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特許7076846インプリント用フォトマスク及びこれの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】インプリント用フォトマスク及びこれの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20220523BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20220523BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
G03F7/38 511
B29C59/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020546377
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2019003862
(87)【国際公開番号】W WO2019231097
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-09-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0061683
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・グ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ホン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ナム・ソク・ペ
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2009-0019200(KR,A)
【文献】特開2015-219311(JP,A)
【文献】特開2017-103384(JP,A)
【文献】国際公開第2017/131499(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
B29C 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板、
前記透明基板上に備えられた遮光パターン、及び
前記遮光パターン上に備えられたドライフィルムレジストパターン
を含み、
前記遮光パターンの隣接したパターン間の距離は、30μm以下であり、前記遮光パターンの厚さは、1μm以下であり、
前記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの合計は、10μm以上であり、
前記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした前記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比は、1以上であり、
前記遮光パターンは、Cu、Al、Ni及びこれらの合金のうち1種以上を含む、インプリント用フォトマスク。
【請求項2】
前記遮光パターンは、Cuを含む、請求項1に記載のインプリント用フォトマスク。
【請求項3】
前記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層をさらに含む、請求項1又は2に記載のインプリント用フォトマスク。
【請求項4】
透明基板上に遮光層を形成するステップ、
前記遮光層上にドライフィルムレジストパターンを形成するステップ、及び
前記ドライフィルムレジストパターンをマスクとして前記遮光層をエッチングすることにより、遮光パターンを形成するステップ
を含み
前記遮光パターンの隣接したパターン間の距離は、30μm以下であり、前記遮光パターンの厚さは、1μm以下であり、
前記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの合計は、10μm以上であり、
前記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした前記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比は、1以上であり、
前記遮光パターンは、Cu、Al、Ni及びこれらの合金のうち1種以上を含む、インプリント用フォトマスクの製造方法。
【請求項5】
前記遮光層上にドライフィルムレジストパターンを形成するステップは、
前記遮光層上にドライフィルムレジストを貼り合わせるステップ、及び
フォト工程及び現像工程を用いてドライフィルムレジストパターンを形成するステップを含む、請求項4に記載のインプリント用フォトマスクの製造方法。
【請求項6】
前記遮光パターンを形成するステップの後に、
前記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層を形成するステップをさらに含む、請求項4又は5に記載のインプリント用フォトマスクの製造方法。
【請求項7】
基板上にUV硬化型樹脂層を形成するステップ、及び
請求項1~3のいずれか一項に記載のインプリント用フォトマスクを用いて、前記UV硬化型樹脂層にインプリントフォト工程を行って隔壁パターンを形成するステップ
を含む隔壁パターンの製造方法。
【請求項8】
前記隔壁パターンの厚さは、10μm以上である、請求項7に記載の隔壁パターンの製造方法。
【請求項9】
前記隔壁パターンの線幅を基準にした前記隔壁パターンの厚さの比は、1以上である、請求項7又は8に記載の隔壁パターンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年5月30日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0061683号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、インプリント用フォトマスク及びこれの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気泳動方式の透過度可変フィルムは、反対電荷を持つ二枚の電極基板の間で形成される電場の方向と強さによって正又は負電荷に帯電された粒子が、特定に形成された電極に集中するか分散しながら光透過度が調節される機能性フィルムである。上記電気泳動方式の透過度可変フィルムは、外部から流入する光の透過と遮断が容易であって、建築用スマートウィンドウ、自動車用サンルーフ、透明ディスプレイの遮光フィルムなどとして活用されることができる。
【0004】
二枚の電極基板の間の帯電粒子溶液を一様に分布させるためには、セルギャップ(Cell Gap)の維持が必須であり、このために、二枚の電極基板のうち少なくとも一つの電極基板上に隔壁パターンが備えられなければならない。
【0005】
上記隔壁パターンを実現するにおいて、隔壁パターンの高さとアスペクト比が増加することによって、一般的なフォトリソグラフィ工程では、要求されるパターン形状を実現するのが難しい。
【0006】
したがって、当該技術分野においては、隔壁パターンの高さとアスペクト比を増加させることができる製造方法に関する技術の開発が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は、インプリント用フォトマスク及びこれの製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の一実施態様は、
透明基板;
上記透明基板上に備えられた遮光パターン;及び
上記遮光パターン上に備えられたドライフィルムレジスト(Dry Film Resist,DFR)パターン
を含むインプリント用フォトマスクを提供する。
【0009】
また、本願の別の実施態様は、
透明基板上に遮光層を形成するステップ;
上記遮光層上にドライフィルムレジストパターンを形成するステップ;及び
上記ドライフィルムレジストパターンをマスクとして上記遮光層をエッチングすることにより、遮光パターンを形成するステップ
を含むインプリント用フォトマスクの製造方法を提供する。
【0010】
また、本願の別の実施態様は、
基板上にUV硬化型樹脂層を形成するステップ、及び
上記インプリント用フォトマスクを用いて、上記UV硬化型樹脂層にインプリントフォト工程を行って隔壁パターンを形成するステップ
を含む隔壁パターンの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願の一実施態様によれば、上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比が1以上であるインプリント用フォトマスクを提供することができる。
【0012】
また、本願の一実施態様によれば、上記遮光パターンが、透明基板とドライフィルムレジストパターンとの間に備えられることにより、従来の技術の問題点である遮光層のピンホールの発生、モールドパターンの損傷などを防止することができる。
【0013】
また、本願の一実施態様によれば、上記インプリント用フォトマスクを用いて隔壁パターンを製造することにより、厚さ10μm以上、アスペクト比1以上を満す隔壁パターンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクを概略的に示す図である。
図2】本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクを概略的に示す図である。
図3】本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクの製造方法を概略的に示す図である。
図4】本願の一実施態様に係る隔壁パターンの製造方法を概略的に示す図である。
図5】本願の一実施態様であって、実験例1のドライフィルムレジストの現像工程後の画像を示す図である。
図6】本願の一実施態様であって、実験例1に係るインプリント用フォトマスクのSEM画像、透過モード画像及び反射モード画像を示す図である。
図7】本願の一実施態様であって、実験例1に係る隔壁パターンのSEM画像を示す図である。
図8】本願の一実施態様に係る遮光パターンの隣接したパターン間の距離及び厚さを示す図である。
図9】本願の一実施態様であって、実験例3のインプリント用フォトマスクを概略的に示す図である。
図10】本願の一実施態様であって、実験例4のインプリント用フォトマスクを概略的に示す図である。
図11】本願の一実施態様であって、実験例4に係るインプリント用フォトマスクの透過モード画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願について詳細に説明する。
【0016】
本願において、「透明」は、可視光線領域(400nm~700nm)で約80%以上の透過率特性を有することを意味することにする。
【0017】
通常、電気泳動方式の透過度可変フィルムを製造するためには、透明電極フィルムと金属パターン電極フィルムの使用が必須である。また、2枚の電極フィルムの間に(-)帯電されたカーボンブラック粒子分散溶液のような電気泳動物質を注液するためには、セルギャップ(cell gap)の維持が必要であり、このために、ボールスペーサー、カラムスペーサーパターン又は隔壁パターンの具備が要求されていた。
【0018】
上記隔壁パターンの製造の際に、感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィ工程を適用する場合には、広い面積に均一な線幅の隔壁パターンを実現するのに限界がある。これはフォトマスクと感光性樹脂組成物層の露光ギャップ均一性及び感光性樹脂組成物層の塗布均一性に起因する。
【0019】
上述した通り、隔壁パターンを実現するにおいて、パターンの高さとアスペクト比が増加することによって、一般的なフォトリソグラフィ工程では、要求されるパターン形状を実現するのが難しい。
【0020】
高段差、高アスペクト比を有する隔壁パターンを形成するために、インプリント工程を用いる方法を考慮することができるが、一般的なインプリント工程では、隔壁パターン部以外の領域に樹脂組成物が残存する問題が発生し、これを除去するためには、スカム除去(de‐scum)工程が追加されて、製造コストが増加する問題が発生する。
【0021】
また、上記問題点を解決するために、インプリントモールドの凸部に選択的に遮光層を導入する方法を考慮することができるが、上記遮光層をインプリントモールドの上部に蒸着する工程で、ピンホール及びモールドパターンの損傷が発生するおそれがあり、インプリントモールドの凹部に不要に蒸着されている遮光層を選択的に除去するためには、別途のレジスト転写工程及びエッチング工程が追加される問題が発生する。
【0022】
そこで、本願においては、高段差、高アスペクト比を有する隔壁パターンを製造することができるインプリント用フォトマスク及びこれの製造方法を提供しようとする。
【0023】
本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクは、透明基板;上記透明基板上に備えられた遮光パターン;及び上記遮光パターン上に備えられたドライフィルムレジスト(Dry Film Resist,DFR)パターンを含む。
【0024】
本願の一実施態様において、上記透明基板は、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性に優れたガラス基材又は透明プラスチック基材であってもよいが、これに限定されず、電子素子に通常使用される透明基材であれば、制限されない。具体的に、上記透明基材としては、ガラス;ウレタン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエステル樹脂;(メタ)アクリレート系高分子樹脂;ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などからなるものであってもよい。
【0025】
本願の一実施態様において、上記遮光パターンは、Cu、Al、Cr、Ni及びこれらの合金のうち1種以上を含むことができる。
【0026】
上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離は、30μm以下であってもよく、5μm~30μmであってもよい。上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離が30μmを超過する場合、インプリント用フォト工程を通じて製造された隔壁パターンの線幅が過度に増加して、透過度可変フィルムの透過度可変範囲が減少するという問題が発生するおそれがある。また、上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離が5μm未満の場合には、遮光パターンを形成するために遮光層上部のDFRパターンのパターン間の距離を5μm未満に形成しなければならないが、一般的な平行光露光機の使用では、これを実現するのが不可能である。
【0027】
また、上記遮光パターンの厚さは、1μm以下であってもよく、0.1μm~1μmであってもよい。上記遮光パターンの厚さが1μmを超過する場合、遮光層をエッチングした後にドライフィルムレジストパターンに対する遮光パターンの線幅が過度に減少することによって、ドライフィルムレジストパターンの下部にアンダーカットが形成される問題が発生し得る。この場合、隔壁パターンを形成する工程中に硬化が完了した隔壁パターンがインプリントフォトマスクから脱着されない問題が発生するおそれがある。上記遮光パターンの厚さが0.1μm未満の場合、遮光層にピンホールが多発する問題が発生するおそれがあるので、上記遮光パターンの厚さは、0.1μm以上であることが好ましい。
【0028】
本願において、上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離は、それぞれの遮光パターンの一側面から隣接する遮光パターンの一側面までの最短距離を意味する。また、上記遮光パターンの厚さは、遮光パターンの上記透明基板と接する界面から界面の反対面までの距離を意味する。
【0029】
下記図8に、本願の一実施態様に係る遮光パターンの隣接したパターン間の距離100を示す。
【0030】
本願の一実施態様において、上記ドライフィルムレジストは、上記遮光パターン上に備えられ、上記遮光パターンに対応する領域に備えられることができる。
【0031】
上記ドライフィルムレジストは、当該技術分野に知られている材料を含むことができる。より具体的に、上記ドライフィルムレジストは、メタクリレートとその誘導体、アクリレートとその誘導体、メタクリロイルオキシエチル酸ホスフェート及びフタル酸誘導体のメタクリレートから構成された群より選択された単官能性単量体;ジメタクリレートとその誘導体、ジアクリレートとその誘導体、トリメタクリレートとその誘導体、テトラメタクリレートとその誘導体、トリアクリレートとその誘導体及びテトラアクリレートとその誘導体から構成された群より選択された多官能性単量体;及びこれらの混合物の中から選択された光重合単量体から製造されたものであってもよい。一般的に、ドライフィルムレジストの感光層組成は、光によって光重合をする光重合単量体(多官能性単量体)、光重合が起きるように光によってラジカルやラジカルを誘導する光重合開始剤、光重合組成物の機械的強度とテンディング性及び接着性を付与するバインダーポリマー、そして染料と安定剤、接着促進剤、熱重合防止剤などの添加剤を含むことができる。
【0032】
本願の一実施態様において、上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの合計は、10μm以上であってもよく、10μm~50μmであってもよい。
【0033】
本願において、上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの合計は、遮光パターンの上記透明基板と接する界面からドライフィルムレジストパターンの遮光パターンと接する界面の反対面までの距離を意味する。
【0034】
下記図8に、本願の一実施態様に係る遮光パターン及びフィルムレジストパターンの厚さの合計110を示す。
【0035】
また、上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比は、1以上であってもよく、1~3であってもよい。上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比が1未満の場合、インプリントフォト工程を通じて製造された隔壁パターンの面積が増加することによって透過度可変範囲が減少する問題が発生するおそれがある。
【0036】
本願の一実施態様において、上記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層をさらに含むことができる。
【0037】
上記離型層は、フッ素系及びシリコーン系離型材料が混合した形態の層を導入することができ、上記離型層の厚さは、100nm以下であることが好ましいが、これにのみ限定されるものではない。上記離型層を形成する方法は、ウェットコーティング(wet coating)法、気相蒸着法などがあり、段差を有する表面に均一な離型層を導入するためには、気相蒸着法が有利である。
【0038】
上記離型層の導入を通じて、インプリントフォト工程を通じて硬化したUV硬化型樹脂パターンが、上記インプリント用フォトマスクから容易に分離されることができる。
【0039】
本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクを、下記図1及び図2に概略的に示す。下記図1のように、本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクは、透明基板10;上記透明基板10上に備えられた遮光パターン20;及び上記遮光パターン20上に備えられたドライフィルムレジストパターン30を含む。また、下記図2のように、本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクは、上記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層40をさらに含むことができる。
【0040】
また、本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクの製造方法は、透明基板上に遮光層を形成するステップ;上記遮光層上にドライフィルムレジストパターンを形成するステップ;及び上記ドライフィルムレジストパターンをマスクとして上記遮光層をエッチングすることにより、遮光パターンを形成するステップを含む。
【0041】
本願の一実施態様において、上記透明基板上に遮光層を形成するステップは、当該技術分野に知られている方法を用いることができる。より具体的に、上記透明基板上に遮光層を形成するステップは、蒸着工程などを用いることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0042】
本願の一実施態様において、上記遮光層上にドライフィルムレジストパターンを形成するステップは、上記遮光層上にドライフィルムレジストを貼り合わせるステップ;及びフォト工程及び現像工程を用いてドライフィルムレジストパターンを形成するステップを含むことができる。
【0043】
本願の一実施態様において、上記遮光パターンを形成するステップの後に、上記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層を形成するステップをさらに含むことができる。上記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層を形成するステップは、当該技術分野に知られている方法を用いることができる。より具体的に、上記インプリント用フォトマスク上の全面に離型層を形成するステップは、蒸着工程などを用いることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0044】
本願の一実施態様によれば、透明基板上に遮光層を形成した後、その上部にドライフィルムレジストパターンを形成するので、別途のレジスト転写工程が必要でない。すなわち、本願の一実施態様によれば、ドライフィルムレジストパターンがインプリントモールドの役割と、遮光層の選択的エッチングのためのレジストの役割とを同時に果たすことができる。
【0045】
本願の一実施態様に係るインプリント用フォトマスクの製造方法を、下記図3に概略的に示す。
【0046】
また、本願の一実施態様に係る隔壁パターンの製造方法は、基板上にUV硬化型樹脂層を形成するステップ、及び上記インプリント用フォトマスクを用いて、上記UV硬化型樹脂層にインプリントフォト工程を行って隔壁パターンを形成するステップを含む。
【0047】
本願の一実施態様において、上記UV硬化型樹脂層は、当該技術分野に知られている材料を用いることができ、より具体的に、上記UV硬化型樹脂層は、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマー、光開始剤などを1種以上含むことができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0048】
本願の一実施態様において、上記隔壁パターンの厚さは、10μm以上であってもよく、10μm~50μmであってもよい。また、上記隔壁パターンの線幅は、30μm以下であってもよく、5μm~30μmであってもよい。
【0049】
また、上記隔壁パターンの線幅を基準にした上記隔壁パターンの厚さの比は、1以上であってもよく、1~3であってもよい。
【0050】
本願の一実施態様に係る隔壁パターンの製造方法を、下記図4に概略的に示す。
【0051】
また、本願の一実施態様は、上記隔壁パターンを含む透過度可変フィルムを提供する。
【0052】
本願の一実施態様に係る透過度可変フィルムは、上述した隔壁パターンを含むこと以外には、当該技術分野に知られている材料及び方法を用いて形成することができる。
【0053】
例えば、上記透過度可変フィルムは、上記隔壁パターンフィルム上に第2電極パターンが備えられた第2透明基板が備えられることができる。上記隔壁パターンの電極層と上記第2電極パターンとの間には(-)帯電されたナノ粒子を含む。
【0054】
上記(-)帯電されたナノ粒子は、カーボンブラックナノ粒子であってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0055】
上記透過度可変フィルムは、上述したような透過度可変フィルムを準備した後、上記隔壁パターンの電極層と第2電極パターンとの間に(-)帯電されたナノ粒子が分散した溶液を注入する方法などを用いて製造することができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0056】
本願において、上記透過度可変フィルムは、電気泳動方式で駆動されることができる。本願の一実施態様に係る透過度可変フィルムがOFFモードの場合には、透過度が減少し、電極層及び第2電極パターンに電圧が印加されたONモードの場合には、電気泳動現象によって(-)帯電されたナノ粒子が(+)電極である金属パターンに密集して透過度が増加することができる。
【0057】
以下、実施例を通じて、本明細書に記載された実施態様を例示する。しかしながら、以下の実施例によって、上記実施態様の範囲が限定されることを意図するものではない。
【0058】
<実施例>
<実験例1>
1)インプリント用フォトマスクの作製
厚さ250μmのPETフィルムの上部に真空蒸着方式を用いてCuを200nmの厚さで形成した。上記Cu蒸着フィルムの上部に25μm厚さのDFR(旭化成社)を温度110℃、圧力0.4MPa、ロールスピード1.5m/minの条件でロール貼り合わせした。上記積層体のDFR具備面と、線幅25μm、線間距離が500μmであり、中央部にドット(Dot)パターンを含むフォトマスクとを、常温で貼り合わせた後、365nm波長の平行光露光機を活用して、150mJ/cmの条件で露光した。露光完了した上記積層体を1wt%のNaCO水溶液を用いて2分間スプレー現像して、凹部の線幅が21μm、DFRパターンの線幅が500μm及び凹部の深さが25μmであるDFRパターンを形成した。
【0059】
上記ドライフィルムレジストの現像工程後の画像を、下記図5に示す。
【0060】
5wt%の塩化第二鉄水溶液を用いて30秒間スプレーエッチングして、DFRが備えられていない領域の露出したCu層をエッチングした。
【0061】
上記Cu層が選択的にエッチングされたDFRパターンフィルム上に気相蒸着法を用いてフッ素系及びシリコーン系離型材料が混合した形態の離型層を100nmの厚さで形成して、インプリント用フォトマスクを完成した。製造されたインプリント用フォトマスクの構造は、下記図2の通りである。
【0062】
上記インプリント用フォトマスクのSEM画像、透過モード画像及び反射モード画像を、下記図6に示す。上記反射モードは、インプリント用フォトマスクの上部に照明が位置して反射する光を画像で確認したものであり(反射率の差を画像化)、透過モードは、インプリント用フォトマスクの背面に照明が位置して光を透過する領域と遮光される領域を画像で確認したものである(吸収率の差を画像化)。
【0063】
2)透明UV硬化型樹脂組成物の製造
下記表1の組成で透明UV硬化型樹脂組成物を製造した。
【0064】
【表1】
【0065】
3)隔壁パターンフィルムの製造
シート抵抗が150Ω/sqであるITOフィルムの上部に上記透明UV硬化型樹脂組成物を塗布した後、上記インプリント用フォトマスクを圧力0.5MPa、速度0.1mpmでロールプレスした。上記積層体の上部で365nm波長のUV硬化器を用いて250mJ/cmの露光エネルギーを照射した後、インプリント用フォトマスクをITOフィルムから分離して、隔壁パターンが備えられているITOフィルムを製造した。
【0066】
上記インプリントフォト工程を通じて製造された隔壁パターンの線幅は21.2μm、高さは 25μmであり、線間間隔は500μmであった。
【0067】
上記隔壁パターンのSEM画像を、下記図7に示す。
【0068】
<実験例2>
1)インプリント用フォトマスクの作製
50μm厚さのDFR(旭化成社)を使用したこと以外には、実験例1と同様の方法でインプリントフォトマスクを作製した(凹部の線幅が20μm、DFRパターンの線幅が500μm及び凹部の深さが50μm)。製造されたインプリント用フォトマスクの構造は、下記図2の通りである。
【0069】
2)透明UV硬化型樹脂組成物の製造
実験例1と同様に行った。
【0070】
3)隔壁パターンフィルムの製造
実験例1と同様に行った。
【0071】
上記インプリントフォト工程を通じて製造された隔壁パターンの線幅は20μm、高さは50μmであり、線間間隔は500μmであった。
【0072】
<実験例3>
1)インプリント用フォトマスクの作製
厚さ250μmのPETフィルムの上部に電解めっき方式を用いてCuを8μmの厚さで形成した。上記Cuめっきフィルムの上部に、25μm厚さのDFR(旭化成社)を温度110℃、圧力0.4MPa、ロールスピード1.5m/minの条件でロール貼り合わせした。上記積層体のDFR具備面と、線幅25μm、線間距離が500μmであり、中央部にドットパターンを含むフォトマスクとを、常温で貼り合わせた後、365nm波長の平行光露光機を活用して、150mJ/cmの条件で露光した。露光完了した上記積層体を1wt%のNaCO水溶液を用いて2分間スプレー現像して、凹部の線幅が20μm、DFRパターンの線幅が500μm及び凹部の深さが25μmであるDFRパターンを形成した。
【0073】
5wt%の塩化第二鉄水溶液を用いて180秒間スプレーエッチングして、DFRが備えられていない領域の露出したCu層をエッチングした。
【0074】
上記Cu層が選択的にエッチングされたDFRパターンフィルム上に気相蒸着法を用いてフッ素系及びシリコーン系離型材料が混合した形態の離型層を100nmの厚さで形成して、インプリント用フォトマスクを完成した。製造されたインプリント用フォトマスクの構造は、下記図9の通りである。
【0075】
2)透明UV硬化型樹脂組成物の製造
実験例1と同様に行った。
【0076】
3)隔壁パターンフィルムの製造
実験例1と同様に行ったが、インプリントフォトマスクから隔壁パターンが分離できなくて、パターンの実現が不可能であった。
【0077】
上記実験例3の結果のように、上記遮光パターンの厚さが1μmを超過する場合、遮光層をエッチングした後にドライフィルムレジストパターンに対する遮光パターンの線幅が過度に減少することによって、下記図9のようにドライフィルムレジストパターンの下部にアンダーカットが形成される問題が発生し得る。この場合、隔壁パターンを形成する工程中に硬化が完了した隔壁パターンがインプリントフォトマスクから脱着されない問題が発生するおそれがある。
【0078】
したがって、本願の一実施態様において、上記遮光パターンの厚さが1μm以下であることがより好ましい。
【0079】
<実験例4>
1)インプリント用フォトマスクの作製
厚さ250μmのPETフィルムの上部に25μm厚さのDFR(旭化成社)を温度110℃、圧力0.4MPa、ロールスピード1.5m/minの条件でロール貼り合わせした。上記積層体のDFR具備面と、線幅25μm、線間距離が500μmであり、中央部にドットパターンを含むフォトマスクとを、常温で貼り合わせた後、365nm波長の平行光露光機を活用して、150mJ/cmの条件で露光した。露光完了した上記積層体を1wt%のNaCO水溶液を用いて2分間スプレー現像して、凹部の線幅が20μm、DFRパターンの線幅が500μm及び凹部の深さが25μmであるDFRパターンを形成した。
【0080】
上記積層体の上部に真空蒸着方式を用いてCuを200nmの厚さで形成した後、反転オフセット印刷工程を用いて、上記積層体の凸部にエッチングレジスト層を形成した。
【0081】
5wt%の塩化第二鉄水溶液を用いて30秒間スプレーエッチングして、エッチングレジスト層が備えられていない領域の露出したCu層をエッチングした。
【0082】
上記Cu層が選択的にエッチングされたDFRパターンフィルム上に、気相蒸着法を用いてフッ素系及びシリコーン系離型材料が混合した形態の離型層を100nmの厚さで形成して、インプリント用フォトマスクを完成した。製造されたインプリント用フォトマスクの構造は、下記図10の通りである。
【0083】
2)透明UV硬化型樹脂組成物の製造
実験例1と同様に行った。
【0084】
3)隔壁パターンフィルムの製造
実験例1と同様に行った。
【0085】
上記インプリントフォト工程を通じて製造された隔壁パターンの線幅は20μm、高さは25μmであり、線間間隔は500μmであった。
【0086】
<実験例5>
上記実験例1~4のインプリント用フォトマスクの特性、遮光パターンのピンホール不良の評価、パターン成形特性などを、下記表2に記載する。また、上記実験例4に係るインプリント用フォトマスクの透過モード画像を、下記図11に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
アスペクト比:(DFRの厚さ+遮光パターンの厚さ)/遮光パターンの隣接したパターン間の距離
【0089】
上記結果のように、本願の一実施態様によれば、上記遮光パターンの隣接したパターン間の距離を基準にした上記遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの比が1以上であるインプリント用フォトマスクを提供することができる。
【0090】
また、本願の一実施態様によれば、上記遮光パターンが、透明基板とドライフィルムレジストパターンとの間に備えられることにより、従来の技術の問題点である遮光層のピンホール発生、モールドパターンの損傷などを防止することができる。
【0091】
また、本願の一実施態様によれば、上記インプリント用フォトマスクを用いて隔壁パターンを製造することにより、厚さ10μm以上、アスペクト比1以上を満す隔壁パターンを製造することができる。
【符号の説明】
【0092】
10:透明基板
20:遮光パターン
30:ドライフィルムレジストパターン
40:離型層
50:遮光層
60:ドライフィルムレジスト
70:UV硬化型樹脂層
80:隔壁パターン
90:基板
100:遮光パターンの隣接したパターン間の距離
110:遮光パターン及びドライフィルムレジストパターンの厚さの合計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11