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  • 特許-絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 図1
  • 特許-絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 図2
  • 特許-絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】絶縁電線及び絶縁電線の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/02 20060101AFI20220513BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20220513BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20220513BHJP
   H01B 7/04 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
H01B7/02 E
H01B7/00
H01B7/18 H
H01B7/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018022395
(22)【出願日】2018-02-09
(65)【公開番号】P2019139970
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】桑原 正英
(72)【発明者】
【氏名】金尾 昭博
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-197019(JP,A)
【文献】特公昭45-004777(JP,B1)
【文献】特開2006-156293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/02
H01B 7/00
H01B 7/18
H01B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体と、該導電体を被覆する絶縁被覆層とで構成され、
該絶縁被覆層が、前記導電体の露出する端部以外を密封状態で被覆する合成シリカガラスで構成され、
前記導電体が
純銀、純銅、純アルミニウム、カーボンナノチューブのいずれかで構成され、
前記合成シリカガラスが
不可避的不純物が0.1ppm未満である高純度無水合成シリカガラスであり、
電線径φが、0.05mm~0.5mmであるとともに、
前記絶縁被覆層は、導電体径φより12倍となる60μmの厚みに形成された
絶縁電線。
【請求項2】
前記絶縁被覆層の外表面を覆うカーボンコート層が設けられた
請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
導電体と、該導電体を被覆する絶縁被覆層とで構成され、該絶縁被覆層が、前記導電体の露出する端部以外を密封状態で被覆する合成シリカガラスで構成された絶縁電線の製造方法であって、
シリカガラスロッドの端部から穴をあけて導体収納部を形成し、
導体収納部の穴の深さを、導電体母材の長さと、ガラス棒の挿入部分の長さとを合わせた長さとし、
前記導電体母材を露出しないように前記導体収納部に挿入するとともに、前記導体収納部に前記ガラス棒を差し込んで加熱して、前記ガラス棒と前記シリカガラスロッドとを一体化し、
前記シリカガラスロッドを前記導電体母材ごと線引きして前記絶縁電線を構成し、
前記導電体が
純銀、純銅、純アルミニウム、カーボンナノチューブのいずれかで構成され、
前記合成シリカガラスが
不可避的不純物が0.1ppm未満である高純度無水合成シリカガラスであり、
電線径φが、0.05mm~0.5mmであるとともに、
前記絶縁被覆層を、導電体径φより12倍となる60μmの厚みに形成する
絶縁電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、細径であっても、十分な強度を有する絶縁電線及び絶縁電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代における産業技術の発展に伴う小型軽量化の流れによって、絶縁電線の細径化が求められており、具体的には、例えば直径(φ)が0.5mm以下となるような細径化された絶縁電線が求められている。
【0003】
一般的な絶縁電線は、導電性を有する導体と、絶縁樹脂で構成され、導体を被覆する絶縁被覆とで構成されている。このような導体と絶縁被覆とで構成された絶縁電線が上述のような径に細径化されると、導体が細くなるとともに、絶縁樹脂で構成する絶縁被覆の厚みが薄くなり、絶縁電線の強度が低下する。
【0004】
強度が低下した絶縁電線に外力が作用すると、導体が断線したり、絶縁被覆が損傷して導体が露出したりするおそれがある。このように絶縁被覆が損傷すると絶縁性能を確保できないだけでなく、導体が露出して腐食するおそれもある。
【0005】
そのため、細径化された絶縁電線(以下において細径電線という)であっても、使用に十分耐えることができる強度、すなわち実用強度が求められる。
さらには、細径電線は、導体の低抵抗化に加え、加熱状況下における絶縁性、すなわち耐熱絶縁性などの導体の劣化を防止する高度な要求も生じている。
【0006】
例えば、特許文献1では、製造方法は明確でないものの、導体の表面にガラス絶縁層が設けられた電線が開示されている。
特許文献2にはガラス管の中に金属を入れて一緒に加熱線引きすることで製造する電線について開示され、特許文献3にはシリカコーティングした細線の編組により強度を向上させた電線について開示されているものの、これらの特許文献1乃至3における電線では、細径電線としての実用強度は確保できず、実際には、細径電線として実用強度を確保するために、純金属より抵抗値が大きい合金を導体金属として用いることで実用強度を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開昭58-88718号公報
【文献】特開平2-197019号公報
【文献】特開平11-7845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述した問題を鑑み、細径化しても実用強度を確保できる絶縁電線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、導電体と、該導電体を被覆する絶縁被覆層とで構成され、該絶縁被覆層が、前記導電体の露出する端部以外を密封状態で被覆する合成シリカガラスで構成され、前記導電体が純銀、純銅、純アルミニウム、カーボンナノチューブのいずれかで構成され、前記合成シリカガラスが不可避的不純物が0.1ppm未満である高純度無水合成シリカガラスであり、電線径φが、0.05mm~0.5mmであるとともに、前記絶縁被覆層は、導電体径φより12倍となる60μmの厚みに形成された絶縁電線であることを特徴とする。
【0010】
またこの発明は、導電体と、該導電体を被覆する絶縁被覆層とで構成され、該絶縁被覆層が、前記導電体の露出する端部以外を密封状態で被覆する合成シリカガラスで構成された絶縁電線の製造方法であって、シリカガラスロッドの端部から穴をあけて導体収納部を形成し、導体収納部の穴の深さを、導電体母材の長さと、ガラス棒の挿入部分の長さとを合わせた長さとし、前記導電体母材を露出しないように前記導体収納部に挿入するとともに、前記導体収納部に前記ガラス棒を差し込んで加熱して、前記ガラス棒と前記シリカガラスロッドとを一体化し、前記シリカガラスロッドを前記導電体母材ごと線引きして前記絶縁電線を構成し、前記導電体が純銀、純銅、純アルミニウム、カーボンナノチューブのいずれかで構成され、前記合成シリカガラスが不可避的不純物が0.1ppm未満である高純度無水合成シリカガラスであり、電線径φが、0.05mm~0.5mmであるとともに、前記絶縁被覆層を、導電体径φより12倍となる60μmの厚みに形成する絶縁電線の製造方法であることを特徴とする。
上記導電体は、細径化されても所要の強度及び所要の抵抗値を有する通電可能な導体であればその素材は限定されず、要求性能を満足する様々な素材の導電体を含むものとする。
【0011】
この発明により、細径化された絶縁電線であっても実用強度を確保することができる。
詳述すると、合成シリカガラス製の絶縁被覆層で導電体を被覆することで十分な実用強度を具備する絶縁電線を構成することができる。
【0012】
また、実用強度を有する合成シリカガラス製の絶縁被覆層で、端部以外の前記導電体を密封状態で被覆するため、大気中の酸素、水素、水分が絶縁被覆層中を拡散して導電体に至り、長期信頼性に対して環境要因が影響を及ぼすことを防止できる。
したがって、低抵抗値の導電体を劣化させることなく、長期間安定して絶縁電線を使用することができる。
【0013】
また、前記導電体を、純銀、純銅、純アルミニウム、及びカーボンナノチューブのうちいずれかで構成するため、細径化されても所要の強度を有する低抵抗の導電体を備えた絶縁電線を構成することができる。なお、このように、所要の強度を有する低抵抗の導電体として複数種の材質から選択できるため、用途や仕様に応じた適切な絶縁電線を構成することができる。
【0014】
また、前記合成シリカガラスを高純度無水合成シリカガラスとするため、屈曲性、絶縁性及び密閉性を向上させることができ、水素、酸素あるいは水分による劣化の抑制や耐久性などの要求性能を満足する絶縁被覆層を構成することができる。
【0015】
また、電線径φが、0.05mm~0.5mmであるため、電線径φが0.05mm~0.5mmに細径化された絶縁電線であっても、所望の抵抗値及び曲げ性能を具備する絶縁電線を構成することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記絶縁被覆層の外表面を覆うカーボンコート層を設けることができる。
この発明により、より耐久性のある絶縁電線を構成することができる。詳しくは、シリカガラス製の絶縁被覆層は実用強度を有しているものの、使用環境によっては外的接触の可能性があり、外的接触によってシリカガラス製の絶縁被覆層が損傷すると強度低下を引き起こすおそれがあるが、前記絶縁被覆層の外表面を覆うカーボンコート層により絶縁被覆層の損傷を防止することができる。
【0017】
なお、シリカガラス製の絶縁被覆層をアクリル系樹脂などでコーティングしてもよいが、樹脂製のコート層の厚みが厚くなり、電線径が太径化することとなる。これに対し、前記絶縁被覆層の外表面を覆うカーボンコート層の場合、コート層の厚みが薄くとも所要のコート性能を有するため、電線径の太径化を抑制することができる。また、カーボンコート層をアースすることで、例えば、いわゆる同軸電線のように、ノイズ除去機能を備えることもできる。
【発明の効果】
【0018】
この発明により、細径化しても実用強度を確保できる絶縁電線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】絶縁電線の概略斜視図。
図2】カーボンコート層を備えた絶縁電線の概略斜視図。
図3】絶縁電線の製造方法についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は絶縁電線1の概略斜視図を示し、図2はカーボンコート層30を備えた絶縁電線1の概略斜視図を示し、図3は絶縁電線1の製造方法についての説明図を示している。なお、図1乃至図3において、長さ方向の一部を省略して図示している。また、図1乃至図3において、導電体10と絶縁被覆層20との配置やその関係の理解を明確にするためにその大きさについては厳密に図示していない。さらにまた図3(d)ではシリカガラスロッド120において導体収納部150が形成された部分の手前側を透過状態で図示し、図3(e)でもシリカガラスロッド130における同部分の手前側を透過状態で図示している。
【0021】
絶縁電線1は、後述する金属と合成シリカガラスとを一緒に加熱線引きして、電線径φが0.05mm~0.5mmに細径化された電線であり、導電体10と、導電体10の外側を所定厚さで被覆する絶縁被覆層20とで構成している。このように導電体10を絶縁被覆層20で被覆した絶縁電線1では、端部1a以外で導電体10は絶縁被覆層20によって密封状態で被覆されている。
【0022】
なお、導電体10は、本実施例において純銅製であるが、純銅以外であっても、純銀、純アルミニウム、及びカーボンナノチューブのうち、用途や仕様によって要求される導電性などの性能(以下において要求性能)に応じて選択されたいずれかで構成することができる。
【0023】
絶縁被覆層20は、不可避的不純物が0.1ppm未満である高純度無水合成シリカガラスで、10~100nmの厚みに構成している。
なお、図2に示すように、絶縁被覆層20の外側に、絶縁被覆層20の外表面を覆うカーボンコート層30を設けてもよい。
【0024】
次に、このように構成された絶縁電線1の製造方法について説明する。
まずは、SiClを、H・Oの火炎中で加水分解をして、直径(φ)160mmのシリカガラス微粒子集合体(スートロッド)100を合成する(図3(a)参照)。
【0025】
He・Cl雰囲気中で、φ160mmのスートロッド100を1500℃で加熱して脱水し、不純物を除去しながらφ80mmの高純度無水合成シリカガラスロッド110を作成する(図3(b)参照)。
【0026】
このφ80mmの高純度無水合成シリカガラスロッド110を、カーボンヒータを有する電気炉延伸装置(図示省略)で加熱延伸して、φ40mmの高純度無水合成シリカガラスロッド120(以下において、シリカガラスロッド120という)を構成する(図3(c)参照)。そして、図3(d)に示すように、シリカガラスロッド120の下端からφ5mmの穴を超音波ドリルであけ、フッ酸で洗浄することにより、シリカガラスロッド120の下端に導体収納部150を形成する。
なお、導体収納部150の穴の深さLは、後述する導電体母材200の長さL1と、後述する下部ガラス棒210の挿入部分211の長さL2とを合わせた長さとしている。
【0027】
さらに、導体収納部150を形成したシリカガラスロッド120上にφ250mmまでスート合成を行い、He・Cl雰囲気中において1500℃で加熱して脱水し、φ125mmの高純度無水合成シリカガラスロッド130(以下において、シリカガラスロッド130という)を形成する(図3(e)参照)。
【0028】
φ5mmの純銅の導電体母材200をシリカガラスロッド130の下部から導体収納部150に挿入する。なお、導体収納部150に挿入した導電体母材200がシリカガラスロッド130の下端から露出しないように挿入し、交差方向にガラスピン(図示省略)を差し込んで導電体母材200が落下しないようにするとよい。さらにその下方より、導体収納部150にφ5mmの下部ガラス棒210を差し込む(図3(e)参照)。
【0029】
この状態では、導体収納部150において、シリカガラスロッド130と導電体母材200との間の隙間が外気と通気するため、高純度不活性ガス(HeまたはAr、N)雰囲気のカーボンヒータ下部加工炉(図示省略)に投入し、2000℃まで加熱し、下部ガラス棒210とシリカガラスロッド130とを一体化する。
【0030】
この状態で、φ125mmのシリカガラスロッド130を導電体母材200ごと線引きすると、導電体母材200は不活性雰囲気においてシリカガラスロッド130に保護された状態で線引きされ、φ5μmの導電体10と60μmの厚みの絶縁被覆層20とで構成されたφ125μmの絶縁電線1を製造することができる(図3(f)参照)。
【0031】
なお、φ125mm且つ長さ100mmのシリカガラスロッド130を線引きすることでφ125μm且つ100kmの長さの絶縁電線1を製造することができる。また、上述の説明における数値は各要素の寸法に関する一例であり、この数値に限定されるものではない。
【0032】
例えば、上述したような製造方法で製造される、導電体10と絶縁被覆層20とで構成した絶縁電線1において、絶縁被覆層20が、導電体10が露出する端部1a以外を密封状態で被覆する合成シリカガラスで構成した、つまり端部1a以外の導電体10を合成シリカガラス製の絶縁被覆層20により密封状態で被覆したため、細径化された絶縁電線1であっても実用強度を確保することができる。
詳述すると、合成シリカガラス製の絶縁被覆層20で導電体10を被覆することで十分な実用強度を具備する絶縁電線1を構成することができる。
【0033】
また、実用強度を有する合成シリカガラス製の絶縁被覆層20で、端部1a以外の導電体10を密封状態で被覆するため、大気中の酸素、水素、水分が絶縁被覆層20中を拡散して導電体10に至り、長期信頼性に対して環境要因が影響を及ぼすことを防止できる。
したがって、低抵抗値の導電体10を劣化させることなく、長期間安定して絶縁電線1を使用することができる。
【0034】
なお、上述の製造方法において、シリカガラスロッド130の導体収納部150において、シリカガラスロッド130と導電体母材200との間の隙間が外気と通気するが、導体収納部150に導電体母材200を挿入した状態のシリカガラスロッド130を高純度不活性ガス雰囲気のカーボンヒータ下部加工炉に投入して2000℃まで加熱しているため、導電体10が露出する端部1a以外において絶縁被覆層20で導電体10を密封状態で被覆することができる。
【0035】
また、導電体10を、純銀、純銅、純アルミニウム、及びカーボンナノチューブのうちいずれかで構成することにより、細径化されても所要の強度を有する低抵抗の導電体10を備えた絶縁電線1を構成することができる。なお、このように、所要の強度を有する低抵抗の導電体10として複数種の材質から選択できるため、用途や仕様に応じた適切な絶縁電線1を構成することができる。
【0036】
さらに、絶縁被覆層20が、所定温度で加熱して脱水し、不純物を除去した高純度無水合成シリカガラスであるため、屈曲性、絶縁性及び密閉性を向上させることができ、水素、酸素あるいは水分による劣化の抑制や耐久性などの、絶縁被覆層20として要求される性能を満足することができる。
また、上述した絶縁電線1の電線径φが0.05mm~0.5mmであるため、所望の抵抗値及び曲げ性能を具備する絶縁電線1を構成することができる。
【0037】
また、図2に示すように、絶縁被覆層20の外表面を覆うカーボンコート層30を設けた場合、より耐久性のある絶縁電線1を構成することができる。
詳しくは、シリカガラス製の絶縁被覆層20で被覆した絶縁電線1は実用強度を有しているものの、使用環境によっては外的接触の可能性があり、外的接触によってシリカガラス製の絶縁被覆層20が損傷すると強度低下を引き起こすおそれがある。これに対し、絶縁被覆層20の外表面を覆うカーボンコート層30により絶縁被覆層20の損傷を防止することができる。
【0038】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、図2に示すカーボンコート層30をアースすることで、例えば、いわゆる同軸電線のように、ノイズ除去機能を備えた絶縁電線1を構成することもできる。
【0039】
上述したように、細径化された絶縁電線の場合、コート層の厚みが薄くて所要のコート性能を有するカーボンコート層30で被覆した方がより好ましいが、絶縁被覆層20をカーボンコート層30の代わりに、アクリル系樹脂などでコーティングしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…絶縁電線
10…導電体
20…絶縁被覆層
30…カーボンコート層
図1
図2
図3