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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ホットメルト接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 153/02 20060101AFI20220506BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20220506BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20220506BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20220506BHJP
【FI】
C09J153/02
C09J11/08
C09J11/06
C09J7/35
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020535622
(86)(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2018015648
(87)【国際公開番号】W WO2019132322
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181535
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ス・パク
(72)【発明者】
【氏名】テ・ユン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スンワン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・リュ
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503069(JP,A)
【文献】特開2016-204665(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1466953(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A1)
a1)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a2)ジブロック含有量が55重量%以上であり、
a3)ASTM D1238基準により測定された190℃/5kgでの溶融流れ指数が30g/10min以上である、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体;
A2)
a21)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a22)ジブロック含有量(Diblock Content)が5重量%未満であa23)ASTM D1238基準により測定された190℃/5kgでの溶融流れ指数が30~50g/10minである、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体;
B)粘着付与剤;および
C)可塑性オイルを含み;
ASTM D36基準により測定された軟化点が85℃以上である、ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】
140℃で溶融粘度が6500cPs以下であり、160℃で粘度変化率が15%以下である、請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項3】
ASTM D638基準による試験片の製造時、引張強度値が1N/mm以上である、請求項1または2に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項4】
前記スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、1~30重量部で含まれる、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項5】
前記粘着付与剤は、
少なくとも一部が水素化されたロジンエステル系化合物および少なくとも一部が水素化されたジシクロペンタジエン系重合石油樹脂のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項6】
前記粘着付与剤は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、200~400重量部で含まれる、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項7】
前記可塑性オイルは、石油系鉱物油を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項8】
前記可塑性オイルは、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、50~150重量部で含まれる、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物。
【請求項9】
基材;および
前記基材の少なくとも一面に形成され、請求項1~のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物によって形成される、接着層を含む、接着部材。
【請求項10】
前記接着層の厚さは、10~100μmである、請求項に記載の接着部材。
【請求項11】
ASTM D1876基準による、T-剥離強度値が3.9N/cm以上である、請求項または1に記載の接着部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2017年12月27日付の韓国特許出願第10-2017-0181535号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ホットメルト接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)を用いて、熱によって溶融させ、これにより接着面を形成する接着剤であり、既存のUV硬化型接着剤とは異なって揮発性溶剤などを用いず、硬化時に有害物質の排出量が少ないため、環境に優しい高機能性接着剤として好まれている。
【0004】
ホットメルト接着剤は、UV硬化型接着剤より価格が比較的安いだけでなく、高温で液相状態で存在するため、基材または被着剤上に塗布、圧着しやすく、この後、室温で数秒内に冷却および固化されながら接着力を発揮するため、使用が容易である。
【0005】
ホットメルト接着剤は、熱可塑性高分子をベース樹脂として含み、粘着付与剤や粘度調節剤などが添加されることが一般的である。
【0006】
前記ベース樹脂としては、柔軟性に優れ、単価が割安なオレフィン系共重合体や、不飽和芳香族共重合体、または不飽和芳香族弾性共重合体などが幅広く使用されている。
【0007】
このようなホットメルト接着剤は、溶融した状態で被着面に適用され、この後、冷却されながら凝集性と、耐クリープ性などを有する硬質の相(phase)を形成するため、オムツ、女性衛生用品や、産業用テープ、包装テープなどの減圧接着剤(pressure sensitive adhesive)電子製品製造、構造用材料など、多様な産業分野で幅広く使用されている。
【0008】
ホットメルト接着剤は、ベース樹脂と添加剤などが含まれるため、相溶性などの理由から、相分離およびブリーディング現象が発生して接着力が減少する問題が発生し、粘度が高くて、接着のための溶融加工時、相対的に高い温度条件が要求され、特に、このような加工温度条件で、粘度変化、臭い発生、変色などの問題が発生することがあって、溶融温度を相対的に低下させた、低粘度製品に対する需要が増加している。
【0009】
しかし、低温加工が可能な低粘度ホットメルト接着剤は、粘度保持率が低下して、接着力に問題が発生しやすく、軟化点など、耐熱性が低い問題点がある。
【0010】
したがって、低粘度特性を保持して、加工工程性を改善できながらも、接着力および耐熱性に優れ、硬化後の機械的物性にも優れたホットメルト接着剤の開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、低粘度特性を有することによって、相対的に低い温度で溶融加工が可能で、工程性を改善できながらも、接着力および耐熱性に優れ、硬化後の機械的物性にも優れたホットメルト接着剤を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
A1)
a1)スチレン系単位の含有量が30~50wt%であり、
a2)ジブロック含有量が55重量%以上であり、
a3)ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が30g/10min以上である、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体;
A2)
a21)スチレン系単位の含有量が30~50wt%であり、
a22)ジブロック含有量(Diblock Content)が5重量%未満である、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体;
B)粘着付与剤;および
C)可塑性オイルを含み;
ASTM D36基準により測定された軟化点が85℃以上である、ホットメルト接着剤組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、
基材;および
前記基材の少なくとも一面に形成され、上述したホットメルト接着剤組成物によって形成される、接着層を含む、接着部材を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のホットメルト接着剤組成物によれば、低粘度特性を保持することによって、相対的に低い温度で溶融加工が可能で、工程性を改善できながらも、接着力および耐熱性に優れ、特に、硬化後の機械的物性にも優れていて、多様な産業分野で使用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一態様によるホットメルト接着剤組成物は、
A1)
a1)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a2)ジブロック含有量が55重量%以上であり、
a3)ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が30g/10min以上である、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体;
A2)
a21)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a22)ジブロック含有量(Diblock Content)が5重量%未満である、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体;
B)粘着付与剤;および
C)可塑性オイルを含み;
ASTM D36基準により測定された軟化点が85℃以上である。
【0016】
そして、発明の一例によれば、前記ホットメルト接着剤組成物は、140℃で溶融粘度が7000cPs以下、好ましくは、約6400cPs以下、または約5500~約6500cPsであってもよく、160℃で粘度変化率が約15%以下であってもよい。
【0017】
そして、前記ホットメルト接着剤組成物に含まれる前記スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が約30~約50g/10minであってもよい。
【0018】
また、前記ホットメルト接着剤組成物は、ASTM D638基準による試験片の製造時、引張強度値が約1N/mm以上、好ましくは約1.1N/mm以上、さらに好ましくは約1.1~約1.5N/mmであってもよい。
【0019】
前記スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約1~約30重量部、好ましくは約10~約25重量部で含まれる。
【0020】
そして、前記ホットメルト接着剤組成物に含まれている前記粘着付与剤は、少なくとも一部が水素化されたロジンエステル系化合物および少なくとも一部が水素化されたジシクロペンタジエン系重合石油樹脂のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0021】
そして、前記粘着付与剤は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約200~約400重量部、または約250~約350重量部で含まれる。
【0022】
前記可塑性オイルは、石油系鉱物油を含むことができる。
【0023】
そして、前記可塑性オイルは、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約50~約150重量部で含まれる。
【0024】
一方、本発明の他の態様によれば、
基材;および
前記基材の少なくとも一面に形成され、前記ホットメルト接着剤組成物によって形成される、接着層を含む、接着部材が提供される。
【0025】
この時、前記接着層の厚さは、約10~約100μmであり、好ましくは約30~約70μmであってもよい。
【0026】
そして、前記接着部材は、ASTM D1876基準による、T-剥離強度値が3.9N/cm以上、好ましくは約3.9~約5.9N/cm、または、約3.9~約4.7N/cmであってもよい。
【0027】
また、本明細書で使用される用語は単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0028】
さらに、本発明において、各層または要素が各層または要素の「上に」形成されると言及される場合には、各層または要素が直接各層または要素の上に形成されることを意味したり、他の層または要素が各層の間、対象体、基材上に追加的に形成され得ることを意味する。
【0029】
本明細書において、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、またはスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体中、ジブロック含有量(Diblock Contents)とは、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、またはスチレン-イソプレン共重合体に対してカップリング反応を進行させてトリブロック共重合体を製造する過程で、カップリングが行われず、スチレン-ブタジエン、あるいはスチレン-イソプレンジブロックの形態で残存する共重合体の含有量を意味する。
【0030】
つまり、本明細書で説明するスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、またはスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、重合反応およびカップリング反応が完全に進行して、スチレン-ブタジエン-スチレンまたはスチレン-イソプレン-スチレントリブロックだけを含む形態であってもよく、トリブロック、上述したジブロック、および未反応モノマーを含む混合物の形態であってもよい。
【0031】
また、トリブロック共重合体において、ジブロックの含有量は、GPCなど、共重合体の分子量分布を測定して、全体重量対比(100重量%)、それに含まれているジブロックの比率(重量%)を意味する。
【0032】
本発明は、多様な変更が加えられて様々な形態を有し得ることから、特定の実施例を例示して下記に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0033】
一般に、ホットメルト接着剤組成物は、その用途と特性によって、粘着性、粘着保持力、剥離強度などの接着関連の物性を確保することが非常に重要であるが、このような物性は、ホットメルト接着剤組成物に含まれている熱可塑性樹脂、つまり、ベース樹脂の成分に応じて大きく異なる。
【0034】
極性が小さいオレフィン共重合体を用いる場合、十分な接着性を確保しにくく、熱可塑性弾性共重合体などを用いる場合、粘度が高くて作業性が低下することがあり、非晶質アルファオレフィン共重合体などを用いる場合には、凝集力が低くて、同じく作業性が良くないという欠点がある。
【0035】
スチレン系共重合体の場合、耐熱性に優れ、粘度が相対的に低くて加工性にも優れており、粘着付与剤(tackifier)や可塑剤(オイル)など、一緒に使用される他の成分との優れた利点があり、このうち、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体が最も好ましい。
【0036】
ただし、このような物性は、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体高分子の構造的特徴に応じて異なり得る。
【0037】
このような観点から、本発明の一態様による、ホットメルト接着剤組成物に使用される、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体は、
a1)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a2)ジブロック含有量が55重量%以上であり、
a3)ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が30g/10min以上である。
【0038】
まず、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体は、スチレン系単位の含有量が30~50重量%、好ましくは約35~約50重量%、さらに好ましくは約45~約50重量%であってもよい。
【0039】
スチレン系単量体は、ガラス転移温度(Tg)値が常温より高いため、共重合体の重合時、相対的に硬い性質を有するハードセグメント単位を形成し、ブタジエン系単量体は、ガラス転移温度値が常温より低くて、共重合体の重合時、相対的に柔軟な性質を有するソフトセグメント単位を形成する。
【0040】
このような性質を考慮した時、前記スチレン系単量体に由来するスチレン系単位の含有量が低すぎる場合、ホットメルト接着剤組成物の硬度が低くなって、耐熱性が低下する問題点が発生し、また、硬化後、機械的物性が低下する問題点が発生しうる。
【0041】
そして、スチレン系単量体に由来するスチレン系単位の含有量が高すぎる場合、ホットメルト接着剤組成物の硬度が高くなり、粘度も上昇して、加工物性が低下し、接着力も低下する問題点が発生しうる。
【0042】
そして、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体は、ジブロック含有量が55重量%以上、好ましくは約60重量%以上、さらに好ましくは約60~約65重量%であってもよい。
【0043】
上述したスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体において、スチレン-ブタジエンジブロック含有量が前記範囲を満足する場合、粘度が減少する現象が明確に確認され、このような粘性の増加によって、接着力が向上できる。
【0044】
また、ホットメルト接着剤組成物の製造時、高軟化点および高流動特性を付与するためには、一般に、ポリオレフィン系の添加剤を使用したり、このような添加剤の含有量を増加させなければならないが、この場合、粘度以外の他の物性に変化が生じる問題点が発生しうるのに対し、本願の場合、上述したスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体を用いて、粘度などの物性を容易に調節できながらも、他の物性の変化が発生しないという利点がある。
【0045】
そして、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体は、ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が30g/10min以上、好ましくは、約40~約50g/10min、または約45~約50g/10minであってもよい。
【0046】
このように、ホットメルト接着剤組成物のベース樹脂である、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体の溶融流れ指数が、前記範囲に入ることによって、ホットメルト接着剤組成物の低温流れ性が改善され、接着力および凝集力が向上して、相対的に低い温度でも優れた加工性を有することができる。
【0047】
一方、本発明の一態様による、ホットメルト接着剤組成物は、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体のほか、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体をさらに含む。
【0048】
このようなスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、ホットメルト接着剤組成物によって形成された接着面において、機械的、熱的安定性を増加させることができる。また、ブロック共重合体の内部に存在するイソプレンブロックの影響から、接着剤組成物の凝集力が向上して、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体のみ単独で使用する場合に比べて、引張強度および接着力を向上させることができ、これに加えて、高軟化点特性を付与することができる。
【0049】
このようなスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、
a21)スチレン系単位の含有量が30~50重量%であり、
a22)ジブロック含有量(Diblock Content)が5重量%未満、好ましくは約1重量%未満であってもよいし、線状ブロック共重合体であり得る。
【0050】
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体において、ジブロック含有量が多くなる場合、トリブロック共重合体の溶融関連の物性が過度に高くなって、むしろ接着力を低下させる問題点が発生しうる。
【0051】
このような特徴によって、前記スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、ASTM D1238基準により測定された溶融流れ指数が約30~約50g/10minであってもよい。
【0052】
本発明の一例によるホットメルト接着剤組成物は、140℃で溶融粘度が約7000cPs以下、好ましくは、約6400cPs以下、または約5500~約6500cPsであってもよく、160℃で粘度変化率が約15%以下であってもよい。
【0053】
上記のように、本発明の一例によるホットメルト接着剤組成物は、相対的に低粘度特性を有し、エージング後にも、粘度に変化がほとんど生じることなく、低い温度で溶融加工が可能で、工程性を改善できながらも、接着力および耐熱性に優れた効果を実現することができる。
【0054】
また、前記ホットメルト接着剤組成物は、約1N/mm以上、好ましくは約1.1N/mm以上、さらに好ましくは約1.1~約1.5N/mmであってもよい。
【0055】
具体的には、本発明の一実施例によるホットメルト接着剤組成物を溶融させ、ASTM D638基準に合わせた形態の硬化試験片を製造する場合、前記のような引張強度値を有することができる。
【0056】
このような引張強度値は、接着剤による接着面の形成時、接着面の耐久性および物理的安定性を代弁する物性であり、本発明の一実施例によるホットメルト接着剤組成物は、前記のような引張強度値を有することによって、優れた接着耐久性を実現することができる。
【0057】
前記スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約1~約30重量部、好ましくは約10~約25重量部で含まれる。
【0058】
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体の含有量が過度に少なくなる場合、接着面の機械的耐久性および熱的安定性が低下する問題点が発生し、含有量が過度に多くなる場合、粘度が増加して、むしろ接着物性が低下し、一緒に使用される粘着付与剤や、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体との相溶性の問題が発生しうる。
【0059】
そして、前記ホットメルト接着剤組成物に含まれている前記粘着付与剤は、少なくとも一部が水素化されたロジンエステル系化合物および少なくとも一部が水素化されたジシクロペンタジエン系重合石油樹脂のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0060】
ここで、ロジンとは、アビエチン酸(Abietic acid)、アビエチン酸から水素が除去されたデヒドロアビエチン酸(Dehydro-)、および2つまたは4つの水素が添加されたジヒドロ、またはテトラヒドロアビエチン酸(Dihydro-、Tetrahydro-)をすべて含む概念で、アビエチン酸および水素が2つ添加されたジヒドロアビエチン酸は、二重結合の位置によって、多様な異性体をすべて含む概念として使用される。
【0061】
デヒドロアビエチン酸の場合、下記の化学式によって表される。
【0062】
【化1】
【0063】
つまり、デヒドロアビエチン酸は、2つの二重結合を含む、アビエチン酸構造において、2つの水素が除去され、芳香族環が形成されて、前記ロジン類化合物のうち最も安定した形態を有する。
【0064】
そして、ロジン類化合物の基本形態として見なされるアビエチン酸の場合、下記の化学式2によって表される。
【0065】
つまり、アビエチン酸は、三重環化合物において、2つの二重結合がコンジュゲーションされて、安定した形態を有しており、このようなコンジュゲーション二重結合によって、特有の色が発現する。また、アビエチン酸は、上記の構造において、二重結合の位置が容易に変化可能であり、これにより、多様な形態の異性体を有するが、このような異性体も大部分コンジュゲーションされた二重結合を有して、それによる特有の色を有するようになる。
【0066】
ジヒドロアビエチン酸の場合、前記アビエチン酸異性体に2つの水素が添加されて、分子内に1つの二重結合だけを有するが、その二重結合の位置は、水素添加前、アビエチン酸の異性体構造に応じて異なり得る。
【0067】
また、アビエチン酸に4つの水素が添加されたテトラヒドロアビエチン酸の場合、すべての二重結合に水素が添加されて、飽和した脂肪族三重環形態を有し、これにより、二重結合を備えるアビエチン酸誘導体に比べて、安定性が高く、色が現れない特徴を有している。
【0068】
つまり、デヒドロアビエチン酸は、2つの二重結合を含む、アビエチン酸構造において、2つの水素が除去され、芳香族環が形成されて、前記ロジン類化合物のうち最も安定した形態を有する。
【0069】
そして、ロジン類化合物の基本形態として見なされるアビエチン酸の場合、下記の化学式によって表される。
【0070】
【化2】
【0071】
つまり、アビエチン酸は、三重環化合物において、2つの二重結合がコンジュゲーションされて、安定した形態を有することができる。このような二重結合は、その位置が容易に変化可能であり、これにより、多様な形態の異性体を有するが、このような異性体も大部分コンジュゲーションされた二重結合を有するようになる。
【0072】
ジヒドロアビエチン酸の場合、前記アビエチン酸異性体に2つの水素が添加されて、分子内に1つの二重結合だけを有するが、その二重結合の位置は、水素添加前、アビエチン酸の異性体構造に応じて異なり得る。
【0073】
また、アビエチン酸に4つの水素が添加されたテトラヒドロアビエチン酸の場合、すべての二重結合に水素が添加されて、飽和した脂肪族三重環形態を有し、これにより、二重結合を備えるアビエチン酸誘導体に比べて、安定性が高く、色が現れない特徴を有している。
【0074】
そして、上記でいうロジンエステル系化合物は、上述したアビエチン酸、あるいは水素添加されたアビエチン酸構造を基本として、アビエチン酸のカルボキシル基を、アルコール、またはポリオールのOH基と反応させてエステル化したものであり、これも、天然ロジンまたは変性ロジンのエステル化物をすべて含む。前記アルコールまたはポリオールは、例えば、炭素数1~20の脂肪族アルコールで、モノアルコール、ジオール、トリオール、テトラオール、ペンタオールの形態であってもよいし、さらに具体的には、例えば、メタノール、エタノール、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、またはペンタエリスリトールなどであってもよい。ポリオールが使用される場合、アビエチン酸は、ポリオールのヒドロキシル基全体あるいは一部とエステル化反応を起こすことができ、これにより、モノエステル、ジエステル、ターナリーエステル、またはクォータナリーエステルなどの、多価エステルが形成される。
【0075】
本発明で使用される粘着付与剤において、少なくとも一部が水素化されたロジンエステル系化合物を含むというのは、上述したアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、およびテトラヒドロアビエチン酸からなる群より選択された1種以上を必ず含むものとして説明できる。
【0076】
そして、前記ジシクロペンタジエン系重合石油樹脂は、原油を精製して得られるナフサ(Naphtha)を高温で分解する、ナフサクラッキング工程で副産物として生成される、C5、つまり、シクロペンタジエン油分から製造されるC9-ジシクロペンタジエンを含む石油樹脂を意味する。
【0077】
ナフサクラッキング工程で発生するシクロペンタジエンは、ほとんどの場合、二量化されてジシクロペンタジエン構造で存在するが、シクロペンタジエンとその二量体であるジシクロペンタジエンは、ディールス・アルダー反応およびレトロディールス・アルダー反応によって、相互転換が可能であり、特に、シクロペンタジエンは、熱重合または触媒重合によってジシクロペンタジエンとして重合できる。
【0078】
したがって、本発明で使用される粘着付与剤が少なくとも一部が水素化されたジシクロペンタジエン系重合石油樹脂を含むというのは、上述したジシクロペンタジエン系重合石油樹脂に含まれているジシクロペンタジエン系化合物のうち少なくとも一部のジシクロペンタジエンに、水素が添加されて、ジシクロペンタンおよびジシクロペンタジエンをすべて含むことを意味することができる。
【0079】
発明の一実施例によれば、前記粘着付与剤は、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約200~約400重量部、または約250~約350重量部で含まれる。
【0080】
粘着付与剤が過度に少なく含まれる場合、粘着付与効果が不十分で、ホットメルト接着剤組成物において、粘着、接着関連の物性が十分に発揮されない問題点が発生し、粘着付与剤が過度に多く含まれる場合、接着成分の凝集力が低下して、同じく、接着関連の物性が低下する問題点が発生しうる。
【0081】
そして、前記ホットメルト接着剤組成物に含まれている前記可塑性オイルは、石油系鉱物油を含むことができる。
【0082】
石油系鉱物油(Mineral oil)は、原油を石油に精製する過程で生成される液体副産物であって、液体パラフィンとも呼ばれ、代表的に、n-アルカンベースのパラフィン系オイル(Paraffinic oil)、シクロアルカンベースのナフテン系オイル(Naphthenic oil)、芳香族炭化水素ベースの芳香族系オイル(Aromatic oil)があり、本発明において、石油系鉱物油は、上述したオイルおよびこれを改質したオイルをすべて含む概念である。
【0083】
本発明の一例によれば、前記石油系鉱物油は、パラフィン系オイル(Paraffinic oil)であることが好ましく、触媒の存在下、水素処理(Hydrotreated)および/または脱ワックス処理(Dewaxed)によって改質されたホワイトオイルなどがさらに好ましい。
【0084】
具体的には、水素処理および/または脱ワックス処理によって改質されたパラフィン系オイル(Paraffinic oil)は、水素処理された重パラフィン蒸留液(Hydrotreated heavy paraffinic distillate;CAS登録番号64742-54-7)または水素処理された軽パラフィン蒸留液(Hydrotreated light paraffinic distillate;CAS登録番号64742-55-8)、溶剤-脱ワックス化された重パラフィン蒸留液(Solvent-dewaxed heavy paraffinic distillate;CAS登録番号64742-65-0)、溶剤-脱ワックス化された軽パラフィン蒸留液(Solvent-dewaxed light paraffinic distillate;CAS登録番号64742-56-9)、水素処理および脱ワックス化された重パラフィン蒸留液(Hydrotreated and dewaxed heavy paraffinic distillate;CAS登録番号91995-39-0)、および水素処理および脱ワックス化された軽パラフィン蒸留液(Hydrotreated and dewaxed light paraffinic distillate;CAS登録番号91995-40-3)からなる群より選択される1種以上から構成されるが、本発明が必ずしもこれに限定されるものではない。
【0085】
そして、前記可塑性オイルは、前記スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、約50~約150重量部、好ましくは、約70~約130重量部、または約90~約110重量部で含まれる。可塑性オイルの含有量が少なすぎる場合、流動性および低温加工性が低下する問題点が発生し、可塑性オイルの含有量が多すぎる場合、粘度が過度に増加して接着性能がむしろ低下する問題点が発生しうる。
【0086】
また、本発明の一実施例による、ホットメルト接着剤組成物は、必要に応じて、公知の光安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0087】
このような添加は、接着物性、加工性、および接着後の機械的物性の低下を防止する側面から、全体組成物対比、約0.1~約10重量%含まれる。
【0088】
一方、本発明の他の態様によれば、
基材;および
前記基材の少なくとも一面に形成され、上述したホットメルト接着剤組成物によって形成される、接着層を含む、接着部材が提供される。
【0089】
前記接着部材は、フィルムやテープなどの形態であってもよく、前記基材は、1層、あるいは2層以上の積層構造を有するフィルムなどであってもよい。
【0090】
前記基材フィルムは、紙や、ガラス、あるいは不織布材質であってもよいが、プラスチック材質であることが好ましい。このようなプラスチック材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;ポリアミド;ポリイミド;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースなどのセルロース類;フッ素系樹脂;ポリエーテル;ポリエーテルアミド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂などが挙げられる。また、前記材料は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0091】
なかでも、前記プラスチック強度、取扱性、費用、寸法安定性、光学物性などを考慮して、ポリエステルやセルロース類、アクリル樹脂などが好ましい。
【0092】
そして、前記接着層の厚さは、約10~約100μmであり、好ましくは約30~約70μmであってもよい。
【0093】
発明の一実施例によれば、前記接着部材は、ASTM D1876基準による、剥離強度、T-剥離強度値が3.9N/cm以上、好ましくは、約3.9~約5.9N/cm、または、約3.9~約4.7N/cmで、優れた接着力を有するものであってもよい。
【0094】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳述する。ただし、このような実施例は発明の例として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるものではない。
【実施例
【0095】
スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体
調製例1
高圧反応器にシクロヘキサン5000gを投入し、スチレン400gを添加した後、約400rpmで撹拌しながら反応器の温度を約60℃まで昇温させた。
【0096】
触媒としてn-ブチルリチウム(3wt% in Cyclohexane)50gを投入し、約5kgf/cmの圧力下で約130℃まで昇温させながら、溶液重合反応を進行させた。
【0097】
反応温度が130℃に到達して約5分後、60℃に冷却して、温度を維持しながらブタジエン700gを投入し、約5kgf/cmの圧力下で再び130℃まで昇温させながら、重合反応を実施した。
【0098】
反応器の温度が最大温度を示すと、スチレン反応と同一にブタジエン反応が終結したと判断した。
【0099】
反応温度が130℃に到達して約5分後、前記n-ブチルリチウムと同一当量のカップリング剤(KA-22、製造会社:Shin-Etsu)を投入し、5分間反応をさらに進行させて、トリブロック共重合体を製造した。
【0100】
この後、水約0.1gを投入して、反応を終結させた。
【0101】
調製例2
スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体である、Globalprene3545(LCY Chemical Corp.)を用意した。
【0102】
調製例3
スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体である、Taipol4270(TSRC Corp.)を用意した。
【0103】
前記調製例のスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体の特徴を下記表1にまとめた。
【0104】
【表1】
【0105】
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体
調製例4
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体である、Vector4411(TSRC Corp.)を用意した。
【0106】
調製例5
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体である、Vector4113(TSRC Corp.)を用意した。
【0107】
前記調製例のスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体の特徴を下記表2にまとめた。
【0108】
【表2】
【0109】
ホットメルト接着剤組成物の製造
lLのガラスビーカーに、可塑性オイルとしてwhite mineral oilのKaydol(Sonneborn)、粘着付与剤として水添ジシクロペンタジエン系重合石油樹脂のEscorez5600(ExxonMobil)、酸化防止剤としてIrganox1010、安定剤としてIrgafos168、紫外線吸収剤としてTinuvin P(以上、BASF)を入れて、150℃のコンベクションオーブンにて約30分間加熱した。次に、ガラスビーカーを150℃のheating Mantleに固定させ、100rpmで撹拌して、ビーカーの内部温度が150℃に到達した後、150rpmに速度を高めて追加撹拌した。
【0110】
これに、前記調製例のスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体をゆっくり滴加し、200rpmの速度で4時間撹拌してスチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体を完全に溶解させて、ホットメルト接着剤組成物を製造した。
【0111】
ホットメルト接着剤組成物の組成は下記表3の通りである。
【0112】
【表3】
【0113】
接着部材の製造
前記実施例および比較例のホットメルト接着剤組成物を180℃で5分程度加熱して溶融を確認し、これを180℃のapplicator上にあるPET基材上に塗布した後、bladeを用いて接着層の厚さが50μmとなるようにコーティングし、同一のPET基材を蓋フィルムとして、同時に接合させて接着部材を製造した。
【0114】
実験例
粘度(viscosity)の測定
前記ホットメルト接着剤組成物約10gを、サンプルチャンバ(sample chamber)に入れて、ブルックフィールド粘度計(DV2+ Model、Spindle Number27)を用いて、140℃および160℃で粘度を30分間測定した。
【0115】
この後、前記ホットメルト接着剤組成物を24時間、同一の条件で放置した後、同一の方法で粘度を測定して、140℃および160℃で粘度減少率を計算した。(関連規格:ASTM D4402)
【0116】
軟化点の測定
Automatic Softening Point Analyzer RB 365G Modelを用いて、リング(ring)に前記ホットメルト接着剤組成物を十分に入れて、1時間放置した後、ボール(直径:9.525mm、重量:3.5g)を載せた。試料を5℃/minの速度で昇温させながら加熱し、ボールが1インチ傾いた時の温度を測定した。(関連規格:ASTM D36)。
【0117】
接着物性の測定
上記で製造された接着部材を、Texture Analyzer(TA)を用いて、T-peel方式で、接着力を測定した。接着部材サンプルは1インチの幅および100mmの長さに裁断し、常温で0.3m/minの速度条件で測定した。(関連規格:ASTM D1876)。
【0118】
引張強度の測定
前記ホットメルト接着剤組成物を溶融させた後、ASTM D638のtype IV規格により試験片を作製し、引張強度を測定した。(関連規格:ASTM D638)。
【0119】
前記測定した値を下記表4にまとめた。
【0120】
【表4】
【0121】
前記表3を参照すれば、本願発明の実施例によるホットメルト接着剤組成物の場合、比較例に比べて軟化点が高いながらも、低粘度特性を有することが分かる。
【0122】
また、一般的な接着剤使用温度と見なされる約140℃あるいは、約160℃の温度で、粘度の変化が非常に小さくて、優れた接着安定性を実現可能であることを明確に確認することができ、これと同時に、比較例に比べて約50%以上向上した引張強度値を有して、接着面の耐久性および機械的物性が非常に優れることが期待される。