(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】球状微粒子
(51)【国際特許分類】
B01J 13/12 20060101AFI20220510BHJP
A61K 8/85 20060101ALI20220510BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220510BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20220510BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20220510BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20220510BHJP
C08L 67/00 20060101ALI20220510BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220510BHJP
C08K 9/00 20060101ALI20220510BHJP
C08J 3/16 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
B01J13/12
A61K8/85
A61K47/34
A61K9/16
A61Q13/00 102
A23L5/00 C
C08L67/00
C08L101/00
C08K9/00
C08J3/16 CFD
(21)【出願番号】P 2019518449
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2017075245
(87)【国際公開番号】W WO2018065481
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2016-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラコフスカ-マイゼ,エヴェリナ
(72)【発明者】
【氏名】クラウゼ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ライバッハ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コルター,カール
【審査官】山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-033196(JP,A)
【文献】特表2017-531630(JP,A)
【文献】米国特許第04363888(US,A)
【文献】米国特許第06573308(US,B1)
【文献】特開平04-226518(JP,A)
【文献】HU Jian-qing et al.,Synthesis and characterization of polyfunctional aziridine/polyester microcapsules by multiple emulsion-solvent evaporation method,J. Cent. South Univ. Technol.,2011年,Volume 18, Issue 2,337-342
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J
A61K
C08G
C08L
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁材料、並びに気体及び/又は液体を含む少なくとも一個の空洞から構成され、表面に孔を有する球状微粒子の組成物であって、前記球状微粒子が10~600μmの平均粒子径を有し、前記組成物の前記微粒子の前記平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する微粒子の少なくとも80%がそれぞれ、前記平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内の直径を有する孔を平均して少なくとも10個有し、さらに、これらの孔のそれぞれの直径が少なくとも20nmであり、
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む組成物からなり、前記壁材料のジクロロメタン中の溶解度が25℃において少なくとも50g/Lである、球状微粒子の組成物。
【請求項2】
前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の組成物でエステル化した脂肪族ジヒドロキシ化合物のエステルである、請求項1に記載の球状微粒子の組成物。
【請求項3】
前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)、及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される、請求項1又は2に記載の球状微粒子の組成物。
【請求項4】
前記壁材料を形成する前記組成物が、45~140℃の範囲内のガラス転移点又は融点を有する少なくとも1種のポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
【請求項5】
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとを含む組成物からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
【請求項6】
前記壁材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと少なくとも一種の脂肪族-脂肪族ポリエステルとを含む組成物からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
【請求項7】
球状微粒子を調製する方法であって、
a)不連続相としての水又は孔形成剤の水溶液と、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、エマルションを調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが1~600μmの液滴を有するw/o/wエマルションを得、前記水非混和性溶媒を20~80℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された前記球状微粒子を分離し、場合により乾燥する、球状微粒子を調製する方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項
に記載の球状微粒子の組成物又は請求項
7に記載の
方法に従って得られる球状微粒子の、少なくとも一種のアロマケミカルを充填するための担体物質としての使用。
【請求項9】
e)前記乾燥した球状微粒子をアロマケミカル又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、
f)e)の後に得られた前記微粒子を、次に、40~200℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アロマケミカル調製物を調製する方法であって、請求項1~6
のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物又は
請求項7に記載の方法に従って得られる球状微粒子を、少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、次に、35~200℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、方法。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物と、前記球状微粒子に充填された少なくとも一種のアロマケミカルとを含む、アロマケミカル調製物。
【請求項12】
請求項9に記載の方法に従って得られる球状微粒子、請求項10に記載の方法に従って得られるアロマケミカル調製物、又は請求項1
1に記載のアロマケミカル調製物の、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、又はフレグランスから選択される剤における使用。
【請求項13】
請求項1
1に記載のアロマケミカル調製物を、
剤の全重量に対して0.01~99.9wt%の重量割合で含む剤。
【請求項14】
請求項9に記載の方法に従って得られる球状微粒子、請求項10に記載の方法に従って得られるアロマケミカル調製物、又は請求項1
1に記載のアロマケミカル調製物の、アロマケミカルの制御された放出のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状微粒子の調製方法、この方法により得られる充填可能な球状微粒子、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質微粒子のようなマイクロカプセルが、活性物質の担体として使用されており、その結果、活性物質は制御された方法でより良く処理され、配合され、又は放出されることができる。
【0003】
したがって、医療分野において、活性化合物の制御された放出ためのバイオポリマーをベースとする微粒子が知られている。“Acta Biomaterialia”10(2914)5090-5098において、乳酸とヒドロキシ酢酸(グリコール酸)のコポリマー(PLGA)で形成された骨格を有するとともに84μmの平均粒子径を有する多孔質微粒子が記載されている。
【0004】
Jian-Qing Huらの“Journal of Central South University of Technology”,第18巻,No.2,(2011-04-01),第337-342頁において、多官能性アジリジンをカプセルコアとして含むマイクロカプセルの調製方法が記載されている。このようなマイクロカプセルは堅固であり、カプセル壁の破壊により、必要に応じて架橋剤を放出することが意図されている。カプセルは、w/o/wエマルションから形成され、ジクロロメタン中に溶解したポリエステルを含む油相及び溶媒の除去により形成された壁により形成される。壁材料は、ジメチルフタラート、グリコール及び1,3-プロパンジオールから形成されるポリエステルである。
【0005】
独国特許出願公開第3428640号明細書は、微孔質の粉状ポリラクチドの製造方法、及び活性化合物の制御された投与のためのその使用を教示している。
【0006】
さらに、国際公開第2015/070172号は、PLGAから形成された多孔質微小球(マイクロスフィア)であって、その孔にタンパク質が充填されており、孔が熱により閉じられている多孔質微小球を教示している。pH調整のための炭酸マグネシウム又は炭酸亜鉛の添加は、タンパク質の取り込みの改善をもたらす。
【0007】
さらに、米国特許出願公開第2005/0069591号明細書は、PLGAのような生分解性ポリマーから形成された多孔質微小球であって、ダブル水/油/水エマルションを介して調製される多孔質微小球を教示している。続いて、微小球にタンパク質が充填される。
【0008】
欧州特許出願公開第467528号明細書は、250μm以下の粒子サイズを有するとともに表面に孔を有する重合性担体粒子であって、最大孔サイズが0.4μmである重合性担体粒子を教示している。担体粒子の材料は、この場合、スチレンと無水マレイン酸/無水フタル酸/プロピレングリコールのポリエステルとの重合により調製される。ポリエステルはこのラジカル重合において架橋剤として働く。この場合のラジカル重合は、塊状重合として行われ、ポリエステルがスチレン中で直接重合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の微孔性ポリマーは、慣例上、医療用活性化合物又はタンパク質が充填され、これらを制御された方法で薬剤の形態で投与することが意図されている。より長期の保管はこの場合不要である。さらに、このような物質は親水性である。
【0010】
アロマケミカル(aroma chemical)を扱いやすい形態、例えば微粒子の形態で提供することが望まれる場合、その他の要求を満たさなければならない。このような微粒子は、良好な長期安定性、すなわち良好な貯蔵寿命を有するべきである。このため、微粒子自体が、当然通常疎水性であるアロマケミカルに対して安定でなければならない。
【0011】
したがって、本発明の目的は、容易にアロマケミカルを充填でき、その後閉じることができる微粒子を提供することであった。結果として生じる本アロマケミカル調製物は良好な貯蔵寿命を有するだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、球状微粒子を調製する方法であって、
a)不連続相としての孔形成剤の水溶液と、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、エマルションを調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが1~600μmの液滴を有するw/o/wエマルションを得、前記水非混和性溶媒を20~80℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された前記球状微粒子を分離し、場合により乾燥する、方法が見出された。
【0013】
さらに、この方法により得られる球状微粒子、アロマケミカルの担体としてのそれらの使用、少なくとも一種のアロマケミカルをそれらに充填する方法、及びそれにより得られた充填球状微粒子、並びにアロマケミカル調製物も、見出された。
【0014】
さらに、少なくとも一種のアロマケミカルを充填した閉じられた微粒子の、香水(perfume)、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、芳香組成物、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、及びフレグランス(fragrance)における使用が見出され、また、アロマケミカルの制御された放出のためのそれらの使用も見出された。
【0015】
さらに、壁材料、並びに気体及び/又は液体を含む少なくとも一個の空洞(cavity)から構成され、表面に孔を有する球状微粒子の組成物であって、前記球状微粒子が10~600μmの平均粒子径を有し、前記球状微粒子が10~600μmの平均粒子径を有し、前記組成物の前記微粒子の前記平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する微粒子の少なくとも80%がそれぞれ、前記平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内の直径を有する孔を平均して少なくとも10個有し、さらに、これらの孔のそれぞれの直径が少なくとも20nmであり、
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む組成物からなり、前記壁材料のジクロロメタン中の溶解度が25℃において少なくとも50g/Lである、球状微粒子の組成物が見出された。
【発明を実施するための形態】
【0016】
微粒子の空洞中に含まれる物質の状態(相)に関する記述は、20℃(室温)及び1bar(100kPa)に関するものである。
【0017】
さらに、以下の好ましい実施形態が見出された:
【0018】
1.壁材料、並びに気体及び/又は液体を含む少なくとも一個の空洞から構成され、表面に孔を有する球状微粒子の組成物であって、前記球状微粒子が10~600μmの平均粒子径を有し、前記組成物の前記微粒子の前記平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する微粒子の少なくとも80%がそれぞれ、前記平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内の直径を有する孔を平均して少なくとも10個有し、さらに、これらの孔のそれぞれの直径が少なくとも20nmであり、
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む組成物からなり、前記壁材料のジクロロメタン中の溶解度が25℃において少なくとも50g/Lである、球状微粒子の組成物。
【0019】
2.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の組成物でエステル化した脂肪族ジヒドロキシ化合物のエステルである、実施形態1に記載の球状微粒子の組成物。
【0020】
3.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)、及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される、実施形態1又は2に記載の球状微粒子の組成物。
【0021】
4.前記壁材料を形成する前記組成物が、45~140℃の範囲内のガラス転移点又は融点を有する少なくとも1種のポリマーを含む、実施形態1~3のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物。
【0022】
5.前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとを含む組成物からなる、実施形態1~4のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物。
【0023】
6.前記壁材料が、
30~70wt%の少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、
30~70wt%の、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーと、
を含む組成物からなる、実施形態1~5のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物。
【0024】
7.前記壁材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと少なくとも一種の脂肪族-脂肪族ポリエステルとを含む組成物からなる、実施形態1~6のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物。
【0025】
8.前記壁材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、PLAコポリマー(ポリラクチドとポリ乳酸のコポリマー)及びPLGAコポリマー、特にポリラクチドコポリマーから選択される少なくとも一種の脂肪族-脂肪族ポリエステルとを含む組成物からなる、実施形態1~7のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物。
【0026】
9.実施形態1~8のいずれか記載に記載の球状微粒子の組成物を調製する方法であって、
a)不連続相としての水又は孔形成剤の水溶液と、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、エマルションを調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが10~600μmの液滴を有するw/o/wエマルションを得、前記水非混和性溶媒を20~80℃、好ましくは20~45℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された前記球状微粒子を分離し、場合により乾燥する、方法。
【0027】
10.a)の下で調製された前記連続相が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとの、水非混和性溶媒溶液である、実施形態9に記載の方法。
【0028】
11.前記水非混和性溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアセタート、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチル-tert-ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル及びベンゼン、又はこれら溶媒の混合物から選択される、実施形態9又は10に記載の方法。
【0029】
12.方法ステップb)におけるw/o/wエマルションを得るための前記乳化を攪拌機を用いて1~30分間の期間行う、実施形態9~11のいずれか一つに記載の方法。
【0030】
13.実施形態1~8のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物の、少なくとも一種のアロマケミカルを充填するための担体物質としての使用。
【0031】
14.アロマケミカル調製物を調製する方法であって、乾燥した実施形態1~8のいずれか一つに記載の球状微粒子の組成物を液体アロマケミカル中又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、次に、40~80℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、方法。
【0032】
15.実施形態14に記載の方法に従って得られるアロマケミカル調製物。
【0033】
16.実施形態15に記載のアロマケミカル調製物の、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、又はフレグランスから選択される剤における使用。
【0034】
17.実施形態15に記載のアロマケミカル調製物を、組成物の全重量に対して0.01~99.9wt%の重量割合で含む剤。
【0035】
18.実施形態15に記載のアロマケミカル調製物の、アロマケミカルの制御された放出のための使用。
【0036】
19.球状微粒子を調製する方法であって、
a)不連続相としての水又は好ましくは孔形成剤の水溶液と、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、エマルションを調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが10~600μmの液滴を有するw/o/wエマルションを得、前記水非混和性溶媒を20~80℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された前記球状微粒子を分離し、場合により乾燥する、球状微粒子を調製する方法。
【0037】
20.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の組成物でエステル化した脂肪族ジヒドロキシ化合物のエステルである、実施形態19に記載の方法。
【0038】
21.前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される、実施形態19及び20のいずれか一つに記載の方法。
【0039】
22.a)の前記連続相に含まれるポリマーの少なくとも一種が、45~140℃の範囲内のガラス転移点又は融点を有する、実施形態19~21のいずれか一つに記載の方法。
【0040】
23.a)の前記連続相に含まれるポリマーの少なくとも一種が、(部分的に)結晶質であり45~140℃の範囲内の融点を有するか、又は、非晶質であり45~140℃の範囲内のガラス転移点を有する、実施形態19~22のいずれか一つに記載の方法。
【0041】
24.a)の下で調製された前記連続相が、本質的に脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液からなる、実施形態19~23のいずれか一つに記載の方法。
【0042】
25.a)の下で調製された前記連続相が、前記脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなる溶解したポリマーとを含む、実施形態19~24のいずれか一つに記載の方法。
【0043】
26.a)の下で調製された前記連続相が、前記脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとを含み、脂肪族-芳香族ポリエステルの前記さらなるポリマーに対する比が、3/7~7/3である、実施形態19~25のいずれか一つに記載の方法。
【0044】
27.a)の下で調製された前記連続相が、前記脂肪族-芳香族ポリエステルと、少なくとも一種の溶解した脂肪族-脂肪族ポリエステルとを含む、実施形態19~26のいずれか一つに記載の方法。
【0045】
28.a)の下で調製された前記連続相が、前記脂肪族-芳香族ポリエステルと、PLAコポリマー(ポリラクチドとポリ乳酸のコポリマー)及びPLGAコポリマー、特にポリラクチドコポリマーから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとを含む、実施形態19~27のいずれか一つに記載の方法。
【0046】
29.前記水非混和性溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアセタート、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチル-tert-ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル及びベンゼン、又はこれら溶媒の混合物から選択される、実施形態19~28のいずれか一つに記載の方法。
【0047】
30.方法ステップb)におけるw/o/wエマルションを得るための前記乳化を攪拌機を用いて1~30分間の期間行う、実施形態19~29のいずれか一つに記載の方法。
【0048】
31.実施形態19~30のプロセスに従って得られる球状微粒子。
【0049】
32.実施形態31に記載の球状微粒子の、少なくとも一種のアロマケミカルを充填するための担体物質としての使用。
【0050】
33.次に、
e)前記乾燥した球状微粒子を液体アロマケミカル又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、
f)e)の後に得られた前記微粒子を、次に、40~200℃、好ましくは45~80℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、実施形態19~30のいずれか一つに記載の方法。
【0051】
34.実施形態33に従って得られるアロマケミカル調製物。
【0052】
35.実施形態34に記載のアロマケミカル調製物の、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、又はフレグランスから選択される剤における使用。
【0053】
36.実施形態34に記載のアロマケミカル調製物を、組成物の全重量に対して0.01~99.9wt%の重量割合で含む剤。
【0054】
37.実施形態34に記載のアロマケミカル調製物の、アロマケミカルの制御された放出のための使用。
【0055】
以下の関連する用語である球状微粒子は、球状に形成されたポリマー微粒子(又はポリマー微小球)を意味する。一実施形態において、球状微粒子は、マイクロカプセル、つまり、外側ポリマー層が室温で液体又は気体であるコアを囲んでいる粒子であってよい。
【0056】
充填可能な球状微粒子は、内側の材料の交換が可能となるように、その表面に開口を有する。マイクロカプセルの場合、開口は外側ポリマー層(多くの場合マイクロカプセル殻又はマイクロカプセル壁とも呼ばれる)中の孔である。しかしながら、ポリマーマトリクス形態を有する多孔質球状微粒子の実施形態もある。これらの場合において、これは微粒子の表面に開口を有する連続多孔質ネットワーク(connected porous network)である。
さらに、両方のモルフォロジーを有する微粒子の実施形態もある。
【0057】
微粒子は、w/o/wエマルション中の溶媒の除去により形成される。第1ステップにおいて、水滴又は孔形成剤の水溶液の液滴のエマルションをポリエステルの溶液中で形成する。このw/oエマルションを今度は水中で乳化し、水非混和性溶媒を除去する。ポリエステルの溶媒を除去することにより、後者が不溶性となり、水滴又は水性孔形成剤液滴の表面に堆積する。この壁形成プロセスにおいて、同時に、有利には孔形成剤により、孔が形成される。
【0058】
孔形成剤は、例えば、ステップb)の操作条件下で気体を放出する化合物である。
【0059】
孔形成剤は、例えば気体放出剤であり、気体放出剤は、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びカルバミン酸ナトリウムから選択される。
【0060】
さらに、浸透圧を生じる水溶性低分子量化合物が孔形成剤として適している。非水溶性溶媒を除去すると、孔形成剤を有する内側水滴と外側水性分散相の間の濃度勾配により濃度勾配が生じ、この濃度勾配は、内側水滴の方向に水の移動を引き起こし、それゆえに孔の形成を引き起こす。このような孔形成剤は、好ましくは、糖、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖及び多糖、尿素、無機アルカリ金属塩、例えば、塩化ナトリウム、無機アルカリ土類金属塩、例えば、硫酸マグネシウム及び塩化カルシウムから選択される。特に好ましいものは、グルコース及びスクロース、並びに尿素である。
【0061】
さらに、両方の相に溶解可能なポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルピロリドン(PVP)が孔形成剤として適している。これらのポリマーは、両方の相に溶解可能であるため、拡散により水相から油相に移動する。
【0062】
球状微粒子を調製する方法は、常に微粒子の集合体を生じ、その結果として「球状微粒子の組成物」という用語も用いられる。
【0063】
本発明の微粒子は、10~600μmの平均粒子径D[4,3](光散乱により測定した体積加重平均粒子径(volume weighted average diameter)を有する。好ましい実施形態によれば、平均粒子径D[4,3]は1μm以上100μm未満、好ましくは30μm以下である。同様に好ましい実施形態によれば、平均粒子径D[4,3]は100~500μmである。
【0064】
本発明の微粒子は、少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個の孔を表面に有し、孔の直径は平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内であり、さらに、これらの孔のそれぞれの直径は、少なくとも20nmである。微粒子は好ましくは平均して少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個の孔を有し、孔の直径は平均粒子径の1/500~1/5の範囲内であり、さらに、これらの孔のそれぞれの直径は、少なくとも20nmである。一実施形態に従う好ましい平均粒子径が100~500μmである微粒子は、好ましくは、平均粒子径の1/500~1/100の範囲内の平均径を有する孔を備える。各場合において、平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する球状微粒子の組成物の微粒子が考慮される。これらのうち少なくとも80%が粒子表面における孔の必要数を満たす。
【0065】
本発明によれば、脂肪族-芳香族ポリエステルが用いられる。この用語は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとするエステルを意味するものと理解される。芳香族ジカルボン酸は、ここで、脂肪族ジカルボン酸との混合物で用いられてもよい。脂肪族-芳香族ポリエステルは、好ましくは、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジヒドロキシ化合物をベースとするポリエステルであり、これは、半芳香族ポリエステルと呼ばれる。これらのポリマーは個別に又はそれらの混合物で存在してよい。
【0066】
本発明に従って用いられる脂肪族-芳香族ポリエステルは、好ましくは、45~140℃の範囲内のガラス転移点(示差走査熱量測定(DSC)、DIN EN ISO 11357により測定される)又は融点を有する。
本発明によれば、「脂肪族-芳香族ポリエステル」は、ポリエステル誘導体、例えばポリエーテルエステル、ポリエステルアミド又はポリエーテルエステルアミド、及びポリエステルウレタン(欧州特許出願第10171237.0号参照)を意味するものとも理解される。適する脂肪族-芳香族ポリエステルは、線状の鎖延長されていないポリエステル(国際公開第92/09654号)を含む。鎖延長された及び/又は分枝した脂肪族-脂肪族ポリエステルが好ましい。後者は、国際公開第96/15173~15176号、21689~21692号、25446号、25448号又は国際公開第98/12242号から既知であり、参照によりここに明示的に組み込まれる。異なる脂肪族-芳香族ポリエステルの混合物も同様に考慮される。興味深い近年の開発は、再生可能原料をベースとしている(国際公開第2006/097353号、国際公開第2006/097354号及び国際公開第2010/034710号参照)。
【0067】
特に好ましい脂肪族-芳香族ポリエステルは、必須成分として以下のものを含むポリエステルを含む:
A)以下のものからなる酸成分
a1)30~99mol%の少なくとも一種の脂肪族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成誘導体又はそれらの混合物
a2)1~70mol%の少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成誘導体又はそれらの混合物、及び
B)C2~C12アルカンジオールから選択される少なくとも一種のジオール成分
及び
C)場合により、以下のものから選択される成分
c1)エステル形成可能な少なくとも3個の基を有する化合物、
c2)ジイソシアナート又はポリイソシアナート、
c3)ジエポキシド又はポリエポキシド。
【0068】
一般に考慮される脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル形成誘導体(a1)は、2~18個の炭素原子、好ましくは4~10個の炭素原子を有するものである。それらは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。しかしながら、原則として、より多くの炭素原子、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸を使用することもできる。
【0069】
例として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、2-メチルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、α-ケトグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、フマル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、スベリン酸、ジグリコール酸、オキサロ酢酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、イタコン酸及びマレイン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体は、個別に又はそれらの2種以上の混合物として用いられてよい。
【0070】
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸もしくはそれら各々のエステル形成誘導体又はそれらの混合物を使用することが好ましい。コハク酸、アジピン酸もしくはセバシン酸もしくはそれら各々のエステル形成誘導体又はそれらの混合物を使用することが特に好ましい。コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸及びブラシル酸は、さらに、再生可能原料から得ることができるという利点を有する。
【0071】
以下の脂肪族-芳香族ポリエステルが好ましい:ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)。ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)又はポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)が特に好ましい。
【0072】
芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体(a2)は、個別に又はそれらの2種以上の混合物として使用されてよい。テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体、例えばジメチルテレフタラートを用いることが特に好ましい。
【0073】
一般に、ジオール(B)は、2~12個の炭素原子、好ましくは4~6の炭素原子を有する分枝もしくは直鎖アルカンジオール、又は5~10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールから選択される。
【0074】
適するアルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、特にエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、又は2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールである。特に成分a1)としてのアジピン酸と組み合わせた1,4-ブタンジオール、及び特に成分a1)としてのセバシン酸と組み合わせた1,3-プロパンジオールが特に好ましい。1,3-プロパンジオールは、再生可能原料として入手可能であるという利点もある。また、異なるアルカンジオールの混合物を使用してもよい。
【0075】
好ましい脂肪族-芳香族ポリエステルは、1000~100000g/molの範囲内、特に9000~75000g/molの範囲内、好ましくは10000~50000g/molの範囲内の分子量(Mn)により特徴付けられる。
【0076】
好ましくは、a)の連続相に含まれる少なくとも一種のポリマーは、45~140℃の範囲内のガラス転移点又は融点を有する。ポリマーが、融点を有する場合、すなわち、ポリマーが(部分的に)結晶質である場合、ポリマーは好ましくは45~140℃の範囲内の融点を有する。ポリマーが非晶質である場合、ポリマーは好ましくは45~140℃の範囲内のガラス転移点を有する。
【0077】
好ましい実施形態によれば、a)の下で調製された連続相は、本質的に脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液からなる。連続相は、特に好ましくは、連続相に対して少なくとも95wt%、特に少なくとも99wt%の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液からなる。
【0078】
同様に好ましい方法の実施形態によれば、a)の下で調製された連続相は、脂肪族-芳香族ポリエステルと、脂肪族-芳香族ポリエステルでないポリマーから選択される少なくとも一種のさらなる溶解したポリマーとを含む。
【0079】
例として挙げ得る脂肪族-芳香族ポリエステルでないポリマーは、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族/芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンである。少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルとの混合物で好ましい成分は、ポリヒドロキシ酢酸、PLAコポリマー(ポリラクチドとポリ乳酸のコポリマー)及びPLGAコポリマーであり、この場合特にポリラクチドコポリマーである。30000~120000ダルトンの分子量及び50~65℃の範囲内のガラス転移点(Tg)を有するポリ乳酸が特に適している。D-乳酸の割合が9%を超える非晶質ポリ乳酸を用いることが最も特に好ましい。
【0080】
ポリヒドロキシアルカノアートは、主として、ポリ-4-ヒドロキシブチラート及びポリ-3-ヒドロキシブチラート、並びに、上述のヒドロキシブチラートと3-ヒドロキシバレラートとのコポリエステル(P(3HB)-co-P(3HV))又は上述のヒドロキシブチラートと3-ヒドロキシヘキサノアートとのコポリエステルを意味するものと理解される。
【0081】
ポリヒドロキシアルカノアートは、一般に、30000~1000000、好ましくは100000~600000の分子量Mwを有する。
【0082】
本発明によれば、脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルでない1種以上のポリマーとの混合物であって、(脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルでないポリマーの全重量に対して)芳香族-脂肪族ポリエステルの重量割合が30~99wt%である混合物が好ましい。好ましくは、脂肪族-芳香族ポリエステルの割合は、全重量に対して30~70wt%、好ましくは60wt%、同様に好ましくは20~50wt%である。
【0083】
脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-芳香族ポリエステルでないさらなるポリマーとの混合物、特に、脂肪族-芳香族ポリエステルと脂肪族-脂肪族ポリエステルとの混合物であって、脂肪族-芳香族ポリエステルの融点がさらなるポリマーの融点よりも少なくとも10K、好ましくは少なくとも20K高いか、又は、脂肪族-芳香族ポリエステルのガラス転移点がさらなるポリマーのガラス転移点よりも少なくとも10K、好ましくは少なくとも20K高い混合物が好ましい。さらなるポリマーが非晶質化合物の場合、脂肪族-芳香族ポリエステルの融点は、さらなるポリマーのガラス転移点よりも少なくとも10K、好ましくは少なくとも20K高い。
【0084】
微粒子の組成物はダブルエマルション法により調製される。
【0085】
方法ステップa)
この目的のために、脂肪族-芳香族ポリエステルを水非混和性溶媒に溶解する。
【0086】
水非混和性とは、溶媒が水中で、温度20℃、圧力1bar(100kPa)において、90g/L以下の溶解度を有することを意味する。さらに、水非混和性溶媒は、好ましくは少なくとも30℃の沸点を有する。
当業者の一般的な知識によれば、溶媒は、溶媒に溶解させる物質に対して化学的に不活性であり、言い換えると、溶媒は単に希釈又は溶解のために働く。ラジカル重合可能なモノマーは、本発明との関連においては溶媒ではない。
【0087】
20℃において90g/L未満の水溶性を有する非プロトン性非極性及び非プロトン性極性溶媒又は溶媒混合物が好ましい。
好ましい溶媒は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアセタート、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチル-tert-ブチルエーテル、ペンタン、ジイソプロピルエーテル及びベンゼン、又はこれらの溶媒の2種以上を互いに混合した混合物である。ジクロロメタンが特に好ましい。
【0088】
さらに、20~80℃の範囲内の沸点を有する共沸混合物を形成する溶媒混合物が適している。例えば、ヘキサンとメチルエチルケトン(MEK)の重量比72:28の共沸混合物に言及し得る。
【0089】
一般に、ポリエステルは1~50wt%の水非混和性溶媒溶液として用いられる。これは好ましくは、2~30wt%、特に5~20wt%のポリエステルの水非混和性溶媒溶液である。
【0090】
少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステル及び少なくとも一種のさらなるポリマーの溶液から形成されたエマルションを選択することが好ましい。この場合用いられる溶液は、個別のポリマー溶液を混合することにより、又はポリマー混合物を共溶解することにより、得られてよい。脂肪族-芳香族ポリエステル又はそれらと少なくとも一種のさらなるポリマーとの混合物は、後続の微粒子の壁材料である。微粒子の壁材料は、25℃及び1bar(100kPa)において、ジクロロメタン中で少なくとも50g/Lの溶解度を有する。
【0091】
このポリエステルの溶液において、方法ステップa)において、水又は孔形成剤水溶液が乳化される。
【0092】
孔形成剤の水溶液は、好ましくは0.1~10wt%の孔形成剤の水溶液、特に炭酸水素アンモニウム及び炭酸アンモニウムから選択される孔形成剤の水溶液である。炭酸アンモニウム、特に0.1~1wt%の炭酸アンモニウム水溶液が特に好ましい
【0093】
脂肪族-芳香族ポリエステルに対して0.1~10質量部の孔形成剤が用いられる。脂肪族-芳香族ポリエステルに対して1~5質量部の孔形成剤が好ましくは用いられる。脂肪族-芳香族ポリエステルに対して1.5~3質量部の孔形成剤が特に用いられる。
【0094】
方法ステップa)における乳化は、分散機(ローター-ステーター又はローター-ローター)を用いて行われる。例えば、w/oエマルションの調製には、高せん断エネルギーを有するホモジナイザー又は分散機が適している。エマルション液滴の平均液滴サイズは、0.2~30μmである。
【0095】
方法ステップa)で調製されたw/oエマルションは、場合により、分散剤により安定化されてよい。w/oエマルションに適した分散剤は、一般に公知であり、欧州特許出願公開第3007815号中で言及されており、この教示は、参照によりここに明示的に組み込まれる。
【0096】
方法ステップb)
方法ステップb)におけるw/o/wエマルションを得るための乳化を、分散剤の存在下で攪拌又はせん断することにより行う。
【0097】
分散剤の水溶液は、ここで、w/oエマルションに計量して加えてもよい。分散剤は、好ましくは、始めに水溶液の形態で加えられ、w/oエマルションを計量して加える。
【0098】
エネルギー投入量に応じて、液滴サイズを制御することができる。さらに、以下に記載する分散剤は、平衡状態のエマルション液滴のサイズに影響する。
【0099】
平均液滴サイズが100~600μmであるより大きい液滴が、慣用の攪拌機を用いて得られる。
【0100】
適した攪拌機のタイプは、例えば、プロペラスターラー、インペラスターラー、ディスクスターラー、ベインスターラー(vane stirrer)、アンカースターラー、傾斜ブレードスターラー、クロスビームスターラー、ヘリカルスターラー、及びスクリュースターラーである。
この場合、激しく攪拌することにより、10μm以上100μm未満、好ましくは50μmまでの液滴サイズを達成するために十分なせん断エネルギーを投入することができる。
さらにより高いエネルギー投入量が意図される場合、せん断場を発生させるための装置を使用することが有利であり得る。
【0101】
せん断エネルギー投入量は、せん断場を発生させるための装置の電力消費から直接的に導き出せる。そのため、w/o/wエマルションへのせん断エネルギー投入量は好ましくはバッチサイズあたり250~25000W・h/m3である。モーター電流に基づき計算してバッチサイズあたり500~15000W・h/m3、特に、800~10000W・h/m3のエネルギー投入量が特に好ましい。
【0102】
せん断場を発生させるために適した装置は、ローター-ステーター原理に従って作動する粉砕機、例えば、歯付きリング(toothed ring)分散機、コロイド及びコランダムディスクミル、並びに高圧超音波ホモジナイザーである。ローター-ステーター原理に従って作動する歯付きリング分散機をせん断場を発生させるために使用することが好ましい。ローター及びステーターの直径は、慣例上、装置のサイズ及び分散特性に応じて、2cm~40cmの範囲内である。このような分散機の回転速度は、通常、構造タイプに応じて500~20000rpmの範囲内である。当然ながら、ローター径の大きい装置は、回転速度範囲の下限で回転する。一方、ローター径の小さい装置は、通常、回転速度範囲の上限で作動される。分散機の静止部品から回転部品の距離は通常0.1~3mmである。
【0103】
好ましい実施形態によれば、w/o/wエマルションの最終的なエマルション液滴サイズは、100~600μmの(光散乱により測定される)平均径D[4,3]であるべきである。この最終的なサイズは、通常、攪拌のみにより達成される。
【0104】
同様に好ましい実施形態によれば、w/o/wエマルションの最終的なエマルション液滴サイズは、10~100μm、好ましくは10~30μmの平均径を有するべきである。この最終的なサイズは、慣例上、せん断を用いて達成される。
【0105】
w/o/wエマルションは、分散剤の存在下で調製される。適する分散剤は、例えば、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、アラビアガム、キサンタン、カゼイン、ポリエチレングリコール、及び部分的に加水分解されたポリビニルアセタート(ポリビニルアルコール)、及びメチルヒドロキシプロピルセルロース、並びに上記の混合物である。好ましい有機中性保護コロイドは、部分的に加水分解されたポリビニルアセタート(ポリビニルアルコール)、及びメチルヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロースである。加水分解度が79~99.9%のポリビニルアルコール(PVA)が特に好ましい。さらに、国際公開第2015/165836号に記載されるようなPVAコポリマーもまた適している。
【0106】
メチルヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロースは、様々なメチル化度及びアルコキシル化度のメチルヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロースを意味するものと理解される。
好ましいメチルヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロースは、1.1~2.5の平均置換度DS及び0.03~0.9のモル置換度MSを有する。
【0107】
適するメチルヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロースは、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース又はメチルヒドロキシプロピルセルロースである。メチルヒドロキシプロピルセルロースがとりわけ好ましい。ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0108】
w/o/wエマルションを安定化するために、水相に分散剤を加える。好ましい実施形態によれば、(加水分解度85~90mol%、粘度20.0~30.0mPa・s、及びカルボキシル基割合1~6mol%を有する)カルボキシ変性アニオン性PVAを0.1~5.0wt%水溶液として用いる。0.3~2.5wt%のPVA含有量を有する水溶液、特に0.5~1.5wt%のPVA含有量を有する溶液が特に好ましい。
【0109】
好ましい方法の変形形態によれば、方法ステップb)において、w/o/wエマルションを得るための乳化は、攪拌機を用いて攪拌速度5000~15000rpmで1~30分の期間にわたって行う。それにより生成される液滴は、0.2~30μmの平均径を有する。
【0110】
さらなる好ましい方法の変形形態によれば、エマルションは、攪拌速度100~1000rpmで1~30分の期間にわたって調製される。それにより生成される液滴の平均径は100~600μmである。
【0111】
乳化の間、及び場合により乳化の後、混合物を20~80℃の範囲内の温度に保つ。混合物の温度は好ましくは、壁材料を形成する組成物の最低軟化非晶質ポリマーのガラス転移点未満、又は壁材料を形成する組成物の最低融解結晶性ポリマーの融点未満となるように選択される。より高い温度とすることができるが、それにより長すぎる期間にわたって孔が部分的に閉じることにつながることがある。混合物は好ましくは20~45℃、特に20℃以上40℃未満の範囲内の温度に保たれる。場合により、真空を付加的に適用してもよい。
【0112】
両方の手段、すなわち攪拌/せん断と温度は、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒を蒸発させ、その後には微粒子が残る。
【0113】
溶媒が20℃において450hPa以上の蒸気圧を有する場合、b)で得られたw/o/wエマルションを室温(20℃)で攪拌することで十分である。溶媒の量及び周囲温度に応じて、このようなアプローチを数時間続ける。溶媒に応じて、80℃までの温度に昇温することにより、及び/又はわずかな真空を適用することにより、溶媒を除去することができる。
【0114】
例えば、ジクロロメタンのような溶媒を用いる場合、好ましい実施形態によれば、以下が選択される:2Lの容器中で100L/hで窒素を流しながら室温で10時間攪拌する、又は、2Lの容器中で100L/hで窒素を流しながら45℃のジャケット温度で3時間攪拌する。
【0115】
エチルアセタートのような溶媒を用いる場合、さらなる好ましい実施形態によれば、以下が選択される:100L/hで窒素を流しながら60℃で6時間攪拌する。
【0116】
水非混和性溶媒の除去中に、微粒子の壁において孔形成が観察される。
【0117】
水非混和性溶媒の除去により形成された微粒子は、方法ステップc)において取り出され、好ましくは乾燥される。「乾燥される」とは、微粒子が、微粒子に対して5wt%以下、好ましくは1wt%以下の残留水分量を有することを意味するものと理解される。乾燥は、例えば、空気流中で及び/又は真空を適用することにより、いずれの場合も場合により加熱しながら行われてよい。これは、カプセルのサイズに応じて、対流乾燥機、例えばスプレードライヤー、流動床及びサイクロンドライヤー、接触ドライヤー、例えばパンドライヤー、接触ベルトドライヤー、真空乾燥機、又は輻射乾燥機、例えば、赤外回転チューブドライヤー及びマイクロ波混合乾燥機を用いて、行われてよい。
【0118】
この方法で得られた球状微粒子も、本発明の対象である。それらは、容易に充填でき、例えば溶液中に懸濁されていることを特徴とする。
【0119】
発明に係る組成物は、壁材料及び少なくとも一個の空洞から構成されるとともに表面に孔を有する球状微粒子からなる。
【0120】
好ましい実施形態によれば、100~600μmの範囲内の粒子径を有する発明に係る球状微粒子は、0.1~0.5g/cm3、好ましくは0.15~0.4g/cm3、特に0.15~0.3g/cm3の(DIN EN ISO 60:1999に従って測定される)バルク密度を有する。
【0121】
発明に係る球状微粒子は、アロマケミカル、好ましくはフレグランス、好ましくは溶媒又は希釈剤中のアロマケミカル、好ましくはフレグランスを充填するための担体物質として使用される。
【0122】
「アロマケミカル」は、「フレグランス」及び/又は「フレーバリング(flavoring)」として使用し得る化合物の一般用語である。
【0123】
本発明との関連では、「フレグランス」は、固有の香り(odor)を有する天然物質又は合成物質を意味するものと理解される。
【0124】
本発明との関連では、「フレーバリング」は、固有のフレーバー(flavor)を有する天然物質又は合成物質を意味するものと理解される。
【0125】
本発明との関連では、「香り」又は「嗅覚(olfactory perception)」は、生物の鼻又は他の嗅覚器官における化学受容体から脳にまで送達される感覚刺激を説明するものである。香りは、吸息時に起こる、鼻によるフレグランスの感覚認知の結果とすることができる。この場合、空気は、香りの担体として働く。
【0126】
本発明との関連では、「香水」は、フレグランスと担体(特にアルコールなど)との混合物である。
【0127】
本発明との関連では、「香水組成物(perfume composition)」は、互いに調和してバランスのとれた個々の構成成分を様々な量で含む香水である。これらの個々の構成物の特性は、組み合わせて新規な全体のイメージを実現するために使用され、この場合、これらの成分の特徴は、バックグラウンドに隠れるが、抑制されない。
【0128】
本発明との関連では、「香油(perfume oil)」は、様々な製品に賦香するために例えばアルコール溶液中で使用される、いくつかのフレグランスの濃縮混合物である。
【0129】
本発明との関連では、「フレグランス用溶媒」は、本発明に従って使用されるフレグランス又は本発明によるフレグランス組成物の希釈剤として機能するが、固有の香り特性を何らもたない。いくつかの溶媒は、固定特性も有する。
【0130】
フレグランス、又はいくつかのフレグランスの混合物を、0.1~99wt%で希釈剤又は溶媒に添加してよい。好ましくは嗅覚的に許容される溶液中、少なくとも40wt%の溶液が好ましく、少なくとも50wt%の溶液がより好ましく、少なくとも60wt%の溶液がさらに好ましく、少なくとも70wt%の溶液がより好ましく、少なくとも80wt%の溶液が特に好ましく、少なくとも90wt%の溶液が特に好ましい。
【0131】
好ましい嗅覚的に許容される溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジプロピレングリコール(DPG)、1,2-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フタル酸ジエチル(DEP)、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、クエン酸トリエチル(TEC)、安息香酸ベンジル(BB)及び酢酸ベンジルである。この場合、今度はエタノール、フタル酸ジエチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル及びミリスチン酸イソプロピルが好ましい。
【0132】
フレグランス
発明に係る微粒子は、少なくとも一種のフレグランス、好ましくは二種、三種、四種、五種、六種、七種、八種又はそれ以上のフレグランスを含み、該フレグランスは、例えば、以下から選択される:
【0133】
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチラート(Phenirat1)、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモナート(好ましくは、cis異性体の含有量が60wt%を超える)(Hedione9、Hedione HC9)、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(Galaxolide3)、テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルサリチラート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lilial2)、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセタート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセタート(Herbaflorat1)、シトロネロール、シトロネリルアセタート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセタート、スチラリルアセタート(1-フェニルエチルアセタート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン(Iso E Super3)、ヘキシルサリチラート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(Oryclone1)、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(Agrumex HC1)、α-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、n-α-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセタート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Lyral3)、α-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシラート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(Muscenone9)、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド(Globalide1)、15-シクロペンタデカノリド(Macrolide1)、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(Tonalide10)、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Florol9)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(Sandolene1)、cis-3-ヘキセニルアセタート、trans-3-ヘキセニルアセタート、trans-2-cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Vertocitral1)、2,4,4,7-テトラメチル-オクタ-6-エン-3-オン(Claritone1)、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール(Melonal2)、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(Florhydral2)、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール(Helional3)、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(Florazon1)、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(Calone19515)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセタート(好ましくは、cis-異性体の含有量が70wt%以上)、及び2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール(AmbrinolS1)。したがって、本発明との関連では、上記フレグランスは、本発明による混合物と好ましくは組み合わされる。
【0134】
商標名が上で明記されている場合、これらは、以下の製造業者を指す。
1 Symrise GmbH(ドイツ)の商標名
2 Givaudan AG(スイス)の商標名
3International Flavors & Fragrances Inc.(米国)の商標名
5 Danisco Seillans S.A.(フランス)の商標名
9 Firmenich S.A.(スイス)の商標名
10 PFW Aroma Chemicals B.V.(オランダ)の商標名
【0135】
(E/Z)-シクロペンタデセニルカルボアルデヒド(I)-(III)と組み合わせて、例えばフレグランス組成物を得ることができるさらなるフレグランスは、例えばS.Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、第I巻及び第II巻、Montclair,N.J.、1969、著者版又はK.Bauer、D.Garbe及びH.Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley-VCH、Weinheim 2001にみられる。具体的には、以下が言及され得る。
【0136】
例えば以下のような、天然の原料(例えば、精油、コンクリート(concrete)、アブソリュート(absolute)、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ)からの抽出物。
【0137】
アンブラチンキ、アミリスオイル、アンゲリカ種油、アンゲリカルート油、アニス油、吉草根オイル、メボウキ油、ツリーモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、ビーワックスアブソリュート、バーチタール油、クヘントウ油、セイバリー油、ブッコリーフ油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ油(calmus oil)、ショウノウ油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カッシア油、カッシーアブソリュート、カストリュームアブソリュート、シダーリーフ油、シダーウッド油、ゴジアオイ油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタスルート油、クミン油、シプレス油、ダバナ油、イノンドハーブ油、イノンド種子油、オードブルアブソリュート、オークモスアブソリュート、エレミ油、エストラゴン油、ユーカリプトスシトリオドラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、トウヒ葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ムギワラギクアブソリュート、ムギワラギク油、ショウガ油、イリス根アブソリュート、イリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ油、ブルーツバキ油、ローマツバキ油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、クミン油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、リトセアキュベバ油、ベイリーフ油、マシス油(macis oil)、マヨラナ油、マンダリン油、マッソイバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、サルビア油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、ビャクシコウ油、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジ油、オレガノ油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレイン油、ハッカ油、胡椒油、オールスパイス油、パイン油、ポレイ油(poley oil)、ローズアブソリュート、ボアドローズ油、バラ油、ローズマリー油、ダルマチアサルビア油、スペインサルビア油、白檀油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、エゴ油、センジュギク油、モミ葉油、ティーツリー油、テレビン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート、ベルベナ油、ベチバ油、杜松油、ぶどう酒酵母油、ベルモット油、ウインターグリーン油、イラン油(ylang oil)、イソップ油(ysop oil)、シベットアブソリュート、肉桂葉油、桂皮油、及びそれらの留分、又はそれらから単離される成分。
【0138】
炭化水素の群からの個々のフレグランス、例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギホレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン。
【0139】
脂肪族アルコール、例えば、ヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール。
【0140】
脂肪族アルデヒド及びそれらのアセタール、例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-3-ヘキセン、脂肪族ケトン及びそれらのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン。
【0141】
脂肪族硫黄含有化合物、例えば、3-メチルチオヘキサノール、酢酸3-メチルチオヘキシル、3-メルカプトヘキサノール、酢酸3-メルカプトヘキシル、酪酸3-メルカプトヘキシル、酢酸3-アセチルチオヘキシル、1-メテン-8-チオール。
【0142】
脂肪族ニトリル、例えば、2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル。
【0143】
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、ギ酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、アセト酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル、酢酸3-メチル-2-ブテニル、酢酸(E)-2-ヘキセニル、酢酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、酢酸オクチル、
酢酸3-オクチル、酢酸1-オクテン-3-イル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、イソ酪酸(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル、クロトン酸ヘキシル、イソ吉草酸エチル、2-メチルペンタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸エチル、(E/Z)-エチル-2,4-デカジエン酸、2-オクチン酸メチル、2-ノニン酸メチル、アリル2ーイソアミルオキシアセタート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸メチル、クロトン酸4-メチル-2-ペンチル。
【0144】
非環式テルペンアルコール、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、及びそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステル及び3-メチル-2ブタン酸エステル。
【0145】
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタール、環式テルペンアルコール、例えば、メントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピネオール-4、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアジョール、及びそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステル及び3-メチル-2ブタン酸エステル。
【0146】
環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、メントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、ショウノウ、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノオトカトン、ジヒドロノオトカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、α-シネンサール、β-シネンサール、アセチル化セダーウッドオイル(メチルセドリルケトン)。
【0147】
環式アルコール、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール。
【0148】
脂環式アルコール、例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール。
【0149】
環式及び脂環式エーテル、例えば、シネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキシド、3a,6,6,9aテトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン、
【0150】
環式及びマクロ環式ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、cis-3-メチルペンタ-2-エン-1-イル-シクロペンタ-2-エン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン。
【0151】
脂環式アルデヒド、例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド。
【0152】
脂環式ケトン、例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン。
【0153】
環式アルコールのエステル、例えば、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル、酢酸4-tert-ペンチルシクロヘキシル、酢酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、酢酸デカヒドロ-2-ナフチル、クロトン酸2-シクロペンチルシクロペンチル、酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセタート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセタート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオナート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチラート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセタート。
【0154】
脂環式アルコールのエステル、例えば、クロトン酸1-シクロヘキシルエチル。
【0155】
脂環式カルボン酸のエステル、例えば、3-シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシルオキシ酢酸アリル、cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモナート、cis-及びtrans-メチルジャスモナート、2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボン酸メチル、2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル、2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボン酸エチル、2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-酢酸エチル。
【0156】
芳香脂肪族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール。
【0157】
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、酢酸2-フェニルエチル、プロピオン酸2-フェニルエチル、イソ酪酸2-フェニルエチル、イソ吉草酸2-フェニルエチル、酢酸1-フェニルエチル、酢酸α-トリクロロメチルベンジル、α,α-ジメチルフェニルエチルアセタート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチラート、酢酸シンナミル、イソ酪酸2-フェノキシエチル、酢酸4-メトキシベンジル。
【0158】
芳香脂肪族エーテル、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン。
【0159】
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール。
【0160】
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトン。
【0161】
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸及びそれらのエステル、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸フェニルエチル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸フェニルエチル、桂皮酸シンナミル、フェノキシ酢酸アリル、サリチル酸メチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸cis-3-ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸メチル、エチル3-フェニルグリシダート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシダート。
【0162】
窒素含有芳香族化合物、例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、アントラニル酸メチル、メチルN-メチルアントラニラート、アントラニル酸メチルと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールとのシッフ塩基、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン。
【0163】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えば、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、酢酸オイゲニル、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセタート。
【0164】
複素環式化合物、例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン。
【0165】
ラクトン、例えば、1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオアート、エチレン1,13-トリデカンジオアート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン。
【0166】
さらに、PCT/EP2015/072544に記載の化合物はフレグランスとして適している。
【0167】
合成脱メントール化油(DMO)と呼ばれるものの類似物または代替物として需要が非常に高いL-メントール及び/又はDL-メントール、L-メントン、L-メンチルアセタートの混合物が特に好ましい。これらミントの香りの組成物の混合物は、好ましくは、L-メントール又はDL-メントール20~40wt%、L-メントン20~40%、及びL-メンチルアセタート0~20%の比率で用いられる。
【0168】
本発明はさらに、微粒子を充填し、閉じるための方法に関する。
【0169】
球状微粒子は、液体アロマケミカル、又はアロマケミカル(好ましくはフレグランス)の溶液中に、球状微粒子が懸濁されることにより充填される。サスペンション(懸濁液)を調製するために、例えば、マグネチックスターラー、ローラー、シェイカー、又は様々な壁近接攪拌部材(wall-adjacent stirring member)(例えば、アンカースターラー、ヘリカルスターラー)が適している。混合処置の時間は、アロマケミカルの溶液により、一般に5分~12時間である。
【0170】
懸濁は、例えば、数時間の期間にわたって、好ましくは1時間を超えて、例えば、5時間、室温で混合することにより行われる。より長い懸濁が可能であるが、ある時点以降は、さらなる充填物の取り込みは起きないだろう。
【0171】
本発明によれば、球状微粒子は、以下により充填される。
e)球状微粒子を液体アロマケミカル又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、
f)次に、e)の後に得られた微粒子を、45~200℃の範囲内の温度に1分~10時間、好ましくは、40~140℃、好ましくは45~80℃の範囲内の温度に1時間~10時間の期間にわたって保ち、及び
g)場合により、次に球状微粒子を取り出す。
【0172】
好ましくは、1質量部の球状微粒子を1~5質量部、好ましくは1~3質量部のアロマケミカル又はその溶液中に懸濁する。
【0173】
e)の後に得られたサスペンションを、一般に、45~200℃の範囲内の温度に1分~10時間保つ。マイクロカプセルを40℃から閉じることも可能である。サスペンションを、好ましくは、40~140℃、特に45~80℃の範囲内の温度に1時間~10時間保つ。
【0174】
好ましい実施形態によれば、30~70wt%のPBAT及び30~70wt%のPLAから形成されたポリマー材料からなる球状微粒子が選択される。これらの微粒子を少なくとも1時間少なくとも一種の液体アロマケミカル又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液と混合し、次に、55~70℃の範囲内の温度に加熱し、この温度で少なくとも3時間攪拌する。
【0175】
好ましくは、55wt%のPBAT及び45wt%のPLAから形成されたポリマー材料からなる球状微粒子が選択される。充填後、これらの微粒子を60℃に加熱し、この温度で5時間攪拌する。その後、サスペンションを室温に冷却し、充填された微粒子を取り出す。
【0176】
壁材料を形成する微粒子のポリマーに応じて、ポリマーの融点を超える温度、又はポリマーが融点を有さない場合はそのガラス転移点を超える温度にサスペンションを加熱することで、孔の合体(癒着)により、充填された微粒子が閉じられると考えられる。壁材料が少なくとも二種のポリマーの組成物である場合には、両方のポリマーの値を考慮して同様の原則が適用される。
さらに、本発明は、アロマケミカル調製物を調製する方法に関し、該方法において、この方法により得られた球状微粒子は、少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁され、次に、40~200℃、好ましくは45~80℃の範囲内の温度に、1分~10時間の期間保たれる。
【0177】
本発明は、この方法により得られた球状微粒子と、充填し閉じることにより得られた充填された微粒子の、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、並びにフレグランスから選択される剤における使用とに関する。
【0178】
さらに、本発明は、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、並びにフレグランスから選択される剤における、球状微粒子又はアロマケミカル調製物の使用に関する。
【0179】
本発明による充填された球状微粒子は、アロマケミカルの制御された放出に適している。
【0180】
場合により、閉じられ充填された微粒子は、過剰に添加されたアロマケミカルの溶液から取り出される。そのために適した方法は例えば濾過、遠心分離、デカンテーション、減圧蒸留及びスプレードライである。
【0181】
場合により、存在する残留水を微粒子から除去することが有利である。これは、例えば、エタノールもしくはアセトンですすぎ、及び/又は不活性ガス、例えば空気、窒素もしくはアルゴンで微粒子を吹いて乾かすことにより達成してよい。場合により、この目的のために、予め乾燥し及び/又は予め加熱した不活性ガスを用いてもよい。充填された微粒子は、次に、好ましくはプロパンジオール水溶液(例えば10wt%溶液)で、すすぐことが好ましい。
【0182】
一般に公知の乾燥方法を乾燥のために用いてよい。例えば、対流乾燥機、例えばスプレードライヤー、流動床、サイクロンドライヤー、接触ドライヤー、例えばパンドライヤー、接触ベルトドライヤー、真空乾燥機、又は輻射乾燥機、例えば赤外回転チューブドライヤー及びマイクロ波混合乾燥機を用いて、粒子を乾燥させてよい。
【0183】
アロマケミカル又はアロマケミカルの溶液、好ましくはフレグランス又はフレグランスの溶液を充填した発明に係る球状微粒子は、様々な製品に組み込まれてよく、又はこのような製品に適用されてよい。このような剤は、球状微粒子又はアロマケミカル調製物を、好ましくは組成物の全重量に対して0.01~99.9wt%の割合で含む。
【0184】
本発明による球状微粒子は、賦香物品の製造において使用することができる。本発明の微粒子の嗅覚特性、並びに物理特性及び非毒性は、言及した目的の用途への格別の適合性を強調するものである。
【0185】
微粒子の使用は、組成物のトップノートと関連して、例えば、ジヒドロローザン、ローズオキシド又はその他の易揮発性フレグランス、例えば、イソアミルアセタート、プレニルアセタート又はメチルヘプテノンを含む香水組成物において、特に有利であることがわかる。それにより重要な需要の高いトップノートの放出を効果的に遅延させる。フレグランス又はアロマ組成物は、それに応じて、適した時点で必要な量だけ計量添加される。上記のL-メントール、DL-メントール、L-メントン及びL-メンチルアセタートのミント組成物において、アロマ効果の他に、目標とする方法で、例えばチューインガム、菓子類、化粧品、及び、繊維製品又は超吸収体のような技術的応用において、冷却効果が付与される。さらなる利点は、表面において二次反応を示し得る反応性成分又は不安定な成分、例えば、アルデヒド、エステル、ピラン/エーテルに対しても微粒子が高い材料適合性を有することである。
【0186】
この肯定的な特性は、本発明により使用されるフレグランス、及び本発明によるフレグランス組成物が、香水製品、ボディケア製品、衛生物品、繊維製品用洗剤において、及び固体表面向けの洗浄剤において、特に好ましく使用されるという事実の一因である。
【0187】
賦香物品は、例えば、香水製品、ボディケア製品、衛生物品、繊維製品用洗剤及び固体表面向けの洗浄剤から選択される。本発明による好ましい賦香物品は、以下の中からも選択される。
【0188】
香水抽出物、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、オーデソリッド、エクストレパルファム、液体形態、ゲル様形態又は固体担体に適用される形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香気入り洗浄剤、及び香気入りオイルから選択される、香水製品。
【0189】
アフターシェーブ、プレシェーブ製品(pre-shave product)、スプラッシュコロン、固体及び液体石鹸、シャワージェル、シャンプー、ひげそり用石鹸、ひげそり用フォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品用エマルション、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、タンニングクリーム及びローション、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪用ローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、永久及び半永久毛髪着色剤、ヘアシェイピング組成物、例えば、コールドウェーブ及びヘアスムーシング組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、脱臭剤及び発汗防止剤、例えば、脇の下スプレー、ロールオン(roll-on)、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾化粧品、例えば、アイシャドウ、マニキュア液、メーキャップ、リップスティック、マスカラ、歯磨き粉、デンタルフロスから選択される、ボディケア製品。
【0190】
キャンドル、ランプオイル、線香、噴射剤、サビ除去剤、賦香フレッシュニングワイプ、わきの下用パッド、乳児用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧用ワイプ、ポケットティッシュ、食洗機用消臭剤から選択される、衛生物品。
【0191】
酸性、アルカリ性及び中性の賦香洗浄剤(例えば、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、食器洗い用洗剤、浴室及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク(scouring milk)、固形及び液体トイレ洗浄剤、粉末及び泡カーペット洗浄剤など)、ワックス及び光沢剤(家具用光沢剤、床用ワックス、靴用クリームなど)、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水あか除去剤、グリル及びオーブン用洗浄剤、藻及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤から選択される、固体表面用洗浄剤。
【0192】
液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、例えば、漂白剤、浸漬剤及びしみ取り剤、布地用柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤から選択される繊維製品用洗剤。
【0193】
さらなる態様によれば、本発明により使用されるフレグランス及び本発明によるフレグランス組成物は、界面活性剤含有賦香物品において使用するのに適している。これは、ローズトップノート及び顕著なナチュラルさを有するフレグランス及び/又はフレグランス組成物が、とりわけ界面活性剤含有配合物、例えば、洗浄剤(特に、食器洗い用組成物及び多用途洗浄剤)に賦香するために、求められることが多いからである。
【0194】
さらなる態様によれば、本発明により使用されるフレグランス及び本発明によるフレグランス組成物は、(a)毛髪又は(b)布地繊維へのローズ様香りノート付与剤として使用することができる。
【0195】
したがって、本発明により使用されるフレグランス及び本発明によるフレグランス組成物は、界面活性剤含有賦香物品において使用するのに特によく適合する。
【0196】
賦香物品が以下のうちの1つである場合、好ましい:
-多用途洗浄剤、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、食器洗い用洗剤、浴室及びサニタリー用洗浄剤、スカーリングミルク、固形及び液体トイレ洗浄剤、粉末及び泡カーペット洗浄剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、例えば、漂白剤、浸漬剤及びしみ取り剤、布地用柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、消毒剤、表面消毒剤からなる群から特に選択される酸性、アルカリ性又は中性洗浄剤、
-液体形態、ゲル様形態、若しくは固体担体に適用される形態の、又はエアロゾルスプレーとしてのエアフレッシュナー、
-家具用光沢剤、床用ワックス及び靴用クリームからなる群から特に選択されるワックス又は光沢剤、あるいは、
-シャワージェル及びシャンプー、ひげそり用石鹸、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧用エマルション、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、タンニングクリーム及びローション、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪用ローション、ヘアコンディショナー、永久及び半永久毛髪着色剤、ヘアシェイピング組成物、例えば、コールドウェーブ及びヘアスムーシング組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、脱臭剤及び発汗防止剤、例えば、脇の下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾化粧品からなる群から特に選択される、ボディケア組成物。
【0197】
本発明により使用されるフレグランス又は本発明のフレグランス組成物と組み合わせ得る慣用的な成分は、一般に公知であり、例えばPCT/EP2015/072544に記載され、その教示は参照によりここに明示的に組み込まれる。
【実施例】
【0198】
以下の実施例は、発明をより詳細に説明することを意図したものである。実施例中の百分率は、別段の指示がない限り、重量%である。
【0199】
光散乱を用いた水性サスペンション/エマルション中の平均粒子径の測定:
w/o/wエマルション又は粒子サスペンションの粒子径をMalvern Instruments(イギリス)製Malvern Mastersizer 2000、サンプル分散ユニットHydro 2000Sを用いて、文献中に記録された標準の測定方法に従って測定した。D[4,3]の値は、体積加重平均(volume-weighted average)である。
【0200】
固体の平均粒子径の測定:
微粒子を、粉末供給ユニットScirocco 2000を含むMalvern Instruments(イギリス)製Malvern Mastersizer 2000を用いて、文献中に記録された標準の測定方法に従って、粉末として測定した。D[4,3]の値は、体積加重平均である。
【0201】
孔径の測定:
孔径を、走査型電子顕微鏡(Phenom Pro X)を用いて測定した。この目的のために、様々なクローズアップ像を撮り、これらをPhenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを用いて遡って自動的に測定した。粒子の選択した領域の孔をコントラストの差を用いて特定し、その表面を自動的に測定した。各表面の径を、表面を円形状と仮定して計算した(サンプルサイズ:孔100個)。
評価との関連において、孔径が少なくとも20nmの孔のみを考慮した。粒子径に応じて、より大きい粒子については1600~2400倍の倍率で、より小さい粒子については8000倍までの倍率で、像を記録した。
少なくとも10個の孔のサイズを測定するために、微粒子の組成物の平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する微粒子のみを考慮した。
【0202】
以下の仮定は、微粒子の全表面積に基づく孔数を評価するためになされたものである:これらは球状粒子であるため、像は粒子表面の半分しか示さない。微粒子の像が、少なくとも20nmであって平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内である直径を有する孔を少なくとも5個示す場合、全表面は少なくとも10個の孔を備える。
【0203】
以下の手順に従って評価を行った:
1.微粒子の平均粒子径D[4,3]を、微粒子分散液において光散乱を用いて既に測定した。孔を測定するために考慮される微粒子の粒子径の上下限(±20%)は、これから計算することができる。
2.微粒子分散液を乾燥した。
3.サンプルから、各場合において、走査型電子顕微鏡を用いて多数の微粒子を示す20個の像を撮った。
4.微粒子の平均粒子径の±20%の範囲内の粒子径を有する20個の微粒子を選択した。そして、それらの粒子径をPhenom製ProSuite(FibreMetric)ソフトウェアを用いて測定した。
5.これら20個の微粒子のそれぞれの孔を測定した。この目的のために、目に見える孔の表面積を自動的に測定し、その直径を計算した。
6.孔径の個別の値を、直径が平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内であり、少なくとも20nmであるという条件を満たすかどうかについてチェックした。
7.この条件を満たす孔の数を測定し、2倍した。
8.少なくとも16個の微粒子が平均して少なくとも10個の孔を有するかどうかを確かめた。
【0204】
バルク密度の測定:
バルク密度をDIN-EN ISO 60:1999に明記されているように測定した。
【0205】
微粒子組成物の含水量の測定
カールフィッシャー滴定(DIN 51777):このために、約2gの粉末を正確に計量し、799 GPT titrinoを用いてカール-フィッシャー法により滴定した。
【0206】
略語:
PBSeT - ポリブチレンセバカートテレフタラート
PBAT - ポリブチレンアジパートテレフタラート
PLA - ポリラクチド
PS - ポリスチレン
PC - ポリカルボナート
PBA - ポリブチレンアジパート
PLGA - ポリラクチド-co-グリコシド
PVA - ポリビニルアルコール
【0207】
実施例1:充填可能な球状微粒子の調製手順
孔形成剤の溶液:0.5gの炭酸アンモニウムを54.0gの水に溶解した(孔形成剤)。
【0208】
脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液:21.6gのPBSeTを270.0gのジクロロメタンに攪拌しながら加え、攪拌しながら25℃で溶解させた。
【0209】
w/oエマルションを調製するために、54.5gの孔形成剤の溶液を脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液中で、ローター-ステーターを用いて1分間10000rpmにて乳化した。
【0210】
結果として得られたw/oエマルションを、(88mol%の加水分解度及び25mPa・sの粘度及び3mol%のカルボキシル基割合を有する)ポリビニルアルコールの溶液中に移し、同様にせん断及びエネルギー投入(ローター-ステーターで1分間10000rpm)により乳化した。
【0211】
この方法で製造されたw/o/wエマルションを、次に、さらに150rpmでアンカースターラーを用いて攪拌し、攪拌しながら40℃に徐々に加熱し、100L/時間で窒素を流しながらこの温度に4時間保った。その後、微粒子サスペンションを室温に冷却し、凍結乾燥した。
【0212】
凍結乾燥後の粒子径は5μmであった。
含水量:0.5%
【0213】
実施例2~4、6~7
実施例1と同様に、充填可能な球状微粒子を、それぞれの濃度の表1に記載の残りの孔形成剤と表1に記載の(脂肪族-芳香族ポリエステル及びさらなるポリマーからなる)ポリマー混合物とを用いて調製した。
【0214】
実施例5
実施例1と同様に、球状微粒子を調製した。ただし、w/o/wエマルションを製造するためにアンカースターラーを用いて150rpmにて乳化を行ったという点が異なる。
【0215】
【0216】
実施例8、11、12
実施例1と同様に手順を実施した。ただし、表2にみられるポリマー混合物を用いたという点が異なる。
【0217】
実施例9、10
実施例5と同様に手順を実施した。ただし、表2にみられるポリマー混合物を用いたという点が異なる。
【0218】
【0219】
実施例13~20 様々な粒子径の調製
21.6gのPBSeTを270.0gのジクロロメタンに攪拌しながら加え、攪拌しながら25℃で溶解させた。54.5gの孔形成剤の溶液(5gの炭酸アンモニウムが54.0gの水に溶解している)をこの溶液中でローター-ステーターを用いて1分間10000rpmにて乳化した。
【0220】
結果として得られたw/oエマルションを(88mol%の加水分解度及び25mPa・sの粘度及び3mol%のカルボキシル基割合を有する)ポリビニルアルコールの溶液中に移し、同様にせん断及びエネルギー投入(表3に記載)により乳化した。
【0221】
この方法で製造されたw/o/wエマルションを、次に、さらに150rpmでアンカースターラーを用いて攪拌し、攪拌しながら40℃に徐々に加熱し、100L/時間で窒素を流しながらこの温度に4時間保った。その後、微粒子サスペンションを室温に冷却し、凍結乾燥した。
【0222】
【0223】
一般的な手順:カプセルの充填及び閉鎖
実施例5で得られた20gの充填可能な球状微粒子を40gのアロマケミカル(表4参照)の溶液とともにローラーミキサーで5時間攪拌した。
次に、全サスペンションを60℃(ジャケット温度)に加熱し、この温度に5時間保った。このサスペンションを次いで室温に冷却し、濾過し、三回エタノールですすいだ。次に、微粒子を4時間乾燥器中で40℃で乾燥した。
【0224】
この手順に従い、実施例21~23の充填された微粒子を得た。
【0225】
微粒子の充填量を以下のように計算した。
【0226】
充填量(%)=(充填されたM重量-未充填のM重量)×100/充填されたM重量
M:微粒子
【0227】
【0228】
実施例24:充填可能な球状微粒子(小粒子)の調製手順
孔形成剤:アンモニウムスルファート
脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液:1.8gのPBSeTを22.5gのジクロロメタンに攪拌して加え、攪拌しながら25℃で溶解させた。
【0229】
w/oエマルションを調製するために、0.5%の孔形成剤の溶液4.5gを脂肪族-芳香族ポリエステルの溶液中で、ローター-ステーターを用いて1分間10000rpmにて乳化した。
【0230】
結果として得られたw/oエマルションを(88mol%の加水分解度及び25mPa・sの粘度及び3mol%のカルボキシル基割合を有する)ポリビニルアルコールの溶液中に移し、同様にせん断及びエネルギー投入(ローター-ステーターで1分間8000rpm)により乳化した。
【0231】
この方法で製造されたw/o/wエマルションを、次に、さらに400rpmでアンカースターラーを用いて攪拌し、60L/時間で窒素を流しながら25℃に4時間保った。
微粒子の平均粒子径D[4,3]は11.1μmであった。走査型電子顕微鏡で測定して9.99~12.21μmの範囲内の粒子径を有する粒子のみから孔を測定した。この条件を満たす、孔について計算された下限は0.02μmであり、上限は2.22μmであった。SEM像の評価により、測定された微粒子はそれぞれ、像中に条件を満たす孔を5個より多く有し、したがって各微粒子の表面に平均して10個を超える孔を有することが示された。孔数は、好ましい孔径範囲である平均粒子径の4/100~1/5(計算された下限及び上限:0.44μm~2.22μm)も満たしていた。
【0232】
実施例25~28:
実施例5と同様に、球状微粒子を調製した。ただし、アルミニウムスルファートの代わりに表5に記載の孔形成剤を用いたという点が異なる。
【0233】
【0234】
【0235】
実施例29~31:微粒子の充填及び閉鎖
実施例25~27で得られた20gの各充填可能な球状微粒子を、40gのアロマケミカル混合物の溶液とともにローラーミキサーで5時間攪拌した。
次に、全サスペンションを60℃に加熱し、この温度に5時間保った。このサスペンションを次いで室温に冷却し、濾過し、10wt%プロパンジオール水溶液で三回すすいだ。次に、微粒子を4時間乾燥器中で40℃で乾燥した。
【0236】
微粒子の充填量を以下のように計算した。
【0237】
充填量(%)=(充填されたM重量-未充填のM重量)×100/充填されたM重量
M:微粒子
【0238】
【0239】
本発明による充填された微粒子は、良好な充填量を示した。さらに、本発明による充填された微粒子は、特に水分に対して、良好な貯蔵性を有する。実施例25及び実施例27の小さい孔を有する好ましい微粒子は、特に良好な堅固さ(tightness)も有する。
本発明の態様として、例えば以下を挙げることができる。
[項1]
壁材料、並びに気体及び/又は液体を含む少なくとも一個の空洞から構成され、表面に孔を有する球状微粒子の組成物であって、前記球状微粒子が10~600μmの平均粒子径を有し、前記組成物の前記微粒子の前記平均粒子径からの逸脱が20%以下である粒子径を有する微粒子の少なくとも80%がそれぞれ、前記平均粒子径の1/5000~1/5の範囲内の直径を有する孔を平均して少なくとも10個有し、さらに、これらの孔のそれぞれの直径が少なくとも20nmであり、
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルを含む組成物からなり、前記壁材料のジクロロメタン中の溶解度が25℃において少なくとも50g/Lである、球状微粒子の組成物。
[項2]
前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の組成物でエステル化した脂肪族ジヒドロキシ化合物のエステルである、項1に記載の球状微粒子の組成物。
[項3]
前記脂肪族-芳香族ポリエステルが、ポリブチレンアゼラート-co-ブチレンテレフタラート(PBAzeT)、ポリブチレンブラシラート-co-ブチレンテレフタラート(PBBrasT)、ポリブチレンアジパートテレフタラート(PBAT)、ポリブチレンセバカートテレフタラート(PBSeT)、及びポリブチレンスクシナートテレフタラート(PBST)から選択される、項1又は2に記載の球状微粒子の組成物。
[項4]
前記壁材料を形成する前記組成物が、45~140℃の範囲内のガラス転移点又は融点を有する少なくとも1種のポリマーを含む、項1~3のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
[項5]
前記壁材料が、少なくとも1種の脂肪族-芳香族ポリエステルと、ポリアクリラート、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリスチレン、脂肪族-脂肪族ポリエステル、芳香族-芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ尿素及びポリウレタンから選択される少なくとも一種のさらなるポリマーとを含む組成物からなる、項1~4のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
[項6]
前記壁材料が、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルと少なくとも一種の脂肪族-脂肪族ポリエステルとを含む組成物からなる、項1~5のいずれか一項に記載の球状微粒子の組成物。
[項7]
球状微粒子を調製する方法であって、
a)不連続相としての水又は孔形成剤の水溶液と、少なくとも一種の脂肪族-芳香族ポリエステルの水非混和性溶媒溶液を含む連続相とから、エマルションを調製し、
b)a)で得たw/oエマルションを、水中で分散剤の存在下で乳化して平均サイズが1~600μmの液滴を有するw/o/wエマルションを得、前記水非混和性溶媒を20~80℃の範囲内の温度で除去し、
c)方法ステップb)で形成された前記球状微粒子を分離し、場合により乾燥する、球状微粒子を調製する方法。
[項8]
項7に記載の方法に従って得られる球状微粒子。
[項9]
項1~6のいずれか一項又は項8に記載の球状微粒子の、少なくとも一種のアロマケミカルを充填するための担体物質としての使用。
[項10]
e)前記乾燥した球状微粒子をアロマケミカル又は少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、
f)e)の後に得られた前記微粒子を、次に、40~200℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、項7に記載の方法。
[項11]
アロマケミカル調製物を調製する方法であって、項1~6又は8のいずれか一項に記載の球状微粒子を、少なくとも一種のアロマケミカルの溶液中に懸濁させ、次に、35~200℃の範囲内の温度に1分~10時間の期間保つ、方法。
[項12]
項10又は11に記載の方法に従って得られるアロマケミカル調製物。
[項13]
項12に記載のアロマケミカル調製物の、香水、洗浄及び清浄剤、化粧料、ボディケア剤、衛生物品、食品、食品サプリメント、香気ディスペンサ、又はフレグランスから選択される剤における使用。
[項14]
球状微粒子又は項12に記載のアロマケミカル調製物を、組成物の全重量に対して0.01~99.9wt%の重量割合で含む剤。
[項15]
項12に記載のアロマケミカル調製物の、アロマケミカルの制御された放出のための使用。