納されたシートは、給送ローラ414a,414bによって給送され、レジストローラ対413で一時停止させる。
【0026】
そして、感光体ドラム401の表面に形成されたトナー画像の先端部分が転写装置405と対向する転写部に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対413により転写部に送り込まれる。転写部をシートが通過する際、転写電界の作用によって感光体ドラム401の表面に形成されたトナー像がシート上に転写される。
【0027】
その後、トナー像を載せたシートは、定着装置407に搬送され、定着装置407により定着処理を受けた後、後段のミシン目形成ユニット2aに排出される。なお、転写部においてシートに転写されることなく感光体ドラム401の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置406により除去される。
【0028】
図6は、ミシン目形成ユニット2aについて説明する図である。
図6に示すように、ミシン目形成ユニット2aは、搬送路14に沿って入口側から入口ローラ対11、揺動ガイド板13、ミシン目形成部20、排紙ローラ対12を備えている。
【0029】
入口ローラ対11は、ミシン目形成ユニット2aの入口に位置し、画像形成装置3の排紙ローラ408によって排紙されるシートを受け取り、ミシン目形成部20に搬入する機能を有する。
入口ローラ対11の後段には、揺動ガイド板13が配置されている。揺動ガイド板13は、搬送方向下流側端部を支点にして揺動可能に設けられている。シートを搬送するときは、
図6に示すガイド位置に位置し、ミシン目形成部20によりミシン目を形成するときは、図中反時計回りに揺動し退避位置に位置する。
排紙ローラ対12は、ミシン目形成ユニット2aの最後段の出口直前に位置し、シートの排出を行う機能を有する。
【0030】
図7は、ミシン目形成部20の概略構成図であり、(a)は、ミシン目形成部20をシート幅方向から見た図であり、(b)は、ミシン目形成部20をシート搬送方向上流側から見た図である。また、
図8は、押圧機構30の斜視図である。
図7に示すようにミシン目形成部20は、主に複数の刃41aが形成された刃物41と、シートを刃物41に押圧する押圧機構30とを備えている。押圧機構30は、両端がミシン目形成ユニット2aの側板1aに支持され、シート搬送方向に並べて設けられた一対のガイドレール38にシート幅方向(
図7(b)の左右方向)に移動可能に支持されている。
【0031】
また、ミシン目形成部20には、押圧機構30をシート幅方向(
図7(b)の左右方向)に移動させるための駆動装置50を備えている。駆動装置50は、駆動モータ54と、駆動モータ54の駆動力がタイミングベルト55を介して伝達される駆動プーリ53と、駆動プーリ53が配置された側と反対側に配置された従動プーリ51と、駆動プーリ53と従動プーリ51とに張架された移動用タイミングベルト52とを主に備えている。押圧機構30は、この移動用タイミングベルト52に取り付けられている。
この移動用タイミングベルト52が駆動モータ54の正逆回転によって無端移動することで、押圧機構30がシート幅方向に往復駆動される。
【0032】
押圧機構30は、
図7(a)、
図8に示すように、移動部材としてのローラ部材32と、ローラ部材32を回転可能かつシートの垂直方向に揺動可能に支持する支持部材としてのホルダ33と、ホルダ33を回転可能に支持し、一対のガイドレール38にスライド可能に支持されたスライダ34と、加圧手段としてのコイルスプリング37とを主に備えている。
【0033】
ローラ部材32の回転軸方向(シート搬送方向)中央には、溝32aが形成されている。この溝32aは、刃物41と対向している。ローラ部材32は、ホルダ33のローラ支持部33cに取り付けられた軸32bに回転自在に支持されている。また、ローラ部材32の回転中心に回転軸方向に突出するボス部を設け、このボス部をホルダ33のローラ支持部33cに回転自在に支持してもよい。
【0034】
ホルダ33は、スライダ34に取り付けられた支持軸33bに回転自在に支持されている。これにより、この支持軸33bを支点にしてシートの垂直方向に揺動可能にローラ部材32が支持される。また、ホルダ33にボス部を設けて、このボス部をスライダ34に回転自在に支持してもよい。また、ホルダ33は、コイルスプリング37の一端を受けるバネ受け台33aを有している。
【0035】
スライダ34は、シート搬送方向両端に貫通孔34aを有し、これら貫通孔34aにガイドレール38が貫通している。これにより、スライダ34は、シート幅方向にスライド可能にガイドレール38に支持される。また、スライダ34は、ホルダ33のバネ受け台33aと対向し、コイルスプリング37の他端を受けるバネ受け台34bを有している。コイルスプリング37は、スライダ34にネジで固定され、ホルダ33を刃物41側へ付勢している。これにより、ホルダ33に支持されているローラ部材32が、刃物側へ付勢され、シートを刃物41に押圧することができる。
【0036】
また、
図7(b)に示すように、刃物41の両端よりも外側の通紙領域外には、退避した押圧機構30のローラ部材32が乗り上げる退避台42が設けられている。
【0037】
図9は、ミシン目形成ユニット2aにおけるシート搬送について説明する図である。
図9(a)に示すように、シートPが画像形成装置3の排紙ローラ408によって画像形成装置から排紙されたシートPを入口ローラ対11が受け取り、ミシン目形成部20へシートPを搬送する。このとき、揺動ガイド板13はガイド位置に位置している。入口ローラ対11により搬送されてきたシートPは、揺動ガイド板13にガイドされてミシン目形成部20に搬送される。
【0038】
図9(a)に示すように、揺動ガイド板13がガイド位置にあるとき、揺動ガイド板13の先端は、刃物41の刃41aの刃先よりも押圧機構30側(図中上側)に位置している。そのため、揺動ガイド板13にガイドされたシートPは、刃41aの上空を通過し、シートが刃物の刃41aに引っ掛ることなく、搬送することができる。これにより、ジャムの発生やスキューの発生を抑制することができる。
【0039】
図9(b)に示すように、シートPの先端が排紙ローラ対12に到達し、シートPが入口ローラ対11と排紙ローラ対12とに狭持搬送される。そして、シートPのミシン目位置が刃物41に対向したら、入口ローラ対11、排紙ローラ対12の回転を停止する。
【0040】
次に、揺動ガイド板13を図中反時計回りに回転させ、揺動ガイド板13を
図9(c)に示す退避位置に位置させる。揺動ガイド板13が退避位置に位置したら、押圧機構30をシート幅方向へ移動させ、押圧機構30によりシートPを刃物41に押し付けて、シートPの所定の位置にミシン目を形成する。
【0041】
ミシン目形成部20でシートPの所定の位置にミシン目を形成したら、揺動ガイド板13を退避位置からガイド位置へ揺動させる。この揺動ガイド板13が退避位置からガイド位置へ揺動する途中で、揺動ガイド板13がシートPに当接し、シートPを持ち上げる。これにより、シートPに突き刺さった刃41aをシートから離すことができる。このように、本実施形態においては、揺動ガイド板13が、シートを刃物から離間させる離間手段としての機能を有している。
【0042】
次に、揺動ガイド板13がガイド位置に位置したら、
図9(b)に示すように、入口ローラ対11および排紙ローラ対12の回転を再開し、シートの搬送を再開する。揺動ガイド板13によりシートPに突き刺さった刃41aをシートPから離してから、シートを搬送するので、シートPが突き刺さった刃41aにより引き千切られたり、突き刺さった刃41aに引っ掛ってジャムが発生したりするのを防止することができる。
【0043】
次に、ミシン目形成部20のミシン目形成動作について説明する。
図10は、ミシン目形成部20のミシン目形成動作を説明する説明図である。
図10(a)に示すように、ミシン目形成動作前は、押圧機構30は退避位置に位置しており、ローラ部材32が退避台42に乗り上げている。シートPが停止したら、駆動モータ54の駆動を開始し、押圧機構30を用紙幅方向一端側(図中左端)から他端側へ移動させる。すると、ローラ部材32が、刃先の上を転がりながら、図中矢印D方向へ移動する。
【0044】
押圧機構30が図中矢印D方向へ移動していくと、
図10(b)に示すように、ローラ部材32がシートPに当接し、シートPがローラ部材32と刃物41とに挟まれる。ローラ部材32は、ホルダ33を介してコイルスプリング37により刃物側へ付勢されている。よって、ローラ部材32によりシートPが刃物41に押圧され、刃物41の刃41aがシートPから突き刺さってシートを貫通し、ミシン目が形成される。本実施形態においては、
図7(a)に示すように、ローラ部材32の刃物41との対向箇所に溝32aを設けている。これにより、ローラ部材32がシートと接触した際に、この溝32aとシートとの間には隙間が形成される。よって、刃41aが確実にシートPを貫通し、良好にミシン目を形成することができる。
【0045】
また、本実施形態では、ホルダ33が、ローラ部材32をシートの垂直方向に揺動可能に支持している。これにより、ローラ部材32を刃物41の刃先の凹凸に追随することができ、刃物の刃41aに引っ掛るのを抑制し、スムーズに押圧機構30をシート幅方向へ移動させることができる。また、製造誤差による押圧力の増減を抑制することができ、良好にシートにミシン目を形成することができる。
【0046】
また、シート上を移動する移動部材たるローラ部材32は、回転しながらシート上を移動するので、移動の抵抗を低減することができ、スムーズに押圧機構30をシート幅方向に移動させることができる。
【0047】
このように、押圧機構30を図中矢印D方向へ移動させながら、シートPにミシン目を形成していく。そして、押圧機構30が、
図10(d)に示す図中右端の退避位置まで移動してローラ部材32が図中右側の退避台42に乗り上げるとミシン目形成動作が終了する。そして、次のシートに対してミシン目を形成するときは、
図10とは、反対方向(図中左方向)へ押圧機構30を移動させミシン目を形成する。また、ミシン目が形成されたシートの後端が刃物41の対向箇所を抜けたら、押圧機構30を
図10とは、反対方向へ移動させ、図中左側の退避位置へ移動させて、シートに対してミシン目を形成するときの移動方向を、
図10に示す方向に限定してもよい。
【0048】
上記刃物41は、装置本体に対して着脱可能に構成されており、ミシン刃に替えて、クリース刃を装着することで、ミシン目形成ユニット2aを、筋付け処理ユニットにすることができる。また、ミシン目のピッチ異なるミシン刃に付け替えることで、ユーザーの所望するミシン目を形成することができる。
【0049】
図11は、折り処理ユニット2bの概略構成図である。
折り処理ユニット2bは、ミシン目形成ユニット2aから排出されたシートPを折り処理せずに後段の後処理ユニット2cへ搬送するためのスルー搬送路W1を備えている。また、スルー搬送路W1から分岐していて、ミシン目形成ユニット2aから排出されたシートPを折り処理して後段の後処理ユニット2cへシートPを搬送するための分岐搬送路W2とを備えている。
【0050】
ミシン目形成ユニット2aから排出されたシートPを受け入れるスルー搬送路W1の入口側(図中右側)には、第一搬送手段としての入口ローラ対211が配置されている。この入口ローラ対211は、回転部材である押圧ローラ211aと対向部材である駆動ローラ211bとから構成されており、駆動ローラ211bは駆動源でありDCモータである入口モータ211mの駆動力によって回転駆動する。また、スルー搬送路W1の出口側(図中左側)には、第一折りローラ212と、第一折りローラ212に当接配置された第一正逆転ローラ213と、第一正逆転ローラ213に当接配置された押し当てローラ214とが設けられている。第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213とのニップを通過することで、シートPはスルー搬送路W1から分岐搬送路W2へ移動することができる。また、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とのニップを通過することで、スルー搬送路W1を介して後段の後処理ユニット2cへシートPを搬送することができる。
【0051】
更に、本実施形態では、分岐搬送路W2の出口側には、第一正逆転ローラ213に当接配置された第二折りローラ215が設けられている。また、この分岐搬送路W2には、スルー搬送路W1からのシートPが進入する第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213とのニップを挟んで、第二折りローラ215の反対側に第二正逆転ローラ対216が設けられている。この第二正逆転ローラ対216は、回転部材である押圧ローラ216aと対向部材である駆動ローラ216bとから構成されており、駆動ローラ216bは駆動源である正逆転モータ216mの駆動力によって回転駆動する。
【0052】
第一正逆転ローラ213は、駆動源としてDCモータである折りモータ213mの駆動力により正逆転可能に回転駆動することができる。この第一正逆転ローラ213に当接配置されている第一折りローラ212、押し当てローラ214及び第二折りローラ215は、いずれも第一正逆転ローラ213の回転に伴って従動回転する従動ローラである。
【0053】
また、第二正逆転ローラ対216を構成する駆動ローラ216bは、駆動源として正逆転モータ216mの駆動力により正逆転可能に回転駆動することができる。第二正逆転ローラ対216を構成する押圧ローラ216aは、駆動ローラ216bの回転に伴って従動回転する従動ローラである。
【0054】
本実施形態において、すべての従動ローラは、それぞれ、付勢手段としての加圧スプリング211s,212s,214s,215s,216sによってローラ軸が付勢されており、これにより対向するローラとの間にニップが形成されるようになっている。
【0055】
また、本実施形態には、入口ローラ対211のシート搬送方向上流側(スルー搬送路W1入口側)には、シートPの端部を検知するシート端部検知手段としての入口センサ217が設けられている。この入口センサ217は、その検知領域にミシン目形成ユニット2aから搬送されてくるシートPの先端が到達したときに、その旨を示す先端検知信号を制御部へ出力する。このような入口センサ217としては、公知のセンサを広く利用することができる。
【0056】
また、本実施形態には、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とで構成される第二シート搬送手段のシート搬送方向下流側(スルー搬送路W1の出口側)に、シートPの先端を検知するシート先端検知手段としてのシート検知センサ218が設けられている。このシート検知センサ218は、その検知領域にスルー搬送路W1を搬送されてきたシートPの先端が到達したときに、その旨を示す先端検知信号を制御部へ出力する。このようなシート検知センサ218は、上述した入口センサ217と同様、公知のセンサを広く利用することができる。
【0057】
また、本実施形態には、第二正逆転ローラ対216のシート搬送方向下流側(分岐搬送路W2の出口側とは反対側)に、シートPの先端を検知するシート検知センサ219が設けられている。このシート検知センサ219は、その検知領域にスルー搬送路W1から分岐搬送路W2へ送り込まれたシートPの先端が到達したときに、その旨を示す先端検知信号を制御部へ出力する。このようなシート検知センサ219は、上述した入口センサ217やシート検知センサ218と同様、公知のセンサを広く利用することができる。
【0058】
本実施形態においては、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とで第二搬送手段が構成され、第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213とで第一折り部形成手段220aが構成されている。また、本実施形態では、第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とで、第二折り部形成手段220bが構成されている。
【0059】
第二搬送手段としては、このようなローラ対の構成ではなく、粘着ローラや吸着ベルトの構成を採用してもよい。また、本実施形態では、第二搬送手段を構成する第一正逆転ローラ213と折り部形成手段を構成する第一正逆転ローラ213や第二折りローラ215とが共通のローラである。しかしながら、別々のローラを用いて第二搬送手段と折り部形成手段とを別個独立した構成としてもよい。
【0060】
第二折り部形成手段220bのシート搬送方向下流側(分岐搬送路W2の出口側)には、シートPの折り部を押圧して増し折りを行なう増し折り手段280が配置されている。
増し折り手段280は、増し折りローラ281と搬送ガイド板282と圧縮スプリング283とで構成されている。増し折りローラ281は、押圧凸部281aを有している。搬送ガイド板282の増し折りローラ281とは反対側の面には、弾性部材である圧縮スプリング283が設けられている。そして、増し折りローラ281の押圧凸部281aがシートPを介して搬送ガイド板282と接触することで、搬送ガイド板282が上方に押し上げられ、圧縮スプリング283が縮み変形し、搬送ガイド板282を増し折りローラ281に向かって付勢する付勢力が発生する。これにより、増し折りローラ281の押圧凸部281aと搬送ガイド板282との間に挟み込まれたシートPの折り部が、増し折りローラ281の押圧凸部281aと搬送ガイド板282とによって押圧され増し折りされる。
【0061】
第一折り部形成手段220aや第二折り部形成手段220bにより折り処理されたシートPが、搬送ガイド板282に沿って第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とにより、増し折り手段280に向けて搬送される。このとき、増し折りローラ281の押圧凸部281aは、搬送ガイド板282に対向しない位置にあり、搬送ガイド板282と増し折りローラ281との間には、所定の隙間が形成されている。
【0062】
シートPの第一折り部が増し折り手段280の近傍まで搬送されると、第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とによるシートPの搬送を停止し、増し折りローラ281が回転し始める。これにより、シートPの第一折り部近傍を、増し折りローラ281の押圧凸部281aにより押圧ローラ軸方向に順次押圧する。
【0063】
シートPの第一折り部の幅方向全域を押圧した後、増し折りローラ281の押圧凸部281aを搬送ガイド板282に対向しない位置に位置させ、再度、第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とによりシートPを搬送させる。シートPの第二折り部が増し折り手段280の近傍まで搬送されると、第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とによるシートPは停止し、シートPの第二折り部近傍を、増し折りローラ281の押圧凸部281aにより押圧ローラ軸方向に順次押圧する。シートPの第二折り部の幅方向全域を押圧した後、再度、第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215とによりシートPを搬送させる。
【0064】
次に、折り処理ユニット2bでシートPに折り部を形成する折り処理の流れや動作について説明する。
図12(a)~
図12(d)は、本実施形態の折り処理ユニット2bによる折り処理によって形成される折り部の一例をそれぞれ示す説明図である。
【0065】
本実施形態の折り処理ユニット2bは、シートPに対して2つの外折りの折り部を形成して
図12(a)に示すようにZ折りにするZ折り処理を行なうことができる。また、本実施形態の折り処理ユニット2bは、シートPを略三等分に対して2つの内折りの折り部を形成して
図12(b)に示すように内三つ折りにする内三つ折り処理を行なうことができる。また、本実施形態の折り処理ユニット2bは、シートPを略三等分に対して2つの外折りの折り部を形成して
図12(c)に示すように外三つ折りにする外三つ折り処理を行なうことができる。また、シートPを略二等分に対して1つの折り部を形成して
図12(d)に示すように二つ折りにする二つ折り処理を行なうことができる。
【0066】
図13(a)~
図13(h)は、折り処理ユニット2bによりZ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図である。ミシン目形成ユニット2aの排紙ローラ対12から搬送力を付与されて搬送されてくるシートPの先端は、まず、入口センサ217に検知される。これにより、入口センサ217から出力される先端検知信号を受信した制御部は、入口モータ211mを制御して、入口ローラ対211の回転を開始させる(
図13(a)、
図13(b))。その後、シートPの先端が入口ローラ対211のニップに進入すると、シートPは、入口ローラ対211からも搬送力が付与されてスルー搬送路W1をその出口側に向けて搬送される。
【0067】
スルー搬送路W1を搬送されるシートPの先端は、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とのニップに進入し、このニップを通過した後にシート検知センサ218に検知される。これを検知したシート検知センサ218からの先端検知信号を受信した制御部は、次のような制御を行なう。すなわち、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とのニップ位置から、シートPの先端が予め決められた突出量Δ1だけ突出したところで(
図13(c))、折りモータ213mを制御して第一正逆転ローラ213の回転を停止させる。また、これとともに、入口モータ211mを制御して入口ローラ対211の駆動ローラ211bの回転を停止させる。
【0068】
このときの突出量Δ1は、シートPのシート搬送方向長さや折り処理の内容(折り方等)によって適宜決定されるものである。シートPの先端の突出量Δ1は、例えば、シート検知センサ218から出力される先端検知信号の受信タイミングと、押し当てローラ214の回転量とから把握することができる。
【0069】
その後、折りモータ213mを制御して、シートPをスルー搬送路W1の入口側へ戻す方向に第一正逆転ローラ213の逆回転を開始させるとともに、入口ローラ対211の回転を開始させる。これにより、入口ローラ対211と第一正逆転ローラ213との間のシート部分に撓みが形成される(
図13(d))。そして、この撓み部分(折り返し部分)が第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213との間のニップに進入することで、その折り返し部分に第一折り部が形成される。第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213との間のニップを通過した第一折り部は、分岐搬送路W2に進入し(
図13(e))、分岐搬送路W2を第二正逆転ローラ対216に向けて搬送される。
【0070】
そして、シートPの第一折り部は、第二正逆転ローラ対216のニップに進入し、このニップを通過した後にシート検知センサ219に検知される。これを検知したシート検知センサ219からの先端検知信号を受信した制御部は、次のような制御を行なう。すなわち、第二正逆転ローラ対216のニップ位置から、シートPの第一折り部が予め決められた突出量Δ2だけ突出したところで(
図13(f))、折りモータ213mを制御して第一正逆転ローラ213の回転を停止させる。また、これとともに、第二正逆転ローラ対216及び入口ローラ対211の回転を停止させる。このときの突出量Δ2も、シートPのシート搬送方向長さや折り処理の内容(折り方等)によって適宜決定されるものである。シートPの第一折り部の突出量Δ2は、例えば、シート検知センサ219から出力される先端検知信号の受信タイミングと、第二正逆転ローラ対216の回転量とから把握することができる。
【0071】
その後、正逆転モータ216mを制御して、シートPを分岐搬送路W2の出口側へ向かわせる方向に第二正逆転ローラ対216の逆回転を開始するとともに、第一正逆転ローラ213の逆回転及び入口ローラ対211の回転を再開させる。これにより、第一正逆転ローラ213と第二正逆転ローラ対216との間のシート部分に撓みが形成される(
図13(g))。そして、この撓み部分(折り返し部分)が第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215との間のニップに進入することで、その折り返し部分に第二折り部が形成される。
【0072】
第一正逆転ローラ213と第二折りローラ215との間のニップを通過した第二折り部は、分岐搬送路W2の出口側に向けて搬送される(
図13(h))。そして、このように2つの折り部が形成されたシートPは、第一正逆転ローラ213からの搬送力を受けて、後段の後処理ユニット2cへ搬送される。
【0073】
図14(a)~
図14(h)は、折り処理ユニット2bにより内三つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図である。
図15(a)~
図15(h)は、折り処理ユニット2bにより外三つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図である。内三つ折り処理も外三つ折り処理も、その動作の流れは上述したZ折り処理と同様であるが、上記突出量Δ1,Δ2が異なる。したがって、Z折り処理、内三つ折り処理、外三つ折り処理との間では、第一正逆転ローラ213及び第二正逆転ローラ対216の逆回転を開始するタイミングがそれぞれ異なることになる。
【0074】
図16(a)~
図16(h)は、折り処理ユニット2bにより二つ折り処理する際の一般的な動作を説明するための説明図である。二つ折り処理は、スルー搬送路W1を搬送されるシートPの先端を、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とのニップに進入させず、第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213との間のニップに進入させる点と上記突出量Δ2が異なる以外は、その動作の流れは上述したZ折り処理と同様である。なお、この二つ折り処理においては、第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とが第一搬送手段に相当し、第二正逆転ローラ対216が第二搬送手段に相当する。
【0075】
また、折り処理ユニット2bに、筋付け処理部を設けてもよい。
【0076】
図17は、筋付け処理部を設けた折り処理ユニット2bの要部構成図である。
図17に示すように、筋付け処理部233は、クリース刃233bと、シートをクリース刃233bに押圧する押圧部233aとを有している。ミシン目形成ユニット2aから受け渡されたシートPを搬入ローラ対231で搬送し、シートの筋目形成箇所が、筋付け処理部233に搬送されたところでシートの搬送を一時停止する。次に、筋付け処理部233の押圧部233aを下降し、シートの筋目形成箇所をクリース刃233bに押し付けて、シートの筋目形成箇所に筋目を形成する。筋付け処理部233による筋付け処理が終了したら、搬入ローラ対231と搬送ローラ対232とでシートの搬送を再開する。
【0077】
搬送ローラ対232と入口ローラ対211との間には、撓み空間234が設けられている。入口ローラ対211は、シートのスキューを補正するスキュー補正手段の機能を持たせており、搬入ローラ対231と搬送ローラ対232とで搬送されてきたシートの先端を、入口ローラ対211に突き当てる。入口ローラ対211に突き当て後も搬送ローラ対232は、シートの搬送を続けることで、シートが上記撓み空間234で撓む。この撓み空間234でシートが撓むことで、シートのコシによりシート先端が入口ローラ対211に押し付けられ、スキュー補正がなされる。スキュー補正後、入口ローラ対211を回転させてシートを搬送し、上述した所定の折り動作により折り処理がなされる。
【0078】
なお、上述したミシン目形成と折り処理とを行なう処理ユニット2dは、上記筋付け処理部233がミシン目形成部20に置き換わる以外は、
図17に示す構成と同様な構成である。
【0079】
図17に示すように折り処理の前にスキュー補正を行なうことで、折り部が傾斜してしまうなどの不具合が発生するのを抑制することができ、良好に折り部を形成することができる。
【0080】
また、
図18に示すように第一正逆転ローラ213と押し当てローラ214とで構成される第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせてもよい。第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせた構成においては、入口ローラ対211と第二搬送手段との間に撓み空間234を設ける。また、第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせることで、入口ローラ対211と筋付け処理部233との間でシートを撓ませるための搬送ローラ対232が不要となり、
図17に示す構成に比べて、装置の小型化を図ることができる。なお、第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせた構成においては、第一折り部形成手段220aにより二つ折りを行なう。
【0081】
なお、上記筋付け処理部233を有さない
図11に示す折り処理ユニット2bについても、
図18に示す構成と同様に、入口ローラ対211と第二搬送手段との間に撓み空間234を設け第二搬送手段にスキュー補正手段の機能を持たせて、折り処理の前にシートのスキュー補正を行なえるように構成するのが好ましい。
【0082】
図19は、画像形成装置3の操作表示部510に表示される後処理設定画面の一例を示す図である。
操作表示部510は、液晶ディスプレイ(LCD)等からなる表示部と、テンキーやスタートボタンを有する操作部とを備える。表示部はタッチパネルの機能を有し、各種表示とともに利用者の接触位置検知が可能である。
図19に示す後処理設定画面は、シート処理装置が、
図11に示す筋付け処理部233を有さない折り処理ユニット2bとミシン目形成ユニット2aと、後処理ユニット2cとで構成された画像形成システムの場合の後処理設定画面の一例である。ミシン目形成部20の刃物41を、ミシン刃からクリース刃に付け替えることで、ミシン目形成処理から筋付け処理に処理を切り替えることができるものである。
【0083】
図19に示すように、後処理設定画面は、ミシン目/クリース設定部521と、折り処理設定部522と、プレビュー部523とを有している。ミシン目/クリース設定部521のチェックボックス521aのチェックを外すことで、ミシン目/クリース処理を実行しない設定にできる。同様に、折り処理設定部522のチェックボックス522aのチェックを外すことで、折り処理を実行しない設定にできる。
【0084】
ミシン目/クリース設定部521には、ミシン目形成部20に取りつけた刃物の種類をユーザーに入力させる刃物種類入力部521bと、シートに付けるミシン目または筋目の位置を指定する位置指定部521cと有している。ミシン目形成部20に取りつけた刃物が、クリース刃のときは、ユーザーは、刃物種類入力部521bの「クリース」を選択し、ミシン目形成部20に取りつけた刃物が、ミシン刃のときは、刃物種類入力部521bの「ミシン目」を選択する。
【0085】
また、ユーザーが「ミシン目」を選択したときは、ミシン目形成部20に取りつけたミシン刃のミシン目のピッチ情報を入力させる画面を、ポップアップ表示してユーザーにミシン目のピッチ情報を入力させるようにしてもよい。ユーザーに入力させた刃物種類情報は、不揮発性メモリに記憶される。
【0086】
また、ユーザーが、位置指定部521cを操作することで、ミシン目または筋目の位置を設定することができる。位置指定部521cの操作で設定されたミシン目または筋目の位置情報は、不揮発性メモリに記憶される。また、位置指定部521cを操作することで、プレビュー部523に表示されている鎖線Kの位置が変化する。これにより、シートのどの位置にミシン目または筋目が形成されるかをユーザーが把握することができる。なお、刃物種類がクリース刃のときは、ユーザーが位置指定部521cで指定した位置の他に、折り位置にも筋目を形成する。
【0087】
また、ミシン目または筋目の形成数を指定する指定部を設けて、シートにミシン目または筋目を複数形成できるようにしてもよい。
【0088】
折り処理設定部522には、折りの種設定部522b、折り位置を調整する調整部522cを有している。ユーザーが折りの種設定部522bに表示される折り種のひとつを選択することで、折り種が設定させる。設定された折り種情報は、不揮発性メモリに記憶される。また、ユーザーが折り種を選択することで、デフォルトの折り位置が、調整部522cに表示されるとともに、プレビュー部に折り位置R1,R2が実線で表示される。
【0089】
また、ユーザーが折り種類設定画面の調整部522cを操作することで、折り位置が調整される。調整された折り位置情報は、不揮発性メモリに記憶される。また、調整部522cを操作して折り位置を変更すると、プレビュー部523に表示されている実線の折り位置R1やR2の位置が変化する。これにより、シートのどの位置に折り部が形成されるのかユーザーが把握することができる。
【0090】
ミシン目形成部20と筋付け処理部233とを備えた画像システムにおいては、後処理設定画面に、ミシン目設定部とクリース設定部とをそれぞれ設け、ミシン目位置と筋目位置とをそれぞれ設定できようにする。
【0091】
筋目やミシン目が形成されたシートをスキュー補正すると、コシの弱い筋目やミシン目の位置でシートを折れ曲がってしまい、シートに折り癖がついてしまう場合がある。このように、折り癖がついたシートに対して折り処理を行うと、M字折れなどの様々な問題が生じる。
【0092】
図20は、M字折れの発生メカニズムについて説明する図である。
図20(a)~(c)に示すように、折り処理ユニット2bに搬送され、筋付け処理部233で折り位置に筋目Sが形成されたシートの先端が、入口ローラ対211に突き当たる。この状態で搬送ローラ対232の回転駆動を続けてシートの搬送を続けると、シートが撓む。このとき、コシの弱い筋目の位置を基点にしてシートが撓み始め、最終的には、
図20(d)に示すように、筋目の位置Sを基点してシートが折れ曲がってしまう。このような状態で入口ローラ対211のシート搬送を開始すると、撓み空間234のシート撓みは解消されるが、筋目位置Sを基点としたシートの折れ曲がりは解消されず、折り癖が残り、筋目位置Sが突出するような形で搬送される。
【0093】
そして、
図20(e)に示すように、折り癖が付いた状態で第一折り部形成手段220aへ進入し、折られてしまうことで、M字状に折られるM字折れが生じてしまう。なお、上記M字折れの問題は、ミシン目の位置が折り位置に近いと、同様にM字折れが生じてしまう。また、ミシン目の位置や筋目の位置が折り位置から遠い箇所においては、N字状に折られるおそれがある。
【0094】
また、このような折り癖が付くことによって、折り位置ずれが生じるおそれもある。
図21は、折り癖による折り位置ずれの発生メカニズムについて説明する図である。
図21に示すように、第一正逆転ローラ213を逆回転させるときに、シートの入口ローラ対211と第一正逆転ローラ213との間の領域Xに折り癖Oがあると、入口ローラ対211と第一正逆転ローラ213との間のシートの撓みが安定せず、狙いの折り位置M1以外の箇所が第一折りローラ212と第一正逆転ローラ213との間のニップに進入し、折り位置ずれが発生するおそれがある。
【0095】
上記折り癖は、スキュー補正時の撓み量が多いことに起因する。すなわち、スキュー補正時の撓み量が多いことで、筋目やミシン目を基点として折れが生じるまでシートが曲げられ、折り癖が生じるのである。よって、本実施形態においては、シートにミシン目や筋目が形成されているときは、折り処理前のスキュー補正における撓み量を折り処理のみ行うときの撓み量よりも少なくした。
【0096】
図22は、本画像形成システム4の要部を示す制御ブロック図である。
図22に示すように、画像形成システム4の全体を司る制御部450は、CPU451、RAM453、ROM452、不揮発性メモリなどを有している。この制御部450には、ミシン目形成ユニット2a、折り処理ユニット2bなどが接続されおり、ミシン目形成ユニット2aおよび折り処理ユニット2bに備えられた各種センサの検知結果に基づいて、ミシン目形成ユニット2aおよび折り処理ユニット2bに備えられた駆動源たるモータなどを制御する。
【0097】
また、制御部450は、折り処理前のスキュー補正制御を行なうスキュー補正制御部454を有している。スキュー補正制御部454は、主にシートの先端が突き当たるスキュー補正ローラ対(
図17では、入口ローラ対211、
図18では第二搬送手段)のシート搬送開始タイミングを制御したり、スキュー補正ローラ対にシートを突き当てた後の撓み空間234へシートを繰り出すローラ対(
図17では搬送ローラ対232、
図18では、入口ローラ対211)のシート搬送速度を調整したりする。
【0098】
また、制御部450は、スキュー補正制御部454によるスキュー補正制御を変更するスキュー補正制御変更部455を有している。スキュー補正制御変更部455は、ミシン目/クリース設定が「有り」(
図19に示す後処理設定画面のミシン目/クリース設定部521のチェックボックス521aがチェックされている)のとき、スキュー補正制御部454によるスキュー補正制御を変更する。
【0099】
また、制御部450は、使用されるシート情報を取得するシート情報取得部456を有している。不揮発性メモリには、画像形成装置3の給紙カセットにセットされたシート情報が記憶されている。シート情報取得部456は、ユーザーがどの給紙カセットを使用するかの情報に基づいて、不揮発性メモリからシート情報を取得する。
【0100】
また、制御部450は、筋付け/ミシン目種類取得部457を有している。先の
図19に示した後処理設定画面の刃物種類入力部521bでユーザーが入力した刃物種類情報は、不揮発性メモリに記憶されており、筋付け/ミシン目種類取得部457は、この不揮発性メモリから、刃物種類情報を取得する。
【0101】
制御部450が備える各部454~457は、ROM452に記憶されているプログラムと、プログラムを実行するCPU451とで実現される。
【0102】
図23は、本画像形成システムにおける折り処理前のスキュー補正の制御フロー図である。
図23に示すように、制御部は、折り処理のみ設定されている場合は、通常の折り処理前のスキュー補正制御を実行する(S1のNO,S2のYES、S4、S5)。
【0103】
一方、ミシン目/クリース設定あり(S1のYES)、折り設定あり(S7のYes)の場合は、スキュー補正制御変更部455により、折り処理のみのときのスキュー補正制御からスキュー補正制御の内容を変更する(S8)。
【0104】
スキュー補正制御変更部455は、スキュー補正時の撓み量が、スキュー補正時に折り癖が生じない撓み量となるように、スキュー補正制御の内容を変更する。具体的には、シートの先端が突き当たるスキュー補正ローラ対(
図17では、入口ローラ対211)の搬送開始タイミングを、折り処理のみのときの搬送開始タイミングよりも速めるように制御内容を変更し、スキュー補正時のシートの撓み量を、折り処理のみのときの撓み量よりも少なくする。
【0105】
これにより、スキュー補正時に筋目やミシン目を基点にしてシートが折れ曲がり、折り癖が形成される前にスキュー補正が終了し、シートが搬送される。これにより、スキュー補正されたシートを折ることができ、折り部が傾斜するなどの不具合の発生を抑制でき、かつ、M字折れや、折り位置ずれの発生を抑制することができる。
【0106】
また、上述では、スキュー補正ローラ対の搬送タイミングを変更しているが、スキュー補正ローラ対にシート先端が突き当たった後の撓み空間234へシート搬送する搬送ローラ対(
図17では、搬送ローラ対232)のシート搬送速度を変更してもよい。具体的には、スキュー補正制御変更部455は、スキュー補正ローラ対にシート先端が突き当たった後の搬送ローラ対のシート搬送速度を低下させる。これにより、スキュー補正時のシートの撓み量を、折り処理のみのときの撓み量よりも少なくでき、スキュー補正時に筋目やミシン目を基点にしてシートが折れ曲がり、折り癖が形成される前にスキュー補正が終了しシートが搬送される。
【0107】
また、使用されるシート情報に基づいて、筋付け/ミシン目処理ありのときのスキュー補正の制御内容を変更してもよい。使用されるシートが薄紙などコシの弱いシートは撓みやすいため、筋目やミシン目の位置を基点としてシートが折れ曲がりにくい。よって、使用されるシートが薄紙などのコシの弱いシートのときは、普通紙のときに比べて、スキュー補正時の撓み量を多くしてもよい。このように、撓み量を多くすることで、より確実にスキュー補正を行うことができ、折り部が傾斜するなどの不具合の発生をより一層抑制できる。
【0108】
また、使用されるシートが厚紙などのコシの強いシートは撓みにくいため、コシの弱い筋目やミシン目の位置に力が集中しやすく、折れ曲がりが生じやすい。よって、使用されるシートが厚紙などのコシの強いシートのときは、普通紙のときに比べて、スキュー補正時の撓み量を少なくする。これにより、コシの強いシートのときの折り癖の発生を良好に抑制できる。
【0109】
使用されるシート情報は、制御部450のシート情報取得部456により取得され、スキュー補正制御変更部455は、シート情報取得部456により取得したシート情報に基づいて、スキュー制御の内容を変更する。
【0110】
また、シートへの処理がミシン目のときと筋目のときとで、スキュー補正の制御内容を変更してもよい。シートに穴を開けるミシン目の方が、筋目よりもシートのコシが弱くなる。よって、ミシン目のときは、スキュー補正時の撓み量を筋目のときよりも弱めることで、ミシン目のときにおける折り癖の発生を良好に抑制できる。また、筋目のときの撓み量をミシン目のときの撓み量よりも多くすることで、ミシン目のときよりも良好にスキュー補正を行なうことができる。さらに、ミシン目のときは、ミシン目ピッチに基づいてスキュー補正の制御内容を変更してもよい。
【0111】
また、筋目やミシン目の位置に基づいて、スキュー補正の制御内容を変更してもよい。具体的には、シート先端から筋目やミシン目までの長さに応じてスキュー補正の制御内容を変更する。シート先端から筋目やミシン目までの長さY1が、撓み空間234にシートを搬送する搬送ローラ対からスキュー補正ローラ対までのシート搬送方向長さL1+折り処理のみのときの撓み量α以上であるときは、筋目やミシン目がスキュー補正時に撓み空間に進入しないため、折り癖が発生しない。よって、Y1≧L1+αのときは、スキュー補正の制御内容を変更しない。これにより、良好なスキュー補正を行うとこができる。一方、Y1<L1+αのときは、スキュー補正の制御内容を変更して、スキュー補正時の撓み量を減らすようにする。
【0112】
次に、本実施形態の変形例について、説明する。
[変形例1]
図24は、変形例1の画像形成システムの要部を示す図である。
図24に示すように、この変形例では、筋付け/ミシン目形成処理部460の前に第二のスキュー補正ローラ対236を設けたものである。筋付け/ミシン目形成処理部460は、刃物を変更することで、シートにミシン目を形成したり、筋目をつけたりするものである。また、搬入ローラ対231と第二のスキュー補正ローラ対236との間には、第二の撓み空間235が形成されている。
【0113】
図25は、変形例1における折り処理前のスキュー補正の制御フロー図である。
後処理が、折り設定のみのとき(S11NO,S12YES)は、シートを入口ローラ対211に突き当ててスキュー補正を行った(S18)後、折り処理を実行する(S19)。
【0114】
折り処理のみのときは、折り処理の手前で、スキュー補正を行うことで、良好に折り部が傾斜するなどの不具合を抑制することができる。
【0115】
一方、筋付け/ミシン目形成処理の設定が有りのとき(S11のYES)は、筋付け/ミシン目形成処理部460の手前の第二のスキュー補正ローラ対236にシートの先端を突き当てて、スキュー補正を実行した後(S14)後、筋付け/ミシン目形成処理部460でシートにミシン目または筋目が形成される(S15)。このように、筋付けまたはミシン目形成処理の前にシートのスキューが補正されるので、良好に狙いの位置に筋目やミシン目を形成することができる。
【0116】
筋付け/ミシン目形成処理部460により処理終了後、折り設定が設されているとき(S16のYES)は、入口ローラ対211でのスキュー補正(折り処理前のスキュー補正)は行なわずに、折り処理を実行する(S17)。このように、シートにミシン目や筋目が形成されているときは、折り処理前のスキュー補正を行なわないことで、折り癖が付くのを防止することができ、M字折れや折り位置ずれが生じるのを抑制することができる。また、第二の補正ローラ対でスキュー補正を行うので、第二の補正ローラ対でスキュー補正を行なわないものに比べて折り処理時のシートのスキューを抑えることができ、折り部が傾斜するなどの不具合を抑制することができる。
【0117】
[変形例2]
図26は、変形例2における折り処理前のスキュー補正の制御フロー図である。
この変形例2では、筋付け/ミシン目処理のみ行う設定(S21のYES,S27のNO)の場合、筋付け/ミシン目処理と折り処理の両方を行う設定(S21YES,S27YES)のときは、折り処理前のスキュー補正は実行しない。一方、折り処理のみ行う設定(S21NO,S22YES)場合は、スキュー補正を行う。これにより、折り処理のみを行うときは、折り部が傾斜するなどの不具合を抑制することができ、筋付け/ミシン目処理と折り処理の両方を行うときは、M字折れや折り位置ずれが生じるのを抑制することができる。
【0118】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
シートに対して筋付け処理を行う筋付け処理部233などの筋付け処理手段と、シートの折り処理を行う折り処理手段と、筋付け処理手段と折り処理手段の間でシートのスキューを補正する入口ローラ対211などのスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、筋付け処理と折り処理の設定とに基づいて、スキュー補正手段を制御する制御部450などの制御手段を備えた。
本出願人は、折り処理と筋付け処理の両方を行うとき、スキュー補正時に筋目が起因して、意図しない折り目が形成されてしまう原因について鋭意研究を行なった。その結果、スキュー補正時におけるシートの撓み量を抑えることで、スキュー補正手段と搬送手段との間に筋目があっても、筋目が起因の意図しない折り目が形成されないことがわかったのである。
そこで、態様1では、筋付け処理と折り処理の設定とに基づいて、スキュー補正手段を制御するようにした。これにより、筋付け処理と折り処理の両方を行うときと、折り処理のみを行うときとで、シート補正手段の制御を変えることができる。これにより、筋付け処理と折り処理の両方を行うときは、折り処理のみを行う場合に比べて、スキュー補正時のシート撓み量を少なくすることで、筋目が形成されているところが折れ曲がるのを抑制することができ、意図しない折り目が形成されてしまうのを抑制することができる。その結果、シート先端からシートの筋目までの長さが搬送手段からスキュー補正手段までのシート搬送距離よりも短くなる位置に筋目を形成しても、意図しない折り目が形成されることがなく、筋目形成位置の制約を緩和することができる。
また、折り処理のみのときは、シートを十分に撓ませてスキュー補正を行うことができるので、確実にシートのスキューを補正することができ、良好に折り部を形成することができる。
【0119】
(態様2)
態様1において、制御部450などの制御手段は、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせる。
これによれば、実施形態で説明したように、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせることで、筋付け処理と折り処理の両方を行うときは、折り処理のみを行うときと、スキュー補正時のシート撓み量を異ならせることができる。これにより、筋付け処理と折り処理の両方を行うときは、スキュー補正時の撓み量を減らして、筋目が折れ曲がらないようにすることができ、折り処理のみを行うときは、撓み量を多くして、良好にスキュー補正を行うことができる。
【0120】
(態様3)
態様1または2において、筋付け/ミシン目形成処理部460などの筋付け処理手段のシート搬送方向上流に、制御部450などの制御手段により制御される第二のスキュー補正ローラ対236などの第二のスキュー補正手段を有し、制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理の設定に基づいて、第二のスキュー補正手段によりスキュー補正を行うか、前記スキュー補正手段によりスキュー補正を行うかを決める。
これによれば、変形例1で説明したように、折り処理のみ行う設定のときは、折り処理に近いスキュー補正手段で行い、折り処理と筋目筋付けの両方を行なう設定ときは、第二スキュー補正手段でするようにできる。これにより折り処理のみ行う設定のときは、折り処理の前でスキュー補正を行うことができ、良好に折り処理を行うことができる。一方、
折り処理と筋目筋付けの両方を行なう設定ときは、シートに折り癖(折り目)が生じるのを防止することができ、M字折れや、折り位置ずれが発生するのを抑制することができる。
【0121】
(態様4)
態様1または2において、制御部450などの制御手段は、前記制御手段は、筋付け処理と折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを変更する。
これによれば、実施形態で説明したように、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを、折り処理のみを行うときのシート搬送開始タイミングよりも早くなるように変更することが可能となる。よって、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正時のシートの撓み量を、折り処理のみを行うときの撓み量よりも少なくすることができ、シートに折り癖が生じるのを抑制することができる。
【0122】
(態様5)
態様1、2または4において、筋付け処理と折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段へのシート搬送速度を変更する。
これによれば、実施形態で説明したように、制御部450などの制御手段は、筋付け処理と折り処理の両方を行うときの入口ローラ対211などのスキュー補正手段へのシート搬送速度を、折り処理のみを行うときのシート搬送速度よりも遅くなるように変更することが可能となる。よって、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正時のシートの撓み量を、折り処理のみを行うときの撓み量よりも少なくすることができ、シートに折り癖が生じるのを抑制することができる。
【0123】
(態様6)
態様1、2、4または5において、前記制御手段は、前記筋付け処理と前記折り処理と、前記シートの種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御する。
これによれば、制御部450などの制御手段は、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、シートの種類に基づいて行なうことが可能となる。
コシの強い種類のシートは、コシの弱い種類のシートよりも少ない撓み量で折れ曲がってしまう。このように、シートの種類により、筋目を基点にして折れ曲がってしまう撓み量が異なるので、シートの種類に基づいて、筋付け処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を行うことで、コシの強い種類のシート、コシの弱い種類のシート、いずれのシートでも、折り癖が生じないようにすることができる。また、筋目を基点にした折れ曲がりが発生し難い腰の弱いシートについては、コシの強い種類のシートのときに比べて、スキュー補正時の撓み量を大きくすることで、スキュー補正を良好に行うことができる。
【0124】
(態様7)
態様1または2において、制御部450などの制御手段は、筋付け処理と折り処理の設定に基づいて、スキュー補正制御を実行するか否かを決める。
これによれば、筋付け処理と折り処理の両方を行うときは、スキュー補正をしないようにし、折り処理のみ行うときは、スキュー補正を行うことが可能となる。これにより、折り処理のみ行うときは、シートのスキューを抑えて折り処理を行うことができ、良好な折処理を行うことができる。一方、筋付け処理と折り処理の両方を行うときは、M字折れや、折り位置ずれが発生するのを抑制することができる。
【0125】
(態様8)
態様1に乃至7において、筋付け処理部233などの筋付け処理手段よりシート搬送方向下流側でシートを搬送する入口ローラ対211などの第一搬送手段と、第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置された第二搬送手段とを備え、第一搬送手段と第二搬送手段との間にシートを挟持した状態で第二搬送手段によりシートを逆方向に搬送してシートを撓ませ、シートの撓んだ部分を第一折り部形成手段220aなどの折り処理手段に導入してシートを折る。
これによれば、ブレード部材などを用いることなくシートを折ることができる。
【0126】
(態様9)
シートに対してミシン目処理を行うミシン目形成部20などのミシン目形成手段と、ミシン目形成手段よりシート搬送方向下流側でシートの折り処理を行う折り処理手段と、ミシン目形成手段と折り処理手段の間でシートのスキューを補正する入口ローラ対211などのスキュー補正手段とを備えたシート処理装置2において、ミシン目処理と折り処理の設定に基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御部などの制御手段を備えた。
これによれば、態様1に、シート先端からシートのミシン目までの長さが搬送手段からスキュー補正手段までのシート搬送距離よりも短くなる位置にミシン目を形成しても、意図しない折り目が形成されることがなく、ミシン目形成位置の制約を無くすことができる。
また、折り処理のみのときは、シートを十分に撓ませてスキュー補正を行うことができるので、確実にシートのスキューを補正することができ、良好に折り部を形成することができる。
【0127】
(態様10)
態様9において、制御部450などの制御手段は、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、折り処理のみを行うときのスキュー補正制御と異ならせる。
これによれば、態様2と同様の効果を得ることができる。
【0128】
(態様11)
態様9、10において、筋付け/ミシン目形成処理部460などのミシン目形成手段のシート搬送方向上流に、制御部450などの制御手段により制御される第二のスキュー補正ローラ対236などの第二のスキュー補正手段を有し、制御手段は、前記ミシン目処理と折り処理の設定とに基づいて、前記第二のスキュー補正手段によりスキュー補正を行うか、前記スキュー補正手段によりスキュー補正を行うかを決める。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときは、第二のスキュー補正手段によりスキュー補正を行うことが可能となる。これにより、態様3と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(態様12)
態様9、10において、制御部450などの制御手段は、前記スキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを変更する。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときの入口ローラ対211などのスキュー補正手段のシート搬送開始タイミングを、折り処理のみを行うときのシート搬送開始タイミングよりも早めることが可能となる。これにより、態様4と同様の効果を得ることができる。
【0130】
(態様13)
態様9、10または12において、制御部450などの制御手段は、ミシン目処理と折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段へのシート搬送速度を変更する。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときの入口ローラ対211などのスキュー補正手段へのシート搬送速度を、折り処理のみを行うときのシート搬送速度よりも遅くすることが可能となる。これにより、態様5と同様の効果を得ることができる。
【0131】
(態様14)
態様9、10、12または13において、制御部450などの制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理と、前記シートの種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御する。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、シートの種類に基づいて行なうことが可能となり、シートの厚みが厚いときの撓み量を、薄いときの撓み量よりも少なくする制御を行うことができる。よって、態様6と同様の効果を得ることができる。
【0132】
(態様15)
態様9、10、12乃至14いずれかにおいて、ミシン目形成部20などのミシン目形成手段は、シートにミシン目を付ける刃物41の種類が変更可能であり、制御部などの制御手段は、前記ミシン目処理と前記折り処理と、前記ミシン目形成手段に取り付けられている刃物の種類とに基づいて前記スキュー補正手段を制御する。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、ミシン目形成手段に取り付けられている刃物の種類に基づいて行なうことができる。これにより、ミシン刃のピッチが狭く、シートに形成されるミシン目ピッチが狭くなる刃物のときのスキュー補正時の撓み量を、ミシン刃のピッチが広く、シートに形成されるミシン目ピッチが広くなる刃物のときのスキュー補正時の撓み量よりも少なくすることができる。
これにより、いずれのミシン目ピッチでも、折り癖が生じないようにすることができる。
【0133】
(態様16)
態様9または10において、制御部450などの制御手段は、ミシン目処理と折り処理の設定に基づいて、スキュー補正制御を実行するか否かを決める。
これによれば、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときは、スキュー補正をしないようにし、折り処理のみ行うときは、スキュー補正を行うことが可能となる。これにより、折り処理のみ行うときは、シートのスキューを抑えて折り処理を行うことができ、良好な折処理を行うことができる。一方、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときは、M字折れや、折り位置ずれが発生するのを抑制することができる。
【0134】
(態様17)
態様9乃至16いずれか一項に記載のシート処理装置において、ミシン目形成部20などのミシン目形成手段よりシート搬送方向下流側でシートを搬送する入口ローラ対211などの第一搬送手段と、第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置された第二搬送手段とを備え、第一搬送手段と第二搬送手段との間にシートを挟持した状態で第二搬送手段によりシートを逆方向に搬送してシートを撓ませ、シートの撓んだ部分を第一折り部形成手段220aなどの折り処理手段に導入してシートを折る。
これによれば、態様7と同様の効果を得ることができる。
【0135】
(態様18)
態様8または17において、スキュー補正手段は、入口ローラ対211などの第一搬送手段または前記第二搬送手段である。
これによれば、折り処理の直前で、スキュー補正を行うことができ、良好に折り処理を行うことができる。
【0136】
(態様19)
シートに対して筋付けおよびミシン目処理のいずれか一方の処理を行う筋付け/ミシン目形成処理部460などの処理手段と、処理手段よりシート搬送方向下流側でシートの折り処理を行う折り処理手段と、処理手段と折り処理手段の間でシートのスキューを補正するスキュー補正手段とを備えたシート処理装置において、処理手段は、刃物が交換可能に構成されており、刃物を取り替えることで、シートに対して筋付けおよびミシン目処理のいずれか一方の処理を行うものであり、ミシン目形成手段に取り付けられている刃物の種類と、前記処理手段の処理設定と、折り処理の設定とに基づいて、前記スキュー補正手段を制御する制御手段を備えた。
これによれば、態様1と同様な効果を得ることができる。また、ミシン目処理と折り処理の両方を行うときのスキュー補正制御を、処理手段に取り付けられている刃物の種類に基づいて行なうことができる。ミシン目の方が、筋目よりもシートのコシ弱さくなる。処理手段に取り付けられている刃物がミシン刃のときのスキュー補正時の撓み量を、クリースのときのスキュー補正時の撓み量よりも少なくすることで、ミシン目のとき筋目のとき両方で折り癖が生じないようにすることができる。
【0137】
(態様20)
シートに画像を形成する画像形成装置と、シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、シート処理装置として、態様1乃至19いずれか一項に記載のシート処理装置を用いた。
これによれば、実施形態で説明したように、良好に折り部を形成することができる。
【0138】
(態様21)
シートに画像を形成する画像形成装置と、シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、シート処理装置として、態様6または14のシート処理装置を用い、シートの種類情報を取得するシート情報取得手段(操作表示部や制御部などで構成)を備えた。
これによれば、シートの種類に基づいて、スキュー補正制御を行うことができる。
【0139】
(態様22)
シートに画像を形成する画像形成装置と、シートに所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、シート処理装置として、態様15または18のシート処理装置を用い、刃物の種類情報を取得する刃物情報取得手段(操作表示部などで構成)を備えた。
これによれば、刃物の種類に基づいて、スキュー補正制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0140】
2 :シート処理装置
2a :ミシン目形成ユニット
2b :折り処理ユニット
2c :後処理ユニット
2d :処理ユニット
3 :画像形成装置
4 :画像形成システム
11 :入口ローラ対
12 :排紙ローラ対
13 :揺動ガイド板
20 :ミシン目形成部
30 :押圧機構
32 :ローラ部材
32a :溝
33 :ホルダ
34 :スライダ
37 :コイルスプリング
38 :ガイドレール
41 :刃物
41a :刃
42 :退避台
50 :駆動装置
51 :従動プーリ
52 :移動用タイミングベルト
53 :駆動プーリ
54 :駆動モータ
55 :タイミングベルト
211 :入口ローラ対
212 :第一折りローラ
213 :第一正逆転ローラ
214 :押し当てローラ
215 :第二折りローラ
216 :第二正逆転ローラ対
217 :入口センサ
220a :第一折り部形成手段
220b :第二折り部形成手段
231 :搬入ローラ対
232 :搬送ローラ対
233 :筋付け処理部
233a :押圧部
233b :クリース刃
234 :撓み空間
235 :第二の撓み空間
236 :第二のスキュー補正ローラ対
280 :増し折り手段
281 :増し折りローラ
281a :押圧凸部
282 :搬送ガイド板
283 :圧縮スプリング
450 :制御部
454 :スキュー補正制御部
455 :スキュー補正制御変更部
456 :シート情報取得部
457 :ミシン目種類取得部
460 :ミシン目形成処理部
510 :操作表示部
521 :クリース設定部
521a :チェックボックス
521b :刃物種類入力部
521c :位置指定部
522 :折り処理設定部
522a :チェックボックス
522b :折り種設定部
522c :調整部
523 :プレビュー部
M1 :折り位置
O :折り癖
P :シート
S :筋目位置
W1 :スルー搬送路
W2 :分岐搬送路
Δ1 :突出量
Δ2 :突出量
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】