(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-09
(45)【発行日】2022-05-17
(54)【発明の名称】軟質固定インプラントを備えた組織修復アセンブリおよびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220510BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2019521418
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(86)【国際出願番号】 US2017059943
(87)【国際公開番号】W WO2018085663
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・グレゴワル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント・タンジャーリーニー
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ロー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】トリ・グェン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-520141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0173739(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0277133(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0239085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織修復アセンブリ(100)であって、
近位端と、遠位端と、その間に延在する長手方向軸とを有する管状のアンカー本体(204)と、
縫合糸(120)であって、当該縫合糸(120)の第一および第二端が前記アンカー本体(204)の前記近位端に隣接した前記アンカー本体(204)から出るように、前記アンカー本体(204)に結合された、縫合糸と、
前記縫合糸(120)によって形成される少なくとも一つのアイレット(218)であって、少なくとも一つの可撓性部材の通路のための少なくとも一つの開口部を画定する少なくとも一つのアイレット(218)と、
を含む組織修復アセンブリであって、
前記縫合糸(120)の前記第一および第二端の張力により、前記アンカー本体(204)を、前記アンカー本体(204)が細長い第一構成から、前記アンカー本体(204)が軸方向に圧縮されて半径方向に拡張された第二構成へ変化させ、
前記縫合糸(120)の前記第一および第二端の張力により、同様に、前記縫合糸(120)の前記少なくとも一つのアイレット(218)が、前記少なくとも一つの可撓性部材を前記アンカー本体(204)に固定
するのに適するようにされ、
前記少なくとも1つのアイレット(218)が、ラップ、巻き取り、または螺旋の形態であり、
当該組織修復アセンブリが、縫合糸通し器の通路のための前記ラップ、巻き取り、または螺旋の長さを貫通する管状部材をさらに含む、組織修復アセンブリ。
【請求項2】
前記アンカー本体(204)の前記近位端および前記遠位端のうちの少なくとも一つが
開口している、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも一つのアイレット(218)がノットの形態である、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項4】
前記ノットが、荷物タグ、
8の字状の荷物タグ、プルージックノットの形態であるか、または、その他の形態のロッキングノットである、請求項3に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも一つのアイレット(218)が、前記アンカー本体(204)の外部に形成される、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも一つのアイレット(218)が、前記アンカー本体(204)の内部に形成される、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも一つのアイレット(218)が、前記アンカー本体(204)の前記遠位端に隣接して形成される、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項8】
前記縫合糸(120)が、前記アンカー本体(204)の第一側壁に沿って前記近位端から前記遠位端に延在し、前記遠位端を横切り、そして前記第一側壁の反対の第二側壁に沿って前記遠位端から前記近位端に戻る、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項9】
前記縫合糸(120)が、前記アンカー本体(204)の内部容積に沿って前記近位端から前記遠位端に延在し、前記アンカー本体(204)の第一側壁に沿って前記遠位端から前記近位端に戻り、前記近位端を横切り、前記第一側壁の反対の第二側壁に沿って前記近位端から前記遠位端に戻り、そして前記内部容積に沿って前記遠位端から前記近位端に延在する、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項10】
前記縫合糸(120)が、「S」形状の構成で前記アンカー本体(204)に結合される、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項11】
前記縫合糸(120)が、「C」形状の構成で前記アンカー本体(204)に結合される、請求項1に記載の組織修復アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月3日に出願された、「Knotless Soft Anchor」と題する米国仮特許出願第62/417,058号と、2017年2月8日に出願された、「Tissue Repair System with Soft Anchoring Implant」と題する米国仮特許出願第62/456,188号の利益を主張し、その全体が参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの整形外科手術は、軟組織を骨に取り付けるための手技において固定装置の使用を含む。このような手技には、骨に腱を、骨に骨を、腱に腱を、および骨に靭帯を取り付けること、および、靭帯の再建を含む。これらの手技のほとんどは、縫合糸が取り付けらされた、高分子、金属、または生分解性の剛性アンカーの使用に依存している。縫合糸は組織を通過し、ノットが構築物を共に固定する。しかしながら、これらのアンカーの使用は、骨内に配置されることになる剛性の、硬質材料を必要とすることが多い。アンカーが緩められた場合、外科医または外科技術者は、硬くなり得る装置を患者の関節に移動させるという問題に直面し、患者を関節炎のリスクさらすことになる。さらに、ポリ乳酸(PLA)などの特定のポリマーは、骨を弱める場合があり、患者の骨を砕けやすくさせる。さらには、組織を固定するために使用されるノットは多くの場合、骨の外部に位置し、患者にとって不快感を生じさせ得る。したがって、軟質の可撓性材料のみを使用するアンカーは、材料がそれほど脆くないため、移植のための低侵襲的な技術が可能となる。骨内に修復縫合糸を固定することによって、外部ノットに見られる患者の不快感をさらに軽減できる。さらに、軟質アンカーの使用により、関節または体腔に引っかかるリスクはなく、より強い骨をもたらし、骨折のリスクを低減させる。
【0003】
軟質アンカーの現在の実施例には、全体が可撓性縫合糸材料から成るアンカーが含まれる。これらの全縫合糸アンカーは、それ自体または第二の類似の構築物内にブレードを組み立てることによって作成される。内側ブレードにおける張力は、軟組織を骨に、または組織を組織に近似させ、外側ブレードにおける張力は、内側および外側のブレードを共にロックする。よって、ブレード付きの全縫合糸築物は、「中国式フィンガーロック(Chinese finger lock)」のように動作し、つまり、対向するブレード繊維間の摩擦が運動に抵抗をもたらす。しかしながら、これらの構築物は、配備するために相当数の手順ステップを有し、複数の縫合糸ではなく、単一の修復縫合糸での使用に限られている。さらに、多くの全縫合糸アンカーは、外科医または外科技術者によって手動で配備される必要がある。よって、縫合糸を張る能力は、張力を印加する者のスキルによって制限される。特許文献1には、縫合糸の移植のためのシステムが開示されている。特許文献2には、可撓性固定部材と2つの終端部を有する縫合糸とを有する機器が開示されている。特許文献3には、フィラメント状の構造を用いて組織を固定する方法が開示されている。特許文献4には、アンカーインプラントを有し、組織を骨に取り付けるためのノットなし組織修復組立体が開示されている。特許文献5には、軟質材料アンカーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2012/239085号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/197271号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2774545号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/173739号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/277133号明細書
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、ノットの無い全縫合糸アンカー構築物を使用する組織修復システムが記載されている。本開示の組織修復システムは、軟組織を骨に固定する際のロッキング力を最大化し、アンカー構築物内の修復縫合糸を締付けまたはロックする能力を有する。縫合糸は、単一のストランドまたは任意の複数の縫合ストランドを有し得る。例えば、本開示の組織修復システムは、上唇組織を通って単一縫合糸を固定するのに使用され得るか、ま
たは、回旋筋腱板の修復中に内側列(medial row)を起点とした複数の修復縫合糸を横方向に固定するのに使用され得る。
【0006】
組織修復システムのアンカー構築物は、開いたアイレットを作成するため、それ自体上でラップされた、またはループされた張力縫合糸を含み、軟組織を起点とした一つまたは複数の修復縫合糸が、その開いたアイレットを通過する。アイレットの配置は、全縫合糸アンカーの内側またはアンカー本体の外部に隣接した任意の場所であってもよい。張力縫合糸の複数のラップまたはループを利用して、複数のアイレットを形成し得る。張力縫合糸の張力により、少なくとも一つのアイレットが修復縫合糸の周りに蛇行した蛇行性経路を形成し、アンカー本体内で、またはそれに対して、締め付けられる。あるいは、ラップされた、またはループされた張力縫合糸は、ノット構築物を形成する少なくとも一つのアイレットを含み得る。専用の送達システムは、人の手によってもたらされる力のほぼ二倍の力を、張力縫合糸にもたらす。よって、本開示の組織修復システムの使用は、従来技術装置の摩擦ロックまたは予め結ばれたノットよりも大きなロッキング力を生成し、且つ、配備のためのステップが少なくなり得る。
【0007】
本開示の組織修復システムのさらなる実施例は、好適な任意の組み合わせで、以下のうちの一つまたは複数を含み得る。
【0008】
実施例において、本開示の組織修復システムは、近位端と、遠位端と、その間に延在する長手方向軸を有する、管状の軟質アンカー本体を含む。縫合糸は、縫合糸の第一および第二端がアンカー本体の近位端に隣接したアンカー本体から出るように、アンカー本体に結合される。組織修復システムはまた、縫合糸によって形成される少なくとも一つのアイレットを含む。少なくとも一つのアイレットは、少なくとも一つの可撓性部材の通路のための少なくとも一つの開口部を画定する。縫合糸の第一および第二端の張力により、アンカー本体を、アンカー本体が細長い第一構成から、アンカー本体が軸方向に圧縮されて半径方向に延在される第二構成へ変化させる。縫合糸の第一および第二端の張力はまた、縫合糸の少なくとも一つのアイレットを、少なくとも一つの可撓性部材をアンカー本体に固定させる。
【0009】
組織修復システムのさらなる実施例において、アンカー本体の近位端および遠位端のうちの少なくとも一つは開いている。実施例では、少なくとも一つのアイレットはノットの形態であり、これは荷物タグの形態であってもよい。荷物タグは、8の字を形成するよう捻られてもよく、または、プルージックノットまたはロッキングノットのその他の形態を形成するよう二重にされてもよい。その他の実施例では、少なくとも一つのアイレットは、ラップ、巻き取り、または螺旋の形態である。組織修復システムはさらに、縫合糸通し器の通路のための、ラップ、巻き取り、または螺旋の長さを通って延在する管状部材を含み得る。少なくとも一つのアイレットが、アンカー本体の外部またはアンカー本体の内部に形成され得る。少なくとも一つのアイレットがまた、アンカー本体の遠位端に隣接して、またはアンカー本体の遠位端に近接して形成され得る。
【0010】
組織修復システムのさらに別の実施例では、縫合糸は、アンカー本体の第一側壁に沿って近位端から遠位端まで延在し、遠位端を横切り、第一側壁の反対の第二側壁に沿って遠位端から近位端まで戻る。その他の実施例では、縫合糸は、アンカー本体の内部容積に沿って近位端から遠位端まで延在し、アンカー本体の第一側壁に沿って遠位端から近位端まで戻り、近位端を横切り、第一側壁の反対の第二側壁に沿って近位端から遠位端まで戻り、内部容積に沿って遠位端から近位端まで延在する。さらなる実施例では、縫合糸は、「S」形状の構成または「C」形状の構成でアンカー本体に結合される。
【0011】
本開示の組織修復方法の実施例は、1)少なくとも一つのアイレットにおいて、少なくとも一つの可撓性部材を少なくとも一つの開口部を通過させることと、2)上述の本開示の軟質アンカー本体を骨孔に挿入することと、3)縫合糸の第一および第二端を張ることとを含む。縫合糸の第一および第二端を張ることにより、アンカー本体を、アンカー本体が細長い第一構成から、アンカー本体が軸方向に圧縮されて半径方向に延在される第二構成へ変化させる。縫合糸の第一および第二端を張ることはまた、縫合糸の少なくとも一つのアイレットに、少なくとも一つの可撓性部材をアンカー本体に固定させる。第二構成では、アンカー本体は骨孔内で引っかかる(lodged)。
【0012】
本開示の方法のさらなる実施例は、骨に骨孔を形成することを含む。実施例において、少なくとも一つの可撓性部材を少なくとも一つのアイレットの少なくとも一つの開口部を通過させることは、縫合糸通し器またはスネアを使用して少なくとも一つの可撓性部材を通過させることを含む。その他の実施例では、少なくとも一つの可撓性部材を少なくとも一つのアイレットの少なくとも一つの開口部を通過させることは、少なくとも一つの可撓性部材を縫合糸通し器に関連付けられた管状部材を通過させることを含む。実施例において、縫合糸の第一および第二端を張ることは、手で縫合糸の第一および第二端を張ることを含む。その他の実施例では、縫合糸の第一および第二端を張ることは、専用の送達装置を使用して縫合糸の第一および第二端を張ることを含む。
【0013】
これらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および関連する図面のレビューから明らかであろう。前述の一般的説明および以下の詳細な説明はともに、説明するためのものであり、特許請求の範囲の態様は限定されないことが理解されるべきである。
【0014】
本開示は、以下の図に関連して、詳細な説明を参照してより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1A~1Cは、軟質固定インプラントを使用した従来技術の組織修復システムを図示する。
【
図2-1】
図2Aおよび2Bは、遠位の、外部アイレットを有する本開示の組織修復アセンブリの第一実施例を図示する。
図2C及び2Dは、
図2Aおよび2Bのアイレットの実施例を示す。
【
図2-3】
図2Iは、遠位の、外部アイレットを有する本開示の組織修復アセンブリのさらなる実施例を図示する。
【
図3】
図3は、螺旋、ラップ、または巻き取りの形態で遠位の、外部アイレットを有する組織修復アセンブリの別の実施例を図示する。
【
図4】
図4は、骨に配備された本開示の組織修復アセンブリアセンブリを示す。
【
図5】
図5Aおよび5Bは、近位の、内部アイレットを有する組織修復アセンブリおよびシステムのさらなる実施例を図示する。
図5Cおよび5Dは、外部アイレットを有する組織修復アセンブリのさらに別の実施例を図示する。
【
図6】
図6Aおよび6Bは、予め結ばれたノットと併用する組織修復アセンブリの代替的な実施例を図示する。
【
図7】
図7A~7Cは、予め結ばれたノットと併用する組織修復アセンブリの代替的な実施例を図示する。
【
図8】
図8A~8Dは、組織修復システムの実施例を図示する。
【
図9】
図9は、組織修復の代替的なシステムおよび方法を図示する。
【
図10】
図10Aおよび10Bは、組織修復システムの例示的ハンドルを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明では、異なる実施例で示されているかどうかにかかわらず、同一の構成要素には同一の参照番号が与えられている。明瞭かつ簡潔な方法で実施例を説明するために、図面は必ずしも縮尺ではない場合があり、ある特定の特徴が何らかの概略的形態で示され得る。一実施例に関して記述および/または図示された特徴は、一つまたは複数の他の実施例、および/または、他の実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに、同一の方法または類似の方法で使用されてもよい。
【0017】
「備える」、「含む」、および/またはそれぞれの複数形は非限定であり、列挙された部品を含み、列挙されていないさらなる部品を含み得る。「および/または」は非限定であり、一つまたは複数の列挙された部品および列挙された部品の組み合わせを含む。
【0018】
ここで
図1Aを参照すると、当技術分野で知られている例示的組織修復アセンブリ100が示されている。概して記載されるが、組織修復アセンブリ100は、軟質固定インプラント102と、張力縫合糸120とを備える。インプラント102は、長手方向軸106に沿って延在する三次元の管状本体104を有する。インプラント本体104は、開放され、内部または常駐容積(resident volume)116と連通していてもよい近位端110、および開いていても閉じていてもよい遠位端112を含む。
図1Aの実施例では、縫合糸120は、インプラント本体104の壁を通って、短い距離だけ外側に出た後、インプラント本体104の繊維の間に戻り、インプラント本体104の内側を、可能であれば内部容積116内を通過し、さらに、繊維または紐の間且つインプラント本体104の遠位端112周りを通過することによって再度外に出た後、貫通を繰り返して、インプラント本体104の近位端110周りから戻って出る。その他の実施例では、図示されていないが、縫合糸120は、インプラント本体104の壁を貫通することなく、インプラント本体104の内部または外部に沿って延在してもよい。特に、縫合糸120は、インプラント本体104に対して所定位置にロックされておらず、インプラント本体104の壁を通って、またはそれに沿って摺動可能な状態である。
【0019】
図1Bに示すように、インプラント102は、骨またはその他の硬組織(ここでは図示なし)内で縫合糸120を固定し、軟組織を縫合糸120へさらに取り付けることを可能にすることを意図する。インプラント102は、インサータチューブ108およびインプラントプッシャー114を含む専用送達システム115に装填され、硬組織内に配備されて修復を促進するのが好ましい。このような特殊送達システム115の非限定的な実施例は、一般的に米国特許出願公開第2013/0123810号(Brown et al.)に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。その他の実施例では、図示されていないが、インプラント102は、二片の軟組織のための保持アンカーとして配備されてもよい。
【0020】
インプラント102の実施例は、チューブまたは円錐形状に巻かれたブレード糸または繊維の、軟質の可撓性構築物から形成され得る。インプラント102を構築するのに使用されるだろう通常の材料は、超高分子量ポリエチレン(UHMP)、ポリエステル、ポリプロピレン、絹または、通常は縫合用途に使用される生体吸収性材料であってもよいが、これらに限定されない。巻かれた構造物は、接着剤または縫い目と共に保持されてもよく、ブレード材料の自由端は同様の方法でさらに結合されてもよい。軟質固定インプラント102のその他の非限定的な実施例は、ArthroCare Corporation(Tex.、USA)によって製造されたQ-Fix全縫合糸インプラントを含み、米国特許出願公開第2013/0123810号(Brown et al.)に一般的に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
図1Aおよび1Bに示すように、予め配備された状態では、インプラント本体104の繊維は、長手方向軸106と実質的に平行でなく、インプラント本体104の長手方向軸106と直交もしない配向で緩和される。
【0021】
ここで
図1Cを参照すると、縫合糸120に張力がかけられ、いくらかの反対牽引力がインプラント本体104の近位端110に印加される。つまり、インプラント本体104は、その長手方向軸106に沿って短縮され、そのとき、半径方向に拡張する。この半径方向の拡張がインプラント本体104を押して、配備前よりも大きく、且つ、それが挿入された孔よりも大きい有効直径となる。配備状態では、インプラント本体104の繊維は、長手方向軸106と
直交する配向でより整列され、概してより小型化されている。よって、インプラント102の固定態様が達成される。
【0022】
概して、軟質固定インプラント102は、端が閉じられたチューブを有する靴下の三次元構造、または、端が開かれたチューブを有する靴下の三次元構造のどちらかのような三次元構造の形態である。この三次元構造は、所定の内部空間または常駐容積116を画定または含むことが好ましい。「常駐容積(resident volume)」は、その製造された状態、予め配備された状態、または緩和された状態において、三次元固定インプラント構造によって意図的に形成される体積である。本明細書に記載の常駐容積は、構造物を作製した材料の厚さよりも、本質的により厚く、および/または、より幅広くてもよい。例えば、中に孔のあるブレード材料の平坦な片は、孔がブレード材料の厚さと単に同じ深さであるため、常駐容積(孔)を画定しなくてもよい。必ずしも、永久的に開いている、または囲まれている容積でなくてもよい。例えば、軟質の可撓性ブレード材料の場合のように、常駐容積116は、製造時および構造物内に本質的に存在してもよいが、構造物の側面が圧縮されるとき、常駐容積116はより小さくなるかまたは共に消滅してもよい。常駐容積116は、インプラントが直立構成にあるときは、固定インプラント本体104の構造物内で製造された通りに存在してもよいが、構造物が横向きのときは、構造物の軟質の可撓性ブレード材料にかかる重力により、消滅する傾向がある。ただし、構造体がその元の位置および構成に戻ると、常駐容積116は構造内に常に存在する。本明細書で使用される場合の用語は必ずしも、常駐容積116が所定の時点でその他の物質で充填されることを不可能にするものでも、常駐容積の存在を一時的に見えなくするために構造物それ自体を折り畳んだり圧縮するのを不可能にするものでもない。軟質固定インプラントの二軸ブレード材料は、緩和状態にあるときは常駐容積を、挿入装置に装填されるときには実質的に低減された常駐容積を画定し、完全に組織に配備されるときには実質的に常駐容積を画定しないよう構成され得る。常駐容積のさらなる考察は、米国公開番号第2013/0123810号(Brown et al.)に一般に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
ここで考察は、本開示の組織修復アセンブリ200の第一実施例を図示する
図2Aおよび2Bを参照する。組織修復アセンブリ200は、以下に記載する場合を除き、
図1A~Cの組織修復アセンブリ100に類似する。組織修復アセンブリ200では、張力縫合糸220がそれ自体上でラップされるか、またはループされて、インプラント本体204の遠位端212に隣接する少なくとも一つのアイレット218を形成すること以外は、張力縫合糸220は、縫合糸が
図1A~1Cのインプラント本体104と織り交ぜられるのと同様の方法で、インプラント本体204に結合される。例えば、複数のアイレット218が、張力縫合糸220の一部分によって形成される、緩く形成されたノット228内に構成され得る。ノット228は、当技術分野で知られているいかなるタイプのヒッチ、曲げ、またはロッキングノッチであってもよく、その実施例は以下にさらに記載される。軟組織224を起点とする一つまたは複数の修復縫合糸222(図示の通り、二つ)は、下記にさらに記載する通り、アイレット218またはノット228を通されるか、または通過する。
図2Bに示すように、インプラント本体204が予め形成された骨孔226に挿入されている間は、修復縫合糸222に張力が維持され得る。軟組織224は骨孔226に近似しており、インプラント本体204は、組織修復アセンブリ100に関して上述したように、部分的にまたは完全に配備される。部分的配置とは、アイレット218が、軟組織224の骨孔226への近似を調節できるように修復縫合糸222がアイレット218を通して摺動可能であるような構成にある一方で、アンカー本体204が部分的に半径方向に拡張し得る構成として定義され得、つまり、修復縫合糸222の自由端にさらに張力が印加されることによってさらなる近似が達成される。完全配備構成では、軟質アンカー本体204は、部分的配備構成よりも半径方向により拡張され、軸方向により短縮されるように完全に配備され、その結果、アンカー本体204の常駐体積216を有意に減少させるかまたは除去し、骨孔226の長さと係合する。完全配備構成では、少なくとも一つのアイレット218が、アイレットを通して修復縫合糸222が摺動するのを防止する構成にある。この構成は、減少したループまたはアイレットサイズを含んでもよく、あるいは、またはさらには、摺動に抵抗するのに十分な修復縫合糸222の蛇行性経路を形成してもよい。概して、少なくとも一つのアイレット218は、修復縫合糸222と結合するかロックするように変更され、その結果、修復縫合糸222がアイレットを通して摺動するのを防止する。アンカー本体が半径方向に拡張し、骨壁の一部分に対して修復縫合糸の長さを圧縮するため、修復縫合糸222の補足的固定がまた、アンカー本体204の長さに沿って延在する修復縫合糸222の長さの間、および、アンカー本体204と骨孔との間に提供され得る。
【0024】
インプラント本体204の遠位端212が開いているか閉じているかによってそれぞれ、アイレット218またはノット228は、配備時に、インプラント204の内側に引き出されるか、またはインプラント202の遠位端212に対して引かれ得る。張力下において、張力縫合糸220は、蛇行性経路および摩擦が修復縫合糸222の動作を制限する程度まで、アイレット218のラップを解くか、または、巻きを解く。交互に、張力縫合糸220は、アイレット218またはノット228が修復縫合糸222をロックする程度まで、修復縫合糸222周りで締付ける。よって、インプラント204を配備する動作は、インプラント本体204を骨208にロックし、且つ、修復縫合糸222もアンカー本体204に固定もし、修復縫合糸222を効果的に固定し、それによって軟組織224を骨208に固定する。
【0025】
図2C~
2Fは、
図2Aおよび2Bに関して上述したノット228の実施例の詳細図である。
図2Cでは、張力縫合糸220は、一次ループ217および二次ループ219を有する8の字形状を形成し、張力縫合糸220の端221は、一次ループ217によって形成される間隙229を通過している。張力縫合糸220は、修復縫合糸222に合った、異なる材料およびサイズであってもよい。例えば、張力縫合糸220は、超高分子量ポリエチレン(UHMP)、ポリエステル、ポリプロピレン、絹または、通常は縫合用途に使用される生体吸収性材料に限らない、通常の材料を含んでもよく、縫合またはテープと類似した構造物を含む可撓性部材であってもよい。修復縫合糸222は、上記に挙げたような一般的な材料を含む、縫合糸またはテープにおいても、可撓性部材であってもよい。修復縫合糸222は、張力縫合糸220とは異なる材料またはサイズを含んでもよく、その結果、修復部222は例えばノット228を通ってより容易に摺動してもよい。張力縫合糸220の一次ループ217および端221は、第一アイレット218aを画定し、二次ループ219は第二アイレット218bを画定する。
図2Dは、第一アイレット218aおよび第二アイレット218bが共にノット228の連結されたアイレット227を形成するように、
図2Cに示す線A-Aに沿って第二アイレット218bを折り畳むことによって形成されるノット構成を示す。
図2Eでは、それぞれの修復縫合糸222が、ノット228のアイレット218a、218bの両方を通過し得ることがわかる。
図2Fに示すように、対抗張力が補修縫合糸222上に保持されており、張力縫合糸220は実質的には反対方向に引かれて、ノット228を形成する。任意に、一つまたは複数の修復縫合糸222を引いて、ノット228の保持力を試すことができる。
【0026】
ノット228を形成する別の実施例が、
図2G~2Hに関して示されている。
図2Gでは、張力縫合糸220は、
図2C~
2Fに関して上述した方法と同じ方法で構成される。しかし、使用時には、二次ループ219が張力を受けるまで一次ループ217は二次ループ219の遠位に維持される。遠位の対抗張力が修復縫合糸222上に保持されており、張力縫合糸220は近位方向(矢印で表示)に引かれ、ノット228’を形成する。また、ノット228’を張ることにより、一次ループ217の間隙229を通って近位に二次ループ219を移動させ、
図2Hに示す通り、一次ループ217が修復縫合糸222の上で折り返すのを可能にする。一次ループ217が修復縫合糸222の上で折り返されており、
図2Aおよび2Bのノット228と比較すると、より強いノット228’が縫合糸220で形成される。
図2Iは、ノット228”が荷物タグの形状である、ノット228”のさらなる実施例を示す。荷物タグは、8の字を形成するよう捻られるか、または、プルージックノットまたは修復縫合糸222が通過するアイレット218a、218bを画定するロッキングノットのその他の形態を形成するよう二重にされてもよい。
【0027】
本開示の組織修復アセンブリ300の別の実施例を
図3に示す。組織修復アセンブリ300は、張力縫合糸320が、インプラント本体304の内部容積316を通って近位端310から遠位端312へ延在することを除いて、組織修復アセンブリ100および200と類似している。さらに、張力縫合糸320は、インプラント本体304の遠位端312に隣接した修復縫合糸を回収するために、任意の縫合糸通し器336の第一セクションの周りで螺旋状にすることによって、少なくとも一つのアイレット318を形成する。あるいは、アイレット318は、縫合糸通し器336に関連付けられた装填チューブ330の第一セクション周りで螺旋状にする。張力縫合糸320はさらに、インプラント本体304の壁に沿って戻り、遠位端312から近位端310までインプラント本体304の壁を通って織り込まれ、インプラント本体304の近位端310近くの縫合クロス332においてインプラント本体304を横断してもよい。張力縫合糸320はさらに、インプラント本体340の反対側の壁に沿って延在し、近位端310から遠位端312までインプラント本体340の反対側の壁を通って延在して、任意の縫合糸通し器336の第二セクション(および装填チューブ330)の周りで螺旋状にしてもよい。縫合糸320はさらに、インプラント本体304の内部容積316を通って遠位端312から近位端310へ戻ってもよい。この構成は、組織修復アセンブリ200に関して上述の通り、インプラント本体304への修復縫合糸322(図示なし)周りの配備機構および締付け機構を形成する。
【0028】
本開示の組織修復アセンブリ400の実施例を
図4に示す。組織修復アセンブリ400は、軟組織424を起点とする一つまたは複数の修復縫合糸422が、インプラント本体404の遠位端412において、またはその近くで、張力縫合糸420の複数のラップまたは巻き取り430によって形成されるアイレット418によって締め付けられるかまたはロックされていることを除いて、上述の組織修復アセンブリ300と類似している。インプラント402および修復縫合糸422を骨孔426内に配置した後、軟組織424を骨408に近似させるように修復縫合糸422が張力を受ける。インプラント402の配備(または部分的配備)は、ラップまたは巻き取り430を介して遠位端412において修復縫合糸422をロックしつつも、インプラント本体404の近位端410において縫合クロス432を遠位端412に向かって引き出す。張力縫合糸420およびインプラント402によって印加される有意な張力により、インプラント本体404と修復縫合糸422を骨408内にロックする。
【0029】
組織修復アセンブリおよび送達装置を含む組織修復システム500のさらに別の実施例が、
図5A~
5Dに示されている。
図5Aでは、外側チューブ514の一部分が取り除かれた状態で送達装置の正面図が示されており、
図5Bは、外側チューブ514を含む、
図5Aに対する側面図であり、システム500に示される組織修復アセンブリは、アイレット518が、インプラント本体504の内部容積516内、または、インプラント本体504の側面といった、代替配置で配置されることを除き、組織修復アセンブリ300および400に類似している。システム500は、送達装置514の外側チューブを示し、外側チューブ514が、外側チューブ514の末端まで延在し、その末端を含む細長いスロット534を有しており、修復縫合糸(図示なし)がインプラント本体504を通って直接、縫合糸通し器536によって引かれるのを可能にする。さらに、修復縫合糸は、インプラント本体504の近位部分に隣接して配置される。
図5Cは、少なくとも一つのアイレット518がインプラント本体504の外部に、および、インプラント本体504の第一横側面にある遠位端512に近接して配置される代替実施例を示す。さらに、張力縫合糸520は、代替織り込み構成で示されており、張力縫合糸520がインプラント本体504に沿って延在するとき、少なくとも一回は、インプラント本体504の第一横側面に沿って、インプラント本体504の厚さ部分を通り、第二横側面に沿って延在する「S」形状の構成でインプラント本体504を通って織り込まれている。
図5Dは、アイレット518が近位端510近くでインプラント本体504の外部に配置され、張力縫合糸520が「C」形状構成でインプラント本体504を通って織り込まれている、さらに別の代替実施例を示す。
図5Aおよび5Bで必要とされるのと同様に、送達装置514を貫通するスロットまたはアパーチャによって修復縫合糸が縫合糸通し器536によって引かれ、さらに、外側チューブ514から取り外されるのを可能にすることが必要とされる場合がある。よって、上述の組織修復システム500の実施例では、張力縫合糸520によって形成されるロッキング機構は、インプラント本体504に対して、内側(
図5Aおよび5B)または外側(
図5Cおよび5D)のいずれかで、インプラント本体504の遠位端から近接して離間される。
【0030】
上述の組織修復アセンブリ200、300、400およびシステム500は、ノットの無い軟質アンカーに関する。上述のように、ノットの無いシステムは、予め結ばれたノットを骨孔の外部から見える状態のまま、および、触って分かる状態のまま残さない、という利点を有する。本開示の組織修復アセンブリの代替実施例は、
図6Aおよび6B、7A~Cに図示されるように、軟質および/または剛質のアンカーアセンブリを含み得る。例えば、
図6Aおよび6Bに示す組織修復アセンブリ600において、プルージックノット(またはその他の摩擦機構)などの予め結ばれたノット638は、軟質アンカーインプラント602の内側に結合され、配置され得る。カップリング604は、アンカー側壁の一部分へのテザーカップリングとして示され、これは、インプラント604と共に織り交ぜられるループまたはノット638の一部分を含み得る。代替的な結合手段には、接着剤、または縫合糸の別の異なるループを含んでもよい。修復縫合糸622は予め結ばれたノット638の一部分を通って延在してもよく、固定インプラント602(図示なし)を配備するための張力縫合糸は、予め結ばれたノット638とは別個に、または直接結合されずに、固定インプラント602を通って延在してもよい。あるいは、張力縫合糸を必要としない場合があり、アンカー602を
図6Bに示す構成に配備するように縫合糸622が張力を受けてもよい。この場合には、修復縫合糸622の端を引くことにより、
図6Bに示すように、アンカー602を同時に配備することができ、骨608に向かって軟組織を引き、修復縫合糸622を所定位置にロックし得る。ノット638は、ノッキングノットまたは、修復縫合糸622の摺動をノット638のループを通る単一方向に制限し得、そのため、修復縫合糸622がノット638の固有機構を介してロックされる一方向摩擦機構であってもよい。あるいは、テザーカップリング604は、アンカー配備中に半径方向に外向きに引かれるにつれ、ノット638を締め付け得る。固定インプラント602を通された別の張力縫合糸(図示なし)を使用することにより、固定インプラント602を配備するため張力縫合糸を張る前にまず、組織624が骨608に向かって少なくとも部分的に引かれることを可能にし得る。
図6Bに示す通り、完全なアンカー配備後は、修復縫合端622は軟組織624の位置を微調整するためにさらに引かれてもよく、ノット638は上述のように縫合糸622をロックしてもよい。
【0031】
組織修復アセンブリ700の別の実施例が
図7A~
7Cに示されている。組織修復アセンブリ700は、軟性でも剛性でもよく、さらに、インプラント702の内部に予め結ばれたノット738を有するインプラント702を含む。アセンブリ600と同様に、修復縫合糸722は、インプラント702の内部に予め結ばれたノット738を通ってスネアされる。骨708内にある間は、安定化ロッド740は、予め結ばれたノット738を不動位置(
図7A)に保持し、修復縫合糸722は、安定化ロッドのボアまたはチャネルを通してスネアされ得る。安定化ロッド740を介して予め結ばれたノット738を不動にすることにより、軟組織724を所望の配置まで移動させるように、修復縫合糸722を滑らかに減少させる(
図7B)ことを可能にし得る。安定剤ロッド740は、組織724が一旦所望の配置(
図7C)にあると、取り除かれ得、その時点で修復縫合糸722は上述のようにノット機構によって所定位置にロックされ得る。さらに、軟組織724がここで所望の配置にあるため、予め結ばれたノット738は、軟組織724を通り、且つ、固定インプラント702の遠位端周り延在する、修復縫合糸722の一部分からの張力により、動作が制限され得、アンカーが配置されるときの、ノット738の近位方向への移動を防止するかまたは制限する。しかしながら、アセンブリ600と同様に、予め結ばれたノットはアンカーに結合される。次いで、アンカーが配備し、軸方向に短くなるにつれ、少なくとも部分的な対向張力が、予め結ばれたノット738に印加され得、ノット738を回転させる。つまり、対向張力は、配備中、近位方向に移動し得るノットカップリング704と、軟組織724を通って延在する修復縫合糸722にかかる張力から生じている。この回転は、予め結ばれたノット738と修復縫合糸722との間のロック強度を増加させ得る。
【0032】
図8Aを参照すると、挿入ツール遠位端810と、前の図で説明したアセンブリ200、300、400または500といった組織修復アセンブリとを含む、組織修復システム800の断面図が示される。
図8Aは、外側インサータチューブ814に装填された軟質固定インプラント204を示す。インサータチューブ814は金属であることが好ましく、その直径は概して、ドリル加工されるかまたはそうでなければ、インプラント片が挿入されることになる皮質骨822内よび海綿骨824に形成される標的骨孔820の直径と同じである。張力縫合糸220の長さは、前述の通りインプラント204を通って織り込まれて示され、張力縫合糸の自由端は、軟質固定インプラントの端から出て、その後、インサータチューブ814および同軸インプラントプッシャー812から出る。ノット218は、インプラント204の遠位端において、インサータチューブ814の遠位開口部に隣接して示されている。ノット218は、チューブ814の内側に保護されてもよく、または、スネアまたは縫合糸通し器(図示なし)によってよりアクセス可能となるように、わずかに露出されるか、または、インサータチューブ814の開口部と一致していてもよい。インプラントプッシャー812は、軟質固定インプラント204の外径と概して同じ(またはわずかに小さく)、且つ、インサータチューブ814の内径よりもわずかに小さい外径を有する金属タイス(metal tithe)が好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0033】
インプラントプッシャー812の外径とインサータチューブ814の内径との間の、密接であるが摺動可能な嵌合により、軟質固定インプラント204の部分が二つのチューブ間で食い込む事を防止するのを支援し、概してより良好な反対牽引力をもたらす。しかし、実際には、インプラントプッシャー812の外径とインサータチューブ814の内径との間の密接な嵌合は、達成するのが困難な場合がある。インプラントプッシャー812の端は、ラッパ形状を有するように構成され得る。あるいは、端は、インサータチューブの内径への密接な嵌合を可能にすることになるか、そうでなければ、インサータチューブ814とインプラントプッシャー812との間でインプラント204が挟まれるのを防止する、ビーズ、ロール、またはさらに別の構成要素といった、その他の任意の方法で構成され得る。インプラントプッシャー812の内腔は、張力縫合糸220の両端の自由通路を可能にするのに十分な直径である。
【0034】
組織修復システムが回旋筋腱板の修復または上唇の修復などの骨固定シナリオで使用される場合、孔820は、前述のアセンブリ200などの軟質固定インプラントアセンブリが配置されることになる骨内にドリル加工され得る。これは、標準的な整形外科用ドリルを使用して所定の深さまで行うことができる。孔820の深さは通常、インプラントアセンブリ200の長さとほぼ同じか、またはわずかに長い。アセンブリ200を準備した骨孔に配置する前に、修復縫合糸222は、軟組織に結合され、次いで、アイレット218のうちの少なくとも一つを通されている。これは、少なくとも一つのアイレット218を通って延在する、予め組み立てられたスネア、縫合糸通し器(図示なし)で達成されてもよい。また、修復縫合糸222を通している間、アイレット構成の維持を緩和させるため、任意の縫合ローダまたはチューブ(図示なし)が少なくとも一つのアイレットを通して延在してもよい。
【0035】
図8Bに示すように、軟質固定インプラントアセンブリ200が内側に収容されたインサータチューブ814は、ドリル孔820内に摺動されるか、またはドリル孔820内に押し込まれ得る。インプラントプッシャー812はまた、インサータチューブ814と共に移動してもよく、インプラントの近位端に近いかまたはその近位端に接触したままであってもよい。修復縫合糸222は、インサータチューブ814の外面に沿って延在し、縫合糸の引張りへの干渉または中断を最小限にするため、張力縫合糸220から円周方向に離間されてもよい。
【0036】
ここで
図8Cを参照すると、組織修復システム800を使用した
図8Bの後続ステップを示す別の断面図が提供されている。インプラントアセンブリ200は、孔820内に同軸配向で配置されて示されている。これは、アンカー近位端に隣接したままであるインプラントプッシャー812を露わにするために、インサータチューブ814を軸方向に後退させることにより、達成される。インプラントプッシャー812は、ハンドルの第一部分(ここでは図示なし)に対して固定されてもよく、インサータチューブ814は、その近位端において、ユーザによって作動され得るハンドル上に収容されたノブ、スライド、またはトリガー(ここでは図示なし)に結合される移動可能なブロックに取り付けられてもよい。インサータチューブ814が骨の最外部レベルに後退されたら、インプラントは予め形成された孔の内側に残され、
図8Cに示すように骨に晒されている。修復縫合糸222にかかる張力は、組織224を骨822に近似させる。
【0037】
組織が骨孔820に隣接したら、張力縫合糸220は、
図8Dに示すように張力を受け得、インプラントプッシャー812は骨空間内で静止したままである。インプラントプッシャー812は、骨の中へ、皮質層の底面まで、通常は骨/組織表面の下に0.02”~0.05”
(0.51mmから1.27mm)まで延在するのが理想である。縫合糸220が張力を受けるにつれ、インプラント204はそれ自体上で後退し、インプラントプッシャー812の端が反対牽引力をもたらし、短縮され、拡張された状態を呈し、有効直径が増加される。「反対牽引(counter traction)」とは、インプラントの近位端の、近位方向への移動に抵抗するようバックストップが提供されており、さらにインプラントを膨張させ、拡張させることを意味する。縫合糸220が張力を受けるにつれ、少なくとも一つのアイレット218は、サイズが減少し、および/または、アンカー204の遠位開口部の中に引かれてもよく、および/または、アンカー204に対して修復縫合糸222をロックし、それによって骨をロックするために、インプラント204の閉じられた遠位端に対向して引かれてもよい。そのため、縫合糸220を張る前に、修復縫合糸の自由端222は、骨により近い軟組織をより良く配置するように引かれ得る。さらに、発明者らはまた、張力縫合糸220が、修復縫合糸222周りでノット228を部分的に締めるように引かれ、また、部分的に軟質アンカー204を半径方向に拡張させ得、その時点で、修復縫合糸222の端が、骨およびインプラントアセンブリ200に対する軟組織224の位置を微調整するようさらに引かれ得るという、部分的配備構成(ここでは図示なし)を想定する。例えば、アンカー204を半径方向に拡張させ、軸方向に収縮させることで、ノット228を近位方向に自然に移動させることができ、骨と組織224との間の修復縫合糸222においていくらかのスラックを生成し、その緩みは、部分的配備構成におけるこの微調整によって補われ得る。そのため、部分的配備は、修復縫合糸222がそこを通って摺動するのを可能にする十分なノット構成として、および、修復縫合糸222が摺動するのを可能にし、修復縫合糸222と軟組織224の配置に沿って張力を調節する、部分的アンカー配備として定義される。
【0038】
拡張は、前述のように繊維の配向変化によって主に達成される。固定インプラント204の直径が増加すると、軟質固定インプラントは、それが皮質骨822に挿入された孔よりも大きくなり、よって引き抜きに抵抗する。軟質固定インプラント204はまた、骨孔820の壁の大部分を構成する海綿骨824の中へとそれ自体をある程度埋め込む。これは、ほとんどの場合、海綿骨824はそれの上の関連付けられた皮質骨層822よりも有意に軟質であるため、可能である。海綿骨の中へのインプラントの「埋め込み」は、引き抜きしに対するインプラントの抵抗にも貢献し得る。軟質固定インプラントアセンブリ200は、長さ方向または軸方向に骨の中へと配置されることが好ましいため、端のうちの一つがまず骨に入り、反対端は最後に入る。注目すべきことに、アンカー204の外面に沿った修復縫合糸222はまた、アンカーが配備するにつれて骨内に少なくとも部分的に埋め込まれることになり、追加の修復縫合糸ロック手段をもたらす。
【0039】
図9は、代替的な実施形態を示し、挿入ツール910は、骨孔の遠位端に向かって、且つ、皮質骨層922から遠位に離間して、アンカー204を配置および配備するよう構成される。これにより、インサータチューブ914は動作中に骨孔内に延在するよう構成されないため、骨孔920は、
図8A~8Dに記載のアセンブリよりも小さな直径を有することが可能になり得る。外側チューブの直径または幅「D」は、準備された骨孔幅または直径「d」よりも大きい。
図8Aに記載の方法と同様に、修復縫合糸は、軟組織に結合され、少なくとも一つのアイレット218を通されている。修復縫合糸222はまた、ノット228”を通して摺動し、骨孔920により近い軟組織224を引くように調節され得る。さらに、インサータツールの遠位端910は、骨の外面に隣接して、またはそれに対向して、配置されてもよい。さらに、プッシュチューブ912は、アンカー204を骨孔の中へと押し込むように、アンカー204の近位端と係合してもよく、一方で、外側チューブ914は。静止したままであるかまたは後退されており、プッシュチューブ912はより硬い皮質骨922から遠位に離間した配置まで延在する。したがって、プッシュチューブ912は、
図9に示すように、インサータチューブ端から遠位に、少なくとも部分的に骨孔920内に、皮質層922超えて延在する。プッシュ912がアンカー204を遠位に移動させるにつれて、張力が張力縫合糸220に同時に印加され得、または、これらのステップは、より連続した、または重なり合う方法で適用され得、張力縫合糸220に関連付けられたノット228”を締付ける前に、アンカー204の配置を可能にする。固定は、繊維内での配向変更を通して、アンカー204の半径方向の拡張によって達成され得るため、アンカー204は骨孔の壁内に埋め込み、およびまたは食い込み、骨孔は、骨孔920のこの部分に沿ってより軟質の海綿骨924を備える。より軟質の海綿骨924は、半径方向に拡張したアンカーによって少なくとも部分的にずらされてもよく、配備されたアンカーを収容する、より大きな直径を有する局所ポケットまたはくぼみを作成し、アンカー204が移動するのを防止する。強力に固定されたアセンブリを用いた、改善された配備は、前述の通り、両方の高い張力を張力縫合糸220に同時に印加することによって達成され、インプラントプッシャー912の端は、遠位に移動するか、または少なくとも反対牽引をもたらし、示すように遠位配置にインプラント204を保持する。インプラント204は、有効直径が増加した、短縮し、拡張した状態を呈する。「反対牽引(counter traction)」とは、インプラント204の近位端の、近位方向への移動に抵抗するようバックストップが提供されており、さらにインプラントを膨張させ、拡張させることを意味する。縫合糸220が張力を受けるにつれ、少なくとも一つのアイレット218は、サイズが減少し、および/または、アンカー204の遠位開口部の中に引かれてもよく、および/または、アンカー204に対して修復縫合糸222をロックし、それによって骨をロックするために、インプラント204の閉じられた遠位端に対向して引かれてもよい。一旦配備されると、インプラント204は予め形成された孔の内側の遠位配置に残され、
図9に示すように骨に晒される。この実施形態は、ノット228”と軟組織224との間で生じる修復縫合糸222における過剰な緩みを低減させるのに役立ち得る。
【0040】
図10Aおよび10Bは、
図8A~8Cの例示的送達システムを示す。システムにとって重要なのは、張力縫合糸220に制御された張力を印加する能力である。縫合糸に印加されるこの張力は、軟質固定インプラント204を圧縮し、軸方向に整列した繊維または糸の配向を軸に対してより直交する配向に変化させ、さらに、インプラント204の有効直径を拡大させる。距離Xはアンカー204に張力Yを本質的に印加し、通常は0.2”~2”の範囲であり、張力縫合糸220にかかる張力Yは次に、インプラントにかかる等しい圧縮力を生み出す。距離Xはまた、本質的にノット228を移動させることになり、および/または、ノット228を締め付け得る。この張力Yは通常、要素1004の移動距離Xに直接関係するが、組織の抵抗、縫合糸の剛性等にも依存する。この張力Yは、特に骨組織において、インプラント204の良好な保持を作り出すのに、縫合糸220を十分張るために、50N~200Nの力の範囲であることが理想である。最適な構成により、ノット228を同時に締め付けつつ、縫合糸220を張ることができ、Xはおよそ、約0.4~1.8”
(10.2mmから45.7mm)の距離であり、いくらかの組織形成における約140Nの張力に相当する。あるいは、インサータは、移動した距離に関わらず、所定の力を印加するよう構成されてもよい。このような実施形態では、縫合糸の摩擦ホールド、分離(breakaway)タブ、測定装置、または別の構造物または力測定装置によって力が解放され得る。
【0041】
手で、またはその他の張力機構を使用しても、縫合糸が張力を受けることができることを留意することが重要である。手で縫合糸を高力まで張るのは難しい場合がある。代替機構は、米国特許出願公開第2013/0123810(Brown et al.)に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
図10Bは、雌ねじ山付きシャフト張力機構を有する組織修復送達システム1000の断面である。この実施形態では、回転可能なノブ1002は、ハンドル1001の後ろ、または近位端に取り付けられる。ねじ山付きブロック1004は、ハンドル1001に沿って軸方向に取り付けられ、ノブ1002内のくぼみに螺合される。ノブ1002は、ねじ付きブロック1004を受容するための内部雌ねじ山を含む。縫合ストランドまたは張力縫合糸220は、ねじ付きブロック1004に取り付けられる。
【0043】
ノブ1002の回転は、ねじ付きブロック1004を近位に、軸方向に移動させ、それと共に縫合ストランドを引っ張る。この軸方向移動により、張力縫合糸220を張る。移動量は、適切な引張りの距離および/または力を張力縫合糸およびノット228にももたらすように、停止部または壊れやすい部分(図示なし)によって制限され得る。
【0044】
[付記項1]
組織修復アセンブリであって、
近位端と、遠位端と、その間に延在する長手方向軸とを有する管状の軟質アンカー本体と、
前記縫合糸の第一および第二端が前記アンカー本体の前記近位端に隣接した前記アンカー本体から出るように、前記アンカー本体に結合された縫合糸と、
前記縫合糸によって形成される少なくとも一つのアイレットであって、少なくとも一つの可撓性部材の通路のための少なくとも一つの開口部を画定する少なくとも一つのアイレットと、を含む組織修復アセンブリであって、
前記縫合糸の前記第一および第二端の張力により、前記アンカー本体を、前記アンカー本体が細長い第一構成から、前記アンカー本体が軸方向に圧縮されて半径方向に延在する第二構成へ変化させ、
前記縫合糸の前記第一および第二端の張力もまた、前記縫合糸の前記少なくとも一つのアイレットが、前記少なくとも一つの可撓性部材を前記アンカー本体に固定させる、組織修復アセンブリ。
[付記項2]
前記アンカー本体の前記近位端および前記遠位端のうちの少なくとも一つが開いている、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項3]
前記少なくとも一つのアイレットがノットの形態である、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項4]
前記ノットが、荷物タグ、捩れた荷物タグ、プルージックノットの形態であるか、または、その他の形態のロッキングノットである、付記項3に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項5]
前記少なくとも一つのアイレットが、ラップ、巻き取り、または螺旋の形態である、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項6]
縫合糸通し器の通路のための前記ラップ、巻き取り、または螺旋の長さを貫通する管状部材をさらに含む、付記項5に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項7]
前記少なくとも一つのアイレットが、前記アンカー本体の外部に形成される、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項8]
前記少なくとも一つのアイレットが、前記アンカー本体の内部に形成される、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項9]
前記少なくとも一つのアイレットが、前記アンカー本体の前記遠位端に隣接して形成される、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項10]
前記縫合糸が、前記アンカー本体の第一側壁に沿って前記近位端から前記遠位端に延在し、前記遠位端を横切り、前記第一側壁の反対の第二側壁に沿って、前記遠位端から前記近位端に戻る、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項11]
前記縫合糸が、前記アンカー本体の内部容積に沿って前記近位端から前記遠位端に延在し、前記アンカー本体の第一側壁に沿って前記遠位端から前記近位端に戻り、前記近位端を横切り、前記第一側壁の反対の第二側壁に沿って前記近位端から前記遠位端に戻り、前記内部容積に沿って前記遠位端から前記近位端に延在する、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項12]
前記縫合糸が、「S」形状の構成で前記アンカー本体に結合される、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項13]
前記縫合糸が、「C」形状の構成で前記アンカー本体に結合される、付記項1に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項14]
組織修復アセンブリであって、
近位端と、遠位端と、その間に延在する長手方向軸とを有する管状の軟質アンカー本体と、
前記縫合糸の第一および第二端が前記アンカー本体の前記近位端に隣接した前記アンカー本体から出るように、前記アンカー本体に結合された縫合糸と、
前記縫合糸によって形成される少なくとも一つのノットであって、少なくとも一つの可撓性部材の通路のための少なくとも一つの調節可能な開口部を画定する少なくとも一つのノットと、を含む組織修復アセンブリであって、
前記縫合糸の前記第一および第二端の張力により、前記アンカー本体を、前記アンカー本体が細長い第一構成から、前記アンカー本体が軸方向に圧縮されて半径方向に延在する第二構成へ変化させ、
前記縫合糸の前記第一および第二端の張力もまた、前記少なくとも一つの可撓性部材を前記アンカー本体に固定するように、前記縫合糸の前記少なくとも一つのノットを変える、組織修復アセンブリ。
[付記項15]
組織修復の方法であって、
少なくとも一つの可撓性部材に、縫合糸の長さの少なくとも一つのアイレット部分の少なくとも一つの開口部を通過させることであって、軟質アンカー本体の近位端から延在する縫合糸の前記長さの第一および第二端を画定するために、前記縫合糸の長さが前記軟質アンカー本体を貫通する、通過させることと、
前記少なくとも一つの可撓性部材を軟質組織に結合することと、
前記軟質アンカー本体を骨孔内に挿入することと、
前記縫合糸の前記第一および第二端を張ることであって、前記縫合糸の前記第一および第二端を張ることが、前記アンカー本体が細長い第一構成から、前記アンカー本体が軸方向に圧縮されて半径方向に延在される第二構成へ変化させ、前記縫合糸の前記少なくとも一つのアイレットが、前記少なくとも一つの可撓性部材を前記アンカー本体に固定させる、張ることと、を含む、方法。
[付記項16]
前記第二構成において、前記アンカー本体が前記骨孔内で引っかかる、付記項15に記載の方法。
[付記項17]
前記少なくとも一つの可撓性部材を前記少なくとも一つのアイレットの前記少なくとも一つの開口部を通過させることが、縫合糸通し器を使用して前記少なくとも一つの可撓性部材を通過させることを含む、付記項15に記載の方法。
[付記項18]
前記少なくとも一つの可撓性部材に前記少なくとも一つのアイレットの前記少なくとも一つの開口部を通過させることが、前記少なくとも一つの可撓性部材に前記縫合糸通し器に関連付けられた管状部材を通過させることを含む、付記項17に記載の方法。
[付記項19]
前記縫合糸の前記第一および第二端を張ることが、前記縫合糸の前記第一および第二端を手で張ることを含む、付記項15に記載の方法。
[付記項20]
前記縫合糸の前記第一および第二端を張ることが、前記縫合糸の前記第一および第二端を送達装置を使用して張ることを含む、付記項15に記載の方法。
[付記項21]
挿入することおよび張ることが、前記軟質アンカーが前記装置の金型内に含まれる間に、前記軟質骨アンカーを挿入し、前記送達装置を使用して前記第一および第二端を張ることを含む、付記項15に記載の方法。