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特許7073928搬送装置、液体を吐出する装置、読取装置、画像形成装置、該搬送装置の制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】搬送装置、液体を吐出する装置、読取装置、画像形成装置、該搬送装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220517BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20220517BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B41J2/01 101
B65H7/02
B41J15/04
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018110541
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019001160
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2017117301
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰一
(72)【発明者】
【氏名】林 智明
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-077726(JP,A)
【文献】特開2016-023049(JP,A)
【文献】特開2014-184665(JP,A)
【文献】特開2015-013476(JP,A)
【文献】特開2010-137489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0074854(US,A1)
【文献】特開2010-131964(JP,A)
【文献】特開2011-063332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B41J 15/00-15/24
B65H 7/00-7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される被搬送物に対して処理を行うヘッドユニットを備えた搬送装置であって、
前記ヘッドユニットによる処理位置よりも搬送方向上流側に設けられ、搬送される前記被搬送物を支持する第1の支持部材と、
前記処理位置よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される前記被搬送物を支持する第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の間に配置され、前記被搬送物の表面情報を検出する表面検出部と、
前記表面検出部よりも搬送方向上流側に配置され、前記被搬送物の表面情報を検出する上流側表面検出部と、
前記被搬送物の幅方向のエッジを検出するエッジ検出部と、
前記表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果と、前記エッジ検出部の検出結果とに基づいて、前記ヘッドユニットを移動させる制御部と、を有し、
記エッジ検出部は、搬送方向において、前記表面検出部よりも、前記上流側表面検出部に近い位置で、前記被搬送物が搬送される方向の直交方向である幅方向において前記上流側表面検出部と並んで設けられることを特徴とする
搬送装置。
【請求項2】
前記表面検出部は、光源を有し、前記光源はLED又は有機ELであることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記上流側表面検出部は、光源を有し、前記光源はLED又は有機ELであることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果を基づいて、前記被搬送物における、前記上流側表面検出部に対向する位置と、前記表面検出部に対向する位置との間の前記被搬送物の幅方向の蛇行量を演算する蛇行量算出部と、
前記エッジ検出部が検出した前記エッジの位置と、予め設定された基準位置との比較により、前記基準位置からの前記エッジのズレ量を演算するズレ量算出部と、
前記被搬送物の幅方向において、前記ヘッドユニットを、前記蛇行量及び前記エッジのズレ量を反映した補正処理位置に移動させる移動量を算出するヘッド移動量算出部と、を有することを特徴とする
請求項1乃至3の何れか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記ヘッド移動量算出部は、初期調整のときの前記被搬送物の前記エッジのズレ量と、搬送動作中の前記被搬送物の蛇行量を用いて、前記ヘッドユニットの前記移動量を算出することを特徴とする
請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ヘッド移動量算出部は、搬送動作中の前記被搬送物の前記エッジのズレ量と、搬送動作中の前記被搬送物の蛇行量を用いて、前記ヘッドユニットの前記移動量を算出することを特徴とする
請求項4に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ヘッド移動量算出部は、前記搬送動作中の前記被搬送物の複数のエッジのズレ量を、移動平均を用いて平均化して、前記移動量の算出に反映させる前記エッジのズレ量を算出することを特徴とする
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記表面検出部及び前記上流側表面検出部には、
特定の波長の光を前記被搬送物に照射する発光部が夫々設けられ、
前記上流側表面検出部は、前記被搬送物に形成される表面又は内部の凹凸形状に対して照射される前記光の干渉によって生成されるパターンを撮像する上流側撮像部を備え、
前記表面検出部は、前記被搬送物に形成される表面又は内部の凹凸形状に対して照射される前記光の干渉によって生成されるパターンを撮像する撮像部を備えており、
前記蛇行量算出部は、前記上流側撮像部及び前記撮像部が撮像した撮像画像に基づいて、前記被搬送物の前記上流側撮像部に対向する位置と前記撮像部に対向する位置との間の前記被搬送物の幅方向の蛇行量を演算することを特徴とする
請求項4乃至7いずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記被搬送物は、前記搬送方向に沿って長尺に連続したシートであることを特徴とする
請求項1乃至のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記搬送方向と直交する方向に延伸する複数のヘッドユニットが前記搬送方向に沿って並設され、
前記複数のヘッドユニットの夫々の処理位置よりも搬送方向上流側に位置し、搬送される前記被搬送物を夫々支持する複数の第1の支持部材が設けられ、
前記複数のヘッドユニットに対応付けられて、前記搬送方向に沿って複数の表面検出部が設けられ、
前記制御部は、前記複数の表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果のうちの少なくとも2つの検出結果と、前記エッジ検出部の検出結果とに基づいて、前記複数のヘッドユニットを夫々移動させることを特徴とする
請求項1乃至のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の送装置を有し、
前記搬送装置により搬送される前記被搬送物に対して、前記ヘッドユニットから液滴を吐出させることにより、前記被搬送物に画像を形成することを特徴とする
液滴を吐出する装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の送装置を有し、
前記搬送装置により搬送される前記被搬送物上に形成されたテストパターンを、前記ヘッドユニットに読み取らせることを特徴とする
読取装置。
【請求項13】
搬送方向と直交する方向に延伸する複数のヘッドユニットが前記搬送方向に沿って並設され、
前記複数のヘッドユニットに対応付けられて、前記搬送方向に沿って複数の表面検出部が設けられ、
前記制御部は、前記複数の表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果のうちの少なくとも2つの検出結果と、前記エッジ検出部の検出結果とに基づいて、前記複数のヘッドユニットのうち、最上流のヘッドユニットを除いたヘッドユニットを夫々移動させることを特徴とする
請求項1乃至のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記被搬送物は、前記搬送方向に沿って移動する転写ベルトであることを特徴とする
請求項13に記載の搬送装置。
【請求項15】
請求項14に記載の送装置を有し、
前記搬送装置により移動される前記転写ベルト上に、前記ヘッドユニットにより転写パターンを転写させることを特徴とする
画像形成装置。
【請求項16】
ヘッドユニットを有し、前記ヘッドユニットにより処理を行いながら被搬送物を搬送する前記被搬送物を搬送する搬送装置の制御方法であって、
前記ヘッドユニットよりも搬送方向上流側に配置される上流側表面検出部によって、前記被搬送物の表面情報を検出するステップと、
エッジ検出部によって、前記被搬送物の幅方向のエッジを検出する検出ステップと、
前記上流側表面検出部及び、前記エッジ検出部よりも搬送方向下流側に配置され、前記上流側表面検出部と前記エッジ検出部との距離よりも、前記エッジ検出部との距離の方が長くなるように設けられた表面検出部によって、前記被搬送物の表面情報を検出する検出ステップと、
前記表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果に基づいて、前記被搬送物における、前記上流側表面検出部に対向する位置と、前記表面検出部とに対向する位置との間の前記被搬送物の幅方向の蛇行量を演算する蛇行量算出ステップと、
前記エッジ検出部が検出した前記幅方向のエッジの位置と、予め設定された基準位置との比較により、基準位置からの前記エッジのズレ量を演算するズレ量算出ステップと、
前記蛇行量及び前記エッジのズレ量を用いて、前記ヘッドユニットの移動量を算出する移動量算出ステップと、
前記被搬送物の幅方向において、前記ヘッドユニットを、前記蛇行量及び前記エッジのズレ量を反映した補正処理位置に移動させる移動量を算出するヘッド移動量算出ステップと、
算出した移動量の分、前記ヘッドユニットを移動させる移動ステップと、を有し、
前記エッジ検出部は、搬送方向において、前記表面検出部よりも、前記上流側表面検出部に近い位置で、前記被搬送物が搬送される方向の直交方向である幅方向において前記上流側表面検出部と並んで設けられることを特徴とする
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、液体を吐出する装置、読取装置、画像形成装置、該搬送装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されるものに対して処理を行う装置では、タイミングや搬送位置のずれによる処理結果のずれが課題となっている。
【0003】
例えば、印刷品質を向上させるため、プリントヘッドの位置を調整する方法が知られている。具体的には、まず、連続用紙印刷システムを通る印刷媒体であるウェブ(web)の横方向における位置変動がセンサによって検出される。このセンサによって検出される位置変動を補償するように、横方向におけるプリントヘッドの位置を調整する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、センサからヘッドユニットまでの距離があるため、処理位置の補正の精度が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、被搬送物の搬送される方向の直交方向において、より高精度に処理位置を補正できる搬送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
搬送される被搬送物に対して処理を行うヘッドユニットを備えた搬送装置は、
前記ヘッドユニットによる処理位置よりも搬送方向上流側に設けられ、搬送される前記被搬送物を支持する第1の支持部材と、
前記処理位置よりも搬送方向下流側に設けられ、搬送される前記被搬送物を支持する第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の間に配置され、前記被搬送物の表面情報を検出する表面検出部と、
前記表面検出部よりも搬送方向上流側に配置され、前記被搬送物の表面情報を検出する上流側表面検出部と、
前記被搬送物の幅方向のエッジを検出するエッジ検出部と、
前記表面検出部と前記上流側表面検出部による検出結果と、前記エッジ検出部の検出結果とに基づいて、前記ヘッドユニットを移動させる制御部と、を有し、
搬送方向において、前記エッジ検出部は、前記表面検出部よりも、前記上流側表面検出部に近い位置であって、前記被搬送物が搬送される方向の直交方向である幅方向において前記上流側表面検出部と並んで設けられることを特徴とする
搬送装置。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、搬送装置において、被搬送物の搬送される方向の直交方向において、より高精度に処理位置を補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の一例を示す概略図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置の一例の上面概略図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置の他の例の側面概略図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例である。
図5】本発明の第1実施形態に係るヘッドユニット位置補正に係る制御フローの一例である。
図6】本発明の第1実施形態に係る制御部の機能ブロックの一例である。
図7】本発明の一実施形態に係るセンサデバイスの機械的構成の一例を示す斜視説明図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表面検出部を用いる制御の一例を示す機能ブロック図である。
図9】本発明の一実施形態に係る相関演算方法の一例を示す構成図である。
図10】本発明の一実施形態に係る相関演算におけるピーク位置の探索方法の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る相関演算の演算結果例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置が有する液体吐出ヘッドユニットを移動させるためのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図13】本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置が有する液体吐出ヘッドを移動させるための移動機構の一例を示す上面模式図である。
図14】比較例に係る液体を吐出する装置の上面概略図の一例である。
図15】比較例に係る液体を吐出する装置による被搬送物の変動量を算出する方法の一例を示すタイミングチャートである。
図16】本発明における、初期調整時にエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するための方法の一例について説明する図である。
図17】本発明における、初期調整時に用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するためのフローの一例である。
図18】本発明における、リアルタイムにエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するための方法の一例について説明する図である。
図19】本発明における、リアルタイムに用紙エッジズレを読み取る場合の用紙幅方向の書き出し位置を補正するためのフローの一例である。
図20】本発明の第2実施形態に係る搬送装置を備えるシステムの一例の概略側面図である。
図21】本発明の第2実施形態に係るシステムの制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図22】本発明の実施形態に係るシステムの制御部が有するデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図23】本発明の一実施形態に係る制御部が有する画像出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図24】本発明の第3実施形態に係る読取装置の一例の上面概略図である。
図25】本発明の第3実施形態に係る読取装置の他の例の側面概略図である。
図26】本発明の第3実施形態に係る読み取りヘッドユニットの外形形状の一例である。
図27】本発明の第3実施形態に係る読取装置の概略機能ブロックの一例である。
図28】本発明の第4実施形態に係る中間転写方式の画像形成装置の側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
<第1実施形態:液体を吐出する装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の一例を示す外観の概略図である。本発明の第1実施形態として、搬送装置が有するヘッドユニットが液体を吐出する液体吐出ヘッドユニット(液滴吐出ユニット)であり、搬送装置が液体を吐出する装置(液滴を吐出する装置)である場合を例に説明する。
【0011】
本実施形態に係る搬送装置の一例である液体を吐出する装置において、吐出される液体が記録液である場合は、画像形成装置として機能する。記録液は、例えば、水性又は油性のインク等である。以下、第1実施形態として、搬送装置である液体を吐出する装置が画像形成装置110である構成を例として説明する。
【0012】
画像形成装置110で搬送される被搬送物は、例えば、記録媒体等である。図示する例では、画像形成装置110は、ローラ30等によって搬送される記録媒体の例である用紙(ウェブ)Wに対して、液体を吐出して画像形成を行う。
【0013】
また、用紙Wは、いわゆる連続用紙状の印刷媒体等である。すなわち、被搬送物である用紙Wは、巻き取りが可能な、長尺状の連帳紙(シート)等である。ただし、被搬送物である用紙Wは、長尺状のシートに限られず、被搬送物は、折り畳まれて格納されるシート、いわゆる「Z紙」等であってもよい。
【0014】
また、図1に示す画像形成装置110は、いわゆるプロダクション・プリンタシステムの一部分のプリンタ部であってもよい。以下の説明では、ローラ30が、ウェブWの張力を調整等し、図示する方向(以下「搬送方向X」という。)にウェブWが搬送される例で説明する。さらに、図では、搬送方向をX方向、搬送方向に直交する方向であって、装置の奥行方向をY方向、装置の高さ方向をZ方向として説明する。
【0015】
図2は、本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置の一例の上面概略図である。本例では、液体を吐出する装置である画像形成装置110は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色のそれぞれのインクを吐出してウェブWの所定の箇所に画像を形成するインクジェットプリンタである。
【0016】
図2の例では、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yは、用紙Wにインクを吐出するインクジェットプリンタヘッドモジュールである。各ヘッドユニットが吐出するインク滴の組成等に制限はないが、本実施形態では、搬送方向上流側から順にブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインク滴を吐出するものとする。
【0017】
詳しくは、各液体吐出ヘッドユニットは、上流側から下流側に向かって、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の順に設置されるとする。すなわち、最も上流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「ブラック液体吐出ヘッドユニット210K」という。)をブラック(K)用とする。このブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「シアン液体吐出ヘッドユニット210C」という。)をシアン(C)用とする。さらに、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの次に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M」という。)をマゼンタ(M)用とする。続いて、最も下流側に設置される液体吐出ヘッドユニット(以下「イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y」という。)をイエロー(Y)用とする。
【0018】
図2に示す、画像形成装置110には、用紙Wに張力(テンション)を与えながら、用紙Wを搬送する搬送機構である支持ローラR0~R5が設けられている。
【0019】
幅方向に延伸している複数のライン型のヘッドユニット210K,210C,210M,210Yが、支持ローラR1~R4を跨ぐように配置されている。詳しくは、ヘッドユニット210Kは支持ローラR1とR2との間に設けられ、ヘッドユニット210Cは支持ローラR2とR3との間に設けられ、ヘッドユニット210Mは支持ローラR3とR4との間に設けられ、ヘッドユニット210Yは支持ローラR4とR5との間に設けられている。
【0020】
したがって、支持ローラR1は、ヘッドユニット210Kに対して上流側の第1の支持部材として機能する。支持ローラR2は、ヘッドユニット210Kに対して下流側の第2の支持部材として機能するとともに、ヘッドユニット210Cに対して上流側の第1の支持部材として機能する。同様に、支持ローラR3は、ヘッドユニット210Cに対して第2の支持部材として機能するとともに、ヘッドユニット210Mに対して第1の支持部材として機能する。支持ローラR4は、ヘッドユニット210Mに対して第2の支持部材として機能するとともに、ヘッドユニット210Yに対して第1の支持部材として機能する。支持ローラR5は、ヘッドユニット210Yに対して第2の支持部材として機能する。
【0021】
また、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yには、ヘッドユニットを搬送方向と垂直に移動させるためのアクチュエータA1,A2,A3,A4が夫々接続されて設けられている。
【0022】
さらに、画像形成装置110には、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yの下部に設けられるセンサデバイス(表面検出センサデバイス)S1,S2,S3,S4と、ヘッドユニット210Kの手前にセンサデバイスS0及びエッジセンサES0が設けられている。
【0023】
図2中、点線で示すセンサデバイスS1,S2,S3,S4は、各ヘッドユニットを跨いだ支持ローラ間であって、夫々のヘッドユニット210K,210C,210M,210Yの下方で、且つ用紙Wの下方に設けられている。
【0024】
同様に、点線で示すセンサデバイス(上流側表面検出センサ)S0は、ヘッドユニット210K及び支持ローラR1の手前(上流側)且つ用紙Wの下方に設けられている。上流側表面検出センサS0は上流側表面検出部又は上流側表面検出部の一部として機能する。
【0025】
センサデバイス(表面検出センサ)S1,S2,S3,S4と、センサ(上流側表面検出センサ)S0とは、用紙Wの蛇行量又は搬送方向の位置ずれ量を検知するために設けられている。センサデバイスS1,S2,S3,S4は表面検出部又は表面検出部の一部として機能する。
【0026】
また、エッジセンサ(エッジ検出部)ES0は、ヘッドユニット210K及び支持ローラR1の手前(上流側)に、センサデバイスS0の用紙幅方向の同一線上に、配置されている。
【0027】
さらに、ヘッドユニット210Kの手前に設けられた上流側の支持ローラR0は従動ローラであり、従動ローラ(支持ローラ)R0にはエンコーダEが実装されている。このエンコーダEが、搬送中の用紙Wの送り量(搬送距離)を検知することができる。
【0028】
また、図2では、搬送方向における、上流側表面検出センサS0とエッジセンサES0との距離は、表面検出部S1とエッジセンサES0との距離よりも近い。即ち、搬送方向において、エッジセンサES0は、表面検出センサS1よりも、上流側表面検出センサS0に近い位置に設けられる。
【0029】
この場合、エッジセンサES0は、上流側表面検出センサである上流側センサデバイスS0と直交方向において並ぶ位置に配置されることが望ましい。
【0030】
なお、図2では、支持ローラR1,R2,R3,R4は各ヘッドユニット間に1本設けられる例を示して説明したが、ヘッドユニット間に設けられる支持ローラは1本に限られず、図3に示すように、各ヘッドユニット間に支持ローラが2本又はそれ以上設けられてもよい。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置の他の例の側面概略図である。上記図1図2では、搬送方向Xが水平方向である例を説明したが、液体を吐出する装置では、液滴を吐出する面に張力を付与するため、図3のように若干、上方に凸になるように湾曲してXm方向に搬送されてもよい。
【0032】
図3に示すように、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yを夫々挟む、支持ローラCR1K~CR2Yの両側には搬送駆動部として、2対のニップローラ(nip roller)NR1,NR2及びローラ230等が設けられている。以下、この2対のニップローラのうち、各液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるニップローラ対NR1を「第1ニップローラ」という。一方で、第1ニップローラNR1及び各液体吐出ヘッドユニットより下流側に設置されるニップローラ対NR2を「第2ニップローラ」という。なお、各ニップローラ対NR1,NR2は、図示するように、用紙W等の被搬送物を挟んで回転する。
【0033】
また、ウェブWを構成する記録媒体は、長尺状であるのが望ましい。具体的には、記録媒体の長さは、第1ニップローラNR1と、第2ニップローラNR2との距離より長いのが望ましい。
【0034】
各液体吐出ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yは、画像データ等に基づいて、ウェブWの所定の箇所に、各色のインクをそれぞれ吐出する。そして、吐出されたインクがウェブWに着弾する位置(以下「着弾位置」という。)は、液体吐出ヘッドユニットのほぼ直下となる。以下、本実施形態では、液体吐出ヘッドユニットによって処理が行われる処理位置が着弾位置である例で説明する。
【0035】
この例では、ブラックのインクは、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kの着弾位置(以下「ブラック着弾位置PK」という。)に着弾する。同様に、シアンのインクは、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cの着弾位置(以下「シアン着弾位置PC」という。)に着弾する。さらに、マゼンタのインクは、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mの着弾位置(以下「マゼンタ着弾位置PM」という。)に着弾する。また、イエローのインクは、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yの着弾位置(以下「イエロー着弾位置PY」という。)に着弾する。なお、各液体吐出ヘッドユニットがインクを吐出するそれぞれのタイミングは、例えば、各液体吐出ヘッドユニットに接続されるコントローラ(制御部)300が制御する。
【0036】
また、図3に示す例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、複数のローラがそれぞれ設置される。複数のローラは、例えば、各液体吐出ヘッドユニットを挟んで、上流側と、下流側とにそれぞれ設置される。図3の例では、液体吐出ヘッドユニットごとに、各着弾位置へウェブWを搬送するのに用いられる第1ローラCR1K,CR1C,CR1M,CR1Yが、各液体吐出ヘッドユニットより上流側にそれぞれ設置される。また、各着弾位置から下流へウェブWを搬送するのに用いられる第2ローラCR2K,CR2C,CR2M,CR2Yが、各液体吐出ヘッドユニットより下流側にそれぞれ設置される。
【0037】
具体的には、ウェブWの所定の箇所に、ブラックのインクを精度良く着弾させるため、ブラック着弾位置PKへウェブWを搬送させるためのブラック用第1ローラCR1Kが設置される。これに対して、ブラック着弾位置PKから下流側へウェブWを搬送させるためのブラック用第2ローラCR2Kが設置される。
【0038】
同様に、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに対して、シアン用第1ローラCR1C及びシアン用第2ローラCR2Cがそれぞれ設置される。さらに、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mに対して、マゼンタ用第1ローラCR1M及びマゼンタ用第2ローラCR2Mがそれぞれ設置される。また、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yに対して、イエロー用第1ローラCR1Y及びイエロー用第2ローラCR2Yがそれぞれ設置される。
【0039】
このように、第1ローラ及び第2ローラがそれぞれ設置されると、各着弾位置において、いわゆる「ばたつき」が少なくなる。なお、第1ローラ及び第2ローラは、記録媒体を搬送するのに用いられ、例えば、従動ローラである。また、第1ローラ及び第2ローラは、モータ等により回転駆動されるローラであってもよい。
【0040】
図3に示す例では、各色のヘッドユニット210K,210C,210M,210Y夫々に対して、第1ローラCR1K,CR1C,CR1M,CR1Yが上流側の第1の支持部材として機能し、第2ローラCR2K,CR2C,CR2M,CR2Yが下流側の第2の支持部材として機能する。
【0041】
なお、第1の支持部材の例である第1ローラ、及び第2の支持部材の例である第2ローラは、従動ローラ等の回転体でなくてもよい。すなわち、第1ローラ及び第2ローラは、被搬送物を支える支持部材であればよい。例えば、第1の支持部材及び第2の支持部材は、断面円形状のパイプ又はシャフト等でもよい。他にも、第1の支持部材及び第2の支持部材は、被搬送物と接する部位が円弧状となる湾曲板等であってもよい。
【0042】
また、画像形成装置110は、図2図3に示すように、液体吐出ヘッドユニットごとに、表面検出センサとして、ヘッド毎センサデバイスを備える。ヘッド毎センサデバイスは、表面検出部として機能する。なお、配置位置等は若干異なるが、図2に示すセンサデバイスS1,S2,S3,S4と、図3に示すセンサデバイスSENK,SENC,SENM,SENYは、同じ機能を有するものとする。
【0043】
また、画像形成装置110は、ヘッド毎センサデバイスS1~S4とは別に、ヘッド毎センサデバイスより上流側に、上流側センサデバイス(上流側表面検出センサ)SEN2を更に備えている。なお、図2に示すセンサデバイスS0と、図3に示すセンサデバイスSEN2は、同じ機能を有するものとする。
【0044】
配置構成では、図2図3のいずれでもよいため、図4以降では、符号S0~S4を用いて、センサデバイスについて説明する。
【0045】
詳しくは、画像形成装置110は、図2図3に示す例では、相対位置を検出するためのセンサデバイスとして、4つのヘッド毎センサデバイスと、1つの上流側センサデバイスとを合わせて、合計5つのセンサデバイスを備える。これらのセンサは、光を照射させて用紙Wの照射面の位置に固有の凹凸(紙紋、スペックルパターン)を撮影し、表面情報を検出する。
【0046】
以下の説明では、各ヘッド毎センサデバイスS1~S4及び上流側センサデバイスS0を総じて、単に「センサデバイス」という場合がある。なお、センサは、図示する構成及び図示する位置に設置されるに限られない。
【0047】
図2図3では、センサデバイスが合計5つの例を示しているが、相対位置を検出するセンサの数は、5つに限られない。すなわち、センサデバイスの数は、図2に示すように、ヘッド毎センサデバイス及び上流側センサデバイスの数を合計して液体吐出ヘッドユニットの数より多くてもよい。例えば、液体吐出ヘッドユニットごとに、2つ以上のセンサデバイスが設置されてもよい。同様に、上流側センサデバイスは、2つ以上設置されてもよい。
【0048】
センサデバイスには、赤外線等の光を利用する光学センサ、レーザ、空気圧、光電又は超音波を用いるセンサ等が用いられる。なお、光学センサは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等でもよい。センサデバイスの構成例は、例えば、図7を用いて後述する。
【0049】
ここで、ヘッド毎センサデバイスが設置される位置は、ヘッドユニットからの各着弾位置に近い位置であるのが望ましい。各着弾位置に対して近い位置にヘッド毎センサデバイスが設置されると、各着弾位置と、ヘッド毎センサデバイスとの距離が短くなる。各着弾位置と、ヘッド毎センサデバイスとの距離が短くなると、検出における誤差が少なくできる。そのため、画像形成装置は、ヘッド毎センサデバイスによって、直交方向及び搬送方向において、複数の検出結果間での記録媒体の相対位置を精度良く検出できる。
【0050】
各着弾位置に近い位置は、具体的には、各第1ローラ及び各第2ローラの間である。すなわち、図示する例では、ブラック用センサデバイスSENKが設置される位置は、図示するように、ブラック用ローラ間INTK1であるのが望ましい。同様に、シアン用センサデバイスSENCが設置される位置は、シアン用ローラ間INTC1であるのが望ましい。さらに、マゼンタ用センサデバイスSENMが設置される位置は、マゼンタ用ローラ間INTM1であるのが望ましい。さらにまた、イエロー用センサデバイスSENYが設置される位置は、イエロー用ローラ間INTY1であるのが望ましい。
【0051】
このように、各ローラ間に、ヘッド毎センサデバイスが設置されると、ヘッド毎センサデバイスは、各着弾位置に近い位置で記録媒体の位置等を検出できる。また、ローラ間は、移動速度が比較的安定している場合が多い。そのため、画像形成装置は、直交方向において、記録媒体の位置を精度良く検出できる。
【0052】
また、図2図3では、搬送方向における、上流側表面検出センサS0(SEN2)とエッジセンサES0との距離は、表面検出部S1(SENK)とエッジセンサES0との距離よりも近い。この場合、エッジセンサES0は、上流側表面検出センサである上流側センサデバイスS0(SEN2)と直交方向において並ぶ位置に配置されることが望ましい。
【0053】
さらに、ヘッド毎センサデバイスが設置される位置は、各ローラ間において、着弾位置より第1ローラに近い位置であるのが望ましい。すなわち、ヘッド毎センサデバイスが設置される位置は、図3に示すように、各着弾位置より上流側であるのが望ましい。
【0054】
具体的には、ブラック用センサデバイスSENKが設置される位置は、ブラック着弾位置PKから上流側に向かってブラック用第1ローラCR1Kが設置される位置までの間(以下「ブラック用上流区間INTK2」という。)であるのが望ましい。同様に、シアン用センサデバイスSENCが設置される位置は、シアン着弾位置PCから上流側に向かってシアン用第1ローラCR1Cが設置される位置までの間(以下「シアン用上流区間INTC2」という。)であるのが望ましい。さらに、マゼンタ用センサデバイスSENMが設置される位置は、マゼンタ着弾位置PMから上流側に向かってマゼンタ用第1ローラCR1Mが設置される位置までの間(以下「マゼンタ用上流区間INTM2」という。)であるのが望ましい。さらにまた、イエロー用センサデバイスSENYが設置される位置は、イエロー着弾位置PYから上流側に向かってイエロー用第1ローラCR1Yが設置される位置までの間(以下「イエロー用上流区間INTY2」という。)であるのが望ましい。
【0055】
ブラック用上流区間INTK2、シアン用上流区間INTC2、マゼンタ用上流区間INTM2及びイエロー用上流区間INTY2にヘッド毎センサが設置されると、画像形成装置は、直交方向において、記録媒体の位置を精度良く検出できる。さらに、このような位置にヘッド毎センサが設置されると、ヘッド毎センサが各着弾位置より上流側に設置される。そのため、画像形成装置は、まず、上流側でヘッド毎センサによって記録媒体の位置を精度良く検出でき、各液体吐出ヘッドユニットが吐出するタイミング、各液体吐出ヘッドユニットを移動させる移動量又はこれらの組み合わせを計算できる。
【0056】
すなわち、上流側にて、位置が検出され、その後、ウェブWが下流側にある着弾位置に搬送されると、その間に、液体を吐出するタイミング、液体吐出ヘッドユニットの移動又はこれらの組み合わせが行われる。そのため、各液体吐出ヘッドユニットは、搬送方向、直交方向又は両方向に、精度良く着弾位置を変更することができる。
【0057】
<液体吐出ヘッド>
図4は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドユニットの外形形状の一例を示す。図示するように、図4(a)は、画像形成装置110が有する4つの液体吐出ヘッドユニット210K乃至210Yの一例を示す概略平面図である。
【0058】
図4(a)に示すように、各液体吐出ヘッドユニットは、この例では、ライン型のヘッドユニットである。すなわち、画像形成装置110は、搬送方向Xにおいて、上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)に対応する4つの液体吐出ヘッドユニット210K、210C、210M及び210Yを配置する。
【0059】
また、ブラック(K)の液体吐出ヘッドユニット210Kは、この例では、直交方向に4つのヘッド210K-1、210K-2、210K-3及び210K-4を千鳥状に配置する。これにより、画像形成装置110は、ウェブWに画像が形成される領域(印刷領域)において、幅方向(直交方向)の全域に、画像を形成することができる。なお、他の液体吐出ヘッドユニット210C、210M及び210Yの構成は、ブラック(K)の液体吐出ヘッドユニット210Kの構成と同様のため、説明を省略する。
【0060】
なお、この例では、千鳥状に配置された4つのヘッドで液体吐出ヘッドユニットを構成する例を説明したが、液体吐出ヘッドユニットは、幅方向を一列でカバーする単一のヘッドや、幅方向に密接して連続的に配置される複数のヘッドで構成されてもよい。
【0061】
<ヘッド位置制御>
次に、ヘッドユニットの位置補正制御の概要を、図5及び図6を参照して説明する。
【0062】
図5は、本発明の第1実施形態に係るヘッドユニット位置補正に係る制御フローの一例を示す。図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御部の機能ブロックの一例を示す。
【0063】
図5において、ステップS1で、用紙搬送を開始させた後、ステップS2で、表面検出センサ(センサデバイスS0~S4)で反射した用紙Wの紙紋(スペックルパターン)を撮影する(検出する)。そして、ステップS2の検出結果に応じて、用紙蛇行量を算出する(ステップS3)。
【0064】
詳しくは、用紙Wを搬送中は、各ヘッドユニットの下方に実装されているセンサデバイスS1,S2,S3,S4とヘッドユニット手前のセンサデバイスS0により、規定されたサンプリング周期で、それぞれのセンサにより画像データを取り込む。
【0065】
そして、ステップS2の検出結果に応じて、用紙蛇行量を算出する(ステップS3)。詳しくは、ヘッドユニット毎に設置されたセンサデバイスS1,S2,S3,S4とその上流にある上流側センサデバイスS0との相関演算結果から複数のセンサデバイスの検出結果間での相対位置又は、センサデバイス間での用紙の蛇行量を算出する。
【0066】
この動作と平行して、ステップS4でエッジセンサES0により、搬送中の用紙Wのエッジの位置を検出し、ステップS5でそのエッジのズレ量を算出する。
【0067】
そして、ステップS6で、S3で算出した用紙蛇行量と、S5で算出したエッジズレ量を用いて、ヘッドユニット補正量を算出する。その補正量に基づいて、ステップS7で、アクチュエータA1~A4(図6参照)に駆動指示をする。
【0068】
その後、ステップS8でアクチュエータA1~A4を駆動させることで、ヘッドユニット210を移動させる。この際、アクチュエータA1~A4はセンサデバイスのサンプリング周期の整数倍で駆動するように設定されているため、算出した用紙蛇行量分だけアクチュエータA1~A4を駆動する。
【0069】
ここで、図5のステップS4及びS5で、検出したエッジ結果に基づいて、エッジのズレ量を算出する方法について、図6とともに説明する。
【0070】
図6において、コントローラ(制御部)300は、蛇行量算出部310、エッジズレ量算出部320、ヘッドユニット補正量算出部330、アクチュエータ駆動指示部340と、吐出タイミング調整部350を実行可能に有している。
【0071】
エッジズレ量算出部320は、比較部321と、基準値記憶部322と、ズレ量算出部323と、過去位置蓄積記憶部324とを有している。
【0072】
エッジセンサES0が読み取る用紙端(エッジ)に対して基準となる基準位置は予め設定されており、基準値記憶部322に記憶されているものとする。比較部321は、検出された用紙のエッジの位置と、基準位置とを比較することで、取得した用紙端のデータの、基準位置からのズレ量を把握することができる。
【0073】
また、エッジのズレ量の算出と平行して、蛇行量算出部310により、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yでの用紙の蛇行量を算出する。算出される蛇行量に基づいて、アクチュエータにより、夫々のヘッドユニットを動かすことで、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Y間の色合わせを行うことができる。即ち、各ヘッドユニットの各ヘッド210-1,2,3,4の各ノズルから吐出される液滴の用紙上の着弾位置を幅方向に同一に揃えることができる。
【0074】
さらに、エッジズレ量算出部320により、ヘッドユニットよりも上流側で用紙端部のズレ量を算出し、そのズレ量に基づいて、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yで共通して補正する。
【0075】
このように、ヘッドユニット補正量算出部(ヘッド移動量算出部)330は、複数の表面検出センサから算出された搬送中の用紙蛇行量による位置合わせ補正と、用紙のエッジのズレ量を用いた書き出し位置補正を加算部331で足し合わせて、画像印刷位置補正を実施する。即ち、ヘッドユニット補正量算出部330は、ヘッドユニットを、蛇行量及びエッジのズレ量を反映した補正処理位置に移動させる移動量を算出する。
【0076】
そのため、上記算出された、用紙の蛇行量及び端部のズレ量に合わせた移動量ΔX(ΔX1~ΔX4)の分、アクチュエータA1~A4により、ヘッドユニット210K~210Yを動かすことで、用紙Wに対して各色の位置合わせが可能になるとともに、用紙における所望の位置に液滴を着弾させることができる。
【0077】
したがって、表面検出センサデバイスS0~S4により、用紙Wに対して各色間の相対的な位置合わせが可能になるとともに、基準位置に対するズレ量を補正することで、用紙上の絶対的な位置を調整することができ、用紙幅方向の書き出し位置の精度を向上させることができる。これにより、印刷品質を向上させることが可能になる。
【0078】
この場合、エッジセンサES0は、上流側表面検出センサである上流側センサデバイスSEN2と直交方向において並ぶ位置に配置されることが望ましい。つまり、エッジセンサES0で検出したずれ量を、上流側センサデバイスSEN2とブラック用センサデバイスSENKとの相対ずれ量に加算すると、ヘッドユニット210Kは直交方向においてエッジ位置から一定の位置に画像を形成することが出来る。ただし、エッジセンサES0の設置位置から上流側センサデバイスSEN2までの直交方向の移動が少ないようであれば、どちらかが上流に配置されても構わない。
【0079】
また、蛇行量算出部310は、表面検出センサデバイスS0~S5により搬送速度を求めることができ、吐出タイミング調整部350は、その搬送速度の情報を基に、ヘッドユニット210K~210Yのインク滴の吐出タイミングを調整するタイミング信号SIGを出力する。
【0080】
[検出部の構成]
図7は、本発明の一実施形態に係るセンサデバイスの機械的構成の一例を示す斜視説明図である。本構成は、各色のセンサデバイスS1~S4(SEN1)及び上流側センサデバイスS0(SEN2)の両方に適用できる。
【0081】
図7に示すセンサデバイスは、ウェブ等の対象物に対して照明を当て、対象物の光が照射された面において識別可能となる、紙繊維で形成される表面の凹凸の紙紋(下記、スペックルパターンとする)を撮影する構成を有する。スペックルパターンの撮像は、ウェブの表面情報の検出の例である。
【0082】
具体的には、センサは、光源部(発光部)の例である半導体レーザ光源(LD)91と、コリメート光学系(CL)92を有する。また、センサは、スペックルパターン等を示す画像を撮像するため、CMOSイメージセンサ94と、CMOSイメージセンサ94にスペックルパターンを集光結像するためのテレセントリック撮像光学系93とを有する。
【0083】
図7のセンサデバイスを用いて実行可能な第1の位置検出方法として、1つのセンサデバイスが撮像したスペックルパターン等を示す画像と、他のセンサデバイスで撮像したスペックルパターンを示す画像データとを用いて、コントローラ300等により、相関演算等が行われる。例えば、相関演算において算出される相関ピーク位置の移動量に基づいて、コントローラ300は、1つのセンサデバイスの検出結果から他のセンサデバイスの検出結果の間での対象物の相対位置、移動量、移動速度、又はその組み合わせを出力する。
【0084】
なお、図7では、センサデバイスを覆う筐体のサイズが、幅w×奥行きd×高さhを15×60×32[mm]とする例を一例として示している。
【0085】
図7に示すCMOSイメージセンサ94は、撮像部の一例であり、FPGA(field-programmable gate array)95は、撮像制御部の一例である。
【0086】
図8は、本発明の一実施形態に係る表面検出部を用いる制御の一例を示す機能ブロック図である。例えば、表面検出部110F10は、図7に示したようなセンサデバイスSEN単体によって実現されてもよいし、あるいは、センサデバイスSENとコントローラ300のRAM223(図12参照)等のハードウェアの一部によって実現されてもよい。
【0087】
図8では、液体吐出ヘッドユニットごとに設置される検出部のうち、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K及びシアン液体吐出ヘッドユニット210Cの各検出部の組み合わせを例に説明する。この例では、上記図7のセンサデバイスを2つ用いて説明する。
【0088】
この例では、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の表面検出部110F10が「A位置」に係る検出結果を出力し、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の表面検出部110F10が「B位置」に係る検出結果を出力する。
【0089】
また、ヘッドユニット210K,210Cの幅方向の位置を調整するための、アクチュエータA1,A2が設けられており、ヘッドユニット補正量算出部330は、検出結果に応じて設定する、位置補正量ΔX1,ΔX2を、アクチュエータA1,A2に送信する。
【0090】
図8において、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の表面検出部110F10は、例えば、撮像部(上流側撮像部)16A、撮像制御部14A及び画像記憶部15A等で構成される。なお、この例では、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の表面検出部110F10は、例えば、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の表面検出部110F10と同様の構成であり、撮像部16B、撮像制御部14B及び画像記憶部15B等で構成される。以下、ブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の表面検出部110F10を例に説明し、重複する説明を省略する。
【0091】
撮像部16Aは、図示するように、搬送方向Xに搬送されるウェブWの一部を撮像する。なお、撮像部16Aは、例えば、検出部におけるCMOSイメージセンサ94(図7参照)によって実現される。
【0092】
撮像制御部14Aは、シャッタ制御部141A、画像取込部142Aを有する。なお、撮像制御部14Aは、例えば、図7のFPGA95等によって実現される。
【0093】
画像取込部142Aは、撮像部16Aによって撮像される画像(撮像画像)を取得する。シャッタ制御部141Aは、撮像部16Aが撮像するタイミングを制御する。
【0094】
画像記憶部15Aは、撮像制御部14Aが取り込んだ画像を記憶する。なお、画像記憶部15Aは、例えば、FPGA95内部のSRAM(Static RAM)等で実現される。あるいは、画像記憶部15Aは、コントローラ300のRAM223(図12参照)によって実現されてもよい。
【0095】
第2の移動量検出方法として、蛇行量算出部(計算部)310は、画像記憶部15A及び15Bに記憶されるそれぞれの画像データに基づいて、2つの画像データの間での、ウェブWが有するパターンの相対位置、ウェブWが搬送される移動速度又は移動量が算出できる。
【0096】
また、蛇行量算出部310は、シャッタ制御部141Aに、シャッタを切るタイミングを示す時差Δtのデータを出力する。すなわち、撮像部16A,16Bは、「A位置」を示す画像と、「B位置」を示す画像とが時差Δtで、それぞれ撮像されるように、シャッタを切るタイミングをシャッタ制御部141A,141Bによって制御される。また、蛇行量算出部310は、算出される移動速度となるようにウェブWを搬送させるモータ等を制御してもよい。なお、蛇行量算出部310は、例えば、コントローラ300のCPU221又は他の演算装置等によって実現される。
【0097】
ウェブWは、表面又は内部に散乱性を有する部材である。そのため、ウェブWにレーザ光が照射されると、反射光が拡散反射する。この拡散反射によって、ウェブWには、パターンが形成される。すなわち、パターンは、「スペックル」と呼ばれる斑点、いわゆるスペックルパターンである。そのため、ウェブWを撮像すると、スペックルパターンを示す画像が得られる。この画像からスペックルパターンのある位置がわかるため、ウェブWの所定の位置がどこにあるかが検出できる。なお、このスペックルパターンは、ウェブWの表面又は内部に形成される凹凸形状(紙紋)によって、照射されるレーザ光が干渉するため、生成される。
【0098】
また、光源は、レーザ光を用いる装置に限られない。例えば、光源は、LED(Light Emitting Diode)又は有機EL(Electro-Luminescence)等でもよい。そして、光源の種類によって、パターンは、スペックルパターンでなくともよい。以下、パターンがスペックルパターンである例で説明する。
【0099】
したがって、ウェブWが搬送されると、ウェブWが有するスペックルパターンも一緒に搬送される。そのため、同一のスペックルパターンを、2つの撮像部16A,16Bによって、異なる時間でそれぞれ検出すると、2つの撮像部16A,16Bの間での相対位置が求められる。
【0100】
すなわち、2つの撮像部16A,16Bで、同一のスペックルパターンを検出してパターンの相対位置が求まると、蛇行量算出部310は、ウェブWの直交方向への移動量を求めることができる。
【0101】
この求まる移動量を、2つの撮像部16A,16Bの間でのウェブWの搬送時間に換算すると、蛇行量算出部310は、ウェブWが直交方向に移動した移動速度を求めることができる。さらに、パターンの相対位置が求まると、蛇行量算出部310は、ウェブWの搬送方向への搬送位置のずれ量を求めることが出来る。
【0102】
詳しくは、撮像部16A及び撮像部16Bによって撮像されるそれぞれの画像を示す画像データ「D1(n)」及び「D2(n)」に対して相互相関演算を行う。以下、相互相関演算によって生成される画像データを「相関画像」という。例えば、画像形成装置は、相関画像に基づいて、ずれ量「ΔD(n)」を計算する。
【0103】
さらに、ヘッドユニット補正量算出部330は、蛇行量算出部310によって算出される搬送方向のずれ量「ΔD(n)」と、エッジセンサES0によって取得される用紙エッジ位置データ(ΔXE0)とを用いて、ヘッドユニットを搬送方向と直交方向に移動させるそれぞれの移動量(位置補正量)ΔX1、ΔX2を設定する。
【0104】
さらに、吐出タイミング調整部350は、蛇行量算出部310で算出された搬送速度を基にして、ヘッドユニット210Cの吐出タイミングの変更量(搬送方向のタイミング)を算出して、タイミング信号SIG1,SIG2を生成することが出来る。
【0105】
このように、スペックルパターンを用いて、1又は複数の検出部により、ウェブWの位置を示す検出結果を求めることで、画像形成装置は、搬送方向と直交方向におけるウェブの位置の検出精度を向上させることができる。
【0106】
また、図7の検出部における、1つのセンサを夫々用いた第1の移動量検出方法での相関演算は、例えば、以下のように演算される。
【0107】
<相関演算例>
図9は、本発明の一実施形態に係る相関演算方法の一例を示す構成図である。例えば、検出部により、スペックルパターンを取得した後、蛇行量算出部310によって、相関演算を行う。この相関演算により、センサデバイスの位置におけるウェブの相対位置、移動量、移動速度又はこれらの組み合わせ等を示す検出結果を出力することができる。
【0108】
具体的には、蛇行量算出部310は、図示するように、第1の2次元フーリエ変換部FT1、第2の2次元フーリエ変換部FT2、相関画像データ生成部DMK、ピーク位置探索部SR、演算部CAL及び変換結果記憶部MEMを有する。
【0109】
第1の2次元フーリエ変換部FT1は、第1画像データD1を変換する。具体的には、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bを有する。
【0110】
直交方向用のフーリエ変換部FT1aは、直交方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT1bは、直交方向用のフーリエ変換部FT1aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第1画像データD1を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT1a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT1bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。このようにして変換された変換結果を、第1の2次元フーリエ変換部FT1は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
【0111】
同様に、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、第2画像データD2を変換する。具体的には、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、直交方向用のフーリエ変換部FT2a、搬送方向用のフーリエ変換部FT2b及び複素共役部FT2cを有する。
【0112】
直交方向用のフーリエ変換部FT2aは、直交方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。そして、搬送方向用のフーリエ変換部FT2bは、直交方向用のフーリエ変換部FT2aによる変換結果に基づいて、搬送方向に、第2画像データD2を1次元フーリエ変換する。このようにして、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bが、直交方向及び搬送方向に、それぞれ1次元フーリエ変換する。
【0113】
次に、複素共役部FT2cは、直交方向用のフーリエ変換部FT2a及び搬送方向用のフーリエ変換部FT2bによる変換結果の複素共役を計算する。そして、複素共役部FT2cが計算した複素共役を、第2の2次元フーリエ変換部FT2は、相関画像データ生成部DMKに出力する。
【0114】
続いて、相関画像データ生成部DMKは、第1の2次元フーリエ変換部FT1から出力される第1画像データD1の変換結果と、第2の2次元フーリエ変換部FT2から出力される第2画像データD2の変換結果とに基づいて、相関画像データを生成する。
【0115】
相関画像データ生成部DMKは、積算部DMKa及び2次元逆フーリエ変換部DMKbを有する構成である。
【0116】
積算部DMKaは、第1画像データD1の変換結果と、第2画像データD2の変換結果とを積算する。そして、積算部DMKaは、積算結果を2次元逆フーリエ変換部DMKbに出力する。
【0117】
2次元逆フーリエ変換部DMKbは、積算部DMKaによる積算結果を2次元逆フーリエ変換する。このように、2次元逆フーリエ変換が行われると、相関画像データが生成される。そして、2次元逆フーリエ変換部DMKbは、相関画像データをピーク位置探索部SRに出力する。
【0118】
ピーク位置探索部SRは、生成された相関画像データにおいて、最も急峻となる(すなわち、立ち上がりが急になる。)ピーク輝度(ピーク値)があるピーク位置を探索する。まず、相関画像データには、光の強さ、すなわち、輝度の大きさを示す値が入力される。また、輝度は、マトリクス状に入力される。
【0119】
なお、相関画像データでは、輝度は、エリアセンサの画素ピッチ間隔、すなわち、画素サイズ間隔で並ぶ。そのため、ピーク位置の探索は、いわゆるサブピクセル処理を行ってから、探索が行われるのが望ましい。このように、サブピクセル処理が行われると、ピーク位置が精度良く探索できる。そのため、蛇行量算出部310は、位置、移動量及び移動速度等を精度良く出力できる。
【0120】
例えば、ピーク位置探索部SRによる探索は、図10に示すように行われる。
【0121】
図10は、本発明の一実施形態に係る相関演算におけるピーク位置の探索方法の一例を示す図である。図10では、横軸は、相関画像データが示す画像における搬送方向の位置を示し、縦軸は、相関画像データが示す画像の輝度を示す。
【0122】
以下、相関画像データが示す輝度のうち、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3の3つのデータを例に説明する。つまり、この例では、ピーク位置探索部SR(図9参照)は、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3を繋ぐ曲線kにおけるピーク位置Pを探索する。
【0123】
まず、ピーク位置探索部SRは、相関画像データが示す画像の輝度の各差分を計算する。そして、ピーク位置探索部SRは、計算した差分のうち、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせを抽出する。次に、ピーク位置探索部SRは、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせに隣接する組み合わせを抽出する。このようにすると、図10に示す、第1データ値q1、第2データ値q2及び第3データ値q3のように、ピーク位置探索部SRは、3つのデータを抽出できる。
【0124】
そして、抽出される3つのデータを繋いで曲線kを算出すると、ピーク位置探索部SRは、ピーク位置Pを探索できる。このようにすると、ピーク位置探索部SRは、サブピクセル処理等の演算量を少なくし、より高速にピーク位置Pを探索できる。なお、最も差分の値が大きくなるデータ値の組み合わせの位置が、最も急峻な位置となる。また、サブピクセル処理は、上記の処理以外の処理でもよい。
【0125】
以上のように、ピーク位置探索部SRがピーク位置を探索すると、例えば、図11に示すような演算結果が得られる。
【0126】
図11は、本発明の一実施形態に係る相関演算の演算結果例を示す図である。図は、相互相関関数の相関強度分布を示す。なお、図では、X軸及びY軸は、画素の通し番号を示す。図示する「相関ピーク」のようなピーク位置が、ピーク位置探索部SR(図9)によって探索される。
【0127】
図9に戻り、演算部CALは、ウェブの相対位置、移動量又は移動速度等を演算する。例えば、演算部CALは、相関画像データの中心位置と、ピーク位置探索部SRによって探索されるピーク位置との差を計算すると、相対位置及び移動量を演算することができる。
【0128】
また、相対位置に基づいて、演算部CALは、移動速度を演算することができる。
【0129】
以上のようにして、蛇行量算出部310は、相関演算によって、相対位置、移動量又は移動速度等を検出できる。なお、相対位置、移動量又は移動速度等の検出方法は、これに限定されない。例えば、蛇行量算出部310は、以下のように、相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。
【0130】
(別の検出演算例)
まず、蛇行量算出部310は、第1画像データD1及び第2画像データD2のそれぞれの輝度を2値化する。すなわち、蛇行量算出部310は、輝度があらかじめ設定される閾値以下であれば、「0」とし、一方で、輝度が閾値より大きい値であると、「1」とする。このように2値化された第1画像データ及び第2画像データを比較して、蛇行量算出部310は、ウェブの相対位置を検出してもよい。
【0131】
なお、図では、Y方向(幅方向)に変動がある例を説明したが、X方向(搬送方向)に変動がある場合には、ピーク位置は、X方向にもずれた位置に発生する。
【0132】
また、蛇行量算出部310は、これ以外の検出方法によって、ウェブの相対位置、移動量又は移動速度等を検出してもよい。例えば、蛇行量算出部310は、いわゆるパターンマッチング処理等によって、各画像データに写るそれぞれのパターンからウェブの相対位置を検出してもよい。
【0133】
なお、検出部における、スペックルパターンの検出の相対位置の検出範囲の設定については、特願2017-027481にて詳述されている。
【0134】
[ヘッド位置移動構成]
図12は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置が有する液体吐出ヘッドユニットを移動させるためのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示する構成は、画像形成装置110は、複数のアクチュエータ及び複数のセンサを有する例である。さらに、図示する構成は、画像形成装置110には、コントローラ(CTRL、制御装置、制御部)300と、画像形成エンジン400が備えられている。なお、本例では、画像形成装置110内部にコントローラ300を設ける例を説明するが、コントローラ300は、第2実施形態で説明する外部装置であってもよい。
【0135】
また、図12に示す、コントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)221、ROM(Read-Only Memory)222及びRAM(Random Access Memory)223を有する。さらに、図示するように、各装置は、他の装置とデータ等を送受信するため、I/O(Input/Output)225となるインタフェースを有してもよい。
【0136】
なお、構成は、図示する例に限られない。すなわち、図示する各装置は、画像形成装置が有してもよいし、外部装置でもよい。
【0137】
また、各装置は、兼用でもよい。例えば、CPU221等は、蛇行量算出部310を実現するためのCPU等と兼用でもよいし、別々であってもよい。
【0138】
CPU221は、演算装置及び制御手段の例である。具体的には、CPU221は、各センサの検出結果を取得し、被搬送物の変動量を算出するための演算等を行う。また、CPU221は、各アクチュエータを制御し、各ヘッドユニットを移動させるための制御等を行う。
【0139】
ROM222及びRAM223は、記憶装置の例である。例えば、ROM222は、CPU221が用いるプログラム及びデータ等を記憶する。また、RAM223は、CPU221が演算を行うのに用いるプログラム等を記憶し、各演算を実現するための記憶領域となる。
【0140】
速度検出回路SCRは、被搬送物が搬送される移動速度等を検出する電子回路である。例えば、速度検出回路SCRには、「6ppi」信号等が入力される。次に、速度検出回路SCRは、各センサからの検出結果又はエンコーダからの検出結果等に基づいて、被搬送物が搬送される速度を計算し、CPU221等に送信する。なお、速度検出回路SCRは、図7に示すFPGA95によって実現されてもよいし、別であってもよい。
【0141】
上述した、エッジセンサES0と、各色のセンサデバイス(表面検出センサ)S1,S2,S3,S4と、上流側センサS0は、バス224を介して、コントローラ300に接続されている。
【0142】
コントローラ(制御装置)300には、各センサによる検出結果が入出力インタフェース(I/O)及びバス224を介して送信される。具体的には、上流側位置出力センサデバイスS0が、コントローラ300に接続される。さらに、コントローラ300には、ヘッド毎センサデバイスSEN1が接続される。なお、ヘッド毎センサデバイスSEN1は、この例では、ブラック用センサデバイスS1、シアン用センサデバイスS2、マゼンタ用センサデバイスS3及びイエロー用センサデバイスS4である。
【0143】
さらに、コントローラ300には、エッジセンサES0による検出結果も送信される。
【0144】
画像形成エンジン400において、バス224を介してコントローラ300に接続される各アクチュエータA1~A4は、移動させるそれぞれの液体吐出ヘッドユニット210に接続される。具体的には、第1アクチュエータA1は、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kに接続され、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kをウェブの搬送方向と直交方向に移動させる。
【0145】
同様に、第2アクチュエータA2は、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに接続され、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cをウェブの搬送方向と直交方向に移動させる。また、第3アクチュエータA3は、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mに接続され、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210Mをウェブの搬送方向と直交方向に移動させる。さらに、第4アクチュエータA4は、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yに接続され、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Yをウェブの搬送方向と直交方向に移動させる。
【0146】
各アクチュエータは、例えば、以下、図13に示すような移動機構によって各液体吐出ヘッドユニットを移動させる。
【0147】
図13は、本発明の一実施形態に係る液体を吐出する装置が有する液体吐出ヘッドを移動させるための移動機構の一例を示す上面模式図である。例えば、移動機構は、図示するようなハードウェア等によって実現される。図示する例は、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを移動させる移動機構の例である。
【0148】
まず、図13の例では、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを移動させるリニアアクチュエータ等のアクチュエータ(第2アクチュエータA2)が、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cに設置される。そして、アクチュエータA2には、アクチュエータA2を制御するコントローラ(制御装置)300が接続される。
【0149】
アクチュエータA2は、例えば、リニアアクチュエータ又はモータである。また、アクチュエータA2は、制御回路、電源回路及び機構部品等を有してもよい。
【0150】
コントローラ300には、設定された検出範囲を用いた検出結果が入力される。そして、コントローラ300は、検出結果が示すウェブWの位置の変動を補償するように、第2アクチュエータA2によって、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを移動させる。
【0151】
図13の例では、検出結果から算出される位置補正量は、例えば、変動Δとなる。したがって、この例では、コントローラ300は、変動Δを補償するように、直交方向(矢印Bの方向)へ、アクチュエータA2によって、シアン液体吐出ヘッドユニット210Cを移動させる。
【0152】
<比較例>
図14は、比較例に係る液体を吐出する装置の上面図である。図14に示す比較例では、エッジセンサES0が設けられていない点が、上述の図2の構成とは異なる。
【0153】
本比較例において、複数のセンサデバイスS0~S4から検出された位置により、算出された用紙蛇行量を用いて各色の相対的な位置合わせをするためにヘッドユニット210の位置を移動させるアクチュエータの駆動量を指示する。
【0154】
図15は、図14に示す比較例に係る液体を吐出する装置による被搬送物の変動量(蛇行量)を算出する方法の一例を示すタイミングチャートである。比較例の制御装置は、複数の第4検出範囲を用いた検出結果に基づいて、変動量を算出する。具体的には、2つのセンサから出力された2種類の取得データに基づいて、制御装置は、変動量を示す算出結果を出力する。
【0155】
まず、センサデバイスS0、S2が表面情報を取得する。上段に示す取得データは、上流側位置出力センサデバイスS0から出力される上流側検出結果であり、下段に示すデータは、位置出力センサデバイスS1から出力される下流側検出結果である。
【0156】
次に、各取得データが制御装置に送信され、RAM223に検出結果が記憶される。続いて、制御装置は、各取得データが示す複数の検出結果から変動量を算出する。
【0157】
変動量は、液体吐出ヘッドユニットごとに算出される。以下、最上流のブラック液体吐出ヘッドユニット210K用の変動量を算出する例で説明する。この例では、変動量は、例えば、上流側センサデバイスS0による検出結果と、ブラック用センサデバイスS1による検出結果とに基づいて算出される。
【0158】
上流側センサデバイスS0と、ブラック用センサデバイスS1との間隔、すなわち、センサ間の距離が、「L2」であるとする。また、速度検出回路SCRによって検出される移動速度が、「V」であるとする。さらに、上流側センサデバイスS0の位置からブラック用センサデバイスS1の位置まで被搬送物が搬送されるのにかかる移動時間が「T2」であるとする。この場合には、移動時間は、「T2=L2/V」と算出される。
【0159】
また、センサによるサンプリング間隔を「A」とする。さらに、上流側センサデバイスS0と、ブラック用センサデバイスS1との間でのサンプリング回数を「n」とする。この場合には、サンプリング回数は、「n=T2/A」と算出される。
【0160】
図示する算出結果、すなわち、変動量を「ΔX」とする。例えば、図示するように、検出周期が「0」である場合には、変動量は、移動時間「T2」前の第1検出結果S1と、検出周期「0」の第2検出結果S2とを比較して算出される。具体的には、変動量は、「ΔX=X2(0)-X1(n)」と算出される。そして、センサの位置が着弾位置よりも第1ローラに近い位置である場合には、画像形成装置は、センサデバイスの位置まで用紙が移動した場合の記録媒体の位置の変動を計算してアクチュエータを駆動させる。
【0161】
次に、画像形成装置は、変動量「ΔX」を補償するように、第1アクチュエータA1を制御し、ブラック液体吐出ヘッドユニット210Kを直交方向において、移動させる。このようにすると、被搬送物の位置が変動しても、画像形成装置は、被搬送物に対して、画像を精度良く画像形成することができる。
【0162】
また、図示するように、2つの検出結果、すなわち、2つのセンサデバイスによる検出結果に基づいて、変動量を算出すると、各センサデバイスの検出結果を積算せずに、変動量が算出できる。そのため、このように2つの検出結果に基づいて算出すると、各センサによる検出誤差の累積が少なくできる。
【0163】
なお、変動量の算出は、他の液体吐出ヘッドユニットにおいて同様に行われてもよい。例えば、シアン液体吐出ヘッドユニット210C用の変動量は、ブラック用センサデバイスS1とシアン用センサデバイスS2による2つの検出結果とによって算出される。
【0164】
同様に、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M用の変動量は、シアン用センサデバイスS2と、マゼンタ用センサデバイスS3による2つの検出結果とによって算出される。さらに、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y用の変動量は、マゼンタ用センサデバイスS3と、イエロー用センサによる2つの検出結果とによって算出される。
【0165】
また、上流側検出結果に用いられる検出結果は、移動させる液体吐出ヘッドユニットより1つ上流側に設置されるセンサによって検出される検出結果に限られない。すなわち、上流側検出結果は、移動させる液体吐出ヘッドユニットより上流側に設置されるセンサによって検出される検出結果であればよい。例えば、イエロー液体吐出ヘッドユニット210Y用の変動量は、上流側検出結果に、上流側センサデバイスS0、ブラック用センサデバイスS1又はシアン用センサデバイスS2の何れかによる検出結果が用いられて算出されてもよい。
【0166】
一方で、下流側検出結果は、移動させる液体吐出ヘッドユニットに最も近い位置に設置されるセンサによる検出結果であるのが望ましい。
【0167】
また、ウェブの変動量(幅方向の蛇行量)は、3つ以上の検出結果によって算出されてもよい。
【0168】
このように、複数の検出結果から算出される変動量に基づいて、液体吐出ヘッドユニットの移動を行い、ウェブに対して、液体が吐出されると、画像等が、記録媒体に形成される。
【0169】
このように、比較例では、複数の検出結果を用いて幅方向の蛇行を算出するため、その変動量を補償するようにアクチュエータにより、夫々のヘッドユニットを動かすことで、各ヘッドユニット間の色合わせを行うことができる。即ち、各ヘッドユニットの各ヘッドの各ノズルから吐出される液滴の用紙上の幅方向の着弾位置を同一に揃えることができる。
【0170】
しかし、ヘッドユニット210Kの手前のセンサ位置での用紙の幅方向の位置が基準からずれていた場合、用紙幅方向の書き出し位置がずれて印刷品質が低下してしまうおそれがあった。
【0171】
<本発明のヘッド位置制御>
上記比較例と比較して、本発明の実施形態では、上記用紙蛇行量の補償に、用紙エッジズレ量を用いた絶対的な基準位置に対する位置変動補償を加えて、画像印刷位置調整として、ヘッドユニットの移動(書き出し位置補正)を実施する。
【0172】
ここで、エッジズレの読み取りタイミングについては、初期調整時のみであってもよいし、リアルタイムに行ってもよい。
【0173】
下記、初期調整時にエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正方法を図15図16を用いて説明し、リアルタイムにエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正方法を図17図18を用いて説明する。
【0174】
<初期調整時の位置補正>
本発明の実施形態において、初期調整時に用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正について説明する。図16は、本発明における、初期調整時にエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するための方法の一例について説明する図である。
【0175】
図16では、まず、印刷前の初期調整として用紙を搬送させ、用紙エッジ位置データ(ΔXE0)を取得する。用紙エッジ位置データは後の書き出し位置補正に使用するため一時的にデータ格納装置(例えば、RAM223(図12参照))に保存する。
【0176】
印刷時の用紙搬送中は、図2に示すセンサデバイスS0~S4は常に画像データを取り込む。
【0177】
本調整では、図15同様に、ヘッドユニット210の真下にあるセンサデバイスと、その上流のセンサデバイスの取得データから用紙蛇行量を算出することに加えて、初期調整時に取得した用紙エッジ位置データから用紙エッジズレ量を算出する。そして、用紙蛇行量算出による各色の相対的な位置合わせ補正と、用紙エッジズレ量算出による書き出し位置補正により、画像印刷位置補正を実施する。
【0178】
一例として最上流側に位置するヘッドユニット210Kでの画像印刷位置補正量の算出方法を、図16を用いて説明する。
【0179】
図16において、サンプリング周期の0のタイミングでのブラック用センサデバイスS1の位置での蛇行量ΔX1(0)は、用紙搬送時間分だけ、上流側センサデバイスS0の検出結果と、ブラック用センサデバイスS1の検出結果を比較して算出する。
【0180】
ΔX1(0)=X1(0)-X0(-n) …(式1)
【0181】
さらに、初期調整時に取得した用紙エッジ位置データから、基準位置と比較することで、用紙エッジズレ量ΔXE0を算出する。
【0182】
そして、用紙エッジズレ量ΔXE0と、蛇行量ΔX1(0)とを足し合わせて画像印刷位置補正量ΔXを算出する。
【0183】
ΔX(0)=ΔX1(0)+ΔXE0=X1(0)-X0(-n)+XE0 …(式2)
【0184】
このように、用紙蛇行量と用紙エッジズレ量ΔXE0の2つのデータを使用して画像印刷位置補正を実施する。
【0185】
同様に、ヘッドユニット210Cはブラック用センサデバイスS1とシアン用センサデバイスS2、ヘッドユニット210Mはシアン用センサデバイスS2とマゼンタ用センサデバイスS3、ヘッドユニット210Yはマゼンタ用センサデバイスS3とイエロー用センサデバイスS4を使用して印刷中の用紙蛇行量を算出する。
【0186】
このように、初期調整時の用紙エッジズレ量ΔXE0と、リアルタイムに変化する用紙蛇行量とを用いて、画像印刷位置補正量としてヘッドユニット移動量を算出する。
【0187】
この際、図2に示すように、最も上流の検出結果を出力する上流側センサデバイスS0と、エッジセンサES0は、搬送方向と直交方向である幅方向において同一の位置に配置される。そのため、上流側センサデバイスS0の地点におけるスペックルパターンの検出位置の、基準位置に対するズレ量を検出することができる。
【0188】
そのため、上流側センサデバイスS0を用いて変化量(蛇行量)を直接算出するヘッドユニット210Kや、上流側センサデバイスS0を間接的に用いて変化量を算出するヘッドユニット210C、210M、及び210Yについて、その変化量に対して絶対的な位置ずれを補償することが可能になる。
【0189】
次に、初期調整時に用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正の動作について説明する。図17は、初期調整時に用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するためのフローの一例について説明する図である。
【0190】
まず、STARTで搬送装置の一例である画像形成装置を起動させると、ステップS101で、コントローラ300は、初期調整モードを実施するかかどうか判断する。
【0191】
そして、初期調整モードを実施する場合(S101でYes)、用紙の搬送を開始させ(ステップS102)、エッジセンサES0が搬送中の用紙のエッジの位置を検出し、エッジズレ量算出部320が基準位置と比較することでエッジズレ量を算出する(ステップS103)。
【0192】
エッジの位置の検出及びズレ量の算出が終了すると、用紙搬送を終了し(ステップS104)、初期調整モードを終了する(ステップS105)。
【0193】
初期調整モードを終了すると、印刷を開始し、再び用紙の搬送を開始する(ステップS106)。
【0194】
なお、初期調整モードが不要な場合は、S102~S105を実施せず、S106から動作を開始する。例えば、前回印刷終了直後に、同じ種類の用紙を用いて、同じ画像形成を実行する場合は、エッジの位置も前回印刷時同様の傾向になる。そのため、起動時の初期調整モードでのエッジセンサによるエッジズレ量の算出を省略して、前回算出したエッジズレ量を、今回の印刷にも適用することもできる。
【0195】
印刷動作が開始され、用紙が搬送され始めると、複数のセンサデバイスS0~S4を用いた取得データから、蛇行量算出部310(図6参照)は、搬送される用紙の用紙蛇行量を検知する(ステップS107)。
【0196】
そして、ステップS108で、初期調整モード時に取得した用紙エッジズレ量と印刷中に取得した用紙蛇行量から、ヘッドユニット補正量算出部330は、画像印刷位置補正量を算出する。
【0197】
そして、アクチュエータ駆動指示部340が、アクチュエータACを指示して、算出した画像印刷位置補正量に基づきアクチュエータACによるヘッドユニット210の位置移動動作を実施する(ステップS109)。
【0198】
この調整では、印刷が終了するまで(ステップS110でYes)、S107~S109の用紙蛇行量検知と画像印刷位置補正量算出、補正動作は繰り返し行う。
【0199】
本調整では、初期調整時のみ用紙エッジズレ量を算出するため、印刷中は用紙蛇行量の算出のみ行えばよく、制御部(例えば、CPU221(図12参照))の負荷を最小限にしながら、高精度のヘッドユニットの位置調整が実現できる。
【0200】
<リアルタイム位置補正>
本発明の実施形態において、リアルタイムに用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正について説明する。図18は、本発明における、リアルタイムにエッジズレを読み取る場合の画像印刷位置を補正するための方法の一例について説明する図である。
【0201】
本調整では、印刷時の用紙搬送中は、センサデバイスS0~S4は常に画像データを取り込み、更にエッジセンサES0は常に用紙エッジ位置データを取り込む。詳しくは、印刷中である用紙搬送中に、ヘッドユニットの真下のセンサとその上流のセンサの取得データから用紙蛇行量を算出するとともに、用紙エッジ位置データから用紙エッジズレ量を算出する。そして、用紙蛇行量算出による各色の相対的な位置合わせ補正と、用紙エッジズレ量算出による書き出し位置補正により、画像印刷位置補正を実施する。
【0202】
一例として、ヘッドユニット210Kでの画像印刷位置補正量の算出方法を、図18を用いて説明する。図18の上段では、図16の(式1)と同様に、サンプリング周期の0のタイミングでのブラック用センサデバイスS1の位置での蛇行量ΔX1(0)は、用紙搬送時間分だけ前の上流側センサデバイスS0の検出結果と、センサデバイスS1の検出結果を比較して算出する。
ΔX1(0)=X1(0)-X0(-n) …(式3)
【0203】
さらに、本調整では、センサデバイスS0の取得データX0(-n)と同じタイミングで、用紙エッジズレ量ΔXE0(-n)を算出する。
【0204】
そして、(式2)同様、同じタイミングで算出した、蛇行量ΔX1(0)と、用紙エッジズレ量ΔXE0(0)と合わせて画像印刷位置補正量ΔXを算出する。
ΔX(0)=ΔX1(0)+ΔXE0(-n)=X1(0)-X0(-n)+ΔXE0(-n) …(式4)
【0205】
このように、用紙蛇行量と用紙エッジズレ量の2つのデータを使用してリアルタイムに画像印刷位置補正を実施する。
【0206】
同様に、ヘッドユニット210CはセンサデバイスS1とS2、ヘッドユニット210MはセンサデバイスS2とS3、ヘッドユニット210YはセンサデバイスS3とS4を使用して、印刷中の用紙蛇行量を算出し、印刷中の用紙エッジズレ量から画像印刷位置補正量を算出する。
【0207】
また、用紙エッジズレ量は、移動平均により直近の複数の取得データの平均を求めることや、フィルターを使用してノイズが乗った場合の取得データを除外して算出しても良い。このようにデータを算出することで、印刷中のセンササンプリングのタイミングでの用紙のエッジ欠けやノイズの影響を回避した用紙エッジズレ量を、用紙蛇行量(移動量)の算出に反映させて、正確な画像印刷位置を把握することができる。
【0208】
次に、リアルタイムに用紙エッジズレを読み取る場合の画像印刷位置補正の動作について説明する。図19は、本発明における、リアルタイムに用紙エッジズレを読み取る場合の用紙幅方向の書き出し位置を補正するためのフローチャートの一例である。
【0209】
まず、STARTで搬送装置の一例である画像形成装置を起動させると、ステップS201で、印刷開始と同時に用紙搬送が開始される(ステップS201)。
【0210】
用紙が搬送され始めると、複数のセンサデバイスS0~S4を用いた取得データから、蛇行量算出部310(図6参照)は、搬送される用紙の用紙蛇行量を検知する(ステップS202)。
【0211】
S202と同時に、エッジセンサES0が用紙のエッジ位置を取得し、取得データから用紙エッジズレ量を検知する(ステップS203)。
【0212】
そして、ステップS204で、印刷中に取得した用紙蛇行量と用紙エッジズレ量から、ヘッドユニット補正量算出部330は、画像印刷位置補正量を算出する。
【0213】
そして、アクチュエータ駆動指示部340が、アクチュエータACを指示して、算出した画像印刷位置補正量に基づきアクチュエータACによるヘッドユニット210の位置移動動作を実施する(ステップS205)。
【0214】
印刷が終了する(ステップS206でYes)まで、ステップS202~S205の用紙蛇行量検知と用紙エッジズレ量検知と、これらを基にした画像印刷位置補正量算出、補正動作は繰り返し行う。
【0215】
また、本制御では、印刷中は一定の周期でリアルタイムに画像印刷位置補正を行うため、印刷途中で用紙エッジズレが発生した場合も、常にヘッドの位置を調整することが出来るため、より高精度な位置調整が可能になる。この位置調整により、より高品質な画像を印刷することができる。
【0216】
<第2実施形態:システム>
図20は、本発明の第2実施形態に係る搬送装置を備えるシステムの一例の概略側面図である。上記は、搬送装置が独立した画像形成装置である例を説明したが、画像形成装置が、画像形成システム10内の1つの装置であってもよい。
【0217】
図20に示されるように、画像形成システム10は、第1画像形成装置110、第2画像形成装置120、給紙装置130、処理剤塗布装置140、及び反転装置150を有する。
【0218】
図20における第1画像形成装置110及び第2画像形成装置120は、液体を吐出する装置の一例であり、それぞれインク滴を吐出して用紙Wに画像を形成する。以下では、同様の構成を有する第1画像形成装置110及び第2画像形成装置120について、上記第1実施形態と同様に、「画像形成装置110」と記載して説明する場合がある。
【0219】
給紙装置130は、被搬送物としての用紙Wを処理剤塗布装置140に供給する。用紙Wは、連続的な長尺状の連帳紙であり、ロール状に巻き回されて給紙装置130に収納されている。用紙Wは、供給ローラ等によって給紙装置130から処理剤塗布装置140に繰り出される。処理剤塗布装置140は、用紙Wを第1画像形成装置110に向かって搬送しながら、用紙Wの両面に処理剤を塗布する。
【0220】
第1画像形成装置110は、入力された画像データに基づいて記録ヘッドからインク滴を吐出し、処理剤塗布装置140において両面に処理剤が塗布された用紙Wの第1面に画像を形成する。
【0221】
第1面に画像が形成されて第1画像形成装置110から排出される用紙Wは、反転装置150により表裏が反転されて第2画像形成装置120に供給される。
【0222】
第2画像形成装置120は、入力された画像データに基づいて記録ヘッドからインク滴を吐出し、第1面に画像が形成されている用紙Wの第2面に画像を形成する。
【0223】
画像形成システム10は、上記した構成を有し、長尺状の連帳紙である用紙Wの両面に画像を形成する。なお、画像形成システム10は、第2画像形成装置120から排出される用紙Wを切断する切断装置や、切断された用紙Wの後処理を行う後処理装置等を備えてもよい。
【0224】
<制御ブロック>
次に、本実施形態の画像形成システム10における制御構成について説明する。図21は、本発明の一実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0225】
例えば、図3に示したコントローラ300は、本実施形態では、情報処理装置等である上位装置71と、プリンタ装置72によって実行されうる。図示する例では、コントローラ300は、上位装置71から入力される画像データ及び制御データに基づいて、プリンタ装置72に、記録媒体に対して画像を画像形成させる。
【0226】
上位装置71は、例えば、PC(Personal Computer)等である。また、プリンタ装置72は、プリンタコントローラ72C及びプリンタエンジン72Eを有する。
【0227】
プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eの動作を制御する。まず、プリンタコントローラ72Cは、上位装置71と、制御線70LCを介して制御データを送受信する。さらに、プリンタコントローラ72Cは、プリンタエンジン72Eと、制御線72LCを介して制御データを送受信する。この制御データの送受信によって、制御データが示す各種印刷条件等がプリンタコントローラ72Cに入力され、プリンタコントローラ72Cは、レジスタ等によって、印刷条件等を記憶する。次に、プリンタコントローラ72Cは、制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ、すなわち、制御データに従って画像形成を行う。
【0228】
プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cp、印刷制御装置72Cc及び記憶装置72Cmを有する。なお、CPU72Cp及び印刷制御装置72Ccは、バス72Cbによって接続され、相互に通信を行う。また、バス72Cbは、通信I/F(interface)等を介して、制御線70LCに接続される。
【0229】
CPU72Cpは、制御プログラム等によって、プリンタ装置72全体の動作を制御させる。すなわち、CPU72Cpは、演算装置及び制御装置である。
【0230】
印刷制御装置72Ccは、上位装置71から送信される制御データに基づいて、プリンタエンジン72Eと、コマンド又はステータス等を示すデータを送受信する。これにより、印刷制御装置72Ccは、プリンタエンジン72Eを制御する。また、上記第1実施形態の図8に示す画像記憶部15A,15Bや図9に示す変換結果記憶部MEMは、例えば、システムの記憶装置72Cm等によって実現されてもよい。さらに、図8に示す蛇行量算出部310は、例えば、CPU72Cp等によって実現される。なお、画像記憶部15A,15B、変換結果記憶部MEMは、例えば、プリンタコントローラ72Cの記憶装置72Cmや、データ管理装置72EC,72EM,72EY,72EKの記憶装置72ECm,72EMm,72EYm,72EKm、又は他の演算装置等で実現されてもよい。
【0231】
プリンタエンジン72Eには、データ線70LD-C、70LD-M、70LD-Y及び70LD-K、すなわち、複数のデータ線が接続される。そして、プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線を介して、上位装置71から画像データを受信する。次に、プリンタエンジン72Eは、プリンタコントローラ72Cによる制御に基づいて、各色の画像形成を行う。
【0232】
プリンタエンジン72Eは、データ管理装置72EC、72EM、72EY及び72EK、すなわち、複数のデータ管理装置を有する。また、プリンタエンジン72Eは、画像出力装置72Ei及び搬送制御装置72Ecを有する。
【0233】
図22は、本発明の一実施形態に係る制御部が有するデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、複数のデータ管理装置は、同一の構成である。以下、各データ管理装置が同一の構成である例で説明し、データ管理装置72ECを例に説明する。したがって、重複する説明は、省略する。
【0234】
データ管理装置72ECは、ロジック回路72EClと、記憶装置72ECmとを有する。図示するように、ロジック回路72EClは、データ線70LD-Cを介して上位装置71と接続される。また、ロジック回路72EClは、制御線72LCを介して印刷制御装置72Ccと接続される。なお、ロジック回路72EClは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はPLD(Programmable Logic Device)等で実現される。
【0235】
例えば、データ管理装置72ECが、例えば、図5に示すコントローラ(制御部)300の機能を実行し、ヘッドユニット210K,210C,210M,210Yを幅方向の位置移動させるアクチュエータACを動作させてもよい。
【0236】
ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72C(図21)から入力される制御信号に基づいて、上位装置71から入力される画像データを記憶装置72ECmに記憶する。
【0237】
また、ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72Cから入力される制御信号に基づいて、記憶装置72ECmからシアン用画像データIcを読み出す。次に、ロジック回路72EClは、読み出されたシアン用画像データIcを画像出力装置72Eiに送る。
【0238】
なお、記憶装置72ECmは、3頁程度の画像データを記憶できる容量を有するのが望ましい。3頁程度の画像データが記憶できると、記憶装置72ECmは、上位装置71から入力される画像データ、画像形成中の画像データ及び次に画像形成するための画像データを記憶できる。
【0239】
図23は、本発明の一実施形態に係る制御部が有する画像出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、画像出力装置72Eiは、出力制御装置72Eicと、各色の液体吐出ヘッドユニットであるブラック液体吐出ヘッドユニット210K、シアン液体吐出ヘッドユニット210C、マゼンタ液体吐出ヘッドユニット210M及びイエロー液体吐出ヘッドユニット210Yとを有する。
【0240】
出力制御装置72Eicは、各色の画像データを各色の液体吐出ヘッドユニットにそれぞれ出力する。すなわち、出力制御装置72Eicは、入力される画像データに基づいて、各色の液体吐出ヘッドユニットを制御する。
【0241】
出力制御装置72Eicは、複数の液体吐出ヘッドユニットを同時又は個別に制御する。すなわち、出力制御装置72Eicは、タイミングの入力を受けて、各液体吐出ヘッドユニットに液体を吐出させるタイミングを変える制御等を行う。なお、出力制御装置72Eicは、プリンタコントローラ72C(図21)から入力される制御信号に基づいて、何れかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。さらに、出力制御装置72Eicは、ユーザによる操作等に基づいて、何れかの液体吐出ヘッドユニットを制御してもよい。
【0242】
なお、図21に示すプリンタ装置72は、上位装置71から画像データを入力する経路と、制御データに基づく上位装置71及びプリンタ装置72の間での送受信に用いられる経路とをそれぞれ異なる経路とする例である。
【0243】
また、プリンタ装置72は、例えば、ブラック1色で画像形成を行う構成とされてもよい。ブラック1色で画像形成を行う場合において、画像形成を行う速度を速くするため、例えば、1つのデータ管理装置と、4つのブラック液体吐出ヘッドユニットとを有する構成等でもよい。このようにすると、複数のブラック液体吐出ヘッドユニットによって、それぞれブラック用のインクが吐出される。そのため、1つのブラック液体吐出ヘッドユニットとする構成と比較して、速い画像形成を行うことができる。
【0244】
搬送制御装置72Ec(図21)は、ウェブWを搬送させるモータ等である。例えば、搬送制御装置72Ecは、各ローラ等に接続されるモータ等を制御し、ウェブWを搬送させる。
【0245】
<第3実施形態:読み取り装置>
図24は、本発明の第3実施形態に係る読み取り装置が有する構成例の一例を示す上面概略図である。上記、第1実施形態、第2実施形態では、搬送装置が有するヘッドユニットが液体を吐出する液体吐出ヘッドユニットであり、搬送装置が液体を吐出する装置である構成を例に説明したが、ヘッドユニットは読取ユニット(スキャナー(Scanner))であってもよい。この場合、搬送装置は、読み取りを行う読み取り装置(検査装置)として機能する。
【0246】
搬送装置1は、搬送されるウェブWに対して、搬送される経路上の異なる位置で、各ヘッドユニットによって読み取り処理を行う。以下、本実施形態では、ヘッドユニットHD1,HD2が、CIS(Contact Image Sensor、密着型イメージセンサ)の集合体を含む読取ヘッドCIS1,CIS2を夫々備えたヘッドで構成される読取ユニットである例を説明する。本実施形態では、読取ヘッドCIS1,CIS2によって処理が行われる読み取り位置が、処理位置となる。
【0247】
ヘッドユニットは、直交方向に1個以上設置された読取ヘッドを含んで構成される。例えば、図示するように、搬送装置1は、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2の2個のヘッドユニットを有する。なお、本例では、ヘッドユニットが2つ設けられる例を説明するが、搬送装置1が有するヘッドユニットの数は、2個に限られず、3個以上であってもよい。
【0248】
また、図示するように、ヘッドユニットHD1、ヘッドユニットHD2はそれぞれ1つ以上の読取ヘッドCIS1,CIS2を備える。図では1つのCISヘッドを備えているが、例えばヘッドユニットHD1は、読取ヘッドCIS1、読取ヘッドCIS2と千鳥状になる位置に、読取ヘッドCIS3を備えても良い。
【0249】
ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2は、読み取りユニット、いわゆるスキャナーを構成する。したがって、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2は、ウェブWの表面に形成される画像等を読み取り、読み取った画像等を示す画像データを出力する。そして、搬送装置1は、各ヘッドユニットから出力される画像データを繋ぎ合わせると、搬送方向Xと直交方向Yに繋がった画像を生成することができる。
【0250】
なお、図24では、搬送装置1において、支持ローラR1,R2は各ヘッドユニット間には設けていない例を示して説明したが、ヘッドユニット間に設けられる支持ローラは1本に限られず、図25に示すように、各ヘッドユニット間に2本又はそれ以上設けられてもよい。
【0251】
図25は、図24の読み取り装置の他の例の側面概略図である。第1実施形態の図3と同様に、ヘッドユニットHD1,HD2を夫々挟む、支持ローラCR1~CR4の両側には搬送駆動部として、2対のニップローラNR1,NR2及びローラ230等が設けられている。2対のローラの少なくとも1つのニップローラ(図25ではNR1)の、対をなすローラのいずれか一方のローラは駆動ローラであり、モータM1によって駆動力が与えられる。
【0252】
また、搬送装置1は、コントローラCT1及びアクチュエータコントローラCT2を有する。コントローラCT1及びアクチュエータコントローラCT2は、情報処理装置である。具体的には、コントローラCT1及びアクチュエータコントローラCT2は、CPU、電子回路又はこれらの組み合わせ等の演算装置、制御装置、記憶装置及びインタフェース等を有するハードウェア構成である。なお、コントローラCT1及びアクチュエータコントローラCT2は、複数の装置でもよい。
【0253】
なお、センサデバイスS1,S2の設置位置は、図3と同様に配置されると好適である。
【0254】
即ち、図24においても、搬送方向における、上流側表面検出センサS0とエッジセンサES0との距離は、表面検出センサS1とエッジセンサES0との距離よりも近い。さらに、エッジセンサES0は、上流側センサデバイスS0と直交方向において並ぶ位置に配置されることが望ましい。
【0255】
<ヘッドユニットの処理位置例>
図26は、本発明の一実施形態に係るヘッドユニットによる処理位置を示す概略図である。例えば、ヘッドユニットHD1の読取ヘッドCIS1及びヘッドユニットHD2の読取ヘッドCIS2が図示するような位置関係となるように設置されるとする。また、各読取ヘッドCIS1,CIS2は、複数のCIS素子が列状に並んで配置され、個々のCIS素子に対応づけられた、複数の読み取り領域Rを有している。
【0256】
具体的には、ヘッドユニットHD1の読取ヘッドCIS1は、直交方向Yにおいて、読取範囲SC1を読み取り、読取画像データを生成する。一方で、ヘッドユニットHD2の読取ヘッドCIS2は、直交方向Yにおいて、読取範囲SC2を読み取り、読取画像データを生成する。図示するように、読取範囲SC1と、読取範囲SC2とは、一部が重複する。以下、読取範囲SC1及び読取範囲SC2が重複する範囲を「重複範囲SC3」という。
【0257】
このように、重複範囲SC3では、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2は、同一の被写体を読み取ることができる。すなわち、ヘッドユニットHD1が重複範囲SC3で読み取った被写体は、上流側から下流側へ搬送されるため、ヘッドユニットHD2は、所定時間後、同一の被写体を読み取ることができる。なお、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2の間隔は、あらかじめ把握できるため、移動速度に基づいて、搬送装置1は、ヘッドユニットHD1で読み取られた被写体をヘッドユニットHD2で読み取るタイミングが計算できる。
【0258】
そして、搬送装置1は、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2が生成したそれぞれの読取画像データを記憶装置に記憶する。次に、搬送装置1は、重複範囲SC3を示す各画像データが有する画素に基づいて、各画像データを繋ぎ合わせる。このようにすると、搬送装置1は、読取範囲SC1及び読取範囲SC2を示す画像データを繋ぎ合わせによって生成できる。なお、繋ぎ合わせは、搬送方向でも可能である。
【0259】
以上のようにして、搬送装置1は、異なる位置に各ヘッドユニットを設置し、かつ、繋ぎ合わせを行うことによって、繋ぎ目のない広い範囲を示す読み取り画像を生成できる。
【0260】
<機能構成例>
図27は、本発明の一実施形態に係る搬送装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。図示するように、搬送装置は、図25に示す構成に加えて、制御部1F3を備える。また、図示するように、搬送装置は、読取画像データを処理する画像処理部1F5を更に備えるのが望ましい。
【0261】
制御部1F3は、ヘッドユニットHD1及びヘッドユニットHD2を制御する制御手順を行う。例えば、制御部1F3は、図示するように、移動制御部1F31及び処理タイミング制御部1F32を備える機能構成であるのが望ましい。
【0262】
移動制御部1F31は、計算部1F2が計算するずれ量に基づいて、アクチュエータAC1,AC2を制御する。例えば、移動制御部1F31は、アクチュエータコントローラCT2(図25)等によって実現される。
【0263】
処理タイミング制御部1F32は、計算部1F2が計算するずれ量に基づいて、ヘッドユニットHD1、HD2内の読取ヘッドCIS1,CI2の読取処理タイミングを制御する。
【0264】
具体的には、搬送方向Xにおけるずれ量が「Δx」であり、ウェブWの移動速度が「V」であるとすると、「Δx」を補償するため、搬送装置は、処理タイミングを変更する。この例では、搬送装置は、下流の読取ヘッドによる処理タイミングを「ΔT=Δx÷V」と変更する。
【0265】
すなわち、ウェブWが「Δx」だけずれて遅れて搬送されている場合には、搬送装置は、読取ヘッドCIS2による処理タイミングを「ΔT」だけ遅らせるように変更する。このようにすると、搬送装置は、搬送方向Xにおいて、精度良く処理を行うことができる。
【0266】
一方で、直交方向におけるずれ量が「Δy」であるとすると、「Δy」を補償するため、搬送装置は、ヘッドユニットを移動させる。搬送装置1は、アクチュエータAC1,AC2を駆動制御することで、ヘッドユニットHD1及びHD2に設けられた読取ヘッドCIS1及びCIS2を直交方向に移動させる。これにより、読取ヘッドCIS1及びCIS2による、読み取り位置を移動させることができる。
【0267】
このようにすると、搬送装置は、搬送方向と直交方向において、精度良く画像データ(テストチャート等)を読み取る、画像読み取り処理を行うことができる。特に、ヘッドユニットによって処理中に、ヘッドユニットを移動させてずれ量が補償されると、搬送装置は、ヘッドユニットによる処理を精度良く行うことができる。
【0268】
また、本実施形態においても、図24に示すように、最も上流の表面情報を出力する上流側センサデバイスS0と、エッジセンサES0は、搬送方向と直交方向である幅方向において同一の位置に配置される。そのため、上流側センサデバイスS0の地点におけるスペックルパターンの検出位置の、基準位置に対するズレ量を検出することができる。
【0269】
そのため、上流側センサデバイスS0を用いて変化量(蛇行量)を直接算出するヘッドユニットHD1や、上流側センサデバイスS0を間接的に用いて変化量を算出するヘッドユニットHD2について、その変化量に対して絶対的な位置ずれを補償することが可能になる。
【0270】
この実施形態において、検査を行う際、テストチャートの読み取りは、図15図16に示すように、初期調整時にエッジズレを読み取って、画像読み取り位置を補正してもよい。この場合、初期調整時のみ、用紙のエッジズレを算出するため、搬送しながら読取り画像データを読み取るときは、用紙蛇行量の算出のみ行えばよく、制御部の負荷を軽くしながら、高品質な画像の読み取りが可能になる。
【0271】
あるいは、図17図18に示したように、リアルタイムにエッジズレを検出して場合の読み取り位置補正に反映してもよい。
【0272】
リアルタイムにエッジの検出を行う場合、用紙エッジズレ量は移動平均により直近の取得データの平均を求めること(平均化)や、フィルターを使用してノイズが乗った場合の取得データを除外して算出しても良い。このようにデータを算出することで、画像読み取り中のセンササンプリングのタイミングでの用紙のエッジ欠けやノイズの影響を回避し、正確な画像読取位置を把握することができる。
【0273】
リアルタイムにエッジずれを検出することで、画像読み取り中に、一定の周期でスキャナーの位置を調整するため、搬送途中で用紙にエッジズレが発生しても、より高品質な画像の読み取りが可能になる。
【0274】
なお、第3実施形態では、単体で装置を構成する例を説明したが、読み取りを行う装置である検査装置を、図20に示す画像形成システムの中の一つの装置として設けてもよい。
【0275】
例えば、本実施形態の読取装置を、図2図3に示した画像形成装置の後段に配置して、用紙上の着弾位置調整のための検査に用いる画像であるテストチャートの読み取りを行ってもよい。
【0276】
この場合、検査装置の読取手段であるスキャナーであるヘッドユニットHD1,HD2は、画像検査として、着弾位置補正のための検査用画像、例えば、濃度を調整した諧調パターンなどのテストパターンを撮影して、読み取る。
【0277】
本実施形態の読み取りを行う装置は、ヘッドユニットを構成するスキャナーなどの画像の色情報を読み込む機構に加えて、読み取った色情報の演算を行う制御機構(読取結果処理部、記録ヘッド着弾位置設定部等)を備えていてもよい。
【0278】
また、1つの画像形成システム内に第1実施形態で説明した画像形成装置と、第3実施形態で説明した読取装置(検査装置)を備えることで、より高精度な着弾位置の検査と、その検査結果を反映した高品質な画像形成が実現できる。
【0279】
また、上記では、第1実施形態及び第2実施形態において、インクジェットによって直接転写する形式の画像形成装置について説明した。しかし、本発明の搬送装置は、中間転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
【0280】
<第4実施形態:中間転写方式>
図28は、中間転写方式のインクジェット型の画像形成装置500の内部構成を例示する概略図である。
【0281】
本構成では、ヘッドユニット51C,51M,51Y,51Kがインク滴を吐出して、転写ベルト520の外周表面上に画像(転写パターン)を形成する。ヘッドユニット51C,51M,51Y,55Kをまとめてヘッドユニット群51と呼称する。ヘッドユニット51C,51M,51Y,51Kは、画像形成ユニットとして機能する。
【0282】
そして、乾燥機構570で、転写ベルト520上に形成された画像を乾燥し、膜化する。
【0283】
転写ベルト520が転写ローラ530と対向する転写部において、転写ベルト520上の膜化した画像である転写パターンを用紙Wに転写する。
【0284】
クリーニングローラ523は、転写後の転写ベルト520の表面をクリーニングする。
【0285】
図28に示す画像形成装置500において、転写ベルト520の周りに、ヘッドユニット51C,51M,51Y,51K、乾燥機構57、クリーニングローラ523、及び転写ローラ530が設けられている。
【0286】
本構成では、転写ベルト520は、駆動ローラ521、対向ローラ522、4つの形状維持ローラ524、及び8つの支持ローラ525C1,525C2,525M1,525M2,525Y1,525Y2,525K1,525K2等に架け渡され、転写ベルト駆動モータ527によって回転する駆動ローラ521に従動して図中矢印方向に移動する。駆動ローラ521の回転によって転写ベルト520が移動する方向を移動方向とする。
【0287】
ヘッドユニット群51に対向して設けられる8つの支持ローラ525C1,525C2,525M1,525M2,525Y1,525Y2,525K1,525K2は、各ヘッドユニット51からインク滴が吐出される際の転写ベルト520の引張状態を維持する。転写モータ531は転写ローラ530を回転駆動する。
【0288】
本構成では、支持ローラ525C1と支持ローラ525C2の間かつ、ヘッドユニット51Cの吐出位置よりも、転写ベルト520の移動方向上流側にセンサデバイス55Cが配置されている。センサデバイス55Cは、スペックルセンサを有している。スペックルセンサは、転写ベルト520の表面を撮像するセンサの例である。
【0289】
ヘッドユニット51Cに対する支持ローラ525C1、支持ローラ525C2、センサデバイス55Cの位置関係と同様の位置関係で、ヘッドユニット51Mに対してセンサデバイス55Mが設けられ、ヘッドユニット51Yに対してセンサデバイス55Yが設けられ、ヘッドユニット51Kに対してセンサデバイス55Kが設けられている。
【0290】
本実施形態では、支持ローラ525C1,525M1,525Y1,525K1は、各色のヘッドユニットの処理位置よりも上流側に設けられる第1の支持部材であり、支持ローラ525C2,525M2,525Y2,525K2は、ヘッドユニットの処理位置よりも下流側に設けられる第2の支持部材である。
【0291】
さらに、本構成には、転写ベルト520の幅方向のエッジを検出するエッジセンサ56が設けられている。なお、本実施形態では、ヘッドユニット51と対応づけられていないセンサデバイスは設けられておらず、転写ベルト520の搬送方向の最上流に設けられたセンサデバイス55Cが、上流側表面検出センサとして機能する例に示しているがこの限りでない。ヘッドユニット51と対応付けられていないセンサデバイスを設け、転写ベルト520の搬送方向の最上流に設けられたセンサデバイス55Cが、上流側表面検出センサとして機能してもよい。また、センサデバイス55M,55Y,55Kは、表面検出センサとして機能する。
【0292】
また、図28においても、搬送方向における、上流側表面検出センサ(センサデバイス55C)とエッジセンサ56との距離は、センサデバイス55Mとエッジセンサ56との距離よりも近い。さらに、図28では、可視化のためにずらして示しているが、エッジセンサ56は、センサデバイス55Cと直交方向において並ぶ位置に配置されることが望ましい。
【0293】
本実施形態は、センサデバイス55C,55M,55Y,55Kは、ヘッドユニットに対向する被搬送物である、転写ベルト520の表面を検出する。例えば、本実施形態の転写ベルト520の裏側表面には、光を照射させて転写ベルト520の照射面の位置に固有の凹凸(スペックルパターン)が設けられており、センサデバイス55C,55M,55Y,55Kは、この凹凸を撮影し、表面情報を検出する。
【0294】
本構成では、ヘッドユニット51M、ヘッドユニット51Y、ヘッドユニット51Kにアクチュエータ511M,511Y,511Kがそれぞれ設けられている。アクチュエータ511Mは、ヘッドユニット51Mを、転写ベルト520の移動方向と直交する方向に移動するアクチュエータである。同様に、アクチュエータ511Y,511Kはそれぞれヘッドユニット51Y、ヘッドユニット51Kを転写ベルト520の移動方向と直交する方向に移動するアクチュエータである。
【0295】
制御基板54は、センサデバイス55C,55M,55Y,55Kから取得した画像データ、及びエッジセンサ56のエッジ検出位置から、転写ベルト520の直交方向の移動量及び転写ベルト520の移動方向の移動量を検出する制御基板である。
【0296】
また、制御基板54は、転写ベルト520の直交方向の移動量に応じて、アクチュエータ511M,511Y,511Kを制御し、ヘッドユニット51M,51Y,51Kを直交方向に移動させる。さらに、制御基板54は、転写ベルト520の移動方向の移動量に応じて、ヘッドユニット51M,51Y,51Kの吐出タイミングを制御する。
【0297】
さらに、制御基板54は、転写ベルト駆動モータ527、転写モータ531に駆動信号を出力する。
【0298】
上記構成の本実施形態によれば、転写ベルト520の移動中に、転写ベルト520が駆動ローラ521の駆動による移動方向と直交する直交方向に動いた場合にも、検出した移動量に応じて、ヘッドユニット51M,51Y,51Kを、それぞれ直交方向に移動することができる。このため、転写ベルト520上に品質の高い画像を形成することができる。
【0299】
また、転写ベルト520が駆動ローラ521の駆動による移動方向に、想定と異なる移動量移動した場合にも、検出した移動量に応じてヘッドユニット51M,51Y,51Kの吐出タイミングをそれぞれ変更することができる。このため、転写ベルト520上に品質の高い画像を形成することができる。
【0300】
上記の例では、センサデバイス55C,55M,55Y,55Kから取得した画像データ及びエッジセンサ56で検出した検出結果に基づいて、転写ベルト520の直交方向の移動量と、転写ベルト520の移動方向の移動量とを算出したが、何れかの移動量しか使用しない場合は、一方のみを算出しても良い。
【0301】
また、本構成では、ヘッドユニット51Cにはアクチュエータを備えていないが、備えても良い。ヘッドユニット51Cを直交方向に移動することで、転写ベルト520から用紙Wに転写される際の、用紙Wの搬送方向に直交する方向の位置を制御することができる。
【0302】
また、上記の例では4つのヘッドユニットを用いて転写ベルト520上に画像を形成する例について記載したが、少なくとも2つのヘッドユニットで画像を形成する場合にも適用可能である。
【0303】
また、1つの画像形成システム内に第1実施形態で説明した画像形成装置と、第3実施形態で説明した読取装置(検査装置)を備えることで、より高精度な着弾位置の検査と、その検査結果を反映した高品質な画像形成が実現できる。
【0304】
なお、上記の搬送装置(画像形成装置、画像読取装置)では、画像形成及び画像読み取りの対象を用紙として説明したが、搬送される被搬送物としての記録媒体は、紙に限定されるものではない。例えば、記録媒体とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、光を照射することで表面の凹凸パターンが検出可能な、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体や粉体が付着するすべてのものが含まれる。例えば、上記「被搬送物」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどであり、液体が一時的でも付着可能な材質で、且つ、光を照射することで材質の表面の凹凸パターンが検出可能な材質であればよい。
【0305】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0306】
1 読み取り装置(搬送装置、処理装置)
16A 撮像部(上流側撮像部)
16B 撮像部
91 半導体レーザ光源(発光部)
110 画像形成装置(液体を吐出する装置、搬送装置、処理装置)
210K ブラック液体吐出ヘッドユニット(ヘッドユニット、液滴吐出ユニット)
210C シアン液体吐出ヘッドユニット(ヘッドユニット、液滴吐出ユニット)
210M マゼンタ液体吐出ヘッドユニット(ヘッドユニット、液滴吐出ユニット)
210Y イエロー液体吐出ヘッドユニット(ヘッドユニット、液滴吐出ユニット)
300 コントローラ(制御部)
310 蛇行量算出部
320 エッジズレ量算出部
321 比較部
322 基準値記憶部
323 ズレ量算出部
324 過去位置蓄積記憶部
330 ヘッドユニット補正量算出部(ヘッド移動量算出部)
340 アクチュエータ駆動指示部
500 画像形成装置
51C,51M,51Y,51K ヘッドユニット(画像形成ユニット)
55C センサデバイス(上流側表面検出部)
55M,55Y,55K センサデバイス(表面検出部)
520 転写ベルト(被搬送物)
CIS1,CIS2 読取ヘッド
CR1K,CR1C,CR1M,CR1Y 支持ローラ(第1の支持部材)
CR2K,CR2C,CR2M,CR2Y 支持ローラ(第2の支持部材)
ES0 エッジセンサ(エッジ検出部)
HD1 ヘッドユニット(読取ヘッドユニット)
HD2 ヘッドユニット(読取ヘッドユニット)
R0 支持部材
R1 支持ローラ(210Kの第1の支持部材)
R2 支持ローラ(210Kの第2の支持部材、210Cの第1の支持部材)
R3 支持ローラ(210Cの第2の支持部材、210Mの第1の支持部材)
R4 支持ローラ(210Mの第2の支持部材、210Yの第1の支持部材)
R5 支持ローラ(210Yの第2の支持部材)
S0,SEN2 上流側センサデバイス、上流側表面検出センサデバイス(上流側表面検出部)
S1,SENK ブラック用センサデバイス、表面検出センサデバイス(表面検出部)
S2,SENC シアン用センサデバイス、表面検出センサデバイス(表面検出部)
S3,SENM マゼンタ用センサデバイス、表面検出センサデバイス(表面検出部)
S4,SENY イエロー用センサデバイス、表面検出センサデバイス(表面検出部)
W ウェブ(記録媒体、連帳紙、用紙、被搬送物)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0307】
【文献】特開2015-013476号公報
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