(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】改良された半導体エッチングおよび部品保護のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220506BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220506BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020139085
(22)【出願日】2020-08-20
(62)【分割の表示】P 2018560459の分割
【原出願日】2017-05-18
【審査請求日】2020-09-18
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】タン, ティエン ファク
(72)【発明者】
【氏名】ロー, ロク キー
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】チョン, スンウク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, マーティン ユエ
(72)【発明者】
【氏名】パク, スナム
【審査官】田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-504841(JP,A)
【文献】特表2010-508660(JP,A)
【文献】特表2013-541848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボックスを備える半導体処理システムであって、前記ガスボックスは、
第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とする第1のガスボックスプレートと、
前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面に沿って前記第1のガスボックス
プレートと結合された第2のガスボックスプレートと
を備え、前記第2のガスボックスプレートは、第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とし、前記第2のガスボックスプレートは、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面内に複数のチャネルを画定し、前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面と前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面とが、前記複数のチャネルを通る流路を画定
し、
前記複数のチャネルが互いに流体連通し、前記ガスボックスに沿って半径方向外側に延在する複合チャネルを画定する、半導体処理システム。
【請求項2】
前記ガスボックスが、送達管を受けるように構成された中央開孔を画定する、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記第1のガスボックスプレートが、前記第1のガスボックスプレートを通って延びるポートを画定する、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
前記ポートが、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面に画定された前記複数のチャネルへの流体アクセスを提供する、請求項
3に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
前記ポートが、前記複数のチャネルの1つ以上のチャネルの半径方向内側で前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルへの流体アクセスを提供するように構成されている、請求項
3に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記ガスボックスが、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面における前記複数のチャネル内に、1つ以上の出口チャネルを画定する、請求項
5に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記1つ以上の出口チャネルが、前記第2のガスボックスプレートの前記第2の表面を通って延びる、請求項
6に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記ガスボックスを通るバイパス前駆体流路が、前記ポートから前記複数のチャネルを通って前記1つ以上の出口チャネルまで形成される、請求項
7に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
半導体処理システムガスボックスであって、
第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とする第1のガスボックスプレートと、
前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面に沿って前記第1のガスボックス
プレートと結合された第2のガスボックスプレートと
を備え、前記第2のガスボックスプレートは、第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とし、前記第2のガスボックスプレートは、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面内に複数のチャネルを画定し、前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面と前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面とが、前記複数のチャネルを通る流路を画定
し、
前記複数のチャネルが互いに流体連通し、前記ガスボックスに沿って半径方向外側に延在する複合チャネルを画定する、半導体処理システムガスボックス。
【請求項10】
前記第1のガスボックスプレートが、前記第1のガスボックスプレートを通って延びるポートを画定する、請求項
9に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項11】
前記ポートが、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面に画定された前記複数のチャネルへの流体アクセスを提供する、請求項
10に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項12】
前記ポートが、前記複数のチャネルの1つ以上のチャネルの半径方向内側に前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルへの流体アクセスを提供するように構成されている、請求項
10に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項13】
前記ガスボックスが、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面における前記複数のチャネルから、前記第2のガスボックスプレートの前記第2の表面を通って延びる1つ以上の出口開孔を画定する、請求項
12に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項14】
前記1つ以上の出口開孔が、前記ポートによって流体アクセスされる前記複数のチャネルのうちの前記1つのチャネルの半径方向外側
で前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルに形成される、請求項
13に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項15】
前記複数のチャネルが、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面にわたって半径方向外側に延びる再帰的な流れのパターンを形成する、請求項
9に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項16】
前記複数のチャネルの第1のチャネルが、前記第1のチャネルの半径方向外側に前記複数のチャネルの第2のチャネルへの2つの位置での流体アクセスを提供する、請求項
15に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項17】
前記2つの位置での流体アクセスが、前記複数のチャネルの前記第2のチャネルから前記複数のチャネルの前記第1のチャネルを分離する環状壁におけるカットアウトを含む、請求項
16に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項18】
前記複数のチャネルの前記第2のチャネルが、前記第2のチャネルの半径方向外側に前記複数のチャネルの第3のチャネルへの2つより多い位置での流体アクセスを提供し、前記2つより多い位置の各位置は、前記複数のチャネルの前記第1のチャネルから前記複数のチャネルの前記第2のチャネルへの流体アクセスの前記2つの位置と半径方向においてオフセットされている、請求項
16に記載の半導体処理システムガスボックス。
【請求項19】
ガスボックスを備える半導体処理システムであって、前記ガスボックスは、
第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とする第1のガスボックスプレートと、
前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面に沿って前記第1のガスボックスプレートと結合された第2のガスボックスプレートと
を備え、前記第2のガスボックスプレートは、第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とし、前記第2のガスボックスプレートは、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面内に複数のチャネルを画定し、前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面と前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面とが、前記複数のチャネルを通る流路を画定し、
前記第1のガスボックスプレートが、前記第1のガスボックスプレートを通って延びるポートを画定し、
前記ポートが、前記複数のチャネルの1つ以上のチャネルの半径方向内側で前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルへの流体アクセスを提供するように構成されている、半導体処理システム。
【請求項20】
半導体処理システムガスボックスであって、
第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とする第1のガスボックスプレートと、
前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面に沿って前記第1のガスボックスプレートと結合された第2のガスボックスプレートと
を備え、前記第2のガスボックスプレートは、第1の表面と、当該第1の表面の反対側の第2の表面とを特徴とし、前記第2のガスボックスプレートは、前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面内に複数のチャネルを画定し、前記第1のガスボックスプレートの前記第2の表面と前記第2のガスボックスプレートの前記第1の表面とが、前記複数のチャネルを通る流路を画定し、
前記第1のガスボックスプレートが、前記第1のガスボックスプレートを通って延びるポートを画定し、
前記ポートが、前記複数のチャネルの1つ以上のチャネルの半径方向内側で前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルへの流体アクセスを提供するように構成されている、半導体処理システムガスボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本技術は、半導体材料をエッチングするためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本技術は、チャンバ部品の劣化特性を改善したエッチングのためのチャンバおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路は、基板表面上に複雑にパターニングされた材料層を生成するプロセスによって可能になる。パターニングされた材料を基板上に生成するには、露出した材料を除去するための制御された方法が必要である。化学エッチングは、フォトレジストのパターンを下地層に転写する、層を薄くする、または表面に既に存在するフィーチャの横寸法を細くすることを含む様々な目的で使用される。ある材料を他よりも速くエッチングして、例えばパターン転写プロセスを促進するエッチングプロセスを有することが、しばしば望ましい。そのようなエッチングプロセスは、第1の材料に対して選択的であると言われる。材料、回路、およびプロセスの多様性の結果、様々な材料に対して、選択性を有するエッチングプロセスが開発されてきた。
【0003】
[0003]エッチングプロセスは、プロセスで使用される材料に基づいて、ウェットまたはドライと呼ぶことができる。ウェットHFエッチングは、他の誘電体および材料よりも酸化ケイ素を優先的に除去する。しかしながら、ウェットプロセスは、狭いトレンチに入り込むのが困難であり、残っている材料を時には変形させる可能性もある。基板処理領域内に形成された局所プラズマで生成されたドライエッチングは、より狭いトレンチに入り込み、残っている精緻な構造の変形を少なくすることができる。しかしながら、局所プラズマは、それらが放電するときに電弧が発生することによって基板を損傷させる可能性がある。さらに、プラズマ放出物は、チャンバ部品を損傷させ、交換または処置が必要となる可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、高品質のデバイスおよび構造を製造するために使用することができる改良されたシステムおよび方法が必要とされている。これらおよび他の要求が、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]半導体システムおよび方法は、半導体処理チャンバへのアクセス部を画定するガスボックスを有する半導体処理チャンバを含むことができる。チャンバは、ガスボックスが結合される第1の表面によって特徴付けられるスペーサを含むことができ、スペーサは、第1の表面の内側部分に凹状棚部を画定することができる。チャンバは、スペーサの第2の表面に沿って延びる、凹状棚部に据え付けられた支持ブラケットを含むことができる。チャンバはまた、支持ブラケットに据え付けられたガス分配プレートを含むことができる。
【0006】
[0006]例示的なチャンバはまた、ガス分配プレートに接触し、支持ブラケットの表面を回って延びる環状ライナを含むことができる。チャンバは、環状ライナ上に据え付けられ、ガスボックスの表面に近接して配置された上部プレートを含むことができる。実施形態において、ガス分配プレート、環状ライナ、および上部プレートは、石英、セラミック、またはコーティングされたアルミニウムであってもよく、またはそれらを含んでもよい。支持ブラケットおよびスペーサは、硬質陽極酸化アルミニウムまたはコーティングされたアルミニウムを少なくとも部分的に含むことができる。チャンバはまた、半導体基板を支持するように構成されたペデスタルを含むことができ、ペデスタルは、半導体基板を約300℃~500℃に加熱するように構成されたセラミックヒータを含むことができる。
【0007】
[0007]実施形態において、送達管が、ガスボックスのアクセス部で半導体処理チャンバを遠隔プラズマ源と結合させることができ、送達管は、石英の内側表面を含むことができる。石英の内側表面は、アルミニウムの送達管内に配置された石英ライナを含むことができる。送達管はまた、送達管を遠隔プラズマ源ユニットと結合させるアダプタを含むことができ、アダプタは、送達管に近接するシムを含むことができる。
【0008】
[0008]本技術はまた、遠隔プラズマ源と、遠隔プラズマ源と結合された送達管とを含むことができる半導体処理システムを含むことができる。システムは、半導体処理チャンバへのアクセス部を画定するガスボックスを含むことができる半導体処理チャンバを含むことができる。実施形態において、アクセス部は、ガスボックス内の中央に位置してもよく、送達管は、アクセス部でガスボックスと結合されてもよい。チャンバはまた、ガスボックスが結合される第1の表面によって特徴付けられるスペーサを含むことができ、スペーサは、第1の表面の内側部分に凹状棚部を画定することができる。チャンバは、凹状棚部に据え付けられた、スペーサの第2の表面に沿って延びる支持ブラケットを含むことができる。ガスボックスの一部が、スペーサの第2の表面と平行に少なくとも部分的に延びていてもよく、支持ブラケットが、スペーサの第2の表面と、スペーサの第2の表面と平行に少なくとも部分的に延びているガスボックスの前記一部との間に少なくとも部分的に配置されてもよい。チャンバはまた、支持ブラケットに据え付けられたガス分配プレートを含むことができる。
【0009】
[0009]システムはまた、ガス分配プレートと接触し、支持ブラケットの内側表面を回って延びる環状ライナをチャンバ内に含むことができる。チャンバは、環状ライナ上に据え付けられ、ガスボックスの表面に近接して配置された上部プレートを含むことができる。ガスボックスの前記部分は、ガスボックスの凹部の表面を含んでもよく、ガスボックスの凹部は、スペーサの第2の表面に沿って延びる支持ブラケットの一部に隣接して配置されてもよい。実施形態において、ガス分配プレート、環状ライナ、および上部プレートは、石英、セラミック、またはコーティングされたアルミニウムであってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0010】
[0010]実施形態において、上部プレートは、ガスボックスによって画定されたアクセス部の外径内に延びて、送達管または送達管の出口に配置されたアダプタと接触してもよい。支持ブラケットおよびスペーサは、少なくとも部分的に、硬質の陽極酸化されたアルミニウムまたはコーティングされたアルミニウムであってもよいし、それらを含んでもよい。チャンバはまた、半導体基板を支持するように構成されたペデスタルを含むことができ、ペデスタルは、半導体基板を約300℃~500℃に加熱するように構成されたセラミックヒータであってもよいし、またはそれを含んでもよい。実施形態において、送達管は、石英の内側表面であってもよいし、または石英の内側表面を含んでもよい。さらに、ガス分配プレートは、ガス分配プレートの中心軸から半径方向外側に広がる開孔の1つ以上のリングを含むことができる。
【0011】
[0011]本技術は、半導体処理チャンバ内で基板をエッチングする方法も含むことができる。この方法は、プラズマを発生させながら塩素含有前駆体を遠隔プラズマ源に送達して、プラズマ放出物を生成することを、含むことができる。この方法は、半導体処理チャンバ内で石英ガス分配プレートを通ってプラズマ放出物を流すことを、含むことができる。この方法はまた、約300℃~約500℃の温度で基板をエッチングすることを、含むことができる。
【0012】
[0012]本技術はまた、遠隔プラズマ源を有する半導体処理システムを、含むことができる。システムは、遠隔プラズマ源と結合された送達管を含むことができる。システムはまた、半導体処理チャンバを含むことができ、半導体処理チャンバは、送達管の遠位領域の周りに結合されたガスボックスを含むことができる。チャンバは、第1の環状支持体の第1の表面でガスボックスと接触する第1の環状支持体を含むことができ、第1の環状支持体およびガスボックスは共同で、半導体処理チャンバの内部領域の周りに第1のチャネルを画定することができる。チャンバはまた、第1のチャネル内に据え付けられたガス分配プレートを含むことができる。
【0013】
[0013]処理チャンバはまた、ガス分配プレート上に据え付けられた環状ライナを含むことができる。チャンバは、環状ライナ上に据え付けられた上部プレートを含むことができ、環状ライナおよび上部プレートは両方とも、第1のチャネル内に少なくとも部分的に据え付けられることができる。チャンバは、第1の環状支持体の第1の表面の反対側の第1の環状支持体の第2の表面で第1の環状支持体と接触する第2の環状支持体を含むことができる。第2の環状支持体および第1の環状支持体は共同で、半導体処理チャンバの内部領域の周りに第2のチャネルを画定することができる。チャンバはまた、第2のチャネル内に据え付けられた第2のガス分配プレートを含むことができる。実施形態において、第1のガス分配プレートおよび第2のガス分配プレートは、それぞれ、石英、セラミック、もしくはコーティングされたアルミニウムのうちの1つであってもよく、またはそれらを含んでもよい。
【0014】
[0014]処理チャンバはまた、ガス分配プレートを第1の環状支持体に取り外し可能に結合させる少なくとも1つのピンを含むことができる。送達管は、遠隔プラズマ源をバイパスして、半導体処理チャンバ内へ送達管を通って前駆体を送達することを可能にするように構成されたチャネルの少なくとも一部を、遠隔プラズマユニットとガスボックスとの間に画定することができる。チャンバはまた、送達管内に配置されたインサートを含むことができ、インサートは、遠隔プラズマ源および送達管のチャネルの前記少なくとも一部からインサートの混合領域へのアクセスを提供することができる。実施形態において、インサートの混合領域は、インサートの混合領域へのアクセス部からのテーパ形状によって特徴付けられる第1の混合セクションを含むことができ、また、インサートの混合領域は、第1の混合セクションに近接した位置から送達管の出口までの広がる内径によって特徴付けられる第2の混合セクションを含むことができる。
【0015】
[0015]実施形態において、インサートの混合領域は、送達管の内径の半分よりも小さい内径を有する円筒形状によって特徴付けられる第3の混合セクションを、さらに含むことができる。さらに、ガスボックスは、互いに結合された第1のガスボックスプレートおよび第2のガスボックスプレートを含むことができる。第2のガスボックスプレートは、第1のガスボックスプレートと接触する第2のガスボックスプレートの第1の表面の反対側の第2のガスボックスプレートの第2の表面に沿って、第1の環状支持体と少なくとも部分的に接触することができる。また、第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルを画定することができ、結合された第1のガスボックスプレートおよび第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルを通る流路を画定することができる。実施形態において、第1のガスボックスプレートは、複数のチャネルのうちのあるチャネルへのアクセスを提供するポートを画定することができる。第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルから半導体処理チャンバの内部領域へのアクセスを提供する少なくとも1つの入口チャネルを画定することができ、少なくとも1つの入口チャネルは、第1のガスボックスプレートによって画定されるポートの半径方向外側に配置することができる。
【0016】
[0016]本技術はまた、半導体処理チャンバへのアクセスを提供するガスボックスを有する半導体処理チャンバを含むことができる。チャンバは、第1の環状支持体の第1の表面でガスボックスと接触する第1の環状支持体を含むことができ、第1の環状支持体およびガスボックスはそれぞれ、ガスボックスと第1の環状支持体との境界面に配置された第1のチャネルの一部を画定することができる。チャンバは、第1のチャネル内に据え付けられた第1のガス分配プレートを含むことができる。さらに、チャンバは、第1の環状支持体の第1の表面の反対側の第1の環状支持体の第2の表面で第1の環状支持体と接触する第2の環状支持体を含むことができる。第2の環状支持体は、半導体処理チャンバの内部領域の周りに配置された第2のチャネルを少なくとも部分的に画定することができる。チャンバはまた、第2のチャネル内に据え付けられた第2のガス分配プレートを含むことができ、第1のガス分配プレートおよび第2のガス分配プレートは、実施形態において、石英であってもよいし、または石英を含んでもよい。
【0017】
[0017]処理チャンバはまた、第1のガス分配プレート上に据え付けられた環状ライナを含むことができる。チャンバは、環状ライナ上に据え付けられた上部プレートを含むことができ、環状ライナおよび上部プレートは両方とも、第1のチャネル内に少なくとも部分的に据え付けられることができる。実施形態において、第1のガス分配プレートおよび第2のガス分配プレートは、同様の形状によって特徴付けられてもよく、各々、ガス分配プレートの周りにリング状に配置された複数の開孔を画定することができる。さらに、ガスボックスは、互いに結合された第1のガスボックスプレートおよび第2のガスボックスプレートを含むことができる。第2のガスボックスプレートは、第1のガスボックスプレートと接触する第2のガスボックスプレートの第1の表面の反対側の第2のガスボックスプレートの第2の表面に沿って、第1の環状支持体と少なくとも部分的に接触することができる。第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルを画定することができ、結合された第1のガスボックスプレートおよび第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルを通る流路を画定することができる。実施形態において、第1のガスボックスプレートは、複数のチャネルのうちのあるチャネルへのアクセスを提供するポートを画定することができる。さらに、第2のガスボックスプレートは、複数のチャネルから半導体処理チャンバの内部領域へのアクセスを提供する少なくとも1つの入口チャネルを画定することができる。実施形態において、少なくとも1つの入口チャネルは、第1のガスボックスプレートによって画定されるポートの半径方向外側に配置されてもよい。
【0018】
[0018]このような技術は、従来技術よりも多くの利点を提供することができる。例えば、この技術は、さもなければプラズマ前駆体によって影響され得るチャンバ部品の改善された保護を可能にすることができる。さらに、この技術は、チャンバ設計に基づいて部品の交換およびアクセスを改善することができる。これらおよび他の実施形態が、それらの利点及び特徴の多くと共に、以下の説明および添付図面と併せてより詳細に説明される。
【0019】
[0019]開示された実施形態の性質および利点のさらなる理解が、明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】例示的な処理システムの一実施形態の平面図を示す。
【
図2】本技術の実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
【
図3】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバの一部分の概略断面図を示す。
【
図4】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバのための送達システムの概略断面図を示す。
【
図5A】本技術の実施形態による例示的なガス分配プレートの平面図を示す。
【
図5B】本技術の実施形態による例示的なガス分配プレートの平面図を示す。
【
図6】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバの一部分の部分概略断面図を示す。
【
図7】本技術の実施形態による例示的なガス分配プレートの断面平面図を示す。
【
図8】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバの一部分の概略断面図を示す。
【
図9】本技術の実施形態による例示的なガスボックス構成の断面平面図を示す。
【
図10】本技術の実施形態による例示的なガスボックス構成の一部分の断面図を示す。
【
図11】本技術の実施形態による基板をエッチングする方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0032]添付の図面において、類似の構成要素および/または特徴は、同じ数字参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、類似の構成要素および/または特徴を区別する文字が参照ラベルの後に続くことによって区別することができる。最初の数字参照ラベルのみが、本明細書で使用される場合、その説明は、文字接尾辞に関係なく同じ最初の数字参照ラベルを有する類似の構成要素および/または特徴のいずれにも適用可能である。
【0022】
[0033]半導体処理において、エッチングは、いくつかの理由で実行され得る。ドライエッチングでは、前駆体が、プラズマを通って流されて、様々な半導体材料をエッチングするためのラジカルプラズマ放出物を生成することができる。これらの前駆体は、フッ素、塩素、または他の元素を含む1種以上の腐食性の元素を含むことができる。これらの元素は、エッチングされるべき基板または材料だけでなく、処理が実行されるチャンバ部品にも曝される。その結果、チャンバの露出した表面は、プラズマまたはプラズマによって生成された放出物によってエッチング、スパッタリング、または他の方法で劣化する可能性がある。劣化の程度は、チャンバ部品とエッチングに使用される前駆体との間の反応性に関連し得る。
【0023】
[0034]従来の技術は、チャンバ内に交換可能な部品を提供することによって、この劣化をしばしば処理してきた。したがって、コーティングまたは部品自体が劣化すると、部品が除去され、新しい部品と交換され、これが次に、時間とともに劣化する。この劣化と交換は、処理時間と費用がかかるだけでなく、劣化自体が、実行されるプロセスに影響を与える可能性がある。例えば、部品またはコーティングが劣化していると、影響を受けた部品およびコーティングからの粒子が、処理されている基板上に堆積する可能性がある。これは、部品の短絡および不均一な処理を含む生産上の問題を引き起こす可能性がある。
【0024】
[0035]多くの半導体チャンバ部品が、アルミニウム製であり得る。塩素系前駆体が処理に使用される場合、塩素および塩素ラジカルは、腐食性であり、露出したアルミニウムのチャンバ部品を急速に損傷する可能性がある。この腐食を低減するための1つの方法は、露出したアルミニウムの部品をコーティングすることである。しかしながら、露出した材料をコーティングすることは、費用がかかり、不完全であり、材料が時間とともに劣化すると、汚れを導入する可能性がある。したがって、より多くの材料がコーティングされるほど、コーティングに問題が生じる可能性が高くなる。
【0025】
[0036]本技術は、チャンバに対するエッチャントの影響を低減するために、チャンバ内で代替的な部品を利用する。いくつかの実施形態では、チャンバからプラズマ生成を除去することによって、チャンバ部品へのボンバードメント損傷を低減することもできる。本開示は、開示された技術を利用する特定のエッチングプロセスを機械的に特定するが、これらのシステムおよび方法は、記載されたチャンバ内で起こり得る堆積プロセスおよび洗浄プロセスに等しく適用可能であることが、容易に理解される。このように、この技術は、エッチングプロセスでの使用のみに限定されていると考えられるべきではない。
【0026】
[0037]
図1は、開示された実施形態による、堆積、エッチング、ベーキングおよび硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の平面図を示す。図において、一対の前方開口型統一ポッド(FOUP)102が、様々なサイズの基板を供給し、それらが、ロボットアーム104によって受け取られ、低圧保持領域106内に入れられ、その後、タンデムセクション109a~cに配置された基板処理チャンバ108a~fのうちの1つの中に入れられる。基板ウェハを保持領域106から基板処理チャンバ108a~fに搬送してまた戻すために、第2のロボットアーム110が使用されてもよい。各基板処理チャンバ108a~fは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、デガス、配向、および他の基板プロセスに加えて、本明細書に記載のエッチングプロセスを含む多くの基板処理工程を行うように装備することができる。
【0027】
[0038]基板処理チャンバ108a~fは、基板ウェハ上に誘電体膜を堆積、アニール、硬化および/またはエッチングするための1つ以上のシステム構成要素を含むことができる。1つの構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~dと108e~fを用いて、基板上に誘電体材料を堆積させ、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~bを用いて、堆積した誘電体をエッチングしてもよい。別の構成では、3対すべてのチャンバ、例えば108a~fが、基板上の材料をエッチングするように構成されてもよい。以下に記載されるプロセスのうちの任意の1つ以上が、異なる実施形態において、示された製造システムから分離されたチャンバ内で実行されてもよい。誘電体膜用の堆積、エッチング、アニーリング、および硬化チャンバの追加の構成が、システム100によって企図されることが理解されよう。以下に記載されるチャンバのいずれも、処理システム100において利用することができ、前駆体、環境、または制御の特徴を共有する2つの類似のチャンバを含むことができるタンデムチャンバとして含まれてもよい。
【0028】
[0039]
図2は、本技術の実施形態による例示的な処理システム200の概略断面図を示す。システムは、処理チャンバ205と、遠隔プラズマ源(「RPS」)ユニット210とを含むことができる。RPSユニット210は、処理チャンバ205の周りの1つ以上の位置で処理チャンバ205と結合し得る支持部材214を有するプラットフォーム212上で安定にされてもよい。プラットフォーム212と共に追加の支持部材214を利用することによって、RPSユニット210の重量は、RPSユニット210の重量に関係する剪断応力または他の応力から部品を保護するために適切に配分され得る。1種以上の前駆体を処理チャンバ205に送達するために、送達管216が、RPSユニット210と処理チャンバ205との間に、またはそれらと結合され得る。RPSユニット210に対する追加の安定および支持を提供するために、フランジアダプタ218が、送達管216の周りに配置されてもよく、さもなければRPSユニット210は、支持重量で送達管216を損傷する可能性がある。フランジアダプタ218は、プラットフォーム212に接触して、RPSユニット210の支持を提供し、RPSユニット210の重量が送達管216に及ばないようにすることができる。
【0029】
[0040]処理チャンバ205は、処理チャンバ205へのアクセスを提供するガスボックス220を含むことができる。ガスボックス220は、処理チャンバ205へのアクセス部を画定することができ、実施形態において、アクセス部は、ガスボックス220内で中央に画定されるか、または配置され得る。送達管216は、ガスボックス220のアクセス部内に配置または結合されて、RPSユニット210と処理チャンバ205の内部との間の前駆体経路を提供することができる。フランジアダプタ218はまた、RPSユニット210の重量の少なくとも一部を分散させるために、上部プレート220と接触して、送達管216への応力を防止または低減することができる。
【0030】
[0041]実施形態において、スペーサ222が、処理チャンバ205の外壁および内壁を少なくとも部分的に画定することができる。ガス分配アセンブリ225が、送達管216に近接して処理チャンバ205内に配置されることができ、ガス分配アセンブリ225は、前駆体またはプラズマ放出物を処理チャンバ205内に分配することができる。ポンピングライナ230が、処理チャンバ205の処理領域内に配置されてもよい。ポンピングライナ230は、未反応の前駆体またはプラズマ放出物を処理チャンバ205から排出させることができる。ポンピングライナ230はさらに、エッチングプロセスでエッチングされた粒子を処理チャンバ205から除去して、その後の処理工程中に粒子が基板上に残らないようにすることができる。
【0031】
[0042]ペデスタル235が、処理チャンバ205の処理領域に含まれてもよく、エッチングまたは他のプロセス工程中に基板を支持するように構成されてもよい。ペデスタル235は、様々な実施形態において、例えば静電、真空、または重力を含む1つ以上のチャッキング機構を有することができる。ペデスタル235は、実施形態において、回転可能または並進可能であってもよく、ガス分配アセンブリ225に向かって上昇し、またはガス分配アセンブリ225から下降することができる。実施形態において、ペデスタル235は、処理チャンバ205の中へおよび処理チャンバ205から外への基板の移送を助けるための1つ以上のリフトピンを含むことができる。ペデスタル235は、処理工程中に基板温度を維持するための加熱または冷却機構を、さらに含んでもよい。
【0032】
[0043]ペデスタル235は、フィラメントを含むはめ込まれた加熱要素を含むことができ、または、適宜に温度を上昇または低下させる温度制御流体を通すように構成された1つ以上の管またはチャネルを含むことができる。ペデスタル235は、セラミックヒータであるかまたはセラミックヒータを含む、基板を支持するためのプラットフォームを含むことができる。セラミックヒータは、実施形態において、約20℃から1000℃を超える温度までを含む特定の動作温度に基板を加熱することができる。さらに、セラミックヒータは、実施形態において、基板を、約50℃より高く、約100℃より高く、約150℃より高く、約200℃より高く、約250℃より高く、約300℃より高く、約350℃より高く、約400℃より高く、約500℃より高く、またはより高く、加熱することができる。さらに、セラミックヒータは、実施形態において、基板温度を、約1000℃未満、約900℃未満、約800℃未満、約700℃未満、約600℃未満、または約500℃未満に維持することができる。セラミックヒータはさらに、基板温度を、実施形態において約100℃~約500℃、または実施形態において約300℃~約500℃に加熱または維持するように構成されてもよい。実施形態において、ヒータは、基板温度を約300℃未満に維持するように構成され、この場合、代替の金属製加熱要素が、セラミックヒータの代わりに使用されてもよい。例えば、コーティングされたアルミニウムヒータが使用されてもよいし、またはアルミニウムもしくは処理されたアルミニウムペデスタル上の埋め込まれたもしくはコーティングされたヒータが、使用されてもよい。
【0033】
[0044]処理チャンバ205の部品は、エッチングまたは他の処理工程中に動作環境に耐えるように構成されてもよい。処理チャンバ205の部品は、例えば硬質の陽極酸化されたアルミニウムを含む陽極酸化または酸化された材料であってもよい。プラズマ放出物または他の腐食性材料と接触し得る処理チャンバ205内の各部品は、腐食しないように保護するため処理またはコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、フッ素または塩素を含むプラズマ放出物による腐食を防止するために、代替材料が利用されてもよい。例えば、処理チャンバ205内の1つ以上の部品が、実施形態において、セラミックまたは石英であってもよい。特定の例として、ガス分配アセンブリ225、スペーサ222、ポンピングライナ230、またはプラズマもしくは非プラズマ前駆体によって接触され得る任意の部品のうちの1つ以上の部品が、石英もしくはセラミックであってもよく、またはそれらを含んでもよい。さらに、送達管216は、石英であってもよいし、または石英を含んでもよく、例えば、送達管216内に石英ライナを含んでもよい。送達管は、実施形態において、アルミニウムまたは硬質の陽極酸化されたアルミニウムであってもよく、石英の内側表面によって特徴付けられてもよい。例えば塩素を含む、RPSユニット210内で解離した前駆体によって引き起こされる腐食から内部部品を保護するために、RPSユニット210が、石英でライニングされてもよい。RPSユニット210は、陽極酸化された金属を含んでもよく、RPSユニット210のチャンバキャビティが、さらに腐食を防止するために、石英でライニングされてもよい。
【0034】
[0045]RPSユニット210からの遠隔プラズマを利用することによって、処理チャンバ205は、プラズマ生成によって引き起こされる内部腐食からさらに保護され得る。実施形態において、処理チャンバ205は、プラズマを生成するように構成されず、プラズマ生成は、RPSユニット210内で処理チャンバ205の外部で実行され得る。実施形態において、容量結合プラズマなど(他のプラズマ源が使用されてもよい)による、追加のプラズマ処理が、処理チャンバ205内で行われてもよい。例えば、ガスボックス220およびガス分配アセンブリ225の1つ以上の部品が、容量結合プラズマが生成され得る電極として利用されてもよい。プラズマ生成から基板との相互作用までの経路長を短縮することによりプラズマ放出物の再結合の面で役に立つように、チャンバ内の追加のまたは代替のプラズマ部品が、使用されてもよい。
【0035】
[0046]プラズマによって解離された前駆体は、一定の滞留時間後に再結合する。例えば、塩素系前駆体がRPSユニット210内で解離した後、前駆体またはプラズマ放出物は、送達管216を通って処理チャンバ205に流入し、次にペデスタル235上の基板と相互作用する。ラジカル放出物の移動経路の長さに応じて、放出物またはラジカルは再結合し、ラジカル前駆体の反応性を少なくとも部分的に失い得る。さらに、様々な管またはチャネルを通るなど移動経路が複雑になればなるほど、プラズマ放出物と接触する各部品が、腐食しないよう保護するために処理またはコーティングされ得るので、より多くの保護物が、システム内に含まれ得る。したがって、処理チャンバ205は、RPSユニット210から処理チャンバ205への、次いで排気プレナム230を通る比較的直線的な移動ラインを含み得る。さらに、一旦処理チャンバ205内に入ると、前駆体またはプラズマ放出物は、ガス分配アセンブリ225の1つ以上のインラインの部品を通って移動して、基板に接触することができる。ガス分配アセンブリ225の部品は、基板に向かう流れの均一性を改善するために利用され得るが、それ以外に、処理チャンバ205内の滞留時間ならびにプラズマ放出物の再結合を減少させるための前駆体流路の長さの短縮を維持するために、利用され得る。
【0036】
[0047]
図3は、本技術の実施形態による例示的な処理チャンバ205の一部分の概略断面図を示す。
図3は、
図2のガス分配アセンブリ225の部品の部分図を含み、前述したものと同様の部品を含むことができる。
図3に示す処理チャンバ205は、例えば、送達管216、フランジアダプタ218、ガスボックス220、およびスペーサ222を含むことができる。さらに詳しく示されているように、スペーサ222は、ガスボックス220が結合される第1の表面321によって特徴付けられ得る。スペーサ222は、実施形態において、第1の表面321の内側部分に凹状棚部323を画定することができる。内側部分は、例えば、部品に対してもしくはチャンバに対して半径方向に処理チャンバ205の中心軸の方に位置する部分であってもよく、または処理チャンバ205の内部に面する部分であってもよい。図に示されるように、凹状棚部323は、スペーサ222の第1の表面321の、処理チャンバ205の内部に向かう側に形成され、ガスボックス220の結合位置に近接して配置されてもよい。ガスボックス220は、実施形態において、凹状棚部323を少なくとも部分的に覆ってもよく、凹状棚部323を完全に覆ってもよい。
【0037】
[0048]支持ブラケット305が、スペーサ222の凹状棚部323に据え付けられ得る。支持ブラケット305は、スペーサ222の第2の表面324に沿って延びることができる。スペーサ222の第2の表面324は、処理チャンバ205の内部に面し、実施形態において、第1の表面321に隣接するスペーサ222の表面とすることができる。支持ブラケット305は、スペーサ222の第2の表面324に沿って凹状棚部323からほぼまたは本質的に直角に延びることができる。支持ブラケット305は、支持ブラケット305から処理チャンバ205内に延びる支持棚部307を提供する向きに応じて、SまたはZ形状によって特徴付けられてもよい。支持ブラケット305は、環状形状を有し、処理チャンバ205の内部の周りに延びることができる。ガスケットまたはOリング309が、支持ブラケット305に隣接して配置されてもよく、処理チャンバ205の構成において支持ブラケット305から半径方向外側にあってもよい。ガスケット309は、ガスボックス220とスペーサ222との間に配置されて、部品および支持ブラケット305の周りに流体シールを提供することができる。ガスボックス220がスペーサ222と結合されるとき、ガスケットまたはOリング309が圧縮されて、部品間にシールを形成し得る。
【0038】
[0049]さらに図示されるように、ガスボックス220の一部が、ガスボックス220が結合されるスペーサ222の第1の表面321を越えて延びて、スペーサ222の第2の表面324または支持ブラケット305と平行に少なくとも部分的に延びてもよい。図示のように、ガスボックス220の一部が、スペーサ222の第1の表面321の平面を横切って、スペーサ222の第2の表面324と平行に処理チャンバ205内を延びる。ガスボックス220の一部は、処理チャンバ205内のガスボックス220の凹部であってもよく、ガスボックス220の凹部は、スペーサ222の第2の表面324に沿って延びる支持ブラケット305の一部に隣接して配置されてもよい。実施形態において、ガスボックス220は、完全に平行に延びていなくてもよく、スペーサ222の第2の表面324に向かう、またはスペーサ222の第2の表面324から離れるように、ある角度で延びていてもよい。支持ブラケット305は、スペーサ222の第2の表面324と、スペーサ222の第2の表面324と平行に少なくとも部分的に延びるガスボックス220の部分との間に、少なくとも部分的に配置されてもよい。支持ブラケット305は、実施形態において、スペーサ222とガスボックス220との間に間隔を空けて配置されてもよいし、または、スペーサ220の第2の表面324、もしくはスペーサ220の第2の表面324と平行に少なくとも部分的に延びるガスボックス220の部分のうちの一方もしくは両方と直接接触してもよい。
【0039】
[0050]基板との相互作用のための処理チャンバ205の処理領域への前駆体またはプラズマ放出物の均一な流れを提供するように構成されたガス分配プレート310が、支持ブラケット305に据え付けられてもよい。実施形態において、ガス分配プレート310は、追加の結合材料なしで支持ブラケット305に据え付けられてもよく、支持棚部307に直接据え付けられてもよい。環状ライナ312が、ガス分配プレート310上に据え付けられまたは配置され、支持ブラケット305のさもなければ露出していた領域または内部表面を覆うように、処理チャンバ205の内部の周りに延びることができる。
【0040】
[0051]上部プレート314が、環状ライナ312上に配置または据え付けられ、処理チャンバ205の内部に面するガスボックスの表面に近接して配置され得る。上部プレート314は、送達管216からの出口の周りに延びてもよく、前駆体またはプラズマ放出物の流れが、チャンバの内部に面するガスボックス220の表面に接触するのを低減または防止するように、送達管216からの出口に直接接触してもよい。さらに、上部プレート314は、ガスボックス220によって画定されたアクセス部の外径を越えてまたは外径内に延びることができ、送達管216または送達管216の出口に配置されたアダプタと直接接触してもよいし、しなくてもよい。実施形態において、上部プレート314とガスボックス220との間に間隙が存在してもよく、または上部プレート314は、同じ高さで直接に、ガスボックス220と接触してもよい。実施形態において、間隙は、5cm未満であってもよく、約4cm以下、約3cm以下、約2cm以下、約1cm以下、約0.5cm以下、約0.1cm以下、または約0cmであってもよく、0cmの場合、上部プレート314は、ガスボックス220と直接接触する。上部プレート314は、送達管216が上部プレート314と接触するかまたは交わる位置に開孔を画定する平らなプレートであってもよい。上部プレート314は、その他の点では、ガスボックス220を前駆体またはプラズマ放出物への曝露から保護するための中実の設計であってもよい。
【0041】
[0052]ガス分配プレート310、環状ライナ312、および上部プレート314のうちの1つ以上が、
図2のガス分配アセンブリ225を構成することができる。これらの部品の各々は、プラズマ放出物および前駆体から不活性であるように、またはプラズマ放出物および前駆体からの影響が低減されるように、コーティングまたは設計されてもよい。例えば、ガス分配プレート310、環状ライナ312、および上部プレート314は、それぞれ、実施形態において、石英から作製されるか、もしくは石英を含んでもよいし、または、フッ素もしくは塩素を含む腐食性材料に対して非反応性であるかもしくは反応性が低い材料で作製もしくはコーティングされてもよい。例えば、ガス分配プレート310、環状ライナ312、または上部プレート314のいずれかが、セラミックであってもよく、またはコーティングもしくは陽極酸化されたアルミニウムであってもよい。ガス分配プレート310は、前駆体またはプラズマ放出物を送達管216から処理チャンバ205の処理領域内に均一に分散させることができ、環状ライナ312および上部プレート314は、処理チャンバ内のさらなる部品を保護するために、使用することができる。例えば、前駆体またはプラズマ放出物が、送達管216から分配されると、前駆体は、ガス分配アセンブリ225内で半径方向外側に流れ、ガス分配プレート310と環状ライナ312と上部プレート314との間に画定されるガス分配アセンブリ225のキャビティを少なくとも部分的に満たすことができる。環状ライナ312および上部プレート314は、反応性の前駆体またはプラズマ放出物が、ガス分配プレート310を通って分配されるまたは流される前にガスボックス220および支持ブラケット312に接触することを、防止することができる。
【0042】
[0053]前駆体が、ガス分配プレート310を通って分配されると、流れは、支持ブラケット305またはスペーサ222に少なくとも部分的に接触する可能性がある。この接触は、チャンバを通る加圧されたまたは真空の流れに基づいて最小化され得る。したがって、送達管216とガス分配プレート310との間の処理チャンバ205の領域は、前駆体がガス分配プレート310を通って流れた後よりも、前駆体のチャンバ内での滞留時間が長い場所であり得る。支持ブラケット305およびガスボックス310の内部に面する表面を含む、処理チャンバ205のさもなければ露出していた部分を、それぞれ環状ライナ312および上部プレート314で覆うことによって、チャンバ部品の寿命を改善することができ、処理チャンバ205の寿命にわたって交換コストを低減することができる。スペーサ222および支持ブラケット305の少なくとも一部分が、アルミニウムであってもよく、ガス分配プレート310を通って分配されたまたは流された後の前駆体またはプラズマ放出物と接触し得る。したがって、スペーサ222および支持ブラケット305、またはこれらの部品の少なくとも露出した表面が、それらの劣化を低減するために、硬質の陽極酸化されたアルミニウムなどの材料でコーティングまたは構成され得る。さらに、これらの材料は、石英、セラミック、または他の非反応性材料もしくは低反応性材料から構成されてもよいし、またはそれらを含んでもよい。
【0043】
[0054]
図4は、本技術の実施形態による例示的な処理チャンバのための送達システム400の概略断面図を示す。
図4は、
図2および
図3に示されたような部品を含むことができ、例えば、RPSユニット210、プラットフォーム212、送達管216、フランジアダプタ218、ガスボックス220および上部プレート314を含むことができる。図示されているように、送達管216は、ガスボックス220によって画定されたアクセス部において処理チャンバ205をRPSユニット210と結合することができる。腐食性であり得るプラズマ放出物への曝露のため、送達管216は、硬質の陽極酸化されたアルミニウムまたはコーティングされたアルミニウムなどの、コーティングまたは保護された材料から構成されるか、またはそれらを含んでもよい。実施形態において、送達管216はまた、プラズマ放出物に曝され得る送達管216の内部に沿って、石英ライナなどのライナを含んでもよい。
【0044】
[0055]1つ以上のガスケットまたはOリング405a~cが、RPSユニット210とプラットフォーム212、プラットフォーム212とフランジアダプタ218、フランジアダプタ218とガスボックス220などの部品間に、含まれてもよい。実施形態において、送達管216をRPSユニット210に結合するアダプタ410が、含まれてもよい。アダプタ410は、少なくとも部分的に石英であってもよく、フランジまたはシムを含むことができる。Oリングもしくはガスケット405a、RPSユニット210、またはプラットフォーム212を腐食させる可能性のあるプラズマ放出物によって接触されることから、Oリングまたはガスケット405aを含む部品を保護するために、アダプタ410のフランジまたはシムは、RPSユニット210と送達管216との間の改善されたシールを可能にすることができる。フランジまたはシムは、実施形態において、フォイルOリングであってもよく、または部品間にシールを提供する他の材料であってもよく、さらに、それらは、コーティング、保護層、または材料選択などで、前駆体またはプラズマ放出物による腐食に対して不活性であるか、または腐食から保護されていてもよい。送達管216はまた、送達管216の出口に結合されたアダプタ415を含むことができる。実施形態において、アダプタ415は、ガスボックス220または上部プレート314と結合されてもよい。実施形態において、アダプタ415は、送達管216を通って送達される前駆体またはプラズマ放出物へのガスボックス220の曝露を低減または防止するような形状に作られた、テーパ形状にされた、フランジを付けられた、または他の方法で調整され得る上部プレート314の適合部であってもよい。
【0045】
[0056]
図5A~
図5Bは、本技術の実施形態によるガス分配プレート310の例示的な構造を示す。
図5Aに示すように、ガス分配プレート310aは、ガス分配プレート310aの中心軸から半径方向外側に広がる開孔の1つ以上のリングを含むことができる。リングは、ガス分配プレート310aを通る流れの量を調整するためにグループ化されてもよいし間隔を置かれて配置されてもよい任意の数の開孔を含むことができる。図示されているように、ガス分配プレート310aは、開孔の4つのリングを含み、半径方向外側の各リングが、より内側のリングよりも大きな直径によって特徴付けられる開孔を含む。実施形態において、リングの数ならびに開孔のサイズおよび形状の両方に調整を行うことができる。例えば、ガス分配プレートは、ガス分配プレート310aの中心軸から半径方向外側に広がる2,3,4,5,6,7,8,9,10、またはそれより多いリングを有してもよい。さらに、各リングに含まれる開孔の数ならびにリング内の各開孔間の間隔を調整することができる。例えば、各リングは、リングごとに、約3以下、約4以下,約5以下,約6以下,約8以下,約10以下,約15以下,約20以下,約25以下,約30以下,約35以下,約40以下,約45以下,約50以下,約60以下,約70以下,約80以下,約90以下、またはそれより多い開孔を有することができる。さらに、各開孔間の間隔は、リングとリングの間だけでなく、1つのリング内でも、1つの開孔から次の開孔まで同様であっても異なっていてもよい。そのような調整は、ガス分配プレート310aを通る流れを最適化するために使用することができる。
【0046】
[0057]
図5Bは、等しいサイズの開孔の複数のリングを有するガス分配プレート310bを示す。図示されているように、1つ以上のリングが、隣接するリングから回転またはオフセットされていてもよい。そのような設計は、ガス分配プレート310bを通るより均一な流れを提供することができる。開孔は、特定のリング内またはリングとリングの間で、ガス分配プレート全体にわたって同様のまたは異なるサイズを有することができる。さらに、開孔間の間隔は、リング内またはリング間で均一であってもよいし、または異なっていてもよい。例えば、例示的なガス分配プレート310bは、約0.1mm~約10mmの均一な開孔サイズを有する複数のリングを含むことができる。開孔サイズは、実施形態において、約1mm~約5mm、または約2mm~約4mmであってもよい。さらに、各リングは、約3~約100個の開孔またはそれより多い開孔を有することができる。例えば、ガス分配プレート310bの内側の方のリングは、より少ない開孔を含むことができ、ガス分配プレート310bの中心から半径方向外側のリングは、より多くの開孔を含むことができる。したがって、リング内の任意の小さな範囲の開孔は、特に、より大きな範囲によって含まれる。
図5Aおよび
図5Bは、ガス分配プレート210の設計および構成の単なる例であり、開孔の位置、サイズおよび形状に対する任意の数の修正が、本技術によってさらに包含される。
【0047】
[0058]
図6は、本技術の実施形態による例示的な処理システム600の一部分の概略断面図を示す。処理システム600は、例えば、
図2に示すシステムと同様の部品を含むことができる。処理システム600は、支持部材614を有するプラットフォーム612上に配置された遠隔プラズマ源(「RPS」)ユニット610を含むことができる。RPSユニット610、プラットフォーム612、および支持部材614は、前述したものと同様であってもよい。処理システム600は、追加のフランジアダプタ618によって支持される送達管616をさらに含むことができ、送達管616が、RPSユニット610と結合されてもよい。送達管616およびフランジアダプタ618は、前述したものと同様の特性を有していてもよいが、寸法は、処理チャンバ605との違いに基づいて
図2の寸法とは異なっていてもよい。例えば、送達管616およびフランジアダプタ618の両方が、
図2に示す処理システムのそれらよりも短い長さ寸法を有してもよい。これらの相違点およびその利点を以下に詳細に説明する。
【0048】
[0059]
図2および
図3に示すように、処理チャンバ205は、処理チャンバ205内で下げられ、スペーサ222上に配置された支持ブラケット205を有するヒンジ付き設計を含むことができる。次いで、ガスボックス220をそれら部品の上に配置し、スペーサ222と結合させることができる。この設計は、支持ブラケット205を交換のために取り外すこと、ならびに処理チャンバ205の製造中に支持ブラケット205を挿入することを困難にする可能性がある。潜在的に、支持ブラケット205は、最初の配置または交換中に、スペーサ222を引っかく可能性がある。スペーサ222がコーティングまたは陽極酸化仕上げを有する場合、表面欠陥またはスクラッチは、前駆体またはプラズマ放出物と接触した場合に腐食または早期に腐食する場所を、提供し得る。したがって、処理チャンバ605は、製造および交換を容易にするための特徴をさらに含む。
【0049】
[0060]処理チャンバ605は、送達管616のための半導体処理チャンバ605へのアクセス部を画定するガスボックス620を含む。ガスボックス620は、送達管616の遠位領域の周りに結合されてもよく、または送達管616は、実施形態において、ガスボックス620を貫通してもよい。ガスボックス620は、フランジアダプタ618が結合される平坦なまたは実質的に平坦な表面を含むことができる。処理チャンバ605はまた、ガスボックス620の平坦なまたは実質的に平坦な表面の反対側の表面に沿ってガスボックス620に接触する第1の環状支持体622を含むことができる。第1の環状支持体622は、環状支持体の第1の表面でガスボックス620と接触することができる。第1の環状支持体622およびガスボックス620は共同で、処理チャンバの内部領域の周りの第1のチャネル623の少なくとも一部を画定することができる。第1のチャネル623は、ガスボックスと第1の環状支持体との境界面に配置されてもよい。第1の環状支持体622は、第1の環状支持体の内径に凹状棚部を画定することができる。ガスボックス620は、ガスボックス620の平坦または実質的に平坦な表面の反対側の表面内に凹状棚部を画定することができる。ガスボックス620によって画定される凹状棚部は、第1の環状支持体622の凹状棚部の位置と一致するように画定されて、第1のチャネル623を画定することができる。ガス分配アセンブリ625が、第1のチャネル内に配置または据え付けられてもよい。
【0050】
[0061]ガス分配アセンブリ625は、前述のように、ガス分配プレート、環状ライナ、および上部プレートを含んでもよいし、またはより少ない数の部品を含んでもよい。例えば、ガス分配アセンブリ625は、第1のチャネル623内に据え付けられたガス分配プレートであってもよい。実施形態において、環状ライナが、ガス分配プレート上に据え付けられ、上部プレートが、環状ライナ上に据え付けられ、環状ライナと上部プレートの両方が、第1のチャネル623内に少なくとも部分的に据え付けられてもよい。ガス分配アセンブリ625の部品は、第1のチャネル623、ガスボックス620、および第1の環状支持体622の表面を、送達管616を介して送達される前駆体またはプラズマ放出物への曝露から保護するように配置され得る。第1のチャネル623が、ガス分配アセンブリ625と同等の寸法を有し、それゆえ、ガス分配アセンブリは、第1のチャネル623内で同じ高さであってもよい。他の実施形態において、第1のチャネルは、前述のような上部プレートとガスボックス620との間と同様に、ガス分配アセンブリの外径に沿って、1つ以上の間隙を有してもよい。
【0051】
[0062]いくつかの実施形態では、第2の環状支持体624が含まれて、第1の環状支持体622の第1の表面の反対側の第1の環状支持体622の第2の表面で第1の環状支持体622と接触してもよい。第2の環状支持体624は、第1の環状支持体622と同様の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第2の環状支持体624は、第1の環状支持体622よりも大きい厚さを有してもよいし、または小さい厚さを有してもよい。第2の環状支持体624もまた、第1の環状支持体622と同様に、第2の環状支持体の内径に凹状棚部を画定することができる。第1の環状支持体622の第2の表面と共に第2の環状支持体624の凹状棚部は、各々、半導体処理チャンバの内部領域の周りに第2のチャネル626を少なくとも部分的に画定することができる。図示されていないが、第1の環状支持体622もまた、ガスボックス620と同様に、第1の環状支持体の第2の表面内に凹状棚部を画定してもよい。この凹状棚部は、ガス分配アセンブリ625の部品と同様の追加の部品を収容するために、第2のチャネル626の高さを増加させることができる。
【0052】
[0063]処理チャンバ605は、第2のチャネル626内に据え付けられた第2のガス分配プレート627を、さらに含むことができる。第2のガス分配プレート627およびガス分配アセンブリ625のガス分配プレートは、同様の設計であっても、異なる設計であってもよく、両方とも、石英または前述したような材料で作製されても、またはそれらを含んでもよい。ガス分配プレートは、互いに同様の開孔配置を有してもよいし、または互いに異なる配置を有してもよく、いずれかまたは両方のガス分配プレートが、
図5A~
図5Bに関して論じた配置と同様の配置を含んでもよい。例えば、ガス分配アセンブリ625の第1のガス分配プレートおよび第2のガス分配プレート627は、同様の形状によって特徴付けられてもよく、各々、個々のガス分配プレートの周りにリング状に配置された複数の開孔を画定してもよい。実施形態において、プレートは、プレートを通る流れの均一性を向上させるために、整列された開孔を有してもよいし、または互いからオフセットされた開孔を有してもよい。図示されていないが、処理チャンバ605は、ペデスタル、ヒータ、および
図2に関連して説明した他の部品をさらに含むことができることを、理解されたい。
【0053】
[0064]ガスボックス620、第1の環状支持体622、および第2の環状支持体624は、処理チャンバ605の内部領域または処理領域の寸法を少なくとも部分的に画定するだけでなく、処理チャンバ605の外側寸法を少なくとも部分的に画定するように、同様の外径を有し、積層されてもよい。部品は、図示のように積み重ねられて、第1のチャネル623および第2のチャネル626を画定することができる。この積み重ねられた設計ならびにガスボックス620の平坦な表面は、より短い支持部材614、アダプタフランジ618、および送達管616を可能にし得る。この異なるガスボックス620の設計は、処理チャンバ605の中に延びる凹部を含まないので、これらの部品の高さは、低減され得る。したがって、送達管616は、処理チャンバ605の内部にアクセスするための長さを短くすることができる。送達管の長さを短縮することによって、処理チャンバ605に送達される前駆体またはプラズマ放出物は、基板へのより短い流路を有することができる。流路の長さを短縮することによって、プラズマ前駆体の解離が維持され、エッチングプロセスは、プラズマ放出物生成からエッチングされる基板または材料との接触までのより長い流路を有するチャンバ内で行われる場合よりも、効率的になり得る。
【0054】
[0065]
図7は、本技術の実施形態による例示的なガス分配プレート725の断面平面図を示す。図は、上述したような、ガス分配プレート725と第1の環状支持体622との結合を、送達管616からの視点と共に示す。図示されているように、ピン631が、第1のチャネル623内のプレートの動きを防止または低減するように、ガス分配プレート725を支持し配置するために、含まれる。
図2におけるような支持ブラケットに据え付けられているのとは異なり、第1の環状支持部材622を利用することによって、ガス分配プレート725の適切な位置または向きを保証するように、直接的な接続を行うことができる。処理チャンバ605は、少なくとも1つのピン631を含むことができ、例えば、ガス分配プレート725を第1の環状支持体622に取り外し可能に結合することができるピン631a、631b、631cなどの任意の数のピンを含むことができる。
【0055】
[0066]ピンは、実施形態において、第1の環状支持体622を貫通して延びて、追加的に第2のガス分配プレート627を第2の環状支持体624にピン留めしてもよいし、または実施形態において、第1の環状支持体622内で止められてもよい。ピンは、単にプレートを相対位置に保持するだけでもよいし、または特に、結合部材の取り外しなしでの部品の引き出しを防止する、例えばボルト、ネジ等の結合部材などで、プレートを所定の位置に固定してもよい。製造中、ガス分配プレート725は、ガスボックス620が第1の環状支持体622と結合する前に、ピン上に動かされてもよい。その場合、ガス分配プレート725が処理中に動くことを防止または実質的に防止することができ、さもなければ、1つ以上の部品に引っかき傷がついたり、コーティング層または保護層が除去または損傷されたりする可能性がある。
【0056】
[0067]
図8は、本技術の実施形態による例示的な処理チャンバ800の一部分の概略断面図を示す。処理チャンバ800は、
図6の処理チャンバ605と同様であってもよく、送達管816、アダプタフランジ818、およびガスボックス820が調整されている。処理システムのいくつかの部品は示されていないが、他の部品は、先に説明した通りであってもよい。示されているように、アダプタフランジ818は、RPSユニットをバイパスし、送達管816および処理チャンバ805に入るように構成された前駆体のためのアクセスを提供するポート825およびチャネル827の少なくとも一部を画定することができる。送達管816もまた、RPSユニットとガスボックス820との間にチャネル827の少なくとも一部分を画定して、半導体処理チャンバ820への前駆体の送達を可能にすることができる。送達管816はまた、RPSユニットからの前駆体またはプラズマ放出物のためのアクセスを提供する1つ以上の開孔828を画定することができる。実施形態において、開孔828は、送達管を回って間隔を空けて配置され、チャネル827を囲んでアクセスを提供することができる。
【0057】
[0068]インサート829が、図に示すように、送達管816内に配置されてもよい。インサート829は、RPSユニットおよび送達管816のチャネル827の少なくとも一部からインサート829の混合領域830へのアクセスを提供することができる。インサート829の混合領域830は、複数の混合セクションによって特徴付けることができる。第1の混合セクション831は、インサート829の混合領域830へのアクセス部からのテーパ形状によって特徴付けることができる。混合領域へのアクセス部は、実施形態において、送達管816の内径以下の直径を有する。インサート829の混合領域830は、第1の混合セクション831に近接した位置から送達管816の出口までの広がる内径によって特徴付けられる第2の混合セクション833を、さらに含むことができる。
【0058】
[0069]混合領域830は、送達管816の内径よりも小さい内径を有する円筒形状によって特徴付けられる第3の混合セクション835を、さらに含むことができる。例えば、第3の混合セクション835は、送達管816の内径の約90%以下の内径を有してもよい。第3の混合セクション835の内径はまた、実施形態において、送達管816の内径の約85%以下、約80%以下、約75%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5%以下であってもよい。第3の混合セクションの内径はまた、実施形態において、送達管816の内径の約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上であってもよい。混合セクションおよびインサートを含めることによって、チャネル827を通って導入された前駆体は、処理チャンバ805に入る前に、RPSユニットを通って導入された前駆体またはプラズマ放出物とより均一に混合され得る。
【0059】
[0070]
図8に示すように、ガスボックス820は、処理チャンバ805に入るまで、RPSユニットから導入された前駆体またはプラズマ放出物から分離した状態に維持され得るバイパス前駆体のためのさらなるアクセスを可能にするために、複数のプレートで作製されてもよい。ガスボックス820は、実施形態において、互いに連結された第1のガスボックスプレート840および第2のガスボックスプレート842を含むことができる。第2のガスボックスプレート842は、第2のガスボックスプレート842の第2の表面に沿って第1の環状支持体622と少なくとも部分的に接触してもよい。ガスボックスプレート842の第2の表面は、第1のガスボックスプレート840と接触している第2のガスボックスプレート842の第1の表面の反対側であってもよい。第2のガスボックスプレート842は、実施形態において、複合チャネルまたは複数のチャネル845を画定することができる。第1のガスボックスプレート840が第2のガスボックスプレートと結合されるとき、流路が、複合チャネルまたは複数のチャネル845を通って画定され得る。第1のガスボックスプレート840は、複数のチャネル845のうちの少なくとも1つのチャネルへのアクセスを提供するポート847をさらに画定することができる。バイパス前駆体が、ポート847を通って導入され、プラズマ放出物とは別に処理チャンバに流入することができる。
【0060】
[0071]
図9は、本技術の実施形態による例示的なガスボックス820構成の断面平面図を示す。上述したように、ガスボックス820は、互いに結合された第1のガスボックスプレート840と第2のガスボックスプレート842とを含むことができる。ガスボックス820の2つのプレートは、送達管816のためのアクセス部を画定する。複合チャネルと見なされてもよい複数のチャネル845が、第2のガスボックスプレート842内に画定される。第1のガスボックスプレート840のポート847は、複数のチャネル845へのアクセス、およびRPSユニットをバイパスすることができる前駆体のためのポート847からの流路へのアクセスを提供することができる。複数のチャネル845は、ポート847を通って導入された前駆体を処理チャンバ805内により均一に分散させるための流れパターンを提供することができる。複数のチャネル845は、ポート847から導入されたバイパス前駆体の再帰的な流れを複数のチャネル845にわたって生成するように画定されてもよい。
【0061】
[0072]第2のガスボックスプレート842は、複数のチャネル845から半導体処理チャンバ805の内部領域へのアクセスを提供する、入口チャネルなどの少なくとも1つのチャネル949を、さらに画定することができる。第2のガスボックスプレート842は、処理領域内への前駆体のより均一な流れを提供するための複数のチャネル949を、さらに画定することができる。第2のガスボックスプレート842によって画定されたチャネル949は、実施形態において、第1のガスボックスプレート840によって画定されたポート847の半径方向外側に配置され、または位置してもよい。このような構成は、第2のガスボックスプレート842内のチャネル949を通って処理チャンバ805に入る前に、チャネル845を通る前駆体のより均一な分布を提供することができる。
【0062】
[0073]
図10は、本技術の実施形態による例示的なガスボックス820の構成の一部分の断面図を示す。上述したように、ガスボックス820は、第1のガスボックスプレート840と第2のガスボックスプレート842とを含むことができる。第2のガスボックスプレート842は、複数のチャネル845と、前述の処理チャンバ805へのアクセスを提供する1つ以上の入口チャネル949とを、画定することができる。前駆体は、RPSユニットをバイパスし、入口チャネル949を通って処理チャンバに入り、前述のガス分配アセンブリ625などのガス分配アセンブリに接触することができる。ガス分配アセンブリ625は、バイパス前駆体がガス分配アセンブリ625に入り、処理のために基板に分配されることを可能にする1つ以上の開孔1025を含み得る上部プレート1020を含むことができる。さらに、または代わりに、上部プレート1020は、開孔1025を含まなくてもよく、この場合、処理チャンバ949に入るバイパス前駆体は、ガス分配アセンブリ625の周りを通って、処理チャンバの処理領域に入ることができる。ガス分配アセンブリ625が据え付けられることができる第1の環状支持体は、バイパス前駆体がガス分配アセンブリ625を通り過ぎることができるノッチを画定してもよい。その場合、バイパス前駆体は、ガス分配アセンブリ625を通過した後まで、RPSユニットから分配された前駆体またはプラズマ放出物から流体的に分離した状態に維持され得る。実施形態において、ガス分配アセンブリ625はまた、バイパス前駆体が上部プレート1020の開孔1025を通ってガス分配アセンブリ625に確実に入るようにするために、ガスボックス820の側壁と同一平面に位置してもよい。
【0063】
[0074]
図11は、本技術の実施形態による基板をエッチングする方法1100を示す。方法1100は、工程1110において、プラズマを発生させながら塩素含有前駆体をRPSユニットに送達して、プラズマ放出物を生成することを、含むことができる。工程1120において、プラズマ放出物が、処理チャンバ内に入って、石英ガス分配プレートを通って流されることができる。工程1030において、プラズマ放出物は、処理チャンバ内に収容された基板をエッチングすることができる。処理チャンバは、これまでのセクションで説明したチャンバのいずれかであってよい。エッチング工程は、実施形態において、約300℃~約500℃の温度で実施されてもよく、実施形態において、約300℃未満であってもよい。
【0064】
[0075]エッチングプロセスは、RPSユニットをバイパスする1種以上の前駆体を、前述のポートのいずれかを通って導入することを、さらに含むことができる。チャンバは、実施形態において、真空下に維持されてもよく、約1トール以上、例えば約3トールまで、約5トールまで、約10トールまで、約20トールまで、またはそれ以上に加圧されてもよい。前述の図面に関連して記載したチャンバの1つで方法1100を実施する場合、チャンバ部品が、プラズマ放出物から保護されてもよい。その結果、チャンバ部品は、保護されていない部品ほど急速に劣化することがなく、従来のチャンバ部品よりもメンテナンスが少なく、洗浄が少なく、交換回数が少なくて済む可能性がある。さらに、記載されたチャンバは、遠隔プラズマユニットから基板までのより短い流路を可能にし、解離した塩素の再結合が少ないために、エッチング工程の効率を高めることができる。
【0065】
[0076]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多くの詳細が述べられている。しかしながら、特定の実施形態は、これらの詳細の一部を伴わずに、または追加の詳細と共に実施され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0066】
[0077]いくつかの実施形態を開示したが、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替構成、および均等物を使用できることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、いくつかの周知のプロセスおよび要素が、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、記載されていない。したがって、上記の説明は、技術の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0067】
[0078]値の範囲が与えられた場合、その範囲の上限と下限の間の中間にある各値も、文脈上そうでないことが明らかである場合を除いて、下限の単位の最小の端数まで、特に開示されていることが理解される。明示されたある範囲内の任意の明示された値または明示されていない中間の値と、その明示された範囲内の任意の他の明示された値または中間の値との間の、任意のより狭い範囲も包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立に、そのより小さな範囲に含められることもあれば、または除外されることもあり、そのより小さな範囲に上限と下限のうちの一方が含まれるか、いずれも含まれないか、または両方が含まれるような各範囲もまた、その明示された範囲内で除外される限界が特定されることを条件に、本技術の範囲に包含される。明示された範囲が、上限と下限のうちの一方または両方を含む場合、その含まれた上限と下限のうちの一方または両方を除外した範囲もまた、含まれる。
【0068】
[0079]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上そうでないことが明らかである場合を除き、複数の参照を含む。したがって、例えば、「開孔」と言うときには、複数のそのような開孔が含まれ、「プレート」と言うときには、1つ以上のプレート、および当業者に知られているその均等物が含まれる、等々である。
【0069】
[0080]さらに、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用されるとき、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、および「含んでいる(including)」という言葉は、明示された特徴、完全体、構成要素または工程の存在を示すことが意図されているが、これらの言葉は、1つ以上の他の特徴、完全体、構成要素、工程、行為またはグループの存在または追加を排除しない。