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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-25
(45)【発行日】2022-06-02
(54)【発明の名称】受信機、提示方法及び提示プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20220526BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20220526BHJP
   H04H 60/12 20080101ALI20220526BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/462
H04H60/12
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017201256
(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2019075720
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】武智 秀
(72)【発明者】
【氏名】中川 俊夫
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-130745(JP,A)
【文献】特開2007-329847(JP,A)
【文献】特開2006-141030(JP,A)
【文献】特開2004-166256(JP,A)
【文献】特開2009-194452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B1/06
1/16
H04H20/00-20/46
20/51-20/86
20/91-40/27
40/90-60/98
H04N5/38-5/46
7/00-7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選局操作に応じて、選局されたチャンネルの放送コンテンツを受信して提示する第1提示部と、
前記選局操作に応じて、前記選局されたチャンネルの放送コンテンツと同内容の音声のみの代替コンテンツを、通信ネットワークを介して受信して提示する第2提示部と、
前記第2提示部により前記代替コンテンツの提示が開始された後、前記第1提示部により前記放送コンテンツの提示が可能になった時点で、前記第2提示部による前記代替コンテンツの提示から前記第1提示部による前記放送コンテンツの提示に切り替える切替制御部と、を備える受信機。
【請求項2】
放送コンテンツの提示プログラムであって、受信機に、
選局操作に応じて、選局されたチャンネルの放送コンテンツと同内容の音声のみの代替コンテンツを、通信ネットワークを介して受信して提示させ、
前記選局されたチャンネルの前記放送コンテンツを受信させ、
前記代替コンテンツの提示が開始された後、前記放送コンテンツの提示が可能になった時点で、前記代替コンテンツの提示から前記放送コンテンツの提示に切り替えさせるための提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送コンテンツを提示する受信機、提示方法及び提示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送コンテンツは、デジタル放送に移行し、解像度の高い多チャンネルの映像コンテンツが提供されている。また、このような放送コンテンツが何らかの理由により受信及び提示できない場合に、代替コンテンツに切り替える手法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、スクランブルされた放送コンテンツのデスクランブルが行えない場合に、代替コンテンツとしてスクランブルされないワンセグ放送又は系列の放送を再生する技術が提案されている。
特許文献2には、コンテンツを受信機で蓄積して再生する際に、コンテンツの有効期限が切れていた場合に代替コンテンツをネットワークから取得する技術が提案されている。
特許文献3には、放送で階層伝送が行われているときに、誤り耐性の弱い高階層により伝送されているデータが正しく受信できなくなった場合、映像と音声とを独立してより耐性の強い低階層で伝送されているものに切り替える技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-135530号公報
【文献】特開2011-023807号公報
【文献】特開2008-154062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、デジタル放送を提示する受信機は、選局後に、受信信号との同期の確立、デインターリーブ、復号などの様々な動作を必要とする。このため、選局後直ちに映像及び音声コンテンツの提示が始まらず、高品質なコンテンツであるほど視聴開始までの待ち時間が掛かっていた。
したがって、次々にチャンネルを変更するザッピングと呼ばれる、アナログ放送では一般的だった視聴行動が事実上機能していない。ザッピングが機能しないことにより、見たいものが定まっていない視聴者を誘導することが困難になっている。
【0006】
一方、いわゆるOTT(Over-The-Top)サービスにおいては、コンテンツが選択されてからどれだけ早く再生を開始できるかが、ユーザがサービスを利用してくれるかどうかの重要な要素となっている。放送コンテンツについても、同様であり、ネットサービスを含む多様なメディアが視聴可能な環境にあっては、選局操作からコンテンツが提示されるまでという過渡時の所要時間の長さがメディアとしての競争力を削ぐ結果となっていた。
【0007】
前述の特許文献1~3のいずれの技術も、選局操作後に安定して受信及び提示できる状態になってからのものであり、過渡時の所要時間を短縮するものではない。
【0008】
本発明は、デジタル放送の選局後の待ち時間を短縮できる受信機、提示方法及び提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る受信機は、選局操作に応じて、選局されたチャンネルの放送コンテンツを受信して提示する第1提示部と、前記選局操作に応じて、前記選局されたチャンネルに対応付けられた代替コンテンツを受信して提示する第2提示部と、前記第2提示部により前記代替コンテンツの提示が開始された後、前記第1提示部により前記放送コンテンツの提示が可能になった時点で、前記第2提示部による前記代替コンテンツの提示から前記第1提示部による前記放送コンテンツの提示に切り替える切替制御部と、を備える。
【0010】
前記第2提示部は、複数のチャンネルそれぞれに対応付けられた前記代替コンテンツの画像の一覧を表示した選局用インタフェースを提供し、当該一覧から前記選局操作を受け付けてもよい。
【0011】
前記第2提示部は、前記選局用インタフェースとして、複数の前記代替コンテンツの連結画像を表示し、前記選局操作に応じて一の代替コンテンツを表示させてもよい。
【0012】
前記第2提示部は、前記連結画像を一のコンテンツとして受信し、前記選局操作に応じて、当該連結画像を拡大して前記一の代替コンテンツを表示させてもよい。
【0013】
前記代替コンテンツは、通信ネットワークを介して伝送されてもよい。
【0014】
本発明に係る提示方法は、受信機による放送コンテンツの提示方法であって、選局操作に応じて、選局されたチャンネルに対応付けられた代替コンテンツを受信して提示し、前記選局されたチャンネルの前記放送コンテンツを受信し、前記代替コンテンツの提示が開始された後、前記放送コンテンツの提示が可能になった時点で、前記代替コンテンツの提示から前記放送コンテンツの提示に切り替える。
【0015】
本発明に係る提示プログラムは、放送コンテンツの提示プログラムであって、受信機に、選局操作に応じて、選局されたチャンネルに対応付けられた代替コンテンツを受信して提示させ、前記選局されたチャンネルの前記放送コンテンツを受信させ、前記代替コンテンツの提示が開始された後、前記放送コンテンツの提示が可能になった時点で、前記代替コンテンツの提示から前記放送コンテンツの提示に切り替えさせる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、デジタル放送を選局後の待ち時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る受信機の機能構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る選局動作に伴い提供されるサービスの遷移を示す図である。
図3】第1実施形態に係る放送コンテンツの提示方法を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る受信機の動作と提供されるサービスとの関係を示す図である。
図5】第2実施形態に係る受信機の機能構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係る選局動作に伴い提供されるサービスの遷移を示す図である。
図7】第2実施形態に係る放送コンテンツの提示方法を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る受信機の動作と提供されるサービスとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態の受信機1は、高品質のデジタル放送コンテンツを受信すると共に、この放送コンテンツの信号処理を行い提示が開始されるまでの間、代替コンテンツの提示を行う。
なお、代替コンテンツは、放送サービスにおける複数のチャンネルそれぞれに対応して、放送により提供されてもよいし、通信ネットワークにより提供されてもよい。
【0019】
図1は、本実施形態に係る受信機1の機能構成を示す図である。
受信機1は、第1提示部11と、第2提示部12と、切替制御部13と、入力部14と、出力部15とを備える。
【0020】
第1提示部11は、入力部14を介してユーザから選局操作を受け付けたことに応じて、選局されたチャンネルの放送信号を受信し、所定の処理を施した映像及び音声(放送コンテンツ)を出力部15に出力して提示する。
【0021】
第2提示部12は、入力部14を介してユーザから選局操作を受け付けたことに応じて、選局されたチャンネルに対応付けられた代替コンテンツを受信し、所定の処理を施した映像又は音声を出力部15に出力して提示する。
【0022】
ここで、代替コンテンツは、放送コンテンツに比べて解像度が低く、さらに、誤り訂正及びインターリーブを行わない又は抑えた信号により伝送される。これにより、代替コンテンツは、放送コンテンツに比べて品質が低い代わりに、受信後の処理負荷が低いため、即座に提示可能となる。
なお、代替コンテンツは、放送コンテンツと同様の映像及び音声を含むコンテンツであってよいが、より処理負荷を低減するために、例えば音声のみのコンテンツであってもよい。
【0023】
代替コンテンツは、例えば、以下の経路で伝送される。
(1)放送チャンネル。1伝送チャンネルに複数の放送チャンネル分が多重されていてもよいし、放送チャンネル毎にそれぞれ独立した伝送チャンネルが設けられてもよい。
(2)ブロードバンド通信。(1)と同様に、複数の放送チャンネル分が多重されていてもよいし、放送チャンネル毎に独立した伝送が行われてもよい。
【0024】
切替制御部13は、第2提示部により代替コンテンツの提示が開始された後、第1提示部により放送コンテンツの出力準備が整い提示が可能になったことが通知されると、この時点で、第2提示部による代替コンテンツの提示から第1提示部による放送コンテンツの提示に切り替える。
また、切替制御部13は、入力部14からユーザの操作入力情報を受け取り、第1提示部11及び第2提示部12に指定されたチャンネルを通知して対象コンテンツの提示を指示してもよい。
【0025】
入力部14は、ユーザの操作入力を受け付けるデバイスであり、受信機1の筐体に設けられた入力キーの他、リモコンからの指示信号を受信する無線デバイスを含む。
出力部15は、第1提示部11及び第2提示部12から受信した信号を出力するデバイスであり、コンテンツの映像を画面表示するディスプレイ、及び音声を出力するスピーカなどを含む。
【0026】
図2は、本実施形態に係る選局動作に伴い提供されるサービスの遷移を示す図である。
ユーザは、リモコンのチャンネル切替キー(Up、Down)又はテンキーなどの操作により、あるいは、EPG(Electronic Program Guide)などの番組表から選択することにより選局を行う。
【0027】
ユーザが選局操作を行うと、出力部15の画面上には全画面で代替サービスの低解像度映像Aが短時間のうちに表示される。
また、選局操作に伴い、受信機1の第1提示部11は、代替サービスの提示開始後、又は提示動作と並行して放送コンテンツの選局動作そのものも行い、チューニング及び復号処理などの提示準備を行う。放送コンテンツが提示可能な状態になると、代替コンテンツに代えて、高品質映像である放送コンテンツBが提示される。
【0028】
図3は、本実施形態に係る受信機1による放送コンテンツの提示方法を示すフローチャートである。
ステップS1において、入力部14は、ユーザからの選局操作を受け付け、切替制御部13に通知する。
ステップS2において、第2提示部12は、切替制御部13からチャンネル情報を受け取ると、このチャンネルに対応した代替コンテンツを受信し、提示を行う。
【0029】
ステップS3において、第1提示部11は、切替制御部13からチャンネル情報を受け取ると、このチャンネルへの選局動作を行い、放送コンテンツの提示準備を開始する。
なお、ステップS2及びS3は、順序が逆であってもよいし、並列に行われてもよい。
【0030】
ステップS4において、切替制御部13は、第1提示部11による放送コンテンツの提示が可能になったか否かを第1提示部11からの通知に基づき判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS5に移り、判定がNOの場合、処理はステップS4を繰り返す。
ステップS5において、切替制御部13は、ステップS2で開始した第2提示部12による代替コンテンツの提示を、第1提示部11による放送コンテンツの提示に切り替える。
【0031】
図4は、本実施形態に係る受信機1の動作と提供されるサービスとの関係を示す図である。
受信機1が選局操作を受け付けると、放送コンテンツの選局動作が行われている間、代替サービスがユーザに提供される。選局動作が終了し、放送コンテンツが提示可能状態になると、受信機1は、放送コンテンツの提示動作を行い、この間は放送サービスがユーザに提供される。
さらに、放送サービスのチャンネルを切り替える選局操作を受け付けると、同様に、受信機1が選局動作を開始し、選局動作が行われている間、代替サービスがユーザに提供され、放送コンテンツが提示可能状態になると、放送サービスがユーザに提供される。
【0032】
なお、代替サービスが提供されていて受信機1の選局動作が完了する前に、再度選局操作が行われた場合には、受信機1は、新たに選択されたチャンネルの選局動作を開始し、対応する代替サービスが新たに提供される。
また、本実施形態における選局動作は、現在のチャンネルから他のチャンネルへの切り替えの他、受信機1の電源投入による既定のチャンネルの提示動作を含んでよい。
【0033】
本実施形態によれば、受信機1は、選局されたチャンネルの放送コンテンツが提示されるまでの間、提示準備に要する時間が短い代替コンテンツを提示し、放送コンテンツの提示準備が整うと、代替コンテンツから放送コンテンツへ切り替える。
したがって、受信機1は、デジタル放送が選局後に視聴可能となるまでの待ち時間を短縮できる。この結果、放送サービスのメディアとしての競争力の確保につながる。
【0034】
また、受信機1は、代替コンテンツを、通信ネットワークを介して受信することにより、専用の放送用チューナを設けることなく、既存の通信機能を利用して、容易に本実施形態の構成を実現できる。
【0035】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0036】
本実施形態の受信機1aは、視聴するチャンネルの選択を受け付ける選局用インタフェースを提供する。チャンネルの決定後、第1実施形態の受信機1と同様に、受信機1aは、高品質のデジタル放送コンテンツを受信すると共に、この放送コンテンツの信号処理を行い提示が開始されるまでの間、代替コンテンツの提示を行う。
【0037】
図5は、本実施形態に係る受信機1aの機能構成を示す図である。
受信機1aは、第1提示部11と、第2提示部12aと、切替制御部13と、入力部14と、出力部15とを備える。第2提示部12aは、第1実施形態の受信機1に比べて、選局用インタフェースに関する新たな機能が付加されている。
【0038】
第2提示部12aは、放送サービスの複数のチャンネルそれぞれに対応付けられた代替コンテンツの画像の一覧を表示した選局用インタフェースを提供する。
第2提示部12aは、この選局用インタフェースにおける画像の一覧からの選局操作を、入力部14を介して受け付ける。
【0039】
図6は、本実施形態に係る選局動作に伴い提供されるサービスの遷移を示す図である。
ユーザがリモコンの特定のボタンを押すなどの操作により選局開始が指示されると、選局用インタフェースとして、代替サービスによる放送チャンネルの一覧の画面Aが表示される。この一覧は、例えば、各放送チャンネルに対応する代替コンテンツが縮小された、低解像度映像が連結された画像として表示され、カーソルが当たっているチャンネルA1の音声が再生される形態である。
【0040】
この一覧画像は、1つの動画像として構成されてもよく、動画像のどの領域が選択されたかによって選局が行われる。この場合、代替サービスは起動しているものの、ユーザが一覧の中の特定の画像を選択するまでは選局すべきチャンネルが確定していない。
【0041】
ユーザがカーソルを操作して一覧の中からチャンネルを選択、決定することで、選択されたチャンネルに対する代替コンテンツの映像A2が全画面に表示される。このとき、音声も選択されたチャンネルのものが再生される。
その後、決定されたチャンネルの提示準備が整うと、放送コンテンツの高品質映像Bが提示される。
【0042】
ここで、第2提示部12aは、複数チャンネルの代替コンテンツをそれぞれ受信し、連結して一覧表示してもよいが、選局用インタフェースとなる複数チャンネルの連結画像を、単一のコンテンツとして受信してもよい。この場合、選局操作によりチャンネルが決定すると、第2提示部12aは、連結画像を拡大して、対象チャンネルの代替コンテンツのみを全画面に表示する。
【0043】
図7は、本実施形態に係る受信機1aによる放送コンテンツの提示方法を示すフローチャートである。
ステップS11において、入力部14は、ユーザから選局操作の開始を指示する特定の操作入力を受け付け、切替制御部13に通知する。
【0044】
ステップS12において、第2提示部12aは、切替制御部13から選局開始の通知を受け取ると、選局用のインタフェースを提示する。
ステップS13において、第2提示部12aは、入力部14を介して選局用インタフェースに基づくユーザからの選局操作を受け付け、決定されたチャンネルを切替制御部13に通知する。
ステップS14において、第2提示部12aは、決定されたチャンネルに対応した代替コンテンツを受信し、提示を行う。
【0045】
ステップS15において、第1提示部11は、切替制御部13からチャンネル情報を受け取ると、このチャンネルへの選局動作を行い、放送コンテンツの提示準備を開始する。
【0046】
ステップS16において、切替制御部13は、第1提示部11による放送コンテンツの提示が可能になったか否かを第1提示部11からの通知に基づき判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS17に移り、判定がNOの場合、処理はステップS16を繰り返す。
ステップS17において、切替制御部13は、ステップS14で開始した第2提示部12aによる代替コンテンツの提示を、第1提示部11による放送コンテンツの提示に切り替える。
【0047】
図8は、本実施形態に係る受信機1aの動作と提供されるサービスとの関係を示す図である。
受信機1aが選局操作の開始指示を受け付けると、選局用インタフェースを含む代替サービスがユーザに提供される。続いて、選局用インタフェースに基づいてチャンネルが決定されると、このチャンネルに対する放送コンテンツの選局動作が行われている間、引き続き代替サービスによる代替コンテンツがユーザに提供される。受信機1aの選局動作が終了し、放送コンテンツが提示可能状態になると、受信機1aは、放送コンテンツの提示動作を行い、この間は放送サービスがユーザに提供される。
【0048】
再度、受信機1aが選局操作の開始指示を受け付けると、同様に、代替サービスがユーザに提供され、チャンネル決定後に放送コンテンツが提示可能状態になると、放送サービスがユーザに提供される。
なお、選局用インタフェースを経由せず、ユーザから直接にチャンネルが指定されると、第1実施形態(図4)の流れで、受信機1aによる選局動作と代替サービスの提供が時間差なく開始される。
【0049】
本実施形態によれば、受信機1aは、代替サービスによって、代替コンテンツの画像を一覧表示した選局用インタフェースを提供するので、代替コンテンツによりユーザの待ち時間を短縮しつつ、選局操作における利便性を向上できる。
【0050】
また、受信機1aは、選局用インタフェースとして、複数の代替コンテンツの連結画像を表示し、選局操作に応じて一の代替コンテンツを表示させる。したがって、ユーザは、インタフェース画面上で待ち時間なく複数のチャンネルの映像を確認しつつ、希望のチャンネルを決定できる。
【0051】
さらに、受信機1aは、複数のチャンネルの連結画像を一のコンテンツとして受信し、選局操作に応じて、この連結画像を拡大して一の代替コンテンツを表示させる。したがって、受信機1aは、選局用インタフェースのために複数の信号を処理する必要がないので、処理負荷を低減できる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0053】
本実施形態では、主に受信機1又は1aの構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、放送コンテンツを提示するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0054】
さらに、受信機1又は1aの機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0055】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0056】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0057】
具体的には、第2提示部12又は12aによる代替サービスを提供するためのソフトウェア(アプリケーション)は、受信機1又は1a内に予め組み込まれていてもよいし、既知又は受信機1若しくは1aに事前に設定された特定のサイトからダウンロードされてもよい。また、選択された放送チャンネルに対応する代替サービスで提示する内容の入手先は、代替サービスのソフトウェアに設定されていればよいので、固定である必要はなく更新可能でもよい。
【符号の説明】
【0058】
1、1a 受信機
11 第1提示部
12、12a 第2提示部
13 切替制御部
14 入力部
15 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8