(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-10
(45)【発行日】2022-05-19
(54)【発明の名称】複合材粒子、その精製方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20220511BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20220511BHJP
C01B 33/18 20060101ALI20220511BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20220511BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C01B33/18
C09G1/02
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
(21)【出願番号】P 2020132988
(22)【出願日】2020-08-05
(62)【分割の表示】P 2018202007の分割
【原出願日】2018-10-26
【審査請求日】2020-08-05
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ディー ローズ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ ピー.ムレッラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ホーンジュン
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-190450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200944(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0083188(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C01B 33/18
C09G 1/02
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
(1)
シリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、そして平均粒子サイズ150nm未満のセリア被覆シリカ粒子である、複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.5の粒子サイズ分布を有し、
D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、
前記複合材粒子は、粒子サイズ分布プロットにおいて複数のピークを有し、
(2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
(3)CMP
研磨組成物のpH
は2~12の範囲にあり、
及び、場合により、
(4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%
~5wt%、
(5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミドカルボン酸(amid carboxylic acids)、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%~5wt%、
(6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%
~10wt%、
(7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
(8)腐食防止剤、
(9)酸化剤、及び、
(10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
【請求項2】
前記複合材粒子は、20nm~200nmのD50を有する、請求項1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
【請求項3】
前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、請求項1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
【請求項4】
CMP研磨組成物は、
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
【請求項5】
CMP研磨組成物は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材の化学機械的平坦化(CMP)のための研磨方法であって、
a)少なくとも1つの酸化物層を研磨パッドと接触させること、
b)化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
1)
シリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、そして平均粒子サイズ150nm未満のセリア被覆シリカ粒子である、複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.5の粒子サイズ分布を有し、
D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、
前記複合材粒子は、粒子サイズ分布プロットにおいて複数のピークを有し、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP
研磨組成物のpH
は2~12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%
~5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学添加剤0.000001wt%~5wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%
~10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物を送達させること、及び、
c)前記少なくとも1つの酸化物層を前記CMP研磨組成物で研磨すること、
の工程を含む、方法。
【請求項7】
前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、請求項
6記載の研磨方法。
【請求項8】
前記CMP研磨組成物は、
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項
6記載の研磨方法。
【請求項9】
前記CMP研磨組成物は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項
6記載の研磨方法。
【請求項10】
TEOSの除去速度/高密度プラズマ(HDP)二酸化ケイ素フィルムの除去速度の比は<1である、請求項
6記載の研磨方法。
【請求項11】
化学的機械平坦化のためのシステムであって、
少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材、
研磨パッド、及び、
CMP研磨組成物であって、
1)
シリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、そして平均粒子サイズ150nm未満のセリア被覆シリカ粒子である、複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.5の粒子サイズ分布を有し、
D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、
前記複合材粒子は、粒子サイズ分布プロットにおいて複数のピークを有し、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP
研磨組成物のpH
は2~12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%
~5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%~5.0wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%
~10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、CMP研磨組成物、
を含み、
ここで、前記少なくとも1つの酸化物層は前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、システム。
【請求項12】
前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、請求項
11記載の化学機械平坦化システム。
【請求項13】
前記CMP研磨組成物は、
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項
11記載の化学機械平坦化のためのシステム。
【請求項14】
前記CMP研磨組成物はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する
前記セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、請求項
11記載の化学機械平坦化のためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2017年10月27日に出願された米国仮出願第62/577,978号の優先権の利益を主張し、参照によりその全体を本明細書中に取り込む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
化学機械平坦化(CMP)研磨組成物(CMPスラリー、CMP組成物又はCMP配合物は互換的に使用される)は、半導体デバイスの製造に使用される。本発明は、酸化ケイ素材料を含むパターン化半導体ウエハを研磨するのに特に適した精製複合材粒子(研磨粒子として使用される)を含む研磨組成物に関する。
【0003】
酸化ケイ素は半導体産業において誘電体材料として広く使用されている。シャロートレンチアイソレーション(STI)、層間絶縁性(ILD)CMP及びゲートポリCMPなどの集積回路(IC)製造プロセスには幾つかのCMP工程がある。典型的な酸化物CMPスラリーは、研磨剤を含み、他の化学物質を含む又は含まない。他の化学物質は、スラリー安定性を改善するための分散剤、除去速度を高めるためのブースター、又は、除去速度を低下させ、他のフィルム、例えばSTI適用のためのSiN上で停止するための阻害剤であることができる。
【0004】
先進の半導体技術ノードにおけるCMPスラリーの望ましい特性は、欠陥率が低く、除去速度が高く、除去速度に対するウエハ不均一性(WWNU)が非常に低いこと及びトポグラフィが低いことである。除去速度に対するWWNUが非常に低いことは特に重要である。より高い不均一性は、除去速度が高いウエハ上の領域におけるオーバーポリッシュをもたらし、そして最小量の材料が除去されるアンダーポリッシュをもたらす。これにより、半導体製造において望ましくないウエハ表面上の不均一なトポグラフィが生成される。したがって、所望の均一な除去速度プロファイルをもたらすために、パッド、コンディショニング、研磨ゾーンの圧力調整の点でかなりのCMPプロセス開発が必要とされる。
【0005】
シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどのCMPスラリーに使用される一般的な研磨剤の中でも、セリアはシリカ酸化物に対する高い反応性がよく知られており、セリアのシリカに対する高い反応性に起因して、最も高い酸化物除去速度(RR)のためにSTI CMPスラリーで広く使用される。
【0006】
Cookら(Lee M. Cook, Journal of Non-Crystalline Solids 120(1990)152-171)は、セリアのこの特別な特性を説明するために「化学歯」メカニズムを提案した。このメカニズムによれば、セリア粒子を酸化ケイ素フィルムにプレスすると、セリアはシリカ結合を破壊し、Ce-O-Si構造を形成し、このため、表面からシリカを開裂させる。
【0007】
CMP産業で使用されるセリアの大部分は、焼成-湿式ミリングプロセスから製造される。得られたセリアは鋭いエッジ及び非常に広いサイズ分布を有する。それはまた、非常に大きな「大粒子数」(LPC)を有する。これらの全ては欠陥及び低歩留まりの原因となり、特にウエハが研磨された後のスクラッチの原因となると考えられている。コロイド状セリア又はセリア被覆シリカ粒子などの異なる形態のセリア含有粒子も、これらの困難な問題を解決するために考えられている。
【0008】
セリア被覆シリカ粒子は、より低い欠陥を有する酸化ケイ素フィルムの高い除去速度を達成するために特に有用であることが見出された(PCT/US16/12993、US2016358790、US2017133236、US201783673)。しかし、除去速度をさらに改善し、除去速度ウエハ内不均一性(WWNU)を制御し、研磨欠陥を低減させる必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、上記の性能要件を達成することができる研磨用途におけるセリア被覆複合材粒子に関する。
【0010】
したがって、除去速度に対する優れたウエハ内不均一性及びより高い除去速度及び低い欠陥を提供することができるCMP組成物、方法及びシステムに対する有意なニーズがある。
【0011】
発明の簡単な要旨
改善された平坦性を提供するCMP研磨組成物、スラリー又は半導体ウエハを研磨するための配合物を製造するために有用な、特定の粒子サイズ分布を有する複合材粒子は本明細書に記載されている。
【0012】
1つの態様において、本発明は、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
セリア被覆シリカ粒子を含む複合材粒子、0.01wt%~20wt%、ここで、D50 /(D99-D50)を特徴とする粒子サイズ分布幅は≦1.85であり、好ましくは≦1.50であり、より好ましくは≦1.30であり、最も好ましくは1.25未満であり、
ここでD99は複合材粒子の99wt%が該当する粒子サイズであり、D50は複合材粒子の50wt%が該当する粒子サイズである、
水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
CMP組成物のpHは約2~約12の範囲にあり、
及び、場合により、
水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%~約5wt%、
有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学添加剤0.000001wt%~5wt%、
a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%~約10wt%、
キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
腐食防止剤、
酸化剤、及び、
生物学的成長阻害剤、
を含む。
【0013】
別の態様において、本発明は、開示の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物を使用する半導体デバイスの化学的機械平坦化の方法である。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、開示の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物を含む、半導体デバイスの化学機械平坦化のためのシステムである。
【0015】
コア粒子の平均粒子サイズ(MPS)は、10nm~500nm、好ましくは20nm~200nm、より好ましくは50nm~150nmの範囲であることができる。コア粒子はナノ粒子よりも大きい。複合材粒子中のコア粒子サイズのMPSは、透過型電子顕微鏡画像形成などの適切な画像形成技術によって測定することができる。
【0016】
粒子サイズ分布は、画像形成、動的光散乱、流体力学的流体分画、ディスク遠心分離などの任意の適切な技術によって測定することができる。ディスク遠心分離法による粒子サイズ分析は好ましい分析である。ディスク遠心分離は、より大きな粒子がより小さい粒子に比べてより速く遠心分離されるので、遠心沈降を使用してサイズに基づく粒子の勾配を生成する。遠心分離時間の関数として遠心分離ディスクの端部での光強度を測定し、強度信号を粒子サイズ分布に変換する。
【0017】
粒子サイズ分布は、指定されたサイズよりも小さいサイズの粒子の質量百分率として定量化することができる。例えば、パラメータD99は、全てのスラリー粒子の99wt%がD99以下の粒子直径を有する粒子直径を表す。D50は、全てのスラリー粒子の50wt%がD50以下の粒子直径を有する粒子直径を表す。同様に、D5、D10、D75、D90、D95などのパラメータも規定できる。
【0018】
セリア被覆シリカ粒子のD50は、10nm~500nm、好ましくは15nm~250nm、より好ましくは20nm~200nmの範囲であることができる。
【0019】
幾つかの好ましい実施形態において、広い粒子サイズ分布を有することが望ましい。粒子サイズ分布幅は、例えば、適切なハイエンドの粒子サイズと粒子サイズ分布の中央との間の差、例えばD99-D50を計算することによって特徴付けることができる。値はまた、粒子サイズを正規化するために使用することもでき、例えばD50/(D99-D50)である。あるいは、スラリーの多分散を決定するために、より複雑な計算を行ってもよい。
【0020】
幾つかの好ましい実施形態において、D50/(D99-D50)を特徴とする粒子サイズ分布幅は≦1.85であり、好ましくは≦1.50であり、より好ましくは≦1.30であり、最も好ましくは1.25未満である。
【0021】
特定の実施形態において、異なるコア粒子サイズを有するセリア被覆シリカ粒子を混合して、より広い粒子サイズ分布を形成することができる。
【0022】
CMP配合物はまた、異なるフィルムの間のフィルム除去速度選択性を変化させるための添加剤、界面活性剤、分散剤、pH調整剤及び生物学的成長阻害剤をさらに含むことができる。
【0023】
pH調整剤としては、限定するわけではないが、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
化学的添加剤としては、限定するわけではないが、有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びその塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物が挙げられる。
【0025】
複合材粒子は、単一のセリア被覆シリカ粒子及び凝集したセリア被覆シリカ粒子を含むことができ、ここで、複合材粒子の99wt%は平均粒子サイズが250nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは190nm未満である。
【0026】
セリア被覆シリカ粒子はさらに、平均粒子サイズが150nm未満、好ましくは125nm未満、又は、より好ましくは110nm未満であることができ、平均粒子サイズは粒子直径の加重平均である。
【0027】
セリア被覆シリカ粒子は、単結晶セリアナノ粒子によって覆われた表面を有する非晶性シリカセリア粒子である。
【0028】
崩壊力下の複合材粒子のサイズ分布の変化は、10%未満、好ましくは5%未満、又は、より好ましくは2%未満である。
【0029】
半導体基材が窒化物層をさらに含む場合には、CMP研磨は窒化物層上の少なくとも1つの酸化物層の除去選択性を10を超えるものとする。窒化ケイ素層上のTEOSの除去選択性は20を超える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、ディスク遠心分離粒子サイズ分析器(Disc Centrifuge Particle Size Analyzer)による様々なセリア被覆シリカ粒子の粒子サイズ分布を示す。
【
図2】
図2は、パターンウエハ構造の概略図及び使用される測定スキームを示す。
【
図3】
図3は、異なる粒子を含むCMPスラリーについてのD50/(D90-D50)の関数としてのトレンチ酸化物損失速度/ブランケット酸化物除去速度の比をプロットしている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
発明の詳細な説明
組成物粒子
複合材粒子は、一次(又は単一)粒子及び凝集した一次(又は単一)粒子を含む。一次粒子は、コア粒子と、そのコア粒子の表面を覆う多くのナノ粒子とを有する。
【0032】
コア粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア及びポリマー粒子からなる群より選ばれる。ナノ粒子は、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン及びストロンチウムナノ粒子の酸化物からなる群より選ばれる。
【0033】
複合材粒子の例の1つは、コア粒子としてシリカを、そしてナノ粒子としてセリアを有することである。各シリカコア粒子はそのシェルを覆うセリアナノ粒子を有する。各シリカ粒子の表面はセリアナノ粒子によって覆われている。シリカコア粒子を覆うナノ粒子はまた、表面を部分的又は完全に覆うケイ素含有フィルムの薄い層を有してよい。
【0034】
CMP用途のための好ましい研磨粒子は、セリア被覆シリカ粒子である。
【0035】
セリア被覆シリカ粒子は任意の適切な方法を用いて作製することができる。例えば、そのような粒子を製造する方法は、PCT/JP2016/060535、JP6358899、JP2017043531、JP2017193692、JP2017206410、JP2017206411、WO18088088、WO18131508、JP2016127139、US6645265、US9447306、JP5979340、WO2005/035688及びUS2012/077419に記載されている。
【0036】
典型的には、セリア被覆シリカ粒子などの複合材粒子を形成する方法は、シリカコア粒子上へのセリウム化合物の堆積、次いで、焼成工程及びミリング工程を含む。しかしながら、焼成工程は粒子の凝集をもたらす。凝集粒子の数を減らす幾つかの例は、より低い温度又は焼成時間などのより低い焼成条件、より積極的なミリング条件、ミリング中の分散剤の使用、遠心分離又はろ過などのポストミリング処理の使用、又は、凝集した粒子の数を低減させる任意の他の技術を使用することである。
【0037】
コア粒子の平均粒子サイズ(MPS)は、10nm~500nm、好ましくは20nm~200nm、より好ましくは50nm~150nmの範囲であることができる。コア粒子はナノ粒子よりも大きい。複合材粒子中のコア粒子サイズのMPSは、透過型電子顕微鏡像形成などの適切な画像形成技術によって測定することができる。
【0038】
粒子サイズ分布は、画像形成、動的光散乱、流体力学的流体分画、ディスク遠心分離などの任意の適切な技術によって測定することができる。ディスク遠心分離法による粒子サイズ分析は好ましい分析である。ディスク遠心分離は、より大きな粒子がより小さい粒子に比べてより速く遠心分離されるので、遠心沈降を使用してサイズに基づいて粒子の勾配を生成する。遠心分離時間の関数として遠心分離ディスクの端部での光強度を測定し、強度信号を粒子サイズ分布に変換する。
【0039】
粒子サイズ分布は指定されたサイズよりも小さいサイズの粒子の質量百分率として定量化することができる。例えば、パラメータD99は、全てのスラリー粒子の99wt%がD99以下の粒子直径を有する粒子直径を表す。D50は、全てのスラリー粒子の50wt%がD50以下の粒子直径を有する粒子直径を表す。同様に、D5、D10、D75、D90、D95などのパラメータも規定されうる。
【0040】
幾つかの好ましい実施形態において、広い粒子サイズ分布を有することが望ましい。粒子サイズ分布幅は、例えば、適切なハイエンドの粒子サイズと粒子サイズ分布の中央との間の差、例えばD99-D50を計算することによって特徴付けることができる。値はまた、粒子のサイズに関して正規化することもでき、例えばD50/(D99-D50)である。あるいは、スラリーの多分散を決定するために、より複雑な計算を行ってもよい。
【0041】
幾つかの好ましい実施形態において、D50は10nm~500nm、好ましくは15nm~250nm、より好ましくは20nm~200nmの範囲であることができる。
【0042】
幾つかの好ましい実施形態において、D50/(D99-D50)を特徴とする粒子サイズ分布幅は≦1.85であり、好ましくは≦1.50であり、より好ましくは≦1.30であり、最も好ましくは1.25未満である。
【0043】
特定の実施形態において、異なる平均粒子サイズを有するセリア被覆シリカ粒子を一緒に混合して、より広い粒子サイズ分布を生成することができる。
【0044】
化学機械平坦化(CMP)
精製された凝集粒子は、CMP組成物(又はCMPスラリー又はCMP配合物)中の研磨粒子として使用することができる。
【0045】
1つの例は、様々な金属酸化物フィルムなどの酸化物フィルム及び様々な窒化物フィルムを研磨するためのSTI(シャロートレンチアイソレーション(Shallow Trench Isolation))CMP配合物である。STI配合物において、シリカ被覆セリア複合材粒子を含む配合物は、非常に高い酸化ケイ素フィルム除去速度を提供し、そして非常に低い窒化ケイ素研磨停止フィルム除去速度を提供する。これらのスラリー配合物は、限定するわけではないが、熱酸化物、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、高密度プラズマ(HDP)酸化物、高アスペクト比プロセス(HARP)フィルム、フッ素化酸化物フィルム、ドープされた酸化物フィルム、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)低K誘電体フィルム、スピンオンガラス(SOG)、ポリマーフィルム、流動可能な化学気相堆積(CVD)フィルム、光学ガラス、ディスプレイガラスを含む様々なフィルム及び材料を研磨するために使用することができる。
【0046】
これらの配合物は、トポグラフィが除去され、平坦な表面が達成されると、研磨が停止されるストップインフィルム用途にも使用することができる。あるいは、これらの配合物は、バルクフィルムを研磨すること及びストッパー層で停止することを含む用途に使用することができる。これらの配合物は、限定するわけではないが、シャロートレンチアイソレーション(STI)、インターレイヤー誘電体(ILD)研磨、金属間誘電体(IMD)研磨、ケイ素貫通ビア(TSV)研磨、ポリ-Si又はアモルファス-Siフィルム研磨、SiGeフィルム、Geフィルム及びIII-V族半導体フィルムを含む様々な用途で使用することができる。
【0047】
この配合物はまた、ガラス研磨又はソーラーウエハ加工又は高い研磨速度が望まれるウエハ研削などの任意の他の用途にも使用することができる。
【0048】
特定の実施形態において、研磨配合物を使用して、2000オングストローム/分を超える研磨速度で酸化ケイ素フィルムを研磨することができる。
【0049】
幾つかの他の実施形態において、TEOS除去速度/高密度プラズマケイ素酸化物フィルムの比は≦1であり、より好ましくは0.9未満であり、又は、最も好ましくは0.8未満である。
【0050】
セリア被覆シリカ粒子の使用の別の態様は研磨力の下で崩壊しない。研磨力(すなわち、崩壊力)の作用下で粒子が破壊せず、元の粒子サイズの特性を維持するならば、除去速度は高いままであると仮定される。他方、研磨力の下で粒子が崩壊するならば、高い除去速度の原因となる表面上のセリアナノ粒子が緩くなるので、除去速度は低下する。粒子の破壊はまた、不規則な形状の粒子を生じさせ、これはスクラッチ欠陥に対する望ましくない影響を及ぼしうる。
【0051】
このような安定な粒子をCMPスラリー配合物中に使用することにより、フィルム材料除去のための研磨力をより効果的に利用することが可能になり、スクラッチ欠陥に寄与するいかなる不規則な形状の生成をも防止する。
【0052】
先進のCMP用途は、研磨後に誘電体表面上にてナトリウムなどの金属が極めて低いレベルであることが必要とされるので、非常に低い微量金属、特にスラリー配合物中のナトリウムを有することが望ましい。特定の好ましい実施形態において、配合物中の粒子の質量基準での各パーセントについて、5ppm未満、より好ましくは1ppm未満、最も好ましくは0.5ppm未満のナトリウム不純物レベルを有するセリア被覆シリカ粒子を含む。
【0053】
CMP組成物は研磨粒子として精製複合材粒子を含み、残部は水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒であり、該極性溶媒は、アルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、CMP組成物のpHは約2~約12の範囲である。
【0054】
研磨剤は、0.01wt%~20wt%、好ましくは0.05wt%~5wt%、より好ましくは約0.1wt%~約1wt%の量で存在する。
【0055】
化学的添加剤としては、限定するわけではないが、有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びその塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物が挙げられる。
【0056】
化学添加剤の量は、バリアCMP組成物の総質量に対して約0.1ppm(又は0.000001wt%)~5wt%の範囲にある。好ましい範囲は約200ppm(又は0.02wt%)~1.0wt%であり、より好ましい範囲は約500ppm(又は0.05wt%)~0.5wt%である。
【0057】
pH調整剤としては、限定するわけではないが、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)及びそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
pH調整剤の量は、CMP組成物の総質量に対して約0.0001wt%~約5wt%の範囲である。好ましい範囲は、約0.0005wt%~約1wt%であり、より好ましい範囲は、約0.0005wt%~約0.5wt%である。
【0059】
CMP組成物のpHは2~約12の範囲であり、好ましくは約3.5~約10であり、より好ましくは約4~約7である。
【0060】
シャロートレンチアイソレーション(STI)又は3D-NANDデバイス用の酸化物研磨などの特定のCMP用途では、酸化物ライン特徴部においてディッシングを低減するために、また、窒化ケイ素停止層の損失を低減するために、好ましくは3~8、又は最も好ましくは4~7の範囲のCMP配合物を用いて研磨することが望ましい場合がある。バリア金属研磨などの特定の用途では、望ましいpH範囲は5~12、又はより好ましくは8~11である。
【0061】
CMP組成物は、1種の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含むことができる。界面活性剤は、a)非イオン性界面活性剤、b)アニオン性界面活性剤、c)カチオン性界面活性剤、d)両性界面活性剤、及び、それらの混合物を含む群より選ばれることができる。
【0062】
非イオン性界面活性剤は、限定するわけではないが、長鎖アルコール、エトキシル化アルコール、エトキシル化アセチレンジオール界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミンドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポリエトキシ化獣脂アミン、フルオロ界面活性剤を含む化学種の範囲から選ばれることができる。界面活性剤の分子量は数百から100万を超える範囲であることができる。これらの材料の粘度はまた、非常に広い分布を有する。
【0063】
アニオン性界面活性剤としては、限定するわけではないが、アルキルカルボキシレート、アルキルポリアクリル酸塩、アルキルスルフェート、アルキルホスフェート、アルキルビカルボキシレート、アルキルビスルフェート、アルキルビホスフェート、例えばアルコキシカルボキシレート、アルコキシスルフェート、アルコキシホスフェート、アルコキシビカルボキシレート、アルコキシビスルフェート、アルコキシビホスフェート、例えば、置換アリールカルボキシレート、置換アリールスルフェート、置換アリールホスフェート、置換アリールビカルボキシレート、置換アリールビスルフェート、置換アリールビホスフェートなどの適切な疎水性テールを含む塩が挙げられる。このタイプの表面湿潤剤の対イオンとしては、限定するわけではないが、カリウム、アンモニウム及び他の陽イオンが挙げられる。これらのアニオン性表面湿潤剤の分子量は数百から数十万の範囲である。
【0064】
カチオン性表面湿潤剤は、分子フレームの主要部分に正の正味電荷を有する。カチオン性界面活性剤は、典型的には、アミン、第四級アンモニウム、ベンジルアルコニウム及びアルキルピリジニウムイオンなどのカチオン電荷中心と疎水性鎖とを含む分子のハロゲン化物である。
【0065】
さらに、別の態様において、界面活性剤は両性表面湿潤剤であることができ、両性表面湿潤剤は、主分子鎖上に正(カチオン)及び負(アニオン)電荷の両方を有し、そしてそれらの対イオンを含む。カチオン性部分は、第一級、第二級又は第三級アミン又は第四級アンモニウムカチオンに基づく。アニオン部分はより様々であってよく、そして、スルタインCHAPS(3-[(3-クロロアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート)及びコカミドプロピルヒドロキシスルタインのように、スルホネートを含むことができる。コカミドプロピルベタインなどのベタインはアンモニウムとともにカルボキシレートを有する。両性界面活性剤の幾つかは、リン脂質ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンなどのアミン又はアンモニウムを有するリン酸アニオンを有することができる。
【0066】
界面活性剤の例としては、また、限定するわけではないが、ドデシル硫酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム塩、第二級アルカンスルホネート、アルコールエトキシレート、アセチレン系界面活性剤及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。適切な市販の界面活性剤の例としては、Dow Chemicalsによって製造されるTRITON(商標)、Tergitol(商標)、DOWFAX(商標)界面活性剤ファミリー、及び、Air Products and Chemicals により製造されるSUIRFYNOL(商標)、DYNOL(商標)、Zetasperse(商標)、Nonidet(商標)及びTomadol(商標)界面活性剤ファミリーの界面活性剤が挙げられる。適切な界面活性剤としてはまた、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)基を含むポリマーを挙げることができる。EO-POポリマーの例は、BASF ChemicalsからのTetronic(商標)90R4である。
【0067】
分散剤及び/又は湿潤剤の機能を有する他の界面活性剤として、限定するわけではないが、アニオン性又はカチオン性又は非イオン性又は双性イオン性特性を有することができるポリマー化合物が挙げられる。例は、アクリル酸、マレイン酸、スルホン酸、ビニル酸、エチレンオキシドなどの官能基を含むポリマー/コポリマーである。
【0068】
界面活性剤の量は、CMP組成物の総質量に対して約0.0001wt%~約10wt%の範囲である。好ましい範囲は約0.001wt%~約1wt%であり、より好ましい範囲は約0.005wt%~約0.1wt%である。
【0069】
配合物はまた、アニオン性又はカチオン性又は非イオン性の基又は基の組み合わせを含み得る水溶性ポリマーを含むことができる。ポリマー/コポリマーは、1,000より大きい、好ましくは10,000~4,000,000、より好ましくは50,000~2,000,000の範囲の分子量を有する。ポリマーは、限定するわけではないが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(1-ビニルピロリドン-コ-2-ジメチルアミノエチルメタクリレート)を含むポリマーの群から選ばれることができる。CMP配合物中のポリマー濃度は、0.001wt%~5wt%、より好ましくは0.005wt%~2wt%、又は、最も好ましくは0.01wt%~1wt%の範囲であることができる。
【0070】
キレート化剤又はキレート化リガンドはまた、特に金属フィルムの研磨を含む用途において、金属カチオンに対するキレートリガンドの親和性を高めるために使用されうる。パッドの汚れ及び除去速度の不安定性を引き起こすパッド上の金属イオンの蓄積を防止するためにキレート剤を使用することもできる。適切なキレート化剤又はキレート化リガンドとしては、限定するわけではないが、例えば、ベンゼンスルホン酸、4-トリルスルホン酸、2,4-ジアミノ-ベンゾスルホン酸など、及び、非芳香族有機酸、例えばイタコン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸又はそれらの塩が挙げられる。キレート化剤又はキレート化リガンドの量は、CMP組成物の総質量に対して、約0.01wt%~約3.0wt%、好ましくは約0.4wt%~約1.5wt%である。
【0071】
研磨組成物は、金属研磨用途のための腐食防止剤をさらに含んでもよい。適切な腐食防止剤としては、限定するわけではないが、ベンゾトリアゾール(BTA)又はBTA誘導体、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミン-1,2,4-トリアゾール、他のトリアゾール誘導体、及び、それらの組み合わせが挙げられる。
【0072】
研磨組成物は、酸化剤又はオキシダイザーを含む。酸化剤は任意の適切な酸化剤とすることができる。適切な酸化剤としては、限定するわけではないが、少なくとも1つのペルオキシ基(O)を含む1つ以上のペルオキシ化合物が挙げられる。適切なペルオキシ化合物としては、例えば、過酸化物、過硫酸塩(例えば、一過硫酸塩及び二過硫酸塩)、過炭酸塩及びそれらの酸及びそれらの塩、ならびにそれらの混合物が挙げられる。他の適切な酸化剤としては、例えば、酸化されたハロゲン化物(例えば、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩及びそれらの酸、それらの混合物など)、過ホウ酸、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸(例えば、過酢酸、過安息香酸、それらの塩、それらの混合物など)、過マンガン酸塩、セリウム化合物、フェリシアン化物(例えば、フェリシアン化カリウム)、それらの混合物などが挙げられる。
【0073】
CMP組成物は、貯蔵中の細菌及び真菌類の増殖を防止するための生物学的成長阻害剤又は防腐剤を含むことができる。
【0074】
生物学的成長阻害剤としては、限定するわけではないが、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド及びアルキルベンジルジメチルアンモニウムヒドロキシド(アルキル鎖は1~約20個の炭素原子の範囲である)、亜塩素酸ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。
【0075】
幾つかの市販の防腐剤としては、Dow ChemicalsのKATHON(商標)及びNEOLENETM(商標)製品ファミリー及びLanxessのPreventol(商標)ファミリーが挙げられる。より多くは、米国特許第5,230,833号(Rombergerら)及び米国特許出願第20020025762号明細書に記載されている。その内容は、参照によりその全体が示されているように本明細書に取り込まれるものとする。
【0076】
配合物は濃縮物とし、使用時に希釈してもよい。あるいは、配合物を2つ以上の複数の成分にして、使用時に混合することができる。
【0077】
パラメータ:
Å:オングストローム-長さの単位
BP:背圧、psi単位
CMP:化学機械平坦化=化学機械研磨
CS:キャリア速度
DF:ダウンフォース:CMP中の課される圧力、単位psi
min:分
ml:ミリリットル
mV:ミリボルト
psi:ポンド/平方インチ
PS:研磨工具のプラテン回転速度、rpm(1分当たりの回転数)
SF:研磨組成物の流れ、ml/分
TEOS-前駆体としてテトラエチルオルトシリケートを用いた化学蒸着(CVD)による酸化物フィルム
HDP-高密度プラズマ(HDP)技術により製造される酸化物フィルム
SiNフィルム-窒化ケイ素フィルム
【0078】
除去速度及び選択性
除去速度(RR)=(研磨前の膜厚 - 研磨後の膜厚)/研磨時間
【0079】
次の実施例におけるスラリー配合物はスラリー配合物の残部として水を使用する。全ての百分率は、他に指示がない限り質量パーセントである。
【実施例】
【0080】
実施例
CMPポリッシャー:アプライドマテリアルズ社製の200mmウエハポリッシャーMirra、ダウ社製Polishing Pad IC1010パッドをCMPプロセスに使用した。
【0081】
商品名EK-1で販売されている花王ケミカルズから購入したポリアクリル酸アンモニウム(分子量15000~18000)。
【0082】
水酸化アンモニウムを用いてCMP配合物のpHを5に調整した。
【0083】
粒子サイズ分布測定は、ディスク遠心分離粒子サイズ分析器(CPS InstrumentsのDC24000UHR)を用いて行った。粒子サイズ分布曲線は、複合材粒子の粒子サイズ密度が粒子の組成に基づいて計算して3.64g/cm3であるという仮定に基づいて生成した。
【0084】
例1
4種類の異なるセリア被覆シリカ研磨粒子をJGC&C Corporation(日本)から入手した。これらの4種の粒子の粒子サイズ分布を表Iに要約した。
【表1】
【0085】
【0086】
図1に示すように、粒子サイズ分布プロットに複数のピークが存在した。各ピークは、2つ以上の単一の一次粒子の凝集体によって形成されるクラスタに対応する。粒子B、C及びDは、ほとんどのクラスタが2つ以下の一次粒子を有することを示す2つの粒子サイズピークに粒子サイズ分布を厳密に制御する方法を用いて製造された。一方、異なる方法を使用して製造された粒子Aは、2つ以上の一次粒子を含む粒子サイズクラスタの存在を示す4つのピークを有する非常に広いサイズ分布を有していた。
【0087】
例2
研磨はアプライドマテリアルズ社製のミラポリッシャーで行った。研磨は、3.7psiで、87RPMのテーブル速度、93RPMのヘッド速度、200ml/分のスラリー流速、6ポンドのダウンフォースでの現場パッド状態調節で行った。
【0088】
例1に記載のこれらの粒子を、0.185wt%の研磨粒子、0.14wt%のポリアクリル酸アンモニウム(MW約16000~18000)を含み、水酸化アンモニウムを用いて5.45に調整したpHを有するCMP研磨スラリーに個々に研磨材として配合した。
【0089】
表2は、CMP研磨スラリーで研磨することによって得られた様々なフィルムの除去速度をまとめたものである。
【表2】
【0090】
両方のフィルムが本質的に酸化ケイ素フィルムを含んでいても、粒子サイズ及び粒子サイズ分布がHDP二酸化ケイ素フィルム及びTEOSフィルムに異なる影響を与えたことは明らかである。
【0091】
より大きい粒子サイズ分布を有する粒子Aは、より狭い粒子サイズ分布を有する同様のサイズの粒子と比較して、HDP二酸化ケイ素フィルムのはるかに高い除去速度を提供したようである。
【0092】
より小さい粒子サイズを有する粒子Dは、同様に、TEOSフィルムと比較して、HDP二酸化ケイ素フィルムのより高い除去速度を提供したようである。
【0093】
粒子B及びCは、HDP二酸化ケイ素フィルム又はTEOSフィルムの研磨に対して比較的に鈍感であった。
【0094】
したがって、より小さな粒子サイズと広いサイズ分布との組み合わせは、HDP二酸化ケイ素フィルムを優先的に研磨するのに役立ちうる。
【0095】
例3
この例では、ラインディッシング又はオーバーポリッシュの感度に対する研磨粒子の効果を決定した。
【0096】
MIT864パターンを有するパターン化されたウエハを研磨に使用した。ウエハは、フィールド領域からHDP酸化物を完全に除去するために焼成セリアスラリー(Versum MaterialsのSTI2100)で最初に研磨された。次いで、ウエハを60秒の研磨時間で2回研磨した。各研磨工程の後に、エリプソメトリック技術を用いて、フィールド領域の残留SiN厚さとトレンチ領域のHDP酸化物厚さを測定した。このデータに基づいて、トレンチ酸化物損失速度(パターン除去速度)をHDP酸化物ブランケット酸化物除去速度で割ることにより、オーバーポリッシュ感度を計算した。ブランケット酸化物速度に対するトレンチ損失がより高いことは、ディッシングのオーバーポリッシュ感度が高いことに対応し、それは望ましくない。
【0097】
図2は、研磨の前、研磨後のウエハスタックを示し、パターン除去速度をいかに計算するかを説明している。
【0098】
図3は、異なる粒子を含むCMPスラリーのD50/(D90-D50)の関数としての、トレンチ酸化物損失速度/ブランケット酸化物除去速度の比をプロットしたものである。
【0099】
より小さい粒子(D50/(D90-D50)=1.27のサイズ分布を有する粒子Dなど)は、より低いオーバーポリッシュ感度を生じることが明らかである。さらに、粒子サイズが増加するにつれて、より大きな100ミクロンの特徴部に対するディッシングがさらに悪化する。
【0100】
より広い粒子分布(D50/(D90-D50)= 1.07を有する粒子Aなど)も同様のサイズの粒子Bと比較して有意に低いオーバーポリッシュ感度を示した。粒子Aを用いて製造されたCMPスラリーでのディッシングも、ライン幅に影響されないようであった。
【0101】
広い100ミクロンの特徴部に対するトレンチ損失は、50ミクロンの特徴部と同等であり、それは非常に望ましい。
【0102】
上述の実施例及び実施形態の説明は、特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではなく、例示として取られるべきである。容易に理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明から逸脱することなく、上述した特徴の多くの変更及び組み合わせを利用することができる。そのような変更は以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
本開示は以下の態様も包含する。
[1] 化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
(1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
(2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
(3)CMP組成物のpHは約2~約12の範囲にあり、
及び、場合により、
(4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%~約5wt%、
(5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミドカルボン酸(amid carboxylic acids)、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%~5wt%、
(6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%~約10wt%、
(7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
(8)腐食防止剤、
(9)酸化剤、及び、
(10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[2] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、そして前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[3] 前記複合材粒子は、20nm~200nmのD50を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[4] 前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[5] 前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[6] CMP研磨組成物は、セリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[7] CMP研磨組成物は、D50/(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[8] CMP研磨組成物は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様1記載の化学機械平坦化(CMP)研磨組成物。
[9] 少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材の化学機械的平坦化(CMP)のための研磨方法であって、
a)少なくとも1つの酸化物層を研磨パッドと接触させること、
b)化学機械平坦化(CMP)研磨組成物であって、
1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP組成物のpHは約2~約12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%~約5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学添加剤0.000001wt%~5wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%~約10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、化学機械平坦化(CMP)研磨組成物を送達させること、及び、
c)前記少なくとも1つの酸化物層を前記CMP研磨組成物で研磨すること、
の工程を含む、方法。
[10] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様9記載の研磨方法。
[11] 前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様9記載の研磨方法。
[12] 前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様9記載の研磨方法。
[13] 前記CMP研磨組成物はセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様8記載の研磨方法。
[14] 前記CMP研磨組成物はD50/(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様9記載の研磨方法。
[15] 前記CMP研磨組成物は、D50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様9記載の研磨方法。
[16] TEOSの除去速度/高密度プラズマ(HDP)二酸化ケイ素フィルムの除去速度の比は<1である、上記態様9記載の研磨方法。
[17] 化学的機械平坦化のためのシステムであって、
少なくとも1つの酸化物層を有する少なくとも1つの表面を含む半導体基材、
研磨パッド、及び、
CMP研磨組成物であって、
1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ポリマー粒子及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるコア粒子、及び、ジルコニウム、チタン、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタン、ストロンチウムナノ粒子の酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるナノ粒子を含む複合材粒子0.01wt%~20wt%、
ここで、前記複合材粒子は、D50/(D99-D50)≦1.85の粒子サイズ分布を有し、 D99は、前記複合材粒子の99wt%がそれ以下に該当する粒子サイズであり、D50は、前記複合材粒子の50wt%がそれ以下に該当する粒子サイズである、
2)水、極性溶媒及び水と極性溶媒との混合物からなる群より選ばれる水溶性溶媒、ここで、該極性溶媒はアルコール、エーテル、ケトン又は他の極性試薬からなる群より選ばれ、
3)CMP組成物のpHは約2~約12の範囲にあり、
及び、場合により、
4)水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム、第四級有機アンモニウム水酸化物及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるpH調整剤0.0001wt%~約5wt%、
5)有機カルボン酸、アミノ酸、アミノカルボン酸、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩、有機スルホン酸及びその塩、有機ホスホン酸及びその塩、ポリマーカルボン酸及びその塩、ポリマースルホン酸及びその塩、ポリマーホスホン酸及びその塩、アリールアミン、アミノアルコール、脂肪族アミン、複素環式アミン、ヒドロキサム酸、置換フェノール、スルホンアミド、チオール、ヒドロキシル基を有するポリオール、及び、それらの組み合わせからなる群より選ばれる、官能基を有する化合物からなる群より選ばれる化学的添加剤0.000001wt%~5.0wt%、
6)a)非イオン性表面湿潤剤、b)アニオン性表面湿潤剤、c)カチオン性表面湿潤剤、d)両性表面湿潤剤、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる界面活性剤0.0001wt%~約10wt%、
7)キレート化剤0.01wt%~3.0wt%、
8)腐食防止剤、
9)酸化剤、及び、
10)生物学的成長阻害剤、
を含む、CMP研磨組成物、
を含み、
ここで、前記少なくとも1つの酸化物層は前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、システム。
[18] 前記複合材粒子はシリカコア粒子及びセリアナノ粒子を含み、又は、前記複合材粒子はセリア被覆シリカ粒子である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[19] 前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有する、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[20] 前記複合材粒子はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有する、上記態様16記載の化学機械平坦化システム。
[21] 前記CMP研磨組成物はセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[22] 前記CMP研磨組成物はD50 /(D99-D50)≦1.50の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。
[23] 前記CMP研磨組成物はD50/(D99-D50)≦1.30の粒子サイズ分布を有するセリア被覆シリカ粒子、ポリアクリレート(分子量16000~18000)を含み、pHは4~7である、上記態様17記載の化学機械平坦化のためのシステム。