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特許7066920プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220506BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021515498
(86)(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2018053383
(87)【国際公開番号】W WO2020068107
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボウミック・ラナディープ
(72)【発明者】
【氏名】ホランド・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コザケビッチ・フェリックス・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ビング
(72)【発明者】
【氏名】マラクタノフ・アレクセイ
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0062187(US,A1)
【文献】国際公開第2018/169631(WO,A1)
【文献】米国特許第09984859(US,B2)
【文献】特開2014-082205(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064194(US,A1)
【文献】特開2006-304585(JP,A)
【文献】特開2010-108839(JP,A)
【文献】米国特許第09872373(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割することであって、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近い、波形サイクルの分割と、
複数の周波数オフセットのうちの対応する一つの周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整することと、
を含み、
前記周波数オフセットの各々は、前記波形サイクルが正であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数から前記LF RF発生器の周波数の整数値を減算し、前記波形サイクルが負であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数に前記LF RF発生器の前記周波数の整数値を加算することによって計算される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記LF RF発生器の前記波形サイクルの前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を前記調整することにより、電力を前記プラズマチャンバの前記電極に供給するときに前記HF RF発生器の前記周波数を調節するために使用される周波数調整波形を生成する、方法。
【請求項3】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割することであって、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近い、波形サイクルの分割と、
複数の周波数オフセットのうちの対応する一つの周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整することと、
を含み、
前記LF RF発生器の前記波形サイクルの前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を前記調整することにより、電力を前記プラズマチャンバの前記電極に供給するときに前記HF RF発生器の前記周波数を調節するために使用される周波数調整波形を生成し、
前記周波数調整波形は、前記波形サイクルの形状と比較して実質的に逆の形状である、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
処理動作中に前記HF RF発生器の前記周波数が前記周波数調整波形に調節されると、前記LF RF発生器によって供給される電力および前記HF RF発生器によって供給される電力について、反射電力に対する送出電力の比が増加する、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
前記周波数調整波形は、前記LF RF発生器の特定周波数に対して生成され、
前記LF RF発生器の前記特定周波数の変更に対して、対応する変更周波数調整波形が使用される、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の周波数オフセットは、前記LF RF発生器によって供給される電力と、前記HF RF発生器によって供給される電力と、の電力比に比例する範囲内にある、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
インピーダンス整合回路にコンデンサ値を設定し、前記プラズマチャンバの前記電極に送出される電力量を制御することをさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記始点における前記ゼロ交差のうちの1個目は、正の勾配を有する正の交差であり、前記中点における前記ゼロ交差のうちの2個目は、負の勾配を有する負の交差であり、前記終点における前記ゼロ交差のうちの3個目は、正の勾配を有する正の交差である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の時間間隔は、均等である、方法。
【請求項10】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割することであって、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近い、波形サイクルの分割と、
対応する周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整することと、
を含み、
前記HF RF発生器の前記周波数を前記調整することにより、エッチング速度の半径方向の均一性を増加させる、方法。
【請求項11】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するコントローラであって、
プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリデバイスとを備え、
前記プロセッサは、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割し、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近く、
複数の周波数オフセットのうちの対応する一つの周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整し、
前記波形サイクルが正であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数から前記LF RF発生器の周波数の整数値を減算し、前記波形サイクルが負であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数に前記LF RF発生器の前記周波数の整数値を加算することによって前記周波数オフセットの各々を計算するように構成され、
前記メモリデバイスは、前記複数の周波数オフセットを格納するように構成される、
コントローラ。
【請求項12】
請求項11に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記LF RF発生器の前記波形サイクルの前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整して周波数調整波形を提供するように構成され、前記プロセッサは、電力が前記プラズマチャンバの前記電極に供給されるとき、前記周波数調整波形に従って前記HF RF発生器の前記周波数を調節するように構成される、コントローラ。
【請求項13】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するコントローラであって、
プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリデバイスとを備え、
前記プロセッサは、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割し、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近く、
対応する周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整し、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数が調整されて周波数調整波形が提供されるように構成され、前記周波数調整波形は、前記波形サイクルの形状と比較して実質的に逆の形状であり、
電力が前記プラズマチャンバの前記電極に供給されるとき、前記周波数調整波形に従って前記HF RF発生器の前記周波数を調節するように構成され、
前記メモリデバイスは、前記複数の周波数オフセットを格納するように構成される、
コントローラ。
【請求項14】
請求項12に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記周波数調整波形を使用して前記HF RF発生器の前記周波数を調節し、前記電極に送出される電力に関連する比である、反射電力に対する送出電力の比を増加させるように構成される、コントローラ。
【請求項15】
請求項12に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記LF RF発生器の特定周波数に対して前記周波数調整波形を設定するように構成され、前記プロセッサは、前記LF RF発生器の前記特定周波数の変更に対して、対応する変更周波数調整波形を使用するように構成される、コントローラ。
【請求項16】
請求項11に記載のコントローラであって、
前記プロセッサは、インピーダンス整合回路にコンデンサ値を設定し、前記プラズマチャンバの前記電極に送出される電力量を制御するように構成される、コントローラ。
【請求項17】
請求項11に記載のコントローラであって、
前記始点における前記ゼロ交差の1つは、正の勾配を有する正の交差であり、前記中点における前記ゼロ交差のもう1つは、負の勾配を有する負の交差であり、前記終点における前記ゼロ交差のさらにもう1つは、正の勾配を有する正の交差である、コントローラ。
【請求項18】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器の周波数を含むプロセス動作を選択することと、
複数の周波数調整波形のデータベースにアクセスすることと、
前記プロセス動作のために前記複数の周波数調整波形の1つを選択することであって、前記選択された周波数調整波形は、前記LF RF発生器の前記周波数に対して最適化されることと、
電力が前記プラズマチャンバの前記電極に送出されている間、前記選択された周波数調整波形を前記HF RF発生器に適用することであって、前記複数の周波数調整波形は、前記HF RF発生器の基準周波数に対する調整であり、前記選択された周波数調整波形を前記適用することにより、前記HF RF発生器に向かって反射される電力を低減することと
を含み、
前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力は、前記LF RF発生器の動作の波形サイクルの約半分の間、低減し、前記LF RF発生器の動作の前記波形サイクルの残りの半分の間、増加する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記複数の周波数調整波形の各々は、複数の周波数オフセットによって表される、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記波形サイクルの前記約半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記負の交差は、前記正の交差に続く、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
前記波形サイクルの前記約半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記正の交差は、前記負の交差に続く、方法。
【請求項22】
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するコントローラであって、
メモリデバイスと、前記メモリデバイスに結合されたプロセッサとを備え、
前記メモリデバイスは、複数の周波数調整波形のデータベースを格納するように構成され、
前記プロセッサは、
前記LF RF発生器の周波数を含むプロセス動作を選択し、
前記複数の周波数調整波形の前記データベースにアクセスし、
前記プロセス動作のために前記複数の周波数調整波形の1つを選択し、前記選択された周波数調整波形は、前記LF RF発生器の前記周波数に対して最適化され、
電力が前記プラズマチャンバの前記電極に送出されている間、前記選択された周波数調整波形を前記HF RF発生器に適用し、前記複数の周波数調整波形は、前記HF RF発生器の基準周波数に対する調整であるように構成され、
前記選択された周波数調整波形は、前記LF RF発生器の動作の波形サイクルの半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される電力を低減し、前記LF RF発生器の動作の前記波形サイクルの残りの半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力を増加させるように、適用される、コントローラ。
【請求項23】
請求項22に記載のコントローラであって、
前記複数の周波数調整波形の各々は、複数の周波数オフセットによって表される、コントローラ。
【請求項24】
請求項22に記載のコントローラであって、
前記波形サイクルの前記半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記負の交差は、前記正の交差に続く、コントローラ。
【請求項25】
請求項22に記載のコントローラであって、
前記波形サイクルの前記半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記正の交差は、前記負の交差に続く、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマツールは、無線周波数発生器(RFG)と、インピーダンス整合ネットワークと、プラズマチャンバとを含む。RFGは、インピーダンス整合ネットワークを介してプラズマチャンバに提供される電力を生成する。電力が提供されているとき、プラズマチャンバ内に載置されたウエハを処理するために、プロセスガスがプラズマチャンバに供給される。
【0003】
電力がプラズマチャンバに提供されているとき、反射電力が生成される場合がある。反射電力は、プラズマチャンバからRFGに向かって反射される。反射電力が高い場合、ウエハの処理が非効率になる。
【0004】
本開示で説明される実施形態は、このような状況で生じるものである。
【0005】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するシステム、装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。本実施形態は、多数の形態(例えば、プロセス、装置、システム、デバイス、またはコンピュータ可読媒体上の方法)で実施できることを理解されたい。以下、いくつかの実施形態を説明する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、超短波(VHF)周波数調節を実施することを含む。VHF周波数調節は、低周波(LF)無線周波数(RF)発生器(RFG)によって生成された電圧信号または電力信号のLF RF周期を複数の時間間隔(等間隔とすることができる)に分割して、相互変調された周波数での高反射電力を軽減することによって実施される。制御時間間隔または中央時間間隔を、低周波数の正のクロスオーバ(交差)においてLF RF周期と一致させる。このように一致させた後、超短波が時間間隔の各々で調節される。超短波の調節中、時間間隔に対する周波数オフセットは、中央超短波からの低周波数の倍数になる。中央超短波は、中央時間を正のクロスオーバにおいてLF RF周期と一致させる時間での周波数である。また、超短波の調節中、周波数オフセットのオフセットの大きさは、LF RF周期に対する時間的位置に依存する。時間間隔に対する中央VHFからの周波数オフセットは、LF RF周期に対する周波数オフセットの位置に応じた軌道に従う。例えば、LF RF周期の正の半分は、負のオフセットを有し、LF RF周期の負の半分は、正のオフセットを有する。例示すると、超短波は、LF RF周期と比較して実質的に逆である。
【0008】
一実施形態では、周波数オフセットの全範囲は、LFと超短波との電力比に比例する。LF RFGの電圧の時間間隔に対する周波数オフセットの全オフセット範囲は、LF RFGによって供給される電力とHF RFGによって供給される電力の電力比に比例する。周波数オフセットの全範囲は、電力比の増加と共に増加し、電力比の減少と共に減少する。全範囲は、異なるプロセスごとに変化する。これは、異なるプロセスごとに、LFとHFの供給電力比が異なるためである。周波数オフセットの全範囲を変更することによって、プラズマ条件またはインピーダンス条件の明確な変化が相殺される。全範囲が変化する最適化スキームは、ランダムではなく、明確な軌道を有する。
【0009】
一実施形態では、時間間隔の各々における電力送出およびLF RF周期全体における電力送出を最適化する周波数選択方法が説明されている。時間間隔は、LF RFGおよびHF RFGに結合された整合器(match)の出力で検知された電圧に適用される。HF RFGは、超短波で動作する。中央VHFが中央時間間隔に設定され、すべての他の時間間隔に対して、HF RFGの周波数値が中央VHFからオフセットされる。例えば、i番目の時間間隔に対するHF RFGの周波数値は、F(VHF,i)=f_VHF0±n*F(LF)に設定される。ここで、F(VHF,i)はi番目の時間間隔に対するHF RFGの周波数、f_VHF0は中央VHF、nは整数または正の実数、F(LF)はi番目の時間間隔中のLF RFGの周波数である。nおよびniという用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0010】
一実施形態では、電極への電力送出を最適化するために、整合器とHF RFGの両方が制御される。例えば、電力送出を最適化するために、整合器のコンデンサと、HF RFGとが繰り返し制御される。例示すると、HF RFGを使用して電力送出が最適化された後、整合器を使用して電力送出が最適化される。整合器を使用して電力送出が最適化された後、HF RFGを使用して電力送出が最適化される。
【0011】
一実施形態では、プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する本明細書に記載の方法は、連続波RF信号の代わりに、LF RF発生器およびVHF RF発生器によって生成されたパルスRF信号に適用される。
【0012】
一実施形態では、周波数オフセットは、VHFに適用され、LF RF周期の事前に設計された部分に適用される。例えば、周波数オフセットは、LF RF周期の前半に適用されるがLF RF周期の後半には適用されない。または、周波数オフセットは、LF RF周期の後半に適用されるがLF RF周期の前半には適用されない。
【0013】
電極への電力の送出を最適化する本明細書に記載のシステムおよび方法のいくつかの利点は、電力の送出が最適化されるHF RFGの周波数オフセットを、すべての時間間隔に対して生成することを含む。生成された周波数オフセットは、LF RFGの動作の各サイクル中のLF RFGの電圧と実質的に逆の関係を有する周波数信号をトレースする。実質的に逆の関係は、最適な電力送出を容易にする。
【0014】
電力の送出を最適化する本明細書に記載のシステムおよび方法のさらなる利点は、送出を最適化するために整合器を制御することを含む。HF RFGの周波数オフセットが電力送出に最適化されると、整合器は、電力送出を最適化するために制御される。整合器を使用して電力送出が最適化されると、再びHF RFGの周波数オフセットが、電極への電力供給を最適化するように制御される。
【0015】
本明細書に記載のシステムおよび方法の追加の利点は、電極への電力の送出を制御することを含む。例えば、プロセス動作の場合、LF RFGの動作サイクルの前半の各時間間隔中、HF RFGの周波数オフセットは、電極への電力送出を減少させるように制御され、サイクルの後半では、HF RFGの周波数オフセットが、電力送出を増加させるように制御される。別の例として、異なるプロセス動作の場合、LF RFGの動作サイクルの前半の各時間間隔中、HF RFGの周波数オフセットは、電極への電力送出を増加させるように制御され、サイクルの後半では、HF RFGの周波数オフセットが、電力送出を減少させるように制御される。
【0016】
他の態様は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0018】
図1図1は、プラズマチャンバのチャック送出される電力を最適化するシステムの一実施形態のブロック図である。
【0019】
図2A図2Aは、電圧信号を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0020】
図2B図2Bは、高周波無線周波数発生器(HF RFG)の出力で生成されるRF信号の周波数オフセットを表す周波数信号を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0021】
図2C図2Cは、電圧センサによって測定された電圧量を有する電圧信号、および電圧信号と比較して実質的に反転された周波数信号を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0022】
図3図3は、基板の処理中にHF RFGが動作される複数の周波数オフセットの生成を例示する図である。
【0023】
図4図4は、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法から生成された周波数オフセット(図3)の適用を例示するシステムの一実施形態の図である。
【0024】
図5A図5Aは、低周波(LF)RFGによって生成されたRF信号の電圧量を表す電圧信号を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0025】
図5B図5Bは、図5Aの電圧信号に対応する周波数オフセットの決定を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0026】
図6図6は、基板の処理中にLF RFGの周波数が調節されているときに複数のテーブルを使用することを例示するシステムの一実施形態のブロック図である。
【0027】
図7A図7Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときの反射係数ガンマの大きさのプロットを例示するスミスチャートの一実施形態を示す図である。
【0028】
図7B図7Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときの反射係数ガンマの大きさのプロットを例示する別のスミスチャートの一実施形態を示す図である。
【0029】
図8A図8Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、順方向電力または順方向振幅がHF RFGの1つの動作周波数に集中していることを例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0030】
図8B図8Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、順方向電力または順方向振幅がHF RFGの複数の動作周波数に分布していることを例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0031】
図9A図9Aは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される電力の振幅を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0032】
図9B図9Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される電力の振幅を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0033】
図10A図10Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、LF RFGの動作サイクル中にHF RFGによって供給される瞬時順方向電力、HF RFGに向かって反射される瞬時反射電力、およびHF RFGによって送出される瞬時送出電力を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0034】
図10B図10Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、LF RFGの動作サイクル中にHF RFGによって供給される瞬時順方向電力、HF RFGに向かって反射される瞬時反射電力、およびHF RFGによって送出される瞬時送出電力を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0035】
図11図11は、基板の半径に対して基板の温度をプロットしているグラフの一実施形態を示す図である。
【0036】
図12A図12Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0037】
図12B図12Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0038】
図13A図13Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0039】
図13B図13Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0040】
図14A図14Aは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときにHF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0041】
図14B図14Bは、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときにHF RFGに向かって反射される反射電力または反射波の量を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0042】
図15A図15Aは、HF RFGに向かって反射される電力を低減し、プラズマチャンバに送出される電力を増加させるインピーダンス整合回路(IMC)の使用を例示するシステムの一実施形態の図である。
【0043】
図15B図15Bは、インピーダンス整合回路のシャントコンデンサの静電容量の決定、およびプラズマチャンバに送出される電力を増加させるHF RFGの周波数オフセットの決定を例示する方法の一実施形態のフローチャートである。
【0044】
図16A図16Aは、特定のプロセスを容易にするためのHF RFGの周波数オフセットの決定を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0045】
図16B図16Bは、ホストコンピュータの一実施形態の図であり、プラズマチャンバに送出される電力がLF RFGの動作サイクルの前半で最小化され、動作サイクルの後半で最大化される周波数オフセット(図16A)を格納するテーブルをホストコンピュータによって作成することを例示している。
【0046】
図17A図17Aは、別の特定のプロセスを容易にするためのHF RFGの周波数オフセットの決定を例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0047】
図17B図17Bは、ホストコンピュータの一実施形態の図であり、プラズマチャンバに送出される電力がLF RFGの動作サイクルの前半で最大化され、動作サイクルの後半で最小化される周波数オフセット(図17A)を格納する別のテーブルをプロセッサによって作成することを例示している。
【0048】
図18図18は、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときにエッチング速度の均一性が高まることを例示するグラフの一実施形態を示す図である。
【0049】
図19図19は、プラズマチャンバに送出される電力を最適化する方法が適用されるときに達成されるエッチング深さが、方法が適用されないときに達成されるエッチング深さよりも大きいことを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の実施形態は、プラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するシステムおよび方法を説明する。本実施形態は、これらの特定の詳細の一部またはすべてがなくても実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知の動作は詳細には説明されていない。
【0051】
図1は、プラズマチャンバ106のチャック108に送出される電力を最適化するシステム100の一実施形態のブロック図である。システム100は、ホストコンピュータ102と、低周波(LF)無線周波数発生器(RFG)と、高周波(HF)RFGと、インピーダンス整合回路(IMC)104と、プラズマチャンバ106とを含む。HFおよび超短波(VHF)という用語は、本明細書において互換的に使用されることに留意されたい。ホストコンピュータ102の例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、コントローラ、およびサーバが挙げられる。ホストコンピュータ102は、プロセッサ110と、メモリデバイス112とを含む。本明細書で使用する場合、プロセッサは、コントローラ、または特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラマブル論理デバイス(PLD)、または中央処理装置(CPU)、またはマイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサであり、これらの用語は、本明細書において互換的に使用される。本明細書で使用されるメモリデバイスの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。プロセッサ110は、メモリデバイス112に結合される。
【0052】
LF RFGは、キロヘルツ(kHz)周波数範囲で動作する無線周波数発生器にすることができる。例えば、LF RFGは、300kHz~500kHzの範囲の周波数で動作する。例示すると、LF RFGは、370kHzまたは400kHzまたは450kHzの周波数で動作する。HF RFGは、メガヘルツ(MHz)周波数範囲で動作する無線周波数発生器にすることができる。一例として、HF RFGは、50MHz~70MHzの範囲の周波数、20MHz~30MHzの範囲の周波数、12MHz~14MHzの範囲の周波数、または1MHz~3MHzの範囲の周波数で動作する。LF RFGは、周波数コントローラ(FCTRL)116Aと、ドライバ(DRVR)118Aと、RF電源120Aとを含む。周波数コントローラ116Aは、ドライバ118Aに結合され、ドライバ118Aは、RF電源120Aに結合される。ドライバの例としては、1つまたは複数のトランジスタが挙げられる。RF電源の例としては、RF周波数で発振するRF発振器が挙げられる。周波数コントローラ116Aは、プロセッサ110に結合され、RF電源120Aは、LF RFGの出力O1を介してIMC104の入力I1に結合される。
【0053】
同様に、HF RFGは、周波数コントローラ116Bと、ドライバ118Bと、RF電源120Bとを含む。図示されるように、周波数コントローラ116Bは、ドライバ118Bに結合され、ドライバ118Bは、RF電源120Bに結合される。周波数コントローラ116Bは、プロセッサ110に結合され、RF電源120Bは、HF RFGの出力O2を介してインピーダンス整合回路104の入力I2に結合される。加えて、HF RFGの出力O2には、電力センサ122が結合される。電力センサ122は、プロセッサ110に結合される。任意で、方向性結合器124が出力O2に結合され、オシロスコープ126が方向性結合器124に結合される。
【0054】
IMC104は、本明細書では整合器またはインピーダンス整合ネットワークと呼ばれることがある。IMC104は、電圧センサ128に結合される出力O3を有し、電圧センサ128は、プロセッサ110に結合される。出力O3は、チャック108にも結合される。プラズマチャンバ106は、容量結合プラズマ(CCP)チャンバであり、チャック108は、静電チャック(ESC)であり得る。チャック108は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような金属製の下部電極を含む。プラズマチャンバ106は、チャック108の上面と対向する下面を有する上部電極114をさらに含む。上部電極114は、接地電位に結合され、金属製である。
【0055】
システム100は、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法を実行するために使用される。この方法は、経験的方法である。本明細書に記載される経験的方法は、プラズマチャンバ106内で基板を処理することなく、ラボ試験中に実行される。基板処理の例には、基板上への1つもしくは複数の材料の堆積、または基板のエッチング、または基板の洗浄、または基板のスパッタリング、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
電力を最適化する方法の実行中、プロセッサ110は、メモリデバイス112からレシピにアクセスする。このレシピは、LF RFGによって生成されるRF信号130Aの特定周波数および特定電力、ならびにHF RFGによって生成されるRF信号130Bの特定周波数および特定電力を含む。プロセッサ110は、RF信号130Aの特定周波数および特定電力を周波数コントローラ116Aに提供し、RF信号130Bの特定周波数および特定電力を周波数コントローラ116Bに提供する。生成すべきRF信号130Aの周波数および電力を受信すると、周波数コントローラ116Aは、ドライバ118Aに信号を送信し、特定周波数および特定電力に従って電流を生成する。ドライバ118Aは、電流を生成し、その電流をRF電源120Aに提供する。電流を受け取ると、RF電源120Aは、プロセッサ110から受信された特定周波数および特定電力を有するRF信号130Aを生成する。
【0057】
同様に、生成すべきRF信号130Bの特定周波数および特定電力を受信すると、周波数コントローラ116Bは、ドライバ118Bに信号を送信し、特定周波数および特定電力に基づいて電流を生成する。ドライバ118Bは、RF電源120Bに提供する電流を生成する。電流を受け取ると、RF電源120Bは、プロセッサ110から受信された特定周波数および特定電力を有するRF信号130Bを生成する。
【0058】
RF電源120Aは、出力O1および入力I1を介してRF信号130AをIMC104に供給し、RF電源120Bは、出力O2および入力I2を介してRF信号130BをIMC104に供給する。IMC104は、出力O3に結合された負荷のインピーダンスを入力I1およびI2に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、RF信号130Aおよび130Bを組み合わせて、出力O3で修正RF信号132を生成する。負荷の例としては、プラズマチャンバ106、および出力O3をチャック108に結合するRF伝送ラインが挙げられる。ソースの例としては、LF RFG、HF RFG、出力O1を入力I1に結合するRFケーブル、および出力O2を入力I2に結合するRFケーブルが挙げられる。修正RF信号132は、チャック108に供給される。
【0059】
修正RF信号132がチャック108に供給されるとき、電圧センサ128は、出力O3における電圧を測定し、電圧量を有する電圧の測定値をプロセッサ110に提供する。電圧センサ128によって測定される電圧は、RF信号130Aの電圧である。電圧センサ128は、出力O3における修正RF信号132の電圧を測定する。修正RF信号132の電圧は、主にRF信号130Aの電圧である。RF信号130Aは、RF信号130Bよりも多くの電力を有する。プロセッサ110は、電圧センサ128から電圧の測定値を受信し、電圧量をトレースする電圧信号のサイクルを複数の時間間隔に分割する。これらの時間間隔は、均等である。例えば、第1の時間間隔は、第2の時間間隔の期間に等しい期間を有し、第2の時間間隔は、第3の時間間隔に等しい。
【0060】
時間間隔の各々について、電力センサ122は、出力O2における送出電力を測定する。例えば、電力センサ122は、RF信号130Bの送出電力を測定する。送出電力は、順方向電力と反射電力との差であることに留意されたい。例えば、RF信号130Bの送出電力は、出力O2においてHF RFGによって供給される電力と、出力O2においてHF RFGに向かって反射される電力との差である。出力O2における反射電力は、プラズマチャンバ106から、RF伝送ライン、IMC104、および入力I2を出力O2に結合するRFケーブルを介して反射された電力である。電力センサ122は、出力O2における送出電力の測定値をプロセッサ110に提供する。
【0061】
時間間隔の各々について、プロセッサ110は、出力O2における送出電力が最大であるHF RFGの周波数を決定する。例えば、プロセッサ110は第1の時間間隔について、HF RFGがレシピの周波数(基準周波数など)を有するとき、出力O2における送出電力がPWR1であることを、測定値から決定する。基準周波数の一例は、基本周波数(周波数値HF0など)であり、これについては以下でさらに説明する。別の例として、HF RFGの基準周波数は、以下でさらに説明する始点P1でゼロの正の交差が発生する周波数である。ゼロの正の交差についても、以下でさらに説明する。始点P1は、中央時間に発生する。さらに、プロセッサ110は第1の時間間隔中、レシピ内の周波数を修正周波数に修正し、修正周波数を周波数コントローラ116Bに提供する。修正周波数は、プラズマチャンバ106への電力送出を最適化し、HF RFGに向かって反射される電力を低減するために周波数コントローラ116Bに提供される。第1の時間間隔中、周波数コントローラ116Bは、RF信号130Bを生成するためにRF電源120Bを制御するのと同じ方式で、修正周波数を有するRF信号134を生成するためにRF電源120Bを制御する。プロセッサ110は第1の時間間隔について、RF信号134が出力O2に供給されるとき、出力O2における送出電力がPWR2であることを、測定値から決定する。プロセッサ110は、PWR2がPWR1よりも大きいと決定した場合、電圧信号のサイクルの第1の時間間隔中にHF RFGが基準周波数の代わりに修正周波数で動作されることを、さらに決定する。他方、プロセッサ110は、PWR1がPWR2よりも大きいと決定した場合、電圧信号のサイクルの第1の時間間隔中にHF RFGが修正周波数の代わりに基準周波数で動作されることを、さらに決定する。
【0062】
方向性結合器124およびオシロスコープ126は、検証目的で使用され、任意のデバイスであることに留意されたい。例えば、方向性結合器124は、出力O2における送出電力を結合し、電力をオシロスコープ126に提供する。ユーザは、出力O2における送出電力の測定値、およびオシロスコープ126上のRF信号130Bまたは134の周波数値を確認し、送出電力がより大きくなる基準周波数または修正周波数を検証することができる。
【0063】
一実施形態において、上部電極114は、接地電位に結合される代わりに、インピーダンス整合回路(図示せず)を介して1つまたは複数のRF発生器(図示せず)に結合される。そして、チャック108は、IMC104を介してLF RFGおよびHF RFGに結合される。
【0064】
一実施形態において、上部電極114は、接地電位に結合される代わりに、インピーダンス整合回路(図示せず)を介して1つまたは複数のRF発生器(図示せず)に結合される。そして、チャック108が接地電位に結合される。
【0065】
一実施形態において、電圧センサ128は、出力O3に結合される代わりに、出力O1または入力I1に結合される。
【0066】
一実施形態において、電圧センサ128によって測定された電圧量を有する電圧信号の時間間隔は、不均等である。例えば、第1の時間間隔は、第2の時間間隔の期間と比較して、より短い期間またはより長い期間を有する。
【0067】
図2Aは、電圧信号204を例示するグラフ202の一実施形態である。電圧信号204は、出力O3における電圧の測定値から、図1のプロセッサ110によって生成される。出力O3における電圧の測定は、図1の電圧センサ128によって行われる。グラフ202は、電圧信号204の電圧を時間tに対してプロットしている。この電圧は、図1のRF信号130Aの電圧である。電圧センサ128によって測定された電圧は、修正RF信号132の電圧であり、上で説明したように、修正RF信号132の電圧は、主にRF信号130Aの電圧を含む。
【0068】
プロセッサ110は、電圧信号204のサイクル1をt0~t12の複数の時間間隔に分割する。t0~t12の時間間隔の各々は、均等である。例えば、時間t0とt1の間の期間は、時間t1とt2の間の期間と同じであり、時間t1とt2の間の期間は、時間t2とt3の間の期間と同じである。時間t0とt1の間の時間間隔は、本明細書では中央時間間隔と呼ばれることがある。同様に、プロセッサ110は、電圧信号204の別のサイクル2をt12~t24の複数の時間間隔に分割する。サイクル2は、サイクル1から連続しており、サイクル1は、サイクル2に先行する。なお、本明細書に記載されるサイクルは、本明細書では波形サイクルと呼ばれることがある。例えば、サイクル1は、波形である電圧信号204のものである。
【0069】
電圧信号204の始点P1は、時間t0にあり、電圧信号204の正のゼロ交差で発生することに留意されたい。例えば、始点P1において、電圧信号204の値は、負から正に移る。電圧信号204は、正のゼロ交差が発生する始点P1において正の勾配を有する。さらに、電圧信号204の中点P2は、時間t6にあり、電圧信号204の負のゼロ交差で発生する。電圧信号204は、負のゼロ交差が発生する中点P2において負の勾配を有する。一例として、中点P2において、電圧信号204の値は、正から負に移る。同様に、電圧信号204の終点P3は、電圧信号204の正のゼロ交差で発生する。例えば、終点P3において、電圧信号204の値は、負から正に移る。電圧信号204は、正のゼロ交差が発生する終点P3において正の勾配を有する。終点P3は、電圧信号204のサイクル2の始点である。中点P2で発生する負のゼロ交差は、始点P1で発生する正のゼロ交差と終点P3で発生する正のゼロ交差との間にある。点P1~P3は、電圧信号204のサイクル1の間に発生する。
【0070】
始点P1でのサイクル1の正のゼロ交差は、始点P1に対応する。同様に、中点P2でのサイクル1の負のゼロ交差は、中点P2に対応し、終点P3でのサイクル1の正のゼロ交差は、終点P3に対応する。
【0071】
電圧信号204のサイクル1は、点P1とP2の間で正であり、点P2とP3の間で負である。例えば、電圧信号204は、点P1とP2の間で正の値または正の振幅または正の大きさを有し、点P2とP3の間で負の値を有する。同様に、サイクル2の半分は、正であり、サイクル2の残りの半分は、負である。
【0072】
さらに、サイクル1は連続波(CW)RF信号または多状態RF信号に関連していることにも留意されたい。例えば、図1のRF信号130Bは、サイクル1中に連続波RF信号であるか、またはレベル間パルスRF信号である。多状態RF信号は、ある状態から別の状態に遷移する。一例として、高状態中の多状態RF信号のエンベロープは、低状態中の多状態RF信号のエンベロープよりも大きい電力レベルを有する。エンベロープは、ピークツーピーク振幅またはゼロツーピーク振幅である。
【0073】
一実施形態では、プロセッサ110は、電圧信号204の各サイクルを他の任意の数の時間間隔に分割する。例えば、プロセッサ110は、電圧信号204の各サイクルを、12の時間間隔ではなく18の時間間隔または50の時間間隔に分割する。
【0074】
図2Bは、図1のHF RFGによって出力O2で生成されるRF信号134(図1)の周波数オフセットを表す周波数信号208を例示するグラフ206の一実施形態である。周波数信号208は、上述の経験的方法を適用することによって生成される。HF RFGの周波数オフセットを決定することによって、プロセッサ110は周波数信号208を提供する。周波数信号208は、本明細書では周波数調整波形と呼ばれることがある。周波数信号208の周波数オフセットは、図1に関して例示された方法、すなわち、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法を適用した後に決定される。例えば、時間t0とt1の間の時間間隔中、出力O2における送出電力は、HF RFGが周波数オフセットHF-1で動作されるときに最大になり、時間t1とt2の間の時間間隔中、出力O2における送出電力は、HF RFGが周波数オフセットHF-2で動作されるときに最大になる。同様に、周波数オフセットHF-3、HF-1、HF-1、HF0、HF1、HF2、HF3、HF3、HF2、およびHF0が、電圧信号204のサイクル1の時間t2とt3、t3とt4、t4とt5、t5とt6、t6とt7、t7とt8、t8とt9、t9とt10、t10とt11、およびt11とt12の間の時間間隔に対応して決定される。
【0075】
周波数信号208は、電圧信号204の形状と比較して実質的に逆の形状を有することに留意されたい。例えば、時間t0とt6の間の期間の大部分において、電圧信号204が正の値を有するとき、周波数信号208は、HFrf(t)として表される基準周波数に対して負のオフセットを有する。また、時間t6とt12の間の期間の大部分において、電圧信号204が負の値を有するとき、周波数信号208は、基準周波数HFrf(t)に対して正のオフセットを有する。例示すると、時間t0とt6の間の期間の大部分とは、時間t0とt6の間の期間の半分よりも大きい期間であり、時間t6とt12の間の期間の大部分とは、時間t6とt12の間の期間の半分よりも大きい期間である。別の例として、電圧信号204は、時間t0で発生する始点P1で正のゼロ交差を有する。時間t0において、周波数信号208は、負のゼロ交差を有し、基準周波数HFrf(t)に対する周波数信号208のオフセットを正から負に変更する。さらに、電圧信号204は、時間t6で発生する中点P2で負のゼロ交差を有する。時間t6において、周波数信号208は、正のゼロ交差を有し、基準周波数HFrf(t)に対する周波数信号208のオフセットを負から正に変更する。また、電圧信号204は、時間t12で発生する終点P3で正のゼロ交差を有する。時間t12において、周波数信号208は、負のゼロ交差を有し、基準周波数HFrf(t)に対する周波数信号208のオフセットを正から負に変更する。
【0076】
一実施形態では、周波数信号208は、時間t6に正のゼロ交差を有さないことに留意されたい。例えば、周波数信号208は、時間t6に近い時間に正のゼロ交差を有する。例示すると、周波数信号208は、時間t4とt8との間、または時間t5とt7の間の時間に正のゼロ交差を有する。同様に、周波数信号208は、時間t0または時間t12に負のゼロ交差を有さない。一例として、周波数信号208は、時間t0または時間t12に近い時間に負のゼロ交差を有する。例示すると、始点P1について、周波数信号208は、時間t0とt2の間の時間に負のゼロ交差を有する。別の例示として、終点P3について、周波数信号208は、時間t11とt13との間、または時間t10とt14の間の時間に負のゼロ交差を有する。
【0077】
加えて、一実施形態では、周波数信号208は、時間t6の近くで正のゼロ交差を有し、周波数オフセットHF0に近いオフセットを有する。例えば、周波数信号208は、時間t6の近くでオフセットHF-1とHF1の間に周波数オフセットを有する。同様に、周波数信号208は、時間t0またはt12の近くで負のゼロ交差を有し、周波数オフセットHF0に近いオフセットを有する。例示すると、周波数信号208は、時間t0の近くでオフセットHF-1とHF1の間に周波数オフセットを有し、時間t12の近くでオフセットHF-1とHF1の間に周波数オフセットを有する。
【0078】
図2Cは、図1の電圧センサ128によって測定された電圧量を有する電圧信号212、および電圧信号212と比較して実質的に反転された周波数信号214を例示するグラフ210の一実施形態である。グラフ210は、基準周波数HFrf(t)からの周波数信号214の複数の周波数オフセットを時間tに対してプロットするとともに、電圧信号212の電圧量を時間tに対してプロットしている。基準周波数HFrf(t)は、グラフ210において0として示される。周波数信号214は、図1のHF RFGの出力O2で生成されるRF信号の周波数オフセットを有し、周波数オフセットは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法(図1および図2Bを参照して上述した方法)を使用して決定される。周波数信号214は、ほぼ第9の時間間隔の開始時に正のゼロ勾配を有し、電圧信号212は、ほぼ第10の時間間隔の開始時に負のゼロ勾配を有することに留意されたい。例えば、周波数信号214は、第9の時間間隔の開始時近くで発生する正の勾配を有し、電圧信号212は、第10の時間間隔の開始時近くで発生する負の勾配を有する。第10の時間間隔の開始時は、第9の時間間隔の開始時に近い。
【0079】
図3は、基板の処理中に図1のHF RFGが動作される複数の周波数オフセットの生成を例示する図である。HF RFGによって適用される周波数オフセットは、基板の処理を行わない経験的方法を実行することによって生成される。周波数オフセットは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法を適用することによって生成される。時間t0とt1の間の時間間隔について、図1のプロセッサ110は、図1の出力O2を介してHF RFGによって送出された電力Pdel1の量が、出力O2を介してHF RFGによって送出された複数の電力量の中で最大となる周波数オフセットHF-1を決定する。例えば、時間t0と時間t1の間の時間間隔内にある時間t01A中、プロセッサ110は、HF RFGのRF電源120Bを制御し、出力O2において、周波数オフセットHF-11を有するRF信号を生成する。基準周波数HFrf(t)は、プロセッサ110によって調整され、HF-11に変更される。周波数オフセットHF-11は、基準周波数HFrf(t)と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの動作周波数値LF(t01A)の積との差の結果を決定することによって、プロセッサ110によって生成される。この場合、iは時間t0とt1の間の時間間隔の整数を表し、niは第1の整数に等しい。この例では、iは1に等しく、これは、時間t0とt1の間の時間間隔が、図2Bの電圧信号204のサイクル1中の複数の時間間隔のうち第1の時間間隔であることを表す。基準周波数HFrf(t)は、時間tの関数であり、時間と共に変化することに留意されたい。例えば、基準周波数HFrf(t)は、図2Aの電圧信号204の1つまたは複数のサイクルにわたって変化する。2つの値の差の計算は、本明細書では減算演算と呼ばれることがある。プロセッサ110は、本明細書に記載の減算演算または積演算を実施する。周波数値LF(t01A)は、時間t01A中のRF電源120Aの動作のものである。RF電源120Bが周波数オフセットHF-11を有するRF信号を生成するように制御される時間t01A中、出力O2における送出電力は、図1の電力センサ122によってPdel11であると測定される。
【0080】
さらに、同じく時間t0とt1の間の時間間隔内にある別の時間t01B中、プロセッサ110は、HF RFGのRF電源120Bを制御し、出力O2において、周波数オフセットHF-1を有するRF信号を生成する。周波数オフセットHF-1は、基準周波数HFrf(t)と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの動作周波数値LF(t01B)の積との差である。この場合、iは1に等しく、niは第2の整数に等しく、第2の整数は第1の整数とは異なる値を有する。プロセッサ110は、本明細書に記載されるような任意の時間間隔中にniの値を変更し、出力O2における送出電力がその時間間隔に対して最大化されるHF RFGの周波数オフセットを決定する。基準周波数HFrf(t)は、プロセッサ110によって調整され、HF-1に変更される。周波数値LF(t01B)は、時間t01B中のRF電源120Aの動作のものである。時間t01Bにおいて、RF電源120Bは、基準周波数値HFrf(t)と、整数niと周波数値LF(t01B)の積との差に等しい周波数オフセットを有するRF信号を生成するように制御される。この時間t01B中に出力O2において送出された電力は、電力センサ122によってPdel1であると測定される。プロセッサ110は、電力Pdel1が電力Pdel11よりも大きいと決定する。電力Pdel1が電力Pdel11よりも大きいと決定されると、プロセッサ110は、時間t0とt1の間の時間間隔中、RF電源120Bが周波数オフセットHF-11ではなく周波数オフセットHF-1で動作されることを決定する。
【0081】
同様に、プロセッサ110は、電圧信号204のサイクル1の時間t1とt2の間の時間間隔中、HF RFGのRF電源120Bが周波数オフセットHF-2で動作されることを決定する。HF RFGが周波数オフセットHF-2で動作される時間に、電力センサ122は、時間t1とt2の間の時間間隔中に出力O2で送出された電力の最大量Pdel2を測定する。例えば、プロセッサ110は、HF RFGが周波数オフセットHF-2で動作されるとき、HF RFGの出力O2における送出電力が、時間t1とt2の間の時間間隔中にHF RFGの動作の別の周波数オフセットHF-22に対する出力O2における送出電力よりも大きいと決定する。周波数オフセットHF-22は、基準周波数HFrf(t)と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの周波数値LF(t12A)の積との差である。この場合、niは第3の整数である。基準周波数HFrf(t)は、プロセッサ110によって調整され、HF-22に変更される。第3の整数は、第1の整数もしくは第2の整数でもよく、または第1もしくは第2の整数と等しくない別の整数でもよい。時間t12Aは、時間t1とt2の間の時間間隔中の時間である。さらに、周波数オフセットHF-2は、基準周波数HFrf(t)と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの別の周波数値LF(t12B)の積との差である。この場合、niは第3の整数と等しくない第4の整数である。時間t12Bは、時間t1とt2の間の時間間隔中の別の時間である。第4の整数は、第1の整数もしくは第2の整数でもよく、または第1もしくは第2もしくは第3の整数と等しくない別の整数でもよい。
【0082】
さらに、プロセッサ110は、周波数オフセットHF-3が時間t2とt3の間の時間間隔中に出力O2で送出された電力の最大量Pdel3に対応すると決定すると、時間t2とt3の間の時間間隔中、HF RFGのRF電源120Bが周波数オフセットHF-3で動作されることを決定する。プロセッサ110は、時間t3とt4、時間t4とt5、および時間t5とt6の間の時間間隔中、そのような決定を行い続ける。例えば、プロセッサ110は、時間t3とt4、時間t4とt5、および時間t5とt6の間の時間間隔の各々について周波数オフセットを決定する。時間t3~時間t6の時間間隔の各々についての周波数オフセットは、各時間間隔についての整数niと時間間隔中の動作周波数LF(t)の積を、基準周波数HFrf(t)から減算することによって決定される。
【0083】
プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1に関連する時間t6とt7の間の時間間隔について、HF RFGの周波数オフセットのさらなる決定を行う。時間t6とt7の間の時間間隔について、図1のプロセッサ110は、図1の出力O2を介してHF RFGによって送出された電力Pdel7の量が、出力O2を介してHF RFGによって送出された複数の電力量の中で最大となる周波数オフセットHF1を決定する。例えば、基準周波数HFrf(t)は、プロセッサ110によって調整され、HF11に変更される。時間t6と時間t7の間の時間間隔内の時間t07A中、プロセッサ110は、HF RFGのRF電源120Bを制御し、出力O2において、周波数オフセットHF11を有するRF信号を生成する。周波数オフセットHF11は、HFrf(t)として表される基準周波数と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの動作周波数値LF(t07A)の積との合計または加算である。この場合、iは時間t6とt7の間の時間間隔の整数を表し、niは第7の整数に等しい。プロセッサ110は、本明細書に記載の任意の追加動作を実施する。この例では、iは7に等しく、これは、時間t6とt7の間の時間間隔が、図2Bの電圧信号204のサイクル1中の複数の期間のうち第7の期間であることを表す。周波数値LF(t07A)は、時間t07A中のRF電源120Aの動作のものである。RF電源120Bが周波数オフセットHF11を有するRF信号を生成するように制御される時間t07A中、出力O2における送出電力は、電力センサ122によってPdel17であると測定される。
【0084】
さらに、同じく時間t6とt7の間の時間間隔内にある別の時間t07B中、プロセッサ110は、HF RFGのRF電源120Bを制御し、出力O2において、周波数オフセットHF1を有するRF信号を生成する。周波数オフセットHF1は、基準周波数HFrf(t)と、整数niとLF RFGのRF電源120Aの動作周波数値LF(t07B)の積の合計である。この場合、iは7に等しく、niは第8の整数に等しい。第8の整数は、第7の整数と等しくない。このようにして、基準周波数HFrf(t)は、プロセッサ110によって調整され、HF1に変更される。周波数値LF(t07B)は、時間t07B中のRF電源120Aの動作のものである。時間t07Bにおいて、RF電源120Bは、基準周波数値HFrf(t)と、整数niと周波数値LF(t07B)の積の合計に等しい周波数オフセットHF1を有するRF信号を生成するように、プロセッサ110によって制御される。この時間t07B中に出力O2において送出された電力は、電力センサ122によってPdel7であると測定される。プロセッサ110は、電力Pdel7が電力Pdel17よりも大きいと決定する。電力Pdel7が電力Pdel17よりも大きいと決定されると、プロセッサ110は、時間t6とt7の間の時間間隔中、RF電源120Bが周波数オフセットHF11ではなく周波数オフセットHF1で動作されることを決定する。
【0085】
プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1に関連する時間t7とt8、時間t8とt9、時間t9とt10、および時間t10とt11の間の期間中、そのような決定を行い続ける。例えば、プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1に関連する残りの時間間隔である時間t7とt8、時間t8とt9、時間t9とt10、および時間t10とt11の間の時間間隔の各々について周波数オフセットを決定する。時間t7~t11の残りの時間間隔の各々についての周波数オフセットは、各時間間隔についての整数値niと時間間隔中の動作周波数値LF(t)の積を、基準周波数HFrf(t)に加算することによって決定される。また、プロセッサ110は、周波数オフセットHF0が時間t11とt12の間の時間間隔中に出力O2で送出された電力の最大量Pdel12に対応すると決定すると、サイクル1の時間t11とt12の間の期間中、HF RFGのRF電源120Bが周波数オフセットHF0で動作されることを決定する。
【0086】
周波数オフセットHF-1は、時間t0とt1の間の時間間隔に対応することに留意されたい。例えば、基板の処理中、およびLF RFGによって供給された電圧信号204の時間t0とt1の間の時間間隔中、HF RFGは、周波数HFrf(t)と周波数オフセットHF-1との差に等しい周波数で動作される。同様に、残りの周波数オフセットHF-2、HF-3、HF-1、HF-1、HF0、HF1、HF2、HF3、HF3、HF2、およびHF0は、残りの時間間隔である時間t1とt2、t2とt3、t3とt4、t4とt5、t5とt6、t6とt7、t7とt8、t8とt9、t9とt10、t10とt11、およびt11とt12の間の時間間隔に対応する。
【0087】
t0~t12の時間間隔中のRF電源120Bの動作のための周波数オフセットは、プロセッサ110によってメモリデバイス112のテーブル1に格納される。テーブル1内に格納された周波数オフセットは、図2Cの周波数信号208の周波数オフセットと同じである。テーブル1については、以下でさらに説明する。t0~t12の時間間隔中のRF電源120Bの周波数オフセットは、状態を持たない連続波RF信号であるRF信号134を生成するためのものである。加えて、RF信号130Aは、連続波RF信号である。
【0088】
HF RFGがテーブル1に示される周波数オフセットで動作するとき、周波数信号208は、LF RFGの動作周波数LF(t)に対して最適化されることに留意されたい。LF RFGの動作サイクル1の時間t0~t1の時間間隔、時間t1~t2の時間間隔、時間t2~t3の時間間隔、時間t3~t4の時間間隔、時間t4~t5の時間間隔、時間t5~t6の時間間隔、時間t6~t7の時間間隔、時間t7~t8の時間間隔、時間t8~t9の時間間隔、時間t9~t10の時間間隔、時間t10~t11の時間間隔、および時間t11~t12の時間間隔について電力送出を最適化することによって、プラズマチャンバ106への電力送出が最適化される。
【0089】
一実施形態では、niは、正の実数などの非整数である。
【0090】
一実施形態では、整数または非整数niがプロセッサ110によって変化される範囲は、LF RFGによって供給された電力量とHF RFGによって供給された電力量の電力比の関数である。例えば、電力比が増加すると、整数または非整数niが変化される範囲が増加し、電力比が減少すると、整数または非整数niが変化される範囲が減少する。電力比の増加または減少は、プラズマチャンバ106内の基板に適用されるプロセスの関数である。整数または非整数niの変動範囲は、HF RFGの周波数オフセットの全範囲を制御する。例えば、整数または非整数niの変動範囲が大きいほど、周波数オフセットの全範囲が大きくなり、整数または非整数niの変動範囲が小さいほど、周波数オフセットの全範囲が小さくなる。例示すると、整数または非整数niの変動範囲が大きいとき、周波数オフセットの全範囲はHF3とHF-3の間であり、整数または非整数niの変動範囲が小さいとき、周波数オフセットの全範囲はHF2とHF-2の間である。
【0091】
一実施形態では、t0~t12の時間間隔の一部についてプロセッサ110によって決定されるRF電源120Bの複数の周波数オフセットは、多状態RF信号の第1の状態を生成するためのものである。多状態RF信号は、RF電源120Bによって生成される。第1の状態によって示される第1の部分に対して周波数オフセットが生成されるのと同じ方式で、時間間隔t0~t12の残りの部分についてのRF電源120Bの周波数オフセットが、多状態RF信号の第2の状態に対して生成される。各状態に対する周波数オフセットは、その状態についてのHF RFGの基準周波数およびその状態についてのLF RFGの周波数値によって決定される。第1の部分の一例は、時間t0~t6の時間間隔を含み、残りの部分の一例は、時間t6~t12の時間間隔を含む。第1の部分の別の例は、時間t0~t5の時間間隔を含み、残りの部分の一例は、時間t5~t12の時間間隔を含む。第1の状態の間、多状態RF信号の電力レベル(ピークツーピーク振幅またはエンベロープまたはゼロツーピーク振幅など)は、第2の状態の間の多状態RF信号の電力レベルよりも大きい。多状態RF信号は、第1の状態から第2の状態に周期的に遷移する。
【0092】
図4は、基板Sを処理するために図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法から生成された周波数オフセットの適用を例示するシステム400の一実施形態の図である。図2Aの電圧信号204のサイクル1についてのHF RFGの周波数オフセットは、メモリデバイス112内のテーブル1に格納される。例えば、図2Bの周波数信号208の周波数オフセットは、テーブル1に格納される。テーブル1は、データベースの一例である。
【0093】
チャック108の上面に載置された半導体ウエハなどの基板Sを処理するために、プロセッサ110は、周波数コントローラ116Aにレシピを提供する。周波数コントローラ116Aは、ドライバ118Aを介してRF電源120Aを制御し、RF信号130Aを生成する。RF信号130Aは、RF電源120Aから出力O1および入力I1を介してIMC104に供給される。
【0094】
さらに、プロセッサ110は、RF信号130Aの各動作サイクル(サイクル1など)中に周波数オフセットを適用するために、テーブル1内の周波数オフセットを周波数コントローラ116Bに提供する。LF RFGが特定周波数LF(t)で動作しているとき、プロセッサ110は、テーブル1に格納された周波数オフセットをHF RFGに提供し、RF信号130Aの動作サイクル中の時間間隔の各々についてHF RFGの基準周波数HFrf(t)を調整する。テーブル1に格納された周波数オフセットは、LF RFGの特定周波数LF(t)に対応する。プロセッサ110は、周波数オフセットをRF発生器に提供することによって、HF RFGまたはLF RFGなどのRF発生器の周波数を設定する。図2Aの電圧信号204のサイクル1について決定された周波数オフセットは、基板Sを処理するために、RF信号130Aの追加のサイクルごとに繰り返されることになる。例えば、LF RFGの動作サイクル2において、周波数オフセットHF-1が時間t12とt13の間の時間間隔中に適用されることになり、周波数オフセットHF-2が時間t13とt14の間の時間間隔中に適用されることになる。
【0095】
周波数コントローラ116Bは、ドライバ118Bを介してRF電源120Bを制御し、基板Sを処理するためのLF RFGの各動作サイクル(サイクル1またはサイクル2など)について、テーブル1内に格納された周波数オフセットを有するRF信号134を生成する。例えば、RF信号130Aのサイクル1の時間t0とt1の間の期間中、RF電源120Bは、周波数調整波形の周波数オフセットHF-1を有するRF信号134の第1の部分を供給して基準周波数HFrf(t)を調節または変更し、サイクル1の時間t1とt2の間の期間中、RF電源120Bは、周波数調整波形の周波数オフセットHF-2を有するRF信号134の第2の部分を供給して基準周波数HFrf(t)を調節または変更する。さらに例示すると、RF信号130Aのサイクル1の時間t0とt1の間の期間中、RF電源120Bは、基準周波数HFrf(t)と周波数オフセットHF-1との差である周波数を有するRF信号134の第1の部分を供給する。RF信号130Aのサイクル1の時間t1とt2の間の期間中、RF電源120Bは、基準周波数HFrf(t)と周波数オフセットHF-2との差である周波数を有するRF信号134の第2の部分を供給し、RF信号130Aのサイクル1の時間t6とt7の間の期間中、RF電源120Bは、基準周波数HFrf(t)と周波数オフセットHF1の合計である周波数を有するRF信号134の一部を供給する。また、RF信号130Aのサイクル2の時間t0とt1の間の期間中、RF電源120Bは、周波数オフセットHF-1を有するRF信号134の第1の部分を供給し、サイクル2の時間t1とt2の間の期間中、RF電源120Bは、周波数オフセットHF-2を有するRF信号134の第2の部分を供給する。RF信号130Aの各サイクルについて、第2の部分は、RF信号134の第1の部分に連続している。RF信号134は、連続波信号であることに留意されたい。RF信号134は、RF電源120Bから出力O2および入力I2を介してIMC104に送信される。
【0096】
IMC104は、RF信号130Aおよび134を受信し、RF信号130Aおよび134を組み合わせると同時に、負荷のインピーダンスをソースと整合させ、出力O3において修正RF信号402を出力する。修正RF信号402は、基板Sを処理するために、IMC104から出力O3を介してチャック108に送信される。修正RF信号402の電力をチャック108の下部電極に供給することに加えて、酸素含有ガスまたはフッ素含有ガスのような1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ106に供給されると、基板Sを処理するためにプラズマが打たれるか、またはプラズマチャンバ106内に維持される。テーブル1内に格納された周波数オフセットが基板Sを処理するために使用されるとき、HF RFGに向かって反射される電力量が減少し、プラズマチャンバ106に送出される電力量が増加して、基板の処理速度を増加させる。HF RFGに向かって反射される電力量が減少し、プラズマチャンバ106に送出される電力量が増加すると、反射電力に対する送出電力の比が増加する。反射電力に対する送出電力の比は、出力O2における送出電力と出力O2における反射電力の比である。HF RFGの出力O2において送出される電力量が増加すると、プラズマチャンバ106に送出される電力量が増加する。
【0097】
一実施形態では、基板Sの処理中、RF電源120Bによって生成されたRF信号は、連続波RF信号134ではなく多状態信号である。LF RFGの動作の各サイクル中、HF RFGによって出力O2で提供された多状態RF信号は、第1の状態のある電力レベルから第2の状態の異なる電力レベルに定期的に遷移する。
【0098】
図5Aは、図1のLF RFGによって生成されたRF信号の電圧量を表す電圧信号504を例示するグラフ502の一実施形態である。グラフ502は、LF RFGによって生成されたRF信号の電圧量を時間tに対してプロットしている。電圧信号504は、図1の出力O3における電圧の測定値から、図1のプロセッサ110によって生成される。電圧信号504は、図2Aの電圧信号204の周波数LF(t)とは異なる周波数LF(t)+A(t)を有する。ここで、A(t)は、正の実数または負の実数であり、時間tの関数であり、時間tと共に変化する。また、LF(t)は、時間tの関数であり、時間tと共に変化する。周波数LF(t)は、本明細書ではLF RFGの特定周波数と呼ばれることがあり、量A(t)は、特定周波数LF(t)の変化である。周波数LF(t)+A(t)は、LF RFGの動作のものである。電圧信号504の周波数の変化は、基板Sの処理中にLF RFGの周波数が調節されることを表す。例えば、LF RFGの動作サイクル1中、周波数LF(t)は、LF(t)+A(t)に調節される。したがって、HF RFGによって生成されるRF信号の周波数オフセットは、周波数LF(t)ではなく変更周波数LF(t)+A(t)に対して決定される。電圧信号504は、その各サイクルについて、電圧信号204が時間t0~時間t12の時間間隔に分割されるのと同じように、図1のプロセッサ110によって複数の時間間隔に分割される。
【0099】
図5Bは、図5Aの電圧信号504に対応する周波数オフセットの決定を容易にする経験的方法の使用を例示するグラフ506の一実施形態である。周波数オフセットは、図1のプロセッサ110によって決定される。グラフ506に示される周波数オフセットは、周波数信号508として表され、基準周波数HF0.1に対するオフセットである。基準周波数HF0.1は、基準周波数HFrf(t)の一例である。HF RF発生器の周波数オフセットを決定することによって、プロセッサ110は、周波数信号508を提供する。周波数信号508は、本明細書では変更周波数調整波形と呼ばれることがある。グラフ506は、周波数信号508の周波数オフセットを、電圧信号504のサイクル1の時間tに対してプロットしている。例えば、時間t0とt1の間の時間間隔中、図1のRF電源120Bによって生成されるRF信号の周波数オフセットHF-1.1がプロセッサ110によって決定され、時間t1とt2の間の時間間隔中、RF電源120Bによって生成されるRF信号の周波数オフセットHF-2.1がプロセッサ110によって決定される。
【0100】
周波数信号508の周波数オフセットは、図1のRF電源120Bによって生成される連続波RF信号のものであることに留意されたい。さらに、RF電源120Aによって生成され、その電圧値が電圧信号504によって表されるRF信号もまた、連続波信号である。
【0101】
一実施形態では、周波数信号508の周波数オフセットは、RF電源120Bによって生成される多状態RF信号の第1の状態の電力レベルに関連する周波数である。さらに、第1の状態の電力レベルに関連する周波数信号508の周波数オフセットが決定されるのと同じ方式で、RF電源120Bによって生成される多状態RF信号の第2の状態の電力レベルに関連する周波数オフセットは、プロセッサ110によって決定される。第1および第2の状態は、電圧信号504のサイクル1中に発生する。
【0102】
一実施形態では、本明細書に記載され、HF RFGによって生成されるHF信号の各周波数オフセットは、HF信号の基準周波数HFrf(t)に対するHF RFGの周波数の変化であることに留意されたい。例えば、図2Bの周波数信号208の各周波数オフセットHF3、HF2、HF1、HF-1、HF-2、およびHF-3は、基準周波数HF0に対する変化であり、図5Bの周波数信号508の各周波数オフセットHF3.1、HF2.1、HF1.1、HF-1.1、HF-2.1、およびHF-3.1は、基準周波数HF0.1に対する変化である。
【0103】
図6は、基板Sを処理するためにLF RFGの周波数が調節されているときに、テーブル1およびテーブル2を含む複数のテーブルを使用することを例示するシステム600の一実施形態のブロック図である。テーブル2は、メモリデバイス112内に格納された別のデータベースの別の例である。周波数信号508の周波数オフセットは、テーブル2に格納される。プロセッサ110は、時間t0とt12の間の期間について、図5の電圧信号504に対応する周波数オフセットをテーブル2内に格納する。テーブル2内に格納された周波数オフセットは、RF電源120Bのものであり、図5Bに示されている。HF RFGがテーブル2に示される周波数オフセットに従って動作するとき、周波数信号508は、LF RFGの周波数LF(t)+A(t)に対して最適化されることに留意されたい。
【0104】
プロセッサ110は、周波数コントローラ116Aおよびドライバ118Aを介してRF電源120Aを制御し、周波数LFを有するRF信号602Aを生成する。例えば、時間t0とt1の間の期間中、プロセッサ110は、周波数LF(t)などのレシピによって定義されるプロセス動作を選択し、周波数LF(t)をLF RFGの周波数コントローラ116Aに提供する。RF電源120Aは、出力O1および入力I1を介してRF信号602AをIMC104に供給する。時間t1とt2の間の期間中、プロセッサ110は、RF信号602Aの周波数LFを調節し、基板Sの処理中に周波数LF(t)をLF(t)+A(t)に変更する。例えば、プロセッサ110は、周波数LF(t)+A(t)を周波数コントローラ116Aに提供する。プロセッサ110は、周波数LF(t)+A(t)などの別のレシピによって定義される別のプロセス動作を選択し、周波数LF(t)+A(t)をLF RFGの周波数コントローラ116Aに提供する。周波数コントローラ116Aは、ドライバ118Aを介してRF電源120Aを制御し、RF信号602Aの周波数LF(t)をLF(t)からLF(t)+A(t)に修正する。周波数LF(t)から周波数LF(t)+A(t)への調節は、プロセス動作を変更するため(基板Sの処理速度を増減するため、または基板Sの処理を制御するため、または基板Sをエッチングする代わりに基板S上に材料を堆積するため、または基板S上に材料を堆積する代わりに基板Sをエッチングするため、または基板S上に材料を堆積する代わりに基板Sを洗浄するためなど)に行うことができる。
【0105】
時間t0とt1の間の時間間隔中、RF信号602Aの周波数は、プロセッサ110によってLF(t)に制御または設定される。さらに、時間t0とt1の間の時間間隔中、プロセッサ110は、テーブル1にアクセスしてテーブル1に格納された周波数オフセットにアクセスし、テーブル1内に格納されたRF電源120Bによって生成されるRF信号602Bの周波数をHF-1に制御または設定する。テーブル1に格納された周波数オフセットは、その周波数オフセットをHF RFGの周波数コントローラ116Bに提供することによってプロセッサ110によって適用され、RF電源120Bがその周波数オフセットで動作するようにRF電源120Bをさらに制御する。時間t1とt2の間の時間間隔中、RF信号602Aの周波数をLF(t)からLF(t)+A(t)に変更すると、プロセッサ110は、テーブル2に格納された周波数オフセットにアクセスし、RF信号602Bの周波数をテーブル1のHF-2ではなくテーブル2のHF-2.1に制御する。テーブル2に格納された周波数信号508の周波数オフセットは、周波数LF(t)+A(t)に対応し、LF RFGが周波数LF(t)+A(t)で動作するときに適用される。RF信号602Bの周波数がテーブル2のHF-2.1に制御されるとき、プロセッサ110は、図5Bの周波数信号508の周波数オフセットを選択する。テーブル2に格納された周波数オフセットは、その周波数オフセットをHF RFGの周波数コントローラ116Bに提供することによってプロセッサ110によって適用され、RF電源120Bがその周波数オフセットで動作するようにRF電源120Bをさらに制御する。
【0106】
プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1の時間t2とt12の間の残りの時間間隔の各々についての周波数オフセットを周波数コントローラ116Bに提供する。周波数オフセットを受信すると、周波数コントローラ116Bは、ドライバ118Bを介してRF電源120Bを制御し、RF信号602Bを生成する。RF電源120Bは、出力O2および入力I2を介してRF信号602BをIMC104に供給する。
【0107】
IMC104は、RF信号602Aおよび602Bを受信し、RF信号602Aおよび602Bを組み合わせると同時に、負荷のインピーダンスをソースと整合させ、出力O3において修正RF信号604を出力する。IMC104は、修正RF信号604をチャック108に供給する。1つまたは複数のプロセスガスおよび修正RF信号604がプラズマチャンバ106に供給されると、基板Sを処理するためにプラズマがプラズマチャンバ106内で生成または維持される。
【0108】
図7Aは、反射係数であるパラメータガンマのプロットを例示するスミスチャート702の一実施形態である。スミスチャート702は、ガンマの実数部をガンマの虚数部に対してプロットしている。パラメータガンマは、図1のプラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射された電力を表す。例えば、ガンマ値0は、HF RFGに向かって反射される電力量が最小またはゼロであることを表し、ガンマ値1は、HF RFGに向かって反射される電力量が最大であることを表す。
【0109】
スミスチャート702は、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときにプロットされる。スミスチャート702に示すように、図1のLF RFGの動作の1つのサイクル(図2Aまたは図5Aのサイクル1など)において、パラメータガンマは、スミスチャート702の中心を通過しない。LF RFGの1サイクル(図2Aのサイクル1など)の中で、スミスチャート702には幅広い変動がある。したがって、大量の電力がプラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射され、少量の電力がHF RFGからプラズマチャンバ106に送出される。
【0110】
図7Bは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときのパラメータガンマのプロットを例示するスミスチャート704の一実施形態である。スミスチャート704は、パラメータガンマの虚数値をパラメータガンマの実数値に対してプロットしている。スミスチャート704に示すように、LF RFGの動作の1サイクル中(図2Aまたは図5Aのサイクル1中など)に、パラメータガンマは、スミスチャート704の中心を2回通過する。したがって、少量の電力がプラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射され、大量の電力がHF RFGからプラズマチャンバ106に送出される。
【0111】
図8Aは、順方向電力が図1のHF RFGの1つの動作周波数に集中することを例示するグラフ802の一実施形態である。グラフ802は、高速フーリエ変換分析をHF RFGの順方向電力に適用することによって生成され、順方向電力は、図1に示される方向性結合器124およびオシロスコープ126を使用して測定される。グラフ802は、HF RFGの順方向電力の値を周波数値に対してプロットしている。グラフ802に示される順方向電力は、LF RFGの動作の1サイクル中(図2Aまたは図5Aのサイクル1中など)に1つの周波数値で動作されるHF RFGによって供給される電力である。グラフ802は、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときにプロットされる。図8Aに示されるように、HF RFGの周波数値は、LF RFGの動作サイクル1の間、変更されない。
【0112】
図8Bは、順方向電力が図1のHF RFGの複数の動作周波数に分布していることを例示するグラフ804の一実施形態である。グラフ804は、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときにプロットされる。グラフ804は、HF RFGによって供給される順方向電力の量をHF RFGの周波数値に対してプロットしている。グラフ804に示される周波数値は、図2Bの周波数信号208の周波数値の例である。
【0113】
図9Aは、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、図1のプラズマチャンバ106から図1のHF RFGに向かって反射される電力を例示するグラフ902の一実施形態である。グラフ902は、高速フーリエ変換分析をHF RFGの反射電力に適用することによって生成され、反射電力は、図1に示される方向性結合器124およびオシロスコープ126を使用して測定される。グラフ902は、HF RFGの反射電力の値を周波数値に対してプロットしている。
【0114】
図9Bは、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、図1のプラズマチャンバ106から図1のHF RFGに向かって反射される電力を例示するグラフ904の一実施形態である。グラフ904は、HF RFGの反射電力の値を周波数値に対してプロットしている。グラフ902および904によって示されるように、HF RFGに向かって反射された電力は、方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときのほうが少ないか、または最小である。電力を最適化する方法が適用されないとき、LF RFGの周波数によって変調されたHF RFGの周波数において大量の電力が反射され、HF RFGによって送出される電力の効率を低下させる。
【0115】
図10Aは、図1のLF RFGの動作サイクル中に図1のHF RFGによって供給される瞬時順方向電力、図1のプラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射される瞬時反射電力、およびHF RFGによって送出される瞬時送出電力を例示するグラフ1002の一実施形態である。グラフ1002は、HF RFGに関連する電力を時間tに対してプロットしている。グラフ1002は、LF RFGの動作サイクル中の順方向電力Pforのプロット、反射電力Prevのプロット、送出電力Pdelのプロット、および電圧値VLFを含む。グラフ1002は、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときにプロットされる。
【0116】
図10Bは、図1のLF RFGの動作サイクル中に図1のHF RFGによって供給される瞬時順方向電力、図1のプラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射される瞬時反射電力、およびHF RFGによって送出される瞬時送出電力を例示するグラフ1004の一実施形態である。グラフ1004は、HF RFGに関連する電力を時間tに対してプロットしている。グラフ1004は、LF RFGの動作サイクル中(図2Aまたは図5Aのサイクル1中など)の順方向電力Pforのプロット、反射電力Prevのプロット、送出電力Pdelのプロット、および電圧値VLFを含む。グラフ1004は、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときにプロットされる。このグラフ1004および図10Aのグラフ1002に示されるように、反射電力は、方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときのほうがはるかに低い。
【0117】
図11は、基板Sの温度を基板Sの半径に対してプロットしているグラフ1102の一実施形態である。グラフ1102は、A~Fとラベル付けされた複数のプロットを含む。プロットA~Cは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、図1のHF RFGによって供給されるRF信号の異なる電力レベル、例えば、800ワット(W)、1200ワット、および1600ワットに対応する。さらに、プロットD~Fは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGによって供給されるRF信号の異なる電力レベルに対応する。これらのプロットA~Fによって示されるように、基板Sの温度は、方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときのほうが高い。温度の上昇は、方法の適用によってプラズマチャンバ106に送出される電力の量が増加した結果である。
【0118】
図12Aは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1202の一実施形態である。グラフ1202は、図1のLF RFGによって生成されたRF信号の電圧を時間tに対してプロットしたプロット1204を含む。加えて、グラフ1202は、HF RFGによって供給された電力のプロット1206と、HF RFGに向かって反射された電力のプロット1208とを含む。グラフ1202は、HF RFGが800ワットの電力を供給するように制御されるときにプロットされる。
【0119】
図12Bは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1208の一実施形態である。グラフ1208は、図1のLF RFGによって生成されたRF信号の電圧を時間tに対してプロットしたプロット1210を含む。加えて、グラフ1208は、HF RFGによって供給された電力のプロット1212と、HF RFGに向かって反射された電力のプロット1214とを含む。グラフ1208は、HF RFGが800ワットの電力を供給するように制御されるときにプロットされる。プロット1206、1208、1212、および1214によって示されるように、方法が適用されるときにHF RFGによって送出される電力は、方法が適用されないときにHF RFGによって送出される電力よりも大きい。
【0120】
送出電力が増加すると、HF RFGのサイズ、重量、およびコストの削減が容易になる。例えば、方法が適用されるとき、HF RFGは大量の電力を供給する必要がなく、それによりHF RFGのサイズ、重量、およびコストが削減される。
【0121】
図13Aは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1302の一実施形態である。グラフ1302は、HF RFGによって供給される電力を時間tに対してプロットしたプロット1304と、HF RFGに向かって反射される電力を時間tに対してプロットしたプロット1306とを含む。グラフ1302を生成するため、HF RFGは1200ワットの電力を供給するように制御される。
【0122】
図13Bは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1308の一実施形態である。グラフ1308は、HF RFGによって供給される電力を時間tに対してプロットしたプロット1310と、HF RFGに向かって反射される電力を時間tに対してプロットしたプロット1312とを含む。グラフ1308は、HF RFGが1200ワットの電力を供給するように制御されるときにプロットされる。この場合も、グラフ1308のプロット1304および1306、ならびにグラフ1308の1310および1312によって示されるように、方法が適用されるときにHF RFGによって送出される電力は、方法が適用されないときにHF RFGによって送出される電力よりも大きい。
【0123】
図14Aは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1402の一実施形態である。グラフ1402は、HF RFGによって供給された電力を時間tに対してプロットしたプロット1404と、HF RFGに向かって反射される電力を時間tに対してプロットしたプロット1406とを有する。グラフ1402は、HF RFGが1600ワットの電力を供給するように制御されるときにプロットされる。
【0124】
図14Bは、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに、HF RFGに向かって反射される電力の量を例示するグラフ1408の一実施形態である。グラフ1408は、HF RFGによって供給される電力を時間tに対してプロットしたプロット1410と、HF RFGに向かって反射される電力を時間tに対してプロットしたプロット1412とを含む。グラフ1408は、HF RFGが1600ワットの電力を供給するように制御されるときにプロットされる。方法が適用されるときにHF RFGによって送出される電力は、方法が適用されないときにHF RFGによって送出される電力よりも大きいことが、プロット1404、1406、1410、および1412によって示される。
【0125】
図15Aは、HF RFGに向かって反射される電力を低減し、プラズマチャンバ106に送出される電力を増加させるIMC104の静電容量の決定を例示するシステム1500の一実施形態の図である。静電容量は、基板Sが処理される前に決定される。システム1500は、LF RFGと、HF RFGと、ホストコンピュータ102と、コンデンサコントローラ1502と、IMC104と、プラズマチャンバ106とを含む。コンデンサコントローラ1502は、ドライバ1504と、電気モータ1506とを含む。ドライバ1504は、プロセッサ110および電気モータ1506に結合される。電気モータ1506は、IMC104のシャントコンデンサ(分路コンデンサ)C1に結合される。例えば、電気モータ1506は、1つもしくは複数のロッド、または1つもしくは複数のロッドと1つもしくは複数のギアとの組み合わせなどの接続機構を介して、シャントコンデンサC1に結合される。
【0126】
IMC104は、直列コンデンサC2と、シャントコンデンサC1とを含む。シャントコンデンサC1および直列コンデンサC2の各々は、可変コンデンサである。シャントコンデンサC1の一端は接地電位に結合され、他端は直列コンデンサC2および入力I2に結合される。直列コンデンサC2の一端は入力I2に結合され、他端はインダクタIDTR1に結合される。インダクタIDTR1の一端は出力O3に結合され、他端は直列コンデンサC2に結合される。同様に、1つもしくは複数のインダクタ、または1つもしくは複数のコンデンサ、または1つもしくは複数のインダクタと1つもしくは複数のコンデンサとの組み合わせのネットワークが、入力I1と出力O3の間に結合される。
【0127】
LF RFGの動作中、電力センサ122は、出力O2における送出電力の測定値をプロセッサ110に提供する。電力の測定値が受信される前、シャントコンデンサC1の静電容量は、値CXを有する。送出電力の測定値を受信したことに応じて、プロセッサ110は、シャントコンデンサC1の静電容量を値CYに設定するコマンド信号をドライバ1504に送信する。コマンド信号を受信すると、ドライバ1504は、モータ1506に提供する電流信号を生成する。電流信号が受信されると、モータ1506の回転子は、モータ1506の固定子に対して回転してシャントコンデンサC1のプレート間の面積を変更し、シャントコンデンサC1の静電容量をCXから値CYにさらに変更する。
【0128】
静電容量がCYに変更された後、電力センサ122は、出力O2における送出電力の別の測定値をプロセッサ110に提供する。プロセッサ110は、シャントコンデンサC1の静電容量がCYのときの出力O2における送出電力の測定値が、シャントコンデンサC1の静電容量がCXのときの出力O2における送出電力の測定値よりも大きいかどうかを決定する。静電容量CYの場合の出力O2における送出電力の測定値が、静電容量CXの場合の出力O2における送出電力の測定値よりも大きいと決定すると、プロセッサ110は、シャントコンデンサC1の静電容量をCYに維持することを決定する。他方、静電容量CXの場合の出力O2における送出電力の測定値が、静電容量CYの場合の出力O2における送出電力の測定値よりも大きいと決定すると、プロセッサ110は、シャントコンデンサC1の静電容量をCXに維持または設定することを決定する。
【0129】
一実施形態では、直列コンデンサC2またはシャントコンデンサC1のいずれかが固定されているか、または直列コンデンサC2とシャントコンデンサC1の両方が固定されている。
【0130】
一実施形態では、プロセッサ110は、別のコンデンサコントローラ(図示せず)を介して直列コンデンサC2に結合されて、直列コンデンサC2の静電容量を変更し、プラズマチャンバ106からHF RFGに向かって反射される電力を低減し、プラズマチャンバ106に送出される電力を増加させる。例えば、プロセッサ110は、他のコンデンサコントローラを介して直列コンデンサC2を制御し、直列コンデンサC2の静電容量を増減させる。他のコンデンサコントローラ(図示せず)は、コンデンサコントローラ1502と同じ構造および機能を有する。
【0131】
一実施形態では、プロセッサ110は、コンデンサコントローラ1502を介してシャントコンデンサC1の静電容量を制御するとともに、他のコンデンサコントローラ(図示せず)を介して直列コンデンサC2の静電容量を制御して、出力O2における送出電力を増加させ、プラズマチャンバ106に送出される電力をさらに増加させる。
【0132】
一実施形態では、IMC104の静電容量は、基板Sがプラズマチャンバ106内で処理されている間に決定される。
【0133】
図15Bは、図15Aのプラズマチャンバ106に送出される電力を増加させるために、図15AのシャントコンデンサC1の静電容量を決定すること、および図15AのHF RFGの周波数オフセットを決定することを例示する方法1510の一実施形態のフローチャートである。動作1512において、HF RFGのRF電源120Bの周波数オフセットは、HF RFGに向かって反射される電力を低減するように決定される。例えば、図6のテーブル1および2内のHF値は、動作1512においてプロセッサ110によって決定される。さらに、動作1514において、プラズマチャンバ106に送出される電力が最大化される静電容量値(CXまたはCYなど)が、プロセッサ110によって決定される。プロセッサ110は、プラズマチャンバ106への電力送出を最大化するために、動作1512および1514を繰り返し続ける。
【0134】
図16Aは、図1のプロセッサ110が、基板Sの堆積またはエッチングまたは洗浄またはスパッタリングなどの特定のプロセスを容易にするために図1のHF RFGの周波数オフセットを決定することを例示するグラフ1602の一実施形態である。グラフ1602は、電力または電圧を時間tに対してプロットしている。グラフ1602は、電圧信号204と、出力O2におけるHF RFGからの供給電力を表すプロットPfwdと、出力O2における図1のプラズマチャンバ106からの反射電力を表すプロットPrevとを含む。グラフ1602にプロットされた電圧は、LF RFGによって生成されたRF信号のものであり、このRF信号は連続波RF信号である。さらに、プロットPfwdおよびPrevは、HF RFGによって生成されたRF信号のものであり、このRF信号は連続波RF信号である。
【0135】
出力O2における反射電力が最小である周波数オフセットを電圧信号204のサイクル1の前半に決定する経験的方法を適用する代わりに、プロセッサ110は、出力O2における反射電力が最大である周波数オフセットを決定する経験的方法を適用する。例えば、プロセッサ110は、時間t0とt1の間の時間間隔について、出力O2における反射電力が最大である周波数オフセットHFaで動作するようにHF RFGを制御すると決定する。これは、出力O2における反射電力が最小であるHF RFGの別の周波数オフセットHFxと比較される。同様に、プロセッサは、時間t1とt6の間の時間間隔について、出力O2における反射電力が最大である周波数オフセットで動作するようにHF RFGを制御すると決定する。電圧信号204のサイクル1の後半に、プロセッサ110は、出力O2における反射電力が最小である周波数オフセットを決定し、サイクル1の後半の間、その周波数オフセットで動作するようにHF RFGを制御する。
【0136】
サイクル1の前半は、図2Aの電圧信号204の始点P1の正のゼロ交差として開始し、電圧信号204の中点P2の負のゼロ交差で終了する。例えば、サイクル1の前半は、時間t0で開始し、時間t6で終了する。サイクル1の後半は、電圧信号204の中点P2の負のゼロ交差として開始し、電圧信号204の終点P3の正のゼロ交差で終了する。一例として、サイクル1の後半は、時間t6で開始し、時間t12で終了する。
【0137】
一実施形態では、HF RFGの周波数オフセットは、HF RFGによって生成される多状態RF信号の各状態についてプロセッサ110によって決定され、その結果、各状態について、反射される電力の量が、LF RFGの各サイクルの前半に最大となり、LF RFGの各サイクルの後半に最小となる。例えば、HF RFGの周波数オフセットの第1のセットは、多状態RF信号の第1の状態に対して決定され、LF RFGの各サイクルの前半に反射される電力量を最大化し、LF RFGの各サイクルの後半に反射される電力量を最小化する。また、HF RFGの周波数オフセットの第2のセットは、多状態RF信号の第2の状態に対して決定され、LF RFGの各サイクルの前半に反射される電力量を最大化し、LF RFGの各サイクルの後半に反射される電力量を最小化する。
【0138】
図16Bは、ホストコンピュータ102の一実施形態の図であり、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力がLF RFGの動作サイクルの前半で最小化され、動作サイクルの後半で最大化される周波数オフセットを格納するテーブル3をプロセッサ110によって作成することを例示している。プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1の前半の時間t0とt1の間の期間中に周波数オフセットHFaで動作するようにHF RFGを制御し、動作サイクル1の前半の時間t1とt2の間の期間中に周波数オフセットHFbで動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHFaおよびHFbを適用する。同様に、プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1の前半の間、周波数オフセットHFc、HFd、HFe、およびHFfで動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHFc、HFd、HFe、およびHFfを適用する。LF RFGの動作サイクル1の後半の間、プロセッサ110は、周波数オフセットHF1、HF2、HF3、HF3、HF2、およびHF0で動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHF1、HF2、HF3、HF3、HF2、およびHF0を適用する。この場合も、LF RFGの動作サイクル2の前半の間、プロセッサ110は、周波数オフセットHFa、HFb、HFc、HFd、HFe、およびHFfで動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHFa、HFb、HFc、HFd、HFe、およびHFfを適用する。テーブル3に格納された周波数オフセットは、周波数調整波形を形成する。HF RFGに向かって出力O2で反射される電力が最大化されるとき、プラズマチャンバ106に送出される電力が最小化される。そして、HF RFGに向かって出力O2で反射される電力が最小化されるとき、プラズマチャンバ106に送出される電力が最大化される。
【0139】
一実施形態では、プロセッサ110は、HF RFGによって生成される多状態RF信号の各状態についてHF RFGが周波数オフセットで動作するようにHF RFGを制御し、その結果、各状態について、反射される電力の量が、LF RFGの各サイクルの前半に最大となり、LF RFGの各サイクルの後半に最小となる。例えば、プロセッサ110は、多状態RF信号の第1の状態の間、HF RFGの周波数オフセットの第1のセットで動作するように図1のRF電源120Bを制御して、LF RFGの各サイクルの前半で反射される電力量を最大化するとともに、LF RFGの各サイクルの後半で反射される電力量を最小化する。また、プロセッサ110は、多状態RF信号の第2の状態の間、HF RFGの周波数オフセットの第2のセットで動作するように図1のRF電源120Bを制御し、LF RFGの各サイクルの前半で反射される電力量を最大化するとともに、LF RFGの各サイクルの後半で反射される電力量を最小化する。
【0140】
図17Aは、図1のプロセッサ110が、別の特定のプロセスを容易にするために図1のHF RFGの周波数オフセットを決定する経験的方法を適用することを例示するグラフ1702の一実施形態である。この別の特定のプロセスは、図17Bのテーブル3によって容易にされるプロセスとは異なる。例えば、テーブル3によって容易にされるプロセスが堆積動作である場合、グラフ1702によって容易にされるプロセスは、エッチング動作である。別の例として、テーブル3によって容易にされるプロセスが第1の堆積速度を有する堆積動作である場合、グラフ1702によって容易にされるプロセスは、第2の堆積速度を有する堆積動作である。第2の堆積速度は、第1の堆積速度とは異なる。
【0141】
グラフ1702は、電力または電圧を時間tに対してプロットしている点で、図16Aのグラフ1602と同様である。グラフ1702は、電圧信号204と、出力O2におけるHF RFGからの供給電力を表すプロットPfwdと、出力O2における図1のプラズマチャンバ106からの反射電力を表すプロットPrevとを含む。グラフ1702にプロットされた電圧は、LF RFGによって生成されたRF信号のものであり、このRF信号は連続波RF信号である。さらに、グラフ1702にプロットされたプロットPfwdおよびPrevは、HF RFGによって生成されたRF信号のものであり、このRF信号は連続波RF信号である。
【0142】
電圧信号204のサイクル1の前半の間、プロセッサ110は、出力O2における反射電力が最小である周波数オフセットを決定し、HF RFGがサイクル1の前半の間その周波数オフセットで動作するようにHF RFGを制御する。電圧信号204のサイクル1の後半について、出力O2における反射電力が最小である周波数オフセットを決定する代わりに、プロセッサ110は、出力O2における反射電力が最大である周波数オフセットを決定する。一例として、プロセッサ110は、時間t6とt7の間の時間間隔について、出力O2における反射電力が最小である別の周波数オフセットHFyと比較して、出力O2におけるプラズマチャンバ106からの反射電力が最大である周波数オフセットHFa1でHF RFGが動作するように制御されると決定する。同様に、プロセッサ110は、時間t7とt12の間の時間間隔について、出力O2における反射電力が最大である周波数オフセットでHF RFGが動作するように制御されると決定する。
【0143】
一実施形態では、HF RFGの周波数オフセットは、HF RFGによって生成される多状態RF信号の各状態についてプロセッサ110によって決定され、その結果、各状態について、反射される電力の量が、LF RFGの各サイクルの後半に最大となり、LF RFGの各サイクルの前半に最小となる。例えば、HF RFGの周波数オフセットの第1のセットは、多状態RF信号の第1の状態に対して決定され、LF RFGの各サイクルの後半に反射される電力量を最大化し、LF RFGの各サイクルの前半に反射される電力量を最小化する。また、HF RFGの周波数オフセットの第2のセットは、多状態RF信号の第2の状態に対して決定され、LF RFGの各サイクルの後半に反射される電力量を最大化し、LF RFGの各サイクルの前半に反射される電力量を最小化する。
【0144】
図17Bは、ホストコンピュータ102の一実施形態の図であり、図1のプラズマチャンバ106に送出される電力がLF RFGの動作サイクルの前半で最大化され、動作サイクルの後半で最小化される周波数オフセットを格納するテーブル4をプロセッサ110によって作成することを例示している。例えば、LF RFGの動作サイクル1の前半の間、プロセッサ110は、周波数オフセットHF-1、HF-2、HF-3、HF-1、HF-1、およびHF0で動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHF-1、HF-2、HF-3、HF-1、HF-1、およびHF0を適用する。さらに、プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1の後半の時間t6とt7の間の期間中に周波数オフセットHFa1で動作するようにHF RFGを制御し、動作サイクル1の後半の時間t7とt8の間の期間中に周波数オフセットHFb1で動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHFa1およびHFb1を適用する。同様に、プロセッサ110は、LF RFGの動作サイクル1の後半の間、周波数オフセットHFc1、HFd1、HFe1、およびHFf1で動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHFc1、HFd1、HFe1、およびHFf1を適用する。この場合も、LF RFGの動作サイクル2の前半の間、プロセッサ110は、周波数オフセットHF-1、HF-2、HF-3、HF-1、HF-1、およびHF0で動作するようにHF RFGを制御して、周波数オフセットHF-1、HF-2、HF-3、HF-1、HF-1、およびHF0を適用する。テーブル4に格納された周波数オフセットは、周波数調整波形を形成する。
【0145】
一実施形態では、プロセッサ110は、HF RFGによって生成される多状態RF信号の各状態についてHF RFGが周波数オフセットで動作するようにHF RFGを制御し、その結果、各状態について、反射される電力の量が、LF RFGの各サイクルの前半に最小となり、LF RFGの各サイクルの後半に最大となる。例えば、プロセッサ110は、多状態RF信号の第1の状態の間、HF RFGの周波数オフセットの第1のセットで動作するように図1のRF電源120Bを制御して、LF RFGの各サイクルの前半で反射される電力量を最小化するとともに、LF RFGの各サイクルの後半で反射される電力量を最大化する。また、プロセッサ110は、多状態RF信号の第2の状態の間、HF RFGの周波数オフセットの第2のセットで動作するように図1のRF電源120Bを制御して、LF RFGの各サイクルの前半で反射される電力量を最小化するとともに、LF RFGの各サイクルの後半で反射される電力量を最大化する。
【0146】
図16Bのテーブル3に示される各周波数オフセットは、基準周波数HF0に対する周波数値の変化であり、図17Bのテーブル4に示される各周波数オフセットは、基準周波数HF0.1に対する周波数値の変化であることに留意されたい。
【0147】
図18は、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときに送出電力の量が増加すること、およびエッチング速度の半径方向の均一性が高まることを例示するグラフ1800の一実施形態である。グラフ1800は、エッチング速度を図6の基板Sの半径に対してプロットしている。グラフ1800は、方法が適用されるときに生成されるプロットa、b、およびcを含み、さらに、方法が適用されないときに生成されるプロットdおよびeを含む。グラフ1800に示されるように、HF RFGによって供給される順方向電力が同量の場合、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときと比較すると、方法が適用されるときのほうが、酸化物エッチング速度が高くなる。プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法を適用することによって、送出電力量がより多くなり、その結果、エッチング速度がより高速になる。例えば、プロットaおよびeは、HF RFGによって供給される順方向電力の量が同様または同じであるときに生成される。プロットaとeとの比較は、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときのほうが、方法が適用されないときと比較して、電力がプラズマチャンバ106へより効率的に送出されることを示している。より効率的な電力送出により、酸化物エッチング速度が約30%増加する。また、プロットa、b、およびcは、プロットdおよびeによって示されるエッチング速度と比較して、基板Sの表面全体のエッチング速度の均一性がより高いことを示している。
【0148】
図19は、図6のプラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されるときに達成されるエッチング深さが、方法が適用されないときに達成されるエッチング深さよりも大きいことを例示する図である。図19は、HF RFGが図1の出力O2で2.5キロワット(kW)の電力を供給するときに生成されるプロット1902と、HF RFGが出力O2で1.3kWの電力を供給するときに生成されるプロット1904と、HF RFGが出力O2で5kWの電力を供給するときに生成されるプロット1906と、HF RFGが出力O2で2.5kWの電力を供給するときに生成されるプロット1908とを含む。プロット1906および1908は、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法が適用されないときに生成され、プロット1902および1904は、方法が適用されるときに生成される。各プロット1902、1904、1906、および1908は、図6の基板Sの表面全体のエッチング深さをプロットしている。
【0149】
プロット1902および1908から示されるように、HF RFGによって供給される電力量が同じ場合、エッチング深さは、方法が適用されないときと比較して、方法が適用されるときのほうが大きい。さらに、プロット1904および1906から示されるように、ある電力量(例えば、5kW)がHF RFGの周波数オフセットで供給される場合と、より少ない電力量(例えば、1.3kW)がHF RFGの周波数オフセットで供給される場合を比較すると、エッチング深さの量は同様である。適用される電力量がより少ない周波数オフセットは、プラズマチャンバ106に送出される電力を最適化する方法を適用することによって生成される。
【0150】
本明細書で説明される各実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実施することができる。各実施形態はまた、ネットワークを介してリンクされる遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散型コンピューティング環境で実施することも可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。システムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含む。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化される。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれ、システムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされる。そのようなプロセスとしては、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、システムに結合または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0152】
広義には、多様な実施形態において、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定義されたチップ、PLD、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するためのパラメータ、係数、変数などを定義する。プログラム命令は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0153】
コントローラは、いくつかの実施形態では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であるか、またはそのようなコンピュータに結合されるか、またはそれらの組み合わせである。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあるか、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であり、これによりウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始する。
【0154】
いくつかの実施形態では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供する。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含む。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、データの形式で命令を受信し、この命令は、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのパラメータ、係数、および/または変数を指定する。パラメータ、係数、および/または変数は、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであることを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散される。このような目的のための分散型コントローラの一例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられる。
【0155】
様々な実施形態において、この方法が適用される例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用される任意の他の半導体処理システムを含むが、これらに限定されない。
【0156】
いくつかの実施形態では、上述の動作は、いくつかのタイプのプラズマチャンバ(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタを含むプラズマチャンバ、トランス結合プラズマチャンバ、導体ツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを含むプラズマチャンバなど)に適用されることにさらに留意されたい。例えば、1つまたは複数のRF発生器が、ICPリアクタ内でインダクタに結合される。インダクタの形状の例としては、ソレノイド、ドーム型コイル、フラット型コイルなどが挙げられる。
【0157】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、ホストコンピュータは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信する。
【0158】
上記の実施形態を念頭に置いて、実施形態のいくつかは、コンピュータシステムに格納されたデータを伴う様々なコンピュータ実装動作を用いることを理解されたい。これらの動作は、物理量を物理的に操作する動作である。本明細書で説明されて実施形態の一部を構成するあらゆる動作は、有用な機械動作である。
【0159】
実施形態のいくつかはまた、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータ用に特別に構築されている。専用コンピュータとして定義されるとき、コンピュータは、その専用の目的のために動作可能でありつつ、専用の目的の一部ではない他の処理、プログラム実行、またはルーチンを実施する。
【0160】
いくつかの実施形態では、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに格納されるかコンピュータネットワークを介して取得される1つもしくは複数のコンピュータプログラムによって、選択的にアクティブ化または構成されるコンピュータによって処理されてもよい。コンピュータネットワークを介してデータが取得される場合、そのデータは、コンピュータネットワーク上の他のコンピュータ(例えば、計算資源のクラウド)によって処理されてもよい。
【0161】
1つまたは複数の実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして製作することもできる。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを格納する任意のデータストレージハードウェアユニット(例えば、メモリデバイスなど)であり、データはその後コンピュータシステムによって読み取られる。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)、磁気テープ、ならびに他の光学および非光学データストレージハードウェアユニットを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で格納および実行されるように、ネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0162】
上記の方法動作は特定の順序で説明されたが、様々な実施形態において、各動作の間に他のハウスキーピング動作が実施されるか、または各方法動作がわずかに異なる時間に発生するように調整されるか、または各方法動作を様々な間隔で発生可能にするシステムに分散されるか、または上述の順序とは異なる順序で実施されることを理解されたい。
【0163】
一実施形態では、本開示で説明される様々な実施形態で説明される範囲から逸脱することなく、上述の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わされることにさらに留意されたい。
【0164】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されているが、一定の変更および修正を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割することであって、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近い、波形サイクルの分割と、
対応する周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整することと、
を含む、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、
前記周波数オフセットの各々は、前記波形サイクルが正であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数から前記LF RF発生器の周波数の整数値を減算し、前記波形サイクルが負であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数に前記LF RF発生器の前記周波数の整数値を加算することによって計算される、方法。
適用例3:
適用例1の方法であって、
前記LF RF発生器の前記波形サイクルの前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を前記調整することにより、電力を前記プラズマチャンバの前記電極に供給するときに前記HF RF発生器の前記周波数を調節するために使用される周波数調整波形を生成する、方法。
適用例4:
適用例3の方法であって、
前記周波数調整波形は、前記波形サイクルの形状と比較して実質的に逆の形状である、方法。
適用例5:
適用例3の方法であって、
処理動作中に前記HF RF発生器の前記周波数が前記周波数調整波形に調節されると、前記LF RF発生器によって供給される電力および前記HF RF発生器によって供給される電力について、反射電力に対する送出電力の比が増加する、方法。
適用例6:
適用例3の方法であって、
前記周波数調整波形は、前記LF RF発生器の特定周波数に対して生成され、
前記LF RF発生器の前記特定周波数の変更に対して、対応する変更周波数調整波形が使用される、
方法。
適用例7:
適用例1の方法であって、
前記周波数オフセットは、前記LF RF発生器によって供給される電力と、前記HF RF発生器によって供給される電力と、の電力比に比例する範囲内にある、方法。
適用例8:
適用例1の方法であって、
インピーダンス整合回路にコンデンサ値を設定し、前記プラズマチャンバの前記電極に送出される電力量を制御することをさらに含む、方法。
適用例9:
適用例1の方法であって、
前記始点における前記ゼロ交差は、正の勾配を有する正の交差であり、前記中点における前記ゼロ交差は、負の勾配を有する負の交差であり、前記終点における前記ゼロ交差は、正の勾配を有する正の交差である、方法。
適用例10:
適用例1の方法であって、
前記複数の時間間隔の各々は、均等である、方法。
適用例11:
適用例1の方法であって、
前記HF RF発生器の前記周波数を前記調整することにより、エッチング速度の半径方向の均一性を増加させる、方法。
適用例12:
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するコントローラであって、
プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリデバイスとを備え、
前記プロセッサは、
前記LF RF発生器によって生成された波形サイクルを複数の時間間隔に分割し、前記波形サイクルは、対応するゼロ交差を始点、中点、および終点に有し、前記終点は、次の波形サイクルの始点であり、前記ゼロ交差の各々での前記HF RF発生器の周波数は、基準周波数に近く、
対応する周波数オフセットに基づいて、前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整する
ように構成され、
前記メモリデバイスは、前記周波数オフセットを格納するように構成される、
コントローラ。
適用例13:
適用例12のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記波形サイクルが正であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数から前記LF RF発生器の周波数の整数値を減算し、前記波形サイクルが負であるとき、前記HF RF発生器の前記基準周波数に前記LF RF発生器の前記周波数の整数値を加算することによって前記周波数オフセットの各々を計算するように構成される、コントローラ。
適用例14:
適用例12のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記LF RF発生器の前記波形サイクルの前記複数の時間間隔の各々について前記HF RF発生器の前記周波数を調整して周波数調整波形を提供するように構成され、前記プロセッサは、電力が前記プラズマチャンバの前記電極に供給されるとき、前記周波数調整波形に従って前記HF RF発生器の前記周波数を調節するように構成される、コントローラ。
適用例15:
適用例14のコントローラであって、
前記周波数調整波形は、前記波形サイクルの形状と比較して実質的に逆の形状である、コントローラ。
適用例16:
適用例14のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記周波数調整波形を使用して前記HF RF発生器の前記周波数を調節し、前記電極に送出される電力に関連する比である、反射電力に対する送出電力の比を増加させるように構成される、コントローラ。
適用例17:
適用例14のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記LF RF発生器の特定周波数に対して前記周波数調整波形を設定するように構成され、前記プロセッサは、前記LF RF発生器の前記特定周波数の変更に対して、対応する変更周波数調整波形を使用するように構成される、コントローラ。
適用例18:
適用例12のコントローラであって、
前記プロセッサは、インピーダンス整合回路にコンデンサ値を設定し、前記プラズマチャンバの前記電極に送出される電力量を制御するように構成される、コントローラ。
適用例19:
適用例12のコントローラであって、
前記始点における前記ゼロ交差の1つは、正の勾配を有する正の交差であり、前記中点における前記ゼロ交差のもう1つは、負の勾配を有する負の交差であり、前記終点における前記ゼロ交差のさらにもう1つは、正の勾配を有する正の交差である、コントローラ。
適用例20:
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化する方法であって、
前記LF RF発生器の周波数を含むプロセス動作を選択することと、
複数の周波数調整波形のデータベースにアクセスすることと、
前記プロセス動作のために前記複数の周波数調整波形の1つを選択することであって、前記選択された周波数調整波形は、前記LF RF発生器の前記周波数に対して最適化されることと、
電力が前記プラズマチャンバの前記電極に送出されている間、前記選択された周波数調整波形を前記HF RF発生器に適用することであって、前記複数の周波数調整波形は、前記HF RF発生器の基準周波数に対する調整であり、前記選択された周波数調整波形を前記適用することにより、前記HF RF発生器に向かって反射される電力を低減することと
を含む、方法。
適用例21:
適用例20の方法であって、
前記複数の周波数調整波形の各々は、複数の周波数オフセットによって表される、方法。
適用例22:
適用例20の方法であって、
前記選択された周波数調整波形を前記適用することにより、前記LF RF発生器の動作の波形サイクルの約半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力を低減し、前記LF RF発生器の動作の前記波形サイクルの残りの半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力を増加させる、方法。
適用例23:
適用例22の方法であって、
前記波形サイクルの前記約半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記負の交差は、前記正の交差に続く、方法。
適用例24:
適用例22の方法であって、
前記波形サイクルの前記約半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記正の交差は、前記負の交差に続く、方法。
適用例25:
低周波(LF)無線周波数(RF)発生器および高周波(HF)RF発生器によるプラズマチャンバの電極への電力送出を最適化するコントローラであって、
メモリデバイスと、前記メモリデバイスに結合されたプロセッサとを備え、
前記メモリデバイスは、複数の周波数調整波形のデータベースを格納するように構成され、
前記プロセッサは、
前記LF RF発生器の周波数を含むプロセス動作を選択し、
前記複数の周波数調整波形の前記データベースにアクセスし、
前記プロセス動作のために前記複数の周波数調整波形の1つを選択し、前記選択された周波数調整波形は、前記LF RF発生器の前記周波数に対して最適化され、
電力が前記プラズマチャンバの前記電極に送出されている間、前記選択された周波数調整波形を前記HF RF発生器に適用し、前記周波数調整波形は、前記HF RF発生器の基準周波数に対する調整であり、前記選択された周波数調整波形を前記適用することにより、前記HF RF発生器に向かって反射される電力を低減する
ように構成される、
コントローラ。
適用例26:
適用例25のコントローラであって、
前記複数の周波数調整波形の各々は、複数の周波数オフセットによって表される、コントローラ。
適用例27:
適用例25のコントローラであって、
前記プロセッサは、前記選択された周波数調整波形を適用して、前記LF RF発生器の動作の波形サイクルの半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力を低減し、前記LF RF発生器の動作の前記波形サイクルの残りの半分の間、前記HF RF発生器に向かって反射される前記電力を増加させるように構成される、コントローラ。
適用例28:
適用例27のコントローラであって、
前記波形サイクルの前記半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記負の交差は、前記正の交差に続く、コントローラ。
適用例29:
適用例27のコントローラであって、
前記波形サイクルの前記半分は、前記波形サイクルの負の交差で開始し、前記波形サイクルの前記残りの半分は、前記波形サイクルの正の交差で開始し、前記正の交差は、前記負の交差に続く、コントローラ。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19