IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友化学株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図1
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図2
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図3
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図4
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図5
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図6
  • 特許-アルミニウムクラッド材 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-26
(45)【発行日】2022-06-03
(54)【発明の名称】アルミニウムクラッド材
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/00 20060101AFI20220527BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20220527BHJP
   B32B 15/01 20060101ALI20220527BHJP
   B32B 15/20 20060101ALI20220527BHJP
   C22C 21/06 20060101ALI20220527BHJP
   B23K 20/04 20060101ALN20220527BHJP
【FI】
C22C21/00 E
B32B7/022
B32B15/01 F
B32B15/20
C22C21/00 L
C22C21/06
B23K20/04 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018153655
(22)【出願日】2018-08-17
(65)【公開番号】P2020026570
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100206140
【弁理士】
【氏名又は名称】大釜 典子
(72)【発明者】
【氏名】久保 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】星河 浩介
【審査官】川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-204077(JP,A)
【文献】特開2006-336058(JP,A)
【文献】特開2011-038163(JP,A)
【文献】特開2015-193895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 21/00-21/18
B32B 15/01
B32B 15/20
B32B 7/022
B23K 20/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金から成る第1金属層と、
純アルミニウムから成り、前記第1金属層の少なくとも片面に接合された第2金属層と、を含み、
以下の式(1)および式(2)を満たすアルミニウムクラッド材。

HVα≧30 (1)
HVβ÷HVα≦0.3 (2)

ここで、HVαは、前記第1金属層と前記第2金属層とを含む断面における前記第1金属層のビッカース硬さであり、HVβは前記断面における前記第2金属層のビッカース硬さである。
【請求項2】
以下の式(3)を満たす請求項1に記載のアルミニウムクラッド材。

0.02≦t2÷t1≦1.0 (3)

ここで、t1は前記第1金属層の厚さであり、t2は前記第2金属層の厚さである。
【請求項3】
以下の式(4)および式(5)を満たす、請求項1または2に記載のアルミニウムクラッド材。

RRR2÷RRR1≧5 (4)
RRR2≧5 (5)

ここで、RRR1は前記第1金属層の残留抵抗比であり、RRR2は前記第2金属層の残留抵抗比である。
【請求項4】
前記第1金属層は、MnおよびMgの少なくとも1種を含有するアルミニウム合金から成り、
以下の式(6)を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウムクラッド材。

0.5≦(Cmn1+Cmg1)≦5.0 (6)

ここで、Cmn1は前記第1金属層中のMn含有量(質量%)であり、Cmg1は前記第1金属層中のMg含有量(質量%)である。
【請求項5】
前記第2金属層は、直径1μm以上の金属間化合物が100μm当たり10個以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウムクラッド材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し応力負荷に対する耐久性に優れたアルミニウムクラッド材に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器用部材、自動車用部材などにアルミニウム合金板を用いると、耐食性(特に耐孔食性)が問題となることがある。そこで、アルミニウム合金板を心材とし、その片面または両面を、耐食性(耐孔食性)に優れた純アルミニウム層から成る皮材で被覆することにより、耐食性を改善したアルミニウムクラッド材が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5537103号公報
【文献】特開昭57-158350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2のようなアルミニウムクラッド材は、繰り返しの成形加工(曲げ加工など)を施した際に、疲労により皮材にクラックが入ることがあった。
また、アルミニウム合金から成る心材と、純アルミニウムから成る皮材とでは熱膨張率に差がある。特許文献1、2のようなアルミニウムクラッド材を加熱と冷却が繰り返される環境下に置くと、心材の変形量と皮材の変形量の差が生じる。その変形量の差に起因する応力によって、皮材にクラックが入ることがあった。
このように、従来のアルミニウムクラッド材は、繰り返し応力負荷(例えば、繰り返しの成形加工、繰り返される加熱と冷却、等)が生じる環境下における耐久性が十分ではなかった。
【0005】
本発明は、繰り返し応力負荷に対する耐久性に優れたアルミニウムクラッド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1は、
アルミニウム合金から成る第1金属層と、
純アルミニウムから成り、前記第1金属層の少なくとも片面に接合された第2金属層と、を含み、
以下の式(1)および式(2)を満たすアルミニウムクラッド材である。

HVα≧30 (1)
HVβ÷HVα≦0.3 (2)

ここで、HVαは、前記第1金属層と前記第2金属層とを含む断面における前記第1金属層のビッカース硬さであり、HVβは前記断面における前記第2金属層のビッカース硬さである。
【0007】
本発明の態様2は、以下の式(3)を満たす態様1に記載のアルミニウムクラッド材である。

0.02≦t2÷t1≦1.0 (3)

ここで、t1は前記第1金属層の厚さであり、t2は前記第2金属層の厚さである。
【0008】
本発明の態様3は、以下の式(4)および式(5)を満たす、態様1または2に記載のアルミニウムクラッド材である。

RRR2÷RRR1≧5 (4)
RRR2≧5 (5)

ここで、RRR1は前記第1金属層の残留抵抗比であり、RRR2は前記第2金属層の残留抵抗比である。
【0009】
本発明の態様4は、前記第1金属層は、MnおよびMgの少なくとも1種を含有するアルミニウム合金から成り、
以下の式(6)を満たす、態様1~3のいずれか1つに記載のアルミニウムクラッド材である。

0.5≦(Cmn1+Cmg1)≦5.0 (6)

ここで、Cmn1は前記第1金属層中のMn含有量(質量%)であり、Cmg1は前記第1金属層中のMg含有量(質量%)である。
【0010】
本発明の態様5は、
前記第2金属層は、直径1μm以上の金属間化合物が100μm当たり10個以下である、態様1~4のいずれか1つに記載のアルミニウムクラッド材である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアルミニウムクラッド材は、繰り返し応力負荷に対して優れた耐久性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るアルミニウムクラッド材の概略断面図である。
図2図2は、図1に図示したアルミニウムクラッド材の部分拡大概略断面図である。
図3図3(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係るアルミニウムクラッド材の製造方法を説明するための概略断面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態の変形例に係るアルミニウムクラッド材の概略断面図である。
図5図5は、繰り返し曲げ試験の試験方法を説明するための概略図である。
図6図6は、繰り返し曲げ試験の試験方法を説明するための概略図である。
図7図7は、繰り返し曲げ試験の試験方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るアルミニウムクラッド材10の概略断面図である。図2は、アルミニウムクラッド材10の第2金属層12の部分拡大概略断面図である。
アルミニウムクラッド材10は、第1金属層11と、第1金属層11の少なくとも片面に接合された第2金属層12とを含む。第1金属層11はアルミニウム合金から成り、第2金属層12は純アルミニウムから成る。本明細書において「純アルミニウム」は、JIS H4000:2014で規定されている1000系アルミニウム(例えば、A1050、A1070等)のことであり、Al含有量が99質量%以上のアルミニウムを意図している。第2金属層12を形成する純アルミニウムの純度は、好ましくは99.999質量%(5N)以上、より好ましくは99.9999質量%(6N)以上である。
【0014】
第1金属層11を形成するアルミニウム合金の組成は特に限定されないが、例えば3000系アルミニウム合金(Al-Mn系合金)、5000系アルミニウム合金(Al-Mg系合金)および6000系アルミニウム合金(Al-Mg-Si系合金)などが適用できる。
【0015】
本発明のアルミニウムクラッド材10は、第1金属層11によって強度を確保し、第2金属層12によって耐食性を確保するものである。よって、第1金属層11の組成および厚さを適宜調節して、アルミニウムクラッド材10の強度を、使用用途(例えば、熱交換器用部材、自動車用部材等)に適した強度にすることができる。
【0016】
アルミニウムクラッド材10では、耐食性が比較的低い第1金属層11を、耐食性が高い第2金属層12でクラッディングすることにより、アルミニウムクラッド材10の耐食性を向上させ、これによりアルミニウムクラッド材10の耐久性を向上させている。第1金属層11にクラックが発生してしまうと、アルミニウムクラッド材10の耐食性が低下し、アルミニウムクラッド材10の耐久性が低下する。
【0017】
ここで、アルミニウムクラッド材10に曲げ加工などの成形加工を施すと、第1金属層11の変形に伴って、第2金属層12も変形する。アルミニウムクラッド材10に繰り返しの成形加工を施すと、第2金属層12にクラックが発生することがある。
また、第1金属層11と第2金属層12は熱膨張率が異なり得る。アルミニウムクラッド材10を加熱と冷却が繰り返される環境下に置いたときに、第1金属層11の変形(膨張、収縮)によって、第2金属層12にクラックが発生することがある。
【0018】
そこで、本発明者らは、アルミニウムクラッド材10の強度を維持しながら、第2金属層12のクラックの発生を抑制するためには、第1金属層11のビッカース硬さHVαと第2金属層12のビッカース硬さHVβが、以下の式(1)、(2)を満たすことが重要であることを見いだした。

HVα≧30 (1)
HVβ÷HVα≦0.3 (2)

ここで、HVαは、第1金属層と前記第2金属層とを含む断面(図1に図示された断面)における第1金属層のビッカース硬さであり、HVβは当該断面における第2金属層のビッカース硬さである。
【0019】
金属層の強度は、硬さ、厚さ等に依存する。本発明では、式(1)に規定するように、第1金属層11のビッカース硬さ(HVα)を30以上と硬くすることにより、第1金属層11の強度を高めて、アルミニウムクラッド材10全体の強度を向上させることができる。HVαは、好ましくは40以上、特に好ましくは50以上である。
HVαは通常は120以下であり、その好ましい上限は、アルミニウムクラッド材10の使用用途によって異なる。例えば、熱交換器用部材、自動車用部材等に使用するアルミニウムクラッド材10では、適度な成形加工性を確保するために、HVαが100以下であるのが好ましい。
【0020】
式(2)の規定において、第1金属層11のビッカース硬さに対する第2金属層12のビッカース硬さの比(HVβ÷HVα)は、第1金属層11に対する第2金属層12の相対的な硬さの指標となる。つまり、(HVβ÷HVα)の値が小さいほど、第1金属層11に対する第2金属層12の相対的な柔軟性が高い。式(2)に規定するように、(HVβ÷HVα)の値を0.3以下とすることにより、第2金属層12の相対的な柔軟性が十分に確保され、第2金属層12の変形能を高めることができる。これにより、繰り返し応力負荷が生じる環境下においても、第2金属層12のクラックの発生を抑制して、アルミニウムクラッド材10の耐久性を向上させることができる。
(HVβ÷HVα)の値の下限は特に限定されないが、現実的な材料の硬さから(HVβ÷HVα)は通常は0.1以上となる。
【0021】
このように、式(1)、(2)の規定を満たすアルミニウムクラッド材10は、高い強度と優れた耐久性を有する。
【0022】
第1金属層11のビッカース硬さ(HVα)は、第1金属層11と第2金属層12との接合面15から第1金属層11へ、厚さ方向(図2の矢印A方向)に0.1mmの位置(図2の位置P11)で測定を行う。第2金属層12のビッカース硬さ(HVβ)は、接合面15から第1金属層12へ、厚さ方向(図2の矢印B方向)に0.1mmの位置(図2の位置P12)で測定を行う。
本明細書において、第2金属層11、第2金属層12のビッカース硬さ(位置P11および位置P12のビッカース硬さ)は、マイクロビッカース硬度計を用いて試験力0.01kgf(=0.09806N)で測定したビッカース硬さ(HV0.01(10gf))を指す。ビッカース硬さは、JIS Z 2244:2009「ビッカース硬さ試験-試験方法」の規定に沿って測定される。
【0023】
アルミニウムクラッド材10は、以下の式(3)を満たすことが好ましい。

0.02≦t2÷t1≦1.0 (3)

ここで、t1は第1金属層11の厚さであり、t2は第2金属層12の厚さである(図1参照)。
【0024】
式(3)に規定するように、第1金属層11の厚さt1に対する第2金属層12の厚さt2の比(t2÷t1)が0.02以上1.0以下であるのが好ましい。
(t2÷t1)の値が0.02以上であると、第2金属層12の厚さを確保できるため、第2金属層12による耐食性をより向上させることができる。(t2÷t1)の値は0.05以上0.8以下であるのがより好ましく、0.2以上0.7以下であるのが更に好ましく、0.1以上0.5以下であるのが特に好ましい。
【0025】
アルミニウムクラッド材10の厚さは用途によって適宜変更可能であるが、一般的な用途では、厚さ0.2~6.0mmが好ましい。そのようなアルミニウムクラッド材10では、第1金属層11の厚さt1は、例えば0.1mm(100μm)~5.0mm、第2金属層12の厚さt2は例えば0.1mm(100μm)~5.0mmにすることができる。
【0026】
さらに、アルミニウムクラッド材10は、以下の式(4)および式(5)を満たすことが好ましい。

RRR2÷RRR1≧5 (4)
RRR2≧5 (5)

ここで、RRR1は第1金属層11の残留抵抗比であり、RRR2は第2金属層12の残留抵抗比である。
【0027】
式(4)、(5)の意義を以下に詳しく説明する。
残留抵抗比(RRR)は、室温での導電率に対する低温(一般に4.2K)での導電率の比である。また、残留抵抗比(RRR)が大きいほど金属材料の変形抵抗が小さい。そのため、残留抵抗比(RRR)の値から、金属材料の変形抵抗を推測することができる。
【0028】
式(4)は、第1金属層11の残留抵抗比(RRR1)に対する第2金属層12の残留抵抗比(RRR2)の比について規定している。RRR1に対するRRR2の比が大きいことは、第2金属層12の変形抵抗が第1金属層11の変形抵抗に比べて小さいこと、言い換えれば、第2金属層12が第1金属層11より変形しやすいことを示唆している。
式(4)に規定されているように、RRR1に対するRRR2の比が5以上とするのが好ましく、これにより、第2金属層12の変形抵抗が、第1金属層11に比べて十分に小さくなり、第2金属層12の変形能をさらに向上させることができる。その結果、繰り返し応力負荷がかかる環境下であっても、第2金属層12のクラック発生を抑制する効果を向上させることができる。
【0029】
RRR2÷RRR1は、100以上であるのがより好ましく、1000以上であるのが特に好ましい。RRR2÷RRR1の上限は特に限定されないが、例えば10000以下となり得る。
【0030】
式(5)は、第2金属層12の残留抵抗比(RRR2)が5以上であることを規定している。第2金属層12の残留抵抗比(RRR2)が高いことは、第2金属層12中に含まれる不純物原子の量が少なく、第2金属層12を形成する純アルミニウムの純度が高いことを示唆している。式(5)を満たすことにより、第2金属層12による耐食性の機能を更に向上させることができる。
RRR2は、100以上であるのがより好ましく、1000以上であるのが特に好ましい。RRR2の上限は特に限定されないが、例えば100000以下になり得る。
【0031】
なお、各残留抵抗比(RRR1およびRRR2)は、以下のように求める。得られたアルミニウムクラッド材を2枚準備する。1枚は、第2金属層12側から研磨して第1金属層11のみ残す(第1測定試料)。もう1枚は、第1金属層11側から研磨して、第2金属層のみを残す(第2測定試料)。第1測定試料および第2測定試料のそれぞれについて、室温での電気比抵抗値ρrt(Ω・m)と、液体He温度(4.2K)での電気比抵抗値ρ4.2K(Ω・m)を四端子法により測定する。得られた電気比抵抗値を用いて、以下の式(7)から残留抵抗比(RRR1およびRRR2)を求める。

RRR=ρrt÷ρ4.2K (7)
【0032】
第1金属層11は、MnおよびMgの少なくとも1種を含有するアルミニウム合金から成り、MnおよびMgの含有量が式(6)を満たすことが好ましい。

0.5≦(Cmn1+Cmg1)≦5.0 (6)

ここで、Cmn1は前記第1金属層中のMn含有量(質量%)であり、Cmg1は前記第1金属層中のMg含有量(質量%)である。
【0033】
合金元素であるMnおよびMgはいずれも、アルミニウム合金の強度を向上させる作用を有する。それらの合金元素の合計含有量(Cmn1+Cmg1)が0.5質量%以上であると、第1金属層11の強度向上効果が顕著になり、アルミニウムクラッド材10の強度をより向上させることができる。また、MnとMgの合計含有量(Cmn1+Cmg1)が5.0質量%以下であると、第1金属層11の強度が適切に制御され、アルミニウムクラッド材10を部品形状に成形加工しやすくなる。MnとMgの合計含有量(Cmn1+Cmg1)は0.8以上4.0以下が好ましく、1.2以上3.5以下がより好ましく、1.8以上3.3以下が更に好ましく、2.0以上3.0以下が特に好ましい。
【0034】
第2金属層12中は、直径1μm以上の金属間化合物が100μm当たり10個以下(10個/100μm以下)であるのが好ましい。
直径が1μm以上の粗大な金属間化合物は、金属材料を所望の部品形状に成形加工する際に、クラックの起点となりやすい。第2金属層12中における、直径1μm以上の金属間化合物の個数密度を10個/100μm以下に低減することにより、成形加工時において第2金属層12にクラックが発生するのを抑制できる。
【0035】
直径1μm以上の金属間化合物の検出は、アルミニウムクラッド材10の第2金属層12の表面12xをバフ研磨で鏡面研磨した後、光学顕微鏡で500倍に拡大して写真撮影を行って実施する。写真内の0.022mmの範囲(縦0.13mm×横0.17mm)について画像処理を行い、直径1μm以上の金属間化合物の個数をカウントし、100μm当たりの個数密度(個/100μm)を算出する。ここで「直径」とは、写真上で観察される金属間化合物の各々について、重心を通る直径を2°刻みで測定し(90個の直径の測定値が得られる)、それら測定値を平均して求めた値である。
【0036】
次に、図3を参照しながら、アルミニウムクラッド材10の製造方法の一例を説明する。
本発明の実施の形態に係るアルミニウムクラッド材10の製造方法は、クラッド工程を含む。さらに、クラッド工程より後に熱処理工程を含んでもよく、クラッド工程より前に、表面研磨工程を含んでもよい。
【0037】
(クラッド工程)
クラッド工程は、アルミニウム合金から成る第1金属材料110と、純アルミニウムから成る第2金属材料120を積層して圧延接合する工程である。第1金属材料110は、圧延接合後に、アルミニウムクラッド材10の第1金属層11となり、第2金属材料120は、第2金属層12となる。第2金属材料120は、好ましくは純度99.999質量%(5N)以上の高純度アルミニウムから形成し、より好ましくは純度99.9999質量%(6N)以上の高純度アルミニウムから形成する。
まず、従来公知の方法により、第1金属材料110、第2金属材料120を準備する。例えば、所定の組成を有するアルミニウム合金を鋳造、圧延して第1金属材料110を準備し、所定の純度の純アルミニウムを鋳造、圧延して第2金属材料120を準備することができる。必要に応じて、鋳造と圧延との間に均質化処理を実施してもよい。
【0038】
図3(a)に示すように、第1金属材料110の上面と、第2金属材料120の下面とを向かい合わせて、第1金属材料110と第2金属材料120とを積層する。第1金属材料110の上面が第1金属材料110の貼合せ面110b(第2金属材料120と接合する面)となり、第2金属材料120の下面が、第2金属材料120の貼合せ面120b(第1金属材料110と接合する面)となる。
その後、第1金属材料110と第2金属材料120を積層した積層体を圧延することにより、第1金属材料110と第2金属材料120をと圧延接合する。これにより、図3(b)に示すようなアルミニウムクラッド材10が得られる。
【0039】
第1金属材料110の厚さt11と第2金属材料120の厚さt22は、以下の式(8)を満たすように設定するのが好ましい。

0.02≦t22÷t11≦1.0 (8)
【0040】
圧延前の「第1金属材料110の厚さt11」に対する「第2金属材料120の厚さt22」の比(これを「圧延前の厚さ比」と称する)は、圧延後の「第1金属層の厚さt1」に対する「第2金属層の厚さt2」の比(これを「圧延後の厚さ比」と称する)とほぼ等しくなる。よって、圧延前の厚さ比を0.02以上1.0以下にすること(つまり、式(8)を満たすこと)により、圧延後の厚さ比を0.02以上1.0以下(つまり、以下の式(3))を満足するアルミニウムクラッド材10を得ることができる。

0.02≦t2÷t1≦1.0 (3)
【0041】
第1金属材料110と第2金属材料120との圧延接合(クラッディング)は熱間圧延で行うと、アルミニウムクラッド材10の第1金属層11と第2金属層12の密着性を容易に向上できるので好ましい。熱間圧延時の加熱温度は適宜設定することができ、例えば250℃以上600℃以下である。後述するような表面処理(研磨工程)を行う場合には、熱間圧延が低めの温度(例えば250℃以上300℃以下)での実施であっても第1金属層11と第2金属層12の密着性を十分に向上できる。
熱間圧延した後のアルミニウムクラッド材10に、さらに仕上げ圧延(冷間圧延)を行ってもよい。
【0042】
(研磨工程)
クラッド工程より前に、第1金属材料110の貼合せ面110bと、第2金属材料120の貼合せ面120bとをそれぞれ研磨する研磨工程を含んでもよい。研磨により、貼合せ面110b、120bの酸化皮膜が除去されると、クラッド工程で第1金属材料110と第2金属材料120が接合しやすくなる効果がある。
【0043】
研磨工程では、貼合せ面110b、120bの酸化皮膜の少なくとも一部が除去されれば、上記効果が得られる。特に、第1金属材料110の貼合せ面110bと、第2金属材料120の貼合せ面120bのそれぞれが、算術平均粗さRa(JIS B 0601:2013)が0.5μm以上3μm以下となるように研磨すると、上記効果がより顕著になるので好ましい。Raが0.5μm以上2μm以下となるように研磨するのがより好ましい。
貼合せ面110b、120bの研磨は、例えば、研磨剤を用いたバフ研磨で行うことができる。
【0044】
(熱処理工程)
クラッド工程により得られたアルミニウムクラッド材10(図3(b))を、熱処理するのが好ましい。熱処理工程は、クラッド工程時の圧延により第2金属層12に導入された加工ひずみを除去して、第2金属層12の硬さを低くする効果がある。但し、熱処理によって第1金属層11の加工ひずみも除去されるため、熱処理条件(熱処理温度、熱処理時間)が適切ではない場合、第1金属層11の硬さが過度に低下して、アルミニウムクラッド材10の強度が確保できなくなるおそれがある。
【0045】
好適な熱処理条件は、第2金属層12の硬さが低減され、かつ第1金属層11の硬さが過度に低下しない範囲とするのがよく、第1金属層11および第2金属層12の材質によって異なる。
【0046】
第1金属層11に含まれるMn含有量をCmn1(質量%)とし、第1金属層11に含まれるMg含有量をCmg(質量%)としたときに、第1金属層11が(Cmn+Cmg)≦2.0を満たし、第2金属層12が純アルミニウムの場合、熱処理温度を150℃以上250℃以下とし、熱処理温度を2時間以上10時間以下とすることができる。
例えば、第1金属層11がA3000系アルミニウム合金(A3003等)から成り、第2金属層12が99.999質量%(5N)の純アルミニウムから成る場合、熱処理温度を150℃以上250℃以下とし、熱処理時間を2時間以上10時間以下とすることができる。
【0047】
第1金属層11が(Cmn+Cmg)>2.0を満たし、第2金属層12が純アルミニウムの場合、熱処理温度を150℃以上500℃以下とし、熱処理温度を2時間以上10時間以下とすることができる。
例えば、第1金属層11がA5000系アルミニウム合金(A5052等)から成り、第2金属層12が99.999質量%(5N)の純アルミニウムから成る場合、熱処理温度を150℃以上500℃以下とし、熱処理時間を2時間以上10時間以下とすることができる。
【0048】
このようにして得られたアルミニウムクラッド材10は、強度が高く、繰り返し応力負荷に対する耐久性に優れている。
【0049】
(変形例)
図4は、本発明の実施の形態の変形例に係るアルミニウムクラッド材20の概略断面図である。変形例に係るアルミニウムクラッド材20は、第1金属層11の両面に、第2金属層12a、12bを含む。2つの第2金属層12a、12bは、同じ純度の純アルミニウムから成ってもよく、別の純度の純アルミニウムから成ってもよい。例えば、第1金属層11の上面を覆う第2金属層12aが純度99.999質量%(5N)の純アルミニウムから成り、下面を覆う第2金属層12bが純度99.9999質量%(6N)の純アルミニウムから成ってもよい。また、一方の第2金属層12aの厚さt2aと、他方の第2金属層12bの厚さt2bは、同じであっても、異なっていてもよい。
第1金属層11の両面に第2金属層12a、12bが形成されると、片面にのみ形成される場合に比べて、耐食性に優れている。
【0050】
アルミニウムクラッド材20が2層の第2金属層12a、12bを有する場合、第2金属層12a、12bの総厚さ(厚さの合計)が、上記の式(3)の規定を満たすのが好ましい。つまり、図4の例では、アルミニウムクラッド材20は、以下の式(9)を満たすのが好ましい。

0.02≦(t2a+t2b)÷t1≦1.0 (9)

ここで、t2aは一方の第2金属層12aの厚さであり、t2bは他方の第2金属層12bの厚さである。
なお、一方の第2金属層12aの厚さt2aが、他方の第2金属層12bの厚さt2bより厚い場合(つまりt2a>t2b)、第2金属層12aの厚さt2aは、100μm超とするのが好ましい。これにより、強度と耐食性が共に良好なアルミニウムクラッド材20を得ることができる。
【0051】
また、実施形態1に規定した第2金属層12の硬さ、残留抵抗比、およびその他規定についても、厚さの厚い第2金属層(図4では、第2金属層12a)が、それらの規定を満たすことにより、変形例に係るアルミニウムクラッド材20は、実施形態1のアルミニウムクラッド材10と同様の効果を有することができる。
【実施例
【0052】
(実施例1)
1.測定用試料の作製
純アルミニウムを鋳造圧延して、表1に記載の純度を有する純アルミニウム板(第2金属材料120)を準備した。表1の5N-Alは、純度99.999質量%の純アルミニウムを指す。
また、アルミニウム合金(A3003およびA5052)を鋳造圧延して、表2に示す組成を有するアルミニウム合金板(第1金属材料110)を準備した。
なお、表1および表2は、得られた第1金属材料110、第2金属材料120について、固体発光分光分析により組成分析を行った分析結果である。表2で線(-)を記載したものは、その化学成分が検出されなかったことを意味する。また、表2には、MnとMgの合計含有量(Cmn1+Cmg1)も記載した。
【0053】
得られた第1金属材料110、第2金属材料120を以下の寸法に切断した後、以下の条件で表面処理工程、クラッド工程(熱間圧延)および仕上げ圧延(冷間圧延)を行い、アルミニウムクラッド材10を準備した。
・第1金属材料110の寸法:2.0mm×125mm×190mm
・第2金属材料120の寸法:1.0mm×125mm×190mm
・表面処理工程:市販の金属磨き剤にて第1金属材料110の貼合せ面110b全体および第2金属材料120の貼合せ面120b全体を、それぞれ、長手方向に10往復させて研磨した。
・クラッド工程(熱間圧延):圧延前の第1金属材料110、第2金属材料120のそれぞれを300~350℃に加熱し、その温度(熱間圧延温度)で、1パス当たりの圧下率15~20%として5パスの熱間圧延を行った。最終的な総圧下率は50~75%であった。
・仕上げ圧延(冷間圧延):仕上げ圧延として、1パス当たりの圧下率10~20%として、1~10パスの冷間圧延を行って、所定厚さ(表3の「アルミニウムクラッド材の厚さ」)まで圧延した。
【0054】
各アルミニウムクラッド材10の製造に使用される第1金属材料110、第2金属材料120の材質の組み合わせは、表3に記載された第1金属層の「材質」、第2金属層の「材質」に記載した。
【0055】
上記の条件で製造されたアルミニウムクラッド材10のうち試料No.1~4、6および7を、表3に記載の熱処理温度で3時間保持して熱処理を行い、測定用試料を得た。各測定用試料の厚さは、表3の「アルミニウムクラッド材の厚さ」に記載の通りであった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
2.硬さ測定
表3に示す条件で作製した測定用試料(アルミニウムクラッド材10)の第1金属層11および第2金属層12について、マイクロビッカース硬度計を用いてビッカース硬さ(HV0.01)を測定した。JIS Z 2244:2009「ビッカース硬さ試験-試験方法」の規定に沿って、正四角錐のダイヤモンド圧子を試験片の表面に押し込み、その試験力を解除した後、表面に残ったくぼみの対角線長さからビッカース硬さを算出した。この規格では、試験力によって硬さ記号を変えることが定められており、ここでは、試験力0.01kgf(=0.09806N)のときのビッカース硬さ(HV0.01)を採用した。
【0060】
第1金属層11のビッカース硬さHVαの測定は、第1金属層11と第2金属層12との接合面15から0.1mmの位置(図2の位置P11)で測定を行った。また、第2金属層12のビッカース硬さHVβの測定は、接合面15から0.1mmの位置(図2の位置P12)で測定を行った。
HVα、HVβの測定では、作製した測定用試料から10mm×20mmの試料片を切り出した。試料片の断面が露出するようにアクリル樹脂で埋め込み、露出した断面をバフ研磨で鏡面研磨した。鏡面研磨した断面を光学顕微鏡で確認して、第1金属層11と第2金属層12との接合面15を特定し、その接合面15から第1金属層11へ方向Aに0.1mm離れた位置P11と、接合面15から第2金属層12へ、方向Bに0.1mm離れた位置P12を特定した(図2)。各位置において、ビッカース硬さを測定した。
【0061】
第1金属層11のビッカース硬さHVαと、第2金属層12のビッカース硬さHVβの測定結果を表4に示す。また、それらの測定結果から硬さの比(HVβ÷HVα)を算出して、表4に示した。なお、表4において、試料No.5~8の硬さの比(HVβ÷HVα)の値に下線を付しているのは、それらが本発明の規定を満たしていないことを示している。
【0062】
3.繰り返し曲げ試験
作成した測定用試料から、幅10mm×長さ100mmの試験片40(図5(a)、(b))を切り出して、繰り返し曲げ試験用サンプルとした。
繰り返し曲げ試験には、85mm×85mm×50mmのアルミ合金製直方体ブロックの四隅の少なくとも1ヶ所にR10の面取り加工を施し、繰り返し曲げ試験用の治具50とした(図5(a)、(b))。
治具50のR10面取りした角部52の弧中央52Cに、試験片40の長さ方向における中心40Cが接するように試験片40を配置した(図6(a))。このとき、試験片40の第1金属層41が治具50に接し、第2金属層42は接しないように配置した。
【0063】
図6(b)に示すように、治具50の角部52のR10の弧に沿わせるように、試験片40を曲げ加工した(「曲げ作業」と称する)。このとき、試験片40に均等に力を加えることができるように、試験片40の両端40E、40Eを、50mm×50mm×10mmのアルミ合金板(押さえ冶具60)で押圧した。
図7に示すように、曲げ加工後の試験片40を平坦な作業台70上に配置し、押さえ冶具60で上から押さえつけ、試験片40を平坦に伸ばした(「戻し作業」と称する)。このとき、作業台70の上面に試験片40の両端40E、40Eが接するように試験片40を配置し、上向きに湾曲した部分(試験片40の中心40C)を押さえ冶具60で下方向に押圧した。
【0064】
上記の曲げ作業とそれに続く戻し作業で曲げ試験1セットとし、各試験片40について、曲げ試験を30セット繰り返した。繰り返し曲げ試験が終わった後、試料片40の第2金属層42側の表面を肉眼観察し、幅方向の長さが5mm以上あるクラックの有無を確認した。当該クラックがある場合は、表4の「繰り返し曲げ試験(クラックの有無)」に「あり」と記載した。クラックが確認されない場合、または幅方向の長さが5mm未満のクラックのみが確認された場合は、表4に「なし」と記載した。
【0065】
4.残留抵抗比(RRR)
各測定用試料(アルミニウムクラッド材10)を2枚準備した。1枚は、第2金属層12側から研磨して第1金属層11のみを残した(第1測定試料)。もう1枚は、第1金属層11側から研磨して、第2金属層12のみを残した(第2測定試料)。第1測定試料および第2測定試料のそれぞれについて、残留抵抗比(RRR1およびRRR2)を測定した。
測定用試料を用いて、室温での電気比抵抗値ρrt(Ω・m)と、液体He温度(4.2K)での電気比抵抗値ρ4.2K(Ω・m)を四端子法により測定した。得られた電気比抵抗値を用いて、以下の式(4)から残留抵抗比(RRR)を求めた。

RRR=ρrt÷ρ4.2K (4)

各試料における第1金属層11のRRRの測定値(RRR1)、第2金属層12のRRRの測定値(RRR2)、およびそれらの測定値から算出した(RRR2÷RRR1)の値を、表5に示す。
【0066】
5.直径1μm以上の金属間化合物の100μm当たりの個数(個/100μm
表3に示す条件で作製した測定用試料(アルミニウムクラッド材10)の試料No.1、2について、第2金属層12に含まれる直径1μm以上の金属間化合物の個数を計測した。アルミニウムクラッド材10の第2金属層12の表面12xをバフ研磨で鏡面研磨した後、光学顕微鏡で500倍に拡大して写真撮影を行った。写真内の0.022mmの範囲(縦0.13mm×横0.17mm)について画像処理を行い、直径1μm以上の金属間化合物の個数をカウントし、100μm当たりの個数密度(個/100μm)を算出した。ここで「直径」は、写真上で観察される金属間化合物の各々について、重心を通る直径を2°刻みで測定し(90個の直径の測定値が得られる)、それら測定値を平均して求めた。
算出した個数密度を、表5の「直径1μm以上の金属間化合物」の「第2金属層(個/100μm)」の欄に記載した。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
試料No.1~4は、第1金属層11がアルミニウム合金から成り、第2金属層12が純度99.999質量%(5N)以上の純アルミニウムから成り、第1金属層11のビッカース硬さHVαが30以上、HVαに対する第2金属層12のビッカース硬さHVβの比(硬さの比(HVβ÷HVα))が0.2以下であった。その結果、繰り返し曲げ試験において、大きなクラック(幅方向に5mm以上のクラック)が発生せず、繰り返し応力負荷に対して優れた耐久性を示した。
【0070】
また、試料No.1、2では、RRR1に対するRRR2の比(RRR2÷RRR1)が5以上であり、また第2金属層12中における、直径1μm以上の金属間化合物が10個/100μm以下であった。そのため、試料No.1、2は、繰り返し応力負荷に対して、特に優れた耐久性を示しているものと考えられる。
【0071】
一方、試料No.5~8は、硬さの比(HVβ÷HVα)が0.3を超えていたため、繰り返し曲げ試験において、大きなクラック(幅方向に5mm以上のクラック)が発生した。
【符号の説明】
【0072】
10、20 アルミニウムクラッド材
11 第1金属層
12、12a、12b 第2金属層
12x 第2金属層の表面
15 接合面
110 第1金属材料
110b 第1金属材料の貼合せ面
120 第2金属材料
120b 第2金属材料の貼合せ面
40 試験片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7