(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】エラー通知システム、本体装置、操作部装置、エラー通知方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220524BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20220524BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220524BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220524BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/46 Z
H04N1/00 350
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 500
(21)【出願番号】P 2018043630
(22)【出願日】2018-03-09
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井川 拓
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-238219(JP,A)
【文献】特開2014-241494(JP,A)
【文献】特開2015-108940(JP,A)
【文献】特開2014-146098(JP,A)
【文献】特開2012-119751(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0116760(US,A1)
【文献】特開2011-198195(JP,A)
【文献】特開2003-312107(JP,A)
【文献】特開2002-344682(JP,A)
【文献】特開2011-198238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置に生じたエラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段が検出した前記エラーの優先度を判断する優先度判断手段と、
前記エラーの優先度を操作部装置に送信する送信手段と、を有する本体装置と、
前記本体装置から前記エラーの優先度を受信する受信手段と、
前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するエラー通知手段と、
前記操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネルと、を有し、
前記エラー通知手段は、前記タッチパネルが、前記エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知する操作部装置と、
を有するエラー通知システム。
【請求項2】
前記タイミング決定手段は、前記操作部装置において動作するアプリの利用状況に基づいて、前記エラーの通知タイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載のエラー通知システム。
【請求項3】
前記操作部装置は、前記エラーの優先度が閾値以上か否かを判断する優先度判断手段を有し、
前記優先度判断手段は、前記優先度判断手段が前記エラーの優先度が閾値以上であると判断した場合、前記タイミング決定手段に前記エラーの通知タイミングを決定させることなく、即座に前記エラーを通知させることを特徴とする請求項1又は2に記載のエラー通知システム。
【請求項4】
前記エラー通知手段は、エラー画面を表示することでエラーを通知するものであり、
前記操作部装置で実行されるアプリが画面を表示している場合、前記タイミング決定手段が前記エラーの通知タイミングを決定し、
前記操作部装置で実行されるアプリが画面を表示していない場合、前記エラーの優先度が閾値未満であっても、前記優先度判断手段は、前記タイミング決定手段に前記エラーの通知タイミングを決定させることなく、即座に前記エラーを通知させることを特徴とする請求項3に記載のエラー通知システム。
【請求項5】
前記タイミング決定手段は、前記エラーが生じた機能が使用されたタイミングを前記エラーの通知タイミングに決定することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエラー通知システム。
【請求項6】
前記受信手段は、前記操作部装置で実行されるエラー通知を行う第一のアプリが有する機能であり、
前記タイミング決定手段は、前記操作部装置で実行される第二のアプリが有する機能であり、
前記エラーが検出された旨を前記第一のアプリが前記第二のアプリに通知すると、
前記タイミング決定手段が前記エラーの通知タイミングを決定することを特徴とする請求項5に記載のエラー通知システム。
【請求項7】
前記エラー通知手段は、前記操作部装置で実行されるエラー通知を行う第一のアプリが有する機能であり、
前記タイミング決定手段は、前記操作部装置で実行される第二のアプリが有する機能であり、
前記第二のアプリが前記エラーを通知するタイミングであることを前記第一のアプリに通知すると、
前記エラー通知手段が、前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知することを特徴とする請求項6に記載のエラー通知システム。
【請求項8】
本体装置からエラーの優先度を受信する受信手段と、
前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するエラー通知手段と、
操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネルと、を有し、
前記エラー通知手段は、前記タッチパネルが、前記エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知する操作部装置と通信する本体装置であって、
本体装置に生じた
前記エラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段が検出した前記エラーの優先度を判断する優先度判断手段と、
前記エラーの優先度を操作部装置に送信する送信手段と、を有する本体装置。
【請求項9】
本体装置と通信する操作部装置であって、
前記本体装置から前記本体装置に生じたエラーの優先度を受信する受信手段と、
前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するエラー通知手段と、
操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネルと、を有し、
前記エラー通知手段は、前記タッチパネルが、エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知する操作部装置。
【請求項10】
本体装置が、本体装置に生じたエラーを検出するステップと、
前記エラーを検出するステップで検出された前記エラーの優先度を判断するステップと、
前記エラーの優先度を操作部装置に送信するステップと、を有し、
前記操作部装置が、前記本体装置から前記エラーの優先度を受信するステップと、
前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するステップと、
前記エラーの通知タイミングを決定するステップで決定された前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するステップと、を有し、
前記操作部装置は、前記操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネル、を有し、
前記エラーを通知するステップでは、前記タッチパネルが、エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知するエラー通知方法。
【請求項11】
本体装置に生じたエラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段が検出した前記エラーの優先度を判断する優先度判断手段と、
前記エラーの優先度を操作部装置に送信する送信手段と、を有する本体装置と通信する操作部装置を、
前記本体装置から前記エラーの優先度を受信する受信手段と、
前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するタイミング決定手段と、
前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するエラー通知手段、として機能させ、
前記操作部装置は、前記操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネル、を有し、
前記エラー通知手段は、前記タッチパネルが、エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エラー通知システム、本体装置、操作部装置、エラー通知方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では紙詰まりなどのエラーが発生した場合、操作パネルにエラーの内容やエラーの解消方法(以下、単にエラー画面という)を表示することが一般的である。近年、本体と操作部が別々のOS(Operating System)を有し、本体と操作部が通信することにより操作部に入力された印刷設定などが本体に通知される画像形成装置が知られるようになった。このような画像形成装置においても本体がエラーを検出した場合は、エラーの内容が操作部に送信され、操作部が適切なエラー画面を表示する。
【0003】
また、画像形成装置と通信する端末装置がエラー画面を表示する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、トラブルを検出すると通信可能な端末装置の有無に応じて端末装置へのエラー通知要否を判断し、エラー通知が必要な場合に端末装置に通知する画像形成装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ユーザにとって適切なタイミングでエラーを通知できないという問題がある。例えば、本体が要求したタイミングで操作部がエラー画面を表示するため、ユーザが操作部で何らかのアプリ等を実行していて操作部がこのアプリの画面を表示中でも、エラー画面が表示されてしまう。つまり、ユーザに対しエラー画面以外の画面を提示できなくなってしまう。この不都合を解消するため、ユーザが操作部で実行しているアプリの画面をエラー画面よりも優先して表示するだけではエラーを通知するタイミングが失われてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザにとって適切なタイミングでエラーを表示できるエラー通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、本体装置に生じたエラーを検出するエラー検出手段と、前記エラー検出手段が検出した前記エラーの優先度を判断する優先度判断手段と、前記エラーの優先度を操作部装置に送信する送信手段と、を有する本体装置と、前記本体装置から前記エラーの優先度を受信する受信手段と、前記エラーの優先度が閾値未満の場合に、前記エラーの通知タイミングを決定するタイミング決定手段と、前記タイミング決定手段が決定した前記エラーの通知タイミングで前記エラーを通知するエラー通知手段と、前記操作部装置に対する操作を受け付けるタッチパネルと、を有し、前記エラー通知手段は、前記タッチパネルが、前記エラーが生じた機能の使用をユーザから受け付けたタイミングで、前記エラーを通知する操作部装置と、を有するエラー通知システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
ユーザにとって適切なタイミングでエラーを表示できるエラー通知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の画像形成装置の動作の概略を説明する図の一例である。
【
図2】本実施形態の画像形成装置の外観斜視図の一例である。
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】画像形成装置が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【
図5】エラー通知に含まれる情報を説明する図の一例である。
【
図6】画像形成装置がエラー画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【
図7】優先度判断部がエラー優先度に応じてエラー画面の表示タイミングを切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。
【
図9】優先度判断部がエラー優先度に応じてエラー画面の表示タイミングを切り替える手順を示すフローチャート図の一例である(エラー優先度が3つの場合)。
【
図10】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、画像形成装置と画像形成装置が行うエラー通知方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<画像形成装置の動作の概略>
図1は、本実施形態の画像形成装置の動作の概略を説明する図の一例である。本実施形態の画像形成装置100は、本体10から操作部20に対してエラー優先度を送信し、緊急性が低い場合には操作部20で動作するアプリケーションソフト(以下、アプリという)にとって都合がよいタイミングでエラーを通知する。なお、
図1では説明を分かりやすくするため、本体10(本体装置の一例)と操作部20(操作部装置の一例)が離れているが、操作部20は本体10に固定されていても着脱可能でも全く別の装置でもよい。
(1)何らかのエラーが画像形成装置100の本体10で発生する。
(2)画像形成装置100の本体10はエラー優先度とエラー種別を含むエラー通知を操作部20に送信する。操作部20では、エラー処理アプリとその他アプリがインストールされている。その他アプリとは操作部20に画面を表示しているアプリである。
(3)エラー優先度が高の場合、操作部20のエラー処理アプリはエラー通知を受信したら即座にエラー画面を表示する。
(4)エラー優先度が低の場合、エラー処理アプリは画面を表示中のその他アプリにエラーが発生した旨を通知し、その他アプリがエラー画面の表示に都合がよいタイミングになるとエラー画面を表示する。したがたって、その他アプリが画面を表示中の場合、その他アプリの画面が継続して表示される。エラー画面の表示に都合がよいタイミングの一例として、エラーが発生した機能をユーザが使用する操作を行ったタイミングがある。
(5)その他アプリはエラー画面の表示に都合がよいタイミングになると、エラー画面表示要求を出力する。エラー処理アプリはその他アプリからエラー画面表示要求を取得すると、操作部20にエラー画面を表示する。
【0011】
このように、エラー優先度が閾値未満の場合は、その他アプリがエラー画面の表示タイミングを決定する。その他アプリは例えば、エラーが発生した機能をユーザが使用する操作を行った場合など、その他アプリにとって都合がよいタイミングでエラー画面を表示できる。また、エラーが発生した機能を使用する際にはユーザがエラーを解消する必要があるので、その他アプリを使用するユーザにとっても都合がよいタイミングでエラー画面を表示できる。一方、エラー優先度が高ければ即座にエラー画面を表示できる。
【0012】
<用語について>
エラーとは、正常な状態から逸脱した状態をいう。単に正常かそうでないかだけでなく、正常な状態から逸脱している程度を含んでよい。エラー優先度は、例えばエラーを正常な状態に戻すべき緊急度が高いほど高くなる。正常な状態からの逸脱の程度とエラー優先度は相関する傾向にあるが、正常な状態からの逸脱の程度とエラー優先度は一致しなくてよい。なお、エラーを異常、不具合、又は故障等と称してもよい。
【0013】
エラーの通知とは、少なくともエラーが発生したことを通知することをいう。直接的にエラーの発生を通知する他、エラーの解消方法を通知することで間接的にエラーが発生したことを通知してもよい。また、エラーの通知は、画面表示などのユーザが視覚で検知できる通知が好ましいが、音声メッセージなど聴覚で検知できる通知でもよい。
【0014】
エラー通知システムは、エラーが生じうるシステム又は装置のエラーを検知するシステム又は装置である。エラー通知システムはエラーが生じうるシステム又は装置とは別のシステム又は装置でもよい。本実施形態では画像形成装置を例にして説明する。
【0015】
<画像形成装置の構成例>
図2は、本実施形態の画像形成装置100の外観斜視図の一例である。画像形成装置100は、主に本体10と操作部20を有している。本体10は画像形成装置100が有する機能を実現するための稼働部を含み、操作部20はユーザに情報を表示しまたユーザの操作を受け付けるユーザインタフェースを提供する。
【0016】
本体10は、大きく分けると、スキャナ部101とプリンタ部102を有している。スキャナ部101は、コンタクトガラス上の原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。
図2では、コンタクトガラス上にADF103(Auto Document Feeder)が搭載されている。ADF103は自動的に原稿を紙送りする装置である。
【0017】
プリンタ部102は、PC(Personal Computer)からの印刷データ又はスキャナ部101が読み取った画像データにガンマ変換などの画像処理を施して、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成方式で用紙などの記録媒体に画像を印刷する。あるいは、ファクスで受信した画像データを記録媒体に印刷する。
【0018】
プリンタ部102は、1つ以上の用紙トレイ104と手差しトレイ105を有する。使用時の手差しトレイ105は本体10の右側に開放される。また、プリンタ部102はスキャナ部101の下方に排紙トレイ106を有し、画像が形成された記録媒体は排紙トレイ106に排紙される。
【0019】
図2では、本体10の手前に操作部20が固定又は脱着可能に取り付けられている。図示する操作部20の取り付け位置はあくまで一例であって、本体10の側面、又はスキャナ部101の周辺等に取り付けられてもよい。また、画像形成装置100が複数の操作部20を有していてもよい。
【0020】
なお、画像形成装置100は複合機と呼ばれる場合がある。すなわち、画像形成装置100は、用紙などの印刷媒体に画像を形成するプリンタ機能、スキャナとプリンタ機能により実現されるコピー機能、スキャナと電話回線(又はネットワーク)により実現されるFAX機能、データを蓄積する機能等を有していてもよい。また、画像形成装置100は、これらの機能を反映して、プリンタ、複写機、コピー機、FAX装置などと呼ばれていてもよい。なお、画像形成装置100が複合機の場合、MFP(Multi-Function Peripherals)と呼ばれる場合がある。画像形成装置100は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、又は、データを蓄積する機能の1つ以上を有すれば、他の機能を有していなくてもよい。
【0021】
一方で、本実施形態の画像形成装置100は本体10と操作部20が通信する情報処理装置又は電子機器の一例に過ぎない。例えば、電子黒板、プロジェクタ、テレビ会議端末等の機器でも、本体10と操作部20とが通信して操作部20が画面を表示する機器があれば、本実施形態を適用できる。
【0022】
<画像形成装置のハードウェア構成例>
図3は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、画像形成装置100は、本体10と、操作部20と、を備える。本体10と操作部20は相互に通信可能である。
【0023】
なお、本体10は、操作部20で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
【0024】
次に、本体10のハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、本体10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、通信I/F(Interface)15と、接続I/F16と、エンジン部17と、を備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。説明の便宜上、
図3では、本体10はHDD14を有している構成を例に挙げて説明したが、例えばHDD14を有しておらず、十分な記憶領域を確保できない構成もあり得る。
【0025】
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12又はHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上記したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
【0026】
通信I/F15は、ネットワーク8と接続するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路30を介して操作部20と通信するためのインタフェースである。例えばUSB(Universal Serial Bus)規格などで通信すれば、通信と充電を1つのケーブルで行うことができる。
【0027】
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及び、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。更に、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。画像形成方式は電子写真方式でもインクジェット方式でもよい。
【0028】
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27と、を備え、これらがシステムバス28を介して相互に接続されている。これらは本体10と同様の機能を果たすものであるか、本体10と相違があるとしても本実施形態の説明の上では支障がないものとする。
【0029】
なお、操作パネル27は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイであり、タッチパネルを一体に備えることが好ましい。操作パネル27は表示装置及び入力装置として利用される。操作パネル27はソフトキーを表示してその押下を受け付ける。また、操作パネル27はハードキーを有していてもよい。
【0030】
説明の便宜上、
図3では、操作部20はフラッシュメモリ24を有している構成を例に挙げて説明したが、例えばフラッシュメモリ24を有していない構成もあり得る。
【0031】
<機能について>
図4は、画像形成装置100が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0032】
<<本体>>
本体10は、異常・故障検出部31、基本機能部32、エラー画面管理部33、状態監視部34、エラー優先度判断部35、及び、エラー通知部36を有する。本体10が有するこれらの機能は、
図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD14からRAM13に展開されたプログラムに従ったCPU11からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0033】
まず、基本機能部32は、ユーザ操作等に応じて本体10が有する基本的な機能を提供する。例えば、印刷機能、スキャナ機能、コピー機能、及び、FAX機能などを提供する。また、各機能の提供に必要なアクチュエータ(モータ、クラッチ等)の制御、スイッチのON/OFF、定着ユニットの温度制御、用紙やカバーの開閉などを検知するセンサの制御等を行う。
【0034】
状態監視部34は、基本機能部32を監視して本体10の状態を表す機器監視データを取得する。機器監視データは異常又は故障と関連性が高いと推測される本体10の状態を含むことが好ましい。例えば、紙詰まり、カバーオープン、用紙等の消耗品の残量低下等が機器監視データに含まれる。状態監視部34は機器監視データに基づいてエラーを検出得る。また、状態監視部34は次述するサービスコールが発せられたことを異常・故障検出部31から取得する。
【0035】
異常・故障検出部31は基本機能部32の異常又は故障を監視する。一般に、異常又は故障はサービスコールという所定の情報により保守サーバに通知される。異常又は故障も本体10の状態の一態様であるが、状態(機器監視データ)は本体10の状態に過ぎないのに対し、サービスコールは何らかの不具合が生じたことを意味する。多くのサービスコールは、ユーザだけでは復旧が困難な不具合が生じたことを示す。したがって、サービスコールが生じた場合はエラーが検出され、また、エラー優先度は高いと判断される傾向がある。
【0036】
エラー優先度判断部35は、状態監視部34からエラーに関する情報を取得すると、エラー優先度を判断する。エラーに関する情報は、紙詰まり、カバーオープン、用紙等の消耗品の残量低下等のエラーの内容である。また、サービスコールもエラーに関する情報となる。また、これらのエラーの内容からエラー種別が特定される。
【0037】
表1にエラー優先度を判断するためのテーブルを示す。
【0038】
【表1】
表1ではエラー優先度とエラー種別が対応付けられている。一例として、サービスコールのエラー優先度は高い(emergency)と判断し、それ以外の紙詰まりなどのエラーをエラー優先度が低い(normal)と判断する。
【0039】
エラー通知部36は、エラーが検出されたとエラー優先度判断部35が判断したエラーに関するエラー通知を操作部20に送信する。エラー通知にはエラー優先度とエラー種別が含まれる。エラー種別は、例えば、どのようなエラーが発生したのかを番号などで示す。
【0040】
エラー画面管理部33は、エラー画面を操作部20が表示するための画面データを管理している。画面データはエラー画面データDB39に記憶されている。エラー画面の画面データは静的なものと動的なものがある。静的な画面データは、機器の構成情報、エラー画面を生成するために必要となる画像、動画、及び、表示文言のデータなど、変化のない情報が含まれる。静的な画面データには、エラー内容、及びエラーの解消方法等がふくまれている。動的な画面データは、本体10の状態など、動的に変化する情報を含む。エラー画面管理部33はエラー画面の画面データを操作部20からの要求に応じて送信する。
【0041】
エラー画面データDB39には、少なくとも静的な画面データを記憶している。動的な画面データは都度、生成されるためエラー画面データDB39に記憶されていなくてもよい。画面データはエラー種別に対応付けられており、操作部20が画面データを取得するとエラー種別に対応付けられた静的な画面データを表示できる。なお、エラー画面データDB39は
図3に示されたROM12、RAM13、及びHDD14のいずれか1つ以上に構築される。
【0042】
<<操作部>>
まず、操作部20ではエラー処理アプリ40とその他アプリ50が動作する。エラー処理アプリ40はエラー画面を表示するなど、エラーをユーザに通知するアプリである。その他アプリ50は操作部20で動作する任意のアプリのうち、エラー発生時に画面を表示中のアプリである(エラー処理アプリ40は含まない)。例えば、プリントアプリ、コピーアプリ、スキャナアプリ、及び、FAXアプリなどがある。
【0043】
このようにエラー処理アプリ40がその他アプリ50とは独立のアプリであることで、その他アプリ50の変更を抑制して、操作部20がエラー画面を表示できる。一方、エラー処理アプリ40とその他アプリ50が通信する必要があるが、エラー処理アプリ40とその他アプリ50の開発元は同じ企業であるか又は関連があるので、比較的容易に通信することができる。
・エラー処理アプリ40
エラー処理アプリ40は、エラー画面取得部41、エラー通知受信部42、エラー画面表示部43、優先度判断部44、及び、アプリ通信部45を有する。エラー処理アプリ40が有するこれらの機能は、
図3に示された各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ24からRAM23に展開されたエラー処理アプリ40に従ったCPU21からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このエラー処理アプリ40は、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0044】
エラー通知受信部42は本体10から送信されるエラー通知を受信する。エラー通知受信部42はエラー通知をエラー画面取得部41と優先度判断部44に送出する。
【0045】
エラー画面取得部41は、エラー画面の画面データを本体10から取得する。まず、操作部20において初めて起動された時に、静的な画面データを本体10から取得し、エラー通知が受信された時にエラー通知に対応した動的な画面データを本体10から取得する。エラー画面取得部41は静的な画面データと動的な画面データをエラー画面表示部43に送出する。
【0046】
優先度判断部44は、エラー通知に含まれるエラー優先度が閾値以上か否かを判断する。閾値以上の場合、エラー画面表示部43にエラー画面を表示させる。閾値未満の場合、アプリ通信部45に、エラーが発生した旨をその他アプリ50に通知させる。
【0047】
アプリ通信部45はその他アプリ50と通信する。操作部20ではOS(Operating System)が動作しているので、必要に応じてOSを介して通信する。まず、エラーが発生した旨をその他アプリ50に通知し、その他アプリ50からエラー画面表示要求を受信する。エラー画面表示要求を受信するとエラー画面表示部43にエラー画面を表示させる。
【0048】
エラー画面表示部43は、エラー種別に対応付けられた静的なエラー画面の画像データ及び動的なエラー画面の画面データを使ってエラー画面を操作パネル27に表示する。
【0049】
・その他アプリ50
その他アプリ50は、通信部46、及び、タイミング判断部47を有する。その他アプリ50が有するこれらの機能は、
図3に示された各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ24からRAM23に展開されたその他アプリ50に従ったCPU21からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このその他アプリ50は、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0050】
通信部46は、エラー処理アプリ40と通信する。まず、エラーが発生した旨をその他アプリ50から受信し、エラー処理アプリ40にエラー画面表示要求を送信する。タイミング判断部47は、エラー画面を表示させるタイミングであるか否かを判断する。このタイミングは、上記のように、その他アプリ50にとってエラー画面を表示するのに都合がよいタイミングである。
【0051】
<エラー通知について>
図5は、エラー通知に含まれる情報を説明する図の一例である。エラー通知には上記のように、エラー優先度とエラー種別が含まれる。
図5ではエラー優先度として「emergency」と「normal」がある。「emergency」は高い優先度に対応し、「normal」は低い優先度に対応する。
【0052】
エラー種別はどのようなエラーが生じたかを示す。「service_call」はサービスコールを示す。サービスコールはその種類ごとに番号で示される。「jam」は用紙詰まり又は原稿詰まりを示し、「cover_open」はカバーが開放されていることを示し、「stapl_end」はステイプルの残量がゼロになったことを示す。
【0053】
<動作手順>
図6は、本実施形態の画像形成装置100がエラー画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0054】
S1:操作部20で動作するエラー処理アプリ40は、初回起動時に、エラー画面の表示のために必要な静的な画面データを本体10から取得する。静的な画面データはネットワーク上から取得してもよいし、可搬型の記憶媒体から読み取ってもよい。
【0055】
S2:本体10の状態監視部34がサービスコール又は機器監視データに基づいてエラーを検知したものとする。
【0056】
S2.1:エラーが検知されるとエラー優先度判断部35は表1のテーブルを参照してエラー優先度を判断し、エラー通知部36がエラー優先度とエラー種別を含むエラー通知を操作部20のエラー処理アプリ40に送信する。
【0057】
S2.1.1:エラー処理アプリ40のエラー通知受信部42は本体10からのエラー通知を受信し、エラー画面取得部41にエラー通知を送出するので、エラー画面取得部41が本体10に対しエラー種別を指定してエラー画面の表示のために必要な動的な画面データを要求する。これにより、エラー画面取得部41は動的な画面データを取得する。
【0058】
S2.1.2:エラー画面表示部43は、静的な画面データと動的な画面データを組み合わせ、エラー画面を構築する。構築とはエラー画面の画像データを生成することをいい、エラー画面の表示はまだ行われない。
【0059】
操作部20のエラー処理アプリ40は、通知されたエラー優先度によって、表示タイミングを制御する。
【0060】
S2.1.3:まず、エラー優先度が「emergency」であった場合、優先度判断部44はエラー画面表示部43に即座にエラー画面を表示させる。
【0061】
S2.1.4:エラー優先度が「normal」であった場合、優先度判断部44はアプリ通信部45を介して、操作パネル27に画面を表示中のその他アプリ50にエラーが発生した旨を通知する。なお、操作パネル27に画面を表示中のその他アプリ50がない場合、優先度判断部44はエラー優先度が「normal」でも、エラー画面表示部43に即座にエラー画面を表示させてよい。これにより、その他アプリ50が画面を表示中でなければ即座にエラーを通知できる。画面を表示中のその他アプリ50の有無や画面を表示中のその他アプリ50の名称などはOSにより管理されており、優先度判断部44はOSに問い合わせることで操作パネル27に画面を表示中のその他アプリ50があるか否かを判断できる。
【0062】
S3:操作パネル27に画面を表示中のその他アプリ50の通信部46はエラーが発生した旨を受信し、タイミング判断部47がエラー画面を表示するのに都合がよいタイミングになったか否かを判断する。
【0063】
S3.1:エラー画面を表示するのに都合がよいタイミングになったと判断すると、エラー処理アプリ40に対し、通信部46がエラー画面表示要求を送信する。エラー画面を表示するのに都合がよいタイミングの1つの例は、例えば、ユーザが操作部20の操作によってエラーに関係のある機能を使用しようとしたタイミングである。これにより、ユーザがエラーを解消しなければならない時にエラーを通知できる。
・エラーが紙詰まりの場合、ユーザがコピー若しくはプリンタの設定を行うか又はこれらのジョブの実行を開始(スタートボタン押下)したタイミング
・エラーが原稿詰まりの場合、スキャンの設定を行ったタイミング、コピーの設定を行ったタイミング、又は、これらのジョブの実行を開始(スタートボタン押下)したタイミング
・エラーがステイプルの残量ゼロの場合、ユーザがステイプルの設定を行ったタイミング、又は、ステイプルを使ったジョブの実行を開始(スタートボタン押下)したタイミング
このようなタイミングの決定方法は、操作部20において動作するアプリの利用状況に基づいて、エラーの通知タイミングが決定されていると言える。
【0064】
エラー画面を表示するのに都合がよいタイミングの他の例は、ユーザが所定時間以上、その他アプリ50を操作しなかったタイミングである。これにより、ユーザが画面をすぐには使用しない時にエラーを通知できる。また、エラー画面を表示するのに都合がよいタイミングの他の例は、ユーザがその他アプリ50を終了するタイミングである。これにより、その他アプリ50の画面が不要になる時にエラーを通知できる。
【0065】
S3.1.1:エラー処理アプリ40のアプリ通信部45はエラー画面表示要求を受信すると、エラー画面表示部43にエラー画面を表示させる。これにより、エラー画面表示部43はエラー画面を表示する。
【0066】
<優先度判断部の判断処理>
図7は優先度判断部44がエラー優先度に応じてエラー画面の表示タイミングを切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。
図7の処理は
図6のステップS2.1.2の後に実行される。
【0067】
優先度判断部44は画面を表示中のその他アプリ50があるか否かを判断する(S10)。ステップS10の判断がNoの場合、即座にエラー画面を表示してもユーザの操作を阻害しにくいので処理はステップS30に進む。
【0068】
ステップS10の判断がYesの場合、優先度判断部44はエラー優先度が「emergency」であるか否かを判断する(S20)。ステップS20の判断がYesの場合、優先度判断部44は即座にエラー画面を表示すると判断する(S30)。
【0069】
ステップS20の判断がNoの場合、タイミング判断部47が、その他アプリ50がエラー画面を表示するのに都合がよいタイミングを判断する(S40)。
【0070】
<エラー画面の一例>
図8は、エラー画面の一例を示す図である。
図8では、用紙センサが紙詰まりを検出したものとする。
図8(a)では、「右カバーを開けてください」というメッセージ401と対応する画像が表示されている。ユーザはメッセージを読んで右カバーを開ける。
【0071】
図8(b)では「つまっている用紙を取り除いてください」というメッセージ402と対応する画像が表示されている。ここで取り除かれる用紙は用紙センサが検出した紙詰まりの場所の用紙である。ユーザは用紙を取り除く。
【0072】
図8(c)では「右カバーを確実に閉めてください」というメッセージ403と対応する画像が表示されている。ユーザは右カバーを閉める。
【0073】
このようなエラー画面はその他アプリ50の画面を隠してしまうが、本実施形態ではその他アプリ50にとってエラー画面を表示するのに都合がよいタイミングでエラー画面を表示するので、ユーザにとって適切なタイミングでエラー画面を表示できる。
【0074】
<エラー優先度が3つの場合>
上記の実施形態ではエラー優先度が「emergency」と「normal」の2つの場合を説明したが、エラー優先度が「emergency」「normal」「low」のように3つある場合も考えられる。この場合の処理を、
図9を用いて説明する。
図9は、優先度判断部44がエラー優先度に応じてエラー画面の表示タイミングを切り替える手順を示すフローチャート図の一例である(エラー優先度が3つの場合)。
【0075】
ステップS10~S30の処理は
図7と同様でよい。ステップS20でNoと判断され、エラー優先度が「normal」又は「low」の場合、その他アプリ50のタイミング判断部47は、予め定められている「normal」の場合の表示タイミング、「low」の場合の表示タイミングでエラー画面を表示すると決定する(S42)。
【0076】
ユーザが操作部20の操作によってエラーに関係のある機能を使用しようとしたタイミングに関しては「normal」と「low」で同じでよい。「normal」と「low」で予め定められている表示タイミングとは、例えば、その他アプリ50の画面においてそれぞれに対応付けられたボタンが押下されたタイミングである。「normal」に「low」よりもよく使われるボタンが対応付けられることで、「normal」の場合の表示タイミングを「low」の場合の表示タイミングよりも早めることができる。
【0077】
また、無操作時間によって表示タイミングを変更してもよい。「normal」の場合の表示タイミングは、例えば、ユーザ操作が継続して所定時間I以上、途切れたタイミング、「low」の場合の表示タイミングは、例えば、ユーザ操作が継続して所定時間II(>所定時間I)以上、途切れたタイミングとする。こうすることで、「normal」の場合の表示タイミングを「low」の場合の表示タイミングよりも早めることができる。
【0078】
<操作部が本体に対し着脱可能な場合のハードウェア構成>
操作部20は本体10に対し固定されている必要がない。
図10は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、
図10の説明では、主に
図3との相違を説明する。
図10の画像形成装置100は、本体10と操作部20が無線通信I/F19、29を備える。
【0079】
無線通信I/F19は、主に、無線通信により操作部20と通信するための通信装置(通信モジュール、通信ユニット、通信チップ等)である。通信規格としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LAN(Wi-Fi)、無線LANのアドホックモード、Wi-Fiダイレクト、NFC(Near Field Communication)、RFIDなどがある。あるいは、独自規格の無線通信でもよい。
【0080】
無線通信I/F19、29により、本体10と操作部20は、有線通信と無線通信のいずれであっても相互に通信可能である。例えば、操作部20が本体10に取り付けられた状態では有線で通信すると共に充電し、操作部20が本体10に取り付けられていない状態では無線で通信する。
【0081】
このように、操作部20と本体10は別々の装置であればよく、固定されていても着脱可能でもよい。別々の装置とは、例えば、別々のOS上で動作すること、筐体が分かれていること、別々のCPUで実行されていること、などをいう。
【0082】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置100は、その他アプリにとって都合がよいタイミングでエラー画面を表示できる。また、エラーが発生した機能を使用する際にはユーザがエラーを解消する必要があるので、その他アプリを使用するユーザにとっても都合がよいタイミングでエラー画面を表示できる。一方、エラー優先度が高ければ即座にエラー画面を表示できる。
【0083】
<その他の適用例>
操作部20としては、複合機に着脱可能な情報処理装置に限られず、複合機とは独立に販売される汎用的な情報処理装置でもよい。例えば、タブレット、スマートフォン、PC(Personal Computer)等でもよい。本実施形態の画像形成装置100、電子黒板、プロジェクタ、テレビ会議端末等、本体10と操作部20とが通信して操作部20が画面を表示する機器、及び、機器と独立の汎用的な情報処理装置はエラー通知システムの一例である。
【0084】
本体10の装置としては、遠隔操作が可能であってトラブルが発生した場合に遠隔操作している操作部20にエラーを通知する装置であればよい。例えば、テレビ会議端末、電子黒板、プロジェクタなどでも適用できる。また、例えばスマートフォンから操作可能な監視カメラ、家電などにも適用できる。
【0085】
また、
図4などの構成例は、本体10と操作部20による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。本体10と操作部20の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0086】
なお、状態監視部34はエラー検出手段の一例であり、エラー優先度判断部35は優先度判断手段の一例であり、エラー通知部36は送信手段の一例であり、エラー通知受信部42は受信手段の一例であり、タイミング判断部47はタイミング決定手段の一例であり、エラー画面表示部43はエラー通知手段の一例であり、エラー処理アプリ40は第一のアプリの一例であり、その他アプリ50は第二のアプリの一例である。
【符号の説明】
【0087】
10 本体
20 操作部
40 エラー処理アプリ
50 その他アプリ
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】