(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20220511BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2018048204
(22)【出願日】2018-03-15
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩行
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-121059(JP,A)
【文献】特開2006-101281(JP,A)
【文献】特開2014-230199(JP,A)
【文献】特開2002-223483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0055977(US,A1)
【文献】特開2002-245102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H03J9/00-9/06
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機器と、第2の機器と、情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
端末のユーザによって選択された前記第1の機器を示す第1の識別情報と、前記第1の機器に対する制御命令の成功条件と、前記端末において前記第1の機器に対応付けられている前記第2の機器を示す第2の識別情報とを含む設定情報を受信する受信部と、
前記受信部による前記設定情報の受信に応じ、前記設定情報が含む前記第2の識別情報に係る前記第2の機器に対して、前記第1の機器の監視の開始要求を送信する監視要求部と、
前記端末からの前記第1の機器に対する制御要求に応じ、前記第1の機器に制御命令を送信する第1の送信部と、
前記第1の機器の状態
の監視
を開始している前記第2の機器から送信される情報
と、前記成功条件とに基づいて、前記制御命令の成否を判定する判定部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第2の機器から送信される情報は、前記第1の機器の状態に応じて変化する物理量である、
ことを特徴とする請求項
1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2の機器から送信される情報は、前記第1の機器の状態に応じて変化する環境の画像である、
ことを特徴とする請求項
1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1の機器は、照明機器であり、
前記成功条件は、前記制御命令が前記照明機器のONであれば、前記第2の機器から送信される照度が閾値以上であることである、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記受信部は、前記ユーザによるプロジェクタを制御対象とする旨の指示に応じて前記端末が送信する、電動スクリーンを示す前記第1の識別情報と、モニターカメラを示す前記第2の識別情報とを含み、前記電動スクリーンが展開している状態を示す画像を前記成功条件として含む前記設定情報を受信する、
ことを特徴とする請求項1又は3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1の送信部は、前記電動スクリーンに展開命令を送信し、
前記判定部は、前記モニターカメラから繰り返し送信される、前記電動スクリーンを撮影した画像と、前記成功条件としての画像とに基づいて、前記展開命令の成否を判定する、
ことを特徴とする請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
第1の機器及び第2の機器とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
端末のユーザによって選択された前記第1の機器を示す第1の識別情報と、前記第1の機器に対する制御命令の成功条件と、前記端末において前記第1の機器に対応付けられている前記第2の機器を示す第2の識別情報とを含む設定情報を受信する受信部と、
前記受信部による前記設定情報の受信に応じ、前記設定情報が含む前記第2の識別情報に係る前記第2の機器に対して、前記第1の機器の監視の開始要求を送信する監視要求部と、
前記端末からの前記第1の機器に対する制御要求に応じ、前記第1の機器に制御命令を送信する第1の送信部と、
前記第1の機器の状態
の監視
を開始している前記第2の機器から送信される情報
と、前記成功条件とに基づいて、前記制御命令の成否を判定する判定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
第1の機器及び第2の機器とネットワークを介して接続される情報処理装置が、
端末のユーザによって選択された前記第1の機器を示す第1の識別情報と、前記第1の機器に対する制御命令の成功条件と、前記端末において前記第1の機器に対応付けられている前記第2の機器を示す第2の識別情報とを含む設定情報を受信する受信手順と、
前記受信手順における前記設定情報の受信に応じ、前記設定情報が含む前記第2の識別情報に係る前記第2の機器に対して、前記第1の機器の監視の開始要求を送信する監視要求手順と、
前記端末からの前記第1の機器に対する制御要求に応じ、前記第1の機器に制御命令を送信する第1の送信手順と、
前記第1の機器の状態
の監視
を開始している前記第2の機器から送信される情報
と、前記成功条件とに基づいて、前記制御命令の成否を判定する判定手順と、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
第1の機器及び第2の機器とネットワークを介して接続される情報処理装置に、
端末のユーザによって選択された前記第1の機器を示す第1の識別情報と、前記第1の機器に対する制御命令の成功条件と、前記端末において前記第1の機器に対応付けられている前記第2の機器を示す第2の識別情報とを含む設定情報を受信する受信手順と、
前記受信手順における前記設定情報の受信に応じ、前記設定情報が含む前記第2の識別情報に係る前記第2の機器に対して、前記第1の機器の監視の開始要求を送信する監視要求手順と、
前記端末からの前記第1の機器に対する制御要求に応じ、前記第1の機器に制御命令を送信する第1の送信手順と、
前記第1の機器の状態
の監視
を開始している前記第2の機器から送信される情報
と、前記成功条件とに基づいて、前記制御命令の成否を判定する判定手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスにおいて利用される機器や家電機器等の中には、インターネット等のネットワークに接続可能であり、スマートフォン等の端末から遠隔的に制御可能とされている機器が有る。
【0003】
例えば、ユーザは、スマートフォン等にインストールされたアプリケーションを利用して、外出先等からこれらの機器を操作することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遠隔操作に関する各機器のサービスレベルは必ずしも同じではない。例えば、複合機のように、情報処理装置と同等にCPU等を有する機器であれば、遠隔的な制御命令に応じて当該機器が行った動作の結果(例えば、成功又は失敗)を、制御元に応答を送信することができる。一方、照明機器のような簡易な機器の中には、遠隔的な制御命令に対する応答を送信することができない機器が有る。このような機器を制御する場合、例えば、制御元は、機器の制御の成功を前提とした行動又は処理を実行することができない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、機器の遠隔的な制御の成否を制御元が確認できる可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、第1の機器と、第2の機器と、情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、端末のユーザによって選択された前記第1の機器を示す第1の識別情報と、前記第1の機器に対する制御命令の成功条件と、前記端末において前記第1の機器に対応付けられている前記第2の機器を示す第2の識別情報とを含む設定情報を受信する受信部と、前記受信部による前記設定情報の受信に応じ、前記設定情報が含む前記第2の識別情報に係る前記第2の機器に対して、前記第1の機器の監視の開始要求を送信する監視要求部と、前記端末からの前記第1の機器に対する制御要求に応じ、前記第1の機器に制御命令を送信する第1の送信部と、前記第1の機器の状態の監視を開始している前記第2の機器から送信される情報と、前記成功条件とに基づいて、前記制御命令の成否を判定する判定部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
機器の遠隔的な制御の成否を制御元が確認できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態における制御装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態におけるユーザ端末20及び制御装置10の機能構成例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】第2の実施の形態における状況設定を説明するための図である。
【
図6】第2の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】第2の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】第3の実施の形態におけるユーザ端末20及び制御装置10の機能構成例を示す図である。
【
図9】第3の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】第3の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1において、ユーザ端末20は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークを介して制御装置10に接続される。制御装置10は、LAN又はインターネット等のネットワークを介して被制御機器30及び監視機器40等に接続される。
【0010】
被制御機器30は、遠隔的な操作(制御)の対象とされる機器である。本実施の形態において、被制御機器30は、例えば、WebAPI等、ネットワークを介して制御命令を受け付け可能なAPI(Application Program Interface)を備える。但し、被制御機器30は、遠隔的な制御に関するサービスレベルが低い機器であるとする。具体的には、被制御機器30は、制御命令に対する応答を返信しない機器であるとする。したがって、被制御機器30の遠隔的な制御元は、被制御機器30との通信のみでは制御命令に応じた動作又は処理等が正常に実行されたか否かを確認することができない。
【0011】
監視機器40は、被制御機器30の状態の監視用に設置される機器である。したがって、監視機器40は、当該変化を検知可能なように設置される必要が有る。監視機器40も、被制御機器30と同様に、ネットワークを介して要求を受け付け可能なAPIを備える。但し、監視機器40は、被制御機器30に比べて遠隔的な制御に関するサービスレベルが高い機器であるとする。すなわち、監視機器40は、遠隔的な要求に対して応答を送信することができる。監視機器40は、被制御機器30の監視要求を受け付けると、被制御機器30の状態の変化を示す情報を当該監視要求の送信元へ返信する。
【0012】
なお、監視機器40は、厳密には、被制御機器30の状態そのものではなく、監視機器40の状態の変化に応じた環境(明るさ、物体の形状、又はその他の物理量等)の変化を検知する機器であってもよい。監視機器40の状態の変化に応じた環境の変化とは、例えば、監視機器40が、照明機器であれば、照明のON又はOFFに応じた明るさの変化等である。以下においては、便宜上、斯かる環境の変化も含めて、監視機器40の状態の変化という。
【0013】
ユーザ端末20は、被制御機器30を遠隔的に操作するためのユーザインタフェースを提供する情報処理端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末又はPC(Personal Computer)等がユーザ端末20として利用されてもよい。ユーザ端末20は、被制御機器30の制御指示をユーザから受け付けると、当該制御指示に応じた制御要求を制御装置10へ送信する。
【0014】
制御装置10は、ユーザ端末20からの制御要求に応じた制御を被制御機器30について実行する1以上のコンピュータである。具体的には、制御装置10は、当該制御要求に応じた制御命令を被制御機器30へ送信すると共に、当該制御命令に応じて被制御機器30の状態の変化を示す情報を監視機器40から受信する。制御装置10は、監視機器40から受信する情報に基づいて、被制御機器30に対する制御命令に応じた動作又は処理が、被制御機器30によって正常に実行されたか否かを判定する。
【0015】
なお、ユーザ端末20、被制御機器30及び監視機器40は、或る企業内に配置され、制御装置10は、当該企業外に配置されてもよい。この場合、制御装置10は、インターネット等を介してクラウドサービスを提供するコンピュータであってもよい。
【0016】
なお、被制御機器30及び監視機器40は、それぞれ1つに限られない。また、被制御機器30と監視機器40との関係は、1対1に限られない。例えば、1つの監視機器40が複数の被制御機器30の状態を監視してもよいし、1つの被制御機器30の状態が複数の監視機器40によって監視されてもよい。
【0017】
図2は、第1の実施の形態における制御装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2の制御装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0018】
制御装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0019】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って制御装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0020】
なお、ユーザ端末20も
図2に示されるようなハードウェアを有してもよい。但し、ユーザ端末20は、ユーザからの操作指示を受け付けるための入力装置や、ユーザに対して情報を出力するための表示装置等を備えているのが望ましい。
【0021】
図3は、第1の実施の形態におけるユーザ端末20及び制御装置10の機能構成例を示す図である。
図3において、ユーザ端末20は、UI制御部21、監視設定部22、制御要求送信部23及び制御結果受信部24等を有する。これら各部は、ユーザ端末20にインストールされた1以上のプログラムが、ユーザ端末20のCPUに実行させる処理により実現される。
【0022】
UI制御部21は、被制御機器30の制御指示等をユーザから受け付けるための画面(以下「制御画面」という。)の表示等を制御する。
【0023】
監視設定部22は、制御画面において制御対象として選択された被制御機器30の状態の変化を監視するための設定情報(以下、「監視設定」という。)を制御装置10へ送信する。監視設定は、例えば、監視対象(制御対象)の被制御機器30の識別情報(以下、「機器ID」という。)、被制御機器30の状態を監視する監視機器40の機器ID、及び制御の成功を示す条件(以下、「成功条件」という。)等を含む。成功条件とは、例えば、被制御機器30が照明機器であり、制御内容が照明のONであれば、監視機器40が計測する照度が閾値以上となることである。なお、監視元の監視機器40や成功条件は、制御画面を介してユーザによって指定されてもよい。又は、監視対象の被制御機器30の機器IDと監視元の監視機器40の機器IDとの対応情報(以下、「監視用対応情報」という。)が、予めユーザ端末20に設定されていてもよい。監視用対応情報には、制御内容に応じた成功条件が含まれてもよい。
【0024】
制御要求送信部23は、制御対象として選択された被制御機器30に関する制御要求を制御装置10へ送信する。
【0025】
制御結果受信部24は、制御要求に応じた被制御機器30の制御の結果を示す情報(以下、単に「制御結果」という。)を制御装置10から受信する。
【0026】
一方、制御装置10は、監視設定受信部11、監視要求部12、制御命令送信部13、監視情報受信部14、制御結果判定部15及び制御結果送信部16等を有する。これら各部は、制御装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0027】
監視設定受信部11は、ユーザ端末20から送信される監視設定を受信する。監視要求部12は、監視設定受信部11が受信した監視設定に含まれている監視元の機器IDに係る監視機器40に対し、監視対象の被制御機器30の機器IDを通知して、当該監視対象の監視を要求する。なお、監視対象と監視元との関係が1対1である場合、又は、監視対象が特定の被制御機器30に限定されない場合、監視対象の被制御機器30の機器IDは監視元に通知されなくてもよい。
【0028】
制御命令送信部13は、制御対象の被制御機器30に対して制御命令を送信する。当該制御命令は、被制御機器30が有するAPIを介して被制御機器30に送信されてもよい。
【0029】
監視情報受信部14は、被制御機器30の状態を示す情報(以下、「監視情報」という。)を監視元の監視機器40から受信する。監視情報は、例えば、監視機器40によって検知又は計測された、環境に関する物理量であってもよいし、当該物理量の変化の有無を示す情報であってもよいし、監視機器40によって撮像された画像データであってもよい。
【0030】
制御結果判定部15は、監視情報に基づいて成功条件の充足の有無を判定することで、ユーザ端末20からの制御要求に応じた被制御機器30の制御についての成否を判定する。
【0031】
制御結果送信部16は、制御結果判定部15による判定結果をユーザ端末20へ送信する。但し、監視情報がそのまま制御結果としてユーザ端末20へ送信されてもよい。
【0032】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図4は、第1の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0033】
例えば、ユーザが、制御画面を介して制御対象の被制御機器30を選択し、当該被制御機器30に対する制御内容を入力すると(S101)、監視設定部22は、監視用対応情報に基づいて、当該被制御機器30の監視元の監視機器40の機器IDを特定し、当該被制御機器30の機器ID(監視対象ID)と、当該監視機器40の機器ID(監視元ID)と、当該制御内容に応じた成功条件とを含む監視設定を制御装置10へ送信する(S102)。制御内容とは、例えば、当該被制御機器30が照明機器であれば、照明のON又はOFF等である。
【0034】
制御装置10の監視設定受信部11が当該監視設定を受信すると、監視要求部12は、当該監視設定に含まれている監視元IDに係る監視機器40に対して、監視の開始要求を送信する(S103)。当該開始要求には、監視対象IDが含まれてもよい。当該開始要求に応じ、監視機器40は、監視対象IDに係る被制御機器30の状態の監視(例えば、環境に関する物理量の計測や画像の撮像等)を開始する。
【0035】
続いて、ユーザ端末20の制御要求送信部23は、ユーザによって入力された制御内容に応じた制御要求を制御装置10へ送信する(S104)。当該制御要求に応じ、制御命令送信部13は、当該制御内容に対応する制御命令を制御対象の被制御機器30へ送信する(S105)。例えば、当該被制御機器30が照明機器であれば、照明のON等の命令が送信される。
【0036】
一方、監視元の監視機器40は、ステップS103における監視の開始要求の受信後、被制御機器30の状態を示す監視情報を繰り返し(例えば、一定期間ごとに)、制御装置10へ送信する(S106)。例えば、一定期間ごとに計測される照度が、当該一定期間ごとに送信されてもよい。制御結果判定部15は、当該監視情報が監視情報受信部14によって受信されるたびに、当該監視情報が成功条件を満たすか否かを判定する。受信される監視情報が、ステップS104から所定時間以内に成功条件を満たした場合、制御結果判定部15は、制御の成功を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107)。一方、受信される監視情報が、当該所定時間を超えても成功条件を満たさない場合、制御結果判定部15は、制御の失敗を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107)。なお、当該所定時間も成功条件の構成要素とされてもよい。
【0037】
なお、成功条件が、ステップS103において監視機器40に対して通知されてもよい。この場合、監視機器40が成功条件の充足の有無を判定してもよい。この場合の監視情報は、制御の成否を示す情報であってもよい。
【0038】
ユーザ端末20の制御結果受信部24が当該制御結果を受信すると、UI制御部21は、当該制御結果を表示する(S108)。その結果、ユーザは、制御対象として選択した被制御機器30の制御の成否を知ることができる。当該成否に応じて、ユーザは、ユーザ端末20を介して更なる処理要求を制御装置10へ送信してもよい。例えば、制御に成功した場合に、他の被制御機器30に関してステップS101以降が実行されてもよい。
【0039】
上述したように、第1の実施の形態によれば、制御命令の実行の成否を応答できない被制御機器30の状態を監視機器40が監視して、制御元に監視情報を通知する。したがって、本実施の形態によれば、被制御機器30の遠隔的な制御の成否を制御元が確認できる可能を高めることができる。
【0040】
なお、被制御機器30は、サービスレベルが高い機器(すなわち、制御命令の実行の成否を応答可能な機器)であってもよい。この場合であっても、被制御機器30の状態を監視機器40に監視させることで、制御元は、被制御機器30の制御の成否をより高い精度で知ることができる。すなわち、被制御機器30が制御命令に従った動作を正常に実行したつもりであっても、被制御機器30の故障又は誤動作等により、当該動作が正常に実行されない場合も考えられる。この場合、被制御機器30は、制御の成功を応答することになるが、監視機器40からの監視情報に基づけば、被制御機器30の動作に応じて環境の変化等が発生していないことを制御元は検知することができ、制御が失敗したことを知ることができる。
【0041】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0042】
第2の実施の形態では、具体的な状況に被制御機器30及び監視機器40を当てはめて説明する。
図5は、第2の実施の形態における状況設定を説明するための図である。
図5は、会議室の内側が示されている。
【0043】
当該会議室において、リモート照明31、電動カーテン32、電動スクリーン33及びプロジェクタ34は、被制御機器30の一例である。
【0044】
また、モニターカメラ41は、監視機器40の一例である。なお、モニターカメラ41は、指定された方向を撮像可能であるとする。
【0045】
更に、ユーザ端末20が、机の上に配置されている。なお、厳密には、電動カーテン32については、電動カーテン32の開閉を駆動する装置が被制御機器30に相当する。同様に、電動スクリーン33については、電動スクリーン33の収納及び展開を駆動する装置が被制御機器30に相当する。
【0046】
図6及び
図7は、第2の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図6及び
図7中、
図4に対応するステップには、同一のステップ番号を付し、末尾にアルファベットが付加されている。
【0047】
例えば、ユーザが、制御画面を介してプロジェクタ34を制御対象として選択し、プロジェクタ34の利用指示を入力すると(S101a)、監視設定部22は、監視用対応情報に基づいて、電動スクリーン33の監視元のモニターカメラ41の機器IDを特定し、電動スクリーン33の機器ID(監視対象ID)とモニターカメラ41の機器ID(監視元ID)とを含む監視設定を制御装置10へ送信する(S102a)。当該監視設定には、モニターカメラ41に対する電動スクリーン33の方向を示す情報が含まれてもよい。更に、当該監視設定には、電動スクリーン33が展開している状態を示す画像が成功条件として含まれてもよい。
【0048】
なお、プロジェクタ34の利用指示に応じて、電動スクリーン33等が制御対象とされるのは、例えば、第2の実施の形態におけるユーザ端末20のUI制御部21、監視設定部22、制御要求送信部23及び制御結果受信部24は、プロジェクタ34の使用環境を整えるためのアプリケーションプログラムがユーザ端末20のCPUに実行させる処理により実現されるからである。
【0049】
続いて、ユーザ端末20の制御要求送信部23は、電動スクリーン33の降下(展開)要求を制御装置10へ送信する(S104a)。当該要求に応じ、制御命令送信部13は、降下(展開)命令を電動スクリーン33へ送信する(S105a)。
【0050】
一方、監視元のモニターカメラ41は、ステップS103aにおける監視の開始要求の受信後、電動スクリーン33の方向を撮像した画像データを繰り返し(例えば、一定期間ごとに)、制御装置10へ送信する(S106a)。或いは、モニターカメラ41からは、継続的に画像データが制御装置10へ送信されてもよい。すなわち、ここでは、当該画像データが監視情報の一例である。
【0051】
制御結果判定部15は、当該画像データが監視情報受信部14によって受信されるたびに、当該画像データが成功条件を満たすか否かを判定する。例えば、当該画像データと成功条件としての画像データとの類似度が閾値を超えるか否かが判定されてもよい。類似度の算出は、公知の方法を用いて実行されればよい。
【0052】
例えば、所定時間以内に、モニターカメラ41からの画像データと成功条件としての画像データとの類似度が閾値を超えると、制御結果判定部15は、制御の成功を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107a)。それ以外の場合、制御の失敗を示す制御結果がユーザ端末20へ送信される。
【0053】
ユーザ端末20の制御結果受信部24が当該制御結果を受信すると、UI制御部21は、当該制御結果(電動スクリーン33の降下の成否)を表示する(S108a)。
【0054】
電動スクリーン33の降下が成功した場合、監視設定部22は、監視用対応情報に基づいて、電動カーテン32の監視元のモニターカメラ41の機器IDを特定し、電動カーテン32の機器ID(監視対象ID)とモニターカメラ41の機器ID(監視元ID)とを含む監視設定を制御装置10へ送信する(S102b)。当該監視設定には、モニターカメラ41に対する電動カーテン32の方向を示す情報が含まれてもよい。更に、当該監視設定には、電動カーテン32が閉じている状態を示す画像が成功条件として含まれてもよい。
【0055】
続いて、ユーザ端末20の制御要求送信部23は、電動カーテン32のクローズ要求を制御装置10へ送信する(S104b)。当該要求に応じ、制御命令送信部13は、クローズ命令を電動カーテン32へ送信する(S105b)。
【0056】
一方、監視元のモニターカメラ41は、ステップS103bにおける監視の開始要求の受信後、電動カーテン32の方向を撮像した画像データを繰り返し(例えば、一定期間ごとに)、又は継続的に制御装置10へ送信する(S106b)。
【0057】
制御結果判定部15は、当該画像データが監視情報受信部14によって受信されるたびに、当該画像データが成功条件を満たすか否かを判定する。斯かる判定は、電動スクリーン33について説明した方法と同様でよい。
【0058】
続いて、制御結果判定部15は、制御の成否を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107b)。ユーザ端末20の制御結果受信部24が当該制御結果を受信すると、UI制御部21は、当該制御結果(電動カーテン32のクローズの成否)を表示する(S108b)。
【0059】
電動カーテン32のクローズが成功した場合、監視設定部22は、監視用対応情報に基づいて、リモート照明31の監視元のモニターカメラ41の機器IDを特定し、リモート照明31の機器ID(監視対象ID)とモニターカメラ41の機器ID(監視元ID)とを含む監視設定を制御装置10へ送信する(
図7:S102c)。当該監視設定には、モニターカメラ41に対するリモート照明31の方向を示す情報が含まれてもよい。更に、当該監視設定には、リモート照明31が消灯している状態を示す画像が成功条件として含まれてもよい。
【0060】
続いて、ユーザ端末20の制御要求送信部23は、リモート照明31の消灯要求を制御装置10へ送信する(S104c)。当該要求に応じ、制御命令送信部13は、消灯命令をリモート照明31へ送信する(S105c)。
【0061】
一方、監視元のモニターカメラ41は、ステップS103cにおける監視の開始要求の受信後、リモート照明31の方向を撮像した画像データを繰り返し(例えば、一定期間ごとに)、又は継続的に制御装置10へ送信する(S106c)。
【0062】
制御結果判定部15は、当該画像データが監視情報受信部14によって受信されるたびに、当該画像データが成功条件を満たすか否かを判定する。斯かる判定は、電動スクリーン33について説明した方法と同様でよい。
【0063】
続いて、制御結果判定部15は、制御の成否を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107c)。ユーザ端末20の制御結果受信部24が当該制御結果を受信すると、UI制御部21は、当該制御結果(リモート照明31の消灯の成否)を表示する(S108c)。
【0064】
リモート照明31の消灯が成功した場合、監視設定部22は、監視用対応情報に基づいて、電動スクリーン33の監視元のモニターカメラ41の機器IDを特定し、電動スクリーン33の機器ID(監視対象ID)とモニターカメラ41の機器ID(監視元ID)とを含む監視設定を制御装置10へ送信する(S102d)。当該監視設定には、モニターカメラ41に対する電動スクリーン33の方向を示す情報が含まれてもよい。更に、当該監視設定には、プロジェクタ34から電動スクリーン33に画像が投影されている状態を示す画像が成功条件として含まれてもよい。
【0065】
続いて、ユーザ端末20の制御要求送信部23は、プロジェクタ34の投影開始要求を制御装置10へ送信する(S104d)。当該要求に応じ、制御命令送信部13は、投影開始命令をプロジェクタ34へ送信する(S105d)。
【0066】
一方、監視元のモニターカメラ41は、ステップS103dにおける監視の開始要求の受信後、電動スクリーン33の方向を撮像した画像データを繰り返し(例えば、一定期間ごとに)、又は継続的に制御装置10へ送信する(S106d)。
【0067】
制御装置10において、当該画像データが監視情報受信部14によって受信されるたびに、制御結果判定部15は、当該画像データが成功条件を満たすか否かを判定する。斯かる判定は、電動スクリーン33について説明した方法と同様でよい。
【0068】
続いて、制御結果判定部15は、制御の成否を示す制御結果をユーザ端末20へ送信する(S107d)。ユーザ端末20の制御結果受信部24が当該制御結果を受信すると、UI制御部21は、当該制御結果(プロジェクタ34の投影の成否)を表示する(S108d)。
【0069】
その後、ユーザは、プロジェクタ34を利用してプレゼンテーション等の業務を開始することができる。
【0070】
なお、上記では、モニターカメラ41が、電動スクリーン33、電動カーテン32、リモート照明31及びプロジェクタ34の状態を監視するための監視機器40として機能する例を示したが、電動スクリーン33、電動カーテン32、リモート照明31及びプロジェクタ34ごとに、異なるカメラが監視機器40として設置されてもよい。又は、電動カーテン32及びリモート照明31については、照度センサ等が、監視機器40として利用されてもよい。また、電動スクリーン33については、当該電動スクリーン33の動作を検知するセンサ等が、監視機器40として利用されてもよい。
【0071】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では第1及び第2の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1及び第2の実施の形態と同様でもよい。
【0072】
図8は、第3の実施の形態におけるユーザ端末20及び制御装置10の機能構成例を示す図である。
図8中、
図3と同一部分又は
図3に対応する部分には同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
【0073】
図8において、ユーザ端末20は、監視設定部22を有さない。一方、制御装置10は、監視設定受信部11の代わりに制御要求受信部17を有する。制御要求受信部17は、制御装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0074】
制御要求受信部17は、或る被制御機器30の制御要求に応じ、当該被制御機器30の制御に伴って制御すべき他の被制御機器30を特定すると共に、当該被制御機器30及び当該他の被制御機器30のそれぞれの状態を監視する監視機器40を特定する。制御要求受信部17は、特定した各被制御機器30への制御命令の送信を制御命令送信部13へ要求し、特定した監視機器40の機器ID等を監視要求部12へ通知する。
【0075】
なお、第3の実施の形態における状況設定は、第2の実施の形態(
図5)と同じである。
【0076】
図9及び
図10は、第3の実施の形態の情報処理システム1において実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0077】
プロジェクタ34の利用指示が入力されると(S101a)、制御要求送信部23は、プロジェクタ34の投影開始要求を制御装置10へ送信する(S110)。当該投影開始要求は、制御装置10の制御要求受信部17によって受信される。制御要求受信部17は、当該投影開始要求に応じて制御すべき被制御機器30と、各被制御機器30に対応する監視機器40を特定する。例えば、プロジェクタ34の機器IDに対応付けられて、電動スクリーン33、電動カーテン32及びリモート照明31のそれぞれの機器IDと、それぞれの制御内容(降下(展開)、クローズ、消灯)を示す情報とが、補助記憶装置102に記憶されていてもよい。また、プロジェクタ34、電動スクリーン33、電動カーテン32及びリモート照明31のそれぞれの機器IDに対応付けられて、モニターカメラ41の機器IDが監視元として補助記憶装置102に記憶されていてもよい。この場合、制御要求送信部23は、補助記憶装置102を参照することで、当該投影開始要求に応じて制御すべき被制御機器30(電動スクリーン33、電動カーテン32及びリモート照明31)と、各被制御機器30に対応する監視機器40(モニターカメラ41)とを特定することができる。
【0078】
制御要求受信部17による特定結果に基づいて、ステップS104a、S105a、S106a、S104b、S105b、S106b、S104c、S105c、S106c、S104d、S105d、S106dが実行されて、電動スクリーン33の降下(展開)、電動カーテン32のクローズ、リモート照明31の消灯、プロジェクタ34の投影開始の制御が行われ、それぞれの制御の成否が確認される。更に、ステップS107d及びS108dが実行されて、プロジェクタ34の制御結果がユーザ端末20において表示される。
【0079】
第3の実施の形態によれば、ユーザ端末20は、制御対象の被制御機器30を制御装置10に通知することで、当該被制御機器30と共に制御が必要とされる他の被制御機器30と、制御対象となる各被制御機器30の状態を監視する監視機器40とが制御装置10によって判定される。したがって、ユーザ端末20の負荷を軽減することができる。
【0080】
なお、ステップ101aでは、
図5に示した特定の会議室が利用対象として選択されてもよい。この場合、ステップS110では、当該会議室の利用要求が制御装置10に送信されてもよい。制御装置10の制御要求受信部17は、当該会議室の利用に際して制御すべき被制御機器30と、各被制御機器30の監視元の監視機器40とを特定してもよい。
【0081】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0082】
なお、上記各実施の形態において、制御装置10は、情報処理装置の一例である。被制御機器30は、第1の機器の一例である。監視機器40は、第2の機器の一例である。制御命令送信部13は、第1の送信部の一例である。制御結果判定部15は、判定部の一例である。監視要求部12は、第2の送信部の一例である。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
10 制御装置
11 監視設定受信部
12 監視要求部
13 制御命令送信部
14 監視情報受信部
15 制御結果判定部
16 制御結果送信部
17 制御要求受信部
20 ユーザ端末
21 UI制御部
22 監視設定部
23 制御要求送信部
24 制御結果受信部
30 被制御機器
31 リモート照明
32 電動カーテン
33 電動スクリーン
34 プロジェクタ
40 監視機器
41 モニターカメラ
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】