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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】導電性接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 167/00 20060101AFI20220524BHJP
   C09J 177/00 20060101ALI20220524BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20220524BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20220524BHJP
   C09J 9/02 20060101ALI20220524BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
C09J167/00
C09J177/00
C09J11/04
C09J11/06
C09J9/02
H01B1/22 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018540086
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2018013058
(87)【国際公開番号】W WO2018181625
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】P 2017072959
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509352945
【氏名又は名称】田中貴金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小堀 航洋
(72)【発明者】
【氏名】今井 祥人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 剛史
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-501197(JP,A)
【文献】特開平11-269443(JP,A)
【文献】特開平09-204816(JP,A)
【文献】特開2015-193865(JP,A)
【文献】特開2008-110391(JP,A)
【文献】特開平06-007989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)非極性溶剤、及び(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を含む導電性接着剤組成物であって、
前記(B)熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂の少なくとも一方を含む、導電性接着剤組成物
【請求項2】
前記導電性接着剤組成物全体に対して、フッ素を20質量ppm以上含有する、請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項3】
前記導電性接着剤組成物全体に対して、フッ素を40質量ppm以上含有する、請求項1に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項4】
前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤のフッ素含有率が20~70%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項5】
前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項6】
前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するエチレンオキシド付加物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項7】
前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項8】
前記(A)導電性粒子は、Ag又はCuを主成分とする粉状の金属粒子である、請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項9】
前記(B)熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂である、請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項10】
前記ポリエステル樹脂が、飽和ポリエステル樹脂である、請求項9に記載の導電性接着剤組成物。
【請求項11】
前記(C)非極性溶剤が脂肪族または芳香族炭化水素である、請求項1~10のいずれか1項に記載の導電性接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型化・高機能化された電子部品、例えば、パワーデバイスや発光ダイオード(LED)に対する需要が急速に拡大している。
【0003】
0
パワーデバイスは電力損失を抑え、電力変換を高効率に変換できる半導体素子として、電気自動車、ハイブリッド自動車、急速充電器等の分野で普及が進んでおり、また、太陽光発電システム、メガソーラーシステム等の新エネルギー分野においても需要の高まりが期待されている。
【0004】
一方、白熱電球に比べて長寿命、小型、低消費電力であるという利点を有するLED素子は、照明、携帯電話、液晶パネル、自動車、信号機、街灯、画像表示装置等の様々な分野で普及が急速に進んでいる。
【0005】
上記のような電子部品の小型化・高機能化が進展する中、半導体素子の発熱量は増大傾向にある。ところが、電子部品は、高温環境に長時間さらされると、本来の機能を発揮することができなくなり、また、寿命が低下することになる。
【0006】
そのため、通常、ダイボンディング用の接合材料(ダイボンド材)には、半導体素子から発生する熱を効率的に拡散させるために、高放熱性の接合材料が使用されている。用途にもよるが、通常、接合材料は、半導体素子から発生した熱を基板、筐体へ効率よく逃がす機能を有することが必要であり、高い放熱性が求められる。
【0007】
このように、電子部品に用いられる接合材料には、高い放熱性が求められることから、従来、鉛を多く含んだ高温鉛はんだや、金を多く含んだ金錫はんだが広く用いられてきた。しかし、高温鉛はんだは、人体に有害とされる鉛を含むという問題がある。そのため、最近では、鉛フリー化の技術開発が活発化しており、鉛フリーはんだへの切替えに関する研究が盛んに進められている。一方、金錫はんだは高価な金を含むため、コストの面で問題がある。
【0008】
このような状況を受け、近年、高温鉛はんだや金錫はんだに替わる有力な代替材料として、等方性導電性接着剤(以下、単に「導電性接着剤」と表記する。)が注目されている。導電性接着剤は、導電性等の機能をもつ金属粒子(例えば、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、金等)と接着機能をもつ有機接着剤(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂等)の複合体であり、多様な金属粒子および有機接着剤が用いられている。導電性接着剤は、室温で液体であるため使い勝手がよく、鉛フリーで低価格であることから、高温鉛はんだや金錫はんだの有力な代替材料であり、市場の大幅な拡大が予測されている。
【0009】
特許文献1には、有機ポリマー樹脂、銀等の無機充填材、及び易除去性液体からなり、上記樹脂や充填材の粒径、上記樹脂や液体の溶解度を一定値以下とする接着剤ペーストが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】日本国特表平9-501197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
導電性接着剤にエステル樹脂などの熱可塑性樹脂粉末を使用する場合、溶剤として極性溶剤を使用すると、粉末樹脂が溶解しフィルムバリヤーが生じやすくなる。そして接着ラインから溶剤が出る揮発除去速度が過剰に遅くなる可能性がある。そのため、硬化剤を含む粉末のエステル樹脂を使用する導電性接着剤には、非極性溶剤を用いる必要がある。
【0012】
しかしながら、非極性溶剤を使用する場合、被着体の表面状態により、導電性接着剤によるダイボンディング後に、当該接着剤から非極性溶剤が染み出してしまうブリードアウトと呼ばれる現象が生じていた。このブリードアウトが生じると、半導体設計の後工程であるワイヤーボンディング時のワイヤーの接合不良やモールド材料と基板との剥離を引き起こす原因となってしまう。
【0013】
したがって、本発明の目的は、熱可塑性樹脂を含有し高放熱性を備える導電性接着剤組成物において、ダイボンディング後に非極性溶剤が染み出してしまうブリードアウト現象が抑制された導電性接着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、非極性溶剤を含有する導電性接着剤組成物において、非水溶性のフッ素系界面活性剤をさらに含有することによって、当該導電性接着剤組成物と基板との濡れ性をコントロールすることができ、その結果ブリードアウト現象を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、以下の通りである。
1.(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)非極性溶剤、及び(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を含む導電性接着剤組成物。
2.前記導電性接着剤組成物全体に対して、フッ素を20質量ppm以上含有する、前記1に記載の導電性接着剤組成物。
3.前記導電性接着剤組成物全体に対して、フッ素を40質量ppm以上含有する、前記1に記載の導電性接着剤組成物。
4.前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤のフッ素含有率が20~70%である、前記1~3のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
5.前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤である、前記1~4のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
6.前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するエチレンオキシド付加物である、前記1~5のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
7.前記(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物である、前記1~6のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
8.前記(A)導電性粒子は、Ag又はCuを主成分とする粉状の金属粒子である、前記1~7のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
9.前記(B)熱可塑性樹脂が、エステル樹脂である、前記1~8のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
10.前記エステル樹脂が、飽和エステル樹脂である、前記9に記載の導電性接着剤組成物。
11.前記(C)非極性溶剤が脂肪族または芳香族炭化水素である、前記1~10のいずれか1に記載の導電性接着剤組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高い放熱性と安定した導電性を有し、かつ、ダイボンディング後のブリードアウトが抑制された導電性接着剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の導電性接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」とも表記する。)は、上述した(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)非極性溶剤、及び(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を必須成分として含むものである。本発明の接着剤組成物は、(B)熱可塑性樹脂を含有し高放熱性を備える接着剤組成物であり、かつ(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を含有することで、(C)非極性溶剤が染み出してしまうブリードアウト現象を抑制することができる。
【0018】
また、本発明は別の態様として、(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)非極性溶剤、及び(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を含む、ブリードアウト抑制用導電性接着剤組成物を提供するものである。したがって、この発明は、非水溶性のフッ素系界面活性剤が、非極性溶剤が染み出してしまうブリードアウト現象を抑制することが出来ることを見出したことに基づくものである。
【0019】
以下、(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)非極性溶剤、及び(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤の各成分について詳細に説明する。
【0020】
本発明における(A)導電性粒子は、導電性接着剤における導電性に寄与する成分であれば特に制限されない。中でも、金属やカーボンナノチューブ等が好ましい。
【0021】
金属としては、一般的な導体として扱われる金属の粉末であれば利用することができる。例えば、銀、銅、金、ニッケル、アルミニウム、クロム、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン等の単体、これら2種以上の金属からなる合金、これら金属のコーティング品、これら金属の酸化物、あるいはこれら金属の化合物で良好な導電性を有するもの等が挙げられる。
【0022】
中でも、酸化しづらく熱伝導性が高いことから、銀または銅を主成分とする金属がより好ましい。ここで「主成分」とは、導電性粒子中の成分の中で、最も含有量の多い成分のことを意味する。
【0023】
導電性粒子の形状は特に限定されず、例えば、粉状、球状、フレーク状、箔状、樹枝状等が挙げられる。一般的にはフレーク状または球状が選択される。また、上記導電性粒子は、市販品を入手することができ、あるいは、従来公知の方法を用いて作製することができる。上記導電性粒子を作製する方法は特に制限されず、機械的粉砕法、還元法、電解法、気相法等任意である。
【0024】
導電性粒子は上述したように、その表面がコーティング剤で被覆されていてもよい。例えばカルボン酸を含むコーティング剤が挙げられる。カルボン酸を含むコーティング剤を用いることによって、接着剤組成物の放熱性をより一層向上させることができる。
【0025】
上記コーティング剤に含まれるカルボン酸は特に限定されず、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、オキシカルボン酸等が挙げられる。
【0026】
上記モノカルボン酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリル酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数1~24の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エライジン酸、アラキドン酸、エルカ酸、ネルボン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の炭素数4~24の不飽和脂肪族カルボン酸を用いてもよい。さらには、安息香酸、ナフトエ酸等の炭素数7~12の芳香族モノカルボン酸等を用いることもできる。
【0027】
上記ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数2~10の脂肪族ポリカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸等の炭素数4~14の脂肪族不飽和ポリカルボン酸;フタル酸、トリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。
【0028】
上記オキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸等の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸;サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸等の芳香族ヒドロキシモノカルボン酸;酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシポリカルボン酸等が挙げられる。
【0029】
導電性粒子の表面を処理するためのコーティング剤には、金属等の凝集を低減させるため、炭素数が10以上の高級脂肪酸またはその誘導体を含めることができる。このような高級脂肪酸としては、ラウリル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リグノセリン酸が例示される。高級脂肪酸の誘導体として、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドが例示される。
【0030】
上記コーティング剤に含まれるカルボン酸は上記カルボン酸の2種以上の混合物であってもよい。また、上述したカルボン酸のうち、炭素数12~24の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である高級脂肪酸が好ましい。
【0031】
導電性粒子の表面をコーティング剤で被覆するには、両者をミキサー中で撹拌、混練する方法、金属粒子にカルボン酸の溶液を含浸して溶剤を揮発させる方法等の公知の方法を利用して行えばよい。
【0032】
(A)導電性粒子は、接着剤組成物の全体量に対して50~99質量%の範囲で含有することが好ましい。(A)導電性粒子の含有量が50質量%未満であると、接着剤の硬化後の収縮が抑制し難くなるため熱伝導性や導電性が低下し、被接着材料との密着性が悪化する。逆に99質量%を超えると、ペースト状になり難く十分な被接着材料との密着性も悪化する。(A)導電性粒子のより好ましい含有量は60~95質量%であり、さらに好ましい含有量は70~95質量%である。
【0033】
導電性粒子の平均粒子径(D50)は、好ましくは1~10μm、より好ましくは2~6μmである。1μmより小さい粒子径でも使用し得るが微粉体とするのに高いコストが必要であり、また10μmを超えると導電性接着剤をペースト状とするのが難しくなる傾向にある。平均粒子径(D50)は、レーザー法や沈降法等の一般的な粒度分布測定法を用いて測定された体積積算粒子径50%値から算出される。例えば、日機装株式会社製のレーザー回折・散乱式粒度分析計MT-3000を用い測定することができる。
【0034】
本発明の接着剤組成物は、(B)熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂は、粉末状のものを用いることが好ましく、本発明の接着剤組成物中で溶解しない又は溶解しにくいものであって、粉末状の形態を維持できるものが好ましい。また接着剤組成物中で溶解する場合であっても、熱可塑性樹脂の90質量%以上が溶解しないものが好ましい。ここで「粉末状」とは、平均粒子径(D50)が1~100μmの粒状のことを意味し、平均粒子径(D50)が1~20μmであることが好ましい。平均粒子径(D50)は、レーザー法や沈降法等の一般的な粒度分布測定法を用いて測定された体積積算粒子径50%値から算出される。
【0035】
熱可塑性樹脂としては、例えば、エステル樹脂、及びポリアミド樹脂等が用いられる。これらの樹脂は1種類だけ使用しても2種類以上を併用してもよい。
【0036】
エステル樹脂は、エステル基を有する樹脂であれば特に制限することなく使用することができる。このようなエステル樹脂は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、及びヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物あるいはこれらの2種以上から選ばれたジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフタル酸、及び2,6-ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シユウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、及びウンデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸あるいはこれらの2種以上から選ばれたジカルボン酸との縮合反応により形成することができる。
【0037】
また、エステル樹脂は、環状ジエステルであるラクチド類や、環状エステルであるラクトン類の開環重合によっても形成することができる。
【0038】
これらエステル樹脂は、エポキシ樹脂等の他の成分により変性されていてもよい。
【0039】
本発明においては、上記エステル樹脂は飽和エステル樹脂であることが好ましい。特に、飽和ポリエステルを用いることが好ましい。飽和ポリエステルの例としては、市販品の日本ユピカ社製のGV-110,GV-150,GV-158,GV-500,GV-550,GV-560,GV-570,GV-580,GV-990,GV-740,GV-741,GV-743,GV-746,GV-230,GV-235,GV-260,GV-350,GV-351や、DIC社製のM-8010,M-8020,M-8021,M-8023,M-8051,M-8076,M-8100,M-8230,M-8240,M-8250,M-8842,M-8843,M-8860,M-8630,M-8961,M-8962,M-8964や、神東塗料社製のイノバックスP,イノバックスPD,イノバックスSP,イノバックスG、イノバックスPCMなどが挙げられる。
【0040】
また、飽和エステル樹脂は、例えば多価アルコールと多価飽和脂肪族カルボン酸との縮合反応等で形成することができる。
【0041】
エステル樹脂は、そのガラス転移点が50~100℃、好ましくは60~90℃、70~80℃であることが最適である。
【0042】
また、エステル樹脂は、その軟化点が100~150℃、好ましくは110~140℃、120~130℃であることが最適である。
【0043】
ガラス転移点及び軟化点は、一般的なDSC測定で計測できる。
【0044】
ポリアミド樹脂は、アミド結合を有するポリマーであれば特に制限されない。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ダイマー酸を用いて形成されるポリアミド(例えば、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンとダイマー酸との反応により得られるポリアミド)、これらのポリアミド樹脂とポリエステル樹脂、ポリエーテル/ポリエステル樹脂との共重合体が挙げられる。
【0045】
(B)熱可塑性樹脂は、接着剤組成物の全体量に対して5~20質量%の範囲で含有することが好ましい。(B)熱可塑性樹脂の含有量が5質量%未満であると、接着力が弱くなり、接続信頼性が低下する。逆に20質量%を超えると、導電性粒子同士が接しづらくなり、導電性や熱伝導性が得られなくなる。(B)熱可塑性樹脂のより好ましい含有量は5~12質量%であり、5~10質量%が更に好ましい。
【0046】
(B)熱可塑性樹脂は、微量の硬化剤を含有してもよい。これらの硬化剤は熱可塑性樹脂の種類に応じて種々選択されるものであるが、例えば、三級アミン、アルキル尿素、及びイミダゾール等が挙げられる。
【0047】
また、本発明の接着剤組成物は(C)非極性溶剤を含有する。本発明の接着剤組成物が非極性溶剤を含有することにより、(B)熱可塑性樹脂中に硬化剤が含まれていても、硬化剤が溶解して活性化し、樹脂の硬化が進行することを抑制できる。
【0048】
このような非極性溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、テルペンなど工業用洗浄剤の基材として使用されている有機溶剤から目的に応じて適宜選択することができる。脂肪族炭化水素としては、例えば、パラフィン系などが例示され、芳香族炭化水素としては脂肪族炭化水素などの脂溶性置換基が導入されたベンゼンやナフタレン系などが例示される。中でも好ましくは、溶剤の揮発性、及び粉末成分の分散性という観点から、パラフィン系、及び芳香族系等が好ましい。
【0049】
非極性溶剤の市販品としては、例えば、FORMOSAN UNION CHEMICAL CORP.製BAB(アルキルベンゼン)や、JX日鉱日石エネルギー株式会社製ノルマルパラフィンH等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
非極性溶剤としては、比誘電率が4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
【0051】
(C)非極性溶剤は、接着剤組成物の全体量に対して5~15質量%の範囲で含有することが好ましい。非極性溶剤の含有量が5質量%未満であると、ペースト状になりづらく、銀粉や樹脂成分が分散し難く不均一になり被接着材料との密着性が低下する。逆に15質量%を超えると、硬化後に被着体との間にボイドを含みやすく、密着性が低下し、熱導電性や電気伝導性が低下する恐れがある。非極性溶剤のより好ましい含有量は8~10質量%である。
【0052】
本発明の接着剤組成物は、(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤を含有する。本発明の接着剤組成物は非水溶性のフッ素系界面活性剤を含有することにより、本発明の接着剤組成物と基板との濡れ性をコントロールすることができ、その結果ボンディング後のブリードアウトを抑制することができる。これは、非水溶性のフッ素系界面活性剤におけるフルオロ基が接着剤組成物の表面に出ることにより、接着剤組成物の表面エネルギーを低くすることができるためであると考えられる。非水溶性とは、例えば1気圧20℃の環境において、同容量の純水との混合液が均一な概観を有さず、2つの層に分離する性質のものをいう。
【0053】
また、上記フッ素系界面活性剤が非水溶性であることにより、上記(C)非極性溶剤とフッ素系界面活性剤とを馴染ませることができる。
【0054】
本発明の接着剤組成物は、(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤の種類や量を調整することによって、接着剤組成物中のフッ素の含有量を20質量ppm以上とすることが好ましく、40質量ppm以上であることがより好ましく、100質量ppm以上であることがさらに好ましい。また、接着剤組成物中のフッ素の含有量は、1000質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることがより好ましい。
【0055】
(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤は、例えば、パーフルオロアルキル基を有するエチレンオキシド付加物(パーフルオロアルキルエチレンオキシド化合物)、パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物等が挙げられる。
【0056】
パーフルオロアルキルエチレンオキシド化合物の構造としては、C2x+1-(CH-(OCHCH-OHで表される。xはパーフルオロアルキル基の鎖長を示し、通常1以上20以下である。yはアルキレン基の鎖長を示し、通常1以上20以下である。zはエチレンオキシド基の数を示し、通常1以上50以下である。非水溶性であり、かつ上記構造を有するパーフルオロアルキルエチレンオキシド化合物としては、例えばサーフロン社製のS-420等を使用できる。
【0057】
パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物としては、その名称のとおり、パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物であれば特に制限されない。非水溶性であり、かつパーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物としては、例えばS-651等を使用できる。
【0058】
本発明における(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤は、好ましくはフッ素の含有率が20~70%、より好ましくは30~60%、さらに好ましくは40~50%である。フッ素の含有率が上記範囲であることによって、添加するフッ素系界面活性剤を少なくすることができ、導電性接着剤としての特性を大きく変化させないため、ブリードアウト現象をより効果的に抑制することが可能である。
【0059】
(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤は、0.5%濃度表面張力(mN/m)が、20.0以上であることが好ましく、21.0以上であることがより好ましく、22.0以上であることがさらに好ましい。0.5%濃度表面張力とは、溶剤に対し0.5%添加した際の表面張力である。上記範囲であることによって、少量で表面エネルギーを小さくすることが可能となるからである。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、及びMEK(メチルエチルケトン)等が挙げられる。
【0060】
(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤は、接着剤組成物の全体量に対して0.001~1.0質量%の範囲で含有することが好ましい。非水溶性のフッ素系界面活性剤の含有量が0.001質量%未満であると、十分な表面張力が得られずブリードアウトが発生しやすくなる。逆に1.0質量%を超えると、接着強度が小さくなる。非水溶性のフッ素系界面活性剤のより好ましい含有量は0.01~0.1質量%である。
【0061】
また、本発明の接着剤組成物は、上記成分のほかにも、例えば、硬化剤を含有していてもよい。硬化剤としては、例えば、三級アミン、アルキル尿素、及びイミダゾール等が挙げられる。
【0062】
硬化剤は、接着剤組成物の全体量に対して1.0~10.0質量%の範囲で含有することが好ましい。硬化剤の含有量が1.0質量%未満であると、硬化が不十分で耐熱性が劣ることがある。逆に10.0質量%を超えると、未反応の硬化剤が残り被接着材料との密着性が低下するため電気特性が低下する恐れがある。
【0063】
本発明の接着剤組成物には硬化促進剤を配合することもできる。硬化促進剤としては、例えば、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4―メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2―メチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノ-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、第3級アミン類、トリフェニルフォスフィン類、尿素系化合物、フェノール類、アルコール類、カルボン酸類等が例示される。硬化促進剤は1種類だけ使用しても2種類以上を併用してもよい。
【0064】
硬化促進剤の配合量は限定されるものではなく適宜決定すればよいが、使用する場合は一般には、本発明の接着剤組成物の全体量に対して0.1~2.0質量%である。
【0065】
本発明の接着剤組成物には、その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、粘性調整剤、分散剤、カップリング剤、強靭性付与剤、エラストマー等、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0066】
また、本発明の接着剤組成物は、溶剤として極性溶剤を極力含有しないことが好ましい。極性溶剤を含有すると組成物中の樹脂が溶解しフィルムバリヤーが生じやすくなるためである。本発明の接着剤組成物中の極性溶剤の含有量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは極性溶剤を実質的に含有しない。実質的に含有しないとは、本発明の接着剤組成物の全量に対して0.05質量%未満であることをいう。
【0067】
本発明の接着剤組成物は、上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分並びにその他の成分を任意の順序で混合、撹拌することにより得ることができる。分散方法としては、例えば、二本ロール、三本ロール、サンドミル、ロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミル、ビーズミル、ニーダー、ホモジナイザー、及びプロペラレスミキサー等の方式を採用することができる。
【0068】
上記のようにして調製された接着剤組成物中の(A)導電性粒子を除いた場合の粘度は、回転式粘度計により測定される。なお本発明において上記粘度は、回転式粘度計としてスピンドル型粘度計を用い、温度25℃でSC4-14スピンドルを用い特定の回転数(rpm)で測定された値である。
【0069】
また上記のようにして調製された接着剤組成物は、その中の(A)導電性粒子を除いた場合、回転式粘度計による回転数10rpmおよび50rpmの測定値より算出されるTI値(チクソトロピーインデックス)が、2~4であることが好ましい。このTI値を有することにより、ペースト作製時の作業性が向上するだけでなく、塗布工程における作業性が向上する。なお本発明において上記TI値は、上記の回転式粘度計の回転数10rpmの測定値を50rpmの測定値で除して算出された値である。
【0070】
本発明の接着剤組成物のブリードアウト性は、例えば以下の方法で評価することができる。まず、本発明の接着剤組成物5.0gを5ccのシリンジに詰め、ディスペンサーを使い、銅フレームまたは銀めっき銅フレームに0.15mg、10ドットずつ塗布する。次に、マイクロスコープ等を用い、円形に塗布された接着剤の末端からブリードアウトの末端までの幅(μm)を測定する。測定は、例えば、(1)塗布してからすぐ(0時間後)、あるいは(2)塗布してから2時間後に行う。
【0071】
上記方法により測定されるブリードアウトは、銀めっき銅フレームの場合、好ましくは200μm未満、より好ましくは170μm未満、さらに好ましくは100μm未満、最適には70μm未満である。銅フレームの場合は、好ましくは300μm未満、より好ましくは200μm未満、さらに好ましくは100μm未満である。
【実施例
【0072】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0073】
[実施例1~8、比較例1~6]
A.接着剤組成物の調製
表1に記載された各材料を三本ロールやホモジナイザーにて混練し、表1に示す組成の接着剤組成物を調製した(各材料の数値は接着剤組成物の総質量に対する質量%を表す)。使用した材料は下記の通りである。なお、混練の順番は、(C)非極性溶剤、(B)エステル樹脂、(A)導電性粒子、(D)フッ素系界面活性剤の順である。200℃で1時間加熱後に室温まで放冷し接着剤組成物の硬化体を得た。
【0074】
(A)導電性粒子
導電性粒子として、田中貴金属工業社製の平均粒子径(D50)が3μmでフレーク状の銀粉と田中貴金属工業社製の平均粒子径(D50)が6μmでフレーク状の銀粉を1:1で混合した銀粉を使用した。
【0075】
(B)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂として、田中貴金属工業社製の粉末状の飽和エステル樹脂(ガラス転移点:70~80℃、軟化点120~130℃)を使用した。樹脂のサイズとしては平均粒子径(D50)が10μmである。使用された熱可塑性樹脂は、接着剤組成物中でも溶解せず、粉末状で存在していることを確認した。
【0076】
(C)非極性溶剤
非極性溶剤として、FORMOSAN UNION CHEMICAL CORP.製BAB(アルキルベンゼン)とJX日鉱日石エネルギー株式会社製ノルマルパラフィンHを1:1で混合した溶剤を使用した。
【0077】
(D)非水溶性のフッ素系界面活性剤
・パーフルオロアルキルエチレンオキシド化合物[サーフロンS420、AGCセイケミカル株式会社] フッ素含有率:47%、酢酸エチル0.5%濃度表面張力(mN/m):23.1
・パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物[サーフロンS651、AGCセイケミカル株式会社] フッ素含有率23%、0.5%濃度表面張力(mN/m):23.0
・パーフルオロアルキル基を有するオリゴマー化合物[サーフロンS611、AGCセイケミカル株式会社] フッ素含有率:10%、酢酸エチル0.5%濃度表面張力(mN/m):18.4
なお、上記フッ素系界面活性剤のフッ素含有率はイオンクロマトグラフィーを用いて測定した。
【0078】
(非フッ素系界面活性剤)
比較例で、非水溶性のフッ素系界面活性剤の代わりに使用した非フッ素系界面活性剤は以下のとおりである。
・日本乳化剤製アントックスEDH-400(比較例2)
・日本乳化剤製ニューコール2609(比較例3)
・日本乳化剤製ニューコール565-PS(比較例4)
・花王株式会社AMIET320(比較例5)
・花王株式会社HOMOGENOL L-95(比較例6)
【0079】
B.接着剤組成物の物性評価
1.ブリードアウト性
まず、各サンプル5.0gを5cc武蔵シリンジに詰めた。ディスペンサーを使い、銅フレームまたは銀めっき銅フレームに0.15mg、10ドットずつ塗布した。
オリンパス社製マイクロスコープSTM7を使い、ブリードアウトの状態を下記(1)及び(2)の条件で観察した。
(1)塗布してからすぐ(0時間後)
(2)塗布してから2時間後
測定は円形に塗布された接着剤の末端からブリードアウトの末端までの幅(μm)を測定した。また、測定ポイントは1ドットにつき、上下左右4箇所とした。
【0080】
[評価]
サンプルごと、条件ごとにブリードアウトの平均値を求め、下記の基準で評価した。○はブリードアウト抑制効果が優良、△は良好、×は不良を示す。
【0081】
銀めっき銅フレーム
○:ブリードアウト100μm未満
△:ブリードアウト100μm以上200μm未満
×:ブリードアウト200μm以上
銅フレーム
○:ブリードアウト100μm未満
△:ブリードアウト100μm以上300μm未満
×:ブリードアウト300μm以上
【0082】
上記(1)、(2)の夫々の評価(計4種)を実施し、評価の優先順位を×>△>○として、各実施例・比較例毎に4種の評価を実施し、優先順位の高いものを総合評価として表1に示す。
【0083】
2.導電性評価
上記調製した接着剤組成物を、それぞれガラス基板上に日栄化工社製の透明PETシートテープでマスキングし、幅0.5mm、長さ60mmのパターンでステンシル印刷し、オーブンに入れ、200℃60分の条件で硬化させた。その後、室温まで冷却し硬化膜の長さ5cm間の両端に端子を当てて抵抗値を測定した。更に、硬化膜の膜厚を測定した。測定された抵抗値と膜厚から体積抵抗値を算出し導電性(μΩ・cm)を評価した。尚、硬化膜の抵抗値は日置電機株式会社製の3540ミリオームハイテスタを用いて測定した。また、硬化膜の膜厚は、株式会社小坂研究所社製の表面粗さ計サーフコーダSE-30Hを用いて測定した。結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
上記結果からもわかるとおり、本発明の導電性接着剤組成物は非水溶性のフッ素系界面活性剤を含有することによって、導電性を良好に維持しつつ、ブリードアウトが抑制されることがわかった。特に、フッ素の含有量が40質量ppm以上である実施例1~6ではブリードアウトが顕著に抑制されることがわかった。
【0086】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2017年3月31日出願の日本特許出願特願2017-072959に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。