(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】光硬化性ハードコート組成物、方法、およびその組成物由来の物品
(51)【国際特許分類】
C09D 4/00 20060101AFI20220516BHJP
C09D 4/02 20060101ALI20220516BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20220516BHJP
C09D 7/48 20180101ALI20220516BHJP
C08F 2/50 20060101ALI20220516BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20220516BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20220516BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
C09D4/00
C09D4/02
C09D7/63
C09D7/48
C08F2/50
C08F2/44 B
C08F290/06
C09K3/00 104B
(21)【出願番号】P 2019528832
(86)(22)【出願日】2017-11-29
(86)【国際出願番号】 US2017063594
(87)【国際公開番号】W WO2018102341
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-24
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン ジー. ウッド ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ イー. ジョーンズ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジニウ ユー
(72)【発明者】
【氏名】トマス エヌ. ホール
(72)【発明者】
【氏名】ザルフィカール エイ. タヒル
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン ヴィ. スィツマン
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-528657(JP,A)
【文献】特表2016-514756(JP,A)
【文献】国際公開第2009/065490(WO,A2)
【文献】特開2010-215754(JP,A)
【文献】特表2006-527066(JP,A)
【文献】特表2005-510355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00-201/10
B32B 1/00- 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化性ハードコートコーティング組成物であって、
a)エチレン性不飽和重合性化合物と、
b)式(I)もしくは(II)のレッドシフトしたUV吸収剤、または式(I)、(II)、および(III)のうちのいずれか2つの混合物と、
c)光開始剤の組み合わせであって、
i)α-ヒドロキシケトン光開始剤、および
ii)ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤を含む、光開始剤の組み合わせと、
任意選択的に、d)ヒンダードアミン光安定剤と、を含み、
【化1】
式中、R
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-18アルケニル、C
5-12シクロアルキル、C
7-15フェニルアルキル、フェニル、または0~4個のC
1-4アルキル基を有するフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または
R
1が、
【化2】
であり、
Lが、R
1への連結基であり、C
1-12アルキレン、C
2-12アルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、またはC
5-7シクロアルキレンであり、
R
2が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-18アルケニル、C
5-12シクロアルキル、C
7-15フェニルアルキル、フェニル、または0~3個のC
1-4アルキル基を有するフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または1個以上の-OH、-OCO-R
11、-OR
14、-NCOもしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されているアルキルであるか、または1個以上の-O-、-NH-、もしくは-NR
14-基、もしくはこれらの混合物によって中断されており、かつ非置換であるか、もしくは1個以上の-OH、-OR
14、もしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよい、アルキルもしくはアルケニルであり、
R
11が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
3-C
8アルケニル、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルであり、
R
14が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキルであり、
R
2が、-OR
14、-C(O)-O-R
14、-C(O)-NHR
14、または-C(O)-NR
14R’
14基であり、R’
14が、R
14、-SR
13、-NHR
13、または-N(R
13)
2、-(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15と同じ意味を有し、
X
1が、-O-または-N(R
16)-であり、
Yが、-O-もしくは-N(R
17)-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはC
3-C
12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン、もしくはフェニレンであり、これらの各々がヒドロキシル基によってさらに置換されていてもよく、
【化3】
(式中、*が結合を表す)、またはYが直接結合であるとき、Zが直接結合であってもよく、
mが、0、1、または2であり、
pが1であるか、またはXおよびYがそれぞれ-N(R
16)-および-N(R
17)-であるときは、pは0でもあり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、
【化4】
、-CO-C(R
18)=C(H)R
19基であるか、またはYが-N(R
17)であるとき、R
15がR
17と一緒になって、-CO-CH=CH-CO-基を形成し、
R
18が、水素またはメチルであり、R
19が、水素、メチル、または-CO-X
1-R
20であり、
R
20が、水素、C
1-C
12アルキル、または以下の式の基であり、
【化5】
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ハロゲン、CN、NO
2、またはNH
2であり、
R
13が、1~20個の炭素原子のアルキル、2~20個の炭素原子のヒドロキシアルキル、3~18個の炭素原子のアルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、両方とも1~4個の炭素原子の1個または2個のアルキルによって置換されていてもよいフェニルまたはナフチルであり、
R
16およびR
17が、互いに独立して、水素、C
1-C
12-アルキル、1~3個の酸素原子によって中断されているC
3-C
12-アルキル、シクロヘキシル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、またはZがエチレンである場合にはまた、R
16がR
17と一緒になって、エチレンを形成し、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または前記直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、前記直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、もしくはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、もしくは-NR
22-基、もしくはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、
前記フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた、1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、
nが、0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、もしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであるか、または
E
1が、
【化6】
の基であり、
Qが、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、1個以上の-O-、NH、またはNR
14原子によって中断されているC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレン、パラ-フェニレン、または
【化7】
の基(式中、*が結合を表す)であり、
R
101、R
102、およびR
104が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキルであり、
R
105、R
106、R
107、R
108、およびR
109が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、もしくは5~12個の炭素原子のシクロアルキル;または1~4個のハロゲン、エポキシ、グリシジルオキシ、フリルオキシ、-R
204、-OR
205、-N(R
205)
2、-CON(R
205)
2、-COR
205、-COOR
205、-OCOR
205、-OCOC(R
205)=C(R
205)
2、-C(R
205)=CCOOR
205、-CN、-NCO、もしくはこれらの組み合わせによって置換されているアルキルもしくはシクロアルキル;または1~4個のエポキシ、-O-、-NR
205-、-CONR
205-、-COO-、-OCO-、-CO-、-C(R
205)=C(R
205)COO-、-OCOC(R
205)=C(R
205)-、-C(R
205)=C(R
205)-、フェニレン、もしくはGが-O-、-S-、-SO
2-、-CH
2-、もしくは-C(CH
3)
2-であるフェニレン-G-フェニレン、もしくはこれらの組み合わせによって中断されているアルキルもしくはシクロアルキル;または上記の基の組み合わせによって両方とも置換および中断されているアルキルもしくはシクロアルキル;または-COR
206であり、
R
204が、6~10個の炭素原子のアリール、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらの組み合わせによって置換されているアリール;5~12個の炭素原子のシクロアルキル;7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらの組み合わせによってフェニル環上で置換されているフェニルアルキル;または2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニルであり、
R
205が、R
204と同義であるか、またはR
205がまた、水素、もしくは1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~24個の炭素原子のアルケニルであり、
R
206が、1~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、フェノキシ、1~12個の炭素原子のアルキルアミノ、6~12個の炭素原子のアリールアミノ、-R
207COOH、または-NH-R
208-NCOであり、
R
207が、2~14個の炭素原子のアルキレンまたはフェニレンであり、
R
208が、2~24個の炭素原子のアルキレン、フェニレン、トリレン、またはジフェニルメタンである、光硬化性ハードコートコーティング組成物。
【請求項2】
R
1が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、
【化8】
であり、
式中、Lが、1~12個の炭素原子のアルキレン、2~12個の炭素原子のアルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、または5~7個の炭素原子のシクロアルキレンであり、
R
2が、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、または-(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15であり、
X
1が、-O-であり、
Yが、-O-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12-アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはYが、直接結合であるとき、Zが、さらにまた、直接結合であってもよく、
mが2であり、
pが1であり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、または
【化9】
であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ClまたはBrであり、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または前記直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、前記直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、もしくはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、もしくは-NR
22-基、もしくはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、
前記フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた、1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、
nが、0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、もしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであり、
E
1が、
【化10】
であり、
Qが、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレンもしくはパラ-フェニレン、
【化11】
である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R
1が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、
R
2が、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、または-(CH
2)
2-CO-O-(Z)-O-R
15であり、
Zが、C
2-C
12-アルキレン、1~3個の酸素原子により中断されているC
4-C
12アルキレンであり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、
【化12】
であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ClまたはBrであり、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキルもしくはC
5-C
12シクロアルキルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2によって置換されていてもよく、前記フェニルまたはC
7-C
15フェニルアルキルがまた、1個以上の-ハロゲン、-CN、-CF
3、-OH、-OR
22、-COR
22、-R
22によって置換されていてもよく、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、C
6-C
16フェニルまたはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであり、
E
1が、
【化13】
であり、
Qが、C
2-C
12アルキレン、C
5-C
7シクロアルキレン、パラ-フェニレン、
【化14】
である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
R
1が、水素、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または7~15の炭素原子のフェニルアルキルであり、
R
2が、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキルもしくは7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、
R
5およびR
6が、水素であるか、または両方のうちの一方がClもしくはBrであり、
R
7およびR
8が、独立して水素、Cl、またはBrであり、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、非置換であるかもしくは1~4個のOHによって置換されている直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
6アルキル、非置換もしくはF、CF
3、CNもしくはClによって置換されているフェニル、またはC
7-C
9フェニルアルキルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが、式(I)のものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが、
【化15-1】
【化15-2】
である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-n-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ジ-n-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジ(メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジ(ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2-メトキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-メトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-エトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジイソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジ-(n-ヘキシルオキシ)フェニル)-1-3,5-トリアジン、またはこれらのいずれか2つ以上の混合物である、式IIIの前記レッドシフトしたUV吸収剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン性不飽和重合性化合物が、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2~4個の二重結合を含有するモノマー、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、エチレン性不飽和カルボン酸と、ポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンおよびこれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンのコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、不飽和アミド、オリゴマー多価不飽和化合物、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(複数可)、2、3または4個のアクリレート基を含むアクリレートモノマー、2、3または4個のメタクリレート基を含むメタクリレートモノマー、ならびにこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-オクタデシルアミノピペリジン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ-s-トリアジン、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-アジペート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジペート、2,4-ビス{N-[1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル]-N-ブチルアミノ}-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-s-トリアジン、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)p-メトキシベンジリデンマロネート、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、トリス(2-ヒドロキシ-3-(アミノ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)ニトリロトリアセテート、テトラキス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、テトラキス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス-(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、ポリ[メチル(3-オキシ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)]シロキサン(CAS#182635-99-0)、無水マレイン酸-C
18-C
22-α-オレフィン-コポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、ならびに1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとシアヌル酸クロリドとの反応によって得られる生成物と、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミンとの反応によって得られる生成物からなる群から選択される、前記ヒンダードアミン光安定剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル-s-トリアジン、ベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、マロネート、およびオキサミドからなる群から選択される紫外線吸収剤をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニル-s-トリアジンまたはヒドロキシルフェニルベンゾトリアゾールを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に各々基づいて、前記レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが
、0.05重量%
~5.0重量%存在し、前記ヒンダードアミン光安定剤が
、0.5重量%
~3.0重量%存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
基材上に光硬化ハードコート保護フィルムコーティングを形成するための方法であって、請求項1に記載の光硬化性ハードコートコーティング組成物を基材に塗布することと、光源を用いて前記光硬化性ハードコートコーティング組成物に照射して前記光硬化ハードコート保護フィルムコーティングを形成することと、を含む、方法。
【請求項14】
基材と、それに接着している光硬化ハードコート層とを含む物品であって、前記光硬化ハードコート層が、請求項1に記載の光硬化性ハードコートコーティング組成物から調製された、硬化された光硬化性ハードコートコーティング配合物である、物品。
【請求項15】
前記光硬化ハードコートコーティング層が
、0.2ミル
~10ミルの厚さである、請求項14に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月30日出願の米国特許仮出願第62/428,273号に対する優先権の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、レッドシフトした、ある特定の紫外線吸収剤(UVA)を含む、光硬化性ハードコートコーティング組成物、コーティング配合物を光硬化させるためのプロセス、およびその組成物由来の物品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】様々な実施形態に従った、基材、および基材に接着された光硬化ハードコートコーティング層を含む物品の概略図である。
【
図2】様々な実施形態に従った、光硬化ハードコートフィルム物品の概略図である。
【
図3】様々な実施形態に従った、光透過性フィルム層を含む光硬化ハードコートフィルム物品の概略図である。
【
図4】様々な実施形態に従った、接着剤層および任意選択的な第2の剥離ライナーを含む光硬化ハードコートフィルム物品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下、様々な実施形態について記載する。具体的な実施形態は、包括的な説明として、または本明細書で考察される、より広い態様への限定として意図されないことに留意されたい。特定の実施形態に関して記載された一態様は、その実施形態に限定される必要はなく、任意の他の実施形態によって実施されてもよい。
【0005】
本明細書で使用される際、「約(about)」は当業者に理解され、使用される文脈に応じてある程度変化する。当業者には明らかでない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約(about)」はその特定の用語のプラスまたはマイナス10%を意味する。
【0006】
要素を記載する文脈において、(とりわけ、後続の特許請求の範囲の文脈において)「a」および「an」および「the」という用語、ならびに類似の指示物は、本明細書において別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾することがない限り、単数形および複数形の両方を網羅するよう解釈されることになっている。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指示がない限り、範囲内の各々の別個の値を個々に参照する簡略方法として役立つことを意図しており、各々の個別値は、本明細書に個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において特に示されない、または文脈において特に明確に否定されない限り、任意の適切な順番において実施可能である。本明細書で提供されるいかなるおよび全ての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は単に、実施形態をより良好に明らかにするよう意図されており、別段の記載がない限り、特許請求の範囲に制限を与えるものではない。本明細書におけるいかなる言語も、請求されていないあらゆる要素を不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
【0007】
一般に、「置換されている」とは、その中に含まれている水素原子への1個以上の結合が、非水素原子または非炭素原子への結合によって置き換えられている、以下に定義されるような(例えば、アルキル基)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはエーテル基を指す。置換基は、炭素原子(複数可)または水素原子(複数可)への1つ以上の結合が、二重または三重結合を含む1つ以上の結合によってヘテロ原子に置き換えられた基も含む。したがって、別段の指定がない限り、置換基は、1つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、置換基は、1、2、3、4、5または6個の置換基で置換されている。置換基の例としては、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI)、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ(alkenoxy)、アルキノキシ(alkynoxy)、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基、カルボニル(オキソ)、カルボキシル、エステル、エーテル、ウレタン、オキシム、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、アラルコキシアミン、チオール、スルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホニル、スルホンアミド、アミン、N-オキシド、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アミド、尿素、アミジン、グアニジン、エナミン、イミド、イソシアネート、イソチオシアネート、シアネート、チオシアネート、イミン、ニトロ基、ニトリル(すなわち、CN)などが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のように、置換は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基に結合されているときの、アルキルまたは他の炭素含有基との置換であり得る。
【0008】
本明細書で使用される際、「アルキル」基としては、1~約20個の炭素原子、典型的には1~12個の炭素原子、またはいくつかの実施形態では1~8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基が挙げられる。本明細書で用いられる際、「アルキル基」は、以下に定義されるようなシクロアルキル基を含む。アルキル基は、置換または非置換であり得る。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチル基が挙げられる。分岐アルキル基の例としては、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、およびイソペンチル基が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、例えば、アミノ、チオ、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、および/またはF、Cl、Br、およびI基などのハロゲン基で1回以上置換されていてもよい。本明細書で使用される際、用語ハロアルキルは、1個以上のハロゲン基を有するアルキル基である。いくつかの実施形態では、ハロアルキルとは、ペル-ハロアルキル基を指す。
【0009】
シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基などの環状アルキル基であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~8環員を有し、他の実施形態では、環炭素原子の数は、3~5、6、または7個の範囲である。シクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルキル基としてはさらに、これらに限定されないが、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、およびカレニル基などの多環式シクロアルキル基、ならびにこれに限定されないが、デカリニルなどの縮合環が挙げられる。シクロアルキル基としてはまた、上に定義される直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されている環が挙げられる。代表的な置換シクロアルキル基は、例えばアルキル、アルコキシ、アミノ、チオ、ヒドロキシ、シアノ、および/もしくはハロゲン基で置換され得るモノ-置換、または2回以上置換されている2,2-、2,3-、2,4-、2,5-、もしくは2,6-二置換シクロヘキシル基、またはモノ-、ジ-、もしくはトリ-置換ノルボルニルもしくはシクロヘプチル基などであり得るが、これらに限定されない。
【0010】
アルケニル基は、2~約20個の炭素原子を有し、さらに少なくとも1個の二重結合を含む直鎖、分岐鎖または環状アルキル基である。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、1~12個の炭素、または典型的には1~8個の炭素原子を有する。アルケニル基は、置換または非置換であり得る。アルケニル基としては、例えば、とりわけ、ビニル、プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニル基が挙げられる。アルケニル基は、アルキル基と同様に置換されていてもよい。二価のアルケニル基、すなわち2個の結合点を有するアルケニル基としては、CH-CH=CH2、C=CH2、またはC=CHCH3が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
本明細書で使用される際、「アリール」または「芳香族」基は、ヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。アリール基としては、単環式、二環式、および多環式環系が挙げられる。したがって、アリール基としては、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチル基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~14個の炭素原子を含み、他の実施形態では、6~12個またはさらには6~10個の炭素原子を、基の環部分に含む。語句「アリール基」としては、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)などの縮合環を含有する基が挙げられる。アリール基は、置換または非置換であり得る。
【0012】
一態様では、光硬化性ハードコートコーティング組成物は、a)少なくとも1種のエチレン性不飽和重合性化合物、b)式(I)もしくは(II)のうちの少なくとも1種のレッドシフトしたUV吸収剤、または式(I)、(II)、および(III)のうちのいずれか2種の混合物、ならびにc)i)少なくとも1種のアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤、およびii)少なくとも1種のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤、を含む光開始剤の組み合わせ、ならびに任意選択的にd)ヒンダードアミン光安定剤、を含む。
【化1】
いくつかの実施形態では、光開始剤の組み合わせはまた、e)さらなる紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、および有機顔料または無機顔料からなる群から選択される化合物を含み得る。
【0013】
成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールUV吸収剤は、式(I)または式(II)のものであり得る。
【化2】
式Iおよび式IIでは、R
1は、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、1~4個の炭素原子を有する1~4個のアルキル基によってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり得るか、または
R
1は、
【化3】
基、もしくは
【化4】
基であり、式中、Lが、1~12個の炭素原子のアルキレン、2~12個の炭素原子のアルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、もしくは5~7個の炭素原子のシクロアルキレンであり、
R
2は、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、もしくは1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または
1個以上の-OH、-OCO-R
11、-OR
14、-NCO、もしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されているアルキルであるか、またはアルキルもしくはアルケニルが1個以上の-O-、-NH-、もしくは-NR
14-基、もしくはこれらの混合物によって中断されており、非置換であるか、もしくは1個以上の-OH、-OR
14、もしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されてもよく、
R
11が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
3-C
8アルケニル、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルであり、
R
14が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキルであり、
R
2が、-OR
14、-C(O)-O-R
14、-C(O)-NHR
14基、もしくはC(O)-NR
14R’
14基であり、R’
14が、R
14と同じ意味を有するか、または
R
2が、-SR
13、-NHR
13、または-N(R
13)
2であり、
R
2は、(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15であり、
X
1が、-O-、もしくは-N(R
16)-であり、
Yが、-O-もしくは-N(R
17)-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはC
3-C
12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン、もしくはフェニレンであり、これらの各々がヒドロキシル基によってさらに置換されていてもよく、
【化5】
(式中、*が結合を表す)、またはYが直接結合であるとき、Zがまたさらに直接結合であってもよく、
mが、0、1、または2であり、
pが1であるか、またはXおよびYがそれぞれ-N(R
16)-および-N(R
17)-であるときpも0であり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、
【化6】
、もしくは-CO-C(R
18)=C(H)R
19基であるか、または、Yが-N(R
17)-のとき、R
17と一緒になって-CO-CH=CH-CO-基を形成し、
R
18が、水素またはメチルであり、R
19が、水素、メチル、または-CO-X
1-R
20であり、
R
20が、水素、C
1-C
12アルキル、または式
【化7】
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ハロゲン、CN、NO
2、またはNH
2であり、
R
13が、1~20個の炭素原子のアルキル、2~20個の炭素原子のヒドロキシアルキル、3~18個の炭素原子のアルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、両方とも1~4個の炭素原子の1個または2個のアルキルによって置換されていてもよいフェニルまたはナフチルであり、
R
16およびR
17が、互いに独立して、水素、C
1-C
12-アルキル、1~3個の酸素原子によって中断されているC
3-C
12-アルキルであるか、またはシクロヘキシル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであり、Zがエチレンである場合にはR
16はまた、R
17と一緒になって、エチレンを形成し、
Xが、O、またはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルケニル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、またはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、または-NR
22-基、またはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、nが0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、もしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであるか、または
E
1が、
【化8】
であり、
R
1~R
8が、上に定義される意味を有し、
Qが、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、1個以上の-O-、NH、またはNR
14原子によって中断されているC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレン、パラ-フェニレン、
【化9】
(式中、*が結合を表す)であり、
成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンが、式(III)のものである。
【化10】
式(III)において、R
101、R
102、およびR
104が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキルであり、
R
105、R
106、R
107、R
108、およびR
109が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、もしくは5~12個の炭素原子のシクロアルキル;または1~4個のハロゲン、エポキシ、グリシジルオキシ、フリルオキシ、-R
204、-OR
205、-N(R
205)
2、-CON(R
205)
2、-COR
205、-COOR
205、-OCOR
205、-OCOC(R
205)=C(R
205)
2、-C(R
205)=CCOOR
205、-CN、-NCO、もしくはこれらのいずれか2種以上の組み合わせによって置換されているアルキルもしくはシクロアルキル;または1~4個のエポキシ、-O-、-NR
205-、-CONR
205-、-COO-、-OCO-、-CO-、-C(R
205)=C(R
205))COO-、-OCOC(R
205)=C(R
205)-、-C(R
205)=C(R
205)-、フェニレン、もしくはGが-O-、-S-、-SO
2-、-CH
2-、もしくは-C(CH
3)
2-であるフェニレン-G-フェニレン、もしくはこれらのいずれか2種以上の組み合わせによって中断されているアルキルもしくはシクロアルキル;または上記の基の組み合わせによって両方とも置換および中断されているアルキルもしくはシクロアルキル;または-COR
206であり、
R
204が、6~10個の炭素原子のアリール、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらのいずれか2種以上の組み合わせによって置換されているアリール;5~12個の炭素原子のシクロアルキル;7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらのいずれか2種以上の組み合わせによってフェニル環上で置換されているフェニルアルキル;または2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニルであり、
R
205が、R
204と同義であるか、またはR
205がまた、水素、もしくは1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~24個の炭素原子のアルケニルであり、
R
206が、1~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、フェノキシ、1~12個の炭素原子のアルキルアミノ、6~12個の炭素原子のアリールアミノ、-R
207COOH、または-NH-R
208-NCOであり、
R
207が、2~14個の炭素原子のアルキレンまたはフェニレンであり、
R
208が、2~24個の炭素原子のアルキレン、フェニレン、トリレン、またはジフェニルメタンである。
ハロゲンは、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素である。塩素が好ましい。
【0014】
置換基のうちのいずれかが、直鎖もしくは分岐鎖の1~24個の炭素原子のアルキルであるとき、かかる基は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、tert-アミル、2-エチルヘキシル、tert-オクチル、ラウリル、tert-ドデシル、トリデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、またはエイコシルである。
【0015】
置換基のうちのいずれかが、直鎖もしくは分岐鎖の2~18個の炭素原子のアルケニルであるとき、かかる基は、例えば、アリル、ペンテニル、ヘキセニル、ドセニル、またはオレイルである。3~16個、特に3~12個、例えば2~6個の炭素原子を有するアルケニルが好ましい。
【0016】
置換基のうちのいずれかが、5~12個の炭素原子のシクロアルキルであるとき、かかる基は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、およびシクロドデシルである。C1-C4アルキル置換C5-C8シクロアルキルは、例えば、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、またはtert-ブチルシクロヘキシルである。
【0017】
ラジカルのうちのいずれかが、7~15個の炭素原子のフェニルアルキルであるとき、かかる基は、例えば、ベンジル、フェネチル、アルファ-メチルベンジル、またはアルファ、アルファ-ジメチルベンジルである。
【0018】
フェニルがアルキルで置換されているとき、これは例えば、トリルおよびキシリルである。
【0019】
1個以上の-O-基によって置換されている、および/または1個以上の-OH基によって置換されているアルキルは、例えば、wが1~12である、-(OCH2CH2)wOH、または-(OCH2CH2)wO(C1-C24アルキル)であり得る。
【0020】
1個以上の-O-によって中断されているアルキルは、エチレンオキシド単位から、またはプロピレンオキシド単位から、または両方の混合物から誘導され得る。
【0021】
アルキルが、-NH-または-NR205-によって中断されているとき、そのラジカルは上の-O-中断ラジカルと同様に誘導される。エチレンジアミンの繰り返し単位が好ましい。
【0022】
CH3-O-CH2CH2-、CH3-NH-CH2CH2-、CH3-N(CH3)-CH2-、CH3-O-CH2CH2-O-CH2CH2-、CH3-(O-CH2CH2-)2O-CH2CH2-、CH3-(O-CH2CH2-)3O-CH2CH2-、またはCH3-(O-CH2CH2-)4O-CH2CH2-が、その例である。
【0023】
アルキレンは、例えば、エチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、2-メチル-1,4-テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、およびドデカメチレンである。
【0024】
シクロアルキレンは、例えば、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、およびシクロドデシレンである。いくつかの実施形態では、シクロアルキレンはシクロヘキシレンである。
【0025】
酸素、NH、または-NR205-によって中断されているアルキレンは、例えば、-CH2CH2-O-CH2CH2-、-CH2CH2-NH-CH2CH2-、-CH2CH2-N(CH3)-CH2CH2-、-CH2CH2-O-CH2CH2-O-CH2CH2-、-CH2CH2-(O-CH2CH2-)2O-CH2CH2-、-CH2CH2-(O-CH2CH2-)3O-CH2CH2-、-CH2CH2-(O-CH2CH2-)4O-CH2CH2-、または-CH2CH2-NH-CH2CH2-である。
【0026】
ラジカルQは、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレン、パラ-フェニレン、または以下の基(*が結合を表す)である。
【化11】
【0027】
ラジカルは、容易に入手可能なジアミン、例えば、いわゆるJeffamineから誘導され得る。ジアミンの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、または1,2-ジアミノシクロヘキサンである。
【0028】
同様に、ラジカルZはまた、入手可能な同じジアミン、または対応するジオールからも誘導され得る。
【0029】
典型的なJeffamineは、例えば、xが33.1であるD-2000
【化12】
、またはa+cが5かつbが39.5であるED-2003
【化13】
である。
【0030】
いくつかの実施形態では、式(I)または式(II)の組成物であって、R
1が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、もしくは1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または
R
1が、
【化14】
の基であり、Lが、1~12個の炭素原子のアルキレン、2~12個の炭素原子のアルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、もしくは5~7個の炭素原子のシクロアルキレンであり、
R
2が、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、もしくは1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または
R
2が、(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15であり、
X
1が、-O-であり、
Yが、-O-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12-アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはYが、直接結合であるとき、Zが、さらにまた、直接結合であってもよく、
mが2であり、
pが1であり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、または
【化15】
の基であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ClまたはBrであり、
Xが、O、またはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルケニル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、またはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、または-NR
22-基、またはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、
nが、0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、もしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであるか、または
E
1が、
【化16】
の基であり、
R
1~R
8が、上に定義される意味を有し、
ラジカルQは、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレン、またはパラ-フェニレン、または以下の基である。
【化17】
【0031】
例えば、式(I)または式(II)の化合物において、R
1は、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、R
2は、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、もしくは1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、またはR
2は、(CH
2)
2-CO-O-(Z)-O-R
15であり、ZがC
2-C
12アルキレン、1~3個の酸素原子によって中断されているC
4-C
12アルキレンであり、R
15が、水素原子、C
1-C
12アルキル、または
【化18】
であり、R
5、R
6、R
7、およびR
8は、独立して水素、ClまたはBrであり、XがOまたはNE
1であり、E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキルもしくはC
5-C
12シクロアルキルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2によって置換されていてもよく、フェニルまたはC
7-C
15フェニルアルキルはまた、1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-OH、-OR
22、-COR
22、-R
22によって置換されていてもよく、R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、C
6-C
16フェニルもしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、またはE
1が、
【化19】
の基であり、R
1~R
8が、上に定義される意味を有し、Qが、C
2-C
12アルキレン、C
5-C
7シクロアルキレン、パラ-フェニレン、または
【化20】
の基である。
【0032】
式(I)または(II)の化合物が特に好ましく、式中、R1が、水素、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または7~15個の炭素原子のフェニルアルキルであり、R2が、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、R5およびR6が、水素であるか、または両方のうちの一方がClもしくはBrであり、R7およびR8が、独立して水素、ClまたはBrであり、Xが、OまたはNE1であり、E1が、水素、非置換であるか、もしくは1~4個のOHによって置換されている直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、非置換であるかもしくはF、CF3、CNもしくはClによって置換されているフェニル、またはC7-C9フェニルアルキルである。
【0033】
式(I)の化合物が一般に好ましい。
【0034】
例示的な化合物としては、UVA1~UVA12、
【化21-1】
【化21-2】
が挙げられる。
【0035】
式(I)および(II)の例示的なレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールUV吸収剤もまた、米国特許第7,695,643号、および米国特許公開第2009/0317629号に開示されている。
【0036】
式(I)および/または(II)の成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールの量は、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.1重量%~約25重量%、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.25重量%~約15重量%、約0.5重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約5重量%であり得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールは、光硬化性樹脂固形分の重量に基づいて、約0.05重量%~約3重量%、より有利には約0.05重量%~約0.5重量%、最も有利には約0.05重量%~約0.3重量%の非常に低いレベルで存在し得る。
【0037】
式IIIの例示的なレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤としては、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-n-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ジ-n-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジ(メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジ(ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2-メトキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-メトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-エトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジイソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジ-(n-ヘキシルオキシ)フェニル)-1-3,5-トリアジン、およびこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
式(III)成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンの量は、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.1重量%~約25重量%、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.25重量%~約15重量%、約0.5重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約5重量%であり得る。いくつかの実施形態では、式(III)成分b)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンは、光硬化性樹脂固形分の重量に基づいて、約0.05重量%~約3重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、または約0.05重量%~約0.3重量%の非常に低いレベルで存在し得る。
【0039】
式(I)および/または(II)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール対式(III)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンの重量比は、約15:1~約1:15であり得る。これは、約12:1~約1:12、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3または約1:1を含み得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール対式(III)のレッドシフトしたヒドロキシフェニルトリアジンの重量比は、約15:1~約1:15であり得る。これは、約12:1~約1:12、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3または約1:1を含み得る。
【0040】
成分c)の例示的なアルファ-ヒドロキシケトンおよびビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、米国特許第5,942,290号、同第5,534,559号および同第6,020,528号に開示されているものが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0041】
成分c)i)の例示的なアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤はまた、式
【化22】
によって表すことができる。
式中、R
211およびR
212が、互いに独立して、水素、C
1-C
6アルキル、フェニル、C
1-C
6アルコキシ、OSiR
216(R
217)
2もしくは-O(CH
2CH
2O)
q-C
1-C
6アルキルであるか、またはR
211およびR
212が、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、qが1~20の数であり、R
213が、OH、C
1-C
16アルコキシまたは-O(CH
2CH
2O)
q-C
1-C
8アルキルであり、R
214が、水素、C
1-C
18アルキル、C
1-C
18アルコキシ、-OCH
2CH
2-OR
215またはCH
2=C(CH
3)-であり、R
215が、水素、-COCH=CH
2、または-COC(CH
3)=CH
2であり、R
216およびR
217が、互いに独立してC
1-C
8アルキルまたはフェニルである。
【0042】
いくつかの例示的なアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤は、R211およびR212が、互いに独立して、水素、C1-C6アルキルもしくはフェニルであるか、またはR211およびR212が、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、R213がOHであり、R214が、水素、C1-C12アルキル、C1-C12アルコキシ、-OCH2CH2OR215または-C(CH3)=CH2であるようなものが挙げられる。例えば、R211およびR212は、互いに独立して、メチルもしくはエチルであり得るか、またはR211およびR212は、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、R213は、水素であり、R214は、水素、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、または-OCH2CH2OHである。例示的なアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤としては、アルファ-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロピルフェニル)プロパノン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、CAS番号163702-01-0、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ドデシルフェニル)プロパノン、および2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
例示的なビスアシルホスフィンオキシド光開始剤成分c)ii)は、以下の式として表すことができる。
【化23】
式中、R
250が、C
1-C
12アルキル、非置換であるか、または1~4個のハロゲンもしくはC
1-C
8アルキルによって置換されているシクロヘキシルもしくはフェニルであり、nが2であり、R
251およびR
252が、他のC
1-C
8アルキルまたはC
1-C
8アルコキシから各々独立しており、R
253が、水素、またはC
1-C
8アルキルであり、R
254が、水素またはメチルである。いくつかの実施形態では、R
250は、C
2-C
10アルキル、非置換であるか、または1~4個のC
1-C
4アルキル、ClもしくはBrによって置換されているシクロヘキシルもしくはフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
250は、C
3-C
8アルキル、非置換であるか、またはC
1-C
4アルキルによって2-、3-、4-もしくは2,5-位で置換されているシクロヘキシルもしくはフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
250は、C
4-C
12アルキルまたはシクロヘキシルであり得、R
251およびR
252は、他のC
1-C
8アルキルまたはC
1-C
8アルコキシから各々独立しており、R
253は、水素またはC
1-C
8アルキルである。いくつかの実施形態では、R
251およびR
252は、C
1-C
4アルキルであり得、R
253は、水素またはC
1-C
4アルキルである。いくつかの実施形態では、R
251およびR
252は、C
1-C
4アルコキシであり得、R
253は、水素またはC
1-C
4アルキルである。いくつかの実施形態では、R
251およびR
252はメチルであり得、R
253は水素またはメチルであり得る。いくつかの実施形態では、R
251、R
252、およびR
253は全てメチルである。いくつかの実施形態では、R
251、R
252、およびR
253はメチルであり、R
254は水素である。いくつかの実施形態では、R
251およびR
252はメトキシであり、R
253およびR
254は水素である。いくつかの実施形態では、R
250は、C
3-C
8アルキルである。いくつかの実施形態では、R
250は、イソブチルまたはイソオクチルである。いくつかの実施形態では、R
250は、フェニルである。
【0044】
例示的なビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
成分c)i)のアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、光硬化ハードコートコーティング組成物中に約0.5重量%~約7重量%存在し得る。これは、光硬化性ハードコートコーティングの重量に基づいて、約0.5重量%~約2重量%、約1重量%~約3重量%、約1重量%~約4重量%、約1重量%~約5重量%、または約1重量%~約6重量%を含む。いくつかの実施形態では、アルファ-ヒドロキシケトン光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、約2重量%~約7重量%、約3重量%~約7重量%、約4重量%~約7重量%、約5重量%~約7重量%、または約6重量%~約7重量%存在し得る。他の実施形態では、アルファ-ヒドロキシケトン光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、約2重量%~約6重量%、または約3重量%~約5重量%存在し得る。
【0046】
成分c)ii)のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、約0.1重量%~約3重量%存在し得る。これは、光硬化性ハードコートコーティングの重量に基づいて、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%を含む。いくつかの実施形態では、本ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、約0.2重量%~2重量%、約0.5重量%~約2重量%、または約0.7重量%~約2重量%存在する。他の実施形態では、ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤は、光硬化性ハードコートコーティング組成物の重量に基づいて、約0.2重量%~約1.5重量%、または約0.5~約1重量%存在する。アルファ-ヒドロキシケトン光開始剤は、例えば、ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤を過剰に使用してもよい。
【0047】
アルファ-ヒドロキシケトン対ビスアシルホスフィンオキシドの重量比は、約2:1~約15:1であり得る。これは、約3:1~約12:1、約5:1~約10:1、約5:1~約9:1、約5:1~約8:1、または5:1~約7:1を含み得る。いくつかの実施形態では、アルファ-ヒドロキシケトン対ビスアシルホスフィンオキシドの重量比は、約7:1~約15:1、約8:1~約15:1、約9:1~約15:1、約10:1~約15:1、または約12:1~約15:1である。いくつかの実施形態では、アルファ-ヒドロキシケトン対ビスアシルホスフィンオキシドの重量比は、約7:1~約12:1、または約8:1~約11:1である。
【0048】
本コーティングの効率的な硬化は、アルファ-ヒドロキシケトン光開始剤単独で達成することができる。
【0049】
エチレン性不飽和重合性化合物成分a)は、1個、または2個以上のオレフィン性二重結合を有し得る。それらは、低分子量(モノマーまたはモノマー性)、または高分子量(オリゴマー)化合物であり得る。
【0050】
エチレン性不飽和重合性化合物成分a)としては、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2~4個の二重結合を含有する他のモノマー、またはこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられ得る。
【0051】
成分a)のオリゴマー多価不飽和化合物としては、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、エチレン性不飽和カルボン酸と、ポリオールもしくはポリエポキシドとのエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンならびにこれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンのコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、不飽和アミド、オリゴマー不飽和化合物、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(複数可)、3もしくは4個のアクリレート基を含むアクリレートモノマー、3もしくは4個のメタクリレート基を含むメタクリレートモノマー、またはこれらの混合物が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、成分a)のオリゴマー多価不飽和化合物としては、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、エチレン性不飽和カルボン酸と、ポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタン、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するコポリマー、オリゴマーウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(複数可)、2、3または4個のアクリレート基を含むアクリレートモノマー、2、3または4個のメタクリレート基を含むメタクリレートモノマー、およびこれらのいずれか2種以上の混合物を含む、オリゴマー多価不飽和化合物が挙げられる。
【0052】
1個の二重結合を含有する成分a)の例示的なモノマーとしては、アルキル、またはヒドロキシアルキルアクリレート、またはメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルなどのビニルエステル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フェノキシエチルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、およびこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられる。
【0053】
2個以上の二重結合を含有する成分a)の例示的モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、4,4’-ビス(2-アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびテトラアクリレート、ペンタエリトリトールジビニルエーテル、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、コハク酸ジビニル、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、またはトリス(2-アクリロイルエチル)イソシアヌレートが挙げられるが、これらに限定されない。不飽和オリゴマーのさらなる例としては、通常、マレイン酸、フタル酸、および1種以上のジオールから調製され、約500超の分子量を有する不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ得る。この種類の不飽和オリゴマーは、プレポリマーとしても知られている。いくつかの実施形態では、2個以上の二重結合を含有する成分a)としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、4,4’-ビス(2-アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびテトラアクリレート、ペンタエリトリトールジビニルエーテル、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、コハク酸ジビニル、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリスイソシアヌレート、トリス(2-アクリロイルエチル)イソシアヌレート、およびこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられる。
【0054】
成分a)の例示的な不飽和化合物としては、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、ならびに不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンおよびこれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンのコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマーを含む、鎖中または側基にエチレン性不飽和基を含有するポリマー、ならびに2種以上のかかるポリマーの混合物が挙げられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、エステルを含有する成分a)としては、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール-修飾トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタクリレート、ソルビトールヘキサクリレート、オリゴエステルアクリレートとメタクリレート、グリセロールジアクリレートまたはグリセロールトリアクリレート、1,4-シクロヘキサンジアクリレート、200~1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレートとビスメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド修飾トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、またはこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられ得る。
【0056】
不飽和カルボン酸成分a)の例示的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、リノレン酸またはオレイン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態では、成分a)は、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリアクリレート(例えば、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化トリアクリレート(例えば、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート,およびこれらのいずれか2種以上の混合物などの、トリ(メタ)アクリル含有化合物であり得るが、これらに限定されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、成分a)としては、ペンタエリトリトールジビニルエーテル、ビニルメタクリレート、ジビニルベンゼン、コハク酸ジビニル、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(2-アクリロイルエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ウレタンメタクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、およびこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、成分a)としては、チレン(thylene)グリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ウレタンメタクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、およびこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられ得る。
【0060】
好適なポリオールとしては、芳香族、脂肪族、および脂環式ポリオールが挙げられる。芳香族ポリオールは、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ノボラック、およびクレゾールであり得るが、これらに限定されない。ポリエポキシドとしては、引用したポリオール、例えば芳香族ポリオールおよびエピクロロヒドリンに基づくものが挙げられる。さらなる好適なポリオールは、ポリマー鎖もしくは側基にヒドロキシル基を含有するポリマーおよびコポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびそのコポリマー、またはヒドロキシアルキルポリメタクリレートまたはそのコポリマーである。他の適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を担持しているオリゴエステルである。
【0061】
脂肪族および脂環式ポリオールの例示的な例は、エチレングリコール、1,2-または1,3-プロパンジオール、1,2-、1,3-または1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、例えば200~1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセリロール、トリス(β-ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、およびソルビトールを含む、例えば2~12個の炭素原子を含有するアルキレンジオールである。
【0062】
ポリオールは、1種または異なる不飽和カルボン酸で部分的にまたは完全にエステル化されていてもよく、その場合部分的なエステルの遊離ヒドロキシル基は修飾、例えばエーテル化、または他のカルボン酸とエステル化されていてもよい。
【0063】
エステル成分a)の例示的な例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール-修飾トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジ-および-トリアクリレート、1,4-シクロヘキサンジアクリレート、200~1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、またはこれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0064】
成分a)の好適なエチレン性不飽和重合性化合物としては、例えば2~6個、例えば2~4個のアミノ基を含有する芳香族、脂環式および脂肪族ポリアミンの、同一または異なる不飽和カルボン酸のアミドが挙げられ得る。かかるポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2-または1,3-プロピレンジアミン、1,2-、1,3-または1,4-ブチレンジアミン、1,5-ペンチレンジアミン、1,6-ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ビス(.ベータ.-アミノエチル)エーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ビス(.直交.-アミノエトキシ)エタンまたはビス(.ベータ.-アミノプロポキシ)エタンである。他の好適なポリアミンは、側鎖に追加のアミノ基およびアミノ末端基を含有するオリゴアミドを含有し得る、ポリマーおよびコポリマーである。例示的な不飽和アミドとしては、メチレンビスアクリルアミド、1,6-ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、ベータ-メタクリルアミドエチルメタクリレート、およびN-[(ベータ-ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドが挙げられる。
【0065】
例示的な不飽和ポリエステルおよびポリアミド成分a)としては、マレイン酸およびジオールまたはジアミンから誘導されるものが挙げられる。マレイン酸は、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、またはクロロマレイン酸などの他のジカルボン酸によって部分的に置き換えられていてもよい。ポリエステルの反応性を制御し、架橋密度ひいては製品特性に影響を与えるために、異なる量のフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、またはアジピン酸などの飽和ジカルボン酸を不飽和ジカルボン酸に加えて使用することが可能である。不飽和ポリエステルは、スチレンなどのエチレン性不飽和コモノマーと一緒に使用してもよい。ポリエステルおよびポリアミドは、ジカルボン酸およびエチレン性不飽和ジオールまたはジアミン、特に典型的には6~20個の炭素原子を含有する長鎖を有するものから誘導することもできる。ポリウレタンは、典型的には飽和または不飽和ジイソシアネート、ならびに不飽和および飽和ジオールから誘導されたものである。
【0066】
例示的なポリエステルアクリレートまたはアクリレート化ポリエステル成分a)は、オリゴマー、典型的にはエポキシド、ウレタン、ポリエーテルまたはポリエステルを、ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートなどのアクリレートと反応させることによって得てもよい。
【0067】
ポリブタジエンおよびポリイソプレンならびにこれらのコポリマーが知られている。好適なコモノマーとしては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン、または塩化ビニルなどのオレフィンが挙げられる。側鎖に(メタ)アクリレート基を含有するポリマーもまた、知られている。それらは典型的には、ノボラックに基づいたエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリビニルアルコールのホモポリマーもしくはコポリマー、または(メタ)アクリル酸でエステル化されているこれらのヒドロキシアルキル誘導体、またはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化されている(メタ)アクリレートのホモポリマーもしくはコポリマーであり得る。
【0068】
モノマー成分a)は、例えばアルキル-もしくはヒドロキシアルキルアクリレートもしくは-メタクリレート、スチレン、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートもしくはビスフェノールAジアクリレート、4,4’-ビス(2-アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートもしくはテトラアクリレート、例えばアクリレート、スチレン、ヘキサメチレングリコールもしくはビスフェノールAジアクリレート、4,4’-ビス(2-アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、またはトリメチロールプロパントリアクリレートであり得る。
【0069】
オリゴマー多価不飽和化合物成分a)は、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸と、1種または2種以上のジオールとから調製され、典型的には約500~約3000g/molの分子量を有するポリエステルアクリレートまたは不飽和ポリエステル樹脂であり得る。不飽和カルボン酸成分a)は、いくつかの実施形態では、アクリル酸およびメタクリル酸であり得る。
【0070】
本明細書では光硬化ハードコートフィルムも提供され、成分a)の1種以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(複数可)を含む光重合性組成物の反応生成物から形成される。いくつかの実施形態では、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ジ(メタ)アクリレートである。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルを表すために使用され、「ジ(メタ)アクリレート」は、2個の(メタ)アクリレート基を含有する分子を表す。
【0071】
成分a)のオリゴマーウレタン(メタ)アクリレートは、式OCN-R403-NCOのアルキレンまたは芳香族ジイソシアネートとポリオールとの初期反応によって調製され得る。ほとんどの場合、ポリオールは、式HO-R400-OHのジオールであり、式中、R403が、C2-100アルキレンまたはアリーレン基であり、R400が、C2-100アルキレンまたはアルコキシ基である。次いで、中間生成物は、ウレタンジオールジイソシアネートであり、これはその後ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応を受けることができる。好適なジイソシアネートとしては、2,2,4-トリメチルヘキシレンジイソシアネートなどのアルキレンジイソシアネートが挙げられる。本明細書で用いられるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、脂肪族であることが好ましい。
【0072】
成分a)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化型ハードコート組成物の適合性および柔軟性に寄与する。いくつかの実施形態では、光硬化性ハードコート組成物の5ミクロン厚のフィルムは、ひび割れが最小限に抑えられるように十分に柔軟である。柔軟であることに加えて、光硬化ハードコートは、良好な耐久性および耐摩耗性を呈し得る。
【0073】
光硬化性ハードコート組成物に用いられ得る例示的なウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、SARTOMER Company(Exton、Pa.)から商品名CN981B88およびCN991で入手可能である。CN981B88は、SAR238(1,6-ヘキサンジオールジアクリレート)とブレンドされた商品名CN981でSARTOMER Companyから入手可能な脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして記載されている。
【0074】
成分a)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、3個または4個の(メタ)アクリレート基を含む少なくとも1種のマルチ(メタ)アクリレートモノマーと組み合わせてもよい。マルチ(メタ)アクリレートモノマーは、架橋密度を増加し、それによって光硬化ハードコートに耐久性および耐摩耗性を付与すると考えられている。
【0075】
好適なトリ(メタ)アクリル含有化合物としては、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリアクリレート(例えば、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート)、ペンタエリトリトールトリアクリレート、プロポキシル化トリアクリレート(例えば、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、およびトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートが挙げられ得るが、これらに限定されない。より高い官能価の(メタ)アクリル含有化合物としては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシル化(4)ペンタエリトリトールテトラアクリレート、およびペンタエリトリトールテトラアクリレートが挙げられる。
【0076】
光硬化性ハードコート組成物としてはまた、1種以上のジ(メタ)アクリル含有化合物が挙げられ得る。かかる例示的なモノマーとしては、例えば、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド修飾トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、およびトリプロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。
【0077】
4個超の(メタ)アクリレート基を有するかなりの濃度の(メタ)アクリレートモノマーを用いると、ハードコートの柔軟性が低減されることが見出されている。したがって、かかるモノマーが用いられるとき、その濃度は典型的には全ハードコート組成物の40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、5重量%、または3重量%未満の固形分である。いくつかの実施形態では、ハードコート組成物は、4個超の(メタ)アクリレート基を含むモノマーを含まない。
【0078】
いくつかの実施形態では、光硬化性ハードコート組成物、またはその下の層は、得られるコーティングに機械的強度および耐久性を追加する(例えば表面改質された)無機粒子を含有する。無機ナノ粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、またはジルコニア(用語「ジルコニア」とは、ジルコニア金属酸化物を含む)ナノ粒子が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約1~約200nm、約5~約150nm、または約5~約125nmの平均直径を有する。ナノ粒子は、ハードコート層モノマー100部当たり約10~約200部の量で存在し得る。
【0079】
例示的なシリカナノ粒子は、NALCO CHEMICAL CO.(Naperville、Ill.)から(NALCO COLLOIDAL SILICAS)の製品名で市販されている。例えば、シリカとしては、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327、および2329が挙げられる。有用なジルコニアナノ粒子は、Nalco Chemical Co.(Naperville、Ill.)から(NALCO OOSSOO8)の製品名で市販されている。
【0080】
例えば、ジルコニア(「ZrO2」)、チタニア(「TiO2」)、酸化アンチモン、アルミナ、酸化スズなどの様々な高屈折率無機酸化物粒子は、単独で、またはいずれか2種以上のかかる材料の組み合わせで用いられ得る。混合金属酸化物も用いられ得る。高屈折率層に使用するためのジルコニアは、商品名「Nalco OOSSOO8」でNALCO CHEMICAL COから、および商品名「BuhlerジルコニアZ-WO sol」でBuhler AG Uzwil(スイス)から入手可能である。ジルコニアナノ粒子はまた、米国特許第7,241,437号および同第6,376,590号に記載されているように調製されてもよい。
【0081】
ナノ粒子の表面処理または表面改質は、光硬化ハードコート層樹脂中に安定な分散体を提供し得る。表面処理は、粒子が光硬化性ハードコート組成物中に良好に分散され、実質的に均質な組成物をもたらすようにナノ粒子を安定化させることができる。さらに、安定化された粒子が硬化中に光硬化性ハードコート層樹脂と共重合または反応することができるように、ナノ粒子の表面の少なくとも一部分を表面処理剤で改質してもよい。
【0082】
ハードコートされた物品またはハードコート保護フィルムを形成する方法は、(例えば、光透過性)基材層を提供することと、(任意選択的にプライマー処理された)基材層上に組成物を提供することと、を含む。次いで、光硬化性コーティング組成物を乾燥させて溶剤を除去し、所望の波長の紫外線(例えば、H電球または他のランプを使用して)、または電子ビームもしくは発光ダイオードへの曝露によって硬化させる。硬化は、不活性雰囲気(50ppm未満のO2を有する雰囲気として定義される)中で行われてもよい。あるいは、組成物を剥離層にコーティングして転写可能な光硬化性ハードコートフィルムを形成して、少なくとも部分的に硬化し、その後熱転写または光照射適用技術を使用して剥離層から基材に転写してもよい。
【0083】
光硬化性ハードコート組成物は、従来のフィルム適用技術を使用して、単層または多層として物品または(例えば光透過性)フィルム基材に直接塗布してもよい。あるいは、ハードコートを剥離ライナーに適用して、少なくとも部分的に硬化し、熱転写または光照射適用技術を使用して転写コーティングしてもよい。基材が連続ウェブのロールの形態であることが通常好都合であるが、コーティングは個々のシートに適用されてもよい。
【0084】
光重合性および光硬化性は同じこと、つまりUV光で光硬化または重合されるコーティング組成物を意味すると理解されている。本光硬化性ハードコート組成物は、熱硬化コーティングではない。むしろ、本光硬化性ハードコート組成物は、UV光によって硬化されて光硬化ハードコートコーティング層または保護フィルムをもたらす。
【0085】
光重合性または光硬化性化合物成分a)は、それ自体でまたは任意の所望の混合物で使用される。いくつかの実施形態では、ポリオール(メタ)アクリレートの混合物を使用することが好適である。
【0086】
結合剤もまた、成分a)の不飽和光重合性化合物に添加してもよい。光重合性化合物が液体または粘性物質であるとき、結合剤を使用してもよい。結合剤の量は、全組成物に基づいて、約5重量%~約95重量%であり得る。これは、全組成物に基づいて、約10重量%~約90重量%、または約40重量%~約90重量%を含む。したがって、結合剤の選択は、使用分野、ならびに例えば水性および有機溶剤系中で組成物を現像する能力、基材への接着性および酸素に対する感受性などの所望の特性に依存するであろう。
【0087】
好適な結合剤は、典型的には約5,000~2,000,000、例えば10,000~1,000,000の分子量を有するポリマーである。例示的な例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート);セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロースエステルおよびエーテル;ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、環化ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフランなどのポリエーテル;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとのコポリマー、メタクリル酸メチルおよび酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタムおよびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)などのポリマー、ポリ(エチレングリコールテレフタレート)およびポリ(ヘキサメチレングリコールコハク酸)などのポリエステルを含む、アクリレートおよびメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
不飽和化合物成分a)はまた、非光重合性フィルム形成成分と混和して使用され得る。これらの成分は、物理的に乾燥しているポリマー、または有機溶剤、例えばニトロセルロースもしくはセルロースアセトブチレート中のこれらの溶液であり得る。光重合性不飽和モノマーは、フリーラジカル-カチオン硬化性ブレンドなどのフリーラジカル-イオン硬化性ブレンドの成分であり得る。理論に拘束されることなく、多価不飽和モノマーは、光硬化フィルムを不溶性にする架橋剤として作用すると考えられている。モノ不飽和モノマーは、反応性希釈剤として作用し、それによって溶剤を使用する必要なく粘度を低下させる。さらに、硬化速度、架橋密度、および表面特性などの硬化した組成物の特性は、モノマーの選択に依存する。不飽和ポリエステル樹脂は、通常モノ不飽和モノマー、例えばスチレンと一緒に二成分系で使用される。
【0089】
二価の電子豊富/電子不足モノマー系は、多くの場合厚い顔料コーティングに用いられる。例えば、スチレン/不飽和ポリエステル系が、ゲルコートに使用されている。
【0090】
興味深いプロセスは、成分a)のエチレン性不飽和重合性化合物が、1)不飽和ポリエステル、特にマレイン酸、フマル酸、および/またはフタル酸と、1種または2種以上のジオールとから調整され、500~3,000の分子量を有するものと、2)アクリレート、メタクリレート、もしくはスチレン、またはこれらの組み合わせとの混合物であることである。
【0091】
重要なプロセスはまた、成分a)のエチレン性不飽和重合性化合物が、1)不飽和ポリエステルと、2)アクリレート、もしくはメタクリレート、またはこれらの組み合わせとの混合物であることでもある。
【0092】
別の興味深いプロセスは、成分a)のエチレン性不飽和重合性化合物が、1)不飽和ポリエステルアクリレートと、2)アクリレート、もしくはメタクリレート、またはこれらの組み合わせとの混合物であることである。
【0093】
本コーティング層は、290nm~360nmで≦0.1%、400nmで≦0.5%、および420nmで≦12%の透過率を呈する。かかる透過率は、約0.2ミル、約1ミル、約2ミル、約3ミル、約4ミル、および約5ミルの厚さで単一の光硬化コーティング層で呈され得る(注:1ミルは25.4マイクロメートルに等しい)。硬化されたコーティング層の透過率は、UV透過性である溶融シリカガラスプレートに接着させて測定される。
【0094】
光硬化性ハードコートコーティング組成物から誘導された本光硬化ハードコートコーティングまたは保護フィルムは、向上した耐久性および優れた外装耐候性能を呈する。
【0095】
光硬化性ハードコートコーティング組成物は、さらなる添加剤をさらに含有し得る。例示的な添加剤は、早すぎる重合を防止することを意図した熱抑制剤を含み得る。例示的な熱抑制剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p-メトキシフェニル、β-ナフトール、または2,6-ジ(tert-ブチル)-p-クレゾールなどの立体障害のあるフェニルが挙げられる。暗所貯蔵安定性を向上するために、ナフテン酸銅、ステアリン酸銅、もしくはオクタン酸銅を含む銅化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、もしくはトリベンジルホスファイトを含むリン化合物;テトラメチルアンモニウムクロリド、もしくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム化合物;またはN-ジエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン誘導体などの他の添加剤を使用してもよい。光重合中の雰囲気中の酸素の排除は、光重合の開始時に、ポリマーへの溶解性の欠如に起因して表面に移動し、空気が系に進入することを防止する透明なフィルムを形成する、パラフィンまたは同様のワックス様物質を添加することによって達成され得る。
【0096】
本発明において用いられる本光硬化性ハードコートコーティング組成物は、約100~3000cps(センチポアズ)の粘度を有する。これは、約100~約2000cps、約100~約1500cps、または約100~約1000cpsの粘度を含む。
【0097】
立体障害アミン光安定剤(「HALS」)は、式
【化24】
の少なくとも1部分を含有し、式中、G
1、G
2、G
3、G
4、およびG
5が、独立して1~8個の炭素原子のアルキルであるか、またはG
1とG
2、もしくはG
3とG
4が、一緒になってペンタメチレンである。
【0098】
例示的なヒンダードアミンは、例えば、米国特許第5,004,770号;同第5,204,473号、同第5,096,950号、同第5,300,544号、同第5,112,890号、同第5,124,378号、同第5,145,893号、同第5,216,156号、同第5,844,026号、同第5,980,783号、同第6,046,304号、同第6,117,995号、同第6,271,377号、同第6,297,299号、同第6,392,041号、同第6,376,584号、および同第6,472,456号に開示されており、例示的なヒンダードヒドロキシアルコキシアミン安定剤は、例えば、米国特許第6,271,377号、同第6,392,041号、および同第6,376,584号に開示されている。
【0099】
例示的なヒンダードアミン光安定剤としては、1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-オクタデシルアミノピペリジン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ-s-トリアジン、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-アジペート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジペート、2,4-ビス{N-[1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル]-N-ブチルアミノ}-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-s-トリアジン、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)p-メトキシベンジリデンマロネート、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、トリス(2-ヒドロキシ-3-(アミノ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)ニトリロトリアセテート、テトラキス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、テトラキス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス-(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、ポリ[メチル(3-オキシ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)]シロキサン(CAS#182635-99-0)、無水マレイン酸-C18-C22-α-オレフィン-コポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、ならびに1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとシアヌル酸クロリドおよび(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミンとの反応によって得られる反応生成物によって得られる生成物が挙げられるが、これらに限定されない。上述の化合物のうちのいずれかの、立体障害のあるN-H、N-メチル、N-メトキシ、N-プロポキシ、N-オクチルオキシ、N-シクロヘキシルオキシ、N-アシルオキシ、およびN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)類似体もまた挙げられる。例えば、N-HヒンダードアミンをN-メチルヒンダードアミンで置き換えることは、N-Hの場所にN-メチル類似体を用いることであろう。
【0100】
説明目的として、上記の化合物のいくつかの構造を以下に示す。
【化25】
(ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート)
【化26】
(ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート)
【化27】
(2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ-s-トリアジン)
【化28】
(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)
【化29】
(ジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)p-メトキシベンジリデンマロネート)
【化30】
(2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン)
【化31】
(トリス(2-ヒドロキシ-3-(アミノ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)ニトリロトリアセテート)
【化32】
(テトラキス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート)
【化33】
(1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン))
【化34】
(3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン)
【化35】
(3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン)
【化36】
(N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン)
【化37】
(2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物)
【化38】
(1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物)
【化39】
(N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物)
【化40】
(N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物)
【化41】
(2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物)
【化42】
(7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-oxa-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物)
【化43】
(ポリ[メチル(3-オキシ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)]シロキサン、CAS#182635-99-0)
【化44】
(無水マレイン酸-C
18-C
22-α-オレフィン-コポリマーと、2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物)
【化45】
(4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー)
【化46】
(1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとシアヌル酸クロリドとの反応によって得られる生成物と、(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミンとの反応によって得られる生成物)。
【0101】
オリゴマーヒンダードアミン化合物では、nは、分子量が約1200超であり得るように整数であり得る。
【0102】
ヒンダードアミン化合物は、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.05~約20重量%の量で光硬化性ハードコートコーティング配合物中に含有され得る。これは、約0.1重量%~約10重量%、約0.2重量%~約8重量%。または約0.5重量%~約3重量%を含み得る。
【0103】
2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-sec-ブチル-5-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ビス-α-クミル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-(ω-ヒドロキシ-オクタ-(エチレンオキシ)カルボニル-エチル)-フェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-ドデシル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-オクチルオキシカルボニル)エチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、ドデシル化2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tert-ブチル-5-(2-(2-エチルヘキシルオキシ)-カルボニルエチル)-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-(2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル-2H-ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレン-ビス(4-t-オクチル-(6-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-t-オクチル-5-α-クミルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-α-クミルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-α-クミルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、メチル-3-(5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート、5-ブチルスルホニル-2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3-α-クミル-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-トリフルオロメチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-α-クミルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-ブチルスルホニル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、および5-フェニルスルホニル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールなどの米国特許第3,004,896号、同第3,055,896号、同第3,072,585号、同第3,074,910号、同第3,189,615号、同第3,218,332号、同第3,230,194号、同第4,127,586号、同第4,226,763号、同第4,275,004号、同第4,278,589号、同第4,315,848号、同第4,347,180号、同第4,383,863号、同第4,675,352号、同第4,681,905、4,853,471号、同第5,268,450号、同第5,278,314号、同第5,280,124号、同第5,319,091号、同第5,410,071号、同第5,436,349号、同第5,516,914号、同第5,554,760号、同第5,563,242号、同第5,574,166号、同第5,607,987、同第5,977,219号および同第6,166,218号に開示の既知の市販のヒドロキシフェニル-2H-ベンゾトリアゾール。例示的な2-ヒドロキシベンゾフェノンとしては、4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシ、および2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ誘導体が挙げられる。
【0104】
置換および非置換安息香酸のエステルとしては、4-tert-ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートが挙げられる。
【0105】
アクリレートおよびマロネートとしては、α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エチルエステルまたはイソオクチルエステル、α-カルボメトキシ-ケイ皮酸メチルエステル、α-シアノ-β-メチル-p-メトキシ-ケイ皮酸メチルエステルまたはブチルエステル、α-カルボメトキシ-p-メトキシ-ケイ皮酸メチルエステル、N-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン、ジメチル-p-メトキシベンジリデンマロネート(CAS#7443-25-6)、およびジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-p-メトキシベンジリデンマロネート(CAS#147783-69-5)が挙げられる。
【0106】
オキサミドとしては、4,4’-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’-ジエトキシオキサニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキシアニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキシアニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N、N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキシアニリドおよびその2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキシアニリドとの混合物、o-およびp-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物、ならびにo-およびp-エトキシ-二置換オキサニリドの混合物が挙げられる。
【0107】
トリス-アリール-o-ヒドロキシフェニル-s-トリアジンとしては、米国特許第3,843,371号、同第4,619,956号、同第4,740,542号、同第5,096,489号、同第5,106,891号、同第5,298,067号、同第5,300,414号、同第5,354,794号、同第5,461,151号、同第5,476,937号、同第5,489,503号、同第5,543,518号、同第5,556,973号、同第5,597,854号、同第5,681,955号、同第5,726,309号、同第5,736,597号、同第5,942,626号、同第5,959,008号、同第5,998,116号、同第6,013,704号、同第6,060,543号、同第6,242,598号、および同第6,255,483号に開示のヒドロキシフェニル-s-トリアジンおよびトリアジンが挙げられる。例示的なヒドロキシフェニル-s-トリアジンおよびトリアジンとしては、4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン、4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-6-(4-ブロモフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-6-(4-クロロフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(4-ビフェニリル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)-s-トリアジン、2-フェニル-4-[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-アミルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-n-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ジ-n-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-ノニルオキシ*-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-5-α-クミルフェニル]-s-トリアジン(*は、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシ基の混合物を表す)、メチレンビス-{2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-s-トリアジン}、3,5’位、5,5’位、および3,3’位に5:4:1の比で架橋されているメチレン架橋二量体混合物、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-5-α-クミルフェニル)-s-トリアジン、2-(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,6-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-s-トリアジン、4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジンと4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジンとの混合物、4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-2-(2-ヒドロキシ-4-(3-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル)-s-トリアジン、ならびに4,6-ジフェニル-2-(4-ヘキシルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
例示的なフェノール系酸化防止剤は、以下の1.1~1.17から選択される化合物を含み得る。
1.1.アルキル化モノフェノールとしては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖において線状または分岐状であるノニルフェノール、例えば2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1-メチルウンデシ-1-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1-メチルヘプタデシ-1-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1-メチルトリデシ-1-イル)フェノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
1.2.アルキルチオメチルフェノールとしては、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、および2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノールが挙げられる。
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノンとしては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、およびビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペートが挙げられる。
1.4.トコフェロールとしては、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、およびこれらの混合物(ビタミンE)が挙げられる。
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテルとしては、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス-(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、および4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィドが挙げられる。
1.6.アルキリデンビスフェノールとしては、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタンが挙げられる。
1.7.ベンジル化合物としては、3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5-トリ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、ジ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル-メルカプト-酢酸イソオクチルエステル、ビス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス-(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル-リン酸ジオクタデシルエステル、および3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル-リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩が挙げられる。
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネートとしては、ジオクタデシル-2,2-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)-マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-マロネート、ジ-ドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、およびビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネートが挙げられる。
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物としては、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、および2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノールが挙げられる。
1.10.トリアジン化合物としては、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、および1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートが挙げられる。
1.11.ベンジルホスホネートとしては、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、および3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩が挙げられる。
1.12.アシルアミノフェノールとしては、4-ヒドロキシ-ラウリン酸アニリド、4-ヒドロキシ-ステアリン酸アニリド、2,4-ビス-オクチルメルカプト-6-(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-s-トリアジン、およびオクチル-N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-カルバメートが挙げられる。
1.13.β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14.β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.15.β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.16.3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N、N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.17.β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、およびN,N’-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalによって供給されるNaugard(登録商標)XL-1)。
【0109】
UV吸収剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤は、光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%、約0.025重量%~約2重量%、または約0.1重量%~約1重量%で組成物中に存在し得る。レッドシフトした本UVAについて概説したように、UV吸収剤は非常に低いレベルで用いられ得る。
【0110】
加えて、プロセスおよび組成物において、充填剤、流動助剤、接着促進剤、ヒュームドシリカなどのレオロジー改質剤、顔料、染料、滑り止め剤、蛍光増白剤、湿潤剤、および界面活性剤などの添加剤が用いられ得る。
【0111】
光硬化性ハードコート組成物から得られる光硬化ハードコートフィルムの厚さ(乾燥フィルム厚)は、例えば、約0.2ミル~約10ミルである。これは、約0.2ミル~約8ミル、約0.2ミル~約6ミル、約0.2ミル~約4ミル、および約0.2ミル~約2ミルが含まれる。例えば、乾燥フィルム厚は、いくつかの実施形態では、約0.2ミル~約10ミル、約0.2ミル~約8ミル、約0.22ミル~約6ミル、約0.2ミル~約4ミル、または約0.2ミル~約2ミルであり得る。なおさらなる実施形態では、乾燥コーティングフィルム厚は、約0.5ミル~約3.5ミル、または約1ミル~約2.5ミルである。
【0112】
調製された光硬化フィルムは、窓用フィルムとして、グラフィックオーバーコーティングに、太陽光制御フィルムとして、バックライト付きディスプレイフィルムとして、オーバーラミネートフィルムとして(外装または内装デジタルグラフィックスなど)、標識に、合わせガラスに、インクジェット媒体コーティングに、エレクトロクロミック/フォトクロミック用途に、光学フィルム、安全ガラス/フロントガラス中間層に、インモールドフィルム、デカール、抗落書きフィルム、特殊包装、コンパクトディスクコーティングに、前方照明用の保護コーティング、ポリマー基材用(例えば、機械部品および自動車部品などのプラスチック部品用)の保護コーティング、および他の高性能薄膜コーティング用途に使用され得る。
【0113】
光硬化フィルムは、その下の基材をUV照射の有害な影響から保護するのに特に効果的である。例えば、それらは、その下の基材中に存在する染料または顔料を退色から保護するのに効果的である。
【0114】
基材表面は、液体組成物、溶液または懸濁液を基材に塗布することによって被覆してもよい。溶剤の選択および濃度は、主に配合物の種類および用いられるコーティング方法に依存するであろう。溶剤は不活性、言い換えれば、それは成分といかなる化学反応も受けてはならず、コーティング作業の後、例えば乾燥プロセスの間に再び除去可能であるべきである。好適な溶剤の例は、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N-メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、およびエチル-3-エトキシプロピオネートなどの、ケトン、エーテルおよびエステルである。懸濁液は、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、ブラッシングまたはスプレーまたはリバースロールコーティングなどの既知のコーティング技術によって基材に均一に塗布される。感光層を一時的に柔軟な支持体に塗布し、次いで積層を介した層転写によって、最終基材、例えば銅積回路板をコーティングすることも可能である。
【0115】
本発明に従った組成物の感光度は、一般にUV領域(約200nm)~最高約600nmの範囲である。好適な照射は、例えば、日光または人工光源からの光を含む。したがって、多数の非常に異なる種類の光源を使用することができる。点光源およびフラットラジエータ(ランプカーペット)の両方が適切である。例としては、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、所望により金属ハロゲン化物でドープされた中圧、高圧、および低圧水銀灯(金属ハロゲン灯)、マイクロ波刺激金属蒸気灯、エキシマ灯、超高効率蛍光管、蛍光灯、白熱アルゴンランプ、電子懐中電灯、写真用照明ランプ、電子ビーム、およびX線である。例えば、Hgランプ、鉄ドープHgランプ、またはGaドープHgランプが好適である。特定の蛍光灯、例えばPhilips TL05またはTL09特殊蛍光灯などの低強度灯などの、昼光と同等の人工光源を使用してもよい。ランプと、被覆される本発明に従った基材との間の距離は、用途ならびにランプの種類および/または出力に応じて、例えば2cm~150cmで変更することができる。例えば、可視範囲のレーザーもまた好適である。硬化は、透明層(例えばガラスシートまたはプラスチックシートのガラス板)の後方で行われてもよい。
【0116】
本発明の光硬化性ハードコート組成物は、発光ダイオード(LED)アレイを使用して光硬化することができる。LEDアレイは、365nmおよび395nmの波長のLEDランプの組み合わせであってもよい。
【0117】
低強度の光を発する光源を使用するとき、複雑で高価な装置は不適切であり、この場合の組成物は特別な外装用途に特に使用され得る。昼光を用いた、または昼光と同等の光源を用いた硬化は、標準的なUV硬化の移動式ベルト方法に代わる方法である。平らな部品に特に好適な移動式ベルト方法とは対照的に、昼光硬化は、静止した固定された物体または構造物の上の外装コーティングに使用され得る。これらは、典型的には、とりわけ欧州特許出願公開第160723号に開示されているように、建物、ファサード、橋、船、または道路上および現場上のマーキングへのコーティングである。
【0118】
昼光を用いた、または昼光と同等の光源を用いた硬化は、省エネルギーな方法であり、外装用途では、環境中への揮発性有機成分の放出は起こらない。しかしながら、昼光を用いた、または昼光と同等の光源を用いた硬化は、物体が角度のある領域もまた昼光に曝されるように位置する連続硬化にも好適である。これに関連して、鏡または反射体も使用してもよい。
【0119】
本明細書に記載の光硬化ハードコートコーティング層を有する(例えば保護フィルム)物品は、光沢またはつや消し表面を有し得る。つや消しフィルムは、典型的には、典型的な光沢フィルムよりも低い透過率および高い曇り度値を有する。例えば、曇り度は、一般に、ASTM D1003に従って測定する場合、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、または10%である。光沢表面は、典型的には、ASTM D 2457-03に従って60℃で測定する場合、少なくとも130の光沢を有し、つや消し面は、120未満の光沢を有する。1種の例示的なつや消しフィルムは、U.S.A. Kimoto Tech(Cedartown、Ga.)から商品名「N4D2A」で市販されている。
【0120】
表面は、つや消し表面を提供するために粗面化またはテクスチャード加工され得る。これは、ビードブラスト処理または他の粗面化されている好適な道具で表面をエンボス加工すること、ならびに米国特許第5,175,030(Luら)号および同第5,183,597号(Lu)に記載の好適な粗面化マスターに対して組成物を硬化させることを含む、当該技術分野で既知の種々の方法によって達成され得る。
【0121】
表面層に防眩特性を付与するために、粒子状つや消し剤を光硬化性ハードコート組成物に組み込んでもよい。添加される粒子状つや消し剤の量は、層の厚さに応じて、組成物の全固形分の約0.5~10%である。いくつかの実施形態では、この量は約2重量%である。粒子状つや消し剤の平均粒径は、層の厚さに部分的に依存する所定の最小および最大を有する。しかしながら、一般に、1.0ミクロン未満の平均粒径は、包含を保証するのに十分な防眩性の程度を提供しないが、10.0ミクロンを超える平均粒径は透過画像の鮮鋭度を低下させる。平均粒径は、約1.0~約10.0ミクロンである。これは、コールター原理によって測定された数平均値に関して、1.7~約3.5ミクロンの平均径を含む。
【0122】
粒子状つや消し剤として、例えば、非晶質シリカ粒子、TiO2粒子、Al2O3粒子などを含む無機粒子または樹脂粒子、架橋性ポリ(メチルメタクリレート)から作製されたもの、架橋性ポリスチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、および架橋性ポリシロキサン粒子などの架橋性ポリマー粒子が使用される。製造プロセス中の防眩層および/またはハードコート層用の光硬化性コーティング混合物中の粒子の分散安定性および沈降安定性を考慮すると、かかる樹脂粒子は、結合剤材料との高い親和性および小さい比重を有するため、架橋性ポリスチレン粒子などの樹脂粒子を使用してもよい。
【0123】
粒子状つや消し剤の形状としては、球状および不規則な粒子が使用され得る。しかしながら、一貫した防眩特性を得るためには、球状粒子が望ましい。また2種類以上の粒子状材料を組み合わせて使用してもよい。
【0124】
3.5ミクロンの平均粒径を有する1種の市販のシリカ粒子状つや消し剤は、W.R.Grace and Co.(Columbia、Md.)から「Syloid C803」の商品名で市販されている。
【0125】
帯電防止剤を含めることによって、光硬化ハードコート表面の繊維くずを引き寄せる力を、さらに低減することができる。例えば、光硬化ハードコートをコーティングする前に、帯電防止コーティングを(例えば、任意選択的にプライマー処理された)基材に塗布してもよい。帯電防止層の厚さは、典型的には少なくとも20nm、一般的には400nm以下、300nm以下、または200nmまでである。
【0126】
帯電防止コーティングは、帯電防止剤として少なくとも1種の導電性ポリマーを含み得る。様々な導電性ポリマーが知られている。有用な導電性ポリマーの例としては、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリピロールおよびポリチオフェンならびにその誘導体が挙げられる。1種の特に好適なポリマーは、H.C.Starck(Newton、Mass.)から商品名「BAYTRON P」で市販されている、ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)でドープされたポリ(エチレンジオキシチオフェン)などの、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である。この導電性ポリマーをスルホポリエステル分散液に低濃度で添加して、特にポリエステルおよび酢酸セルロース基材への良好な接着性と組み合わせて良好な帯電防止性能を提供する、帯電防止組成物を提供することができる。
【0127】
他の実施形態では、光硬化性ハードコート組成物は、金属または半導体金属酸化物などの導電性金属含有粒子を含み得る。かかる粒子はまた、1nm超かつ200nm未満の粒径または会合粒径を有するナノ粒子として記載され得る。結晶質半導体金属酸化物の、様々な顆粒状の、名目上球状の粒子が知られている。かかる導電性粒子は、一般に、適切なドナーヘテロ原子がドープされているか、または酸素欠損を含有する二元金属酸化物である。いくつかの実施形態では、ドープ導電性金属酸化物顆粒状粒子としては、Sbドープ酸化錫、Alドープ酸化亜鉛、Inドープ酸化亜鉛、およびSbドープ酸化亜鉛が挙げられる。
【0128】
様々な帯電防止粒子が、水系および溶剤系の分散液として市販されている。使用され得るアンチモン錫酸化物(ATO)ナノ粒子分散液としては、AiR Productsから商品名「Nano ATO S44A」で入手可能な分散液(25重量%固形分、水)、Advanced Nano Products Co. Ltd.(ANP)から入手可能な30nmおよび100nm分散液(20重量%固形分、水)、またANPから入手可能な30nmおよび100nmのATO IPAゾル(30wt%)、Keeling&Walker Ltdから商品名「CPM10C」で入手可能な分散液(19.1wt%固形分)、ならびにIshihara Sangyo Kaisha, Ltdから商品名「SN-100D」で市販されている分散液(20重量%固形分)が挙げられる。さらに、アンチモン酸化亜鉛(AZO)IPAゾル(20nm、20.8重量%固形分)が、商品名「CELNAX CX-Z210IP」、「CELNAX CX-Z300H」(水中)、「CELNAX CX-Z401M」(メタノール中)、および「CELNAX CX-Z653M-F」(メタノール中)でNissan Chemical America(Houston、Tex.)から入手可能である。
【0129】
ナノ粒子帯電防止剤では、帯電防止剤は、少なくとも20重量%の量で存在する。導電性無機酸化物ナノ粒子では、レベルは、屈折率調整のために最高80重量%の固形分であり得る。導電性ポリマー帯電防止剤を用いるとき、導電性ポリマーの可視領域における吸収が強いため、極力用いないことが一般に好ましい。したがって、濃度は、一般に20重量%以下の固形分である。様々な実施形態では、この量は15重量%未満である。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーの量は、乾燥した帯電防止層の2重量%から5重量%の固形分の範囲である。
【0130】
いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート保護フィルムはまた、反射防止特性も提供する。例えば、光硬化ハードコートコーティングが十分な量の高屈折率ナノ粒子を含むと、光硬化ハードコートコーティングは反射防止フィルムの高屈折率層として好適であり得る。次いで、低屈折率表面層を高屈折率層に適用する。あるいは、米国特許第7,267,850号に記載のように、高屈折率層および低屈折率層を、光硬化ハードコートに適用してもよい。
【0131】
本発明の物品には種々の基材を利用することができる。好適な基材材料としては、ガラス、ならびにポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート、すなわち「PMMA」)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、すなわち「PP」)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、すなわち「PET」)、ポリアミド、ポリイミド、フェノール系樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、エポキシなどの熱硬化性または熱可塑性ポリマーが挙げられる。典型的には、基材は、意図した用途のための所望の光学的および機械的特性に部分的に基づいて選択されるであろう。かかる機械的特性としては、典型的には柔軟性、寸法安定性、および耐衝撃性が挙げられるであろう。基材厚はまた、典型的には、意図された用途に依存するであろう。ほとんどの用途では、約0.5mm未満の基材厚が好ましく、約0.02~約0.2mmがより好ましい。いくつかの実施形態によれば、自己支持型ポリマーフィルムを使用してもよい。PETなどのポリエステルまたはPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、およびPVC(ポリ塩化ビニル)などのポリオレフィンから作製されたフィルムを使用してもよい。ポリマー材料は、押し出しおよび押し出しフィルムの任意選択的な一軸または二軸配向などの従来のフィルム作製技術を使用して、フィルムへと形成してもよい。基材は、例えば、化学処理、空気もしくは窒素コロナなどのコロナ処理、プラズマ、火炎、または化学線照射などで処理して、基材と光硬化ハードコート層との間の接着性を改善してもよい。必要に応じて、任意選択的な結合層またはプライマーを基材および/または光硬化ハードコート層に適用して、層間接着性を高めてもよい。
【0132】
多層光学フィルム、再帰反射シート、および輝度向上フィルムなどの微細構造化フィルム、(例えば反射型または吸収型)偏光フィルム、拡散フィルム、ならびに(例えば二軸)位相差フィルム、補償フィルムが挙げられるが、これらに限定されない様々な光透過性光学フィルムが知られている。
【0133】
多層光学フィルムは、異なる屈折率のミクロ層の配置によって、少なくとも部分的に所望の透過率および/または反射特性を提供する。ミクロ層は、異なる屈折率特徴を有するので、いくらかの光は隣接するミクロ層の間の界面で反射される。フィルム本体に所望の反射特性または透過特性を与えるために、ミクロ層は、複数の界面で反射された光が建設的干渉または相殺的干渉を受けるように十分に薄い。紫外波長、可視波長、または近赤外波長で光を反射するように設計された光学フィルムでは、各ミクロ層は、一般に約1マイクロメートル未満の光学的厚さ(すなわち、物理的厚さ×屈折率)を有する。全ての可視光を反射するかかるフィルムは、銀色の外観を有し、多くの場合(例えば着色された)ミラーフィルムと称される。しかしながら、フィルムの外面のスキン層、またはミクロ層のパケットを分離するフィルム内に配置された保護境界層など、より厚い層もまた挙げられ得る。多層光学フィルム本体は、積層体中の2層以上の多層光学フィルムを結合するための1層以上の厚い接着剤層も含み得る。
【0134】
好適な多層光学フィルムおよび関連する構造のさらなる詳細は、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、ならびにPCT公開第WO95/17303号(Ouderkirkら)および同第WO99/39224号(Ouderkirkら)に見出され得る。ポリマー多層光学フィルムおよびフィルム本体は、これらの光学的、機械的、および/または化学的特性のために選択される、米国特許第6,368,699号(Gilbertら)に記載のような追加の層およびコーティングを含むことができる。ポリマーフィルムおよびフィルム本体はまた、金属または金属酸化物のコーティングまたは層などの無機層も含むことができる。
【0135】
市販の多層光学フィルムとしては、3M(商標)Vikuiti(商標)二重輝度向上フィルム、および3M(商標)Vikuiti(商標)強化鏡面反射フィルムが挙げられる。
【0136】
いくつかの実施形態では、光硬化性ハードコート組成物は、少なくとも1種の金属層または有機金属層を有する基材に塗布される。かかる基材は、装飾的な金属仕上げを提供する目的で、および/または電子デバイス用の電磁干渉(EMI)シールドを提供する目的で用いられ得る。
【0137】
金属層は、種々の材料から作製され得る。例示的な金属としては、元素で銀、金、銅、ニッケルおよびクロムが挙げられる。ステンレス鋼などの合金、またはこれらの金属を互いにまたは他の金属と混和して含有する分散液もまた用いられ得る。追加の金属層が用いられるとき、それらは互いに同じでも異なっていてもよく、同じ厚さを有する必要はない。いくつかの実施形態では、1層以上の金属層は、面内方向に3%を超えて伸長される場合に連続性を維持するのに十分に厚く、フィルムおよびフィルムを用いる物品が確実に所望の程度のEMIシールドおよび光透過率を有するのに十分に薄い。いくつかの実施形態では、1層以上の金属層の(光学的厚さとは対照的に)物理的厚さは、約3~約50nm、または約4~約15nmである。典型的には、1層以上の金属層は、スパッタリング(例えば、陰極または平面マグネトロンスパッタリング)、蒸発(例えば、抵抗または電子ビーム蒸発)、化学蒸着、めっきなどのフィルム金属化技術において用いられる技術を使用して、上述の支持体上に堆積することによって形成される。
【0138】
第1の金属層の平滑性および連続性、ならびに支持体へのその接着性は、支持体の適切な前処理によって向上することができる。前処理レジメンとしては、反応性または非反応性雰囲気(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電、または大気圧放電)の存在下での支持体の放電前処理、化学的前処理、フレーム前処理、酸化物および合金などの核形成層の適用、または有機ベースコート層の適用が挙げられ得る。
【0139】
EMIシールドとしての使用に好適なフィルムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,351,479号に記載されている。一実施形態では、EMIシールドフィルムは、前述のような光透過性ポリマーフィルム上のファブリペロー干渉スタックを含む。スタックは、(例えば架橋性アクリレートポリマー製の)有機可視光透過性スペーシング層によって、(例えば銀製の)第2の可視光透過性金属層から離間した第1の可視光透過性金属層を含む。金属層およびスペーシング層の厚さは、金属層が部分的に反射性かつ部分的に透過性であるように選択される。スペーシング層は、透過光の所望の通過帯域の中心を達成するような光学的厚さ(層の物理的厚さ×その面内屈折率として定義される)を有する。通過帯域内の光の波長は、主に薄い金属層を透過する一方、通過帯域より上の波長は、主に薄い金属層によって反射されるか、または相殺的干渉のために打ち消される。調製された光硬化ハードコートまたは保護フィルムは、光学ディスプレイおよびディスプレイパネルなどの様々な物品と共に使用するのに好適である。
【0140】
光硬化ハードコートコーティングまたは保護フィルムは、物品またはデバイスに接着される。物品またはデバイスは、光学ディスプレイまたはディスプレイパネルをさらに含有し得る。
【0141】
用語「光学ディスプレイ」または「ディスプレイパネル」とは、液晶ディスプレイ(「LCD」)、プラズマディスプレイ、前面および背面投射型ディスプレイ、陰極線管(「CRT」)、および看板、ならびに発光ダイオード(「LED」)、信号灯、およびスイッチなどの単一文字またはバイナリディスプレイなどの、多文字複数行ディスプレイを含むが、これらに限定されない任意の従来の光学ディスプレイを指すことができる。かかるディスプレイパネルの露出面は、「レンズ」と称され得る。本発明は、インクペン、マーカー、および他のマーキングデバイス、拭き取り布、紙アイテムなどによる接触またはタッチを感受する表示面を有するディスプレイに特に有用である。
【0142】
本発明の光硬化ハードコートコーティングまたはフィルムは、種々の携帯用および非携帯用の情報表示デバイスに用いられ得る。これらのデバイスとしては、PDA、携帯電話(PDA/携帯電話の組み合わせを含む)、LCDテレビ(直接式および側面式)、タッチスクリーン、腕時計、カーナビゲーションシステム、コンピュータータブレット、全地球測位システム、測深機、電卓、電子本、CDおよびDVDプレーヤー、投射型テレビ画面、コンピュータモニター、ノートブックコンピュータディスプレイ、計器ゲージ、計器パネルカバー、グラフィックディスプレイなどの標識が挙げられる。表示面は、任意の従来のサイズおよび形状を有することができ、平面または非平面であり得る。光硬化ハードコートコーティングは、例えばカメラレンズ、眼鏡レンズ、双眼鏡レンズ、鏡、再帰反射シート、自動車用窓、建築用窓、列車用窓、ボート用窓、航空機用窓、自動車用ヘッドランプおよびテールライト、陳列ケース、道路舗装マーカー(例えば盛り上がった)および舗装マーキングテープ、オーバーヘッドプロジェクター、ステレオのキャビネットドア、ステレオカバー、腕時計カバー、ならびに光学および光磁気記録ディスクなどの、他の種々の物品にも用いられ得る。
【0143】
物品を(例えばディスプレイ)表面に容易に取り付けることができるように、様々な永久的かつ除去可能なグレードの接着剤組成物を(例えば保護フィルム基材)の反対側(すなわち光硬化ハードコート)上にコーティングしてもよい。好適な接着剤組成物としては、Kraton Polymers(Westhollow、Tex.)から商品名「Kraton G-1657」で市販されているものなどの(例えば水素化)ブロックコポリマー、ならびに他の(例えば同様の)熱可塑性ゴムが挙げられる。他の例示的な接着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、およびエポキシ系の接着剤が挙げられる。例示的な接着剤は、接着剤が経時的にまたは天候に曝されて黄変し、光学ディスプレイの表示品質を低下させることがないように、十分な光学的品質および光安定性を有するものである。接着剤は、転写コーティング、ナイフコーティング、スピンコーティング、ダイコーティングなどの種々の既知のコーティング技術を使用して塗布することができる。例示的な接着剤は、米国特許出願公開第2003/0012936号に記載されている。かかる接着剤のうちのいくつかは、3M Company(St.Paul、Minn.)から商品名8141、8142、および8161で市販されている。
【0144】
図1は、本発明のハードコートフィルム物品を示す。ハードコートフィルム物品500は、基材512に接着している光硬化ハードコート層511を含む。基材512は、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート、すなわち「PMMA」)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、すなわち「PP」)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、すなわち「PET」)、ポリアミド、ポリイミド、フェノール系樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリスチレン、またはスチレン-アクリロニトリルコポリマーの熱硬化性または熱可塑性ポリマー;炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック、木材、ガラス、鋼鉄、アルミニウム、およびコロナ処理またはフレーム処理されたプラスチックなどの熱硬化性または熱可塑性ポリマーである。光硬化性ハードコート組成物は、当技術分野において既知のコーティング方法を使用して基材512上にコーティングされ得る。光硬化ハードコート層511の厚さは、任意の有用な厚さであり得る。いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート層511は、約1~約50マイクロメートル、約1~約25マイクロメートル、約1~約15マイクロメートル、または約1~約5マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
【0145】
図2は、本発明のハードコートフィルム物品を示す。ハードコートフィルム物品100は、剥離ライナー112上に配置されている光硬化ハードコート層110を含む。光硬化性ハードコート組成物は、当技術分野において既知のコーティング方法を使用して剥離ライナー112上にコーティングされ得る。光硬化コーティング層110の厚さは、任意の有用な厚さであり得る。いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート層110は、約1~約50マイクロメートル、約1~約25マイクロメートル、約1~約15マイクロメートル、または約1~約5マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
【0146】
本発明の光硬化ハードコートフィルム物品は、(例えば熱可塑性)光透過性フィルム層をさらに含むことができる。
図3に示されるように、ハードコートフィルム物品200は、光硬化ハードコート層210上に配置されている(例えば熱可塑性)光透過性フィルム層214を含む。光硬化性ハードコート組成物は、当技術分野において既知のコーティング方法を使用して剥離ライナー212上にコーティングされ得る。(例えば熱可塑性)光透過性フィルム層214の厚さは、任意の有用な厚さであり得る。いくつかの実施形態では、熱可塑性層214は、約0.5~約20マイクロメートル、約0.5~約5マイクロメートル、約0.5~約3マイクロメートル、または1~約3マイクロメートルの厚さを有する。いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート層210は、約1~約50マイクロメートル、約1~約25マイクロメートル、約1~約15マイクロメートル、または約1~約5マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
【0147】
いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート層210および(例えば熱可塑性)光透過性フィルム層214は、約1.5~約25マイクロメートル、約1.5~約15マイクロメートル、または約1.5~約10マイクロメートルの複合フィルム厚を有する。
【0148】
表面処理は、(例えば、熱可塑性)光透過性フィルム層214と光硬化ハードコート層210との間の接着を確実にするために時々有用であり得る。表面処理としては、例えば、化学的なプライマー処理、コロナ処理、プラズマまたはフレーム処理が挙げられる。化学的なプライマー層またはコロナ処理層を、層214と光硬化ハードコート層210との間に配置してもよい。
【0149】
好適な化学的プライマー層は、ウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレンイミンなどから選択され得る。ビニルおよびポリエチレンテレフタレートフィルム用の化学的なプライマーの例としては、米国特許第3,578,622号に開示の架橋性アクリル酸エステル/アクリル酸コポリマーが挙げられる。化学的なプライマー層の厚さは、好適には約10~約3,000ナノメートルの範囲内である。
【0150】
本発明の光硬化ハードコートフィルム物品は、基材を保護するために使用され得る。いくつかの実施形態では、接着剤(例えば、感圧接着剤)を使用して、保護される基材に光硬化ハードコートフィルム物品を接着してもよい。接着剤は、基材上に配置してもよい。
【0151】
あるいは、
図4に示されるように、接着剤を光硬化ハードコート層の少なくとも一部分の上に配置してもよい。ハードコートフィルム物品300は、保護剥離ライナー312上に配置されている光硬化ハードコート層310と、光硬化ハードコート層310上に配置されている接着剤層316(および任意選択的な第2の剥離ライナー318)とを含む。接着剤層316を使用してハードコートフィルム物品300を基材に接着することができるように、任意選択的な第2の剥離ライナー318を取り外して接着剤層316を露出させてもよい。ハードコートフィルム物品300が基材に接着されたら、保護剥離ライナー312を除去してもよい。いくつかの実施形態では、光硬化ハードコート層310は、約1~約50マイクロメートル、約1~約25マイクロメートル、約1~約15マイクロメートル、または約1~約5マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
【0152】
本明細書に記載の保護フィルム物品は、型穴を保護フィルムで裏打ちすることと、固化可能な樹脂組成物を型穴に射出することと、樹脂組成物を固化することと、保護フィルムを含む固化した樹脂物品を型から取り出すことと、を含む物品を作製する方法に好適である。
【0153】
一実施形態では、(例えば
図3の)(例えば熱可塑性)光透過性フィルム層は、硬化したハードコート表面が型と接触するように金属またはセラミック型穴内に置かれる。本明細書に記載の光硬化性ハードコートは、型が曲面を有する(例えば、少なくとも約1mmの曲率半径を有する)実施形態に特に有利である。次いで、溶融した熱可塑性樹脂または硬化性重合性(例えばウレタン)樹脂などの固化可能な樹脂を型穴内に射出して、保護フィルムと成形品との一体化した本体を得る。
【0154】
一実施形態では、光硬化ハードコート保護フィルムコーティングを形成するための方法であって、方法は、紫外線もしくは昼光を用いて、または昼光と同等の光源を用いて組成物を照射することによって、光硬化性ハードコートコーティング組成物を硬化することを含み、光硬化性ハードコートコーティング組成物が、a)少なくとも1種のエチレン性不飽和重合性化合物、b)式(I)もしくは(II)のうちの少なくとも1種のレッドシフトしたUV吸収剤、または式(I)、(II)、および(III)のうちのいずれか2種の組み合わせ(上記)、c)i)少なくとも1種のα-ヒドロキシケトン光開始剤、およびii)少なくとも1種のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤、を含む光開始剤の組み合わせ、ならびに任意選択的にd)ヒンダードアミン光安定剤、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、e)紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、および有機または無機顔料から選択される化合物を含む。
【0155】
一実施形態では、組成物は、物品と、物品に接着している光硬化ハードコートコーティング層とを含み、光硬化性ハードコートコーティング組成物が、a)少なくとも1種のエチレン性不飽和重合性化合物、b)式(I)もしくは(II)のうちの少なくとも1種のレッドシフトしたUV吸収剤、または式(I)、(II)、および(III)のうちのいずれか2種の組み合わせ(上記)、c)i)少なくとも1種のアルファ-ヒドロキシケトン光開始剤、およびii)少なくとも1種のビスアシルホスフィンオキシド光開始剤、を含む光開始剤の組み合わせ、ならびに任意選択的にd)ヒンダードアミン光安定剤、を含む、光硬化性ハードコートコーティング配合物である。いくつかの実施形態では、組成物は、e)紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、および有機または無機顔料から選択される化合物を含む。
【0156】
段落A.光硬化性ハードコートコーティング組成物であって、
a)エチレン性不飽和重合性化合物と、
b)式(I)もしくは(II)のレッドシフトしたUV吸収剤、または式(I)、(II)、および(III)のうちのいずれか2つの混合物と、
c)光開始剤の組み合わせであって、
i)α-ヒドロキシケトン光開始剤、および
ii)ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤を含む、光開始剤の組み合わせと、
任意選択的に、d)ヒンダードアミン光安定剤と、を含み、
【化47】
R
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-18アルケニル、C
5-12シクロアルキル、C
7-15フェニルアルキル、フェニル、または0~4個のC
1-4アルキル基を有するフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または
R
1が、
【化48】
であり、
Lが、R
1への連結基であり、C
1-12アルキレン、C
2-12アルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、またはC
5-7シクロアルキレンであり、
R
2が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-18アルケニル、C
5-12シクロアルキル、C
7-15フェニルアルキル、フェニル、または0~3個のC
1-4アルキル基を有するフェニルもしくはフェニルアルキルであるか、または1個以上の-OH、-OCO-R
11、-OR
14、-NCOもしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されているアルキルであるか、または1個以上の-O-、-NH-、もしくは-NR
14-基、もしくはこれらの混合物によって中断されており、かつ非置換であるか、または1個以上の-OH、-OR
14、もしくは-NH
2基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよい、アルキルもしくはアルケニルであり、
R
11が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
3-C
8アルケニル、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルであり、
R
14が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキルであり、
R
2が、-OR
14、-C(O)-O-R
14、-C(O)-NHR
14、またはC(O)-NR
14R’
14基であり、R’
14が、R
14、-SR
13、-NHR
13、または-N(R
13)
2、-(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15と同じ意味を有し、
X
1が、-O-または-N(R
16)-であり、
Yが、-O-もしくは-N(R
17)-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはC
3-C
12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン、もしくはフェニレンであり、これらの各々がヒドロキシル基によってさらに置換されていてもよく、
【化49】
(式中、*が結合を表す)、またはYが直接結合であるとき、Zは直接結合であってもよく、
mが、0、1、または2であり、
pが1であるか、またはXおよびYがそれぞれ-N(R
16)-および-N(R
17)-であるときpも0であり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、
【化50】
、-CO-C(R
18)=C(H)R
19基であるか、またはYが-N(R
17)であるとき、R
15がR
17と一緒になって、-CO-CH=CH-CO-基を形成し、
R
18が、水素またはメチルであり、R
19が、水素、メチル、または-CO-X
1-R
20であり、
R
20が、水素、C
1-C
12アルキル、または以下の式の基であり、
【化51】
であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ハロゲン、CN、NO
2、またはNH
2であり、
R
13が、1~20個の炭素原子のアルキル、2~20個の炭素原子のヒドロキシアルキル、3~18個の炭素原子のアルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、両方とも1~4個の炭素原子の1個または2個のアルキルによって置換されていてもよいフェニルまたはナフチルであり、
R
16およびR
17が、互いに独立して、水素、C
1-C
12-アルキル、1~3個の酸素原子によって中断されているC
3-C
12-アルキル、シクロヘキシル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、またはZがエチレンである場合にはまた、R
16がR
17と一緒になって、エチレンを形成し、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキイニル(alkyinyl)、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、またはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、もしくは-NR
22-基、もしくはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、
フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた、1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、
nが、0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、またはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであるか、または
E
1が、
【化52】
の基であり、
Qが、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、1個以上の-O-、NH、またはNR
14原子によって中断されているC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレン、パラ-フェニレン、または
【化53】
の基(式中、*が結合を表す)であり、
R
101、R
102、およびR
104が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキルであり、
R
105、R
106、R
107、R
108、およびR
109が、独立して水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、もしくは5~12個の炭素原子のシクロアルキル;または1~4個のハロゲン、エポキシ、グリシジルオキシ、フリルオキシ、-R
204、-OR
205、-N(R
205)
2、-CON(R
205)
2、-COR
205、-COOR
205、-OCOR
205、-OCOC(R
205)=C(R
205)
2、-C(R
205)=CCOOR
205、-CN、-NCO、もしくはこれらの組み合わせによって置換されているアルキルまたはシクロアルキル;または1~4個のエポキシ、-O-、-NR
205-、-CONR
205-、-COO-、-OCO-、-CO-、-C(R
205)=C(R
205)COO-、-OCOC(R
205)=C(R
205)-、-C(R
205)=C(R
205)-、フェニレン、もしくはGが-O-、-S-、-SO
2-、-CH
2-、もしくは-C(CH
3)
2-であるフェニレン-G-フェニレン、もしくはこれらの組み合わせによって中断されているアルキルもしくはシクロアルキル;または上記の基の組み合わせによって両方とも置換および中断されているアルキルまたはシクロアルキル;または-COR
206であり、
R
204が、6~10個の炭素原子のアリール、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらの組み合わせによって置換されているアリール;5~12個の炭素原子のシクロアルキル;7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、もしくは1~3個のハロゲン、1~8個の炭素原子のアルキル、1~8個の炭素原子のアルコキシ、もしくはこれらの組み合わせによってフェニル環上で置換されているフェニルアルキル;または2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニルであり、
R
205が、R
204と同義であるか、またはR
205がまた、水素、もしくは1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~24個の炭素原子のアルケニルであり、
R
206が、1~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、フェノキシ、1~12個の炭素原子のアルキルアミノ、6~12個の炭素原子のアリールアミノ、-R
207COOH、または-NH-R
208-NCOであり、
R
207が、2~14個の炭素原子のアルキレンまたはフェニレンであり、
R
208が、2~24個の炭素原子のアルキレン、フェニレン、トリレン、またはジフェニルメタンである、光硬化性ハードコートコーティング組成物。
【0157】
段落B.
R
1が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、
【化54】
であり、
式中、Lが、1~12個の炭素原子のアルキレン、2~12個の炭素原子のアルキリデン、ベンジリデン、p-キシリレン、または5~7個の炭素原子のシクロアルキレンであり、
R
2が、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、または-(CH
2)
m-CO-X
1-(Z)
p-Y-R
15であり、
X
1が、-O-であり、
Yが、-O-、または直接結合であり、
Zが、C
2-C
12-アルキレン、1~3個の窒素原子、酸素原子、もしくはこれらの混合物によって中断されているC
4-C
12アルキレンであるか、またはYが、直接結合であるとき、Zが、さらにまた、直接結合であってもよく、
mが2であり、
pが1であり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、または
【化55】
であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ClまたはBrであり、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、C
2-C
6アルキニルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-NHCOR
23、-NR
22COR
23、-OCOR
24、-COR
25、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-Si(R
29)
n(R
30)
3-n、-Si(R
22)
3、-N
+(R
22)
3A
-、-S
+(R
22)
2A
-、-オキシラニル基、もしくはこれらの混合物によって置換されていてもよく、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、直鎖もしくは分岐鎖の非置換もしくは置換の、C
2-C
24アルケニル、C
5-C
12シクロアルキル、もしくはC
2-C
6アルキニルがまた、1個以上の-O-、-S-、-NH-、もしくは-NR
22-基、もしくはこれらの組み合わせによって中断されていてもよく、
フェニル、ナフチル、またはC
7-C
15フェニルアルキルはまた、1個以上のハロゲン、-CN、-CF
3、-NO
2、-NHR
22、-N(R
22)
2、-SO
2R
26、-PO(R
27)
n(R
28)
2-n、-OH、-OR
22、-COR
25、-R
25によって置換されていてもよく、
nが、0、1、または2であり、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、フェニル、もしくはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであるか、または2個のR
22がNもしくはSi原子に結合しているとき、それらが結合している原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、もしくはモルホリン環を形成することができ、
R
23が、水素、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
24が、OR
22、NHR
22、N(R
22)
2であるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
25が、水素、OH、OR
22、NHR
22、もしくはN(R
22)
2、O-グリシジルであるか、またはR
22と同じ意味を有し、
R
26が、OH、OR
22、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
27が、NH
2、NHR
22、またはN(R
22)
2であり、
R
28が、OHまたはOR
22であり、
R
29が、ClまたはOR
22であり、
R
30が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキルであり、
E
1が、
【化56】
であり、
Qは、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
12アルキレン、C
5-C
10シクロアルキレンもしくはパラ-フェニレン、
【化57】
である、段落Aに記載の組成物。
【0158】
段落C.
R
1が、水素、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~4個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、
R
2が、1~24個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、2~18個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルケニル、5~12個の炭素原子のシクロアルキル、7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキル、または-(CH
2)
2-CO-O-(Z)-O-R
15であり、
Zが、C
2-C
12-アルキレン、1~3個の酸素原子により中断されているC
4-C
12アルキレンであり、
R
15が、水素、C
1-C
12アルキル、
【化58】
であり、
R
5、R
6、R
7、およびR
8が、独立して水素、ClまたはBrであり、
Xが、OまたはNE
1であり、
E
1が、水素、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキル、C
5-C
12シクロアルキル、フェニル、もしくはC
7-C
15フェニルアルキルであるか、または直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
24アルキルもしくはC
5-C
12シクロアルキルが、1個以上の-F、-OH、-OR
22、-NH
2、-NHR
22、-N(R
22)
2によって置換されていてもよく、フェニルまたはC
7-C
15フェニルアルキルがまた、1個以上の-ハロゲン、-CN、-CF
3、-OH、-OR
22、-COR
22、-R
22によって置換されていてもよく、
R
22が、直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
18アルキル、直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
18アルケニル、C
5-C
10シクロアルキル、C
6-C
16フェニルまたはナフチル、C
7-C
15フェニルアルキルであり、
E
1が、
【化59】
であり、
Qが、C
2-C
12アルキレン、C
5-C
7シクロアルキレン、パラ-フェニレン、
【化60】
である、段落AまたはBに記載の組成物。
【0159】
段落D.
R1が、水素、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または7~15の炭素原子のフェニルアルキルであり、
R2が、1~12個の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖アルキルもしくは7~15個の炭素原子のフェニルアルキル、フェニル、または1~4個の炭素原子の1~3個のアルキルによってフェニル環上で置換されているフェニルもしくはフェニルアルキルであり、
R5およびR6が、水素であるか、または両方のうちの一方がClもしくはBrであり、
R7およびR8が、独立して水素、Cl、またはBrであり、
Xが、OまたはNE1であり、
E1が、水素、非置換であるかもしくは1~4個のOHによって置換されている直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、非置換もしくはF、CF3、CNもしくはClによって置換されているフェニル、またはC7-C9フェニルアルキルである、段落A、BまたはCに記載の組成物。
【0160】
段落E.レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが、式(I)のものである、段落A~Dのいずれか1つに記載の組成物。
【0161】
段落F.レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが、
【化61-1】
【化61-2】
である、段落A~Eのいずれか1つに記載の組成物。
【0162】
段落G.2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-n-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ジ-n-ブチルオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-sec-ブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2,4ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5トリアジン、2-(2,4-ジ(メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-メトキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニル-ペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジ(ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-4,6-ビス(2-ヒドロキシ-4-(1-ヒドロキシカルボニルペントキシ)フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2-メトキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(3-n-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-6-[2,4-ジ-(1-エトキシカルボニルエトキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-メトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’-エトキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-イソプロピルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジイソプロピルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-n-ヘキシルオキシフェニル)-6-(2’,4’-ジ-(n-ヘキシルオキシ)フェニル)-1-3,5-トリアジン、またはこれらのいずれか2つ以上の混合物である、式IIIのレッドシフトしたUV吸収剤を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載の組成物。
【0163】
段落H.エチレン性不飽和重合性化合物が、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2~4個の二重結合を含有するモノマー、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリウレタン、アクリル化ポリエステル、エチレン性不飽和カルボン酸と、ポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンおよびこれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンのコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、不飽和アミド、オリゴマー多価不飽和化合物、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(複数可)、3個または4個のアクリレート基を含むアクリレートモノマー、3個または4個のメタクリレート基を含むメタクリレートモノマー、ならびにこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群から選択される、段落A~Gのいずれか1つに記載の組成物。
【0164】
段落I.1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-オクタデシルアミノピペリジン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-イル)セバケート、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-アシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ-s-トリアジン、ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-アジペート、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)-ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジペート、2,4-ビス{N-[1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル]-N-ブチルアミノ}-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-s-トリアジン、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)p-メトキシベンジリデンマロネート、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、トリス(2-ヒドロキシ-3-(アミノ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)ニトリロトリアセテート、テトラキス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、テトラキス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタン-テトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス-(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、N,N’-ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの線状または環状縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、ポリ[メチル(3-オキシ-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)プロピル)]シロキサン(CAS#182635-99-0)、無水マレイン酸-C18-C22-α-オレフィン-コポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-プロポキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、4,4’-ヘキサメチレンビス(アミノ-1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-s-トリアジンで末端キャップされた2,4-ジクロロ-6-[(1-アシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-s-トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー化合物、ならびに1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとシアヌル酸クロリドおよび(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミンとの反応によって得られる反応生成物によって得られる生成物から選択される、ヒンダードアミン安定剤を含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の組成物。
【0165】
段落J.ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル-s-トリアジン、ベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、マロネート、およびオキサミドからなる群から選択される紫外線吸収剤をさらに含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の組成物。
【0166】
段落K.紫外線吸収剤が、ヒドロキシフェニル-s-トリアジンまたはヒドロキシルフェニルベンゾトリアゾールを含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の組成物。
【0167】
段落L.光硬化性ハードコート組成物が、フェノール系酸化防止剤を含む、段落A~Kのいずれか1つに記載の組成物。
【0168】
段落M.光硬化性ハードコート樹脂固形分の重量に各々基づいて、レッドシフトしたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールが、約0.05重量%~約5.0重量%存在し、ヒンダードアミン光安定剤が、約0.5重量%~約3.0重量%存在する、段落A~Lのいずれか1つに記載の組成物。
【0169】
段落N.基材上に光硬化ハードコート保護フィルムコーティングを形成するための方法であって、段落A~Mのいずれか一項に記載の光硬化性ハードコートコーティング組成物を基材に塗布することと、光源を用いて光硬化性ハードコートコーティング組成物に照射して光硬化ハードコート保護フィルムコーティングを形成することと、を含む、方法。
【0170】
段落O.基材と、それに接着している光硬化ハードコート層とを含む物品であって、光硬化ハードコート層が、段落A~Nのいずれか一項に記載の光硬化性ハードコートコーティング組成物から調製された、硬化された光硬化性ハードコートコーティング配合物である、物品。
【0171】
段落P.光硬化ハードコートコーティング層が、約0.2ミル~約10ミルの厚さである、段落Oに記載の物品。
【0172】
段落Q.光硬化ハードコートコーティング層が、290nm~360nmで≦0.1%、400nmで≦0.5%、および420nmで≦12%のUV透過率を呈する、段落OおよびPのいずれか1つに記載の物品。
【0173】
段落R.光硬化ハードコートコーティング層が、着色されたコーティング層である、段落O~Qのいずれか1つに記載の物品。
【0174】
段落S.光硬化ハードコートコーティング層が、顔料で着色されたコーティング層である、段落O~Rのいずれか1つに記載の物品。
【0175】
段落T.光硬化ハードコートコーティング層が、効果顔料を含む、段落O~Sのいずれか1つに記載の物品。
【0176】
段落U.光硬化ハードコートコーティング層が、クリアコート層である、段落O~Tのいずれか1つに記載の物品。
【0177】
したがって、一般に記載される本発明は、説明のために提供され、本発明を限定することを意図しない以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0178】
以下で使用される様々な商品名成分の組成は、以下の通りである。
Laromer(登録商標)HDDAは、BASFから入手可能なヘキサンジオールジアクリレートエステルであり、
Laromer(登録商標)UA 19Tは、脂肪族ウレタンアクリレートであり、35重量%のBASFから入手可能なトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)で希釈されており、
Laromer(登録商標)PO 9026は、BASFから入手可能なポリエーテルアクリレート樹脂であり、
アクロナール(登録商標)DS 3598naは、明澄度およびポリオレフィン接着性を必要とする自己粘着紙およびフィルムラベル用の感圧接着剤を製造するために使用されるアクリル分散液であり、BASFから入手可能であり、
Irgacure(登録商標)184は、BASFから入手可能なアルファ-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであり、
Irgacure(登録商標)TPOは、BASFから入手可能なジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシドである。
【0179】
実施例1-モノマー溶液の調製
本UV吸収剤(UVA)およびヒンダードアミン光安定剤(HALS)を、70グラムのLaromer19Tおよび30グラムのLaromer HDDAのモノマー混合物に溶解し、続いて周囲温度で30分間撹拌する。光開始剤の材料は、これらの溶液のUV吸光度測定を干渉するので、これらの配合物に添加しない。粘度は、スピンドル#21を20rpmおよび23Cで使用して、ブルックフィールド粘度計を使用して測定する。UV吸収剤を、様々な組み合わせでモノマー混合物に添加する。
【表1】
【0180】
実施例1-0は、UVAおよびHALSを含まない70:30モノマー混合物である。UVA13は、レッドシフトしたトリアジンUV吸収剤である、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)-s-トリアジンである。比較UVA1は、レッドシフトしたものではないベンゾトリアゾールUV吸収剤である、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールである。HALS1は、3,5,5-トリメチルヘキサン酸2,2,6,6-テトラメチル-1-[2-(3,5,5-トリメチル-ヘキサノイルオキシ)-エチル]-ピペリジン-4-イルエステルである。HALS2は、(ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート)である。
【0181】
実施例2-モノマー溶液のUV透過率
本UV吸収剤を、70重量%のLaromer19Tと30重量%のLaromer HDDAのモノマー混合物に溶解する。光開始剤の材料は、これらの溶液のUV吸光度測定を干渉するので、これらの配合物に添加しない。選択されたUV吸収剤またはUV吸収剤の組み合わせを合計160mg/リットル含有するモノマー溶液について、様々な波長でUV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表2】
【0182】
実施例3-硬化したクリアコーティングのUV透過率
紫外線透過性を有するガラスプレートは、Specialty Glass Productsから得られる。レッドシフトしたUV吸収剤であるUVA1を、樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加する。コーティングした溶融シリカガラスプレートは、ドローダウンバーを使用して異なるコーティング厚さにUV吸収剤含有樹脂溶液をコーティングし、硬化する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表3】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成する。
【0183】
実施例4-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、レッドシフトしたUV吸収剤であるUVA1を、樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加し、ヒンダードアミン光安定剤であるビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネートを樹脂固形分に対して1.5パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表4】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成する。
【0184】
実施例5-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、レッドシフトしたUV吸収剤であるUVA1を樹脂固形分に対して2重量パーセントの濃度で配合物に添加し、レッドシフトしたものではない市販のUV吸収剤である2-[2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1)-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンを樹脂固形分に対して1重量パーセントの濃度で添加し、ヒンダードアミン光安定剤であるビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネートを樹脂固形分に対して1.5パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表5】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成する。
【0185】
実施例6-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、レッドシフトしたUV吸収剤であるUVA1を樹脂固形分に対して2重量パーセントの濃度で配合物に添加し、比較UVA1である2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールを樹脂固形分に対して1重量パーセントの濃度で添加し、ヒンダードアミン光安定剤であるビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネートを樹脂固形分に対して1.5パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表6】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成する。
【0186】
比較実施例1-硬化したクリアコーティングのUV透過率
紫外線透過性を有するガラスプレートは、Specialty Glass Productsから得られる。コーティングした溶融シリカガラスプレートは、ドローダウンバーを使用して異なるコーティング厚さにUV吸収剤を含有しない樹脂溶液をコーティングし、硬化する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。下記の硬化した配合物は、UV吸収剤を含有しない。
【表7】
この配合物は、7.1ミルのフィルム厚であっても、本UV透過率レベルを達成しない。
【0187】
比較実施例2-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、市販のトリアジンUV吸収剤である2-[2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンを樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表8】
この配合物は、7.1ミルのフィルム厚であっても、本UV透過率レベルを達成しない。
【0188】
比較実施例3-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、比較UVA1である2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールを、樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表9】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成しない。
【0189】
比較実施例4-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、市販のレッドシフトしたベンゾトリアゾールUV吸収剤である2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノールを、樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表10】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成しない。
【0190】
比較実施例5-硬化したクリアコーティングのUV透過率
実施例3の手順に従って、市販のレッドシフトしたベンゾトリアゾールUV吸収剤である2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノールを、樹脂固形分に対して3重量パーセントの濃度で配合物に添加し、ヒンダードアミン光安定剤であるビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネートを、樹脂固形分に対して1.5パーセントの濃度で配合物に添加する。クリアコーティングした溶融シリカガラスプレートについて、UV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表11】
この配合物は、本UV透過率レベルを達成しない。
【0191】
実施例7-光硬化性組成物本安定化光硬化性組成物を、以下の表に従って調製する。各配合物の全ての物質をアンバーボトルに一緒に添加し、続いて周囲温度で30分間撹拌する。
【表12】
【0192】
実施例8-TACフィルム上の光硬化コーティング
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してセルローストリアセテート(TAC)フィルム(Grafix Plastics、75ミクロン厚、光学グレード)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm
2、UVB=0.507J/cm
2、UVC=0.066J/cm
2、およびUVV=1.154J/cm
2である。0.25ミルの乾燥フィルム厚を得る。光硬化フィルムについて、L、a、b色表計および黄色度指数(YI)を測定する。YIは、ASTM 1925を使用して測定し、L、a、b色表計は、CIE Labカラースケールを使用して測定する。
【表13】
この本実施例は、TACフィルムが基材512であり、光硬化層が層511である
図1の例である。
【0193】
実施例9-光硬化コーティングの耐溶媒性
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してLenetaカード(LENETA Co.、形状2A、サイズ:140×254mm)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm
2、UVB=0.507J/cm
2、UVC=0.066J/cm
2、およびUVV=1.154J/cm
2である。本光硬化コーティングは、ASTM D5402-15を使用して耐溶剤性について評価する。この方法は、硬化プロセス中に化学的に変化する有機コーティングの耐溶剤性を評価するための溶剤摩擦法(例えば、メチルエチルケトン、MEK)について記載している。
【表14】
本発明の光硬化コーティングは、先行技術のUV吸収剤を含有する光硬化コーティングと比較すると、より良好な耐溶剤性を与える。
【0194】
実施例10-光硬化コーティングの接着性
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してポリカーボネート(PC)プラーク(Standard Plaque Inc.、Sabic Lexane LS2-111、試料サイズ4”×6”×0.125”)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm
2、UVB=0.507J/cm
2、UVC=0.066J/cm
2、およびUVV=1.154J/cm
2である。本光硬化コーティングは、ASTM D3359-09を使用して接着性について評価する。この試験方法は、フィルムに作られた切れ目上に感圧テープを適用および除去することによって、基材へのコーティングフィルムの接着性を評価するための手順を網羅している。方法B(クロスハッチ)を使用する。
【表15】
本実施例は、PCプラークが基材512であり、光硬化層が層511である
図1の例である。ポリカーボネート上の本発明の光硬化コーティングは、先行技術のUV吸収剤を含有する光硬化コーティングと比較すると、接着性に悪影響を及ぼさない。
【0195】
実施例11-PETフィルム上の光硬化コーティングの透過率
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(TAP Plastic Inc., Mylarフィルム(PET)、2ミル厚)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm
2、UVB=0.507J/cm
2、UVC=0.066J/cm
2、およびUVV=1.154J/cm
2である。0.25ミルの乾燥フィルム厚を得る。本光硬化性組成物の粘度を変えることにより、および/または多数の光硬化層を使用することにより、より厚いフィルム厚の光硬化フィルムを調製することができる。光硬化層が5.25ミルである、PETフィルム上のクリアな光硬化コーティング層についてUV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表16】
本実施例は、PETフィルムが層512であり、光硬化層が層511である
図1の例である。本発明の光硬化コーティングは、先行技術のUV吸収剤を含有する光硬化コーティングと比較すると、より良好な長波長UV保護性を与える。本光硬化コーティングは、本UV透過率レベルを達成する。
【0196】
実施例12-TACフィルム上の光硬化コーティングの透過率
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してセルローストリアセテート(TAC)フィルム(Grafix Plastics、75ミクロン厚、光学グレード)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm
2、UVB=0.507J/cm
2、UVC=0.066J/cm
2、およびUVV=1.154J/cm
2である。0.25ミルの乾燥フィルム厚を得る。本光硬化性組成物の粘度を変えることにより、および/または多数の光硬化層を使用することにより、より厚いフィルム厚の光硬化フィルムを調製することができる。光硬化層が3.0ミルである、TACフィルム上のクリアな光硬化コーティング層についてUV吸収度を測定し、透過率パーセントに変換する。
【表17】
本実施例は、TACフィルムが基材512であり、光硬化層が層511である
図1の例である。本発明の光硬化コーティングは、先行技術のUV吸収剤を含有する光硬化コーティングと比較すると、より良好な長波長UV保護性を与える。本光硬化コーティングは、本UV透過率レベルを達成する。
【0197】
実施例13-光硬化コーティングの耐引掻き性
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用して冷間圧延鋼(CRS)パネル[ACT Test Panels LLC、サイズ=04×12×0.26インチ(厚さ)、B952(リン酸結合)、P90、DIW(脱イオン水洗浄)未研磨CRS]に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm2、UVB=0.507J/cm2、UVC=0.066J/cm2、およびUVV=1.154J/cm2である。本光硬化コーティングは、Crockmeterを使用して耐引掻き性について評価する。この試験について以下に説明する。
【0198】
クラッキングヘッドの幅は25mmであり、ヘッドは19mmの半径で湾曲している。クロッキングヘッドのヘッドは、60からのショア00硬度を有するエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)連続気泡フォームで覆われている。試料に対するクラッキングヘッドの移動は、表面曲率の軸に対して垂直である。合成接着剤で固定された酸化アルミニウム粒子を含む、研磨性の柔軟なポリエステルラッピングフィルムを、クロッキングヘッドに取り付ける。研磨フィルムは、3Mから入手可能な5μmグレインの3M 261Xラッピングフィルムである。引掻き前の光沢は、各試料の10箇所で測定し、平均する。2本の引掻き線の平均光沢保持率を決定する。全ての引掻き線を単一の試料に適用することが可能である。引掻き線は、ラッピングフィルムを備えたクロックメーターヘッドに対して試料を相対的に移動させることにより生成する。以下の試験条件を使用する:1)試料に印加する力は9Nである、2)引掻き線を生成するサイクル数は、5往復サイクルである、3)引掻き線の長さは80~100ミリメートルである、4)クロッキングヘッドの速度は1Hzである。試験後、各引掻き線上の10箇所で光沢を測定し、平均した。光沢保持力は、最終光沢を初期光沢で割って100を掛けたものである。
【表18】
本実施例は、鋼鉄が基材512であり、光硬化層が層511である
図1の例である。本発明の光硬化ハードコートコーティングは、先行技術のUV吸収剤を含有する光硬化コーティングと比較すると、より良好な耐引掻き性を与える。
【0199】
実施例14-接着剤層および剥離ライナーを有する光硬化TACフィルムの調製本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してトリアセテート(TAC)フィルム(Grafix Plastics、240ミクロン厚、光学グレード)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm2、UVB=0.507J/cm2、UVC=0.066J/cm2、およびUVV=1.154J/cm2である。0.25ミルの乾燥フィルム厚を得る。
【0200】
80ポンドの紙シリコーン処理剥離ライナー(Spinnaker)を、真空床を備えた自動ドローダウンテーブルに適用する。ライナーを所定の位置に保持するために、床に真空を適用する。コーティング重量は、平らなバードバーを使用することによって設定する。Acronal DS3598をバーの前方に塗布し、バーで下方に引きずる。30グラム/m
2の接着剤コーティング量を得る。接着剤塗布後、接着剤を上にした剥離ライナーを真空床から取り出し、プレキシガラスパネル上に置き、115℃のオーブンに4分間入れる。接着剤層を有するライナーを、上で調製したように光硬化TACフィルムのTACフィルム側に直接適用する。ハンドローラーで加圧した後、接着剤を非剥離基材(光硬化TACフィルム)に転写し、硬化する。
【表19】
【0201】
実施例15-接着剤層および剥離ライナーを有する光硬化TACフィルムの調製
本実施例7で調製した本光硬化性組成物を、#2ドローダウンバーを使用してセルローストリアセテート(TAC)フィルム(Grafix Plastics、240ミクロン厚、光学グレード)に塗布し、出力設定80%、コンベア設定20フィート/分のV&Dランプを装備するHeraeus Noblelight Fusion UVシステムModel DRS-10/12QNを使用して光硬化する。UV照射量は、UVA=1.569J/cm2、UVB=0.507J/cm2、UVC=0.066J/cm2、およびUVV=1.154J/cm2である。0.25ミルの乾燥フィルム厚を得る。
【0202】
上で調製した光硬化TACフィルムのTACフィルム側を、TACフィルム側を上にして真空床を有する自動ドローダウンテーブルに適用する。ライナーを所定の位置に保持するために、床に真空を適用する。コーティング重量は、平らなバードバーを使用することによって設定する。Acronal 3598をバーの前方に塗布し、バーで下方に引きずる。30グラム/m
2の接着剤コーティング量を得る。接着剤塗布後、接着剤を上にした光硬化TACフィルムを取り出し、プレキシガラスパネル上に置き、115℃のオーブンに4分間入れる。光学的にクリアな剥離ライナー(PETフィルム、Mitsubishi)を光硬化TACフィルムの接着剤層に直接適用する。ハンドローラーで加圧した後、接着剤を非剥離基材(光硬化TACフィルム)に転写し、硬化する。
【表20】
【0203】
特定の実施形態を図示および説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義されているそのより広範な態様における技術から逸脱することなく、当該技術分野における通常の技術に従って変更および修正を加えることができることを理解されたい。
【0204】
本明細書で実例として説明される実施形態は、本明細書に具体的には開示されていないいかなる要素または複数の要素、制限または複数の制限の不在下でも適切に実施され得る。したがって、例えば、「を含んでいる(comprising)」、「を含んでいる(including)」、「を含有している」などの用語は、広範に、かつ制限なしで読まれることになっている。さらに、本明細書で採用される用語および表現は、説明の用語として使用されており、制限の用語として使用されてはおらず、このような用語および表現の使用において示され、かつ説明される特徴またはその部分のいかなる等価物も除外することを意図するものではなく、特許請求された技術の範囲内で種々の変更が可能であることが認識される。さらに、「から本質的になる」という句は、具体的に引用される複数の要素、および特許請求される技術の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しない追加の要素を含むよう理解されることになっている。「からなる」という句は、指定されていないいかなる要素も除外する。
【0205】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、その趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更および変化が行われ得る。本開示の範囲内の機能的に等価の方法は、本明細書に列挙されたものに加えて、上述の説明から当業者に明らかとなる。このような修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲、およびそのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲によってのみ限定されるべきである。本開示が、もちろん変わり得る特定の方法、試薬、化合物組成、または生物系に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0206】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ(Markush)グループに関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ(Markush)グループのメンバーの任意の個々のメンバーまたはサブグループの観点から記載されることを認識するであろう。
【0207】
当業者には理解されるように、任意のおよび全ての目的のために、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示される全ての範囲は、その可能な部分範囲および部分範囲の組み合わせをも包含する。全ての列挙された範囲は十分に説明されており、同じ範囲を少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解することが可能であることが容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書に記述の各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに容易に分解され得る。当業者であれば理解するであろうように、「最大(up to)」、「少なくとも(at least)」、「を超える(greater than)」、「未満(less than)」などの全ての文言はまた、列挙された数字を含み、上述のようにその後部分範囲に分解され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各々の個々の部材を含む。
【0208】
全ての刊行物、特許出願、発行された特許、および本明細書で参照される他の文書は、各々の個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が、その全体が参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別的に示されるように参照によって本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
【0209】
他の実施形態は、後続の特許請求の範囲に記載されている。