(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】高吸水性樹脂の製造方法および高吸水性樹脂
(51)【国際特許分類】
C08J 3/24 20060101AFI20220502BHJP
C08L 33/02 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
C08J3/24 Z CEY
C08L33/02
(21)【出願番号】P 2020558526
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 KR2019012410
(87)【国際公開番号】W WO2020067705
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0116453
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】テ・ヨン・ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ヘミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンウェ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソンボム・ホ
(72)【発明者】
【氏名】クァンイン・シン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・フン・ハン
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第02/100451(WO,A1)
【文献】韓国特許第10-2018-0074384(KR,B1)
【文献】韓国特許第10-2011-0111938(KR,B1)
【文献】国際公開第2018/139768(WO,A1)
【文献】韓国特許第10-2018-0074385(KR,B1)
【文献】韓国特許第10-2018-0067940(KR,B1)
【文献】国際公開第2018/110760(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/24
C08L 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体および内部架橋剤を含む単量体組成物を架橋重合して含水ゲル重合体を形成する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階;および
表面架橋剤の存在下に、前記ベース樹脂粉末の表面を追加架橋して表面架橋層を形成する段階を含み、
前記含水ゲル重合体の形成段階で、水溶性エチレン系不飽和単量体は70モル%以下の中和度を有し、
前記表面架橋層の形成段階中、または前記表面架橋層の形成段階以後に、前記ベース樹脂粉末を塩基性溶液で処理して前記ベース樹脂粉末を追加中和する段階をさらに含む、高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記追加中和する段階は、前記ベース樹脂粉末に表面架橋剤を加え、100℃以上の温度に昇温して表面架橋反応が開始された以後に、前記ベース樹脂粉末をNa
+イオンを含む塩基性溶液で処理して追加中和する段階を含む、請求項1に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記塩基性溶液は、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液または炭酸ナトリウム水溶液である、請求項2に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記塩基性溶液は、前記ベース樹脂粉末100重量部に対して0.1~20重量部の含有量で使用される、請求項2または3に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記追加中和する段階以後に、前記高吸水性樹脂の水可溶成分に対して測定した中和度が70モル%超過である、請求項1から4のいずれか一項に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記表面架橋剤は、多価アルコール系化合物、多価エポキシ系化合物、ポリアミン化合物、ハロエポキシ化合物、ハロエポキシ化合物の縮合生成物、オキサゾリン化合物類およびアルキレンカーボネート系化合物からなる群より選ばれた1種以上を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記表面架橋段階は、20℃~80℃の初期温度で10分~30分にわたって140℃~200℃の最高温度に昇温し、前記最高温度を5分~60分間維持して熱処理することにより行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載の高吸水性樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2018年9月28日付韓国特許出願第10-2018-0116453号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ベース樹脂粉末と、表面架橋層の架橋程度が最適化され、基本的な吸収能および通液性などが同時に優れた特性を有する高吸水性樹脂の製造方法と、これにより製造された高吸水性樹脂に関する。
【背景技術】
【0003】
高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer,SAP)とは、自重の5百ないし1千倍程度の水分を吸収できる機能を有する合成高分子物質として、開発業者ごとにSAM(Super Absorbency Material)、AGM(Absorbent Gel Material)などそれぞれ異なる名称で名付けられている。前記のような高吸水性樹脂は、生理用品に実用化され始め、現在は子供用紙おむつなど衛生用品の他に園芸用土壌保水剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野における鮮度保持剤、および湿布用などの材料で広く使われている。
【0004】
最も多くの場合に、このような高吸水性樹脂は、おむつや生理用ナプキンなど衛生材分野で広く使われているが、このような用途のために水分などに対する高い吸収能を示す必要があり、外部の圧力にも吸収された水分が抜け出ず(高い加圧下吸収能)、これに加え、水を吸収して体積膨張(膨潤)した状態でも形態をよく維持して優れた通液性(permeability)を示す必要がある。
【0005】
最近では薄いおむつに対する要求が高まるにつれ、おむつ内のパルプなど繊維材の含有量が減少し、相対的に高吸水性樹脂の比率が増加する傾向がある。したがって、おむつの繊維材が担当していた性能を高吸水性樹脂が兼ね備える必要性があり、これのために高吸水性樹脂の高い吸収能はもちろん高い吸収速度および通液性を有しなければならない。特に、おむつが薄くなるほど、おむつの使用者である赤ちゃんの動きによりおむつから小便が漏れる恐れが高まるので、高吸水性樹脂に対する高い吸収速度などへの要求は増加している実情である。
【0006】
しかし、高吸水性樹脂の構造的特性上、吸収能および吸収速度と、高い加圧下吸収能および通液性を同時に向上させることはかなり難しいことが知られている。これは加圧下吸収能および通液性の場合、表面架橋層の架橋密度と、高吸水性樹脂粒子のゲル強度を高めなければならないが、このような場合、表面架橋層の内部のベース樹脂粉末の内部架橋密度まで高まって吸収能および吸収速度が低下する傾向があるからである。
【0007】
その結果、ベース樹脂粉末と、表面架橋層の架橋程度を最適化し、基本的な吸収能および吸収速度と、優れた通液性および加圧下吸収能を同時に発現させ得る技術の開発が引き続き求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ベース樹脂粉末と、表面架橋層の架橋程度が最適化され、基本的な吸収能および通液性などが同時に優れた特性を有する高吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明はまた、上記製造方法で製造され、基本的な吸収能および通液性などが同時に優れた特性を有する高吸水性樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体および内部架橋剤を含む単量体組成物を架橋重合して含水ゲル重合体を形成する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階;および
表面架橋剤の存在下に、前記ベース樹脂粉末の表面を追加架橋して表面架橋層を形成する段階を含み、
前記含水ゲル重合体の形成段階で、水溶性エチレン系不飽和単量体は70モル%以下の中和度を有し、
前記表面架橋層の形成段階中、または前記表面架橋層の形成段階以後に、前記ベース樹脂粉末を塩基性溶液で処理して前記ベース樹脂粉末を追加中和する段階をさらに含む高吸水性樹脂の製造方法を提供する。
【0011】
本発明はまた、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体の第1架橋重合体を含むベース樹脂粉末;および
前記ベース樹脂粉末上に形成されており、前記第1架橋重合体が表面架橋剤を媒介に追加架橋された表面架橋層を含む高吸水性樹脂であって、
前記高吸水性樹脂の水可溶成分に対して測定した中和度が70モル%超過であり、
生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)に対する30分間の遠心分離保持能(CRC)が28g/g以上であり、
生理食塩水(0.685重量%塩化ナトリウム水溶液)の流れ誘導性(SFC)が30(×10-7cm3・s/g)以上の高吸水性樹脂を提供する。
【0012】
以下、発明の具体的な実施形態による高吸水性樹脂およびその製造方法などについてより詳細に説明する。ただし、これは発明の一つの例示として提示され、発明の権利範囲はこれによって限定されるものではなく、発明の権利範囲内で実施形態に対する多様な変形が可能であることは当業者に自明である。
【0013】
さらに、本明細書全体において、特記しない限り「含む」または「含有」とは、ある構成要素(または構成成分)を特に制限なく含むことをいい、他の構成要素(または構成成分)の付加を除くものと解釈されない。
【0014】
発明の一実施形態によれば、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体および内部架橋剤を含む単量体組成物を架橋重合して含水ゲル重合体を形成する段階;
前記含水ゲル重合体を乾燥、粉砕および分級してベース樹脂粉末を形成する段階;および
表面架橋剤の存在下に、前記ベース樹脂粉末の表面を追加架橋して表面架橋層を形成する段階を含み、
前記含水ゲル重合体の形成段階で、水溶性エチレン系不飽和単量体は70モル%以下の中和度を有し、
前記表面架橋層の形成段階中、または前記表面架橋層の形成段階以後に、前記ベース樹脂粉末を塩基性溶液で処理して前記ベース樹脂粉末を追加中和する段階をさらに含む高吸水性樹脂の製造方法が提供される。
【0015】
一実施形態の高吸水性樹脂の製造方法は、架橋重合のための単量体の中和度が70モル%以下、あるいは40~69モル%、あるいは50~65モル%になるように単量体に対する初期中和工程を行った後、架橋重合などを行ってベース樹脂粉末を形成し、このようなベース樹脂粉末に対して表面架橋段階を行うことに当たり、表面架橋層の形成段階中に、前記表面架橋層の形成段階以後に、塩基性溶液を使用した追加中和段階をさらに行う。
【0016】
本発明者などが重ねて実験を行った結果、このように単量体の中和度を相対的に低く制御してベース樹脂粉末を製造した後、表面架橋層の形成時、または形成以後に追加中和段階を行うことにより、ベース樹脂粉末および表面架橋層の架橋程度が共に最適化され、基本的な吸収能および吸収速度と、通液性および加圧下吸収能が同時に向上した高吸水性樹脂を製造できることを明らかにして発明を完成した。
【0017】
これは高吸水性樹脂の製造のための単量体、ベース樹脂粉末および/または表面架橋された高吸水性樹脂の中和度が架橋反応の進行程度や、架橋程度に影響を及ぼし得るからであると見られる。ただし、従来の工程では架橋重合前の単量体に対してのみ中和工程を行い、表面架橋時/表面架橋後の中和度は調整が難しかった。
【0018】
しかし、一実施形態の製造方法では、表面架橋反応開始以後に追加中和工程を行うことにより、表面架橋時/表面架橋後の中和度が適宜制御され得、その結果ベース樹脂粉末だけでなく、表面架橋された高吸水性樹脂で表面架橋層の架橋程度も好ましい水準に制御することができる。
【0019】
その結果、一実施形態の方法で製造された高吸水性樹脂は、ベース樹脂粉末の内部の中和度/架橋程度だけでなく、表面架橋層の中和度/架橋程度も好ましい水準に制御され、基本的な吸収能および吸収速度だけでなく、通液性および加圧下吸収能が共に向上した特性を示すことができると見られる。
【0020】
したがって、一実施形態の方法で製造された高吸水性樹脂は、吸収能/吸収速度と、加圧下吸収能/通液性を共に向上させることは難しいという従来の常識とは異なり、これら両側面の優れた物性を共に示すことができるので、より薄い厚さを有するおむつなど衛生材に好ましく適用することができる。
【0021】
以下、一実施形態の製造方法を各段階別により具体的に説明する。
【0022】
一実施形態の高吸水性樹脂の製造方法で、先に前記高吸水性樹脂の原料物質である単量体組成物は、酸性基を有して前記酸性基の少なくとも一部が中和したアクリル酸系単量体、内部架橋剤、および重合開始剤を含む単量体組成物を重合して含水ゲル状重合体を収得し、これを乾燥、粉砕、および分級してベース樹脂粉末を形成する。
【0023】
これについて下記でより詳細に説明する。
【0024】
前記高吸水性樹脂の原料物質である単量体組成物は、酸性基を有し、前記酸性基の少なくとも一部が中和した水溶性エチレン系不飽和単量体、より具体的には、アクリル酸系単量体および重合開始剤を含み得る。
【0025】
前記アクリル酸系単量体は下記化学式1で表される化合物である:
【0026】
[化学式1]
R1-COOM1
【0027】
前記化学式1において、
R1は不飽和結合を含む炭素数2~5のアルキル基であり、
M1は水素原子、1価または2価金属、アンモニウム基または有機アミン塩である。
【0028】
好ましくは、前記アクリル酸系単量体は、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩からなる群より選ばれる1種以上を含む。
【0029】
ここで、前記アクリル酸系単量体は、酸性基を有し、前記酸性基の少なくとも一部が中和したものであり得る。好ましくは前記単量体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどの塩基性物質で部分的に中和させたものが使用され得る。この時、前記アクリル酸系単量体の中和度は、70モル%以下、あるいは40~69モル%、あるいは50~65モル%に調整することができる。
【0030】
しかし、前記中和度が過度に高いと中和した単量体が析出して重合が円滑に行われない場合があり得、さらに、表面架橋開始以後の追加中和による効果が実質的になくなり、表面架橋層の架橋程度が最適化されず、高吸水性樹脂の通液性などが充分ではない。逆に中和度が過度に低いと高分子の吸収力が大きく劣るだけでなく取り扱いが困難な弾性ゴムのような性質を現わす。
【0031】
前記単量体の濃度は、前記高吸水性樹脂の原料物質および溶媒を含む単量体組成物に対して20~60重量%、あるいは30~55重量%、あるいは40~50重量%であり得、重合時間および反応条件などを考慮して適切な濃度にすることができる。ただし、前記単量体の濃度が過度に低くなると高吸水性樹脂の収率が低く経済性に問題が生じ得、逆に濃度が過度に高まると単量体の一部が析出したり重合された含水ゲル状重合体の粉砕時の粉砕効率が低く示されるなど工程上問題が生じ得、高吸水性樹脂の物性が低下し得る。
【0032】
前記一実施形態の高吸水性樹脂製造方法で重合時使われる重合開始剤は、高吸水性樹脂の製造に一般的に使われるものであれば特に限定されない。
【0033】
具体的には、前記重合開始剤は、重合方法によって熱重合開始剤またはUV照射による光重合開始剤を使用することができる。ただし、光重合方法によっても、紫外線照射などの照射によって一定量の熱が発生し、また、発熱反応である重合反応の進行によりある程度の熱が発生するので、追加的に熱重合開始剤を含むこともできる。
【0034】
前記光重合開始剤は、紫外線のような光によってラジカルを形成できる化合物であれば、その構成の限定なく使用することができる。
【0035】
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenylglyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)およびα-アミノケトン(α-aminoketone)からなる群より選ばれる一つ以上を使用することができる。一方、アシルホスフィンの具体例として、商用のlucirin TPO、すなわち、2,4,6-トリメチル-ベンゾイル-トリメチルホスフィンオキシド(2,4,6-trimethyl-benzoyl-trimethyl phosphine oxide)を使用することができる。より多様な光開始剤については、Reinhold Schwalmの著書である「UV Coatings: Basics, Recent Developments and New Application(Elsevier 2007年)」p115によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0036】
前記光重合開始剤は、前記単量体組成物に対して0.01~1.0重量%、あるいは0.1~0.9重量%、あるいは0.3~0.7重量%の濃度で含まれ得る。このような光重合開始剤の濃度が過度に低い場合、重合速度が遅くなり、光重合開始剤の濃度が過度に高いと高吸水性樹脂の分子量が小さく物性が不均一になる。
【0037】
また、前記熱重合開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化水素およびアスコルビン酸からなる開始剤群より選ばれる一つ以上を使用することができる。具体的には、過硫酸塩系開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム(Sodium persulfate;Na2S2O8)、過硫酸カリウム(Potassium persulfate;K2S2O8)、過硫酸アンモニウム(Ammonium persulfate;(NH4)2S2O8)などがあり、アゾ(Azo)系開始剤の例としては2,2-アゾビス-(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(2,2-azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride)、2,2-アゾビス-(N,N-ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロリド(2,2-azobis-(N,N-dimethylene)isobutyramidine dihydrochloride)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル(2-(carbamoylazo)isobutylonitril)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(2,2-azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)propane] dihydrochloride)、4,4-アゾビス-(4-シアノバレリン酸)(4,4-azobis-(4-cyanovaleric acid))などがある。より多様な熱重合開始剤については、Odianの著書である「Principle of Polymerization(Wiley、1981)」、p203によく明示されており、上述した例に限定されない。
【0038】
発明の一実施形態によれば、前記単量体組成物は、高吸水性樹脂の原料物質として内部架橋剤を含む。このような内部架橋剤は、アクリル酸系単量体が重合された重合体、すなわち、ベース樹脂の内部を架橋させるためのものであって、前記重合体の表面を架橋させるための表面架橋剤と区分される。
【0039】
このような内部架橋剤の種類は、特に限定されず、以前から高吸水性樹脂の製造に使用可能なものを任意の内部架橋剤として使用することができる。このような内部架橋剤の具体的な例としては、炭素数2~20のポリオールのポリ(メタ)アクリレート系化合物、炭素数2~20のポリオールのポリグリシジルエーテル系化合物または炭素数2~20のアリル(メタ)アクリレート系化合物などが挙げられる。
【0040】
これら内部架橋剤のより具体的な例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ethyleneglycol diglycidyl ether)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルまたはポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、その他にも多様な多官能化合物を内部架橋剤として使用することができる。
【0041】
このような内部架橋剤は、前記単量体組成物に対して0.01~1重量%、あるいは0.05~0.8重量%、あるいは0.2~0.7重量%の濃度で含まれ、含水ゲル重合体およびこれから形成されるベース樹脂粉末の内部に架橋構造を導入することができる。
【0042】
一方、上述した一実施形態の製造方法で、前記単量体組成物は、必要に応じて増粘剤(thickener)、可塑剤、保存安定剤、酸化防止剤などの添加剤をさらに含み得る。
【0043】
上述した酸性基を有して前記酸性基の少なくとも一部が中和した単量体、光重合開始剤、熱重合開始剤、内部架橋剤および添加剤などの原料物質は溶媒に溶解した単量体組成物溶液の形態で準備される。
【0044】
この際、使用できる前記溶媒は、上述した成分を溶解できるものであれば、その構成の限定なく使用でき、例えば、水、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トルエン、キシレン、ブチロラクトン、カルビトール、メチルセロソルブアセテートおよびN,N-ジメチルアセトアミドなどで選ばれた1種以上を組み合わせて使用することができる。
【0045】
前記溶媒は、単量体組成物の総含有量に対して上述した成分を除いた残量で含まれ得る。
【0046】
一方、このような単量体組成物を熱重合または光重合して含水ゲル状重合体を形成する方法も通常用いられる重合方法であれば、特に構成の限定はない。
【0047】
具体的には、重合方法は、重合エネルギー源によって大きく熱重合および光重合に分かれ、通常熱重合を行う場合、ニーダー(kneader)などの攪拌軸を有する反応器で行われ得、光重合を行う場合、移動可能なコンベヤーベルトを備えた反応器で行われるが、上述した重合方法は一例であり、発明は上述した重合方法に限定されない。
【0048】
一例として、前述したように攪拌軸を備えたニーダー(kneader)などの反応器に、熱風を供給したり反応器を加熱して熱重合をして得られた含水ゲル状重合体は反応器に備えられた攪拌軸の形態によって、反応器の排出口に排出される含水ゲル状重合体は数センチメートルないし数ミリメートル形態でありうる。具体的には、得られる含水ゲル状重合体の大きさは、注入される単量体組成物の濃度および注入速度などによって多様であり得るが、通常重量平均粒径が2~50mm、あるいは3~30mmである含水ゲル状重合体が得られる。
【0049】
また、前述したように移動可能なコンベヤーベルトを備えた反応器で光重合を行う場合、通常得られる含水ゲル状重合体の形態はベルトの幅を有するシート状の含水ゲル状重合体でありうる。この時、重合体シートの厚さは、注入される単量体組成物の濃度および注入速度に応じて変わるが、通常0.5~5cm、あるいは1~3cmの厚さを有するシート状の重合体が得られるように単量体組成物を供給することが好ましい。シート状の重合体の厚さが過度に薄い程度に単量体組成物を供給する場合、生産効率が低いため好ましくなく、シート状の重合体厚さが5cmを超える場合は過度に厚い厚さにより、重合反応が全ての厚さにわたって均等に起きない。
【0050】
この時、このような方法で得られた含水ゲル状重合体の通常含水率は、40~80重量%、あるいは50~70重量%でありうる。一方、本明細書全体において、「含水率」は、全体含水ゲル状重合体重量に対して占める水分の含有量で含水ゲル状重合体の重量から乾燥状態の重合体の重量を引いた値を意味する。具体的には、赤外線加熱によって重合体の温度を上げて乾燥する過程で重合体中の水分蒸発による重量減少分を測定して計算した値で定義する。この時、乾燥条件は、常温で約180℃まで温度を上昇させた後180℃で維持する方式で、総乾燥時間は、温度上昇段階5分を含む20分に設定して含水率を測定する。
【0051】
次に、得られた含水ゲル状重合体を乾燥する段階を行う。
【0052】
この時、必要に応じて前記乾燥段階の効率を上げるために乾燥前に粗粉砕する段階をさらに経ることができる。
【0053】
この時、用いられる粉砕機は、構成の限定はないが、具体的には、竪型粉砕機(Vertical pulverizer)、ターボカッター(Turbo cutter)、ターボグラインダー(Turbogrinder)、ロータリーカッターミル(Rotary cutter mill)、カッターミル(Cutter mill)、ディスクミル(Disc mill)、シュレッドクラッシャー(Shred crusher)、クラッシャー(Crusher)、チョッパー(chopper)およびディスクカッター(Disc cutter)からなる粉砕機器群より選ばれるいずれか一つを含み得るが、上述した例に限定されない。
【0054】
この時、粉砕段階は、含水ゲル状重合体の粒径が2~10mm、あるいは3~8mmになるように粉砕することができる。このような含水ゲル状重合体の粒径は、含水ゲル状重合体表面の任意の点を繋ぐ直線距離のうち最長距離と定義することができる。
【0055】
粒径2mm未満に粉砕することは、含水ゲル状重合体の高い含水率によって技術的に容易でなく、また、粉砕された粒子間に互いに凝集する現象が現れ得る。一方、粒径10mm超過に粉砕する場合、後に行われる乾燥段階の効率増大効果がわずかである。
【0056】
上記のように粉砕されたり、あるいは粉砕段階を経ていない重合直後の含水ゲル状重合体に対して乾燥を行う。この時、前記乾燥段階の乾燥温度は150~250℃でありうる。乾燥温度が150℃未満である場合、乾燥時間が過度に長くなって最終形成される高吸水性樹脂の物性が低下する恐れがあり、乾燥温度が250℃を超える場合、過度に重合体表面のみ乾燥され、後に行われる粉砕工程で微粉が発生し得、最終形成される高吸水性樹脂の物性が低下する恐れがある。したがって、好ましい前記乾燥は、150~200℃の温度であり、より好ましくは160~180℃の温度で行われる。
【0057】
一方、乾燥時間は、工程効率などを考慮して20~90分、あるいは30~70分間行われるが、これに限定されない。
【0058】
前記乾燥段階の乾燥方法も含水ゲル状重合体の乾燥工程として通常用いられる方法であれば、その構成の限定なく選択して用いることができる。具体的には、熱風供給、赤外線照射、極超短波照射、または紫外線照射などの方法で乾燥段階を行うことができる。このような乾燥段階の進行後の重合体の含水率は、0.1~10重量%、あるいは1~8重量%でありうる。乾燥後の含水率が過度に低くなると、乾燥過程で含水ゲル重合体が劣化して高吸水性樹脂の物性が低下し得、逆に含水率が過度に高まると高吸水性樹脂内の多量の水分により吸収性能が低下したり、以後工程の進行が難しくなる。
【0059】
次に、このような乾燥段階を経て得られた乾燥された重合体を粉砕する段階を行う。
【0060】
粉砕段階後に得られる重合体粉末は、粒径が150~850μmでありうる。このような粒径に粉砕するために用いられる粉砕機は、具体的には、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル(screw mill)、ロールミル(roll mill)、ディスクミル(disc mill)またはジョグミル(jog mill)などが用いられるが、上述した例に発明が限定されるものではない。
【0061】
そして、このような粉砕段階以後の最終製品化される高吸水性樹脂粉末の物性を管理するために、粉砕後に得られる重合体粉末を粒径に応じて分級する別途の過程を経ることができ、前記重合体粉末を粒径範囲によって一定の重量比になるように分級することができる。
【0062】
一方、上述した分級段階を経てベース樹脂を粉末形態で得た後には、表面架橋剤の存在下に、前記ベース樹脂粉末を昇温して前記ベース樹脂粉末に対する表面架橋を行う。
【0063】
一般的な高吸水性樹脂の製造方法で、乾燥、粉砕および分級した重合体、すなわち、ベース樹脂粉末に表面架橋剤を含む表面架橋溶液を混合した後、これら混合物に熱を加えて昇温することによって前記ベース樹脂粉末に対して表面架橋反応を行う。
【0064】
前記表面架橋段階は、表面架橋剤の存在下に前記粉砕された重合体の表面に架橋反応を誘導することによって、より向上した物性を有する高吸水性樹脂を形成させる段階である。このような表面架橋により前記粉砕および分級したベース樹脂粉末の表面には表面架橋層が形成される。
【0065】
一般的に、表面架橋剤はベース樹脂粉末の表面に塗布されるので、表面架橋反応はベース樹脂粉末の表面で起き、これは粒子の内部には実質的に影響を及ぼさず、かつ粒子の表面上での架橋結合性を改善させる。したがって、表面架橋された高吸水性樹脂粒子はベース樹脂粉末表面の架橋重合体が追加架橋されて内部より表面付近でさらに高い架橋度を有する。
【0066】
一方、前記表面架橋剤としてはベース樹脂が有する官能基と反応可能な化合物を使用し、一例として多価アルコール系化合物、多価エポキシ系化合物、ポリアミン化合物、ハロエポキシ化合物、ハロエポキシ化合物の縮合生成物、オキサゾリン化合物類、またはアルキレンカーボネート系化合物などを特に制限なくすべて使用することができる。
【0067】
具体的には、多価アルコール系化合物の例としては、ジ-、トリ-、テトラ-またはポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、2-ブテン-1,4-ジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、および1,2-シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。
【0068】
また、多価エポキシ系化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリシドールなどを使用し得、ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチルレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミンおよびポリアミドポリアミンからなる群より選ばれる1種以上を使用することができる。
【0069】
そして、ハロエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンおよびα-メチルエピクロロヒドリンを使用することができる。一方、モノ-、ジ-またはポリオキサゾリジノン化合物としては、例えば2-オキサゾリジノンなどを使用することができる。
【0070】
そして、アルキレンカーボネート系化合物としては、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなどを使用することができる。これらをそれぞれ単独で使用したり互いに組み合わせて使用することもできる。
【0071】
前記添加される表面架橋剤の含有量は、具体的に追加される表面架橋剤の種類や反応条件によって適宜選択できるが、通常ベース樹脂粉末100重量部に対して0.001~5重量部、あるいは0.01~3重量部、あるいは0.05~2重量部を使用することができる。
【0072】
表面架橋剤の含有量が過度に少ないと、表面架橋反応がほとんど起きず、重合体100重量部に対して5重量部を超える場合、過度な表面架橋反応の進行により保持能などの基本的な吸収特性の低下が現れ得る。
【0073】
前記表面架橋剤の添加時、追加で水を共に混合して表面架橋溶液の形態で添加することができる。水を添加する場合、表面架橋剤が重合体に均等に分散できる利点がある。この時、追加される水の含有量は、表面架橋剤の均等な分散を誘導して重合体粉末の固まり現象を防止すると同時に表面架橋剤の表面浸透の深さを最適化するための目的で重合体100重量部に対して1~10重量部の割合で添加することが好ましい。
【0074】
一方、上述した表面架橋段階は、前記表面架橋剤の他に多価金属塩、例えば、アルミニウム塩、より具体的にアルミニウムの硫酸塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩および塩酸塩からなる群より選ばれた1種以上をさらに使用して行うことができる。
【0075】
このような多価金属塩は、追加で使用することによって、一実施形態の方法で製造された高吸水性樹脂の通液性などをより向上させることができる。このような多価金属塩は、前記表面架橋剤とともに表面架橋溶液に添加され得、前記ベース樹脂粉末100重量部に対して0.01~4重量部の含有量で使用され得る。
【0076】
一方、前記ベース樹脂粉末、および表面架橋溶液の混合物に熱を加えて昇温することによって前記ベース樹脂粉末に対して表面改質段階を行う。
【0077】
前記表面架橋段階は、表面架橋剤の種類によって良く知られている条件下に行い、例えば、100~200℃の温度で20分~60分間行うことができる。より具体的な一例において、前記表面架橋段階は、20℃~80℃の初期温度を有するベース樹脂粉末に対して表面架橋剤などを付加し、10分~30分にわたって140℃~200℃の最高温度に昇温し、前記最高温度を5分~60分間維持して熱処理することにより行われることができる。
【0078】
前記表面架橋条件により、高吸水性樹脂の保持能など基本的な吸収特性と、通液性および/または加圧吸収能を共に最適化することができる。
【0079】
表面架橋反応のための昇温手段は特に限定されない。熱媒体を供給したり、熱源を直接供給して加熱することができる。この時、使用可能な熱媒体の種類としてはスチーム、熱風、熱い油などの昇温した流体などが用いられるが、これらに限定されるものではなく、また供給される熱媒体の温度は、熱媒体の手段、昇温速度および昇温目標温度を考慮して適宜選択することができる。一方、直接供給される熱源としては電気による加熱、ガスによる加熱方法が挙げられるが、本発明は上述した例に限定されるものではない。
【0080】
一方、一実施形態の製造方法では、前記表面架橋層の形成段階中、または前記表面架橋層の形成段階以後に、前記ベース樹脂粉末を塩基性溶液で処理して前記ベース樹脂粉末を追加中和する段階をさらに行うことができる。より具体的には、前記追加中和段階は、前記ベース樹脂粉末に表面架橋剤を加え、100℃以上の温度に昇温して表面架橋反応が開始された以後に、あるいは表面架橋反応が完了した以後に、前記ベース樹脂粉末をNa+イオンを含む塩基性溶液で処理して追加中和する方法で行うことができる。
【0081】
このような方法で、表面架橋反応が開始された以後ないし表面架橋反応が完了した以後の任意の時点で、追加中和を行うことにより、ベース樹脂粉末内部の中和度/架橋程度だけでなく、表面架橋層の中和度/架橋程度も好ましい水準に制御され、最終的に製造された高吸水性樹脂が基本的な吸収能および吸収速度だけでなく、通液性および加圧下吸収能が共に向上した特性を示すことができる。
【0082】
このような追加中和過程で、前記塩基性溶液としては単量体の中和過程で使用可能な任意の塩基性溶液を使用できるが、より好ましくはNa+イオンを含む塩基性水溶液、より具体的には、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液または炭酸ナトリウム水溶液を使用することができる。
【0083】
また、このような塩基性溶液は、表面架橋層および表面架橋された高吸水性樹脂の中和度を適切な範囲に制御できるように、前記ベース樹脂粉末100重量部に対して0.1~20重量部、あるいは1~10重量部の含有量で使用することができる。
【0084】
このような追加中和段階を経て最終的に製造された高吸水性樹脂は、前記高吸水性樹脂の水可溶成分に対して測定した中和度が70モル%超過、あるいは70.5~80モル%、あるいは70.5~75モル%であり得る。これにより、面架橋層および表面架橋された高吸水性樹脂の中和度および架橋程度が最適化され、前記高吸水性樹脂が基本的な吸収性能/吸収速度だけでなく、優れた加圧下吸収能および/または通液性も維持される諸般特性を示すことができる。
【0085】
上述した方法で製造された高吸水性樹脂は、少なくとも一部が中和した酸性基を有する水溶性エチレン系不飽和単量体の第1架橋重合体を含むベース樹脂粉末;および前記ベース樹脂粉末上に形成されており、前記第1架橋重合体が表面架橋剤を媒介に追加架橋された表面架橋層を含む高吸水性樹脂であって、
前記高吸水性樹脂の水可溶成分に対して測定した中和度が70モル%超過であり、
生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)に対する30分間の遠心分離保持能(CRC)が28g/g以上であり、
生理食塩水(0.685重量%塩化ナトリウム水溶液)の流れ誘導性(SFC)が30(×10-7cm3・s/g)以上の特性を示すことができる。
【0086】
より具体的な一例において、前記高吸水性樹脂は、EDANA法WSP 241.3に準拠して測定した保持能(CRC)が28g/g以上、あるいは29g/g以上、あるいは30g/g以上であり、かつ40g/g以下、あるいは36g/g以下、あるいは34g/g以下の範囲を有することができる。
【0087】
また、一実施形態の高吸水性樹脂は、生理食塩水(0.685重量%塩化ナトリウム水溶液)の流れ誘導性(SFC)が30(×10-7cm3・s/g)以上、あるいは50(×10-7cm3・s/g)以上であり、かつ100(×10-7cm3・s/g)以下、あるいは70(×10-7cm3・s/g)以下である特性を示すことができる。
【0088】
前記生理食塩水流れ誘導性(SFC)は、以前から当業者に良く知られている方法、例えば、米国特許第5562646号明細書の欄54~欄59に開示された方法に準拠して測定および算出することができる。
【0089】
このように、一実施形態の方法で製造された高吸水性樹脂は、優れた通液性と、保持能など吸収能を同時に示すことができる。
【0090】
また、前記高吸水性樹脂は、樹脂1gが塩化ナトリウムおよび炭素数12~14のアルコールエトキシレート水溶液20gを吸収する所要時間を表すT-20が170秒以下、あるいは165秒以下、あるいは161秒以下であり、かつ100秒以上、あるいは110秒以上、あるいは130秒以上の特性を示すことができる。これは前記高吸水性樹脂の高い吸収速度を反映することができる。
【0091】
そして、前記高吸水性樹脂は、EDANA法WSP 242.3-10に準拠して測定された0.7psiの加圧吸収能(AUP)が23~27g/g、あるいは23.5~26.5g/g、あるいは24~26g/gである特性を示すことができ、このような加圧吸収能は前記高吸水性樹脂の優れた加圧下吸収特性を反映することができる。
【0092】
また、前記高吸水性樹脂は、150~850μmの粒径を有する樹脂粒子を90重量%以上、あるいは90~98重量%の含有量で含み得、150μm未満の粒径を有する粒子を2重量%未満、あるいは0~1重量%の含有量で含み得る。
【0093】
前述したように、一実施形態の製造方法に準拠して収得された高吸水性樹脂は、保持能などの優れた吸収性能および吸収速度を維持し、これと同時に、優れた通液性および加圧下吸収能などを満たし、上述した諸般物性を満たすことができる。これにより、前記高吸水性樹脂は、おむつなど衛生材、特に、パルプの含有量が減少した超薄型衛生材などに適切に使われることができる。
【発明の効果】
【0094】
本発明による高吸水性樹脂は、優れた基本的な吸収性能を維持することができ、かつより向上した吸収速度および通液性などを示すことができ、より薄い厚さを有するおむつなど衛生材に好ましく適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0095】
以下、発明の理解を深めるために好ましい実施例が提示される。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明はこれらにのみ限定されない。
【0096】
[比較例1]:高吸水性樹脂の製造
アクリル酸、苛性ソーダおよび内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(Mw=523;アクリル酸基準0.55重量%)を含み、アクリル酸の中和度が70モル%であり、単量体の濃度が45重量%である単量体水溶液を製造した。
【0097】
その後、前記単量体水溶液1kgに、先に0.18重量%アスコルビン酸溶液31.0gと、1重量%過硫酸ナトリウム溶液33gを混合し、0.15重量%過酸化水素溶液32gと共に混合し、連続で重合しながらニーディングができる重合器の供給部を介して投入して重合を実施した。この時、重合器の温度は80℃に維持し、重合の最高温度は112℃、重合時間は58秒であった。その後、引き続きニーディングを実施して20分間重合とニーディングを実施した。この時、最終形成された含水ゲル重合体の含水率は50.4重量%であった。
【0098】
次いで、前記含水ゲル重合体に対して190℃温度の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥された含水ゲル重合体をピンミルを粉砕機で粉砕した。その後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150μm未満である重合体と、粒度150μm~850μmである重合体を分級した。
【0099】
その後、製造されたベースポリマー100重量部に、エチレンカーボネート1.5重量部を含む表面処理溶液を噴射して高吸水性樹脂の表面を処理した。また、前記表面を処理する段階で、分級したベース樹脂粉末を一つの表面架橋反応器に供給し、190℃以上の温度で35分間前記表面架橋反応を行った。
【0100】
その後、表面架橋された高吸水性樹脂を40℃まで自然冷却して徐々に乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0101】
[実施例1]:高吸水性樹脂の製造
比較例1と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も比較例1と同様の方法で行った。
【0102】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して5重量%苛性ソーダ溶液2.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0103】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0104】
[実施例2]:高吸水性樹脂の製造
比較例1と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も比較例1と同様の方法で行った。
【0105】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して5重量%苛性ソーダ溶液10.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0106】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0107】
[実施例3]:高吸水性樹脂の製造
比較例1と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も比較例1と同様の方法で行った。
【0108】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して5重量%苛性ソーダ溶液20.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0109】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0110】
[実施例4]:高吸水性樹脂の製造
比較例1と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も比較例1と同様の方法で行った。
【0111】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して7.2重量%炭酸ナトリウム溶液2.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0112】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0113】
[実施例5]:高吸水性樹脂の製造
比較例1と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も比較例1と同様の方法で行った。
【0114】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して7.2重量%炭酸ナトリウム溶液4.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0115】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0116】
[実施例6]:高吸水性樹脂の製造
アクリル酸、苛性ソーダ、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(Mw=523;アクリル酸基準0.5重量%)、およびUV開始剤としてジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド0.033gを含み、アクリル酸の中和度が69モル%であり、単量体の濃度が45重量%である単量体水溶液を製造した。
【0117】
その後、前記単量体水溶液1kgに、先に0.17重量%炭酸水素ナトリウム溶液3.0を混合し、このような組成物を連続移動するコンベヤーベルトからなる重合器の供給部を介して投入し、UV照射装置を介して紫外線を照射(照射量:2mW/cm2)して2分間UV重合を行って含水ゲル重合体を製造した。前記含水ゲル重合体を切断機に移送した後、最大長さ0.2cmで切断した。この時、切断された含水ゲル重合体の含水率は50重量%であった。
【0118】
次いで、前記含水ゲル重合体に対して190℃温度の熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥された含水ゲル重合体をピンミルを粉砕機で粉砕した。その後に、シーブ(sieve)を用いて粒径が150μm未満である重合体と、粒度150μm~850μmである重合体を分級した。
【0119】
その後、製造されたベースポリマー100重量部に、エチレンカーボネート1.5重量部を含む表面処理溶液を噴射して高吸水性樹脂の表面を処理した。また、前記表面を処理する段階で、分級したベース樹脂粉末を一つの表面架橋反応器に供給し、190℃以上の温度で35分間前記表面架橋反応を行った。
【0120】
その後、前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して10重量%苛性ソーダ溶液2.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0121】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0122】
[実施例7]:高吸水性樹脂の製造
実施例6と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も実施例6と同様の方法で行った。
【0123】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して10重量%苛性ソーダ溶液10.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0124】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間80℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0125】
[実施例8]:高吸水性樹脂の製造
実施例6と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も実施例6と同様の方法で行った。
【0126】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して7.2重量%炭酸ナトリウム溶液2.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0127】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0128】
[実施例9]:高吸水性樹脂の製造
実施例6と同様の方法でベース樹脂粉末を製造し、エチレンカーボネートを使用した表面処理工程も実施例6と同様の方法で行った。
【0129】
前記表面処理後、高吸水性樹脂の温度を90℃に冷却した後、高吸水性樹脂100gに対して15.0重量%炭酸ナトリウム溶液2.0gを混合して追加中和工程を行った。
【0130】
その後、追加中和した高吸水性樹脂を30分間40℃オーブンで乾燥した後、シーブ(sieve)を用いて粒径が150~850μmである表面処理された高吸水性樹脂を得た。前記高吸水性樹脂に含まれた150μm未満の微粉含有量は2重量%未満であった。
【0131】
実験例
実施例および比較例で製造した各高吸水性樹脂の物性、そして製造過程中の諸般物性を次の方法で測定および評価した。
【0132】
(1)粒径評価
実施例および比較例で使用したベース樹脂粉末および高吸水性樹脂の粒径は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Association,EDANA)の規格EDANA WSP 220.3方法に準拠して測定をした。
【0133】
(2)遠心分離保持能(CRC,Centrifuge Retention Capacity)
欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Association,EDANA)の規格EDANA WSP 241.3に準拠して無荷重下吸収倍率による遠心分離保持能(CRC)を測定した。高吸水性樹脂W0(g、約0.2g)を不織布製の封筒に均一に入れて密封(seal)した後に、常温で0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液の生理食塩水に浸水させた。30分後に封筒を遠心分離機を用いて250Gで3分間水気を取った後に封筒の質量W2(g)を測定した。また、高吸水性樹脂を用いず同じ操作を行った後にその時の質量W1(g)を測定した。このように得られた各質量を用いて次の計算式1によりCRC(g/g)を算出して保持能を確認した。
【0134】
[計算式1]
CRC(g/g)={[W2(g)-W1(g)-W0(g)]/W0(g)}
【0135】
(3)加圧吸収能(Absorbing under Pressure,AUP)
実施例および比較例の高吸水性樹脂に対し、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Association)の規格EDANA WSP 242.3-10の方法に準拠して加圧吸収能(AUP:Absorbency under Pressure)を測定した。
【0136】
先に、内径60mmのプラスチックの円筒底にステンレス製400メッシュ(mesh)金網を取り付けた。23±2℃の温度および45%の相対湿度条件下で金網上に実施例および比較例で得られた樹脂W0(g、0.90g)を均一に散布し、その上に4.83 kPa(0.7psi)の荷重を均一にさらに付与できるピストン(piston)は外径が60mmより若干小さく円筒の内壁との隙間がなく、上下の動きが妨げられないようにした。この時、前記装置の重量W3(g)を測定した。
【0137】
直径150mmのペトリ皿の内側に直径125mmで厚さ5mmのガラスフィルタを置いて、0.90重量%塩化ナトリウムで構成された生理食塩水をガラスフィルタの上面と同一のレベルになるようにした。ガラスフィルタ上に前記測定装置をのせて、液を荷重下で1時間吸収した。1時間後測定装置を持ち上げて、その重量W4(g)を測定した。
【0138】
このように得られた各質量を用いて次の計算式2によりAUP(g/g)を算出して加圧吸収能を確認した。
【0139】
[計算式2]
AUP(g/g)=[W4(g)・W3(g)]/W0(g)
【0140】
前記計算式2において、
W0(g)は、高吸水性樹脂の初期重量(g)であり、
W3(g)は、高吸水性樹脂の重量および前記高吸水性樹脂に荷重を付与できる装置重量の総和であり、
W4(g)は、荷重(0.7 psi)下に1時間前記高吸水性樹脂に生理食塩水を吸収させた後に、高吸水性樹脂の重量および前記高吸水性樹脂に荷重を付与できる装置重量の総和である。
【0141】
(3)生理食塩水流れの誘導性(SFC;saline flow conductivity)
米国特許第5562646号明細書の欄54~欄59に開示された方法に準拠して測定および算出した。単に測定時使用された高吸水性樹脂の量を0.9gの代わりに1.5gを使用したことのみを前記米国特許と異にした。
【0142】
(4)最終高吸水性樹脂の中和度
実施例および比較例において、表面処理工程または追加中和工程を経て最終的に製造された高吸水性樹脂に対し、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Association)の規格EDANA WSP 270.3-10の方法に準拠して水可溶成分(Extractables Content)を抽出およびその含有量を測定した。
【0143】
このような水可溶成分に次の方法で最終中和度を算出した。
【0144】
1)カルボキシレートnCOOH(moles)、
nCOOH=(VNaOH,s・VNaOH,b)cNaOH
【0145】
ここで、VNaOH,sは濾過されたサンプル液をpH10.0まで滴定するのに要したNaOHの量(ml)、VNaOH,bは高吸水性樹脂がないblank液をpH10.0まで滴定するのに要したNaOHの量(ml)をそれぞれ表し、cNaOHは滴定するのに使用されたNaOHの濃度(mol/liter)を表す。
【0146】
2)ntot=(VHCl,s・VHCl,b)cHCl
【0147】
ここで、VHCl,sは濾過されたサンプル液をpH10.0で、pH4.0まで滴定するのに要したHClの量(ml)、VHCl,bは高吸水性樹脂がないblank液をpH10.0で、pH4.0まで滴定するのに要したHClの量(ml)をそれぞれ表し、cHClは滴定するのに使用されたHClの濃度(mol/liter)を表す。
【0148】
3)nCOONa=ntot・nCOOHで算出でき、最終中和度(モル%)=nCOONa/ntot×100の式から最終算出することができる。
【0149】
(5)T-20
蒸溜水1Lに9gの塩化ナトリウムおよび0.1gのLorodac(主成分:線状炭素数12~14のアルコールエトキシレート、CAS# 68439-50-9)を溶解させた水溶液を作って、0.3psiの加圧下で、高吸水性樹脂1gがこのような水溶液20gを吸収するのに要する時間として算出および測定した。このようなT-20の具体的な測定方法は欧州特許公開番号第2535027号の13頁~18頁に詳細に記述されている。
【0150】
上記物性評価の結果を下記表1に整理して示した。
【0151】
【0152】
前記表1を参照すると、実施例の高吸水性樹脂は基本的な吸収性能が比較例と等しい水準以上であり、比較例に比べて優れた通液性および吸収速度を示すことが確認された。