(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及びファイル送信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220511BHJP
B43L 1/04 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
H04L67/00
B43L1/04 F
(21)【出願番号】P 2018116522
(22)【出願日】2018-06-19
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】荒木 滋朗
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092569(JP,A)
【文献】特開2015-111408(JP,A)
【文献】特開2014-033263(JP,A)
【文献】株式会社インサイトイメージ,できるOffice 365 Small Business 2013年度版 第1版 ,第1版,株式会社インプレスジャパン 土田 米一
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
B43L 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の外部サービスから取得した情報を利用する情報処理装置を含む情報処理システムであって、
一人以上のユーザを識別するユーザ識別手段と、
前記ユーザ識別手段によって識別したユーザに基づいて、前記外部サービスが提供するサービスに応じた情報を一以上の前記外部サービスから取得する取得手段と、
識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を前記取得手段によって前記外部サービスから取得した
ファイルのファイル名又は予定情報の予定名を含むように生成する選択肢生成手段と、
前記ファイルに関する識別情報の選択肢を選択可能に表示する選択受付手段と、
選択された前記ファイルに関する識別情報を用いて、前記識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に前記ファイルを送信するファイル送信手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記選択肢生成手段は、前記外部サービスから取得したファイルのファイル名、前記外部サービスから取得した予定情報の予定名、及び、前記外部サービスから取得したユーザ名の少なくとも二つを含む前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を生成すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
一以上の外部サービスから取得した情報を利用する情報処理装置あって、
一人以上のユーザを識別するユーザ識別手段と、
前記ユーザ識別手段によって識別したユーザに基づいて、前記外部サービスが提供するサービスに応じた情報を一以上の前記外部サービスから取得する取得手段と、
識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を前記取得手段によって前記外部サービスから取得した
ファイルのファイル名又は予定情報の予定名を含むように生成する選択肢生成手段と、
前記ファイルに関する識別情報の選択肢を選択可能に表示する選択受付手段と、
選択された前記ファイルに関する識別情報を用いて、前記識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に前記ファイルを送信するファイル送信手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項4】
一以上の外部サービスから取得した情報を利用する情報処理装置を、
一人以上のユーザを識別するユーザ識別手段、
前記ユーザ識別手段によって識別したユーザに基づいて、前記外部サービスが提供するサービスに応じた情報を一以上の前記外部サービスから取得する取得手段、
識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を前記取得手段によって前記外部サービスから取得した
ファイルのファイル名又は予定情報の予定名を含むように生成する選択肢生成手段、
前記ファイルに関する識別情報の選択肢を選択可能に表示する選択受付手段、
選択された前記ファイルに関する識別情報を用いて、前記識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に前記ファイルを送信するファイル送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
一以上の外部サービスから取得した情報を利用する情報処理装置において実行されるファイル送信方法あって、
一人以上のユーザを識別するユーザ識別ステップと、
前記ユーザ識別ステップによって識別したユーザに基づいて、前記外部サービスが提供するサービスに応じた情報を一以上の前記外部サービスから取得する取得ステップと、
識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を前記取得ステップによって前記外部サービスから取得した
ファイルのファイル名又は予定情報の予定名を含むように生成する選択肢生成ステップと、
前記ファイルに関する識別情報の選択肢を選択可能に表示する選択受付ステップと、
選択された前記ファイルに関する識別情報を用いて、前記識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に前記ファイルを送信するファイル送信ステップと、
を有するファイル送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及びファイル送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザが参加する会議で電子黒板装置が使用されている。従来の電子黒板装置は、画面に表示された画像を電子メールにより送信する送信部と、ユーザを識別する識別部と、識別されたユーザのメールアドレスを宛先として設定する宛先入力部とを備えていた。
【0003】
このような従来の電子黒板装置では、識別部が画面の画像を見たユーザを識別し、識別したユーザのメールアドレスを特定する。宛先入力部は特定されたメールアドレスを、画面に表示された画像を送信する電子メールの宛先に入力する。そして、送信部は識別されたユーザのメールアドレスが宛先に設定された電子メールを送信していた(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のクラウドコンピューティングの普及により、ユーザは例えばストレージサービスやメールサービスなどの外部サービスを利用できるようになった。したがって、例えば電子黒板を使用する会議に参加したユーザは、電子黒板の画面で作成された画像のファイルの送信先として、自分が使用可能な外部サービスを選択する場合がある。
【0005】
このような場合、送信先に送信するファイルのファイル名は、どのような会議のファイルであるかを識別しやすいように設定できれば便利である。しかしながら、どのような会議のファイルであるかを識別しやすいファイル名の設定は、ユーザ自身で行わなければならず、手間が掛かるという問題があった。
【0006】
本発明の実施の形態は、外部サービスから取得した情報を利用する情報処理システムからユーザの送信先にファイルを送信する場合に、そのファイルのファイル名を設定する手間を軽減できる情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を達成するために本願請求項1は、一以上の外部サービスから取得した情報を利用する情報処理装置を含む情報処理システムであって、一人以上のユーザを識別するユーザ識別手段と、前記ユーザ識別手段によって識別したユーザに基づいて、前記外部サービスが提供するサービスに応じた情報を一以上の前記外部サービスから取得する取得手段と、識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、前記情報処理装置で生成されたファイルのファイルに関する識別情報の選択肢を前記取得手段によって前記外部サービスから取得したファイルのファイル名又は予定情報の予定名を含むように生成する選択肢生成手段と、前記ファイルに関する識別情報の選択肢を選択可能に表示する選択受付手段と、選択された前記ファイルに関する識別情報を用いて、前記識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に前記ファイルを送信するファイル送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施の形態によれば、外部サービスから取得した情報を利用する情報処理システムからユーザの送信先にファイルを送信する場合に、そのファイルのファイル名を設定する手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】電子黒板装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【
図5】ユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
【
図6】ストレージサービスストレージ情報の一例の構成図である。
【
図8】外部サービス設定情報の一例の構成図である。
【
図10】参加者管理情報一覧の一例の構成図である。
【
図11】電子黒板を使った会議の流れの一例のフローチャートである。
【
図12】操作パネルが表示された電子黒板装置の一例のイメージ図である。
【
図13】操作パネルの操作により電子黒板装置に表示されるUI画面の一例のイメージ図である。
【
図14】操作パネルの操作により配布画面が表示された電子黒板装置の一例のイメージ図である。
【
図15】会議の参加者を追加する処理の一例のフローチャートである。
【
図16】一括配布する処理の一例のフローチャートである。
【
図17】送信先追加処理の一例のフローチャートである。
【
図18】全送信実行処理の一例のフローチャートである。
【
図19】第2の実施形態に係るユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
【
図20】第2の実施形態に係るユーザ情報一覧の一例の構成図である。
【
図21】第2の実施形態に係る外部サービス設定情報の一例の構成図である。
【
図22】第2の実施形態に係る配布画面の一例のイメージ図である。
【
図23】第3の実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【
図24】第3の実施形態に係るスケジュールサービス予定情報の一例の構成図である。
【
図25】第3の実施形態に係る会議予定を設定する処理の一例のフローチャートである。
【
図26】予定出席者を追加する処理の一例のフローチャートである。
【
図27】第3の実施形態に係るユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
【
図28】第3の実施形態に係る予定一覧画面の一例のイメージ図である。
【
図29】第3の実施形態に係る参加者管理情報一覧の一例の構成図である。
【
図30】第3の実施形態に係る配布先設定情報の一例の構成図である。
【
図31】第3の実施形態に係る送信先追加処理の一例のフローチャートである。
【
図32】送信先種類に応じて送信先を追加する処理の一例のフローチャートである。
【
図33】第3の実施形態に係る配布画面の一例のイメージ図である。
【
図34】第3の実施形態に係る全送信実行処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では複数のユーザが参加する会議で使用される電子黒板装置の例を説明するが、会議に限定するものでなく、セミナーや講義など、複数のユーザが電子黒板装置の画面を見る様々な状況に適用できる。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1の情報処理システム1は、ユーザ情報サーバ装置10と、複数の外部サービス群システム12と、電子黒板装置14とが、インターネットやLANなどのネットワーク16を介して通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、各外部サービスが、電子黒板装置14からインターネットを介して利用可能なサービスであり、電子黒板装置14と各外部サービスは同じローカルエリアネットワークに接続していない。ユーザ情報サーバ装置10と電子黒板装置14とは電子黒板システムを構成する。ユーザ情報サーバ装置10と電子黒板装置14とは、電子黒板システム外部の外部サービス群システム12と連携して動作し、電子黒板装置14に関連した機能を提供する。なお、電子黒板装置14は複数台であってもよい。
【0011】
外部サービス群システム12が提供する外部サービス群は、グループウェアとも呼ばれるものであり、同じ外部サービス群に属する各サービスが同じ認証情報(IDとパスワードの組み合わせ、アクセストークン等)で利用できるものである。
【0012】
例えば外部サービス群は、ユーザサービス、ストレージサービス、メールサービス等から構成されるOffice365(登録商標)等の統合サービスを指す。外部サービス群はユーザサービス、ストレージサービス、メールサービス等のサービスを同一のユーザアカウントで利用できる形で提供される。
【0013】
複数の外部サービス群は例えば異なる会社により提供されている。そのため、例えば、一人のユーザがA社の外部サービス群、及びB社の外部サービス群を利用するような場合が想定される。なお、異なる会社というのは一例であって、同じ会社によって複数の外部サービス群が提供されてもよい。外部サービス群システム12は一台以上のコンピュータにより実現される。
【0014】
ユーザ情報サーバ装置10は、後述するユーザ情報一覧、外部サービス設定情報、配布先設定情報などを保存し、電子黒板装置14又は外部サービス群システム12から利用される。ユーザ情報サーバ装置10は、複数台の電子黒板装置14で共用してもよく、同一ネットワークセグメント上になくてもよい。また、ユーザ情報サーバ装置10は電子黒板装置14に内蔵されていてもよい。ユーザ情報サーバ装置10は一台以上のコンピュータにより実現される。
【0015】
電子黒板装置14は複数のユーザが参加する会議で使用される。電子黒板装置14は例えば電子ペンや手により描画された画像を表示する。また、電子黒板装置14はUSBメモリ、ケーブルを介して接続されるPC、又は、外部サービス群システム12などから読み出した電子ファイルの画像を表示することもできる。電子黒板装置14は、表示している画像の画像データ(ファイル)を会議の参加者に対して一括配布する機能を有する。電子黒板装置14が画像のファイルを配布(送信)する配布先(送信先)には、後述するように、利用のための設定がユーザごとに必要な外部サービス群システム12が含まれる。電子黒板装置14は一例であり、例えば遠隔会議システム、ディスプレイ、プロジェクタ等、表示する画像のファイルの保存、配布(送信)の機能を持つ装置であれば、どのような装置であってもよい。
【0016】
なお、
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えばユーザ情報サーバ装置10又は外部サービス群システム12の機能の少なくとも一部は電子黒板装置14に備えるようにしてもよい。情報処理システム1はユーザ情報サーバ装置10、外部サービス群システム12又は電子黒板装置14の機能の少なくとも一部を、ユーザ情報サーバ装置10、外部サービス群システム12及び電子黒板装置14以外の他の情報処理装置で実現する構成であってもよい。
【0017】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1のユーザ情報サーバ装置10及び外部サービス群システム12は例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図2は、コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0018】
図2に示したコンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0019】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0020】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0021】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0022】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ、SIMカードなどがある。
【0023】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0024】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。CPU506は1つのプロセッサ又は複数のプロセッサで実現されていてもよい。
【0025】
ユーザ情報サーバ装置10及び外部サービス群システム12は、例えば
図2に示すコンピュータ500のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0026】
《電子黒板装置》
図3は電子黒板装置の一例のハードウェア構成図である。電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605及び外部記憶コントローラ606を備えている。
【0027】
CPU601は電子黒板装置14全体の動作を制御する。ROM602はCPU601の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603はCPU601のワークエリアとして使用される。SSD604は電子黒板装置14用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ605はネットワーク16との通信を制御する。外部記憶コントローラ606はUSBメモリ5等の記録媒体との通信を制御する。
【0028】
また、電子黒板装置14は、キャプチャデバイス611、GPU(Graphics Processing Unit)612、ディスプレイコントローラ613、センサコントローラ614、接触センサ615、電子ペンコントローラ616及びRFタグリーダ617を備えている。
【0029】
キャプチャデバイス611はPC6からの映像情報を静止画又は動画ファイルとして取り込む。GPU612はグラフィクスを専門に扱う。ディスプレイコントローラ613はGPU612からの出力画像をディスプレイ3やテレビ会議端末7へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。センサコントローラ614は接触センサ615の処理を制御する。接触センサ615はディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する。
【0030】
接触センサ615は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置がディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ615は物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ614に出力する。センサコントローラ614は物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0031】
また、接触センサ615は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
【0032】
電子ペンコントローラ616は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判定する。なお、電子ペンコントローラ616は電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペン4の部分のタッチの有無を判定するようにしてもよい。
【0033】
RFタグリーダ617はICカード630に埋め込まれたRFタグからICカード630に固有の識別情報を無線通信で読み取る。RFタグリーダ617は電子黒板装置14に内蔵されていても、電子黒板装置14に外付けされていてもよい。なお、ICカード630はスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、電子黒板装置14はユーザを識別可能な識別情報を取得できるのであればRFタグリーダ617以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩、顔など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0034】
図3の電子黒板装置14は、CPU601、ROM602、RAM603、SSD604、ネットワークコントローラ605、外部記憶コントローラ606、キャプチャデバイス611、GPU612、センサコントローラ614、電子ペンコントローラ616及びRFタグリーダ617を、電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン620を備えている。なお、電子黒板装置14用のプログラムは、ネットワーク16を介してダウンロードさせるようにしてもよいし、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
【0035】
<ソフトウェア構成>
第1の実施形態に係る情報処理システム1は、例えば
図4に示す機能構成により実現される。
図4は第1の実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0036】
図4の情報処理システム1は、ユーザ情報サーバ装置10と、外部サービス群システム12A及び12Bと、電子黒板装置14とを有する構成である。
図4では外部サービス群システム12の一例として、外部サービス群システム12A「office.example.com」及び外部サービス群システム12B「suite.example.com」を示している。
【0037】
外部サービス群システム12Aはユーザに提供する外部サービス群としてユーザサービス30、ストレージサービス32及びメールサービス34を例示している。外部サービス群システム12Bも同様な外部サービス群をユーザに提供する。
【0038】
外部サービス群システム12Aのユーザサービス30及び外部サービス群システム12Bのユーザサービス30は例えば
図5に示すようなユーザサービスアカウント情報を保存している。
図5はユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
図5に示すように外部サービス群システム12A及び12Bのユーザサービス30は、それぞれ、ユーザサービスアカウント情報として、ユーザID、名前、メールアドレスを保存する。
【0039】
ストレージサービス32はユーザのファイルを保存できるストレージであり、ユーザごとにファイル又はフォルダの種別や名前等を例えば
図6のストレージサービスストレージ情報として管理している。
図6は、ストレージサービスストレージ情報の一例の構成図である。
図6に示すように外部サービス群システム12A及び12Bのストレージサービス32は、それぞれ、ストレージサービスストレージ情報として、所有者ユーザのユーザID、ファイル又はフォルダの種別、及び、名前を保存する。
【0040】
メールサービス34はユーザごとのメールアドレスを管理し、ユーザにメール機能を提供する。メールサービス34は、ユーザのメールアドレスを宛先とする電子メールを保管する。
【0041】
ユーザ情報サーバ装置10は、外部サービス設定情報部20、ユーザ情報部22及び配布先設定情報部24を有する構成である。ユーザ情報部22は例えば
図7に示すユーザ情報一覧を保存している。
図7はユーザ情報一覧の一例の構成図である。
図7に示すようにユーザ情報一覧は、ユーザID、名前、メールアドレス、配布先設定ID、外部サービス設定ID及び識別情報を保存する。
【0042】
配布先設定IDは後述の配布先設定情報を識別する情報である。外部サービス設定IDは後述の外部サービス設定情報を識別する情報である。識別情報はICカード630に固有の識別情報である。
図7のユーザ情報一覧により、ユーザIDにより特定されるユーザの外部サービス設定情報及び配布先設定情報が特定される。また、ユーザIDにより特定されるユーザのICカード630から読み取れる識別情報が特定される。
【0043】
外部サービス設定情報部20は例えば
図8に示すような外部サービス設定情報を保存している。
図8は外部サービス設定情報の一例の構成図である。
図8に示す外部サービス設定情報は、ユーザが外部サービス群システム12A及び12Bを利用するための設定情報の一覧である。外部サービス設定情報は外部サービス設定ID、ユーザID、アドレス情報、外部サービスのユーザID及び外部サービスの認証トークンを保存する。
【0044】
外部サービス設定情報は、1人のユーザに対して外部サービス群ごとにアカウント(ユーザID、名前、メールアドレス)がある。各ユーザは1以上の外部サービス群のアカウントを所持している。例えば1人のユーザが2つの外部サービス群を利用している場合は、1人のユーザに対して2つの外部サービス設定情報が存在することになる。つまり、外部サービス設定情報は、いずれの外部サービス群のアカウント情報かを関係なしに、本情報処理システム1を利用するすべてのアカウント情報を一意に識別するための識別子である。なお、アドレス情報、及び、外部サービスのユーザIDは、外部サービス群システム12A又は12Bへの接続情報の一例である。外部サービスの認証トークンは外部サービス群システム12A又は12Bの認証情報の一例である。
【0045】
配布先設定情報部24は例えば
図9に示すような配布先設定情報を保存している。
図9は配布先設定情報の一例の構成図である。
図9に示す配布先設定情報は、ユーザと対応付いた配布先を設定する。配布先設定情報は配布先設定ID、送信先リスト及びファイル保存先を保存する。
図9の送信先リストは、配布先として利用するストレージサービス32又はメールサービス34などの外部サービスの識別情報である。ファイル保存先は配布先としてストレージサービス32を利用する場合のファイル保存先の識別情報である。
【0046】
電子黒板装置14は、配布先取得部40、一括配布部42、参加者管理部44、書込表示部46、ICカード検出部48及びファイル読込部49を有する構成である。ICカード検出部48は検出したユーザのICカード630から識別情報を読み取る。参加者管理部44は会議の参加者を例えば
図10のような参加者管理情報一覧で管理する。
【0047】
図10は参加者管理情報一覧の一例の構成図である。参加者管理情報一覧は、参加者のユーザIDを保存する。例えば参加者管理部44はICカード検出部48が読み取った識別情報を利用して
図7のユーザ情報一覧からユーザ情報を特定し、特定したユーザ情報のユーザIDを参加者のユーザIDとして参加者管理情報一覧に保存する。
【0048】
ファイル読込部49はストレージサービス32からファイル一覧を取得し、後述するようなファイル読込画面を表示する。また、ファイル読込部49はファイル読込画面においてユーザに選択されたファイルをストレージサービス32から取得し、書込表示部46に提供してファイルの内容を表示させる。
【0049】
書込表示部46は、ファイル読込部49などから提供されるファイルの内容を表示すると共に、ユーザの電子黒板装置14への書き込みを受け付け、その書き込みの内容を表示する。
【0050】
配布先取得部40は参加者管理部44が管理する参加者に、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを一括配布するための
図8の外部サービス設定情報及び
図9の配布先設定情報をユーザ情報サーバ装置10から取得して一括配布部42に提供する。一括配布部42は
図7のユーザ情報一覧、
図8の外部サービス設定情報及び
図9の配布先設定情報に従って、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを会議の参加者へ一括配布する。一括配布部42は後述するような配布画面から会議の参加者へのファイルの一括配布の操作を受け付ける。
【0051】
例えば一括配布部42は配信先リストとして「ストレージ」が設定されている参加者であれば、その参加者のユーザアカウントで利用できるストレージサービス32に、電子黒板装置14が表示している内容のファイルを保存する。また、一括配布部42は配信先リストとして「メール」が設定されている参加者であれば、その参加者のメールアドレスを宛先とする電子メールに添付して、電子黒板装置14が表示している内容のファイルを送信する。
【0052】
<処理>
第1の実施形態に係る情報処理システム1は、例えば以下に示す手順で電子黒板装置14を用いた会議を行う。ここでは、基本的な利用例として、電子黒板装置14を用いた会議で参加者を登録し、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを会議の参加者に一括配布する場合を説明する。
【0053】
図11は電子黒板を使った会議の流れの一例のフローチャートである。ステップS11に進み、電子黒板装置14は会議を開始するユーザの操作により例えば
図12に示すような操作パネル1000を表示する。
図12は操作パネルが表示された電子黒板装置の一例のイメージ図である。
図12の操作パネル1000は参加者一覧1002とファイル読込ボタン1003と一括配布ボタン1004とが表示されている。参加者一覧1002に表示されているユーザは、会議の参加者として管理されており、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの配布対象となる。ファイル読込ボタン1003は参加者のストレージサービス32からファイルを読み込むためのファイル読込画面を表示させるボタンである。なお、
図12の操作パネル1000では参加者「Alice」がストレージサービス32への認証トークンを有しておらず、参加者「Alice」のファイル読込ボタン1003が表示されていない例を示している。
【0054】
ステップS12において、会議実施中の電子黒板装置14はユーザの電子黒板装置14への書き込み等の操作を受け付け、表示の内容を更新する。ICカード検出部48がICカード630を検出すると、参加者管理部44はステップS13に進み、ICカード630から読み取った識別情報からユーザを特定し、会議の参加者として管理し、参加者一覧1002に追加する。
【0055】
ストレージサービス32への認証トークンを持つ参加者の場合、その参加者の名が参加者一覧1002に追加されると共に、その参加者のファイル読込ボタン1003が操作パネル1000に追加される。ストレージサービス32への認証トークンを持たない参加者の場合、その参加者の名が参加者一覧1002に追加されるが、その参加者のファイル読込ボタン1003が操作パネル1000に追加されない。
【0056】
ファイル読込ボタン1003の押下を検出すると、ファイル読込部49はステップS14に進み、押下されたファイル読込ボタン1003に対応する参加者のストレージサービス32に保存されているファイルを読み込むためのファイル読込画面を表示する。ユーザはファイル読込画面においてストレージサービス32からファイル読込部49へ読み込むファイルを選択できる。ファイル読込部49はファイル読込画面で選択されたファイルを読み込むと共に、そのファイルのファイル名を一括配布部42に通知する。
【0057】
また、一括配布ボタン1004の押下を検出すると、一括配布部42はステップS15に進み、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの会議の参加者への一括配布を実行する。
【0058】
操作パネル1000の操作により電子黒板装置14には例えば
図13に示すようなUI画面が表示される。
図13は操作パネルの操作により電子黒板装置に表示されるUI画面の一例のイメージ図である。
【0059】
図13に示すように、一括配布ボタン1004が押下されると、電子黒板装置14には配布画面1030が表示される。配布画面1030には、参加者ごとの送信先と、配布するファイルのファイル名の選択肢(ファイル名候補)1034と、選択肢1034から選択したファイル名を編集するためのテキストボックス1036と、送信ボタン1032とが表示されている。
【0060】
配布画面1030により、ユーザは参加者ごとの送信先を確認できる。また、ユーザは選択肢1034からファイル名を選択すると、選択したファイル名がテキストボックス1036に表示されるため、テキストボックス1036においてファイル名を編集することもできる。例えば
図13では、ファイル名が「A社様資料」というファイルをストレージサービス32から読み込んだ例を示している。選択肢1034には、読み込んだファイル名+日付から生成した選択肢と、読み込んだファイル名+参加者の名+日付から生成した選択肢と、が表示されている。
【0061】
なお、選択肢1034の生成方法は様々考えられ、読み込んだファイル名と参加者の名の位置関係や、日付の有無など、任意に変更したものも利用できる。例えば
図13の配布画面1030では読み込んだファイル名+一人の参加者の名+日付から生成した選択肢の例を示したが、読み込んだファイル名+複数人の参加者の名+日付から生成した選択肢であってもよい。
【0062】
また、選択肢1034の表示ではなく、ファイル名ボタン、参加者名ボタン、日付ボタン等を準備してもよい。この場合、ユーザは押下したボタンに対応するファイル名、参加者の名、日付をテキストボックス1036に追加していき、配布するファイルのファイル名を生成できる。
【0063】
また、ユーザは送信ボタン1032を押下することにより電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの一括配布を電子黒板装置14に実行させることができる。
【0064】
また、
図13に示すように、参加者一覧1002から参加者の一人のファイル読込ボタン1003を押下する操作を受け付けると、電子黒板装置14はファイル読込画面1020を電子黒板装置14に表示する。ファイル読込画面1020は参加者一覧1002においてファイル読込ボタン1003が押下された参加者の権限で読み込めるファイル一覧と、読込ボタン1022とが表示されている。ユーザは読込ボタン1022を押下することにより、ファイル読込画面1020から選択したファイルを電子黒板装置14に読み込むことができる。
【0065】
図13に示した配布画面1030は例えば
図14に示すように電子黒板装置14に表示される。
図14は、操作パネルの操作により配布画面が表示された電子黒板装置の一例のイメージ図である。
図14に示すように配布画面1030は操作パネル1000と並べて表示してもよいし、操作パネル1000を非表示とした後で表示してもよい。
【0066】
図11のステップS13では、例えば
図15に示す手順で会議の参加者を追加する処理を行う。
図15は会議の参加者を追加する処理の一例のフローチャートである。
図15はICカード検出部48がICカード630を検出し、ICカード630から識別情報を読み取った後の処理を示している。
【0067】
ステップS21に進み、参加者管理部44はICカード検出部48がICカード630から読み取った識別情報を取得する。ステップS22に進み、参加者管理部44は
図7に示したユーザ情報一覧を参照し、同じ識別情報を持つユーザが参加者にいるか否かを判定する。
【0068】
同じ識別情報を持つユーザが参加者にいなければ、参加者管理部44はステップS23に進み、ステップS21で取得した識別情報のユーザを
図7に示したユーザ情報一覧から特定する。また、参加者管理部44は特定したユーザの
図8に示した外部サービス設定情報を特定する。ステップS24に進み、参加者管理部44は特定したユーザを参加者として管理し、参加者一覧1002に追加する。
【0069】
ステップS25に進み、参加者管理部44は特定したユーザの外部サービス設定情報の項目「外部サービスの認証トークン」を参照し、ストレージサービス32にアクセスできる認証トークンが含まれているかを判定する。ストレージサービス32の認証トークンが含まれていれば、ステップS26に進み、参加者管理部44はファイル読込ボタン1003を操作パネル1000に追加する。なお、ストレージサービス32の認証トークンが含まれていなければ、参加者管理部44はステップS26の処理をスキップする。なお、同じ識別情報を持つユーザが参加者にいれば、参加者管理部44はステップS23~S26をスキップする。
【0070】
例えば
図7のユーザ情報一覧に示した「Mary Smith」のICカード630を検出したICカード検出部48は、ICカードから識別情報「ICCARD-123」を読み取る。ステップS21において、参加者管理部44はICカード検出部48から識別情報「ICCARD-123」を取得する。ステップS22に進み、参加者管理部44は同じ識別情報「ICCARD-123」を持つユーザが参加者にいなければ、ステップS23に進む。
【0071】
参加者管理部44はステップS23に進み、
図7のユーザ情報一覧から識別情報「ICCARD-123」のユーザ「user001」を特定する。また、参加者管理部44は特定したユーザ「user001」の外部サービス設定ID「connect1a」から
図8に示した外部サービス設定情報を特定する。
【0072】
ステップS24に進み、参加者管理部44はユーザID「user001」を
図10のような参加者管理情報一覧に追加することにより、ステップS21で取得した識別情報のユーザを会議の参加者として管理し、参加者一覧1002に追加できる。また、ステップS25に進み、参加者管理部44は外部サービス設定ID「connect1a」の外部サービス設定情報の項目「外部サービスの認証トークン」にストレージサービス32にアクセスできる認証トークンが含まれていると判定する。ステップS26に進み、参加者管理部44はユーザID「user001」の参加者のファイル読込ボタン1003を操作パネル1000に追加する。
【0073】
図7のユーザ情報一覧に示した「Sato Suzuki」及び「Alice Liddell」についても「Mary Smith」と同様に、
図15の処理が行われることにより、参加者管理部44はユーザID「user001」「user002」「user003」のユーザを会議の管理者として管理できる。また、参加者管理部44は、ユーザID「user001」「user002」「user003」のユーザ情報一覧及び外部サービス設定情報を取得できる。
【0074】
図11のステップS15では、例えば
図16に示す手順で、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの会議の参加者への一括配布を実行する。
図16は一括配布する処理の一例のフローチャートである。一括配布ボタン1004の押下を検出すると、一括配布部42はステップS31~S33において、参加者管理部44から取得した参加者管理情報一覧で管理されている全ての参加者について、ステップS32の送信先追加処理を行う。
【0075】
全ての参加者について、ステップS32の送信先追加処理を終了すると、一括配布部42はステップS34に進み、配布ファイル名選択肢生成処理を行う。配布ファイル名選択肢生成処理では、読み込んだファイルのファイル名と、参加者の名とを利用し、配布するファイルのファイル名の選択肢が生成される。なお、ステップS34においてファイル名を生成するルールは管理者等が編集できるようにしてもよい。
【0076】
ステップS35に進み、配布画面1030を表示する。配布画面1030には参加者ごとの送信先と、配布するファイルのファイル名の選択肢(ファイル名候補)1034と、選択肢1034から選択したファイル名を編集するためのテキストボックス1036と、送信ボタン1032とが表示される。ユーザは、配布するファイルのファイル名の選択肢として、ストレージサービス32から読み込んだファイルのファイル名や参加者の名を含むファイル名を利用できる。したがって、ユーザはストレージサービス32から取得して電子黒板装置14に表示したファイルのファイル名や、参加者の名を含むように生成されたファイル名の選択肢から、配布するファイルの内容が分かり易いファイル名を容易に設定できる。
【0077】
送信ボタン1032が押下されると、一括配布部42はステップS36に進み、ステップS32の送信先追加処理の結果に従って、参加者と対応付いた送信先に、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを配布する全送信実行処理を行う。
【0078】
図16のステップS32では、例えば
図17に示す手順で送信先追加処理を行う。
図17は送信先追加処理の一例のフローチャートである。
図17に示す送信先追加処理は参加者管理情報一覧に含まれる、すべての参加者について行われる。
【0079】
ステップS41において、一括配布部42は参加者管理情報一覧に含まれる参加者を指定して配布先取得部40に送信先追加処理を要求する。配布先取得部40は、指定された参加者の配布先設定情報を配布先設定情報部24から取得する。配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージやメールなどの送信先の種別について、配布先取得部40はステップS41~S46の処理を繰り返す。
【0080】
ステップS42に進み、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージやメールなどの送信先の種別に、未処理の送信先の種別があり、その未処理の送信先の種別がストレージであれば、ステップS43に進む。
【0081】
ステップS43において、配布先取得部40は指定された参加者のすべての外部サービス設定情報のアドレス情報と、配布先設定情報のファイル保存先とにより、ファイル保存先アドレスを生成し、指定された参加者の送信先として追加する。
【0082】
また、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージやメールなどの送信先の種別に、未処理の送信先の種別があり、その未処理の送信先の種別がメールであれば、ステップS44に進む。
【0083】
ステップS44において、配布先取得部40は指定された参加者のすべての外部サービス設定情報の外部サービスの認証トークンを使用し、指定された参加者のユーザサービスアカウント情報をユーザサービス30から取得する。そして、配布先取得部40は取得したユーザサービスアカウント情報のメールアドレスを、指定された参加者の送信先として追加する。
【0084】
また、ステップS45に進み、配布先取得部40は指定された参加者のメールアドレスをユーザ情報一覧から取得し、そのメールアドレスを、指定された参加者の送信先として追加する。
【0085】
ここでは、
図7のユーザ情報一覧、
図8の外部サービス設定情報及び
図9の配布先設定情報を例としてステップS43~S45の処理を具体的に説明する。一括配布部42は参加者管理情報一覧に含まれる参加者「user001」を指定して配布先取得部40に送信先追加処理を要求する。配布先取得部40は、指定された参加者「user001」の配布先設定ID「setting1」に対応する配布先設定情報を配布先設定情報部24から取得する。配布先設定ID「setting1」の配布先設定情報の送信先リストには送信先の種別「ストレージ」が示されている。
【0086】
配布先取得部40は指定された参加者「user001」の外部サービス設定ID「conect1a」に対応する外部サービス設定情報を外部サービス設定情報部20から取得する。配布先取得部40は、外部サービス設定ID「conect1a」の外部サービス設定情報のアドレス情報「office.example.com」と、配布先設定ID「setting1」の配布先設定情報のファイル保存先「/Folder1」とを組合せ、ファイル保存先アドレス「office.example.com/Folder1」を生成する。配布先取得部40は生成したファイル保存先アドレスを指定された参加者「user001」の送信先として配布画面1030の送信先に追加する。
【0087】
また、配布先取得部40は参加者管理情報一覧に含まれる参加者「user002」を指定して配布先取得部40に送信先追加処理を要求する。配布先取得部40は、指定された参加者「user002」の配布先設定ID「setting2」に対応する配布先設定情報を配布先設定情報部24から取得する。配布先設定ID「setting2」の配布先設定情報の送信先リストには送信先の種別として「ストレージ」と「メール」が示されている。
【0088】
送信先の種別「ストレージ」に対する処理は上記した参加者「user001」と同様に行われ、生成したファイル保存先アドレス「suite.example.com/WeeklyMeeting」が指定された参加者「user002」の送信先として配布画面1030の送信先に追加される。
【0089】
また、送信先の種別「メール」に対する処理は以下のように行われる。配布先取得部40は指定された参加者「user002」の外部サービス設定ID「conect2b」に対応する外部サービス設定情報を外部サービス設定情報部20から取得する。配布先取得部40は、外部サービス設定ID「conect2b」の外部サービス設定情報の外部サービスの認証トークン「eyJhbGc12…」を使用して、アドレス情報「suite.example.com」のユーザサービス30から、外部サービスのユーザID「suite2」のユーザサービスアカウント情報を取得する。配布先取得部40は外部サービスのユーザID「suite2」のユーザサービスアカウント情報からメールアドレス「suite2@suite.example.com」を読み出し、指定された参加者「user002」の送信先として配布画面1030の送信先に追加する。
【0090】
さらに、配布先取得部40は指定された参加者「user002」のユーザサービスアカウント情報からメールアドレス「sato@intra.example.com」を読み出し、指定された参加者「user002」の送信先として配布画面1030の送信先に追加する。
【0091】
このように、
図17に示す送信先追加処理では、指定された参加者の配布先設定情報を取得し、送信先の種別(ストレージ、メールなど)ごとに、具体的な宛先(ファイル保存先アドレス、メールアドレス)が一括配布部42に返される。
【0092】
図16のステップS36では、例えば
図18に示す手順で全送信実行処理を行う。
図18は全送信実行処理の一例のフローチャートである。
図18の全送信実行処理では
図17の送信先追加処理の結果に従って、参加者と対応付いた送信先に、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを配布する。
【0093】
一括配布部42は
図17の送信先追加処理の結果として配布画面1030の送信先に含まれている全てのファイル保存先アドレスに対してステップS51~S54の処理を繰り返す。ステップS52に進み、一括配布部42は未処理のファイル保存先アドレスに対応する外部サービス設定情報の外部サービスの認証トークンで外部サービス群システム12のストレージサービス32に接続する。ステップS53に進み、一括配布部42は接続したストレージサービス32に、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを、ステップS35で設定されたファイル名で保存する。
【0094】
図17の送信先追加処理の結果として配布画面1030の送信先に含まれている全てのファイル保存先アドレスに対する画像データの保存が終了したあと、一括配布部42はステップS55に進む。一括配布部42は
図17の送信先追加処理の結果として配布画面1030の送信先に含まれている全てのメールアドレスに対してステップS55~S57の処理を繰り返すことで、電子黒板装置14が表示している内容の画像データを送信する電子メールの宛先(To)にメールアドレスを追加する。ステップS58に進み、一括配布部42は配布画面1030の送信先に含まれている全てのメールアドレスが宛先として追加された、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを、ステップS35で設定されたファイル名で送信する電子メールを送信する。
【0095】
このように、
図18に示す全送信実行処理では、参加者ごとに異なる外部サービス群システム12のストレージサービス32のファイル保存先へのファイル保存、及び、メールサービス34のメールアドレスへのファイル送信を一括して行うことができる。
【0096】
以上、第1の実施形態によれば、会議への参加者へ電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを配布する場合に、利用のための設定がユーザごとに必要な外部サービス群システム12のストレージサービス32及びメールサービス34を選択する手間を軽減できる。また、第1の実施形態によれば、会議への参加者へ電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルを配布する場合に、配布するファイルの内容が分かり易いファイル名を容易に設定できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態ではユーザ情報一覧の外部サービス設定IDが参加者ごとに1つずつ設定されている例を示した。第2の実施形態ではユーザ情報一覧の外部サービス設定IDが2つ設定された参加者の例を説明する。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、同一部分についての説明を適宜省略する。
【0097】
ここではユーザID「user002」の参加者が、外部サービス群システム12Bのユーザサービスアカウント情報に加えて、外部サービス群システム12Aのユーザサービスアカウント情報を持つ例を説明する。
図19は第2の実施形態に係るユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
図20は第2の実施形態に係るユーザ情報一覧の一例の構成図である。
図21は第2の実施形態に係る外部サービス設定情報の一例の構成図である。
【0098】
図19のユーザサービスアカウント情報は、ユーザID「user002」の参加者のユーザサービスアカウント情報が
図5のユーザサービスアカウント情報に追加された例を示している。
図20のユーザ情報一覧は、ユーザID「user002」の参加者の外部サービス設定ID「connect2a」が
図7のユーザ情報一覧に追加された例を示している。
図21の外部サービス設定情報は、ユーザID「user002」の参加者の外部サービス設定情報が
図8の外部サービス設定情報に追加された例を示している。
【0099】
図20のユーザ情報一覧の例ではユーザID「user002」の参加者の外部サービス設定IDとして二つの外部サービス設定ID「connect2a」及び「connect2b」が設定されている。したがって、第2の実施形態ではユーザID「user002」の参加者の送信先として、第1の実施形態の参加者の送信先に加えて、外部サービス群システム12Bのストレージサービス32及びメールサービス34が選択される。
【0100】
第2の実施形態では例えば配布画面1030に表示された送信先から、ステップS36の全送信実行処理の対象とする送信先を
図22の配布画面1030のように選択できるようにしてもよい。
【0101】
図22は第2の実施形態に係る配布画面の一例のイメージ図である。
図22の配布画面1030は送信先の前のマーク「■」が全送信実行処理の対象とする送信先を表し、そのマークをタップなどによりマーク「□」に変化させることで全送信実行処理の対象とする送信先から外すことができるようにしてもよい。
【0102】
図22の配布画面1030には、参加者ごとの送信先と、配布するファイルのファイル名の選択肢(ファイル名候補)1034と、選択肢1034から選択したファイル名を編集するためのテキストボックス1036と、送信ボタン1032とが表示されている。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態で示した外部サービス群システム12にはスケジュールサービスを有するものがある。スケジュールサービスはユーザの行動予定や会議予定を管理するものである。このようなスケジュールサービスは会議予定の情報として会議の予定出席者の情報などを有している。そこで、第3の実施形態では外部サービス群システム12のスケジュールサービスに会議の予定出席者を設定しておき、その予定出席者を全送信実行処理の対象とする。
【0103】
図23は第3の実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図23の機能構成は
図4の機能構成にスケジュールサービス36と会議予定設定部50とが追加された構成である。スケジュールサービス36は、外部サービス群システム12Aに追加されている。また、会議予定設定部50は電子黒板装置14に追加されている。
【0104】
スケジュールサービス36は例えば
図24に示すようなスケジュールサービス予定情報を保存している。
図24は第3の実施形態に係るスケジュールサービス予定情報の一例の構成図である。
図24に示すようにスケジュールサービス36は、スケジュールサービス予定情報として、予定ID、予定名、予定種別、所有者ユーザ、開始時刻と期間、予定出席者及び添付ファイルを保存する。
図24に示すスケジュールサービス予定情報は予定種別によりユーザの行動予定の情報と会議予定の情報とを区別できる。
【0105】
電子黒板装置14の会議予定設定部50は会議予定を設定するユーザインタフェースを持ち、外部サービス群システム12のスケジュールサービス36と通信し、予定種別が会議のスケジュールサービス予定情報を表示し、ユーザに選択させる。
【0106】
処理の概略として、会議予定設定部50は会議の開始後、最初に検出した参加者を主催者とみなし、その参加者が所有者ユーザ、且つ、予定種別が会議のスケジュールサービス予定情報に基づき、会議の予定一覧をユーザに掲示する。ユーザが会議の予定一覧から会議を選ぶと、電子黒板装置14は、スケジュールサービス予定情報に基づき、会議の添付ファイルを読み出し、表示する。さらに、参加者管理部44は、会議の予定出席者を、操作パネル1000の参加者一覧1002に追加する。また、会議予定設定部50はユーザが会議の予定一覧から会議を選ぶと、会議の予定名と添付ファイルのファイル名とを一括配布部42に通知する。
【0107】
参加者が複数の外部サービス設定情報を持つ場合、一括配布部42は、その会議の会議予定の情報が設定されていたスケジュールサービス36と同じ外部サービス群システム12Aのストレージサービス32とメールサービス34とを送信先として配布画面1030に優先して表示する。このようにすることで、第3の実施形態では、ステップS36の全送信実行処理の対象とする送信先を選択する手間を軽減できる。
【0108】
図25は、第3の実施形態に係る会議予定を設定する処理の一例のフローチャートである。
図25の会議予定を設定する処理は、会議予定設定部50が最初の参加者を検出した場合に、その参加者が所有者ユーザのスケジュールサービス予定情報に基づき、会議の予定一覧をユーザに掲示し、ユーザからの選択をもとに、ステップS36の全送信実行処理の対象とする送信先を選択する処理手順を示している。
【0109】
ステップS61において会議予定設定部50は、最初に検出した参加者が所有者ユーザであり、且つ、予定種別が会議のスケジュールサービス予定情報に基づき、会議の予定一覧を外部サービス群システム12Aのスケジュールサービス36から取得する。会議の予定が無ければ、会議予定設定部50はステップS63~S65をスキップして
図25のフローチャートの処理を終了する。
【0110】
会議の予定があれば、会議予定設定部50はステップS63に進み、例えば
図28に示す予定一覧画面1040を表示し、ユーザに会議の予定を選択させる。
図28は第3の実施形態に係る予定一覧画面の一例のイメージ図である。なお、ここではユーザに会議の予定を選択させる例を説明したが、スケジュールサービス予定情報の開始時刻と期間を利用することで、直近の会議の予定を自動的に選択してもよい。
【0111】
ステップS64に進み、会議予定設定部50はユーザにより選択された会議の予定出席者を参加者管理部44に通知し、参加者管理情報一覧に追加させる。また、会議予定設定部50はユーザにより選択された会議の予定名を一括配布部42に通知する。
【0112】
そしてステップS65に進み、会議予定設定部50はユーザにより選択された会議の予定の添付ファイルを読み出し、表示する。また、会議予定設定部50は会議の予定の添付ファイルのファイル名を一括配布部42に通知する。
【0113】
図25のステップS64では、例えば
図26に示す手順により、予定出席者追加処理を行う。
図26は予定出席者を追加する処理の一例のフローチャートである。ステップS71において参加者管理部44は最初に検出された参加者(現在の参加者)の外部サービス設定情報を外部サービス設定情報部20に照会する。
【0114】
ステップS72に進み、参加者管理部44はユーザにより選択された会議の予定出席者から、現在の参加者のユーザIDと一致するものを除外する。ステップS73に進み、参加者管理部44は会議の予定出席者の外部サービスのユーザIDに対応するユーザ情報をユーザ情報部22に問い合わせる。
【0115】
外部サービスのユーザIDに対応するユーザ情報があればステップS75に進み、参加者管理部44は、予定出席者のユーザID、及び、外部サービス設定情報(外部サービス群システム12のアドレス情報、外部サービスのユーザID)を、
図29の参加者管理情報一覧に追加する。外部サービスのユーザIDに対応するユーザ情報がなければステップS76に進み、会議の予定出席者の外部サービスのユーザID及びメールアドレスを
図29の参加者管理情報一覧に追加する。
図29は第3の実施形態に係る参加者管理情報一覧の一例の構成図である。
【0116】
ここでは、
図24のスケジュールサービス予定情報、
図27のユーザサービスアカウント情報、
図29の参加者管理情報一覧を例として
図25及び
図26のフローチャートの処理を具体的に説明する。会議の主催者であるユーザID「user001」の参加者はICカード630により検出される。
【0117】
ここでは、
図7に示したユーザID「user001」のユーザ情報一覧、
図21に示した外部サービス設定ID「connect1a」の外部サービス設定情報、
図27に示すユーザID「office1」のユーザサービスアカウント情報を取得し、
図29に示した参加者管理部44の参加者管理情報一覧に最初の参加者としてユーザID「user001」のユーザが設定されたものとする。
図27は第3の実施形態に係るユーザサービスアカウント情報の一例の構成図である。
【0118】
会議予定設定部50は、最初に検出した参加者のユーザID「user001」及び外部サービス設定ID「connect1a」を参加者管理部44から受け取る。会議予定設定部50は、外部サービス設定ID「connect1a」の外部サービス設定情報に基づき、外部サービスの認証トークン「eyJhbGc11…」を使用して、アドレス情報「office.example.com」のスケジュールサービス36に接続することで、ユーザID「office1」が所有者ユーザとして設定されている予定ID「sch-1」のスケジュールサービス予定情報を取得する。
【0119】
会議予定設定部50は取得した予定ID「sch-1」のスケジュールサービス予定情報に基づき、
図28の予定一覧画面1040を表示し、予定一覧画面1040からユーザに会議の予定を選択させる。ユーザが
図28の予定一覧画面1040から会議を選択すると会議予定設定部50は外部サービス設定ID「connect1a」と予定出席者「office1、office2及びoffice3」とを通知する。
【0120】
参加者管理部44は参加者のユーザID「user001」に対応する外部サービス設定ID「connect1a」の外部サービス設定情報を調べる。その外部サービス設定情報の外部サービスのユーザIDが「office1」であるため、参加者管理部44は通知された予定出席者「office1、office2及びoffice3」から「office1」を削除する。
【0121】
このような処理を行うのは、予定出席者「office1」が参照している会議の予定の所有者であり、会議の予定の予定出席者を特定する前に、既にユーザの情報が特定されている為である。
【0122】
次に、参加者管理部44は残った予定出席者「office2及びoffice3」を特定するために、ユーザ情報サーバ装置10に問い合わせる。ユーザ情報サーバ装置10の外部サービス設定情報部20は
図21に示した外部サービス設定情報から外部サービスのユーザIDとして「office2」を有する外部サービス設定情報の外部サービス設定ID「connect2a」とユーザID「user002」を返す。
【0123】
なお、ユーザ情報サーバ装置10の外部サービス設定情報部20は
図21に示した外部サービス設定情報に、外部サービスのユーザIDとして「office3」を有する外部サービス設定情報が見つからないため、何も返さない。
【0124】
参加者管理部44は外部サービスのユーザID「office2」の問い合わせで得られた外部サービス設定ID「connect2a」とユーザID「user002」とを
図29の参加者管理情報一覧のように追加する。また、参加者管理部44は外部サービスのユーザID「office3」の問い合わせで何も得られなかった為、
図27のユーザサービスアカウント情報に設定されている外部サービス群システム12Aのメールサービス34のメールアドレス「office3@office.example.com」を
図29の参加者管理情報一覧のように追加する。
【0125】
図25の会議予定を設定する処理が終了した後の一括配布する処理において、参加者が複数の外部サービス設定情報を持つ場合は、利用したスケジュールサービス36を有する外部サービス群システム12の外部サービス群システムを優先して送信先に選択する。これによりユーザは関連性の薄い外部サービス群システムを送信先から外す手間を軽減できる。
【0126】
また、外部サービスのユーザID「office3」の問い合わせのように何も得られなかった場合は、外部サービス群システム12Aのメールサービス34のメールアドレスを送信先に利用することで、ユーザ情報部22に未登録のユーザも、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの配布対象となる。
【0127】
さらに、電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの送信先として、
図30の配布先設定情報の送信先リストに示すように、スケジュールサービス36を設定できるようにしてもよい。
【0128】
図30は第3の実施形態に係る配布先設定情報の一例の構成図である。送信先リストに設定されたスケジュールサービス36には、会議の予定一覧の追加情報として、例えば電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルが保存される。これにより、外部サービス群システム12のスケジュールサービス36を介して、例えば電子黒板装置14が表示している内容の画像のファイルの一括配布が容易となる。
【0129】
第3の実施形態では
図16の一括配布する処理手順のステップS32の処理を
図31及び
図32に示す処理手順に変更する。
図31は第3の実施形態に係る送信先追加処理の一例のフローチャートである。
図31のステップS85は
図32に示す処理手順となる。
図32は送信先種類に応じて送信先を追加する処理の一例のフローチャートである。
【0130】
図31に示す送信先追加処理は参加者管理情報一覧に含まれる、すべての参加者について行われる。ステップS81において、一括配布部42は例えば
図29の参加者管理情報一覧を参照し、指定された参加者のユーザIDが設定されているか判定する。指定された参加者のユーザIDが設定されていれば、一括配布部42はステップS82に進み、配布先取得部40に送信先追加処理を要求する。配布先取得部40は、指定された参加者の配布先設定情報を配布先設定情報部24から取得する。配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージやメールなどの送信先の種別について配布先取得部40はステップS82~S88の処理を繰り返す。
【0131】
ステップS83に進み、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージ、メール、スケジュールなどの送信先の種別に、未処理の送信先の種別があるか否かを判定する。また、配布先取得部40は未処理の外部サービス設定情報があるか否かを判定する。
【0132】
配布先取得部40は未処理の送信先の種別について、未処理の外部サービス設定情報ごとにステップS85~S87の処理を行う。ステップS85~S87の処理により、配布先取得部40は
図32に示す、送信先種類に応じて送信先を追加する処理を行う。配布先取得部40はステップS86において、処理中の外部サービス設定IDが、
図29の参加者管理情報一覧の外部サービス設定情報と同じなら、その送信先を選択済みにする。
【0133】
未処理の送信先の種別が無くなれば、配布先取得部40は
図31のフローチャートの処理を終了する。ステップS81において、指定された参加者のユーザIDが設定されていなければ、配布先取得部40は
図29の参加者管理情報一覧の外部サービスのメールアドレスを読み出し、メールアドレスを、指定された参加者の送信先として追加する。
【0134】
また、ステップS85の送信先種類に応じて送信先を追加する処理は
図32に示すように行われる。ステップS91において、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されているストレージ、メール又はスケジュールなどの送信先の種別がストレージであれば、ステップS92に進む。
【0135】
ステップS92において、配布先取得部40は指定された参加者の外部サービス設定情報のアドレス情報と、配布先設定情報のファイル保存先とにより、ファイル保存先アドレスを生成し、指定された参加者の送信先として追加する。
【0136】
ステップS91において、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されている送信先の種別がメールであればステップS93に進む。ステップS93において配布先取得部40は指定された参加者の外部サービス設定情報の外部サービスの認証トークンを使用し、ステップS94において、指定された参加者のユーザサービスアカウント情報をユーザサービス30から取得する。ステップS95に進み、配布先取得部40は取得したユーザサービスアカウント情報のメールアドレスを、指定された参加者の送信先として追加する。
【0137】
ステップS91において、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストに示されている送信先の種別がスケジュールであればステップS96に進む。ステップS96において、配布先取得部40は現在のスケジュールサービス予定情報を、指定された参加者の送信先として追加する。
【0138】
図16の一括配布する処理手順のステップS32の処理を
図31及び
図32に示す処理手順に変更することにより、
図20のユーザ情報一覧及び
図21の外部サービス設定情報のユーザID「user001」に対する送信先追加処理では、配布先取得部40が配布先設定ID「setting1」の配布先設定情報を取得する。また、配布先取得部40は取得した
図30の配布先設定ID「setting1」の配布先設定情報の送信先リストに含まれる「スケジュール」に対し、予定ID「sch-1」のスケジュールサービス予定情報を、配布画面1030の送信先に追加する。
【0139】
また、ユーザID「user002」に対する送信先追加処理では、配布先取得部40が配布先設定ID「setting2」の配布先設定情報を取得する。また、配布先取得部40は取得した
図30の配布先設定ID「setting2」の配布先設定情報の送信先リストのそれぞれの指定について、ユーザID「user002」と対応付く全ての外部サービス設定ID「connect2a」及び「connect2b」に対し、処理を行う。
【0140】
まず、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストの「ストレージ」の指定に対し、外部サービス設定ID「connect2a」の外部サービス設定情報から、ファイル保存先アドレス「office.example.com/WeeklyMeeting」を生成し、送信先として追加する。また、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストの「メール」の指定に対し、外部サービス設定ID「connect2a」の外部サービス設定情報を用いて外部サービス設定情報部20にメールアドレスの問い合わせを行う。外部サービス設定情報部20はユーザサービス30に問い合わせを行い、ユーザID「office2」のユーザサービスアカウント情報を取得する。配布先取得部40はユーザID「office2」のユーザサービスアカウント情報から得られたメールアドレス「office2@suite.example.com」を参加者「user002」の送信先として追加する。
【0141】
このとき、配布先取得部40は、処理中である外部サービス設定ID「connect2a」が、
図29の参加者管理情報一覧のユーザID「user002」の外部サービス設定情報「connect2a」と一致しているため、追加したファイル保存先とメール送信先を選択済みとする。
【0142】
また、配布先取得部40は配布先設定情報の送信先リストの「ストレージ」の指定に対し、外部サービス設定ID「connect2b」の外部サービス設定情報から、ファイル保存先アドレス「suite.example.com/WeeklyMeeting」を生成し、送信先として追加する。
【0143】
配布先取得部40は、配布先設定情報の送信先リストの「メール」の指定に対し、外部サービス設定ID「connect2b」の外部サービス設定情報を用いて外部サービス設定情報部20に、メールアドレスの問い合わせを行う。外部サービス設定情報部20はユーザサービス30に問い合わせを行い、ユーザID「suite2」のユーザサービスアカウント情報を取得する。配布先取得部40は、ユーザID「suite2」のユーザサービスアカウント情報から得られたメールアドレス「suite2@suite.example.com」を参加者「user002」の送信先として追加する。
【0144】
このとき、配布先取得部40は処理中である外部サービス設定ID「connect2b」が、
図29の参加者管理情報一覧のユーザID「user002」の外部サービス設定情報「connect2a」と一致していないため、追加したファイル保存先とメール送信先を選択済みとしない。また、配布先取得部40は、ユーザIDが「user002」のユーザ情報一覧に設定されているメールアドレス「sato@intra.example.com」も選択済みの送信先として追加する。
【0145】
参加者管理情報一覧の外部サービスのメールアドレス「Motoko<office3@office.example.com>」に対する送信先追加処理では、その参加者が
図20のユーザ情報一覧に含まれていないことから、配布先取得部40が配布先設定情報を取得せず、メールサービス34のメールアドレス「Motoko<office3@office.example.com>」を選択済みの送信先として追加する。
【0146】
この結果、生成される配布画面1030は
図33のようになる。
図33は第3の実施形態に係る配布画面の一例のイメージ図である。
図33の配布画面1030では選択済みの送信先が全送信実行処理の対象とする送信先として表示されるため、参加者ごとに最適な送信先が掲示される。また、
図33の配布画面1030には、参加者ごとの送信先と、配布するファイルのファイル名の選択肢(ファイル名候補)1034と、選択肢1034から選択したファイル名を編集するためのテキストボックス1036と、送信ボタン1032とが表示されている。例えば
図33では、予定名が「A社様打ち合わせ」であり、添付ファイル名が「a01.doc」である予定をスケジュールサービス36から読み込んだ例を示している。
【0147】
ここで、選択肢1034の生成にファイル名が使用されるファイルに関しては、必ずしもスケジュールサービス36における会議の予定の添付ファイルである必要はない。例えばスケジュールサービス36から予定名や参加者を取得してファイルをストレージサービス32から取得した場合には、ストレージサービス32から取得したファイルのファイル名とスケジュールサービス36から取得した予定名や参加者を組み合わせたファイル名を選択肢1034として提示してもよい。
【0148】
また、電子黒板装置14を利用するユーザが使用したサービス(ストレージサービス32、スケジュールサービス36)や機能(ファイル読込、スケジュール読込等)に応じて選択肢1034の生成方法を変更してもよい。
【0149】
例えばスケジュールサービス36のみ使用された場合にはスケジュール名や参加者の組み合わせの名前を選択肢1034として表示してもよい。ストレージサービス33のみを使用した場合には、ストレージサービス33から取得したファイルのファイル名を使用した名前を選択肢1034として表示してもよい。また、ストレージサービス33及びスケジュールサービス36を使用した場合には、ストレージサービス33から受信した情報とスケジュールサービス36から受信した情報及び日付などを組み合わせた名前を選択肢1034として表示してもよい。
【0150】
選択肢1034には、予定名+日付から生成した選択肢と、予定名+参加者の名+日付から生成した選択肢と、添付ファイル名+日付から生成した選択肢と、添付ファイル名+参加者の名+日付から生成した選択肢と、が表示されている。
【0151】
なお、選択肢1034の生成方法は様々考えられ、予定名と添付ファイル名と参加者の名との位置関係や、日付の有無など、任意に変更したものも利用できる。例えば
図33の配布画面1030では予定名又は添付ファイル名+一人の参加者の名+日付から生成した選択肢の例を示したが、予定名又は添付ファイル名+複数人の参加者の名+日付から生成した選択肢であってもよい。
【0152】
また、選択肢1034の表示ではなく、予定名又は添付ファイル名ボタンと、参加者名ボタンと、日付ボタンと、を準備してもよい。この場合、ユーザは押下したボタンに対応する予定名又は添付ファイル名、参加者の名、日付をテキストボックス1036に追加していき、配布するファイルのファイル名を生成できる。
【0153】
また、第3の実施形態に係る全送信実行処理は例えば
図34の手順で実行される。
図34は第3の実施形態に係る全送信実行処理の一例のフローチャートである。
図34に示した全送信実行処理はステップS104の処理が
図18のステップS51~S58の処理に相当する。
【0154】
各実施形態では(例えばステップS34、
図13、
図22、
図33等)ファイル名候補を各外部サービスから取得した情報に基づいて生成し、選択画面を表示している。生成する名前はファイル名に限らず、このファイルを送信する際の件名を各外部サービスから取得した情報に基づいて生成し、選択画面を表示しても良い。また、この件名を生成する場合でも実施形態1~3のすべての方法で件名を生成、表示することも可能である。
【0155】
予定ID「sch-1」のスケジュールサービス予定情報へのファイル保存の際は所ユーザ「office1」に対応する外部サービス設定ID「connect1a」の外部サービスの認証トークンを使用し、スケジュールサービス36に接続してファイル保存を行う。このようにすることで、電子黒板装置14が表示している内容の画像データの送信先に会議予定そのものを含めることができ、参加者間での共有が容易になる。
【0156】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、本実施形態で説明した情報処理システム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。なお、ICカード検出部48及び参加者管理部44は特許請求の範囲に記載したユーザ識別手段の一例である。ステップS34の処理を行う一括配布部42は選択肢生成手段の一例である。ステップS35の処理を行う一括配布部42は選択受付手段の一例である。ステップS36の処理を行う一括配布部42はファイル送信手段の一例である。ファイル読込部49及び会議予定設定部50は取得手段の一例である。
【0157】
電子黒板装置14が、表示している画像の画像データ(ファイル)であって、会議の参加者に対して一括配布するファイルは、識別された一人以上のユーザそれぞれの送信先に送信するファイルであって、情報処理装置で生成されたファイルの一例である。ファイル名及びファイルを送信する際の件名は、ファイルに関する識別情報の一例である。
【符号の説明】
【0158】
1 情報処理システム
10 ユーザ情報サーバ装置
12、12A、12B 外部サービス群システム
14 電子黒板装置
16 ネットワーク
20 外部サービス設定情報部
22 ユーザ情報部
24 配布先設定情報部
30 ユーザサービス
32 ストレージサービス
34 メールサービス
36 スケジュールサービス
40 配布先取得部
42 一括配布部
44 参加者管理部
46 書込表示部
48 ICカード検出部
49 ファイル読込部
50 会議予定設定部
1000 操作パネル
1002 参加者一覧
1003 ファイル読込ボタン
1004 一括配布ボタン
1030 配布画面
1032 送信ボタン
1034 ファイル名の選択肢
1036 テキストボックス
1040 予定一覧画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0159】