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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-19
(45)【発行日】2022-05-27
(54)【発明の名称】機器洗浄装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220520BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20220520BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 643Z
B08B7/00
B08B3/08 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020540352
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2018059651
(87)【国際公開番号】W WO2019147321
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】15/879,677
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】モストヴォイ, ロマン エム.
(72)【発明者】
【氏名】パリーク, スケトゥ アルン
(72)【発明者】
【氏名】イーガン, トッド
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-028634(JP,A)
【文献】特開2003-117510(JP,A)
【文献】特開2003-209088(JP,A)
【文献】特表2004-512503(JP,A)
【文献】特表2007-524228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00 - 13/00
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄ヘッドを、物体の表面に沿って移動させることと、
超臨界二酸化炭素流体を、前記物体の前記表面に供給することと、
前記超臨界二酸化炭素流体および汚染物質を、前記物体から除去することと、
真空ポンプによって検出器に吸引された前記汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定することと、
前記真空ポンプと前記検出器とに連結するコレクタに前記真空ポンプによって前記検出器から前記汚染物質のサンプルを収集することと、
前記洗浄ヘッドに連結された光チャネルと連結したアナライザを動作させて前記物体の前記表面の汚染レベルを決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記超臨界二酸化炭素流体が、500ポンド/平方インチ(psi)を超える圧力で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超臨界二酸化炭素流体を供給することが、複数の粒子を含む前記汚染物質を、前記物体の前記表面から除去し、
前記超臨界二酸化炭素流体および前記汚染物質が、真空ポンプによって除去され、
前記汚染物質の前記1つまたは複数の測定値を決定することが、前記汚染物質の各粒子の密度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
洗浄ヘッドを、第1の物体の表面に沿って移動させることと、
超臨界二酸化炭素流体を、前記第1の物体の前記表面に供給することと、
前記超臨界二酸化炭素流体および汚染物質を、前記第1の物体から除去することと、
真空ポンプによって検出器に吸引された前記第1の物体からの前記汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定することと、
前記真空ポンプと連結すると共に前記検出器と連結するコレクタに前記検出器から前記真空ポンプによって前記第1の物体からの前記汚染物質のサンプルを収集することと、
前記洗浄ヘッドに連結された光チャネルと連結したアナライザを動作させて前記第1の物体の前記表面の汚染レベルを決定することと、
前記洗浄ヘッドを、第2の物体の表面に沿って移動させることと、
超臨界二酸化炭素流体を、前記第2の物体の前記表面に供給することと、
前記超臨界二酸化炭素流体および前記汚染物質を、前記第2の物体から除去することと、
前記真空ポンプによって前記検出器に吸引された前記第2の物体からの前記汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定することと、
前記真空ポンプによって前記検出器から前記コレクタに前記第2の物体からの前記汚染物質のサンプルを収集することと、
前記アナライザを動作させて前記第2の物体の前記表面の汚染レベルを決定することと、
を含む方法。
【請求項5】
超臨界二酸化炭素流体を、前記第1の物体の前記表面に供給することが、前記汚染物質を、前記第1の物体の前記表面から除去し、前記超臨界二酸化炭素流体を、前記第2の物体の前記表面に供給することが、前記汚染物質を、前記第2の物体の前記表面から除去し、前記汚染物質が、複数の粒子を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記超臨界二酸化炭素流体および前記汚染物質が、真空ポンプによって前記第1の物体から除去され、前記超臨界二酸化炭素流体および前記汚染物質が、前記真空ポンプによって前記第2の物体から除去される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の物体からの前記汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定することが、前記第1の物体からの前記汚染物質の各粒子の密度を決定することを含み、前記第2の物体からの前記汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定することが、前記第2の物体からの前記汚染物質の各粒子の密度を決定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
洗浄ヘッドと、
アナライザに連結され、かつ前記洗浄ヘッドに連結された光チャネルと、
前記洗浄ヘッドに連結され、汚染物質の粒子の密度を決定するように動作可能な検出器と、
前記検出器に連結されたコレクタと、
前記コレクタに連結され、前記汚染物質の前記粒子を含む前記汚染物質を前記検出器に排出するように動作可能な真空ポンプと
を備えるデバイス。
【請求項9】
前記検出器が、前記汚染物質の各粒子の密度を決定するように構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コレクタが、前記汚染物質のサンプルを収集するように構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記洗浄ヘッドに連結された移動機構をさらに備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記アナライザが、汚染レベルを決定するように構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記洗浄ヘッドに連結され、かつ超臨界二酸化炭素を供給するように構成された超臨界二酸化炭素流体容器をさらに備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項14】
洗浄ヘッドを物体の表面に沿って移動させるように動作可能な移動機構に連結された洗浄ヘッドと、
前記洗浄ヘッドの光チャネルに連結され、前記物体の前記表面の汚染レベルを決定するように動作可能なアナライザと、
真空導管を介して前記洗浄ヘッドと流体連結している真空ポンプと、
前記真空ポンプと流体連結している検出器であって、
前記真空ポンプが、複数の粒子を含む汚染物質を、前記物体の前記表面から前記真空導管を通って前記検出器に排出するように動作可能であり、
前記検出器が、前記複数の粒子の1つまたは複数の測定値を決定するように動作可能である、検出器と、
前記汚染物質のサンプルを収集するように動作可能な、前記検出器に連結されたコレクタと
を備える、デバイス。
【請求項15】
前記検出器によって決定される前記1つまたは複数の測定値が、各粒子の密度、平均粒子密度、および前記複数の粒子の粒子密度分布のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記検出器が表面粒子検出器である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記表面粒子検出器が、光源、フーリエレンズ、フローセル、後部検出器、側部検出器、およびリング形状検出器を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記移動機構が、前記洗浄ヘッドを前記物体の前記表面に沿って自律的に移動させるように動作可能である、請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、機器を洗浄するための装置および方法に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、半導体、OLED、およびフラットパネルデバイスを洗浄するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体、OLED、およびフラットパネルデバイスの洗浄では、基板の表面から汚染物質を除去し、結果として清浄な表面を残すことが望ましいことが多い。例えば、半導体処理中に、処理が行われるチャンバは、同様に洗浄を必要とすることが多い。洗浄しないと、半導体デバイスの性能に悪影響を及ぼすことになる汚染物質が存在する可能性がある。
【0003】
[0003]チャンバの洗浄は、プロセスメンテナンスまたはPMとして知られており、生産を停止する。PM中にチャンバ内で半導体デバイスを処理することはできない。したがって、PMは、半導体デバイスのスループットに大きく影響する。ゆえに、PM時間を短縮することが有益であろう。基板、チャンバ部品、チャンバツール、チャンバ、およびチャンバメインフレームなどの半導体デバイスの清浄度は、製品収率、チャンバ稼働時間、および顧客の所有コストに影響する。
【0004】
[0004]現在の湿式洗浄技術のほとんどが、洗浄すべき物体の表面から汚染物質を除去するために、真空クリーナーを利用する。しかしながら、真空クリーナーを使用することは、物体の表面から汚染物質を除去するには不十分であり、したがって時間効率が悪い。加えて、その後の粒子および表面汚染の測定には、追加の時間を要し、これは、マイクロチップ歩留まりを減少させ、ツール稼働時間を減少させ、顧客の所有コストを増加させる。
【0005】
[0005]したがって、当技術分野で必要とされるのは、物体を洗浄するための改良された洗浄デバイスおよび方法である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]一実施形態では、方法が提供される。この方法は、物体の表面に沿って洗浄デバイスを移動させることを含む。物体の表面に、超臨界二酸化炭素流体が供給される。超臨界二酸化炭素流体および汚染物質は、物体から除去される。汚染物質の1つ以上の測定値が決定される。汚染物質のサンプルが収集される。
【0007】
[0007]一実施形態では、方法が提供される。この方法は、第1の物体の表面に沿って洗浄デバイスを移動させることを含む。超臨界二酸化炭素流体は、第1の物体の表面に供給される。超臨界二酸化炭素流体および汚染物質は、第1の物体から除去される。第1の物体からの汚染物質の1つまたは複数の測定値が決定される。第1の物体からの汚染物質のサンプルが収集される。洗浄デバイスは、第2の物体の表面に沿って移動される。超臨界二酸化炭素流体は、第2の物体の表面に供給される。超臨界二酸化炭素流体および汚染物質は、第2の物体から除去される。第2の物体からの汚染物質の1つまたは複数の測定値が決定される。第2の物体からの汚染物質のサンプルが収集される。
【0008】
[0008]別の実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、洗浄ヘッドを含む。アナライザに光チャネルが連結される。光チャネルは、洗浄ヘッドに連結される。洗浄ヘッドに検出器が連結され、検出器にコレクタが連結される。コレクタに真空ポンプが連結される。
【0009】
[0009]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかし、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の等しく有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]A~Dは、実施形態による洗浄中の物体の概略平面図である。
図2】[0011]一実施形態による洗浄デバイスの概略断面図である。
図3】[0012]一実施形態による物体を洗浄するための方法の工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれる場合があると想定される。
【0012】
[0014]本明細書に記載の実施形態は、物体を洗浄するための洗浄デバイスおよび方法に関する。一実施形態では、物体は、物体の表面に沿って洗浄ヘッドを移動させることによって洗浄される。超臨界二酸化炭素流体は、超臨界二酸化炭素流体容器によって物体の表面に供給される。超臨界二酸化炭素流体および汚染物質は、物体から、真空ポンプによって、検出器へと除去される。汚染物質の1つまたは複数の測定値は、検出器によって決定される。汚染物質のサンプルは、コレクタによって収集される。物体の表面の汚染レベルは、アナライザによって決定される。
【0013】
[0015]図1Aは、洗浄前に、汚染物質104が表面102上に形成された、表面102を有する物体100の概略平面図である。物体100は、基板、チャンバ部品、チャンバツール、チャンバ、およびチャンバメインフレームでありうる。物体100は、処理前または処理後に、表面102上に形成された汚染物質104を有することがある。汚染物質は、複数の粒子106を含むことがある。
【0014】
[0016]図1Bは、洗浄処理後の表面102を有する物体100の概略平面図である。図1Bに示すように、物体100の表面102には、汚染物質104がないように見える。しかしながら、図1Bの物体100の概略平面図の拡大図である図1Cに示すように、汚染物質104は、依然として、表面102上に存在する。汚染物質104は、汚染物質104を除去する効率が悪く、洗浄プロセス中に物体100の表面102の汚染レベルを決定することができないため、依然として、表面102上に存在する。
【0015】
[0017]図1Dは、物体100を洗浄するための方法300の後の物体100の概略的平面図の拡大図である。物体100の表面102には、汚染物質104が実質的に存在しない。一実施形態では、物体100は、入ってくるチャンバ部品であり、方法300によって、チャンバに組み込む前にチャンバ部品を洗浄する。別の実施形態では、チャンバおよびチャンバの部品は、処理前に方法300を利用して洗浄される。さらに別の実施形態では、チャンバおよびチャンバ部品の構成要素は、予防保守および/またはトラブルシューティングの実施として、処理後に方法300を利用して洗浄される。
【0016】
[0018]図2は、一実施形態による洗浄デバイス200の概略断面図である。以下に記載される洗浄デバイスは、例示的な洗浄デバイスであり、他の製造業者からの洗浄デバイスを含む他の洗浄デバイスが、本開示の態様を実現するために使用されてもよく、または修正されてもよいことを理解されたい。
【0017】
[0019]洗浄デバイス200は、アナライザ212に連結されたチャネル210を有する洗浄ヘッド202を含む。一実施形態では、洗浄ヘッド202は、移動機構220にも連結される。移動機構220は、洗浄ヘッドを物体100の表面102に沿って移動させるように動作可能である。一実施形態では、移動機構220は、洗浄ヘッドを物体100の表面102に沿って自律的に移動させるように構成される。別の実施形態では、移動機構220は、ユーザからの入力コマンドの信号を受信し、物体100の表面102に沿って洗浄ヘッドを移動させるように構成される。さらに別の実施形態では、移動機構220はユーザであり、ユーザは、物体100の表面102に沿って洗浄ヘッドを物理的に移動させる。
【0018】
[0020]アナライザ212は、物体100の表面102の汚染レベルを決定するように構成される。一実施形態では、アナライザ212は、表面アナリスト(surface analyst)である。表面アナリスト(BTG Labsから入手可能なThe Surface Analyst(登録商標)など)は、アナリスト導管214を介して、チャネル210と流体連結している。チャネル210には、検査ヘッドが取り付けられている。プローブ流体の小さな液滴は、表面アナリストからの微小液滴のパルス流から表面102上に分散する。接触角測定値は、表面清浄度およびエネルギーの測定値に対応する液滴から決定される。表面アナリストは、接触角測定値が所定の合格、警告、または不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、接触角測定値、または合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。
【0019】
[0021]アナライザ212は、赤外および/または反射率分光アナリストでありうる。一実施形態では、アナライザ212は、フーリエ変換赤外分光(Fourier Transform Infrared Spectroscopy(FTIR))アナリスト(Agilent Technologies社から入手可能な4300Handheld FTIRなど)であり、チャネル210は、1つまたは複数の光チャネルを含む。FTIRアナリストは、アナリスト導管214を介して、チャネル210と光連通するセンサと、アナリスト導管214を介して、チャネル210と光連通する、赤外発光ダイオード(LED)などの赤外光源とを備える。FTIRアナライザは、炭化水素およびシリコーン油汚染を検出し、水分レベルを評価し、熱損傷をマッピングし、汚染物質104の組成物を識別および検証し、光源によって生成され、表面102から反射され、センサによって受信される、グレージング角を測定することによって、物体100の表面102の酸化損傷を測定するように構成される。FTIRアナリストは、測定値が所定の合格、警告、または不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、測定値または合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。
【0020】
[0022]別の実施形態では、アナライザ212は、発光分光アナリスト(SITA Process Solutionsから入手可能なSITA CleanoSpectorなど)であり、チャネル210は、1つまたは複数の光チャネルを含む。発光分光アナリストは、アナリスト導管214を介してチャネル210と光連通するセンサと、アナリスト導管214を介してチャネル210と光連通するLEDとを備える。センサは、LEDからの紫外線によって励起される、物体100の表面102の蛍光を測定することによって、残留汚染を検出する。センサヘッド内のフォトダイオードは、蛍光の強度を測定する。発光分光アナリストはまた、残留汚染物質の厚さを測定するように構成される。発光分光アナリストは、残留汚染物質の蛍光および/または厚さ、または残留汚染物質の蛍光および/または厚さが所定の合格、警告、もしくは不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。
【0021】
[0023]洗浄デバイス200は、物体100の表面102から粒子を除去するように構成される。洗浄デバイス200は、吸引を生成し、複数の粒子106を含む汚染物質104を、物体100の表面102から第1の真空導管222を通って検出器204に排出するように構成された真空ポンプ208を含む。検出器は、第1の真空導管222を介して洗浄ヘッド202と流体連結している。検出器204は、複数の粒子106を含む汚染物質104を受け取り、複数の粒子106の1つまたは複数の測定値を決定するように構成される。
【0022】
[0024]一実施形態では、検出器204は、複数の粒子106の各粒子の密度を決定するように構成される。検出器204は、光散乱粒子サイズ分析を利用して、各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布を決定するように構成された表面粒子検出器(Pentagon Technologies社から入手可能な(登録商標)など)であってもよい。表面粒子検出器は、レーザービームなどの光源、フーリエレンズ、フローセル、後部検出器、側部検出器、およびリング形状検出器を含んでもよい。複数の粒子106は、フローセルを通って流れる。レーザービームは、フーリエレンズによって拡大され、フローセルに伝播され、複数の粒子106の各粒子の密度に基づいて様々な角度で複数の粒子106によって散乱される。後部検出器、側部検出器、およびリング形状検出器は、各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布を決定するために、様々な角度によって生成される散乱パターンの変動を決定する。
【0023】
[0025]コレクタ206は、第2の真空導管224を介して検出器204と流体連結している。コレクタ206は、複数の粒子106を含む汚染物質104のサンプルを収集するように構成される。汚染物質のサンプルは、さらなる分析のために使用されてもよい。一実施形態では、コレクタ206は、粒子トラップ上にグリッドを含む。物体100が洗浄された後に、粒子トラップは、粒子イメージングのために、ならびに走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy(SEM))および/またはエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-Ray Analysis(EDX))のために除去され、汚染物質104の元素組成および/または定量的組成データが決定される。
【0024】
[0026]洗浄デバイス200は、超臨界二酸化炭素(CO)流体容器216をさらに含んでもよく、その超臨界CO流体容器216は、第2のCO導管230を介してCOガス源218と流体連結している。超臨界CO流体容器216は、COガスの相を変化させ、超臨界CO流体を超臨界相温度および圧力に維持することができる。超臨界CO流体容器216は、第1のCO導管228を介して洗浄ヘッド202と流体連結しており、ある速度で超臨界CO流体を供給して、物体100の表面102からの粒子リフトオフを改善するように構成される。一実施形態では、超臨界CO流体容器216は、500ポンド/平方インチ(psi)を超える圧力で超臨界CO流体を供給するように構成される。複数の粒子106および超臨界CO流体を含む汚染物質104は、第1の真空導管222を介して物体から除去される。
【0025】
[0027]図3は、物体100を洗浄するための方法300の工程を示すフロー図である。工程301では、洗浄デバイス200が、物体100の表面102に沿って移動される。一実施形態では、洗浄デバイス200は、物体100の表面102に沿って洗浄ヘッドを自律的に移動させるように構成される移動機構220を有する洗浄ヘッド202を含む。別の実施形態では、洗浄ヘッド202は、ユーザから入力コマンドの信号を受信し、物体100の表面102に沿って移動する。さらに別の実施形態では、ユーザは、物体100の表面102に沿って洗浄ヘッド202を物理的に移動させる。
【0026】
[0028]工程302では、超臨界二酸化炭素(CO)流体が、物体100の表面102に供給される。超臨界二酸化炭素流体を供給すると、物体100の表面102から汚染物質104が除去される。汚染物質は、複数の粒子106を含むことがある。超臨界CO流体をある速度で供給することにより、物体100の表面102から複数の粒子106が除去される。一実施形態では、洗浄デバイス200は、第2のCO導管230を介してCOガス源218と流体連結する超臨界CO流体容器216を含む。超臨界二酸化炭素CO流体容器216は、COガスの相を変化させ、超臨界CO流体を超臨界相温度および圧力に維持する。超臨界CO流体容器216は、第1のCO導管228を介して洗浄ヘッド202と流体連結しており、超臨界CO流体をある速度で供給して、物体100の表面102からの粒子リフトオフを改善する。超臨界CO流体は、500psiを超える圧力で供給されてもよい。
【0027】
[0029]工程303では、汚染物質104および超臨界COが、物体100の表面から除去される。一実施形態では、洗浄デバイス200は、複数の粒子106および超臨界CO流体を含む汚染物質104を、第1の真空導管222を介して物体100から除去する。洗浄デバイス200は、吸引を生成し、複数の粒子106を含む汚染物質104を、物体100の表面102から第1の真空導管222を通って、第1の真空導管222を介して洗浄ヘッド202と流体連結する検出器204に排出する真空ポンプ208を含む。
【0028】
[0030]工程304において、汚染物質104の1つまたは複数の測定値が決定される。一実施形態では、検出器204は、複数の粒子106を含む汚染物質104を受け取る。検出器204は、複数の粒子106の各粒子の密度を決定する。検出器204は、光散乱粒子サイズ分析を実行して、各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布を決定しうる。検出器204は、レーザービームなどの光源、フーリエレンズ、フローセル、後部検出器、側部検出器、およびリング形状検出器を含んでもよい。複数の粒子106は、フローセルを通って流れ、レーザービームは、フーリエレンズによって拡大され、フローセルに伝播され、各粒子の密度に基づいて様々な角度で複数の粒子106によって散乱される。後部検出器、側部検出器、およびリング形状検出器は、各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布を決定するために、様々な角度によって生成される散乱パターンの変動を決定する。1つまたは複数の測定値は、洗浄時間を最適化するために、汚染物質104の除去中に決定されてもよい。
【0029】
[0031]工程305において、汚染物質104のサンプルが収集される。一実施形態では、コレクタ206は、第2の真空導管224を介して検出器204と流体連結しており、複数の粒子106を含む汚染物質104のサンプルを収集する。汚染物質のサンプルは、さらなる分析のために使用されてもよい。物体100が洗浄された後に、粒子トラップは、粒子イメージングのために、ならびに走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy(SEM))および/またはエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-Ray Analysis(EDX))のために除去され、汚染物質104の元素組成および/または定量的組成データが決定される。
【0030】
[0032]工程306において、物体100の表面102の汚染レベルが決定される。表面102の汚染レベルは、汚染物質104の実質的に全てが除去されたかどうかを決定するために、汚染物質104を除去する前、および/または汚染物質104の除去中に決定されてもよい。
【0031】
[0033]一実施形態では、洗浄ヘッド202に連結されたアナライザ212が、物体100の表面102の汚染レベルを決定する。一実施形態では、アナライザ212は、表面アナリストからの微小液滴のパルス流から表面102にプローブ流体の小液滴を分配する表面アナリストである。接触角測定値は、表面清浄度およびエネルギーの測定値に対応する液滴から決定される。アナライザ212は、接触角測定値が所定の合格、警告、または不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、接触角測定値、または合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。接触角測定値の出力および/または合格、警告、または不合格の出力は、チャンバ部品および/またはチャンバ位置のターゲット出力に対応することがある。ターゲット出力は、方法300の終点に対応することがある。
【0032】
[0034]別の実施形態では、アナライザ212は、赤外線および/または反射分光アナリストである。アナライザ212は、炭化水素およびシリコーン油汚染を検出し、水分レベルを評価し、熱損傷をマッピングし、汚染物質104の組成物を識別および検証し、光源によって生成され、表面102から反射され、センサによって受信されるグレージング角を測定することによって、物体100の表面102の酸化損傷を測定することがある。アナライザ212は、測定値が所定の合格、警告、または不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、測定値または合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。測定値の出力および/または合格、警告、または不合格の出力は、チャンバ部品および/またはチャンバ位置のターゲット出力に対応することがある。
【0033】
[0035]さらに別の実施形態では、アナライザ212は、発光分光アナリストである。アナライザ212は、LEDからの紫外線によって励起される、物体100の表面102の蛍光を測定することによって、残留汚染を検出する。蛍光の強度は、アナライザ212によってさらに決定される。アナライザ212はまた、汚染物質104の厚さを測定してもよい。アナライザ212は、残留汚染物質の蛍光および/または厚さ、または残留汚染物質の蛍光および/または厚さが所定の合格、警告、もしくは不合格の範囲内にあるかどうかに応じて、合格、警告、もしくは不合格の出力を出力することがある。残留汚染物質の蛍光の出力および/または厚さ、ならびに/または合格、警告、もしくは不合格の出力は、チャンバ部品および/またはチャンバ位置のターゲット出力に対応することがある。
【0034】
[0036]方法300は、後続の物体を洗浄するために繰り返されてもよい。例えば、チャンバは、複数の部品を含むことができ、各部品は、物体100に対応する。第1の物体は、物体100を洗浄するための方法300によって洗浄される。第1の物体の表面102上の汚染物質104の各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布は、第1の物体の汚染レベルと共に決定される。第2の物体は、物体100を洗浄するための方法300によって洗浄される。第2の物体の表面102上の汚染物質104の各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布は、第2の物体の汚染レベルと共に決定される。続いて、物体100に対応する各部品であるチャンバの部品が、物体100を洗浄するための方法300によって洗浄される。各物体100の表面102上の汚染物質104の各粒子の密度、平均粒子密度、および/または粒子密度分布、ならびに各物体100の汚染レベルの仕様が遵守される。この仕様は、所定の合格、警告、または不合格の範囲内の汚染レベルに基づいて予防保守および/またはトラブルシューティングの実行に使用されることがある。
【0035】
[0037]要するに、物体を洗浄するための洗浄デバイスおよび方法が本明細書に記載される。ある速度で超臨界CO流体を供給し、粒子リフトオフを改善して、超臨界CO流体および汚染物質を除去することを利用すれば、物体の実質的にすべての表面に汚染物質が存在しないようにすることができる。さらに、汚染物質の1つまたは複数の測定値を決定すること、汚染物質のサンプルを収集すること、および汚染レベルを決定することにより、結果として、マイクロチップ歩留まりが増加し、ツール稼働時間が増加し、ひいては所有コストが減少する。
【0036】
[0038]上記は、本開示の例を対象としているが、本開示の他の例およびさらなる例は、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3