(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】アンテナ装置および通信装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/08 20060101AFI20220511BHJP
H01Q 7/04 20060101ALI20220511BHJP
H01P 11/00 20060101ALI20220511BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H01Q7/08
H01Q7/04
H01P11/00
H01Q1/24 B
(21)【出願番号】P 2020114616
(22)【出願日】2020-07-02
(62)【分割の表示】P 2016089926の分割
【原出願日】2016-04-27
【審査請求日】2020-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直広
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-187670(JP,A)
【文献】特開2011-018955(JP,A)
【文献】特開2008-131115(JP,A)
【文献】特開2009-038722(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0125528(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
H01P 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部と、
前記アンテナ部を内包する金属筐体と、を備え、
前記金属筐体には、第1の切欠き部および第3の切欠き部が形成されていて、
前記第1の切欠き部は、前記金属筐体の第1の外縁部から切り欠いて形成され、
前記第3の切欠き部は、前記第1の外縁部で接する前記金属筐体の
前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の側面の一部に形成されていて、
前記第3の切欠き部の前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の幅の長さは、前記第1の切欠き部
の前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の幅の長さより
長く形成されている、
アンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の切欠き部と前記第3の切欠き部は、連続して形成されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記金属筐体は、前記アンテナ部において磁性体に導線を巻きつけた方向に、前記第1の切欠き部と交差させて第2の切欠き部が形成されている、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記金属筐体は、前記第1の切欠き部が形成されている平面と前記第1の外縁部で接する切欠き部のない他の側面を有している、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のアンテナ装置と、
前記アンテナ装置に接続され、外部との通信を行う通信部と、
を備える、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置および通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NFC(Near Field Communication)やおサイフケータイ(登録商標)、小電力の無線給電等で利用されている近接型磁界結合方式の通信機能や給電機能が、携帯電話やスマートフォン、さらにはウェアラブル端末に内蔵されることにより普及してきている。
【0003】
これらの端末では、UX(user experience)を重視することで生活への溶け込みやすさを追求しており、デザインにこだわりを有する端末が多くなってきている。デザインが重視される際に、樹脂やプラスチックより金属の筐体が好まれる場合がある。
【0004】
また、上述のような端末の高機能化・小型化に伴い近接型磁界結合方式のアンテナの小型化も要求されている。アンテナの小型化にあたり、従来から使用されているループアンテナでは、周辺の金属影響を受けやすいため通信距離が短くなってしまう。これに対し、磁性体に導線を巻きつけたアンテナでは金属の影響を受けにくいため通信距離が伸びることが知られている。例えば、金属筐体を用いることで強度を保ちつつ、美観を損ねることのないアンテナ装置が開示されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のアンテナ装置では、背面にある面状導体を放射板として機能させることで金属影響を減少させているため、金属筐体に内包されたアンテナには対応できず、アンテナの特性が劣化してしまう。そこで、アンテナの特性を保つために、金属筐体を用いてもアンテナ部分を例えば樹脂等に変更することが考えられるが、そうすると、デザインの統一性を保てないとともに製造工数が増加してしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金属筐体によって内包された場合でも、アンテナの特性を劣化させることなく、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させないアンテナ装置および通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、アンテナ部と、前記アンテナ部を内包する金属筐体と、を備え、前記金属筐体には、第1の切欠き部および第3の切欠き部が形成されていて、前記第1の切欠き部は、前記金属筐体の第1の外縁部から切り欠いて形成され、前記第3の切欠き部は、前記第1の外縁部で接する前記金属筐体の前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の側面の一部に形成されていて、前記第3の切欠き部の前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の幅の長さは、前記第1の切欠き部の前記アンテナ部の長手方向に直交する方向の幅の長さより長く形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アンテナの特性を劣化させることなく、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、従来のアンテナ装置を示す図である。
【
図2】
図2は、従来のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
【
図3】
図3は、従来のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
【
図4】
図4は、従来のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
【
図16】
図16は、第3の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図17】
図17は、第4の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
【
図18】
図18は、第4の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
【
図19】
図19は、第4の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
【
図20】
図20は、第4の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、アンテナ装置および通信装置の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
NFC通信や無線給電などの磁界結合を利用した技術にはアンテナが必要となる。スマートフォンやウェアラブル端末ではデザインや耐久性の面から金属筐体を利用したいとの要望が多い。従来から使用されているループアンテナでは周辺の金属影響を受けやすいため、ループアンテナはアンテナ部分と金属が被ると極端に性能が悪化する。そこで、以下の実施形態では、磁性体に導線を巻きつけた細長型のスパイラルアンテナを使用する。この場合、アンテナを金属筐体の内部に配置したほうが実装や防水・防塵面から都合がいいが、金属筐体の内部にアンテナを配置すると、アンテナから発生する磁界が金属筐体の内側表面に溜まることで渦電流が発生してしまう。そうすると、その渦電流によって、アンテナから発生した磁界と反対方向の磁界が発生し、アンテナから発生した磁界が金属筐体の外側に放出されなくなり、アンテナの特性が劣化してしまう。本実施形態では、渦電流が発生することによるアンテナの特性の劣化を回避するアンテナ装置について説明するが、以下では、まず、
図1~4を参照して従来のアンテナ装置について説明する。
【0012】
図1は、従来のアンテナ装置を示す図である。
図2は、従来のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
図1、2では、アンテナ装置1に対して、直交座標系であるXYZ座標系を定義している。
図1に示す従来のアンテナ装置1は、近接型の磁界結合方式のアンテナ装置であって、金属筐体10の内部に、磁性体21と導線22とからなるアンテナ部20が配置されている。
【0013】
磁界結合型のアンテナ装置とは、特定の周波数の電波と共振を起こすことによって電波の送信又は受信を行う共振型のアンテナ装置とは異なり、通信相手となるアンテナ装置が発生する磁束と磁気的に結合することによって通信を行うものである。このため、共振型のアンテナ装置の通信距離が数メートルから数キロメートル以上であるのに対して、磁界結合型のアンテナ装置の通信距離は、例えば、1メートル以下程度である。
【0014】
つまり、磁界結合型のアンテナ装置は、近距離通信あるいは近接通信用のアンテナ装置である。アンテナ装置は、例えば、周波数が13.56MHzの信号の送信または受信を行う。
【0015】
磁性体21は、板状の直方体状の焼結フェライトであり、例えば、短手方向(Y軸方向)の長さが5mm、長手方向(X軸方向)の長さが28mmとなっている。なお、このような磁性体21のサイズは一例であって、例えば、短手方向(Y軸方向)の長さ、長手方向(X軸方向)の長さ、厚さ(Z軸方向)が均等な立方体であってもよい。
【0016】
磁性体21は、アンテナ部20を実装する空間のサイズや形状等に応じ、かつアンテナ部20の特性上必要な通信範囲に応じた形状として任意に定めることができる。また、磁性体21は、焼結フェライトに限られるものではなく、いわゆる強磁性体であれば、鉄、ニッケル、マンガン、亜鉛、またはこれらの合金を用いてもよい。
【0017】
また、磁性体21は、可撓性を有するフレキシブルなシート状の部材(フレキシブルシート)であってもよく、装着する筐体の形状に合わせて形を自由に変えることができるものであってもよい。フレキシブルシートは、磁性粉末を樹脂に分散させてシート化した複合磁性体であってもよく、板状の磁性体21に保護部材が貼り付けられ、磁性体21が小片に分割されて可撓性を備えた複合磁性シートであってもよい。
【0018】
導線22は、磁性体21の短手方向(Y軸方向)に沿って巻きつけられたもの(コイル)である。導線22は、磁性体21に複数回巻き付けられており、本実施形態では、導線22の巻き数は30回(30TURN)となっている。導線22は、例えば、銅線を用いることができる。本実施形態のアンテナ装置100は、主にZ軸方向に放出される磁界によって通信や充電を行う。なお、本実施形態で示した導線22の巻き数や導線の間隔は一例であり、アンテナ部20のサイズ、すなわち磁性体のサイズが変更された場合などは、導線の巻き数や間隔を適宜設定することができる。導線22の両側の端部は、アンテナ部20を用いて通信を行う装置の通信部に接続される。そして、例えば、当該通信部が導線22に流す電流に起因してアンテナ部20から磁界が発生する。また、例えば、当該通信部によって外部装置との通信や充電を行う。
【0019】
金属筐体10は、
図1、2に示すように、内部に空間を有する金属の箱(筐体)であって、アンテナ部20を内包するものである。本実施形態の金属筐体10は、直方体形状であって、例えば、短手方向(Y軸方向)の長さが22mm、長手方向(X軸方向)の長さが30mm、厚さ(Z軸方向)が5mmとなっている。なお、金属筐体10の大きさ(長さ)は一例であり、アンテナ部20のサイズによって適宜変更することができる。
【0020】
本実施形態では、
図1に示すように、金属筐体10の中央にアンテナ部20が配置されている。すなわち、金属筐体10の長手方向および短手方向の中心にアンテナ部20の中心が配置され、金属筐体10の長手方向と同方向にアンテナ部20の磁性体21の長手方向が位置するように配置されている。
【0021】
図3は、従来のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
図3は、アンテナ装置1のY軸方向上の側面側から見た図、すなわち、
図1のA方向から見た図となっている。また、
図3のXYZ座標系の原点は、
図1の原点と同様である。
【0022】
図3のシミュレーションの結果では、アンテナ装置1の周囲の磁界強度の分布が示されている。
図3の左上のカラーバーでは、濃くなるほど磁界が強く、薄くなるほど磁界が弱くなっている。なお、実際のカラーバーは、色によって表示されており、例えば、赤に近づくほど磁界が強く、青に近づくほど磁界が弱くなるように表示されている。
【0023】
図3を参照すると、従来のアンテナ装置1では、アンテナ部20が金属筐体10の内部に配置され、金属筐体10の全ての面に囲まれているため、アンテナ装置1の外側には磁界がほとんど放出されていないことがわかる。
【0024】
図4は、従来のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
図4は、アンテナ装置1をZ軸方向上の上方から見た図、すなわち、
図1のB方向から見た図となっている。また、
図4のXYZ座標系の原点も、
図1の原点と同様である。
図4では、アンテナ部および金属筐体の符号は
図1を参照する。
【0025】
図4のシミュレーションの結果では、金属筐体10の上面10aの電流密度を見ると、アンテナ部20の端部近傍(
図4における磁性体21の上部11a辺りおよび下部11b辺り)に位置する金属筐体10の表面に電流の渦ができている。これが渦電流であって、磁界強度を減衰させる原因となっている。
【0026】
つまり、上述したように、全ての面に囲まれた金属筐体10にアンテナ部20を配置すると、アンテナ部20から発生する磁界が金属筐体の内側表面に溜まることで渦電流が発生してしまう。そうすると、その渦電流によって、アンテナ部20から発生した磁界(通信や充電に利用される磁界)と反対方向の磁界が発生し、アンテナ部20から発生した磁界が金属筐体10の外側に放出されなくなり、アンテナの特性が劣化してしまう。これに対し、以下の本実施形態では、金属筐体にスリットを形成することでアンテナ部から発生した磁界を金属筐体の外側に放出させることで渦電流を遮って、アンテナの特性を劣化させないアンテナ装置について説明する。
【0027】
次に、第1の実施形態のアンテナ装置100について説明する。
図5は、第1の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
図6は、第1の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
図5、6では、第1の実施形態のアンテナ装置100に対して、直交座標系であるXYZ座標系を定義している。
図5に示すアンテナ装置100は、従来のアンテナ装置1と同様に、近接型の磁界結合方式のアンテナ装置であって、金属筐体110の内部に、磁性体21と導線22とからなるアンテナ部20が配置されている。なお、アンテナ部20については、従来のアンテナ装置1と同様であるため説明を省略する。
【0028】
金属筐体110は、
図5、6に示すように、内部に空間を有する金属の箱(筐体)であって、アンテナ部20を内包するものである。金属筐体110は、直方体形状であって、例えば、短手方向(Y軸方向)の長さが22mm、長手方向(X軸方向)の長さが30mm、厚さ(Z軸方向)が5mmとなっている。なお、金属筐体10の大きさ(長さ)は一例であり、アンテナ部20のサイズによって適宜変更することができる。
【0029】
本実施形態では、
図5に示すように、金属筐体110の中央にアンテナ部20が配置されている。すなわち、金属筐体110の長手方向および短手方向の中心にアンテナ部20の中心が配置され、金属筐体110の長手方向と同方向にアンテナ部20の磁性体21の長手方向が位置するように配置されている。
【0030】
金属筐体110は、アンテナ部20から発生する磁界を通過させるように、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)にスリット111が形成されている。すなわち、
図5、6に示すように、スリット111は、磁性体21の上面(所定の面に相当)に対向する金属筐体110の平面(金属筐体110の上面110a)に、金属筐体110の外縁部121aからX軸方向に切り欠いて形成されている。さらに、スリット111は、外縁部121aから金属筐体110の側面110bを下方(Z軸方向)に向けて切り欠かれている。これにより、アンテナ部20から発生する磁界が金属筐体110の内側表面に溜まることなくZ軸方向に放出される。金属筐体110の上面110aにおけるスリット111は、例えば、長手方向(X軸方向)の長さが19mm、短手方向(Y軸方向)の長さが1mmとなっている。ここでは、外縁部121aが第1の外縁部に相当する。
【0031】
つまり、金属筐体110を上方(正のZ軸方向)および横方向(正のX軸方向)から見た場合に、スリット111からアンテナ部20の一部が見えることになる。上述した、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)が、導線に巻きつけた方向に交差する第1の方向に相当する。また、スリット111が第1の切欠き部の一例である。
【0032】
図7は、第1の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
図7は、アンテナ装置100のY軸方向上の側面側から見た図、すなわち、
図5のA方向から見た図となっている。また、
図7のXYZ座標系の原点は、
図5の原点と同様である。
【0033】
図7のシミュレーションの結果では、アンテナ装置100の周囲の磁界強度の分布が示されている。
図7の左上のカラーバーでは、
図3と同様に、濃くなるほど磁界が強く、薄くなるほど磁界が弱くなっている。
図7および
図3の磁界強度の分布を参照して、従来のアンテナ装置1と比較すると、アンテナ装置100では、スリット111を形成したため、磁界が金属筐体110の外側に出て広がっていることがわかる。
【0034】
図8は、第1の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
図8は、アンテナ装置100をZ軸方向上の上方から見た図、すなわち、
図5のB方向から見た図となっている。また、
図8のXYZ座標系の原点も、
図5の原点と同様である。
図8では、アンテナ部および金属筐体の符号は
図5を参照する。
【0035】
図8のシミュレーションの結果では、金属筐体110の上面110aの電流密度を見ると、スリット111が形成されている側のアンテナ部20の端部近傍(
図8における磁性体21の下部側)に位置する金属筐体110の表面では、渦電流がスリット111によって遮られていることがわかる。つまり、電流の流れが渦になっていないため、渦電流によるアンテナ部20の特性の劣化を回避することができる。
【0036】
このように、本実施形態のアンテナ装置100は、金属筐体110を切り欠いてスリット111を形成することにより、金属筐体110に内包された場合でも、アンテナ部20から発生する磁界を金属筐体110の外側に通過させることができる。これにより、金属筐体110の内側表面に溜まる磁界によって発生する渦電流のループを小分けにして、渦電流を遮ることができる。このため、アンテナ部20の特性を劣化させることがなく、金属で製造された金属筐体110を用いることができ、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させることがない。
【0037】
(第2の実施形態)
第1の実施形態のアンテナ装置では、金属筐体の上面に、外縁部からX軸方向に切り欠いたスリットが形成された構成となっていた。これに対し、本実施形態のアンテナ装置は、金属筐体の上面において、さらにY軸方向に切り欠いたスリットが形成されている構成となっている。
【0038】
図9は、第2の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
図10は、第2の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
図9、10では、第2の実施形態のアンテナ装置200に対して、直交座標系であるXYZ座標系を定義している。
図9に示すアンテナ装置200は、従来のアンテナ装置1と同様に、近接型の磁界結合方式のアンテナ装置であって、金属筐体210の内部に、磁性体21と導線22とからなるアンテナ部20が配置されている。なお、アンテナ部20については、従来のアンテナ装置1と同様であるため説明を省略する。
【0039】
金属筐体210は、
図9、10に示すように、内部に空間を有する金属の箱(筐体)であって、アンテナ部20を内包するものである。金属筐体210は、直方体形状であって、各辺の長さ(短手方向(Y軸方向)、長手方向(X軸方向)、および厚さ(Z軸方向))は、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。また、金属筐体210に対してアンテナ部20が配置される位置についても、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。
【0040】
金属筐体210は、アンテナ部20から発生する磁界を通過させるように、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)にスリット211が形成されている。すなわち、
図9、10に示すように、スリット211は、磁性体21の上面(所定の面に相当)に対向する金属筐体210の平面(金属筐体210の上面210a)に、金属筐体210の外縁部221aからX軸方向に切り欠いて形成されている。さらに、スリット211は、外縁部221aから金属筐体210の側面210bを下方(Z軸方向)に向けて切り欠かれている。これにより、アンテナ部20から発生する磁界が金属筐体210の内側表面に溜まることなくZ軸方向に放出される。金属筐体210の上面210aにおけるスリット211は、例えば、長手方向(X軸方向)の長さが19mm、短手方向(Y軸方向)の長さが1mmとなっている。ここでは、外縁部221aが第1の外縁部に相当する。
【0041】
また、金属筐体210は、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)に、スリット211と直交(交差)させてスリット212が形成されている。すなわち、
図9、10に示すように、スリット212は、磁性体21の上面に対向する金属筐体210の平面(上面210a)に、金属筐体210の外縁部221bから、対向する外縁部221cまでをY軸方向に切り欠いて形成されている。さらに、スリット212は、外縁部221bから金属筐体210の側面210cを下方(Z軸方向)に向けて切り欠かれ、外縁部221cから金属筐体210の側面210dを下方(Z軸方向)に向けて切り欠かれている。金属筐体210の上面210aにおけるスリット212は、例えば、長手方向(X軸方向)の長さが1mm、短手方向(Y軸方向)の長さが、金属筐体210のY軸方向の長さと同様の22mmとなっている。
【0042】
つまり、金属筐体210は、スリット211、212によって十字形のスリットが切り欠かれており、上方(正のZ軸方向)および横方向(正のX軸方向、正負のY軸方向)から見た場合に、スリット211、212からアンテナ部20の一部が見えることになる。なお、上述した、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)が、導線に巻きつけた方向に交差する第1の方向に相当する。また、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)が、第1の方向と交差する第2の方向に相当する。また、スリット211が第1の切欠き部の一例で、スリット212が第2の切欠き部の一例である。
【0043】
図11は、第2の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
図11は、アンテナ装置200のY軸方向上の側面側から見た図、すなわち、
図9のA方向から見た図となっている。また、
図11のXYZ座標系の原点は、
図9の原点と同様である。
【0044】
図11のシミュレーションの結果では、アンテナ装置200の周囲の磁界強度の分布が示されている。
図11の左上のカラーバーでは、
図3と同様に、濃くなるほど磁界が強く、薄くなるほど磁界が弱くなっている。
図11および
図3の磁界強度の分布を参照して、従来のアンテナ装置1と比較すると、アンテナ装置200では、スリット211、212を形成したため、磁界が金属筐体210の外側に出て広がっていることがわかる。また、
図11および
図7の磁界強度の分布を参照して、第1の実施形態のアンテナ装置100と比較すると、アンテナ装置200では、スリットを十字形に切り欠いたため、磁界が金属筐体210のより外側に出て、アンテナ装置100の磁界よりも広がっていることがわかる。
【0045】
図12は、第2の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
図12は、アンテナ装置200をZ軸方向上の上方から見た図、すなわち、
図9のB方向から見た図となっている。また、
図12のXYZ座標系の原点も、
図9の原点と同様である。
図12では、アンテナ部および金属筐体の符号は
図9を参照する。
【0046】
図12のシミュレーションの結果では、金属筐体210の上面210aの電流密度を見ると、スリット211が形成されている側のアンテナ部20の端部近傍(
図12における磁性体21の下部側)に位置する金属筐体210の表面では、渦電流がスリット211によって遮られていることがわかる。また、金属筐体210の上面210aにスリット212が形成されているため、金属筐体210のY軸方向の電流もスリット212によって遮られている。従って、金属筐体210の上面210aの渦電流のループが寸断される量が第1の実施形態のアンテナ装置100より大きくなる。つまり、電流の流れが渦になっていないため、渦電流によるアンテナ部20の特性の劣化を回避することができる。
【0047】
このように、本実施形態のアンテナ装置200は、金属筐体210を切り欠いてスリット211、212を形成することにより、金属筐体210に内包された場合でも、アンテナ部20から発生する磁界を金属筐体210の外側に通過させることができる。これにより、金属筐体210に内側表面に溜まる磁界によって発生する渦電流のループを小分けにして、渦電流を遮ることができる。このため、アンテナ部20の特性を劣化させることがなく、金属で製造された金属筐体210を用いることができ、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させることがない。
【0048】
(第3の実施形態)
第1の実施形態のアンテナ装置では、金属筐体の上面に、外縁部からX軸方向に切り欠いたスリットが形成された構成となっていた。これに対し、本実施形態のアンテナ装置は、さらに、金属筐体の側面を有していない(取り外した)構成となっている。
【0049】
図13は、第3の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
図14は、第3の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
図13、14では、第3の実施形態のアンテナ装置300に対して、直交座標系であるXYZ座標系を定義している。
図13に示すアンテナ装置300は、従来のアンテナ装置1と同様に、近接型の磁界結合方式のアンテナ装置であって、金属筐体310の内部に、磁性体21と導線22とからなるアンテナ部20が配置されている。なお、アンテナ部20については、従来のアンテナ装置1と同様であるため説明を省略する。
【0050】
金属筐体310は、
図13、14に示すように、内部に空間を有する金属の箱(筐体)であって、アンテナ部20を内包するものである。金属筐体310は、直方体形状であって、各辺の長さ(短手方向(Y軸方向)、長手方向(X軸方向)、および厚さ(Z軸方向))は、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。また、金属筐体210に対してアンテナ部20が配置される位置についても、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。
【0051】
金属筐体310は、アンテナ部20から発生する磁界を通過させるように、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)にスリット311が形成されている。すなわち、
図13、14に示すように、スリット311は、磁性体21の上面(所定の面に相当)に対向する金属筐体310の平面(金属筐体310の上面310a)に、金属筐体310の外縁部321aからX軸方向に切り欠いて形成されている。これにより、アンテナ部20から発生する磁界が金属筐体310の内側表面に溜まることなくZ軸方向に放出される。そして、金属筐体310は、スリット311が形成されている上面310aと外縁部321aで接する側面を有していない(
図13、14における符号312により位置を示している)。金属筐体310の上面310aにおけるスリット311は、例えば、長手方向(X軸方向)の長さが19mm、短手方向(Y軸方向)の長さが1mmとなっている。ここでは、外縁部321aが第1の外縁部に相当する。
【0052】
つまり、金属筐体310は、スリット311および側面を抜き取ったことによってT字形のスリットが切り欠かれており、上方(正のZ軸方向)から見た場合に、スリット311からアンテナ部20の一部が見えることになる。また、金属筐体310の横方向(正のX軸方向)から見た場合、側面を有していないため、アンテナ部20の側面が全て見えることになる。なお、上述した、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)が、導線に巻きつけた方向に交差する第1の方向に相当する。また、スリット311が第1の切欠き部の一例である。
【0053】
図15は、第3の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
図15は、アンテナ装置300のY軸方向上の側面側から見た図、すなわち、
図13のA方向から見た図となっている。また、
図15のXYZ座標系の原点は、
図13の原点と同様である。
【0054】
図15のシミュレーションの結果では、アンテナ装置300の周囲の磁界強度の分布が示されている。
図13の左上のカラーバーでは、
図3と同様に、濃くなるほど磁界が強く、薄くなるほど磁界が弱くなっている。
図15および
図3の磁界強度の分布を参照して、従来のアンテナ装置1と比較すると、アンテナ装置300では、スリット311を形成するとともに側面を有していないため、磁界が金属筐体310の外側に出て広がっていることがわかる。また、
図15および
図7の磁界強度の分布を参照して、第1の実施形態のアンテナ装置100と比較すると、アンテナ装置300では、スリットをT字形に切り欠いたため(側面を取り除いたため)、より多くの磁界が金属筐体210のより外側に放出され、アンテナ装置100よりも磁界が広がっていることがわかる。
図15に示すように、特に、側面を有していない側(正のX軸方向)の金属筐体310から放出される磁界が広がっている。なお、第2の実施形態で形成された十字形のスリット211、212の場合とは磁界の広がり方が異なっている。
【0055】
図16は、第3の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
図16は、アンテナ装置300をZ軸方向上の上方から見た図、すなわち、
図13のB方向から見た図となっている。また、
図16のXYZ座標系の原点も、
図13の原点と同様である。
図16では、アンテナ部および金属筐体の符号は
図13を参照する。
【0056】
図16のシミュレーションの結果では、金属筐体310の上面310aの電流密度を見ると、スリット311が形成され、側面の取り除かれた側のアンテナ部20の端部近傍(
図16における磁性体21の下部側)に位置する金属筐体310の表面では、渦電流がスリット311によってより遮られていることがわかる。また、金属筐体310の上面310aの渦電流のループが寸断される量が第1の実施形態のアンテナ装置100より大きくなっている。つまり、電流の流れが渦になっていないため、渦電流によるアンテナ部20の特性の劣化を回避することができる。
【0057】
このように、本実施形態のアンテナ装置300は、金属筐体310を切り欠いてスリット311を形成するとともに側面を取り除くことにより、金属筐体310に内包された場合でも、アンテナ部20から発生する磁界を金属筐体310の外側に通過させることができる。これにより、金属筐体310の内側表面に溜まる磁界によって発生する渦電流のループを小分けにして、渦電流を遮ることができる。このため、アンテナ部20の特性を劣化させることがなく、金属で製造された金属筐体310を用いることができ、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させることがない。
【0058】
(第4の実施形態)
第1の実施形態のアンテナ装置では、金属筐体の上面に、外縁部からX軸方向に切り欠いたスリットが形成された構成となっていた。これに対し、本実施形態のアンテナ装置は、さらに、金属筐体の2つの側面にスリットが形成されている構成となっている。
【0059】
図17は、第4の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
図18は、第4の実施形態のアンテナ装置における金属筐体を示す図である。
図17、18では、第4の実施形態のアンテナ装置400に対して、直交座標系であるXYZ座標系を定義している。
図17に示すアンテナ装置400は、従来のアンテナ装置1と同様に、近接型の磁界結合方式のアンテナ装置であって、金属筐体410の内部に、磁性体21と導線22とからなるアンテナ部20が配置されている。なお、アンテナ部20については、従来のアンテナ装置1と同様であるため説明を省略する。
【0060】
金属筐体410は、
図17、18に示すように、内部に空間を有する金属の箱(筐体)であって、アンテナ部20を内包するものである。金属筐体410は、直方体形状であって、各辺の長さ(短手方向(Y軸方向)、長手方向(X軸方向)、および厚さ(Z軸方向))は、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。また、金属筐体410に対してアンテナ部20が配置される位置についても、第1の実施形態のアンテナ装置100と同様である。
【0061】
金属筐体410は、アンテナ部20から発生する磁界を通過させるように、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交方向(X軸方向)にスリット411が形成されている。すなわち、
図17、18に示すように、スリット411は、磁性体21の上面(所定の面に相当)に対向する金属筐体410の平面(金属筐体410の上面410a)に、金属筐体410の外縁部421aから、外縁部421aに対向する外縁部421bまでX軸方向に切り欠いて形成されている。そして、金属筐体410は、スリット411が形成されている上面410aと外縁部421aで接する側面410bにスリット412が形成され、上面410aと外縁部421bで接する側面410cにスリット413が形成されている。これにより、アンテナ部20から発生する磁界が金属筐体410の内側表面に溜まることなくZ軸方向に放出される。金属筐体410の上面410aにおけるスリット411は、例えば、長手方向(X軸方向)の長さが30mm、短手方向(Y軸方向)の長さが1mmとなっている。外縁部421aが第1の外縁部に相当し、外縁部421bが第2の外縁部に相当する。
【0062】
つまり、金属筐体410は、スリット411、スリット412、およびスリット413によってI字形のスリットが切り欠かれており、上方(正のZ軸方向)から見た場合に、スリット411からアンテナ部20の一部が見えることになる。また、金属筐体410の横方向(正負のX軸方向)から見た場合、スリット412およびスリット413からアンテナ部20の側面が全て見えることになる。なお、上述した、導線22を巻きつけた方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)が、導線に巻きつけた方向に交差する第1の方向に相当する。また、スリット411が第1の切欠き部の一例であり、スリット412が第3の切欠き部の一例であり、スリット413が第4の切欠き部の一例である。
【0063】
図19は、第4の実施形態のアンテナ装置の周囲における磁界シミュレーションの結果を示す図である。
図19は、アンテナ装置400のY軸方向上の側面側から見た図、すなわち、
図17のA方向から見た図となっている。また、
図19のXYZ座標系の原点は、
図17の原点と同様である。
【0064】
図19のシミュレーションの結果では、アンテナ装置400の周囲の磁界強度の分布が示されている。
図19の左上のカラーバーでは、
図3と同様に、濃くなるほど磁界が強く、薄くなるほど磁界が弱くなっている。
図19および
図3の磁界強度の分布を参照して、従来のアンテナ装置1と比較すると、アンテナ装置400では、スリット411、412、413を形成しているため、磁界が金属筐体410の外側に出て広がっていることがわかる。また、
図19および
図7の磁界強度の分布を参照して、第1の実施形態のアンテナ装置100と比較すると、アンテナ装置400では、スリットをI字形に切り欠いたため、より多くの磁界が金属筐体410のより外側に放出され、アンテナ装置100よりも磁界が広がっていることがわかる。
【0065】
図20は、第4の実施形態のアンテナ装置の周囲における電流密度のシミュレーション結果を示す図である。
図20は、アンテナ装置400をZ軸方向上の上方から見た図、すなわち、
図17のB方向から見た図となっている。また、
図20のXYZ座標系の原点も、
図17の原点と同様である。
【0066】
図20のシミュレーションの結果では、金属筐体410の上面410aの電流密度を見ると、スリット411が形成されているため、アンテナ部20の両端部近傍(
図20における磁性体21の上部側および下部側)に位置する金属筐体410の表面では、渦電流がスリット411によって遮られていることがわかる。さらに、金属筐体410の側面にもスリット412、413が形成されているため、金属筐体410の上面410aの渦電流のループが寸断される量が第1の実施形態のアンテナ装置100より大きくなっている。つまり、電流の流れが渦になっていないため、渦電流によるアンテナ部20の特性の劣化を回避することができる。
【0067】
このように、本実施形態のアンテナ装置400は、金属筐体410を切り欠いてスリット411、412、413を形成することにより、金属筐体410に内包された場合でも、アンテナ部20から発生する磁界を金属筐体410の外側に通過させることができる。これにより、金属筐体410の内側表面に溜まる磁界によって発生する渦電流のループを小分けにして、渦電流を遮ることができる。このため、アンテナ部20の特性を劣化させることがなく、金属で製造された金属筐体410を用いることができ、デザインの統一を保ちつつ製造工数を増加させることがない。
【符号の説明】
【0068】
1、100、200、300、400 アンテナ装置
10、110、210、310、410 金属筐体
20 アンテナ部
21 磁性体
22 導線
110a、210a、310a、410a 上面
110b、210b、210c、210d、410b、410c 側面
111、211、212、311、411、412、413 スリット
121a、221a、221b、221c、321a、421a、421b 外縁部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】