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  • 特許-構造化シード層 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-18
(45)【発行日】2022-05-26
(54)【発明の名称】構造化シード層
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/352 20140101AFI20220519BHJP
   B23K 26/073 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
B23K26/352
B23K26/073
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019546067
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2017078545
(87)【国際公開番号】W WO2018087118
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】102016121462.0
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】シネラー、ベルント
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/192955(WO,A1)
【文献】特開2007-214580(JP,A)
【文献】特開2004-297058(JP,A)
【文献】特開2011-174097(JP,A)
【文献】特開2007-311364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/352
B23K 26/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブ(16)を構造化シード層の上に堆積させるために構造化シード層を形成する方法であって、基板(1)上に予めコーティングされた金属層(2)がレーザービーム(4)によりエネルギーを与えられることによって、前記金属層(2)が孤立した島(3)状に変形される前記方法において、
前記レーザービーム(4)が断面において直線状であるビーム(5)に拡大され、それにより前記金属層(2)の直線状の露光領域(15)が同時に曝され、その露光領域(15)は、その前記金属層(2)上における延在方向に対して横方向に移動することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記レーザービームの幅(W)が、前記基板(1)の幅に対応し、かつ20mm~1000mm、または 100mm~1000mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記拡大されたレーザービーム(5)の幅(W)が、300mm~600mmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板(1)が、シリコン、サファイア、アルミニウム、銅、または別の金属からなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記金属層(2)が、アルミニウム、ニッケル、銀、金、リチウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、白金、タンタル、または別の貴金属または非貴金属からなることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記金属層の厚さが、1nm~200nmの範囲にあることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記拡大されたレーザービーム(5)の幅(W)に対して横方向に延在する該レーザービームの長さが、前記露光領域(15)の幅に対応し、0.5mm~5mmであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ーザー(6)から発生した光の波長は、200nm~1.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ーザー(6)がパルス光または連続光を発生し、パルスエネルギーは0.5~20mJの範囲にあることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記拡大されたレーザービーム(5)が前記金属層(2)上を移動する速度は、1cm/s~50cm/sの範囲にあり、好ましくは5cm/s~30cm/sの範囲にあることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記島(3)が、1nm~2μm、好ましくは1nm~500nm、特に好ましくは1nm~100nmの等価円直径を有し、および/または、隣り合う前記島(3)の中心間の距離は、1nm~2μm、好ましくは1nm~500nm、特に好ましくは1nm~100nmの範囲にあることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記島(3)の長方形、特に正方形、または略正方形の配置を特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の方法を実行するための装置であって、金属層(2)がその上にコーティングされた基板(1)を搬送するための手段(9、10)と、レーザービーム(4)を発生するためのレーザー(6)および直線状の露光領域(15)を生成するために前記レーザービーム(4)を拡大するための手段(7)と、を有し、前記手段(7)は、前記直線状の露光領域(15)が前記基板(1)の搬送方向に対して垂直に延在するように配置されていることを特徴とする装置。
【請求項14】
ロール(9)に巻かれた基板を巻き解くための装置と、前記基板(1)の搬送方向において前記レーザービームを拡大するための手段(7)より前に配置された、前記基板(1)を金属層(2)でコーティングするための手段(11)と、前記島(3)上にカーボンナノチューブ(16)を堆積させるための手段(13)と、処理された前記基板が巻き取られるロール(10)を支持するための手段とを特徴とする請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを構造化シード層の上に堆積させるために構造化シード層を形成する方法に関し、基板上に予め適用された金属層がレーザービームによりエネルギーを与えられことによって、金属層が孤立した島状に変形される。
【0002】
本発明はさらに、その方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、カーボンナノチューブCNTを堆積させるためのシードセル配置の製造を記載している。基板上に堆積された金属層が、プラズマまたはレーザービームまたは他の方法により高速に加熱される(急速熱アニーリング)。それにより、互いに接近して隣り合って位置する液滴状の構造が形成される。
【0004】
特許文献2は、レーザー溶接のために直線状に拡大されたレーザービームの使用を記載している。この場合、マスクが使用され、それはワークピース上に配置される。
【0005】
特許文献3は、直線状にレーザビームを拡大するビーム変形レンズを備えたレーザを記載している。レーザーマスクによって、このレーザーはプラスチック部品のマスク溶接に使用される。
【0006】
非特許文献1は、表面上に規則的な液滴配置を形成するための方法を記載している。表面上に、先ず、平行に延在する直線状格子の「ナノ格子」形態が適用される。格子と交差するように金属が適用される。単一のレーザーパルスを照射することにより、金属線と格子との交点に、均等な大きさの金属液滴が形成される。それに対し、閉鎖した層がレーザーパルスによる作用を受けると、不規則な大きさの不均一に分布した液滴が形成される。
【0007】
非特許文献2から、ナノチューブが形成される表面上にSiO小球を用いて金属のアイランド(島)を堆積させることによる半導体ナノワイヤーの製造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2009/0121219号公報
【文献】欧州特許第09972619号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2591875号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】"The fabrication of periodic metal nanodot arrays through pulsed laser melting induced fragmentation of metal nanogratings", Nanotechnology 20 (2009) 285310 (2009年6月23日)
【文献】"Das Wachstum von Nanodrahten", Physik Journal 4 (2005) Nr. 5, P. 29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、CNTコーティング用のシードゾーンの形成を再現可能に制御することができる手段を提供し、特に、シードゾーンの大きさおよびそれらの距離を再現可能に設定できることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は特許請求の範囲に記載された発明により達成され、従属請求項は独立請求項に開示された発明の有利な改良を示すばかりでなく、その問題に対する独立した解決手段も示す。
【0012】
まず第1に、直線状の露光領域を生成することが提案される。その場合、書き込みにおいてライン毎に移動して局所的な加熱のみが生じる点状のレーザービームとは異なり、直線状の露光領域の連続的またはパルス状の露光中、露光領域の全表面が同時に光出力に曝される。
本発明によれば、直線状の露光領域が、予め基板上に堆積されている金属層上を調整可能な速度で移動する。これは、レーザービームの移動により行うことができるが、好適には基板の移動により行うことができる。その場合、基板が貯蔵ロールから巻き解かれ、第2の貯蔵ロールに再び巻き取られることが特に好適である。このように、細い領域が基板上を移動し、それが基板の幅に対応するその全幅に亘って金属層を同時にほぼ同じ温度で加熱するので、温度勾配は実質的に書き込み方向にのみ生じ、書き込み方向に対して横方向には生じない。
レーザ出力のパラメータ、必要に応じてパルスエネルギーまたはパルス幅および基板の搬送速度によって、島状のシードゾーンの直径およびそれらの距離を調整することができる。基板表面上の島状のシードゾーンの大きさおよび分布を予め設定するための更なるパラメータとして、金属層の材料厚さ、および、露光領域の幅に対応する拡大されたレーザービームの搬送方向における長さが用いられる。
好適には、直線状の露光領域の長さが基板全体に亘って延在することによって、拡大されたレーザービームの幅は約20mm~1000mmとなる。直線状の断面に拡大されたレーザービームは、0.5mm~5mmの長さを有することができる。この長さは、露光領域の幅に対応する。レーザ光の波長は、200nm~1500nmとすることができる。パルス状のレーザの場合、パルスエネルギーは0.5mJ~20mJとすることができる。コーティングされた基板に対して露光領域が相対的に移動する速度は、1cm/s~50cm/s、好ましくは5cm/s~30cm/sとすることができる。
レーザー出力、露光領域の幅に対応するレーザービームの長さ、および基板の搬送速度を選択することによって、島状のシードセルの等価円直径を調整することができる。これらは、好ましくは1nm~2μm、好ましくは1nm~200nm、特に好ましくは1nm~100nmである。島状のシードゾーンの平均的な距離は、これらのパラメータにより予め設定することもできる。それは、好ましくは1nm~2μmの範囲、好ましくは1nm~500nmの範囲、さらに好ましくは1nm~100nmの範囲である。この距離は、隣り合う島状のシードゾーンの中心間の距離のいずれでもよい。しかしながら、隣り合う島状のシードゾーンの2つの縁同士の間の距離とすることもできる。その場合の距離は、隣り合う島状のシードゾーンの間の隙間の横方向長さである。島状のシードゾーンの形成は自己組織化システムであり、その場合、島状のシードゾーンは、典型的には、長方形の、特に正方形または略正方形のユニットセルの頂点に配置される。
【0013】
本発明はさらに、上記方法を実行するための装置に関し、その装置は、少なくとも、レーザビームを発生するレーザーと、点状の断面をもつレーザービームを直線状の断面をもつレーザービームに拡大する光学要素とを有する。拡大されたレーザービームに対して基板が搬送装置により搬送される。搬送方向は、レーザービームにより照射されるゾーンの延在方向に対して横方向である。基板は、1つのロールから巻き解かれ、そして別のロールに巻き取られることができる。2つのロールの間に、金属層を基板上に堆積させる装置を配置することができる。搬送方向においてこの装置の後方に、レーザーを有する装置がある。搬送方向においてこの装置の後方に、シードゾーンの上にカーボンナノチューブを堆積することができる装置がある。更なる装置、例えば、カーボンナノチューブでコーティングされたフィルムからリチウムイオンバッテリ用の電極を製造するために実行される付加的プロセスを行う装置も設けられる。基板は、100mm~1000mmの幅とすることができる。典型的には、その幅は、300mm~600mmである。基板は、1つのロールから巻き解かれ、そして別のロールに再び巻き取られることができる。しかしながら、基板は、50mm~450mmの範囲の直径を有する硬いウェハとすることもできる。基板の材料として、特に、シリコン、サファイアがウェハ用に考慮される。巻くことができる基板については、可撓性の金属基板、例えばアルミニウムまたは銅の基板が好ましく使用される。金属層には、アルミニウム、ニッケル、銀、金、リチウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、白金またはタンタルを使用するのが好ましい。典型的な層厚は1nm~200nmの間である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、露光方法の概略斜視図である。
図2図2は、島状シードゾーン3の配置に関して図1を詳細に拡大した図である。
図3図3は、拡大されたレーザービーム5が露光領域15を生成する位置における図1の基板の縦断面図を示す。
図4図4は、本発明による方法を実施するための装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明による方法は、ロール上を調製された基板、特に金属層2によりコーティングされた基板を処理するのみでなく、コーティングされていない基板1を処理し、かつ半導体ウェハとして存在する基板を処理するための方法に適している。図1は、金属層2によりコーティングされた基板1が第1のロール9に巻かれており、そこから搬送方向Tへと巻き解かれる多様な方法を概略的に示している。レーザー6により、点状の断面をもつレーザービーム4が発生する。光学的拡大装置7により、点状のレーザービーム4が直線状のレーザービーム5に拡大される。直線状のレーザービーム5の幅は、層2上におけるそれが当たる領域における少なくとも基板1の幅Wに対応する。
【0016】
拡大されたレーザービーム5は、コーティング2によりコーティングされた基板の表面上に直線状の露光領域15を生成する。搬送方向Tへ基板を搬送することによって、直線状の露光領域15は、その延在方向に対して横方向に基板1の層2上を移動する。パルス状または連続的に発生したレーザービームによるエネルギー衝撃によって、露光領域15の各点上で熱形態のエネルギーが金属層2と同時に結合する。その結果、直線状の表面全体が同時に曝されるので、直線の延在方向においては実質的に温度勾配が形成されずに、露光領域15の移動方向にのみ形成される。これにより、金属層2の材料が、島状のシードゾーン3へと組織化される。島状シードゾーン3は、略正方形の頂点上に位置し、1nm~100nmの直径RDotを有する。各々の島状シードゾーン3は、互いに1nm~100nmの距離DDcだけ離間している。
【0017】
搬送速度は、約5cm/s~30cm/sである。
【0018】
図4は、基板1上にカーボンナノチューブ16を堆積させるための装置の構成を概略的に示している。例えば銅またはアルミニウムである金属からなる基板1が、第1のロール1から巻き解かれ、そして所定の搬送速度で複数の段階からなる製造装置を通って搬送される。処理された基板は、第2のロール10に再び巻き取られる。
【0019】
装置は、金属層2が基板1上に堆積される第1のステーション11を有する。その後、第2のステーション12において、図1のように構成された装置により、金属層2の表面処理が拡大されたレーザービームを用いて行われ、互いに離間した点状のシードゾーン3が形成される。その後、更なるステーション13において、シードゾーン3上にカーボンナノチューブ16が堆積される。その後、1または複数の更なるステーション15において、リチウムイオンバッテリ用の電極を製造するために通常必要である更なる処理ステップを行うことができる。
【0020】
図においては、基板1上における島状シードゾーン3の均一な配置を示すために、島状シードゾーン3が大きく拡大されて示されている。実際には、それらの島3は、サブミクロンの領域で離間している。島状シードゾーン3の領域および島状シードゾーン3の距離は、レーザー出力および層厚等の上述したパラメータにより再現可能に調整することができる。
【0021】
本発明の方法においては、構造化されていない基板上に先ず閉鎖した金属層が堆積される。好適には、金属層が基板表面を完全に被覆することによって、金属層の幅が基板の幅と一致する。拡大されたレーザービームは、その幅に関して金属層の幅に対応しており、金属層に対しその幅全体に亘って同時にエネルギーを付与するために用いられる。直線状に拡大されたレーザービームの方向に対して横方向に、直線状のレーザー処理領域に対して基板が搬送されることによって、レーザー処理領域が基板上を移動する。
【0022】
金属層上にも金属層下にも構造化は行われていないが、レーザー処理ゾーンの領域には、実質的に等間隔に配置された複数の金属の島が形成される。金属層は、島状の領域上に局所的に後退する。それにより形成された島状シードゾーンは、典型的には長方形ユニットセルの頂点に位置する。
【0023】
したがって本発明は、構造化シード層の上にカーボンナノチューブ16を堆積させるための構造化シード層を生成する方法に関する。その場合、基板1の構造化されていない表面上に、先ず閉鎖した均一な金属層2がコーティングされ、そして続いて、金属層2がレーザービーム4によりエネルギーを付与される。その場合、レーザービーム4が、断面において直線状のビーム5に拡大させられ、それにより金属層2の直線状の露光領域15が同時に曝される。その場合、露光領域15が金属層2上でのその延在方向に対して横方向に所定の移動速度で移動しかつ露光領域15におけるレーザービーム4が所定のエネルギー密度で金属層にエネルギーを付与することによって、金属層2は、単一の実質的に均一な大きさの島3に変形し、それらは実質的に互いに等間隔である。島3の等価円直径は2μmより小さく、そして、隣り合う2つの島3の間の金属層のない部分の距離は2μmより小さい。
【0024】
移動方向におけるレーザービーム5の長さでもあり露光領域15の幅に対応する延在部分全体は、好適には0.5mm~1.5mmの範囲にある。パルス状のレーザービームでは、パルスシーケンスが非常に速いので、露光領域15は準連続的に曝される。パルス周波数は、特に、移動速度と露光領域の幅との商よりも実質的に大きい(10倍)。拡大されたレーザービームの直線方向でもある露光領域15の長さに亘って、レーザー処理により溶融した金属層2における温度勾配がないが、レーザービームの移動方向には大きな温度勾配が形成される。
【0025】
上述した説明は、全体として本発明を説明するのに役立ち、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって、独立して現在の技術をさらに発展させる。
【0026】
レーザービーム4が、断面において直線状のビーム5に拡大され、それを用いて金属層2の直線状の露光領域15が同時に曝され、その露光領域15は、金属層2上におけるその延在方向に対して横方向に移動していることを特徴とする方法。
【0027】
レーザービームの幅Wが、基板1の幅に対応し、かつ、20mm~1000mm、または、100mm~1000mmの範囲であることを特徴とする方法。
【0028】
拡大されたレーザービーム5の幅Wが、300mm~600mmであることを特徴とする方法。
【0029】
基板1が、シリコン、サファイア、アルミニウム、銅、またはその他の金属からなることを特徴とする方法。
【0030】
金属層2が、アルミニウム、ニッケル、銀、金、リチウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、白金、タンタルまたは他の貴金属もしくは非貴金属からなることを特徴とする方法。
【0031】
金属層の厚さが1nm~200nmの範囲内にあることを特徴とする方法。
【0032】
露光領域15の幅に対応する拡大されたレーザビーム5の幅Wに対して横方向に延在するレーザビームの長さが、0.5mm~5mmであることを特徴とする方法。
【0033】
レーザ6によって発生される光の波長が、200nm~1.5μmの範囲にあることを特徴とする方法。
【0034】
レーザ6がパルス状または連続的な光を放射し、パルスエネルギーが0.5mJ~20mJの範囲内にあることを特徴とする方法。
【0035】
拡大されたレーザビーム5が金属層2上を移動する速度が、1cm/s~50cm/sの間、好ましくは5cm/s~30cm/sの間であることを特徴とする方法。
【0036】
島状シードゾーン3が、1nm~2μm、好ましくは1nm?500nm、特に好ましくは1nm?100nmの等価円直径を有し、および/または、隣り合う島状シードゾーン3の中心間の距離が、1nm~2μm、 好ましくは1nm~500nm、より好ましくは1nm~100nmの範囲内であることを特徴とする方法。
【0037】
島状シードゾーン3の長方形、特に正方形または略正方形の配置を特徴とする方法。
【0038】
金属層2がその上にコーティングされた基板1を搬送するための手段9、10と、レーザービーム4を発生するためのレーザー6および直線状の露光領域15を生成するためにレーザービーム4を拡大するための手段7と、を有し、手段7は、直線状の露光領域15が基板1の搬送方向に対して垂直に延在するように配置されていることを特徴とする装置。
【0039】
ロール9に巻かれた基板を巻き解くための装置と、基板1の搬送方向においてレーザービームを拡大するための手段7より前に配置された、基板1を金属層2でコーティングするための手段11と、島状シードゾーン3上にカーボンナノチューブ16を堆積するための手段13と、処理された基板が巻き取られるロール10を支持するための手段とを特徴とする装置。
【0040】
開示された全ての特徴は、(個々にではあるが互いに組み合わせても)本発明にとって本質的である。関連する/添付された優先権書類(先の出願の写し)の開示もまた、本願の請求項にこれらの書類の特徴を含める目的で、本願の開示に完全に組み込まれる。従属請求項は、それらの特徴を用いて、特にこれらの請求項に基づいて分割出願をするための、先行技術からの独立した進展を特徴とする。
【符号の説明】
【0041】
1 基板
2 金属層
3 島
4 レーザービーム
5 拡大されたレーザービーム
6 レーザー
7 光学系
8 ユニットセル
9、10 リール
11 第1のステーション
12 第2のステーション
13 更なるステーション
14
15 露光領域
16 カーボンナノチューブ
T 搬送方向
W 幅
図1
図2
図3
図4