(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、機器管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220531BHJP
【FI】
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2018051087
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】木ノ本 力
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-051087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器とローカル接続され、ネットワークを介して機器管理装置と接続される情報処理装置であって、
当該情報処理装置と前記情報機器との接続状態を判定する
判定手段であって、通知されたオンラインイベントにかかる情報機器が、当該情報処理装置が管理している機器情報にかかる前記情報機器と同一であるか否かに応じて、同一である場合は、第一の状態であると判定し、異なる場合は第二の状態であると判定する、当該判定手段と、
前記接続状態が
前記第一の状態である場合に、前記情報機器から取得した機器情報を前記機器管理装置に送信する機器情報送信手段と、
前記接続状態が
前記第二の状態である場合に、当該情報処理装置が管理している前記情報機器の機器情報を抹消する機器情報抹消手段と
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記第一の状態は、当該情報処理装置と前記情報機器とが有線または無線にて通信可能であり、かつ、前記情報機器が起動している状態であり、前記第二の状態は、当該情報処理装置と前記情報機器との有線または無線による通信が途絶えている状態および前記情報機器が停止している状態のいずれか一方または両方の状態である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、当該情報処理装置と前記情報機器との間の有線または無線の通信状態の変化、または、前記情報機器の電源状態の変化を検知するか、または、該変化に関する通知を受けることによって、前記第二の状態に変化したことを判定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記機器管理装置との通信に基づいて、前記情報機器に対する電源の制御を行う情報機器電源制御手段
をさらに含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報機器から取得した情報が、当該情報処理装置または当該情報処理装置に接続される外部の記憶装置に記憶される、請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報機器に対し、前記機器情報の収集に関する設定を行う設定手段と、
前記情報機器から、前記機器情報を取得する情報取得手段と
をさらに含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記接続状態が前記第一の状態から前記第二の状態に変化した後、機器情報を保持していないことを示す情報を保持する、請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記接続状態が前記第一の状態から前記第二の状態に変化した後、前記機器管理装置からの機器情報の送信要求
に応答して、機器情報を保持していないことを示す情報を前記機器管理装置に送信する、請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ローカル接続は、ユニバーサル・シリアル・バス接続である、請求項1~
8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報機器とローカル接続され、ネットワークを介して機器管理装置と接続される情報処理装置を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、
前記情報処理装置と前記情報機器との接続状態を判定する
判定手段であって、通知されたオンラインイベントにかかる情報機器が、当該情報処理装置が管理している機器情報にかかる前記情報機器と同一であるか否かに応じて、同一である場合は、第一の状態であると判定し、異なる場合は第二の状態であると判定する、当該判定手段、
前記接続状態が
前記第一の状態である場合に、前記情報機器から取得した機器情報を前記機器管理装置に送信する機器情報送信手段、および
前記接続状態が
前記第二の状態である場合に、当該情報処理装置が管理している前記情報機器の機器情報を抹消する機器情報抹消手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
情報機器とローカル接続され、前記情報機器の情報を管理する機器管理装置であって、
当該機器管理装置と前記情報機器との接続状態を判定する
判定手段であって、通知されたオンラインイベントにかかる情報機器が、当該機器管理装置が管理している機器情報にかかる前記情報機器と同一であるか否かに応じて、同一である場合は、第一の状態であると判定し、異なる場合は第二の状態であると判定する、当該判定手段と、
前記接続状態が
前記第一の状態である場合に、前記情報機器から取得した機器情報を記憶する記憶手段と、
前記接続状態が
前記第二の状態である場合に、当該機器管理装置が管理している前記情報機器の機器情報を抹消する機器情報抹消手段と
を含む、機器管理装置。
【請求項12】
情報機器とローカル接続され、前記情報機器の情報を管理する機器管理装置を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、
当該機器管理装置と前記情報機器との接続状態を判定する
判定手段であって、通知されたオンラインイベントにかかる情報機器が、当該機器管理装置が管理している機器情報にかかる前記情報機器と同一であるか否かに応じて、同一である場合は、第一の状態であると判定し、異なる場合は第二の状態であると判定する、当該判定手段、
前記接続状態が
前記第一の状態である場合に、前記情報機器から取得した機器情報を記憶する記憶手段、および
前記接続状態が
前記第二の状態である場合に、当該機器管理装置が管理している前記情報機器の機器情報を抹消する機器情報抹消手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、機器管理装置およびプログラムに関し、より詳細には、情報機器の情報を管理するための情報処理装置、機器管理装置、およびこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク・インタフェース・カードを装備し、かつ、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能を有する周辺機器(以下、ネットワーク機器と参照する。)を管理対象とする機器管理システムが知られている。また、最近では、パーソナル・コンピュータなどの情報処理装置に、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)などを介してローカル接続されている周辺機器(以下、ローカル情報機器)を、上述したネットワーク機器と同様に管理対象機器としたいという要望もある。そして、情報処理装置とローカル情報機器との接続間で、特定のプロトコル(USB通信など)や印刷言語(PJL言語など)の組み合わせを使って、情報処理装置がローカル情報機器から機器情報を取得する技術が既に知られている。
【0003】
上記に関連して、特許第5966368号明細書(特許文献1)および特許第5545399号明細書(特許文献2)が知られている。これらの特許文献1および特許文献2は、USBなどでパーソナル・コンピュータとローカルに接続されたローカル情報機器を、遠隔の機器管理装置から管理可能とする構成を開示する。
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、情報処理装置とローカル情報機器との間において、ローカル情報機器とのUSB通信などのローカル接続が途絶えた場合、機器管理装置または情報処理装置で管理されているローカル情報機器の機器情報が変更されず、適切に機器管理ができなくなってしまう場合があった。例えば、情報処理装置が、機器管理装置からの問い合わせに応答して古い情報を送信し続けてしまう可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、ローカル接続される情報機器との接続状態が変化した場合でも、該情報機器の機器情報を適切に管理することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、情報機器とローカル接続され、ネットワークを介して機器管理装置と接続される情報処理装置であって、下記特徴を有する情報処理装置を提供する。すなわち、情報処理装置は、当該情報処理装置と前記情報機器との接続状態を判定する判定手段を含む。情報処理装置は、また、上記接続状態が第一の状態である場合に、情報機器から取得した機器情報を機器管理装置に送信する機器情報送信手段を含む。情報処理装置は、さらに、上記接続状態が第二の状態である場合に、当該情報処理装置が管理している前記情報機器の機器情報を抹消する機器情報抹消手段を含む。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、ローカル接続される情報機器との接続状態が変化した場合でも、該情報機器の機器情報を適切に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態による機器管理システムの全体構成図。
【
図2】本実施形態による情報処理装置または機器管理装置として用いられる、コンピュータのハードウェア構成図。
【
図3】本実施形態による機器管理装置上で実現される、機器情報の管理に関連した機能ブロック図。
【
図4】本実施形態による情報処理装置上で実現される、機器情報の管理に関連した機能ブロック図。
【
図5】特定の実施形態による、オフラインイベントに基づいて情報処理装置とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システムにおける定期ポーリング処理を示すシーケンス図。
【
図6】特定の実施形態による、無通信チェックに基づいて情報処理装置とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システムにおける定期ポーリング処理を示すシーケンス図。
【
図7】特定の実施形態による、ローカル通信切断イベントに基づいて情報処理装置とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システムにおける定期ポーリング処理を示すシーケンス図。
【
図8】特定の実施形態による、オンラインイベントに基づいて情報処理装置とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システムにおける定期ポーリング処理を示すシーケンス図。
【
図9】特定の実施形態によるローカル情報機器の電源のオンおよび電源オフの指示に基づく機器管理システムにおける定期ポーリング処理を示すシーケンス図。
【
図10】機器管理システムにおける、情報処理装置にローカル接続された情報機器の機器情報を取得する典型的な処理を示すシーケンス図。
【
図11】典型的な機器管理システムが、ネットワーク接続された情報機器と同様なやり方で、情報処理装置にローカル接続された情報機器から機器情報を取得する典型的な処理を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態をもって説明するが、実施形態は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
以下、
図1~
図9を参照しながら、本実施形態による管理対象となる1または複数の情報機器を管理するための機器管理システムについて説明する。
【0011】
以下、まず、
図1を参照しながら、本実施形態による機器管理システム100の全体構成を説明する。
図1は、本実施形態による機器管理装置120および情報処理装置150を含む機器管理システム100の全体構成図である。
図1に示す機器管理システム100は、インターネット102に接続されるデータセンタ104と、インターネット102にルータなどを介して接続されるローカル・エリア・ネットワーク(以下、LANと参照する。)112上の複数の機器を含み構成される。
【0012】
データセンタ104は、ファームウェアやアプリケーションなどのソフトウェアの管理を行うとともに、これらのソフトウェアのアクティベーション/デアクティベーションといったライセンス認証を行うサーバ群を含み構成される。ここで、管理されるソフトウェアには、機器管理ソフトウェア、プリンタドライバなどのソフトウェアが含まれる。ファームウェアは、機器のアプリケーションなどのファームウェアをいう。アプリケーションは、例えばソフトウェア開発キット(Software Development Kit)で開発された、機器を制御するためのSDKアプリケーションをいう。
【0013】
LAN112は、官公庁、教育機関、企業などの組織110内に構築されたネットワークであり、LAN112には、複数のノードが接続される。
図1に示す例では、LAN112上のノードとして、1または複数の情報機器114,116と、管理者端末118と、機器管理装置120と、1または複数の情報処理装置150とが設置されている。
【0014】
これらの装置114,116,118,120,150は、LAN112を介して、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)プロトコルに基づくパケット通信により、相互に通信を行っている。上記LAN112は、特に限定されるものではないが、1000Base-TXのイーサネット(登録商標)やIEEE802.11などの規格の有線または無線のローカル・エリア・ネットワークを含むことができる。これらの装置114,116,118,120,150の一部または全部は、インターネット102を介して、データセンタ104に接続されている。
【0015】
機器管理装置120は、対象となる1または複数の情報機器を管理するための機器管理ソフトウェアが導入されたコンピュータであり、管理対象の情報機器を管理するための各種機能を備える。
【0016】
図1に示す、LAN112に接続された情報機器114,116は、ネットワーク・インタフェース・カードを備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral / Printer / Product)やプリンタ装置、ファクシミリ送受信装置、プロジェクタ、インタラクティブホワイトボードなどの機器である。情報機器114,116は、機器管理装置120の管理対象であり、機器管理装置120からの要求に応答して、自身の機器情報を送信する。
【0017】
管理者端末118は、機器管理装置120が提供する機器管理ソフトウェアのユーザ・インタフェースにリモートアクセスするための端末装置であり、システム管理者などにより機器管理システムを操作するために用いられる。なお、機器管理ソフトウェアのユーザ・インタフェースへのアクセスは、管理者端末118などの外部の端末装置に限定されるものではなく、機器管理装置120が備える表示装置および入力装置を介して行うこともできる。
【0018】
情報処理装置150は、利用者が一般的に使用するパーソナル・コンピュータなどのコンピュータ装置である。情報処理装置150は、USBケーブルなどを介して、1または複数の情報機器194a,194bにローカル接続されている。情報機器194は、情報処理装置150に接続された、USBポートなどを備える複合機、プリンタ装置、ファクシミリ送受信装置、プロジェクタ、インタラクティブホワイトボードなどの装置であるが、これらに特に限定されるものではない。
【0019】
なお、説明する実施形態では、ローカル接続として、有線のUSB接続を一例として説明し、好ましくは有線USB接続のローカル接続に対して適用することができるが、ローカル接続は、有線USB接続に限定されるものでない。1または複数の他の実施形態では、ワイヤレスUSB、Bluetooth(登録商標)などを含む他の有線または無線のコンピュータとデバイス間の任意の接続を対象とすることができる。
【0020】
図1に示す機器管理装置120にも、1または複数の情報機器192a,192bがローカル接続されている。説明する実施形態では、上述したネットワーク接続される情報機器(以下、ネットワーク情報機器と参照する場合がある。)114,116だけでなく、機器管理装置120にローカル接続される情報機器(以下、ローカル情報機器と参照する場合がある。)192a,192b、および、情報処理装置150にローカル接続されるローカル情報機器194a,194bが、機器管理装置120の管理対象となる。
【0021】
以下、本実施形態の機器管理システム100について詳細な説明を始める前に、まず、
図10を参照しながら、ローカル接続された情報機器の典型的な機器管理方法について説明する。
【0022】
図10は、機器管理システムにおける、情報処理装置にローカル接続された情報機器の機器情報を取得する典型的な処理を示すシーケンス図である。
【0023】
ステップS800では、機器管理装置は、情報処理装置に対し、LANなどのネットワークを介して、定期機器情報収集設定を依頼する。ステップS800では、情報処理装置は、ローカル情報機器に対し定期機器情報収集の設定を行う。
【0024】
情報機器は、ステップS802で、定期機器情報収集時刻が到来したことを検知すると、自身の機器情報を収集し、ステップS803で、自身がローカル接続される情報処理装置に対し、機器情報を送信する。ステップS804では、情報処理装置は、ローカル接続を介して、情報機器から受信した機器情報を例えば外部記憶装置に保存する。
【0025】
機器管理装置は、ステップS508で、スケジュールされた時刻が到来したことを検知し、定期ポーリングを開始し、ステップS806で、情報処理装置に対し、LAN112などのネットワークを介して、機器情報取得の依頼を送信する。このとき、情報処理装置以外にも、ネットワーク情報機器に対する機器情報取得依頼も行われるが、ここでは、説明を割愛する。
【0026】
これを受けて情報処理装置は、ステップS807で、対応するローカル情報機器の機器情報を外部記憶装置から取得する。情報処理装置は、ステップ808で、機器情報のうちの必要な部分だけをフィルタ-処理して抽出し、機器管理装置に対し、LAN112などのネットワークを介して、フィルタ処理後の機器情報を送信する。
【0027】
上述した処理の流れで、機器管理装置は、自身にネットワーク接続された情報処理装置にさらにローカル接続された情報機器の機器情報を取得することができるようになる。しかしながら、所定の事由で情報機器の定期収集が行われなかった場合に、情報処理装置の外部記憶装置に保管されている機器情報は、更新されないので、以下のような不具合が生じてしまう可能性がある。すなわち、機器管理装置が定期ポーリングを実施しても、情報機器の機器情報が更新されていないので、古い情報が返されてしまい、情報機器の保守を正しく行うことができない可能性がある。
【0028】
上記所定の事由としては、ローカル情報機器の電源が遮断されていた場合、USBなどのローカル通信が途絶えている場合、USBケーブルが抜けた場合、USBケーブルを別のUSB端子を差した場合、ローカル情報機器を入替えた場合などを挙げることができる。
【0029】
例えば、企業においては、業務終了時は、情報機器の電源をオフにするのが一般的であり、このような場合にUSB通信ができなくなる。また、USBケーブルは有線であるので、そのケーブルを足で引っ掛けたりした場合、USB端子からUSBケーブルが抜けることがあり、このような場合に、USB通信ができなくなる。さらに、USBケーブルを別のUSB端子を差した場合に、稀にUSBポート名が変わることがあり、このような場合、元のUSBポートとのUSB通信ができなくなる。さらに、ローカル情報機器の故障などを理由として機器入替えが行われたとき、機器情報の内容が変わり、この場合に、情報処理装置の外部記憶装置に保管されている機器情報と異なってしまい、新規の情報機器として扱われてしまう可能性がある。
【0030】
また、機器管理システムにおいて、
図11に示すような処理を行うことによって、ネットワーク接続された情報機器の場合と同様に、機器管理装置は、情報処理装置にローカル接続された情報機器から機器情報を取得することもできる。
【0031】
図11に示す処理においては、ステップS901で、機器管理装置は、定期ポーリングを開始する。ステップS902では、機器管理装置は、情報処理装置に対し、機器情報取得依頼を行う。ステップS903では、情報処理装置は、機器情報取得依頼に応答して、ローカル接続されたローカル情報機器から機器情報を取得し、機器管理装置に返答する。ステップS904では、機器管理装置は、受け取った機器情報を外部記憶装置などに記憶する。
【0032】
しかしながら、USB通信は、機器情報取得するためだけでなく、ローカル情報機器への印刷処理などの処理を行うためにも使われている。そのため、USB通信の通信速度が遅く、機器情報収集処理時間もかかるため、
図11に示すように機器管理装置側主導で頻繁に機器情報取得を行われると、ローカル情報機器への印刷処理などの性能が劣化する虞がある。そのため、
図10に示すように、印刷処理を行われていない隙間のタイミングで情報機器が機器情報収集処理を行い、収集した機器情報を情報処理装置に送信し、情報処理装置の外部記憶装置に一旦機器情報を保存し、定期ポーリングのタイミングで、機器管理装置へ渡しているというのが現状である。
【0033】
以下、上述した不具合を解消することができる、本実施形態による機器管理システム100の詳細について、
図2~
図9を参照しながら説明する。
【0034】
以下、
図2を参照しながら、まず、本実施形態による機器管理装置120および情報処理装置150のいずれかまたは両方として用いることができる、コンピュータのハードウェア構成について説明する。コンピュータ10は、典型的には、パーソナル・コンピュータ、サーバコンピュータなどの汎用コンピュータとして構成され得る。
【0035】
図2に示すコンピュータ10は、シングルコアまたはマルチコアのCPU(Central Processing Unit)12と、RAM(Random Access Memory)14と、ROM(Read Only Memory)16と、HDD(Hard Disk Drive)18と、ドライブ装置24と、通信装置26とを含み構成されている。また、コンピュータ10は、必要に応じて、入力装置20と、表示装置22とを含むことができる。
【0036】
CPU12は、コンピュータ10内部の処理などの全体制御を行う。RAM14は、CPU12の作業領域を提供する。ROM16は、BIOS(Basic Input / Output System)などの制御プログラムを記憶する。HDD18は、コンピュータ10を制御するためのOS(Operating System)、後述する機能部を実現するためのプログラムや各種システム情報や各種設定情報を格納する。HDD18は、SATA(Serial AT Attachment)インタフェースやUSBケーブルなどを介して接続されてもよい。ドライブ装置24には、記録媒体30が着脱可能に挿入され、ドライブ装置24は、挿入された記録媒体30に対する読み書きを行う。
【0037】
入力装置20は、マウス、タッチスクリーンパネルなどの入力装置である。表示装置22は、液晶ディスプレイ装置、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置である。入力装置20および表示装置22は、操作者からの各種指示の入力を受け付けるためのユーザ・インタフェースを提供することができる。通信装置26は、NIC(Network Interface Card)やUSBなどのインタフェース機器である。
図2に示す実施形態では、通信装置26は、コンピュータ10をキーボード32、情報機器194、LAN112などに接続させている。
【0038】
これらは、各回路がデータを交換するための共通の経路である内蔵バスや、適切なインタフェースを介して相互に接続される。本実施形態によるコンピュータ10は、ROM16やHDD18からプログラムを読み出し、RAM14が提供する作業空間に展開することにより、CPU12の制御の下、機器管理装置120または情報処理装置150として、後述する各部の機能および各処理を実現する。
【0039】
以下、
図3を参照しながら、まず、本実施形態による機器管理装置120における、ローカル情報機器を管理する機能について、より詳細に説明する。
図3は、本実施形態による機器管理装置120上で実現される、ローカル情報機器の機器情報の管理に関連した機能ブロックを示す。
【0040】
図3に示すように、機器管理装置120上の機能ブロック220としては、メイン処理部222と、UI制御部224と、機器情報制御部226と、機器情報取得制御部228と、機器設定制御部230と、機器検索部232と、機器通信制御部234と、ネットワーク通信監視部236とが含まれる。
【0041】
メイン処理部222は、機器管理のための各種タスク(検索、ポーリング、設定など)の制御を行う。UI制御部224は、Webブラウザ上で表示する機器管理画面の生成および表示の制御、並びにユーザーの操作の制御を行う。
【0042】
機器情報制御部226は、外部又は内部の記憶装置(RAM14やHDD18など)への機器情報の書き込み、記憶装置からの機器情報の取得、記憶装置に記憶された機器情報の抹消などの制御を行う。機器情報制御部226は、また、機器検索部232による機器検索、機器情報取得制御部228による機器情報取得および機器設定制御部230による機器設定の制御も行う。
【0043】
機器情報取得制御部228は、機器情報の取得(標準MIB(Management information base)やプライベートMIBを使ったSNMP(Simple Network Management Protocol)通信、WebServiceを使ったSOAP通信など)の制御を行う。機器設定制御部230は、機器への設定(MIBを使ったSNMP通信、WebServiceを使ったSOAP通信など)の制御を行う。機器検索部232は、機器の検索(ブロードキャスト、IPアドレス範囲指定の1:1通信など)の制御を行う。機器検索部232は、また、機器検索を行うプロトコル(標準MIBを使ったSNMP通信、USBプリンタのUSBポート検索など)の選定も行う。
【0044】
機器通信制御部234は、機器へのアクセスの制御(IPアドレスを使ったSNMP通信やSOAP通信、USBポートを使ったUSB通信)の制御を行う。ネットワーク通信監視部236は、自機と情報機器との通信(タイムアウト監視やプロトコル送受信管理など)を制御する。
【0045】
本実施形態による機器管理装置120の機能ブロック220は、さらに、ローカル通信制御部238と、ローカル通信監視部240とを含み構成される。
【0046】
ローカル通信制御部238は、USBポートを使った送受信管理などのUSB通信制御を行う。ローカル通信監視部240は、ローカル情報機器192からのオフライン通知受信制御、ローカル情報機器192からのオンライン通知受信制御、OSからのUSB通信切断通知受信制御およびUSB無通信の検出制御を行うことができる。
【0047】
上記ローカル通信監視部240は、当該機器管理装置120とそのローカル情報機器192との接続状態を判定する、本実施形態における判定手段を構成する。当該機器管理装置120が備えるHDD18やRAM14などの記憶装置は、当該機器管理装置120とそのローカル情報機器192との接続状態が通信可能を示す場合に、ローカル情報機器192から取得した機器情報を記憶する、本実施形態における記憶手段を構成する。上記機器情報制御部226は、当該機器管理装置120とそのローカル情報機器192との接続状態が通信不可を示す場合に、当該機器管理装置120が記憶手段に管理している当該ローカル情報機器の機器情報を抹消する、本実施形態における機器情報抹消手段を構成する。
【0048】
ここで、通信可能の状態とは、当該機器管理装置120と、ローカル情報機器192とが有線または無線にて通信可能であり、かつ、ローカル情報機器192が電源オンで起動している状態をいう。通信不可の状態とは、当該機器管理装置120とローカル情報機器192との有線または無線による通信が途絶えている状態およびローカル情報機器192が電源オフで停止している状態のいずれか一方または両方の状態をいう。
【0049】
上記ローカル通信監視部240は、ローカル情報機器192がシャットダウンされたことに応答して通知されるオフラインイベント、ローカル情報機器192との有線または無線の通信を試行した場合のローカル情報機器192からの応答、および、ローカル情報機器192との有線または無線の通信が切断されたことに応答して通知される通信切断イベントの少なくとも1つに基づいて、通信不可の状態に変化したことを検知することができる。
【0050】
以下、
図4を参照しながら、本実施形態による情報処理装置150における、ローカル情報機器を管理する機能について、より詳細に説明する。
図4は、本実施形態による情報処理装置150上で実現される、ローカル機器情報の管理に関連した機能ブロックを示す。
【0051】
図4に示すように、情報処理装置150上の機能ブロック250としては、オペレーティング・システム(以下、OSと参照する。)252と、OS252上に導入されたローカル接続制御ソフトウェア260とを含み構成される。
【0052】
このローカル接続制御ソフトウェア260は、USBなどのローカル接続状態やUSBを介して接続される情報機器194を監視するアプリケーションである。情報処理装置150には、予め、ローカル接続制御ソフトウェア260が、機器管理装置120などからリモートインストールされたり、インストールメディアを使ってインストールされたりしているものとする。なお、ローカル接続制御ソフトウェア260のインストール方法は、特に限定されるものではない。
【0053】
ローカル接続制御ソフトウェア260は、メイン処理部262と、機器情報制御部264と、機器情報取得制御部266と、機器設定制御部268と、機器検索部270と、SNMP通信制御部272と、ネットワーク通信監視部274とを含み構成される。
【0054】
メイン処理部262は、機器管理装置120からのローカル情報機器194に対する処理の制御を行う。機器情報制御部264は、外部または内部の記憶装置(RAM14やHDD18など)への機器情報の書き込み、記憶装置からの機器情報の取得、記憶装置に記憶された機器情報の抹消などの制御を行う。機器情報制御部264は、また、機器検索部270による機器検索、機器情報取得制御部266による機器情報取得および機器設定制御部268による機器設定の制御を行う。
【0055】
機器情報取得制御部266は、USB通信プロトコルなどのローカル通信プロトコルを用いた機器情報の取得の制御およびローカル機器からの定期的な機器情報の受信制御を行う。機器情報取得制御部266は、ローカル情報機器194から機器情報を取得する、本実施形態における情報取得手段を構成する。
【0056】
機器設定制御部268は、ローカル情報機器194に対し、定期的に機器情報を当該情報処理装置150に送信させる設定制御を行う。機器設定制御部268は、機器情報の収集に関する設定を行う、本実施形態における設定手段を構成する。機器検索部270は、OSが保有しているUSBプリンタのポートを検索する。
【0057】
SNMP通信制御部272は、機器管理装置120とのSNMP通信の制御を行う。ネットワーク通信監視部274は、自機と機器管理装置120との通信制御(タイムアウト監視、プロトコル送受信管理など)を行う。
【0058】
本実施形態による情報処理装置150の機能ブロック220は、さらに、ローカル通信制御部276と、ローカル通信監視部278とを含み構成される。
【0059】
ローカル通信制御部276は、USBポートを使った送受信管理などのUSB通信制御を行う。ローカル通信監視部278は、情報機器194からのオフライン通知受信制御、情報機器194からのオンライン通知受信制御、OS252からのUSB通信切断通知受信制御、USB無通信の検出制御を行う。
【0060】
上記ローカル通信制御部276は、当該情報処理装置150とそのローカル情報機器194との接続状態を判定する、本実施形態における判定手段を構成する。ネットワーク通信監視部274は、当該情報処理装置150とそのローカル情報機器194との接続状態が通信可能を示す場合に、ローカル情報機器194から取得した機器情報を機器管理装置120に送信する、本実施形態における機器情報送信手段を構成する。上記機器情報制御部264は、当該情報処理装置150とそのローカル情報機器194との接続状態が通信不可を示す場合に、当該情報処理装置150が記憶装置で管理しているローカル情報機器194の機器情報を抹消する、本実施形態における機器情報抹消手段を構成する。なお、情報機器から取得した機器情報は、当該情報処理装置150が備える記憶装置に記憶されてもよいし、当該情報処理装置150に接続される外部の記憶装置に記憶されてもよい。
【0061】
ここで、通信可能の状態とは、当該情報処理装置150と、ローカル情報機器194とが有線または無線にて通信可能であり、かつ、ローカル情報機器194が電源オンで起動している状態をいう。通信不可の状態とは、当該情報処理装置150とローカル情報機器194との有線または無線による通信が途絶えている状態およびローカル情報機器194が電源オフで停止している状態のいずれか一方または両方の状態をいう。
【0062】
上記ローカル通信監視部240は、ローカル情報機器194がシャットダウンされたことに応答して通知されるオフラインイベント、ローカル情報機器194との有線または無線の通信を試行した場合の情報機器194からの応答、および、情報機器194との有線または無線の通信が切断されたことに応答して通知される通信切断イベントの少なくとも1つに基づいて、通信不可の状態に変化したことを検知することができる。
【0063】
上記オフラインイベントは、ローカル情報機器194がシャットダウンする前に、USB通信切断を通知するために情報処理装置に送信される通知に基づいてOSにより生成されるイベントである。また、Windows(登録商標)などのOSは、USB特有の信号の検出手段により、設定された時間内にUSB特有の信号を検出されない場合に、USB通信切断と見なしている。USB通信切断イベントは、このような場合に、OS上に動作させているアプリケーションに対し通知されるイベントである。
【0064】
また、上記ローカル情報機器194から機器情報を取得する方法としては、以下の方法がある。Windows(登録商標)などのOSは、USBを介してプリンタやMFPなどの情報機器にデータの送受信する場合、プリンタージョブコントロール言語を使用する。プリンタージョブコントロール言語の中で、PJL(Printer Job Language)が知られているが、このPJLには、PJL言語に準拠したメーカー仕様に独自に機能拡張し、印刷する複数の文書の間に「別の用紙を挿入する機能(合紙機能)をプログラム」したりできるように構成されている。この機能拡張に機器情報を取得するコマンドを追加することで、プリンタやMFPである情報機器の機器情報を得ることができる。
【0065】
以下、
図5~
図9を参照しながら、1または複数の実施形態による、通信が不能となったローカル情報機器の機器情報を抹消し、機器管理装置120へ誤った情報を送信してしまうことを防止するための処理について、より詳細に説明する。
【0066】
図5は、特定の実施形態による、オフラインイベントに基づいて情報処理装置150とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システム100における定期ポーリング処理について説明する図である。
【0067】
図5に示す処理は、ステップS101で、ローカル情報機器194で電源がオフにされたことに応答して開始される。ローカル情報機器194は、ステップS101で、シャットダウン処理を実行し、ステップS103で、情報処理装置150に対しオフラインを通知する。オフラインの通知は、例えば、情報処理装置150に対し、@PJL ECHO POWEROFF <CR> <LF>といったPJLコマンドを送信することにより行うことができる。
【0068】
ステップS104では、情報処理装置150上では、OS252からローカル接続制御ソフトウェア260に対し、オフラインイベントが通知され、ローカル通信監視部278によりオフラインイベントが検知される。
【0069】
ステップS105では、情報処理装置150のローカル接続制御ソフトウェア260は、機器情報制御部264により、オフラインイベントにかかるローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、該当機器情報を抹消する。これにより、記憶装置は、当該ローカル情報機器194について機器情報を保持していないことを示す情報を保持することとなる。
【0070】
ここで、機器情報を抹消する指令について説明する。機器情報を抹消する指令は、情報機器を識別する情報を検索キーとした抹消用のコマンドである。OS252は、USBに接続したローカル情報機器の基本的な情報(例えば、USBポート名、メーカー名、シリアル番号、モデル名)を、OSの管理領域(Windows(登録商標)の場合はレジストリ)に保存している。情報処理装置150の記憶装置上では、機器情報は、これらの情報機器を識別する識別情報に関連付けて管理することができる。これらの情報をキーとして機器情報を抹消する指令を生成し、情報処理装置150の記憶装置に保存されているローカル情報機器の機器情報で一致したものだけ抹消することができる。
【0071】
あるいは、機器管理装置120からローカル接続制御ソフトウェア260が管理するローカル情報機器194の機器情報の取得依頼を受信するが、機器管理装置120からID(USBポート名とシリアル番号から生成されるID)を受信する実装がある。この場合に、情報処理装置150の記憶装置上では、機器情報は、このIDに関連付けて管理することができる。このIDをキーとして機器情報を抹消する指令を生成し、情報処理装置150の記憶装置に保存されているローカル情報機器の機器情報で一致したものだけ抹消することができる。
【0072】
図5に示すフローでは、機器管理装置120は、ステップS106で、定期ポーリングの開始時刻が到来したことを検知し、ステップS107で、情報処理装置150に対し、機器情報取得の依頼を送信する。このとき、情報処理装置150以外にもネットワーク情報機器114、116などに対する機器情報取得依頼が行われてもよい。
【0073】
これを受けて情報処理装置150のローカル接続制御ソフトウェア260は、ステップS108で、対応するローカル情報機器194に関連付けられた機器情報を記憶装置から取得する。ステップ109では、情報処理装置150のローカル接続制御ソフトウェア260は、機器情報のうちの必要な部分だけをフィルタ-処理して抽出し、機器管理装置120に対し、フィルタ処理後の機器情報を送信する。このとき、情報処理装置150の記憶装置に、当該ローカル情報機器194の機器情報がない場合は、機器情報なしを示す情報を保持していることとなり、機器情報なしを示す応答なし相当の情報が、機器管理装置120に送信される。
【0074】
図6は、特定の実施形態による、無通信チェックに基づいて情報処理装置150とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システム100における定期ポーリング処理について説明する図である。
【0075】
図6に示す処理は、ステップS201で、ローカル情報機器194で電源がオフされたことに応答して開始される。ステップS201では、ローカル情報機器194は、シャットダウン処理を実行し、これに応答して、
図5に示した場合とは異なりオフラインを通知せず、オフラインとなる(ステップS203)。
【0076】
ステップS204では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、なんらかの理由でオフライン通知を送信出来なかった場合に備えて、定期的なUSB無通信チェックを開始する。ステップS204では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、ローカル通信監視部278により通信チェックを行い、オフラインを検知する。ここで、通信チェックのメッセージに対する応答が一定時間以内に無い場合、オフラインとなった旨を検知する。
【0077】
ステップS206では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、機器情報制御部264により、無通信にかかるローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、機器情報を抹消する。以降のステップS207~ステップS210の処理は、
図5を参照して説明したステップS106~ステップ109の処理と同様である。
【0078】
図7は、特定の実施形態による、ローカル通信切断イベントに基づいて情報処理装置150とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システム100における定期ポーリング処理について説明する図である。
【0079】
図7に示す処理は、ステップS301で、情報処理装置150が、ローカル情報機器194とを接続するケーブルの引き抜きを検知したことに応答して開始される。ローカル接続制御ソフトウェア260は、なんらかの理由でUSBケーブルが抜かれた場合に備えてOS252からのローカル通信切断イベントを監視している。ステップS302では、情報処理装置150上では、OS252からローカル接続制御ソフトウェア260に対し、ローカル通信切断イベントが通知され、ローカル通信監視部278によりローカル通信切断イベントが検知される。
【0080】
ステップS303では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、ローカル通信切断イベントに応答して、機器情報制御部264により、ローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、機器情報を抹消する。以降のステップS304~ステップS307の処理は、
図5を参照して説明したステップS106~ステップ109の処理と同様である。
【0081】
図8、特定の実施形態による、ローカル情報機器194からのオンライン通知に基づいて情報処理装置150とローカル情報機器との間の接続状態を判定する場合の機器管理システム100における定期ポーリング処理について説明する。
【0082】
図8に示す処理は、ステップS401で、ローカル情報機器194の電源がオンになったことに応答して開始される。ローカル情報機器194は、ステップS402で、起動処理を実行し、ステップS403で、情報処理装置150に対しオンラインを通知する。オンラインの通知は、上記オフラインの通知と同様なPJLコマンドにより行うことができる。
【0083】
ステップS404では、情報処理装置150上では、OS252からローカル接続制御ソフトウェア260に対し、オンラインイベントが通知される。ステップS405では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、今回のオンラインイベントに含まれているIDと、外部記憶装置に保存されているID(前回の機器情報にかかるローカル情報機器のID)とが同一であるか否かを判定し、同一ではない場合、通信不可となったものとし、同一のポートに接続されたローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、機器情報を抹消する。記憶装置は、当該ローカル情報機器について機器情報を保持していないことを示す情報を保持することとなる。
【0084】
ステップS406では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、ローカル情報機器194に対し定期機器情報収集の設定を行う。設定方法の一例としては、PJL(Printer Job Language)を用いて、@PJL USTATUS DEVICEINFO = ON <CR><CF>といったコマンドを情報機器194に送信する方法を挙げることができる。
【0085】
ステップS407では、ローカル情報機器194は、定期機器情報収集時刻が到来したことを検知すると、自身の機器情報を収集する。ステップS408では、ローカル情報機器194は、自身がローカル接続される情報処理装置150に対し、機器情報を送信する。ステップS409では、情報処理装置150は、ローカル情報機器194から受信した機器情報を記憶装置に保存する。
【0086】
ステップS410で、機器管理装置120は、定期ポーリングの開始時刻が到来したことを検知し、ステップS411で、情報処理装置150のローカル接続制御ソフトウェア260に対し、機器情報取得の依頼を送信する。これを受けて、ローカル接続制御ソフトウェア260は、ステップS412で、対応するローカル情報機器194の機器情報を外部記憶装置から取得する。ステップ413では、情報処理装置150上のローカル接続制御ソフトウェア260は、機器情報のうちの必要な部分だけをフィルタ-処理して抽出し、機器管理装置120に対し、フィルタ処理後の機器情報を送信する。
【0087】
このとき、今回は、オンラインイベント後の処理なので、情報処理装置150の外部記憶装置には、当該ローカル情報機器194の機器情報があり、当該機器情報が、機器管理装置120に送信される。
【0088】
ローカル情報機器194の電源がオンにされたとき、情報処理装置150の外部記憶装置に古い機器情報を残されている場合がある。例えば、ローカル情報機器194が故障したとき、機器入替えとなる場合があり、定期機器情報収集が実施されるまでは、古い機器情報が機器管理装置120に送信されてしまう虞がある。これに対し、
図8に示すフローによれば、ポートに接続されたローカル情報機器の同一性を判定し、同一性が確認されなかった場合は、機器情報が抹消される。このため、古い機器情報が誤って送信されてしまうことが防止される。
【0089】
図9、他の実施形態によるローカル情報機器の電源のオンおよびオフの指示に基づく機器管理システム100における定期ポーリング処理について説明する。特定の実施形態において、ローカル情報機器が接続されている情報処理装置150は、機器管理装置120との通信に基づいて、ローカル情報機器194に対する電源の制御を行う情報機器電源制御手段を備えている。
【0090】
ステップS501では、機器管理装置120は、情報処理装置150に対し定期ポーリングの終了を通知する。ステップS502では、情報処理装置150上のローカル接続制御ソフトウェア260は、ローカル情報機器194に対し、電源断を指示する。ローカル情報機器194は、ステップS503で、シャットダウン処理を実行し、ステップS504で、情報処理装置150に対しオフラインを通知する。
【0091】
ステップS504では、情報処理装置150上では、OS252からローカル接続制御ソフトウェア260に対し、オフラインイベントが通知される。ステップS506では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、オフラインイベントにかかるローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、機器情報を抹消する。
【0092】
ステップS507では、機器管理装置120は、情報処理装置150に対し定期ポーリングの開始を指示する。ステップS508では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、ローカル情報機器194に対し、電源投入を指示する。ローカル情報機器194は、ステップS509で、起動処理を実行し、ステップS510で、情報処理装置150に対しオンラインを通知する。
【0093】
ステップS511では、情報処理装置150上では、OS252からローカル接続制御ソフトウェア260に対し、オンラインイベントが通知される。ステップS512では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、今回のオンラインイベントに含まれているIDと、記憶装置に保存されているID(前回の機器情報にかかるローカル情報機器のID)とが同一であるか否かを判定し、同一ではない場合、同一のポートに接続されたローカル情報機器194の機器情報を抹消する指令を記憶装置に発行し、機器情報を抹消する。ステップS513では、情報処理装置150は、ローカル情報機器194に対し定期機器情報収集の設定を行う。
【0094】
ステップS514では、ローカル情報機器194は、定期機器情報収集時刻が到来したことを検知すると、自身の機器情報を収集する。ステップS515では、ローカル情報機器194は、自身がローカル接続される情報処理装置150に対し、機器情報を送信する。ステップS516では、情報処理装置150は、ローカル情報機器194から受信した機器情報を外部記憶装置に保存する。
【0095】
ステップS517で、機器管理装置120は、定期ポーリングの開始時刻が到来したことを検知し、ステップS518で、情報処理装置150のローカル接続制御ソフトウェア260に対し、機器情報取得の依頼を送信する
【0096】
これを受けてローカル接続制御ソフトウェア260は、ステップS519では、対応するローカル情報機器194の機器情報を記憶装置から取得する。ステップ520では、ローカル接続制御ソフトウェア260は、機器情報のうちの必要な部分だけをフィルタ-処理して抽出し、機器管理装置120に対し、フィルタ処理後の機器情報を送信する。
【0097】
なお、上述まで
図5~
図9を参照しながら、機器管理装置120からの要求に応じて、情報処理装置150がローカル情報機器194の機器情報を取得して応答する場合について説明した。しかしながら、機器管理装置120自身が、自身に接続されたローカル情報機器192を管理することもできる。この場合、情報機器192に対する各処理の実行主体が機器管理装置120となり、外へ機器情報を送信せずに自身の記憶装置に保存するものとなるほかは、
図10に示したものと概ね同様の流れとなる。
【0098】
以上説明したように、上述までの実施形態によれば、ローカル接続される情報機器との接続状態が変化した場合でも、該情報機器の機器情報を適切に管理することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0099】
上述した実施形態によれば、機器管理装置120または情報処理装置150とローカル接続された情報機器との接続状態を判定し、接続状態が非通信状態(例えば、オフライン、電源オフやケーブル外れ、通信断など)となった場合に、当該機器管理装置120または情報処理装置150が管理している情報機器の機器情報を抹消する構成を採用する。このため、機器管理装置120からの問い合わせに対して古い機器情報を送信し続けてしまうことがない。ひいては、機器管理装置120は、常に最近の機器情報を取得することが可能であり、ローカル機器へのサービス(保守等)が容易となる。
【0100】
なお、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM、CD-RW、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0101】
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
100…機器管理システム、102…インターネット、104…データセンタ、112…LAN、114,116,ネットワーク情報機器、118…管理者端末、120…機器管理装置、150…情報処理装置、192,194…ローカル情報機器、220…機能ブロック、222…メイン処理部、224…UI制御部、226…機器情報制御部、228…機器情報取得制御部、230…機器設定制御部、232…機器検索部、234…機器通信制御部、236…ネットワーク通信監視部、238…ローカル通信制御部、240…ローカル通信監視部、250…機能ブロック、252…OS、260…ローカル接続制御ソフトウェア、262…メイン処理部、264…機器情報制御部、266…機器情報取得制御部、268…機器設定制御部、270…機器検索部、272…SNMP通信制御部、274…ネットワーク通信監視部、276…ローカル通信制御部、278…ローカル通信監視部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【文献】特開2013-232221号公報
【文献】特開2013-143037号公報