(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220511BHJP
H04L 41/00 20220101ALI20220511BHJP
【FI】
H04L67/00
H04L41/00
(21)【出願番号】P 2018063986
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慶
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-048250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04L 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置であって、
前記ネットワークごとに設定された設定情報を記憶する記憶手段と、
前記複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続された通信装置から、該情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する受信手段と、
前記特定のネットワークを経由して受信された前記実行要求に対応するアプリケーションが、
前記特定のネットワークに関連づけられた設定情報に基づいて、所定の条件を満たすかを判定する判定手段と、
前記条件を満たすと判定された場合、前記特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を更新
し、前記条件を満たすと判定されなかった場合、前記履歴情報を更新しない更新手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記条件は、前記アプリケーションの実行履歴を記録することを示す条件であり、
前記判定手段は、前記設定情報に含まれる前記実行履歴を記録するか否かを示す情報に基づいて、前記実行要求に対応するアプリケーションが、前記条件を満たすかを判定する、請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記複数のネットワークを識別するための情報に関連づけて、前記設定情報および前記履歴情報のそれぞれを記憶し、
前記更新手段は、前記特定のネットワークにおいて、前記アプリケーションが前記条件を満たすと判定された場合、前記特定のネットワークに関連づけられた前記履歴情報を更新する、請求項
1または
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記通信装置を識別するための情報に関連づけて前記履歴情報を記憶し、
前記更新手段は、前記特定のネットワークにおいて、前記アプリケーションが前記条件を満たすと判定された場合、前記実行要求を送信した通信装置に関連づけられた前記履歴情報を更新する、請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、更に、
前記条件を満たすと判定されなかった場合、受信された前記アプリケーションの実行要求に基づいて、要求された前記アプリケーションの処理を実行する処理手段を備える情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記受信手段は、前記アプリケーションの実行履歴を管理する管理者端末から、前記管理者端末を識別するための管理者情報を受信し、更に、
前記管理者情報を用いて、前記管理者端末の認証処理を実行する認証手段と、
認証された前記管理者端末へ、前記履歴情報を送信する送信手段と、を備える情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記複数のネットワークを識別するための情報に関連づけて前記管理者端末の認証情報を記憶し、
前記認証手段は、前記管理者情報および前記認証情報を用いて、前記管理者端末の認証処理を実行し、
前記送信手段は、前記管理者端末が認証されたネットワークに関連づけられた前記履歴情報を、前記管理者端末へ送信する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置と、前記複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続された通信装置と、を備えた情報処理システムであって、
前記ネットワークごとに設定された設定情報を記憶する記憶手段と、
前記通信装置から、前記情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する受信手段と、
前記特定のネットワークを経由して受信された前記実行要求に対応するアプリケーションが、
前記特定のネットワークに関連づけられた設定情報に基づいて、所定の条件を満たすかを判定する判定手段と、
前記条件を満たすと判定された場合、前記特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を更新
し、前記条件を満たすと判定されなかった場合、前記履歴情報を更新しない更新手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項9】
異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置が実行する制御方法であって、
前記ネットワークごとに設定された設定情報を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続された通信装置から、該情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する受信ステップと、
前記特定のネットワークを経由して受信された前記実行要求に対応するアプリケーションが、
前記特定のネットワークに関連づけられた設定情報に基づいて、所定の条件を満たすかを判定する判定ステップと、
前記条件を満たすと判定された場合、前記特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を更新
し、前記条件を満たすと判定されなかった場合、前記履歴情報を更新しない更新ステップと、
を実行する制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の制御方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等の組織体内におけるネットワークシステムは、同じ組織体内でも異なる複数のネットワークが存在することがある。このような場合、異なるネットワークに属する装置の間における通信は、例えば、ルータ等のネットワーク機器を介して行われる。
【0003】
一方で、同じ組織体内でも異なるネットワークに属する装置の間における通信を制限したい場合がある。例えば、個人情報等の秘匿すべき情報が流れるネットワークと、売上や人事データ等の個人情報よりは秘匿性が高くない情報が流れるOA(Office Automation)系のネットワークが存在するような場合である。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数のネットワークインタフェースを備え、異なるネットワーク間の情報漏えいを抑制して入出力装置を共用できるネットワーク機器の構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の方法では、情報処理装置である入出力装置が実行するアプリケーション(例えば、印刷機能やスキャン機能を実現するアプリケーション等)の実行履歴をネットワーク単位で制御することまでは検討されていない。そのため、クライアント端末(例えば、通信装置)が接続している特定のネットワークごとのアプリケーション(例えば、有償のアプリケーション等)の実行履歴を管理することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置であって、前記ネットワークごとに設定された設定情報を記憶する記憶手段と、前記複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続された通信装置から、該情報処理装置にインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する受信手段と、前記特定のネットワークを経由して受信された前記実行要求に対応するアプリケーションが、前記特定のネットワークに関連づけられた設定情報に基づいて、所定の条件を満たすかを判定する判定手段と、前記条件を満たすと判定された場合、前記特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報を更新し、前記条件を満たすと判定されなかった場合、前記履歴情報を更新しない更新手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報処理装置が接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとにアプリケーションの実行履歴を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係るクライアント端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係るネットワーク管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第1の実施形態に係るアプリケーションの実行要求の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアプリケーションの監視対象の判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアプリケーションの実行履歴の更新処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態の変形例に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。
【
図12】第2の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報の提供処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図16】第2の実施形態の変形例に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報の提供処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】その他の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
●第1の実施形態●
●システム構成
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1Aは、情報処理装置10Aが接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとにアプリケーションの実行履歴を管理することができるシステムである。
【0011】
情報処理システム1Aは、情報処理装置10A、ルータ30(30a、30b、30c、以下、区別する必要のないときは、ルータ30とする。)、クライアント端末50(50a、50aa、50b、50bb、50c、50cc、以下、区別する必要のないときは、クライアント端末50とする。)およびサーバ装置90(90a、90b、90bb、90c、以下、区別する必要のないときは、サーバ装置90とする。)によって構成される。
【0012】
情報処理装置10Aは、複数のネットワーク(Net_A0、Net_B0、Net_C0)に接続されている。ネットワークNet_A0は、ルータ30aを介して、ネットワークNet_A1に接続されている。また、ネットワークNet_B0は、ルータ30bを介して、ネットワークNet_B1に接続されている。さらに、ネットワークNet_B1は、ルータ30bbを介して、ネットワークNet_B2に接続されている。ネットワークNet_C0は、ルータ30cを介して、ネットワークNet_C1に接続されている。
【0013】
情報処理装置10Aに接続されるネットワークは、ネットワークNet_A0およびネットワークNet_A1をグループとしたネットワークNet_A系、ネットワークNet_B0、ネットワークNet_B1およびネットワークNet_B2をグループとしたネットワークNet_B系、ネットワークNet_C0およびネットワークNet_C1をグループとしたネットワークNet_C系に分割されている。また、各系のネットワークの間は、IP(Internet Protocol)通信ができないように分離されている。
【0014】
ネットワークNet_A0のネットワークアドレスは、例えば、「192.168.1.0/24」となっている。ネットワークNet_A1のネットワークアドレスは、「192.168.10.0/24」となっている。ネットワークNet_B0のネットワークアドレスは、「172.16.1.0/24」となっている。ネットワークNet_B1のネットワークアドレスは、172.16.10.0/24」となっている。ネットワークNet_B2のネットワークアドレスは、172.16.100.0/24」となっている。ネットワークNet_C0のネットワークアドレスは、「10.0.1.0/24」となっている。ネットワークNet_C1のネットワークアドレスは、「10.0.10.0/24」となっている。
【0015】
このように、各ネットワークのネットワークアドレスは、重複しないように設定されている。実際には、このような設定例以外であっても、情報処理装置10Aと直接通信するクライアント端末50およびサーバ装置90のIPアドレスが重複しなければよい。また、直接通信するクライアント端末50およびサーバ装置90のIPアドレスが重複している場合でも、静的なNAPT(Network Address Port Translation)設定がされていればよい。
【0016】
情報処理システム1Aは、互いに通信できないように分離された異なるセグメントを有する複数のネットワークにルータ30が設けられていることを前提として、直接接続されているネットワーク以外のネットワークへの経路についても制御する。これにより、情報処理システム1Aは、複数のネットワーク間でルータ装置を介した通信が可能となり、情報処理装置10Aを大規模なネットワークで利用可能としている。なお、本実施形態に係る情報処理システム1Aは、各系のネットワーク間で、IP通信ができないように分離されていることとして説明を進めるが、セキュリティの要件等に応じて、各系のネットワーク間で通信可能としてもよい。また、情報処理装置10Aは、インターネット接続を図るためのセグメントを有するネットワークに接続されていてもよい。
【0017】
クライアント端末50a、クライアント端末50bおよびクライアント端末50cは、ネットワークNet_A0、ネットワークNet_B0およびネットワークNet_C0に、それぞれ接続される。クライアント端末50aおよびサーバ装置90aは、ネットワークNet_A1に接続される。また、クライアント端末50bおよびサーバ装置90bは、ネットワークNet_B1に接続される。さらに、クライアント端末50cおよびサーバ装置90cは、ネットワークNet_C1に接続される。クライアント端末50およびサーバ装置90は、それぞれ接続された各ネットワークを介して、情報処理装置10Aと通信を行うことができる。
【0018】
情報処理装置10Aは、例えば、プリント機能、コピー機能、スキャナ機能およびFAX機能といった複数の機能を1つの筐体で実現する複合機等の画像形成装置である。画像形成装置は、複合機のほか、MFP(Multifunction Peripheral)、複写機等と呼ばれてもよい。情報処理装置10Aは、プリント機能、コピー機能、スキャナ機能またはFAX機能の1つだけを有していてもよい。この場合、情報処理装置10Aは、プリンタ、複写機、スキャナ装置またはFAX装置と呼ばれる。また、情報処理装置10は、各機能を実行するための一または複数のアプリケーションがインストールされている。
【0019】
なお、情報処理装置10Aは、画像形成装置に限らず、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、スピーカ等の音響出力装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電等でもあってもよい。
【0020】
クライアント端末50は、各ネットワークに対して、それぞれ接続される通信装置である。クライアント端末50は、例えば、ノートPC(Personal Computer)等の利用者により携帯または操作可能な通信装置である。クライアント端末50は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、デスクトップPC等でもよい。クライアント端末50は、通信装置の一例である。
【0021】
サーバ装置90は、各ネットワークに対して、それぞれ接続されるジョブサーバや認証サーバ等のサーバ装置である。サーバ装置90は、例えば、クライアント端末50から要求された情報処理装置10Aに対するジョブを蓄積する。そして、サーバ装置90は、情報処理装置10Aへ蓄積したジョブを出力する。
【0022】
情報処理システム1Aにおいて、クライアント端末50は、例えば、情報処理装置10Aに対して、印刷要求およびSNMP(simple network management protocol)での機器情報の送信等を行う。情報処理装置10Aは、サーバ装置90にスキャン処理で形成したファイル情報の転送等を行う。なお、この例で説明した印刷要求、SNMPでの機器情報の送信およびスキャン処理したファイル情報の転送等は、一例であり、これら以外の通信でもよい。また、情報処理装置10Aは、三系統のネットワークに接続された例を説明したが、二系統のネットワークまたは四系統以上のネットワークに接続された構成であってもよい。
【0023】
●ハードウエア構成
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、
図2に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を有していてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。情報処理装置10Aは、コントローラ120を有する。コントローラ120は、CPU(Central Processing Unit)101、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)102、フラッシュメモリ103、HDD(Hard Disk Drive)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、ネットワークI/F106およびNIC(Network Interface Card)107等を有する。
【0024】
ASIC105は、CPUインターフェース、SDRAMインターフェース、ローカルバスインターフェース、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスインターフェース、MAC(Media Access Controller)およびHDDインターフェース等を備える多機能デバイスボードである。
【0025】
CPU101は、ASIC105を介して本発明に係るプログラム等の各種プログラムを、HDD104から読み取り実行する。情報処理装置10Aは、例えば、本発明に係るプログラムをCPU101が実行することによって、本発明に係る制御方法を実現する。SDRAM102は、各種プログラムを記憶するプログラムメモリや、CPU101が各種プログラムを実行する際に使用するワークメモリ等として機能する。なお、SDRAM102の代わりに、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)を用いてもよい。
【0026】
フラッシュメモリ103は、不揮発性メモリであり、情報処理装置10Aを起動させるブートローダ(ブートプログラム)やOS(Operation System)を記憶する。また、フラッシュメモリ103は、各プログラムを記憶するアプリケーションメモリとして機能する。さらに、フラッシュメモリ103は、各サービス(コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス)のソフトウエアを記憶するサービスメモリとして機能する。
【0027】
また、フラッシュメモリ103は、ファームウェアを記憶するファームメモリ、ネットワークアドレスや機種機番等を記憶するデータメモリとして機能する。なお、フラッシュメモリ103の代わりに、RAM(Random Access Memory)と電池を利用したバックアップ回路を集積した不揮発性RAMや、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の他の不揮発性メモリを使用してもよい。
【0028】
HDD104は、情報処理装置10Aの電源のオン、オフに関わりなくデータを記憶する不揮発性の記憶媒体である。HDD104は、フラッシュメモリ103内に記憶されたプログラムおよびデータ以外のプログラム、並びにデータを記録する。なお、HDD104は、ファームメモリとして使用してもよい。
【0029】
ネットワークI/F106は、外部装置とネットワークを介して通信(接続)を行うためのインターフェースである。NIC107は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されたLANカード等のハードウエアである。n個のNIC107-1、107-2、107-3、・・・107-n(以下、NIC107-1、107-2、107-3、・・・、107-nを区別する必要がない場合には、NIC107と記載する)は、通信インターフェース(I/F)106に接続される。情報処理装置10Aは、NIC107を通じて外部装置との通信を行う。
【0030】
操作パネル108は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を用いてコントローラ120と接続されている。操作パネル108は、情報処理装置10Aに対して操作を行うユーザのためのインターフェースである。操作パネル108は、各種の操作キー、表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)またはCRT(Cathode-Ray Tube)の文字表示器およびタッチパネルを有する。情報処理装置10Aは、操作パネル108を操作することにより、データの入力、ジョブの実行、表示をすることができる。
【0031】
さらに、コントローラ120には、PCIバス115を介して、ファックス制御ユニット109、記録メディア110aが脱着可能なUSB110、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394(111)、プロッタエンジン112、スキャナエンジン113およびBLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)モジュール114等が接続されている。これにより、情報処理装置10Aは、コピーサービス、プリントサービス、ファクシミリサービス等の各サービスを提供することができる。プロッタエンジン112は、電子写真方式またはインクジェット方式のいずれの方式を採用していてもよい。
【0032】
なお、
図2に図示する構成は一例に過ぎず、情報処理装置10Aのハードウエア構成は、
図2の構成には限られない。例えば、ネットワークI/F106は、PCIバス115に接続されていてもよい。また、ネットワークI/F106は、有線LAN(Ethernet(登録商標))等でネットワークに接続されるほか、Wi-Fi(登録商標)等の無線LANで接続されてもよい。さらに、ネットワークI/F106は、電話回線網に接続するDSU(Digital Service Unit)またはモデムを有していてもよい。ネットワークI/F106は、携帯電話網に接続する通信装置を有していてもよい。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係るクライアント端末のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、
図3に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を有していてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。また、
図3は、クライアント端末50のハードウエア構成を示したが、ルータ30およびサーバ装置90も同様の構成を有していてもよい。クライアント端末50は、CPU501、ROM502、RAM503、ストレージ504、キーボード505、ディスプレイI/F506、メディアI/F507、ネットワークI/F508およびバス509等を有する。
【0034】
CPU501は、クライアント端末50全体の制御を行う。CPU501は、ROM502やストレージ504等に格納されたプログラムやデータをRAM503上に読み出し、処理を実行することで、クライアント端末50の各機能を実現する演算装置である。RAM503は、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM502は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
【0035】
ストレージ504は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)、またはフラッシュROM等のストレージデバイスであり、OS、アプリケーションプログラム、および各種データ等を記憶する。キーボード505は、オペレータがクライアント端末50に各種指示を入力するためのインターフェースである。例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力装置等である。
【0036】
ディスプレイI/F506は、CPU501からの要求により、クライアント端末50が有する各種情報をカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の形態でディスプレイ506aに表示する。メディアI/F507は、クライアント端末50に他の装置を接続するためのインターフェースである。他の装置は、例えば、USBメモリ、メモリカード、光学ディスク等の記録メディア507aや、各種の電子機器等が含まれる。
【0037】
ネットワークI/F508は、情報処理装置10Aとネットワークを介して通信(接続)を行う通信インターフェースである。ネットワークI/F508は、アンテナ、無線部、MAC部等を含む。バス509は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU501、ROM502、RAM503、ストレージ504、キーボード505、ディスプレイI/F506、メディアI/F507およびネットワークI/F508は、バス509を介して相互に接続されている。
【0038】
●機能構成
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図4に示す情報処理装置10Aは、本実施形態に係る情報処理装置10Aの機能を担う制御部1000を有する。制御部1000は、例えば、
図2に示したCPU101により実行されるプログラム等によって実現される。また、制御部1000は、例えば、情報処理装置10Aに組み込まれた拡張ボード等により実現されてもよい。制御部1000は、送受信部11a、送受信部11b、送受信部11c、通信制御部12、アプリケーション管理部13、受付部14、アプリケーション実行部15、表示制御部16、記憶・読出部17および記憶部100を含む。
【0039】
送受信部11aは、ネットワークNet_A0を介して、クライアント端末50またはサーバ装置90との間でデータ(パケット情報)をやり取りする機能である。送受信部11aは、例えば、ネットワークNet_A0に接続されたクライアント端末50aから、アプリケーションの実行要求を受信する。送受信部11aは、ネットワークNet_A1に接続されたクライアント端末50またはサーバ装置90との間で、ルータ30aを介して、データ(パケット情報)を送受信してもよい。
【0040】
送受信部11bは、ネットワークNet_B0を介して、クライアント端末50またはサーバ装置90との間でデータ(パケット情報)をやり取りする機能である。また、送受信部11cは、ネットワークNet_C0を介して、クライアント端末50またはサーバ装置90との間でデータ(パケット情報)をやり取りする機能である。送受信部11bおよび送受信部11cによって送受信される情報は、送受信部11aと同様である。送受信部11a、送受信部11bおよび送受信部11cは、例えば、
図2に示したNIC107およびCPU101によって実行されるプログラム等によって実現される。送受信部11a、送受信部11bまたは送受信部11cは、受信手段の一例である。
【0041】
通信制御部12は、クライアント端末50またはサーバ装置90との間の通信を制御する機能である。通信制御部12は、クライアント端末50またはサーバ装置90との間で、データ(パケット)の送受信を行うための通信経路を制御する。具体的には、通信制御部12は、送受信部11a~送受信部11cのいずれによってデータ(パケット情報)が受信されたかを特定する。そして、通信制御部12は、特定した送受信部(送受信部11a~送受信部11c)を用いて、クライアント端末50またはサーバ装置90へデータ(パケット情報)を送信する。
【0042】
また、通信制御部12は、後述するネットワーク管理テーブル400を用いて、クライアント端末50またはサーバ装置90との間の通信経路を制御する。通信制御部12は、通信制御部12は、例えば、
図2に示したCPU101によって実行されるプログラム等により実現される。
【0043】
アプリケーション管理部13は、情報処理装置10Aによりインストールされたアプリケーションを管理する機能である。アプリケーション管理部13により管理されるアプリケーションは、情報処理装置10Aの機能を実現するために実行される基本的なアプリケーションである。アプリケーションは、例えば、情報処理装置10AがMFP等の画像処理装置の場合、コピーアプリやスキャナアプリ等である。また、アプリケーションは、情報処理装置10Aの拡張機能としてインストールされたアプリケーションであってもよい。
【0044】
また、アプリケーション管理部13は、判定部21と更新部22を含む。判定部21は、実行要求を送信したクライアント端末50が接続されたネットワークに応じて、実行要求に対応するアプリケーションが、所定の条件を満たすかを判定する機能である。判定部21は、クライアント端末50からアプリケーションの実行要求を受信した場合、後述するアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを用いて、クライアント端末50が所属するネットワークにおいて、要求されたアプリケーションが所定の条件を満たすかを判定する。所定の条件は、アプリケーションの実行履歴を記録(監視、管理)することを示す条件である。すなわち、判定部21は、実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録(監視、管理)するアプリケーションであるかを判定する。判定部21は、例えば、
図2に示したCPU101によって実行されるプログラム等により実現される。判定部21は、判定手段の一例である。
【0045】
更新部22は、後述するアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を更新する機能である。更新部22は、例えば、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションの処理が実行された場合、実行されたアプリケーションの履歴情報453を更新する。履歴情報453は、例えば、コピーアプリの場合、コピー枚数またはコピー回数等である。また、履歴情報453は、例えば、スキャナアプリの場合、スキャン動作の回数またはスキャン枚数等である。すなわち、履歴情報453は、例えば、アプリケーションの使用量に関する情報である。更新部22は、例えば、
図2に示したCPU101によって実行されるプログラム等により実現される。更新部22は、更新手段の一例である。
【0046】
受付部14は、
図2に示した操作パネル108に対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部14は、例えば、操作パネル108に入力された、後述するアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる履歴情報453の更新を行うための情報を受け付ける。受付部14は、例えば、
図2に示した操作パネル108およびCPU101によって実行されるプログラム等によって実現される。
【0047】
アプリケーション実行部15は、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションを実行する機能である。アプリケーション実行部15は、クライアント端末50からの要求に応じて、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションを実行する。
【0048】
また、アプリケーション実行部15は、アプリケーション処理部23と計測部24を含む。アプリケーション処理部23は、ネットワークに接続されたクライアント端末50からの要求に応じて、要求されたアプリケーションの処理を実行する機能である。アプリケーション処理部23は、アプリケーションがコピーアプリである場合、クライアント端末50からの印刷要求に基づいて、コピーアプリを実行し、要求された印刷処理を行う。アプリケーション処理部23は、例えば、
図2に示したCPU101によって実行されるプログラム等により実現される。
【0049】
計測部24は、アプリケーション処理部23によって実行されたアプリケーションの実行履歴を計測する機能である。計測部24は、コピーアプリによる印刷処理が実行されている場合、コピー枚数またはコピー回数等を計測する。また、計測部24は、スキャナアプリによるスキャン処理が実行されている場合、スキャン動作の回数またはスキャン枚数等を計測する。計測部24は、例えば、
図2に示したCPU101によって実行されるプログラム等により実現される。
【0050】
表示制御部16は、
図2に示した操作パネル108に対して管理者による入力操作を受け付ける操作画面等を、WEBブラウザを用いて表示させる機能である。表示制御部16は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等のWebページを用いて、操作パネル108に各表示画面を表示させる。表示制御部16は、例えば、
図2に示した操作パネル108およびCPU101で実行されるプログラム等により実現される。
【0051】
記憶・読出部17は、記憶部100に各種データを記憶させ、または記憶部100から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部17は、例えば、
図2に示したCPU101で実行されるプログラム等により実現される。また、記憶部100は、ネットワーク管理テーブル400、およびアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを記憶している。
【0052】
○ネットワーク管理テーブル
ここで、
図5を用いて、ネットワーク管理テーブル400について説明する。
図5は、第1の実施形態に係るネットワーク管理テーブルの一例を示す図である。ネットワーク管理テーブル400は、各ネットワークを介して情報処理装置10Aと通信可能なクライアント端末50、ルータ30およびサーバ装置90の宛先情報が管理されている。
【0053】
ネットワーク管理テーブル400は、情報処理装置10Aと通信可能な「機器」の情報と、「機器」の「Network address/netmask」および「default gateway」の情報を含む。「Network address/netmask」および「default gateway」は、クライアント端末50、ルータ30およびサーバ装置90の宛先情報の一例である。ネットワーク管理テーブル400は、情報処理装置10Aと通信実績のある機器の宛先情報が記憶される。なお、ネットワーク管理テーブル400に含まれる情報は、情報処理装置10Aと通信実績のある機器の情報だけでなく、適宜管理者により設定されてもよい。
【0054】
図5に示すように、クライアント端末50およびサーバ装置90は、それぞれ、ネットワークを介した通信を可能とするIPアドレスが一つずつ割り当てられている。ルータ30は、接続されている各ネットワークを介した通信が可能となるように、複数のIPアドレスが割り当てられている。なお、サーバ装置は、論理的には一台であっても、複数の機器により冗長構成としてもよい。
【0055】
図5に示すネットワーク管理テーブル400の場合、クライアント端末50aのIPアドレスは、「192.168.1.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「192.168.1.1/24」である。ルータ30aのIPアドレスは、「192.168.1.1/24」であり、サブネットマスクは、「192.168.10.1/24」である。クライアント端末50aaのIPアドレスは、「192.168.10.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「192.168.10.1/24」である。サーバ装置90aのIPアドレスは、「192.168.10.11/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「192.168.10.1/24」である。
【0056】
また、クライアント端末50bのIPアドレスは、「172.16.1.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「172.16.1.1/24」である。ルータ30bのIPアドレスは、「172.16.1.1/24」であり、サブネットマスクは、「172.16.10.1/24」である。クライアント端末50bbのIPアドレスは、「172.16.10.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「172.16.10.1/24」である。サーバ装置90bのIPアドレスは、「172.16.10.11/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「172.16.10.1/24」である。
【0057】
さらに、クライアント端末50cのIPアドレスは、「10.0.1.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「10.0.1.1/24」である。ルータ30cのIPアドレスは、「10.0.1.1/24」であり、サブネットマスクは、「10.0.10.1/24」である。クライアント端末50ccのIPアドレスは、「10.0.10.100/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「10.0.10.1/24」である。サーバ装置90cのIPアドレスは、「10.0.10.11/24」であり、デフォルトゲートウェイは、「10.0.10.1/24」である。
【0058】
情報処理装置10Aの通信制御部12は、ネットワーク管理テーブル400に含まれるクライアント端末50またはサーバ装置90の宛先情報に基づいて、クライアント端末50またはサーバ装置90の通信経路を制御する。なお、ネットワーク管理テーブル400に含まれる機器および宛先情報は、これに限られない。
【0059】
○アプリケーション実行履歴管理テーブル
続いて、
図6を用いて、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aについて説明する。
図6は、第1の実施形態に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aは、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションの実行履歴を、情報処理装置10Aが接続されたネットワークごとに管理する。
【0060】
アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aは、情報処理装置10Aが接続された「ネットワーク」を識別するための情報に、Network address/netmask、表示名称、履歴情報453および実行履歴監視設定455の情報が関連づけられている。「ネットワーク」は、情報処理装置10Aに接続された各ネットワークを示す。「ネットワーク」は、ネットワークの管理者によって設定されてもよいし、各ネットワークに接続されることにより自動的に設定されてもよい。
【0061】
表示名称は、ネットワークの名称である。表示名称は、ネットワークの管理者によって設定されてもよいし、各ネットワークに接続されることにより自動的に設定されてもよい。
【0062】
履歴情報453は、ネットワークごとの各アプリケーションの実行履歴を示す。履歴情報453は、ネットワークごとに、それぞれのアプリケーションを実行した回数(使用量)を累積値として示す。履歴情報453は、例えば、コピーアプリの場合、コピー枚数またはコピー回数等である。また、履歴情報453は、例えば、スキャナアプリの場合、スキャン動作の回数またはスキャン枚数等である。更新部22は、ネットワークを経由して要求されたアプリケーションが実行されるたびに、該当するネットワークに関連づけられた履歴情報453の値を更新する。
【0063】
実行履歴監視設定455は、ネットワークごとに、アプリケーションの実行履歴を記録するか否かを示す設定値である。すなわち、実行履歴監視設定455は、ネットワークごとに、アプリケーションがそれぞれ管理(監視)対象であるか否かを設定している。実行履歴監視設定455は、設定情報の一例である。実行履歴を記録するアプリケーションは、計測部24によってアプリケーションの実行履歴が計測される。一方で、実行履歴を記録しないアプリケーションは、計測部24による実行履歴の計測が行われない。
【0064】
情報処理装置10Aは、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを用いて、ネットワークごとのアプリケーションの実行履歴を管理することで、ネットワークごとの履歴情報453を用いた課金サービス等の外部システムと連携することができる。また、情報処理システム1Aは、アプリケーションの実行履歴を記録(管理)するネットワークと記録(管理)しないネットワークとを設けることで、特定のネットワークは自由に使えるようにするといったシステム構成を実現することができる。
【0065】
図6に示すアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aの場合、情報処理装置10Aは、実行履歴監視設定455が「全て」であるネットワークNet_A0、Net_B0、Net_B1について、アプリケーションの実行履歴の計測を行う。また、情報処理装置10Aは、実行履歴監視設定455が「コピー」であるネットワークNet_A0について、アプリケーションのうち「コピーアプリ」のみについて実行履歴の計測を行う。さらに、情報処理装置10Aは、実行履歴監視設定455が「なし」であるネットワークNet_C0、Net_C1について、アプリケーションの実行履歴の計測は行わない。
【0066】
なお、アプリケーションの実行履歴は、アプリケーションごとではなく、アプリケーション内の詳細な設定ごとに記憶されてもよい。例えば、アプリケーションの実行履歴は、コピーアプリの場合、色設定(モノクロまたはカラー)や用紙サイズごとに記憶されてもよい。
【0067】
●第1の実施形態における処理または動作
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行処理について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行処理の一例を示すシーケンス図である。
図7は、ネットワークNet_A0に接続されたクライアント端末50aからアプリケーションA(appA)の実行要求が送信される場合について説明する。なお、アプリケーションA(appA)は、コピーアプリであるものとする。
【0068】
また、
図7は、
図6に示したアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを用いて、アプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであるか(管理対象のアプリケーションであるか)を判定するものとして説明する。なお、実行要求を送信するクライアント端末50および実行要求に係るアプリケーションの種類は、これに限られず、その他のクライアント端末50およびアプリケーションであっても、同様の処理が行われる。
【0069】
ステップS101において、クライアント端末50aは、情報処理装置10Aへ、アプリケーションの実行要求を送信する。具体的には、クライアント端末50aは、クライアント端末50aを利用するユーザが要求するアプリケーションA(appA)の実行要求を、情報処理装置10Aへ送信する。
【0070】
ここで、実行要求に含まれる情報について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るアプリケーションの実行要求の一例を示す図である。実行要求40は、少なくとも実行要求の送信元(SRC:source)のIPアドレスと、実行要求の送信先(DST:destination)のIPアドレスと、実行要求を行うアプリケーションの情報とを含む。
図8に示す実行要求40は、送信元としてクライアント端末50aのIPアドレス(192.168.1.100/24)を含む。また、
図8に示す実行要求40は、送信先として情報処理装置10AのIPアドレス(192.168.1.10/24)を含む。さらに、
図8に示す実行要求40は、実行要求を行うアプリケーションとして、アプリケーションA(appA)の情報を含む。なお、アプリケーションの実行要求に含まれる情報は、これに限られない。情報処理装置10Aの送受信部11aは、クライアント端末50aから送信されたアプリケーションA(appA)の実行要求を受信する(受信ステップの一例)。
【0071】
ステップS102において、情報処理装置10Aの送受信部11aは、受信したアプリケーションの実行要求を、アプリケーション管理部13の判定部21へ出力する。ステップS103において、情報処理装置10Aの判定部21は、要求されたアプリケーションが所定の条件を満たすかを判定する(判定ステップの一例)。ここで、情報処理装置10Aの判定部21の処理の詳細を説明する。
図9は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアプリケーションの監視対象の判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS201において、判定部21は、アプリケーションの実行要求を検知した場合、処理をステップS202へ移行させる。一方で、判定部21は、アプリケーションの実行要求を検知していない場合、ステップS201の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS202において、判定部21は、実行要求の送信元であるクライアント端末50aが接続するネットワークを特定する。判定部21は、例えば、
図8に示した実行要求40を検知した場合、送信元であるクライアント端末50aのIPアドレス「192.168.1.100/24」から、クライアント端末50aが接続されたネットワークNet_A0を特定する。
【0074】
ステップS203において、判定部21は、実行要求の対象となるアプリケーションを特定する。判定部21は、例えば、
図8に示した実行要求40を検知した場合、検知した実行要求に含まれるアプリケーションA(appA)を特定する。なお、ステップS202の処理とステップS203の処理の順序は、前後してもよく、または並行して行われてもよい。
【0075】
ステップS204において、判定部21は、記憶部100に記憶されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aの読み出しを行う。具体的には、判定部21は、判定部21は、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aの読出要求を、記憶・読出部17へ出力する。記憶・読出部17は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部100に記憶されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを読み出す。そして、記憶・読出部17は、読み出したアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを、判定部21へ出力する。
【0076】
ステップS205において、判定部21は、特定したネットワークにおいて、特定されたアプリケーションが、所定の条件を満たすかを判定する。具体的には、判定部21は、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを用いて、特定したネットワークに関連づけられたアプリケーションのうち、特定したアプリケーションが、実行履歴を記録(管理)するアプリケーションであるかを判定する。この場合、判定部21は、特定したネットワーク「Net_A0」に関連づけられた実行履歴監視設定455が「全て」であるため、特定したアプリケーション「appA」が、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定する。
【0077】
ステップS206において、判定部21は、判定結果を、アプリケーション実行部15へ判定結果を出力する。出力される判定結果は、実行履歴を記録(管理)するアプリケーションであるかの情報のほかに、判定したアプリケーションを特定するための情報等を含む。
【0078】
図7に戻り、情報処理システム1におけるアプリケーションの実行処理の説明を続ける。ステップS104において、情報処理装置10Aの判定部21は、判定結果を、アプリケーション実行部15へ出力する。
図6に示したアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aの場合、実行要求が送信されたネットワークNet_A0において全てのアプリケーションが実行履歴を記録(管理)する管理対象のアプリケーションであるため、判定部21は、実行履歴を記録する旨(管理「有」)の判定結果を、アプリケーション実行部15へ出力する。
【0079】
ステップS105において、情報処理装置10Aのアプリケーション実行部15は、要求されたアプリケーションAを実行する。ステップS106において、情報処理装置10Aのアプリケーション実行部15は、実行されたアプリケーケーションの処理結果を、アプリケーション管理部13の更新部22へ送信する。なお、アプリケーションの処理結果は、実行されたアプリケーションの実行履歴の情報を含む。ステップS107において、情報処理装置10Aの更新部22は、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる、アプリケーションAの実行履歴を示す履歴情報453を更新する(更新ステップの一例)。
【0080】
ここで、
図10を用いて、アプリケーションが実行要求を受信してから、実行されたアプリケーションの実行履歴が更新されるまでの処理の詳細を説明する。
図10は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアプリケーションの実行履歴の更新処理の一例を示すフローチャートである。なお、判定部21におけるアプリケーションが実行履歴を記録(管理)するアプリケーションであるか否かの判定は、
図9に示した処理によって行われる。
【0081】
ステップS301において、情報処理装置10Aの判定部21は、要求されたアプリケーションが実行履歴を記録(管理)するアプリケーションである場合、処理をステップS302へ移行させる。一方で、判定部21は、要求されたアプリケーションが実行履歴を記録(管理)するアプリケーションでない場合、アプリケーション実行部15のアプリケーション処理部23によって要求されたアプリケーションの処理を実行し、処理を終了する。
【0082】
ステップS302において、アプリケーション実行部15の計測部24は、要求されたアプリケーションの実行履歴の計測を開始する。アプリケーションの実行履歴は、例えば、コピーアプリの場合、コピー枚数またはコピー回数等である。計測部24は、アプリケーション処理部23による処理が終了するまで、実行中のアプリケーションの実行履歴の計測を続ける。
【0083】
ステップS303において、アプリケーション実行部15のアプリケーション処理部23は、要求されたアプリケーションの処理を開始する。ステップS304において、アプリケーション処理部23は、要求された処理が終了した場合、処理をステップS305へ移行させる。一方で、アプリケーション処理部23は、要求された処理が終了するまで、ステップS303からの処理を繰り返す。
【0084】
ステップS305において、アプリケーション実行部15は、アプリケーションの処理結果を、更新部22へ出力する。アプリケーションの処理結果は、計測部24による計測結果の情報を含む。アプリケーションの処理結果は、処理の成功または失敗を示す情報を含んでもよい。
【0085】
ステップS306において、更新部22は、記憶部100に記憶されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる履歴情報453を更新する。更新部22は、例えば、「コピー枚数3枚」の計測結果を検知した場合、アプリケーション実行履歴管理テーブル450AのネットワークNet_A0に関連づけられたコピーアプリの履歴情報453の値を加算する。このように、情報処理装置10Aは、アプリケーションの実行要求の送信元であるネットワークごとに、アプリケーションの実行履歴を累積管理する。
【0086】
●第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係る情報処理システム1Aは、情報処理装置10Aが接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとのアプリケーションの実行履歴を一元管理することができる。また、情報処理システム1Aは、ネットワークごとに組織体が異なる場合であっても、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Aを用いてネットワーク単位で履歴情報453を管理することができる。さらに、情報処理システム1Aは、ネットワークごとに導入されている付加システム(例えば、課金システム)が異なる場合であっても、ネットワーク単位でアプリケーションの実行履歴を把握することができるので、新たなネットワークの追加や新たな付加システムの導入を柔軟に実施することができる。
【0087】
●第1の実施形態の変形例●
続いて、第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムについて説明する。なお、第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第1の実施形態の変形例に係る情報処理システムにおいて、情報処理装置10Aは、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションの実行履歴を、情報処理装置10Aが接続されたネットワークごとのみならず、情報処理装置10Aと通信可能なクライアント端末50ごとに記憶する。
【0088】
図11は、第1の実施形態の変形例に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。アプリケーション実行履歴管理テーブル450Bは、
図6に示したアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる情報に加え、ネットワークに接続されたクライアント端末50を識別するための情報ごとに履歴情報453が関連づけられている。
【0089】
図11に示すアプリケーション実行履歴管理テーブル450Bは、例えば、同じネットワークNet_A1に接続されたクライアント端末50aaとクライアント端末50aaaのそれぞれに対して、履歴情報453が関連づけられている。また、
図11に示すアプリケーション実行履歴管理テーブル450Bは、例えば、同じネットワークNet_B1に接続されたクライアント端末50bbとクライアント端末50bbbのそれぞれに対して、履歴情報453が関連づけられている。
【0090】
情報処理装置10Aの判定部21は、クライアント端末50からアプリケーションの実行要求を受信した場合、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Bを用いて、クライアント端末50が接続されたネットワークにおいて、実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録(管理)するアプリケーションであるかを判定する。そして、情報処理装置10Aの更新部22は、実行履歴を記録するアプリケーションが実行された場合、クライアント端末50に関連づけられた履歴情報453を更新する。
【0091】
このように、情報処理装置10Aは、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Bを用いて、同一のネットワークに接続された複数のクライアント端末50ごとに、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を管理することができる。なお、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Bは、実行履歴監視設定455も、情報処理装置10Aが接続されたネットワークごとのみならず、情報処理装置10Aと通信可能なクライアント端末50ごとに記憶してもよい。
【0092】
●第2の実施形態●
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。なお、第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。第2の実施形態に係る情報処理システム1Bは、情報処理システム1Bの管理者が使用する管理者端末70を用いて、ネットワークごとの設定または変更等を行う構成である。
【0093】
●システム構成
図12は、第2の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1Bは、情報処理システム1Aの構成に加えて、ネットワークNet_C0に接続された管理者端末70を備える。
【0094】
管理者端末70は、情報処理システム1Bの管理者が使用する端末である。管理者端末70は、例えば、情報処理装置10Bにインストールされたアプリケーションの実行履歴を管理する。管理者端末70を使用する管理者は、例えば、アプリケーションの実行履歴に基づいて、情報処理システム1Bに含まれるネットワークを構成する組織体の管理等を行う。管理者端末70は、例えば、タブレット端末等の通信装置である。管理者端末70は、携帯電話、スマートフォン、ノートPC、ウェアラブルPC、デスクトップPC等であってもよい。
【0095】
なお、
図12は、管理者端末70がネットワークNet_C0に接続されている例を説明したが、管理者端末70が接続するネットワークは、これに限られない。また、情報処理システム1Bは、異なるネットワークに接続された複数の管理者端末70を備えてもよい。
【0096】
●機能構成
図13は、第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
まず、情報処理装置10Bによって実行される機能は、情報処理装置10Aの構成に加えて、認証部18を含む。
【0097】
認証部18は、管理者端末70から送信された管理者情報に基づいて、管理者または管理者端末70の認証処理を実行する機能である。認証部18は、主に、
図2に示したCPU101で実行されるプログラム等により実現される。認証部18は、認証手段の一例である。
【0098】
また、送受信部11cは、ネットワークNet_C0を介して、管理者または管理者端末70の認証要求を受信する。そして、送受信部11cは、ネットワークNet_C0を介して、認証された管理者が使用する管理者端末70、または認証された管理者端末70へ、アプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を送信する。送受信部11cは、送信手段の一例である。
【0099】
次に、管理者端末70によって実現される機能は、送受信部71、受付部72および表示制御部73を含む。なお、管理者端末70のハードウエア構成は、
図3に示したクライアント端末50のハードウエア構成と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
送受信部71は、ネットワークを介して、情報処理装置10Bとの間でデータ(パケット情報)をやり取りする機能である。送受信部71は、例えば、ネットワークNet_C0を介して、管理者または管理者端末70の認証要求を、情報処理装置10Bへ送信する。送受信部71は、例えば、
図3に示したネットワークI/F508およびCPU501によって実行されるプログラム等によって実現される。
【0101】
受付部72は、
図3に示したキーボード505等の入力手段に対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部72は、例えば、情報処理システム1Bの管理者を識別するための管理者情報の入力を受ける。受付部72は、例えば、
図3に示したCPU501によって実行されるプログラム等によって実現される。
【0102】
表示制御部73は、
図3に示したディスプレイ506aに対して管理者による入力操作を受け付ける操作画面等を、WEBブラウザを用いて表示させる機能である。表示制御部73は、例えば、HTML等のWebページを用いて、ディスプレイ506aに各表示画面を表示させる。表示制御部73は、情報処理装置10Bから送信されたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を表示させる。表示制御部73は、例えば、
図3に示したディスプレイ506aおよびCPU501で実行されるプログラム等により実現される。
【0103】
●アプリケーション実行履歴管理テーブル
図14は、第2の実施形態に係るアプリケーション実行履歴管理テーブルの一例を示す図である。アプリケーション実行履歴管理テーブル450Cは、
図6に示したアプリケーション実行履歴管理テーブル450Aに含まれる情報に加え、ネットワークごとに認証情報459が関連づけられている。
【0104】
認証情報459は、管理者端末70の認証処理に用いる情報である。認証情報459は、管理者IDおよびパスワードを含む。なお、認証情報459は、これに限られず。管理者名、端末名または端末ID等であってもよい。
【0105】
認証部18は、管理者端末70から送信された管理者情報と認証情報459に基づいて、ネットワークごとに管理者端末70の認証を行う。情報処理装置10Bは、管理者端末70の認証が成功したネットワークに関連づけられた履歴情報453の情報を、認証された管理者端末70に送信する。これにより、管理者端末70は、管理権限を有するネットワークのアプリケーションの実行履歴を把握・管理することができる。
【0106】
また、情報処理装置10Bは、管理者端末70の認証が成功したネットワークに関連づけられた実行履歴監視設定455を、認証された管理者端末70に送信してもよい。これにより、管理者端末70は、管理権限を有するネットワークの実行履歴監視設定455の設定または変更操作を行うことができる。
【0107】
●第2の実施形態に係る処理または動作
図15は、第2の実施形態に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報の提供処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図15は、
図12と同様に、管理者端末70がネットワークNet_C0に接続されているものとして説明する。
【0108】
ステップS401において、管理者端末70の受付部72は、
図3に示したキーボード505等の入力手段を用いて、管理者情報の入力を受け付ける。管理者情報は、情報処理システム1Bの管理者を識別するための識別情報であり、例えば、管理者IDまたはパスワード等である。
【0109】
ステップS402において、管理者端末70の送受信部71は、受付部72によって受け付けられた管理者情報を含む認証要求を、ネットワークNet_C0を介して、情報処理装置10Bへ送信する。情報処理装置10Bの送受信部11cは、ネットワークNet_C0を介して、管理者端末70の認証要求を受信する。
【0110】
ステップS403において、情報処理装置10Bの通信制御部12は、認証要求の送信元である管理者端末70が所属するネットワークを特定する。この場合、通信制御部12は、認証要求が送受信部11cによって受信されたため、管理者端末70がネットワークNet_C系に所属するものとして特定する。
【0111】
ステップS404において、情報処理装置10Bの記憶・読出部17は、記憶部100に記憶されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cを読み出す。具体的には、記憶・読出部17は、記憶部100へアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cの読出要求を出力する。そして、記憶部100は、読出要求を検知した場合、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Cを、記憶・読出部17へ出力する。
【0112】
ステップS405において、情報処理装置10Bの認証部18は、受信された認証要求に含まれる管理者情報と、読み出されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cに含まれる認証情報459とを用いて、ネットワークごとの管理者端末70の認証処理を実行する。
【0113】
ステップS406において、情報処理装置10Bの送受信部11cは、認証部18によって認証されたネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を、管理者端末70へ送信する。この場合、情報処理装置10Bは、ステップS403の通信制御部12の処理において、管理者端末70がネットワークNet_C系に所属するもの特定しているため、管理者端末70との通信に、ネットワークNet_C系に接続する送受信部11cを使用する。なお、送受信部11cは、履歴情報453とともに、認証されたネットワークにおける実行履歴監視設定455を、管理者端末70へ送信してもよい。
【0114】
ステップS407において、管理者端末70の表示制御部73は、送受信部71によって受信された履歴情報453を、
図3に示したディスプレイ506aに表示させる。これによって、管理者端末70は、管理対象であるネットワークにおけるアプリケーションの実行履歴を把握することができる。
【0115】
●第2の実施形態の効果
以上説明したように、第2の実施形態に係る情報処理システム1Bは、情報処理装置10Bが接続するネットワークがそれぞれ異なる組織体によるものであっても、それぞれのネットワークの管理者が管理者端末70を用いて管理対象のネットワークに対して適切な設定を行うことができる。また、情報処理システム1Bは、ネットワークごとに設定された認証情報を用いて認証処理を行うため、第三者や異なるネットワークの管理者のような正当な管理者以外によって、アプリケーションの実行履歴の閲覧や、実行履歴監視設定455等の設定・変更が行われることを防止することができる。
【0116】
●第2の実施形態の変形例●
続いて、第2の実施形態の変形例に係る情報処理システムについて説明する。第2の実施形態の変形例に係る情報処理システムは、管理者が情報処理装置10Bの操作パネル108を用いて、ネットワークごとの設定または変更等を行う構成である。
【0117】
図16は、第2の実施形態の変形例に係る情報処理システムにおけるアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報の提供処理の一例を示すシーケンス図である。なお、情報処理装置10Bは、
図13に示したように、記憶部100にアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cを記憶している。
【0118】
ステップS501において、情報処理装置10Bの受付部14は、
図2に示した操作パネル108を用いて、管理者情報の入力を受け付ける。管理者情報は、情報処理システム1Bの管理者を識別するための識別情報であり、例えば、管理者IDまたはパスワード等である。
【0119】
ステップS502において、情報処理装置10Bの記憶・読出部17は、記憶部100に記憶されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cを読み出す。具体的には、記憶・読出部17は、記憶部100へアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cの読出要求を出力する。そして、記憶部100は、読出要求を検知した場合、アプリケーション実行履歴管理テーブル450Cを、記憶・読出部17へ出力する。
【0120】
ステップS503において、情報処理装置10Bの認証部18は、受付部14によって受け付けられた管理者情報と、読み出されたアプリケーション実行履歴管理テーブル450Cに含まれる認証情報459とを用いて、ネットワークごとの管理者端末70の認証処理を実行する。
【0121】
ステップS504において、情報処理装置10Bの表示制御部16は、認証部18によって認証されたネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を、操作パネル108に表示させる。これによって、情報処理装置10Bは、管理対象であるネットワークにおけるアプリケーションの実行履歴を、操作パネル108を用いて把握することができる。なお、表示制御部16は、履歴情報453とともに、認証されたネットワークにおける実行履歴監視設定455を、操作パネル108に表示させてもよい。この場合、情報処理装置10Bは、操作パネル108を用いて、管理権限を有するネットワークの実行履歴監視設定455の設定または変更操作を行うことができる。
【0122】
このように、第2の実施形態の変形例に係る情報処理装置10Bは、第2の実施形態と異なり、管理者または管理者端末70の認証処理を、操作パネル108を用いて行うことにより、管理対象のネットワークに対する設定または変更等を、情報処理装置10Bを用いて行うことができる。
【0123】
●その他の実施形態●
次に、その他の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図17は、その他の実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図17に示す情報処理システム1Cにおいて、情報処理装置10Aまたは情報処理装置10Bの制御部1000の機能は、情報処理装置10Cとは別個に設けられた通信制御装置20によって実現される。
【0124】
情報処理装置10Cは、通信制御装置20と通信を行うためのネットワークインタフェースを備える。通信制御装置20は、
図4に示した制御部1000の機能に加え、情報処理装置10Cとの間でデータ(パケット情報)の送受信を行うための専用の送受信部を備える。通信制御装置20は、制御部1000が有する通信制御部12によって、情報処理装置10Cとクライアント端末50またはサーバ装置90との間の通信経路を制御する。通信制御装置20の通信制御部12は、ブリッジ制御、NAPT(Network Address Port Translation)変換、NAT(Network Address Translation)変換等の方式を用いて、データ(パケット情報)の転送を制御する。この場合、ネットワーク管理テーブル400は、データ(パケット情報)の転送ルールを予め記憶している。
【0125】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置10Aであって、複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続されたクライアント端末50(通信装置の一例)から、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する。そして、情報処理装置10Aは、特定のネットワークを経由して受信された実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであるか(所定の条件の一例)を判定し、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定された場合、実行要求が送信された特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を更新する。そのため、情報処理装置10Aは、情報処理装置10Aが接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとにアプリケーションの管理を行うことができる。
【0126】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、ネットワークごとに設定された実行履歴監視設定455(設定情報の一例)を記憶し、実行要求が送信されたネットワーク(特定のネットワークの一例)に関連づけられた実行履歴監視設定455に基づいて、特定のネットワークを経由して受信された実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであるか(所定の条件の一例)を判定する。そのため、情報処理装置10Aは、それぞれのネットワークごとが異なる組織体によるものであっても、アプリケーションの管理を、組織体ごとおよびアプリケーションごとに実施することができる。
【0127】
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、複数のネットワークを識別するための情報に関連づけて、実行履歴監視設定455(設定情報の一例)および履歴情報453のそれぞれを記憶し、実行要求が送信されたネットワーク(特定のネットワークの一例)において、実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定された場合、実行要求が送信された特定のネットワークに関連づけられた履歴情報453を更新する。そのため、情報処理装置10Aは、情報処理装置10Aは、それぞれのネットワークごとが異なる組織体によるものであっても、アプリケーションの実行履歴の管理を、組織体ごとおよびアプリケーションごとに実施することができる。
【0128】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、クライアント端末50(通信装置の一例)を識別するための情報に関連づけて履歴情報453を記憶し、実行要求が送信されたネットワーク(特定のネットワークの一例)において、実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定された場合、実行要求を送信したクライアント端末50に関連づけられた履歴情報453を更新する。そのため、情報処理装置10Aは、情報処理装置10Aが接続する複数のネットワークにおいて、同一のネットワークに接続された複数のクライアント端末50ごとに、アプリケーションの実行履歴を管理することができる
【0129】
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、アプリケーションの実行履歴を管理する管理者端末70から、管理者端末70を識別するための管理者情報を受信し、受信した管理者情報を用いて、管理者端末70の認証処理を実行する。そして、情報処理装置10Bは、認証された管理者端末70へ、履歴情報453を送信する。そのため、情報処理装置10Bは、それぞれのネットワークが異なる組織体によるものであっても、それぞれのネットワークの管理者が管理者端末70を用いて管理対象のネットワークに対して適切な設定・管理を行うことができる。
【0130】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、前記複数のネットワークを識別するための情報に関連づけて管理者端末70の認証情報を記憶し、管理者端末70を識別するための管理者情報、および認証情報を用いて、管理者端末70の認証処理を実行する。そして、情報処理装置10Cは、管理者端末70が認証されたネットワークに関連づけられた履歴情報453を、管理者端末70へ送信する。そのため、情報処理装置10Cは、ネットワークごとに設定された認証情報を用いて認証処理を行うため、第三者や異なるネットワークの管理者のような正当な管理者以外によって、アプリケーションの実行履歴の閲覧や、実行履歴監視設定455等の設定・変更が行われることを防止することができる。
【0131】
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置10A(または、10Bもしくは10C)と、複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続されたクライアント端末50(通信装置の一例)と、を備えた情報処理システム1A(または、1Bもしくは1C)であって、クライアント端末50から、情報処理装置10A(または、10Bもしくは10C)にインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する。そして、情報処理システム1A(または、1Bもしくは1C)は、特定のネットワークを経由して受信された実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであるか(所定の条件の一例)を判定し、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定された場合、実行要求が送信された特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を更新する。そのため、情報処理システム1A(または、1Bもしくは1C)は、情報処理装置10A(または、10Bもしくは10C)が接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとにアプリケーションの管理を行うことができる。
【0132】
また、本発明の一実施形態に係る制御方法は、異なるセグメントを有する複数のネットワークに接続された情報処理装置10Aが実行する制御方法であって、複数のネットワークのうちの特定のネットワークに接続されたクライアント端末50(通信装置の一例)から、情報処理装置10Aにインストールされたアプリケーションの実行要求を受信する受信ステップと、特定のネットワークを経由して受信された実行要求に対応するアプリケーションが、実行履歴を記録するアプリケーションであるか(所定の条件の一例)を判定する判定ステップと、実行履歴を記録するアプリケーションであると判定された場合、実行要求が送信された特定のネットワークに関連づけられたアプリケーションの実行履歴を示す履歴情報453を更新する更新ステップと、を実行する。そのため、本発明の一実施形態に係る制御方法は、情報処理装置10Aが接続する複数のネットワークにおいて、ネットワークごとにアプリケーションの管理を行うことができる。
【0133】
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0134】
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、CD-RW(Re-Writable)、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0135】
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog-HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
【0136】
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、制御方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0137】
1A、1B、1C 情報処理システム
10A、10B、10C 情報処理装置
20 通信制御装置
30 ルータ
50 クライアント端末(通信装置の一例)
70 管理者端末
90 サーバ装置
11 送受信部(受信手段の一例、送信手段の一例)
18 認証部(認証手段の一例)
21 判定部(判定手段の一例)
22 更新部(更新手段の一例)
100 記憶部(記憶手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0138】