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特許7079579画像表示装置、信号処理方法及び信号処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】画像表示装置、信号処理方法及び信号処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20220526BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20220526BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220526BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220526BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
G09G3/20 641Q
G09G3/3233
G09G3/20 641J
G09G3/20 641R
G09G3/20 660V
G09G3/20 612U
G09G3/20 641E
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/40 301
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017159565
(22)【出願日】2017-08-22
(65)【公開番号】P2019039958
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】薄井 武順
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓也
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-095251(JP,A)
【文献】特開平07-244273(JP,A)
【文献】特開平05-333831(JP,A)
【文献】特開2004-029639(JP,A)
【文献】特開2001-298617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0155319(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/3233
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換部と、
前記補正後の映像信号の画素値が取り得る0以上の値の範囲から、正の整数のランダム値を出力するランダム信号発生部と、
前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理部と、を備え、
フレームレートが1200Hz以上となるように駆動し、視覚の積分効果により前記画素値の階調を表現する画像表示装置。
【請求項2】
複数の表示パネルがタイル状に並べられた表示部と、
前記複数の表示パネルに対応して、映像フレームを分割した複数の画像データを生成する映像分割部と、を備える請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換ステップと、
前記補正後の映像信号の画素値が取り得る0以上の値の範囲から、正の整数のランダム値を出力するランダム信号発生ステップと、
前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理ステップと、をコンピュータが実行し、
フレームレートが1200Hz以上となるように駆動し、視覚の積分効果により前記画素値の階調を表現する信号処理方法。
【請求項4】
映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換ステップと、
前記補正後の映像信号の画素値が取り得る0以上の値の範囲から、正の整数のランダム値を出力するランダム信号発生ステップと、
前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理ステップと、をコンピュータに実行させ、
フレームレートが1200Hz以上となるように駆動し、視覚の積分効果により前記画素値の階調を表現させるための信号処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置、信号処理方法及び信号処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高解像度ディスプレイの開発が盛んに行われており、非常に繊細な映像表示が可能となっている。ところが、既存のディスプレイの駆動手法では、動画像において動きぼやけ等の画質妨害が発生するという動画質の課題がある。そこで、黒挿入又は発光時間の制御(例えば、特許文献1及び2参照)等、様々な動画質向上手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-144928号公報
【文献】特開2016-12068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動画質の根本的な解決のためには、ディスプレイのフレームレートの向上が必須である。しかしながら、既存のディスプレイの駆動手法は、高フレームレート化に必ずしも適していなかった。
ディスプレイにおいて階調を表示するための駆動手法には、主に、階調値に応じて発光素子にかかる電圧又は電流を調整するアナログ変調の方式と、階調値に応じてパルスの幅又は発光回数を調整するデジタル変調の方式が存在する。
【0005】
市販されている液晶テレビ及び有機ELテレビでは、アナログ変調の方式が広く使用されている。しかし、低輝度を表現するためには、低電圧での制御が必要になるため、駆動速度の向上におけるボトルネックとなっていた。
一方、デジタル変調の方式には、DLP(登録商標)プロジェクタ及びプラズマディスプレイで用いられている時分割駆動方式があり、この方式は、一定の電圧で駆動できるため高速な駆動が可能となるが、階調表現を行うために多くのサブフィールドを必要とする。また、サブフィールド駆動には、色割れによる画質劣化の問題がある。これを防ぐには、さらに多くのサブフィールドを必要とするため、高フレームレート化は難しかった。
【0006】
本発明は、デジタル駆動の安定性及び高速性を保ちつつ、高フレームレートの映像を表示できる画像表示装置、信号処理方法及び信号処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換部と、1から前記補正後の映像信号の画素値の取り得る最大値までのランダム値を出力するランダム信号発生部と、前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理部と、を備える。
【0008】
前記画像表示装置は、複数の表示パネルがタイル状に並べられた表示部と、前記複数の表示パネルに対応して、映像フレームを分割した複数の画像データを生成する映像分割部と、を備えてもよい。
【0009】
本発明に係る信号処理方法は、映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換ステップと、1から前記補正後の映像信号の画素値の取り得る最大値までのランダム値を出力するランダム信号発生ステップと、前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理ステップと、をコンピュータが実行する。
【0010】
本発明に係る信号処理プログラムは、映像信号をガンマ補正し、補正後の映像信号のレベルと表示輝度との関係を線形に変換するガンマ変換ステップと、1から前記補正後の映像信号の画素値の取り得る最大値までのランダム値を出力するランダム信号発生ステップと、前記画素値が前記ランダム値以上の場合に前記画素値を1に、前記ランダム値未満の場合に前記画素値を0に変換するディザ処理ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像表示装置は、デジタル駆動の安定性及び高速性を保ちつつ、高フレームレートの映像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る信号処理部の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る表示パネルの各画素を構成する回路の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る表示パネルにおける各駆動信号の電圧波形を例示する図である。
図5】実施形態に係るディザ処理部により1bit化した画像を例示する図である。
図6】実施形態に係る視覚の積分効果をシミュレーションした画像を示す第1の図である。
図7】実施形態に係る視覚の積分効果をシミュレーションした画像を示す第2の図である。
図8】第1変形例に係るマルチディスプレイを有する画像表示装置における信号処理部の機能構成を示すブロック図である。
図9】第2変形例に係るマルチディスプレイを有する画像表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
画像表示装置1は、映像入力部11と、信号処理部13と、行駆動ドライバ部14と、列駆動ドライバ部15と、表示パネル16とを備える。
【0014】
映像入力部11は、映像信号が入力されると、この映像信号に含まれるフレームの画像データを入力バッファに一時的に格納し、処理タイミングに合わせて順次、後段の信号処理部13へ提供する。
【0015】
信号処理部13は、映像入力部11から画像データを受け付け、データの書き込み及び発光のタイミングを制御するデータを生成して、行駆動ドライバ部14及び列駆動ドライバ部15へ送信する。
【0016】
行駆動ドライバ部14には、水平方向に配される複数の選択信号線が接続される。行駆動ドライバ部14は、複数の選択信号線のそれぞれに選択信号を供給する。また、行駆動ドライバ部14には、水平方向に沿う、複数の発光時間制御信号線が接続される。各発光時間制御信号線には、この発光時間制御信号線が配された水平方向に沿う領域に存在する発光時間制御用トランジスタが複数接続される。
【0017】
列駆動ドライバ部15には、垂直方向に配される複数のデータ信号線が接続される。列駆動ドライバ部15は、複数のデータ信号線のそれぞれに各画素の画像データ信号を供給する。
【0018】
表示パネル16は、ホールド型の画像表示モジュールである。より具体的な一例としては、表示パネル16は、アクティブマトリクス型の有機EL表示モジュールである。
【0019】
ここで、例えば、映像入力部11にフレームレート1200Hzの映像が入力されたとする。信号処理部13は、バッファリングされた画像データを、ランダムディザにより1bit化する。1bit化されたデータは列駆動ドライバ部15へ送られ、行駆動ドライバ部14の書込み信号のタイミングに合わせ、各画素回路へON又はOFFの値が書き込まれる。画像表示装置1は、この動作を全ての水平ラインについて行うことで、1フレームの映像を表示できる。さらに、画像表示装置1は、1フレームの映像表示の動作を1秒間に1200回以上行うことで1200Hzの表示が可能となり、同時に視覚の積分効果により階調を表現することができる。
【0020】
図2は、本実施形態に係る信号処理部13の機能構成を示すブロック図である。
信号処理部13は、ガンマ変換部131と、ランダム信号発生部132と、ディザ処理部133と、映像バッファ部134とを備える。
【0021】
ガンマ変換部131は、画像データをガンマ補正し、補正後の画像データのレベル(画素値)と表示輝度との関係を線形に変換する。
デジタル駆動により、表示パネル16のガンマ特性は線形となる。通常、撮像された映像における信号レベルと表示輝度との間の伝達関数は非線形となるため、ガンマ変換部131では、逆ガンマ変換を行うことにより、信号レベルと表示輝度との関係を線形となるように変換する。
【0022】
ランダム信号発生部132は、1から補正後の映像信号の画素値の取り得る最大値までのランダム値を出力し、ディザ処理部133に提供する。
例えば、入力映像信号の画素値が10bitであるとすると、ランダム信号発生部132は、1~1023(210-1)の間の値を持つランダム値xを出力する。
【0023】
ディザ処理部133は、映像信号の画素値aがランダム値x以上の場合に画素値aを1に、ランダム値x未満の場合に画素値aを0に変換し、画素値を1bit化する。
【0024】
映像バッファ部134は、ディザ処理部133により1bit化された画像データを一時的に記憶し、フレームレートに合わせて適時、列駆動ドライバ部15に提供する。
【0025】
図3は、本実施形態に係る表示パネル16の各画素を構成する回路の一例を示す図である。
ここでは、有機ELパネルの画素構造を例示している。
【0026】
選択信号に応じてゲート電圧Vgaが印加されると同時に、画像データレベルに応じたデータ電圧Vdaが印加されると、ゲートトランジスタTr1を介してキャパシタC1に一定の電荷が蓄積される。
さらに、発光時間制御信号に応じて駆動電圧Vddが印加されることにより、駆動トランジスタTr2を介して有機EL素子Delに電流が流れ発光する。
【0027】
図4は、本実施形態に係る表示パネル16における各駆動信号の電圧波形を例示する図である。
【0028】
行駆動ドライバ部14は、ゲート制御のための選択信号に基づき、各水平ラインにゲート電圧Vgaを印加する。1水平ラインの走査時間は、1200Hzの場合0.8μsec程度以下の時間であり、行駆動ドライバ部14は、1ラインずつ順次にゲート電圧Vgaを印加する。また、駆動電圧Vddを印加し続け画素に駆動電流を供給することで、1フレームの期間発光が持続する。
【0029】
列駆動ドライバ部15は、送られてきた1bitの映像データに基づき、各水平ラインの書込み信号に合わせて一定のデータ電圧Vdaで各画素にデータを書き込む。1200Hzで1080本の水平ラインを駆動する場合、1水平ラインの駆動時間は約0.8μsec程度以下となるが、デジタル駆動により、データ電圧はOn/Offの2つの状態のみであり、適度な電圧で書込むことが可能であるため、高速に書き込むことが可能となる。書込みされた画素では、Tr2のソース-ドレイン間に一定の電流が流れて有機EL素子Delが発光する。
【0030】
図5は、本実施形態に係るディザ処理部133により1bit化した画像を例示する図である。
なお、この図は、1bit化したカラー画像をグレースケールで示している。
ランダムディザにより画素値が1bit化された映像は、1フレームのみでは図のように、ある程度映像を認識できるもののノイズ感が非常に高く、自然な映像とはならない。
【0031】
本実施形態の画像表示装置1は、このような1bit化された映像を用いて、視覚の積分効果により映像の階調を表現する。デジタル駆動による高フレームレート化により、積分されるフレーム数が増大するため、画像表示装置1は、より自然な映像を表現できる。
【0032】
図6は、本実施形態に係る視覚の積分効果をシミュレーションした画像を示す第1の図である。
この例は、ランダムディザによる画素値が1bitの映像フレームを20枚平滑化した画像を示している。視覚の積分効果は、1/60sec程度ということが知られているため、1200Hzのフレームレートでは、20枚のフレームを平滑化したものと同様になる。
なお、この図は、カラー画像をグレースケールで示している。
【0033】
図7は、本実施形態に係る視覚の積分効果をシミュレーションした画像を示す第2の図である。
この例は、フレームレートが12000Hzの場合の視覚積分効果を考慮して、1/60secに相当する200フレームを平滑化した画像を示している。
なお、この図は、カラー画像をグレースケールで示している。
【0034】
本実施形態によれば、画像表示装置1は、デジタル駆動を用いることで、一定の電圧での制御により駆動を高速化すると同時に、映像表示に用いるビット深度を1bitにまで削減することで、高フレームレートを実現した。さらに、画像表示装置1は、ランダムディザを用いて各画素を2値化し、1000Hz以上の高フレームレートにしたため、視覚の積分効果によりノイズは平滑化され、通常の自然な映像を表示できた。この結果、画像表示装置1は、各映像フレームに割り当てるビット数を1サブピクセルあたり1bitとしても、階調性のある映像を表示できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0036】
本実施形態では、表示パネル16が1枚でディスプレイ(表示部)が構成される場合を説明したが、これには限られない。
画像表示装置1の表示部は、複数の表示パネル16がタイル状に並べられたマルチディスプレイであってもよい。
【0037】
図8は、第1変形例に係るマルチディスプレイを有する画像表示装置1における信号処理部13の機能構成を示すブロック図である。
信号処理部13は、複数の表示パネル16に対応して、映像フレームを分割した複数の画像データを生成する映像分割部135をさらに備える。
【0038】
映像分割部135は、複数の表示パネルに対応して、映像フレームを分割した複数の画像データを生成し、映像バッファ部134を介して各表示パネル16に対応する列駆動ドライバ部15へ提供する。
複数の表示パネル16には、映像フレームを分割した一部の画像データがそれぞれ入力され、この結果、マルチディスプレイ全体として1枚の映像フレームが表示される。
【0039】
画像表示装置1は、複数の表示パネル16を並列に駆動(分割駆動)することで、映像フレームの描画を高速化でき、フレームレートを向上できる。
図7では、12000Hzにおけるシミュレーション例を示したが、従来の1枚のディスプレイで1080本の水平ラインを12000Hzで駆動する場合、1水平ラインの駆動時間は約80nsec程度となる。このように駆動時間が短くなる場合、マルチディスプレイによる分割駆動を適用すれば、現状のトランジスタの性能でも10000Hz以上の高フレームレート化を実現することが可能である。
なお、分割駆動は、マルチディスプレイには限られず、例えば基板に貫通電極を形成して裏面から配線することにより、1枚のディスプレイでも実現できる。この場合、分割駆動する個々の領域(表示エリア)がマルチディスプレイの各表示パネル16に対応する。
【0040】
図9は、第2変形例に係るマルチディスプレイを有する画像表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
画像表示装置1は、さらに映像分割部12を備える。
【0041】
映像分割部12は、映像入力部11から受け取った映像フレームを、複数の表示パネル16に対応して分割した複数の画像データを生成する。分割された画像データは、複数の表示パネル16それぞれに対応する複数の信号処理部13に対して、それぞれ入力される。
【0042】
複数の信号処理部13により、1つの映像フレームが並列処理されるため、処理負荷が低減し、画像表示装置1は、映像フレームの描画を高速化でき、フレームレートを向上できる。
【0043】
本実施形態では、映像信号の各画素値を1bit化する場合を説明したが、これには限られず、2bit又は3ビット等でもよく、取り得る値の数を減少させることにより同様の効果が期待できる。
【0044】
また、本実施形態では表示パネル16として、有機ELパネルを例に説明したが、これには限られず、例えばDLP(登録商標)を使用したプロジェクタ等であっても、同様の方式を適用できる。この場合、時分割されたサブフィールド毎に、ランダムディザによる各画素の2値化が行われる。
【0045】
本実施形態では、主に画像表示装置1の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、ディスプレイに画像を表示するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0046】
さらに、画像表示装置1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0047】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0048】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 画像表示装置
11 映像入力部
12 映像分割部
13 信号処理部
14 行駆動ドライバ部
15 列駆動ドライバ部
16 表示パネル
131 ガンマ変換部
132 ランダム信号発生部
133 ディザ処理部
134 映像バッファ部
135 映像分割部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9