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特許7072470電磁波伝送路、電磁波伝送路の製造方法、および電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-12
(45)【発行日】2022-05-20
(54)【発明の名称】電磁波伝送路、電磁波伝送路の製造方法、および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01P 3/08 20060101AFI20220513BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
H01P3/08 100
H01P11/00 102
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018157716
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020031404
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 要
(72)【発明者】
【氏名】三浦 準
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-171104(JP,A)
【文献】特開2010-021703(JP,A)
【文献】特開2015-181211(JP,A)
【文献】特開2010-041555(JP,A)
【文献】特開2005-286306(JP,A)
【文献】特開平10-270914(JP,A)
【文献】特開昭53-098764(JP,A)
【文献】特開2004-088460(JP,A)
【文献】特開2016-195394(JP,A)
【文献】特開2006-005887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0000977(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0238858(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1694244(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0043326(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0003503(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 3/08
H01P 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路であって、
前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、
前記絶縁体は、第1媒質に前記所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる第2媒質が含まれて構成されることを特徴とする電磁波伝送路。
【請求項2】
前記第2媒質は、軟磁性体または反磁性体を含む磁性体であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波伝送路。
【請求項3】
前記絶縁体は、複数の粒子で構成される前記第2媒質が前記第1媒質内に分散されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波伝送路。
【請求項4】
前記第2媒質の磁気分極の方向は、前記電磁波が伝送される方向に対して直交するとともに、前記第1の導体と前記第2の導体とが対向する方向に対して直交するように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電磁波伝送路。
【請求項5】
前記第2媒質は、前記第1の導体と前記第2の導体に対して層状に形成されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電磁波伝送路。
【請求項6】
前記第1媒質に対する前記第2媒質の体積比は、前記第媒質の透磁率の絶対値に対する前記第2媒質の透磁率の絶対値の比の逆数であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電磁波伝送路。
【請求項7】
前記体積比は、1/20以下であることを特徴とする請求項6に記載の電磁波伝送路。
【請求項8】
前記第2媒質の分子量または密度は、前記第1媒質の分子量または密度より大きいことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電磁波伝送路。
【請求項9】
所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、
基板上に前記第1の導体を形成する第1導体形成工程と、
磁性体を微粒子化し、微粒子化された磁性体である前記第2媒質を前記第1媒質に混入して拡散した絶縁材を前記第1の導体上に塗布し、前記第2媒質の磁化方向を調整した後、前記絶縁材を硬化する処理を1回以上繰り返して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、
前記絶縁体上に前記第2の導体を形成する第2導体形成工程と、
を含むことを特徴とする電磁波伝送路の製造方法。
【請求項10】
所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、
基板上に前記第1の導体を形成する第1導体形成工程と、
前記第1の導体上に前記第1媒質を塗布して硬化し、該硬化した第1媒質上に前記第2媒質を成膜し、該成膜した前記第2媒質の磁化方向を調整する処理を1以上繰り返し、その後、磁化方向が調整された前記第2媒質上に前記第1媒質を塗布し硬化して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、
前記絶縁体上に前記第2の導体を形成する第2導体形成工程と、
を含むことを特徴とする電磁波伝送路の製造方法。
【請求項11】
所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、
前記第1媒質に微粒子化された前記第2媒質が拡散された絶縁材を、絶縁材で形成されたセル内に密封する密封工程と、
前記セル内の前記第2媒質の磁化方向を調整した後、前記第1媒質を硬化して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、
前記絶縁体を包む前記セルの表面及び裏面にそれぞれ前記第1の導体および前記第2の導体を形成する導体形成工程と、
を含むことを特徴とする電磁波伝送路の製造方法。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電磁波伝送路を構成する絶縁体に電磁波発振器または電磁波増幅器を配することを特徴とする電子デバイス。
【請求項13】
前記電磁波発振器または前記電磁波増幅器は、一つ以上の端面に金属の反射鏡が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記電磁波発振器は、ガンダイオードまたはインパットダイオードであることを特徴とする請求項13に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相速度を高め、かつ、特性インピーダンスを低くすることができる電磁波伝送路と、その電磁波伝送路の製造方法と、電磁波増幅器、発振器などの電子デバイスに関する。ここでいう電磁波は、波長10μm以下の光領域の電磁波も含む。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロストリップ線路などの電磁波伝送路では、導体間に絶縁体を配している。
【0003】
一方、電磁波伝送路に交流磁界をかけると定常的、または一時的に磁気分極が磁界の方向とは正反対の方向に向くマイナス透磁率の性質が知られている。ここでいう透磁率とは、(磁束密度B)/(磁界の強さH)である。なお、磁束密度B,磁界の強さHはマクスウェルの方程式で用いられる磁気密度B,磁界の強さHと同じ意味を持つ。
【0004】
特許文献1では、中空の管と、管の全内周面上に設けられた導波層とを備える導波管について開示されている。この導波層は、導体と、導体内に分散し負の透磁率を有する複数の磁性微粒子とにより構成されている。また、導波管において、中空の管を備え、管は、導体と、導体内に分散し負の透磁率を有する複数の磁性微粒子とにより構成されている。配線基板において、基板と、基板の表面上に設けられた導波層とを備え、導波層は、導体と、導体内に分散し負の透磁率を有する複数の磁性微粒子とにより構成されている。この構成により、表皮深さに起因する挿入損失を抑止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-21703号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】B.Rejaei and M.Vroubel,“Suppression of skin effect in metal/ferromagnet superlattice conductors“ B.Rejaei and M.Vroubel, J.Appl.Phys.96,6863(2004).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、マイクロストリップ線路などの電磁波伝送路では、導体間に導入された絶縁体の比透磁率が1以上であるため、位相速度と特性インピーダンスとが制限されるという問題があった。ここでいう絶縁体は全く電気を通さないというものでは無く、導体よりも直流において1万倍程度以上抵抗率が高い媒質を想定している。また、抵抗率の単位はΩ・mであり、空間的に平均化された値である。誘電体と呼ばれるものも直流の抵抗率が導体よりも高ければ絶縁体と呼ぶ。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、位相速度を高め、かつ、特性インピーダンスを低くすることができる電磁波伝送路、電磁波伝送路の製造方法、および電磁波増幅器、発振器などの電子デバイスを提供することを目的とする。具体的には、特性インピーダンスを下げることにより、インダクタンスに起因する高周波損失を低減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる電磁波伝送路は、所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路であって、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体は、第1媒質に前記所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる第2媒質が含まれて構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記第2媒質は、軟磁性体または反磁性体を含む磁性体であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記絶縁体は、複数の粒子で構成される前記第2媒質が前記第1媒質内に分散されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記第2媒質の磁気分極の方向は、前記電磁波が伝送される方向に対して直交するとともに、前記第1の導体と前記第2の導体とが対向する方向に対して直交するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記第2媒質は、前記第1の導体と前記第2の導体に対して層状に形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記第1媒質に対する前記第2媒質の体積比は、前記第2媒質の透磁率の絶対値に対する前記第2媒質の透磁率の絶対値の比の逆数であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記体積比は、1/20以下であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる電磁波伝送路は、上記の発明において、前記第2媒質の分子量または密度は、前記第1媒質の分子量または密度より大きいことを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる電磁波伝送路の製造方法は、所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、基板上に前記第1の導体を形成する第1導体形成工程と、磁性体を微粒子化し、微粒子化された磁性体である前記第2媒質を前記第1媒質に混入して拡散した絶縁材を前記第1の導体上に塗布し、前記第2媒質の磁化方向を調整した後、前記絶縁材を硬化する処理を1以上繰り返して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、前記絶縁体上に前記第2の導体を形成する第2導体形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる電磁波伝送路の製造方法は、所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、基板上に前記第1の導体を形成する第1導体形成工程と、前記第1の導体上に前記第1媒質を塗布して硬化し、該硬化した第1媒質上に前記第2媒質を成膜し、該成膜した前記第2媒質の磁化方向を調整する処理を1以上繰り返し、その後、磁化方向が調整された前記第2媒質上に前記第1媒質を塗布し硬化して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、前記絶縁体上に前記第2の導体を形成する第2導体形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる電磁波伝送路の製造方法は、所定の間隔を隔てて構成される第1の導体および第2の導体を有し、前記第1の導体と前記第2の導体との間に、前記第1の導体および前記第2の導体よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されており、前記絶縁体が、第1媒質に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる磁性体である第2媒質が含まれて構成され、前記所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路の製造方法であって、前記第1媒質に微粒子化された前記第2媒質が拡散された絶縁材を、絶縁材で形成されたセル内に密封する密封工程と、前記セル内の前記第2媒質の磁化方向を調整した後、前記第1媒質を硬化して前記絶縁体を生成する絶縁体生成工程と、前記絶縁体を包む前記セルの表面及び裏面にそれぞれ前記第1の導体および前記第2の導体を形成する導体形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる電子デバイスは、上記の発明のいずれか一つに記載の電磁波伝送を構成する絶縁体に電磁波発振器または電磁波増幅器を配することを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる電子デバイスは、上記の発明において、前記電磁波発振器または前記電磁波増幅器は、一つ以上の端面に金属の反射鏡が形成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明にかかる電子デバイスは、上記の発明において、前記電磁波発振器は、ガンダイオードまたはインパットダイオードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、位相速度を高め、かつ、特性インピーダンスを低くすることができる。さらに、本発明によれば、結果としてインダクタンスに起因する損失を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施の形態であるマイクロストリップ線路の構成を示す断面図である。
図2図2は、図1に示したマイクロストリップ線路の絶縁体内の磁性体の磁気分極を模式的に示した図である。
図3図3は、マイクロストリップ線路の等価回路を示す回路図である。
図4図4は、図1に示したマイクロストリップ線路の電磁波の位相速度の比透磁率依存性を示す図である。
図5図5は、マイクロストリップ線路などの電磁波伝送路のインピーダンスの動作周波数依存性を示す図である。
図6図6は、図1に示したマイクロストリップ線路に対する特性インピーダンスの比透磁率依存性を示す図である。
図7図7は、マイクロストリップ線路の製造手順を示すフロー図である。
図8図8は、マイクロストリップ線路の変形例1の製造手順を示すフロー図である。
図9図9は、マイクロストリップ線路の絶縁体内部に能動素子としてのガンダイオードを設けた電子デバイスの一例を示す図である。
図10図10は、コプレーナ線路の構成を示す断面図である。
図11図11は、同軸ケーブル線路の構成を示す断面図である。
図12図12は、絶縁体内の磁性体を筒状に形成した同軸ケーブル線路の構成を示す断面図である。
図13図13は、マイクロストリップ線路の変形例6の構成を示す断面図である。
図14図14は、マイクロストリップ線路の絶縁体内部にガンダイオードを配置した電磁波発振器の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。本実施の形態では、電磁波伝送路の一例としてマイクロストリップ線路について説明する。
【0026】
<全体構成>
図1は、本発明の実施の形態であるマイクロストリップ線路1の構成を示す断面図である。マイクロストリップ線路1は、所定の間隔を隔てて構成される第1の導体(以下、導体10という)および第2の導体(以下、導体11という)を有し、所定の周波数の電磁波を伝送する電磁波伝送路であって、導体10と導体11との間に、導体10および導体11よりも電気抵抗率の高い絶縁体が配されている。電磁波は、電界と磁界の相互作用によってマイクロストリップ線路1を伝搬してゆく。電界と磁界は、互いに直交している。
【0027】
ここで、絶縁体とは、導体10および導体11の抵抗率より高い抵抗率を有するものをいう。一般的に導体より少なくとも1万倍以上、抵抗率(Ωm)が高い絶縁体を用いる。また、ここでいう導体とは、金属または半導体を含む概念である。また、ここでいう絶縁体とは、空気または真空を含む概念である。
【0028】
図2に示すように、絶縁体20は、物理的に直接接触していない導体10と導体11との間に介在している。絶縁体20は、第1媒質(以下、基準媒質という)に所定の周波数において透磁率が0またはマイナスになる第2媒質(以下、調整媒質という)が含まれて構成される。具体的には、絶縁体20は、導体10,11よりも1万倍以上抵抗率が高い基準媒質であるポリイミド21内に、透磁率が所定の周波数及び温度において一時的または定常的に0またはマイナスになる調整媒質である強磁性体の磁性体22が含まれる。強磁性体は、例えば、NiおよびFeなどである。なお、詳細は後述するが、調整媒質は、軟磁性体または反磁性体を含む磁性体であってもよい。また、従来、導体10と導体11との間に介在する絶縁体20の磁性体22をマイナス透磁率にしようとする技術および設計思想は存在しなかった。
【0029】
また、絶縁体20は、複数の粒子で構成される磁性体22がポリイミド21内に分散されている。分散とは、例えば、1mm内に磁性体の粒子が2~3個以上存在し、一組以上の粒子のペアが互いに物理的に直接接していない状態である。この分散は、光学または電子顕微鏡による画像解析で確認することができる。ところで、絶縁体20の磁性体22は、外部磁界と磁気分極が正反対の方向を向いてマイナス透磁率を示す。これは、強磁性体が外部磁界に影響を受けにくい磁気的に重い原子または分子だからであると考えられる。
【0030】
また、絶縁体20は、ポリイミド21の透磁率の絶対値と、磁性体22の透磁率の絶対値との割合を適切にして磁性体22をポリイミド21に混ぜると、空間的に平均的な透磁率が0またはマイナスになる。例えば、ポリイミド21に対する磁性体22の体積比は、ポリイミド21の透磁率の絶対値に対する磁性体22の透磁率の絶対値の比の逆数であることが好ましい。例えば、5GHzの電磁波を伝送する場合には、磁性体22の負の比透磁率は「-20」であり、ポリイミドの比透磁率は「1」である。このため、ポリイミド21に対する磁性体22の体積比は、「1/20」以下とすることが好ましい。このとき、磁性体はCo系の化合物であり、例えば、非特許文献1に記載の理論式より、比透磁率が計算される。
【0031】
なお、ポリイミド21の比透磁率は「1」であり、磁性体22を体積比5%混入することにより、絶縁体20の空間的に平均化された透磁率を「0」にすることができる。この場合、ポリイミド21に対して、数%の磁性体22の混入であれば、磁性体22間の相互作用、例えば、だまになったり、分散しにくくなるなどの相互作用は、無視でき、効率的にマイナス透磁率の効果を得た絶縁体20を得ることができる。
【0032】
なお、図1に示したマイクロストリップ線路1は、導体10の幅W=400μm、絶縁体20の高さh=200μm、ポリイミド21の比誘電率εr=3.5、比透磁率μr=1.0である。図3は、マイクロストリップ線路1の等価回路を示している。マイクロストリップ線路1は、分布定数線路として表すことができる。分布定数線路は、インダクタンスLとキャパシタンスCの多段接続した回路で示すことができる。絶縁体20がポリイミド21のみで構成されている場合、インダクタンスLは、6.28×10-7H/mであり、キャパシタンスCは、6.2×10-11F/mである。なお、インダクタンスLは、導体10と導体11との間の絶縁体20の透磁率に比例する。
【0033】
<マイナス透磁率の効果>
ここで、マイクロストリップ線路1の位相速度vおよび特性インピーダンスZは、絶縁体20の比透磁率μrと比誘電率εrに依存する。マイクロストリップ線路1のインダクタンスLは、(1)式
L=μ・h/W ・・・(1)
で表され、透磁率μが小さくなることによってインダクタンスLは小さくなる。一方、位相速度vは、(2)式
v=1/√(L・C) ・・・(2)
で表される。したがって、インダクタンスLが小さくなると、位相速度vは大きくなる。
【0034】
図4は、図1に示したマイクロストリップ線路1を伝搬する電磁波の位相速度vに対する比透磁率μrの依存性を示す図である。図4に示すように、比透磁率μrを下げると、位相速度vが大きくなることがわかる。ここで、比透磁率μrとは、「(対象となる物質の透磁率)/(真空中の透磁率)」、で定義される。位相速度vは、マイナス透磁率を用いたマイクロストリップ線路1内で大きくなっても、電磁波が空気中に放射された際、空気中の誘電率εと透磁率μで決定される。
【0035】
また、図5は、マイクロストリップ線路1などの電磁波伝送路のインピーダンスZの動作周波数依存性を示す図である。図5に示すように、電磁波伝送路のインピーダンスZは、無損失周波数f0で最小になる。無損失周波数f0は、(3)式で定義される。
f0=1/(2π√(C・L)) ・・・(3)
インダクタンスLを小さくすると、無損失周波数f0を大きくすることができる。通常、無損失周波数f0は、25MHz程度であるが、マイナス透磁率に設定することによって、100GHz以上になる。したがって、マイクロストリップ線路1が発振器の共振器に接続される場合、無損失周波数f0を発振周波数に近づけることができる。この結果、発振周波数の電磁波を低損失で伝送することができる。
【0036】
また、特性インピーダンスZは、(4)式で定義される。
=√(L/C) ・・・(4)
したがって、インダクタンスLを小さくすると特性インピーダンスZを小さくすることができる。
【0037】
図6は、図1に示したマイクロストリップ線路1に対する特性インピーダンスZの比透磁率μrの依存性を示す図である。図6に示すように、特性インピーダンスZは、比透磁率μrが小さくなるにしたがって小さくなる。特性インピーダンスZを小さくすると、マイクロストリップ線路1に流れる高周波電流を増大することができる。図6では、比透磁率μrが「1」のときに比べて、マイナス透磁率を「0.1」まで下げると、特性インピーダンスZは1/3まで低減し、出力の高周波電流の電流振幅は3倍に増加することになる。
【0038】
上記のように、マイクロストリップ線路1は、絶縁体20にマイナス透磁率の磁性体22を含むので、インダクタンスLが小さくなり、電磁波伝送路の位相速度vを大きくすることができるとともに、特性インピーダンスZを小さくすることができる。マイクロストリップ線路1は、特性インピーダンスZが小さくなると、インダクタンスによる損失が低減され、伝送効率を向上させることができる。また、マイクロストリップ線路1を発振器の共振器などに接続する構成の場合、無損失周波数f0が発振周波数に近づくことにより、低損失な電磁波伝送路を実現できる。
【0039】
<製造方法>
つぎに、マイクロストリップ線路1の製造方法について説明する。図7は、マイクロストリップ線路1の製造手順を示すフロー図である。図7に示すように、まず、基板30上に、下部の導体11をスパッタリングなどによって成膜する(図7(a))。その後、微粒子の磁性体22を生成する(図7(b))。この磁性体22の微粒子化は、スパッタリング法、研磨法、アーク加熱法、プラズマCVD法などによって行うことができる。
【0040】
その後、微粒子化された磁性体22を容器内のポリイミド21に混入する(図7(c))。微粒子化された磁性体22をポリイミド21中に混入する場合、回転機構または機械的振動を与えられる機構を有するミキサーを用いることが好ましい。このような方法で微粒子化された磁性体22をポリイミド21中に混入して均一に拡散すると、絶縁体20で生じる磁界の強さが絶縁体20の厚さ方向で均一になるため、導体10,11のインダクタンスL成分が導体10,11内で均一になるというメリットがある。
【0041】
その後、磁性体22が混入されポリイミド21aを導体11上に塗布する(図7(d))。ポリイミド21aの塗布をスピンコートで行う場合、数10回転数/秒で行うことが好ましい。その後、ポリイミド21a内の磁性体22の磁化方向を調整するとともに、この状態でポリイミド20aを硬化したポリイミド20bにする(図7(e))。磁化方向の調整は、例えば、0.1~10テスラの磁石、永久磁石、超伝導コイルなどの磁場発生器を用い、磁界Hを、マイクロストリップ線路1の磁界方向(+X方向あるいは-X方向)に印加して磁気分極を一方向に配列する。なお、ポリイミド20aは、熱硬化性樹脂であるため、例えば300℃以上の温度にして硬化される。なお、基準媒質が光硬化性樹脂である場合、例えば紫外光などを当てて硬化させる。
【0042】
その後、図7(d)及び図7(e)の処理を繰り返し、絶縁体20を厚さ方向(Z方向)に堆積する(図7(f))。絶縁体20が所望の厚さになった場合、レジストを塗布してパターニングを行う(図7(g))。その後、上部の導体10を成膜し(図7(h))、リフトオフする(図7(i))ことにより、図1に示したマイクロストリップ線路1が製造される。
【0043】
<マイクロストリップ線路の変形例1の製造方法>
つぎに、マイクロストリップ線路1の変形例1の製造方法について説明する。図7に示したマイクロストリップ線路1では、絶縁体20内の磁性体22が絶縁体20内で均一に分散させるものであったが、この変形例1では、絶縁体20内の磁性体22を厚さ方向(Z方向)に向けて層状に形成するようにしている。
【0044】
図8は、マイクロストリップ線路1の変形例1の製造手順を示すフロー図である。図8に示すように、まず、基板30上に、下部の導体11をスパッタリングなどによって成膜する(図8(a))。その後、ポリイミド21を導体11上に塗布し、硬化させる(図8(b))。その後、ポリイミド21上に、スパッタリングなどによって磁性体22を成膜し、磁化方向の調整を行う(図8(c))。その後、成膜した磁性体22上にポリイミド21を塗布し、硬化させる(図8(d))。
【0045】
その後、レジストを塗布してパターニングを行い、上部の導体10を成膜し、リフトオフする(図8(e))ことにより、図1に示したマイクロストリップ線路1の変形例が製造される。
【0046】
なお、図8(c)及び図8(e)の処理を繰り返し、複数の磁性体22の層を形成するようにしてもよい。
【0047】
また、磁性体22の層は面状でなく、部分的な棒状であってもよい。すなわち、XY平面に対して磁性体22の層を棒状に形成してもよい。
【0048】
この変形例の製造方法では、マイナス透磁率の磁性体22の分布を容易に制御することができる。すなわち、この変形例の製造方法では、絶縁体20のマイナス透磁率の特性を予想しやすく、設計し易いというメリットがある。
【0049】
<変形例2>
上記の実施の形態及び変形例1では、絶縁体20をポリイミド21に磁性体22を混入させて絶縁体20の透磁率が所定の周波数及び温度において一時的または定常的に0またはマイナスになるようにしていたが、これに限らず、分子量または密度の異なる2種類の樹脂(例えば、ポリイミドとエポキシ)を混ぜる構成でもよい。この構成の場合、分子量または密度の異なる2種類の樹脂それぞれの磁気分極が、ある周波数で正反対の関係になり、透磁率を相殺し、絶縁体20全体の透磁率を0またはマイナスにすることができる。なお、透磁率は、温度依存性があるため、使用する環境に応じて設計する必要がある。
【0050】
<変形例3>
また、磁性体22でなくても、重さ(分子量または密度)の異なる二つの物質(半導体および樹脂)が混入されていてもよい。例えば、ポリイミドとシリコン微粒子の組み合わせなどである。
【0051】
<変形例4>
図9は、マイクロストリップ線路1の絶縁体20に能動素子としてのガンダイオード40を設けた電子デバイス2の一例を示す図である。ガンダイオード40は、電子双極子を周期的に走行させるガン効果を用いた発振器である。このような能動素子と、マイクロストリップ線路1との組み合わせにより、図5に示した無損失周波数f0をガンダイオード40の発振周波数に近づけることができる。
【0052】
なお、ガンダイオード40は、発振器の一例であり、例えばインパットダイオードであってもよい。インパットダイオードは、雪崩降伏現象を利用した発振器である。この二つのダイオードは周期的に電気双極子を走行させることにより、電磁波(高周波電流)を生成することができる。
【0053】
さらに、図9に示したマイクロストリップ線路1の両端に光学的に平坦な金属膜を形成し、反射鏡として用いることによって増幅器を形成できる。この場合、発振器などのQ値の向上につながる。上記の発振器または増幅器にマイナス透磁率の絶縁体を導入すると、上述したように、インダクタンス成分の損失が下がるので、その分、高周波電流の出力が向上する。出力が向上したときの増加率を算出する場合は、共振器を電磁波伝送路としてみたときの特性インピーダンスZの低減特性を参照すればよい。
【0054】
<変形例5>
上記の実施の形態及び変形例では、電磁波伝送路の一例としてマイクロストリップ線路1を中心に説明したが、マイクロストリップ線路1に限らず、コプレーナ線路または同軸ケーブル線路であってもよい。
【0055】
図10は、コプレーナ線路3の構成を示す断面図である。図10に示したコプレーナ線路3は、絶縁体44上に三つの導体線路41が形成され、この導体線路41間に、絶縁体20に対応する二つの絶縁体42が形成される。絶縁体42の透磁率は、絶縁体20の誘電率と同様に、所定の周波数及び温度において一時的または定常的に0またはマイナスになる。
【0056】
図11は、同軸ケーブル線路4の構成を示す断面図である。図11に示した同軸ケーブル線路4は、内部導体線路50と外部導体線路51との間に管状の絶縁体53が形成される。絶縁体53の透磁率は、絶縁体20の誘電率と同様に、所定の周波数及び温度において一時的または定常的に0またはマイナスになる。
【0057】
同軸ケーブル線路4の製造手順は以下のとおりである。内部導体線路を線引きしている間に絶縁体53となるポリエチレンを塗布する。ポリエチレン中には、マイナス透磁率を有する磁性体が混入されており、塗布後、硬化する前に外部磁場をかけて磁性体の磁気分極の方向を一定方向に配向する。一定方向とは、電磁波が伝送される方向に対して直交するとともに、内部導体線路50と外部導体線路51とが対向する方向に対して直交する方向である。直交とは、直角に交わること、および、直角に交わっているとみなせる誤差の範囲を含むことをいう。
【0058】
なお、図12に示すように、磁性体が混入されたポリエチレンを塗布するのではなく、磁性体が混入していないポリエチレン絶縁層である基準媒質54の形成後に、マイナス透磁率を有する調整媒質55で基準媒質54を覆い、再度、基準媒質54を塗布する処理を繰り返すようにしてもよい。この場合、基準媒質54及び調整媒質55は、筒状に形成されることになる。なお、調整媒質55の分子量または密度は、基準媒質54の分子量または密度より大きくてもよい。
【0059】
<変形例6>
図13は、マイクロストリップ線路1の変形例6の構成を示す断面図である。図13に示すように、変形例6のマイクロストリップ線路1は、ガラス製のセル60内に、磁性体22が混入されたポリイミド21である絶縁体20が密封される。この絶縁体20が密封された状態で、磁石M1,M2を用いて磁性体22の磁気分極の方向を一定方向に配向した後、ポリイミド21が硬化される。一定方向とは、電磁波が伝送される方向に対して直交するとともに、導体10と導体11とが対向する方向に対して直交する方向である。直交とは、直角に交わること、および、直角に交わっているとみなせる誤差の範囲を含むことをいう。なお、導体10,11は、例えばアルミテープで形成される。この変形例6によれば、マイクロストリップ線路1を簡易に製造することができる。
【0060】
<変形例7>
図14は、マイクロストリップ線路1の絶縁体20にガンダイオード40を配置した電磁波発振器の構成を示す断面図である。図14に示すように、変形例7では、絶縁体20及びガンダイオード40がガラス製のセル60内に配される。その他の構成及び製造方法は、変形例6と同じである。変形例7によれば、電磁波発振器を簡易に製造することができる。
【0061】
本実施の形態及び変形例では、マイクロストリップ線路1、コプレーナ線路3、同軸ケーブル線路4などの電磁波伝送路の導体間に、透磁率が所定の周波数及び温度において一時的または定常的に0またはマイナスになる調整媒質を部分的に含む絶縁体20、42、53を形成することにより、電磁波伝送路の位相速度および特性インピーダンスを飛躍的に向上することができる。また、これら電磁波伝送路を電磁波発振器と増幅器の共振器に用いることにより、電磁波の出力、または高周波電流の電流振幅を飛躍的に向上することができる。
【0062】
なお、上記の実施の形態及び変形例では、電気信号としてマイクロ波などの電磁波を想定した電磁波伝送路、電磁波発振器、電磁波増幅器の一例を示したが、これに限らず、10μm以下の光領域の信号に対しても適用することができる。
【0063】
ところで、上述したマイナス透磁率を発現する絶縁体20以外にも、マイナス透磁率を実現できる絶縁体がある。例えば、量子力学的な効果でマイナス透磁率が発現する場合がある。一般的に、4GHz以上の磁性体でマイナス透磁率を発現する報告が非特許文献1に示されている。
【0064】
また、超伝導的な原理で発現するビスマスなどの反磁性体と呼ばれる物質は定常的にもマイナス透磁率を示すことが知られている。
【0065】
さらに、磁性体22は、強磁性体ではなく、ケイ素鋼などの軟磁性体であってもよい。軟磁性体は、飽和するまでは外部磁場に比例して磁気分極が増減し、増加する場合と減少する場合との磁気分極の割合が非常に近い特性を有する。すなわち、軟磁性体は、ヒステリシス特性が小さく、透磁率が大きい特性をもつ。
【0066】
すなわち、上記の実施の形態あるいは変形例で示した以外のマイナス透磁率を発現する絶縁体を導体間に介在させた電磁波伝送路および電子デバイスとしてもよい。
【0067】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態及び変形例について説明したが、本実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1 マイクロストリップ線路
2 電子デバイス
3 コプレーナ線路
4 同軸ケーブル線路
10,11 導体
20,42,53 絶縁体
21 ポリイミド
22 磁性体
30 基板
40 ガンダイオード
41 導体線路
44 絶縁体
50 内部導体線路
51 外部導体線路
54 基準媒質
55 調整媒質
60 セル
C キャパシタンス
f0 無損失周波数
H 磁界
L インダクタンス
M1,M2 磁石
v 位相速度
W 幅
Z インピーダンス
特性インピーダンス
ε 誘電率
εr 比誘電率
μ 透磁率
μr 比透磁率
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14