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特許7066960多孔性基材の表面コーティング装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-06
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】多孔性基材の表面コーティング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
C23C16/455
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019571250
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 KR2018007058
(87)【国際公開番号】W WO2019013465
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2017-0088402
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ イン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ウン ビョル
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-187114(JP,A)
【文献】特開2005-306625(JP,A)
【文献】特表2015-507097(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0229758(US,A1)
【文献】特開2009-288293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の表面をコーティングするための装置であって、
多孔性基材の第1面にソースガスを供給するための第1供給部と、
多孔性基材の第1面から第2面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるための第1ポンピング部と、
多孔性基材の第2面にソースガスを供給するための第2供給部と、
多孔性基材の第2面から第1面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるための第2ポンピング部と、
基材を移送するための基材キャリアと、を含み、
第1供給部を通過した基材の第1面と第2面を反転させるための基材反転部をさらに含み、
基材を移送するための基材キャリアは、少なくとも一部領域で気流が通過するための一つ以上の開口を有する、多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項2】
第1供給部及び第1ポンピング部は、基材を基準として対向するように配置される、請求項1に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項3】
第2供給部及び第2ポンピング部は、基材を基準として対向するように配置される、請求項1または2に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項4】
第1供給部及び第2供給部は、基材の移送方向に沿って順に配列され、
第1ポンピング部及び第2ポンピング部は、基材の移送方向に沿って順に配列される、請求項1からのいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項5】
第1ポンピング部と第2ポンピング部は、同一の圧力で気流を形成する、請求項1からのいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項6】
第1ポンピング部と第2ポンピング部は、異なる圧力で気流を形成する、請求項1からのいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項7】
第1供給部は、前処理ガス噴射ポート、ソースガス噴射ポート、パージガス噴射ポートを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項8】
前処理ガス噴射ポートを通じてプラズマ又は有機蒸気が供給される、請求項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項9】
基材キャリアは、不連続基材を移送するように設けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項10】
第1供給部及び第2供給部は、基材の上部又は下部のうちいずれか1ヶ所に基材の移送方向に沿って順に配置され、
第1ポンピング部及び第2ポンピング部は、基材の上部又は下部のうち残り1ヶ所に基材の移送方向に沿って順に配置される、請求項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置。
【請求項11】
第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の気孔内部に気流を発生させて多孔性基材の表面をコーティングするための方法であって、
多孔性基材を移送するステップと、
多孔性基材の第1面から第2面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、
多孔質基材の第1面と第2面を反転させるステップと、
多孔性基材の第2面から第1面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の多孔性基材の表面コーティング装置を用いた多孔性基材の表面コーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2017年7月12日に出願された大韓民国特許出願第10-2017-0088402号に基づく優先権の利益を主張し、該当大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、多孔性基材の表面コーティング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
基材上に膜を形成する方法として、例えば、原子層蒸着方法がある。
【0004】
原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)は、通常的に気相(gas phase)である化学物質の順次的な使用に基盤して基材上に膜を形成する技術であって、多様な分野に適用されている。
【0005】
図1は、一般的な原子層蒸着装置1を示す概路図であり、特に、空間分割方式の原子層蒸着装置1を示す。
【0006】
原子層蒸着装置1は、複数の供給ポート11、12、13を有するガス分配プレート10及び基材20を移送するための移送装置を含む。前記ガス分配プレート10は、基材20上に一つ以上の前駆体ガス(precursor A、B)(「ソースガス」ともいう)を供給するための前駆体ガス供給ポート11、12及び不活性ガスなどのパージ(purge)ガスを供給するためのパージガス供給ポート13を有する。
【0007】
また、原子層蒸着方法は、高い塗布性により多孔性基材の気孔の表面コーティングに有利である。しかし、多孔性基材が厚くなる場合、気孔内部へのソースガスの供給及び拡散、反応副産物のパージ(purge)及び除去が円滑に行われないので均一なコーティングが難しくなる。
【0008】
具体的に、多孔性基材の気孔サイズ、縦横比あるいは表面特性によって気孔内部へのガス供給又は拡散が円滑に行われない場合があり、それによって、多孔性基材の深さ方向(厚さ方向)に沿って蒸着厚さ及び組成の不均一が発生できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、多孔性基材の表面を均一にコーティングすることができる多孔性基材の表面コーティング装置及び方法を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一側面によると、第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の表面をコーティングするための装置であって、多孔性基材の第1面にソースガスを供給するための第1供給部と、多孔性基材の第1面から第2面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるための第1ポンピング部と、多孔性基材の第2面にソースガスを供給するための第2供給部と、多孔性基材の第2面から第1面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるための第2ポンピング部と、基材を移送するための基材キャリアと、を含む多孔性基材の表面コーティング装置が提供される。
【0011】
また、第1供給部及び第1ポンピング部は、基材を基準として対向するように配置されることができる。
【0012】
また、第2供給部及び第2ポンピング部は、基材を基準として対向するように配置されることができる。
【0013】
また、第1供給部及び第2ポンピング部は、基材の第1面側と対向するように基材の移送方向に沿って順に配置されることができる。
【0014】
また、第1ポンピング部及び第2供給部は、基材の第2面側と対向するように基材の移送方向に沿って順に配置されることができる。
【0015】
また、第1供給部及び第2供給部は、基材の移送方向に沿って順に配列されることができ、第1ポンピング部及び第2ポンピング部は、基材の移送方向に沿って順に配列されることができる。
【0016】
また、第1ポンピング部と第2ポンピング部は、同一の圧力で気流を形成するように設けられてもよい。
【0017】
また、第1ポンピング部と第2ポンピング部は、異なる圧力で気流を形成するように設けられてもよい。
【0018】
また、基材キャリアは、少なくとも一部領域で気流が通過するための一つ以上の開口を有することができる。
【0019】
また、基材キャリアは、第1及び第2供給部を通過するとき基材を連続的に移送するように設けられてもよい。
【0020】
それとは異なり、基材キャリアは、第1及び第2供給部を通過するとき基材を不連続的に移送するように設けられてもよい。
【0021】
また、前記装置は、第1供給部を通過した基材の第1面と第2面を反転させるための基材反転部をさらに含んでいてもよい。
【0022】
このとき、第1供給部及び第2供給部は、基材の上部又は下部のうちいずれか1ヶ所に基材の移送方向に沿って順に配置されることができ、第1ポンピング部及び第2ポンピング部は、基材の上部又は下部のうち残り1ヶ所に基材の移送方向に沿って順に配置されることができる。
【0023】
また、本発明のまた他の側面によると、第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の気孔内部に気流を発生させて多孔性基材の表面をコーティングするための方法であって、多孔性基材を移送するステップと、多孔性基材の第1面から第2面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、多孔性基材の第2面から第1面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、を含む多孔性基材の表面コーティング方法が提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の少なくとも一実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置及び方法は、次のような効果を有する。
【0025】
多孔性基材の移送方向に沿ってソースガスが供給される方向及び多孔性基材の内部に形成される気流方向が互いに異なる空間を順に通過するようになることで、多孔性基材の両側面にソースガスの供給及び拡散が円滑に行われ、これによって、蒸着厚さ及び組成の不均一を改善することができる。
【0026】
また、多孔性基材の両面(前面、後面)蒸着程度を任意に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一般的な原子層蒸着装置を示す概略図である。
図2】本発明の第1実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置示す概略図である。
図3】本発明の第2実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置を示す概略図である。
図4図3のA部分の拡大図である。
図5図3のB部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施例による多孔性基材の表面コーティング装置及び方法について添付図面を参照して詳しく説明する。
【0029】
また、図面符号に関係なく同一であるか対応する構成要素には、同一又は類似の参照番号を付与し、それに対する重複説明は省略する。説明の便宜のために図示された各構成部材のサイズ及び形状は誇張されるか縮小されることがある。
【0030】
本文書で、多孔性基材の表面コーティング装置(以下、「コーティング装置」ともいう)は、原子層蒸着装置であってもよいが、これに限定されず、気流の形成によりコーティングが行われる多様な蒸着法、例えば、化学的気相蒸着、分子層蒸着あるいはそれらの組合せによる蒸着にも適用できる。
【0031】
図2は、本発明の第1実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置100を示す概略図である。
【0032】
前記コーティング装置100は、第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の表面をコーティングするための装置であって、多孔性基材120の第1面にソースガスを供給するためのソースガス供給部110及び多孔性基材120の第1面から第2面に向かって多孔性基材の内部(気孔)121に気流を発生させるためのソースガスポンピング部130を含む。
【0033】
したがって、多孔性基材120の第1面側にソースガスを噴射すると同時に、ソースガスポンピング部130を通じて多孔性基材120の気孔に第1面側から第2面側に向ける気流を発生させることで、多孔性基材120の内部までソースガスの注入及び拡散が円滑に行われる。
【0034】
図3は、本発明の第2実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置200を示す概略図であり、図4は、図3のA部分の拡大図であり、図5は、図3のB部分の拡大図である。
【0035】
第2実施例に係るコーティング装置200は、第1面(例えば、前面)及び前記第1面の反対方向の第2面(例えば、後面)を有する多孔性基材の表面をコーティングするための装置である。
【0036】
前記コーティング装置200は、多孔性基材220の第1面にソースガスを供給するための第1供給部211及び多孔性基材220の第1面から第2面に向かって多孔性基材220の内部に気流を発生させるための第1ポンピング部231を含む。
【0037】
また、コーティング装置200は、多孔性基材220の第2面にソースガスを供給するための第2供給部212及び多孔性基材220の第2面から第1面に向かって多孔性基材220の内部に気流を発生させるための第2ポンピング部232を含む。
【0038】
また、コーティング装置200は、基材220を移送するための基材キャリア(図示せず)を含む。このとき、基材キャリアは、少なくとも一部領域で気流が通過するための一つ以上の開口を有する。例えば、基材キャリアは、所定開口率を有するメッシュ(mesh)又はグリル(grill)形態で構成してもよい。これとは異なり、基材キャリアは、ロールツーロール方式で構成されて複数のガイドロールで構成してもよい。このような構造で、気流の通過のための開口を形成するために、ロールツーロール装置は、基材の幅方向の両側縁部を支持するように構成してもよい。
【0039】
一方、図3を基準として、第1ポンピング部231及び第2供給部212が配置された領域を基材220の上部と称し、第1供給部211及び第2ポンピング部232が配置された領域を基材220の下部と称することができる。
【0040】
第1及び第2供給部211、212は、ソースガスを基材上に噴射するように設けられ、一つ以上のソースガス(ソースA,ソースB)噴射ポート及びパージガス噴射ポートを含む。
【0041】
具体的に、それぞれの供給部211、212は、前処理ガス噴射ポート、ソースガス噴射ポート、パージガス噴射ポートを含んでいてもよい。例えば、供給部には、前処理ガス噴射ポート、第1前駆体(ソースA)噴射ポート、パージガス噴射ポート、第2前駆体(ソースB)噴射ポート、パージガス噴射ポートが配列されることができる。また、前処理ガス噴射ポートは、複数の他のガス噴射ポートを備えることができる。また、前処理ガス噴射ポートを通じてプラズマ又は有機蒸気が供給されることができる。
【0042】
また、第1供給部211及び第1ポンピング部231は、基材220を基準として対向するように配置されることができる。例えば、第1供給部211を通じてソースガスが基材の第1面側に噴射されると、第1ポンピング部231は、多孔性基材の内部の気孔221に第1面から第2面に向ける気流を発生させることで、気孔内部にコーティングが行われる。
【0043】
また、第2供給部212及び第2ポンピング部232は、基材を基準として対向するように配置されることができる。例えば、第2供給部212を通じてソースガスが基材220の第2面側に噴射されると、第2ポンピング部232は、多孔性基材の内部の気孔221に第2面から第1 面に向ける気流を発生させることで、気孔内部にコーティングが行われる。
【0044】
また、第1供給部211及び第2ポンピング部232は、基材の第1面側(例えば、基材の下部)と対向するように基材220の移送方向に沿って順に配置されることができ、第1ポンピング部231及び第2供給部212は、基材の第2面側(例えば、基材の上部)と対向するように基材220の移送方向に沿って順に配置されることができる。
【0045】
また、第1供給部211及び第2供給部212は、基材の移送方向に沿って順に配列されることができる。例えば、第1供給部211が基材の下部に配置され、第2供給部212は基材の上部に配置されてもよく、それと反対に配列されてもよい。また、第1ポンピング部231及び第2ポンピング部232は、基材の移送方向に沿って順に配列されることができる。例えば、第1ポンピング部231が基材の上部に配置され、第2ポンピング部232は基材の下部に配置されてもよく、それと反対に配列されもよい。
【0046】
図3図5を参照すると、多孔性基材220の移送方向に沿ってソースガスが供給される方向及び多孔性基材の内部に形成される気流方向(図4及び図5の矢印参照)が互いに異なる空間を順に通過するようにすることで、多孔性基材220の両側面(第1面及び第2面)にソースガスの供給及び拡散が円滑に行われる。
【0047】
一方、第1ポンピング部231と第2ポンピング部232は、同一の圧力で気流を形成するように設けられてもよい。また、それとは異なり、第1ポンピング部231と第2ポンピング部232は、異なる圧力で気流を形成するように設けられてもよい。これを通じて、多孔性基材220の両面(前面、後面)の蒸着程度を任意に制御することができる。
【0048】
基材キャリアは、連続基材を移送するように設けられてもよい。前記連続基材は、ウェブであってもよい。
【0049】
今までは多孔性基材220の走行中に多孔性基材220に加えられる気流の方向が交差するように供給部とポンピング部が配列された例を説明したが、本発明は、このような方式に制限されない。
【0050】
基材キャリアは、不連続基材を移送するように設けられてもよい。不連続基材は、ウェハー又はガラスであってもよい。このとき、前記コーティング装置200は、第1供給部211を通過した基材の第1面と第2面を反転させるための基材反転部(図示せず)をさらに含んでいてもよい。
【0051】
このとき、第1供給部211及び第2供給部212は、基材の上部又は下部のうちいずれか1ヶ所に基材の移送方向に沿って順に配置されることができる。例えば、第1供給部211及び第2供給部212は、一緒に基材の上部に配置されるか、下部に配置されることができる。
【0052】
同様に、第1ポンピング部231及び第2ポンピング部232は、基材の上部又は下部のうち残り1ヶ所に基材220の移送方向に沿って順に配置されることができる。
【0053】
例えば、第1ポンピング部231及び第2ポンピング部232は、一緒に基材220の上部に配置されるか、下部に配置されることができる。勿論、第1及び第2供給部211、212が基材220の上部に配置される場合、第1ポンピング部231及び第2ポンピング部232は基材220の下部に配置されることができる。
【0054】
また、第1供給部211と第1ポンピング部231は、基材220を基準として対向するように配列され、第2供給部212と第2ポンピング部232は、基材220を基準として対向するように配列されることができる。
【0055】
また、上記の構造を有するコーティング装置200を用いたコーティング方法は、次の通りである。
【0056】
前記コーティング方法は、第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の気孔内部に気流を発生させて多孔性基材の表面をコーティングするための方法であって、多孔性基材を移送するステップと、多孔性基材の第1面から第2面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、多孔性基材の第2面から第1面に向かってソースガスを供給及び拡散し、反応副産物及び反応後に残ったソースを除去するステップと、を含む。
【0057】
例えば、多孔性基材の表面コーティング方法は、第1面及び前記第1面の反対方向の第2面を有する多孔性基材の表面をコーティングするための方法であって、多孔性基材を移送するステップと、多孔性基材の第1面にソースガスを供給及び拡散するステップと、多孔性基材の第1面から第2面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるステップと、を含む。
【0058】
また、前記方法は、多孔性基材の第2面にソースガスを供給及び拡散するステップと、多孔性基材の第2面から第1面に向かって多孔性基材の内部に気流を発生させるステップと、を含む。
【0059】
上述した本発明の好ましい実施例は、例示を目的として開示されたものであって、本発明に対する通常の知識を有した当業者であれば、本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更及び付加は、下記の特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の少なくとも一実施例に係る多孔性基材の表面コーティング装置及び方法によると、多孔性基材の両側面にソースガスの供給及び拡散が円滑に行われ、これによって、蒸着厚さ及び組成の不均一が改善される。
図1
図2
図3
図4
図5