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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】ボディ部材
(51)【国際特許分類】
   B62K 13/04 20060101AFI20220428BHJP
   B62K 15/00 20060101ALI20220428BHJP
   B32B 7/05 20190101ALI20220428BHJP
   B62D 63/02 20060101ALI20220428BHJP
   B62K 5/025 20130101ALI20220428BHJP
【FI】
B62K13/04
B62K15/00
B32B7/05
B62D63/02
B62K5/025
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021171565
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2020096193の分割
【原出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2022002964
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 2019年7月12日 掲載アドレス https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/07/12/documents/02_02.pdf 掲載年月日 2019年7月12日 掲載アドレス http://www.tokyo-robottech.tokyo/result/page2.html 試験日 2019年8月21日~23日 試験場所 第5回竹芝夏ふぇす(竹芝客船ターミナル) 公開日 2019年8月21日 放送番組 テレ東ゆうがたサテライト 公開日 2019年8月21日 放送番組 フジテレビLive News α 展示年月日 2019年9月2日 展示会名、展示場所 ERATO 川原 万有情報網 プロジェクト 主催フォーラム、東京大学工学部2号館 掲載年月日 2019年9月12日 掲載アドレス https://mercan.mercari.com/articles/16716/ 公開日 2019年10月19日 放送番組 ズームイン!!サタデー 展示年月日 2019年10月30日 展示会名、展示場所 MLAB/UIN リサーチフォーラム 2019、東京大学 浅野キャンパス 武田先端知ビル5F 武田ホール 展示年月日 2019年12月18日 展示会名、展示場所 2019 国際ロボット展、東京ビッグサイト青海・西・南ホール 会見日 2020年2月19日 会見場所 東京大学本郷キャンパス 掲載年月日 2020年4月25日 掲載アドレス https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3334480.3383147 掲載年月日 2020年5月19日 掲載アドレス https://poimo.akg.t.u-tokyo.ac.jp/ 掲載年月日 2020年5月22日 掲載アドレス https://r4d.mercari.com/project/poimo https://r4d.mercari.com/news/poimo-update2020/
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業 統括実施型研究(ERATO)川原万有情報網プロジェクト、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】川原 圭博
(72)【発明者】
【氏名】新山 龍馬
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンア
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-514482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0049757(US,A1)
【文献】特表2007-529710(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123347(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0158288(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0208272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 13/04
B62K 15/00
B32B 7/05
B62D 63/02
B62B 3/00
B62B 3/02
B62K 5/00- 5/10
B62K 7/00
B63B 7/08
B63B 32/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の注入により膨らみ、前記流体の排出により萎むボディ部を有し、
前記ボディ部に接触する物体が有する所定の質量により荷重を受ける所定部分の内部は、ドロップステッチ構造により形成され、前記流体の注入後における前記ドロップステッチ構造の引張力の方向と、前記物体が前記所定部分に与える荷重の方向とは略垂直である、ボディ部材。
【請求項2】
車輪を含む支持体に接続され、前記ボディ部の所定面に設けられる接続機構をさらに有する、請求項1に記載のボディ部材。
【請求項3】
前記ボディ部材は、車輪の回転により移動可能な移動体に用いられる、請求項1又は2に記載のボディ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駅やバス停から自宅等の目的地までの「ファーストマイル/ラストマイル」の移動手段として、シェアサイクルや電動キックボードのシェアリングなどパーソナルモビリティを使ったサービスが注目されている。
【0003】
他方、子供用の遊戯として、空気を注入して膨らませることが可能な車体と、この車体の底面に車輪等を設けることで、持ち運びが容易であり、使用しないときには収納スペースを小さくすることができる遊戯具が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-276552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のパーソナルモビリティは重く、そのサイズも大きいため、可搬性に欠けており、持ち運ぶことは容易ではない。また、特許文献1に記載のような遊戯具では、可搬性は高いが、 安定性などに欠け、物体を運搬するモビリティとして使用することはできない。
【0006】
本開示は、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性を向上させることが可能な移動体を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る移動体は、車輪の回転により移動可能な移動体であって、流体の注入により膨らみ、前記流体の排出により萎むボディ部と、前記ボディ部の所定面に設けられる支持体と、前記支持体に設けられる前記車輪と、を有し、前記ボディ部に接触する物体からの荷重を受ける所定部分の内部は、ドロップステッチ構造により形成され、前記流体の注入後における前記ドロップステッチ構造の引張力の方向と、前記物体が前記所定部分に与える荷重の方向とは略垂直である。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施例に係る移動体の一例を示す図である。
図2】第1実施例に係るボディ部のドロップステッチ構造の一例を示す図である。
図3】第1実施例に係る移動体の後方下部の一例を示す図である。
図4】第1実施例に係る第1接続機構の一例を示す図である。
図5】第1実施例に係る車輪13B側の部品の一例を示す正面図である。
図6】第1実施例に係る車輪13Bの一例を示す側面図である。
図7】第1実施例に係る移動体10の前方下部の一例を示す図である。
図8】第1実施例に係る車輪13F部分の一例を示す正面図である。
図9】第1実施例に係る車輪13Fの一例を示す側面図である。
図10】第2実施例に係る移動体の一例を示す図である。
図11】第3実施例に係る移動体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[実施形態]
本開示の実施形態では、本体部分のボディ部が、流体の注入により膨らみ、又は展開し、ボディ部に注入された流体の排出により萎み、又は折り畳み収納可能な移動体について説明する。ボディ部は、例えば、熱可塑性ポリウレタン、塩化ビニール、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、ポリビニールなどの部材でシート状に形成され、流体を入れて脹らませたときに所定の形状になるように、所定位置を張り合わせて形成される。流体は、例えば空気などの気体、水などの液体を含む。
【0012】
また、移動体は、ボディ部の所定面に設けられる支持体と、支持体に設けられる車輪と、を有している。支持体は、金属や樹脂、木材、セラミックスなどにより形成され、車輪等を接続するためにボディ部に設けられる。この移動体は、車輪が回転することで移動可能になる。また、車輪は、少なくとも1つ以上設けられ、車輪の数を増やすことで移動の安定性を高めることができる。
【0013】
さらに、ボディ部に接触する物体からの荷重を受ける所定部分の内部は、ドロップステッチ構造により形成される。流体の注入後におけるドロップステッチ構造の引張力の方向と、物体が所定部分に与える荷重の方向とは略垂直である。物体は、例えば人や物などの所定の質量を有するものである。
【0014】
ドロップステッチ構造は、耐久性の高い繊維を束ねた糸を用いて、生地の所定面、及び所定面と向かい合う反対側の面をつなぎ合わせ、流体を入れた際に無数の糸が対となる面の生地を引っ張る構造である。これにより、ボディ部に対して高圧での流体注入が可能になり、高い剛性と安定性を実現することができ、所定の形状を維持することが可能になる。
【0015】
また、ドロップステッチ構造の無数の糸を物体の荷重方向に垂直な方向に張り巡らせることで、物体による荷重がある場合に、ボディ部の側面が内部の流体により外側に押し出されたり、底面がさらに下方向に押し出されたりして、その形状が崩れることを防止し、また、無数の糸が引っ張り合うことで、ボディ部の形状を維持することができる。
【0016】
これにより、ボディ部は、流体の注入、排出により、その展開、収納が容易である。また、ボディ部の内部が、物体の荷重方向に垂直な方向に無数の糸が構成されるドロップステッチ構造を有するため、ボディ部に対して高圧での流体注入が可能であり、高い剛性及び安定性の両方を実現することができる。すなわち、本開示の移動体は、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性又は携帯性を向上させることが可能である。以下、上述した移動体の実施例について説明する。
【0017】
<第1実施例>
図1は、第1実施例に係る移動体の一例を示す図である。図1に示す例では、移動体10は、バイク形状を有している。ここでいうバイク形状とは、2つ以上の車輪13F、13Bを含み、展開及び折り畳み、又は膨らみ及び萎むことが可能なボディ部11を含み、ボディ部11は、人が座る座面部を含む第1部111と、移動方向の操作に用いられるハンドル部121を含む第2部113とを有するような形状のことをいう。第1部111と第2部113との間には、第1部111と第2部113とを連結する連結部115を有する。
【0018】
例えば、第1部111は、略直方体の形状をしており、一例として、Z方向の高さが約500mm、X方向の長さが約500~600mm、Y方向の幅が約300mmである。第2部113は、例えば、略直方体の形状をしており、一例として、Z方向の高さが約800mm、X方向の長さが約200mm、Y方向の幅が約300mmである。なお、第2部113は、第1部111に対して、Z軸から所定角度だけ、第2部113の上側が後方の第1部111の方向に傾くように形成される。これにより、ボディ部11がバイクに似たような形状になり、操作性及び乗り心地を向上させることができる。
【0019】
連結部115は、第1部111の連結部115近傍の側面と第2部113の連結部115近傍の側面とから凹んでおり、第2部113を、第1部111に対して旋回可能にする。すなわち、連結部115は、図2、3等に示す奥行き方向(ボディ部11の幅方向)のY方向における第1部111の側面と、第2部113のY方向における側面とから、ボディ部11の中心方向に位置している(凹んでいる)。また、この凹み部は、Z方向にわたっており、この凹んだ連結部115により、第2部113は、第1部111に対してY方向における左右に旋回可能になる。連結部115の凹みの程度により旋回可能な範囲が変わる。
【0020】
なお、第1部111と第2部113と連結部115とは、一体として形成されてもよい。この場合、ボディ部11に設けられた注入口(不図示)から流体を注入することで、図1に示すような第1部111と第2部113と連結部115とが一体的に形成されることで、ボディ部11の安定性を向上させることができる。注入口は、例えば排出口の役割も担い、キャップ、弁などにより、注入口が開口された場合に、流体を注入又は流体を排出する。
【0021】
また、第1部111と第2部113と連結部115とは、少なくとも2つの部品として分けられてもよい。この場合、分けられた部品は所定の方法で固定されればよく、これにより移動体10を個人用にカスタマイズしたり、用途に合わせて部品を変更したりすることができる。
【0022】
ハンドル部121は、例えば、Y方向に延伸するバー形状をしており、第2部113の側面のZ方向(ボディ部11の高さ方向)における上部に設けられた金属プレートのねじ穴にねじ止めされることで固定される。金属プレートは、例えば、第2部113の側面に縫い付けられるなどして埋め込まれる。なお、ハンドル部121は、その固定方法や形状等はこれに限定されず、ユーザが把持することができ、移動体の移動方向を操作可能な程度に第2部113に設けられればよい。また、ハンドル部121は、流体の注入により膨らむことで、その形状が形成されてもよい。
【0023】
また、第2部113には、各側面の下方にフットレスト部123が設けられてもよい。フットレスト部113は、ユーザの足がのせられる形状であればよく、例えばY方向に延伸するバー形状や、半円形状、その他の形状でもよい。フットレスト部123は、ハンドル部121同様、第2部113の側面のZ方向における側面下部に設けられた金属プレートのねじ穴にねじ止めされてもよい。また、ハンドル部121は、流体の注入により形成されてもよく、接着手段により接着されてもよい。接着手段は、例えばマジックテープ(登録商標)、ファスナーなどの取り付け、取り外しが容易な手段を含む。
【0024】
バッテリー部15は、バッテリーと、前方の車輪13F及び/又は後方の車輪13Bの回転を制御する駆動部(例えばモータ)とを有する筐体であり、支持体として形成されてもよい。また、移動体10のZ方向の下部における構成、又はボディ部11の下面に設けられる構成(バッテリー部15を含む)は、公知の電動スケートボードと同様の構成を有しており、例えば、以下の仕様を有してもよい。
最大速度:20km/h
航続距離:10km
インホイールモーター
モーター出力: 250W~750W
バッテリー(リチウムイオン電池)
【0025】
図2は、第1実施例に係るボディ部11のドロップステッチ構造の一例を示す図である。図2に示す例では、ボディ部11において、ユーザが座面に座ることで荷重を受ける所定部分の内部は、ドロップステッチ構造により形成されている。ボディ部11において、流体の注入後におけるドロップステッチ構造の引張力の方向F2A、F2Bと、ユーザが所定部分に与える荷重の方向F1とは略垂直である。例えば、ユーザはボディ部11の上面の少なくとも一部に設けられる座面に着座することにより、座面に対して荷重を加える。略垂直とは、数%のずれを許容するものであり、例えば垂直から所定値の角度のずれを含む。
【0026】
これにより、荷重方向F1に対して、ボディ部11、例えば第1部111の側面は、荷重による内圧が増加するが、この内圧に依存して増加するドロップステッチ構造の引張力F2A、F2Bにより中心方向に引っ張られているため、ボディ部11の形状は維持され、荷重方向に撓みにくくなっている。ボディ部11は、ドロップステッチ構造による引張力が増加するほど、荷重により耐えることができる。よって、ユーザが第1部111に座っても、第1部111は、Z方向における下方向に撓みにくくなっており、これにより走行中にボディ部11が地面につきにくく、移動中の安定性を確保することができる。例えば、ボディ部11の底面の単位面積あたりの荷重<ボディ部11の単位面積当たりの張力の関係が満たされれば、移動体10は、ボディ部11のシワや折れを防止し、安定性を確保しやすくなる。
【0027】
例えば、ドロップステッチ構造は、ボディ部11の内部全体にわたり設けられる。これにより、流体注入後、ボディ部が物体から荷重を受けたとしても、ボディ部の所定形状を維持することが可能であり、運搬時の移動の安定性を図ることができる。
【0028】
図3は、第1実施例に係る移動体10の後方下部の一例を示す図である。図3に示す例では、第1部111は、Z方向の下部(例えば底面)にバッテリー部15と、X方向(移動体10における長さ方向)の後方の車輪13Bとを有する。また、第1部111の底面は、車輪13Bを含む支持体の第1接続機構19Bに接続可能な第2接続機構17Bを有する。第1接続機構19B及び第2接続機構17Bは、剛性を有する素材から形成され、例えば金属又は樹脂、木材、セラミックスなどから形成される。
【0029】
図4は、第1実施例に係る第1接続機構の一例を示す図である。図4に示す例において、第2接続機構17Bは、例えば、第1部111に埋め込まれている(例えば縫い付けられたポケット等に挿入される)金属プレートであり、この金属プレートには、ねじ受け用の穴171Bが複数設けられている。このねじ穴171Bに、車輪13B側の第1接続機構19Bがねじ止めされることで、車輪13B側の部品が第1部111に固定される。車輪13B側の部品については図5を用いて説明する。
【0030】
図5は、第1実施例に係る車輪13B側の部品の一例を示す正面図である。図5に示す例では、例えば第1接続機構19Bとしてのスペーサ(例えば金属)135Bは、Z方向の下にシャフト133Bが接続され、シャフト133BのY方向の両端に車輪13Bが設けられる(図5においては1つの車輪のみを図示)。例えば、スペーサ135Bは、第2接続機構17Bのねじ穴171Bにねじ止めされる。
【0031】
なお、スペーサ135Bには、それぞれ高さが異なるスペーサが用意され、車輪13Bとの関係で高さを調節可能としてもよい。
【0032】
図6は、第1実施例に係る車輪13Bの一例を示す側面図である。図6に示す例において、車輪13Bの外側は、ホイールアタッチメントとして、例えば硬質ウレタンゴムにより形成される。これにより、車輪13Bの径を大きくすることができる。また、ホイールアタッチメントの中心部を含む内部にはパネル137Bが設けられる。
【0033】
図7は、第1実施例に係る移動体10の前方下部の一例を示す図である。図7に示す例において、第2部113のZ方向の下部に、X方向における前方の車輪13Fが設けられる。また、第2部113の底面は、車輪13Fを含む第3接続機構19Fに接続可能な第4接続機構17Fを有する。第3接続機構19F及び第4接続機構17Fは、剛性を有する素材から形成され、例えば金属又は樹脂などから形成される。
【0034】
第4接続機構17Fは、図4に示す第2接続機構17Bと同様であるが、ねじ穴の数は適宜変更されてもよい。第4接続機構17Fのねじ穴に、車輪13F側の第3接続機構19Fがねじ止めされることで、車輪13F側の部品が第2部113に固定される。なお、前方の第4接続機構17Fと、後方の第2接続機構17Fとを共通化することで、製造コストを下げることができる。
【0035】
図8は、第1実施例に係る車輪13F部分の一例を示す正面図である。図8に示すにおいて、例えば第3接続機構19Bとしてのフォーク135FのZ方向の下部にシャフト133Fが接続され、シャフト133Fに車輪13Fが設けられる。例えば、フォーク135FのZ方向の上面は、第4接続機構17Fのねじ穴にねじ止めされる。
【0036】
図9は、第1実施例に係る車輪13Fの一例を示す側面図である。図9に示す例では、車輪13Fの外側は、ホイールアタッチメントとして、例えば硬質ウレタンゴムにより形成される。また、ホイールアタッチメントの中心部を含む内部にはパネル137Fが設けられる。
【0037】
以上、実施例1によれば、バイク形状の移動体10をパーソナルモビリティとして使用可能であり、ボディ部11内部に注入された流体を排出することで、ボディ部11を折り畳んで収納することが可能になる。また、ボディ部11内部のドロップステッチ構造により、物体の荷重に対する撓みを軽減し、移動体10の安定性を確保することができる。よって、移動体10は、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性を向上させることが可能である。
【0038】
<第2実施例>
図10は、第2実施例に係る移動体の一例を示す図である。図10に示す例では、移動体20は、車いす形状を有している。ここでいう車いす形状とは、2つ以上の車輪23R、23Lを含み、展開及び折り畳み、又は膨らみ及び萎むことが可能なボディ部21を含み、ボディ部21は、人が座る座面部を含むような形状のことをいう。
【0039】
また、車輪23Rと23Lも、ボディ部21と同様に、流体の注入、排出により、展開及び折り畳み、又は膨らみ及び萎むことを可能としてもよい。車輪23R、23Lの回転軸に設けられた接続機構と、ボディ部11のY方向の側面に設けられた支持体とが所定の接続方法により接続されればよい。所定の接続方法は、第1実施例において示すようなねじ止めを利用したり、マジックテープ(登録商標)などの取付容易な方法を用いたりしてもよい。
【0040】
以上、第2実施例によれば、車いす形状の移動体20をパーソナルモビリティとして使用可能であり、ボディ部21内部に注入された流体を排出することで、ボディ部21を折り畳んで収納することが可能になる。また、ボディ部21内部のドロップステッチ構造により、物体の荷重に対する撓みを軽減し、移動体20の安定性を確保することができる。よって、移動体20は、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性を向上させることが可能である。
【0041】
<第3実施例>
図11は、第3実施例に係る移動体の一例を示す図である。図11に示す例では、移動体30は、箱形状を有している。ここでいう箱形状とは、複数の車輪33を含み、展開及び折り畳み、又は膨らみ及び萎むことが可能なボディ部31を含み、ボディ部31は、物を運搬可能なように凹み部を有する形状のことをいう。
【0042】
バッテリー、駆動部、及び車輪33を含む接続機構と、ボディ部31のZ方向の底面に設けられた支持体とが所定の接続方法により接続されればよい。所定の接続方法は、第1実施例において示すようなねじ止めを利用したり、マジックテープ(登録商標)などの取付容易な方法を用いたりしてもよい。
【0043】
以上、第3実施例によれば、箱形状の移動体30は、物を運搬するモビリティとして使用可能であり、ボディ部31内部に注入された流体を排出することで、ボディ部31を折り畳んで収納することが可能になる。また、ボディ部31内部のドロップステッチ構造により、物体の荷重に対する撓みを軽減し、移動体30の安定性を確保することができる。よって、移動体30は、物体を運搬するモビリティとして使用可能であり、可搬性を向上させることが可能である。
【0044】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0045】
[変形例]
また、上述した各実施例における変形例では、所定形状の複数の部品(基本モジュール)を適宜組み合わせてボディ部を形成してもよい。また、移動体10にカメラやプロセッサ、GPS機能等を搭載し、自動運転や遠隔操作による運転等を実現できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10、20、30 移動体
11、21、31 ボディ部
13、23、33 車輪
15 バッテリー部
17 接続機構
19 接続機構
111 第1部
113 第2部
115 連結部
121 ハンドル部
123 フットレスト部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11