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特許7071260基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア
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  • 特許-基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア 図1
  • 特許-基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア 図2
  • 特許-基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア 図3
  • 特許-基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア 図4
  • 特許-基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-18
(54)【発明の名称】基板の能動的/受動的結合及び脱結合のための基板キャリア
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220511BHJP
   B23Q 3/15 20060101ALI20220511BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20220511BHJP
   B23Q 3/08 20060101ALN20220511BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 P
H01L21/68 R
B23Q3/15 D
B24B41/06 L
B23Q3/08 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018518634
(86)(22)【出願日】2016-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-08
(86)【国際出願番号】 US2016056623
(87)【国際公開番号】W WO2017066311
(87)【国際公開日】2017-04-20
【審査請求日】2019-10-07
(31)【優先権主張番号】62/240,489
(32)【優先日】2015-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, ジェン セルン
(72)【発明者】
【氏名】ティルナヴカラス, シリスカンタラジャ
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-211098(JP,A)
【文献】特開2009-253247(JP,A)
【文献】特開2009-147327(JP,A)
【文献】特開平05-047909(JP,A)
【文献】特開平11-309639(JP,A)
【文献】特開2014-200888(JP,A)
【文献】特開2001-239487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/677
B23Q 3/15
B24B 41/06
B23Q 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するための基板キャリアであって、
多孔性材料で形成されたディスクであって、当該ディスクが、中心軸の周囲で対称的に形成され、且つ実質的に平面状の上面及び露出した反対側の下面を画定し、前記多孔性材料が前記実質的に平面状の上面から前記露出した反対側の下面までにわたって存在する、ディスク、及び
前記実質的に平面状の上面に形成された、粘着性のある半多孔性表面コーティングであって、前記実質的に平面状の上面の外縁のみに形成されている半多孔性表面コーティング
を備えている基板キャリア。
【請求項2】
前記ディスクが、前記上面の前記外縁において形成された周縁段部を含み、前記半多孔性表面コーティングが前記上面と実質的に同一平面上になるように、前記半多孔性表面コーティングが前記周縁段部に配置される、請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項3】
前記半多孔性表面コーティングが、ポリジメチルシロキサンを含む、請求項1又は2に記載の基板キャリア。
【請求項4】
前記基板キャリアが、.7mmからmmの間の厚さを有する、請求項1又は2に記載の基板キャリア。
【請求項5】
前記多孔性材料が、炭化ケイ素を含む、請求項1又は2に記載の基板キャリア。
【請求項6】
基板を基板キャリアに結合又は基板キャリアから脱結合するための結合/脱結合システムであって、
前記基板キャリアを保持するために上面に形成されたポケットを有する剛性ベース、
前記ポケットにおいて形成された真空チャネル、及び
前記ポケット内の複数の領域であって、それぞれ複数の孔クラスタを有する複数の領域
を備えており、
前記基板キャリアが、
多孔性材料で形成されたディスクであって、当該ディスクが、中心軸の周囲で対称的に形成され、且つ実質的に平面状の上面及び露出した反対側の下面を画定し、前記多孔性材料が前記実質的に平面状の上面から前記露出した反対側の下面までにわたって存在する、ディスク、及び
前記実質的に平面状の上面に形成された、粘着性のある半多孔性表面コーティングであって、前記実質的に平面状の上面の外縁のみに形成されている半多孔性表面コーティング
を備えている、
結合/脱結合システム。
【請求項7】
前記複数の孔クラスタが、それぞれ、密封リングによって周囲環境から密封される、請求項6に記載の結合/脱結合システム。
【請求項8】
前記孔クラスタの各孔が、.2mmから.4mmの直径を有する、請求項6又は7に記載の結合/脱結合システム。
【請求項9】
各密封リング内の各クラスタが、隣接するクラスタから、mmからmm離れている、請求項6又は7に記載の結合/脱結合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体製造の分野に関し、より具体的には、基板処理手順における基板の取り扱いに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板キャリアは、1つ又は複数の基板を支持し、1つ又は複数の基板を処理チャンバ及び/又は他の装置の中で搬送且つ保持するように使用される。キャリアは、炭化ケイ素、ケイ素、炭化ケイ素被覆黒鉛などの材料から作られることが多く、それによりウエハの処理中に昇温状態で使用されることが可能となる。発明者らは、処理(例えば、バックグラインド工程)を経た基板を単純に脱結合する必要性を認めた。剛性キャリアに接着テープを用いる従来の結合アプローチでは、脱結合の間、基板への接着があまりにも強いため、基板に機械的応力がかかる場合がある。
【0003】
[0003]したがって、発明者らは、上述の1つ又は複数の欠点に対処するような改善された基板キャリアの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004]基板の能動的/受動的結合及び脱結合を可能にする基板キャリアの実施形態が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板を保持するための基板キャリアは、多孔性材料で形成されたディスクであって、中心軸の周囲で対称的に形成され、且つ実質的に平面状の上面を画定するディスクを含む。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、基板を保持するための基板キャリアは、露出した上面と、露出した下面と、基板をディスクに対してクランプするよう、真空チャックからの真空圧力をディスクの上面にある基板の裏側に送ることを可能にするために、上面から下面へと延びる複数の貫通孔とを有するディスクを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、基板を基板キャリアに結合又は基板キャリアから脱結合するための結合/脱結合システムは、基板キャリアを保持するために上面に形成されたポケットを有する剛性ベース、ポケットにおいて形成された真空チャネル、及びポケット内の複数の領域であって、それぞれ複数の孔クラスタ(孔群)を有する複数の領域を含む。
【0007】
[0007]例示的な実施形態の他の及びさらなる態様、特徴、及び利点は、開示目的で提示される以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008]上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示した本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の例示的な実施形態のみを示しており、したがって、開示された発明原理の範囲を限定していると見なすべきではない。なぜなら、このような原理は、他の等しく有効な実施形態を許容し得るからである。
【0009】
図1】本開示の幾つかの実施形態に係る、基板キャリアとの使用に適した処理チャンバを示す。
図2】本開示の幾つかの実施形態に係る、基板支持ペデスタルの上に配置された基板キャリアの概略側面図である。
図3】本開示の幾つかの実施形態に係る、基板キャリアの上面図を示す。
図4】基準平面4-4’にわたって切り取られた、図3の基板キャリアの断面図を示す。
図5】本開示の幾つかの実施形態に係る、結合/脱結合システムの上面図を示す。
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用した。これらの図は、縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]能動的結合/脱結合のためのシステムの実施形態が本明細書で開示されている。本発明の基板キャリアは、例えばバックグラインドなどの処理の間に基板を確実に保持することを可能にし、その後、薄化された基板をツールから別のキャリアプラットフォームへとシームレスに移送させることを可能にし、有利には、移送中に基板にかかる機械的応力を最小限にし、ひいては、基板の潜在的損傷をも最小限にする。
【0012】
[0016]図1は、本開示の幾つかの実施形態に係る、基板の処理に適したシステム100を示す。幾つかの実施形態では、システム100は、基板バックグラインドシステムである。しかしながら、システム100は、代替的に、基板の改善された保持が望ましい任意の処理システムであってもよい。システム100は、コントローラ150及び処理チャンバ102を含み得る。例示的な処理チャンバには、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能なバックグラインドチャンバ(back-grinding chamber)が含まれ得る。他の適切な処理チャンバも同様に使用してよい。
【0013】
[0017]処理チャンバ102は、概して処理容積105を囲むチャンバ本体104及びチャンバ蓋体106を有する。処理容積105は、例えば、処理チャンバ102内に配置された基板支持ペデスタル108と基板支持ペデスタル108に対向して配置されたバックグラインド装置180との間で画定され得る。基板支持ペデスタル108は、基板バックグラインド作業の間、取り外し可能な基板キャリア115上に配置された基板110を支持するように構成されている。幾つかの実施形態では、基板支持ペデスタル108は、静電チャック、真空チャック、基板保持クランプ、又は同等物(図示せず)のような、基板支持ペデスタル108の表面の基板110及び基板キャリア115を保持又は支持する機構を含み得る。
【0014】
[0018]例えば、幾つかの実施形態では、基板支持ペデスタル108は、チャック電極140を含み得る。チャック電極140は、1つ又は複数の電源(1つの電源138を図示)に連結され得る。代替的に、基板支持ペデスタル108は、真空源136に連結された複数の真空チャネルを含み得る。基板キャリア115上に配置される基板110は、処理チャンバ102の壁にある開口112を通して、処理チャンバ102に入ることができる。開口112は、スリットバルブ118又は開口112を通してチャンバ内部へのアクセスを選択的にもたらすその他の機構により、選択的に密封され得る。基板支持ペデスタル108は、リフト機構134に連結され得る。リフト機構134は、開口112を通して基板をチャンバに出入りさせる基板の移送に適した下方位置(図示されているように)と、処理に適した選択可能な上方位置との間で、基板支持ペデスタル108の位置を制御することができる。
【0015】
[0019]幾つかの実施形態では、システム100は、処理チャンバ102の内部から過剰な処理ガス、処理副生成物、又は同等物を除去する排気システム120を含み得る。排気システム120は、概して、ポンピングプレナム124、及び、例えば、1つ又は複数の入口122(2つの入口が示されている)を通して、ポンピングプレナム124を処理チャンバ102の内部容積(及び概して、処理容積105)に連結する1つ又は複数の導管を含む。真空ポンプ128は、処理チャンバ102から排気ガスを送出するポンピングポート126を介して、ポンピングプレナム124に連結され得る。真空ポンプ128は、必要に応じて排気を適切な排気取扱い機器に送るために、排気出口132に流体連結され得る。真空ポンプ128の動作と共に排気ガスの流量の制御を助けるために、バルブ130(ゲートバルブ、又は同等物等)がポンピングプレナム124内に配置され得る。ここではz運動ゲートバルブが示されているが、排気の流量を制御する任意の適切な、処理に適合するバルブを使用してもよい。
【0016】
[0020]上述の処理チャンバ102の制御を促進するため、システムは、コントローラ150を含み得る。コントローラ150は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために産業用設定で使用できる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであり得る。CPU152のメモリ又はコンピュータ可読媒体156は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカルデジタルストレージ或いは遠隔デジタルストレージなどの、容易に入手可能なメモリのうちの1つ又は複数であり得る。サポート回路154は、従来の様態でプロセッサをサポートするためにCPU152に接続される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、及びサブシステムなどを含む。
【0017】
[0021]処理は、概して、ソフトウェアルーチン158としてメモリ156に記憶され得る。ソフトウェアルーチン158は、CPU152によって実行されると、処理チャンバ102に本開示の処理を実行させる。さらに、ソフトウェアルーチン158は、CPU152が制御するハードウェアから遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって記憶且つ/又は実行され得る。本開示の方法の幾つか又はすべてをハードウェアで実行することもできる。したがって、処理は、ソフトウエアに実装されてもよく、且つ、例えば、ハードウェア内のコンピュータシステムを特定用途向け集積回路或いは他の種類のハードウェア実装又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして使用して、処理が実行されてもよい。基板110が基板支持ペデスタル108上に位置付けされた後に、ソフトウェアルーチン158は実行され得る。ソフトウェアルーチン158は、CPU152によって実行されると、汎用コンピュータを、処理が実行されるようにチャンバ動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)150に変換する。
【0018】
[0022]図2は、基板110、及び基板支持ペデスタル108上に配置された基板キャリア115の概略側面図を示す。幾つかの実施形態では、基板キャリア115は、多孔性材料で形成されたディスクであって、中心軸205の周囲で対称的に形成され、且つ実質的に平面状の上面201を画定するディスクであり得る。基板キャリア115は、実質的に平面状の上面201を含む第1サイド、及び反対側の第2サイドを含む。幾つかの実施形態では、基板キャリア115の第2サイドは、基板キャリア115が、基板支持ペデスタル108上に位置付けされ、且つ、基板支持ペデスタル108から取り外されるように、実質的に平面状の露出した表面である。基板キャリア115は、多孔性材料から形成される。この多孔性材料は、基板110を基板キャリア115にクランプするために、負の真空圧力を真空チャック(例えば、基板支持ペデスタル108)から基板110の裏側に送るのに十分な多孔性を有する。真空圧力を基板110に送るのに十分な多孔性を有する例示的な材料には、炭化ケイ素が含まれ得る。しかしながら、似たような材料を代替的に使用してもよい。幾つかの実施形態では、キャリアは、例えば、約90%と100%との間の純度、約3.0kg/mと4kg/mとの間の密度、及び1未満の多孔度を有する窒化アルミニウムから形成されてもよい。幾つかの実施形態では、窒化アルミニウム製キャリアは、約97%の純度、及び約3.3kg/mの密度を有し得る。幾つかの実施形態では、基板キャリア115は、基板110の厚さの約1.25から約1.5倍の厚さを有する。例えば、基板キャリア115は、約0.7mmから約2mmの厚さを有し得る。
【0019】
[0023]幾つかの実施形態では、基板キャリア115及び基板110の移送中に基板110が動かないように、半多孔性表面コーティング202が、基板キャリア115の上面201に適用(例えば、噴射塗布)され、適度な接着力がもたらされ得る。表面コーティング202は、基板110が容易に動くことを防ぐ「粘着性」の表面を設ける。表面コーティング202は上面201全体を覆っているように示されているが、代替的に、表面コーティング202は上面201の外縁に限定される場合がある。表面コーティング202は、半多孔性材料から形成されており、それにより、基板を基板キャリア115に対してクランプするために、真空圧力を基板110の裏側に送ることが可能となる。適切な材料には、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が含まれる。しかしながら、同じ目的を達成するために、類似した材料を代替的に使用してもよい。
【0020】
[0024]バックグラインド処理の間、基板110が上部に配置された基板キャリア115は、基板支持ペデスタル108によって支持される。キャリアは、真空チャック(すなわち、基板支持ペデスタル108)がもたらす真空圧力の伝達を可能にし、それにより、基板110上で70kPaを上回るクランプ圧が生成される。処理が完了した後、移送装置は、開口112を通って延在し、基板キャリア115及び基板110を別の場所(例えば、別のチャンバ)に移送する。
【0021】
[0025]一般的な取扱い(すなわち、チャンバ間の基板キャリア115及び基板110の移動)においては、基板110は、非粘着性の接着剤として作用する表面コーティング202によって、基板キャリア115に受動的に接着し得る。幾つかの実施形態では、表面コーティング202が上面201とほぼ同一平面上に留まるように、基板キャリア115の外縁に周縁段部が形成され得る。表面コーティング202によって基板110が所定位置に十分に確実に保持されるように、基板キャリア115が真空チャック上に配置され、基板110が基板キャリア115の上に位置付けされ、基板110に適用された真空が基板110をキャリアに対してクランプさせ、且つ真空が解除される。クランプされている間、表面コーティング202が圧縮され、表面コーティング202と基板110の裏側との間に接触グリップが形成される。結果的に、基板110の一般的な取扱い/移送に十分な(すなわち、基板110の取扱い/移送の間に基板の運動を止めるのに十分な)機械的グリップにより、基板110がキャリアに受動的に接合される。
【0022】
[0026]図3は、本開示の幾つかの実施形態に係る、基板キャリア315の上面図を示す。図4は、基準平面4-4’に沿って切り取られた、基板キャリア315の断面図を示す。基板キャリア315は、露出した上面と、露出した下面と、基板をディスクに対してクランプするよう、真空チャックからの真空圧力をディスクの上面にある基板の裏側に送ることを可能にするために、上面から下面へと延びる複数の貫通孔302とを有するディスクである。基板キャリア315が真空チャックの上に位置付けされている間、貫通孔302は、負の真空圧力が基板の裏側に送られることを可能にし、それにより、基板が基板キャリア315にクランプされる。幾つかの実施形態では、(且つ図3で示されているように)複数の貫通孔302は、基板110の外縁位置において又はその近傍で円形に、且つ、基板キャリア315の中心に配置され得る。しかしながら、基板110を基板キャリア315にクランプすることを促進するように、複数の貫通孔302を他の構成で配置してもよい。幾つかの実施形態では、貫通孔302はそれぞれ約1mmの直径を有する。幾つかの実施形態では、基板キャリア315は、1つ又は複数の電極304を任意選択的に含んでもよい。1つ又は複数の電極304は、1つ又は複数の電極304を静電チャックに電気的に連結するリード306により、静電チャックに連結されたときに、基板に静電クランプ力を加える。このようにして、基板キャリア315は、有利には、真空チャックと静電チャックとの両方を使用することができる。
【0023】
[0027]図5は、本開示の幾つかの実施形態に係る、基板を基板キャリアに結合又は基板キャリアから脱結合するための結合/脱結合システム500を示す。結合/脱結合システム500は、基板キャリア115を保持するためのポケット504を有する剛性ベース502を含む。ベース内のガス式マニホールド(図示せず)は、基板キャリア115の種々の領域で、負圧と正圧のいずれかを、又はその両方を同時に、制御することを可能にする。
【0024】
[0028]脱結合の間、受動的に接合された基板が剛性ベースの上に置かれる。剛性ベース502のチャネル505を介して負の真空圧力が適用され、基板キャリア115が下方に押さえつけられる。正圧が選択領域506A、506B、506C、及び/又は506Dにおいて適用され、基板と基板キャリア115との間の界面にガスが排出される。図5に示す実施形態では、結合/脱結合システム500は、4つの領域506A,506B、506C、及び506Dを含む。しかしながら、上述の基板の結合及び脱結合を促進するために、任意の数の領域を代替的に使用してもよい。各領域は、密封リング508によって周囲環境から密封される複数の孔クラスタ510を含む。幾つかの実施形態では、孔クラスタ510の各孔は、約0.2mmから約0.4mmの直径を有し得る。幾つかの実施形態では、各密封リング508内の各クラスタは、隣接するクラスタから、約2mmから約3mm離れている。幾つかの実施形態では、各密封リング508内の各クラスタは、隣接するクラスタから、約2.5mm離れている。基板が脱結合する間にキャリアがポケット504において確実に留まるように、キャリアに送られる全体的な負圧は、キャリアに加えられる正圧を上回る。表面コーティング202と基板110との間の受動的結合が強くないため、圧力の反転は、最小限の応力で基板110を脱結合する。
【0025】
[0029]代替的に、接合された基板は、負圧によって剛性ベースに固定され得る。その後、真空/静電ワンド移送アーム(vacuum/electrostatic wand transfer arm)が基板の上面に置かれる。真空結合又は静電結合のいずれかが基板と移送アームとの間で開始され、結果的に、基板110と基板キャリア115の積層体の両側がクランプされる(すなわち、キャリア側に負圧が加えられ、基板側に負圧/静電力が加えられる)。最後に、基板110を基板キャリア115から脱結合するために、正圧ガスパージが選択領域において剛性ベース及び基板キャリア115を通して排出される。結果的に、最小限の機械的応力で基板110を基板キャリア115から有利に、容易に分離することができる。
【0026】
[0030]上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態を考案してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5